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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116862
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】電子商取引方法およびサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20230816BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230816BHJP
【FI】
G06Q30/08
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019199
(22)【出願日】2022-02-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年9月20日にウェブサイトに掲載
(71)【出願人】
【識別番号】506338098
【氏名又は名称】株式会社ケイビーフーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(74)【代理人】
【識別番号】100150762
【弁理士】
【氏名又は名称】阿野 清孝
(72)【発明者】
【氏名】西田 祐也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB73
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】体験型サービスを入札の対象とする上で最適の電子商取引方法及びサーバ装置を提供する。
【解決手段】オークションシステムを実現するサーバ装置は、出品者が用いる第1の端末から送信された、体験型サービスの実施候補日および販売価格を含めた商品の出品に関する第1の情報を受信すると共に、第1の情報を含む出品ページを作成し、入札者が用いる第2の端末の要求に応じて、当該端末に出品ページのデータを送信S22し、第2の端末から、選択された実施候補日および商品の入札金額に関する第2の情報が送られてきたとき、当該第2の情報を記憶装置に記憶すると共に、第2の情報に基づいて出品ページのデータを更新S26し、商品の入札期限が経過したとき、記憶装置に記憶された第2の情報に基づいて、商品の落札者と落札金額を決定し、第2の端末に通知S29する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体験型サービスを商品として出品する出品者、および商品の入札に参加する少なくとも一人の入札者が、それぞれ端末からネットワークを介して、電子商取引のウェブサイトを運営するサイト運営者のサーバ装置にアクセスし、指定された入札期間内に行われた入札に基づいて商品を落札する電子商取引方法であって、
前記サーバ装置は、以下の各処理を実行することを特徴とする電子商取引方法。
(1)前記出品者が用いる第1の端末から送信された、体験型サービスの実施候補日および販売価格を含めた前記商品の出品に関する第1の情報を受信すると共に、当該第1の情報を含む出品ページを作成する、
(2)前記入札者が用いる第2の端末の要求に応じて、当該端末に前記出品ページのデータを送信する、
(3)前記第2の端末から、選択された実施候補日および前記商品の入札金額に関する第2の情報が送られてきたとき、当該第2の情報を記憶装置に記憶すると共に、第2の情報に基づいて前記出品ページのデータを更新する、
(4)前記商品の入札期限が経過したとき、前記記憶装置に記憶された前記第2の情報に基づいて、前記商品の落札者と落札金額を決定し、前記第2の端末に通知する。
【請求項2】
前記出品ページには、少なくとも、商品である体験型サービスの内容を紹介する記載、当該体験型サービスの実施候補日、最新の入札価格および前記入札期間の残時間に関する情報が含まれる、請求項1に記載の電子商取引方法。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記落札者に対して体験型サービスが提供されたことが確認された後、前記落札金額から所定の手数料を引いた代金を前記出品者の口座に振り込む、請求項1または2に記載の電子商取引方法。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記第1の情報に、予めサイト運営者と出品者との間で取り決めた事項に違反する恐れがある内容が含まれている場合、当該商品の出品を拒否する、請求項1乃至3のいずれかに記載の電子商取引方法。
【請求項5】
