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▶ リンカーン グローバル,インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116689
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】蝋付けのための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/00 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
B23K1/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023097639
(22)【出願日】2023-06-14
(62)【分割の表示】P 2018222076の分割
【原出願日】2018-11-28
(31)【優先権主張番号】62/592016
(32)【優先日】2017-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/019655
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510202156
【氏名又は名称】リンカーン グローバル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ランディ シー.エデンフィールド
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス エス.ペリー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー クライン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート テフト
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ケー.スミス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】蝋付けのための装置および方法を提供する。
【解決手段】蝋付けシステムはプロセッサおよびメモリを有するコントローラ回路ボード(コントローラ)を含む。本システムはまた、燃料ガス入力、燃料ガス出力、酸素/空気ガス入力、および酸素/空気ガス出力を含む。本システムはさらに、それぞれがコントローラへ作動可能に接続されるタッチスクリーンディスプレイおよびフットペダルを含む。コントローラは複数の炎初期設定のジョブをメモリ内に格納するように構成される。炎初期設定の任意のジョブが、コントローラ回路ボードから呼び出され得、フットペダルを踏むことに応じて周期的に繰り返され得る。各ジョブは、蝋付けアセンブリに対し行われる一連の接合蝋付けに対応し、複数の選択可能炎初期設定を含む。各炎初期設定は、燃料ガスの流量および酸素/空気ガスの流量に基づき炎設定を規定する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トーチ蝋付けシステムであって、当該システムは、
タッチスクリーンディスプレイと、
プロセッサ及びメモリを有するコントローラ回路ボードであって、該コントローラ回路ボードは、単一トーチ構成又はマルチトーチ構成をサポートするためにオペレータにより手動で設定されるように構成され、該単一トーチ構成は、前記メモリに記憶された第1のコンピュータ実行可能命令を有し、前記プロセッサで実行されるように構成された第1の統合ソフトウェアを含み、該マルチトーチ構成は、前記メモリに記憶された第2のコンピュータ実行可能命令を有し、前記プロセッサ上で実行されるように構成された第2の統合ソフトウェアを含む、コントローラ回路ボードと、
を含み、
前記コントローラ回路ボードは前記タッチスクリーンディスプレイに接続され、前記タッチスクリーンディスプレイを介して前記コントローラ回路ボードとのユーザの相互作用を可能にするように構成され、
前記マルチトーチ構成は、複数の蝋付けトーチの独立した設定と、複数の独立した蝋付けプロセスの間に複数のユーザによる該複数の蝋付けトーチの同時使用をサポートする、トーチ蝋付けシステム。
【請求項2】
前記トーチ蝋付けシステムは、単一トーチ蝋付けシステム又はマルチトーチ蝋付けシステムのうちの1つであり、該単一トーチ蝋付けシステム及び該マルチトーチ蝋付けシステムは、互いに異なる少なくともいくつかの制御可能なハードウェア要素を有する、請求項1に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項3】
前記コントローラ回路ボードは、前記コントローラ回路ボードが前記単一トーチ蝋付けシステムに取り付けられ、前記コントローラ回路ボードが前記単一トーチ構成に設定されている場合、前記単一トーチ蝋付けシステムの制御可能なハードウェア要素を制御するように構成されている、請求項2に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項4】
前記コントローラ回路ボードは、前記コントローラ回路ボードが前記マルチトーチ蝋付けシステムに取り付けられ、前記コントローラ回路ボードが前記マルチトーチ構成に設定されている場合、前記マルチトーチ蝋付けシステムの制御可能なハードウェア要素を制御するように構成されている、請求項2に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項5】
前記コントローラ回路ボードは、ホームスクリーン及びメインメニューを提供し、少なくとも前記タッチスクリーンディスプレイを介して、製造モード、セットアップモード及びデモモードでユーザ相互作用をサポートするように構成されている、請求項1に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項6】
自動化インターフェースを介して前記コントローラ回路ボードに接続されたロボットをさらに含み、前記コントローラ回路ボードは、該自動化インターフェースを介して蝋付けトーチを保持する該ロボットのプログラマブルロジックコントローラと通信して、前記ロボットの動きを制御し、蝋付け作業の間に、選択された炎の種類を前記ロボットの蝋付け位置に同期させるように構成されている、請求項1に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項7】
選択された炎設定に対応する所望の炎を維持するために、少なくとも燃料ガスの流量及び酸素/空気ガスの流量を監視及び調整するように構成された、燃料ガス質量流コントローラ及び酸素/空気ガス質量流コントローラをさらに含む、請求項1に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項8】
前記複数の蝋付けトーチのそれぞれのために、異なる選択された炎設定に対応する異なる所望の炎を同時に維持するために、前記マルチトーチ構成にある前記コントローラ回路ボードの制御の下で前記システムの複数の燃料ガス出力のそれぞれのための燃料ガスの流量及び前記システムの複数の酸素/空気ガス出力のそれぞれのための酸素/空気ガスの流量を少なくとも独立して監視及び調整するように構成された燃料ガス質量流コントローラ及び酸素/空気ガス質量流コントローラをさらに含む、請求項1に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項9】
前記コントローラ回路ボードは、前記単一トーチ構成のための第1のプロセスフローと、前記マルチトーチ構成のための第2のプロセスフローとを提供する、請求項1に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項10】
前記第1のプロセスフローは、炎設定、ジョブ設定、トーチ選択、炎設定選択、WiFi設定、ソフトウェアライセンスのアクティベーション、収集したデータをアップロードするためのサーバのアップロード時間の設定及びディスプレイオプションの選択のうちの少なくとも1つの機能を含む、請求項9に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項11】
前記第2のプロセスフローは、炎設定、ジョブ設定、トーチ選択、炎設定選択、WiFi設定、ソフトウェアライセンスのアクティベーション、収集したデータをアップロードするためのサーバのアップロード時間の設定及びディスプレイオプションの選択のうちの少なくとも1つの機能を含む、請求項9に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項12】
