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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117033
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20230816BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230816BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20230816BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20230816BHJP
   H02J 50/70 20160101ALN20230816BHJP
【FI】
H02J50/10
B60R16/02 620A
B60N2/90
H02J50/90
H02J50/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019496
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰行
(72)【発明者】
【氏名】石田 英敏
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE09
(57)【要約】
【課題】移動可能な部材に対して効率的に非接触給電を行うことが可能な小型の給電装置を提供する。
【解決手段】車両の床Fに対して相対的に移動可能なシートSに給電する給電装置10は、受電コイル24を備えてシートSと共に移動する受電部20と、受電コイル24に対向して配されて受電コイル24に非接触で電力を供給する送電コイル34と、送電コイル34から延びる送電延長部35とを備え、シートSおよび受電部20と共に移動する送電部30と、シートSおよび受電部20と共に移動する送電部30と、シートSの移動に連動して回転することで送電延長部35の巻き取りおよび送り出しを行う巻取部45を備える余長吸収部40と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体に対して相対的に移動可能な移動部材に給電する給電装置であって、
受電コイルを備えて前記移動部材と共に移動する受電部と、
前記受電コイルに対向して配されて前記受電コイルに非接触で電力を供給する送電コイルと、前記送電コイルから延びる送電延長部とを備え、前記移動部材および前記受電部と共に移動する送電部と、
前記移動部材の移動に連動して回転することで前記送電延長部の巻き取りおよび送り出しを行う巻取部を備える余長吸収部と、を備える、給電装置。
【請求項2】
前記移動部材が、前記車体に対して相対的に回転可能となっており、
前記受電コイルおよび前記送電コイルが、前記移動部材の回転軸の周りに配されている、請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記移動部材がシートである、請求項1または請求項2に記載の給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるスライド可能なシートに非接触給電する給電機構がある。この給電機構は、車体の底部に配置され、給電コイルを備える給電部と、スライドシートに設けられ、受電コイルを備える受電部とを有している。受電コイルは、スライドシート内の複数箇所に設けられ、電磁誘導により給電コイルから非接触で給電されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-134513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の給電装置では、スライドシートの移動に伴って受電コイルの給電コイルからの距離が離れてしまうと、給電部から受電部への給電に支障が生じることが懸念される。このような事態を避けるためには、給電コイルを、受電コイルの全移動範囲に対応する大きさに設定しなければならず、給電コイルの専有面積が大きくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される給電装置は、車両の車体に対して相対的に移動可能な移動部材に給電する給電装置であって、受電コイルを備えて前記移動部材と共に移動する受電部と、前記受電コイルに対向して配されて前記受電コイルに非接触で電力を供給する送電コイルと、前記送電コイルから延びる送電延長部とを備え、前記移動部材および前記受電部と共に移動する送電部と、前記移動部材の移動に連動して回転することで前記送電延長部の巻き取りおよび送り出しを行う巻取部を備える余長吸収部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本明細書によって開示される技術によれば、移動可能な部材に対して効率的に非接触給電を行うことが可能な小型の給電装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態の給電装置がシートおよびシートのスライド機構に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図2図2は、図1のA-A線断面図である。
図3図3は、実施形態の受電部の斜視図である。
図4図4は、実施形態の送電部および余長吸収部の斜視図である。
図5図5は、実施形態の送電部および余長吸収部の分解斜視図である。