体験型サービスを商品として出品する出品者が使用する第1の端末および商品の入札に参加する入札者が使用する第2の端末と共に使用され、指定された入札期間内に行われた入札に基づいて商品を落札する電子商取引方法を実行するサーバ装置であって、
ネットワークを介して前記第1および第2の端末との間で通信が可能なウェブサーバと、
データベースが格納され、かつ前記ウェブサーバからの書き込みおよび読み出しが可能なデータベースサーバであって、当該データベースは、体験型サービスの実施候補日および販売価格を含めた前記商品の出品に関する第1の情報で構成されるデータベースサーバと、を備え、
前記ウェブサーバは、
出品者が用いる第1の端末から送信された、体験型サービスの実施候補日および販売価格を含めた商品の出品に関する第1の情報を受信すると共に、当該第1の情報を含む出品ページを作成し、
前記入札者が用いる第2の端末の要求に応じて、当該端末に前記出品ページのデータを送信し、
前記第2の端末から、選択された実施候補日および前記商品の入札金額に関する第2の情報が送られてきたとき、当該第2の情報を記憶装置に記憶すると共に、当該第2の情報に基づいて前記出品ページのデータを更新し、
前記商品の入札期限が経過したとき、前記記憶装置に記憶された入札情報に基づいて、前記商品の落札者と落札金額を決定し、前記第2の端末に通知することを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
前記出品ページには、少なくとも商品である体験型サービスの内容を紹介する記載、当該体験型サービスの実施候補日、最新の入札価格および前記入札期間の残時間に関する情報が含まれる、請求項5に記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットオークションを利用した体験型サービスの電子商取引方法およびその方法の実施に用いるサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを利用した電子商取引の分野においては、様々な形態の取引が行われており、代表的な取引方法の一つにオークションシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
オークションシステムでは、ある商品が提示され、購入希望者が希望価格を入札し、最高価格をつけた希望者に商品が落札される仕組みになっている。以下に、オークションシステムの概要を説明する。
【0004】
オークションへの出品および入札を希望するユーザは、会費を支払ってオークションサイトの会員となる。
【0005】
出品者は、商品の名称や写真、オークションの開始額、終了日時等の出品に関する情報をオークションサイトのサーバにアップロードする。この出品情報に基づいてウェブページが作成され、オークションサイトに掲載されて、オークションが開始される。
【0006】
入札者は、オークションサイトが備える検索機能等によって購入を希望する商品を選び、購入希望額を指定して入札する。入札金額は第三者に公開され、他の入札者によって、自分の入札金額を上回る入札が行われた場合には、再度入札を行い、入札金額が競り上がる。
【0007】
オークションの期間が終了すると、落札者と落札価格が確定してウェブページに公表されるとともに、出品者および落札者に電子メールで通知される。その後の入金や商品の発送などは、基本的に当事者間で行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2004-46700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来のオークションシステムでは、美術品、骨董品等の物品や不動産を入札の対象としており、サービスについては、商品の占有が困難なことから、入札の対象としていなかった。
【0010】
しかし、希少価値のある体験型サービスについては、オークションにおいて他人と競ってでも落札したいと考えるユーザもいる。例えば、自分が夢に描いてきたことを実現した人と話をしたり食事をしたりする体験型サービスについて、オークションに参加し、当該サービスを落札して、夢を叶えた人と一時を共に過ごしたいと考えるユーザもいる。
【0011】
具体的には、有名な芸能人との食事会やお茶会、ゴルフツアー、著名なプロスポーツ選手による指導、高名な経営者による助言等であり、落札者は新しい出会いに触れることで、明るく楽しい未来を描くことができる。
【0012】
一方、サービスを提供する側にとっても、これまで培ってきた能力や特技を、金銭的な利益に結び付けることができ、落札者およびサービス提供者共に、満足が得られる。
【0013】
しかし、上述した従来のオークションシステムは、物品や不動産を入札の対象としているため、体験型サービスを入札対象とする上で解決しなければならない課題も多い。
