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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116945
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】給湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/00 20220101AFI20230816BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20230816BHJP
【FI】
F24H1/10 301Z
F24H1/00 602D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019362
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】井口 将浩
【テーマコード(参考)】
3L024
【Fターム(参考)】
3L024CC10
3L024DD22
3L024DD27
3L024HH15
3L024HH56
(57)【要約】
【課題】第1給湯器及び第2給湯器の両方に第1給湯対象部(給湯栓)が接続されると共に、第2給湯器にはさらに第2給湯対象部(浴槽)が接続される給湯システムにおいて、第2給湯対象部への給湯時に、第1給湯対象部への給湯を行う場合に、適切な温度で給湯を行う。
【解決手段】第2給湯器2Bから浴槽BTBに給湯している状態で、給湯栓CLへの給湯の要求が発生したとき、給湯栓CL用の目標給湯温度と浴槽BTB用の目標給湯温度のうちのいずれか一方の温度を、第1給湯器2A及び第2給湯器2Bで共通の目標給湯温度として用い、該共通の目標給湯温度の給湯用水を、第1給湯器2Aから給湯栓CLに供給すると共に、第2給湯器2Bから給湯栓CL及び浴槽BTBに供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水路、給湯路及び加熱部を各々有すると共に、各々が前記給水路を介して供給される給湯用水を前記加熱部で加熱し、その加熱した給湯用水を前記給湯路を介して出湯するように構成された第1給湯器及び第2給湯器と、該第1給湯器及び該第2給湯器の作動制御を行う制御装置とを備えており、該1給湯器及び該第2給湯器のうち、該第1給湯器の給湯路が、給湯用水を第1給湯対象部に供給し得るように該第1給湯対象部に接続され、該第2給湯器の給湯路が、給湯用水を前記第1給湯対象部と第2給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第2給湯対象部に接続され、さらに、該第2給湯器の給水路に、該給水路を開閉可能な給水開閉弁が組付けられた給湯システムであって、
前記制御装置は、前記第2給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度の給湯用水を該第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器のみを作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、前記第1給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度のうちのいずれか一方の温度を、該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第A目標給湯温度として用い、該第1給湯器から該第A目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部に供給すると共に、該第2給湯器から該第A目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第2給湯対象部に供給するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されていることを特徴とする給湯システム。
【請求項2】
請求項1記載の給湯システムにおいて、
前記第1給湯対象部は給湯栓、前記第2給湯対象部は浴槽であり、
前記制御装置は、前記第2目標給湯温度、又は、前記第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度を、前記第A目標給湯温度として用いるように構成されていることを特徴とする給湯システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の給湯システムにおいて、
前記第1給湯器の給湯路は、給湯用水を前記第1給湯対象部と第3給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第3給湯対象部に接続されており、
前記制御装置は、前記第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部に供給するように、前記第1給湯器を作動させると共に、前記第2目標給湯温度の給湯用水を前記第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器を作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、前記第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちのいずれか一つの目標給湯温度を、該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第B目標給湯温度として用い、該第1給湯器から該第B目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第3給湯対象部に供給すると共に、該第2給湯器から該第B目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第2給湯対象部に供給するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されていることを特徴とする給湯システム。
【請求項4】
請求項3記載の給湯システムにおいて、
前記第1給湯対象部は給湯栓、前記第2給湯対象部は浴槽、前記第3給湯対象部は該第2給湯対象部と異なる浴槽であり、
前記制御装置は、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度、又は、前記第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの最も低い目標給湯温度を、前記第B目標給湯温度として用いるように構成されていることを特徴とする給湯システム。
【請求項5】
請求項1又は2記載の給湯システムにおいて、
前記第1給湯対象部は給湯栓、前記第2給湯対象部は浴槽であり、前記第1給湯器の給湯路は、給湯用水を前記第1給湯対象部と、前記第2給湯対象部と異なる浴槽である第3給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第3給湯対象部に接続されており、
前記制御装置は、前記第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部に供給するように、前記第1給湯器を作動させると共に、前記第2目標給湯温度の給湯用水を前記第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器を作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、前記第1給湯器及び第2給湯器のうち、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの高い方の目標給湯温度に対応する給湯器である一方の給湯器から、前記第3給湯対象部及び前記第2給湯対象部のうちの該一方の給湯器に対応する給湯対象部への給湯用水の流路を遮断することにより該給湯対象部への給湯を中断する第1処理と、その中断状態で、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度を該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第C目標給湯温度として用い、該第1給湯器及び該第2給湯器のうちの前記一方の給湯器から、前記第1給湯対象部に該第C目標給湯温度の給湯用水を供給すると共に、該第1給湯器及び該第2給湯器のうちの他方の給湯器から、前記第2給湯対象部及び前記第3給湯対象部のうちの該他方の給湯器に対応する給湯対象部と前記第1給湯対象部とに該第C目標給湯温度の給湯用水を供給する第2処理と、前記第1給湯対象部への給湯の終了後に、前記一方の給湯器から、前記第2給湯対象部及び前記第3給湯対象部のうちの該一方の給湯器に対応する給湯対象部に給湯することを再開する第3処理とを実行するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されていることを特徴とする給湯システム。
【請求項6】
給水路、給湯路及び加熱部を各々有すると共に、各々が前記給水路を介して供給される給湯用水を前記加熱部で加熱し、その加熱した給湯用水を前記給湯路を介して出湯するように構成された第1給湯器及び第2給湯器と、該第1給湯器及び該第2給湯器の作動制御を行う制御装置とを備えており、該1給湯器及び該第2給湯器のうち、該第1給湯器の給湯路が、給湯用水を第1給湯対象部と第3給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第3給湯対象部に接続され、該第2給湯器の給湯路が、給湯用水を前記第1給湯対象部と第2給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第2給湯対象部に接続され、さらに、該第2給湯器の給水路に、該給水路を開閉可能な給水開閉弁が組付けられた給湯システムであって、
前記制御装置は、前記第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部に供給するように、前記第1給湯器を作動させると共に、前記第2給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度の給湯用水を前記第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器を作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、該第1給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちのいずれか一つの目標給湯温度を、該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第B目標給湯温度として用い、該第1給湯器から該第B目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第3給湯対象部に供給すると共に、該第2給湯器から該第B目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第2給湯対象部に供給するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されていることを特徴とする給湯システム。
【請求項7】
請求項6記載の給湯システムにおいて、
前記第1給湯対象部は給湯栓、前記第2給湯対象部は浴槽、前記第3給湯対象部は該第2給湯対象部と異なる浴槽であり、
前記制御装置は、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度、又は、前記第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの最も低い目標給湯温度を、前記第B目標給湯温度として用いるように構成されていることを特徴とする給湯システム。
【請求項8】
給水路、給湯路及び加熱部を各々有すると共に、各々が前記給水路を介して供給される給湯用水を前記加熱部で加熱し、その加熱した給湯用水を前記給湯路を介して出湯するように構成された第1給湯器及び第2給湯器と、該第1給湯器及び該第2給湯器の作動制御を行う制御装置とを備えており、該1給湯器及び該第2給湯器のうち、該第1給湯器の給湯路が、給湯用水を第1給湯対象部と第3給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第3給湯対象部に接続され、該第2給湯器の給湯路が、給湯用水を前記第1給湯対象部と第2給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第2給湯対象部に接続され、さらに、該第2給湯器の給水路に、該給水路を開閉可能な給水開閉弁が組付けられた給湯システムであって、
