IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ホームテクノ株式会社の特許一覧 ▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-炊飯器 図1
  • 特開-炊飯器 図2
  • 特開-炊飯器 図3
  • 特開-炊飯器 図4
  • 特開-炊飯器 図5
  • 特開-炊飯器 図6
  • 特開-炊飯器 図7
  • 特開-炊飯器 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116843
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20230816BHJP
【FI】
A47J27/00 103B
A47J27/00 103A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019169
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 祥紀
(72)【発明者】
【氏名】下峰 実
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA01
4B055AA09
4B055BA02
4B055CA02
4B055CA20
4B055CA73
4B055CB03
4B055CB07
4B055CB27
4B055CD60
(57)【要約】
【課題】吸気孔の面積を一定程度確保しつつ、敷物等により吸気孔が塞がれることを防止する炊飯器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の炊飯器は、本体1内に外気を取り込む吸気部34が本体1の底面部12に形成され、吸気部34は下側にドーム状に突出したドーム部37を有し、ドーム部37には複数の吸気孔45A、45B、45C、45D、45Eが形成されていることにより、吸気孔45A~45Eを形成する面積を一定程度確保する。また、炊飯器の下に敷設された敷物等がドーム部37側に吸引されたとしても頂部38に当接し、吸気孔45A~45Eを塞ぎ難くする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内に外気を取り込む吸気部が前記本体の底面部に形成され、
前記吸気部は下側にドーム状に突出したドーム部を有し、
前記ドーム部には複数の吸気孔が形成されていることを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記底面部に前記本体内の空気を外部に放出する排気部が形成され、
前記排気部は上側に凹の凹形状を有し、
前記排気部には複数の排気孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記ドーム部の最下部分である頂部には前記吸気孔が形成されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記本体は、前記炊飯器を支持する脚部を備え、
前記頂部が前記脚部の接地部よりも上側に位置することを特徴とする請求項3に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体内に外気を取り込む吸気部が本体の底部に形成された炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炊飯器として特許文献1に記載された炊飯器(S)が知られている。特許文献1の炊飯器(S)は、内部に内鍋(50)を収納可能な容器本体(40)と、該容器本体(40)の上部開口を開閉自在な蓋体(20)とからなる。そして、容器本体(40)を構成する底部材(44)は、炊飯器(S)の底部を形成し、この底部材(44)に吸気孔(59)が開口している。
【0003】
また、炊飯器(S)は、容器本体(40)の底部近傍に冷却ファン(58)が設けられており、この冷却ファン(58)により吸気孔(59)から外気を導入するが、吸気孔(59)はカバー部材(65)により覆われている。そして、底部材(44)とカバー部材(65)との間には、左右方向に長い略矩形状の吸気開口部(67)が形成されている。また、カバー部材(65)の円弧状の領域部(65e)には複数の小開口(68)が形成されている。そして、吸気開口部(67)と小開口(68)から外気がカバー部材(65)に導入される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-38401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、近年、高出力(大火力)で調理可能な炊飯器の需要の高まりがある。高出力に対応した冷却性能を確保するため、より冷却効果の高いサイズの大きな冷却ファンを採用する場合があるが、サイズの大きな冷却ファンを採用した場合、空気を取り込むための吸気孔の開口面積確保するため製品全体としての炊飯器のサイズが大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
