(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116688
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システム
(51)【国際特許分類】
A61K 31/165 20060101AFI20230815BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20230815BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230815BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20230815BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20230815BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230815BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20230815BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20230815BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
A61K31/165
A61K9/70 401
A61K47/32
A61K47/34
A61K47/14
A61K47/10
A61K47/18
A61P9/12
A61P25/02
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023097637
(22)【出願日】2023-06-14
(62)【分割の表示】P 2020519714の分割
【原出願日】2018-10-11
(31)【優先権主張番号】62/570,748
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17205538.6
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】300005035
【氏名又は名称】エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・エムゲンブロイフ
(72)【発明者】
【氏名】エヴァ-マリー・プリンツ
(72)【発明者】
【氏名】エルケ・クライン
(72)【発明者】
【氏名】ハイケ・クルス
(72)【発明者】
【氏名】グザヴィエ・トマ
(72)【発明者】
【氏名】リンダ・スー・ナートカー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムを提供する。
【解決手段】グアンファシン含有層構造が:A)バッキング層;およびB)グアンファシン含有層を含み;該経皮治療システムが、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む経皮治療システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、前記グアンファシン含有層構造は:
A)バッキング層;および
B)グアンファシン含有層;
を含み、
該経皮治療システムは、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む、前記経皮治療システム。
【請求項2】
グアンファシン含有層は:
i)グアンファシン;および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー
を含むグアンファシン含有マトリックス層である、
請求項1に記載の経皮治療システム。
【請求項3】
グアンファシン含有層構造は自己接着性であり、好ましくは、追加の皮膚接触層を含まない、
請求項1または2のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項4】
グアンファシン含有層構造におけるグアンファシンは、好ましくはグアンファシン含有層中に分散されている遊離塩基の形態で存在する、および/または
グアンファシン含有層構造は、グアンファシンを1mgから100mg/TTS、好ましくは8mgから72mg/TTSの量で含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項5】
グアンファシン含有層は、グアンファシンを、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から20重量%、より好ましくは3重量%から16重量%の量で含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項6】
グアンファシン含有層は、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを、グアンファシン含有層の総重量に基づいて20%重量%から99重量%、好ましくは30重量%から97重量%、最も好ましくは35重量%から94重量%の量で含み;
好ましくは、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーが、シリコーン相およびアクリレート相を60:40から40:60の重量比で含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項7】
シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物;
(b)エチレン性不飽和モノマー;および
(c)開始剤
の反応生成物を含むシリコーンアクリルのハイブリッド圧力感受性接着剤である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項8】
アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物は、
(a1)シリコーン樹脂、および
(a2)シリコーンポリマー、および
(a3)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有キャッピング剤
の縮合反応生成物を含み、
前記ケイ素含有キャッピング剤は一般式XYR’bSiZ3-bであり、ここで、Xは、Eが-O-または-NH-であるとともにAがアクリル基またはメタクリル基である一般式AEの一価の基であり、Yは、1個から6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、R’は、メチル基またはフェニル基であり、Zは、一価加水分解性有機基またはハロゲンであり、bは、0または1であり;
シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーは、反応させることで圧力感受性接着剤を形成し、ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが反応される前、最中または後に導入される、
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが縮合反応されることで圧力感受性接着剤を形成した後に、圧力感受性接着剤と反応する、またはケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーとその場で反応する、請求項7に記載の経皮治療システム。
【請求項9】
エチレン性不飽和モノマーは、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート、およびその組合せからなる群から選択され、前記化合物の各々は、アルキル基中に最大20個までの炭素原子を有し、エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルの、特に好ましくは40:60から70:30の比における組合せである、
請求項7または8のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項10】
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物;
(b)エチレン性不飽和モノマー;および
(c)開始剤
の反応生成物は、連続的アクリル外相および不連続的シリコーン内相を含有する、
請求項7~9のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項11】
グアンファシン含有層は、分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、
請求項1~10のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項12】
分散剤は、脂肪酸とポリオールとのエステル、脂肪アルコール、300から400の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテルからなる群から選択され、分散剤は、好ましくは、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテルである、請求項11に記載の経皮治療システム。
【請求項13】
浸透エンハンサーは、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(トランスクトール)、オレイン酸、レブリン酸、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸ラウリル、トリアセチン、ジメチルプロピレン尿素およびオレイルアルコールからなる群から選択され、好ましくはオレイルアルコールである、請求項11または12に記載の経皮治療システム。
【請求項14】
可溶化剤は、アクリルおよびメタクリル酸のエステルから誘導されるコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、およびポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群から選択され、好ましくはポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーである、請求項11~13のいずれか1項に記載の経皮治療シス
テム。
【請求項15】
グアンファシン含有層の面積重量は、40g/m2から250g/m2、好ましくは50g/m2から180g/m2を範囲とする;および/または
放出面積は、1cm2から100cm2、好ましくは2.5cm2から50cm2を範囲とする、
請求項1~14のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項16】
経皮送達によって定常状態で、1ng/mlから20ng/ml、好ましくは1ng/mlから15ng/mlのグアンファシンの血漿濃度を提供する、
請求項1~15のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項17】
約10から600ng*h/ml、好ましくは約20から400ng*h/mlのAUC0-24hを有する;および/または
約30から1800ng*h/ml、好ましくは約60から1200ng*h/mlのAUC0-72hを有する;および/または
約35から2100ng*h/ml、好ましくは約70から1400ng*h/mlのAUC0-84hを有する;および/または
3.5未満の、C84に対するCmax比を有する;および/または
3.0未満の、C72に対するCmax比を有する;および/または
2.0未満の、C24に対するCmax比を有する、
請求項1~16のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項18】
ヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のための、請求項1~17のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項19】
ヒト患者における、好ましくは6歳から17歳のヒト患者における、高血圧症または注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法におけるおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としての使用のための、請求項1~18のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項20】
経皮治療システムは、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される、請求項18または19のいずれか1項に記載の使用のための経皮治療システム。
【請求項21】
グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
10から600(ng/mL)hのAUC0-24、
30から1800(ng/mL)hのAUC0-72、
35から2100(ng/mL)hのAUC0-84、
2.0未満の、C24に対するCmaxの比、
3.0未満の、C72に対するCmaxの比、および
3.5未満の、C84に対するCmaxの比
からなる群から選択される1つまたはそれ以上の薬物動態学的パラメータを経皮送達によって提供する、前記経皮治療システム。
【請求項22】
グアンファシンの経皮投与によってヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のための、グアンファシンを含む経皮治療システムであって、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間患者の皮膚に適用される、前記経皮治療システム。
【請求項23】
経皮治療システムは、ヒト患者における、高血圧症もしくは注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法におけるおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としての使用のためである、請求項22に記載の使用のためのグアンファシンを含む経皮治療システム。
【請求項24】
経皮治療システムは、請求項21に記載の経皮治療システムである、請求項22または23に記載の使用のためのグアンファシンを含む経皮治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体循環へのグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システム(TTS)、ならびに製造のプロセス、処置の方法およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
活性薬剤グアンファシン(N-(アミノイミノメチル)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド、C
9H
9Cl
2N
3O、CAS番号29110-47-2としても知られている)は、高血圧症および注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置するために使用される交感神経遮断薬である。それは、中枢作用性アルファ(2)-アドレナリン作動性受容体アゴニストである。それは、以下の化学式を有する。
【化1】
【0003】
現在、グアンファシンは、例えば、1mgから4mgのグアンファシンを含む即時または制御放出錠剤の形態で市販されている。該錠剤は、1日1回投与に適当である。
【0004】
しかしながら、活性薬剤の経口投与は、例えば患者コンプライアンスの観点から不利な点を有する。さらに、一旦延長放出錠剤が経口摂取されると、例えば過剰投薬または不耐性の兆候に照らして治療を迅速に停止することは可能でない。
【0005】
そのため、グアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムの必要が存在する。特に、単一の適用での複数日治療に適当であり、それによって患者コンプライアンスを改善するTTSの必要が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、グアンファシンの経皮投与のためのTTSを提供することは、本発明の目的である。特に、治療有効用量を達成するのに十分である皮膚浸透率を提供するグアンファシンの経皮投与のためのTTSを提供することは、本発明の目的である。
【0007】
少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、治療有効量のグアンファシンを提供するグアンファシンの経皮投与のためのTTSを提供することは、本発明のさらなる目的である。特に、治療有効量が全体の時間期間にわたって提供され、ここで、TTSが皮膚に適用されて、ある特定の、例えば少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の適用時間後にTTSを交換することによって24時間処置を可能にすることは、本発明の目的である。
【0008】
グアンファシン血中血漿濃度の増減が、特に定常状態で経口投与と比較した場合に低減される、グアンファシンの経皮投与のためのTTSを提供することは、本発明のさらなる目的である。
【0009】
高度な活性成分利用を有するグアンファシンの経皮投与のためのTTSを提供することは、本発明のさらなる目的である。
【0010】
サイズおよび厚さの観点から好都合な適用の必要に応じる、ならびに/または製造するのに容易でありコスト効果的である、グアンファシンの経皮投与のためのTTSを提供することは、本発明の別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的および他の目的は、一態様によると、グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、前記グアンファシン含有層構造が:
A)バッキング層;および
B)グアンファシン含有層;
を含み、経皮治療システムが、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む経皮治療システムに関する本発明によって達成される。
【0012】
シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む本発明によるTTSは、一定および連続的なグアンファシン送達の観点から有利な特性を提供することが見出された。特に、本発明によるTTSは、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の時間期間にわたって、グアンファシンの適当な浸透率および適当な浸透量を提供する。
【0013】
ある特定の実施形態によると、本発明は、グアンファシン含有層が:
i)グアンファシン、および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー
を含むグアンファシン含有マトリックス層である、上に記載されている通りのグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムにも関する。
【0014】
ある特定の好ましい実施形態において、グアンファシン含有層構造は、分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む。
【0015】
1つの特定の態様によると、本発明は、グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、前記グアンファシン含有層構造が:
A)バッキング層;ならびに
B)以下を含むグアンファシン含有層、好ましくはグアンファシン含有マトリックス層;
i)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から13重量%の量でグアンファシン;
ii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて74重量%から89重量%の量で、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
iii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量で、少なくとも1種の分散剤;
iv)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量で、少なくとも1種の浸透エンハンサー;および
v)場合により、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から4重量%の量で、少なくとも1種の可溶化剤
を含む経皮治療システムに関する。
【0016】
本発明のある特定の実施形態によると、本発明による経皮治療システムは、ヒト患者を
処置する方法における使用のための、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のためのものである。特に、本発明による経皮治療システムは、高血圧症もしくは注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法における、および/またはヒト患者における、好ましくは6歳から17歳のヒト患者における刺激薬療法に対する補助治療としての使用のためのものである。これらの医学的使用に関連して、本発明によるTTSは、少なくとも24時間、より好ましくは少なくとも72時間、最も好ましくは約84時間の間患者の皮膚に適用される。
【0017】
ある特定の実施形態によると、本発明は、本発明による経皮治療システムを患者の皮膚に適用することによって、ヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法にさらに関する。特に、本発明は、本発明による経皮治療システムを患者の皮膚に適用することによって、ヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者における高血圧症または注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法に関する。これらの方法に関連して、本発明によるTTSは、少なくとも24時間、より好ましくは少なくとも72時間、最も好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用されることが好ましい。
【0018】
さらなる態様によると、本発明は、グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、経皮治療システムが、
10から600(ng/mL)hのAUC0-24、
30から1800(ng/mL)hのAUC0-72、
35から2100(ng/mL)hのAUC0-84、
2.0未満の、C24に対するCmax比
3.0未満の、C72に対するCmax比、および
3.5未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される1つまたはそれ以上の薬物動態学的パラメータを経皮送達によって提供する経皮治療システムに関する。
【0019】
なおさらなる態様によると、本発明は、グアンファシンの経皮投与によってヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のためのグアンファシンを含む経皮治療システムであって、経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間患者の皮膚に適用される経皮治療システムに関する。
【0020】
なおさらなる態様によると、本発明は、経皮治療システムを用いるグアンファシンの経皮投与によってヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のためのグアンファシンであって、経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間患者の皮膚に適用されるグアンファシンに関する。
【0021】
なおさらなる態様によると、本発明は、グアンファシンの経皮投与によってヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法であって、経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間患者の皮膚に適用される方法に関する。
【0022】
別の態様によると、本発明は:
1)少なくとも構成成分
i)グアンファシン;および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
を組み合わせることで、コーティング組成物を得る工程;
2)コーティング組成物をバッキング層または剥離ライナー上にコーティングするこ
とで、コーティングされたコーティング組成物を得る工程;ならびに
3)コーティングされたコーティング組成物を乾燥させることで、グアンファシン含有層を形成する工程
を含む、本発明による経皮治療システムにおける使用のためのグアンファシン含有層を製造するためのプロセスに関する。
【0023】
好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは溶液として提供され、ここで、溶媒は、酢酸エチルまたはn-ヘプタンであり、好ましくは酢酸エチルである。
【0024】
なお別の態様によると、本発明は、本発明によるプロセスによって得られる経皮治療システムに関する。
【0025】
定義
この発明の意味内で、「経皮治療システム」(TTS)という用語は、活性薬剤(例えば、グアンファシン)が経皮送達を介して体循環に投与されるシステムを指し、場合により存在する剥離ライナーを除去した後に患者の皮膚に適用される全体的な個々の投薬単位を指し、これは、活性薬剤含有層構造中に治療有効量の活性薬剤、および場合により活性薬剤含有層構造の上部に追加の接着剤オーバーレイを含む。活性薬剤含有層構造は、剥離ライナー(剥脱可能な保護層)上に位置することができ、したがって、TTSは、剥離ライナーをさらに含むことができる。この発明の意味内で、「TTS」という用語は、特に、例えばイオントフォレーシスまたはマイクロポレーションを介して能動的送達を排除する経皮送達を提供するシステムを指す。経皮治療システムは、経皮薬物送達システム(TDDS)または経皮送達システム(TDS)と称することもある。
【0026】
この発明の意味内で、「グアンファシン含有層構造」という用語は、治療有効量のグアンファシンを含有する層構造を指し、バッキング層および少なくとも1つのグアンファシン含有層を含む。好ましくは、グアンファシン含有層構造は、グアンファシン含有自己接着性層構造である。
【0027】
この発明の意味内で、「治療有効量」という用語は、TTSによって患者に投与される場合に、ヒト患者において、高血圧症もしくは注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置、防止または低減するのに十分である、または刺激薬療法に対する補助治療に十分である、TTS中の活性薬剤の定量を指す。TTSは通常、皮膚および体循環に実際に提供されるよりも多くの活性物を該システムに含有する。この過剰量の活性薬剤は、通常、TTSから体循環への送達のための十分な駆動力を提供するために必要である。
【0028】
この発明の意味内で、「活性物」および「活性薬剤」などという用語、同様に「グアンファシン」という用語は、任意の薬学的に許容される化学的および形態学的形態ならびに物理的状態におけるグアンファシンを指す。これらの形態としては、限定せずに、それの遊離塩基形態におけるグアンファシン、プロトン化または部分的にプロトン化されたグアンファシン、グアンファシン塩、および特に、無機酸または有機酸の添加によって形成される酸付加塩、例えばグアンファシン塩酸塩またはグアンファシン酒石酸塩、溶媒和物、水和物、クラスレート、共結晶、複合体など、同様にミクロン化、結晶性および/または非晶質であってよい粒子の形態におけるグアンファシン、ならびに前に記述の形態の任意の混合物が挙げられる。グアンファシンは、溶媒などの媒体に含有される場合、好ましくは、分散させる形態で存在する。
【0029】
グアンファシンが、TTSの製造において特別な形態で使用されると記述されている場合、これは、最終のTTSにおいて、この形態のグアンファシンとグアンファシン含有層構造、例えば塩形成または複合体化の他の成分との間の相互作用を排除しない。これは、
グアンファシンがそれの遊離塩基形態で含まれていても、それがプロトン化もしくは部分的にプロトン化された形態でもしくは酸付加塩の形態で最終のTTS中に存在することができること、またはそれが塩の形態で含まれているならば、その一部は最終のTTSにおいて遊離塩基として存在することができることを意味する。別段に表示されていない限り、特に、層構造におけるグアンファシンの量は、TTSの製造中にTTSに含まれるグアンファシンの量に関連し、遊離塩基の形態におけるグアンファシンに基づいて算出される。例えば、a)0.1mmol(24.61mgに等しい)のグアンファシン塩基またはb)0.1mmol(27.71mgに等しい)のグアンファシン塩酸塩が製造中にTTSに含まれる場合、層構造におけるグアンファシンの量は、本発明の意味内で、両方の場合24.06mg、即ち0.1mmolである。
【0030】
TTSの製造中にTTSに含まれるグアンファシン出発材料は、粒子の形態であってよい。グアンファシンは、例えば、活性薬剤含有層構造内に好ましくは均質に分散されている粒子の形態で、活性薬剤含有層構造中に存在することができる。
【0031】
この発明の意味内で、「粒子」という用語は、個々の粒子を含む固体の粒子状材料であって、寸法が材料と比較して無視できる粒子状材料を指す。特に、粒子は、非晶質および結晶性の材料を含めて、プラスチック/変形可能な固体を含めた固体である。
【0032】
この発明の意味内で、「分散させること」という用語は、出発材料(例えばグアンファシン)が溶解されていない、または完全に溶解されていない工程または工程の組合せを指す。本発明の意味における分散させることは、出発材料の可溶性(例えば、コーティング組成物におけるグアンファシンの可溶性)に依存して、出発材料(例えばグアンファシン粒子)の一部の溶解を含む。
【0033】
活性薬剤送達のためのTTSの2つの主な型、即ちマトリックス型TTSおよびリザーバー型TTSがある。マトリックス型TTSにおける活性薬剤の放出は、主に、活性薬剤それ自体を含めたマトリックスによって制御される。それとは対照的に、リザーバー型TTSは典型的に、活性薬剤の放出を制御する速度制御膜を必要とする。原則として、マトリックス型TTSも速度制御膜を含有することができる。しかしながら、マトリックス型TTSは、リザーバー型TTSと比較して、通常、速度決定膜が必要でないとともに用量ダンピングが膜破断により発生することがないという点において有利である。つまり、マトリックス型経皮治療システム(TTS)は、製造においてあまり複雑でなく、患者による使用に容易および好都合である。
【0034】
この発明の意味内で、「マトリックス型TTS」は、活性物がポリマー担体内で均質に溶解および/または分散されているシステムまたは構造、即ち、活性薬剤および場合により残りの成分でマトリックス層を形成するマトリックスを指す。こうしたシステムにおいて、マトリックス層は、TTSからの活性薬剤の放出を制御する。好ましくは、マトリックス層は、自立するのに十分な密着を有しているので、他の層との間のシーリングが必要とされない。したがって、活性薬剤含有層は、本発明の一実施形態において、活性薬剤含有マトリックス層であってよく、ここで、活性薬剤は、ポリマーマトリックス内で均質に分布されている。ある特定の実施形態において、活性薬剤含有マトリックス層は、一緒に積層することができる2つの活性薬剤含有マトリックス層を含むことができる。マトリックス型TTSは、特に、活性物が圧力感受性接着剤マトリックス内に均質に溶解および/または分散されるシステムを指す「接着剤中薬物」型TTSの形態であってよい。これに関連して、活性薬剤含有マトリックス層は、活性薬剤含有感圧接着剤層または活性薬剤含有感圧接着剤マトリックス層と称することもできる。重合性ゲル、例えばヒドロゲル内に溶解および/または分散させた活性薬剤を含むTTSは、本発明によるマトリックス型であるとも考えられる。
【0035】
液体活性薬剤含有リザーバーを有するTTSは、「リザーバー型TTS」という用語によって言及される。こうしたシステムにおいて、活性薬剤の放出は、好ましくは速度制御膜によって制御される。特に、リザーバーは、バッキング層と速度制御膜との間に密閉されている。したがって、活性薬剤含有層は、一実施形態において、好ましくは活性薬剤を含む液体リザーバーを含む活性薬剤含有リザーバー層であってよい。さらに、リザーバー型TTSは、典型的に、皮膚接触層を追加的に含み、ここで、リザーバー層および皮膚接触層は、速度制御膜によって分離することができる。リザーバー層において、活性薬剤は、好ましくは、エタノールもしくは水などの溶媒中またはシリコーン油中に溶解されている。皮膚接触層は、典型的に、接着特性を有する。
