(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116742
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】データ送信機能を含む履物製品
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230815BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100432
(22)【出願日】2023-06-20
(62)【分割の表示】P 2021088041の分割
【原出願日】2007-04-19
(31)【優先権主張番号】11/407,353
(32)【優先日】2006-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ケイス チャールズ ホイップル ジュニア
(57)【要約】
【課題】履物製品と、履物製品と係合したデータ送信システムとを含む履物システムの提供。
【解決手段】送信システムは、表示システム、別のデータ送信システム、処理システムなどの遠隔システムにデータを送信する。このような履物システムはさらに送信システムおよび/または表示システムを作動させる作動システムを含んでもよい。送信されるデータは、(a)履物製品のユーザを識別すること、(b)対象を絞った広告または製品情報を作動させること、(c)特定の場所および/または特定の時刻におけるユーザの存在を確認すること、(d)特定のユーザのスタート時刻、ゴール時刻、および/または中間スプリットタイムを判定すること、(e)競技用器具の使用を確認すること、(f)ゲームまたは報酬プログラムのためのデータを提供すること、(g)ユーザを試合または競争に登録することなどの様々な目的に使用され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物製品と、
該履物製品からの第一のセットのデータを、複数の遠隔コンピュータシステムによる受信のために送信する、該履物製品と取り外し可能に係合した第一のデータ送信システムと、
該第一のデータ送信システムから、少なくとも該第一のセットのデータを受信する、該複数の遠隔コンピュータシステムのうちの少なくとも第一の遠隔コンピュータシステムであって、該第一のデータ送信システムと通信状態にあり、ユーザによって装着される携帯用表示装置に第二のセットのデータを送信する第二のデータ送信システムをさらに含む、第一の遠隔コンピュータシステム
とを含む、データ転送システム。
【請求項2】
第二のセットのデータが、スプリットタイム情報、経路情報、またはレース順位情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項1記載のデータ転送システム。
【請求項3】
コンピューティング装置が、第二の遠隔コンピュータシステムを含む、請求項1記載のデータ転送システム。
【請求項4】
第二の遠隔コンピュータシステムが、ユーザの存在を第一の期間における第一の場所に相関させる、請求項3記載のデータ転送システム。
【請求項5】
第二の遠隔コンピュータシステムが成績データをユーザによって装着される携帯装置に送信する、請求項4記載のデータ転送システム。
【請求項6】
前記複数の遠隔コンピュータシステムがユーザによって横切られる第一の経路に沿って位置し、第一のデータ送信システムが第一のセットのデータを該複数の遠隔コンピュータシステムのうちの一つまたは複数の遠隔コンピュータシステムに送信する、請求項1記載のデータ転送システム。
【請求項7】
前記一つまたは複数の遠隔コンピュータシステムのそれぞれが、少なくとも一部は第一のデータ送信システムによって送信される第一のセットのデータに基づく情報を表示する、表示装置をさらに含む、請求項6記載のデータ転送システム。
【請求項8】
第一のセットのデータが、履物製品と関連する競技成績データを含む、請求項7記載のデータ転送システム。
【請求項9】
外部の刺激に応答して、第一のデータ送信システムの少なくとも第一の機能を作動させる、作動システムをさらに含む、請求項7記載のデータ転送システム。
【請求項10】
外部の刺激が、加速度計、圧電素子、ホールセンサシステムまたはその他の磁気感知システムのうちの少なくとも一つによって生成される出力を含む、請求項9記載のデータ転送システム。
【請求項11】
第一のセットのデータが、カスタマイズされた広告情報を前記一つまたは複数の遠隔コンピュータシステムの表示装置上に表示するために利用されるユーザ識別データを含む、請求項7記載のデータ転送システム。
【請求項12】
第一のセットのデータが、カスタマイズされた製品情報を前記一つまたは複数の遠隔コンピュータシステムの表示装置上に表示するために利用される履物識別データを含む、請求項7記載のデータ転送システム。
【請求項13】
第一のセットのデータが、第一の遠隔システムをトリガーしてユーザに経路または計時情報を表示させるように構成されている、請求項1記載のデータ転送システム。
【請求項14】
第一のセットのデータが、第一の遠隔システムをトリガーしてユーザに広告または製品情報を表示させるように構成されている、請求項1記載のデータ転送システム。
【請求項15】
第一のセットのデータが、第一の遠隔システムをトリガーして履物製品に関する履物走行距離に基づき製品提案を表示させるように構成されている、請求項1記載のデータ転送システム。
【請求項16】
複数のデータ転送システムから遠隔コンピュータシステムによって、複数の運動選手によって装着される履物に関連したデータを受信する工程;
プロセッサによって、受信されたデータに基づき、複数の運動選手のそれぞれに関する競技成績情報を決定する工程;
プロセッサによって、受信されたデータに基づき、複数の運動選手のそれぞれに関するカスタマイズされた広告情報を決定する工程;および
複数の運動選手のそれぞれに関して、
遠隔コンピュータシステムによって、運動選手によって装着された携帯用表示装置に、競技成績情報およびカスタマイズされた広告情報を送信する工程
を含むデータ転送の方法。
【請求項17】
各データ送信システムが、前記複数の運動選手によって装着される履物製品に取り外し可能に係合する、請求項16記載のデータ転送方法。
【請求項18】
前記複数の運動選手によって装着される履物に関連した前記データが、運動選手の識別情報を含む、請求項16記載のデータ転送方法。
【請求項19】
競技成績情報が運動選手に関する中間スプリットタイムを含む、請求項16記載のデータ転送方法。
【請求項20】
前記複数の運動選手によって装着される履物に関連する前記データが、履物使用情報を含む、請求項16記載のデータ転送システム。
【請求項21】
前記複数の運動選手のそれぞれに関して、履物使用情報に基づき、カスタマイズされた製品情報を決定する工程;
遠隔コンピュータシステムによって、前記複数の運動選手のそれぞれに装着された携帯用表示装置に、カスタマイズされた製品情報を送信する工程
をさらに含む、請求項20記載のデータ転送システム。
【請求項22】
履物製品と、
該履物製品からの第一のセットのデータを、複数の遠隔コンピュータシステムによる受信のために送信する、該履物製品と取り外し可能に係合した第一のデータ送信システムと、
該第一のデータ送信システムから、少なくとも該第一のセットのデータを受信する、該複数の遠隔コンピュータシステムのうちの少なくとも第一の遠隔コンピュータシステムであって、該第一のデータ送信システムと通信状態にある、第一の遠隔コンピュータシステムと、
ユーザの存在を第一の期間における第一の場所に相関させる第二の遠隔コンピュータシステムであって、成績データをユーザによって装着される携帯装置に送信する、第二の遠隔コンピュータシステム
とを含む、データ転送システム。
【請求項23】
履物製品と、
カスタマイズされた広告情報を一つまたは複数の遠隔コンピュータシステムの表示装置上に表示するために利用されるユーザ識別データを含む、該履物製品からの第一のセットのデータを、複数の遠隔コンピュータシステムによる受信のために送信する、該履物製品と取り外し可能に係合した第一のデータ送信システムと、
該第一のデータ送信システムから、少なくとも該第一のセットのデータを受信する、該複数の遠隔コンピュータシステムのうちの少なくとも第一の遠隔コンピュータシステムであって、該第一のデータ送信システムと通信状態にある、第一の遠隔コンピュータシステム
とを含む、データ転送システム。
【請求項24】
履物製品と、
カスタマイズされた製品情報を一つまたは複数の遠隔コンピュータシステムの表示装置上に表示するために利用される履物識別データを含む、該履物製品からの第一のセットのデータを、複数の遠隔コンピュータシステムによる受信のために送信する、該履物製品と取り外し可能に係合した第一のデータ送信システムと、
該第一のデータ送信システムから、少なくとも該第一のセットのデータを受信する、該複数の遠隔コンピュータシステムのうちの少なくとも第一の遠隔コンピュータシステムであって、該第一のデータ送信システムと通信状態にある、第一の遠隔コンピュータシステム
とを含む、データ転送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は一般に、例えば遠隔装置との通信や対話などを可能にするデータ送信機能を含む履物製品に関する。本発明の少なくともいくつかの別の局面は、データ送信プロセスを作動させ、かつ/または別様に制御する作動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
従来の履物製品は二つの主要な要素、すなわち上部部材と靴底構造とを含んでいる。上部部材は、靴底構造に対して足を収容し、位置決めする足の覆いを提供する。上部部材は、例えば、なめし皮、帆布、ゴム(天然または合成)、高分子材料、布地などを含む種々の材料から作られる。加えて、上部部材は、足を保護し、換気を行って足を冷却し、汗を除去する構成も有していることもある。靴底構造は、一般に上部部材の下部に固定されており、一般に足と接触面との間に位置する(本明細書において使用する「接触面」または「表面」という語は、それだけに限らないが、芝、土、雪、氷、タイル、床板、カーペット、合成芝、アスファルト、セメント、コンクリート、粘土、コート面などを含む任意の足または履物接触面を含む)。地面の反力を減じることに加えて、靴底構造は牽引力も提供し、回内運動などの足の動きを制御するのを助ける。したがって、上部部材と靴底構造は連携して歩行や走行などの様々な移動行動に適した快適な構造を提供するように働く。
【0003】
競技用履物の靴底部材は、少なくともいくつかの例では、快適性強化用内底、(例えば少なくとも一部は高分子発泡体材料から形成されている)弾性中底、および耐磨耗性と牽引力の両方を提供する地面と接する外底を含む層状構成を呈する。中底は、少なくともいくつかの例では、地面反力を減じ、足の動きを制御する主要な靴底構造要素である。中底の少なくとも一部として使用するのに適した高分子発泡体材料には、加わる負荷の下で地面反力を減じるように弾性的に圧縮されるエチルビニルアセテート(「EVA」)やポリウレタン(「PU」)が含まれる。従来の高分子発泡体材料が弾性的に圧縮可能であるのは、一部は、実質的に気体で置き換えられる内部容積を定義する複数の開放気泡または独立気泡を含むことによるものである。履物における上部部材および靴底構造は、セメントまたは接着剤の使用、縫合または縫製、機械的連結具、溶融法などの、多種多様なやり方で相互に接合され得る。
【発明の概要】
【0004】
概要
本発明の少なくともいくつかの局面の基本的理解を提供するために、以下に本発明の局面の一般的な概要を示す。この概要は本発明の網羅的概観を目的とするものではない。この概要は、本発明の主要な、もしくは不可欠な要素を識別すること、または本発明の範囲を正確に叙述することを目的とするものではない。以下の概要は単に、後述するより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの概念を一般的な形で示すものにすぎない。
[本発明1001]
上部部材、および該上部部材と係合した靴底部材を含む履物製品と、
遠隔システムによる受信のために該履物製品から、ユーザ識別データ、履物製品識別データ、該履物製品の使用と関連する物理的データ、および該履物製品の使用と関連する生理学的データの群より選択される少なくとも一つのメンバーを含むデータを送信する、該履物製品と係合したデータ送信システム
とを含む履物システム。
[本発明1002]
データ送信システムを作動させるための、履物製品と係合した作動システムをさらに含む、本発明1001の履物システム。
[本発明1003]
作動システムが加速度計を含む、本発明1002の履物システム。
[本発明1004]
作動システムが圧電素子を含む、本発明1002の履物システム。
[本発明1005]
作動システムがホールセンサシステムを含む、本発明1002の履物システム。
[本発明1006]
作動システムが無線周波数識別システムを含む、本発明1002の履物システム。
[本発明1007]
データ送信システムと作動システムとが一緒に無線周波数識別システムを構成する、本発明1002の履物システム。
[本発明1008]
作動システムが、データ送信システムを作動させるように機能的に接続されたスイッチまたはボタンを含む、本発明1002の履物システム。
[本発明1009]
作動システムが、靴底部材と表面との接触に応答してデータ送信システムを作動させる、本発明1002の履物システム。
[本発明1010]
靴底部材と表面との接触が履物製品を装着している間のユーザの歩みの結果として生じる、本発明1009の履物システム。
[本発明1011]
靴底部材と表面との接触が履物製品を装着している間のユーザの走行またはジョギングの結果として生じる、本発明1009の履物システム。
[本発明1012]
靴底部材と表面との接触が履物製品を装着している間のユーザの足を踏み鳴らす行動の結果として生じる、本発明1009の履物システム。
[本発明1013]
データ送信システムと作動システムのうちの少なくとも一方が靴底部材と係合している、本発明1002の履物システム。
[本発明1014]
データ送信システムと作動システムのうちの少なくとも一方が上部部材と係合している、本発明1002の履物システム。
[本発明1015]
データ送信システムと作動システムのうちの少なくとも一方を含む、履物製品と係合した札部材をさらに含む、本発明1002の履物システム。
[本発明1016]