また、炊飯器を載置した調理台やテーブル等の載置場所に敷設された敷物等が冷却ファンの吸引力により吸い付いて吸気孔を塞いでしまうことを防止する必要もある。
【0007】
そこで、本発明は、吸気孔の面積を一定程度確保しつつ、敷物等により吸気孔が塞がれることを防止する炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の炊飯器は、本体内に外気を取り込む吸気部が前記本体の底面部に形成され、前記吸気部は下側にドーム状に突出したドーム部を有し、前記ドーム部には複数の吸気孔が形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の炊飯器は、前記底面部に前記本体内の空気を外部に放出する排気部が形成され、前記排気部は上側に凹の凹形状を有し、前記排気部には複数の排気孔が形成されている場合がある。
【0010】
また、本発明の炊飯器は、前記ドーム部の最下部分である頂部には前記吸気孔が形成されていない場合がある。
【0011】
また、本発明の炊飯器は、前記本体は、前記炊飯器を支持する脚部を備え、前記頂部が前記脚部の接地部よりも上側に位置する場合がある。
【発明の効果】
【0012】
本発明の炊飯器によれば、必要な吸気孔の面積を確保し、敷物等により吸気孔が塞がれることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の炊飯器の外観斜視図である。
図2】本発明の一実施形態の外ケースを透視した状態を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態の外ケースを上下逆さまとした状態の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態の外ケースの平面図である。
図5】本発明の一実施形態の外ケースの側面図である。
図6】本発明の一実施形態の外ケースを上下逆さまとした状態の吸気部とその周辺部分を示す斜視図である。
図7図6のA-A断面図である。
図8図6のB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明における好ましい炊飯器の実施形態について、添付図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。なお、以下の実施形態においては、図1に示す矢印(上、下、前、後、左、右)の方向をそれぞれ炊飯器の上側、下側、前側、後側、左側、右側として説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の炊飯器は、載置場所に安定載置される本体1と、本体1の上側開口を開閉自在に覆う蓋体2で構成されている。本体1は、内釜としての鍋(図示せず)を着脱可能に収容し、蓋体2を開放したときに、鍋を取り出せるようになっている。
【0016】
蓋体2は、その上面2Aに操作部3や、表示部4や、蒸気口5が配設される。本実施形態の操作部3は、いわゆるタッチパネルであり、使用者がタッチ操作することにより炊飯の開始や停止、各種炊飯コ-ス等を選択することができるが、押動式ボタン等を採用してもよい。本実施形態の表示部4は、液晶ディスプレイ(LCD)であり、炊飯に関わる各種情報を表示する。蒸気口5は、鍋内の被炊飯物の加熱に伴い発生する蒸気を、炊飯器の外部に放出するためのものである。また、蓋体2の上面2Aには、本体1に対して蓋体2を開けるときに押動操作される蓋開ボタン6が露出状態で配設される。使用者が蓋開ボタン6を押圧操作することで本体1と蓋体2との係合が解除され、蓋体2が本体1に対して自動的に開く。
【0017】
図1及び図2に示すように、本体1は、側壁部11と底面部12(図3等参照)が一体に形成された外ケース13と、外ケース13の上部に取り付けられる枠体14と、枠体14の内側端部から下方に凹状に形成された鍋収容部15と、を有する。また、外ケース13の後側上部には、本体1と蓋体2を接続するヒンジ機構(図示せず)等を覆う後カバー16が設けられている。外ケース13と枠体14と鍋収容部15と後カバー16に囲まれた本体1の内部には内部空間Sが形成されている。