【0036】
リザーバー型TTSは、本発明の意味内でマトリックス型であると理解されるべきでない。しかしながら、薬物輸送および薬物送達の概念において均質の単相マトリックス型TTSおよびリザーバー型TTSと異なるマトリックス型TTSおよびリザーバー型TTSの混合形態であると当技術分野において考えられているマイクロリザーバーTTS(外部ポリマー相中に分散された内部の活性物含有相の堆積物(例えば、球体、液滴)を有する二相系)は、本発明の意味内でマトリックス型であると考えられる。マイクロリザーバー液滴の大きさは、必要とされる検出限界に依存して10倍から400倍の間の増大率で、異なる位置にてマイクロリザーバーの写真を撮ることによる光学顕微鏡測定によって(例えば、カメラ、例えばLeica DSC320を含めたLeica MZ16によって)決定することができる。マイクロリザーバーの大きさは、画像化分析ソフトウェアを使用することによって決定することができる。
【0037】
この発明の意味内で、「活性薬剤含有層」という用語は、活性薬剤を含有し、放出面積を提供する層を指す。該用語は、活性薬剤含有マトリックス層および活性薬剤含有リザーバー層を包含する。活性薬剤含有層が活性薬剤含有マトリックス層であるならば、前記層は、マトリックス型TTS中に存在する。ポリマーが圧力感受性接着剤であるならば、マトリックス層はTTSの接着剤層を表すこともできるので、追加の皮膚接触層は存在しない。代替として、追加の皮膚接触層が接着剤層として存在することができる、および/または接着剤オーバーレイが提供される。追加の皮膚接触層は、典型的に、それが活性薬剤フリーであるように製造される。しかしながら、濃度勾配により、活性薬剤は、平衡が達せられるまで時間をかけてマトリックス層から追加の皮膚接触層へ移動する。追加の皮膚接触層は、活性薬剤含有マトリックス層上に存在することができ、または膜、好ましくは速度制御膜によって活性薬剤含有マトリックス層から分離することができる。好ましくは、活性薬剤含有マトリックス層は、十分な接着特性を有することで、追加の皮膚接触層は存在しない。活性薬剤含有層が活性薬剤含有リザーバー層であるならば、前記層はリザーバー型TTS中に存在し、該層は、液体リザーバー中に活性薬剤を含む。加えて、追加の皮膚接触層は、好ましくは、接着特性を提供するために存在する。好ましくは、速度制御膜は、追加の皮膚接触層からリザーバー層を分離する。追加の皮膚接触層は、それが活性薬剤フリーまたは活性薬剤含有であるように製造することができる。追加の皮膚接触層が活性薬剤フリーであるならば、活性薬剤は、平衡が達せられるまで時間をかけてリザーバー層から皮膚接触層へ濃度勾配により移動する。追加的に、接着剤オーバーレイが提供されることがある。
【0038】
本明細書で使用される場合、活性薬剤含有層は、好ましくは活性薬剤含有マトリックス層であり、それは、最終の固化層に言及される。好ましくは、活性薬剤含有マトリックス層は、本明細書に記載されている通り、溶媒含有コーティング組成物をコーティングおよび乾燥させた後に得られる。代替として、活性薬剤含有マトリックス層は、溶融コーティングおよび冷却した後に得られる。活性薬剤含有マトリックス層は、所望の面積重量を提供するために同じ組成物の2つ以上のこうした固化層(例えば、乾燥または冷却させた層
)を積層することによって製造することもできる。マトリックス層は自己接着性である(感圧接着剤マトリックス層の形態で)、またはTTSは、十分な粘着を提供するために感圧接着剤の追加の皮膚接触層を含むことができる。好ましくは、マトリックス層は感圧接着剤マトリックス層である。場合により、接着剤オーバーレイは存在することができる。
【0039】
この発明の意味内で、「圧力感受性接着剤」(「PSA」とも省略される)という用語は、特に指圧を用いて接着し、恒久的に粘着性であり、強い保持力を発揮し、残留物を残すことなく滑らかな表面から除去可能であるべきである材料を指す。感圧接着剤層は、皮膚と接触している場合、「自己接着性」であり、即ち、皮膚への接着を提供するので、典型的に、皮膚上の固定のためのさらなる助剤は必要とされない。「自己接着性」層構造は、感圧接着剤マトリックス層の形態でまたは追加層の形態で提供することができる、皮膚接触のための感圧接着剤層、即ち感圧接着剤皮膚接触層を含む。接着剤オーバーレイもまた、接着を向上させるために用いることができる。圧力感受性接着剤の圧力感受性接着剤特性は、使用されるポリマーまたはポリマー組成物に依存する。
【0040】
この発明の意味内で、「シリコーンアクリルハイブリッドポリマー」という用語は、シリコーン亜種およびアクリレート亜種の繰り返し単位を含めた重合生成物を指す。シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、したがって、シリコーン相およびアクリル相を含む。好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーン相およびアクリレート相、即ちシリコーン亜種およびアクリレート亜種を、ある特定の重量比、例えば60:40から40:60で含む。「シリコーンアクリルハイブリッド」という用語は、シリコーンベースの亜種およびアクリレートベースの亜種の単純なブレンド以上のものを示すと意図される。代わりに、該用語は、一緒に重合されたシリコーンベースの亜種およびアクリレートベースの亜種を含む重合ハイブリッド種を示す。シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、アクリレートおよびアクリルのという用語が一般に、本発明において使用されるハイブリッドポリマーの文脈において相互交換可能に使用されるので、「シリコーンアクリレートハイブリッドポリマー」と称することもできる。
【0041】
この発明の意味内で、「シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤」という用語は、圧力感受性接着剤の形態におけるシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを指す。シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、例えば、EP2599847およびWO2016/130408に記載されている。シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤の例としては、Dow Corning(7-610Xおよび7-630X;X=1 n-ヘプタンベース/X=2 酢酸エチルベース)によってn-ヘプタンまたは酢酸エチル中で製造および供給されるPSAシリーズ7-6100および7-6300が挙げられる。シリコーンアクリルハイブリッドPSAが供給される溶媒に依存して、シリコーンまたはアクリル連続外相および対応する不連続内相を提供するシリコーン相およびアクリル相の配列は異なることが見出された。シリコーンアクリルハイブリッドPSAがn-ヘプタン中で供給されるならば、組成物は、連続的シリコーン外相および不連続的アクリル内相を含有する。シリコーンアクリルハイブリッドPSA組成物が酢酸エチル中で供給されるならば、組成物は、連続的アクリル外相および不連続的シリコーン内相を含有する。
【0042】
この発明の意味内で、「非ハイブリッドポリマー」という用語は、ハイブリッド種を含まないポリマーに対して同義的に使用される。好ましくは、非ハイブリッドポリマーは、圧力感受性接着剤(例えば、シリコーンベースまたはアクリレートベースの圧力感受性接着剤)である。
【0043】
この発明の意味内で、「アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物」という用語は、前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を
提供するシリコーン樹脂、シリコーンポリマー、およびケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物を含む。アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物は、アクリレート官能基のみ、メタクリレート官能基のみ、またはアクリレート官能基およびメタクリレート官能基の両方を含むことができると理解されるべきである。
【0044】
本明細書で使用される場合、活性薬剤含有マトリックス層は、少なくとも1種のポリマー中に堆積物(特に、液滴)の形態で分散させる活性薬剤-溶媒混合物を形成するため、少なくとも1種のポリマー中に溶解もしくは分散させた活性薬剤を含有するまたは溶媒中に溶解させた活性薬剤を含有する層である。好ましくは、少なくとも1種のポリマーは、ポリマーベースの圧力感受性接着剤(例えば、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤)である。この発明の意味内で、「圧力感受性接着剤層」という用語は、溶媒をフィルム上にコーティングおよび蒸発させた後に溶媒含有接着剤コーティング組成物から得られた圧力感受性接着剤層を指す。
【0045】
この発明の意味内で、「皮膚接触層」という用語は、投与中に患者の皮膚と直接接触する活性薬剤含有層構造に含まれている層を指す。これは、活性薬剤含有層であり得る。TTSが追加の皮膚接触層を含む場合、活性薬剤含有層構造の他の層は、皮膚と接触せず、自己接着特性を必ずしも有していない。上記で概説されている通り、活性薬剤含有層に付着されている追加の皮膚接触層は、時間をかけて活性薬剤の一部を吸収することができる。追加の皮膚接触層は、付着を増強するために使用することができる。追加の皮膚接触層および活性薬剤含有層の大きさは、通常、同延であり、放出面積に対応する。しかしながら、追加の皮膚接触層の面積は、活性薬剤含有層の面積よりも大きいこともある。こうした場合において、放出面積はまた、活性薬剤含有層の面積を指す。
【0046】
この発明の意味内で、「面積重量」という用語は、g/m2で提供される、特定の層の、例えばマトリックス層の乾燥重量を指す。面積重量値は、製造変動により±10%、好ましくは±7.5%の誤差を受ける。
【0047】
別段に示されていない限り、「%」は、重量%(重量%)を指す。
【0048】
この発明の意味内で、「ポリマー」という用語は、1種またはそれ以上のモノマーを重合することによって得られるいわゆる繰り返し単位からなる任意の物質を指し、モノマーの1つの型からなるホモポリマー、およびモノマーの2つ以上の型からなるコポリマーを含む。ポリマーは、コポリマー、例えば交互コポリマー、統計コポリマー、ブロックコポリマー、またはグラフトポリマーの場合における任意のモノマー配列の、線状ポリマー、スターポリマー、コームポリマー、ブラシポリマーなど任意の構築物であってよい。最小分子量は、ポリマー型に依存して変動し、当技術者に知られている。ポリマーは、例えば、2000ダルトン超、好ましくは5000ダルトン超、より好ましくは10,000ダルトン超の分子量を有することができる。それに応じて、2000ダルトン未満、好ましくは5000ダルトン未満、またはより好ましくは10,000ダルトン未満の分子量を有する化合物は、通常、オリゴマーと称される。
【0049】
この発明の意味内で、「架橋剤」という用語は、ポリマー内に含有される官能性基を架橋することができる物質を指す。
【0050】
この発明の意味内で、「接着剤オーバーレイ」という用語は、活性薬剤がなく、活性薬剤含有構造よりも面積が大きく、皮膚に接着する追加の面積を提供するが活性薬剤の放出面積を提供しない自己接着性層構造を指す。それによって、それはTTSの全体的接着特性を増強する。接着剤オーバーレイは、閉塞または非閉塞特性を提供することができるバ
ッキング層および接着剤層を含む。好ましくは、接着剤オーバーレイのバッキング層は、非閉塞特性を提供する。
【0051】
この発明の意味内で、「バッキング層」という用語は、活性薬剤含有層を支持する層または接着剤オーバーレイのバッキング物を形成する層を指す。TTSにおける少なくとも1つのバッキング層、および通常、活性薬剤含有層のバッキング層は、貯蔵および投与の期間中、該層に含有される活性薬剤に対して実質的に不浸透性であり、規制要件に従って活性損失または相互汚染を防止する。好ましくは、バッキング層は閉塞性でもあり、水および水蒸気に対して実質的に不浸透性であることを意味する。バッキング層のための適当な材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリウレタン、およびその混合物が挙げられる。適当なバッキング層は、したがって、例えばPETラミネート、EVA-PETラミネートおよびPE-PETラミネートである。好ましい実施形態において、バッキング層は、シリコーン化されたPET箔である。その上適当なのは、織成または不織のバッキング材料である。
【0052】
本発明によるTTSは、インビトロ皮膚浸透試験において測定される場合のある特定のパラメータを特徴とすることができる。
【0053】
一般に、インビトロ浸透試験は、Franz拡散細胞において、EVA膜(例えば9%酢酸ビニルおよび50μmの厚さ、好ましくは3Mによって提供される)を用いて、およびレセプター媒体(0.1%生理食塩水アジ化物を有する32℃)としてリン酸緩衝液pH5.5または7.4を用いて行われる。
【0054】
さらに、インビトロ浸透試験は、Franz拡散細胞において、ヒトまたは動物の皮膚を用いて、好ましくは800μmの厚さを有する皮節化されたスプリット厚のヒト皮膚および無傷の表皮を用いて、ならびにレセプター媒体が、例えば、60vol-%リン酸緩衝液pH5.5、30vol-%ジプロピレングリコールおよび10vol-%アセトニトリルを含有することができるように最大40vol-%の有機溶媒、例えばエタノール、アセトニトリル、イソプロパノール、ジプロピレングリコール、PEG400の添加の有無におけるリン酸緩衝液pH5.5または7.4(0.1%生理食塩水アジ化物を有する32℃)をレセプター媒体として用いて行われてよい。
【0055】
別段に示されていない場合、インビトロ浸透試験は、800μmの厚さを有する皮節化されたスプリット厚のヒト皮膚および無傷の表皮を用いて、およびレセプター媒体(0.1%生理食塩水アジ化物を有する32℃)としてリン酸緩衝液pH5.5を用いて行われる。レセプター媒体に浸透させた活性物の量は、サンプル体積を採取することによってUV光度検出器を用いて検証HPLC方法を使用して規則的な間隔で決定される。レセプター媒体は、サンプル体積を採取する時に新鮮な培地によって完全にまたは部分的に置き換えられ、浸透された活性物の測定量は、2つの最後のサンプル採取点の間に浸透された量に関連し、それまでに浸透された総量に関連しない。
【0056】
したがって、この発明の意味内で、「浸透量」というパラメータは、μg/cm2で提供され、ある特定の経過時間でサンプル間隔において浸透される活性物の量に関する。例えば、レセプター媒体に浸透される活性物の量が例えば0時間目、2時間目、4時間目、8時間目、12時間目および24時間目に測定されている、上に記載されている通りのインビトロ浸透試験において、活性物の「浸透量」は、例えば8時間目から12時間目のサンプル間隔で与えることができ、12時間目での測定に対応し、ここで、レセプター媒体は、8時間目に完全に交換されている。
【0057】
浸透量は、ある特定の時点で浸透された活性物の累積量に対応する「累積浸透量」として示すこともできる。例えば、レセプター媒体に浸透された活性物の量が、例えば0時間目、2時間目、4時間目、8時間目、12時間目および24時間目に測定された、上に記載されている通りのインビトロ浸透試験において、12時間目の活性物の「累積浸透量」は、0時間目から2時間目、2時間目から4時間目、4時間目から8時間目、および8時間目から12時間目の浸透量の和に対応する。
【0058】
この発明の意味内で、ある特定の経過時間でのある特定のサンプル間隔についての「皮膚浸透率」というパラメータは、μg/(cm2*h)で提供され、前記サンプル間隔の時間で割られた、μg/cm2で上に記載されている通りのインビトロ浸透試験によって測定された前記サンプル間隔における浸透量から算出される。例えば、上に記載されている通りのインビトロ浸透試験において、皮膚浸透率は、レセプター媒体に浸透された活性物の量が、例えば0時間目、2時間目、4時間目、8時間目、12時間目および24時間目に測定され、12時間目の「皮膚浸透率」は、4時間で割られた8時間目から12時間目のサンプル間隔における浸透量として算出される。
【0059】
「累積皮膚浸透率」は、累積浸透量を経過時間で割ることによってそれぞれの累積浸透量から算出することができる。例えば、レセプター媒体に浸透された活性物の量が、例えば0時間目、2時間目、4時間目、8時間目、12時間目および24時間目に測定された、上に記載されている通りのインビトロ浸透試験において、12時間目の「累積皮膚浸透率」は、12時間で割られた12時間目についての累積浸透量(上記を参照されたい)として算出される。
【0060】
この発明の意味内で、「浸透量」および「皮膚浸透率」(同様に「累積浸透量」および「累積皮膚浸透率」)という上記パラメータは、少なくとも3つのインビトロ浸透試験実験から算出された平均値を指す。別段に示されていない場合、これらの平均値の標準偏差(SD)は、式:
【数1】
(式中、nはサンプルサイズであり、{x
1、x
2、・・・x
n}は観察値であり、
【数2】
は観察値の平均値である)
を使用して算出された補正サンプル標準偏差を指す。
【0061】
本発明によるTTSは、インビボ臨床研究において測定された通りのある特定のパラメータを特徴とすることもできる。
【0062】
この発明の意味内で、「平均放出速度」というパラメータは、活性薬剤がヒト皮膚を介して体循環に放出される投与期間(例えば1日から7日)にわたるμg/h(μg/時、μg/時)またはmg/日での平均放出速度を指し、臨床研究における前記投与期間にわたって得られたAUCに基づいている。
【0063】
この発明の意味内で、「長時間期間」という用語は、少なくとももしくは約24時間、
少なくとももしくは約48時間、少なくとももしくは約72時間、少なくとももしくは約84時間、少なくとももしくは約1日、少なくとももしくは約2日、もしくは少なくとももしくは約3日、もしくは少なくとももしくは約3.5日の期間、または約24時間から約168時間、もしくは1日から7日(単数または複数)、もしくは約24時間から約84時間、もしくは1日から3.5日(単数または複数)の期間に関する。
【0064】
連続的な薬物処置について、薬物投与の頻度は、好ましくは、治療的に有効な血中血漿濃度を維持するように十分高く保持される。言い換えると、投薬間隔とも呼ばれる2つの剤形投与の間の間隔は、適宜適応される必要がある。本発明の意味内で、「投薬間隔」という用語は、2つの連続したTTS投与の間の時間期間、即ち、TTSが患者の皮膚に適用される2つの連続した時点の間の間隔を指す。一旦適用されると、TTSは通常、全的的な投薬間隔の間、患者の皮膚上に維持され、投薬間隔の終わりに除去されるだけであり、この時点で、新たなTTSが皮膚に適用される。例えば、投薬間隔が24時間または1日であるならば、TTSは、24時間または1日の間、患者の皮膚に適用および維持される。24時間または1日後、TTSは皮膚から除去され、新たなTTSが適用される。したがって、24時間または1日の投薬間隔は、24時間処置における1日TTS交換モードを可能にする。本発明によると好ましいのは、少なくとも72時間、好ましくは約84時間の投薬間隔である。患者の皮膚へのTTSの適用時間は、好ましくは、投薬間隔の時間と同一であり、これは、グアンファシンの一定投与が、TTSを交換するのとともに行われることを意味すると理解されるべきである。
【0065】
この発明の意味内で、「室温」という用語は、実験が行われる実験室において室内で見出される非変更温度を指し、通常15℃から35℃、好ましくは約18℃から25℃内にある。
【0066】
この発明の意味内で、「患者」という用語は、処置の必要を示唆する特別な症状(単数または複数)の臨床病態を表している、状態について防止的または予防的に処置される対象または処置されるべき状態と診断された対象を指す。好ましくは、患者は、6才から17才である。
【0067】
この発明の意味内で、「薬物動態学的パラメータ」という用語は、例えば、健康なヒト対象への活性薬剤含有TTS、例えばグアンファシン含有TTSの単一用量、多用量または定常状態投与によって、臨床研究において得られた血中血漿曲線、例えばCmax、CtおよびAUCt1-t2を記載するパラメータを指す。個々の対象の薬物動態学的パラメータは、算術平均および相乗平均、例えば平均Cmax、平均AUCtおよび平均AUCINF、ならびに追加の統計、例えばそれぞれの標準偏差および標準誤差、最小値、最大値、および値のリストがランク付けされる場合の中心値(中央)を使用して要約される。本発明の文脈において、薬物動態学的パラメータ、例えばCmax、CtおよびAUCt1-t2は、別段に示されていない限り、相乗平均値を指す。臨床研究におけるある特定のTTSについて得られた絶対平均値は、研究毎にある程度変動することは除外できない。研究間の絶対平均値の比較を可能にするため、参照製剤、例えば将来において、本発明に基づく任意の生成物は、内部標準として使用することができる。早期および後期の研究におけるそれぞれの参照生成物の放出面積当たりのAUCの比較は、研究毎の差異を考慮するための補正因子を得るために使用することができる。
【0068】
本発明による臨床研究は、医薬品規制調和国際会議(ICH)ならびに全ての適用可能な現地の優良臨床試験基準(GCP)および規制に完全に遵守して行われる研究を指す。
【0069】
この発明の意味内で、「健康なヒト対象」という用語は、55kgから100kgを範囲とする体重および18から29.4を範囲とする肥満度指数(BMI)ならびに正常の
生理学的パラメータ、例えば血圧などを有する男性または女性の対象を指す。本発明の目的のための健康なヒト対象は、ICHの推奨に基づくとともに従う包含および除外基準に従って選択される。
【0070】
この発明の意味内で、「対象集団」という用語は、少なくとも5人、好ましくは少なくとも10人の個々の健康なヒト対象を指す。
【0071】
この発明の意味内で、「相乗平均」という用語は、元のスケールに逆変換された対数変換データの平均を指す。
【0072】
この発明の意味内で、「算術平均」という用語は、観察の合計数で割られた観察の全ての値の和を指す。
【0073】
この発明の意味内で、「AUC」というパラメータは、血漿濃度-時間曲線下の面積に対応する。AUC値は、合計で血液循環に吸収された活性薬剤の量に比例し、それゆえ、生物学的利用能についての尺度である。
【0074】
この発明の意味内で、「AUCt1-t2」というパラメータは、(ng/ml)hで提供され、時間t1からt2の血漿濃度-時間曲線下の面積に関し、別段に表示されていない限り線形台形方法によって算出される。他の算出方法は、例えば、対数的および線形的対数台形方法である。
【0075】
この発明の意味内で、「Cmax」というパラメータは、(ng/ml)で提供され、活性薬剤の最大観察血中血漿濃度に関連する。
【0076】
この発明の意味内で、「Ct」というパラメータは、(ng/ml)で提供され、t時間目に観察された活性薬剤の血中血漿濃度に関連する。
【0077】
この発明の意味内で、「tmax」というパラメータは、hで提供され、Cmax値が達せられる時点に関連する。言い換えると、tmaxは、最大観察血漿濃度の時点である。
【0078】
この発明の意味内で、「平均血漿濃度」という用語は、(ng/ml)で提供され、各時点での、活性薬剤、例えばグアンファシンの個々の血漿濃度の平均である。
【0079】
この発明の意味内で、「コーティング組成物」という用語は、溶媒中にマトリックス層の全ての構成成分を含む組成物を指し、これは、バッキング層または剥離ライナーにコーティングされることで、乾燥にてマトリックス層を形成することができる。
【0080】
この発明の意味内で、「感圧接着剤組成物」という用語は、少なくとも溶媒(例えばn-ヘプタンまたは酢酸エチル)との混合物中における感圧接着剤を指す。
【0081】
この発明の意味内で、「溶解する」という用語は、清澄であるとともに裸眼に見えるようないずれの粒子も含有しない溶液を得るプロセスを指す。
【0082】
この発明の意味内で、「溶媒」という用語は、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレン、ヘキサン、n-ヘプタン、トルエンおよびその混合物などの揮発性有機液体である任意の液体物質を指す。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【
図1】0時間目から72時間目の間の、実施例1a~cに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図2】実施例2a~dに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図3】実施例3aおよび3bに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図4a】実施例4a~gに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図4b】実施例4a~gに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図5】実施例5a~cおよび比較例1に従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図6】実施例6a~eに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図7】実施例7a~dに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図8】実施例8aに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図9】実施例9a~cに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図10】比較例2aおよび2bに従って調製されたTTSのグアンファシン浸透量を示す図である。
【
図11】実施例10に従ってインビボ臨床研究において得られたグアンファシン血中血漿濃度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
TTS構造
本発明は、アンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、前記グアンファシン含有層構造が、a)バッキング層およびb)グアンファシン含有層を含み、経皮治療システムが、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む経皮治療システムに関する。このグアンファシン含有層構造は、好ましくはグアンファシン含有自己接着性層構造であり、好ましくは追加の皮膚接触層を含まない。特に、経皮治療システム中に存在し、好ましくは自己接着性層構造中に存在するシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、好ましくは接着特性を提供する。
【0085】
本発明によるTTSは、マトリックス型TTSまたはリザーバー型TTSであり得、好ましくはマトリックス型TTSである。
【0086】
本発明によるマトリックス型TTSにおいて、グアンファシンは、好ましくは、ポリマー担体、即ち、グアンファシンおよび場合により残りの成分とともにマトリックス層を形成するマトリックス内に均質に分散されている。したがって、グアンファシン含有層は、本発明の一実施形態において、グアンファシン含有マトリックス層であり得、ここで、グアンファシンは、ポリマーマトリックス内に均質に分散されている。ポリマーマトリックスは、好ましくは、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。したがって、グアンファシン含有マトリックス層は、グアンファシンおよびTTS中に存在するシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含むのが好ましい。これに関連して、グアンファシン含有マトリックス層は自己接着性であるので、追加の皮膚接触層は存在しないのもまた好ましい。グアンファシン含有マトリックス層が、実質的に同じ組成物である2つのグアンファシン含有マトリックス層を一緒に積層することによって調製されるならば、結果として得られた二重層は、1つのグアンファシン含有マトリックス層とみなさ
れるべきである。
【0087】
本発明によるリザーバー型TTSにおいて、グアンファシン含有層は、好ましくはグアンファシンを含む液体リザーバーを含むグアンファシン含有リザーバー層である。Tリザーバー型TTSは、典型的に皮膚接触層を追加として含み、ここで、リザーバー層および皮膚接触層は、好ましくは速度制御膜によって分離されている。シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、次いで、接着特性を提供する。好ましくは、皮膚接触層は、それがグアンファシンフリーであるように製造される。
【0088】
本発明の好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、
i)グアンファシン;および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
を含むグアンファシン含有マトリックス層である。
【0089】
したがって、一実施形態によると、本発明は:
A)バッキング層;ならびに
B)以下を含む、好ましくはグアンファシン含有マトリックス層であるグアンファシン含有層:
i)グアンファシン;および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
を含むグアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムに関する。
【0090】
グアンファシン含有層構造は、好ましくは、グアンファシン含有自己接着性層構造である。これに関連して、その上、グアンファシン含有層構造は、追加の皮膚接触層を含まないのが好ましい。代わりに、好ましくはグアンファシン含有マトリックス層であるグアンファシン含有層は、自己接着性であるのが好ましい。したがって、好ましい実施形態において、グアンファシン含有層構造は、グアンファシン含有自己接着性層構造であり、好ましくは、追加の皮膚接触層を含まない。代替としてまたは追加として、グアンファシン含有層は、バッキング層に直接付着されていることで、バッキング層とグアンファシン含有層との間に追加層がないのが好ましい。その結果として、低複雑性の層構造が得られ、これは、例えば製造のためのコストの観点から有利である。
【0091】
特に、グアンファシン含有層構造は、3つ以下の、好ましくは2つの層、即ち、好ましくはバッキング層およびグアンファシン含有層のみを含むのが好ましい。投与中のグアンファシン含有自己接着性層構造と患者の皮膚との間の十分な接着は、次いで、好ましくはグアンファシン含有マトリックス層であるグアンファシン含有層によって提供される。追加の皮膚接触層が、例えばグアンファシン含有層構造の第3の層として存在するならば、接着特性は、追加の皮膚接触層によって提供することができる。しかしながら、本発明によると、追加の皮膚接触層は存在しないのが好ましい。
【0092】
グアンファシン含有層構造の自己接着特性は、好ましくは、TTS中に、好ましくはグアンファシン含有層中に、より好ましくはグアンファシン含有マトリックス層中に存在する少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーによって提供される。したがって、本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーはシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である。本発明によるシリコーンアクリルハイブリッドポリマーに関するさらなる詳細は、下記でさらに提供されている。
【0093】
本発明によるTTSは、少なくとも治療有効量のグアンファシンを含有すると理解され
るべきである。したがって、本発明の好ましい実施形態において、グアンファシン含有層構造は、治療有効量のグアンファシンを含有する。グアンファシン含有層構造におけるグアンファシンは、好ましくは遊離塩基の形態で存在し、これは、好ましくはグアンファシン含有層中に分散されている。本発明によるTTSにおけるグアンファシンに関する好ましい実施形態は、下記でさらに提供されている。
【0094】
本発明によると、TTSの放出の面積は、1cm2から100cm2、好ましくは2.5cm2から50cm2を範囲とするのが好ましい。
【0095】
本発明の好ましい実施形態において、バッキング層は、実質的にグアンファシン不浸透性である。さらに、バッキング層は、上記で概説されている通りに閉塞性であるのが好ましい。
【0096】