前記第1給湯対象部は給湯栓、前記第2給湯対象部は浴槽であり、前記第3給湯対象部は、該第2給湯対象部と異なる浴槽であり、
前記制御装置は、前記第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部に供給するように、前記第1給湯器を作動させると共に、前記第2給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度の給湯用水を前記第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器を作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、前記第1給湯器及び第2給湯器のうち、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの高い方の目標給湯温度に対応する給湯器である一方の給湯器から、前記第3給湯対象部及び前記第2給湯対象部のうちの該一方の給湯器に対応する給湯対象部への給湯用水の流路を遮断することにより該給湯対象部への給湯を中断する第1処理と、その中断状態で、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度を該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第C目標給湯温度として用い、該第1給湯器及び該第2給湯器のうちの前記一方の給湯器から、前記第1給湯対象部に該第C目標給湯温度の給湯用水を供給すると共に、該第1給湯器及び該第2給湯器のうちの他方の給湯器から、前記第2給湯対象部及び前記第3給湯対象部のうちの該他方の給湯器に対応する給湯対象部と前記第1給湯対象部とに該第C目標給湯温度の給湯用水を供給する第2処理と、前記第1給湯対象部への給湯の終了後に、前記一方の給湯器から、前記第2給湯対象部及び前記第3給湯対象部のうちの該一方の給湯器に対応する給湯対象部に給湯することを再開する第3処理とを実行するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されていることを特徴とする給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の給湯器を接続した給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、給湯用水が供給される主給水路と、加熱された給湯用水を出湯させる主給湯路との間に複数の給湯器を並列に接続し、主給水路から一つ以上の給湯器に給水開閉弁を介して給湯用水を供給し、当該一つ以上の給湯器で加熱した給湯用水を主給湯路から給湯栓等の給湯対象部(当該複数の給湯器に対して共通の給湯対象部)に供給し得るようにしたシステムが知られている。
【0003】
このようなシステムでは、通常、複数の給湯器のうちの一つの給湯器が主給湯器、他の給湯器が補助給湯器として設定され、給湯栓等の給湯対象部への給湯が主に、主給湯器により行われる。そして、主給湯器だけでは能力不足となるような状況等において、主給湯器に加えて、補助給湯器での給湯用水の加熱が付加的に行われる。また、補助給湯器の給水開閉弁(主給水路から該補助給湯器に給湯用水を流入させる流路に設けられた開閉弁)は、該補助給湯器での給湯用水の加熱を行わない状況(該補助給湯器の待機状態)では閉弁状態に維持される。
【0004】
また、個々の給湯器にあっては、例えば特許文献2に見られるように、加熱した給湯用水を複数の給湯対象部、例えば給湯栓及び浴槽に分配して供給し得るようにしたものが従来より一般に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-16409号公報
【特許文献2】特開2014-152993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に見られるシステムの如く、複数の給湯器の一つ以上の給湯器から、当該複数の給湯器に対して共通の給湯対象部(例えば給湯栓)に加熱された給湯用水を供給し得るシステムにおいて、一つ以上の給湯器のそれぞれに、他の給湯対象部(例えば浴槽)を接続し、上記共通の給湯対象部に各給湯器から給湯を行い得ることに加えて、他の給湯対象部にこれを接続した給湯器から給湯を行い得るようにシステムを構築することが可能である。
【0007】
例えば、少なくとも第1給湯器及び該第2給湯器の2つの給湯器を備え、第1給湯器の給湯路が、給湯用水を第1給湯対象部(例えば給湯栓)に供給し得るように該第1給湯対象部に接続され、第2給湯器の給湯路が、給湯用水を第1給湯対象部と第2給湯対象部(例えば浴槽)とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第2給湯対象部に接続され、さらに、第2給湯器の給水路に、該給水路を開閉可能な給水開閉弁が組付けられた給湯システムを構成し得る。
【0008】
このような給湯システムでは、第2給湯器から第2給湯対象部(例えば浴槽)に給湯を行っているときに、第1給湯対象部(例えば給湯栓)に対する給湯の要求が発生した場合に、次のような課題があることが本願発明者の検討により判明した。
【0009】
すなわち、第2給湯器から第2給湯対象部への給湯を行っている状態では、第2給湯器の給水路の給水開閉弁が開弁制御されているため、第1給湯対象部への給湯を開始すると、第2給湯器で加熱された給湯用水の一部が、第1給湯器で加熱される給湯用水と混合して、第1給湯対象部に供給される。
【0010】
この場合、第2給湯器から第2給湯対象部への給湯を、ユーザによりあらかじめ設定された第2給湯対象部用の目標給湯温度で行うと共に、第1給湯器から第1給湯対象部への給湯を、ユーザによりあらかじめ設定された第1給湯対象部用の目標給湯温度で行うと、第2給湯器から第1給湯対象部に供給される給湯用水の温度は、第2給湯対象部用の目標給湯温度に温調制御されたものとなる。
【0011】
また、第1給湯器から第1給湯対象部に供給される給湯用水の温度は、第1給湯対象部位用の目標給湯温度に温調制御されたものとなる。従って、第1給湯対象部で出湯する給湯用水の温度は、第1給湯対象部用の目標給湯温度と、第2給湯対象部用の目標給湯温度との両方の設定温度と異なる温度(両方の温度の中間の温度)となる。
【0012】
このため、特に、第1給湯対象部用の目標給湯温度と、第2給湯対象部用の目標給湯温度との温度差が比較的大きいような場合には、第1給湯対象部で出湯する給湯用水の温度が、ユーザが設定した第1給湯対象部用の目標給湯温度及び第2給湯対象部用の目標給湯温度のいずれの温度とも異なることから、該ユーザが違和感を覚えたり、あるいは、給湯システムの故障と勘違いするおそれがある。
【0013】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、第1給湯器及び第2給湯器の両方に第1給湯対象部が接続されると共に、第2給湯器にはさらに第2給湯対象部が接続される給湯システムにおいて、第2給湯対象部への給湯時に、第1給湯対象部への給湯を行う場合に、適切な温度で給湯を行うことができる給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の給湯システムは、上記の目的を達成するために、給水路、給湯路及び加熱部を各々有すると共に、各々が前記給水路を介して供給される給湯用水を前記加熱部で加熱し、その加熱した給湯用水を前記給湯路を介して出湯するように構成された第1給湯器及び第2給湯器と、該第1給湯器及び該第2給湯器の作動制御を行う制御装置とを備えており、該1給湯器及び該第2給湯器のうち、該第1給湯器の給湯路が、給湯用水を第1給湯対象部に供給し得るように該第1給湯対象部に接続され、該第2給湯器の給湯路が、給湯用水を前記第1給湯対象部と第2給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第2給湯対象部に接続され、さらに、該第2給湯器の給水路に、該給水路を開閉可能な給水開閉弁が組付けられた給湯システムであって、
前記制御装置は、前記第2給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度の給湯用水を該第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器のみを作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、前記第1給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度のうちのいずれか一方の温度を、該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第A目標給湯温度として用い、該第1給湯器から該第A目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部に供給すると共に、該第2給湯器から該第A目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第2給湯対象部に供給するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
【0015】
かかる第1発明によれば、第2目標給湯温度の給湯用水を該第2給湯対象部に供給している状態で、第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、第1給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第1目標給湯温度と、第2給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度とのうちのいずれか一方の温度に温調制御された給湯用水が第1給湯対象部に供給される。
【0016】
このため、第1目標給湯温度と第2目標給湯温度とのいずれの温度とも異なる温度の給湯用水が、第1給湯器及び第2給湯器の両方に対して共通の第1給湯対象部に供給されてしまうのを防止できる。ひいては、ユーザが違和感を覚えたり、給湯システムの故障と勘違いしてしまうのを防止できる。よって、第1発明によれば、第2給湯対象部への給湯時に、第1給湯対象部への給湯を行う場合に、適切な温度で給湯を行うことができる。
【0017】
上記第1発明では、例えば、前記第1給湯対象部は給湯栓、前記第2給湯対象部は浴槽であり得る。この場合、前記制御装置は、前記第2目標給湯温度、又は、前記第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度を、前記第A目標給湯温度として用いるように構成されていることが好ましい(第2発明)。
【0018】
これによれば、浴槽(第2給湯対象部)に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度より高い温度の給湯用水が浴槽に供給されること(当該高い温度の給湯用水で浴槽の湯はりが行われること)を防止できる。また、第1目標給湯温度と第2目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度を、第A目標給湯温度として用いる場合には、第1目標給湯温度が第2目標給湯温度以下の温度に設定されている場合に、給湯栓に対する給湯用水の目標温度である第1目標給湯温度に温調制御された給湯用水が給湯栓に供給されるので、給湯システムの利便性を高めることが可能となる。
【0019】
上記第1発明又は第2発明では、前記第1給湯器の給湯路は、給湯用水を前記第1給湯対象部と第3給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第3給湯対象部に接続されている場合には、前記制御装置は、前記第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部に供給するように、前記第1給湯器を作動させると共に、前記第2目標給湯温度の給湯用水を前記第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器を作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、前記第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちのいずれか一つの目標給湯温度を、該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第B目標給湯温度として用い、該第1給湯器から該第B目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第3給湯対象部に供給すると共に、該第2給湯器から該第B目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第2給湯対象部に供給するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されていることが好ましい(第3発明)。