【0014】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、体験型サービスを入札の対象とする上で最適の電子商取引方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため本発明に係る電子商取引方法は、体験型サービスを商品として出品する出品者、および商品の入札に参加する少なくとも一人の入札者が、それぞれ端末からネットワークを介して、電子商取引のウェブサイトを運営するサイト運営者のサーバ装置にアクセスし、指定された入札期間内に行われた入札に基づいて商品を落札する電子商取引方法であって、
前記サーバ装置は、以下の各処理を実行することを特徴とする。
(1)前記出品者が用いる第1の端末から送信された、体験型サービスの実施候補日および販売価格を含めた前記商品の出品に関する第1の情報を受信すると共に、当該第1の情報を含む出品ページを作成する、
(2)前記入札者が用いる第2の端末の要求に応じて、当該端末に前記出品ページのデータを送信する、
(3)前記第2の端末から、選択された実施候補日および前記商品の入札金額に関する第2の情報が送られてきたとき、当該第2の情報を記憶装置に記憶すると共に、第2の情報に基づいて前記出品ページのデータを更新する、
(4)前記商品の入札期限が経過したとき、前記記憶装置に記憶された前記第2の情報に基づいて、前記商品の落札者と落札金額を決定し、前記第2の端末に通知する。
【0016】
本発明に係る電子商取引方法において、前記出品ページには、少なくとも、商品である体験型サービスの内容を紹介する記載、当該体験型サービスの実施候補日、最新の入札価格および前記入札期間の残時間に関する情報が含まれる、ことが好ましい。
【0017】
また前記サーバ装置は、前記落札者に対して体験型サービスが提供されたことが確認された後、前記落札金額から所定の手数料を引いた代金を前記出品者の口座に振り込むことが好ましい。
【0018】
また前記サーバ装置は、前記第1の情報に、予めサイト運営者と出品者との間で取り決めた事項に違反する恐れがある内容が含まれている場合、当該商品の出品を拒否することが好ましい。
【0019】
また本発明は、出品者および入札者が使用する複数の端末と連携して、上述した電子商取引方法を実現するサーバ装置を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る電子商取引方法によれば、実施候補日の選択やサービス内容の精査等、体験型サービスを入札の対象とする上で必要となる全ての項目について考慮した、最適の方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に係る電子商取引方法を実現するオークションシステムの全体構成を示すブロック図である。
図2図1のウェブサーバの記憶装置に格納された各種プログラムの説明図である。
図3図1のデータベースサーバの記憶装置に格納された各種データベースの説明図である。
図4】ウェブサーバにおける商品出品の際の処理を示すフローチャートである。
図5】出品ページの画面の一例を示す図である。
図6】出品ページ作成用の入力画面を示す図(その1)である。
図7】出品ページ作成用の入力画面を示す図(その2)である。
図8】出品ページ作成用の入力画面を示す図(その3)である。
図9】出品ページ作成用の入力画面を示す図(その4)である。
図10】ウェブサーバにおける入札の際の処理を示すフローチャートである。
図11】出品画面の実施候補日選択用ウィンドウ(a)および入札用ウィンドウ(b)を開いた状態を示す図である。
図12】商品落札後の手続を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る体験型サービスの電子商取引方法について、図面を参照して説明する。
【0023】
<システムの構成と機能>
図1に、本実施の形態に係る電子商取引方法を実現するオークションシステムの全体構成を示す。図1に示すオークションシステムは、インターネット2に接続されたサーバ装置1と複数の端末3で構成されている。サーバ装置1と複数の端末3はインターネット2を介して相互に通信が可能である。
【0024】
サーバ装置1は、ウェブサーバ10およびデータベースサーバ(以降、「DBサーバ」という)20で構成され、通常は、オークションシステムのウェブサイトを運営する会社(以降、「サイト運営者」という)内に設置されたサーバ装置を用いるが、クラウドサーバを用いてもよい。
【0025】
