(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011669
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】圧縮空気の凝縮装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20230117BHJP
B01D 45/08 20060101ALI20230117BHJP
F04B 39/16 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
B01D53/26 100
B01D45/08
F04B39/16 H
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166654
(22)【出願日】2022-10-18
(62)【分割の表示】P 2021102238の分割
【原出願日】2021-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2021039165
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517138812
【氏名又は名称】日本エアードライヤー販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085110
【弁理士】
【氏名又は名称】千明 武
(72)【発明者】
【氏名】川真田 博康
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の凝縮ユニットを連結し、構成を簡潔化し部品点数を低減して小形軽量化と製作の容易化並びに低廉化を図るとともに、凝縮ユニットによる凝縮作用と断熱膨張作用を向上し得るようにした、圧縮空気の凝縮装置を提供すること。
【解決手段】中空の凝縮ユニット54を複数連結すること、圧縮空気を上流側の凝縮ユニット54から下流側の凝縮ユニット54内に順次移動して除湿すること、下流側のエアーツールへ供給可能にした圧縮空気の凝縮装置であること、前記凝縮ユニット54を内外二重管構造に構成したこと、内側の通気管55の周面に複数の通気孔60を形成したこと、通気孔60から圧縮空気を通気管55の外側へ噴出可能に設けたこと、圧縮空気を断熱膨張可能に設けたこと、により解決する。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の凝縮ユニットを複数連結し、圧縮空気を上流側の凝縮ユニットから下流側の凝縮ユニット内に順次移動して除湿し、下流側のエアーツールへ供給可能にした圧縮空気の凝縮装置において、前記凝縮ユニットを内外二重管構造に構成し、内側の通気管の周面に複数の通気孔を形成し、該通気孔から圧縮空気を通気管の外側へ噴出可能に設け、圧縮空気を断熱膨張可能に設けたことを特徴とする圧縮空気の凝縮装置。
【請求項2】
前記複数の凝縮ユニットの外側に保護筒を囲繞可能に配置し、該保護筒の一端部から空気を吸入可能に設け、該吸入空気を保護筒内を移動させて凝縮ユニットを冷却可能に設け、凝縮ユニットを冷却後に保護筒の外部へ排気可能に設けた請求項1記載の圧縮空気の凝縮装置。
【請求項3】
前記保護筒内に管状かつ同長の複数の凝縮ユニットを立位状態で隣接して配置し、該凝縮ユニット内の圧縮空気を一方向に移動可能に配置した請求項2記載の圧縮空気の凝縮装置。
【請求項4】
隣接する凝縮ユニットの下端部を略U字形の連通管を介して接続し、該連通管の中間部にオートドレンを備えたエアードライヤを下向きに配置し、その周囲を架台とその支持枠と多孔板とで囲繞した請求項2記載の圧縮空気の凝縮装置。
【請求項5】
前記通気管内に圧縮空気を衝突可能な1または複数の衝突板を設け、該衝突板に複数の噴口を形成し、該衝突板を介して圧縮空気を凝縮可能に設けた請求項2記載の圧縮空気の凝縮装置。
【請求項6】
前記通気管の一端を凝縮ユニットの上流側の端部に固定し、通気管の他端を閉塞して凝縮ユニット内に配置した請求項1記載の圧縮空気の凝縮装置。
【請求項7】
前記通気管の外径を凝縮ユニットの外径の略1/2に形成した請求項1記載の圧縮空気の凝縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の凝縮ユニットを連結し、構成を簡潔化し部品点数を低減して小形軽量化と製作の容易化並びに低廉化を図るとともに、凝縮ユニットによる凝縮作用と断熱膨張作用を向上し得るようにした、圧縮空気の凝縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアーコンプレッサから吐出された圧縮空気には凝縮水や油分が混在し、この圧縮空気をエアードライバーやインパクトレンチ等のエアーツールへ供給すると、空気導管の内部が錆びたりエアーツール内部の構成部品が錆びて、機能が低下し故障を起こす惧れがあるため、圧縮空気の供給管路にエアードライヤを取付けて水分を除去し、除湿・乾燥した圧縮空気をエアーツールへ供給するようにしている。