前記コントローラ回路ボードはプロセスフローを制御するように構成され、該プロセスフローは、ユーザによる前記トーチ蝋付けシステムへの初期入力を含む、請求項1に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項13】
前記トーチ蝋付けシステムへの前記初期入力は、マシンIDのユーザ設定、WiFiのユーザ設定、ソフトウェアライセンスのユーザ検証及び前記コントローラ回路ボードによって収集された収集データをいつアップロードするかのサーバアップロード時間のユーザ設定のうち少なくとも1つを含む、請求項12に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項14】
前記コントローラ回路ボードは、複数の炎初期設定のジョブを前記メモリに記憶するように構成され、
前記コントローラ回路ボードから前記複数の炎初期設定のジョブのうち任意のジョブを呼び出すことができ、
前記複数の炎初期設定のジョブのそれぞれのジョブは、蝋付けアセンブリで行われるべき接合蝋付けのシーケンスに対応し、複数の選択可能炎初期設定を含み、
前記複数の選択可能炎初期設定の各炎初期設定は、少なくとも燃料ガスの流量及び酸素/空気ガスの流量に基づいて炎設定を定義する、請求項1に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項15】
燃料エンコーダノブ及び酸素/空気エンコーダノブをさらに含み、前記複数の選択可能炎初期設定の炎初期設定は、前記燃料ガス及び前記酸素/空気ガスのそれぞれの流量を独立に調整するために前記タッチスクリーンディスプレイを介し前記コントローラ回路ボードのセットアップモードを入力することにより且つ前記燃料エンコーダノブ及び前記酸素/空気エンコーダノブを用いることにより、前記コントローラ回路ボードの前記メモリ内で確立できる、請求項14に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項16】
無線ルータ及び外部コンピュータをさらに含み、該無線ルータは該外部コンピュータに接続され、前記コントローラ回路ボードは、前記外部コンピュータによるデータ収集及びソフトウェアライセンスの管理のうちの少なくとも1つのために前記無線ルータを介して前記外部コンピュータと無線通信するように構成される、請求項1に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項17】
前記無線ルータはWi-Fiルータであり、前記コントローラ回路ボードは前記Wi-Fiルータを介し前記外部コンピュータと無線通信するように構成されている、請求項16に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項18】
前記外部コンピュータは、第3のコンピュータ実行可能命令として前記外部コンピュータ上で実行されるソフトウェアアプリケーションとして実施されるダッシュボードユーザインターフェースを含み、
前記ダッシュボードユーザインターフェースは、ユーザにより見られ解析される前記コントローラ回路ボードから前記外部コンピュータにより収集された収集データを処理するように構成されている、請求項16に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項19】
前記収集データは、前記蝋付けシステムが蝋付け処理の間にオンだった時間、前記蝋付け処理の間にガスが流れていた時間、前記蝋付けシステムが前記蝋付け処理の間に行っていたものと関連付けられた設定及び診断情報のうちの少なくとも1つに関連する、請求項18に記載のトーチ蝋付けシステム。
【請求項20】
前記ダッシュボードユーザインターフェースは、前記トーチ蝋付けシステムの操作要因を示す日付に基づいてアクセスされるように構成され、該操作要因は、前記蝋付けシステムがオン又は作動している時間の割合である、請求項18に記載のトーチ蝋付けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本米国特許出願は、参照のためその開示を本明細書に援用する2017年11月29日出願の米国特許出願第62/592,016号明細書からの優先権および便宜を主張する。2011年4月8日出願に基づく2013年5月21日に発行された米国特許第8,444,041号明細書を全体として参照により本明細書に援用する。
【0002】
本明細書で説明される本発明の実施形態は一般的には、複数の気体を使用する再生可能ガス流速制御を有する蝋付けシステムとこれを実現する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
蝋付けは蝋付けフィラー(すなわち、連結される金属より低融点を有する金属または合金)により金属部材同士を連結させる既知の方法の1つである。蝋付けは通常、少なくとも2つの溶接ガスの流れおよび比を制御する少なくとも2つのニードル絞り弁を有するトーチの使用に関与する。ガスの一方は、LPガス、天然ガス、アセチレンガス、メタン、プロパン、ブタン、水素、またはそれらの混合物または組合せなどの可燃性燃料ガスを含み、他方のガスは酸素または空気などの燃焼支援ガスを含むことになる。ニードル絞り弁は、ガスの圧力、流量、および/または質が変化し、いくつかのケースでは、品質問題に至り得るので、蝋付けの前およびその最中にガスの流れを手動で調整するために使用される。外部温度の変化、使用されるガスの総量、またはシリンダ内の残留ガスの量、およびガス流速に影響を与えるすべての変数を含む様々な理由のために調整が必要とされる。加えて、トーチ作業者は(多くの経験年数を有する作業者でさえ)、ニードル弁を設定する際に、および混合ガスが、許容可能酸素対燃料比を有する炎を生成するかどうかを判断する際に、非常に苦労し得る。
【0004】
複数の調整弁を有するトーチを備えた既存蝋付けシステムのこれまで述べた問題および欠点という観点で、本出願は、これらの欠点を克服する蝋付けシステムおよび方法について説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
蝋付けシステムおよび方法の実施形態が開示される。
【0006】
一実施形態によると、単一トーチ蝋付けシステムが提供される。単一トーチ蝋付けシステムは単一蝋付けトーチにより蝋付けを調節する。本システムはプロセッサおよびメモリを有するコントローラ回路ボード(コントローラ)を含む。本システムはまた、燃料ガス入力、燃料ガス出力、酸素/空気ガス入力、および酸素/空気ガス出力を含む。本明細書で使用されるように、用語「酸素/空気ガス」は、酸素または空気のいずれかを指し、本システムにより使用される非燃料ガスである。本システムはさらに、コントローラ回路ボードへ作動可能に接続されたタッチスクリーンディスプレイとコントローラ回路ボードへ作動可能に接続されたフットペダルとを含む。コントローラ回路ボードは複数の炎初期設定のジョブをメモリ内に格納するように構成される。複数の炎初期設定のジョブの任意のジョブが、コントローラ回路ボードから(例えばタッチスクリーンディスプレイを介し)呼び出され、フットペダルを踏むことに応じて周期的に繰り返され得る。複数の炎初期設定のジョブの各ジョブは、蝋付けアセンブリに対し行われる一連の接合蝋付けに対応し、複数の選択可能炎初期設定を含む。複数の選択可能炎初期設定の各炎初期設定は、少なくとも燃料ガスの流量と酸素/空気ガスの流量とに基づき炎設定を規定する。一実施形態では、本システムは燃料エンコーダノブおよび酸素/空気エンコーダノブとを含む。複数の選択可能炎初期設定の炎初期設定は、タッチスクリーンディスプレイを介しコントローラ回路ボードのセットアップモードを入力することにより、そして燃料ガスと酸素/空気ガスのそれぞれの流量を独立に調整するために燃料エンコーダノブおよび酸素/空気エンコーダノブとを使用することによりコントローラ回路ボードのメモリ内に確立され得る。一実施形態では、本システムは、自動化インターフェースを介しコントローラ回路ボードへ作動可能に接続されたロボットを含む。コントローラ回路ボードは、蝋付け作業中に、ロボットの運動を制御し、選択された炎タイプとロボットの蝋付け位置とを同期するために、自動化インターフェースを介し蝋付けトーチを保持するロボットのプログラマブル論理コントローラと通信するように構成される。一実施形態では、本システムは、コントローラ回路ボードと、燃料ガス入力と燃料ガス出力間とへ作動可能に接続された質量流コントローラを含む。