【0020】
これによれば、第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部に供給するように、第1給湯器を作動させると共に、第2目標給湯温度の給湯用水を第2給湯対象部に供給するように、給水開閉弁を開弁制御して第2給湯器を作動させている状態で、第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、第1給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第1目標給湯温度と、第2給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度と、第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度とのうちのいずれか一つの温度に温調制御された給湯用水が第1給湯対象部に供給される。
【0021】
このため、第1目標給湯温度と第2目標給湯温度と第3目標給湯温度とのいずれの温度とも異なる温度の給湯用水が、第1給湯器及び第2給湯器の両方に対して共通の第1給湯対象部に供給されてしまうのを防止できる。ひいては、ユーザが違和感を覚えたり、給湯システムの故障と勘違いしてしまうのを防止できる。よって、第3発明によれば、第2給湯対象部及び第3給湯対象部の両方への給湯時に、第1給湯対象部への給湯を行う場合に、適切な温度で給湯を行うことができる。
【0022】
上記第3発明では、例えば、前記第1給湯対象部は給湯栓、前記第2給湯対象部は浴槽、前記第3給湯対象部は該第2給湯対象部と異なる浴槽であり得る。この場合、前記制御装置は、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度、又は、前記第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの最も低い目標給湯温度を、前記第B目標給湯温度として用いるように構成されているという態様を採用し得る(第4発明)。
【0023】
これによれば、第2給湯対象部としての浴槽に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度より高い温度の給湯用水が該浴槽に供給されること(当該高い温度の給湯用水で該浴槽の湯はりが行われること)や、第3給湯対象部としての浴槽に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度より高い温度の給湯用水が該浴槽に供給されること(当該高い温度の給湯用水で該浴槽の湯はりが行われること)を防止できる。
【0024】
また、第1目標給湯温度と第2目標給湯温度と第3目標給湯温度とのうちの最も低い目標給湯温度を、前記第B目標給湯温度として用いる場合には、第1目標給湯温度が第2目標給湯温度以下の温度で、且つ、第3目標給湯温度以下の温度に設定されている場合に、給湯栓に対する給湯用水の目標温度である第1目標給湯温度に温調制御された給湯用水が給湯栓に供給されるので、給湯システムの利便性を高めることが可能となる。
【0025】
上記第1発明又は第2発明では、前記第1給湯対象部が給湯栓、前記第2給湯対象部が浴槽であり、前記第1給湯器の給湯路が、給湯用水を前記第1給湯対象部と、前記第2給湯対象部と異なる浴槽である第3給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第3給湯対象部に接続されている場合には、前記制御装置は、前記第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部に供給するように、前記第1給湯器を作動させると共に、前記第2目標給湯温度の給湯用水を前記第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器を作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、前記第1給湯器及び第2給湯器のうち、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの高い方の目標給湯温度に対応する給湯器である一方の給湯器から、前記第3給湯対象部及び前記第2給湯対象部のうちの該一方の給湯器に対応する給湯対象部への給湯用水の流路を遮断することにより該給湯対象部への給湯を中断する第1処理と、その中断状態で、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度を該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第C目標給湯温度として用い、該第1給湯器及び該第2給湯器のうちの前記一方の給湯器から、前記第1給湯対象部に該第C目標給湯温度の給湯用水を供給すると共に、該第1給湯器及び該第2給湯器のうちの他方の給湯器から、前記第2給湯対象部及び前記第3給湯対象部のうちの該他方の給湯器に対応する給湯対象部と前記第1給湯対象部とに該第C目標給湯温度の給湯用水を供給する第2処理と、前記第1給湯対象部への給湯の終了後に、前記一方の給湯器から、前記第2給湯対象部及び前記第3給湯対象部のうちの該一方の給湯器に対応する給湯対象部に給湯することを再開する第3処理とを実行するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されているという態様を採用することもできる(第5発明)。
【0026】
これによれば、第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部(浴槽)に供給するように、前記第1給湯器を作動させると共に、第2目標給湯温度の給湯用水を第2給湯対象部(浴槽)に供給するように、給水開閉弁を開弁制御して第2給湯器を作動させている状態で、第1給湯対象部(給湯栓)への給湯の要求が発生したとき、第2目標給湯温度と第3目標給湯温度とのうちの高い方の目標給湯温度に対応する給湯器である一方の給湯器(第1給湯器又は第2給湯器)から、該一方の給湯器に対応する給湯対象部(第3給湯対象部である浴槽又は第2給湯対象部である浴槽)への給湯が中断される。
【0027】
そして、該一方の給湯器に対応する給湯対象部への給湯は、第1給湯対象部(給湯栓)への給湯の終了後に再開されるので、該一方の給湯器に対応する給湯対象部に、該給湯対象部に対応する目標給湯温度(第2目標給湯温度又は第3目標給湯温度)に温調制御した給湯用水を供給することが可能となる。すなわち、該一方の給湯器に対応する給湯対象部に、該給湯対象部に対応する目標給湯温度よりも低い温度の給湯用水を供給するのを防止することが可能となる。
【0028】
また、第2給湯対象部及び第3給湯対象部のうち、他方の給湯器に対応する給湯対象部(浴槽)と、第1給湯対象部(給湯栓)とに対して、第C目標給湯温度に温調制御された給湯用水が供給される。この場合、第C目標給湯温度として、第2目標給湯温度と第3目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度(詳しくは、前記他方の給湯器が第1給湯器である場合には、第3給湯対象部(第1給湯器側の浴槽)に対応する第3目標給湯温度、前記他方の給湯器が第2給湯器である場合には、第2給湯対象部(第2給湯器側の浴槽)に対応する第2目標給湯温度)が用いられる。
【0029】
このため、第1目標給湯温度と第2目標給湯温度と第3目標給湯温度とのいずれの温度とも異なる温度の給湯用水が、第1給湯器及び第2給湯器の両方に対して共通の第1給湯対象部に供給されてしまうのを防止できる。ひいては、ユーザが違和感を覚えたり、給湯システムの故障と勘違いしてしまうのを防止できる。
【0030】
加えて、前記第C目標給湯温度は、前記他方の給湯器が第1給湯器である場合には、第1給湯器側の浴槽(第3給湯対象部)に対応する第3目標給湯温度に一致し、前記他方の給湯器が第2給湯器である場合には、第2給湯器側の浴槽(第2給湯対象部)に対応する第2目標給湯温度に一致するので、前記他方の給湯器に対応する給湯対象部(浴槽)に、該給湯対象部に対応する目標給湯温度(第2目標給湯温度又は第3目標給湯温度)よりも低い温度又は高い温度の給湯用水が供給されること(当該低い温度又は高い温度の給湯用水で該給湯対象部(浴槽)の湯はりが行われること)を防止できる。
【0031】
よって、第5発明によれば、第2給湯対象部及び第3給湯対象部の両方への給湯時に、第1給湯対象部への給湯を行う場合に、適切な温度で給湯を行うことができる。
【0032】
また、本発明の給湯システムの他の態様は、給水路、給湯路及び加熱部を各々有すると共に、各々が前記給水路を介して供給される給湯用水を前記加熱部で加熱し、その加熱した給湯用水を前記給湯路を介して出湯するように構成された第1給湯器及び第2給湯器と、該第1給湯器及び該第2給湯器の作動制御を行う制御装置とを備えており、該1給湯器及び該第2給湯器のうち、該第1給湯器の給湯路が、給湯用水を第1給湯対象部と第3給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第3給湯対象部に接続され、該第2給湯器の給湯路が、給湯用水を前記第1給湯対象部と第2給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第2給湯対象部に接続され、さらに、該第2給湯器の給水路に、該給水路を開閉可能な給水開閉弁が組付けられた給湯システムであって、
前記制御装置は、前記第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部に供給するように、前記第1給湯器を作動させると共に、前記第2給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度の給湯用水を前記第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器を作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、該第1給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちのいずれか一つの目標給湯温度を、該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第B目標給湯温度として用い、該第1給湯器から該第B目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第3給湯対象部に供給すると共に、該第2給湯器から該第B目標給湯温度の給湯用水を前記第1給湯対象部及び前記第2給湯対象部に供給するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されていることを特徴とする(第6発明)。
これによれば、前記第3発明と同様の効果を奏することができる。
【0033】
上記第6発明では、前記第1給湯対象部が給湯栓、前記第2給湯対象部が浴槽、前記第3給湯対象部が該第2給湯対象部と異なる浴槽である場合に、前記制御装置は、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度、又は、前記第1目標給湯温度と前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの最も低い目標給湯温度を、前記第B目標給湯温度として用いるように構成されているという態様を採用し得る(第7発明)。
これによれば、前記第4発明と同様の効果を奏することができる。
【0034】
また、本発明の給湯システムの他の態様は、給水路、給湯路及び加熱部を各々有すると共に、各々が前記給水路を介して供給される給湯用水を前記加熱部で加熱し、その加熱した給湯用水を前記給湯路を介して出湯するように構成された第1給湯器及び第2給湯器と、該第1給湯器及び該第2給湯器の作動制御を行う制御装置とを備えており、該1給湯器及び該第2給湯器のうち、該第1給湯器の給湯路が、給湯用水を第1給湯対象部と第3給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第3給湯対象部に接続され、該第2給湯器の給湯路が、給湯用水を前記第1給湯対象部と第2給湯対象部とに分配し得るように該第1給湯対象部及び該第2給湯対象部に接続され、さらに、該第2給湯器の給水路に、該給水路を開閉可能な給水開閉弁が組付けられた給湯システムであって、
前記第1給湯対象部は給湯栓、前記第2給湯対象部は浴槽であり、前記第3給湯対象部は、該第2給湯対象部と異なる浴槽であり、
