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特開2023-116814内視鏡処置のための牽引システム及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116814
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】内視鏡処置のための牽引システム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20230815BHJP
   A61B 17/3201 20060101ALN20230815BHJP
   A61B 17/3205 20060101ALN20230815BHJP
   A61B 17/3209 20060101ALN20230815BHJP
【FI】
A61B17/02
A61B17/3201
A61B17/3205
A61B17/3209
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103926
(22)【出願日】2023-06-26
(62)【分割の表示】P 2021564110の分割
【原出願日】2020-05-13
(31)【優先権主張番号】62/861,555
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ワイツナー、バリー
(57)【要約】
【課題】一般に医療装置、より詳細には、組織切開などの内視鏡処置のための牽引システム、及びその使用方法の改善を提供する。
【解決手段】本発明の牽引システムは、例えば、内視鏡の外面に沿って延伸可能なフィラメントを含み、フィラメントの遠位端は、体管腔の標的組織に係合する医療装置に取り付け可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡とともに使用する為のシステムであって、
内部に延びるワーキングチャンネルを有する内視鏡の遠位端に取り付け可能であり、かつ前記ワーキングチャンネルと同一の広がりを有する、キャップと、
前記キャップの外面に取り付けられる第1のガイドと、
前記第1のガイド内を通過して、かつ前記内視鏡及び前記キャップの外面に沿って延びる、第1のフィラメントと、
前記ワーキングチャンネル内に配置可能な第1の内視鏡器具と
を備え、
前記第1のフィラメントの遠位端は、前記第1の内視鏡器具の遠位端に取り付けられる、内視鏡とともに使用する為のシステム。
【請求項2】
前記第1の内視鏡器具は、シースと、前記シースの遠位端に着脱自在に取り付けられた第1の医療装置とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の医療装置は、組織クランプを含み、前記第1のフィラメントの遠位端は、前記組織クランプのアームに取り付けられる、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の内視鏡器具の近位端に対して操作可能に取り付けられたハンドルをさらに含み、前記ハンドルは、前記第1の医療装置を第1の姿勢と第2の姿勢との間で移動させるように構成されており、前記ハンドルは、前記シースの遠位端から第1の医療装置を離脱させるように構成されている、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記内視鏡及び前記キャップの外面に沿って、かつ、前記第1のガイド内を通過して延びる可撓性の長尺状シャフトをさらに含み、前記第1のフィラメントは、前記可撓性の長尺状シャフト内を通過して延びる、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記可撓性の長尺状シャフトの近位端に取り付けられたハンドルアセンブリをさらに備え、前記ハンドルアセンブリは、第1、第2、及び第3の把持要素を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の把持要素は、前記第1のガイド内を通過して前記可撓性の長尺状シャフトを前進、又は後退させるように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2,第3の把持要素は、コネクタによって互いに取り付けられており、前記第1のフィラメントの近位端は、前記コネクタに取り付けられる、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2,第3の把持要素は、互いに独立して作動可能であり、前記第2の把持要素は、前記第1のフィラメントの遠位端に取り付けられ、前記第3の把持要素は、前記可撓性の長尺状シャフトの遠位端に取り付けられる、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項10】
内視鏡の外面の少なくとも一部に沿って延びる第1のガイドと、前記内視鏡が、この内視鏡内を貫通して延びるワーキングチャンネルを有することと、
前記第1のガイド内を通過して、かつ前記内視鏡の前記外面に沿って延びる第1のフィラメントと、
前記ワーキングチャンネル内に配置可能な第1の内視鏡器具と
を備え、
前記第1のフィラメントの遠位端は、前記第1の内視鏡器具の遠位端に取り付けられている、内視鏡手術を実施するためのシステム。
【請求項11】