作動システムが外部入力システムを含み、該外部入力システムを介して受け取られる入力がデータ送信システムの作動を開始する、本発明1002の履物システム。
[本発明1017]
外部入力システムが無線方式で入力を受け取る、本発明1016の履物システム。
[本発明1018]
外部入力システムが無線アンテナを含む、本発明1017の履物システム。
[本発明1019]
外部入力システムが磁気センサを含む、本発明1017の履物システム。
[本発明1020]
外部入力システムが靴底部材と表面との接触を感知するためのセンサを含む、本発明1017の履物システム。
[本発明1021]
データ送信システムが履物製品のユーザを識別するデータを送信する、本発明1001の履物システム。
[本発明1022]
データ送信システムによって送信されるデータが、ユーザを特定の時刻における特定の場所に相関させる、本発明1021の履物システム。
[本発明1023]
データ送信システムによって送信されるデータが、ユーザのレースまたは試合のスタート時刻を判定するのに使用される、本発明1022の履物システム。
[本発明1024]
データ送信システムによって送信されるデータが、ユーザのレースまたは試合のゴール時刻を判定するのに使用される、本発明1023の履物システム。
[本発明1025]
データ送信システムによって送信されるデータが、ユーザのレースまたは試合の中間スプリットタイムを判定するのに使用される、本発明1023の履物システム。
[本発明1026]
データ送信システムによって送信されるデータが、ユーザのレースまたは試合のゴール時刻を判定するのに使用される、本発明1022の履物システム。
[本発明1027]
データ送信システムによって送信されるデータが、ユーザの特定の場所における存在を確認する、本発明1021の履物システム。
[本発明1028]
データ送信システムによって送信されるデータがゲームまたは報酬プログラムにおいて使用される、本発明1027の履物システム。
[本発明1029]
特定の場所が特定の練習器具上である、本発明1027の履物システム。
[本発明1030]
特定の場所が特定の体育館または運動施設である、本発明1027の履物システム。
[本発明1031]
特定の場所が特定の小売販売場所である、本発明1027の履物システム。
[本発明1032]
データ送信システムによって送信されるデータが、ユーザを運動競技の試合または競争に登録するのに使用される、本発明1021の履物システム。
[本発明1033]
データ送信システムが履物製品を識別するデータを送信する、本発明1001の履物システム。
[本発明1034]
履物製品を識別するデータが該履物製品の型式または様式を識別するデータを含む、本発明1033の履物システム。
[本発明1035]
データ送信システムが、履物製品と関連する競技成績情報を示すデータを送信する、本発明1001の履物システム。
[本発明1036]
競技成績情報が履物製品を使用している間のユーザの移動距離を含む、本発明1035の履物システム。
[本発明1037]
競技成績情報が履物製品を使用している間のユーザの速度または計時情報を含む、本発明1035の履物システム。
[本発明1038]
競技成績情報がゲームまたは報酬プログラムにおいて使用される、本発明1035の履物システム。
[本発明1039]
データ送信システムが少なくとも一部は靴底部材と係合している、本発明1001の履物システム。
[本発明1040]
データ送信システムが少なくとも一部は上部部材と係合している、本発明1001の履物システム。
[本発明1041]
データ送信システムを含む、履物製品と係合した札部材をさらに含む、本発明1001の履物システム。
[本発明1042]
データ送信システムが無線データ送信システムである、本発明1001の履物システム。
[本発明1043]
少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示するための、該データ送信システムと通信状態にある表示装置をさらに含む、本発明1001の履物システム。
[本発明1044]
表示装置が履物製品と係合している、本発明1043の履物システム。
[本発明1045]
履物製品と、
該履物製品からデータを送信する、該履物製品と係合したデータ送信システムと、
該データ送信システムから、ユーザ識別データ、履物製品識別データ、該履物製品の使用と関連する物理的データ、および該履物製品の使用と関連する生理学的データの群より選択される少なくとも一つのメンバーを含むデータを受信するための、該データ送信システムと通信状態にある遠隔システム
とを含む、データ転送システム。
[本発明1046]
遠隔システムが、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示するための表示装置を含む、本発明1045のデータ転送システム。
[本発明1047]
遠隔システムが第二のデータ送信システムを含む、本発明1045のデータ転送システム。
[本発明1048]
第二のデータ送信システムが第二の遠隔システムにデータを送信する、本発明1047のデータ転送システム。
[本発明1049]
第二のデータ送信システムが履物製品の装着者にデータを送信する、本発明1047のデータ転送システム。
[本発明1050]
第二のデータ送信システムからデータを送信される携帯用表示装置をさらに含む、本発明1049のデータ転送システム。
[本発明1051]
携帯用表示装置に送信されるデータが表示装置上に表示される装着者のスプリットタイム情報を含む、本発明1050のデータ転送システム。
[本発明1052]
携帯用表示装置に送信されるデータが装着者の経路に沿った特性または特徴への接近に関する情報を含む、本発明1050のデータ転送システム。
[本発明1053]
履物製品の装着者に送信されるデータが該装着者のスプリットタイム情報を含む、本発明1049のデータ転送システム。
[本発明1054]
履物製品の装着者に送信されるデータが該装着者の経路に沿った特性または特徴への接近に関する情報を含む、本発明1049のデータ転送システム。
[本発明1055]
履物製品を識別するデータを送信する、本発明1045のデータ転送システム。
[本発明1056]
遠隔システムが、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示するための表示装置を含む、本発明1055のデータ転送システム。
[本発明1057]
データ送信システムによって送信されるデータに応答して表示装置によって表示される情報が、履物製品に関連する広告または製品情報を含む、本発明1056のデータ転送システム。
[本発明1058]
データ送信システムが、履物製品と関連する競技成績情報を示すデータを送信する、本発明1045のデータ転送システム。
[本発明1059]
遠隔システムが、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示するための表示装置を含む、本発明1058のデータ転送システム。
[本発明1060]
表示装置によって表示される情報が新製品に関連する広告または製品情報を含み、表示用に選択される該新製品情報が、少なくとも一部は履物製品と関連する競技成績情報を示すデータに基づいて決定される、本発明1059のデータ転送システム。
[本発明1061]
表示装置によって表示される情報がユーザ報酬またはゲーム状況の情報を含む、本発明1059のデータ転送システム。
[本発明1062]
上部部材、および該上部部材と係合した靴底部材を含む履物製品を設ける工程、ならびに
遠隔システムによる受信のために該履物製品から、ユーザ識別データ、履物製品識別データ、該履物製品の使用と関連する物理的データ、および該履物製品の使用と関連する生理学的データの群より選択される少なくとも一つのメンバーを含むデータを送信するデータ送信システムを該履物製品と係合させる工程
を含む、履物システムを製造する方法。
[本発明1063]
データ送信システムを作動させるように機能的に構成されている作動システムを履物製品と係合させる工程をさらに含む、本発明1062の方法。
[本発明1064]
作動システムが加速度計を含む、本発明1063の方法。
[本発明1065]
作動システムが圧電素子を含む、本発明1063の方法。
[本発明1066]
作動システムがホールセンサシステムを含む、本発明1063の方法。
[本発明1067]
作動システムが無線周波数識別システムを含む、本発明1063の方法。
[本発明1068]
データ送信システムと作動システムとが一緒に無線周波数識別システムを構成する、本発明1063の方法。
[本発明1069]
作動システムがデータ送信システムを作動させるように機能的に接続されたスイッチまたはボタンを含む、本発明1063の方法。
[本発明1070]
データ送信システムと作動システムのうちの少なくとも一方が靴底部材と係合している、本発明1063の方法。
[本発明1071]
データ送信システムと作動システムのうちの少なくとも一方が上部部材と係合している、本発明1063の方法。
[本発明1072]
データ送信システムと作動システムのうちの少なくとも一方が札部材によって履物製品と係合している、本発明1063の方法。
[本発明1073]
作動システムが外部入力システムを収容しており、該外部入力システムを介して受け取られる入力がデータ送信システムの作動を開始する、本発明1063の方法。
[本発明1074]
外部入力システムが無線方式で入力を受け取る、本発明1073の方法。
[本発明1075]
外部入力システムが無線アンテナを含む、本発明1074の方法。
[本発明1076]
外部入力システムが磁気センサを含む、本発明1074の方法。
[本発明1077]
外部入力システムが靴底部材と表面との接触を感知するためのセンサを含む、本発明1074の方法。
[本発明1078]
データ送信システムが、少なくとも一部は靴底部材と係合している、本発明1062の方法。
[本発明1079]
データ送信システムが、少なくとも一部は上部部材と係合している、本発明1062の方法。
[本発明1080]
データ送信システムが札部材によって履物製品と係合しており、該データ送信システムが該札部材の一部として含まれる、本発明1062の方法。
[本発明1081]
データ送信システムが無線データ送信システムを含む、本発明1062の方法。
[本発明1082]
少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示するための表示装置を設ける工程をさらに含む、本発明1062の方法。
[本発明1083]
表示装置が履物製品と係合している、本発明1082の方法。
[本発明1084]
履物製品からデータを送信するデータ送信システムを該履物製品と係合させる工程、および
該データ送信システムから、ユーザ識別データ、履物製品識別データ、該履物製品の使用と関連する物理的データ、および該履物製品の使用と関連する生理学的データの群より選択される少なくとも一つのメンバーを含む該データを受け取るための、該データ送信システムと通信状態にある遠隔システムを設ける工程
を含む、データ転送システムを提供する方法。
[本発明1085]
遠隔システムが、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示するための表示装置を含む、本発明1084の方法。
[本発明1086]
遠隔システムが第二のデータ送信システムを含む、本発明1084の方法。
[本発明1087]
第二のデータ送信システムが第二の遠隔システムにデータを送信する、本発明1086の方法。
[本発明1088]
第二のデータ送信システムが履物製品の装着者にデータを送信する、本発明1086の方法。
[本発明1089]
第二のデータ送信システムからデータを送信される携帯用表示装置を設ける工程をさらに含む、本発明1088の方法。
[本発明1090]
少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示するための表示装置を設ける工程をさらに含む、本発明1084の方法。
[本発明1091]
履物製品と係合したデータ送信システムを作動させる工程、および
該履物製品から遠隔システムに、ユーザ識別データ、履物製品識別データ、該履物製品の使用と関連する物理的データ、および該履物製品の使用と関連する生理学的データの群より選択される少なくとも一つのメンバーを含むデータを送信する工程
を含むデータ転送の方法。
[本発明1092]
作動させる工程が加速度計によって生成される出力に応答してトリガされる、本発明1091の方法。
[本発明1093]
作動させる工程が圧電素子によって生成される出力に応答してトリガされる、本発明1091の方法。
[本発明1094]
作動させる工程がホールセンサシステムによって生成される出力に応答してトリガされる、本発明1091の方法。
[本発明1095]
作動させる工程が履物製品に電波を受けさせる工程を含む、本発明1091の方法。
[本発明1096]
送信する工程が、履物製品に電波を受けさせる工程に応答してトリガされる無線周波数識別システムによって行われる、本発明1095の方法。
[本発明1097]
作動させる工程が、データ送信システムに機能的に接続されたスイッチまたはボタンと対話する工程を含む、本発明1091の方法。
[本発明1098]
作動させる工程が、履物製品の靴底部材と表面との接触に応答してトリガされる、本発明1091の方法。
[本発明1099]
靴底部材と表面との接触が履物製品を装着している間のユーザの歩みの結果である、本発明1098の方法。
[本発明1100]
靴底部材と表面との接触が履物製品を装着している間のユーザの走行またはジョギングの結果である、本発明1098の方法。
[本発明1101]
靴底部材と表面との接触が履物製品を装着している間のユーザの足を踏み鳴らす行動の結果である、本発明1098の方法。
[本発明1102]
データ送信システムが履物製品の靴底部材と係合している、本発明1091の方法。
[本発明1103]
データ送信システムが履物製品の上部部材と係合している、本発明1091の方法。
[本発明1104]
データ送信システムが札部材によって履物製品と係合している、本発明1091の方法。
[本発明1105]
作動させる工程をトリガするための入力を受け取る工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1106]
入力が無線方式で受け取られる、本発明1105の方法。
[本発明1107]
入力が無線アンテナを介して受け取られる、本発明1105の方法。
[本発明1108]
入力が磁界または磁界の変化を感知することを含む、本発明1105の方法。