【0018】
鍋は、米や水等の被炊飯物を収容するためのもので、本体1の枠体14に載置懸架されて鍋収容部15に収容される。鍋と鍋収容部15との間には隙間が形成され、鍋が枠体14に吊設されるようになっている。
【0019】
図3図5に示すように、外ケース13は、底面部12と、底面部12の全周部から立設された側壁部11を有し、上方が開口している。側壁部11の後板部17の一部は、後カバー16を配設するため高さが低く形成されている。
【0020】
底面部12の前側には、本体1内部の空気を外部へ放出する排気部21が形成されている。排気部21は上側に凹形状を有し、排気孔である複数のスリット22が並列して形成されている。このスリット22を空気が通過する。排気部21を凹形状とすることにより、スリット22を形成する面積を大きくすることができ、必要な排気量を確保することができる。本実施形態のスリット22は異なる長さのものがあるが、スリット22の長さや幅は、排気部21の形状や耐久性、確保すべき排気量等を考慮して選択することができる。
【0021】
排気部21は、左右方向に長く形成された前側面部23と、前側面部23の左端から後方向に延設された第一左側面部24Aと、第一左側面部24Aの後端部から左方向に延設された左横面部25Aと、左横面部25Aの左端部から後方向に延設された第二左側面部26Aと、第二左側面部26Aの後端部から右方向に延設された左後横面部27Aと、前側面部23の右端から後方向に延設された第一右側面部24Bと、第一右側面部24Bの後端部から右方向に延設された右横面部25Bと、右横面部25Bの右端部から後方向に延設された第二右側面部26Bと、第二右側面部26Bの後端部から左方向に延設された右後横面部27Bと、左後横面部27Aと右後横面部27Bの間に延設された円弧状後面部28を有している。
【0022】
前側面部23、第一左側面部24A、第一右側面部24B、左横面部25A、右横面部25B、第二左側面部26A、第二右側面部26B、左後横面部27A、右後横面部27Bは、略直線状に形成され、かつ、底面部12に対して略垂直に形成されている。一方、円弧状後面部28は、後述する大円形底部29Aの外形状に沿って略円弧状に形成され、かつ、底面部12に対して垂直よりも前側に傾斜して形成されている。そのため、底面部12に対して垂直とするよりも表面積が広くなっており、スリット22の面積も広く確保されている。
【0023】
スリット22は、前側面部23、第一左側面部24A、第一右側面部24B、左横面部25A、右横面部25B、第二左側面部26A、第二右側面部26B、左後横面部27A、右後横面部27B、円弧状後面部28の全てに形成されている。このように、スリット22は、底面部12の幅方向(左右方向)に長い範囲に形成されているため、内部空間S内の空気を幅広く放出することができる。
【0024】
排気部21の後側には、鍋収容部15の下側に位置し、円形状に突設された円形底部29が形成されている。円形底部29は、直径の大きな大円形底部29Aと、直径が大円形底部29Aの直径の1/2程度の小円形底部29Bを有する。小円形底部29Bは、大円形底部29Aの中央部に配設されている。小円形底部29Bの突出量は大円形底部29Aの突出量よりも大きい。小円形底部29Bには、外ケース13の底面部12の内面部12Aに滴下した水等を外ケース13の外部へ排出させる半円形状の排出孔30が8つ形成されている。なお、排出孔30の数や形状は適宜変更可能である。
【0025】
円形底部29の左側には、内部空間S内の空気を外部へ放出する並列した2つの排気孔31A、31Bが形成されている。排気孔31Aと排気孔31Bは、大円形底部29Aの外形状に沿った略円弧形状を有している。また、円形底部29の右側には、内部空間S内の空気を外部へ放出する並列した2つの排気孔32A、32Bが形成されている。排気孔32Aと排気孔32Bは、大円形底部29Aの外形状に沿った円弧形状を有している。
【0026】
排気孔31A、31Bの左側には、炊飯器を持ち上げる際に手を掛ける手掛部33Aが形成されている。また、排気孔32A、32Bの右側には、炊飯器を持ち上げる際に手を掛ける手掛部33Bが形成されている。手掛部33A、33Bは、側壁部11と底面部12を内側方向に凹ませたような形状を有している。手掛部33A、33Bは、前後方向に長く形成されており、左右の手の親指の指を掛け易くなっている。
【0027】