質量流コントローラは、コントローラ回路ボードの制御下で少なくとも燃料ガスの流量を監視および調整するように構成される。一実施形態では、本システムは、コントローラ回路ボードと、酸素/空気ガス入力と酸素/空気ガス出力間とへ作動可能に接続された質量流コントローラを含む。質量流コントローラはコントローラ回路ボードの制御下で少なくとも酸素/空気ガスの流量を監視および調整するように構成される。一実施形態では、本システムは、所望炎を選択された炎設定に維持するために、少なくとも燃料ガスの流量と酸素/空気ガスの流量とを監視および調整するように構成された燃料ガス質量流コントローラと酸素/空気ガス質量流コントローラとを含む。本システムは、電力を少なくともコントローラ回路ボードへ供給するように構成された電源ボードを含む。一実施形態では、本システムは無線ルータを含む。無線ルータは外部コンピュータへ作動可能に接続され、コントローラ回路ボードは、外部コンピュータによるデータ収集とソフトウェアライセンスの管理との少なくとも1つのために無線ルータを介し外部コンピュータと無線通信するように構成される。一実施形態では、無線ルータはWi-Fiルータであり、コントローラ回路ボードはWi-Fiルータを介し外部コンピュータと無線通信するように構成される。一実施形態では、外部コンピュータは、コンピュータ実行可能命令として外部コンピュータ上で走るソフトウェアアプリケーションとして実装されるダッシュボードユーザインターフェースを含む。ダッシュボードユーザインターフェースは、ユーザにより見られ解析されるコントローラ回路ボードから外部コンピュータにより収集された収集データを処理するように構成される。収集されたデータは、蝋付けシステムが蝋付け処理中にオンだった時間、ガスが蝋付け処理中に流れていた時間、蝋付けシステムが蝋付け処理中に行っていたものと関連付けられた設定、および診断情報のうちの少なくとも1つに関係付けられ得る。
【0007】
一実施形態によると、マルチトーチ蝋付けシステムが提供される。マルチトーチ蝋付けシステムは複数の蝋付けトーチにより蝋付けを同時調節する。本システムは、プロセッサおよびメモリを有するコントローラ回路ボードを含む。本システムはまた、コントローラ回路ボードへ作動可能に接続されたタッチスクリーンディスプレイを含む。本システムはさらに、単一燃料ガス入力と複数の燃料ガス出力とを含む。本システムはまた、コントローラ回路ボードと、単一燃料ガス入力と複数の燃料ガス出力間とへ作動可能に接続された燃料ガス質量流コントローラを含む。燃料ガス質量流コントローラはコントローラ回路ボードの制御下で少なくとも燃料ガスの流量を独立に監視および調整するように構成される。本システムはさらに、単一酸素/空気ガス入力と複数の酸素/空気ガス出力とを含む。本システムはまた、コントローラ回路ボードと、単一酸素/空気ガス入力と複数の酸素/空気ガス出力間とへ作動可能に接続された酸素/空気ガス質量流コントローラを含む。酸素/空気ガス質量流コントローラはコントローラ回路ボードの制御下で少なくとも酸素/空気ガスの流量を独立に監視および調整するように構成される。一実施形態では、本システムはさらに燃料エンコーダノブおよび酸素/空気エンコーダノブを含む。炎設定は、タッチスクリーンディスプレイを介しコントローラ回路ボードのセットアップモードを入力することにより、そして複数の燃料ガス出力のそれぞれの燃料ガスの流量と複数の酸素/空気ガス出力のそれぞれの酸素/空気ガスの流量とを独立に調整するために燃料エンコーダノブおよび酸素/空気エンコーダノブを使用することにより、複数の蝋付けトーチのコントローラ回路ボードのメモリ内に確立され得る。燃料ガス質量流コントローラおよび酸素/空気ガス質量流コントローラは、複数の蝋付けトーチのそれぞれの様々な選択された炎設定に対応する様々な所望炎を同時に維持するために、制御回路基板の制御下で少なくとも複数の燃料ガス出力のそれぞれの燃料ガスの流量と複数の酸素/空気ガス出力のそれぞれの酸素/空気ガスの流量とを独立に監視および調整するように構成される。一実施形態では、本システムはまた、コントローラ回路ボードを燃料ガス質量流コントローラへ作動可能に接続するように構成された第1のRS232インターフェースとコントローラ回路ボードを酸素/空気ガス質量流コントローラへ作動可能に接続するように構成された第2のRS232インターフェースとを含む。一実施形態では、複数の燃料ガス出力は3つの燃料ガス出力に制限され、複数の酸素/空気ガス出力は3つの酸素/空気ガス出力に制限される。一実施形態では、本システムはさらに無線ルータを含む。無線ルータは外部コンピュータへ作動可能に接続される。コントローラ回路ボードは、外部コンピュータによるデータ収集とソフトウェアライセンスの管理との少なくとも1つのために無線ルータを介し外部コンピュータと無線通信するように構成される。一実施形態では、無線ルータはWi-Fiルータであり、コントローラ回路ボードはWi-Fiルータを介し外部コンピュータと無線通信するように構成される。外部コンピュータは、コンピュータ実行可能命令として外部コンピュータ上で走るソフトウェアアプリケーションとして実装されたダッシュボードユーザインターフェースを含む。ダッシュボードユーザインターフェースは、ユーザにより見られ解析されるコントローラ回路ボードから外部コンピュータにより収集された収集データを処理するように構成される。一実施形態では、収集データは、蝋付けシステムが蝋付け処理中にオンだった時間、ガスが蝋付け処理中に流れていた時間、蝋付けシステムが蝋付け処理中に行っていたものと関連付けられた設定、および診断情報のうちの少なくとも1つに関係付けられる。
【0008】
これらおよび他の態様は添付図面、詳細説明、および添付の特許請求の範囲に照らすと明らかになる。
【0009】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、本明細書において詳細に説明されるとともにその一部を形成する添付図面に示されるいくつかの部分内の、およびいくつかの部分の配置内の物理的形式を採り得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】流れ制御がトーチ上の配置された絞り弁を使用して実現される従来技術の蝋付けシステムの側面立面図である。
図2】本発明の一実施形態によるスタンドに取り付けられた単一トーチ蝋付けシステム構成を示す。
図3】本発明の一実施形態による蝋付けシステムの、正面図、入口側面図、および出口側面図から見られアクセスされ得る図2の単一トーチ蝋付けシステム構成の様々な要素を示す。
図4】本発明の一実施形態によるスタンドに取り付けられたマルチトーチ蝋付けシステム構成を示す。
図5】本発明の一実施形態による蝋付けシステムの、正面図、入口側面図、および出口側面図から見られアクセスされ得る図4のマルチトーチ蝋付けシステム構成の様々な要素を示す。
図6】本発明の一実施形態による図2の単一トーチ構成の内部または外部にある様々な部品およびインターフェースを示す単一トーチシステムを示す。
図7】本発明の一実施形態による図2の単一トーチ構成の内部または外部にある様々な部品およびインターフェースを示す単一トーチシステムを示す。
図8】本発明の一実施形態による図4のマルチトーチ構成の内部または外部にある様々な部品およびインターフェースを示すマルチトーチシステムを示す。
図9】本発明の一実施形態による図4のマルチトーチ構成の内部または外部にある様々な部品およびインターフェースを示すマルチトーチシステムを示す。
図10】サーバコンピュータと無線通信する蝋付け構成の一実施形態を示す。
図11】中間コンピュータを介しサーバコンピュータと通信する蝋付け構成の一実施形態を示す。
図12】コンピュータネットワークを介しサーバコンピュータと通信するユーザコンピュータの一実施形態を示す。
図13】ダッシュボードユーザインターフェースにより提供される例示的スクリーンショットの実施形態を示す。
図14】ダッシュボードユーザインターフェースにより提供される例示的スクリーンショットの実施形態を示す。
図15】ダッシュボードユーザインターフェースにより提供される例示的スクリーンショットの実施形態を示す。
図16】ダッシュボードユーザインターフェースにより提供される例示的スクリーンショットの実施形態を示す。
図17】ダッシュボードユーザインターフェースにより提供される例示的スクリーンショットの実施形態を示す。