前記第1の内視鏡器具は、シースと、前記シースの遠位端に着脱自在に取り付けられた第1の医療装置とを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の医療装置は組織クランプを含み、前記第1のフィラメントの遠位端は前記組織クランプのアームに取り付けられる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記内視鏡の外面の一部に沿って延びる第2のガイドと、前記第2のガイド内を通過して、かつ内視鏡の外面に沿って延びる第2のフィラメントとをさらに備え、第2のフィラメントの遠位端は、第2の医療装置のアームに取り付けられる、請求項10~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記内視鏡の外面に沿って、かつ前記第1のガイド内を通過して延びる可撓性の長尺状シャフトをさらに備え、前記第1のフィラメントは、前記可撓性の長尺状シャフト内を通過して延びる、請求項10~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記内視鏡の外面に沿って、かつ前記第2のガイド内を通過して延びる可撓性長尺状シャフトをさらに備え、前記第2のフィラメントは、前記可撓性の長尺状シャフト内を通過して延びる、請求項13又は14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置の分野に関する。より詳細には、本発明は、組織切開などの内視鏡処置のための牽引システム及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡による組織の切除/解剖処置を実施する工程には、処置の正確性や効率性のために標的組織の境界が解剖されるように牽引力を維持する工程が含まれる。医師は、組織の縁に沿って解剖するために標的組織を牽引/固定したり、生検のために解剖された標的組織を回収したりするために内視鏡クリップが患者の体外に延びる所定の長さのフィラメントに取り付けられたテザーシステムを用い得る。
【0003】
上記の考慮事項を念頭に置いて、本発明の改善が有用であり得る。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本発明は、その内部を貫通して延びるワーキングチャンネルを有する内視鏡の遠位端(又はその一部)に取り付け可能なキャップを備えた内視鏡とともに使用するためのシステムに関する。キャップは、ワーキングチャンネルと同一の広がりを有するルーメンを含む。第1のガイドは、キャップの外面に取り付けられ、又は据え付けられる。第1のフィラメントは第1のガイド内を通過して内視鏡及びキャップの外面に沿って延びる。第1の内視鏡器具は、ワーキングチャンネル内に配置可能である。第1のフィラメントの遠位端は、第1の内視鏡器具の遠位端に取り付けられる。
【0005】
上記及び別の実施形態では、第1の内視鏡器具はシースを含み、第1の医療装置はシースの遠位端に着脱自在に取り付けられる。第1の医療装置は、組織クランプを含む。第1のフィラメントの遠位端は、組織クランプのアームに取り付けられる。ハンドルは、第1の内視鏡器具の近位端に操作可能に連結される。ハンドルは、第1の医療装置を第1の姿勢と第2の姿勢との間で移動するように構成される。ハンドルは、シースの遠位端から第1の医療装置を離脱するように構成される。可撓性の長尺状シャフトは、内視鏡とキャップの外面に沿って、及び第1のガイド内を通過して延びる。第1のフィラメントは、可撓性の長尺状シャフト内を通過して延びる。ハンドルアセンブリは、可撓性の長尺状シャフトの近位端に取り付けられる。ハンドルアセンブリは、第1、第2、及び第3の把持要素を含む。第1の把持要素は、第1のガイド内を通過して可撓性の長尺状シャフトを前進及び後退させるように構成される。第2,第3の把持要素は、コネクタによって互いに連結される。第1のフィラメントの近位端はコネクタに連結される。
【0006】
別の態様では、本発明は、内部を貫通して延びるワーキングチャンネルを有する内視鏡の遠位端(又はその一部)に取り付け可能なキャップを備える内視鏡とともに使用する為のシステムに関する。キャップは、ワーキングチャンネルと同一の広がりを持つルーメンを含む。第1のガイド及び第2のガイドは、キャップの外面に取り付けられ、又は据え付けられる。第1のフィラメントは、第1のガイド内を通過して内視鏡及びキャップの外面に沿って延びる。第1の内視鏡器具は、ワーキングチャンネル内に配置される。第1のフィラメントの遠位端は、第1の内視鏡器具の遠位端に取り付けられる。
【0007】
上記及び別の実施形態では、第1の内視鏡器具はシースを含み、第1の医療装置はシースの遠位端に着脱自在に取り付けられる。第1の医療装置は、組織クランプを含む。第1のフィラメントの遠位端は、組織クランプのアームに取り付けられる。第2のフィラメントは、第2のガイド内を通過して内視鏡及びキャップの外面に沿って延びる。第2のフィラメントの遠位端は、第2の医療装置のアームに取り付けられる。可撓性の長尺状シャフトは、内視鏡及びキャップの外面に沿って、そして第1のガイド内を通過して延びる。第1のフィラメントは、可撓性の長尺状シャフト内を通過して延びる。可撓性の長尺状シャフトは、内視鏡及びキャップの外面に沿って、そして第2のガイド内を通過して延びる。第2のフィラメントは、可撓性の長尺状シャフト内を通過して延びる。
【0008】
別の態様では、本発明は、内視鏡処置を実行するためのシステムに関する。システムは、内視鏡の外面に沿って延びる第1のガイドを含む。このガイドは、内視鏡、又は内視鏡の一部(内視鏡の一部又は別個に形成されて内視鏡に取り付けられ、又は据え付けられる)に据え付けるように構成される。第1のフィラメントは、第1のガイド内を通過して内視鏡の外面に沿って延び、第1の内視鏡器具は、ワーキングチャンネル内に配置可能であり、第1のフィラメントの遠位端は、第1の内視鏡器具の遠位端に取り付けられる。
【0009】
さらに別の態様では、本発明は、第1の器具の遠位端がキャップの遠位端を超えて遠位方向に延びるように、長尺状管状部材のワーキングチャンネル内及び長尺状管状部材の遠位端に取り付けられ、又は据え付けられたキャップのルーメン内を通って第1の器具を前進させる工程を含む方法に関する。
【0010】