底面部12の後側には、外部から本体1内部に空気を取り込む吸気部34が形成されている。図4に示すように、外ケース13の底面部12の内面部12Aには、吸気部34から空気を取り込むための送風装置である冷却ファン35(図2及び図6参照)に当接させるファン接地部36が形成されている。ファン接地部36は、内面部12Aから矩形枠状に上側方向に立設されている。本実施形態では、このファン接地部36に囲まれた範囲を吸気部34としている。図3及び図4に示すように、吸気部34は左右方向の中心よりも右側に寄って形成されており、後述する右後脚部48Bと左衝撃吸収脚部49Bに近接している。なお、吸気部34は後中央脚部50にも近接している。
【0028】
主に図6に示すように、吸気部34は、下方にドーム状に突出した形状のドーム部37を有している。ドーム部37は円板状の頂部38と、頂部38の外側に形成された円環状の第1円環部39と、第1円環部39の外側に形成された円環状の第2円環部40と、第2円環部40の外側に形成された円環状の第3円環部41と、第3円環部41の外側に形成された円環状の第4円環部42と、第4円環部42の外側に形成された円環状の第5円環部43を有する。したがって、ドーム部37は平面視において円形状に形成されている。また、図7及び図8に示すように、ドーム部37は、縦断面視において頂部38から第5円環部43までなだらかに湾曲しており直線状の部分がない。
【0029】
頂部38と第1円環部39、第1円環部39と第2円環部40、第2円環部40と第3円環部41、第3円環部41と第4円環部42、第4円環部42と第5円環部43はそれぞれ複数の接続片44A、44B、44C、44D、44Eにより接続されている。
【0030】
頂部38と第1円環部39は、4箇所で接続片44Aにより接続されている。接続片44Aは、頂部38に対して前側、後側、左側、右側に略等間隔(約90°間隔)に配設されている。
【0031】
第1円環部39と第2円環部40は、8箇所で接続片44Bにより接続されている。接続片44Bは、頂部38と第1円環部39を接続する接続片44Bを頂部38から離れる方向に延長した位置(前側、後側、左側、右側)に配設される4つと、その間に配置される4つが略等間隔(約45°間隔)に配設されている。
【0032】
第2円環部40と第3円環部41は、10箇所で接続片44Cにより接続されている。接続片44Cは、頂部38と第1円環部39を接続する接続片44Cを頂部38から左側と右側に離れる方向に延長した位置に配設される2つと、その2つよりも前側に4つと、後側に4つとが略等間隔(約36°間隔)に配設されている。
【0033】
第3円環部41と第4円環部42は、14箇所で接続片44Dにより接続されている。接続片44Dは、全て略等間隔(約25.7°間隔)に配設されている。また、接続片44Dは、第3円環部41と第4円環部42に対して直角方向に延びていない。すなわち、外ケース13を下側から見た場合に、第4円環部42側が頂部38を中心として反時計回り方向に位置している。
【0034】
第4円環部42と第5円環部43は、16箇所で接続片44Eにより接続されている。接続片44Eは、全て等間隔(約22.5°間隔)に配設されている。また、接続片44Eは、第4円環部42と第5円環部43に対して直角方向に延びていない。すなわち、外ケース13を下側から見た場合に、第5円環部43側が頂部38を中心として反時計回り方向に位置している。
【0035】
図4に示すように、平面視において、接続片44A、44B、44Cは頂部38の中心からの放射方向に延設されている。一方、接続片44D、44Eは、接続片44A、44B、44Cと異なる方向に延設されている。これは、炊飯器を下側から見た時の回転方向が反時計回りである冷却ファン35により空気を効率良く吸い込むためである。
【0036】
頂部38と第1円環部39の間には4個の吸気孔45Aが形成され、第1円環部39と第2円環部40の間には8個の吸気孔45Bが形成され、第2円環部40と第3円環部41の間には10個の吸気孔45Bが形成され、第3円環部41と第4円環部42の間には14個の吸気孔45Bが形成され、第4円環部42と第5円環部43の間には16個の吸気孔45Bが形成されている。
【0037】
第5円環部43は、外ケース13の底面部12と前側、後側、左側、右側が接続されている。ドーム部37の左前側には、長孔である吸気孔45Fと短孔である吸気孔45Gが形成されている。また、ドーム部37の右前側には、長孔である吸気孔45Hと短孔である吸気孔45Iが形成されている。また、ドーム部37の左後側には、長孔である吸気孔45Jと短孔である吸気孔45Kが形成されている。また、ドーム部37の右後側には、長孔である吸気孔45Lと短孔である吸気孔45Mが形成されている。吸気孔45F、45G、45H、45I、45J、45K、45L、45Mは、吸気部34の四隅に形成されており、ドーム部37の形状に対応して略円弧形状を有する。吸気孔45G、45I、45K、45Mの長さは、吸気孔45F、45H、45J、45Lの長さの1/2程度である。