[本発明1109]
入力が履物製品の靴底部材と表面との接触を感知することを含む、本発明1105の方法。
[本発明1110]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザを識別する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1111]
少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づいてユーザに広告または製品情報を表示する工程をさらに含む、本発明1110の方法。
[本発明1112]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザの存在を特定の時刻における特定の場所に相関させる工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1113]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザのレースまたは試合のスタート時刻を判定する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1114]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいてユーザのレースまたは試合のゴール時刻を判定する工程をさらに含む、本発明1113の方法。
[本発明1115]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいてユーザのレースまたは試合の中間スプリットタイムを判定する工程をさらに含む、本発明1113の方法。
[本発明1116]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザのレースまたは試合のゴール時刻を判定する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1117]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザの存在を特定の場所に相関させる工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1118]
特定の場所が特定の練習器具上である、本発明1117の方法。
[本発明1119]
特定の場所が特定の体育館または運動施設である、本発明1117の方法。
[本発明1120]
特定の場所が特定の小売販売場所である、本発明1117の方法。
[本発明1121]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいてゲームまたは報酬プログラムのためのデータを提供する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1122]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザを試合または競争に登録する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1123]
データ送信システムが履物製品を識別するデータを送信する、本発明1091の方法。
[本発明1124]
履物製品を識別するデータが該履物製品の型式または様式を識別するデータを含む、本発明1123の方法。
[本発明1125]
データ送信システムが履物製品と関連する競技成績情報を示すデータを送信する、本発明1091の方法。
[本発明1126]
競技成績情報が履物製品を使用している間のユーザの移動距離を含む、本発明1125の方法。
[本発明1127]
競技成績情報が履物製品を使用している間のユーザの速度または計時情報を含む、本発明1125の方法。
[本発明1128]
データ送信システムによって送信されるデータに基づいてゲームまたは報酬プログラムのためのデータを提供する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1129]
データ送信システムが、少なくとも一部は履物製品の靴底部材と係合している、本発明1091の方法。
[本発明1130]
データ送信システムが、少なくとも一部は履物製品の上部部材と係合している、本発明1091の方法。
[本発明1131]
データ送信システムが札部材によって履物製品と係合している、本発明1091の方法。
[本発明1132]
送信する工程が無線方式で行われる、本発明1091の方法。
[本発明1133]
少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づいて選択される情報を表示する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1134]
遠隔システムから第二の遠隔システムに、少なくとも一部は該遠隔システムに送信されるデータに基づいて決定されるデータを送信する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1135]
遠隔システムから履物製品の装着者に、少なくとも一部は該遠隔システムに送信されるデータに基づいて決定されるデータを送信する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
[本発明1136]
少なくとも一部は遠隔システムから装着者に送信されるデータに基づいて該装着者に情報を表示する工程をさらに含む、本発明1135の方法。
[本発明1137]
装着者に表示される情報がスプリットタイム情報を含む、本発明1136の方法。
[本発明1138]
装着者に表示される情報が、該装着者の経路に沿った特性または特徴への接近に関する情報を含む、本発明1136の方法。
[本発明1139]
装着者に送信されるデータがスプリットタイム情報を含む、本発明1135の方法。
[本発明1140]
装着者に送信されるデータが、該装着者の経路に沿った特性または特徴への接近に関する情報を含む、本発明1135の方法。
[本発明1141]
データ送信システムが履物製品を識別するデータを送信する、
少なくとも一部は該データ送信システムによって送信される該データに基づく情報を表示する工程をさらに含む本発明1091の方法。
[本発明1142]
表示される情報が履物製品に関連する広告または製品情報を含む、本発明1141の方法。
[本発明1143]
データ送信システムが履物製品と関連する競技成績情報を示すデータを送信する、
新製品に関連した、該履物製品と関連する該競技成績情報を示す該データに少なくとも一部は基づいて表示用に選択される広告または製品情報を表示する工程をさらに含む本発明1091の方法。
[本発明1144]
少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づいてユーザ報酬情報を表示する工程をさらに含む、本発明1091の方法。
【0005】
本発明の局面は一般にデータ送信機能を含む(競技用履物などを含む)履物システムに関する。このようなシステムは、例えば、(a)上部部材と、上部部材と係合した靴底部材とを含む履物製品と、(b)遠隔システムによる受信のために履物製品からデータを送信する、履物製品と係合したデータ送信システムとを含んでもよい。本発明の少なくともいくつかの例によるデータ送信システムは、競技成績を監視するシステムおよび方法、ならびに/または履物製品および/もしくは履物製品を装着している間に従事する競技活動に役立つ製品に関連する広告および/もしくは製品情報を提供するシステムと併せて使用され得る。データ送信システムによって送信されるデータはこのようなシステムおよび方法において役立ち得る。任意で、本発明の少なくともいくつかの例による履物システムは、データ送信システムを作動させる履物製品と係合した作動システム、および/または少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示するデータ送信システムと通信状態にある表示装置をさらに含んでもよい。
【0006】
本発明の別の局面はデータ転送システムに関する。このようなシステムは、(a)履物製品と、(b)履物製品からデータを送信する、履物製品と係合したデータ送信システムと、(c)データ送信システムからデータを受信する、データ送信システムと通信状態にある遠隔システムとを含んでもよい。遠隔システムは、例えば、表示装置、別の独立のシステムまたは装置にデータを送信するなどの別のデータ送信システム、ならびに/またはコンピュータもしくはその他のデータ処理システムなどを含んでもよい。遠隔システムは、例えば、競技成績を監視し、かつ/またはデータ送信システムによって送信される情報に基づいて対象を絞った製品および/または広告の情報を提供するのに使用され得る。
【0007】
本発明の別の局面は、例えば前述の様々な種類などの履物および/またはデータ転送システムを製作する方法に関する。一例として、本発明の局面は、(a)上部部材と、上部部材と係合した靴底部材とを含む履物製品を提供する工程、および(b)遠隔システムによる受信のために履物製品からデータ(例えば競技成績データ、競技成績を監視する際に使用されるデータ、対象を絞った、かつ/またはカスタマイズされた広告および/または製品の情報を提供する際に使用されるデータなど)を送信するデータ送信システムを履物製品と係合させる工程を含む、履物システムを製造する方法に関する。このような方法は、作動システムを履物製品と係合させる工程、および/または、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示する表示装置を設ける工程をさらに含んでもよい。本発明の少なくともいくつかの例によるデータ転送システムを提供する方法は、例えば、(a)履物製品からデータ(例えば前述の様々なシステムおよび/または方法において役立つ種類のデータなど)を送信するデータ送信システムを履物製品と係合させる工程、および(b)データ送信システムからデータを受け取る、データ送信システムと通信状態にある遠隔システムを設ける工程などを含んでもよい。望ましい場合には、遠隔システムは、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示する表示装置、別のデータ送信システム、遠隔コンピュータまたはデータ処理システムなどのうちの一つまたは複数を含んでもよい。
【0008】
本発明の少なくともいくつかの例による別の方法は、例えば、前述のような類の履物システムおよび/またはデータ転送システムを利用するデータ転送方法に関する。このような方法は、例えば、(a)履物製品と係合した(例えば靴底部材および/または上部部材と係合したり、履物製品の構造の一体部分として含まれたり、札部材によって履物製品と係合するなど)データ送信システムを作動させる工程、および(b)履物製品から遠隔システムにデータを送信する工程を含んでもよい。前述のように、送信されるデータは、例えば、競技成績データ、競技成績を監視する際に使用されるデータ、対象を絞った、かつ/またはカスタマイズされた広告または製品情報を提供する際に使用されるデータなどを含んでもよい。本発明のいくつかの別の局面は、例えば、データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物ユーザおよび/もしくはその他の対象者に情報を表示する工程、ならびに/または遠隔システムから別の遠隔システム(例えば履物製品の装着者やその他の者など)にデータを送信する工程を含んでもよく、第2の遠隔システムに送信されるデータまたは情報は、遠隔システムに送信される元のデータに少なくとも一部は基づいて決定される。本発明の少なくともいくつかの例による別の方法は、さらに、(a)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザを識別する工程、(b)少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づいてユーザに広告または製品情報を表示する工程、(c)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザの存在を特定の場所および/または特定の時刻に相関させる工程、(d)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザのレースまたは試合のスタート時刻、ゴール時刻、および/または中間スプリットタイムを判定する工程、(e)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて、特定の運動器具、特定の体育館または運動施設、特定の小売販売場所などにおけるユーザの存在および/またはユーザによるこれらの使用を判定する工程、(f)データ送信システムによって送信されるデータに基づいてゲームまたは報酬プログラムのためのデータを提供する工程、(g)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザを試合または競争に登録する工程、(h)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて特定の履物製品を(例えば所有者、型式または様式、製造者のロットなどによって)識別する工程、(i)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品の使用と関連する競技成績情報を示すデータ(例えば靴走行距離、速度、および/または計時情報など)を提供する工程、(j)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて製品の特有の情報(例えば広告情報)の表示または提示を作動させる工程、(k)データ送信システムによって送信されるデータに基づいてユーザ特有の、またはカスタマイズされた製品情報(例えば広告情報)の表示または提示を作動させる工程、(l)経路情報、計時情報、スプリットタイム、距離情報、警告情報などの情報をユーザに表示する工程などの一つまたは複数の別の工程を含んでもよい。
【0009】
本発明のより完全な理解および本発明のいくつかの利点は、以下の説明を添付の図面と併せて考察すれば得られる。図面において類似の符番は類似の特徴を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の局面が実施され得る環境およびシステムの例を一般的に示す。
【
図2】