本発明のある特定の実施形態によると、TTSは、接着剤オーバーレイをさらに含むことができる。この接着剤オーバーレイは、特に、グアンファシン含有層構造よりも面積が大きく、全体的な経皮治療システムの接着特性を増強するためにそこに付着されている。前記接着剤オーバーレイは、バッキング層および接着剤層を含む。接着剤オーバーレイは、皮膚に付着する追加の面積を提供するが、グアンファシンの放出の面積を増やさない。接着剤オーバーレイは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー、アクリレートポリマー、シリコーンポリマー、ポリイソブチレン、スチレン-イソプレン-スチレンコポリマー、およびその混合物からなる群から選択される自己接着性ポリマーまたは自己接着性ポリマー混合物を含み、これらは、グアンファシン含有層構造に含まれる任意のポリマーまたはポリマー混合物と同一または異なっていてよい。
【0097】
グアンファシン含有自己接着性層構造などの本発明によるグアンファシン含有層構造は、通常、剥脱可能な保護層(剥離ライナー)上に位置され、それは患者の皮膚の表面に適用される直前にここから除去される。したがって、TTSは、剥離ライナーをさらに含むことができる。このやり方で保護されたTTSは、通常、ブリスターパックまたは継ぎ目密閉パウチに貯蔵される。包装は、子供に安全および/または高齢者に優しくあり得る。
【0098】
グアンファシン含有層
より詳細に上記で概説されている通り、本発明によるTTSは、グアンファシン含有層を含むグアンファシン含有層構造を含む。好ましくは、グアンファシン含有層構造は、グアンファシン含有自己接着性層構造である。したがって、グアンファシン含有層は、自己接着性グアンファシン含有層、より好ましくは自己接着性グアンファシン含有マトリックス層であるのも好ましい。好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、治療有効量のグアンファシンを含む。
【0099】
本発明の一実施形態において、グアンファシン含有層は、グアンファシン含有マトリックス層である。別の実施形態において、グアンファシン含有層は、グアンファシン含有リザーバー層である。グアンファシン含有層は、グアンファシン含有マトリックス層であるのが好ましい。
【0100】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、
i)好ましくは遊離塩基の形態でグアンファシン;および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
を含む。
グアンファシン含有層に含有されている少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、本発明によるTTSに含有されている少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーであると理解されるべきである。
【0101】
好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、
i)好ましくは遊離塩基の形態でグアンファシン;および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
を含むグアンファシン含有マトリックス層である。
グアンファシン含有層に含有されている少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、本発明によるTTSに含有されている少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーであると理解されるべきである。
【0102】
好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤である少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。したがって、グアンファシン含有層は、好ましくはグアンファシン含有マトリックス層、特に好ましくはグアンファシン含有感圧接着剤マトリックス層である。
【0103】
本発明の一実施形態において、グアンファシン含有層は、好ましくは遊離塩基の形態でグアンファシンを分散させることによって得られる。結果として、本発明によるTTSのグアンファシン含有層は、典型的に、遊離塩基の形態でグアンファシンを含む。加えて、グアンファシンは、本発明のある特定の実施形態において、プロトン化形態で部分的に存在することができる。しかしながら、グアンファシン含有層におけるグアンファシンの少なくとも50mol%、好ましくは少なくとも75mol%は、遊離塩基の形態で存在するのが好ましい。特定の好ましい実施形態において、グアンファシン含有層におけるグアンファシンの少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%、より好ましくは少なくとも99mol%は、遊離塩基の形態で存在する。
【0104】
本発明の一実施形態において、本発明による経皮治療システムのグアンファシン含有層構造、好ましくはグアンファシン含有層、より好ましくはグアンファシン含有マトリックス層は、1mgから100mg/TTS、好ましくは8mgから72mg/TTSの量でグアンファシンを含む。好ましい実施形態において、グアンファシン含有層構造、好ましくはグアンファシン含有層、より好ましくはグアンファシン含有マトリックス層は、8mgから30mg/TTSの量で、例えば8mgから10mg/TTS、または17mgから19mg/TTSの量でグアンファシンを含む。言い換えると、グアンファシン含有層構造におけるグアンファシンの総量は、1mgから100mg/TTS、好ましくは8mgから72mg/TTS、より好ましくは8mgから30mg/TTS、例えば8mgから10mg/TTS、または17mgから19mg/TTSを範囲とする。
【0105】
別の実施形態において、グアンファシン含有層構造におけるグアンファシン充填量は、0.2mgから1.6mg/cm2、好ましくは0.4mgから1.2mg/cm2を範囲とする。さらに、TTSの放出の面積は、1cm2から100cm2、好ましくは2.5cm2から50cm2を範囲とするのが好ましい。
【0106】
本発明の一実施形態において、グアンファシン含有層は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から20重量%、好ましくは3重量%から16重量%、より好ましくは4重量%から14重量%、最も好ましくは5重量%から13重量%の量でグアンファシンを含む。特に好ましくは、グアンファシン含有層は、TTSの所望の投薬強度に依存して、グアンファシン含有層の総重量に基づいて4重量%から8重量%、好ましくは5重量%から7重量%の量で、または10重量%から14重量%、好ましくは11重量%から13重量%の量でグアンファシンを含む。
【0107】
グアンファシン含有層構造、好ましくはグアンファシン含有層は、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。上記で説明されている通り、シリコーン
アクリルハイブリッドポリマーは、シリコーン相およびアクリレート相を、好ましくは60:40から40:60の重量比で、最も好ましくは50:50の重量比で含む。シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、典型的に、(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含む性シリコーン含有圧力感受性接着剤組成物、(b)エチレン性不飽和モノマー;および(c)開始剤の反応生成物を含む。構成成分(a)、(b)および(c)に関するさらなる詳細は、下記でさらに提供されている。構成成分(a)は主にシリコーン相を形成し、一方、構成成分(b)は主にシリコーンアクリルハイブリッドポリマーのアクリレート相を形成すると理解されるべきである。アクリレート相は、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーの粘着性および粘度に影響を及ぼす。そのため、アクリレート相を形成するエチレン性不飽和モノマーは、好ましくは40:60から70:30の比における2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルの組合せであるのが好ましい。高い粘着性の観点から好ましいのは60:40の比であるが、粘度は従ってより低い。より高い粘度の観点から好ましいのは50:50の比であるが、粘着性は従って低減される。グアンファシン含有層におけるシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、好ましくは、連続的アクリル外相および不連続的シリコーン内相を含有する。
【0108】
本発明の一実施形態において、グアンファシン含有層は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを20重量%から99重量%、好ましくは30重量%から97重量%、最も好ましくは35重量%から94重量%の量で含む。好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを74重量%から94重量%、好ましくは74重量%から89重量%の量で含む。少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーの上記で示されている量は、1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを指すことができるが、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーの組合せも指すことができると理解されるべきである。したがって、所与の量は、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーの全体的な量を指す。
【0109】
本発明の好ましい一実施形態において、グアンファシン含有層は、1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーのみを、グアンファシン含有層の総重量に基づいて60重量%から97重量%の量で、好ましくは70重量%から94重量%の量で含む。
【0110】
本発明の別の好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーおよび第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含み、ここで、少なくとも2種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーの全体的な量は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて35重量%から94重量%、好ましくは74重量%から94重量%である。好ましくは、グアンファシン含有層は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて、第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを60重量%から90重量%の量で、および第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを1重量%から10重量%の量で含む。特に好ましい一実施形態において、グアンファシン含有層は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて、第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを70重量%から78重量%、好ましくは73重量%から75重量%の量で、および第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを1重量%から8重量%、好ましくは3重量%から5重量%の量で含む。別の特に好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて、第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを77重量%から85重量%、好ましくは79重量%から83重量%の量で、および第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを1重量%から8重量%、好ましくは3重量%から5重量%の量で含む。
【0111】
シリコーンアクリルハイブリッドポリマーに関する、特にアクリレート対シリコーン相の重量比に関する、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーが得られる構成成分に関す
る、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーが形成されるエチレン性不飽和モノマーに関する、ならびにアクリル外相およびシリコーン内相に関する上記で示されている優先度は、第1および第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーの両方に当てはまると理解されるべきである。特に、第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比は55:45から45:55であるとともに、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーは、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを55:45から45:55の比で含むのが好ましい。第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比は50:50であるとともに、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーは、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを50:50の比で含むのがより好ましい。他方では、第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比は55:45から45:55であるとともに、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーは、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを65:35から55:45の比で含むのが好ましい。第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比は50:50であるとともに、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーは、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを60:40の比で含むのがより好ましい。さらに、両方のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにとって、シリコーン相は内相であるとともにアクリレート相は外相であるのが好ましい。
【0112】
本発明によるTTS、特にグアンファシン含有層は、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーに加えて少なくとも1種の非ハイブリッドポリマー、好ましくは少なくとも1種の非ハイブリッド圧力感受性接着剤をさらに含むこともできると理解されるべきである。例として、非ハイブリッドポリマー(または非ハイブリッド圧力感受性接着剤)は、ポリシロキサン(即ち、シリコーンとも称されるシリコーンポリマー)、アクリレートポリマー(アクリレートとも称される)、ポリイソブチレン、またはスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーを含む。本発明の一実施形態において、非ハイブリッドポリマーは、ポリシロキサンまたはアクリレートに基づく圧力感受性接着剤である。したがって、本発明によると、グアンファシン含有層は、シリコーンおよびアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の非ハイブリッドポリマーをさらに含むのが好ましい。これらのポリマーに関する優先度は、さらに以下で定義されている。追加のポリマーは、密着および/または接着を増強するために添加することができる。
【0113】
本発明のある特定の実施形態において、グアンファシン含有層は、少なくとも1種の非ハイブリッドポリマーを、グアンファシン含有層の総重量に基づいて5重量%から50重量%、好ましくは20重量%から40重量%の量でさらに含む。少なくとも1種の非ハイブリッドポリマーが、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーに加えて存在するならば、グアンファシン含有層における全体的なポリマー含有量は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて好ましくは70重量%から99重量%、好ましくは75重量%から97重量%であると理解されるべきである。言い換えると、少なくとも1種の非ハイブリッドポリマーが、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーに加えて存在するならば、グアンファシン含有層は、好ましくは、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを、グアンファシン含有層の総重量に基づいて20重量%から94重量%、好ましくは35重量%から77重量%の量で含む。
【0114】
本発明のある特定の実施形態において、グアンファシン含有層は、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーおよび少なくとも1種の非ハイブリッドポリマーを、10:1から1:2、好ましくは2:1から1:2の重量比で含む。
【0115】
本発明の一実施形態において、本発明によるTTS、特にグアンファシン含有層は、少
なくとも1種の添加剤を含む。適当な添加剤は、さらなる詳細に下記に記載されており、好ましくは、各々は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%、または1重量%から10重量%の量で存在する。
【0116】
好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含む。好ましい実施形態において、少なくとも1種の添加剤、即ち各個々の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%、または1重量%から10重量%の量で存在する。好ましい一実施形態において、少なくとも1種の添加剤は分散剤である。別の好ましい実施形態において、少なくとも1種の添加剤は浸透エンハンサーである。なお別の好ましい実施形態において、少なくとも1種の添加剤は可溶化剤である。ある特定の好ましい実施形態において、前に記述の添加剤の組合せ、例えば分散剤および浸透エンハンサーの組合せ、または分散剤および可溶化剤の組合せ、または浸透エンハンサーおよび可溶化剤の組合せ、または分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤の組合せも好ましい。前に記述の添加剤は、均質に分散されているとともに放出可能な形態で、グアンファシンを提供するのに特に有利である。分散剤は、浸透エンハンサーとしても作用することができ、逆もまた同じであると理解されるべきである。同様に、可溶化剤は、追加として分散剤または浸透エンハンサーとして作用することもできる。さらに、可溶化剤は、TTS中のグアンファシン分散を安定化し、結晶化を回避する。さらに、可溶化剤は、TTSの密着を最適化するのに役立つことがある。ある特定の好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、少なくとも1種の分散剤および少なくとも1種の浸透エンハンサー、ならびに場合により、少なくとも1種の可溶化剤をも含む。
【0117】
好ましい一実施形態において、少なくとも1種の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から10重量%の量で存在する分散剤である。好ましくは、分散剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%、より好ましくは3重量%から5重量%の量で存在する。
【0118】
別の好ましい実施形態において、少なくとも1種の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から10重量%の量で存在する浸透エンハンサーである。好ましくは、浸透エンハンサーは、グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から9重量%、より好ましくは3重量%から5重量%の量で存在する。
【0119】
別の実施形態において、少なくとも1種の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%の量で存在する可溶化剤である。好ましくは、可溶化剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から4重量%、より好ましくは0.5重量%から3重量%の量で存在する。
【0120】
一実施形態において、本発明によるTTS、特にグアンファシン含有層、さらに特にグアンファシン含有マトリックス層は、分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤からなる群から選択される少なくとも2種の添加剤を含む。
【0121】
好ましい一実施形態において、経皮治療システム、特にグアンファシン含有層、さらに特にグアンファシン含有マトリックス層は、少なくとも2種の添加剤を含み、ここで、第1の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から10重量%の量で存在する分散剤であり、第2の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から10重量%の量で存在する浸透エンハンサーである。好ましくは、分散剤は1重量%から6重量%の量で存在し、浸透エンハンサーは2重量%から9重量%の量で存在する。より好ましくは、分散剤は3重量%から5重量%の量で存在し、浸透エンハンサーは3重量%から5重量%の量で存在する。
【0122】
別の好ましい実施形態において、経皮治療システム、特にグアンファシン含有層、さらに特にグアンファシン含有マトリックス層は、少なくとも2種の添加剤を含み、ここで、第1の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から10重量%の量で存在する分散剤であり、第2の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%の量で存在する可溶化剤である。好ましくは、分散剤は1重量%から6重量%の量で存在し、可溶化剤は0.5重量%から4重量%の量で存在する。より好ましくは、分散剤は3重量%から5重量%の量で存在し、可溶化剤は0.5重量%から3重量%の量で存在する。
【0123】
別の好ましい実施形態において、経皮治療システム、特にグアンファシン含有層、さらに特にグアンファシン含有マトリックス層は、少なくとも2種の添加剤を含み、ここで、第1の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から10重量%の量で存在する浸透エンハンサーであり、第2の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%の量で存在する可溶化剤である。好ましくは、浸透エンハンサーは2重量%から9重量%の量で存在し、可溶化剤は0.5重量%から4重量%の量で存在する。好ましくは、浸透エンハンサーは3重量%から5重量%の量で存在し、可溶化剤は0.5重量%から3重量%の量で存在する。
【0124】
一実施形態において、本発明によるTTS、特にグアンファシン含有層、さらに特にグアンファシン含有マトリックス層は、分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤からなる群から選択される少なくとも3種の添加剤を含む。
【0125】
一実施形態において、経皮治療システム、特にグアンファシン含有層、さらに特にグアンファシン含有マトリックス層は、少なくとも3種の添加剤を含み、ここで、第1の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から10重量%の量で存在する分散剤であり、第2の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から10重量%の量で存在する浸透エンハンサーであり、第3の添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%の量で存在する可溶化剤である。好ましくは、分散剤は1重量%から6重量%の量で存在し、浸透エンハンサーは2重量%から9重量%の量で存在し、可溶化剤は0.5重量%から4重量%の量で存在する。より好ましくは、分散剤は3重量%から5重量%の量で存在し、浸透エンハンサーは3重量%から5重量%の量で存在し、可溶化剤は0.5重量%から3重量%の量で存在する。
【0126】
本発明によるTTS、特にグアンファシン含有層、さらに特にグアンファシン含有マトリックス層における添加剤の数および添加剤の量に関する上記実施形態に関連して、以下の特定の添加剤が好ましい。
【0127】
好ましい実施形態において、分散剤は、脂肪酸とポリオールとのエステル、脂肪アルコール、300から400の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテルからなる群から選択され、ここで、分散剤は、好ましくは、2から10のEO単位、好ましくは2から6のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテルである。特に好ましい分散剤は、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(C12H25(OCH2CH2)4OH)である。この分散剤は、例えば、Merckから商標Brij L4(登録商標)下で入手可能である。
【0128】
好ましい実施形態において、浸透エンハンサーは、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(トランスクトール)、オレイン酸、レブリン酸、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸ラウリル、トリアセチン、ジメチルプロピレン尿素およびオレイルアルコー
ルからなる群から選択され、好ましくはオレイルアルコールである。オレイルアルコールは、例えば、BASFから商標Kollicream(登録商標)OAの下で入手可能である。
【0129】
好ましい実施形態において、可溶化剤は、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルから誘導されるコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ならびにポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群から選択される。好ましくは、可溶化剤は、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーから選択される。特に好ましい可溶化剤は、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーである。適当なポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーは、例えば、BASFから商標Soluplus(登録商標)下で入手可能であり、好ましくは、以下の構造式を有し、式中、l、mおよびnは、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される平均分子量が90000g/molから140000g/molの範囲であるように選択される。
【0130】
【0131】
ある特定の好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、各場合においてグアンファシン含有層の総重量に基づいて、少なくとも1種の分散剤を2重量%から6重量%の量で、少なくとも1種の浸透エンハンサーを2重量%から9重量%の量で、および場合により、少なくとも1種の可溶化剤を0.5重量%から4重量%の量で含む。好ましくは、グアンファシン含有層は、各場合においてグアンファシン含有層の総重量に基づいて、少なくとも1種の分散剤を3重量%から5重量%の量で、少なくとも1種の浸透エンハンサーを3重量%から5重量%の量で、および場合により、少なくとも1種の可溶化剤を0.5重量%から3重量%の量で含む。上記の好ましい重量%量に関連して、上記の好ましい分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤が好ましい。
【0132】
したがって、特に好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、各場合においてグアンファシン含有層の総重量に基づいて、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテル、好ましくはポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルを2重量%から6重量%の量で、オレイルアルコールを2重量%から9重量%の量で、および場合により、好ましくは上記に特定されている通りのポリビニルカプ
ロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを0.5重量%から4重量%の量で含む。最も好ましくは、グアンファシン含有層は、各場合においてグアンファシン含有層の総重量に基づいて、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテル、好ましくはポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルを3重量%から5重量%の量で、オレイルアルコールを3重量%から5重量%の量で、および場合により、好ましくは上記に特定されている通りのポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを0.5重量%から3重量%の量で含む。
【0133】
本発明の一実施形態において、グアンファシン含有層の面積重量は、40g/m2から250g/m2、好ましくは50g/m2から180g/m2、より好ましくは70g/m2から180g/m2、例えば75g/m2から150g/m2、または100g/m2から150g/m2を範囲とする。ある特定の好ましい実施形態において、面積重量は、80g/m2から120g/m2、好ましくは90g/m2から100g/m2を範囲とする。
【0134】
上記を考慮して、本発明は、一実施形態において、グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、前記層構造が:
A)バッキング層;ならびに
B)以下を含むグアンファシン含有層、好ましくはグアンファシン含有マトリックス層
i)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から13重量%の量でグアンファシン;
ii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて74重量%から89重量%の量で少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
iii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量で少なくとも1種の分散剤;
iv)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量で少なくとも1種の浸透エンハンサー;および
v)場合により、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から4重量%の量で少なくとも1種の可溶化剤
を含む経皮治療システムに関する。
この実施形態に関連して、グアンファシン含有層構造は、追加の皮膚接触層を含まないのがさらに好ましい。したがって、グアンファシン含有層、好ましくはグアンファシン含有マトリックス層は、好ましくは皮膚接触層を表し、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーにより感圧接着剤特性を有する。
【0135】
好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、
i)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から13重量%の量でグアンファシン;