【0038】
底面部12の外面部12Bであって、円形底部29と吸気部34の間には、左右方向に延設された仕切壁46が下側方向に立設されている。この仕切壁46は、本体1内部を冷却することで温度が上昇し、排気部21から放出された空気を吸気部34から直接本体1内部に取り込むことを抑制するためのものである。すなわち、排気部21から放出された空気が直線的に吸気部34に向かって流動することを規制するものである。
【0039】
底面部12の底面部12Bには、炊飯器を支持する7つの脚部である、左前脚部47A、右前脚部47B、左後脚部48A、右後脚部48B、左衝撃吸収脚部49A、右衝撃吸収脚部49B、後中央脚部50が下側方向に突設されている。左前脚部47Aは第一左側面部24Aの左側で左横面部25Aの前側の位置に配設され、右前脚部47Bは第一右側面部24Bの右側で右横面部25Bの前側の位置に配設されている。左後脚部48Aは吸気部34の左側の位置に配設され、右後脚部48Bは吸気部34の右側の位置に配設されている。左衝撃吸収脚部49Aは左後脚部48Aの後側の位置に配設され、右衝撃吸収脚部49Bは右後脚部48Bの後側の位置に配設されている。
【0040】
左前脚部47A、右前脚部47B、左後脚部48A、右後脚部48Bは、略円錐台形状を有しており、最下端部には炊飯器を載置する載置場所に当接する平坦な接地部51A、51B、52A、52Bが形成されている。また、左前脚部47A、右前脚部47B、左後脚部48A、右後脚部48Bには、左前脚部47A、右前脚部47B、左後脚部48A、右後脚部48B内に溜まった水等を排出する排水孔53A、53B、54A、54Bが形成されている。
【0041】
左衝撃吸収脚部49Aと右衝撃吸収脚部49Bは、略円筒形状を有しており、下側に開口55A、55Bを有している。左衝撃吸収脚部49Aと右衝撃吸収脚部49B内には、ゴム材等の弾性部材により形成された衝撃吸収体(図示せず)が配設され、衝撃吸収体の一部が開口55A、55Bから突出している。衝撃吸収体は、蓋体2が開いた時の衝撃を吸収し、蓋体2の動作による反動で炊飯器が移動等することを抑制するためのものである。
【0042】
後中央脚部50は、外ケース13の後部から下側方向に立設されている。後中央脚部50は、板状に形成されており、後中央脚部50の最下端部である接地部50Aが略コ字形状を有している。
【0043】
図6に示すように、接地部51A、51B、52A、52Bと、衝撃吸収体の最下端部分と、後中央脚部50の接地部50Aは、載置場所が平坦な場合、炊飯器を載置した状態で載置場所に当接し、炊飯器が傾かないように安定して支持する。また、炊飯器を載置した状態では、吸気部34の頂部38は載置場所に当接しない。すなわち、吸気部34の突出量は、左前脚部47A、右前脚部47B、左後脚部48A、右後脚部48B、左衝撃吸収脚部49A、右衝撃吸収脚部49B、後中央脚部50の突出量よりも小さい。なお、本実施形態では、頂部38は載置場所との間隔は約1mmとなっているが、この間隔は適宜調整可能である。
【0044】
左後脚部48Aの左側には、本体1内部から給電コード56を引き出す引出孔57が形成かれている。
【0045】
図2に示す鍋収容部3の外面部分には、釜を電磁誘導で加熱する加熱手段として、加熱コイル(図示せず)が配置される。この加熱コイルへの高周波通電により釜内の被炊飯物が加熱される。内部空間S内であって鍋収容部3の後側には、加熱コイル等の加熱手段を制御する加熱制御手段を含むユニット化された基板ユニット61が配設されている。
【0046】
基板ユニット61は、基板本体62と、基板本体62を電気的に絶縁保護するための保護体63と、基板本体62に取り付けられたヒートシンク64と、により主に構成される。
【0047】
基板本体62は、平板状の絶縁基材の表面に銅などの導電パターンを形成した印刷回路基板であり、各種の電子部品65が実装固定されている。
【0048】
保護体63は、樹脂部材により形成され、基板本体62を保持した状態で枠体14に取り付けられている。すなわち、保護体63は基板本体62を枠体14に吊設するものである。そのため、内部空間Sは基板本体62と保護体63によって部分的に前後に仕切られている。
【0049】