ウェブサーバ10はWWW(World Wide Web)サーバとして機能するコンピュータであり、処理部11、記憶装置12、入力部13およびディスプレイ14を含む。処理部11は、記憶装置12に格納されたオペレーティングシステムや処理プログラム、データに基づいて各種の処理を行う。記憶装置12には、通常、大容量データの記憶が可能なハードディスクドライブが用いられる。入力部13は、サイト運営者の担当者がオークションに必要なデータの入力を行うために用いられる。ディスプレイ14は、各種の情報を表示するために用いられる。
【0026】
DBサーバ20は、制御部21と各種のDBを蓄積した記憶装置22とを含む。制御部21は、ウェブサーバ10からのデータ登録や検索の要求に応えて、記憶装置22内のDBにデータを登録し、もしくは記憶装置22内のDBからデータを読み出す。記憶装置22には、記憶装置12と同様に、通常、ハードディスクドライブが用いられる。
【0027】
次に、端末3について説明する。後述するが、本発明に係る電子商取引方法を実現するオークションシステムは、出品者が出品した商品である体験型サービスを入札者の一人が落札する形態を採用しており、物品を対象とした従来のオークションシステムと類似している。
【0028】
端末3のうち一部の端末31は出品者が使用し、他の端末32は入札に参加するユーザが使用する。以降、便宜的に、出品者が使用する端末3を「出品者端末」31といい、入札に参加するユーザが使用する端末3を「入札者端末」32という。
【0029】
出品者端末31は、出品する体験型サービスの名称、サービスの内容を説明する画像や動画、出品者が希望する販売価格、終了日時等の出品に関する情報を、サイト運営者のサーバ装置1に送信するために用いられる。
【0030】
出品者端末31は、各種処理を実施する処理部、オペレーティングシステムや各種プログラム、データを格納する記憶装置、利用者がデータを入力する入力部および情報を表示するディスプレイを備えている。出品者端末31は、通常、出品者が所有するパーソナルコンピュータ(以降、「PC」という)や多機能型携帯端末によって実現される。以後の説明では、出品者端末31としてPCを用いるものとする。
【0031】
出品者端末31の記憶装置には、インターネットを利用するためのウェブブラウザが格納されている。ウェブブラウザは、処理部にアドレスであるURLが入力された場合、HTTPに従って、URLに含まれるドメイン名により示されるウェブサーバ10のサイトにハイパーテキストデータを要求する。ウェブサーバ10は要求に従い、ハイパーテキストデータを出品者端末31に送信する。
【0032】
入札者端末32は、出品者端末31と同様の構成および機能を備えたものであり、通常は、PCまたは多機能型携帯端末によって実現され、記憶装置にウェブブラウザが格納されている。入札者端末32は、入札に参加する者が出品された商品(体験型サービス)の内容を確認すると共に、入札を行うために用いられる。出品者端末31と同様に、以後の説明では、出品者端末31としてPCを用いるものとする。
【0033】
次に、図2を参照して、ウェブサーバ10の記憶装置12に格納された各種プログラム12a~12dについて説明する。処理部11は、記憶装置12から読み出したプログラムに基づいてサーバ装置1の各種機能を実現する。
【0034】
ウェブサーバプログラム12aは、出品者端末31もしくは入札者端末32から要求があった時にハイパーテキストデータを送信する機能を実現する。
【0035】
認証プログラム12bは、出品者端末31もしくは入札者端末32から送られてきたユーザIDとパスワードに基づいて、アクセスのあった出品者もしくは入札者が、オークションサイトの会員として登録されたユーザであるか否かを確認する機能を実現する。
【0036】
ユーザ管理プログラム12cは、出品者端末31および入札者端末32から送信されるデータに基づいてオークションサイトの会員である出品者および入札者を管理する機能を実現する。
【0037】
出品プログラム12dは、オークションサイトへの出品を受け付ける機能を実現し、後述するように、出品者端末31の画面に表示された所定のボタンがクリックされると、それを受けて実行が開始される。
【0038】
入札プログラム12eは、インターネット上でオークションを行う機能を実現し、後述するように、入札者端末32の画面に表示された所定のボタンがクリックされると、それを受けて実行が開始される。更に、後述する入札DBに蓄積されたデータに基づいて、出品された商品の落札者と落札金額を決定し、出品者および入札者に通知する。
【0039】
画面処理プログラム12fは、出品者端末31もしくは入札者端末32のディスプレイに表示される1ページ分の画面データを記憶装置12から読み出し、その画面データに、商品である体験型サービスに関する情報等のデータを組み込み、ページ上に適切に表示できるように編集して画面情報を生成する機能を実現する。