前記制御装置は、前記第3給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第3目標給湯温度の給湯用水を該第3給湯対象部に供給するように、前記第1給湯器を作動させると共に、前記第2給湯対象部に対する給湯用水の目標温度である第2目標給湯温度の給湯用水を前記第2給湯対象部に供給するように、前記給水開閉弁を開弁制御して前記第2給湯器を作動させている状態で、前記第1給湯対象部への給湯の要求が発生したとき、前記第1給湯器及び第2給湯器のうち、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの高い方の目標給湯温度に対応する給湯器である一方の給湯器から、前記第3給湯対象部及び前記第2給湯対象部のうちの該一方の給湯器に対応する給湯対象部への給湯用水の流路を遮断することにより該給湯対象部への給湯を中断する第1処理と、その中断状態で、前記第2目標給湯温度と前記第3目標給湯温度とのうちの低い方の目標給湯温度を該第1給湯器及び該第2給湯器で共通の第C目標給湯温度として用い、該第1給湯器及び該第2給湯器のうちの前記一方の給湯器から、前記第1給湯対象部に該第C目標給湯温度の給湯用水を供給すると共に、該第1給湯器及び該第2給湯器のうちの他方の給湯器から、前記第2給湯対象部及び前記第3給湯対象部のうちの該他方の給湯器に対応する給湯対象部と前記第1給湯対象部とに該第C目標給湯温度の給湯用水を供給する第2処理と、前記第1給湯対象部への給湯の終了後に、前記一方の給湯器から、前記第2給湯対象部及び前記第3給湯対象部のうちの該一方の給湯器に対応する給湯対象部に給湯することを再開する第3処理とを実行するように該第1給湯器及び該第2給湯器を作動させるように構成されていることを特徴とする(第8発明)。
これによれば、前記第5発明と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施形態の給湯システムの全体構成を示す図。
図2】第1実施形態における主給湯器(第1給湯器)の作動制御の処理の第1例を示すフローチャート。
図3】第1実施形態における補助給湯器(第2給湯器)の作動制御の処理の第1例を示すフローチャート。
図4】第1実施形態における主給湯器(第1給湯器)の作動制御の処理の第2例を示すフローチャート。
図5】第1実施形態における補助給湯器(第2給湯器)の作動制御の処理の第2例を示すフローチャート。
図6】第2実施形態における主給湯器(第1給湯器)の作動制御の処理の一例を示すフローチャート。
図7】第2実施形態における補助給湯器(第2給湯器)の作動制御の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を以下に図1図5を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の給湯システム1は、複数の(例えば2台の)給湯器2A,2Bを備える。給湯器2A,2Bのそれぞれは、給湯用水を加熱するための熱源機として、互いに同一構成の熱源機3を備える。そして、給湯器2A,2Bのそれぞれの熱源機3には、共通の給湯対象部として、台所、洗面所、浴室等に配置される給湯栓CLが接続されていると共に、他の給湯対象部として、給湯器2A,2Bのそれぞれ毎に各別の浴槽BTA,BTBが接続されている。
【0037】
ここで、給湯器2A,2Bのうち、給湯器2Aは、給湯栓CLへの給湯を行うための主たる給湯器であり、以降、主給湯器2Aということがある。また、給湯器2Bは、主給湯器2Aだけでは給湯能力が不足する場合等に、補助的に給湯栓CLへの給湯を行うための給湯器であり、以降、補助給湯器2Bということがある。本実施形態では、主給湯器2Aは、本発明における第1給湯器に相当し、補助給湯器2Bは、本発明における第2給湯器に相当する。また、給湯栓CL、浴槽BTB、浴槽BTAがそれぞれ、本発明における第1給湯対象部、第2給湯対象部、第3給湯対象部に相当する。なお、以降の説明では、各給湯器2A,2Bを区別する必要が無いときは、単に給湯器2と称し、浴槽BTA,BTBを区別する必要が無いときは、単に浴槽BTを称する。
【0038】
各給湯器2の熱源機3は、図示しない給水源から給湯用水が供給される給水路10と、給水路10から供給される給湯用水を加熱する第1加熱部11と、第1加熱部11で加熱された給湯用水を出湯する給湯路12と、浴槽BT内の給湯用水である浴槽水を加熱するための第2加熱部13と、該第2加熱部13と浴槽BTとの間で浴槽水を循環させる循環水路14と、第1加熱部11で加熱された給湯用水を給湯路12から循環水路14を介して浴槽BTに供給する湯はり用水路15とを備える。
【0039】
給湯器2A,2Bのそれぞれの給水路10は、単一の上流側給水路4から分岐されており、図示しない給水源から該上流側給水路4を介してそれぞれの給水路10に給湯用水が供給される。また、給湯器2A,2Bのそれぞれの給湯路12の下流側は、給湯栓CLが下流端部に接続された単一の下流側給湯路5に合流されており、それぞれの給湯路12から該下流側給湯路5を介して給湯栓CLに給湯用水が供給される。なお、図1では、単一の給湯栓CLのみを記載しているが、複数の給湯栓が下流側給湯路5に接続されていてもよい。
【0040】
第1加熱部11は、詳細な図示は省略するが、例えば、バーナと熱交換器とを含む公知の燃焼式の加熱装置により構成される。この場合、第1加熱部11は、給水路10から供給される給湯用水を熱交換器を介して給湯路12に流通させつつ、該熱交換器を流れる給湯用水をバーナの燃焼運転により発生する燃焼熱により加熱する。なお、第1加熱部11は、給水路10から熱交換器を経由させずに給湯路12に給湯用水を流すバイパス路や、該バイパス路を流れる給湯用水の流量と熱交換器を流れる給湯用水の流量の比率であるバイパス比を調整するためのバイパス比調整弁を備えていてもよい。
【0041】
給水路10には、該給水路10を流れる給湯用水の流量である給水量を調整するための給水量調整弁16と、該給水量を検出する流量センサ17とが組付けられ、給湯路12には、該給湯路12を通って下流側の給湯栓CL又は浴槽BTに供給される給湯用水の温度である給湯温度を検出する温度センサ18が組付けられている。給水量調整弁16は、例えば電動式のサーボ弁により構成され、給水路10を閉弁することも可能である。ただし、給湯器2A,2Bのうち、主給湯器2Aの給水量調整弁16は、給水路10を閉弁する機能を備えていなくてもよい。なお、補助給湯器2Bの給水量調整弁16は、本発明における給水開閉弁に相当する。
【0042】
循環水路14は、浴槽水を浴槽BT内から第2加熱部13に流す復路側水路14aと、第2加熱部13から浴槽BT内に浴槽水を流す往路側水路14bとを備え、復路側水路14a及び往路側水路14bの一方、例えば復路側水路14aに、循環水路14での浴槽水の循環を行わせる動力源としての電動式のポンプ19が組付けられている。そして、復路側水路14a及び往路側水路14bのそれぞれの浴槽BT側の端部は、浴槽BTの底面寄りの側壁に形成された注湯口Baに接続されている。
【0043】
第2加熱部13は、詳細な図示は省略するが、例えば第1加熱部11と同様に、バーナと熱交換器とを含む公知の燃焼式の加熱装置により構成される。この場合、第2加熱部13の熱交換器は、復路側水路14aから往路側水路14bに浴槽水を流通させるように該復路側水路14a及び往路側水路14bに接続される。そして、第2加熱部13は、ポンプ19の作動により循環水路14を流れる浴槽水を、バーナの燃焼運転により発生する燃焼熱により熱交換器で加熱するように構成される。
【0044】
補足すると、各給湯器2の熱源機3の第1加熱部11及び第2加熱部13のそれぞれは、燃焼式の加熱装置に限られない。例えば、第1加熱部11及び第2加熱部13のそれぞれは、燃焼式の加熱装置の代わりに、又は燃焼式の加熱装置に加えて、電熱式の加熱装置や、ヒートポンプ方式の加熱装置を備えていてもよい。
【0045】
復路側水路14a及び往路側水路14bの一方、例えば復路側水路14aには、浴槽水の温度を検出する温度センサ20と、循環水路14での水流の有無を検知する水流スイッチ21と、浴槽BT内の浴槽水の水位を検出するための水位センサ22とが組付けられている。なお、温度センサ20、水流スイッチ21、水位センサ22のそれぞれは、往路側水路14bに備えられていてもよい。
【0046】
湯はり用水路15は、給湯路12から分岐され、循環水路14の復路側水路14a及び往路側水路14bの一方、例えば復路側水路14aに合流されている。そして、湯はり用水路15には、該湯はり用水路15を開閉可能な湯はり用電磁弁23と、給湯路12から湯はり用水路15を通って浴槽BTに供給される給湯用水の流量(浴槽BTへの注湯流量)を検出する流量センサ24とが組付けられている。
【0047】
給湯器2A,2Bのそれぞれは、さらに、それぞれの熱源機3の作動制御等を行う機能を有する制御装置31A,31Bを各々備えている。制御装置31A,31Bは、給湯器2A,2Bのそれぞれの熱源機3に各々搭載されている。また、給湯システム1は、その運転操作のためのリモコンとして、台所等に設置される台所リモコン32Aと、浴槽BTAが設置された浴室に配置される浴室リモコン33Aと、浴槽BTBが設置された浴室に配置される浴室リモコン33Bとを備える。
【0048】
台所リモコン32Aは、詳細な図示は省略するが、給湯栓CLへの給湯を行う給湯運転のON/OFF操作用のスイッチ(入/切スイッチ)、給湯温度の目標値を設定するための操作スイッチ、浴槽BTA,BTAのそれぞれの湯はりを行う湯はり運転の実行を指示するための操作スイッチ等を含む操作部と、給湯器2A,2Bの運転に関する様々な情報を表示する表示部と、警報音や音声情報を出力する発音部とを備える。
【0049】
また、給湯器2A,2Bのそれぞれの浴室リモコン33A,33Bは、詳細な図示は省略するが、それぞれに対応する浴槽BTA,BTB内の浴槽水の温度の目標値や、該浴槽水の水位の目標値、給湯温度の目標値を設定するための操作スイッチ、浴槽BTA,BTBのそれぞれに対応する湯はり運転の実行を指示するための操作スイッチ等を含む操作部と、湯はり等に関する様々な情報を表示する表示部と、警報音や音声情報を出力する発音部とを備える。
【0050】
制御装置31A,31Bは、それぞれ、マイコン等のプロセッサ、メモリ、インターフェース回路等を含む1つ以上の電子回路ユニットにより構成され、相互に通信を行うことが可能である。また、給湯器2Aの制御装置31Aは、台所リモコン32A及び浴室リモコン33Aと通信を行うことが可能であり、給湯器2Bの制御装置31Bは、浴室リモコン33Bと通信を行うことが可能である。なお、台所リモコン32Aは、給湯器2Aの制御装置31Aの代わりに、又は該制御装置31Aに加えて、給湯器2Bの制御装置31Bと通信を行い得るようになっていてもよい。
【0051】
そして、制御装置31A,31Bのそれぞれは、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)により実現される機能によって、それぞれに対応する給湯器2A,2Bの熱源機3の作動制御を行う機能を有する。
【0052】
次に、本実施形態の風呂システム1の作動を説明する。まず、給湯栓CLへの給湯を行う給湯運転と、浴槽BTA又はBTBへの給湯(湯はり)を行う湯はり運転との基本的な作動を説明しておく。台所リモコン32A又は、浴室リモコン33Aもしくは33Bで給湯運転のON操作がなされた状態(給湯システム1の待機状態)において、主給湯器2Aの給水量調整弁16は制御装置31Aにより開弁制御されており、補助給湯器2Bの給水量調整弁16は制御装置31Bにより閉弁制御されている。
【0053】
この待機状態において、給湯栓CLを開栓すると、上流側給水路4から主給湯器2Aの給水路10、第1加熱部11及び給湯路12と、下流側給湯路5とを介して給湯栓CLへの通水が開始される。このとき、制御装置31Aは、主給湯器2Aの流量センサ17の出力に基づいて所定流量以上の通水を検知すると、第1加熱部11の作動(バーナの燃焼運転)を開始させる。
【0054】
さらに、制御装置31Aは、主給湯器2Aの温度センサ18により検出される給湯温度を、その目標値である目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致させるように第1加熱部11の加熱量(バーナの燃焼量)を制御する。この場合、目標給湯温度として、基本的には、給湯栓CLへの給湯に関して、台所リモコン32A又は浴室リモコン33A,33Bでユーザにより最新に設定された温度である給湯設定温度が用いられる。これにより、給湯栓CLへの給湯設定温度での給湯が行われる。
【0055】
また、制御装置31Aは、給湯栓CLへの通水流量が大流量である場合等、主給湯器2Aの第1加熱部11の加熱量だけでは給湯用水の加熱不足となる場合には、補助給湯器2Bの制御装置31Bに補助的な給湯運転の実行を指令する。このとき、制御装置31Bは、補助給湯器2Bの給水量調整弁16を開弁制御すると共に、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動(バーナの燃焼運転)を開始させる。
【0056】
さらに制御装置31Bは、補助給湯器2Bの温度センサ18により検出される給湯温度を目標給湯温度としての給湯設定温度に一致もしくはほぼ一致させるように補助給湯器2Bの第1加熱部11の加熱量(バーナの燃焼量)を制御する。
【0057】