【0003】
例えば、中空円筒体の上部に上カバーを取付け、また前記中空円筒体の内部に中空円筒状の仕切り管を取付け、該仕切り管の内側に略円錐状の複数の仕切り構造を上下に積み重ね、これを長尺のボルトを介してエアー案内子に連結するとともに、各仕切り構造内の上部に凹み空間と透孔を形成し、上カバーから中空円筒体内に圧縮空気を導入し、これを下方の仕切り構造から上方の仕切り構造へ移動し、透孔から上部の凹み空間へ噴出して、圧縮空気を断熱膨張し水分を除去するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、前記装置は中空円筒体の内側に仕切管を配置し、この仕切管内に複数の異形の仕切り構造を積み重ねて配置し、各仕切り構造に小孔状の透孔を形成しているため、部品点数が多く、また仕切り構造に凹み空間と小孔状の透孔の形成を要して製作が複雑で難しく、更に中空円筒体に圧縮空気を導入後、仕切管内や仕切り構造内に移動させているため、中空円筒体や仕切管が大径になって大形化し、しかも仕切り構造を通しボルトで固定しているため、仕切り構造の数が通しボルトの長さで制約され、圧縮空気の凝縮能力が制限されて水分を充分に除去することができないという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するものとして、圧縮空気の供給管路に介挿した気液分離装置に、蓋体に連結した筒状容器を設け、該筒状容器内に筒状仕切り体と、該仕切り体内に配置した胴体部を設け、該胴体部の周面に複数の鍔部を設けるとともに、その一の鍔部に負圧用中空室に連通する気体流量制御小孔部を設け、胴体部に導入した圧縮空気を前記制御小孔部から負圧用中空室へ移動させて気液分離させるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかし、前記気液分離装置は構造が複雑で製作が難しく、しかも単一または複数の制御小孔部では気液の分離能率が低く、圧縮空気を十分に除湿し乾燥させることができなかった。
【0007】
そこで、出願人は、圧縮空気の移動路に一または複数の凝縮ユニットを配置し、該凝縮ユニットは内部に圧縮空気を衝突させる衝突板と、圧縮空気を噴出させる狭小通路と、凝縮管内に噴出した圧縮空気を閉塞した圧縮通路に押し込み、押し戻された圧縮空気を衝突板の他側面に衝突させ、前記衝突板と狭小通路と圧縮通路と衝突板の他側面とで圧縮空気を繰り返し凝縮し断熱膨張させ、気液分離後、出口管へ移動して隣接する下流側の凝縮ユニットへ導入し、圧縮空気を能率良く除湿し乾燥させるようにした圧縮空気の凝縮装置を開発し、これを既に提案している(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
しかし、この既に提案した圧縮空気の凝縮装置は、圧縮空気の導入時に衝突板に衝突させた後、その外周の環状通路に移動させて凝縮管内に噴出していたため、衝突による圧縮空気の凝縮に十分な効果を得られず、しかも押し戻された圧縮空気を衝突板の他側面に衝突させる際の圧縮空気の凝縮も所期の効果を得られず、十分な気液分離効果を得られないという問題があった。
【0009】
この問題を解決するため、出願人は更に改良を重ね、凝縮管を構成する各凝縮ユニット内の上流側に多数の通気孔を形成した通気板と衝突板を近接して配置し、通気板に圧縮空気を衝突して凝縮させた後、多数の通気孔から噴出させて精密に断熱膨張させ、圧縮空気の除湿ないし乾燥効果を向上するようにした圧縮空気の凝縮装置を開発し、これを既に提案している。
【0010】
しかし、この既に提案した圧縮空気の凝縮装置は、凝縮管と各凝縮ユニット内の構成が複雑な上に、通気板と衝突板の配置が複雑になって製作が難しく、高価になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平10-235132号公報
【特許文献2】特許第5467180号公報
【特許文献3】特開2020-151650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はこのような問題を解決し、複数の凝縮ユニットを連結し、構成を簡潔化し部品点数を低減して、小形軽量化と製作の容易化並びに低廉化を図るとともに、凝縮ユニットによる凝縮作用と断熱膨張作用を向上し得るようにした、圧縮空気の凝縮装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、中空の凝縮ユニットを複数連結し、圧縮空気を上流側の凝縮ユニットから下流側の凝縮ユニット内に順次移動して除湿し、下流側のエアーツールへ供給可能にした圧縮空気の凝縮装置において、前記凝縮ユニットを内外二重管構造に構成し、内側の通気管の周面に複数の通気孔を形成し、該通気孔から圧縮空気を通気管の外側へ噴出可能に設け、圧縮空気を断熱膨張可能に設け、通気管内に1または複数の衝突板を配置し、該衝突板に複数の噴口を形成する場合に比べ、構成が簡単で容易かつ安価に製作し得るようにしている。