上記及び別の実施形態では、第1の器具の遠位端に取り付けられた医療装置は、閉鎖姿勢から開放姿勢に移動する。長尺状管状部材及び任意にキャップの外面に沿って延びるフィラメントの遠位端は、医療装置のアームに取り付けられる。フィラメントは、長尺状管状部材又はキャップの外面に取り付けられ、又は据え付けられたガイド内を通過して延びる。医療装置は、開放姿勢ら閉鎖姿勢に移動される。第1の器具は、医療装置が長尺状管状部材のワーキングチャンネル内に配置されるように後退される。長尺状管状部材は、標的組織に隣接して長尺状管状部材又はキャップの遠位端を配置させるために、体管腔内を通って前進される。医療装置は、長尺状管状部材又はキャップの遠位端を超えて遠位方向に前進させ得る。医療装置は、閉鎖姿勢から開放姿勢に移動され得る。医療装置は、開放姿勢から閉鎖姿勢になり標的組織に係合する。医療装置は、第1の器具の遠位端から離脱される。フィラメントの近位端を近位方向に引いて標的組織に張力を付与し得る。第1の器具は、長尺状管状部材のワーキングチャンネル内で第2の器具に交換することができる。標的組織は、第2の器具の遠位端に取り付けられた医療装置で操作し得る。
【0011】
本発明の非限定的な実施形態は概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図されていない添付の図を参照して例として説明されている。図面では、図示されている同一又はほぼ同一の構成要素はそれぞれ、一般に単一の数字で表されている。明確性のために、すべての構成要素がすべての図面でラベル付けされているわけではなく、当業者が発明を理解できるようにするために図解が必要でない場合には、各実施形態のすべての構成要素が示されているわけでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明の一実施形態にかかる器具を示す斜視図。
図1B】本発明の一実施形態にかかる器具を示す斜視図。
図1C】本発明の一実施形態にかかる器具を示す斜視図。
図2】従来のテザー牽引システムを示す斜視図。
図3】本発明の一実施形態にかかるテザー牽引システムを示すの斜視図。
図4】本発明の一実施形態にかかる医療装置のアームの周りに配置されたフィラメントループを示す斜視図。
図5】本発明の一実施形態にかかるテザー牽引システムを示す斜視図。
図6】本発明の一実施形態にかかるテザー牽引システムを示す斜視図。
図7】本発明の一実施形態にかかる可撓性の長尺状シャフトのハンドルアセンブリを示す斜視図。
図8】本発明の一実施形態にかかる可撓性の長尺状シャフトのハンドルアセンブリを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、本明細書に記載の具体的な実施形態に限定されない。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解する意味と同一の意味を有する。
【0014】
本発明の実施形態は、組織の切開/切除手術中に胃腸管内で牽引力を付与するように設計された内視鏡システム及び方法を特に参照して説明されているが、そのようなシステム及び方法は、内視鏡とともに、又は内視鏡とは独立して、さまざまな異なる体管腔及び/又は体の通路内の様々な組織を操作するために使用できることを理解されたい。
【0015】
本明細書で使用される場合、単数形「a(ひとつ)」、「an(ひとつ)」、及び「the(その)」は、文脈が明らかに別のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「comprises(備える)」及び/又は「comprising(備えている)」又は「includes(含む)」及び/又は「including(含んでいる)」という用語は、記載された特徴、領域、工程の要素及び/又は構成要素の存在を特定するものであるが、1つ以上の別の特徴、領域、整数、工程、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。
【0016】
本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、装置を患者の体内に導入するときに医療専門家から最も遠い端を指し、「近位」という用語は、装置を患者の体内に導入するときに医療専門家に最も近い端を指す。
【0017】
図1A~1Cでは、一実施形態において、本発明の内視鏡システム100,200,300,400とともに使用するための第1の内視鏡器具140は、可撓性の長尺状シース142(例えばカテーテルなど)の近位端に操作可能に取り付けられたハンドル144、及び可撓性の長尺状シース142の遠位端に着脱自在に取り付けられた第1の医療装置146を含む。一実施形態では、第1の医療装置146は、ハンドル144の作動時に第1の(例えば開放)姿勢(図1A)と第2の(例えば閉鎖)姿勢(図1B)との間で移動するように構成されたアーム、すなわちジョー146a,146bを備える組織クランプすなわちクリップを含む。様々な実施形態において、第2の姿勢では、第1の医療装置146のアーム、すなわちジョー146a,146bは、体管腔内の標的組織148、例えば胃腸(GI)管の標的組織に係合する。様々な追加の実施形態において、ハンドル144は、第1の内視鏡器具140が患者の体内から除去されたあと、医療装置146が標的組織148に係合した状態で、第1の医療装置146をシース142の遠位端から離脱させる(例えば解放する)ようにさらに駆動される(図1C)。
【0018】