図6図6は、実施形態の余長吸収部および送電延長部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態の概要]
(1)本明細書によって開示される給電装置は、車両の車体に対して相対的に移動可能な移動部材に給電する給電装置であって、受電コイルを備えて前記移動部材と共に移動する受電部と、前記受電コイルに対向して配されて前記受電コイルに非接触で電力を供給する送電コイルと、前記送電コイルから延びる送電延長部とを備え、前記移動部材および前記受電部と共に移動する送電部と、前記移動部材の移動に連動して回転することで前記送電延長部の巻き取りおよび送り出しを行う巻取部を備える余長吸収部と、を備える。
【0009】
上記の構成によれば、移動部材と共に受電部と送電部とが移動するため、受電コイルと送電コイルの相対的な位置関係が常に一定の範囲内に保たれる。これにより、給電を効率的に行うことができ、給電装置を小型化できる。また、送電部が移動することによって生じる送電延長部の余長部を収容する余長吸収部が、送電部の移動に伴って送電延長部を巻き取りおよび送り出しする巻取部を備えているため、余長吸収部を小型化でき、給電装置全体を小型化できる。
【0010】
(2)上記(1)の給電装置において、前記移動部材が、前記車体に対して相対的に回転可能となっており、前記受電コイルおよび前記送電コイルが、前記移動部材の回転軸の周りに配されていても構わない。
【0011】
このような構成によれば、移動部材が回転しても、受電コイルと送電コイルとの位置関係が一定の範囲内に保たれるため、移動部材を任意に回転させても、非接触給電を効率的に行うことができる。
【0012】
(3)上記(1)または(2)の給電装置において、前記移動部材がシートであっても構わない。上記の構成は、車両の床に対して移動可能なシートへの給電を行うための給電装置に好適である。
【0013】
[実施形態の詳細]
本明細書によって開示される技術の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0014】
[全体構成]
実施形態について、図1から図6を参照しつつ説明する。本実施形態の給電装置10は、自動車等の車両に搭載されたシートSに備えられる電装品に電力を供給する。以下では、図1のX軸方向を前後方向、Y軸方向を左右方向、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0015】
シートSは、図1および図2に示すように、車両の乗員室の床Fに対して、スライド機構50および回転機構60を介して取り付けられており、床Fに対して前後方向に移動可能、かつ回転可能となっている。シートSには、例えば、電動リクライニング装置、シートヒータ、乗員の着座の有無を検出するセンサ、シートベルトの装着の有無を検出するセンサなどの各種電装品が備えられている。
【0016】
[スライド機構50]
スライド機構50は、図1および図2に示すように、床Fに固定された2本の金属製のレール51と、このレール51に対してスライド可能に取り付けられたスライダ56とを備えている。
【0017】
2本のレール51は、互いに間隔を空けて平行に配置されている。各レール51は、角筒状であって、前後方向に直線状に延びており、下壁52と、下壁52と対向する上壁53と、下壁52と上壁53とを結する2つの側壁54とを有する。上壁53は、前後方向に延びるスリット55を有している。
【0018】
スライダ56は、2つのレール51の内部に、それぞれ前後方向に移動可能に収容された2つのレール挿通部57と、2つのレール挿通部57のそれぞれから上方に延びる2つの脚部58と、2つの脚部58の上端縁同士を接続する支持板部59とを備えている。2つの脚部58は、平板状をなし、2つのレール挿通部57から、それぞれスリット55を通って上方に延びている。2つの脚部58は互いに対向して配されている。支持板部59は、略円環板状をなしている。
【0019】
例えばスライドスイッチ等の操作手段のユーザの操作に応じて、スライダ56に接続されたモータ等の駆動機構が駆動されることによって、または、ユーザの手動により、シートSが前後方向に移動する。
【0020】
[回転機構60]
回転機構60は、金属製であって、図1および図2に示すように、支持板部59に固定されるベース台座61と、ベース台座61に回転可能に組み付けられたシート台座62とを有している。ベース台座61は、円環板状に形成されており、支持板部59にボルト締結等によって固定されている。
【0021】
シート台座62は、ベース台座61より一回り小さい円環板状のフランジ部63と、フランジ部63から上方に延びる円筒状のシート支持部64とを備えている。フランジ部63は、ベアリング等を介してベース台座61に取り付けられており、これにより、シート台座62は、ベース台座61およびスライダ56に対して回転可能に組み付けられている。シート支持部64は、シートSの下面に固定されている。シート台座62がベース台座61に対して回転することにより、シートSが床Fに対して、図1に示す回転軸Arを回転中心として回転するようになっている。また、回転機構60およびシートSは、スライダ56に取り付けられているので、スライダ56の前後方向への移動に伴って前後方向に移動するようになっている。
【0022】
例えば回転スイッチ等の操作手段のユーザの操作に応じてシートSを回転させるモータ等の駆動装置が駆動されることによって、または、ユーザの手動により、シートSが回転する。
【0023】
[給電装置10]