請求項2の発明は、前記複数の凝縮ユニットの外側に保護筒を囲繞可能に配置し、該保護筒の一端部から空気を吸入可能に設け、該吸入空気を保護筒内を移動させて凝縮ユニットを冷却可能に設け、凝縮ユニットを冷却後に保護筒の外部へ排気可能に設け、保護筒によるいわゆる煙突効果によって外気を導入して凝縮ユニットの冷却を図り、安定した凝縮作用を得られるようにしている。
請求項3の発明は、前記保護筒内に管状かつ同長の複数の凝縮ユニットを立位状態で隣接して配置し、該凝縮ユニット内の圧縮空気を一方向に移動可能に配置し、複数の凝縮ユニットを保護筒内にコンパクトに収容し、保護筒の小形軽量化を図るとともに、凝縮ユニットによる円滑かつ合理的な凝縮作用と断熱膨張作用を実現するようにしている。
【0014】
請求項4の発明は、隣接する凝縮ユニットの下端部を略U字形の連通管を介して接続し、該連通管の中間部にオートドレンを備えたエアードライヤを下向きに配置し、その周囲を架台とその支持枠と多孔板とで囲繞し、保護筒によるいわゆる煙突効果を利用して空気を保護筒内に導入し、これを凝縮ユニットに接触させて冷却を図り、凝縮ユニットによる安定した凝縮作用と除湿効果を図るようにしている。
請求項5の発明は、前記通気管内に圧縮空気を衝突可能な1または複数の衝突板を設け、該衝突板に複数の噴口を形成し、該衝突板を介して圧縮空気を凝縮可能に設け、圧縮空気を衝突板に衝突させて凝縮させ、圧縮空気の除湿を図るようにしている。
請求項6発明は、前記通気管の一端を凝縮ユニットの上流側の端部に固定し、通気管の他端を閉塞して凝縮ユニット内に配置し、凝縮ユニット内に通気管を安定して支持するようにしている。
請求項7の発明は、前記通気管の外径を凝縮ユニットの外径の略1/2に形成し、凝縮ユニットの小形軽量化と製作の容易化並びに低廉化を図るようにしている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明は、凝縮ユニットを内外二重管構造に構成し、内側の通気管の周面に複数の通気孔を形成し、該通気孔から圧縮空気を通気管の外側へ噴出可能に設け、圧縮空気を断熱膨張可能に設けたから、通気管内に1または複数の衝突板を配置し、該衝突板に複数の噴口を形成する場合に比べ、構成が簡単で容易かつ安価に製作することができる。
請求項2の発明は、前記複数の凝縮ユニットの外側に保護筒を囲繞可能に配置し、該保護筒の一端部から空気を吸入可能に設け、該吸入空気を保護筒内を移動させて凝縮ユニットを冷却可能に設け、凝縮ユニットを冷却後に保護筒の外部へ排気可能に設けたから、保護筒によるいわゆる煙突効果によって外気を導入して凝縮ユニットの冷却を図り、安定した凝縮作用を得られる効果がある。
請求項3の発明は、前記保護筒内に管状かつ同長の複数の凝縮ユニットを立位状態で隣接して配置し、該凝縮ユニット内の圧縮空気を一方向に移動可能に配置したから、複数の凝縮ユニットを保護筒内にコンパクトに収容し、保護筒の小形軽量化を図れるとともに、凝縮ユニットによる円滑かつ合理的な凝縮作用と断熱膨張作用を実現することができる。
【0016】
請求項4の発明は、隣接する凝縮ユニットの下端部を略U字形の連通管を介して接続し、該連通管の中間部にオートドレンを備えたエア-ドライヤを下向きに配置し、その周囲を架台とその支持枠と多孔板とで囲繞したから、保護筒によるいわゆる煙突効果を利用して空気を保護筒内に導入し、これを凝縮ユニットに接触させて冷却を図り、凝縮ユニットによる安定した凝縮作用と除湿効果を図ることができる。
請求項5の発明は、前記通気管内に圧縮空気を衝突可能な1または複数の衝突板を設け、該衝突板に複数の噴口を形成し、該衝突板を介して圧縮空気を凝縮可能に設けたから、圧縮空気を衝突板に衝突させて凝縮させ、圧縮空気の除湿を図ることができる。
請求項6発明は、前記通気管の一端を凝縮ユニットの上流側の端部に固定し、通気管の他端を閉塞して凝縮ユニット内に配置したから、凝縮ユニット内に通気管を安定して支持することができる。
請求項7の発明は、前記通気管の外径を凝縮ユニットの外径の略1/2に形成したから、凝縮ユニットの小形軽量化と製作の容易化並びに低廉化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の
基本形態における凝縮管の設置状況と使用状況を示す説明図で、凝縮管を垂直に配置している。
【
図4】本発明の
基本形態に適用した凝縮ユニットを拡大して示す断面図である。
【0018】
【
図8】本発明の第2の
基本形態の要部を拡大して示す断面図で、凝縮管と保護筒を水平方向から僅かに傾斜して配置している。
【
図10】本発明の第3の
基本形態の要部を拡大して示す断面図で、凝縮ユニットの中間部に継手管を配置し、継手管内に複数の通気板を配置している。
【0019】
【
図11】本発明の第4の
基本形態に適用した保護筒の設置状況を示す斜視図である
【
図12】
図11の保護筒内の平面図で、保護筒内に4本の管状の凝縮管を収納している。
【
図15】本発明の第4の
基本形態に適用した保護筒内に収納した凝縮ユニットの縦断面図である。