図2を参照すると、一実施形態では、内視鏡システム100は、近位端(図略)を有する可撓性の長尺状管状部材110(例えば内視鏡)の遠位端112に(例えば、摩擦ばめ又は締まりばめ、ねじ山ばめ、スナップロックばめなどによって)取り付け可能なキャップ120(例えば、内視鏡キャップ)を含む。キャップ120によって画定されるルーメン124は、ワーキングチャンネル114と同一の広がりを有する(例えば整合する)。第1の内視鏡器具140は、ワーキングチャンネル114及びルーメン124内で移動可能に、又は摺動可能に配置可能であるため、第1の内視鏡器具140のシース142の遠位端に取り付けられた第1の医療装置146は、キャップ120の遠位端を越えて遠位側に延びて、例えば、体管腔内の標的組織に係合することができる。第1のフィラメント130(例えばスーチャ、ワイヤ、ひもなど)は、長尺状管状部材110の外面及びキャップ120の外面に沿って延び、第1のフィラメント130の遠位端132は、例えば、アーム146aなどの第1の医療装置146の一部に取り付けられる(例えば、連結される)。様々な実施形態において、上記のように、第1の医療装置146は、第1の姿勢から第2の姿勢に移動して、第1、第2のアーム146a.146bで標的組織に係合し、第1の医療装置146は、シース142の遠位端から離脱される。第1のフィラメント130の近位端136は、長尺状管状部材110の近位端を超えて、そして、患者の体外に延びるため、医療専門家は、第1のフィラメント130を近位方向に引いて、第1の医療装置146に係合した標的組織に張力/牽引力を付与し得る。
【0019】
図3を参照すると、一実施形態において、本発明の内視鏡システム200は、近位端(図略)、遠位端212、及び近位端及び遠位端の間に延びるワーキングチャンネル214を有する可撓性の長尺状管状部材(例えば内視鏡)の遠位端112に連結可能な(例えば摩擦すなわち干渉フィット、ねじ込みばめ、スナップロックフィットによって)キャップ220(例えば内視鏡キャップなど)を含む。キャップ220によって画定されるルーメン224は、ワーキングチャンネル214と同一の広がりを有する(例えば整合する)。その内部を通過する開放チャンネルを画定する第1のガイド226(例えばフィラメントガイド、スーチャガイド、管状支持体、リングなど)は、キャップ220の外面に取り付けられ、又は据え付けられる。第1のフィラメント230(例えばスーチャ、ワイヤ、ひも、又は他の可撓性材料など)は、長尺状管状部材210の外面及びキャップ220の外面に沿って、及び第1のガイド226のチャンネル内を通過して延びる。
【0020】
上記のように、第1の内視鏡器具140は、第1の内視鏡器具140の遠位端に取り付けられた第1の医療装置146がキャップ220の遠位端を越えて遠位方向に延びて、例えば標的組織に係合するように、ワーキングチャンネル214及びルーメン224内に移動可能に、又は摺動可能に配置される。第1のフィラメント230の遠位端232は、第1の医療装置146のアーム146aに取り付けられる(例えば、結ばれる)。次に、第1の医療装置146は、標的組織148に係合させるために第1の姿勢から第2の姿勢に移動させられ、第1の医療装置146は、シース142の遠位端から離脱される。
【0021】
第1のフィラメント230の近位端236は、長尺状管状部材210の近位端を超えて患者の体外に延びているため、医療専門家は、第1のフィラメント230を近位方向に引いて、第1のガイド内を通ってキャップ220の長手軸に沿って、第1の医療装置に係合した標的組織に148に張力/牽引力を付与し得る。
【0022】
使用中、例として、本発明の内視鏡システム200は、キャップ220を長尺状管状部材210の遠位端212に取り付けることによって(例えば、患者の体内に挿入するのに先立ち)組みたてられる。次に、第1の内視鏡器具140は、長尺状管状部材210のワーキングチャンネル214内及びキャップ220のルーメン内を通過して前進され、第1の内視鏡器具142のシース142の遠位端に取り付けられた第1の医療装置146は、キャップ220の遠位端を越えて遠位方向に延びる。次に、第1の内視鏡器具のハンドル144を作動させて、第1の医療装置146を第2の姿勢(図1B)から第1の姿勢(図1A)に、例えばアーム146a,146bがY字形に開放/分離されるように移動させる。次に、第1のフィラメント230は、キャップ220の第1のガイド226の開放チャンネル内を通過して前進されて、第1のフィラメント230の遠位部分から形成されたループ232は、第1の医療装置146のアーム146a,146bのうちの一方の周囲に配置される(図4)。一実施形態では、ループ232は引き結びを採用することにより、フィラメント230が近位方向に引かれた時、アーム146aの周囲を締め付けるように構成されている。いくつかの実施形態では、フィラメント230は接着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、又はバンド、クランプ、又はラチェット、又はそれらの組み合わせ等の機械的取り付けによって第1の医療装置146に、直接的又は間接的に取り付けられる。例えば、フィラメント230は、第1の医療装置146の周囲でループ状にされ、接着剤をフィラメントにフィラメント自体に塗布することによってセットされる。いくつかの実施形態では、第1の医療装置は開口部を備え、フィラメント230の端部は開口部を通過して、次に直径が拡張されて(例えば結び目を形成すること、ヒートステーキングすること、例えばフィラメントの端部に連結された別の要素を有することなどにより)、フィラメントの端を所定の部位に維持する。次に、第1の作動器具140のハンドル144を作動させて、第1の医療装置146のアーム146a,146bを第1の姿勢から第2の姿勢に移動させるとともに、第1の内視鏡器具140を近位方向に引くと、第1の医療装置146はキャップ220のルーメン224及び/又は長尺状管状部材210のワーキングチャンネル210内に配置(例えば保護、防護、隠蔽、装填)される。次に、内視鏡システム200は、第1の医療装置がルーメン224及び/又はワーキングチャンネル214内に配置され、そして第1のフィラメント230がアーム146aに固定された状態で、患者の体管腔内を通過して前進され、キャップ220の遠位端は、標的組織に隣接して配置される。次に、第1の内視鏡器具140は、ワーキングチャンネル214内を通過して遠位方向に前進させられて、第1の医療装置146をキャップ220の遠位端を超えて遠位側に配置する。次に、ハンドル144を作動させて、第1の医療装置146のアーム146a,146bを第2の姿勢から第1の姿勢に移動させて、開放したアーム146a,146bを標的組織の表面に接触させて配置する。次に、ハンドル144を作動させて、アーム146a,146bを第1の姿勢から第2の姿勢に移動して、第1の医療装置146を標的組織に係合させる(例えば、クランプする)。いくつかの実施形態では、ハンドル144を作動させて、第1の医療装置146を第1の内視鏡器具140のシース142から離脱することができる。いくつかの実施形態では、ハンドル144は、処置に先立ち及び/又は処置中に組織に係合するように器具140を作動させることができる。