図2Aおよび2Bは、本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法において有用なデータ送信システムにおいて含まれ、かつ/または使用され得る構成部品の例を示す概略図である。
【
図3】本発明の少なくともいくつかの例による履物および/またはデータ転送システムおよび方法において含まれ、かつ/または使用され得る構成部品の例を示す概略図である。
【
図4】本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法において使用され得る遠隔表示装置の例を示す。
【
図5】本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法において使用され得る表示装置を含む履物製品の例を示す。
【
図6】本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法が使用され得る環境の様々な例を示す。
【
図7】本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法が使用され得る環境の様々な例を示す。
【
図8】本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法が使用され得る環境の様々な例を示す。
【
図9】本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法が使用され得る環境の様々な例を示す。
【
図10】本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法が使用され得る環境の様々な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
以下の本発明の様々な例の説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明の局面が実施され得る様々なシステムおよび環境の例が例示されている添付の図面を参照する。本発明の範囲から逸脱することなく、他の特定の部品構成、システム例、構成部品、および環境が利用されてもよく、説明する構成およびシステムに対して構造的、機能的変更が加えられてもよいことを理解すべきである。また、本明細書において本発明の様々な特徴および要素の例を説明するのに「上(top)」、「下(bottom)」、「側(side)」、「前(front)」、「後(back)」、「上に(above)」、「下に(below)」、「真下に(under)」、「真上に(over)」などの用語を使用し得るが、これらの用語は、本明細書において、図に示す向きの例および/または典型的な使用時における典型的な向きなどに基づいて、便宜上使用するものである。本明細書中のいかなるものも、本発明の範囲内に含まれるために特定の3次元方向の構造を必要とすると解釈すべきではない。
【0012】
A.本発明による履物およびデータ転送システム、これらを製作する方法、およびこれらを使用する方法の一般的説明
1.履物およびデータ転送システム
本発明のいくつかの局面は、一般にデータ送信機能を含む履物システムに関する。このようなシステムは、例えば、(a)上部部材と、上部部材と係合した靴底部材とを含む履物製品と、(b)遠隔システムによる受信のために履物製品からデータを送信する、履物製品と係合したデータ送信システムとを含む。送信されるデータは、競技成績データ、競技成績を監視する際に使用されるデータ、ならびに/または対象を絞った、もしくはカスタマイズされた広告もしくは製品情報を提供する際に使用されるデータを含んでもよい。任意で、本発明の少なくともいくつかの例による履物システムはさらに、データ送信システムを作動させる、履物製品と係合した作動システムを含んでもよい。データ送信システムおよび/または作動システムは、任意の所望の方式で履物製品の任意の部分、例えば靴底部材や上部部材などと係合してもよく、札部材(履物製品に連結された下げ札など)などによって取り付けられてもよい。データ送信システムと作動システムの両方を備えるとき、これらは、本発明から逸脱することなく、別々の要素として設けられても、共通のハウジングまたは基板に設けられても、別々の構成部品として設けられても、または別様に任意の所望の方式で設けられてもよい。
【0013】
作動システムを備えるときには、本発明から逸脱することなく任意の種類の作動システムが使用され得る。より具体的な例として、本発明の様々な例においては、加速度計、圧電素子、ホールセンサシステムまたはその他の磁気感知システム、無線周波数識別(「RFID」)システム、物理的ボタンまたはその他の切換え機構などを含む作動システムが使用され得る。本発明の少なくともいくつかの例による履物システムはRFIDシステムを、データ送信システムを作動させるのにも、実際に所望のデータを送信する(RFID送信システムを介してユーザ識別データ、製品または履物識別データ、競技成績データなどを送信するなど)のにも使用し得る。
【0014】
また、本発明から逸脱することなく、データ送信システムを作動させるのに任意の種類の作動動作が使用されてもよい。例えば、データ送信は、本発明の少なくともいくつかの例においては、入力システムで受け取られる外部入力に応答して作動され、または開始され得る。入力システムはユーザ入力を、電波を介するなど無線方式で受け取ってもよく(RFIDシステムなどの無線アンテナを含む入力システムなど)、磁界(磁界または磁界の変化を検出するホールセンサシステムやその他の磁界センサを含む入力システムなど)や赤外線送信システムなどを介して受け取ってもよい。別の例として、履物製品の靴底部材と地面や床面などの表面との接触が感知または検出され、データ送信システムを作動させるために使用されてもよい。このように、望ましい場合には、データは、ユーザが履物製品を装着している間の(歩く、走る、ジョギングするなどの間の)ユーザの歩みの結果や、跳躍して着地した結果や、足を踏み鳴らす行動の結果などとしてデータ送信システムによって送信され得る。
【0015】
データは、任意の所望の目的で、履物製品の利用に供され、かつ/または履物製品に含まれるデータ送信システムによる送信ための利用に供され、任意の所望の内容を含んでもよく、かつ/または、本発明から逸脱することなく任意の所望の形態または形式で提供され得る。所望のデータは、本発明から逸脱することなく、例えば、製造、卸売業者、小売業者の場所において、販売時点の場所において、使用時点の場所において、在宅の、または別の場所にいるユーザによって(パーソナルコンピュータやコンピュータネットワークなどによって)、この種の入力のために指定された特殊な場所において(小売場所や商店街にあるキオスクなどにおいて)など、任意の所望のときに、かつ/または任意の所望の方式で、履物製品(履物製品の内部または表面に含まれるメモリまたはその他の処理システムなど)に入力され得る。任意の内容が、本発明から逸脱することなく履物製品に入力され、かつ/または履物製品からの送信のための利用に供され得る。本発明のいくつかの例では、データ送信システムは、履物製品の個々のユーザ(購入者など)を識別するデータを送信することができる。このようなデータは、例えば、競技成績を監視する目的で、特定の場所における、かつ/または特定の時刻におけるユーザの存在を相関させまたは確認するのに使用され得る。より具体的な例として、特定の時刻および/または特定の場所における履物製品のユーザまたは装着者を識別するデータの送信は、競技成績を監視する目的で、例えば、ユーザのレースまたは試合のスタート時刻、ゴール時刻、および/またはスプリットタイムを自動的に判定し、ログに記録するためや、ゲーム、競争、挑戦、または報酬プログラムで使用するためや、ユーザの体育館または運動施設の使用を自動的に判定し、ログに記録する際に(体育館または運動施設における特定の器具の使用、使用の時間および/または長さなどさえも確認するために)使用するためや、ユーザを試合または競争に自動的に登録するなどのために使用され得る。また、ユーザ識別データは、小売、販売、販促、または(コンテスト、賞、または報酬プログラムなどのための)その他の催しの場所においてユーザの存在を確認するのに使用するために送信されてもよい。
【0016】
別の例として、本発明の例によるデータ送信システムよって送信されるデータは、履物製品の型式や様式などの履物製品を識別するデータを含んでもよい。このようなデータは、小売場所などにおいて、受信側システムが、製品特有の、またはその他の対象を絞った情報を含む広告またはその他の情報の音声または映像表示をトリガするのに使用され得る。また、データ送信システムによって送信されるデータは、履物製品の合計走行距離、ユーザ速度および/または試合計時情報(スタート時刻、ゴール時刻、スプリットタイムなど)、ゲームまたは報酬プログラムで使用するための情報、平均練習時間、速度、または距離などの履物製品の使用と関連する競技成績情報を含んでもよい。
【0017】
本発明の別の例による履物および/またはデータ転送システムは、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示する、データ送信システムと通信状態にある表示装置を含んでもよい(例えばデータの送信先である遠隔システムが表示装置を含んでもよい)。当然ながら、履物製品の使用と関連する競技成績情報、試合でのスタート/ゴール/スプリットタイム情報、ゲームまたは報酬プログラムに関連する情報、(試合登録、競技成績、ゲームもしくは報酬、またはその他の目的のための)ユーザ識別情報、製品または広告情報などの任意の種類の情報が本発明から逸脱することなく表示され得る。望ましい場合には、本発明の少なくともいくつかの例によれば、表示装置は、例えば履物製品の構造に組み込まれ、これと一体化している、履物製品に取り付けられているなど、履物製品と係合してもよい。
【0018】
本発明の別の局面は、前述のように、データ転送システムに関する。このようなシステムは、(a)履物製品と、(b)履物製品からデータを送信する、履物製品と係合したデータ送信システム(データは、例えば、前述の様々な種類の内容などを含んでもよい)と、(c)データ送信システムからデータを受信する、データ送信システムと通信状態にある遠隔システムとを含んでもよい。遠隔システムは、前述のような本発明の様々な特徴および局面を実施するのに使用され得る。
【0019】
遠隔システムは、本発明から逸脱することなく、様々な構成部品、要素、または特性を含んでもよい。例えば、遠隔システムは、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示する表示装置を含んでもよい。加えて、または代替として、遠隔システムは、(スプリットタイム情報、経路情報(接近しつつある特徴、警告、接近しつつある給水所または救護所など)、現在のレース順位またはその他の情報などを提供するために)、履物装着者によって携帯される携帯用表示装置やその他のシステムなどの別の独立のシステムまたは装置にデータを送信するなどの別のデータ送信システムを含んでもよい。別の例として、遠隔システムは、履物製品を識別するデータを受信してもよく、この情報を使って、この特定の製品ラインおよび/または関連製品などを対象とする特定の広告または製品情報を起動させてもよい。
【0020】
2.履物およびデータ転送システムを製作する方法
本発明の別の局面は、前述の様々な種類などの履物および/またはデータ転送システムを製作する方法に関する。本発明の一局面は、(a)例えば上部部材と、上部部材と係合した靴底部材とを含む履物製品を設ける工程、および(b)遠隔システムによる受信のために履物製品からデータを送信するデータ送信システムを履物製品と係合させる工程を含む、履物システムを製造する方法に関する。データ送信システムによって送信されるデータは、競技成績データ、競技成績を監視する際に使用されるデータ、カスタマイズされた、かつ/または対象を絞った広告に使用されるデータなどを含んでもよい。このような方法はさらに、作動システムを履物製品と係合させる工程(作動システムはデータ送信システムを作動させるように機能的に構成されている)、および/または、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示する(任意で履物製品と係合した)表示装置を設ける工程を含んでもよい。作動システムは、本発明の少なくともいくつかの例によれば、作動システムとデータ送信システムが一動作で同時に履物製品と係合できるように、データ送信システムと共通のハウジングに含まれ、かつ/またはデータ送信システムと共通のカードまたは基板上に固定されていてもよい。本発明の例による履物システムは、前述の様々なシステムのいずれかにおいて、かつ/またはそれらと共に、かつ/または前述の様々な目的のいずれかのために使用され得る。加えて、本発明の少なくともいくつかの例による履物システムは、とりわけ、前述の様々な特徴、要素、構成部品、および/または特性のいずれかおよび/またはすべてを含んでもよい。
【0021】
本発明の少なくともいくつかの例によるデータ転送システムを提供する方法は、例えば、(a)履物製品からデータを送信するデータ送信システムを履物製品と係合させる工程、および(b)データ送信システムからデータを受信する、データ送信システムと通信状態にある遠隔システムを設ける工程を含んでもよい。送信されるデータは前述のような内容を含んでもよい。望ましい場合には、遠隔システムは、少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づく情報を表示する表示装置、(別の表示装置、ユーザの所在地にある(例えばユーザによって携帯される)携帯用表示装置、遠隔コンピュータまたはデータ処理システム、登録システムなどの別のシステムにデータを送信する)別のデータ送信システムなどのうちの一つまたは複数を含んでもよい。
【0022】
本発明のこれら様々な例による方法はさらに、少なくとも一部はデータ送信システムおよび/または遠隔システムによって送信されるデータに基づく情報を表示する携帯用の、またはその他の表示装置を設ける工程を含んでもよい。本発明の少なくともいくつかの例によるデータ転送システムは、前述の様々なシステムのうちのいずれかにおいて、かつ/またはこれらと共に、かつ/または前述の様々な目的のうちのいずれかのために使用され得る。加えて、本発明の少なくともいくつかの例によるデータ転送システムは、とりわけ、前述の様々な特徴、要素、構成部品、および/または特性のうちのいずれかおよび/またはすべてを含んでもよい。