【
図16】凝縮管内に配置した通気板を拡大して示す正面図である。
【0020】
【
図17】本発明の第5の
基本形態に適用した保護筒の設置状況を示す斜視図である
【
図18】
図17の保護筒内の平面図で若干拡大して示し、保護筒内に6本の管状の凝縮管を収納している。
【
図21】本発明の実施形態に適用した凝縮ユニットの縦断面図である。
【0021】
【
図22】
図21に示す凝縮ユニットの応用形態を示す断面図である。
【
図23】
図22に示す凝縮ユニットに適用した衝突板の拡大図である。
【
図24】本発明の第6の
基本形態に適用した凝縮ユニットの縦断面図である。
【
図26】前記第6の
基本形態の応用形態を示す凝縮ユニットの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を図示の第1の
基本形態について説明すると、
図1乃至
図7において1は工場に設置したエアーコンプレッサで、生成した高温高圧の圧縮空気を空気導管3からジョイント4へ送り出し、その出口管4aから凝縮管5へ送出可能にしている。
【0023】
前記凝縮管5は、複数の凝縮ユニット6、基本形態では5個の凝縮ユニット6を垂直方向に連結して配置され、該凝縮ユニット6の縦断面は中空楕円体に形成され、これは一組の凝縮ハウジング7,8と、その長軸側の両側に連結した一組の連結管9,10、とから構成されている。
前記凝縮ハウジング7,8は肉厚の例えばステンレス鋼板またはアルミニウム板等の金属板を略椀形に成形し、その大径側の開口縁を向き合わせて接合し、その接合部を例えばTIG溶接等で溶接して連結している。図中、6aは開口縁の溶接部である。
【0024】
前記凝縮ハウジング7,8の椀底部に大小異径の連結孔11,12が形成され、大径側の連結孔11に連結管9の一端が挿入され、小径側の連結孔12に連結管10の一端が挿入され、それらの挿入部の内外位置が例えばTIG溶接等で溶接されている。図中、9a,9bおよび10a,10bはそれらの内外位置の溶接部である。
【0025】
前記連結管9,10は大小異径の例えばステンレス鋼管またはアルミニウム管等の金属管を所定長さに切断し、このうち連結管9の長さを連結管10よりも若干短く形成している。
前記連結管9の内面に雌ネジ部13が形成され、最上位置の凝縮ユニット6に接続した連結管9の雌ネジ部13に、ジョイント4の出口管4aが螺着されている。
前記連結管10の先端部外周にテーパネジ部14が形成され、該テーパネジ部14を直下位置の凝縮ユニット6に接続した連結管9の雌ネジ部13に螺着している。
【0026】
前記凝縮ハウジング7,8の開口側に一対の衝突板15,16が対向して配置され、該衝突板15,16に多数の同径の通気孔17,18が環状に配置されている。
前記衝突板15,16は、肉厚の例えばステンレス鋼板またはアルミニウム板等の金属板によって同径の円板形に形成され、その外周部を凝縮ハウジング7,8の内面に例えばTIG溶接等で溶接して固定している。15a,16aはその溶接部である。
【0027】
この場合、通気孔17,18を対向して衝突板15,16を配置する代わりに、何れか一方の衝突板15,16を一定角度回動して配置し、通気孔17,18の取付け位置(位相)をずらせて配置し、例えば衝突板15の通気孔17から噴出した圧縮空気を衝突板16の通気孔18,18の間に衝突させて、圧縮空気の衝突確度とその凝縮効果を向上させることが望ましい。
【0028】
その際、各凝縮ユニット6内の上側の連結管9に導入された圧縮空気は、凝縮ハウジング7内の凹状曲面に導かれて内部へ移動し、移動方向正面に配置した衝突板15に衝突して凝縮され、その一部が液化するとともに、この前後に通気孔17に押し込まれて通気板15の他側面に噴出し、断熱膨張して一部を液化するようにされている。
この場合、液化された液摘は、圧縮空気に交じって吹き飛ばされ、下方へ移動するようにしている。
【0029】
そして、通気板15の他側面に噴出した圧縮空気は、相対する通気板16に衝突して凝縮され、その一部が液化するとともに、この前後に通気孔18に押し込まれて通気板16の他側面に噴出し、断熱膨張して一部が液化するようにされている。その際、液化された液摘は、圧縮空気に交じって吹き飛ばされ、下方へ移動するようにしている。
【0030】
こうして、通気孔18から噴出された圧縮空気は、凝縮ハウジング8内の凹状曲面に導かれて連結管10へ送り出され、直下の凝縮ユニット6内へ導入可能にされている。
この場合、連結管10のテーパネジ部14は、直下の凝縮ユニット6に接続した連結管9の雌ネジ部13にねじ込まれているから、連結管9,10の管径の差が縮小され、それらの内側を移動する圧縮空気の変動を抑制し、圧力損失を抑制して安定した移動を図るようにしている。
【0031】
前記凝縮管5の外側に大径かつ長尺の冷却管を兼ねる保護筒19が立設され、その下端部に支持筒20が取付けられ、その下端のフランジ20aを不動の基板21に固定している。