【0023】
様々な実施形態では、第1の内視鏡器具140は、次に、長尺状管状部材210のワーキングチャンネル214から取り除かれ(例えば引き抜かれ)、第2の内視鏡器具150がワーキングチャンネル内を通って前進させられて、第2の内視鏡器具150の遠位端に取り付けられた第2の医療装置(例えば電気メスナイフ、切除ツールなど)をキャップ220の遠位端を超えて遠位方向に、及び標的組織148に隣接して配置する。上記のように、第1のフィラメント230の近位端236は、長尺状管状部材210の近位端を超えて患者の体外に延びるため、医療専門家は、第1のフィラメント230を近位方向に引いて、第2の医療装置が標的組織148を操作(例えば解剖)する際に張力/牽引力を付与することができる。
【0024】
一実施形態では、第1の医療装置146は、標的組織が患者の体内から回収できるように、切開された標的組織の一部に係合される。代替的には、第1の医療装置146は、切除された部分に隣接する標的組織に係合される。そのような実施形態では、医師などの医療専門家は、医療処置が完了した後、第1の医療装置146が体管腔内に留まるように、(例えば、第2の医療装置を使用して)第1のフィラメントを切断する。切り離された第1の医療装置146が係合した標的組織の部分は、最終的に分離又は脱落して、第1の医療装置146は、身体の自然な経過によって患者の体内から排出/除去される。代替的には、医療専門家は、第1のフィラメントを破壊(例えばスナップする)、又は標的組織から第1の医療装置のアームを離脱させる(例えば、引き離す)のに十分な力で、第1のフィラメントを近位方向に引くことができる。
【0025】
図5を参照すると、一実施形態では、本発明の内視鏡システム300は、内視鏡システム200と同一又は類似する要素を含み、キャップ220の外面に取り付けられ、又は据え付けられた第2のガイド227であって、第2のガイド内を貫通する開放チャンネルを画定する、第2のガイド227(例えばスーチャガイド、フィラメントガイド、管状支持体、リング等)をさらに含む。第1及び第2のガイド226,227は、キャップ220のほぼ対向する両側に配置されるように示されているが、様々な実施形態では、第1,第2のガイド226,227は、互いに対して様々な長手軸方向の部位、及び/又は軸方向の部位でキャップ220の外面に取り付けられ、又は据え付けられてもよい。追加的に又は代替的に、追加的なガイド(例えば第3、第4、第5のガイドなど)が、互いに様々な異なるパターン及び/又は構成でキャップ220の外面に取り付けられ、又は据え付けられてもよい。
【0026】
様々な実施形態では、第2のフィラメント231(例えばスーチャ、ワイヤ、ひもなど)は、長尺状管状部材210の外面及びキャップ220の外面に沿って、そして、第2のガイド227内を通過して延びて、第2のフィラメント231の遠位端233は、第2の医療装置147のアーム147a,147bに取り付けられる。使用時には、例として、内視鏡システム300は、第1のフィラメントが第1のガイド226のチャンネル内を通過して延びて、第1の医療装置146が標的組織148に係合した状態で、患者の体内から引き抜くことができる。次に、第2の医療装置147は、第1の内視鏡器具140のシース142の遠位端に取り付けられ、第2の医療装置のアーム147a,147bは、第2のフィラメント231に取り付けられ、第2の医療装置147は、上記工程にしたがって、キャップ220のルーメン224内及び/又は長尺状管状部材210のワーキングチャンネル214内に装填される。
【0027】
内視鏡システム300は、第2の医療装置147がルーメン224及び/又はワーキングチャンネル214内に配置され、第2のフィラメント231が第2の医療装置147のアーム147a,147bのうちの一方に固定された状態で、患者の体管腔内に再び挿入され、キャップ220の遠位端は、標的組織148に隣接して再び配置される。医療専門家は、次に、上記のようにハンドル144を作動させて、標的組織148の別の部分を第2の医療装置147で係合(例えば、クランプ)させて、内視鏡システム200に関して説明した上記工程に従って、第2の医療装置147を切り離す、即ち離脱させることができる。
【0028】
第1の内視鏡器具140は、長尺状管状部材210のワーキングチャンネル214から再び除去(例えば引き抜かれる)され、第2の内視鏡器具の遠位端に取り付けられた第2の医療装置を標的組織に隣接して再配置するために、第2の内視鏡器具150が、ワーキングチャンネル内を通過して導入/再導入される。次に、医療専門家は、必要に応じて第1,第2のフィラメント230,231のそれぞれの近位端236,237を近位方向に引いて、第2の医療装置が標的組織148を操作(例えば切開)するときに所望の量(例えば、力)及び/又は方向の張力/牽引力を付与する。
【0029】
