(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116849
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20230816BHJP
【FI】
F25D23/02 304A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019179
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 淳基
(72)【発明者】
【氏名】藤井 嘉之
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102KA01
3L102KE04
(57)【要約】
【課題】本開示は、扉材の材料として表面に微小な凹凸を付けた樹脂材料を採用し、加工時の変形に強く、ガラス面材と比較してリサイクル性が向上した冷蔵庫を提供する。
【解決手段】本開示における冷蔵庫は、本体とその開口部を開閉する扉とを有し、前記扉は前面に樹脂板と、前記樹脂板に対向して設けた内板と、前記樹脂板と前記内板との間に有する断熱材と、を備えた冷蔵庫において、前記樹脂板は庫外側の表面に凹凸を形成し、凹凸の大きさを表す算術平均粗さRaは1μm以上3μm以下、凹凸の間隔を表す平均長さRSmは100μm以上200μm以下とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体とその開口部を開閉する扉とを有し、前記扉は前面に樹脂板と、前記樹脂板に対向して設けた内板と、前記樹脂板と前記内板との間に有する断熱材と、を備えた冷蔵庫において、前記樹脂板は庫外側の表面に凹凸を形成し、凹凸の大きさを表す算術平均粗さRaは1μm以上3μm以下、凹凸の間隔を表す平均長さRSmは100μm以上200μm以下としたことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
樹脂板の裏面に着色層を備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記樹脂板はアクリル板であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、貯蔵室の開口部を開閉する扉が、庫外側のガラス板と、庫内側の内板と、前記ガラス板と前記内板との間の断熱材とを備える冷蔵庫であって、前記ガラス板の少なくとも庫外側の面に凹凸が形成されている構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、扉材の材料として表面に微小な凹凸を付けた樹脂材料を採用し、加工時の変形に強く、ガラス面材と比較して再商品化率が向上した冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
扉材の材料として表面に微小な凹凸を付けた樹脂材料を採用し、凹凸の大きさを表す算術平均粗さRaは1μm以上3μm以下、凹凸の間隔を表す平均長さRSmは100μm以上200μm以下とした。
【発明の効果】
【0006】
本開示における樹脂面材は、再商品化率に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0009】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0010】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図4を用いて、実施の形態1を説明する。
【0011】
図1は冷蔵庫の正面図、
図2は縦断面図である。まず
図1、
図2を用いて冷蔵庫の全体構成を説明する。
【0012】
本実施の形態に係る冷蔵庫1は、前方を開口した冷蔵庫本体2を備え、この冷蔵庫本体2は外郭を構成する金属製の外板3と、硬質樹脂製の内板4と、前記外板3および内板4の間に発泡充填された断熱材5とで構成してあり、断熱仕切板6、7、8によって複数の貯蔵室が形成してある。また、冷蔵庫本体2の各貯蔵室は冷蔵庫本体2と同様の断熱構成を採用した回動式の扉9或いは引出し式の扉10、11、12、13で開閉自在としてある。
【0013】
冷蔵庫本体2内には、最上部に冷蔵室14を有し、冷蔵室14と断熱仕切板6で上下に区画され、断熱仕切板6の下方に設けた温度帯切り替え可能な切替室15と、切替室15の横に断熱区画して設けた製氷室16と、切替室15および製氷室16と断熱仕切板7で上下に区画され、断熱仕切板7の下方に設けた野菜室17と、さらに野菜室17と断熱仕切板8で上下に区画され、断熱仕切板8の下方に設けた冷凍室18を備えている。
【0014】
そして、冷蔵室14には複数の棚板19が上下複数段となって設けてあり、冷蔵室14の下部には冷蔵室14と冷却温度帯の異なるパーシャル室20が形成されている。
【0015】
冷蔵室14は、冷蔵保存するための貯蔵室で、具体的には、約2~3℃に設定され冷却される。また、冷蔵室14内に設けたパーシャル室20は微凍結保存に適した約-3℃に設定され、パーシャル室20は1℃前後のチルド温度帯にも温度設定が可能である。
【0016】
野菜室17は、冷蔵室14より若干高く温度設定される貯蔵室で、具体的には、4~7℃に設定され冷却される。この野菜室17は野菜等の収納食品から発せられる水分により高湿度となるため、局所的に冷えすぎると結露することがある。そのため、比較的高い温度に設定することで冷却量を少なくし、局所的な冷えすぎによる結露発生を抑制している。
【0017】
冷凍室18は、冷凍温度帯に設定される貯蔵室で、通常約-18℃に設定され冷却されるが、冷凍保存状態向上のため、例えば-30℃や-25℃などの低温に設定され冷却されることもある。
【0018】
切替室15は、庫内の温度が変更可能な貯蔵室であり、用途に応じて冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで切り換えることができるようになっている。
【0019】
また、野菜室17の背面には冷却室21が設けてあり、この冷却室21には冷気を生成する冷却器22と、冷気を各室に供給する冷却ファン23とが設置してある。そして更に冷却器22の下方にはガラス管ヒータ等で構成した除霜手段24(以下、ヒータと称す)が設けてある。
【0020】
冷却器22は、圧縮機25と、熱交換器(図示せず)と、各室の開口部の露付きを防止する防露パイプ(図示せず)と、キャピラリーチューブ(図示せず)とを環状に接続して冷凍サイクルを構成しており、圧縮機25によって圧縮された冷媒の循環によって冷却を行う。
【0021】
また各扉9~13は、外側の前面板を構成する樹脂板30と、樹脂板30の外周部を外枠31とを備え、内部に断熱材である発泡ウレタン32を充填して、内側を内板のインナードア33で塞いで構成している。
【0022】
以下、冷蔵室扉9を例として
図3、4に基づき説明する。
【0023】
樹脂板30の表面の凹凸の大きさを表す算術平均粗さRaと凹凸の間隔を表す平均長さRSmは、
図4に示す。
【0024】
樹脂板30のサンプルで、庫外側の表面の複数の測定箇所における算術平均粗さRaは1μm以上3μm以下で、凹凸の間隔を表す平均長さRSmを100μm以上200μm以下とした時に、指紋は付き難く、ゴミも付着しにくい結果となった。
【0025】
また樹脂板30をアクリル板とすることで、剛性が強く変形しにくいので、経年劣化による信頼性を確保することができ、また裏面側は表面よりも凹凸の大きさを表す平均粗さRaおよび平均長さRSmを小さくすることで、裏面に接着する着色層フィルムの接着性を向上することができる。
また樹脂板30をアクリル板としたことでガラス板と比較して重量が50%以下となり、生産工程、輸送工程における負荷低減、再商品化率の低減に貢献する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本開示は、冷蔵庫に適用可能である。具体的には、家庭用冷蔵庫などである。
【符号の説明】
【0027】
2 冷蔵庫本体
9 冷蔵室扉
30 樹脂板