図18A】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図18B】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図19A】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図19B】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図20】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図21】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図22】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図23】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図24】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図25】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図26A】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図26B】処理フロー制御を示す図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図27A】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図27B】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図28A】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図28B】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図29】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図30A】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図30B】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図31】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図32】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図33】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
図34】処理フロー制御を示す図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の例示的実施形態について添付図を参照することにより以下に説明する。説明される例示的実施形態は理解を助けるように意図されており、本発明の範囲をいかなるやり方でも制限するように意図されていない。同じ参照符号は本明細書を通して同じ要素を指す。
【0012】
図1は、絞り弁がトーチ上に配置される従来技術の蝋付けシステム100を示し、第1のガス源105および第2のガス源110を含み、第1のガス源105は酸素または空気を供給し、第2のガス源110はアセチレン、プロパン、天然ガスまたは、メタン、プロピレン、水素、ブタン、およびその混合物のうちの少なくとも1つを含む燃料を供給する。第1のガスホース115は第1のガス源105および蝋付けトーチ120へ接続し、第2のガスホース125は第2のガス源110および蝋付けトーチ120へ接続する。
【0013】
示された実施形態では、蝋付けトーチ120は、ハンドルまたはトーチ本体130、オン/オフスイッチ135、第1のニードル弁140、第2のニードル弁145、蝋付けトーチネック150、および蝋付け先端部155を含む。従来の蝋付けシステム100を使用するために、作業者は第1のガス源105および第2のガス源110上の弁を開き、可燃性ガス混合物を形成するために第1のニードル弁140および第2のニードル弁145を開き、蝋付け先端部155から出る混合ガスに点火する。ガス源は圧力調整器を有するガスタンクからのものであってもよいし圧力調整器を有する主供給ラインからのものであってもよいということが理解される。点火後、蝋付けトーチ作業者は、蝋付け炎内の実際のまたは知覚された非一貫性に対処するために第1のニードル弁140および第2のニードル弁145に対し調整を行うことになる。さらに、ニードル弁設定は、ガス圧力および流量の揺らぎと不正確な混合ガスとに起因する蝋付け接合の非一貫性により変更され得る。上に論述したようで、非常に経験豊富なトーチ作業者ですら、一貫した酸素対燃料比でもって炎を設定するのは困難である。
【0014】
例えば、作業者は、トーチからの蝋付け炎が中性であるかどうか、または所望炎温度またはBTU出力を有するかどうかを精確に判断するのが困難である可能性がある。さらに、作業者は、同じ炎特性により一貫しかつ反復可能な炎を生成するのが非常に困難である。
【0015】
再び、蝋付けシステムは第1のガス源および第2のガス源を含み得、第1のガス源は酸素または空気であり、第2のガス源はアセチレン、プロパン、天然ガスまたはメタン、プロピレン、水素、ブタン、またはその混合物のうちの少なくとも1つを含む燃料である。ガス源は例えば、圧力調整器を有するガスタンクからのものであってもよいし、圧力調整器を有する主供給ラインからのものであってもよい。第1のガスホースは第1のガス源と蝋付けシステムの筐体とへ接続し得る。第2のガスホースは第2のガス源と同筐体とへ接続し得る。いくつかの例示的実施形態では、筐体はNEMA 4X仕様を満たすような材料から構成され、それを満たすように構築される。
【0016】
一実施形態では、第1のガス源からのガスは筐体から第1の蝋付けトーチガスホース内へ流れ、第2のガス源からのガスは筐体から第2の蝋付けトーチガスホース内へ流れる。第1の蝋付けトーチガスホースおよび第2の蝋付けトーチガスホースは蝋付けトーチへ接続する。再び、蝋付けトーチは、ハンドル、操作引き金またはオン/オフスイッチ、ネック、および蝋付け先端部を含み得る。蝋付けトーチはまた、ガスが蝋付け先端部において蝋付けトーチを出る前に混合する内部部分を含む。作業者はトーチを点火するために蝋付けトーチ上の操作引き金を活性化する。
【0017】
少なくとも第1のガスの流量と第2のガスの流量との比(酸素対燃料比としても知られる)の判断および/または制御は一実施形態に従って行われ得る。アセチレン、プロパン、天然ガスまたはメタン、プロピレン、水素、およびブタンを含む燃料ガスのそれぞれは、作業者が蝋付けトーチを点火する毎に一貫した蝋付け炎を生成する一定範囲の酸素対燃料比を有する。例えば、酸素対燃料比は、標的および最大酸化炎、中性炎、炭化炎、または当業者により知られるような上記識別された炎間の特性を有する任意の炎を再生するように設定され得る。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態の様々な態様の追加文脈を提供するために、以下の論述は、本発明のいくつかの実施形態の様々な態様が実施され得る好適なコンピュータ環境の簡潔かつ一般的な説明を提供するように意図されている。当業者は、本発明のいくつかの実施形態の様々な態様もまた他のプログラムモジュールと組み合わせておよび/またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実施され得るということを認識することになる。一般的に、プログラムモジュールは、特定タスクを行うまたは特定データタイプを実装するルーチン、プログラム、部品、データ構造などを含む。
【0019】
さらに、本独創的方法は、それぞれが1つまたは複数の関連装置へ作動可能に結合され得るシングルプロセッサまたはマルチプロセッサコンピュータシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータだけでなく、パーソナルコンピュータ、携帯型コンピュータ装置、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能民生電子機器などを含む他のコンピュータシステム構成により実行され得るということを当業者は理解することになる。本発明のいくつかの実施形態の示された態様はまた、いくつかのタスクが、通信ネットワークを介しリンクされる遠隔処理装置により行われる分散コンピュータ環境において実行され得る。分散コンピュータ環境では、プログラムモジュールはローカルおよびリモート両方のメモリ記憶装置内に配置され得る。