【0040】
次に、図3を参照して、DBサーバ20の記憶装置22に格納された各種DBについて説明する。図3に記憶装置22に格納された各種DBを示す。
【0041】
ユーザ管理DB22aは、オークションサイトの会員である出品者および入札者に関する各種情報を記録・管理するDBである。ユーザ管理DB22aには、氏名、住所、クレジットカード番号、電話番号、メールアドレス等の一般的な情報のほか、ユーザ認証に必要なユーザIDやパスワードが含まれている。これらの情報は、後述する会員登録の手続きを通じて取得される。
【0042】
出品情報DB22bは、出品される商品(体験型サービス)と入札に関する情報を管理するDBである。出品情報には、最低限、下記(a)~(c)の情報が含まれる。
(a)体験型サービスの名称、サービスの内容を紹介する文章や画像、動画
(b)出品者が希望する販売価格
(c)入札期間もしくは入札の終了日
【0043】
入札DB22cは、出品商品の入札状況を記録するDBである。入札DB22cは、後述するように、オークションにおいてユーザが最初の入札を行うことにより、その出品商品のために新たに生成され、生成後、入札DB22cには、入札者のIDと入札金額とからなる記録が、入札する毎に蓄積される。
【0044】
ページ情報DB22dには、ウェブブラウザで処理可能なHTMLやXMLで記述された、各種ページの生成に必要な情報が格納されている。
【0045】
<会員登録と認証の手続>
インターネットオークションに参加したいユーザは、予めオークションサイトのウェブサーバ10に会員として登録しておく必要がある。会員登録の方法は周知であるため、ここでは説明を省略する。ユーザは、ウェブサーバ10に会員として登録することによりユーザIDを所得し、またパスワードを設定する。
【0046】
会員の登録を終えたユーザは、商品を出品する際および入札へ参加する際には、取引の安全性を確保するために、ウェブサーバ10にアクセスして認証を行う。本実施の形態では、サイト管理者のサーバ装置1で認証処理を行うものとして説明するが、認証の信頼性を高めるため、決済代行サービスを行う会社に、認証および代金決済の処理を委託してもよい。
【0047】
以下、認証の手続きについて簡単に説明する。商品の出品を希望するユーザは、図1に示す出品者端末31からウェブサーバ10のオークションサイトにアクセスする。するとウェブサーバ10の処理部11は、記憶装置12に格納された認証プログラム12b(図2参照)を起動し、DBサーバ20のページ情報DB22c(図3参照)から認証ページのハイパーテキストデータ(以降、単に「データ」と略す)を読み出して出品者端末31に送信する。
【0048】
ユーザが図示しない認証画面にユーザIDとパスワードを入力すると、そのデータはウェブサーバ10の処理部11に送られ、そこで予め登録されているユーザ管理DB22a(図3参照)のデータと照合される。それらのデータが一致すれば、次のステップとして、出品情報入力ページのデータが出品者端末31に送信され、出品情報の入力が行われる。ユーザIDとパスワードが一致しない場合には、それ以降の手続に進むことはできない。
【0049】
入札への参加を希望するユーザについても、出品者と同様に、入札者端末32を用いて認証の手続を行う必要があり、認証の手続が完了したユーザだけが、次の手続に進むことができる。
【0050】
<出品の際の処理手順>
次に、図4のフローチャートを参照して、ウェブサーバ10において商品(体験型サービス)を出品する際の処理手順について説明する。
【0051】
商品の出品を希望するユーザ(会員)は、出品者端末31を用いてウェブサーバ10のオークションサイトにアクセスする。出品者端末31から出品情報入力ページの要求があった場合(ステップS11でYes)、処理部11は、後述する出品情報入力ページのデータを出品者端末31に送信する(ステップS12)。
【0052】
ユーザが、出品情報の入力画面(図6図9参照)に体験型サービスに関する情報を入力すると、その情報はウェブサーバ10に送信され、処理部11は出品情報を取得する(ステップS13)。
【0053】
次に、サイト運営者は、出品者から送信された出品情報を確認し、その情報に、会員登録の際に結んだ取り決めに違反するような内容が含まれている恐れがある場合、出品を拒否し(ステップS15)、その後の作業を終了する。
【0054】
物品や不動産を入札の対象とするオークションシステムにおいては、法律に抵触し、もしくは社会通念上好ましくない商品を扱うことは極めて稀であるが、体験型サービスについては、出品者が意図しない場合であっても、法律上または社会通念上好ましくない内容が含まれる場合がある。
【0055】