ii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて74重量%から89重量%の量で少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
iii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量で、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテル;
iv)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量でオレイルアルコール;および
v)場合により、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から4重量%の量でポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー
を含むグアンファシン含有マトリックス層である。
【0136】
特に好ましい一実施形態において、グアンファシン含有層は、
i)グアンファシン含有層の総重量に基づいて11重量%から13重量%の量でグアンファシン;
ii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて73重量%から75重量%の量で第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー、およびグアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量で第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
iii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量で、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテル、好ましくはポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル;
iv)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量でオレイルアルコール;ならびに
v)グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から3重量%の量でポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含むグアンファシン含有マトリックス層である。
この実施形態に関連して、その上、上記で概説されている通りの第1および第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーに関する優先度が好ましい。特に、第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比は、55:45から45:55、好ましくは約50:50であるとともに、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーは、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを55:45から45:55、好ましくは50:50の比で含むのが好ましい。さらに、第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比は、55:45から45:55、好ましくは約50:50であるとともに、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーは、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを65:35から55:45、好ましくは60:40の比で含むのが好ましい。さらに、両方のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにとって、シリコーン相は内相であるとともにアクリレート相は外相であるのが好ましい。さらに、グアンファシン含有層の面積重量は、80g/m2から120g/m2、好ましくは90g/m2から100g/m2を範囲とするのが好ましい。
【0137】
別の特に好ましい実施形態において、グアンファシン含有層は、
i)グアンファシン含有層の総重量に基づいて5重量%から7重量%の量でグアンファシン;
ii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて79重量%から83重量%の量で第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー、およびグアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量で第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
iii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量で、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテル、好ましくはポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル;ならびに
iv)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量でオレイルアルコール
を含むグアンファシン含有マトリックス層である。
この実施形態に関連して、上記で概説されている通りの第1および第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーに関する優先度もまた好ましい。特に、第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比は、55:45から45:55、好ましくは約50:50であるとともに、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーは、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを
55:45から45:55、好ましくは50:50の比で含むのが好ましい。さらに、第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比は、55:45から45:55、好ましくは約50:50であるとともに、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーは、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを65:35から55:45、好ましくは60:40の比で含むのが好ましい。さらに、両方のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにとって、シリコーン相は内相であるとともにアクリレート相は外相であるのが好ましい。さらに、グアンファシン含有層の面積重量は、80g/m2から120g/m2、好ましくは90g/m2から100g/m2を範囲とするのが好ましい。
【0138】
グアンファシン
本発明によるTTSは、グアンファシン含有層構造を含み、前記グアンファシンは、A)バッキング層;およびB)グアンファシン含有層を含む層構造を含有し;ここで、経皮治療システムは、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。好ましくはグアンファシン含有マトリックス層であるグアンファシン含有層は、上記で詳細に記載されてきた。
【0139】
本発明の一実施形態において、グアンファシン含有層構造に含有されるグアンファシンの量は、1mgから100mg/TTS、好ましくは8mgから72mg/TTS、より好ましくは8mgから30mg/TTS、例えば8mgから10mg/TTS、または17mgから19mg/TTSを範囲とする。これに関するさらなる詳細は、上記で提供されてきた。
【0140】
本発明の一実施形態において、グアンファシン含有層構造は、好ましくは、治療有効量のグアンファシンを含有する。より好ましくは、治療有効量のグアンファシンは、グアンファシン含有層構造のグアンファシン含有層中に存在する。好ましくは、グアンファシン含有層構造におけるグアンファシンは、遊離塩基の形態で存在する。
【0141】
本発明の一実施形態において、TTSにおけるグアンファシンの総量の少なくとも50mol%、好ましくは少なくとも75mol%は、遊離塩基の形態で存在する。特定の好ましい実施形態において、TTSにおけるグアンファシンの総量の少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%、より好ましくは少なくとも99mol%は、遊離塩基の形態で存在する。したがって、グアンファシン含有層におけるグアンファシンの少なくとも50mol%、好ましくは少なくとも75mol%は、遊離塩基の形態で存在するのが好ましい。特定の好ましい実施形態において、グアンファシン含有層におけるグアンファシンの少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%、より好ましくは少なくとも99mol%は、遊離塩基の形態で存在する。ある特定の実施形態において、グアンファシン含有層はグアンファシン塩がない。
【0142】
ある特定の実施形態において、グアンファシン含有層におけるグアンファシンの量は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から20重量%、好ましくは3重量%から16重量%、最も好ましくは5重量%から13重量%、例えば11重量%から13重量%、または5重量%から7重量%を範囲とする。
【0143】
本発明の一実施形態において、グアンファシン含有層は、遊離塩基の形態でグアンファシンを分散させることによって得られる。グアンファシン含有層がグアンファシン含有マトリックス層であるならば、特に好ましくはシリコーンアクリルハイブリッドポリマー、および場合により、上記で定義されている通りの少なくとも1種の添加剤、特に少なくとも1種の分散剤を含む前記層は、好ましくは、ポリマー担体中に遊離塩基の形態でグアンファシンを分散させることによって得られる。
【0144】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、グアンファシンの薬学的に許容される塩、例えばグアンファシン塩酸塩またはグアンファシン酒石酸塩、好ましくはグアンファシン塩酸塩を含む。しかしながら、本発明によると、グアンファシン含有層におけるグアンファシンは、遊離塩基の形態で存在するのが好ましい。
【0145】
ある特定の実施形態において、グアンファシンは、定量的HPLCによって決定される場合に少なくとも95%の、好ましくは少なくとも98%の、より好ましくは少なくとも99%の純度を有する。定量的HPLCは、UV検出を用いる逆相HPLCで行うことができる。
【0146】
シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
本発明によるTTSは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、一緒に重合されているシリコーンベースの亜種およびアクリレートベースの亜種を含む重合ハイブリッド種を含む。シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、したがって、シリコーン相およびアクリル相を含む。好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤である。
【0147】
シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、通常、n-ヘプタンおよび酢酸エチルのような溶媒中で供給および使用される。圧力感受性接着剤の固形分は、通常、30%から80%の間である。当技術者は、固形分が、適当な量の溶媒を添加することによって修飾することができることを承知している。
【0148】
好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤におけるシリコーン対アクリレートの重量比は、5:95から95:5、または20:80から80:20、より好ましくは40:60から60:40であり、最も好ましくは、シリコーン対アクリレートの比は約50:50である。50:50のシリコーン対アクリレートの重量比を有する適当なシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、例えば、Dow Corningによって酢酸エチル中で供給される市販のシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤7-6102、シリコーン/アクリレート比50/50、および7-6302、シリコーン/アクリレート比50/50である。
【0149】
本発明による好ましいシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、25℃および酢酸エチル中約50%の固形分で、好ましくは50RPMでスピンドル番号5が備えられているブルックフィールドRVT粘度計を使用して測定された場合の約400cP超、もしくは約500cPから約3,500cP、特に約1,000cPから約3,000cP、より好ましいのは約1,200cPから約1,800、最も好ましいのは約1,500cP、または代替として、より好ましいのは約2,200cPから約2,800cP、もしくは最も好ましいのは約2,500cPの溶液粘度を特徴とする。
【0150】
これらのシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、0.1rad/sにて30℃で、好ましくはレオメーターに8mmのプレートおよびゼロとされたギャップが備えられているRheometrics ARESレオメーターを使用して測定される場合の約1.0e9ポアズ未満、もしくは約1.0e5ポアズから約9.0e8ポアズ、もしくはより好ましいのは約9.0e5ポアズから約1.0e7ポアズ、もしくは最も好ましいのは約4.0e6ポアズ、または代替として、より好ましいのは約2.0e6ポアズから約9.0e7ポアズ、もしくは最も好ましいのは約1.0e7ポアズの複素粘度も特徴とすることができる。
【0151】
Rheometrics ARESレオメーターを使用してレオロジー的挙動を測定するためのサンプルを調製するため、2グラムから3グラムの間の接着剤溶液は、SCOTCH-PAK 1022フルオロポリマー剥離ライナー上に注がれ、環境条件下で60分間放置される。接着剤の基本的に溶媒フリーのフィルムを達成するため、それらは、オーブン中に110℃+/-10℃で60分間置かれる。オーブンから除去し、室温に平衡化させた後、フィルムは、剥離ライナーから除去され、折り重ねられることで正方形を形成することができる。気泡を排出するため、フィルムは、Carverプレスを使用して圧縮することができる。サンプルは次いで、プレート間に充填され、30℃で1.5+/-0.1mmに圧縮される。過剰の接着剤は取り除かれ、最終のギャップが記録される。0.01rad/sから100rad/sの間の周波数掃引は、以下の設定で行うことができる:温度=30℃;ひずみ=0.5~1%、および3時点/10年で収集されるデータ。
【0152】
市販されている適当なシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤としては、Dow Corningによってn-ヘプタンまたは酢酸エチル中で製造および供給されるPSAシリーズ7-6100および7-6300が挙げられる(7-610Xおよび7-630X;X=1 n-ヘプタンベース/X=2 酢酸エチルベース)。例えば、50/50のシリコーン/アクリレート比を有する7-6102シリコーンアクリルハイブリッドPSAは、25℃および酢酸エチル中約50%の固形分で2,500cPの溶液粘度および0.1rad/sにて30℃で1.0e7ポアズの複素粘度を特徴とする。50/50のシリコーン/アクリレート比を有する7-6302シリコーンアクリルハイブリッドPSAは、25℃および酢酸エチル中約50%の固形分で1,500cPの溶液粘度および0.1rad/sにて30℃で4.0e6ポアズの複素粘度を有する。
【0153】
シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤が供給される溶媒に依存して、シリコーンまたはアクリル連続外相および対応する不連続内相を提供するシリコーン相およびアクリル相の配列は異なる。シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤がn-ヘプタン中で提供されるならば、該組成物は、連続的シリコーン外相および不連続的アクリル内相を含有する。シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤が酢酸エチル中で提供されるならば、該組成物は、連続的アクリル外相および不連続的シリコーン内相を含有する。シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤が提供される溶媒を蒸発させた後、結果として得られた圧力感受性接着剤フィルムまたは層の相配列は、溶媒含有接着剤コーティング組成物の相配列に対応する。例えば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤組成物における相配列の逆位を誘発し得る任意の物質の非存在下で、n-ヘプタン中のシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤から調製される圧力感受性接着剤層は、連続的シリコーン外相および不連続的アクリル内相を提供し、酢酸エチル中のシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤から調製される圧力感受性接着剤層は、連続的アクリル外相および不連続的シリコーン内相を提供する。該組成物の相配列は、例えば、シリコーン化された剥離ライナーに付着されているシリコーンアクリルハイブリッドPSA組成物から調製される圧力感受性接着剤フィルムまたは層を用いる剥離力試験において決定することができる。シリコーン化された剥離ライナーが、2つのシリコーン表面のブロックにより、圧力感受性接着剤フィルム(バッキングフィルムに積層されている)から除去することができないまたはほとんど除去することができないならば、圧力感受性接着剤フィルムは、連続的シリコーン外相を含有する。ブロックは、同様の表面エネルギーを含む2つのシリコーン層の付着に起因する。シリコーン接着剤は、シリコーン化されたライナー上の良好な展延を示し、そのため、ライナーへの良好な接着を作り出すことができる。シリコーン化された剥離ライナーが簡便に除去することができるならば、圧力感受性接着剤フィルムは連続的アクリル外相を含有する。アクリル系接着剤は、異なる表面エネルギーにより良好な展延を有さず、したがって、シリコーン化されたライナーへの低い接着を有するまたは接着をほとんど有さない。
【0154】
本発明の好ましい実施形態によると、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物から得られるシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤である。アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物は、アクリレート官能基のみ、メタクリレート官能基のみ、またはアクリレート官能基およびメタクリレート官能基の両方を含むことができると理解されるべきである。
【0155】
本発明のある特定の実施形態によると、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物、(b)エチレン性不飽和モノマー、および(c)開始剤の反応生成物を含む。即ち、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、これらの反応物((a)、(b)および(c))の間の化学反応の生成物である。特に、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物、(b)(メタ)アクリレートモノマー、および(c)開始剤の反応生成物(即ち、開始剤の存在下で)を含む。即ち、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、これらの反応物((a)、(b)および(c))の間の化学反応の生成物を含む。
【0156】
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物、(b)エチレン性不飽和モノマー、および(c)開始剤の反応生成物は、連続的シリコーン外相および不連続的アクリル内相を含有することができる、または(a)、(b)および(c)の反応生成物は、連続的アクリル外相および不連続的シリコーン内相を含有することができる。
【0157】
アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物(a)は、典型的に、ハイブリッド圧力感受性接着剤100重量部に基づき、5重量部から95重量部、より典型的には25重量部から75重量部の量で、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤に存在する。
【0158】
エチレン性不飽和モノマー(b)は、典型的に、ハイブリッド圧力感受性接着剤100重量部に基づき、5重量部から95重量部、より典型的には25重量部から75重量部の量で、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤に存在する。
【0159】
開始剤(c)は、典型的に、ハイブリッド圧力感受性接着剤100重量部に基づき、0.005重量部から3重量部、より典型的には0.01重量部から2重量部の量で、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤に存在する。
【0160】
本発明のある特定の実施形態によると、アクリレートまたはメタクリレート官能基(a)を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物は、(a1)シリコーン樹脂、(a2)シリコーンポリマー、および(a3)前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物を含む。シリコーン樹脂(a1)は、シリケート樹脂またはシリカ樹脂と称することもできる。好ましくは、シリコーンポリマー(a2)は、ポリシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサンである。(a1)および(a2)は、重縮合によってシリコーンベースの感圧接着剤を形成すること、ならびにアクリレートまたはメタクリレート官能基は、(a3)との反応によって導入されることが理解されるべきである。
【0161】
本発明のある特定の実施形態によると、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物(a)は:
(a1)シリコーン樹脂、
(a2)シリコーンポリマー、および
(a3)前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有キャッピング剤、ここで、前記ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’bSiZ3-bであり、ここで、
Xは、一般式AE-の一価の基であり
ここで、Eは、-O-または-NH-であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1個から6個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価の加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1である;
の縮合反応生成物を含み、
ここで、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーは、反応されることで圧力感受性接着剤を形成し、ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが反応される前に、最中にまたは後に導入され:
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが縮合反応されることで圧力感受性接着剤を形成した後に、圧力感受性接着剤と反応する;または
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーとその場で反応する。
【0162】
本発明のある特定の実施形態によると、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物は、感圧接着剤、および前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物を含む。即ち、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は、基本的に、前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有キャッピング剤でキャップまたは末端ブロックされている感圧接着剤であり、ここで、感圧接着剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーの縮合反応生成物を含む。好ましくは、シリコーン樹脂は、30重量部から80重量部の量で反応することで感圧接着剤を形成し、シリコーンポリマーは、20重量部から70重量部の量で反応することで感圧接着剤を形成する。これらの重量部の両方は、感圧接着剤100重量部に基づく。必要とされていないが、感圧接着剤は、触媒量の縮合触媒を含むことができる。多様なシリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが、感圧接着剤を構成するのに適当である。
【0163】
本発明のある特定の実施形態によると、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は:
(a)以下の縮合反応生成物を含むアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物:
(a1)シリコーン樹脂、
(a2)シリコーンポリマー、および
(a3)前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有キャッピング剤、ここで、前記ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’bSiZ3-bであり、ここで、
Xは、一般式AE-の一価の基であり
ここで、Eは、-O-または-NH-であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1個から6個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価の加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1であり;
ここで、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーは、反応されることで圧力感受性接着剤を形成し、ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが反応される前に、最中にまたは後に導入され:
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが縮合反応された後に圧力感受性接着剤と反応することで圧力感受性接着剤を形成する;または
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーとその場で反応する;
(b)エチレン性不飽和モノマー;ならびに
(c)開始剤
の反応生成物である。
【0164】
本発明において使用されるシリコーンアクリルハイブリッド組成物は:
(i)以下の縮合反応生成物を含むアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物を提供する工程:
シリコーン樹脂、
シリコーンポリマー、および
前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有キャッピング剤、ここで、前記ケイ素含有キャッピング剤は一般式XYR’bSiZ3-bであり、ここで、
Xは、一般式AE-の一価の基であり
ここで、Eは、-O-または-NH-であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1個から6個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価の加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1であり;
ここで、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーは、反応されることで圧力感受性接着剤を形成し、ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが反応される前に、最中にまたは後に導入され:
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが縮合反応された後に圧力感受性接着剤と反応することで圧力感受性接着剤を形成する;または
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーとその場で反応する;
(ii)エチレン性不飽和モノマー、および工程(i)のアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物を、開始剤の存在下で重合することで、場合により50℃から100℃、または65℃から90℃の温度で、シリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程
を含む方法によって調製されることによって記載することができる。
【0165】
エチレン性不飽和モノマー、およびアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物の重合中、シリコーン対アクリル比は、所望の通りに制御および最適化することができる。シリコーン対アクリル比は、該方法においておよびその最中に多種多様な機序によって制御することができる。1つのこうした機序の例示的な例は、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物へのエチレン性不飽和モノマーまたはモノマーの速度制御添加である。ある特定の用途において、アクリレートベースの亜種または全体的なアクリル含有量を超えるシリコーンベースの亜種または全体的なシリコーン含有量を有することが望ましくあり得る。他の用途において、その反対が真実であるのも望ましくあり得る。最終用途とは関係なく、一般に、すでに上に記載されている通り、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物は、好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッド組成
物100重量部に基づき、約5重量部から約95重量部、より好ましくは約25重量部から約75重量部、さらに好ましくは約40重量部から約60重量部の量で、シリコーンアクリルハイブリッド組成物中に存在するのが好ましい。
【0166】
本発明のある特定の実施形態によると、本発明において使用されるシリコーンアクリルハイブリッド組成物は:
(i)以下の縮合反応生成物を含むアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物を提供する工程:
シリコーン樹脂、
シリコーンポリマー、および
前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有キャッピング剤、ここで、前記ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’bSiZ3-bであり、ここで、
Xは、一般式AE-の一価の基であり
ここで、Eは、-O-または-NH-であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1個から6個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価の加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1であり;