一実施形態では、第1,第2のフィラメント230,231は、特有のカラーコードなどの識別特性を含むため、医療専門家は、第2の医療装置で操作する為に、どちらのフィラメントを引いたり、解放したりして標的組織を適切に配置するかを視覚的に識別する。例えば、長尺状管状部材を通して標的組織を見るとき、医師などの医療専門家は、第1のフィラメント230を第1の色(例えば青色)として、第2のフィラメント231を第2の色(例えば赤色)として識別することができる。次に、医師などの医療専門家は、第1のフィラメント230(例えば青色)の近位端を引いて、第1の医療装置146に係合した標的組織の一部に張力/牽引力を付与する一方で、第2の医療装置147に係合した標的装置の一部を弛んだままにすることができる。追加的又は代替的に、第1,第2の医療装置146,147は、医療専門家が必要に応じて張力/牽引力を付与したり解放したりすることができる性能をさらに向上させるために、第1、第2の医療装置が取り付けられている第1,第2のフィラメント230,231のそれぞれの色と一致、又は対応する色を含んでもよい。
【0030】
第2のフィラメント231は、まず患者の体内から内視鏡システム300を除去してから第2の医療装置147に取り付けられると説明されているが、様々な実施形態では、第2のフィラメント231の遠位端は、体管腔内の第2の医療装置147のアーム147a,147bに取り付けられ、例えば長尺状管状部材210及びキャップ220の外面に沿って、及び第2のガイド227のチャンネルを通過する第2のフィラメント231に予め荷重をかけること、次に体管腔内で第2の医療装置のアームを第2のフィラメント213のループ233(例えば、スリップノット)内に通すこと、次に第2のフィラメント231を近位方向に引いてループ233を引き締めることによって取り付けられる。
【0031】
図6を参照すると、一実施形態では、本発明の内視鏡システム400は、内視鏡システム200,300と同一又は類似する要素を含み、長尺状管状部材210及びキャップ220の外面に沿って、及び第1のガイド226のチャンネル内を通過して延びる可撓性の長尺状シャフト234を含む。様々な実施形態において、可撓性の長尺状シャフト234は、可撓性の長尺状シャフト234の遠位端238がキャップ220の遠位端を超えて遠位方向に延びるように、第1のガイド226内で摺動可能に、又は回転可能に配置される。第1のフィラメント230は、第1のフィラメント230の遠位端232が第1の医療装置146のアームに取り付けられて、第1のフィラメント230の近位端236が患者の体外に延びるように、可撓性の長尺状シャフト234の全長にわたって延びる。様々な実施形態において、可撓性の長尺状シャフト234は、医療専門家が第1のガイド226のチャンネル内を通過して可撓性の長尺状シャフト234を遠位方向に前進させて、キャップ220の遠位端に対向する方向に(例えば、キャップ220の遠位端から離間する方向に遠位方向に)、標的組織148に係合した第1の医療装置146に張力/牽引力を加えることができるように、十分な剛性(例えば、柱状強度(columnar strength))を含む。
【0032】
内視鏡システム400は、第1のガイド226が取り付けられ、又は据え付けられたキャップ220を含む内視鏡の外面に沿って延びる単一の可撓性の長尺状シャフト234を含むと説明されているが、様々な実施形態において、本発明の内視鏡システムは、複数のガイドが取り付けられ、又は据え付けられたキャップ(例えばシステム300の第1,第2のガイド226,227)を含み、これらはそれぞれ、その内部を通過して別個の可撓性の長尺状シャフトを摺動可能及び回転可能のうちの少なくとも一方で受け入れることができる。様々な追加の実施形態において、キャップ220の外面に取り付けられ、又は据え付けられた複数のガイド(例えばシステム300の第1,第2のガイド226、227)を含む本願の内視鏡システムは、複数のガイドのうちの1つの中を通過して延びる可撓性のシャフトと、別のガイド内を通過して延びる可撓性の長尺状シャフトを有しないフィラメントを含み、医師がキャップの遠位端に対して近位方向と遠位方向とに張力/牽引力を付与可能にする。様々な追加の実施形態では、本発明の可撓性の長尺状シャフト234は、フィラメントの遠位端が取り付けられた医療装置が標的組織に係合される間、本発明の第1又は第2のフィラメント230,231上を、及び第1又は第2のガイド226,227のそれぞれのチャンネル内を通過して前進させられて、例えば、医師が標的組織に付与する張力/牽引の方向を切り替え可能にする。
【0033】
図7を参照すると、一実施形態では、本発明の可撓性の長尺状シャフト234の近位端は、ハンドルアセンブリ138に取り付けられる。様々な実施形態では、ハンドルアセンブリ138は、第1の把持要素138a(例えば、サムリング)、第2の把持要素138b(例えば、第1の指リング)、及び第3の把持要素138c(例えば、第2の指リング)を含む。第1の把持要素138aは、可撓性の長尺状シャフト234の近位端に取り付けられ、第2,第3の把持要素138b,138cは、接続アーム139でハンドルアセンブリ138に枢動可能及び/又は摺動可能に取り付けられる。本発明のフィラメント(例えば、第1又は第2のフィラメント230,231)の近位端は、第2,第3の把持要素138b,138c間で接続アーム139に、直接的又は間接的に取り付けられる(例えば結ばれる、接着されるなど)。一実施形態では、医療専門家は、ハンドルアセンブリ138を手に保持して、第1の把持要素138aを用いて本発明のガイド(例えば、第1又は第2のガイド226、227)のチャンネルの中を通って可撓性長尺状シャフト234を近位方向に引いたり遠位方向に進めたりして、例えばキャップ220の遠位端に対して遠位方向にフィラメントの張力/牽引力を付与、又は解放する。追加的に又は代替的に、医療専門家は、ハンドルアセンブリ138に対して第2,第3の把持要素138b,138cを長手方向に旋回させたり摺動させたりすることによって(例えば前後方向に)、ガイド内を通過してフィラメントを近位方向に引いたり遠位方向に延ばすことができる。様々な実施形態において、第1の把持要素138aは、例えば、標的組織に対して可撓性の長尺状シャフトの遠位端238を配置又は再配置するために、可撓性の長尺状シャフト234の粗い/全体的な制御を設け、第2,第3の把持要素138b,138cは、標的組織を正確に操作するためにフィラメントの微調整/増分制御を設け得る。