そのような恐れのあるサービスの排除については、サイト運営者の意思を明示するため、予めサイト運営者と出品者との間で取り決めを締結すると共に、その取り決めに従い、ウェブサーバ10から出品を拒否する旨の信号を出品者端末31に送信し、その後の作業を終了する。
【0056】
一方、出品内容が取り決めに違反していない体験型サービス(ステップS14でNo)については、ユーザは定額の出品手数料を支払う。手数料の支払いはクレジットカードでの引落しによって行われるため、ユーザは、手数料の引落しについて承諾する旨の情報を画面に入力する。
【0057】
手数料の引落しが完了したときは(ステップS16でYes)、ステップS17の処理に移行し、そうでないときは(ステップS16でNo)、手数料の引落しについてユーザの承諾が得られなかったものとして出品を拒否し(ステップS15)、作業を終了する。
【0058】
前述したように、手数料支払いの際には、オンラインバンキングシステムによりサイト運営者の口座への引落しが行われるが、クレジットカードによる代金の引落しは周知であるため、詳細な説明は省略する。手数料や購入代金の支払いは、クレジットカードを用いた引落し以外に、郵便局やコンビニエンスストア等での払込票を用いた振込みによってもよい。
【0059】
なお、手数料の額は、出品の数や落札の状況によって変わり、またサイト運営者が経営戦略上の観点から、手数料不要と判断した場合は、ステップS16の手順を省略してもよい。
【0060】
手数料の引落し完了後、処理部11は、出品情報をDBサーバ20の出品情報DB22bに書き込むと共に、その出品情報に基づき、ウェブサーバ10の画面処理プログラム12fを用いて、図5に示すような出品ページを作成する(ステップS17)。
【0061】
図5に出品画面40の一例を示す。出品画面40には、商品である体験型サービスを紹介する情報、具体的には、カテゴリーバー41,スライドショーエリア42、テキストエリア43、価格表示エリア44、スケジュールエリア45、商品ウオッチ用のボタン46および入札用のボタン47が含まれている。
【0062】
カテゴリーバー41には、出品者を分類分けしたカテゴリー(例えば、著名人・俳優、お笑い芸人等)が表示され、ユーザがポインターを用いて一つのボタンをクリックすると、図示しないが、そのカテゴリーに含まれる体験型サービスの一覧が表示される。更に、ユーザが、そのうち関心のある体験型サービスの画像をクリックすると、図5に示した体験型サービスの出品画面40が表示される。
【0063】
出品画面40のうち、スライドショーエリア42およびテキストエリア43は、出品者によって提供される体験型サービスの内容を紹介するエリアで、スライドショーエリア42は、サービスの内容を紹介する複数枚の画像や動画で構成されている。またテキストエリア43は、提供される体験型サービスのタイトルや概要、更には出品者の経歴や現在の活動を紹介する文章で構成されている。
【0064】
価格表示エリア44には、オークションにおける現在の入札価格、入札件数およびオークション終了までの残り時間が表示される。
【0065】
スケジュールエリア45には、出品者が体験型サービスを提供できる候補日を示したカレンダーが表示され、入札者は、カレンダーの表示によってサービスが提供可能な日を確認する。
【0066】
ボタン46は、いわゆる「お気に入り」ボタンであり、ユーザがボタン46をクリックすると、その出品商品が、図示しない「お気に入り」のリストに追加される。ユーザが「お気に入り」のリストを開けば、登録されたそれぞれの商品の入札状況を確認できる。
【0067】
ボタン47は、出品画面40を見たユーザが、入札への参加を希望する時にクリックするボタンであり、クリックにより入札に参加できる。
【0068】
前述したように、従来のオークションシステムでは、美術品、骨董品等の物品や不動産を入札の対象としており、サービスは入札の対象となっていなかった。しかし、希少価値のある体験型サービス、例えば、自身が夢に描いてきたことを実現した人と話をしたり食事をしたりして一時を過ごすサービスについては、オークションに参加し、高額の料金を支払ってでも落札したいと考えるユーザもいる。
【0069】
本発明に係る電子商取引方法は、このようなユーザの要望に応えるもので、落札者は、新しい出会いに触れることで、明るく楽しい未来を描くことができる。
【0070】
次に、図6図9を参照して、出品画面40の作成方法について説明する。図6図9は出品画面40作成用の入力画面を示し、入力画面は4ページで構成されている。
【0071】
物品や不動産を入札の対象とする従来のオークションシステムでは、外観を撮影した画像が重要視されるが、体験型サービスを入札の対象とするオークションシステムでは、画像だけでなく、サービスの内容を撮影した動画や、サービスの内容を解説した文章等が重要視され、その内容によって入札者の関心が左右される。