これにより、給湯栓CLに供給される給湯用水が主給湯器2Aだけでなく、補助給湯器2Bでも加熱される。ひいては、給湯栓CLに供給される給湯用水を給湯設定温度まで昇温させることができるようになる。なお、主給湯器2Aだけで給湯用水を給湯設定温度まで昇温できる状況になると、補助給湯器2Bの制御装置31Bは、主給湯器2Aの制御装置31Aからの指令によって、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。これにより、補助給湯器2Bによる補助的な給湯運転が停止される。
【0058】
また、給湯栓CLを閉栓すると、主給湯器2Aでの給湯用水の通水が遮断される。このとき、主給湯器2Aの制御装置31Aは、主給湯器2Aの流量センサ17の出力に基づいて、通水流量が所定流量以下に低下したことを検知すると、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を停止させる。また、補助給湯器2Bの補助的な給湯運転を実行している場合には、制御装置31Aは、補助給湯器2Bの制御装置31Bに補助的な給湯運転の停止を指令する。これに応じて、制御装置31Bは、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。
本実施形態の給湯システム1では、給湯栓CLへの給湯を行う給湯運転は、基本的には以上の如く実行される。
【0059】
次に、浴槽BTA,BTBの一方、例えば浴槽BTBに湯はりを行う湯はり運転について説明する。給湯システム1の待機状態において、台所リモコン32A又は浴室リモコン33Bで、浴槽BTBに関する湯はり運転の実行を指令する操作を行うと、補助給湯器2Bの制御装置31Bは、補助給湯器2Bの給水量調整弁16を開弁制御すると共に、湯はり用電磁弁23を開弁制御し、さらに、第1加熱部11の作動を開始させる。これにより、浴槽BTBへの給湯(湯はり)が開始される。
【0060】
そして、制御装置31Bは、補助給湯器2Bの温度センサ18により検出される給湯温度を、浴槽BTBへの湯はり用の目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致させるように第1加熱部11の加熱量を制御する。この場合、湯はり用の目標給湯温度として、基本的には、浴室リモコン33B(又は台所リモコン32A)でユーザにより最新に設定された温度である湯はり設定温度が用いられる。これにより、浴槽BTBへの湯はり設定温度での給湯(湯はり)が行われる。
【0061】
制御装置31Bは、浴槽BTB内の浴槽水の水位を、浴室リモコン33B(又は台所リモコン32A)で最新に設定された目標値である設定水位まで上昇させるのに必要な湯量を演算する。そして、制御装置31Bは、湯はり用水路15の流量センサ24の出力に基づき検出される浴槽BTBへの給湯量(流量の積算値)が算出した必要湯量に達するまで、浴槽BTBへの給湯を行い、該必要湯量に達すると、第1加熱部11の作動を停止させると共に、湯はり用電磁弁23及び給水量調整弁16を閉弁制御する。これにより、浴槽BTBへの設定水位までの湯はりが完了する。
【0062】
その後、制御装置31Bは、補助給湯器2Bの温度センサ20で検出される浴槽水の温度が湯はり用の目標給湯温度としての湯はり設定温度に達しているか否かを判定する。そして、制御装置31Bは、湯はり運転の開始時に浴槽BTB内に残存していた浴槽水等に起因して、当該判定結果が否定的になった場合には、補助給湯器2Bの第2加熱部13とポンプ19とを作動させることで、浴槽水の温度の検出値が湯はり設定温度に達するまで、浴槽BTBの浴槽水を循環水路14を介して循環させつつ加熱する(浴槽水の追い焚きを行う)。
【0063】
本実施形態の給湯システム1では、浴槽BTBへの湯はりを行う湯はり運転は、基本的には、上記の如く実行される。浴槽BTAの湯はりは、主給湯器2Aにより、上記と同様に行われる。ただし、この場合、主給湯器2Aの給水量調整弁16は、開弁状態に維持される。
【0064】
ところで、補助給湯器2Bでの湯はり運転(詳しくは、追い焚きの工程を除く湯はり運転)の実行時には、補助給湯器2Bの給水量調整弁16が開弁制御されているため、給湯栓CLへの通水が開始されると(給湯栓CLが開栓されると)、補助給湯器2Bの第1加熱部11で加熱された給湯用水の一部が、主給湯器2Aの第1加熱部11で加熱される給湯用水と下流側給湯路5で混合して、給湯栓CLに供給される。
【0065】
この場合、補助給湯器2Bでの湯はり運転と、主給湯器2Aでの給湯運転とを上記の通り行うと、補助給湯器2Bから下流側給湯路5に出湯する給湯用水は、浴槽BTBの湯はり設定温度に一致もしくはほぼ一致する温度に温調制御されたものとなる。また、主給湯器2Aから下流側給湯路5に出湯する給湯用水は、給湯設定温度に一致もしくはほぼ一致する温度に温調制御されたものとなる。従って、給湯栓CLから出湯する給湯用水の温度は、浴槽BTBの湯はり設定温度及び給湯設定温度の両方の設定温度と異なる温度(両方の設定温度の中間の温度)となる。
【0066】
このため、特に、浴槽BTBの湯はり設定温度及び給湯設定温度との温度差が比較的大きいような場合には、給湯栓CLから出湯する給湯用水の温度が、ユーザが設定した湯はり設定温度及び給湯設定温度のいずれの温度とも異なることから、該ユーザが違和感を覚えたり、あるいは、給湯システム1の故障と勘違いするおそれがある。
【0067】
そこで、本実施形態では、補助給湯器2Bでの湯はり運転の実行中に、以下に説明する処理を実行する。なお、以降の説明では、浴槽BTAの湯はりに係る湯はり設定温度を主側湯はり設定温度、浴槽BTBの湯はりに係る湯はり設定温度を補助側湯はり設定温度ということがある。また、以降の説明では、「湯はり運転」は、特にことわらない限り、浴槽BTA又はBTBへの湯はりの工程での運転を意味し、その後に実行され得る追い焚きの工程での運転は含まれないものとする。
【0068】
まず、主給湯器2A及び補助給湯器2Bのうちの補助給湯器2Bでのみ、湯はり運転が実行され、主給湯器2Aでは、湯はり運転が継続的に停止されている状況での作動を図2及び図3を参照して説明する。この場合、主給湯器2Aでは、制御装置31Aにより、図2のフローチャートで示す処理が実行される。
【0069】
STEP1において、制御装置31Aは、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを判断する処理を、その判断結果が肯定的になるまで実行する。この場合、制御装置31Aは、主給湯器2Aの流量センサ17で検出される通水流量が所定の流量以上になったか否かによって、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを判断する。
【0070】
STEP1の判断結果が肯定的になった場合(補助給湯器2Bでの湯はり運転の実行中に給湯栓CLへの通水が開始された場合)には、制御装置31Aは、STEP2において、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を開始させることで、給湯栓CLへの給湯を行う主給湯器2Aの給湯運転を開始させる。この給湯運転では、主給湯器2Aでの目標給湯温度である主側目標給湯温度として、補助側湯はり設定温度と給湯設定温度とのうちの低い方の温度(=min(補助側湯はり設定温度,給湯設定温度))が設定され、この主側目標給湯温度を実現するように(主給湯器2Aの温度センサ18で検出される給湯温度を主側目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致させるように)、主給湯器2Aの第1加熱部11の加熱量が制御される。
【0071】
次いで、STEP3において、制御装置31Aは、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを判断する処理をその判断結果が肯定的になるまで実行する。この場合、制御装置31Aは、主給湯器2Aの流量センサ17で検出される通水流量が所定の流量以下になったか否かによって、給湯栓CLへの通水が停止されたか否かを判断する。
【0072】
STEP3の判断結果が肯定的になった場合(給湯栓CLへの通水が停止された場合)には、制御装置31Aは、STEP4において、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を停止させることで、主給湯器2Aの給湯運転を停止させる。
【0073】
上記のように主給湯器2Aでの処理が実行されるのと並行して、補助給湯器2Bでは、制御装置31Bにより、図3のフローチャートで示す処理が実行される。STEP11において、制御装置31Bは、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを判断する。この場合、制御装置31Bは、補助給湯器2Bの流量センサ17で検出される通水流量から、流量センサ24で検出される湯はり流量を差し引いた値が所定の流量以上になったか否かによって、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを判断する。あるいは、制御装置31Bは、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを示す情報を主給湯器2Aの制御装置31Aから取得する。
【0074】
STEP11の判断結果が否定的である場合には、制御装置31Bは、STEP17において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。そして、制御装置31Bは、STEP17の判断結果が否定的である場合には、STEP11からの処理を繰り返し、肯定的である場合には、STEP15において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。
【0075】
一方、STEP11の判断結果が肯定的になった場合(補助給湯器2Bでの湯はり運転の実行中に給湯栓CLへの通水が開始された場合)には、制御装置31Bは、STEP12において、補助給湯器2Bでの目標給湯温度である補助側目標給湯温度として、補助側湯はり設定温度と給湯設定温度とのうちの低い方の温度(=min(補助側湯はり設定温度,給湯設定温度))、すなわち、前記STEP2で設定される主側目標給湯温度と同じ温度を設定し、この補助側目標給湯温度を実現するように(補助給湯器2Bの温度センサ18で検出される給湯温度を補助側目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致させるように)、補助給湯器2Bの第1加熱部11の加熱量を制御する。
【0076】
次いで、STEP13において、制御装置31Bは、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを判断する。この場合、制御装置31Bは、補助給湯器2Bの流量センサ17で検出される通水流量から、流量センサ24で検出される湯はり流量を差し引いた値が所定の流量以下になったか否かによって、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを判断する。あるいは、制御装置31Bは、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを示す情報を主給湯器2Aの制御装置31Aから取得する。
【0077】
STEP13の判断結果が否定的である場合(給湯栓CLへの通水が継続している場合)には、制御装置31Bは、STEP18において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断し、この判断結果が否定的である場合には、STEP13からの処理を繰り返す。
【0078】
また、STEP18の判断結果が肯定的である場合には、制御装置31Bは、STEP15において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。なお、STEP18の判断結果が肯定的である場合において、主給湯器2Aの制御装置31Aから補助的な給湯運転の要求が有る場合には、給水量調整弁16を開弁状態に維持して、第1加熱部11の作動を行ってもよい。この場合は、第1加熱部11の加熱量の制御のための補助側目標給湯温度は、現状の設定値(STEP12で設定された温度)に維持される。
【0079】
STEP13の判断結果が肯定的になった場合(給湯栓CLへの通水が停止した場合)には、制御装置31Bは、STEP14において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断し、この判断結果が肯定的である場合には、STEP15において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。
【0080】