【0034】
図8を参照すると、一実施形態では、本発明のハンドルアセンブリ138は、図8のハンドルアセンブリと同一又は類似の要素を含むが、独立して作動可能な第2,第3の把持要素138b,138cを有する(例えば接続アーム等で取り付けられていない)。一実施形態では、第2の把持要素138bは、本発明のフィラメント(例えば、第1又は第2のフィラメント230,231)の近位端に枢動可能及び/又は摺動可能に取り付けられ、第3の把持要素138cは、可撓性の長尺状シャフト234の近位端に枢動可能及び/又は摺動可能に取り付けられる。様々な実施形態において、第1の把持要素138aは、(上記のように)可撓性の長尺状シャフト234の粗い/全体的な制御を設け、第2,第3の把持要素138b,138cは、互いに独立して、フィラメント及び可撓性長尺状シャフトの微調整/増分制御を設ける。例えば、第2の把持要素138bを作動させてフィラメントを(例えば、前後方向に)可撓性の長尺状シャフトに対して移動させたり、第3の把持要素138cを作動させてフィラメントに対して(例えば、長手軸に沿って前後方向に)可撓性の長尺状シャフトを移動させたりすることができる。
【0035】
本発明の第1,第2のガイド226,227は、キャップ220の近位端に隣接して配置されるように示されているが、様々な実施形態において、第1,第2のガイド226,227は、様々な部位(例えば、キャップの中点、キャップの近位端など)でキャップ220の外面に取り付けられ、又は据え付けられる。追加的に又は代替的に、第1,第2のガイド226,227は、キャップ220の全長に亘って延びてもよいし、及び/又はキャップ220の遠位端を超えて遠位側に延びてもよい。
【0036】
さらに、本発明の第1,第2のガイドは、キャップ220の外面に関連(例えば、取り付けられる、据え付けられる)して説明されており、上記実施形態は、キャップ要素を参照して説明されているが、上記開示の原理は、キャップ要素が設けられていない場合でも、各実施形態に適用可能であることが理解できる。したがって、構造上のキャップへの言及は、構造の遠位端の一部(単一又は別個)をなす要素への言及を含むと理解されるべきである。例えば、様々な実施形態において、ガイドは、ガイドに取り付けられたキャップ220の有無にかかわらず、可撓性の長尺状管状部材の外面に沿って設けられ、又は取り付けられ、又は据え付けられてもよい。上記のように、ガイドは、キャップに関して説明したものなどのように、様々な異なるパターン、向き、及び/又は数で、可撓性の長尺状管状部材の外面に沿って分布させることができる。例えば、一連のガイドは、その長手方向軸又は非長手方向軸に沿って、等間隔又は不等間隔で可撓性の長尺状管状部材の外面に沿って配置される。いくつかの実施形態では、ガイドは、例えば、フィラメントが延び得る連続性の封入チャンネルを設ける為に、可撓性の長尺状管状部材及び/又はキャップの外面全体に沿って延びてもよい。いくつかの実施形態では、ガイドは、可撓性の長尺状管状部材及び/又はキャップの外面の様々な円周部分の周りに配置された1つ以上のストラップ又はバンドを含む。追加的又は代替的に、可撓性の長尺状シャフトは、キャップが存在するかどうかに関係なく、長尺状管状部材の外面に沿って延びる。いくつかの実施形態では、可撓性の長尺状シャフトは、長尺状管状部材の外面に沿って延びるガイド内、又は長尺状可撓性部材の外面に取り付けられたガイド内を通過して延びる。フィラメントは、上記実施形態のいずれかの中を通過して、例えば上記実施形態のいずれかのガイド及び/又は可撓性の長尺状シャフトの中を通過して、延びる。
【0037】
様々な実施形態において、本発明の第2の医療装置は、組織切断要素(例えば、電気メスナイフなど)に限定されず、標的組織を操作するように構成された様々な医療器具(例えば、切除要素、標的組織などに薬剤を注入するように構成された針又は注射器)を含んでもよい。
【0038】
様々な追加の実施形態において、本発明の第1及び第2の医療装置146,147は、第1,第2のフィラメント230,231を標的組織に固定/係合するように構成された様々な止血及び非止血組織クリップを含み得る。例えば、開示された内視鏡システム200,300,400とともに使用することが企図される組織クリップは、ハンドルアセンブリによる作動時に、閉鎖、又はクランプされた姿勢に移動するように構成された自然に開放、又は付勢された姿勢を含む。追加的に又は代替的に、開示された組織後退/牽引装置とともに使用することが企図される組織クリップは、ハンドルアセンブリによって駆動された時、開放姿勢に移動するように構成された自然に閉鎖、又は付勢された姿勢を含む。追加的に又は代替的に、記載された組織クリップ以外の留め具を使用して、開示された組織後退/牽引装置の第1及び第2の取り付け部材を体管腔の壁に固定/係合させることができる。留め具の例には、限定ではないが、米国特許出願第______号明細書(弁護士整理番号8150.0601)に記載され、同日付で提出され、「組織牽引バンド及びその使用方法」と題されたもの、2019年10月30日に出願され、「組織を係合するためのクリップ装置、システム、及び方法」と題された米国特許出願公開第2020/0129181号明細書、米国特許出願第__________号明細書(弁護士整理番号8150.0596)に記載され、同日付で提出され、「組織クリップ装置、システム、及び牽引方法」と題されているもの、2018年3月19日に出願され、「組織後退装置及び送達システム」と題された米国特許出願公開第2018/0263614号明細書、及び、2011年11月22日に発行され、「内視鏡的止血クリッピング装置」と題された米国特許第8,062,311号明細書は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。これらの特許及び特許出願の他の特徴及び態様、ならびに米国特許出願第__________号明細書(弁護士整理番号8150.0603)は、同日付で出願され、「組織牽引バンド及び組織牽引のための方法」と題されるものは、参照によりその全体がすべての目的のために本明細書に援用され、本発明の装置及び方法を補完し及び本発明の装置及び方法と共に使用することができる。