ここで、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーは反応されることで圧力感受性接着剤を形成し、ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが反応される前に、最中にまたは後に導入され:
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが縮合反応された後に圧力感受性接着剤と反応することで圧力感受性接着剤を形成する;または
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーとその場で反応する;
(ii)エチレン性不飽和モノマー、および工程(i)のアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物を、第1の溶媒中で開始剤の存在下にて50℃から100℃の温度で重合することで、シリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程;
(iii)第1の溶媒を除去する工程;ならびに
(iv)第2の溶媒を添加することでシリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程、ここで、シリコーンアクリルハイブリッド組成物の相配列は、第2の溶媒の選択によって選択的に制御される
を含む方法によって調製されることによって記載することができる。
【0167】
本発明において使用されるシリコーンアクリルハイブリッドPSA組成物は:
(i)以下の縮合反応生成物を含むアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物を提供する工程:
シリコーン樹脂、
シリコーンポリマー、および
前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有キャッピング剤、ここで、前記ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’bSiZ3-bであり、ここで、
Xは、一般式AE-の一価の基であり
ここで、Eは、-O-または-NH-であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1個から6個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価の加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1であり;
ここで、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーは反応されることで圧力感受性接着剤を形成し、ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが反応される前に、最中にまたは後に導入され:
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが縮合反応された後に圧力感受性接着剤と反応することで圧力感受性接着剤を形成する;または
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーとその場で反応する;
(ii)エチレン性不飽和モノマー、および工程(i)のアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物を、第1の溶媒中で開始剤の存在下にて50℃から100℃の温度で重合することでシリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程;
(iii)加工溶媒を添加する工程、加工溶媒は、第1の溶媒よりも高い沸点を有する、ならびに
(iv)第1の溶媒の大部分が選択的に除去されるように、70℃から150℃の温度で熱を適用する工程;
(v)加工溶媒を除去する工程;ならびに
(vi)第2の溶媒を添加することでシリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程、ここで、シリコーンアクリルハイブリッド組成物の相配列は、第2の溶媒の選択によって選択的制御される
を含む方法によって調製されることによって記載することもできる。
【0168】
前の段落によるシリコーン樹脂は、式RX
3SiO1/2のトリオルガノシロキシ単位および式SiO4/2の四官能性シロキシ単位を、各四官能性シロキシ単位に対して0.1から0.9、好ましくは約0.6から0.9のトリオルガノシロキシ単位の比で含むコポリマーを含有することができる。好ましくは、各RXは、独立して、1個から6個の炭素原子、ビニル基、ヒドロキシル基またはフェニル基を有する一価の炭化水素基を示す。
【0169】
前の段落によるシリコーンポリマーは、少なくとも1つのポリジオルガノシロキサンを含むことができ、好ましくは、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドリド基、ビニル基、またはその混合物からなる群から選択される官能性基でエンドキャップされている(末端ブロックされている)。ジオルガノ置換基は、ジメチル、メチルビニル、メチルフェニル、ジフェニル、メチルエチル、(3,3,3-トリフルオロプロピル)メチル、およびその混合物からなる群から選択することができる。好ましくは、ジオルガノ置換基は、メチル基のみを含有する。ポリジオルガノシロキサンの分子量は、典型的に、約50,000から約1,000,000、好ましくは約80,000から約300,000を範囲とする。好ましくは、ポリジオルガノシロキサンは、末端ブロックするTRXASiO1/2単位で終端されているARXSiO単位を含み、ここで、ポリ-ジオルガノシロキサンは、25℃で約100センチポイズから約30,000,000センチポイズの粘度を有し、各A基は、RX、または1個から6個の炭素原子を有するハロ炭化水素基から独立して選択され、各T基は、RX、OH、HまたはORYからなる群から独立して選択され、各RYは独立して、1個から4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0170】
好ましいシリコーン樹脂および好ましいシリコーンポリマーの形態を使用する例として、感圧接着剤の1つの型は、以下によって作製される:
(i)ケイ素結合ヒドロキシル基を含有するとともに、存在する各SiO4/2単位に対して0.6から0.9のRX
3SiO1/2単位のモル比で、RX
3SiO1/2単位およびSiO4/2単位から必須になる、包括的に30重量部から80重量部の少なくとも1つの樹脂コポリマー、(ii)末端ブロックするTRXASiO1/2単位で終端され
ているARXSiO単位を含む、約20重量部から約70重量部の間の少なくとも1つのポリジオルガノシロキサン、ここで、ポリジオルガノシロキサンは、25℃で約100センチポイズから約30,000,000センチポイズの粘度を有し、各RXは、包括的に1個から6個の炭素原子の炭化水素基からなる群から選択される一価の有機基であり、各A基は、RX、または包括的に1個から6個の炭素原子を有するハロ炭化水素基から独立して選択され、各T基は、RX、OH、HまたはORYからなる群から独立して選択され、各RYは独立して、包括的に1個から4個の炭素原子のアルキル基である;(iii)その上末端ブロック剤として全体を通して称され、下に記載されており、シラノール含有量または5,000ppmから15,000ppmの範囲、より典型的には8,000ppmから13,000ppmにおける濃度を提供できる、ケイ素含有キャッピング剤の少なくとも1つの十分な量、望ましい場合、(iv)(ii)によって何も提供されていない場合には温和なシラノール縮合触媒の追加の触媒量、および必要な場合、(v)(i)、(ii)、(iii)および(iv)の混合物の粘度を低減するため(i)、(ii)、(iii)および(iv)に関して不活性である有機溶媒の有効量を混合すること、ならびに少なくともケイ素含有キャッピング剤または薬剤の実質量が(i)および(ii)のケイ素結合ヒドロキシル基およびT基と反応するまで(i)、(ii)、(iii)および(iv)の混合物を縮合すること。追加の有機ケイ素末端ブロック剤は、本発明のケイ素含有キャッピング剤または薬剤(iii)と併せて使用することができる。
【0171】
前の段落によるケイ素含有キャッピング剤は、アクリレート官能性シラン、アクリレート官能性シラザン、アクリレート官能性ジシラザン、アクリレート官能性ジシロキサン、メタクリレート官能性シラン、メタクリレート官能性シラザン、メタクリレート官能性ジシラザン、メタクリレート官能性ジシロキサン、およびその組合せの群から選択することができ、一般式XYR’bSiZ3-bであるとして記載することができ、ここで、Xは、一般式AE-の一価の基であり、ここでEは、-O-または-NH-であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、Yは、1個から6個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、R’は、メチルまたはフェニル基であり、Zは、一価の加水分解性有機基またはハロゲンであり、bは、0、1または2である。好ましくは、一価の加水分解性有機基は、一般式R”0-であり、ここで、R”はアルキレン基である。最も好ましくは、この特別な末端ブロック剤は、3-メタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、
3-メタクリロキシプロピルジクロロシラン、3-メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、
3-メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)ジメチルメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)トリメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)ジメチルエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシ-プロピルトリイソプロポキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジメチルシラザン、3-アクリロキシ-プロピルジメチルクロロシラン、3-アクリロキシプロピルジクロロシラン、3-アクリロキシプロピル-トリクロロシラン、3-アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3-アクリロキシ-プロピルメチルジメトキシシラン、
3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピル-ジメチルシラザン、およびその組合せ
の群から選択される。
【0172】
前の段落によるエチレン性不飽和モノマーは、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を
有する任意のモノマーであってよい。好ましくは、前の段落によるエチレン性不飽和モノマーは、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート、およびその組合せからなる群から選択される化合物であってよい。該化合物、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレートおよび脂環式メタクリレートの各々は、アルキル基を含むと理解されるべきである。これらの化合物のアルキル基は、最大20個までの炭素原子を含むことができる。エチレン性不飽和モノマーの1つとして選択することができる脂肪族アクリレートは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、アクリル酸ヘキシル、2-エチルヘキシルアクリレート、iso-オクチルアクリレート、iso-ノニルアクリレート、iso-ペンチルアクリレート、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、およびその混合物からなる群から選択される。エチレン性不飽和モノマーの1つとして選択することができる脂肪族メタクリレートは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、メタクリル酸ヘキシル、2-エチルヘキシルメタクリレート、iso-オクチルメタクリレート、iso-ノニルメタクリレート、iso-ペンチルメタクリレート、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、およびその混合物からなる群から選択される。エチレン性不飽和モノマーの1つとして選択することができる脂環式アクリレートは、アクリル酸シクロヘキシルであり、エチレン性不飽和モノマーの1つとして選択することができる脂環式メタクリレートは、メタクリル酸シクロヘキシルである。
【0173】
シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤を調製するために使用されるエチレン性不飽和モノマーは、1つ超のエチレン性不飽和モノマーであり得ると理解されるべきである。即ち、エチレン性不飽和モノマーの組合せは、重合すること、より具体的にはアクリレートまたはメタクリレート官能基および開始剤を含むケイ素含有感圧接着剤組成物と一緒に共重合することができる。本発明のある特定の実施形態によると、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤は、好ましくは2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルの群から選択される少なくとも2つの異なるエチレン性不飽和モノマーを、より好ましくは50%の2-エチルヘキシルアクリレートおよび50%のアクリル酸メチルの比で、または60%の2-エチルヘキシルアクリレートおよび40の%アクリル酸メチルの比で、アクリル系モノマーとして使用することによって調製される。
【0174】
前の段落による開始剤は、アクリレートまたはメタクリレート官能基およびエチレン性不飽和モノマーを含むケイ素含有感圧接着剤組成物の重合を開始することでシリコーンアクリルハイブリッドを形成するのに適当である任意の物質であり得る。例えば、過酸化物、アゾ化合物、酸化還元開始剤および光開始剤の群から選択される遊離基開始剤は使用することができる。
【0175】
前の段落に従って使用することができる、さらに適当なシリコーン樹脂、シリコーンポリマー、ケイ素含有キャッピング剤、エチレン性不飽和モノマーおよび開始剤は、WO2007/145996、EP2599847A1およびWO2016/130408に詳述されている。
【0176】
本発明のある特定の実施形態によると、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂およびアクリルポリマーの反応生成物を含み、ここで、アクリルポリマーは、シリコーンポリマーおよび/またはシリコーン樹脂に共有結合的に自己架橋および共有結合的に結合される。
【0177】
本発明のある特定の他の実施形態によると、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
は、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂およびアクリルポリマーの反応生成物を含み、ここで、シリコーン樹脂は、Rが有機基であるトリオルガノシロキシ単位R3SiO1/2、および四官能性シロキシ単位SiO4/2を、各SiO4/2に対して0.1から0.9のR3SiO1/2単位のモル比で含有する。
【0178】
アクリルポリマーは、少なくともアルコキシシリル官能性モノマー、ポリシロキサン含有モノマー、ハロシリル官能性モノマーまたはアルコキシハロシリル官能性モノマーを含むことができる。好ましくは、アクリルポリマーは、トリアルコキシシリル(メタ)アクリレート、ジアルコキシアルキルシリル(メタ)アクリレート、およびその混合物からなる群から選択されるアルコキシシリル官能性モノマーから調製される、またはエンドキャップされているアルコキシシリル官能性基を含む。アルコキシシリル官能性基は、好ましくは、トリメトキシルシリル基、ジメトキシメチルシリル基、トリエトキシルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、およびその混合物からなる群から選択することができる。
【0179】
アクリルポリマーは、ポリシロキサン含有モノマーを含む混合物から、好ましくはポリジメチルシロキサンモノ(メタ)アクリレートを含む混合物から調製することもできる。
【0180】
シリル官能性モノマーは、典型的に、アクリルポリマーの0.2重量%から20重量%の量で使用され、より好ましくは、シリル官能性モノマーの量は、アクリルポリマーの約1.5重量%から約5重量%を範囲とする。
【0181】
ポリシロキサン含有モノマーの量は、典型的に、アクリルポリマーの1.5重量%から50重量%の量で使用され、より好ましくは、ポリシロキサン含有モノマーの量は、アクリルポリマーの5重量%から15重量%を範囲とする。
【0182】
代替として、アクリルポリマーは、アクリルおよびポリシロキサンのブロックまたはグラフト化コポリマーを含む。ポリシロキサンブロックコポリマーの例は、ポリジメチルシロキサン-アクリルブロックコポリマーである。シロキサンブロックの好ましい量は、全体のブロックポリマーの10重量%から50重量%である。
【0183】
アクリルポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含む。使用することができる好ましいアルキル(メタ)アクリレートは、アルキル基中に最大約18個までの炭素原子、好ましくはアルキル基中に1個から約12個の炭素原子を有する。約0℃未満のホモポリマーTgを有する好ましい低ガラス転移温度(Tg)アクリル酸アルキルは、アルキル基中に約4個から約10個の炭素原子を有し、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、2-エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、その異性体、およびその組合せが挙げられる。特に好ましいのは、アクリル酸ブチル、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸イソオクチルである。アクリルポリマー構成成分は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸イソブチルなど、高いTgを有する(メタ)アクリレートモノマーをさらに含むことができる。
【0184】
アクリルポリマー構成成分は、結果として生じた接着剤の低温流特性を改善するため、ポリイソブチレン基をさらに含むことができる。
【0185】
アクリルポリマー構成成分は、窒素含有極性モノマーを含むことができる。例としては、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-第三級のオクチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-第三級のブチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、シアノエチルアクリレート、N-ビニルアセトアミドおよびN-ビニルホルムアミドが挙げられる。
【0186】
アクリルポリマー構成成分は、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/またはヒドロキシプロピルメタクリレートなど、1つまたはそれ以上のヒドロキシル含有モノマーを含むことができる。
【0187】
アクリルポリマー構成成分は、所望であれば、カルボン酸含有モノマーを含むことができる。有用なカルボン酸は、好ましくは、約3個から約6個の炭素原子を含有し、とりわけ、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびβ-カルボキシエチルアクリレートなどが挙げられる。アクリル酸が特に好ましい。
【0188】
他の有用な周知のコモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸シクロヘキシル、アルキルジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸グリシジルおよびアリルグリシジルエーテル、同様に、例えばポリ(スチリル)メタクリレートなどのマクロマーが挙げられる。
【0189】
本発明の実践において使用することができる1つのアクリルポリマー構成成分は、約90重量%から約99.5重量%のアクリル酸ブチルおよび約0.5重量%から約10重量%のジメトキシメチルシリルメタクリレートを含むアクリルポリマーである。
【0190】
本発明のある特定の実施形態によると、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、a)シリコーンポリマーをシリコーン樹脂と反応させることで、結果として生じた生成物を形成すること、b)a)の結果として生じた生成物を、反応性官能基を含有するアクリルポリマーと反応させることよって調製することができ、ここで、構成成分は有機溶媒中で反応させる。
【0191】
本発明のある特定の実施形態によると、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、a)シリコーン樹脂を、反応性官能基を含有するアクリルポリマーと反応させることで、結果として生じた生成物を形成すること、b)a)の結果として生じた生成物をシリコーンポリマーと反応させることによって調製することができ、ここで、構成成分は有機溶媒中で反応させる。
【0192】
本発明のある特定の実施形態によると、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、a)シリコーンポリマーを、反応性官能基を含有するアクリルポリマーと反応させることで、結果として生じた生成物を形成すること、b)a)の結果として生じた生成物を、シリコーン樹脂と反応させることによって調製することができ、ここで、構成成分は有機溶媒中で反応させる。
【0193】
前の段落に従ってシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを提供するため、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂およびアクリルポリマーを一緒に化学的に反応させるために使用することができる、さらに適当なアクリルポリマー、シリコーン樹脂、およびシリコーンポリマーは、WO2010/124187に詳述されている。
【0194】
本発明のある特定の実施形態によると、TTSにおいて使用されるシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、1種またはそれ以上の非ハイブリッドポリマーとブレンドされ、好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、1種またはそれ以上の非ハイブリッド感圧接着剤(例えば、ポリシロキサンまたはアクリレートに基づく圧力感受性接着剤)とブレンドされる。
【0195】
非ハイブリッドポリマー
本発明のある特定の実施形態によると、TTSは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーに加えて1種またはそれ以上の非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド圧力感受性接着剤)を含む。非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド圧力感受性接着剤)は、ハイブリッド種を含まないポリマー(例えば、ポリマーベースの圧力感受性接着剤)である。好ましいのは、ポリシロキサン、アクリレート、ポリイソブチレンまたはスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーに基づく非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド圧力感受性接着剤)である。
【0196】
非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド圧力感受性接着剤)は、活性薬剤含有層構造におよび/または接着剤オーバーレイに含有させることができる。
【0197】
非ハイブリッド圧力感受性接着剤は、通常、n-ヘプタンおよび酢酸エチルのような溶媒中で供給および使用される。圧力感受性接着剤の固形分は、通常30%から80%の間である。
【0198】
本発明による適当な非ハイブリッドポリマーは、例えば、商標名BIO-PSA(ポリシロキサンに基づく感圧接着剤)、Oppanol(商標)(ポリイソブチレン)、JSR-SIS(スチレン-イソプレン-スチレンコポリマー)またはDuro-Tak(商標)(アクリルポリマー)の下で市販されている。
【0199】
ポリシロキサンに基づくポリマーは、シリコーンベースのポリマーまたはシリコーンポリマーまたはシリコーンと称することもできる。ポリシロキサンに基づく圧力感受性接着剤は、シリコーンベースの圧力感受性接着剤またはシリコーン感圧接着剤と称することもできる。これらのポリシロキサンに基づく圧力感受性接着剤は、適当な粘着、および湿った皮膚を含めて様々な皮膚型に対する迅速な結合、適当な接着剤および密着性品質、皮膚に対して長く続く接着、高程度の可撓性、水分への浸透性、ならびに多くの活性物およびフィルム基材に対する適合性を提供する。十分なアミン耐性、およびそのためアミンの存在下での安定性の増強を提供することが可能である。こうした圧力感受性接着剤は、樹脂-イン-ポリマー概念に基づいており、ここで、シラノール末端ブロックポリジメチルシロキサンと、シリケート樹脂(シリカ樹脂とも称される)との縮合反応によって、ポリシロキサンに基づく圧力感受性接着剤が調製され、ここで、アミン安定性のため、残留のシラノール官能性基は、トリメチルシロキシ基で追加的にキャップされている。シラノール末端ブロックポリジメチルシロキサン含有量は、粘度-弾性挙動の粘性構成成分に寄与し、接着剤の湿潤および展延特性に影響する。該樹脂は、粘着付与剤および補強剤として作用し、弾性構成成分に関与する。シラノール末端ブロックポリジメチルシロキサンと樹脂との間の補正バランスは、補正接着特性を提供する。
【0200】
上記の観点から、シリコーンポリマー、特にシリコーンベースの感圧接着剤は、一般に、シラノール末端ブロックポリジメチルシロキサンとシリケート樹脂との重縮合によって得られる。アミン適合性シリコーンポリマーは、ポリマーのシラノール含有量を低減するために、シリコーンポリマーを、トリメチルシリル(例えば、ヘキサメチルジシラザン)と反応させることによって得ることができる。結果として、残留のシラノール官能基は、トリメチルシロキシ基で少なくとも部分的に、好ましくは大部分または完全にキャップされている。
【0201】
上記に示されている通り、少なくとも1種のシリコーンポリマーの粘着性は、樹脂対ポリマー比、即ちシラノール末端ブロックポリジメチルシロキサン対シリケート樹脂の比を変更することができ、好ましくは、70:30から50:50、好ましくは65:35から55:45の範囲である。粘着性は、樹脂に相対した漸増量のポリマーで増加される。高粘着性シリコーンのポリマーは、好ましくは55:45の樹脂対ポリマー比を有し、中
粘着性シリコーポリマーは、好ましくは60:40の樹脂対ポリマー比を有し、低い粘着性シリコーンポリマーは、好ましくは65:35の樹脂対ポリマー比を有する。高粘着性シリコーンポリマーは、好ましくは、0.01rad/sおよび30℃で5×106ポアズの複素粘度を有し、中粘着性シリコーンポリマーは、好ましくは、0.01rad/sおよび30℃で約5×107ポアズの複素粘度を有し、低い粘着性シリコーンポリマーは、好ましくは、0.01rad/sおよび30℃で5×108ポアズの複素粘度を有する。高粘着性アミン適合性シリコーンポリマーは、好ましくは、0.01rad/sおよび30℃で5×106ポアズの複素粘度を有し、中粘着性アミン適合性シリコーンポリマーは、好ましくは、0.01rad/sおよび30℃で5×108ポアズの複素粘度を有し、低粘着性アミン適合性シリコーンポリマーは、好ましくは、0.01rad/sおよび30℃で5×109ポアズの複素粘度を有する。
【0202】
市販されているシリコーンベースのPSA組成物の例としては、Dow Corningによってn-ヘプタンまたは酢酸エチル中で製造および典型的に供給される標準的なBIO-PSAシリーズ(7-4400、7-4500および7-4600シリーズ)、アミン適合性(エンドキャップされている)BIO-PSAシリーズ(7-4100、7-4200および7-4300シリーズ)、ならびにDow Corningによって無溶媒で製造および典型的に供給されるSoft Skin Adhesivesシリーズ(7-9800)が挙げられる。例えば、BIO-PSA 7-4201は、25℃およびヘプタン中約70%の固形分で450mPa sの溶液粘度ならびに0.01rad/sにて30℃で1×108ポアズの複素粘度を特徴とする。BIO-PSA 7-4301は、25℃およびヘプタン中約70%の固形分で500mPa sの溶液粘度ならびに0.01rad/sにて30℃で5×106ポアズの複素粘度を有する。
【0203】
シリコーンポリマー、特にポリシロキサンに基づく圧力感受性接着剤は、n-ヘプタン、酢酸エチルまたは他の揮発性シリコーン流体のような溶媒中で供給および使用される。溶媒におけるシリコーンポリマーの固形分は、通常、60%から80%の間、好ましくは70%から80%の間、または60%から70%の間である。当技術者は、固形分が、適当な量の溶媒を添加することによって修飾することができることを承知している。
【0204】
シリコーンポリマー、特に、例えばDow Corningから入手可能である、ポリシロキサンに基づく圧力感受性接着剤は、以下のスキームに従って得ることができる:
【化3】
【0205】
こうしたシリコーンポリマーは、標準シリコーン接着剤とも称され、Dow Corningから、例えば、溶媒n-ヘプタン(コード「01」によって示されている)中で提供される商標BIO-PSA 7-4401、BIO-PSA-7-4501またはBIO
-PSA 7-4601下で、または溶媒酢酸エチル(コード「02」によって示されている)中で提供される商標BIO-PSA 7-4402、BIO-PSA 7-4502およびBIO 7-4602下で入手可能である。溶媒中の典型的な固形分は、60%から75%の範囲である。コード「44」は、低い粘着性をもたらす65:35の樹脂対ポリマー比を示し、コード「45」は、中程度の粘着性をもたらす60:40の樹脂対ポリマー比を示し、コード「46」は、高い粘着性をもたらす55:45の樹脂対ポリマー比を示す。
【0206】
アミン適合性シリコーンポリマー、特に、例えばDow Corningから入手可能である、ポリシロキサンに基づくアミン適合性の圧力感受性接着剤は、以下のスキームに従って得ることができる:
【化4】
【0207】
こうしたアミン適合性シリコーンポリマーは、Dow Corningから、例えば、溶媒n-ヘプタン(コード「01」によって示されている)中で提供される商標BIO-PSA 7-4101、BIO-PSA-7-4201またはBIO-PSA 7-4301下で、または溶媒酢酸エチル(コード「02」によって示されている)中で提供される商標BIO-PSA 7-4102、BIO-PSA 7-4202およびBIO 7-4302下で入手可能である。溶媒中の典型的な固形分は、60%から75%の範囲である。コード「41」は、低い粘着性をもたらす65:35の樹脂対ポリマー比を示し、コード「42」は、中程度の粘着性をもたらす60:40の樹脂対ポリマー比を示し、コード「43」は、高い粘着性をもたらす55:45の樹脂対ポリマー比を示す。
【0208】
本発明に従ってポリシロキサンに基づく好ましい圧力感受性接着剤は、25℃およびn-ヘプタン中60%の固形分で、好ましくは50rpmでスピンドル番号5が備えられているブルックフィールドRVT粘度計を使用して測定された場合の約150mPa s超、または約200mPa sから約700mPa sの溶液粘度を特徴とする。これらは、0.01rad/sにて30℃で約1×109ポアズ未満、または約1×105から約9×108ポアズの複素粘度も特徴とし得る。
【0209】
本発明による適当なポリイソブチレンは、Oppanol(登録商標)という商標下で入手可能である。高分子量ポリイソブチレン(B100/B80)および低分子量ポリイ