【0023】
3.履物およびデータ転送システムを使用する方法
本発明の別の局面は、例えば、前述の種類などの、履物システムおよび/またはデータ転送システムなどを使用するデータ転送方法に関する。このような方法は、(a)履物製品と係合した(履物製品の一部として含まれる靴底部材および/または上部部材と係合する、履物製品に取り付けられた札部材と係合するなど)データ送信システムを作動させる工程、および(b)履物製品から遠隔システムにデータを送信する工程を含んでもよい。送信されるデータは、例えば、競技成績データ、競技成績を監視する際に使用されるデータ、対象を絞った、かつ/またはカスタマイズされた広告を提供する際に使用されるデータなどを含んでもよい。本発明のいくつかの別の例示的な局面は、例えば、データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物ユーザおよび/もしくはその他の者に情報を表示する工程、ならびに/または遠隔システムから別の遠隔システム(履物製品の装着者またはその他の者など)にデータを送信する工程などを含み、第二の遠隔システムに送信されるデータは、少なくとも一部は、遠隔システムに送信される元のデータに基づいて決定される。
【0024】
作動させる工程は、本発明から逸脱することなく、任意の所望の方式で、多種多様なやり方で行われ得る。例えば、作動させる工程は、加速度計、圧電素子、ホールセンサシステムまたはその他の磁気センサシステムなどによって生成される出力に応答してトリガされ得る。別の例として、作動させる工程は、履物製品に所定の周波数などの電波を受信させる工程を含んでもよく、その場合、送信する工程は、履物製品に電波を受信させることに応答してトリガされるRFIDシステムなどによって行われ得る。別の例として、作動させる工程は、データ送信システムに機能的に連結されたスイッチまたはボタンと対話する工程、(例えば歩行や跳躍の着地に際して、足を踏み鳴らす行動の一部などとして)履物製品の靴底部材を地面またはその他の面と接触させる工程などを含んでもよい。
【0025】
本発明の少なくともいくつかの例による方法は、(例えば前述のような類の)任意の種類の入力を受け取り、その入力を使って作動させる工程をトリガし、かつ/または最終的にデータ送信をトリガすることができる。本発明の少なくともいくつかの例によれば、入力は、無線アンテナ、電波などによる無線方式、磁界(または感知される磁界の変化)、(例えば履物製品の靴底部材と表面との接触、ボタンの押し下げなどによる)外部部材との接触または相互作用などによって受け取られる。
【0026】
本発明の少なくともいくつかの例による別の方法はさらに、(a)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて履物製品のユーザを識別する工程、(b)少なくとも一部はデータ送信システムによって送信されるデータに基づいてユーザに広告または製品情報を表示する工程、(c)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて、履物製品のユーザの存在を特定の場所および/または特定の時刻と相関させる工程、(d)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて、履物製品のユーザのレースまたは試合のスタート時刻、ゴール時刻、および/または中間スプリットタイムを判定する工程、(e)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて、特定の運動器具、特定の体育館または運動施設、特定の小売販売場所などにおけるユーザの存在および/またはユーザによるこれらの使用を判定する工程、(f)データ送信システムによって送信されるデータに基づいてゲームまたは報酬プログラムのためのデータを提供する工程、(g)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて、履物製品のユーザを試合または競争に登録する工程、(h)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて、(例えば所有者、型式または様式、製造者のロット番号、GUIDなどによって)特定の履物製品を識別する工程、(i)データ送信システムによって送信されるデータ(例えば靴走行距離、速度および/または計時情報、平均速度、平均練習時間または距離など)に基づいて、履物製品の使用と関連する競技成績情報を示すデータを提供する工程、(j)データ送信システムによって送信されるデータに基づいて製品特有の情報(広告情報など)の表示または提示を作動させる工程、(k)データ送信システムによって送信されるデータに基づいてユーザ特有の、またはカスタマイズされた製品情報(広告情報など)の表示または提示を作動させる工程、(l)ユーザに経路情報、計時情報、スプリットタイム、距離情報、警告情報などの情報を表示する工程などの一つまたは複数の別の工程を含んでもよい。
【0027】
本発明の例による構造の具体例を以下でより詳細に説明する。これらの具体例および構造は、単に本発明を説明するために示すものにすぎず、本発明を限定するものと解釈すべきではないことを読者は理解すべきである。
【0028】
B.本発明の具体例
本出願の様々な図には、履物システム、データ転送システム、および本発明の例に従ってこれらのシステムを製作し、使用する方法が示されている。1つより多い図面に同じ符番が示されるとき、その符番は、本明細書および図面全体を通して常に同じ、または類似の部分を指し示すのに使用されるものである。
【0029】
図1に、本発明の少なくともいくつかの例によるデータ転送システム100を一般的に示す。この例において、データ転送システム100は、履物製品102と、履物製品100と係合したデータ送信システム104とを含む。この例示的なシステム100のデータ送信システム104は、履物製品102から、この例示的なシステム100では、(送信矢印108によって示ように)データ送信システム104と無線電子通信を行う遠隔システム106にデータを送信する。
【0030】
履物製品102は、本発明から逸脱することなく、任意の所望の構造のものとすることができる。例えば、履物製品102は、当技術分野において公知であり使用される従来の方式を含めて、縫合、接着剤、セメント、機械的連結具、溶融法などの任意の所望の方式で靴底部材102bと係合した上部部材102aを含んでもよい。履物製品102は(前述の特定の材料を含む)任意の所望の材料でできた、任意の所望の構造のものとすることができ、任意の所望の種類の閉鎖システム(例えば靴ひも、バックル、マジックテープ(登録商標)(hook-and-look fastener)、磁気式閉鎖システム、締め金、留め金、その他の機械的連結具、保持要素など)を含んでもよく、閉鎖システムを含んでいなくてもよい。一般に、履物製品102は、競技用履物型構造および/または当技術分野において公知であり、使用可能な構造を含む多くの従来の履物構造のうちのいずれかを表すことができる。
【0031】
データ送信システム104は、本発明から逸脱することなく任意の所望の方式で履物製品102と係合している。例えば、データ送信システム104は、製造時に、データ送信システム104が履物製品102の構造のこれ以外の部分の内部に完全に、または部分的に隠蔽されるように履物製品102と一体化して形成される。別の例として、望ましい場合には、データ送信システム104が、履物製品102に取り外しできるように挿入され、かつ/または別様に履物製品102に取り付けられ、履物製品102と自由に係合させることができ、かつ/または履物製品102から取り外すことができるように、データ送信システム104は、履物製品102の内部または表面に一体のものとして形成された(例えば上部部材102aの内部もしくは表面に、または靴底部材102bの任意の部分の内部または表面に形成された)ポケット、細穴、溝、またはその他の構造に嵌合してもよい。いくつかの例では、データ送信システム104は、メモリカード、PCMCIAカード、および/またはその他の装置を電子装置またはコンピュータ装置に取り外しできるように固定するのに使用される類の構造を使って、履物製品102の中底またはその他の部分に形成された細穴に嵌合してもよい。
【0032】
データ送信システム104は、一つまたは複数の遠隔装置106との電子通信およびデータ転送(例えば遠隔装置106に設けられた受信素子106aとの通信およびデータ転送など)を行うことのできる一つまたは複数のデータ送信素子104aを含んでもよい。本発明から逸脱することなく、任意のデータ転送の形態、形式、および/またはプロトコルを使った任意の形の電子通信が行われ得る。例えば、データ送信素子104aおよび/またはデータ受信素子106aは、本発明から逸脱することなく、有線方式または無線方式で相互にやり取りすることができる。さらにいくつかの具体例として、データ送信素子104aは、無線伝送、携帯電話伝送、赤外線伝送などによりデータ受信素子106aとやり取りしてもよい(逆も同様)。また、望ましい場合には、データ送信システム104およびデータ受信または遠隔システム106はそれぞれ、本発明から逸脱することなく、実際にはデータの送信と受信の両方を行うことができ、それによってデータ送信システム104と遠隔システム106の間で二方向通信を可能にしてもよい(例えば、以下でより詳細に説明する理由などのために、必要な、または望ましい場合には、さらに、データ送信システム104および/またはその様々な構成部品へのデータ入力を可能にしてもよい)。
【0033】
図2Aは、本発明の少なくともいくつかの例に従って使用され得る例示的なデータ送信システム104の概略図を含む。
図1および
図2Aの構造例にはデータ送信システム104が履物構造102の一部として含まれ得る別個の独立の構成部品として示されているが、本発明の少なくともいくつかの例に従って使用されるデータ送信システム104の構成部品および要素のすべてが単一のハウジング内に含まれ、単一の基板上に実装され、または別様に単一のパッケージに含まれる必要はないことを当業者は理解する。そうではなく、望ましい場合には、データ送信システム104の様々な構成部品または要素は、本発明から逸脱することなく、相互に分離されており、異なるハウジング内にあり、異なる基板上にあり、かつ/または多種多様な方式で履物製品102と別々に係合してもよい。
【0034】
図2Aの例では、データ送信システム104は、
図1と関連して前述したような遠隔システムにデータを送信するデータ送信素子104aを含む。この例のシステム104は、さらに、処理システム202(一つまたは複数のマイクロプロセッサなど)、メモリシステム204、および電源206(電池やその他の電源など)を含む。歩数計型の速度および/または距離情報、その他の速度および/または距離データセンサ、温度、高度、気圧、湿度、GPSデータ、心拍数、脈拍数、血圧、体温、EKGデータ、EEGデータなどの履物製品102の使用に関連する物理的または生理学的データなどの多種多様なパラメータを感知するための「センサ」208が設けられ、このデータがメモリ204に格納され、かつ/または、例えば、送信素子104aが何らかの遠隔地またはシステムに送信するなどのための利用に供される。
【0035】
図2Aにさらに示すように、この構造例のデータ送信システム104は作動システム210を含む。作動システム210は、データ送信システム104の他の部分と一緒に、またはそれらとは別個に履物製品102と係合してもよく、かつ作動システム210は、データ送信システム104および/またはデータ送信システム104の少なくともいくつかの機能(例えばデータ送信機能など)を作動させるのに使用され得る。本発明から逸脱することなく多種多様な作動システムが使用され得る。例えば、本発明による少なくともいくつかの例示的なシステムおよび方法では、作動システム210は、歩行または走行時に歩を進めるときなど、ユーザが履物製品102を装着して足を踏み下ろしたときに、または任意で、履物製品102を装着して跳躍して着地し、もしくは足を踏み鳴らすときなど、ユーザが履物製品102を装着して足を強く踏み下ろしたときに、少なくともいくつかのデータ送信機能を作動させるのに使用される。必要な、または望ましい場合、データ送信システム104および/または作動システム210は、(一歩進むたびに、かつ/または履物製品102内で足をわずかに動かすたびにデータを送信することを回避するなどのために)少なくとも何らかの最小限の閾値量の力(靴底部材102bと接触面との接触、ユーザの足と靴底部材102bとの接触など)が履物製品102に加えられなければデータ送信機能が作動しないようにプログラムされ、適合され得る。任意で、望ましい場合には、データ送信システム104は、競争も運動もしていないときなどに、電源電力(電池電力など)を温存するために、航空機や病院などの使用で望ましい場合にはデータ送信をオフにすることができるように、オン/オフスイッチまたはその他の切換え機構を含んでもよい。以下では送信されるデータおよびその使用の別のいくつかの具体例をより詳細に説明するが、望ましい場合には、作動システム210を使ってデータ送信システム104を作動させ、前述のような類の物理的および/または生理学的データ、競技成績を監視するのに使用されるデータ、対象を絞ったまたはカスタマイズされた広告を提供するのに使用されるデータなどを含む、任意の所望の種類の情報が送出されてもよい。
【0036】
本発明から逸脱することなく多種多様な作動システムが使用され得る。例えば、前述のように、作動システム210は、歩行、走行、跳躍、足を踏みならすなどの間の使用に際して履物製品と表面および/またはユーザの足との接触を感知するのに使用され得る。本発明の少なくともいくつかの例に従って使用され得る作動システム210構造のより詳細な例には、(足を踏み出す、跳躍する、足を踏みならすなどの行動に応答して速度、加速度、または足の運動方向の変化を感知するなどの)加速度計、(靴と接触面の間の接触圧を感知する、足と靴底部材の一部の間の接触圧を感知するなどの)圧電素子、(例えば、参照によりその全文が本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第2004/0177531号明細書などに記載されている、例えば、靴底部材の中底またはその他の部分の圧縮などに起因する磁界の変化を感知するなどの)ホールセンサシステムまたはその他の磁気センサシステム、(手動で作動される、ユーザの歩みによって作動される、靴底部材と接触面との接触によって作動される、靴底部材とユーザの足との接触によって作動されるなどの)ボタンまたはスイッチなどが含まれる。別の例として、望ましい場合には、作動システム210は、作動システム210の電波に対する露出が信号の送信を引き起こす無線周波数識別システム(「RFID」システム)を含んでもよい。任意で、望ましい場合には、RFIDシステムアンテナの適正な周波数の電波に対する露出が、遠隔システム106への所望のデータを含む無線伝送を生じさせる単一のRFIDシステムが、データ送信システム104と作動システム210の両方として使用されてもよい。