【0039】
さらに、本発明の第1及び第2の医療装置146,147は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないが、本発明の実施形態を理解及び実施するために必要な詳細レベルを提供するためにいくらか拡大された構成で表されている可能性があることを理解されたい。
【0040】
本明細書に開示され、特許請求されたすべての装置及び/又は方法は、本明細書に照らして過度の実験なしに製造及び実行できる。本発明の装置及び方法は、好ましい実施形態に関して説明されてきたが、本発明の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された装置及び/又は方法、並びに、方法の工程、又は工程の順序に変更を適用できることは当業者であれば理解できる。当業者に明らかなそのようなすべての類似する代替及び変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示の趣旨、範囲及び概念の範囲内であると見なされる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性の長尺状管状部材とともに使用する為のシステムであって、前記可撓性の長尺状管状部材は、患者内に及び患者内を通過して伸長可能であり、かつ内部に延びるワーキングチャンネルを有する、システムにおいて、前記システムは、
前記可撓性の長尺状管状部材の遠位端に取り付け可能であり、かつ内部に延びるワーキングチャンネルを有するキャップであって、前記可撓性の長尺状管状部材の前記ワーキングチャンネルと同一の広がりを有するルーメンを含むキャップと、
前記キャップの外面に取り付けられる第1のガイドと、
第1のフィラメントであって、前記フィラメント及び前記可撓性の長尺状管状部材の外面が互いに接触し得るように、前記第1のガイド内を通過して、かつ前記可撓性の長尺状管状部材及び前記キャップの外面に沿って伸長可能な第1のフィラメントと
を備える、システム。
【請求項2】
前記第1のフィラメントは、その周囲に追加の要素無く前記第1のガイド内を通過して延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のフィラメントは、医師によって後退可能なように、前記患者の外側に近位方向に伸長可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記キャップの外面に取り付けられる第2のガイドと、
前記可撓性の長尺状管状部材及び前記キャップの外面に沿って、かつ前記第2のガイド内を通過して伸長可能な可撓性の長尺状シャフトと、
前記可撓性の長尺状シャフト内を通過して、かつ前記可撓性の長尺状シャフト内にありながら前記可撓性の長尺状管状部材の外面に沿って伸長可能な第2のフィラメントと、
をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記可撓性の長尺状管状部材は、内視鏡である、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記可撓性の長尺状管状部材の前記ワーキングチャンネル内を通過して延びる第1の内視鏡器具
をさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のフィラメントは、前記第1の内視鏡器具の遠位端に取り付けられる第1の端部から、前記患者の外側に伸長されており、かつ医師によって後退可能な第2の端部まで伸長可能である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
患者内で内視鏡処置を実施するためのシステムであって、前記システムは、
内視鏡の外面の少なくとも一部に沿って伸長可能な第1のガイドであって、前記内視鏡が、内部を内視鏡器具が伸長可能な開放遠位端を備える、内部を貫通して延びるワーキングチャンネルを有する、第1のガイドと、
遠位端及び近位端を有し、かつ前記内視鏡の前記開放遠位端にある前記遠位端から、直接的に前記第1のガイド内を通過して、近位方向に、直接的に前記内視鏡の外面に沿って、前記患者の外側に、医師によって制御される前記近位端まで伸長可能な第1のフィラメントと
を備える、システム。
【請求項9】
前記内視鏡の前記ワーキングチャンネル内を通過して延びる第1の内視鏡器具
をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のフィラメントの遠位端は、前記第1の内視鏡器具の遠位端に取り付けられる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記内視鏡の外面の一部に沿って延びる第2のガイドと、
前記第2のガイド内を通過して、かつ前記内視鏡の外面に沿って延びる第2のフィラメントと
をさらに備える、請求項8~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記内視鏡の外面に沿って、かつ前記第2のガイド内を通過して伸長可能な可撓性の長尺状シャフト
をさらに備え、
前記第2のフィラメントは、前記可撓性の長尺状シャフト内を通過して延びる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記内視鏡の前記ワーキングチャンネル内を通過して伸長可能であり、かつ前記第1のフィラメントの遠位端に連結可能な第1の内視鏡器具と、
前記内視鏡の前記ワーキングチャンネル内を通過して伸長可能であり、かつ前記第2のフィラメントの遠位端に連結可能な第2の内視鏡器具と、
をさらに備える、請求項11又は12に記載のシステム。