ソブチレン(B10、B11、B12、B13)の組合せが使用されることがある。低分子量ポリイソブチレン対高分子量ポリイソブチレンの適当な比は、100:1から1:100、好ましくは95:5から40:60、より好ましくは90:10から80:20の範囲である。ポリイソブチレン組合せのための好ましい例は、85/15の比におけるB10/B100である。Oppanol(登録商標)B100は、1,110,000の粘度平均分子量Mv、および1,550,000の重量平均分子量Mw、および2.9の平均分子量分布Mw/Mnを有する。Oppanol(登録商標)B10は、40,000の粘度平均分子量Mv、および53,000の重量平均分子量Mw、および3.2の平均分子量分布Mw/Mnを有する。ある特定の実施形態において、ポリブテンは、ポリイソブチレンに添加することができる。溶媒におけるポリイソブチレンの固形分は、通常30%から50%の間、好ましくは35%から40%の間である。当技術者は、固形分が、適当な量の溶媒を添加することによって変更することができることを承知している。
【0210】
アクリレートに基づく圧力感受性接着剤は、アクリレートベースの圧力感受性接着剤またはアクリレート圧力感受性接着剤と称することもできる。アクリレートに基づく圧力感受性接着剤は、好ましくは30%から60%の間の固形分を有することができる。こうしたアクリレートベースの圧力感受性接着剤は、ヒドロキシ基、カルボン酸基、中和されたカルボン酸基、およびその混合物などの官能性基を含むことがあるまたはない。したがって、「官能性基」という用語は、特に、ヒドロキシおよびカルボン酸基、ならびに脱プロトン化カルボン酸基を指す。
【0211】
対応する市販製品は、例えばHenkelから商標Duro Tak(登録商標)下で入手可能である。こうしたアクリレートベースの圧力感受性接着剤は、アクリル酸、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、t-オクチルアクリルアミドおよびビニルアセテートの1つまたはそれ以上から選択されるモノマーに基づいており、酢酸エチル、ヘプタン、n-ヘプタン、ヘキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,4-ペンタンジオン、トルエンもしくはキシレン、またはその混合物中で提供される。
【0212】
特定のアクリレートベースの圧力感受性接着剤は:
- Duro-Tak(商標)387-2287またはDuro-Tak(商標)87-2287(架橋剤を用いずに酢酸エチル中の溶液として提供される、酢酸ビニル、2-エチルヘキシル-アクリレート、2-ヒドロキシエチル-アクリレートおよびグリシジル-メタクリレートに基づくコポリマー)、
- Duro-Tak(商標)387-2516またはDuro-Tak(商標)87-2516(チタン架橋剤を用いて酢酸エチル、エタノール、n-ヘプタンおよびメタノール中の溶液として提供される、酢酸ビニル、2-エチルヘキシル-アクリレート、2-ヒドロキシエチル-アクリレートおよびグリシジル-メタクリレートに基づくコポリマー)、
- Duro-Tak(商標)387-2051またはDuro-Tak(商標)87-2051(酢酸エチルおよびヘプタン中の溶液として提供される、アクリル酸、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートおよび酢酸ビニルに基づくコポリマー)、- Duro-Tak(商標)387-2353またはDuro-Tak(商標)87-2353(酢酸エチルおよびヘキサン中の溶液として提供される、アクリル酸、2-エチルヘキシルアクリレート、グリシジルメタクリレートおよびメチルアクリレートに基づくコポリマー)、
- Duro-Tak(商標)87-4098(酢酸エチル中の溶液として提供される、2-エチルヘキシル-アクリレートおよび酢酸ビニルに基づくコポリマー)
として入手可能である。
【0213】
追加のポリマーは、密着および/または接着を増強するために添加することもできる。
【0214】
ある特定のポリマーは、特に、低温流を低減し、したがって、追加のポリマーとして特に適当である。ポリマー性マトリックスは、低温流を示すことがあり、というのは、こうしたポリマー組成物は、非常に高い粘度にもかかわらず、非常にゆっくり流れるという能力をしばしば呈するからである。したがって、貯蔵中、マトリックスは、バッキング層の端部をある程度流れることがある。これは、貯蔵安定性の問題であり、ある特定のポリマーの添加によって防止することができる。塩基性アクリレートポリマー(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびメチルメタクリレートに基づくコポリマーであるEudragit(登録商標)E100)は、例えば、低温流を低減するために使用することができる。したがって、ある特定の実施形態において、マトリックス層組成物は、塩基性ポリマー、特に、例えばEudragit(登録商標)E100などのアミン官能性アクリレートを追加として含む。Eudragit(登録商標)E100は、2:1:1の比を有するジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびメチルメタクリレートに基づくカチオン性コポリマーである。該モノマーは、コポリマー鎖に沿って無作為に分布されている。SEC方法に基づき、Eudragit(登録商標)E100の重量平均モル質量(Mw)は、およそ47,000g/molである。さらに、ポリマー、例えばPlastoid B、アクリルポリマー、例えばEudragits、キトサン、セルロースおよびその誘導体、ならびにポリスチレンは、接着剤(例えば、マトリックス層)の乾燥度を増加させるのに有用であり得る。
【0215】
さらなる添加剤
本発明によるTTS、特にグアンファシン含有層は、少なくとも1種の添加剤または賦形剤をさらに含むことができる。本発明による特に好ましい添加剤としては、分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤が挙げられる。これに関する詳細は、上記に提供されている。しかしながら、本発明によるTTS、特にグアンファシン含有層は、さらなる添加剤または賦形剤を含むこともできる。
【0216】
一般に、添加剤または賦形剤は、好ましくは、分散剤、可溶化剤、浸透エンハンサー、膜形成剤、軟化剤/可塑剤、粘着付与剤、スキンケア用の物質、pH調節剤、保存料、安定化剤および充填剤からなる群から選択される。こうした添加剤は、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.001重量%から15重量%、例えば0.5重量%から10重量%、または1重量%から10重量%、または0.01重量%から6重量%の量でグアンファシン含有層中に存在することができ、ここで、重量%量は、単一添加剤を指す。
【0217】
医薬製剤において、製剤構成成分は、それらの物理化学的および生理学的特性に従って、およびそれらの機能に従ってカテゴリー化されることが留意されるべきである。これは、特に、1つのカテゴリーに入る物質または化合物が、製剤構成成分の別のカテゴリーに入るのを排除されないことを意味する。例えば、ある特定のポリマーは、膜形成剤であるが、粘着付与剤でもあり得る。一部の物質は、例えば、典型的な軟化剤であるが、同時に浸透増強剤として作用することができる。当技術者は、ある特定の物質または化合物が属する製剤構成成分のカテゴリー(単数または複数)における彼の一般的な知識に基づいて決定することができる。以下において、賦形剤および添加剤に関する詳細が提供されるが、しかしながら、排他的であると理解されるべきでない。本記載に明白にリストされていない他の物質は、本発明に従って同様に使用することができ、製剤構成成分の1つのカテゴリーのために明白にリストされている物質および/または化合物は、本発明の意味において別の製剤構成成分として使用されることから排除されない。
【0218】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、上記で定義されている通りの分散剤、
好ましくは脂肪酸とポリオールとのエステル、脂肪アルコール、300から400の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテルからなる群から選択される分散剤を含む。上記で説明されている通り、分散剤は、好ましくは、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテル、特にポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルである。代替としてまたは追加として、シリコーンポリエーテルは、分散剤として使用することができる。分散剤は、グアンファシン含有層、特にグアンファシン含有マトリックス層内にグアンファシンを均質に分散させるために役立ち、それによってTTSの放出特性を改善する。
【0219】
一実施形態において、グアンファシン含有層は可溶化剤を含む。可溶化剤は、好ましくは、グアンファシン含有層中のグアンファシンの分散性を改善し、グアンファシン含有層を安定化する。さらに、可溶化剤は、密着に影響を積極的に及ぼすことができる。好ましい可溶化剤としては、例えば、中鎖および/または長鎖脂肪酸のグリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、プロピレングリコールエステルおよびポリオキシエチレンエステル、例えばモノリノール酸グリセリル、中鎖グリセリドおよび中鎖トリグリセリド、ヒマシ油を酸化エチレンと反応させることによって作製される非イオン性可溶化剤、ならびに脂肪酸または脂肪アルコールをさらに含有することができるその任意の混合物;セルロースおよびメチルセルロース、およびその誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロースおよびヒプロメロースアセテートスクシネート;様々なシクロデキストリンおよびその誘導体;ポロキサマーとして知られているポリオキシエチレンの2つの親水性鎖が側面にあるポリオキシプロピレンの中央疎水性鎖を有する非イオン性トリ-ブロックコポリマー;ビタミンEの水溶性誘導体;医薬グレード化または集塊化された球状イソマルト;PVAc-PVCap-PEGとしても省略されているとともにSoluplus(登録商標)として知られている、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニルおよびポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー;ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、例えばKollidon(登録商標)VA64;ポリエチレングリコール400の、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80など)のまたはプロピレングリコールの、自然に誘導されたヒマシ油の精製グレード;ジエチレングリコールモノエチルエーテル;グルコノ-デルタ-ラクトン;トウモロコシおよびバレイショデンプン;ならびに下に記述されている可溶性ポリビニルピロリドンだけでなく不溶性/架橋ポリビニルピロリドン、例えばクロスポビドンのいずれかが挙げられる。
【0220】
しかしながら、下に記述されている浸透エンハンサーも可溶化剤として作用することができる。さらに、下に記載されている膜形成剤も同時に可溶化剤として作用することができ、逆もまた同じである。
【0221】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、浸透エンハンサーを含む。これに関する優先度は上記で提供されている。浸透増強剤は、活性薬剤浸透性を増加させるという意味において角質層のバリア特性に影響を及ぼす物質である。浸透増強剤の一部の例は、多価アルコール、例えばジプロピレングリコール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール;油、例えばオリーブ油、スクアレンおよびラノリン;脂肪エーテル、例えばセチルエーテルおよびオレイルエーテル;脂肪酸エステル、例えばミリスチン酸イソプロピル;尿素および尿素誘導体、例えばアラントイン;極性溶媒、例えばジメチルデシルホスホキシド、メチルセチルスルホキシド(methylcetylsulfoxide)、ジメチルアウリルアミン(dimethylaurylamine)、ドデシルピロリドン、イソソルビトール、ジメチルアセトニド、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシドおよびジメチルホルムアミド;サリチル酸;アミノ酸;ニコチン酸ベンジル;ならびにより高い分子量の脂肪族界面活性剤、例えばラウリル硫酸塩である。他の薬剤としては、オレイン酸およびリノール酸、アスコルビン酸、パンテノール、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、オレイン
酸プロピルならびにパルミチン酸イソプロピルが挙げられる。グアンファシン含有層が浸透エンハンサーを含むならば、浸透エンハンサーは、好ましくは、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(トランスクトール)、オレイン酸、レブリン酸、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸ラウリル、トリアセチン、ジメチルプロピレン尿素およびオレイルアルコールからなる群から選択され、好ましくはオレイルアルコールである。
【0222】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、膜形成剤をさらに含む。上に記述されている可溶化剤、例えばSoluplus(登録商標)は、膜形成剤として作用するとともに密着を制御することもできると理解されるべきである。さらなる膜形成剤の適当な例としては、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル/ビニルピロリドンコポリマーおよびセルロース誘導体、好ましくはポリビニルピロリドン、より好ましくは可溶性ポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0223】
自己接着特性を有するためにグアンファシン含有層が必要とされるとともに、十分な自己接着特性を提供する/提供しない1種またはそれ以上のポリマーが選択されるならば、粘着付与剤が添加される。好ましい粘着付与剤としては、植物由来の長鎖不飽和偶数脂肪酸および長鎖不飽和偶数脂肪アルコールに基づく液体ワックスエステルであるMiglyol、およびポリエチレングリコールが挙げられる。特に、粘着付与剤は、ポリビニルピロリドン(水を吸収するというそれの能力により、マトリックス層の接着特性を維持でき、したがって、広義には粘着付与剤とみなすことができる)、トリグリセリド、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、樹脂、樹脂エステル、テルペンおよびその誘導体、エチレン酢酸ビニル接着剤、ジメチルポリシロキサンならびにポリブテン、好ましくはポリビニルピロリドン、より好ましくは可溶性ポリビニルピロリドンから選択することができる。好ましくは、粘着付与剤は、ポリビニルピロリドン、トリグリセリド、ジプロピレングリコール、樹脂、樹脂エステル、テルペンおよびその誘導体、エチレン酢酸ビニル接着剤、ジメチルポリシロキサンならびにポリブテン、好ましくはポリビニルピロリドン、より好ましくは可溶性ポリビニルピロリドンから選択することができる。
【0224】
「可溶性ポリビニルピロリドン」という用語は、少なくともエタノール中で、好ましくは水、ジエチレングリコール、メタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、クロロホルム、塩化メチレン、2-ピロリドン、マクロゴール400、1,2プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、グリセリン、トリエタノールアミン、プロピオン酸および酢酸中でも、10%超で可溶性である、ポビドンとしても知られている、ポリビニルピロリドンを指す。市販されているポリビニルピロリドンの例としては、BASFによって供給されるKollidon(登録商標)12 PF、Kollidon(登録商標)17 PF、Kollidon(登録商標)25、Kollidon(登録商標)30およびKollidon(登録商標)90 F、またはポビドンK90Fが挙げられる。Kollidon(登録商標)の異なるグレードは、ポリビニルピロリドングレードの平均分子量を反映するK値の観点から定義されている。Kollidon(登録商標)12 PFは、12の公称K値に対応する10.2から13.8のK値範囲を特徴とする。Kollidon(登録商標)17 PFは、17の公称K値に対応する15.3から18.4のK値範囲を特徴とする。Kollidon(登録商標)25は、25の公称K値に対応する22.5から27.0のK値範囲を特徴とし、Kollidon(登録商標)30は、30の公称K値に対応する27.0から32.4のK値範囲を特徴とする。Kollidon(登録商標)90 Fは、90の公称K値に対応する81.0から97.2のK値範囲を特徴とする。好ましいKollidon(登録商標)グレードは、Kollidon(登録商標)12 PF、Kollidon(登録商標)30およびKollidon(登録商標)90 Fである。この発明の意味内で、「K値」という用語は、ヨーロッパ薬局方(Ph.Eur.)および「ポビドン」についてのUSPモノグ
ラフに従って、水中のポリビニルピロリドンの相対粘度から算出される値を指す。
【0225】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、軟化剤/可塑剤をさらに含む。例証的な軟化剤/可塑剤としては、6個から20個の炭素原子を有する線状または分岐の飽和または不飽和アルコール、トリグリセリドおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0226】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、安定化剤をさらに含む。安定化剤としては、トコフェロールおよびそのエステル誘導体、ならびにアスコルビン酸およびそのエステル誘導体が挙げられる。さらなる安定化剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、脂肪酸のアスコルビルエステル、例えばパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、酢酸トコフェリルおよびリノール酸トコフェリルが挙げられる。
【0227】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、pH調節剤をさらに含む。適当なpH調節剤としては、アミン誘導体、無機アルカリ誘導体を含めた緩酸および塩基、ならびに塩基性または酸性官能性を有するポリマーが挙げられる。
【0228】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、保存料をさらに含む。適当な保存料としては、パラベン、ホルムアルデヒド放出剤、イソチアゾリノン、フェノキシエタノール、ならびに有機酸、例えば安息香酸、ソルビン酸、レブリン酸およびアニス酸が挙げられる。
【0229】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、スキンケア用物質をさらに含む。こうした物質は、皮膚応答スコアによって検出可能のような皮膚刺激を回避または低減するために使用することができる。適当なスキンケア用物質としては、ステロール化合物、例えばコレステロール、デクスパンテノール、アルファ-ビサボロール、および抗ヒスタミン薬が挙げられる。
【0230】
一実施形態において、グアンファシン含有層は、充填剤をさらに含む。シリカゲル、二酸化チタンおよび酸化亜鉛などの充填剤は、所望のやり方で、密着および結合強度などある特定の物理的パラメータに影響を及ぼすために、ポリマーと併せて使用することができる。
【0231】
放出特徴
本発明によるTTSは、前定義されている長時間期間の間、好ましくは少なくとも24時間、より好ましくは少なくとも72時間、特に約84時間の間、グアンファシンを体循環に経皮投与するように設計されている。
【0232】
一実施形態において、本発明によるTTSは、経皮送達によって定常状態で、1ng/mlから20ng/ml、好ましくは1ng/mlから15ng/ml、より好ましくは1ng/mlから10ng/mlのグアンファシンの平均血漿濃度を提供する。
【0233】
好ましくは、TTSは、皮膚へのTTSの適用後8時間未満、好ましくは6時間未満、より好ましくは4時間未満内に、治療的に有効な血漿濃度のグアンファシンを提供する。さらに、治療的に有効な血漿濃度は、好ましくは、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の全体の投与期間にわたって維持される。
【0234】
一実施形態において、本発明によるTTSは、10から600ng*h/ml、好ましくは20から400ng*h/mlのAUC0-24hを提供する。別の実施形態において、本発明によるTTSは、30から1800ng*h/ml、好ましくは60から12
00ng*h/mlのAUC0-72hを提供する。別の実施形態において、本発明によるTTSは、35から2100ng*h/ml、好ましくは70から1400ng*h/mlのAUC0-84hを提供する。AUC値は、好ましくは、定常状態で得られたAUC値を指すと理解されるべきである。
【0235】
一実施形態において、本発明によるTTSは、3.5未満の、C84に対するCmax比を提供する。別の実施形態において、本発明によるTTSは、3.0未満の、C72に対するCmax比を提供する。別の実施形態において、本発明によるTTSは、2.0未満の、C24に対するCmax比を提供する。これらの比は、患者の連続的な処置の観点から有利である平坦な血中血漿曲線を示す。
【0236】
一実施形態において、本発明によるTTSは、
最初の24時間に0.01μg/(cm2*h)から8μg/(cm2*h)、
24時間目から72時間目に0.05μg/(cm2*h)から10μg/(cm2*h)
の、皮節化ヒト皮膚を用いるFranz拡散細胞において測定される場合のグアンファシンの皮膚浸透率を提供する。
【0237】
一実施形態において、本発明によるTTSは、72時間の時間期間にわたって0.01mg/cm2から0.7mg/cm2、好ましくは0.05mg/cm2から0.6mg/cm2、より好ましくは0.15mgから0.3mg/cm2の、皮節化ヒト皮膚を用いるFranz拡散細胞において測定される場合のグアンファシンの皮膚浸透率を提供する。
【0238】
上記を考慮して、本発明は、一態様において、グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
10から600(ng/mL)hのAUC0-24、
30から1800(ng/mL)hのAUC0-72、
35から2100(ng/mL)hのAUC0-84、
2.0未満の、C24に対するCmax比、
3.0未満の、C72に対するCmax比、および
3.5未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される1つまたはそれ以上の薬物動態学的パラメータ(を提供する経皮治療システムにも関する。
【0239】
好ましい実施形態において、本発明は、グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
20から400(ng/mL)hのAUC0-24、
60から1200(ng/mL)hのAUC0-72、
70から1400(ng/mL)hのAUC0-84、
1.5未満の、C24に対するCmax比、
2.5未満の、C72に対するCmax比、および
3.0未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される1つまたはそれ以上の薬物動態学的パラメータを経皮送達によって提供する経皮治療システムに関する。
【0240】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、経皮送達によって70から1400(ng/mL)hのAUC0-84を提供する経皮治療システムに関する。
【0241】
処置/医学的使用の方法
本発明の一実施形態において、本発明によるTTSは、ヒト患者、好ましくは6歳から17歳の患者を処置する方法における使用に適当である。特に、本発明によるTTSは、ヒト患者において、好ましくは6歳から17歳のヒト患者において、高血圧症もしくは注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法におけるおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としての使用に適当である。
【0242】
上記医学的使用に関連する好ましい実施形態において、TTSは、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される。
【0243】
一実施形態において、本発明は、項目1から37のいずれか1つに定義されている通りの経皮治療システムを患者の皮膚に適用することによって、ヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法に関する。特に、本発明は、本発明による経皮治療システムを患者の皮膚に適用することによって、ヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者において高血圧症または注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法に関する。
【0244】
処置の上記方法の好ましい実施形態において、経皮治療システムは、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される。
【0245】
上記を考慮して、本発明は、一態様において、グアンファシンの経皮投与によってヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のためのグアンファシンを含む経皮治療システムであって、経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される経皮治療システムに関する。好ましい実施形態において、経皮治療システムは、ヒト患者において、高血圧症もしくは注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法におけるおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としての使用のためのものである。より好ましい実施形態において、経皮治療システムは、本発明による経皮治療システム、特に、
10から600(ng/mL)hのAUC0-24、
30から1800(ng/mL)hのAUC0-72、
35から2100(ng/mL)hのAUC0-84、
2.0未満の、C24に対するCmax比、
3.0未満の、C72に対するCmax比、および
3.5未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される;
好ましくは
20から400(ng/mL)hのAUC0-24、
60から1200(ng/mL)hのAUC0-72、
70から1400(ng/mL)hのAUC0-84、
1.5未満の、C24に対するCmax比、
2.5未満の、C72に対するCmax比、および
3.0未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される薬物動態学的パラメータの1つまたはそれ以上を提供する経皮治療システムである。
【0246】
別の態様において、本発明は、経皮治療システムを用いるグアンファシンの経皮投与によって、ヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のためのグアンファシンであって、経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは
少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される、グアンファシンに関する。好ましい実施形態において、グアンファシンは、ヒト患者において、高血圧症もしくは注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法におけるおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としての使用のためのものである。より好ましい実施形態において、経皮治療システムは、本発明による経皮治療システム、特に、
10から600(ng/mL)hのAUC0-24、
30から1800(ng/mL)hのAUC0-72、
35から2100(ng/mL)hのAUC0-84、
2.0未満の、C24に対するCmax比、
3.0未満の、C72に対するCmax比、および
3.5未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される;
好ましくは
20から400(ng/mL)hのAUC0-24、
60から1200(ng/mL)hのAUC0-72、
70から1400(ng/mL)hのAUC0-84、
1.5未満の、C24に対するCmax比、
2.5未満の、C72に対するCmax比、および
3.0未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される薬物動態学的パラメータの1つまたはそれ以上を提供する経皮治療システムである。
【0247】
別の態様において、本発明は、グアンファシンの経皮投与によってヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法であって、経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される方法に関する。好ましい実施形態において、方法は、ヒト患者において、高血圧症もしくは注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置するためのおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としてのものである。より好ましい実施形態において、経皮治療システムは、本発明による経皮治療システム、特に、
10から600(ng/mL)hのAUC0-24、
30から1800(ng/mL)hのAUC0-72、
35から2100(ng/mL)hのAUC0-84、
2.0未満の、C24に対するCmax比、
3.0未満の、C72に対するCmax比、および
3.5未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される;
好ましくは
20から400(ng/mL)hのAUC0-24、
60から1200(ng/mL)hのAUC0-72、
70から1400(ng/mL)hのAUC0-84、
1.5未満の、C24に対するCmax比、
2.5未満の、C72に対するCmax比、および
3.0未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される薬物動態学的パラメータの1つまたはそれ以上を提供する経皮治療システムである。
【0248】
上記使用および処置の方法に関連して、本発明によるTTSは、好ましくは、定義されている投薬間隔の間、上部外側腕、上胸部、上背部または胸部側面から選択される対象上の少なくとも1つの身体表面に適用される。
【0249】
本発明によるTTSの好ましい適用時間は、少なくとも24時間(1日)、好ましくは少なくとも72時間(3日)、より好ましくは約84時間(3.5日)である。この時間の後、TTSは除去することができ、場合により、新たなTTSが適用されることで24時間処置を可能にし得る。
【0250】
製造のプロセス
本発明は、経皮治療システムにおける使用のための、グアンファシン含有層、好ましくはグアンファシン含有マトリックス層を製造するためのプロセスにさらに関する。
【0251】
本発明によると、本発明による経皮治療システムにおける使用のためのグアンファシン含有層を製造するためのプロセスは:
1)少なくとも構成成分
i)グアンファシン;および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
を組み合わせることで、コーティング組成物を得る工程;
2)コーティング組成物をバッキング層または剥離ライナー上にコーティングすることで、コーティングされたコーティング組成物を得る工程;ならびに
3)コーティングされたコーティング組成物を乾燥させることで、グアンファシン含有層を形成する工程
を含む。
【0252】
製造の上記プロセスの工程1)において、グアンファシンは、好ましくは、均質のコーティング組成物を得るためにポリマー中に分散される。
【0253】
工程1)において、上記で定義されている通りのさらなる成分、好ましくは少なくとも1種の非ハイブリッドポリマーおよび/または少なくとも1種の添加剤も添加することができると理解されるべきである。
【0254】