【0020】
コンピュータ装置(例えばコンピュータコントローラ)またはユーザインターフェースは、処理ユニット、システムメモリ、およびシステムバスを含むコンピュータを含む本発明のいくつかの実施形態の様々な態様を実施するための例示的環境を利用し得る。システムバスは、限定しないがシステムメモリを含むシステム部品を処理ユニットへ結合する。処理ユニットは様々な市販プロセッサのうちの任意のものであり得る。デュアルマイクロプロセッサおよび他のマルチプロセッサアーキテクチャもまた処理ユニットとして採用され得る。
【0021】
システムバスは、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、および多様な市販バスアーキテクチャの任意のものを使用するローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のうちの任意のものであり得る。システムメモリは読み取り専用メモリ(ROM:read only memory)およびランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)を含み得る。例えば起動中にコンピュータ内の要素間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS:basic input/output system)がROM内に格納される。
【0022】
コンピュータ装置またはユーザインターフェースはさらに、例えば着脱可能ディスクに対し読み書きするためのハードディスク駆動装置、磁気ディスク駆動装置、および例えばCD-ROMディスクを読み取るためのまたは他の光媒体に対し読み書きするための光ディスク駆動装置を含み得る。コンピュータ装置またはユーザインターフェースは少なくともいくつかの形式のコンピュータ可読体を含み得る。コンピュータ可読体はコンピュータによりアクセスされ得る任意の入手可能媒体であり得る。一例として、そして限定するのではなく、コンピュータ可読体はコンピュータ記憶媒体および通信媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の格納のための任意の方法または技術で実装される揮発性、不揮発性、着脱可能、および着脱不能媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、限定しないがRAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、ディジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)または他の磁気記憶装置、または所望情報を格納するために使用され得ユーザインターフェースによりアクセスされ得る任意の他の媒体を含む。
【0023】
通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを搬送波または他の搬送機構などの変調データ信号で具現化し、任意の情報配送媒体を含む。用語「変調データ信号」は、情報を信号に符号化するようなやり方で設定または変更される1つまたは複数のその特性を有する信号を意味する。一例として、そして限定するのではなく、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体と、音響、RF、赤外線、および他の無線媒体などの無線媒体とを含む。上記のうちの任意のものの組み合わせもまたコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0024】
オペレーティングシステム、1つまたは複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、およびプログラムデータを含む多くのプログラムモジュールが駆動装置およびRAM内に格納され得る。コンピュータ装置またはユーザインターフェース内のオペレーティングシステムは多くの市販オペレーティングシステムのうちの任意のものであり得る。
【0025】
加えて、ユーザは、キーボードとマウスなどのポインティング装置とを介し命令および情報をコンピュータ装置へ入力し得る。他の入力装置は、マイクロホン、IRリモートコントロール、トラックボール、ペン入力装置、ジョイスティック、ゲームパッド、デジタイジングタブレット、サテライトディッシュ、スキャナなどを含み得る。これらおよび他の入力装置はしばしば、システムバスへ結合されるシリアルポートインターフェースを介し処理ユニットへ接続されるが、パラレルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB:universal serial bus)、IRインターフェース、および/または様々な無線技術などの他のインターフェースにより接続され得る。モニタまたは他のタイプの表示装置もまたビデオアダプタなどのインターフェースを介しシステムバスへ接続され得る。可視出力もまた、リモートデスクトッププロトコル、VNC、X-Windowシステムなどの遠隔ディスプレイネットワークプロトコルを介し実現され得る。可視出力に加えて、コンピュータまたはコンピュータ装置はスピーカ、プリンタなどの他の周辺出力装置を含み得る。
【0026】
ディスプレイは処理ユニットから電子的に受信されるデータを提示するためにユーザインターフェースと共に採用され得る。例えば、ディスプレイは、データを電子的に提示するLCD、プラズマ、CRTモニタなどであり得る。代替的にまたは加えて、ディスプレイは、受信されたデータをプリンタ、ファクシミリ、プロッタなどのハードコピー形式で提示し得る。ディスプレイは、データを任意の色で提示し得、任意の無線またはハードワイヤプロトコルおよび/または標準規格を介しユーザインターフェースからデータを受信し得る。
【0027】
コンピュータ装置は、1つまたは複数のリモートコンピュータに対する論理的および/または物理的接続を使用することによりネットワーク環境内で動作し得る。リモートコンピュータは、ワークステーション、サーバコンピュータ、ルータ、パーソナルコンピュータ、マイクロプロセッサベース娯楽機器、ピア装置、または他の共通ネットワークノードであり得、通常、コンピュータに関連して説明される要素のうちの多くまたはすべてを含む。描写される論理的接続はローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)および広域ネットワーク(WAN:wide area network)を含む。このようなネットワーク環境は、オフィス、企業規模コンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットではありふれたものである。
【0028】
LANネットワーク環境内で使用される場合、コンピュータ装置はネットワークインターフェースまたはアダプタを介しローカルネットワークへ接続される。WANネットワーク環境内で使用される場合、コンピュータ装置は、モデムを通常含む、またはLAN上の通信サーバへ接続される、またはインターネットなどのWAN上で通信を確立する他の手段を有する。ネットワーク環境内では、コンピュータ装置に関連して描写されるプログラムモジュールまたはその一部がリモートメモリ記憶装置内に格納され得る。本明細書で説明されるネットワーク接続は例示的であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段が使用され得るということが理解される。
【0029】
いくつかのほぼ自動化された蝋付けシステムの実施形態が次に本明細書では説明される。本発明の一実施形態によると、炎タイプ(中性、酸化、または炭化)の指標は例えば蝋付けシステムのコントローラにより判断される酸素対燃料ガス比に応じたものある。しかし、コントローラはまた、利用される燃料のタイプを考慮し得る。すなわち、第1のタイプの燃料のいくつかの炎タイプを生成する比は、異なるタイプの燃料では同じにならない。別の言い方をすると、第1のガス比はアセチレンを使用する際に中性炎を生成するが、同じ比はプロパンなどの他のタイプの燃料ガスを使用する際には中性炎を生成しないかもしれない。したがって、コントローラは炎タイプを判断する際に燃料のタイプとガス比とを考慮する。同様に、中性、酸化、または炭化炎タイプを生成するガス比の範囲は使用される燃料ガスのタイプ毎に異なることになり、したがってコントローラは適切な炎タイプを判断する(例えば炎タイプを表示する)際にこれらの要因を考慮する。