【0037】
したがって、前述のように、本発明の少なくともいくつかの例によれば、作動システム210は、外部の入力源または刺激から入力を受け入れるある種の入力システムを含み、この入力の受取りを、任意で入力が一つまたは複数の閾値基準(十分な力、適正な周波数、適正な強度など)を満たすときに、データ送信システム104またはデータ送信素子104aの作動を開始するのに使用することができる。本発明によるシステムおよび方法の少なくともいくつかの例においては、外部入力システムは、例えば、(前述のRFIDシステムなどの)無線アンテナを介するなど無線方式、(前述のホールセンサシステムまたはその他の磁気センサシステムなどの)磁気センサ、(前述の圧電またはその他の接触感知システムなどの)圧力センサ、(前述の加速度計ベースのシステムなどの)速度、方向、または加速度の変化などによって入力を受け取る。あるいは、望ましい場合には、入力は、外部入力源と履物製品102に含まれる作動システム210の間の有線接続によって受け取られてもよい。
【0038】
図2Bに本発明の少なくともいくつかの例による別の例示的なデータ送信システム104の概略図を示す。このシステム104は、
図2Aに関連して一般的に前述した類などのデータ送信素子104a、処理システム202、メモリシステム204、電源素子206、およびセンサ208を含む。しかし、この例示的なシステム104では、作動システム220は、データ送信システム104のこれ以外の部分とは別に設けられている。このように分離されているとき、作動システム220からの入力は、有線または無線接続を介して処理システム202に提供されるなど、任意の所望の方式でデータ送信システム104に提供され得る。また、作動システム220からの入力は、本発明から逸脱することなく、例えば前述の様々な形態および形式においてなど、任意の所望の形態または形式で提供されてもよい。別の例として、望ましい場合には、作動システム220は、単にデータ送信システム104の処理システム202に作動信号(論理「1」など)を提供するだけの単純なボタン、スイッチ、またはその他の入力源を構成してもよい。望ましい場合には、本発明による少なくともいくつかの例において、作動システム220は、任意で履物製品102に取り付けられ、または別様にユーザによって携帯される、データ送信システム104にデータを送信させるためにユーザが手動で作動させることができ、または別様に作動し得る(任意で、ユーザが足を踏み下ろす、足を踏み鳴らす、跳躍して着地するなどのときに自動的に作動してもよい)外部ボタンまたはその他の装置を構成してもよい。当然ながら、望ましい場合には、前述のように、データ送信システム104の他の部分は、本発明から逸脱することなく相互に分離されて独立に位置し、収容されていてもよい。
【0039】
図3は、
図1に示す例示的なシステム100の様々な構成部品および特徴の例を示す概略図を含む。この例示的なシステム100は、
図1および
図2Aと関連して前述したように、データ送信システム104と、データ送信システム104によって送信されるデータを受け取る遠隔装置106とを含む。遠隔装置106は、
図3に示すように、独自の処理システム302(一つまたは複数のマイクロプロセッサなど)、メモリシステム304、および電源306を含んでもよい。
【0040】
遠隔装置106は、本発明の例による様々な機能を実行するようにプログラムされ、適合され得る。例えば、遠隔装置106は、履物ユーザや第三者などに情報を表示する、音声、映像、および/または英数字表示装置308を含んでもよく、表示される情報は、少なくとも一部は、場合によっては、データ送信システム104によって送信されるデータに基づくものである。これに加えてまたは代替として、望ましい場合には、遠隔装置106は、設定を入力または調整し、遠隔システム106またはその様々な構成部品の機能または設定を制御し、かつ/またはデータ送信システム104またはその様々な構成部品(作動システム210、感知システム208など)の設定を入力し、またはそれらの機能を制御するなどのためのユーザ入力を受け取るユーザ入力システム310を含んでもよい。望ましい場合には、遠隔システム106によって受け入れられ、かつ/または生成されるユーザ入力またはその他のデータもしくは情報は、データ受信素子106aを介して(この受信素子106aもまたデータ送信機能を備えているものと仮定して)データ送信システム104および/または(遠隔システム314などの)一つまたは複数の別のシステムに送り返されてもよい。代替として、またはこれに加えて、望ましい場合には、遠隔システム106によって生成されるユーザ入力またはその他のデータもしくは情報は、(データ伝送回線、無線伝送システムなどの)出力システム312を介してデータ送信システム104および/または(遠隔システム314などの)一つまたは複数の別のシステムに送られてもよい。遠隔システムは、本発明から逸脱することなく、コンピュータまたはコンピューティングシステム、遠隔表示装置、別のデータ送信システムなどの任意の所望の形態を取ってもよい。遠隔システム106と遠隔システム314の間の接続は、有線接続や無線接続など任意の所望の形態を取ってもよく、データは、本発明から逸脱することなく任意の所望の形態または形式で送信されてもよい。
【0041】
図4に、本発明の少なくともいくつかの例に従って設けられ得る遠隔システム106(または314)の例を示す。図示するように、この例では、遠隔システム106(または314)は、任意で履物製品102のユーザが装着することもできる、腕時計またはその他の装着可能な電子装置400の形を呈している。腕時計400は、履物製品と関連したデータ送信システム104からデータを受信する無線受信機106aを含んでもよい。この例の腕時計400はさらに、距離および/または速度情報、経過時間情報、経路警告情報、練習と関連する物理的または生理学的データなどの様々な種類の情報をユーザに表示するのに使用することのできる表示装置308を含む。ユーザに表示される情報は、以下でより詳細に説明するように、少なくとも一部は、場合によっては、作動システム210または220がデータ送信システム104を作動させたことに応答して送られる情報に基づくものであり得る。
図4に示すように、この腕時計400はさらに、ユーザが腕時計400、データ送信システム104もしくはその様々な構成部品、ならびに/または別の遠隔システムの設定、特徴、または機能を制御するデータを入力するための一連のボタンの形のユーザ入力装置310を含む。当然ながら、本発明から逸脱することなく、スタイラスおよびディジタイザ入力、音声入力などの他のユーザ入力システムが含まれていてもよい。
【0042】
図4には、本発明によるシステムおよび方法の少なくともいくつかの例に含まれ得る別の例示的な特徴が示されている。具体的には、
図4に示すように、ディスプレイ308は、遠隔システム106とデータ送信システム104の間でデータが交換されているときにそれを示すためのアイコン402または別の何らかの適切な種類の表示器(起動LEDまたはその他の光源、特定の色の光、振動源、音声素子、LCDディスプレイなど)を含んでもよい。このアイコン402またはその他の表示器は、例えば、作動システム210が遠隔システムにデータを送るためにデータ送信システム104を作動させるたび、送信システム104と遠隔システム106の間にアクティブリンクが生じるたびなどに作動することができる。このように、ユーザはデータ交換が行われるときにそれを容易に確認することができる。また、腕時計400(または他の遠隔システム)には、本発明から逸脱することなく他の目的の他の表示器が含まれていてもよい。
【0043】
図5に、本発明の少なくともいくつかの例に従って設けられる別の例示的な遠隔システム106を示す。この例では、遠隔システム106は履物製品構造500の一部として含まれている。この例示的な構造内のデータ送信システム104からのデータは、有線接続504を介して遠隔システム106に送信され、遠隔システム106によって受信され、遠隔システム106の一部として含まれる表示装置502(ページャや電話機などで使用されるような数値ディスプレイなどのLCDディスプレイなど)上の表示を提供するのに使用される。望ましい場合には、作動システムの一部として、例えば、表示用に遠隔システム106に走行距離データ、経過時間データ、および/または他の所望のデータを送る信号をデータ送信システム104に送るなどのためのボタン506が設けられる(例えば、ユーザは走行の終わりにこの機能を作動させて、靴の合計走行距離などを取得することもできる)。当然ながら、本発明から逸脱することなく、前述のような様々な別の作動システムがこの履物構造500と共に使用されてもよい。
【0044】
本発明の例によるシステムおよび方法は、種々の目的で多種多様なデータを生成し、送信し、利用するのに用いられ得る。
図6~
図10と関連して以下で、データ送信システム104の作動および/または送信されるデータの利用の様々な別の具体例を説明する。
【0045】
本発明の少なくともいくつかの例によれば、前述のような履物およびデータ転送システムおよび方法は、レース、運動競技、競争、および/またはその他の登録の目的に使用され得る。
図6にこのようなシステム600の例を示す。具体的には、
図6には、例えば、レース、競争、トーナメント(ゴルフトーナメント、野球トーナメントなど)、または試合に参加する運動選手を登録するなどのための別の現場などにおいて使用され得る登録キオスク602が示されている。
図6に示すように、本発明のこの例において、運動選手604は、
図1~
図3および/または
図5と関連して前述したような類のデータ送信システム104を含む履物製品102を装着している。運動選手604が登録キオスク602に接近すると、データ送信システム104の作動システムが作動し、(送信矢印608で示すような無線送信などによって)データ送信システム104から遠隔コンピュータシステム606にデータを送信させる。データ送信システム104は任意の所望のデータ内容を送信するようにプログラムされ、適合されるが、この例においてデータ送信システム104によって送信されるデータは、少なくとも、履物製品102を装着している運動選手604を識別するデータを含む。望ましい場合には、データ送信システム104自体が、運動選手604を試合に登録するのに必要なデータのすべてを送信してもよい。あるいは、望ましい場合には、データ送信システム104は単に運動選手604を識別する情報を送信するにすぎず、コンピュータシステム606が、送信される識別情報に基づいて運動選手604に必要な登録情報のすべてを含み、またはこの情報を獲得することができてもよい(例えば、コンピュータシステム606は表から必要なデータを検索したり、メモリまたはネットワークリンクから情報を獲得したりすることもできる)。このシステム600は、迅速で、簡単で、自動化された試合登録を可能にし、運動選手604が、試合の準備、ウォーミングアップ、マスコミまたはファンへの対応などのより差し迫った必要に対応することを可能にする。
【0046】
望ましい場合には、例えば
図6の送信矢印612で示すように、データ送信および/または登録プロセスが進行する際に、コンピュータシステム606(またはデータ送信システム104)は、運動選手が携帯する遠隔装置610(腕時計など)などの別の遠隔装置に信号またはデータを送る。
図4と関連して前述したように、この信号またはデータは、受信者に、登録データが送信されていること、登録が行われていること、登録が完了していること、および/または任意の所望の情報を知らせる。
【0047】
本発明から逸脱することなく、データ送信システム104を作動させ、これをトリガしてコンピュータシステム606にデータを送信させる任意の所望の方式が使用され得る。例えば、
図6に示すように、ユーザは、登録キオスク602に接近する際に、データ送信システム104の一部として含まれる作動システムを作動させる外部入力源614を含む領域の上に乗る。より具体的な例として、外部入力源614は、磁界を提供し、かつ/または作動システムの一部として含まれるホールセンサシステムなどの磁気センサ(データ送信システム104の一部として、かつ/または履物製品102の表面に含まれる磁気センサなど)によって検出される磁界を変更する(例えば永久磁石や電磁石などの)磁石を含んでもよい。検出される磁界および/または検出される磁界の変化に応答して、作動システムの一部として含まれる磁気センサはデータ送信システム104をトリガして遠隔コンピュータシステム606に運動選手604を識別する情報を送らせる(よって、試合または競争の登録プロセスを開始する)。別の例として、望ましい場合には、外部入力源614は、データ送信システム104内に作動システムとして含まれるRFIDシステムを誘導して遠隔コンピュータシステム606に運動選手604を識別する(よって試合または競争の登録プロセスを開始する)信号を送信させる電波発信源を含んでもよい。望ましい場合には、この例示的な構造では、RFIDシステムが作動システムとデータ送信システム104の両方として使用されてもよい。あるいは、望ましい場合には、RFIDシステムは作動システムとしてのみ使用することができ、別のデータ送信システム104がRFIDシステムからの出力に応答して遠隔コンピュータシステム606に識別データを送信するのに使用されてもよい。
【0048】
別の例として、望ましい場合には、ユーザは能動的に作動システムをトリガし、よってデータ転送を開始する行動を起こしてもよい。例えば、望ましい場合には、ユーザは、足を踏み鳴らしたり、跳び上がったり、別様に履物製品102と表面614または地面との確実な接触を開始させることもできる。この行動は、加速度計、圧電センサ、靴102またはデータ送信システム104構造の一部として設けられた接点素子などによって検出され、この検出される行動が、データ送信システム104をトリガして遠隔コンピュータ606に識別データを送信させるのに使用される。別の例として、望ましい場合には、運動選手604がデータ転送プロセスを開始し、履物製品102や、運動選手が携帯する遠隔装置610や、キオスク602や、接触面614や、遠隔コンピュータ606などに設けられたボタンを押すことによってデータ送信システム104を作動させることもできる。当然ながら、本発明から逸脱することなく、多種多様な別の作動システムおよび/または前述の作動システムへの変更または改変が提供されてもよい。