【0072】
図6に示した入力画面の第1のページ(図6参照)には、入札者に対する出品者の要望や、入札に際しての留意事項を記入するページであり、「サービスの形式」「購入者希望年齢層」「出品者側の同伴者の有無」「出品者の移動費について」「移動費の負担について」の各項目について出品者が該当するボタンをクリックする。
【0073】
図7に示す第2のページでは、オークションに必要な項目、すなわち「出品の期間」「出品価格の設定」および「カテゴリー」について、該当する項目をプルダウンメニューから選択し、またはテキストボックスに記入する。また「日程調整」に表示されたカレンダーに、サービスを提供可能な候補日を表示する。
【0074】
図8に示す第3のページでは、スライドショーを構成する画像および動画を用意する。また図9に示す第4のページでは、「タイトル」「概要文」「ご挨拶」「出品についての説明」「出品に至った理由」「経歴・現在の活動」「落札後のスケジュールとやり取りについて」「注意事項・条件等」の各項目について、それぞれのテキストボックスに、入札希望者の関心を高めるような内容を記入する。
【0075】
各ページの入力が完了した後、ウェブサーバ10の処理部11は、記憶装置12から読み出した画面処理プログラム12fに基づき、4ページに渡って選択または記入されたデータを編集して出品画面40を作成し、オークションサイトに掲載する。
【0076】
入札者は、オークションサイトに掲載された出品画面40を参考にして入札を行うか否かを決定する。出品画面40の出来具合によって、入札希望者に与える体験型サービスの印象が大きく変わるため、物品や不動産を対象としたオークションと比較し、出品画面の果たす役割は大きい。
【0077】
<入札の際の処理手順>
次に、図10のフローチャートを参照して、ウェブサーバ10における入札の際の処理手順について説明する。
【0078】
商品の入札に参加を希望するユーザ(会員)は、入札者端末32を用いてウェブサーバ10のオークションサイトにアクセスし、更に、ホームページの上部に表示されたカテゴリーバー41を利用して商品を検索し、PCの画面に表示された商品リスト(図示せず)から、関心のある商品の出品ページのデータを取得する。
【0079】
入札者端末32から出品ページの要求があった場合(ステップS21でYes)、処理部11は出品ページのデータを入札者端末32に送信し(ステップS22)、出品された商品の情報が画面40に表示される。前述した図5の例では、「スタート価格」すなわち入札開始時の価格が10万円の参加型サービスの画像や解説が表示されている。
【0080】
スライドショーや解説文を参照して出品された体験型サービスの内容を吟味した後、入札への参加を希望するユーザが入札者端末32のディスプレイに表示された画面40の「入札する」ボタン47をクリックすると、その情報がウェブサーバ10に送信される。その情報を受信した処理部11は、実施候補日選択用ページと入札用ページのデータを入札者端末32に送信する(ステップS24)。
【0081】
実施候補日選択用ページおよび入札用ページのデータを受信した入札者端末32は、図11(a)に示すように画面40にウインドウ51を開き、最初に、体験型サービスを提供可能な実施候補日のボタン52を表示する。
【0082】
実施候補日の選択は、物品を入札の対象商品とするオークションシステムでは不要であるが、体験型サービスを入札の対象商品とするオークションシステムでは不可欠である。
【0083】
実施候補日の選択は、商品が落札された後に、出品者と落札者とが協議して決めることも可能であるが、その場合、日程の調整ができないときには、再度入札を行わなければならず、非効率である。
【0084】
これに対し、入札の最初の段階で、出品者の都合の良い日を実施候補日として提示し、入札者がその候補日の中から実施希望日を選択すれば、実施日について争いが生ずることはなく、体験型サービスの円滑な提供が可能となる。
【0085】
入札者がポインターを用いて実施候補日52の一つのボタン52を選択し、更に選択ボタン53をクリックすると、ウィンドウの表示が図11(b)に示す入札用ページのウィンドウ54に切り替わる。
【0086】
入札用ページのウィンドウ54の下段に表示された「入札金額」の欄55には、当初、出品者が設定した最小入札金額(10万円)が表示される。
【0087】
入札金額の上には千円、5千円、1万円、3万円の金額が表示されたボタン56が並置されている。入札金額は1円単位で設定することも可能であるが、金額設定の煩雑さを避けるため、本実施の形態では、上述のいずれかの金額(図では3万円)を下段の現在額に加算することによって入札金額(13万円)を設定している。