また、STEP14の判断結果が否定的である場合(給湯栓CLへの通水が停止した状態で、補助給湯器2Bでの湯はり運転が継続している場合)には、制御装置31Bは、STEP16において、補助側目標給湯温度として、補助側湯はり設定温度を設定し、この補助側目標給湯温度を実現するように、補助給湯器2Bの第1加熱部11の加熱量を制御する。そして、制御装置31Bは、STEP11からの処理を繰り返す。
【0081】
本実施形態では、以上の如く主給湯器2A及び補助給湯器2Bの作動制御が行われることで、補助給湯器2Bだけで湯はり運転が実行されている状態で、給湯栓CLへの通水が開始された場合には、ユーザが設定した温度(補助側湯はり設定温度及び給湯設定温度のいずれか一方の温度)で給湯栓CLへの給湯が行われるので、ユーザが違和感を覚えたりするのを防止できる。また、給湯栓CLへの給湯の継続中は、主側目標給湯温度と補助側目標給湯温度との両方が同じ温度で一定に保たれるので、給湯栓CLに供給される給湯用水の温度の変動を防止できる。
【0082】
また、浴槽BTBへの湯はりは、補助側湯はり設定温度、あるいは、それよりも低い給湯設定温度で行われるので、湯はりが完了したときに、浴槽水の温度が補助側湯はり設定温度よりも高い温度になってしまうのを防止できる。
【0083】
この場合、補助側湯はり設定温度>給湯設定温度である場合に、補助側湯はり設定温度よりも低い温度で浴槽BTBへの湯はりが行われるものの、該湯はりの終了後に、追い焚きが行われることによって、浴槽BTB内の浴槽水の温度を補助側湯はり設定温度まで昇温させることができる。
【0084】
また、補助給湯器2Bでの湯はり運転の終了前に、給湯栓CLへの通水が停止された場合には、該通水の停止状態で、補助側湯はり設定温度で浴槽BTBへの湯はりが行われるので、湯はりの完了時の浴槽水の温度を極力、補助側湯はり設定温度に近い温度にすることができる。このため、湯はりの完了後に追い焚きが行われる場合であっても、その追い焚きにおけるエネルギー消費を抑制することができる。
【0085】
ここで、浴槽BTB(又はBTA)への給湯と、浴槽水の追い焚きとを比較した場合、一般に、追い焚きよりも給湯の方がエネルギー効率が高い。このため、上記のように追い焚きにおけるエネルギー消費を抑制することで、給湯システム1のエネルギー効率を高めることができる。
【0086】
また、給湯栓CLへの給湯温度は、給湯設定温度≦補助側湯はり設定温度である場合には、ユーザにより設定された給湯設定温度になるので、利便性を高めることができる。
【0087】
次に、主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方で湯はり運転が実行されている状況での作動を図4及び図5を参照して説明する。この場合、主給湯器2Aでは、制御装置31Aにより、図4のフローチャートで示す処理が実行される。
【0088】
STEP21において、制御装置31Aは、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを判断する。この場合、制御装置31Aは、主給湯器2Aの流量センサ17で検出される通水流量から、流量センサ24で検出される湯はり流量を差し引いた値が所定の流量以上になったか否かによって、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを判断する。
【0089】
STEP21の判断結果が否定的である場合には、制御装置31Aは、STEP26において、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。そして、制御装置31Aは、STEP26の判断結果が否定的である場合には、STEP21からの処理を繰り返し、肯定的である場合には、STEP25において、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を停止させる。なお、STEP21,26のそれぞれの判断結果がいずれも否定的となる状況で、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了した場合には、制御装置31Aは、後述のSTEP29からの処理を実行する。
【0090】
STEP21の判断結果が肯定的になった場合(主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方での湯はり運転の実行中に給湯栓CLへの通水が開始された場合)には、制御装置31Aは、STEP22において、主給湯器2Aの第1加熱部の作動を開始させることで、給湯栓CLへの給湯を行う主給湯器2Aの給湯運転を開始させる。この給湯運転では、主側目標給湯温度として、主側湯はり設定温度と補助側湯はり設定温度と給湯設定温度とのうちの最も低い温度(=min(主側湯はり設定温度,補助側湯はり設定温度,給湯設定温度))が設定され、この主側目標給湯温度を実現するように、主給湯器2Aの第1加熱部11の加熱量が制御される。
【0091】
次いで、STEP23において、制御装置31Aは、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを判断する処理をその判断結果が肯定的になるまで実行する。この場合、制御装置31Aは、主給湯器2Aの流量センサ17で検出される通水流量から、流量センサ24で検出される湯はり流量を差し引いた値が所定の流量以下になったか否かによって、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを判断する。
【0092】
STEP23の判断結果が肯定的になった場合(給湯栓CLへの通水が停止された場合)には、制御装置31Aは、STEP24において、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。そして、STEP24の判断結果が肯定的である場合(給湯栓CLへの通水の継続中に湯はり運転が終了した場合を含む)には、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を停止させる。
【0093】
また、STEP24の判断結果が否定的である場合(給湯栓CLへの通水が停止した状態で、主給湯器2Aでの湯はり運転が継続している場合)には、制御装置31Aは、STEP27において、主側目標給湯温度として、主側湯はり設定温度を設定し、この主側目標給湯温度を実現するように、主給湯器2Aの第1加熱部11の加熱量を制御する。なお、STEP27の処理は、STEP24の判断結果が否定的になった直後に実行されずともよい。例えば、浴槽BTAへの湯はりが中断期間を挟んで間欠的に行われる場合には、中断期間に続く湯はりの開始時からSTEP27の処理を実行してもよい。
【0094】
制御装置31Aは、次に、STEP28において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。このSTEP28の判断結果が否定的である場合には、主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方で湯はり運転が継続しているので、制御装置31Aは、STEP21からの処理を繰り返す。
【0095】
また、STEP28の判断結果が肯定的である場合には、制御装置31Aは、STEP29において、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを前記STEP21と同様に判断し、その判断結果が否定的である場合には、STEP30において、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了したか否を判断する。そして、制御装置31Aは、STEP30の判断結果が否定的である場合には、STEP29からの処理を繰り返し、肯定的である場合には、STEP25において、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を停止させる。
【0096】
また、STEP29の判断結果が肯定的になった場合(主給湯器2Aだけで湯はり運転が実行されている状態で、給湯栓CLへの通水が再び開始された場合)には、制御装置31Aは、STEP31において、主側目標給湯温度として、主側湯はり設定温度と給湯設定温度とのうちの低い方の温度(=min(主側湯はり設定温度,給湯設定温度))を設定し、この主側目標給湯温度を実現するように、主給湯器2Aの第1加熱部11の加熱量を制御する。そして、制御装置31Aは、前記したSTEP23からの処理を実行する。
【0097】
上記のように主給湯器2Aでの処理が実行されるのと並行して、補助給湯器2Bでは、制御装置31Bにより、図5のフローチャートで示す処理が実行される。STEP41において、制御装置31Bは、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを判断する。この判断処理は、前記STEP11と同様に行われる。STEP41の判断結果が否定的である場合には、制御装置31Bは、STEP46において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。
【0098】
そして、制御装置31Bは、STEP46の判断結果が否定的である場合には、STEP41からの処理を繰り返し、肯定的である場合には、STEP45において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。なお、STEP41,46の判断結果がいずれも否定的となる状態で、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了した場合には、制御装置31Bは、後述のSTEP50からの処理を実行する。
【0099】
STEP41の判断結果が肯定的になった場合(主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方での湯はり運転の実行中に給湯栓CLへの通水が開始された場合)には、制御装置31Bは、STEP42において、補助側目標給湯温度として、主側湯はり設定温度と補助側湯はり設定温度と給湯設定温度とのうちの最も低い温度(=min(主側湯はり設定温度,補助側湯はり設定温度,給湯設定温度))、すなわち、前記STEP22で設定される主側目標給湯温度と同じ温度を設定し、この補助側目標給湯温度を実現するように、補助給湯器2Bの第1加熱部11の加熱量を制御する。
【0100】
次いで、STEP43において、制御装置31Bは、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを前記STEP13と同様に判断する。このSTEP43の判断結果が否定的である場合(給湯栓CLへの通水が継続している場合)には、制御装置31Bは、STEP47において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断し、この判断結果が否定的である場合には、STEP43からの処理を繰り返す。
【0101】
また、STEP47の判断結果が肯定的である場合には、制御装置31Bは、STEP45において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。なお、STEP47の判断結果が肯定的である場合において、主給湯器2Aの制御装置31Aから補助的な給湯運転の要求が有る場合には、給水量調整弁16を開弁状態に維持して、第1加熱部11の作動を行ってもよい。この場合は、第1加熱部11の加熱量の制御のための補助側目標給湯温度は、現状の設定値(STEP42で設定された温度)に維持される。
【0102】
STEP43の判断結果が肯定的になった場合(給湯栓CLへの通水が停止した場合)には、制御装置31Bは、STEP44において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断し、この判断結果が肯定的である場合には、STEP45において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。
【0103】
また、STEP44の判断結果が否定的である場合(給湯栓CLへの通水が停止した状態で、補助給湯器2Bでの湯はり運転が継続している場合)には、制御装置31Bは、STEP48において、補助側目標給湯温度として、補助側湯はり設定温度を設定し、この補助側目標給湯温度を実現するように、補助給湯器2Bの第1加熱部11の加熱量を制御する。なお、STEP48の処理は、STEP44の判断結果が否定的になった直後に実行されずともよい。例えば、浴槽BTBへの湯はりが中断期間を挟んで間欠的に行われる場合には、中断期間に続く湯はりの開始時からSTEP48の処理を実行してもよい。
【0104】
制御装置31Bは、次にSTEP49において、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。このSTEP49の判断結果が否定的である場合には、主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方で湯はり運転が継続しているので、制御装置31Bは、STEP41からの処理を繰り返す。
【0105】