給電装置10は、図2に示すように、受電部20と、受電部20に電磁誘導方式によって非接触で電力を供給する送電部30と、送電部30に取り付けられる余長吸収部40と、を備えている。
【0024】
[受電部20]
受電部20は、図2および図3に示すように、第1コイル基板21と、第1コイル基板21に支持される受電コイル24と、を備えている。
【0025】
第1コイル基板21は、合成樹脂製であって、円板状をなしている。第1コイル基板21は、シートSの下方に配され、シートSの下面に合成樹脂製のボルトB1によって固定されている。
【0026】
受電コイル24は、電線が複数回巻回されて円環状をなしている。受電コイル24を構成する電線としては、例えば銅線がエナメル等の絶縁層で被覆されたものを用いることができる。受電コイル24は、第1コイル基板21の下面に、第1コイル基板21に対して同心に配されている。受電コイル24は、第1コイル基板21に対して、公知の方法で取り付けられていればよく、例えば超音波溶着や熱溶着によって溶着されていてもよく、粘着剤や接着剤によって接着されていてもよく、第1コイル基板21に取り付けられた保持部材によって保持されていても構わない。受電コイル24を構成する電線の一端部は、第1コイル基板21が有する第1挿通孔22に挿通されてシートSの内部に導かれ、整流回路を介して、シートSに備えられる電装品に接続されている。整流回路は、受電コイル24から供給された交流電流を直流電流に変換して、電装品へ供給する。
【0027】
受電部20は、シートSに固定されているから、スライダ56の移動と連動して、シートSとともに前後方向に移動するようになっている。また、第1コイル基板21と受電コイル24とは、共にシート台座62と同心に配されている。すなわち、第1コイル基板21と受電コイル24とは、共にシートSに連結されており、シートSの回転軸Arが中心位置を通るように配されているから、シートSと第1コイル基板21と受電コイル24とは、共通の回転軸Arを回転中心として連動して回転する。
【0028】
[送電部30]
送電部30は、図2図4および図5に示すように、第2コイル基板31と、第2コイル基板31に支持される送電コイル34と、送電コイル34から延びる送電延長部35と、を備えている。
【0029】
第2コイル基板31は、合成樹脂製であって、円板状をなしている。第2コイル基板31は、第1コイル基板21の下方に、第1コイル基板21と対向して配されている。第2コイル基板31は、第1コイル基板21に対して同心に配されている。
【0030】
送電コイル34は、電線が複数回巻回されて円環状をなしている。送電コイル34を構成する電線としては、例えば銅線がエナメル等の絶縁層で被覆されたものを用いることができる。送電コイル34は、第2コイル基板31の上面に、第2コイル基板31に対して同心に配されている。すなわち、送電コイル34は、受電コイル24と同心に、受電コイル24に対向して配置されている。送電コイル34は、第2コイル基板31に対して、公知の方法で取り付けられていればよく、例えば超音波溶着や熱溶着によって溶着されていてもよく、粘着剤や接着剤によって接着されていてもよく、第2コイル基板31に取り付けられた保持部材によって保持されていても構わない。送電コイル34を構成する電線の一端部は、第2コイル基板31が有する第2挿通孔32に挿通されて第2コイル基板31の下方に導かれ、第2コイル基板31の下方に配された高周波変換回路を介して送電延長部35に接続されている。送電延長部35は、端末部に組み付けられたコネクタCを介して、車両の床下に敷設されたフロアハーネスに接続されており、フロアハーネスは、車両に備えられる電源装置に接続されている。高周波変換回路は、電源装置からフロアハーネスおよび送電延長部35を介して供給された直流電流を交流電流に変換して、送電コイル34へ供給する。
【0031】
[余長吸収部40]
余長吸収部40は、合成樹脂製であって、第2コイル基板31の下方に配され、合成樹脂製の複数のボルトB2によって第2コイル基板31に取り付けられている。この余長吸収部40は、図2図4および図5に示すように、ケース41と、ケース41の内部に配された巻取部45と、を備えている。ケース41は、板状の底壁部42と、底壁部42の周縁から上方に延びる周壁部43とを備えている。周壁部43は、送電延長部35の端末部を挿通可能な第1導出口44を有している。巻取部45は、厚みのある円板状をなし、底壁部42の上面に、第2コイル基板31と同心に配されている。巻取部45は、送電延長部35を受け入れる収容溝46を有している。収容溝46は、巻取部45の外周面に第2導出口47を有し、この第2導出口47から巻取部45の中央部に向かって延びている。
【0032】
ケース41の内部には、送電延長部35の大部分が収容されている。図6に示すように、送電延長部35は、収容溝46を通って第2導出口47から導出され、巻取部45の周囲に巻き付けられている。送電延長部35の末端部は、第1導出口44からケース41の外部に導出されて、スライダ56に沿って前方(図1の右下方向)に延び、コネクタCを介して、車両の床下に敷設されたフロアハーネスに接続されている。
【0033】
[シートSの移動に伴う受電部20、送電部30、および余長吸収部40の動作]
上記したように、受電部20は、スライダ56の移動と連動して、シートSとともに前後方向に移動するようになっている。また、第1コイル基板21と受電コイル24とは、シートSの回転と共に、シートSと共通の回転軸Arを回転中心として回転する。
【0034】