好ましくは、溶媒はプロセスの工程1)において添加される、および/または1種もしくはそれ以上のポリマーが溶液の形態で提供されるので溶媒は存在している。溶媒は、好ましくは、アルコール溶媒、特にメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびその混合物から、ならびに非アルコール系溶媒、特に酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、トルエンおよびその混合物から選択され、より好ましくは非アルコール系溶媒から選択され、最も好ましくは酢酸エチルまたはn-ヘプタンである。特に好ましい実施形態において、溶媒は酢酸エチルである。
【0255】
好ましい実施形態において、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは溶液として提供され、ここで、溶媒は、酢酸エチルまたはn-ヘプタン、好ましくは酢酸エチルである。
【0256】
好ましい実施形態において、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、40重量%から60重量%の固形分を有する。
【0257】
プロセスの工程2)において、コーティング組成物は、バッキング層または剥離ライナーに適用される。結果として、コーティングされたコーティング組成物、即ち、バッキング層または剥離ライナー上にコーティングされているコーティング組成物が得られる。
【0258】
グアンファシン含有層が工程3)において形成された後、該プロセスは、したがって、剥離ライナーまたはバッキング層がグアンファシン含有層の他の側面に適用される工程をさらに含む。
【0259】
製造の上記プロセスの工程3)において、乾燥は、好ましくは20℃から90℃、より好ましくは40℃から70℃の温度で行われる。乾燥は、好ましくは、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも8時間、例えば1日かかり得る。
【0260】
実施例
本発明はここで、添付の実施例を参照して、より詳しく記載される。以下の記載は例示的のみであることが理解されるべきであり、決して本発明の制限として解釈されるべきでない。組成物における成分の量または面積重量に関して実施例に提供されている数値は、製造変動によりわずかに変動することがある。
【0261】
実施例1a~c
コーティング組成物
実施例1a~cのグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表1.1aおよび1.1bに要約されている。%値は、重量%での量(Amt)を指す。
【0262】
【0263】
【0264】
コーティング組成物の調製
薬物物質を溶媒酢酸エチル中に分散し、5分間超音波処理した。接着剤を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。溶解攪拌機を用いて、混合物を2000rpmで10分間均質化した。
【0265】
コーティング組成物のコーティング
結果として得られたグアンファシン含有コーティング組成物を、例えば会社Erichsenからのフィルムアプリケーターを使用し、混合物の固形分に従って、所望のコーティング乾燥重量の考慮の下、ポリエチレンテレフタレートフィルム(Scotchpak
9755、これは、剥離ライナーとして機能することができる)上にコーティングし、およそ50℃でおよそ10分間乾燥した。目標面積重量に依存して、対応するフィルムアプリケーターギャップは、150~350μmの間である。
【0266】
溶液の除去が、およそ87(実施例1a)、160(実施例1b)および142(実施例1c)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量をもたらすように、コーティング厚を選択した。乾燥フィルムに次いでバッキング層(PET 15μm tsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0267】
TTSの調製(全ての実施例に関する)
個々のシステム(TTS)を次いで、上に記載されている通りに得られるグアンファシン含有自己接着性層構造からから抜き出した。次いで、TTSを、一次包装材料のパウチ中に密封した。
【0268】
皮膚浸透の測定
実施例1a~cに従って調製されたTTSの浸透量を、OECDガイドライン(2004年4月13日に採用された)に従って、10.0mLのFranz拡散細胞を用いて実施された実験によって決定した。スプリット厚のGoettingerミニブタ皮膚(雌性)を使用した。皮節を使用することで、全てのTTSのために無傷の表皮で800μmの厚さに皮膚を調製した。1.179cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。32±1℃の温度でFranz拡散細胞のレセプター媒体(抗細菌学的薬剤として0.1%アジ化ナトリウムを有するリン酸緩衝溶液pH5.5)におけるグアンフ
ァシン浸透量を測定し、対応する累積浸透量を算出した。
【0269】
【0270】
【0271】
実施例2a~d
コーティング組成物
実施例2a~dのグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表2.1aおよび2.1bに要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0272】
【0273】
【0274】
コーティング組成物の調製
使用される薬物物質およびエンハンサーを溶媒酢酸エチル中に分散し、およそ10分間超音波処理した。接着剤を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。溶解攪拌機を用いて、混合物を2000rpmで2~4分間均質化した。該塊を1500rpmで30分間さらに均質化した。
組成物2aおよび2bの場合において、混合物を2000rpmでおよそ2分間均質化した後にSoluplusを添加した。該塊を2000rpmでさらに2分間撹拌し、1500rpmで30分間さらに均質化した。
【0275】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。コーティング厚が、100(実施例2a)、158(実施例2b)、97(実施例2c)、および155(実施例2d)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。乾燥フィルムにバッキング層(PET 15μm tsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0276】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0277】
皮膚浸透の測定
実施例1a~dに従って調製されたTTSの浸透量を、OECDガイドライン(2004年4月13日に採用された)に従って、10.0mLのFranz拡散細胞を用いて実施された実験によって決定した。美容外科手術(例えば、女性腹部、出生日1985年)からのスプリット厚のヒト皮膚を使用した。皮節を使用することで、全てのTTSのために無傷の表皮で500μmの厚さに皮膚を調製した。1.191cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。32±1℃の温度でFranz拡散細胞のレセプター媒体(抗細菌学的薬剤として0.1%アジ化ナトリウムを有するリン酸緩衝溶液pH5.5)におけるグアンファシン浸透量を測定し、対応する累積浸透量を算出した。
【0278】
【0279】
【0280】
実施例3a~b
実施例3a~bのグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、表3.1に要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0281】
【0282】
コーティング組成物の調製
使用される薬物物質および使用されるエンハンサーを溶媒酢酸エチル中に分散し、5~10分間超音波処理した。次いで、接着剤を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。溶解攪拌機を用いて、混合物を2000rpmで2~5分間均質化した。該塊を1500rpmで30分間さらに均質化した。
組成物3aの場合において、混合物を2000rpmでおよそ5分間均質化した後にSoluplusを添加した。該塊をさらに2分間2000rpmで撹拌し、1500rpmで30分間さらに均質化した。
【0283】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。コーティング厚は、76(実施例3a)および97(実施例3b)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。乾燥フィルムにバッキング層(PET 15μm tsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0284】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0285】
皮膚浸透の測定
実施例3a~3bに従って調製されたTTSの浸透量を、上記の実施例2a~dについて記載されている通りに決定した。1.188cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。
【0286】
【0287】
【0288】
実施例4a~g
コーティング組成物
実施例4a~gのグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表4.1a、4.1bおよび4.1cに要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0289】
【0290】
【0291】
【0292】
コーティング組成物の調製
使用された薬物物質およびエンハンサーを溶媒酢酸エチル中に分散し、2~10分間超音波処理した。次いで、接着剤を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。溶解攪拌機(実施例4b、実施例4gはタービン攪拌機)を用いて、混合物を1400~2000rpmでおよそ10分間均質化した。
組成物4eの場合において、使用されるエンハンサーを溶媒酢酸エチル中に分散し、磁気撹拌機にて60℃で10分間処理した。薬物物質を混合物に添加し、およそ1400rpmで3分間超音波処理した。次いで、接着剤を添加し、およそ5分間磁気撹拌機にて撹拌した。
【0293】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。コーティング厚は、154(実施例4a)、156(実施例4b)、149(実施例4c)、188(実施例4d)、142(実施例4e)、152(実施例4f)および154(実施例4g)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。乾燥フィルムにバッキング層(PET
15μm tsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0294】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0295】
皮膚浸透の測定
実施例4a~gに従って調製されたTTSの浸透量を、上記の実施例2a~dについて記載されている通りに決定した。1.179cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。
【0296】
結果は、表4.2aおよび4.2bならびに
図4aおよび4bに示されている。
【0297】
【0298】
【0299】
実施例5a~c
コーティング組成物
実施例5a~cのグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表5.1aおよび5.1bに要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0300】
【0301】
【0302】
コーティング組成物の調製
使用された薬物物質およびエンハンサーを溶媒酢酸エチル中に分散し、およそ10分間超音波処理した。接着剤を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。溶解攪拌機を用いて、混合物を2000rpmでおよそ2分間均質化した。Soluplusを添加し、該塊を2000rpmでおよそ2分間撹拌し、1500rpmで少なくとも30分間さらに均質化した。
組成物5cの場合において、Soluplusを接着剤と一緒に添加し、2000rp
mでおよそ2分間均質化し、1500rpmで少なくとも30分間さらに均質化した。
【0303】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。コーティング厚は、およそ100(実施例5a)、106(実施例5b)および110(実施例5c)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。次いで、乾燥フィルムにバッキング層(PET 15μm tsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0304】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0305】
皮膚浸透の測定
実施例5a~cに従って調製されたTTSの浸透量を、上記の実施例2a~dについて記載されている通りに決定した。1.188cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。
【0306】
【0307】
【0308】
実施例6a~e
コーティング組成物
実施例6a~eのグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表6.1a、および6.1bに要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0309】
【0310】
【0311】
コーティング組成物の調製
組成物6aおよび6bの場合において、使用された薬物物質およびエンハンサーを分散し、5~10分間超音波処理した。次いで、接着剤および酢酸エチルを添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。溶解攪拌機を用いて、混合物を1500rpmでおよそ10分間均質化した。
組成物6cおよび6eの場合において、薬物物質および使用されたエンハンサーを溶媒酢酸エチル中に分散し、5~10分間超音波処理した。次いで、接着剤を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。タービン攪拌機(6c)または溶解攪拌機(6e)を用いて、混合物を1500~2000rpmでおよそ10分間均質化した。
組成物6dの場合において、薬物物質を溶媒酢酸エチル中に分散し、5分間超音波処理した。次いで、接着剤を添加し、混合物を2000rpmでおよそ5分間撹拌した。使用されるエンハンサーを撹拌下でさらに添加し、混合物を2000rpmでおよそ15分間均質化した。引き続いて、該塊を500rpmでおよそ60分間撹拌した。
【0312】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。コーティング厚は、151(実施例6a)g/m2、150(実施例6b)g/m2、153(実施例6c)g/m2、143(実施例6d)g/m2および143(実施例6e)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。乾燥フィルムにバッキング層(PET 15μm trsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0313】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0314】
皮膚浸透率の測定
実施例6a~eに従って調製されたTTSの浸透量を、OECDガイドライン(2004年4月13日に採用された)に従って10.0mlのFranz拡散細胞で実施された実験によって決定した。スプリット厚のGoettingerミニブタ皮膚(雌性)を使用した。皮節を使用することで、全てのTTSのために無傷の表皮で800μmの厚さに皮膚を調製した。1.179cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。32±1℃の温度でFranz拡散細胞のレセプター媒体(抗細菌学的薬剤として0.1%アジ化ナトリウムを有するリン酸緩衝溶液pH5.5)におけるグアンファシン浸透量を測定し、対応する累積浸透量を算出した。
【0315】
結果は、表6.2aおよび6.2bならびに
図6に示されている。
【0316】
【0317】
【0318】
実施例7a~d
コーティング組成物
実施例7a~dのグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表7.1aおよび7.1bに要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0319】
【0320】
【0321】
コーティング組成物の調製
使用される薬物物質およびエンハンサーを溶媒酢酸エチル中に分散し、およそ5分間超音波処理した。次いで、接着剤を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。攪拌機を用いて、混合物を2000rpmで5分間均質化した。該塊を1000~1500rpmでおよそ10~15分間再び撹拌した。
【0322】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。コーティング厚は、74(実施例7a)、101(実施例7b)、95(実施例7c)、および98(実施例7d)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。乾燥フィルムにバッキング層(PET 15μm tsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0323】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0324】
皮膚浸透の測定
実施例7a~dに従って調製されたTTSの浸透量を、上記の実施例2a~dについて記載されている通り決定した。1.188cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。
【0325】
結果は、表7.2aおよび7.2.bならびに
図7に示されている。
【0326】
【0327】
【0328】
実施例8
コーティング組成物
実施例8のグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表8.1に要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0329】
【0330】
コーティング組成物の調製
使用される薬物物質およびエンハンサーを分散し、およそ5分間超音波処理した。次いで、接着剤および酢酸エチルを添加した。溶解攪拌機を用いて、混合物を1500rpmでおよそ10分間均質化した。
【0331】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。コーティング厚は、143g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。乾燥フィルムにバッキング層(PET 15μm tsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0332】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0333】
皮膚浸透の測定
実施例8に従って調製されたTTSの浸透量を、OECDガイドライン(2004年4月13日に採用された)に従って、10.0mLのFranz拡散細胞を用いて実施された実験によって決定した。スプリット厚のGoettingerミニブタ皮膚(雌性)を使用した。皮節を使用することで、全てのTTSのために無傷の表皮を用いて800μmの厚さに皮膚を調製した。1.188cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。32±1℃の温度でFranz拡散細胞のレセプター媒体(抗細菌学的薬剤として0.1%アジ化ナトリウムを有するリン酸緩衝溶液pH5.5)におけるグアンファシン浸透量を測定し、対応する累積浸透量を算出した。
【0334】
【0335】
【0336】
実施例9a~c
実施例9a~cのグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表9.1に要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0337】
【0338】
コーティング組成物の調製
使用された薬物物質およびエンハンサーを溶媒酢酸エチル中に分散した。次いで、接着剤を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。溶解攪拌機を用いて、混合物を2000rpmで2~5分間均質化した。該塊を1500rpmでおよそ30分間再び撹拌した。
組成物9bの場合において、混合物を2000rpmで2分間均質化した後にSoluplusを添加した。該塊を2000rpmでおよそ2分間撹拌し、1500rpmでおよそ30分間さらに均質化した。
【0339】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。コーティング厚は、104(実施例9a)、95(実施例9b)および95(実施例9c)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。乾燥フィルムにバッキング層(PET 15μm tsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0340】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0341】
皮膚浸透の測定
実施例9a~cに従って調製されたTTSの浸透量を、上記の実施例2a~dについて記載されている通りに決定した。1.188cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。
【0342】
【0343】
【0344】
実施例10
インビボ臨床研究
本発明のTTS(実施例9bおよび9c)の経皮適用の後にグアンファシンの相対的生物学的利用能を調査するため、インビボ臨床試験を行った。研究は、ヘルシンキ宣言に起源を有する倫理原理に従って行った。
【0345】
トライアル設計
実施例9bおよび9cに記載されている通りに調製された本発明のTTS(各々が15cm2のサイズを有する)を介する84時間(3.5日)の経皮投与後のグアンファシンの単一用量薬物動態を、1mgの拡張放出錠剤(Shireから入手可能なIntuni
v Retard(登録商標)、1mg、1日1回)の経口投与と比較する目的で、12人の健康な男性および女性対象における4つの処置、3つの処置期間、固定された連続処置を用いる単一センターの相I非盲検設計において、トライアルを行った。
【0346】
各対象について、トライアルは:
・外来のスクリーニング期間、ここで、インフォームドコンセントを得て、対象の適格性を判定した。スクリーニングの結果に依存して、対象をトライアルに含めた。
・3つの連続的な処置期間(各々数日の長さ)からなる処置および観察期間。
・最終処置の終了後の外来の追跡調査訪問
で構成された。
【0347】
トライアル集団の選択
包含基準の全てを満たすとともに除外基準のいずれも満たさない対象のみを処置相に含めた。基準をスクリーニングで判定し、再チェックを期間1の-1日目に行った。
【0348】
包含基準
対象は、処置期間への参加に適格であるための以下の基準の全てを満たさなければならなかった。
1.研究中の指示を理解し、従うことができる対象。
2.インフォームドコンセントに署名した。
3.白人。
4.≧18および≦55歳の年齢。
5.非喫煙者。
6.医学的および外科手術的履歴、理学的検査、12誘導心電図(ECG)、バイタルサインおよび臨床実験室試験によって決定された場合の一般に良好な身体的健康。
7.18.0kg/m2から29.4kg/m2内の肥満度指数(BMI)についての認容値に従った正常範囲内の体重。
8.仰臥位で5分の休憩後に測定された正常血圧(収縮期血圧(SBP)≧90≦139mmHg;拡張期血圧≧55≦89mmHg)。
9.仰臥位で5分の休憩後に測定された≧50および≦99b/minの脈拍数。
10.臨床的に有意な異常がないECG記録。
11.第1の投与の前に少なくとも7日間熱性または感染性疾病を有したことがない。
【0349】
除外基準
対象が健康および匹敵する状態であることを確実にするため、以下の除外基準を適用した。
生活様式制限
1.キサンチン消費の過剰(1日当たり5杯超のコーヒーまたは同等物)を実証。
2.中程度超のアルコール消費(エタノールを1日当たり定期的に>35gまたは1週当たり定期的に>245g)。
3.アルコールまたは薬物乱用の任意の履歴。
4.菜食主義者。
5.薬物スクリーンに陽性。
6.アルコール呼気試験に陽性。
7.第1の投薬前48時間以内のキサンチン含有食品または飲料、ならびにグレープフルーツジュースまたはセビリアオレンジの消費。
8.第1の投薬前72時間以内の炭焼食品、ブロッコリーまたはメキャベツの消費。
以前の薬物療法
9.第1の投薬前4週以内(またはそれぞれの排出半減期の少なくとも10倍、いずれか長いほう)の、ホルモン避妊を除く任意の薬物療法(自己薬物療法または処方薬物療法)
の使用。
医学的および外科手術的履歴
10.急性または慢性の任意の活動性身体的疾患を実証。
11.薬物過敏症、喘息、じん麻疹または他の重度のアレルギー性素因の任意の履歴、ならびに現在の枯草熱。
12.調査された剤形の任意の構成成分の過敏症の任意の履歴。
13.慢性胃炎または消化性潰瘍の任意の履歴。
14.慢性または再発性の代謝性、腎臓、肝臓、肺、胃腸、神経学的(特に、てんかん性発作の履歴)、内分泌学的(特に、真性糖尿病)、免疫学的、精神医学的または心血管の疾患、ミオパチー、皮膚疾患、および出血傾向の任意の履歴。
15.ギルバート症候群。
16.第1の投薬前7日以内の任意の胃腸愁訴。
17.TTS適用部位での任意の瘢痕、黒子、刺青、皮膚刺激または過度の毛髪成長。
18.過去12カ月における、C-SSRS(コロンビア自殺重症度評価尺度)で2型から5型の任意の自殺念慮(即ち、具体的自殺思考、方法がある具体的自殺思考、意思はあるが特定の予定がない具体的自殺思考、または予定および意思がある具体的自殺思考)。実験室検査
19.殊にアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)に関して、臨床的関連がある参照範囲外の実験室値(例えば、不明な疾患を示唆し、調査者によって判定されたさらなる臨床評価を必要とする)。
20.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体/p24抗原についての試験に陽性。
21.B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)試験に陽性。
22.抗C型肝炎ウイルス抗体(抗HCV)試験に陽性。
他
23.このトライアルに対するインフォームドコンセントに署名する前30日以内の献血。
24.このトライアルに対するインフォームドコンセントに署名する前、臨床研究30日の処置相に参加、または前の臨床試験の追跡調査期間によって遮断される。
25.産児制限の高度に有効な方法を使用しない出産可能な女性。産児制限の高度に有効な方法は、一貫しておよび正しく使用された場合に低い、即ち1年当たり1%未満の失敗率をもたらすもの(例えば、子宮内のデバイスおよびコンドームの組合せ)として定義されている。女性対象は、子宮摘出または両側卵管結紮によって外科手術的に不妊化されてないまたは閉経後少なくとも2年間でなければ、出産可能であると考えられる。
26.妊娠中または母乳育児中の女性。
【0350】
研究中の処置
研究中に投与される処置は、後文に要約されている。
【0351】
試験生成物1:
グアンファシン含有TTS9.0mg(実施例9cに従った製剤)
含有量:9mg/15cm2
1日の放出の概算:約1mg
投与の経路:経皮
処置持続期間:3.5日
【0352】
試験生成物2:
グアンファシン含有TTS18.0mg(実施例9bに従った製剤)
含有量:18mg/15cm2
1日の放出の概算:約1.5mg
投与の経路:経皮
処置持続期間:3.5日
【0353】
試験生成物3:
プラセボ含有TTS(50重量%のSilAc 7-6102および50重量%のSilAc 7-6302を含む製剤)
含有量:0mg/15cm2
1日の放出の概算:-
投与の経路:経皮
処置持続期間:3.5日
【0354】
活性対照/参照(R):
市場に出ている経口の拡張放出製剤(Intuniv(登録商標)1mg)
用量:1mg
投与の経路:経口
処置持続期間:単一用量
【0355】
経口錠剤(対照)の投与
錠剤を朝に単一用量として投与した。
【0356】
TTSの適用
TTSを上胸部または上背部の無傷な皮膚に朝に適用した。必要ならば、適用部域上の毛髪を適用の前に剪刀で刈り込んだ(剪毛でない)。TTS適用の前に、皮膚に洗剤、油および脂肪がないことを確認するように、対象に指示した。TTSを所望の位置に置き、少なくとも30秒間手の指または掌で押すことで、TTSを皮膚表面上に固定した。TTSを3.5日(84時間)後に除去した。除去後、使用されたTTSをさらに分析するまで、窒素下で取り扱い、冷蔵庫に貯蔵した。
【0357】
各対象についての用量のタイミング
処置の第1日目、朝食を出さなかった;対象を朝投与前に終夜絶食させた。標準化された昼食を朝の投与の4時間後に、夕食をおよそ10時間後に与えた。朝および夕方の投与の1時間前から1時間後まで、流体摂取を許可しなかった。食物はTTSと相互作用しないので、対象は、在宅日中、処置中の通例時に、標準化された食事および飲料を受けた。在宅日中、対象に、研究ユニットによって提供される食物または飲料を消費することだけを許可した。
【0358】
制限および注意
トライアル中、対象に、体温を増加させ得る全ての活動、即ち、身体的労作、サウナ、大きな熱を伴う環境から遠ざかるように指示した。TTSが着用されている時間中、対象に、発汗を増加させる任意の活性など、TTSの接着に影響を及ぼし得る任意の活動を行うことを許可しなかった。例えば除外基準に従って、食品および飲料摂取に対するさらなる制限を課した。
【0359】
サンプル回収および血中血漿濃度の決定
血中血漿中のグアンファシンの濃度の決定のための血液サンプルを、投与後の特定の時点で回収した。
【0360】
有害事象(AE)
有害事象は、非誘導質問を使用して調査者によって確定され、医療従事者に対象によって自発的に報告された場合または剤形の投与後の全ての研究日に任意の測定中に観察され
た場合に認められ、研究医師によって格付けされた。
【0361】
AEは、それが発生した処置および時点を参照とし、即ち、第1の投薬前に発生した任意のAEをベースライン愁訴/処置前AEとしてカウントし、下記分析に含めなかった。
【0362】
結果および分析
全ての12人の対象が研究を完了した。研究の結果は、表10.aに示されている。
【0363】
グアンファシンの相乗平均血中血漿濃度(n=12)
全ての12人の対象に基づくグアンファシン血中血漿濃度の相乗平均値を決定し、
図11に示されている(時での時間に対するng/mLでのグアンファシン血中血漿濃度)。AUC値を血中血漿濃度から算出し、C
max値およびt
max値と同様に表10aに表されている。
【0364】
【0365】
Intuniv錠剤についての文献パラメータは、表10bに提供されている。
【0366】
【0367】
着用されたTTS中のグアンファシンの残留量(n=12)
適切な溶媒を用いて使用済みTTSのサンプルからグアンファシンを抽出することによって、着用されたTTS中のグアンファシンの残留量を決定し、続いて、UV光度検出器を用いる検証HPLC方法を使用してグアンファシンの量を決定した。結果は、表10cに提供されている。
【0368】
【0369】
有害事象(AE)
表10dは、異なるカテゴリーで報告された有害事象の数を反映している。
【0370】
ほとんどのAEはIMPに関連しており、1つの事象のみ(頸部疼痛)が関連していなかった。観察されたAEはいずれも強度が重度でなく、いずれも重篤でなかった。全ての事象を研究の終わりに解決した。
【0371】
最も頻繁に観察されたAEは、疲労(5人の対象で12の事象)、眩暈(4人の対象で6の事象)、およびTTSの適用部位での掻痒症(5人の対象で6の事象)であった。
【0372】
【0373】
皮膚刺激
軽度の皮膚反応は一過性であり、TTSの除去後に鎮静した。最大の組合せ皮膚反応スコアの点から、活性とプラセボTTSとの間に差異はなかった。