前記保護筒19は、複数の凝縮ユニット6を収容可能な長さ約80cm、内径約10cmの例えばステンレス鋼管またはアルミニウム管等の金属管で構成され、その下部を支持筒20で堅固に支持し、その上端部をジョイント4の直下に開口して配置している。
【0032】
前記基板21の中央に大径の空気取入孔22が形成され、該空気取入孔22は基板21の下部周辺の空気と連通可能にされ、この空気を保護筒19のいわゆる煙突効果によって基板21の下方から取り入れ、これを保護筒19内に導入して上動させ、内側に配置した凝縮管5を冷却可能にしている。
【0033】
前記凝縮管5の最下位置の凝縮ユニット6の連結管10は、空気取入孔22内の直上に配置され、該連結管10のテーパネジ部14を空気導管23の上端部に螺着している。そして、空気導管23を空気取入孔22の下方に配管し、その適所を工場で使用するエアードライバー、インパクトレンチ等のエアーツール24の供給管(図示略)に接続している
【0034】
このように構成した圧縮空気の凝縮装置の第1の基本形態は、凝縮管5と保護筒19の製作とそれらの組み立てを要する。このうち、凝縮管5の製作は、除湿ないし乾燥する圧縮空気の流量に応じて、1または複数の凝縮ユニット6の製作を要する。
【0035】
前記凝縮ユニット6は、1組の凝縮ハウジング7,8を備え、これは肉厚(実施形態では3mm)のステンレス鋼板を、例えばプレス加工またはへら絞り加工によって略椀形に成形し、その椀底部に大小異径の連結孔11,12を形成する。
【0036】
このように凝縮ユニット6の中間部の縦断面を略中空楕円体に形成することで、直管状の凝縮ユニット6に比べ管内断面積を拡径し、内部に配置する衝突板15,16の面積増と通気孔17,18の数量増を図って、圧縮空気の衝突効果と通気孔の噴出による断熱膨張効果を向上し、圧縮空気の除湿ないし乾燥を促進し得る。また、外側の表面積の増加を図って、保護筒19内における凝縮ユニット6の空気との接触増を図って冷却を促し、凝縮管5による圧縮空気の除湿ないし乾燥を増進するようにしている。
【0037】
一方、連結管9,10は大小異径の例えばステンレス鋼管またはアルミニウム管等の金属管を所定長さに切断し、連結管9の長さを連結管10よりも若干短く形成し、連結管9の内面に雌ネジ部13を形成し、連結管10の先端部の外周にテーパネジ部14を形成する。
【0038】
また、凝縮ユニット6内に配置する衝突板15,16は、肉厚(基本形態では3mm)の例えばステンレス鋼板またはアルミニウム板等の金属板を、例えばプレス加工によって同径の円板状に打ち抜き、その板面に複数の通気孔17,18を環状に配置する。
そして、凝縮ハウジング7,8の大径の開口側の内面に、通気孔17,18を形成した衝突板15,16を配置し、その接合部周面を例えばTIG溶接等で溶接15a,16aする。
【0039】
この後、凝縮ハウジング7の連結孔11に連結管9の一端を挿入し、その接合部の内外位置を例えばTIG溶接等で溶接9a,9bして連結する。
また、凝縮ハウジング8の連結孔12に連結管10の一端を挿入し、その接合部の内外位置を例えばTIG溶接等で溶接10a,10bして連結する。
【0040】
こうして、衝突板15を溶接し、連結管9を連結した凝縮ハウジング7の大径側の開口端部と、衝突板16を溶接し、連結管10を連結した凝縮ハウジング8の大径側の開口端部とを向き合わせて接合し、その接合部を例えばTIG溶接等で溶接6aして連結する。
このようにして一の凝縮ユニット6を製作後、別の凝縮ユニット6を同様な要領で製作し、複数の凝縮ユニット6を製作する。
【0041】
次に、前記製作した凝縮ユニット6を除湿ないし乾燥する圧縮空気の流量に応じて所要個数用意し、これらを組み立てる。この組み立てに際しては、各凝縮ユニット6の連結管9と連結管10を同様に配置し、例えば連結管9を一側に配置し、連結管10を他側に配置する。
【0042】
そして、連結管10のテーパネジ部14を隣接する下流側の凝縮ユニット6の連結管9の雌ネジ部13にねじ込み、この二つの凝縮ユニット6,6を連結する。
同様な要領で、凝縮ユニット6の連結管10のテーパネジ部14を、隣接する下流側の凝縮ユニット6の連結管9の雌ネジ部13にねじ込んで、凝縮ユニット6を次々に連結する。
第1の基本形態では、5個の凝縮ユニット6を連結したところで、凝縮管5の組み立てを完了する。
【0043】
このように本発明の第1の基本形態の凝縮装置は、凝縮ハウジング7,8の成形と連結孔11,12の形成、連結管9,10の所定長の切断とネジ部13,14の形成、衝突板15,16の打ち抜きと通気孔17,18の形成、およびそれらの溶接による組み立てによって行なえ、従来のような衝突板の製作と取付け、複雑な仕切壁の成形と出口管との組み立てを要しないから、部品点数が少なく凝縮ユニット6内の構造が簡単で、その製作や組み立てを容易に行なえ、これを安価に製作し得る。
【0044】
こうして凝縮管5を組み立て後、所定長さの直管状の保護筒19を用意し、該保護筒19をジョイント4の直下に立設する。その際、保護筒19の下端部に支持筒20を取付け、支持筒20の下端のフランジ20aを不動の基板21に固定して、保護筒19を支持する。