一方、送電部30および余長吸収部40は、スライダ56に対して、図示しない連結機構を介して連結されており、スライダ56の移動と共に、シートSとともに前後方向に移動するようになっている。連結機構には、送電部30および余長吸収部40をスライダ56の移動と連動して回転するための、モータ等の駆動機構が備えられている。ここで、第2コイル基板31と送電コイル34とは、図2に示すように、第1コイル基板21と同心に配されているから、シートSの回転軸Arが中心位置を通るように配されることとなる。これにより、第2コイル基板31と送電コイル34とは、シートS、第1コイル基板21および受電コイル24と共通の回転軸Arを回転中心として回転する。
【0035】
このように、受電部20および送電部30は、スライダ56の移動に伴って、シートSとともに前後方向に移動する。また、受電コイル24と送電コイル34とは、共通の回転軸Arを回転中心として回転する。したがって、シートSが移動および回転しても、受電コイル24と送電コイル34の相対的な位置関係は常に一定に保たれる。これにより、シートSの移動に伴って、受電コイル24と送電コイル34の位置がずれ、給電に支障が生じる事態を避けることができる。また、一般に、電磁誘導方式において、送電コイルの磁束において受電コイルに鎖交しない磁束などは漏れ磁束となる。シートの移動に伴って受電コイルと送電コイルの位置がずれてしまうと、漏れ磁束が大きくなってしまうことが懸念される。しかし、本実施形態では、シートSの移動に伴って受電コイル24と送電コイル34の位置がずれてしまうことがないため、漏れ磁束の増大を回避でき、給電を効率的に行うことができる。
【0036】
また、送電部30がスライダ56の移動に伴って移動するので、送電部30の移動位置によって送電延長部35に余長が生じる。本実施形態では、余長吸収部40がスライダ56の移動に連動して回転し、送電延長部35の巻き取り、送り出しを行う。スライダ56が前方(図6の左方向)に移動すると、余長吸収部40が図6の矢印A1で示す方向に回転し、送電延長部35が巻取部45に巻き取られる。スライダ56が後方(図6の右方向)に移動すると、余長吸収部40が図6の矢印A2で示す方向に回転し、送電延長部35が巻取部45から解かれてケース41から送り出される。このように、余長吸収部40が送電延長部35の余長部をコンパクトにまとめられる構成になっているので、余長吸収部40を小型化でき、給電装置10全体を小型化できる。
【0037】
[作用効果]
以上のように本実施形態によれば、車両の床Fに対して相対的に移動可能なシートSに給電する給電装置10は、受電コイル24を備えてシートSと共に移動する受電部20と、受電コイル24に対向して配されて受電コイル24に非接触で電力を供給する送電コイル34と、送電コイル34から延びる送電延長部35とを備え、シートSおよび受電部20と共に移動する送電部30と、シートSの移動に連動して回転することで送電延長部35の巻き取りおよび送り出しを行う巻取部45を備える余長吸収部40と、を備える。
【0038】
上記の構成によれば、シートSの移動と共に受電部20と送電部30とが移動するため、受電コイル24と送電コイル34の相対的な位置関係が常に一定の範囲内に保たれる。これにより、給電を効率的に行うことができる。また、余長吸収部40が、送電部30の移動に伴って送電延長部35を巻き取りおよび送り出しする巻取部45を備えているため、余長吸収部40を小型化でき、給電装置10全体を小型化できる。
【0039】
また、シートSが、床Fに対して相対的に回転可能となっており、受電コイル24および送電コイル34が、シートSの回転軸Arの周りに配されている。
【0040】
このような構成によれば、シートSが回転しても、受電コイル24と送電コイル34との位置関係が一定の範囲内に保たれるため、シートSを任意に回転させても、非接触給電を効率的に行うことができる。
【0041】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、移動部材がシートSであったが、移動部材はシートに限定されず、例えばスライドドアであっても構わない。
(2)上記実施形態では、シートSの移動はレール51とスライダ56による直線的な移動であったが、移動部材の移動形態は直線的な移動に限定されず、例えば、曲線状またはクランク状の移動経路に沿った移動や、定められた範囲内での自由移動であっても構わない。
(3)上記実施形態では、受電コイル24と送電コイル34が共通の回転軸Arを回転中心として回転するようになっていたが、受電コイルと送電コイルの回転軸は完全に一致していなくてもよく、受電コイルと送電コイルとが共に移動部材の回転軸の回りに配されていればよい。このような構成によれば、移動部材が回転しても、受電コイルと送電コイルとの位置関係が一定の範囲内に保たれる。
【符号の説明】
【0042】
10:給電装置
20:受電部
21:第1コイル基板
22:第1挿通孔
24:受電コイル
30:送電部
31:第2コイル基板
32:第2挿通孔
34:送電コイル
35:送電延長部
40:余長吸収部
41:ケース
42:底壁部
43:周壁部
44:第1導出口
45:巻取部
46:収容溝
47:第2導出口
50:スライド機構
51:レール
52:下壁
53:上壁
54:側壁
55:スリット
56:スライダ
57:レール挿通部
58:脚部
59:支持板部
60:回転機構
61:ベース台座
62:シート台座
63:フランジ部
64:シート支持部
Ar:回転軸
B1、B2:ボルト
C:コネクタ
F:床
S:シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6