【0049】
また、この登録システム600は、運動選手604を運動競技の試合または競争に登録するという状況において説明されているが、本発明から逸脱することなく多種多様な別の目的で使用されてもよい。一般に、
図6を参照して前述のしたような類のシステムは、任意の所望の時刻に、および/または特定の場所における人の存在を確認しようとする任意の所望の状況において使用され、その人のその場所における存在が、遠隔コンピュータシステム606によって種々の動作をトリガするのに使用される。別の例として、望ましい場合には、登録キオスク602などこの種の登録システムの使用は、賞または報酬のため(企業が、販促のため、広告のため、特典などとして、ユーザがその企業の履物または器具を使って身体を鍛えると、割引クーポン、賞品、またはその他の賞を提供するなど)、コンテストのため、追跡のためなどに、体育館、小売場所、会議ブース、または他の任意の所望の場所などにおけるユーザの存在を確認するのに使用されてもよい。別の例として、望ましい場合には、この種の登録システムは、ゲーム、報酬、コンテストなどの目的で、運動選手による器具の使用、運動選手の訓練連隊などのより正確な追跡を可能にするために、体育館やスパなどにおいて、個々の運動器具のところに配置されてもよい。
【0050】
図7に本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法の別の使用例を示す。
図6のシステムと関連して前述したような特定の場所におけるユーザの存在を確認することに加えて、本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法は、特定の場所および特定の時刻におけるユーザの存在を確認するのに使用されてもよい。
図7に示すように、本発明のこの例示的な局面によるシステム700は、レースまたはその他の試合のスタート時などに、運動選手702が実際にいつレースまたは試合をスタートしたか(運動選手702がいつスタートラインを物理的に横切ったか)を確認するのに使用される。
図7に示す例示的なシステム700では、データ送信システム104を含む履物製品102を装着した運動選手702が試合のスタートライン704を横切る際に、データ送信システム104および/または履物製品102に含まれる作動システムがデータ送信システム104に信号を送り、または別様にデータ送信システム104を作動させ、送信矢印706で示すようにデータ送信システム104にデータを送出させる。送信されるデータは、運動選手702の識別情報および/またはその他の所望の情報を含み、時計を含む(コンピュータシステムなどの1つまたは複数の処理システムを含み得る)遠隔システム708に送信され、次いで遠隔システム708がその試合でのその運動選手のスタート時刻を記録する。任意で、望ましい場合には、遠隔システム708は、単に、運動選手の存在を記録し、それをその試合でのその運動選手のスタート時刻と相関させる別の遠隔システム712に(有線接続710で表わされる)データを送信するデータ送信システムだけを含んでもよい。当然ながら、本発明から逸脱することなく、もしあれば、無線接続、ネットワーク接続などを含めて、遠隔システム708と遠隔システム712の間の任意の種類の接続が使用されてもよい。加えて、望ましい場合には、第二の遠隔システム712は省かれ、すべての処理が遠隔システム708によって行われてもよい。
【0051】
任意で、望ましい場合には、遠隔システム708および/または712のうちの1つまたは複数が運動選手702にデータおよび/または情報を送り返してもよく、かつ/またはこれらが別の宛先にデータおよび/または情報を送ってもよい。
図7には、一例として、遠隔システム712が(送信矢印714で表わされるように)運動選手、例えば腕時計などのユーザ携帯用遠隔装置716などにデータおよび情報を送り返す様子が示されている。ユーザ携帯用遠隔装置716は運動選手にそのスタート時刻情報などの情報を提供するディスプレイを含んでもよく、この情報が装置716に含まれるストップウォッチを作動させてもよい。運動選手702には、本発明から逸脱することなく任意の種類のデータまたは情報が送られる。
【0052】
また、本発明から逸脱することなく、データ送信システム104を作動させる多くの方法が用いられる。例えば、望ましい場合には、スタートライン704は、電波発信源や磁界源などの外部入力源718を含み、この外部入力源718が、
図6に関連して前述したように作動システムをトリガし、かつ/またはデータ送信システム104によるデータの送信を誘導する(RFIDシステム、ホールセンサシステム、磁気センサシステムなどをトリガするなど)のに使用される。別の例として、履物製品102と地面との接触が(加速度計、圧電素子、接触検出システムなどによって)検出され、この検出が、
図6に関連して前述したように、(任意で一歩ごとなどに)データ送信システム104をトリガしてデータを送信させるのに使用されてもよい。また、やはり
図6と関連して前述したように、データ送信システム104は、本発明から逸脱することなく、ユーザ識別情報および/または他の任意の所望の種類の情報またはデータを送信してもよい。
【0053】
別の可能な代替例として、望ましい場合には、データ送信システム104は、例えばユーザ識別データの代わりに、またはこれに加えて、競技成績に関連するデータを送信する。より具体的な例として、履物製品102またはデータ送信システム104が時計またはタイマを含んでいた場合、データ送信システム104の作動を使って、(例えば送信矢印706および/または710で示すように)遠隔システム708および/または712に運動選手のスタート時刻(またはその他の計時情報)を送ることもできる。別の例として、履物製品102もしくはデータ送信システム104(もしくは別の利用可能なシステム)がセンサを含んでおり、または競技成績と関連する物理的または生理学的データのセンサからのデータ(歩数計に基づく速度および/または距離情報、その他の速度および/または距離情報、GPS情報、心拍数情報、脈拍数情報、体温情報、周囲温度または湿度情報など)にアクセスすることができる場合、データ送信システム104の作動を使って、この種の物理的および/または生理学的データを(例えば送信矢印706および/または710で示すように)遠隔システム708および/または712に送信することもできる。加えて、望ましい場合には、遠隔システム708および/または712は、少なくとも一部は、データ送信システム104によって最初に送られた情報に基づいて、データまたは情報を運動選手702に送り返し、または別のシステムに送ってもよい。
【0054】
当然ながら、この種のシステム700の使用はレースまたは試合のスタートラインだけに限定されるものではない。類似のシステム700は、ゴールラインに配置して運動選手のゴール時刻を記録することもでき、経路に沿った中間地点に配置して運動選手の中間スプリットタイムを記録することもできる(任意で、前述のようにゴール時刻および/またはスプリットタイム情報を運動選手702に送り返すこともできる)。あるいは、サーキットやトラックに沿って行われるレースまたは試合では、運動選手が一試合の間にスタートラインを複数回通過することもあり、かつ/またはスタートラインがゴールラインとしても機能することもある。前述のような類のシステム700は、この状況においては、本発明から逸脱することなく、スタート時刻、ゴール時刻、および/またはスプリットタイムを記録し、かつ/またはこの情報を運動選手702に送り返すのに使用され得る。加えて、
図7と関連して説明した類のシステム700は、経路に沿って運動選手の所在地を判定し、かつ/または、経路の様々な部分に沿って運動選手702に経路またはその他の情報を提供する、例えば、運動選手702に長い上り坂、長い下り坂、縁石、階段、または湾曲した領域が接近していることを警告したり、給水所または救護所が接近していることを知らせたり、悪天候またはその他の危険な状態が接近していることを警告したり、濡れた、または滑りやすい経路状態が接近していることを知らせたり、トラック状態の変化(舗装から土、芝などへ)が接近していることを警告したりするのに使用されてもよい。また、
図7と関連して説明した類のシステムの使用は徒競走だけに限定されるものではなく、多種多様な運動競技、ならびに/または、人の場所および/もしくは特定の場所に対するタイミングが情報を送信するためのトリガとして役立つその他の活動にも使用され得る。
【0055】
図8に、本発明の少なくともいくつかの例によるシステム800別の可能な使用例を示す。
図8のシステム800は、少なくとも、履物製品102上のデータ送信システム104が作動される方式、データ送信システム104が遠隔システム606とやり取りする方式などに関しては、
図6のシステム600と同様である。
図8に示す例示的な環境におけるシステム800は、販売、販促、ゲーム、コンテスト、報酬などに使用される。より具体的な例としては、履物または運動器具または衣料の製造者がゲームまたはコンテストのスポンサーとなり、その製造者の製品の参加ユーザが特定の目標を達成し、または特定の要件を満たすと、それに対してユーザがポイントを受け取り、賞品を獲得し、製品の割引を受け取り、クーポンを獲得し、評価を得てもよい。
図8のシステム800は、ユーザ802がそこに、例えば、コンテストまたはゲームに登録し、コンテストゲームまたはコンテストにおけるユーザの状況をチェックし、その場所におけるユーザの存在を確認し、ゲームまたはコンテストにおける賞品を引き換え、または受け取るなどのために立ち寄る場所(「販売/報酬デスク」の場所804など)に関する。
【0056】
いくつかのより具体的な例として、ユーザ802が、前述のような類の、データ送信システム104を含む一足の新しい靴102を購入するとき、そのユーザは(場所804などを使って)、例えば、ユーザが練習のためにその新しい靴102を使用して、例えば、次の一か月以内にその新しい一足の靴102を装着して100マイル走る(または任意で、任意の目標、ユーザ定義の目標もしくは一部ユーザ定義の目標でさえも達成する)ことなどに挑戦し、またはそれに対して特典を提供するなどのコンテストに登録してもよい。ユーザ802が最初に登録するときに、データ送信システム104は、ユーザまたは履物識別情報、時刻および日付情報、ならびに靴102の基本走行距離(0マイルなど)を送信する。この例示的なシステムでは、履物製品102は、ユーザが靴102を使用する際にユーザの走行距離を追跡する(
図2Aおよび
図2Bのセンサ208などとして)歩数計に基づく(またはGPSその他の)速度および距離監視機能を備える。ゲームまたはコンテストの期間中の中間時点において、ユーザ802は、前述のような類の場所804に接近して、例えば、その試合におけるユーザの進捗状況をチェックしたり、追加情報または次の試合を受け取ったり、競争相手とやり取りしたり、順位をチェックしたりする。例えば、ユーザ802が場所804に接近すると、履物製品102上のデータ送信システム104が作動して、再度、遠隔コンピュータシステム606にユーザまたは履物の識別、日付、および走行距離情報を送信する。遠隔コンピュータシステム606は、独自のディスプレイまたは離れて位置するディスプレイ806を作動させて、(送信矢印808で示すように)ユーザ802に、累積走行距離、残りの踏破すべき距離、残りの試合時間などの状況および/またはその他の情報を表示する。加えて、遠隔システム806は、キーボード、スタイラス、タッチスクリーン、音声入力などによるユーザ入力を受け取ることができてもよい。ユーザが達成目標を満たしている場合、表示システム806はこの成功を示し、遠隔システム606またはユーザ802は、ユーザ802が適切な賞品または評価を得ることを確認する措置を講じる。
【0057】
当然ながら、本発明から逸脱することなく、多種多様なこの種のコンテスト、競争、およびシステムが用意され得る。さらに、このようなコンテスト、競争などは、ユーザが相互に競い合うように設定されてもよい。別の可能な代替例として、ゲーム、競争、コンテスト、および/または試合を、参加者の技能レベル、目標、所望の練習パラメータまたは条件などにより適応させることができるように、ユーザが自分自身のゲーム、競争、コンテスト、および/または試合を、任意で複数の参加者と共に設計することを可能にする入力システム、ソフトウェア、またはその他の構成部品がユーザに提供されてもよい。したがって、前述のような類の場所804は、ユーザの自宅、オフィス、体育館、または練習場所において利用に供される。望ましい場合には、単一のコンテストのために複数の場所804において収集され、獲得されるデータが、コンテストの単一のマスタデータベースを管理するためにネットワーク(インターネットなど)を介して送信される(例えば複数の場所の複数の遠隔システム606がデータを収集し、ネットワークを介してそのデータをユーザのデータを管理する単一のコンピュータ(サーバなど)に送信する)。
【0058】
また、
図8と関連して前述したようなコンテストおよび/またはゲームの状況においては、本発明から逸脱することなく、多種多様な電子構成部品、通信セットアップ、および対話も使用され得る。加えて、望ましい場合には、少なくともいくつかの例では、または少なくとも時々は、履物製品102上のデータ送信システム104は、本発明から逸脱することなく、例えば、靴走行距離情報、コンテスト状況情報などを送るために、中間の遠隔コンピュータシステム606を使用せずに、ユーザ802(送信矢印810で示すようなユーザ携帯用表示装置610など)に直接少なくとも何らかの情報を送るのに使用されてもよい。
【0059】
本発明の局面は、
図1~
図8と関連して前述したもの以外の環境を含む種々の環境において使用され得る。例えば、データ送信システム104は、ユーザ識別情報以外のデータおよび/または前述のその他のデータを送信する。別の具体例として、履物製品と係合したデータ送信システム104は、履物製品の特定のGUlD、履物製品と関連したロット番号情報、履物製品と関連した型式または様式情報、履物製品と関連した製造データなどの、履物製品を識別するデータを送信するのに使用されてもよい。
【0060】