【0088】
入札金額が決定した後、入札者が入札ボタン57をクリックすると、先に選択した実施候補日のデータと入札金額のデータがウェブサーバ10に送信される。
【0089】
図10の説明に戻り、実施希望日のデータと入札金額のデータを受信した(ステップS25でYes)処理部11は、出品ページの画面40の価格エリア44に表示された「現在の価格」および「件数」の値を、受信したデータに従って更新する。またスケジュールエリア45に掲載されたカレンダーに出品者が選択した実施日を表示する(ステップS26)。
【0090】
処理部11は、価格表示エリア44に表示された残り時間から、入札期間が終了したか否か判定し、入札期間が残っており(ステップS27でNo)、かつ新たな入札者端末32から出品ページの送信要求があった場合、ステップS21~S26の処理を繰り返す。
【0091】
一方、処理部11は、入札期間が終了したと判定した場合(ステップS27でYes)、出品ページの内容を更新し、画面40の現在の価格を落札価格とし、入札期間が終了したことを明示する(ステップS28)。
【0092】
その後、処理部11は、電子メールによって各入札者に落札の結果を通知する(ステップS29)。すなわち、落札者には、自身の入札によって落札されたこと、および落札金額の振り込みを依頼し、それ以外の入札者には、他の入札者によって落札されたことを通知する。
【0093】
なお、入札期間内に1件の入札もなかった場合、価格表示エリア44の「件数」が初期値の「0」のまま、残り時間が「0」と表示される。
【0094】
<商品落札後の手続>
次に、図12を参照して、商品落札後の手続を説明する。図12は、サイト運営者と、落札者および出品者との間で行われる手続を時系列で示したもので、縦方向は時間の経過を示す。
【0095】
商品落札後の手続で重要な点は、商品である体験型サービスが確実に実施されることと、購入代金が確実に回収され、また出品者への代金の支払いが確実に行われることである。本実施の形態では、図12に示す手順により、これらの手続を実現している。
【0096】
入札期間が終了した後、サイト運営者は、電子メールを用いて商品を落札した落札者の端末32に落札金額の支払いを依頼する(ステップS31)。落札金額は、図5に示した出品画面40の価格表示エリア44の「現在の価格」欄に表示され、その値が電子メールで落札者に通知される。
【0097】
ウェブサーバ10から落札金額の支払依頼を受けた落札者は、入札者端末32によりオークションサイトの代金支払ページ(図示せず)を開き、落札金額の支払手続を行う(ステップS32)。具体的には、落札金額と、クレジットカードによる引落しについて承諾する旨の情報を画面に入力する。サイト運営者は、ウェブサーバ10を用いてクレジットカードによる落札金額の引落しを行う(ステップS33)。
【0098】
一方、出品者は、指定された日に、落札された体験型サービスを落札者に提供する(ステップS34)。サイト運営者は、体験型サービスが問題なく提供されたか否か、実施日の翌日に電子メールで落札者の端末32に確認する(ステップS35)。落札者は、端末32によりサービスの提供が無事に行われたことをサイト運営者に報告する(ステップS36)。
【0099】
サービスが実施された旨の報告を受けたサイト運営者は、ウェブサーバ10により、落札金額から手数料を引いた金額を出品者の銀行口座に振り込むと共に(ステップS37)、代金を振り込んだことを電子メールで出品者端末31に通知し(ステップS39)、オークションに関連した手続きを終了する。
【0100】
以上説明したように、本発明に係る電子商取引方法によれば、希少価値のある体験型サービスについて、他人と競って落札し、自分が夢に描いてきたことを実現した人と話をしたり食事をしたりして、通常ではあり得ない時間を過ごし、新しい出会いに触れることで明るく楽しい未来を描くことができる。
【0101】
一方、サービスを提供する側にとっても、これまでに培ってきた能力や特技を生かして、新たな収入源とすることができ、落札者およびサービス提供者共に満足が得られる。
【符号の説明】
【0102】
1 サーバ装置
2 インターネット
3 端末
10 ウェブサーバ
11 処理部
12、22 記憶装置
13 入力部
14 ディスプレイ
20 DBサーバ
21 制御部
31 出品者端末
32 入札者端末
40 出品画面
41 カテゴリーバー
42 スライドショーエリア
43 テキストエリア
44 価格表示エリア
45 スケジュールエリア
46、47 ボタン
51 ウィンドウ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12