【0030】
ほぼ自動化された蝋付けシステムの第1の実施形態は、単一トーチの操作を支援するユニットを含む単一トーチ蝋付けシステム構成である。単一トーチ構成は単一酸素/空気ガス入力、単一酸素/空気ガス出力、単一燃料ガス入力、および単一燃料ガス出力を有する。燃料ガスは例えばプロパン、天然ガス、または水素であり得る。図2はスタンド210に取り付けられた単一トーチユニット構成200を示す。正面図220、入口側面図230、出口側面図240、および背面図250を含む単一トーチ構成200の様々な図が図2に示される。
【0031】
図3は、正面図220、入口側面図230、および出口側面図240から見られアクセスされ得る単一トーチ構成200の様々な要素を示す。要素は、ディスプレイタッチスクリーン202、酸素/空気エンコーダノブ204、燃料エンコーダノブ206、アンテナ208(例えばWi-Fiアンテナ)、電力スイッチ212、および電力指標LED214を含む。要素はまた、入口酸素/空気ライン(酸素/空気ガス入力)216、出口酸素/空気ライン(酸素/空気ガス出力)218、入口燃料ライン(燃料ガス入力)222、および出口燃料ライン(燃料ガス出力)224を含む。要素はさらに、ハンドル226、サイドルーバ228、および壁取り付けブラケット232を含む。要素はまた、フットペダルコネクタ234、AC供給入力236、および自動化インターフェース238を含む。
【0032】
ほぼ自動化された蝋付けシステムの第2の実施形態は、複数のトーチ(例えば3つのトーチ)の操作を支援し、トーチ毎に様々な先端部および様々な設定可能流量を提供するユニットを含むマルチトーチ蝋付けシステム構成である。マルチトーチ構成は、複数(例えば3つ)のトーチのそれぞれを独立に支援するために複数(例えば3つ)の制御された酸素/空気ガス出力および複数(例えば3つ)の制御された燃料ガス出力を備えた1つの酸素/空気ガス入力および1つの燃料ガス入力を有する。マルチトーチ構成は、複数の蝋付けステーションが単一ユニットにより支援されることを可能にししたがって1つのステーション当たり費用を低減する。図4は、スタンド410に取り付けられたマルチトーチユニット構成400を示す。正面図420、入口側面図430、出口側面図440、および背面図450を含むマルチトーチ構成400の様々な図が図4に示される。
【0033】
図5は、正面図420、入口側面図430、および出口側面図440から見られアクセスされ得るマルチトーチ構成400の様々な要素を示す。要素は、ディスプレイタッチスクリーン402、酸素/空気エンコーダノブ404、燃料エンコーダノブ406、アンテナ(例えばWi-Fiアンテナ)408、電力スイッチ412、および電力指標LED414を含む。要素はまた、入口酸素/空気ライン(酸素/空気ガス入力)416、複数(例えば3つ)の出口酸素/空気ライン(酸素/空気ガス出力)418、入口燃料ライン(燃料ガス入力)422、および複数(例えば3つ)の出口燃料ライン(燃料ガス出力)424を含む。要素はさらに、ハンドル426、サイドルーバ428、壁取り付けブラケット432、およびAC供給入力436を含む。
【0034】
図6図7は、単一トーチユニット構成200と内部または外部で一体化された様々な部品およびインターフェースを示す単一トーチシステム600の実施形態を示す。したがって、「単一トーチ構成200」および「単一トーチシステム600」などの用語はいくつかの例では一体化実施形態を指すために後で本明細書において使用され得る。単一トーチシステム600は、メモリ262およびプロセッサ264を有するコントローラ回路ボード(別名コントロールボードまたはコントローラ)260、電源ボード270、タッチスクリーンディスプレイ202、フットペダル610、無線ルータ(例えばWi-Fiルータ)620、PLC632を有するロボットシステム630、自動化(RS485)インターフェース238、第1のRS232インターフェース285を備えた酸素/空気(酸素または空気)ガス質量流コントローラ(MFC:mass flow controller)280、および第2のRS232インターフェース295を備えた燃料ガスMFC290を含む。タッチスクリーンディスプレイ202およびフットペダル610はコントローラ回路ボード260へ作動可能に接続する。電源ボード270はまた、電力を供給するために少なくともコントローラ回路ボード260へ作動可能に接続する。一実施形態では、コントローラ回路ボード260は電力を例えばタッチスクリーンディスプレイ202などの他の部品へ配給する。別の実施形態では、電源ボード270は、例えば電力を供給するためにタッチスクリーンディスプレイ202などの他の部品だけでなくコントローラ回路ボード260へも作動可能に接続する。
【0035】
酸素/空気ガスMFC280は、RS232インターフェース285を介しコントローラ回路ボード260へ作動可能に接続され、また酸素/空気ガス入力216と酸素/空気ガス出力218間に作動可能に接続される。酸素/空気ガスMFC280はコントローラ回路ボード260の制御下で少なくとも酸素/空気ガスの流量を監視および調整するように構成される。同様に、燃料ガスMFC290は、RS232インターフェース295を介しコントローラ回路ボード260へ作動可能に接続され、また燃料ガス入力222と燃料ガス出力224間に作動可能に接続される。燃料ガスMFC290はコントローラ回路ボード260の制御下で少なくとも燃料ガスの流量を監視および調整するように構成される。
【0036】
図8図9は、マルチトーチユニット構成400と内部的または外部的に一体化される様々な部品およびインターフェースを示すマルチトーチシステム800の実施形態を示す。したがって「マルチトーチ構成400」および「マルチトーチシステム800」などの用語はいくつかの例では一体化実施形態を指すために後で本明細書において使用され得る。いくつかの実施形態によると、単一トーチ構成200とマルチトーチ構成400の両方は、単一トーチ構成200またはマルチトーチ構成400を支援するために設定され得る共通コントローラ回路ボード260を使用する。このようにして、2つの構成間で共通コントローラ回路ボードを有することは、生産量が増加されることと共通コントローラ回路ボードの部品に関する費用が低減されることとを可能にするにより経済的利点を提供し得る。
【0037】
マルチトーチシステム800はコントローラ回路ボード(別名コントロールボードまたはコントローラ)260、電源ボード470、タッチスクリーンディスプレイ402、無線ルータ820(例えばWi-Fiルータ)、第1のRS232インターフェース485を備えた酸素/空気(酸素または空気)ガス質量流コントローラ(MFC)480、および第2のRS232インターフェース495を備えた燃料ガスMFC490を含む。MFC480、490はそれぞれ、ガスの複数(例えば3つ)の制御された出力流れに対処するように構成される。タッチスクリーンディスプレイ402はコントローラ回路ボード260へ作動可能に接続する。電源ボード470はまた、電力を供給するために少なくともコントローラ回路ボード260へ作動可能に接続する。一実施形態では、コントローラ回路ボード260は、電力を例えばタッチスクリーンディスプレイ402などの他の部品へ配給する。別の実施形態では、電源ボード470は例えば電力を供給するためにタッチスクリーンディスプレイ402などの他の部品だけでなくコントローラ回路ボード260へも作動可能に接続する。
【0038】
酸素/空気ガスMFC480は、RS232インターフェース485を介しコントローラ回路ボード260へ作動可能に接続され、また酸素/空気ガス入力416と複数の酸素/空気ガス出力418間に作動可能に接続される。酸素/空気ガスMFC480は、複数の蝋付けトーチを独立に支援するためにコントローラ回路ボード260の制御下で少なくとも酸素/空気ガスの流量を独立に監視および調整するように構成される。同様に、燃料ガスMFC490は、RS232インターフェース495を介しコントローラ回路ボード260へ作動可能に接続され、また燃料ガス入力422と複数の燃料ガス出力424間に作動可能に接続される。燃料ガスMFC490は、複数の蝋付けトーチを支援するためにコントローラ回路ボード260の制御下で少なくとも燃料ガスの流量を独立に監視および調整するように構成される。
【0039】