図9に、データ送信システム104による履物製品102を識別するデータ(その型式、様式など)の送信が、本発明の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法によって使用され得る例示的なシステム900を示す。
図9に示す例において、システム900は、前述のような類の履物製品102などを含む履物製品の小売またはその他の販売場所環境で動作する。
図9に示すように、小売または販売場所は、異なる様式およびサイズの様々な靴(または他の製品)を購入者の試着などの利用に供するための棚902を含む。
【0061】
一足の靴(またはその他の製品)を求めて見て回り、または買物をする際に、顧客は、履物製品のうちの1つまたは複数が、例えば前述のような、その履物製品と係合したデータ送信システム104を含む一足の靴を購入することを考える。(例えばこの設定で、この場所にある)この例示的なシステム900内のデータ送信システム104の作動は、(送信矢印906で示すように)遠隔システム904に顧客が購入を検討している靴の種類を識別するデータを送るのに使用される。この作動は、前述の様々な方式を含む任意の所望の方式で行われる(例えば、RFIDシステムを作動させる電波への露出、磁気センサを作動させる磁界または変化する磁界への露出、表面との接触、手動ボタンなど)。
【0062】
遠隔システム904が履物製品102の様式または種類を識別するデータを受け取ると、このデータは、表示装置908上で広告または情報表示を起動させるのに使用され、この広告またはその他の情報は、データが最初にそこから送られた履物製品102を明確に対象とし、またはこれに関連するものである。このように、顧客は、特定の関心対象の製品に関する関連製品および/または広告の情報を迅速に、容易に受け取ることができる。加えて、または代替として、望ましい場合には、データ送信システム104によって送信されるデータに応答して表示される広告または製品情報は、この特定の顧客が購入しようとする可能性のある履物だけに限定される必要はなく、表示される情報は、顧客が購入を検討している履物の種類に基づく、衣料、器具などの広告もしくは製品情報、ならびに/またはこのような製品向けの割引価格および/もしくはクーポンなどを含んでもよい。
【0063】
任意で、望ましい場合には、遠隔システム904は、特定の潜在的購入者を識別する情報および/または顧客によるその製造者の履物製品の過去の使用に関連する情報(顧客の既存の靴(顧客が交換しようとしている靴など)と関連したデータ送信システム104からや、別の供給源などからの顧客IDおよび/または走行距離情報など)を受信してもよい。このようなシステム900では、広告またはその他の製品情報は、特定の潜在的購入者に向けて、例えばその購入者の名前を含むように適応され、その購入者が参加しそうな活動に合わせて適応されてもよい。
【0064】
また、別の代替例として、
図8に前述したようなシステムと関連して、前述のような類の対象を絞った広告および/またはその他の情報が使用されてもよい。例えば、ユーザがデータ送信システム104を備える履物製品102を装着して小売またはその他の販売場所に来るときに、例えば、ユーザ識別情報、最初の靴購入日付、靴走行距離、靴使用情報(速度、平均走行距離など)などを含む履物製品102からのデータが遠隔システム606に送信される。遠隔システム606は、表示装置806によってユーザ802に表示されるように広告または製品情報を作動させ、この広告または製品情報は、特にユーザ802を対象とするものであり、例えば、ユーザ802の名前を含み、(過去の走行距離、利用データ、平均走行速度または距離データなどに基づいて)ユーザ802が購入するよう1つまたは複数の可能性のある新製品を提案するなどのものである。ディスプレイ806はさらに、ユーザ802に、広告製品の置かれている店舗の場所および/もしくは店舗内の特定の場所、製品価格、および/またはこれらの製品に関連する他の任意の所望のデータもしくは情報を示してもよい(任意で、望ましい場合には、ディスプレイ806は顧客に様々な広告製品を仮想ショッピングカートに追加するよう選択させてもよく、ユーザは、支払い時または支払い後に、精算カウンタや購入場所などにおいて製品を入手することもできる)。加えて、または代替として、データ送信システム104によって送信されるデータに応答してディスプレイ806上に提示される広告または製品情報は、この特定のユーザ802が購入しようとする可能性のある履物だけに限定される必要はなく、ユーザの過去の使用、購入などを示す情報になど基づく、衣料、器具などの広告もしくは製品情報、ならびに/またはこのような製品向けの割引価格および/もしくはクーポンなどを含んでもよい。
【0065】
図1~
図9と関連して前述した様々な例では、データ送信システム104は、履物製品102の構造と一体化して形成され、かつ/またはその内部に取り外しできるように係合されている。このような構成は、本発明によるシステムおよび方法の多くの例で有益であるが、必ずしもあらゆる例において必須とされるわけではない。
図10に、データ送信システム1004が札部材1006によって取り外し可能な方式で履物製品1002と係合している例示的なシステム1000を示す。札部材1006は、ひもや輪、従来の小売または販売環境において履物製品と下げ札を係合させるための様々な方式、締め金もしくは留め金など、任意の所望の方式で履物製品1002と係合している。あるいは、望ましい場合には、札部材1006は、札部材1006に設けられた1つまたは複数の開口に履物製品1002の靴ひもやその他の固定要素を貫通させることなどによって、履物製品1002の閉鎖システムを係合してもよい。当然ながら、本発明から逸脱することなく、履物製品1002に札部材1006を固定する別の方法が用いられてもよい。
【0066】
これらの札部材1006のデータ送信システム1004は、本発明から逸脱することなく、前述の様々な方式を含む任意の所望の方式(例えば、ボタン構成1008の使用、その他の接触感知構成の使用、磁界感知の使用、RFID技術の使用など)で作動する。
図10の説明例には、データ送信システム1004を含み、
図9で前述したような小売または販売の場所および環境において(対象を絞った広告または製品情報の表示を作動させるなどのために)使用される札部材1006が示されているが、札構成(1006など)は、例えば、
図6~
図8と関連して前述した様々な環境における、様々な目的での例を含めて、様々な例示的な環境において、かつ/または様々な目的でも使用され得ることを当業者は理解する(例えばレースまたはコンテストの各参加者に試合中に使用するための札が発行されてもよい)。このように、本発明の局面は、あらゆる履物製品に、特にデータ送信システム104を収容するよう装備されていない製品にさえも適用され得る。
【0067】
以上本発明を、競技用履物製品を含む様々な履物製品と関連して説明してきたが、本発明の局面は、例えば、あらゆる種類の靴、ブーツ、スニーカー、サンダル、ゴム底ぞうり、ビーチサンダル、ミュール、室内履き、スリッパ、スポーツ特有の靴(ゴルフシューズ、テニスシューズ、野球用スパイクシューズ、サッカーまたはフットボール用スパイクシューズ、スキーブーツなど)などを含む多種多様な履物製品と一緒に使用され得ることを当業者は理解する。加えて、本発明の局面は、ユーザが自分の足の少なくとも一部分を入れる任意の装置(「足収容装置」)を含めて、使用に際してユーザの足を収容するために設計されたその他の製品と共に実施されてもよい。(前述の)あらゆる種類の履物に加えて、「足収容装置」には、それだけに限らないが、雪スキー、クロスカントリースキー、水上スキー、スノーボードなどにおいて足を固定するビンディングおよびその他の装置、自転車、運動器具などと共に使用するためのペダルに足を固定するビンディング、クリップ、またはその他の装置、ビデオゲームまたはその他のゲームのプレー中に足を収容するビンディング、クリップ、またはその他の装置などが含まれる。「足収容装置」は、足被覆部材(履物製品における上部部材に類似のものなど)および足支持部材(履物製品における靴底構造に類似のものなど)を含んでもよい。足支持部材は、特に、表面接触部材(履物製品における外底部材に類似のものなど)を含んでもよい。
【0068】
結論
当然ながら、本発明から逸脱することなく、詳細に説明した構造、システムおよび方法に対する多くの改変を行うこともできる。例えば、以上では、本発明を実施するための現時点における好ましい形態を含む具体例との関連で本発明を説明しているが、前述のシステムおよび方法の多数の変形、組み合わせ、および置換が生じることを当業者は理解する。さらに、各例に含まれる様々な特定の構造的特徴は、単に、本発明による構造のいくつかの例に含まれ得る構造的特徴の例を表すものにすぎない。本発明から逸脱することなく、履物またはその他の足収容装置製品において様々な特定の億像的特徴が省略され、かつ/または変更され得ることを当業者は理解する。さらに、方法に関しては、本発明から逸脱することなく、方法工程において多くの変形が行なわれてもよく、各工程の順序が変更されてもよく、様々な工程または特徴が追加され、または省略されてもよい。よって、本発明の精神および範囲は添付の特許請求の範囲に示されるように幅広く解釈すべきであることを読者は理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサにより実行されたときに、少なくとも、
履物製品と係合したデータ送信システムを作動すること;
該履物製品からリモートシステムにデータを送信すること;および
該データ送信システムによって送信される該データに基づいて特定の場所および特定の時刻における該履物製品のユーザの存在を確認すること
を該プロセッサに実行させる、コンピュータ実行可能な指示を含む、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項2】
前記送信されるデータが前記ユーザと関連する競技識別情報を含む、請求項1記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項3】
前記競技識別情報を含む前記データをリモートシステムに送信することをさらに含む、請求項2記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項4】
前記リモートシステムが時計である、請求項3記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項5】
前記リモートシステムによって前記ユーザのスタート時刻を記録することをさらに含む、請求項4記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項6】
前記リモートシステムが前記ユーザのスタート時刻をあとで記録する、請求項5記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項7】
前記データ送信システムが外部入力によって作動される、請求項1記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項8】
前記外部入力が電波発信源または磁界源である、請求項7記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項9】
前記データ送信システムが前記履物製品と地面との間の接触によって作動される、請求項1記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項10】
プロセッサにより実行されたときに、少なくとも、
衣料製品と係合したデータ送信システムを作動すること;
該衣料製品からリモートシステムにデータを送信すること;および
該データ送信システムによって送信される該データに基づいて特定の場所および特定の時刻における該衣料製品のユーザの存在を確認すること
を該プロセッサに実行させる、コンピュータ実行可能な指示を含む、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項11】
前記送信されるデータが競技成績データを含む、請求項10記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項12】
前記競技成績データが速度および/または距離情報を含む、請求項11記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項13】
前記競技成績データを含む前記データをリモートシステムに送信することをさらに含む、請求項10記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
前記データ送信システムが外部入力によって作動される、請求項10記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
前記外部入力が電波発信源または磁界源である、請求項14記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項16】
前記データ送信システムが前記履物製品と地面との間の接触によって作動される、請求項10記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項17】
プロセッサにより実行されたときに、少なくとも、
履物製品と係合したデータ送信システムを作動すること;
該履物製品からリモートシステムに運動選手識別情報を送信すること;および
該データ送信システムによって送信される該データに基づいて特定の場所における該履物製品のユーザの存在を確認すること
を該プロセッサに実行させる、コンピュータ実行可能な指示を含む、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項18】
前記特定の場所がスタートラインまたはゴールラインである、請求項17記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項19】
前記運動選手識別情報をリモートシステムに送信することをさらに含む、請求項18記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項20】
前記リモートシステムによって前記ユーザのスタート時刻またはゴール時刻を記録することをさらに含む、請求項18記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。