次に、基板21の空気取入孔22から凝縮管5を挿入し、これを上方へ移動して凝縮管5の最上位置の凝縮ユニット6に接続した連結管9の雌ネジ部13を、ジョイント4の出口管4aにねじ込んで連結する。
【0045】
一方、空気取入孔22の直上に位置する凝縮管5の最下位置、つまり下流側の凝縮ユニット6の連結管10のテーパネジ部14に、空気導管23の上端部をねじ込んで連結する
そして、空気導管23の下方、つまり下流部の適所に各種のエアーツール24に対する空気供給管(図示略)を接続する。
【0046】
この場合、凝縮管5や保護筒19は、共に長さが約80cmで比較的コンパクトで大重量ではないから、それらの組み立てや据え付けを容易に行える。
しかも、凝縮管5と保護筒19を垂直に配置しているから、その設置面積がコンパクトになり、工場の屋内外での設置に好適である。
【0047】
こうして設置した本発明の第1の基本形態の凝縮装置は、保護筒19の内側に凝縮管5を配置しているから、凝縮装置を屋外に設置した際に凝縮管5を風雨や日射から防護し得る。
このような凝縮装置において、エアーコンプレッサ1を駆動して生成した圧縮空気を、空気導管3からジョイント4を介して、出口管4aから凝縮管5の上端部の連結管9へ導入する。
【0048】
前記圧縮空気は凝縮管5の最上位置の凝縮ユニット6へ移動し、該ユニット6の凝縮ハウジング7の湾曲面に導かれて衝突板15に衝突して凝縮し、その一部を液化して冷却された後、通気孔17に押し込まれて衝突板15の他側に噴出し、断熱膨張して一部を液化し冷却される。
【0049】
この後、圧縮空気は相対する衝突板16に衝突して凝縮し、その一部を液化して冷却された後、通気孔18に押し込まれて通気板16の他側に噴出し、断熱膨張して一部を液化され冷却される。
【0050】
この場合、通気孔17,18を同軸上に対向して衝突板15,16を配置する代わりに、何れか一方の衝突板15,16を一定角度回動して配置し、通気孔17,18の取付け位置(位相)をずらせて配置すれば、例えば衝突板15の通気孔17から噴出した圧縮空気を衝突板16の通気孔18,18の間に確実に衝突させ、圧縮空気の衝突ないし凝縮効果を向上させることができる。
【0051】
この後、圧縮空気は凝縮ハウジング8の湾曲面に導かれて連結管10へ移動し、該連結管10に接続した連結管9を介して、隣接する下流側の凝縮ユニット6へ移動する。
圧縮空気は前述と同様に、凝縮ハウジング7の湾曲面に導かれて凝縮ユニット6へ移動し、衝突板15に衝突して凝縮し、その一部を液化して冷却された後、通気孔17に押し込まれて衝突板15の他側に噴出し、断熱膨張して一部を液化し冷却される。
【0052】
その後、圧縮空気は相対する衝突板16に衝突して凝縮し、その一部を液化して冷却された後、通気孔17に押し込まれて通気板16の他側に噴出し、断熱膨張して一部を液化し冷却される。
そして、圧縮空気は凝縮ユニット6から連結管10へ移動し、該連結管10に接続した連結管9を介して、隣接する下流側の凝縮ユニット6へ移動する。
【0053】
以後、圧縮空気は下流側の凝縮ユニット6へ順次移動し、各凝縮ユニット6で凝縮と断熱膨張作用を繰り返し受けて次第に除湿ないし乾燥され、冷却される。
【0054】
こうして凝縮管5の最下位置の凝縮ユニット6へ移動した圧縮空気は、十分に除湿ないし乾燥されて冷却され、凝縮ユニット6の連結管10に接続した空気導管23へ移動し、該空気導管23の適所に接続した各エアーツール24に連通する空気供給管(図示略)へ供給され、エアーツール24の機能低下や故障を防止し得る。
【0055】
一方、圧縮空気の凝縮管5ないし凝縮ユニット6への導入と前後して、保護筒19のトンネル効果が機能し、空気が空気取入孔22から保護筒19内に取入れられ、これが上動して凝縮管5ないし凝縮ユニット6と連結管9,10の表面に接触し、それらを冷却する
したがって、凝縮管5による圧縮空気の凝縮効果と断熱膨張効果が増進される。
【0056】
こうして熱交換された空気は、保護筒19の上端部から放出される。その際、凝縮ハウジング7,8は椀形に形成され、直管に比べて接触面積を広く確保しているから、それだけ冷却効果が促進され、圧縮空気の除湿ないし乾燥が促進される。
【0057】
図8乃至図
20、図24乃至26は本発明の他の
基本形態を示し、前述の
基本形態と対応する構成部分に同一の符号を用いている。このうち、
図8および
図9は本発明の
第2の基本形態を示し、この
基本形態は凝縮管5を垂直に立設する代わりに、水平方向から僅かに傾斜(θ)して配置し、保護筒19も同軸方向に配置し、つまり水平方向から僅かに傾斜(θ)して配置し、凝縮管5の設置の容易化を図るとともに、保護筒19の煙突効果を確保して、保護筒19による凝縮管5の冷却効果を保持するようにしている。
この基本形態における凝縮管5と凝縮ユニット6、連結管8,9の製作や配置、取付け、並びにそれらの作用効果は、
前述の基本形態と実質的に同一である。
【0058】
図10は本発明の第3の
基本形態を示し、この