また、STEP49の判断結果が肯定的である場合には、制御装置31Bは、STEP50において、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かをSTEP41と同様に判断し、その判断結果が否定的である場合には、STEP52において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否を判断する。そして、制御装置31Bは、STEP52の判断結果が否定的である場合には、STEP50からの処理を繰り返し、肯定的である場合には、STEP45において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。
【0106】
また、STEP50の判断結果が肯定的になった場合(補助給湯器2Bでの湯はり運転の実行中に給湯栓CLへの通水が再び開始された場合)には、制御装置31Bは、STEP51において、補助側目標給湯温度として、補助側湯はり設定温度と給湯設定温度とのうちの低い方の温度(=min(補助側湯はり設定温度,給湯設定温度))を設定し、この補助側目標給湯温度を実現するように、補助給湯器2Bの第1加熱部11の加熱量を制御する。そして、制御装置31Bは、前記したSTEP43からの処理を実行する。
【0107】
本実施形態では、以上の如く主給湯器2A及び補助給湯器2Bの作動制御が行われることで、主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方で湯はり運転が実行されている状態で、給湯栓CLへの通水が開始された場合には、ユーザが設定した温度(主側湯はり設定温度、補助側湯はり設定温度、及び給湯設定温度のいずれかの温度)で給湯栓CLへの給湯が行われるので、ユーザが違和感を覚えたりするのを防止できる。また、給湯栓CLへの給湯の継続中は、主側目標給湯温度と補助側目標給湯温度との両方が同じ温度で一定に保たれるので、給湯栓CLに供給される給湯用水の温度の変動を防止できる。
【0108】
また、浴槽BTAへの湯はりは、主側湯はり設定温度、あるいは、それよりも低い補助側湯はり設定温度もしくは給湯設定温度で行われるので、浴槽BTAの湯はりが完了したときに、浴槽水の温度が主側湯はり設定温度よりも高い温度になってしまうのを防止できる。同様に、浴槽BTBへの湯はりは、補助側湯はり設定温度、あるいは、それよりも低い主側湯はり設定温度もしくは給湯設定温度で行われるので、浴槽BTBの湯はりが完了したときに、浴槽水の温度が補助側湯はり設定温度よりも高い温度になってしまうのを防止できる。
【0109】
この場合、浴槽BTAへの湯はりでは、主側湯はり設定温度が補助側湯はり設定温度又は給湯設定温度よりも高い場合に、主側湯はり設定温度よりも低い温度で浴槽BTAへの湯はりが行われるものの、該湯はりの終了後に、追い焚きが行われることによって、浴槽BTA内の浴槽水の温度を主側湯はり設定温度まで昇温させることができる。同様に、槽BTBへの湯はりでは、補助側湯はり設定温度が主側湯はり設定温度又は給湯設定温度よりも高い場合に、補助側湯はり設定温度よりも低い温度で浴槽BTBへの湯はりが行われるものの、該湯はりの終了後に、追い焚きが行われることによって、浴槽BTB内の浴槽水の温度を補助側湯はり設定温度まで昇温させることができる。
【0110】
また、主給湯器2Aでの湯はり運転の終了前に、給湯栓CLへの通水が停止されると共に、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了した場合には、該通水の停止状態で、主側湯はり設定温度で浴槽BTAへの湯はりが行われるので、湯はりの完了時の浴槽水の温度を極力、主側湯はり設定温度に近い温度にすることができる。このため、浴槽BTAへの湯はりの完了後に追い焚きが行われる場合であっても、その追い焚きにおけるエネルギー消費を抑制することができる。
【0111】
同様に、補助給湯器2Bでの湯はり運転の終了前に、給湯栓CLへの通水が停止されると共に、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了した場合には、該通水の停止状態で、補助側湯はり設定温度で浴槽BTBへの湯はりが行われるので、湯はりの完了時の浴槽水の温度を極力、補助側湯はり設定温度に近い温度にすることができる。このため、浴槽BTBへの湯はりの完了後に追い焚きが行われる場合であっても、その追い焚きにおけるエネルギー消費を抑制することができる。
【0112】
従って、給湯よりも一般にエネルギー効率が低い追い焚きにおけるエネルギー消費を抑制することができるので、給湯システム1のエネルギー効率を高めることができる。
【0113】
また、給湯栓CLへの給湯温度は、給湯設定温度≦主側湯はり設定温度、且つ、給湯設定温度≦補助側湯はり設定温度である場合には、ユーザにより設定された給湯設定温度になるので、利便性を高めることができる。
[第2実施形態]
【0114】
次に、本発明の第2実施形態を以下に図6及び図7を参照して説明する。なお、本実施形態は、主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方での湯はり運転が実行されている場合の制御処理だけが第1実施形態と相違するものであるので、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0115】
主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方で湯はり運転が実行されている場合、主給湯器2Aでは、制御装置31Aにより、図6のフローチャートで示す処理が実行される。STEP61において、制御装置31Aは、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを判断する。この判断処理は、前記STEP21と同様に行われる。STEP61の判断結果が否定的である場合には、制御装置31Aは、STEP72において、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。そして、制御装置31Aは、STEP72の判断結果が否定的である場合には、STEP61からの処理を繰り返し、肯定的である場合には、STEP76において、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を停止させる。なお、STEP61,72のそれぞれの判断結果がいずれも否定的となる状況で、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了した場合には、制御装置31Aは、後述のSTEP70からの処理を実行する。
【0116】
STEP61の判断結果が肯定的になった場合(主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方での湯はり運転の実行中に給湯栓CLへの通水が開始された場合)には、制御装置31Aは、STEP62において、主側湯はり設定温度が補助側湯はり設定温度よりも高温であるか否かを判断する。そして、STEP62の判断結果が否定的である場合(主側湯はり設定温度≦補助側湯はり設定温度である場合)には、制御装置31Aは、STEP73において、給湯栓CLへの給湯を行う主給湯器2Aの給湯運転を開始させる。この給湯運転では、主側目標給湯温度として、主側湯はり設定温度が設定され、この主側目標給湯温度を実現するように、主給湯器2Aの第1加熱部11の加熱量が制御される。
【0117】
次いで、STEP74において、制御装置31Aは、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを判断する処理をその判断結果が肯定的になるまで実行する。この判断処理は、前記STEP23と同様に行われる。
【0118】
STEP74の判断結果が肯定的になった場合(給湯栓CLへの通水が停止された場合)には、制御装置31Aは、STEP75において、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。そして、STEP75の判断結果が肯定的である場合には、制御装置31Aは、STEP76において、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を停止させる。
【0119】
また、STEP75の判断結果が否定的である場合(給湯栓CLへの通水が停止した状態で、主給湯器2Aでの湯はり運転が継続している場合)には、制御装置31Aは、主側目標給湯温度を現状の設定値(=主側湯はり設定温度)に維持したまま、STEP69において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。このSTEP69の判断結果が否定的である場合には、主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方で湯はり運転が実行されているので、制御装置31Aは、STEP61からの処理を繰り返す。
【0120】
また、STEP69の判断結果が肯定的である場合には、制御装置31Aは、STEP70において、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かをSTEP61と同様に判断し、その判断結果が否定的である場合には、STEP71において、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了したか否を判断する。そして、制御装置31Aは、STEP71の判断結果が否定的である場合には、STEP70からの処理を繰り返し、肯定的である場合には、STEP76において、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を停止させる。
【0121】
また、STEP70の判断結果が肯定的である場合(主給湯器2Aだけで湯はり運転が実行されている状態で給湯栓CLへの通水が開始された場合)には、制御装置31Aは、前記したSTEP73からの処理を繰り返す。この場合、主側目標給湯温度は、現状の設定値(=主側湯はり設定温度)に維持されたまま、給湯運転が開始されることになる。
【0122】
一方、前記STEP62の判断結果が肯定的である場合(主側湯はり設定温度>補助側湯はり設定温度である場合)には、制御装置31Aは、STEP63において、主給湯器2Aでの湯はり運転を中断する。この場合、制御装置31Aは、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動(バーナの燃焼運転)を継続したまま、湯はり用電磁弁23を閉弁制御することで、湯はり運転を中断する。
【0123】
続いて、STEP64において、制御装置31Aは、給湯栓CLへの給湯を行う主給湯器2Aの給湯運転を開始させる。この給湯運転では、主側目標給湯温度として、補助側湯はり設定温度が設定され、この主側目標給湯温度を実現するように、主給湯器2Aの第1加熱部11の加熱量が制御される。
【0124】
次いで、STEP65において、制御装置31Aは、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを判断する処理をその判断結果が肯定的になるまで実行する。この判断処理は、前記STEP23と同様に行われる。
【0125】
STEP65の判断結果が肯定的になった場合(給湯栓CLへの通水が停止された場合)には、制御装置31Aは、STEP66において、主給湯器2Aの第1加熱部11の作動を停止させ、さらに、STEP67において、主給湯器2Aでの湯はり運転を再開させる。この場合、STEP67では、制御装置31Aは、主給湯器2Aの湯はり用電磁弁23を開弁制御すると共に、第1加熱部11の作動を再開させることで、湯はり運転を再開させる。なお、STEP66の処理を省略し、第1加熱部11の作動を継続したままで、湯はり用電磁弁23を開弁制御することで、湯はり運転を再開してもよい。
【0126】
さらに、制御装置31Aは、STEP68において、主側目標給湯温度として、主側湯はり設定温度を設定し、この主側目標給湯温度を実現するように、主給湯器2Aの第1加熱部11の加熱量を制御する。そして、制御装置31Aは、前記したSTEP69からの処理を実行する。
【0127】
上記のように主給湯器2Aでの処理が実行されるのと並行して、補助給湯器2Bでは、制御装置31Bにより、図7のフローチャートで示す処理が実行される。STEP81において、制御装置31Bは、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かを判断する。この判断処理は、前記STEP11と同様に行われる。STEP81の判断結果が否定的である場合には、制御装置31Bは、STEP92において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。
【0128】