ヒートシンク64は、アルミニウムなどの熱伝導性の良好な金属材料により形成されており、その表面積をできるだけ増やすために、上下方向(垂直方向)に延びる複数のフィン66が前後方向に並列して形成されている。ヒートシンク64は、電子部品65と熱的に接続され、電子部品65から受熱して放熱する。
【0050】
ヒートシンク64の下側には、冷却ファン35が近接して配設されている。そのため、冷却ファン35を駆動させることで吸気部34から外部の空気が内部空間Sに取り込まれ、ヒートシンク64に吹き付けられる。外部からの空気によりヒートシンク64は徐熱され、結果的に電子部品65が冷却される。冷却ファン35からの空気は、ヒートシンク64に対して主に下側から吹き付けられる。そして、ヒートシンク64のフィン66は、上下方向(垂直方向)に延び、前後方向に並列しているため、空気は隣り合うフィン66の間を流動し、フィン66全体に効率良く接触する。吸気部34から取り込まれた空気は、図2中の白抜き矢印Yで示すように内部空間S内を流動し、排気部21から内部空間Sの外部へ放出される。そのため、流動する空気が電子部品65を含む基板ユニット61にも直接接触して冷却する効果もある。
【0051】
以上のように本実施形態の炊飯器は、本体1内に外気を取り込む吸気部34が本体1の底面部12に形成され、吸気部34は下側にドーム状に突出したドーム部37を有し、ドーム部37には複数の吸気孔45A~45Eが形成されている。そのため、吸気部34が下側に突出せずに平坦に形成された場合と比較して表面積を広く確保することができる。これにより、吸気孔45A~45Eの開口面積も広く確保することができ、吸気能力を向上させることができる。また、吸気部34がドーム状であることから、炊飯器の載置場所に敷物が敷設されていた場合に、敷物が冷却ファン35によりドーム部37側に吸引されても、敷物は頂部38に点接触のように当接し、吸気孔45A~45Eが敷物で塞がれ難くなっている。
【0052】
また、本実施形態の炊飯器は、底面部12に本体1内の空気を外部に放出する排気部21が形成され、排気部21は上側に凹の凹形状を有し、排気部21には複数のスリット22が形成されている。そのため、排気部21が上側に凹の凹形状を有さず、平坦に形成された場合と比較して表面積を広く確保することができる。これにより、スリット22の開口面積も広く確保することができ、排気能力を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態の炊飯器は、ドーム部37の最下部分である頂部38には吸気孔45A~45Eが形成されていない。そのため、炊飯器の載置場所に敷物が敷設されていた場合に、敷物が冷却ファン35によりドーム部37側に吸引されても、頂部38が敷物と点接触のように当接し、それ以上敷物が浮き上がらないように押さえることができる。
【0054】
また、本実施形態の炊飯器は、本体1が、炊飯器を支持する左前脚部47A、右前脚部47B、左後脚部48A、右後脚部48B、左衝撃吸収脚部49A、右衝撃吸収脚部49B、後中央脚部50を備え、頂部38が左前脚部47A、右前脚部47B、左後脚部48A、右後脚部48B、左衝撃吸収脚部49A、右衝撃吸収脚部49B、後中央脚部50の接地部50A、51A、51B、52A、52Bよりも上側に位置する。そのため、炊飯器の載置場所に敷物が敷設されていた場合に、敷物の上に炊飯器を載置しても敷物により吸気部34が塞がれることを防止できる。また、敷物は、炊飯器を支持する左前脚部47A、右前脚部47B、左後脚部48A、右後脚部48B、左衝撃吸収脚部49A、右衝撃吸収脚部49B、後中央脚部50により押さえ付けられるため、冷却ファン35を駆動しても敷物は浮き上がり難くなっている。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、吸気部34から本体1内部に取り込まれて排気部21から外部に放出される空気の流れに大きく影響しない箇所、例えば、蓋体2の形状等は他の形状としてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 本体
12 底面部
21 排気部
22 スリット(排気孔)
34 吸気部
37 ドーム部
38 頂部
45A 吸気孔
45B 吸気孔
45C 吸気孔
45D 吸気孔
45E 吸気孔
47A 左前脚部(脚部)
47B 右前脚部(脚部)
48A 左後脚部(脚部)
48B 右後脚部(脚部)
49A 左衝撃吸収脚部(脚部)
49B 右衝撃吸収脚部(脚部)
50 後中央脚部(脚部)
50A 接地部
51A 接地部
51B 接地部
52A 接地部
52B 接地部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8