単一トーチ構成200は、一実施形態によると、フットペダル610を介し変更され周期的に繰り返され得る複数(例えば5つ)の炎初期設定を提供する。一実施形態では、コントローラ回路ボード260は複数の炎初期設定のジョブをメモリ内に格納する。炎初期設定の任意のジョブが、コントローラ回路ボード260(例えばタッチスクリーンディスプレイ202を介し)から呼び出され、フットペダル610を踏むことに応じて周期的に繰り返され得る。複数のジョブの各ジョブは、蝋付けアセンブリに対し行われる一連の接合蝋付けに対応し、複数の選択可能炎初期設定を含む。各炎初期設定は燃料ガスの流量と酸素/空気ガスの流量とに基づき炎設定を規定する。炎初期設定は、タッチスクリーンディスプレイ202を介しコントローラ回路ボード260のセットアップモードを入力することによりジョブ用のコントローラ回路ボード260のメモリ内に確立され得る。ユニット200の正面220上のエンコーダノブ204/206は、例えば中性炎、酸化炎または炭化炎などのあるタイプの炎を確立するための事前設定用の酸素/空気ガスと燃料ガス両方の流量を独立に調整するために使用される。炎初期設定は、名前を付けられて、システム200のメモリ262(図7を参照)内に保存され得る。一実施形態によると、最大100個の炎初期設定が確立され得、初期設定の任意のジョブが、呼び出され得、フットペダル610を踏むことにより周期的に繰り返され得るように5つの初期設定のジョブのグループが100個の炎初期設定から形成され得る。このようにして、蝋付けアセンブリに対し行われるそれぞれが異なる炎設定を必要とし得る一連の接合蝋付けが即座にかつ容易に対処され得る。
【0040】
別の実施形態によると、マルチトーチ構成400は、複数のトーチのそれぞれによりセットアップおよび使用され得る同様な初期設定およびジョブを提供する。例えば、炎設定は、タッチスクリーンディスプレイ402を介しコントローラ回路ボード260のセットアップモードを入力することにより複数の蝋付けトーチ用のコントローラ回路ボード260のメモリ262内に確立され得る。次に、燃料エンコーダノブ406および酸素/空気エンコーダノブ404は、複数の燃料ガス出力424のそれぞれの燃料ガスの流量と複数の酸素/空気ガス出力418のそれぞれの酸素/空気ガスの流量とを独立に調整するように使用され得る。
【0041】
一実施形態では、ガスの流れは質量流コントローラ(例えば単一トーチ構成における280、290;マルチトーチ構成における480、490)を介し制御される。MFC480、490はそれぞれ3つのガス出力流れを制御するように構成される。単一トーチ構成200およびマルチトーチ構成400はそれぞれ、メモリ262(図7図9を参照)内に格納され共通コントローラ回路ボード260のプロセッサ264(図7図9を参照)上で実行するように構成されたコンピュータ実行可能命令を有する統合ソフトウェアを含む。統合ソフトウェアは、所望(選択された)炎を生成および維持するために、一実施形態によると、感知されたガス流を自動的に監視し、質量流コントローラ(例えば280、290、または480、490)に対する調整を行う。統合ソフトウェアはガス流の変化に実時間で反応するように構成される。
【0042】
例えば、燃料ガスMFC290および酸素/空気MFC280は、選択された炎設定に対応する所望炎を維持するためにコントローラ回路ボード260の制御下で少なくとも燃料ガスの流量および酸素/空気ガスの流量を監視および調整するように構成される。同様に、燃料ガスMFC490および酸素/空気ガスMFC480は、複数の蝋付けトーチのそれぞれの様々な選択された炎設定に対応する様々な所望炎を同時に維持するために制御回路基板260の制御下で少なくとも複数の燃料ガス出力424のそれぞれの燃料ガスの流量と複数の酸素/空気ガス出力418のそれぞれの酸素/空気ガスの流量とを独立に監視および調整するように構成される。
【0043】
一実施形態によると、酸素/空気ガス質量流コントローラは、酸素の2~100標準状態立方フィート/時間(SCFH:standard cubic feet per hour)および空気の2~100SCFHの制御された流量範囲を供給するように構成される。一実施形態によると、燃料ガス質量流コントローラはメタンの2~100SCFH、プロパンの1.2~60SCFH、アセチレンの2~100SCFH、水素の2~100SCFH、プロピレンの1.4~70SCFH、およびブタンの1~44SCFHの制御流量範囲を供給するように構成される。
【0044】
一実施形態(例えば単一トーチ構成)では、蝋付けシステムは、プログラマブル論理コントローラ(PLC:programmable logic controller)(例えばロボットシステム630のPLC632)による蝋付けシステムの遠隔制御のためのRS485通信ポート(自動化インターフェース)238を含む。自動化インターフェース238はコントローラ回路ボード260へ作動可能に接続される。このようにして、蝋付けは、(例えば、ロボットにより蝋付けアセンブリに対し行われるロボット蝋付け処理中に異なる事前設定炎タイプを呼び出すために)蝋付けシステムも遠隔的に制御しながらPLC632(蝋付けトーチを保持するロボットシステム630のロボットの運動を制御する)を備えたロボットシステム630により自動的に行われ得る。一実施形態によると、PLC632は選択された炎タイプとロボットの蝋付け位置とを効果的に同期させる。
【0045】
一実施形態によると、単一トーチ構成200とマルチトーチ構成400の両方は、無線通信能力を支援し(例えばWi-Fiルータ620または820を介し)、そして、図10に示すように、データ収集(例えばコントローラ回路ボード260から収集されたデータを取得するための)とソフトウェアライセンスの管理とのために外部サーバコンピュータ1000と通信するように構成される。例えば、単一トーチ構成200の一実施形態では、無線ルータ620は外部サーバコンピュータ1000へ作動可能に接続される。アンテナ208へ作動可能に接続されたコントローラ回路ボード260は、無線ルータ620を介し外部サーバコンピュータ1000と無線通信するように構成される。マルチトーチ構成400の一実施形態では、無線ルータ820は外部サーバコンピュータ1000へ作動可能に接続される。アンテナ408へ作動可能に接続されたコントローラ回路ボード260は、無線ルータ820を介し外部サーバコンピュータ1000と無線通信するように構成される。一実施形態によると、外部サーバコンピュータ1000は現場にそして蝋付けシステム200/400の無線通信範囲内に存在する。別の実施形態によると、蝋付けシステム200/400は中間コンピュータシステム1100と無線通信し得る(図11を参照)。このとき、中間コンピュータシステム1100は現場外(例えば「クラウド」1110内)に配置されるサーバコンピュータ1000と通信し得る。
【0046】
データ収集中、データ列が蝋付けシステムからサーバコンピュータ1000へ無線で送信される。一実施形態によると、データ列は特定設定可能時刻(例えば、蝋付け処理が完了したときまたは就業日の終わりに)に送信され得る。別の実施形態によると、データ列は蝋付け処理中に連続的に送信され得る。このデータ列は、例えば蝋付け処理中に蝋付けシステムがオンであった時間に関係するデータ、ガスが蝋付け処理中に流れていた時間、蝋付けシステムが蝋付け処理中に行っていたものに関連する設定だけでなく他の監視または診断情報に関係するデータを含む。様々な実施形態によると、サーバコンピュータ1000は蝋付け処理を解析し得る、または、データは、蝋付け処理を解析し得る別のシステムによりサーバコンピュータ1000から抽出され得る。一実施形態によると、ウェブページが存在するサーバコンピュータ1000上のデータがウェブインターフェースを介しユーザへ提示される。
【0047】
一実施形態によると、サーバコンピュータ1000は、外部ユーザによりアクセスされるように構成され、さらに収集データ(例えば、コントローラ回路ボード260から収集されたデータ)を、例えばユーザが自身のデスクトップコンピュータ1200上の収集データを見て解析することを可能にする(図12を参照)ダッシュボードユーザインターフェースへ提供するように構成される。ユーザのコンピュータ1200は中間コンピュータネットワーク1210(例えばLAN、WAN、インターネットまたはそれらのいくつかの組み合せ)を介しサーバコンピュータ1000へアクセスし得る。一実施形態によると、ダッシュボードユーザインターフェースはユーザのコンピュータ1200上で走るソフトウェアアプリケーションにより提供される。別の実施形態では、ダッシュボードユーザインターフェースはサーバコンピュータ1000により提供され、ユーザは例えばユーザのコンピュータ1200上のウェブブラウザを介しダッシュボードユーザインターフェースへ容易にアクセスする。ダッシュボードユーザインターフェースは、収集されたデータがユーザにより見られ解析され得るように、コントローラ回路ボード260から収集された収集データを処理するように構成される。