【0374】
結論
この探索研究の結果は、グアンファシンが経皮経路を介して投与することができることを示した。しかしながら、15cm2のサイズを有するパッチの適用後の吸収は著しく遅くなり、経口投与と比較してより少ない程度に発生する。全体的な曝露は、経口投与に続いて観察されたものの約30%から50%であり、TTSにおけるグアンファシン濃度から独立していたが、TTS中の残留含有量から算出されたグアンファシンの放出量と一致していた。経皮送達後のグアンファシンの安全性プロファイルは、この研究の設定において経口投与のそれに匹敵していた。
【0375】
結論として、この臨床研究の結果は、要求される血漿濃度が、パッチサイズを調整することによって達成することができることを示している。
【0376】
比較例1
比較例1(Comp.-Ex.1)は、15/85の比でOppanol B10およびOppanol B100ならびにグアンファシン塩基の混合物である。比較例1のグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表10.1に要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0377】
【0378】
コーティング組成物の調製
薬物物質を溶媒n-ヘプタン中に分散し、10分間超音波処理した。次いで、接着剤混合物を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。溶解攪拌機を用いて、混合物を100~500rpmで30分間均質化した。
【0379】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。コーティング厚は、91(比較例1)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。乾燥フィルムにバッキング層(シリコーン化されたMN 19)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0380】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0381】
皮膚浸透の測定
比較例1に従って調製されたTTSの浸透量を、上記の実施例2a~dについて記載されている通りに決定した。1.188cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。
【0382】
【0383】
【0384】
比較例2a~b
コーティング組成物
比較例2a~bのグアンファシン含有コーティング組成物の製剤は、下記の表11.1に要約されている。%値は、重量%での量を指す。
【0385】
【0386】
コーティング組成物の調製
薬物物質を溶媒酢酸エチル中に分散し、およそ5分間超音波処理した。次いで、接着剤を添加した。これらの2つの工程は、逆の順序で行うこともできる。溶解攪拌機を用いて、混合物を500~800rpmでおよそ10分間均質化した。
比較例2aの場合において、薬物物質を接着剤中に直接分散した。混合物を500rpmでおよそ10分間撹拌した。
【0387】
コーティング組成物のコーティング
コーティングプロセスについては実施例1a~cを参照されたい。比較例2bのため、コーティング組成物をPET 100μmのフィルム上にコーティングした。コーティング厚は、49(比較例2a)および50(比較例2b)g/m2のグアンファシン含有層の面積重量を与えた。乾燥フィルムにバッキング層(PET 15μm tsp)を積層することで、グアンファシン含有自己接着性層構造が提供された。
【0388】
TTSの調製
実施例1を参照されたい。
【0389】
皮膚浸透率の測定
比較例2a~bに従って調製されたTTSの浸透量を、10.0mlのFranz拡散細胞で実施されたOECDガイドライン(2004年4月13日に採用された)に従った実験によって決定した。スプリット厚のGoettingenミニブタ皮膚(雌性)を使用した。皮節を使用することで、全てのTTSのために無傷の表皮で800μmの厚さに皮膚を調製した。1.165cm2の放出面積を有するダイカットをTTSから抜き出した。32±1℃の温度でFranz拡散細胞のレセプター媒体(抗細菌学的薬剤として0.1%アジ化ナトリウムを有するリン酸緩衝溶液pH5.5)におけるグアンファシン浸透量を測定し、対応する累積浸透量を算出した。
【0390】
【0391】
【0392】
本発明は、特に、以下のさらなる項目に関する:
1.グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、前記グアンファシン含有層構造が:
A)バッキング層;および
B)グアンファシン含有層;
を含み、
経皮治療システムが、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む、経皮治療システム。
2.グアンファシン含有層が:
i)グアンファシン;および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー
を含むグアンファシン含有マトリックス層である、
項目1に従った経皮治療システム。
3.グアンファシン含有層構造が、自己接着性であり、好ましくは追加の皮膚接触層を含まない、
項目1または2のいずれか1つに従った経皮治療システム。
4.少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーが、シリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤である、
項目1から3のいずれか1つに従った経皮治療システム。
5.グアンファシン含有層構造が、治療有効量のグアンファシンを含有する、
項目1から4のいずれか1つに従った経皮治療システム。
6.グアンファシン含有層構造におけるグアンファシンが、好ましくはグアンファシン含有層中に分散された、遊離塩基の形態で存在する、
項目1から5のいずれか1つに従った経皮治療システム。
7.グアンファシン含有層構造が、1mgから100mg/TTS、好ましくは8mgから72mg/TTSの量でグアンファシンを含む、
項目1から6のいずれか1つに従った経皮治療システム。
8.グアンファシン含有層が、グアンファシン含有層の総重量に基づいて1重量%から20重量%、より好ましくは3重量%から16重量%の量でグアンファシンを含む、
項目1から7のいずれか1つに従った経皮治療システム。
9.グアンファシン含有層が、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを、グアンファシン含有層の総重量に基づいて20重量%から99重量%、好ましくは30重量%から97重量%、最も好ましくは35重量%から94重量%の量で含み、
好ましくは、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーが、シリコーン相およびアクリレート相を60:40から40:60の重量比で含む、
項目1から8のいずれか1つに従った経皮治療システム。
10.グアンファシン含有層が、各場合においてグアンファシン含有層の総重量に基づいて、第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを60重量%から90重量%の量で、および第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを1重量%から10重量%の量で含み、
好ましくは、第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーおよび第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーが、シリコーン相およびアクリレート相を60:40から40:60の重量比で含む、
項目1から9のいずれか1つに従った経皮治療システム。
11.グアンファシン含有層が、少なくとも1種の非ハイブリッドポリマー、好ましくは感圧接着剤非ハイブリッドポリマーをさらに含む、
項目1から10のいずれか1つに従った経皮治療システム。
12.少なくとも1種の非ハイブリッドポリマーが、シリコーンおよびアクリレートからなる群から選択される、
項目11に従った経皮治療システム。
13.少なくとも1種の非ハイブリッドポリマーが、グアンファシン含有層の総重量に基づいて5重量%から50重量%、好ましくは20重量%から40重量%の量で存在する、項目11または12のいずれか1つに従った経皮治療システム。
14.少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー対少なくとも1種の非ハイブリッドポリマーの重量比が、10:1から1:2、好ましくは2:1から1:2である、
項目11から13のいずれか1つに従った経皮治療システム。
15.シリコーンアクリルハイブリッドポリマーが、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂およびアクリルポリマーの反応生成物を含み、ここで、アクリルポリマーは、シリコーンポリマーおよび/またはシリコーン樹脂に共有結合的に自己架橋および共有結合的に結合されている、
項目1から14のいずれか1つに従った経皮治療システム。
16.シリコーンアクリルハイブリッドポリマーが、
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物
から得られるシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤である、
項目1から14のいずれか1つに従った経皮治療システム。
17.シリコーンアクリルハイブリッドポリマーが、
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物;
(b)エチレン性不飽和モノマー;および
(c)開始剤
の反応生成物を含むシリコーンアクリルハイブリッド圧力感受性接着剤である、
項目1から14または16のいずれか1つに従った経皮治療システム。
18.アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物が、
(a1)シリコーン樹脂、および
(a2)シリコーンポリマー、および
(a3)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物を含む、
項目16または17のいずれか1つに従った経皮治療システム。
19.アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物が、
(a1)シリコーン樹脂、および
(a2)シリコーンポリマー、および
(a3)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有キャッピング剤、ここで、前記ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’bSiZ3-bであり、ここで、Xは一般式AEの一価の基であり、ここでEは-O-または-NH-であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、Yは、1個から6個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、R’は、メチルまたはフェニル基であり、Zは、一価の加水分解性有機基またはハロゲンであり、bは、0または1である;
の縮合反応生成物を含み、
ここで、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーは反応されることで圧力感受性接着剤を形成し、ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが反応される前に、最中にまたは後に導入され、
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂およびシリコーンポリマーが縮合反応された後に圧力感受性接着剤と反応することで圧力感受性接着剤を形成する、またはケイ素含有キャッピング剤はシリコーン樹脂およびシリコーンポリマーとその場で反応する、項目16から18のいずれか1つに従った経皮治療システム。
20.エチレン性不飽和モノマーが、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式タクリレート、およびその組合せからなる群から選択され、前記化合物の各々が、アルキルラジカル中に最大20個までの炭素原子を有し、エチレン性不飽和モノマーが、好ましくは2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルの、特に好ましくは40:60から70:30の比での組合せである、
項目17から19のいずれか1つに従った経皮治療システム。
21.
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有圧力感受性接着剤組成物;
(b)エチレン性不飽和モノマー;および
(c)開始剤
の反応生成物が、連続的アクリル外相および不連続的シリコーン内相を含有する、
項目17から20のいずれか1つに従った経皮治療システム。
22.グアンファシン含有層が、分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤からなる群か
ら選択される少なくとも1種の添加剤、もしくは分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤からなる群から選択される少なくとも2種の添加剤をさらに含むことで、好ましくは分散剤および浸透エンハンサーの組合せ、もしくは分散剤および可溶化剤の組合せ、もしくは浸透エンハンサーおよび可溶化剤の組合せが存在する、または分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤からなる群から選択される少なくとも3種の添加剤を含むことで、好ましくは分散剤、浸透エンハンサーおよび可溶化剤の組合せが存在する、
項目1から21のいずれか1つに従った経皮治療システム。
23.分散剤が、脂肪酸とポリオールとのエステル、脂肪アルコール、300から400の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテルからなる群から選択され、分散剤が、好ましくは2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテルである、
項目22に従った経皮治療システム。
24.浸透エンハンサーが、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(トランスクトール)、オレイン酸、レブリン酸、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸ラウリル、トリアセチン、ジメチルプロピレン尿素およびオレイルアルコールからなる群から選択され、好ましくはオレイルアルコールである、項目22または23従った経皮治療システム。
25.可溶化剤が、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルから誘導されるコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ならびにポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーからなる群から選択され、好ましくはポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーである、項目22から24のいずれか1つに従った経皮治療システム。
26.グアンファシン含有層の面積重量が、40g/m2から250g/m2、好ましくは50g/m2から180g/m2を範囲とする、
項目1から25のいずれか1つに従った経皮治療システム。
27.少なくとも1種の添加剤が、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%、または1重量%から10重量%の量で存在する、
項目23から26のいずれか1つに従った経皮治療システム。
28.経皮治療システムのグアンファシン充填量が、0.2mgから2.4mg/cm2、好ましくは0.2mgから1.5mg/cm2を範囲とする、かつ/または放出面積が、1cm2から100cm2、好ましくは2.5cm2から50cm2を範囲とする、
項目1から27のいずれか1つに従った経皮治療システム。
29.経皮送達によって定常状態で、1から20ng/ml、好ましくは1から15ng/mlのグアンファシンの平均血漿濃度を提供する、
項目1から28のいずれか1つに従った経皮治療システム。
30.10から600ng*h/ml、好ましくは20から400ng*h/mlのAUC0-24hを有する、
項目1から29のいずれか1つに従った経皮治療システム。
31.30から1800ng*h/ml、好ましくは60から1200ng*h/mlのAUC0-72hを有する、
項目1から30のいずれか1つに従った経皮治療システム。
32.35から2100ng*h/ml、好ましくは70から1400ng*h/mlのAUC0-84hを有する、
項目1から31のいずれか1つに従った経皮治療システム。
33.3.5未満の、C84に対するCmax比を有する、
項目1から32のいずれか1つに従った経皮治療システム。
34.3.0未満の、C72に対するCmax比を有する、
項目1から33のいずれか1つに従った経皮治療システム。
35.2.0未満の、C24に対するCmax比を有する、
項目1から34のいずれか1つに従った経皮治療システム。
36.
最初の24時間に0.01μg/(cm2*h)から8μg/(cm2*h)、
24時間目から72時間目に0.05μg/(cm2*h)から10μg/(cm2*h)
の、皮節化ヒト皮膚を用いるFranz拡散細胞において測定される場合のグアンファシンの皮膚浸透率を提供する、
項目1から35のいずれか1つに従った経皮治療システム。
37.72時間の時間期間にわたって0.01mg/cm2から0.7mg/cm2、好ましくは0.05mg/cm2から0.6mg/cm2、より好ましくは0.15mgから0.3mg/cm2の、皮節化ヒト皮膚を用いるFranz拡散細胞において測定される場合のグアンファシンの累積浸透量を提供する、
項目1から36のいずれか1つに従った経皮治療システム。
38.ヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のための、項目1から37のいずれか1つに従った経皮治療システム。
39.ヒト患者における、好ましくは6歳から17歳のヒト患者における、高血圧症または注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法におけるおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としての使用のための、項目1から37のいずれか1つに従った経皮治療システム。
40.経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される、項目38または39のいずれか1つに従った使用のための経皮治療システム。
41.項目1から37のいずれか1つに定義されている通りの経皮治療システムを患者の皮膚に適用することによって、ヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法。
42.項目1から37のいずれか1つに定義されている通りの経皮治療システムを患者の皮膚に適用することによって、ヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者における高血圧症または注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法。
43.経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される、項目41または42のいずれか1つに従ったヒト患者を処置する方法。
44.グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
経皮治療システムが、
10から600(ng/mL)hのAUC0-24、
30から1800(ng/mL)hのAUC0-72、
35から2100(ng/mL)hのAUC0-84、
2.0未満の、C24に対するCmax比、
3.0未満の、C72に対するCmax比、および
3.5未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される1つまたはそれ以上の薬物動態学的パラメータを経皮送達によって提供する経皮治療システム。
45.経皮治療システムが、
20から400(ng/mL)hのAUC0-24、
60から1200(ng/mL)hのAUC0-72、
70から1400(ng/mL)hのAUC0-84、
1.5未満の、C24に対するCmax比、
2.5未満の、C72に対するCmax比、および
3.0未満の、C84に対するCmax比
からなる群から選択される1つまたはそれ以上の薬物動態学的パラメータを経皮送達によって提供する、
項目44に従った経皮治療システム。
46.グアンファシンの経皮投与によってヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のためのグアンファシンを含む経皮治療システムであって、経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される経皮治療システム。
47.経皮治療システムが、ヒト患者における、高血圧症または注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法におけるおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としての使用のためのものである、項目46に従った使用のためのグアンファシンを含む経皮治療システム。
48.経皮治療システムが、項目44または45のいずれか1つに従った経皮治療システムである、項目46または47に従った使用のためのグアンファシンを含む経皮治療システム。
49.経皮治療システムを用いるグアンファシンの経皮投与によってヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法における使用のためのグアンファシンであって、経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用されるグアンファシン。
50.グアンファシンが、ヒト患者における、高血圧症もしくは注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置する方法におけるおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としての使用のためのものである、項目49に従った使用のためのグアンファシン。
51.グアンファシンが、項目49または50のいずれか1つに従った経皮治療システムを適用することによって投与される、項目59または60に従った使用のためのグアンファシン。
52.グアンファシンの経皮投与によってヒト患者、好ましくは6歳から17歳のヒト患者を処置する方法であって、経皮治療システムが、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも72時間、より好ましくは約84時間の間、患者の皮膚に適用される方法。
53.方法が、ヒト患者における高血圧症または注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置するおよび/または刺激薬療法に対する補助治療としてのものである、項目62に従ったグアンファシンの経皮投与によってヒト患者を処置する方法。
54.グアンファシンが、項目44または45のいずれか1つに従った経皮治療システムを適用することによって投与される、項目52または53のいずれか1つに従ったグアンファシンの経皮投与によってヒト患者を処置する方法。
55.項目1から37または44または45のいずれか1つに従った経皮治療システムにおける使用のためのグアンファシン含有層を製造するためのプロセスであって:
1)少なくとも構成成分
i)グアンファシン;および
ii)少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
を組み合わせることで、コーティング組成物を得る工程;
2)コーティング組成物をバッキング層または剥離ライナー上にコーティングすることで、コーティングされたコーティング組成物を得る工程;ならびに
3)コーティングされたコーティング組成物を乾燥させることで、グアンファシン含有層を形成する工程
を含むプロセス。
56.シリコーンアクリルハイブリッドポリマーが溶液として提供され、ここで、溶媒が酢酸エチルまたはn-ヘプタンであり、好ましくは酢酸エチルである、項目55に従ったグアンファシン含有層を製造するためのプロセス。
57.項目55または56のいずれか1つに従ったプロセスによって得られる経皮治療システム。
58.グアンファシン含有層構造を含むグアンファシンの経皮投与のための経皮治療シス
テムであって、前記グアンファシン含有層構造が:
A)バッキング層;ならびに
B)
i)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から13重量%の量でグアンファシン;
ii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて74重量%から89重量%の量で、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
iii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量で、少なくとも1種の分散剤;
iv)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量で、少なくとも1種の浸透エンハンサー;および
v)場合により、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から4重量%の量で、少なくとも1種の可溶化剤
を含む、グアンファシン含有層、好ましくはグアンファシン含有マトリックス層
を含む経皮治療システム。
59.グアンファシン含有層が、
i)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から13重量%の量でグアンファシン;
ii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて74重量%から89重量%の量で、少なくとも1種のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
iii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量で、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテル;
iv)グアンファシン含有層の総重量に基づいて2重量%から6重量%の量でオレイルアルコール;および
v)場合により、グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から4重量%の量でポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー
を含むグアンファシン含有マトリックス層である、項目58に従った経皮治療システム。60.グアンファシン含有層が、
i)グアンファシン含有層の総重量に基づいて11重量%から13重量%の量でグアンファシン;
ii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて73重量%から75重量%の量で第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー、およびグアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量で第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
iii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量で、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテル、好ましくはポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル;
iv)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量でオレイルアルコール;ならびに
v)グアンファシン含有層の総重量に基づいて0.5重量%から3重量%の量でポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含むグアンファシン含有マトリックス層である、項目58または59に従った経皮治療システム。
61.第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比が、55:45から45:55であり、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーが、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを55:45から45:50の比で含む、項目60に従った経皮治療システム。
62.第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレ
ート相の重量比が、55:45から45:55であり、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーが、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを65:35から55:45の比で含む、項目60または61に従った経皮治療システム。
63.両方のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおいて、シリコーン相が内相であり、アクリレート相が外相である、項目60から62のいずれか1つに従った経皮治療システム。
64.グアンファシン含有層が、
i)グアンファシン含有層の総重量に基づいて5重量%から7重量%の量でグアンファシン;
ii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて79重量%から83重量%の量で第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー、およびグアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量で第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;
iii)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量で、2から10のEO単位を有するポリエチレングリコールC8~C20-アルキルエーテル、好ましくはポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル;ならびに
iv)グアンファシン含有層の総重量に基づいて3重量%から5重量%の量でオレイルアルコール
を含むグアンファシン含有マトリックス層である、項目58または59に従った経皮治療システム。
65.第1のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比が、55:45から45:50であり、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーが、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを55:45から45:55の比で含む、項目64に従った経皮治療システム。
66.第2のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおけるシリコーン相対アクリレート相の重量比が55:45から45:55であり、アクリレートを形成するエチレン性不飽和モノマーが、2-エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸メチルを65:35から55:45の比で含む、項目74または75に従った経皮治療システム。
67.両方のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーにおいて、シリコーン相が内相であり、アクリレート相が外相である、項目64から66のいずれか1つに従った経皮治療システム。
68.グアンファシン含有層の面積重量が、80g/m2から120g/m2、好ましくは90g/m2から100g/m2を範囲とする、項目58から67のいずれか1つに従った経皮治療システム。
【外国語明細書】