基本形態は凝縮ハウジング7,8の間に例えばステンレス鋼管またはアルミニウム管等の金属製の継手管25を介挿し、それらの接合部を溶接するとともに、継手管25の内側に複数の通気板26~29を等間隔に配置して溶接し、これらの通気板26~29に通気孔17,18と同径の複数の通気孔30~33に位相をずらせて環状に配置し、凝縮ユニット6を長尺に構成している。
【0059】
このように構成することで、椀形の凝縮ハウジング7,8に単一の通気板15,16を取付ける構成に比べて、継手管25に複数の通気板26~29を容易に取付けられ、凝縮ユニット6を合理的かつ安価に製作することができるとともに、圧縮空気を通気板26~29に効率良く衝突させ、その凝縮効果を向上するとともに、通気孔30~33からの噴出による断熱膨張効果を向上して圧縮空気の凝縮効果を促進し、除湿乾燥効果を向上するようにしている。
【0060】
図11乃至
図16は本発明の第4の
基本形態を示し、この
基本形態は新規な凝縮ユニット34と、この凝縮ユニット34の複数本を一方向にコンパクトに配置した凝縮装置35を示している。
前記凝縮ユニット34は、内径70.3mm、長さ270mm、肉厚3mmの例えばステンレス鋼管またはアルミニウム管等の金属管製の同様な複数の継手管36~38を接合し、その両端部に凝縮ハウジング7,8を接合し、その両端部に連結管9,10を連結して、長さ約998mmの長尺な管状に構成している。
前記継手管36,38の端部に通気板15,16を設け、これらの通気板15,16の内面に多数の通気孔17を環状に配置している。
【0061】
前記凝縮装置35は前述と同様な煙突効果を奏する角柱状に構成され、その内部に複数の凝縮ユニット34を立位状態で収容可能に形成され、その上下端部周面に空気を出入り可能な多孔板39,40を設け、下側の多孔板39から吸入した空気を内部に導入して上動させ、上側の多孔板40から排出可能にしており、下端部にフランジ41を突設して床面等の基盤42に立設可能に構成している。
図中、43は凝縮装置35の上端部に設けたカバープレート、44は凝縮装置3内の上に設けたV字形断面の邪魔板である。
【0062】
前記凝縮装置35内の下部に架台45が設けられ、該架台45に複数の凝縮ユニット34を立位状態で載置かつ収容されている。凝縮装置35内の片側の一組の凝縮ユニット34,34の上端部に、ジョイント4に連通するインレット46と、エアーツール24に連通するアウトレット47が設けられ、インレット46に連結管9を接続し、アウトレット47に連結管10を接続している。
【0063】
すなわち、各凝縮ユニット34は連結管9から連結管10へ圧縮空気を一方向へ移動可能に接続され、凝縮ユニット34,34の下端部に配置した略U字形の連通管48,49の両端部を、連結管10と連結管9に螺着し、上端部に配置した逆U字形の連通管50の両端部を、連結管9と連結管10に螺着している。
前記連通管48,49の中間部にドレン排出孔(図示略)が形成され、該ドレン排出孔にフロート(図示略)を内蔵したオートドレンを備えたエアードライヤ66,67が下向きに取付けられている。
【0064】
前記連通管48,49内に凝縮水が滞留すると、ドレン排出孔からエアードライヤ66,67へ勢い良く導入され、この凝縮水、すなわちドレンが前記オートドレン内に所定量滞留すると、その滞留面がフロートに検出されてフロートが作動し、排出管(図示略)の開閉弁を開弁して、前記ドレンを自動的に外部へ排出するようにしている。
前記エアードライヤ66,67は、周囲を架台45とその支持枠および多孔板39に囲繞され、動物や異物の侵入から保護されている。
【0065】
図17乃至
図20は本発明の第5の
基本形態を示し、この
基本形態は保護筒19を第4の
基本形態よりも若干大形に構成し、その内側に6本の凝縮ユニット34を配置し、これらの上下端部に連通管48、49、50~53を接続し、圧縮空気をインレット46からアウトレット47へ移動可能にしている。
【0066】
この基本形態は第4の基本形態に比べ、凝縮装置35内に配置した凝縮ユニット34の本数を増加し、それだけ凝縮ユニット34を長尺化し、その凝縮効果を向上して圧縮空気の冷却と除湿ないし乾燥を増強するようにしている。
前記略U字形の連通管48,49の中間部にドレン排出孔(図示略)が形成され、該ドレン排出孔にフロート(図示略)を内蔵したオートドレンを備えたエアードライヤ68,69が下向きに取付けられている。
【0067】
前記エアードライヤ68,69は、エアードライヤ66,67と同様に構成され、その作動はエアードライヤ66,67と実質的に同一である。
前記エアードライヤ68,69は、周囲を架台45とその支持枠および多孔板39に囲繞され、動物や異物の侵入から保護されている。
【0068】
図21は本発明の第
1の実施形態を示し、この実施形態は前記第4および第5の
基本形態の凝縮装置35の内側に配置した凝縮ユニットと別の構成を示している。