【0048】
図13~17は、ダッシュボードユーザインターフェースにより提供される例示的スクリーンショットの実施形態を示す。図13に示すように、ダッシュボードユーザインターフェースのスクリーンショットは日時に基づきアクセスされ得る(日付けの範囲内のハイライトされた日を参照)。ハイライトされた日は10-16-17であり、日付けの範囲は10-15-17から10-19-17まで延びる。図13のスクリーンショットは蝋付けシステムの「作動係数」(蝋付けシステムがオンまたはアクティブである時間の割合)を示す。日付けの範囲全体にわたる作動係数の範囲(40%~50%)と共に10-15-17の開始日の開始作動係数(40%)と10-19-17の終了日の終了作動係数(50%)とが示される。図13はまた、日付けの範囲内の5日間のそれぞれの日の合成作動係数を時間毎に示す。
【0049】
図14は、すべての5日間全体にわたる作動係数の一日の傾向と共に午前8:00から午後3:00までの日付の範囲内のすべての5日間全体にわたる平均作動係数を示す。図15は、10-16-17の日付けの蝋付けシステムの作動係数を時間毎に示す。図16は10-19-17の日付けの3つの異なる蝋付けシステムの作動係数を時間毎に示す。図17は蝋付けシステムのオーバーヘッド(OH)費、労務費、および節約の予測を示す。他の実施形態によると、ダッシュボードユーザインターフェースにより提供される他のタイプのスクリーンショットが同様に可能である。
【0050】
一実施形態では、ライセンスされた蝋付けシステムは、無線接続(例えばWi-Fi接続)がライセンスの有効性を確立するためにサーバコンピュータにより確立されなければ、ライセンスモードで作業者により操作され得ない。有効ライセンスは、作業者が蝋付けシステムを使用することを効果的に容認する。ライセンスは、一定期間有効であってもよいし、連続的使用を許可するために更新される必要があってもよい。そうでなければ、一実施形態によると、ライセンスが無効になると、蝋付けシステムは制限動作モードへ戻り、作業者が蝋付けシステムのいくつかの機能を使用するのを防止することになる。
【0051】
図18A~26Bは、図4のマルチトーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示し、処理フロー制御を示す。図18A図18Bはマルチトーチ構成への初期入力に関する処理フローの実施形態を示す。図18A図18Bの処理フローは、マシンIDを設定する工程と、Wi-Fiを構成する工程と、ライセンスを検証する工程と、サーバアップロード時刻を設定する工程とを含む。図19A図19Bは、マルチトーチ構成の有効ライセンスが無い場合に関する処理フローの実施形態を示す。図19A図19Bの処理フローはライセンスを更新する工程とWi-Fiを構成する工程とを含む。図20~26Bは、マルチトーチ構成のホームスクリーン、メインメニュー、およびアクティブライセンスに関する流れを処理する実施形態を示し、製造モード、セットアップモード、およびデモモードを含む。様々な処理フロー機能は、例えば炎セットアップ、トーチ選択、炎設定選択、Wi-Fi構成、ライセンス設定、サーバアップロード時刻、および表示選択肢を含む。他の実施形態によると、他の処理フロー機能が同様に可能である。
【0052】
図27A~34は、図2の単一トーチ構成により提供されるスクリーンショットの実施形態を示し、処理フロー制御を示す。図27A図27Bは単一トーチ構成への初期入力に関する処理フローの実施形態を示す。図27A図27Bの処理フローは、マシンIDを設定する工程と、Wi-Fiを構成する工程と、ライセンスを検証する工程と、サーバアップロード時刻を設定する工程とを含む。図28Aと28Bは、単一トーチ構成の有効ライセンスが無い場合に関する処理フローの実施形態を示す。図28Aおよび図28Bの処理フローはライセンスを更新する工程とWi-Fiを構成する工程とを含む。図29~34は、単一トーチ構成のホームスクリーン、マインメニュー、およびアクティブライセンスに関する流れを処理する実施形態を示し、製造モード、セットアップモード、およびデモモードを含む。様々な処理フロー機能は、例えば炎セットアップ、ジョブセットアップ、トーチ選択、炎設定選択、Wi-Fi構成、ライセンス設定、サーバアップロード時刻、および表示選択肢を含む。他の実施形態によると、他の処理フロー機能が同様に可能である。
【0053】
開示実施形態はかなり詳細に示され説明されたが、添付特許請求の範囲をこのような詳細に限定するまたはこのような詳細にいかなるやり方でも制限することを意図していない。当然ながら、主題の様々な態様を説明する目的のための部品または方法論のあらゆる考えられる組み合わせを説明することは不可能である。したがって、本開示は示され説明された特定の詳細または例示的例へ限定されない。したがって、本開示は、合衆国法典第35巻第101条の法令の主題要件を満足する添付された請求項の精神と範囲に入るこのような代替、修正、および変形を包含するように意図されている。特定実施形態の上記説明は一例として与えられた。与えられた本開示から、当業者は、包括的発明概念と付帯利点とを理解するだけでなく、開示される構造および方法への明白な様々な変更と修正も発見することになる。したがって、添付の特許請求の範囲により規定された包括的発明概念の精神、および範囲に入るこのような変更と修正およびその等価物をすべてカバーすることが求められる。
【符号の説明】
【0054】
100 蝋付けシステム
105 第1のガス源
110 第2のガス源
115 第1のガスホース
120 蝋付けトーチ
125 第2のガスホース
130 トーチ本体
135 オン/オフスイッチ
140 第1のニードル弁
145 第2のニードル弁
150 蝋付けトーチネック
155 蝋付け先端部
200 単一トーチユニット構成
200” 単一トーチ構成
202 タッチスクリーンディスプレイ
204 酸素/空気エンコーダノブ
206 燃料エンコーダノブ
208 アンテナ
210 スタンド
212 電力スイッチ
214 電力指標LED
216 入口酸素/空気ライン
218 出口酸素/空気ライン
220 正面図
222 入口燃料ライン
224 出口燃料ライン
226 ハンドル
228 サイドルーバ
230 入口側面図
232 取り付けブラケット
234 フットペダルコネクタ
236 AC供給入力
238 自動化インターフェース
240 出口側面図
250 背面図
260 コントローラ回路ボード
262 メモリ
264 プロセッサ
270 電源ボード
280 酸素ガスMFC
285 第1のRS232インターフェース
290 燃料ガスMFC
295 第2のRS232インターフェース
400 マルチトーチユニット構成
400” マルチトーチ構成
402 タッチスクリーンディスプレイ
404 酸素/空気エンコーダノブ
406 燃料エンコーダノブ
408 アンテナ
410 スタンド
412 電力スイッチ
414 電力指標LED
416 入口酸素/空気ライン
418 出口酸素/空気ライン
420 正面図
422 入口燃料ライン
424 出口燃料ライン
426 ハンドル
428 サイドルーバ
430 入口側面図
432 取り付けブラケット
436 AC供給入力
440 出口側面図
450 背面図
470 電源ボード
480 酸素ガスMFC
485 第1のRS232インターフェース
490 燃料ガスMFC
495 第2のRS232インターフェース
600 単一トーチシステム
600” 単一トーチ構成
610 フットペダル
620 Wi-Fiルータ
630 ロボットシステム
632 PLC
800 マルチトーチシステム
800” マルチトーチシステム
820 Wi-Fiルータ
1000 外部サーバコンピュータ
1100 中間コンピュータシステム
1110 クラウド
1200 ユーザコンピュータ
1210 LAN/WAN/インターネット
MFC 質量流コントローラ
PLC プログラマブル論理コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図18A
図18B
図19A
図19B
図20
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図24
図25
図26A
図26B
図27A
図27B
図28A
図28B
図29
図30A
図30B
図31
図32
図33
図34
【外国語明細書】