そして、制御装置31Bは、STEP92の判断結果が否定的である場合には、STEP81からの処理を繰り返し、肯定的である場合には、STEP96において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。なお、STEP81,92のそれぞれの判断結果がいずれも否定的となる状態で、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了した場合には、制御装置31Bは、後述のSTEP90からの処理を実行する。
【0129】
STEP81の判断結果が肯定的になった場合(主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方での湯はり運転の実行中に給湯栓CLへの通水が開始された場合)には、制御装置31Bは、STEP82において、主側湯はり設定温度が補助側湯はり設定温度よりも低温であるか否かを判断する。そして、STEP82の判断結果が否定的である場合(主側湯はり設定温度≧補助側湯はり設定温度である場合)には、制御装置31Bは、STEP93において、補助側目標給湯温度として、補助側湯はり設定温度を設定し、この補助側目標給湯温度を実現するように、補助給湯器2Bの第1加熱部11の加熱量を制御する。
【0130】
次いで、STEP94において、制御装置31Bは、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを前記STEP13と同様に判断する。このSTEP94の判断結果が否定的である場合(給湯栓CLへの通水が継続している場合)には、制御装置31Bは、STEP97において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断し、この判断結果が否定的である場合には、STEP94からの処理を繰り返す。
【0131】
また、STEP97の判断結果が肯定的である場合には、制御装置31Bは、STEP96において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。なお、STEP97の判断結果が肯定的である場合において、主給湯器2Aの制御装置31Aから補助的な給湯運転の要求が有る場合には、給水量調整弁16を開弁状態に維持して、第1加熱部11の作動を行ってもよい。この場合は、第1加熱部11の加熱量の制御のための補助側目標給湯温度は、現状の設定値(STEP93で設定された温度)に維持される。
【0132】
STEP94の判断結果が肯定的になった場合(給湯栓CLへの通水が停止した場合)には、制御装置31Bは、STEP95において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否かを判断し、この判断結果が肯定的である場合には、STEP96において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。
【0133】
また、STEP95の判断結果が否定的である場合(給湯栓CLへの通水が停止した状態で、補助給湯器2Bでの湯はり運転が継続している場合)には、制御装置31Bは、補助側目標給湯温度を現状の設定値(=補助側湯はり設定温度)に維持したまま、STEP89において、主給湯器2Aでの湯はり運転が終了したか否かを判断する。このSTEP89の判断結果が否定的である場合には、主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方で湯はり運転が継続しているので、制御装置31Bは、STEP81からの処理を繰り返す。
【0134】
また、STEP89の判断結果が肯定的である場合には、制御装置31Bは、STEP90において、給湯栓CLへの通水が開始されたか否かをSTEP81と同様に判断し、その判断結果が否定的である場合には、STEP91において、補助給湯器2Bでの湯はり運転が終了したか否を判断する。そして、制御装置31Bは、STEP91の判断結果が否定的である場合には、STEP90からの処理を繰り返し、肯定的である場合には、STEP96において、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を停止させると共に、給水量調整弁16を閉弁制御する。
【0135】
また、STEP90の判断結果が肯定的になった場合(補助給湯器2Bだけで湯はり運転が実行されている状態で給湯栓CLへの通水が再び開始された場合)には、制御装置31Bは、補助側目標給湯温度を現状の設定値(=補助側湯はり設定温度)に維持したまま、前記したSTEP94からの処理を繰り返す。
【0136】
一方、前記STEP82の判断結果が肯定的である場合(主側湯はり設定温度<補助側湯はり設定温度である場合)には、制御装置31Bは、STEP83において、補助給湯器2Bでの湯はり運転を中断する。この場合、制御装置31Bは、補助給湯器2Bの第1加熱部11の作動を継続したまま、湯はり用電磁弁23を閉弁制御することで、湯はり運転を中断する。
【0137】
さらに、STEP84において、制御装置31Bは、補助給湯器2Bの給水量調整弁16を閉弁制御する。なお、STEP84において、主給湯器2Aの制御装置31Aから補助的な給湯運転の要求が有る場合には、給水量調整弁16を開弁状態に維持して、第1加熱部11の作動を行ってもよい。この場合は、補助側目標給湯温度として、前記STEP73で設定される主側目標給湯温度と同じ温度が設定され、その補助側目標給湯温度を実現するように、第1加熱部11の加熱量が制御される。
【0138】
次いで、STEP85において、制御装置31Bは、給湯栓CLへの通水が停止したか否かを判断する処理をその判断結果が肯定的になるまで実行する。この判断処理は、前記STEP94と同様に行われる。
【0139】
STEP85の判断結果が肯定的になった場合(給湯栓CLへの通水が停止された場合)には、制御装置31Bは、STEP86において、補助給湯器2Bの給水量調整弁16を開弁制御し、さらに、STEP87において、補助給湯器2Bでの湯はり運転を再開させる。この場合、STEP87では、制御装置31Bは、補助給湯器2Bの湯はり用電磁弁23を開弁制御すると共に、第1加熱部11の作動を再開させることで、湯はり運転を再開させる。
【0140】
さらに、制御装置31Bは、STEP88において、補助側目標給湯温度として、補助側湯はり設定温度を設定し、この補助側目標給湯温度を実現するように、補助給湯器2Bの第1加熱部11の加熱量を制御する。そして、制御装置31Bは、前記したSTEP89からの処理を実行する。
【0141】
本実施形態では、以上の如く主給湯器2A及び補助給湯器2Bの作動制御が行われることで、主給湯器2A及び補助給湯器2Bの両方で湯はり運転が実行されている状態で、給湯栓CLへの通水が開始された場合には、ユーザが設定した温度(主側湯はり設定温度、補助側湯はり設定温度、及び給湯設定温度のいずれかの温度)で給湯栓CLへの給湯が行われるので、ユーザが違和感を覚えたりするのを防止できる。また、給湯栓CLへの給湯の継続中は、主側目標給湯温度と補助側目標給湯温度との両方が同じ温度で一定に保たれるので、給湯栓CLに供給される給湯用水の温度の変動を防止できる。
【0142】
また、浴槽BTAへの湯はりは、給湯栓CLへの通水の開始に応じて中断された後に再開される場合と、中断されずに継続する場合とのいずれの場合でも、主側湯はり設定温度で行われるので、浴槽BTAの湯はりが完了したときに、浴槽水の温度が主側湯はり設定温度よりも高い温度になってしまうのを防止できる。加えて、浴槽BTAが主側目標給湯温度よりも低い温度で湯はりされるのを防止することができため、浴槽BTAの湯はり後に、追い焚きが行われる場合であっても、その追い焚きでのエネルギー消費を抑制できる。
【0143】
同様に、浴槽BTBへの湯はりは、給湯栓CLへの通水の開始に応じて中断された後に再開される場合と、中断されずに継続する場合とのいずれの場合でも、補助側湯はり設定温度で行われるので、浴槽BTBの湯はりが完了したときに、浴槽水の温度が補助側湯はり設定温度よりも高い温度になってしまうのを防止できる。加えて、浴槽BTBが補助側目標給湯温度よりも低い温度で湯はりされるのを防止することができため、浴槽BTBの湯はり後に、追い焚きが行われる場合であっても、その追い焚きでのエネルギー消費を抑制できる。
【0144】
従って、給湯よりも一般にエネルギー効率が低い追い焚きにおけるエネルギー消費を抑制することができるので、給湯システム1のエネルギー効率を高めることができる。
【0145】
[他の実施形態]
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に、他の実施形態をいくつか例示する。
【0146】
前記第1実施形態では、主給湯器2Aと補助給湯器2Bとにそれぞれ浴槽BTA,BTBを接続したが、本発明の給湯システムは、例えば、主給湯器2Aに浴槽BTAが接続されていなくてもよい。この場合、主給湯器2Aの第2加熱部13及び循環水路14は不要である。そして、この場合であっても、前記図2及び図3に示した処理を実行することで、第1実施形態で補助給湯器2Bだけ湯はり運転を実行した場合と同様の効果を奏することができる。
【0147】
また、前記第1実施形態では、STEP2及びSTEP12のそれぞれにおいて、主側目標給湯温度及び補助側目標給湯温度のそれぞれとして、補助側湯はり設定温度を設定してもよい。この場合、補助側湯はり設定温度>給湯設定温度である場合に、給湯栓CLへの給湯温度が給湯設定温度よりも高くなるものの、湯はり設定温度(補助側湯はり設定温度及び主側湯はり設定温度)の上限値は、一般にさほど高い温度ではないので、給湯栓CLへの給湯温度が過剰に高い温度になることはない。
【0148】
上記と同様の理由によって、前記第1実施形態におけるSTEP22及びSTEP42のそれぞれにおいて、主側目標給湯温度及び補助側目標給湯温度のそれぞれとして、主側湯はり設定温度と補助側湯はり温度とのうちの低い方の温度を設定してもよい。また、STEP31において、主側目標給湯温度として、主側湯はり設定温度を設定してもよく、STEP41において、補助側目標給湯温度として、補助側湯はり設定温度を設定してもよい。
【0149】
また、第1実施形態では、給湯栓CLへの通水の停止後に、主給湯器2Aでの湯はり運転が実行されている場合(STEP24の判断結果が否定的である場合)に、STEP27において、主側目標給湯温度として、主側湯はり設定温度を設定したが、STEP24の判断結果が否定的である場合に、STEP27の処理を省略し、主側目標給湯温度を現状の設定値(STEP22で設定された温度)に維持してもよい。この場合、主側目標給湯温度の現状の設定値が主側湯はり設定温度よりも低い温度である場合があるものの、浴槽BTAの湯はりの完了後の追い焚きによって、浴槽水の温度を主側湯はり設定温度まで昇温させることができる。
【0150】
上記と同様の理由によって、第1実施形態におけるSTEP44の判断結果が否定的である場合のSTEP48の処理を省略し、補助側目標給湯温度を現状の設定値に維持してもよい。なお、前記した如く、給湯システム1のエネルギー効率の観点からは、第1実施形態の如く、給湯栓CLへの通水の停止後に湯はり運転(主給湯器2A又は補助給湯器2Bでの湯はり運転)が継続している場合に、上記STEP27,48の処理を実行することが好ましい。
【0151】
また、以上説明した第1実施形態及び第2実施形態では、本発明における第1給湯対象部、第2給湯対象部、第3給湯対象部がそれぞれ、給湯栓CL、浴槽BTB、浴槽BTAである場合を例示したが、本発明における第1給湯対象部、第2給湯対象部、第3給湯対象部は、上記と異なるものであってもよい。例えば、第2給湯対象部又は第3給湯対象部は、給湯栓CLとは別の給湯栓、もしくは。食洗器等であってもよい。
【0152】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、本発明における制御装置に相当するものは、制御装置31A,31Bであるが、例えば、これらを統合した制御装置が給湯システム1に備えられていてもよい。また、例えば、制御装置31A,31Bの上位の制御装置をさらに備え、該上位の制御装置が、前記した制御装置31A.31Bの処理の一部を実行するようにしてもよい。
【0153】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、2つの給湯器2A,2Bだけを備える給湯システム1を例示したが、本発明は、3つ以上の給湯器を備える給湯システムにも適用できる。例えば、3つ以上の給湯器のうちの2つの給湯器の作動制御に関して、第1実施形態及び第2実施形態と同様の制御処理を採用できる。
【符号の説明】
【0154】
1…給湯システム、2A…主給湯器(第1給湯器)、2B…補助給湯器(第2給湯器)、10…給水路、11…第1加熱部(加熱部)、12…給湯路、16…給水量調整弁(給水開閉弁)、31A,31B…制御装置、CL…給湯栓(第1給湯対象部)、BTA…浴槽(第3給湯対象部)、BTB…浴槽(第2給湯対象部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7