この実施形態における凝縮ユニット54は、継手管31~33の内側に通気孔を形成した通気板を設ける代わりに、継手管31~33の内側に、該継手管31~33の外径の略1/2弱の長尺の通気管55を配置し、その一端を連結管9の雌ネジ部13に螺着して取付け、他端を凝縮ハウジング8の内側に配置し、その端部に衝突板56を取付けて閉塞し、該衝突板56に通気管9内に送り込まれた圧縮空気を衝突させて凝縮可能にしている。
【0069】
前記通気管55の外周面の複数個所に噴気部57~59を設け、該噴気部57~59に多数の通気孔60を形成し、該通気孔60から圧縮空気を通気管55の外側へ噴出して断熱膨張可能にしている。
図中、61,62は通気管50を継手管31,32に支持する通気可能な保持板である
【0070】
この実施形態の凝縮ユニット54は、通気管55を継手管31~33よりも小径に形成し、該通気管55に導入した圧縮空気を衝突板56に衝突して凝縮させ、更に通気孔60から噴出させて断熱膨張させ、圧縮空気の凝縮作用を向上し、除湿効果を増進させている
その際、噴気部57~59を通気管55の外周面の複数個所に限定して通気孔60を形成しているから、通気孔60からの圧縮空気の噴出速度を一定に保持させて、所期の断熱膨張効果を得られる。
【0071】
こうして冷却され除湿された圧縮空気は、継手管31~33と通気管55の間を移動し、連結管10に送り出される。
したがって、この実施形態の凝縮ユニット54を第4および第5の基本形態と同様に凝縮装置35内に組み込めば、除湿ないし冷却効果が一層向上する。
【0072】
図22および
図23は前述した第
1の実施形態の応用形態を示し、この応用形態は、通気管55の噴気部57~59の下流側に衝突板63を設け、該衝突板63に複数の噴口64を形成している。
そして、通気管55内を移動する圧縮空気を各衝突板63に衝突して凝縮可能にし、また各通気孔60から圧縮空気を噴出して断熱膨張可能にしている。
【0073】
すなわち、この応用形態は第1の実施形態と同様に各衝突板に圧縮空気を衝突させて凝縮させる一方、圧縮空気を通気孔から噴出して断熱膨張させ、通気管55の内外で圧縮空気の除湿と冷却を増進するようにしている。
【0074】
図24乃至
図26は本発明の第7の
基本形態を示している。この
基本形態は、第3
基本形態のように凝縮ハウジング7,8の間に例えばステンレス鋼管またはアルミニウム管等の金属製の単一の継手管25を配置し、該継手管25に通気孔30~33を形成した複数の通気板26~29をTIG溶接して取付ける代わりに、
図24および
図25のように、凝縮ハウジング7,8の間にアルミニウム管製の複数の継手管25a~25mを配置し、これらを各管端部に形成したフランジf
1~f
13を向き合わせ、そのボルト孔またはビス孔(図示略)にボルト63またはビスを挿入し、これにナット64をねじ込んで緊締し連結している。
【0075】
前記継手管25a~25mは長さが短くコンパクトであり、その中間部に、通気孔30~33…を形成したアルミニウム板製の通気板26~29…を接着剤で接着65して固定し、個々に通気板26~29を取付けた継手管25a~25mを個別に連結している。
通気板26~29は例えばアルミニウム板をプレス成形して打ち抜き、それらに通気孔30~33…をプレスで打ち抜き、通気板26~29の周面に接着剤を塗布して継手管25a~25mに接着65している。
【0076】
前記継手管25a~25mはアルミニウム管で構成しているから、ステンレス鋼管に比べて軽量で安価であり、その製作も容易である。また、通気板26~29はアルミニウム板で構成しているから、ステンレス鋼板に比べて軽量で安価であり、その通気孔30~33の形成や継手管25a~25mへの取付けも、特殊溶接の代わりに簡単な接着65によって行えるから、手間が少なく容易かつ安価に行える。
【0077】
なお、前述の
第7の基本形態の応用形態として、
図24のように各継手管25a~25mに単一の通気板を取付け、個々に継手管25a~25mを連結する代わりに、例えば
図26のように1の継手管に複数の継手管25a~25dを連結して継手管を構成すれば、継手管25a~25dの連結個数が低減し、フランジの形成を省略して構成が簡潔になり、またその連結の手間を節減して凝縮ユニット6を合理的に構成し、これを容易かつ安価に製作し得る。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の圧縮空気の凝縮装置は、複数の凝縮ユニットを連結し、構成を簡潔化し部品点数を低減して、小形軽量化と製作の容易化並びに低廉化を図るとともに、凝縮ユニットによる凝縮作用と断熱膨張作用を向上し得るようにしている。
【符号の説明】
【0079】
6,29,49,54 凝縮ユニット
7,8 凝縮ハウジング
9,10 連結管
11,12 連結孔
13 雌ネジ部
14 雄ネジ部(テーパネジ)
15,16 衝突板
【0080】
17,18 通気孔
19,35 保護筒
25,36,37,38 継手管
21,42 基板
24 エアーツール
31~33 通気孔
39 多孔板
【0081】
45 架台
66~69 エアードライヤ
55 通気管
56 衝突板
60 通気孔
63 衝突板
64 噴口