(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117079
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】保持装置および保持方法、並びに、シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230816BHJP
B65C 9/26 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
H01L21/68 N
B65C9/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019579
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】船井 佑記
【テーマコード(参考)】
3E095
5F131
【Fターム(参考)】
3E095AA01
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA32
3E095DA42
3E095DA76
3E095DA82
3E095EA24
3E095FA29
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA11
5F131AA12
5F131AA13
5F131AA21
5F131AA22
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5F131CA38
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5F131EA07
5F131EA14
5F131EA22
5F131EC32
5F131EC33
5F131EC34
5F131EC35
5F131EC52
5F131EC55
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC68
5F131EC69
5F131EC72
5F131EC77
(57)【要約】
【課題】装置が大型化することを防止することができる保持装置および保持方法、並びに、シート貼付装置およびシート貼付方法を提供する。
【解決手段】保持装置EAは、保持対象物ASの被保持面AS1との間に変圧空間CSを形成し、当該変圧空間CSの圧力を低減させて当該保持対象物ASを保持する保持装置であって、被保持面AS1とで変圧空間CSを形成可能な変圧空間形成手段10と、変圧空間CSが形成された状態で、当該変圧空間CSの密閉と開放とが可能な密閉制御手段20と、変圧空間形成手段10を変形させる外力付与手段30とを備え、変圧空間形成手段10は、変形することによって変圧空間CSの容積を変更可能な容積変更手段11を備え、外力付与手段30は、変圧空間CSが密閉された後、変圧空間CSの容積が増大する方向に容積変更手段11を変形させ、変圧空間CSの圧力を低減させて保持対象物ASを保持する保持力を得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持対象物の被保持面との間に変圧空間を形成し、当該変圧空間の圧力を低減させて当該保持対象物を保持する保持装置であって、
前記被保持面とで前記変圧空間を形成可能な変圧空間形成手段と、
前記変圧空間が形成された状態で、当該変圧空間の密閉と開放とが可能な密閉制御手段と、
前記変圧空間形成手段を変形させる外力付与手段とを備え、
前記変圧空間形成手段は、変形することによって前記変圧空間の容積を変更可能な容積変更手段を備え、
前記外力付与手段は、前記変圧空間が密閉された後、前記変圧空間の容積が増大する方向に前記容積変更手段を変形させ、前記変圧空間の圧力を低減させて前記保持対象物を保持する保持力を得ることを特徴とする保持装置。
【請求項2】
前記外力付与手段は、前記容積変更手段の弾性復元力によって、前記変圧空間の容積が増大する方向に前記容積変更手段を変形させることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
【請求項3】
保持対象物の被保持面との間に変圧空間を形成し、当該変圧空間の圧力を低減させて当該保持対象物を保持する保持方法であって、
前記被保持面と変圧空間形成手段とで前記変圧空間を形成する変圧空間形成工程と、
前記変圧空間が形成された状態で、当該変圧空間の密閉と開放とを行う密閉制御工程と、
前記変圧空間形成手段を変形させる外力付与工程とを実施し、
前記変圧空間形成手段は、変形することによって前記変圧空間の容積を変更可能な容積変更手段を備え、
前記外力付与工程は、前記変圧空間が密閉された後、前記変圧空間の容積が増大する方向に前記容積変更手段を変形させ、前記変圧空間の圧力を低減させて前記保持対象物を保持する保持力を得ることを特徴とする保持方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の保持装置を用いたシート貼付装置であって、
前記保持対象物は、一方の面に接着剤層が積層された接着シートとされ、
前記接着シートを供給する供給手段と、
前記保持装置と、
前記保持装置で保持された前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項5】
前記押圧手段は、前記外力付与手段と兼用されていることを特徴とする請求項4に記載のシート貼付装置。
【請求項6】
請求項3に記載の保持方法を用いたシート貼付方法であって、
前記保持対象物は、一方の面に接着剤層が積層された接着シートとされ、
前記接着シートを供給する供給工程と、
前記保持方法で前記接着シートを保持する保持工程と、
前記保持工程で保持された前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧工程とを実施することを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持装置および保持方法、並びに、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
保持対象物を保持する保持装置および、当該保持装置を用いて接着シートを被着体に貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された貼付部3(保持装置)および貼付装置(シート貼付装置)では、ラベルL(保持対象物)の被保持面と吸着パット33(変圧空間形成手段)とで変圧空間を形成し、圧力調節手段6といった大掛かりな装置で当該変圧空間を減圧してシートを保持する保持力を得る構成となっているため、装置が大型化するという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、装置が大型化することを防止することができる保持装置および保持方法、並びに、シート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、変圧空間が密閉とされた後、変圧空間の容積が増大する方向に容積変更手段を変形させ、変圧空間の圧力を低減させて保持対象物を保持する保持力を得るため、大掛かりな装置が不要となる。従って、装置が大型化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)は、本発明の一実施形態に係る保持装置およびシート貼付装置の説明図。(B)~(D)は、本発明の変形例に係る保持装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を
図1に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1(A)の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1(A)中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
保持装置EAは、保持対象物としての接着シートASの被保持面AS1との間に変圧空間CSを形成し、当該変圧空間CSの圧力を低減させて当該接着シートASを保持する装置であって、被保持面AS1とで変圧空間CSを形成可能な変圧空間形成手段10と、変圧空間CSが形成された状態で、当該変圧空間CSの密閉と開放とが可能な密閉制御手段20と、変圧空間形成手段10を変形させる外力付与手段30とを備えている。
なお、シート貼付装置EA1は、保持装置EAを用いた装置であって、接着シートASを供給する供給手段40と、保持装置EAと、保持装置EAで保持された接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する押圧手段50とを備え、被着体WKを搬送する搬送手段60の近傍に配置されている。
なお、本実施形態の接着シートASは、一方の面に接着剤層ALが積層されている。
【0011】
変圧空間形成手段10は、変形することによって変圧空間CSの容積を変更可能な容積変更手段としての蛇腹11と、蛇腹11に支持され、当該蛇腹11の凹部11Aに連通した凹部12Aを有する当接部材12とを備え、凹部11Aと凹部12Aと被保持面AS1とで変圧空間CSを形成する構成となっている。なお、本実施形態の蛇腹11および当接部材12は、弾性変形が可能なゴムや樹脂等の弾性部材で構成されている。
【0012】
密閉制御手段20は、弁21Aを備えた駆動機器としての電磁弁21と、当該電磁弁21と変圧空間CSとを連通させる配管22とを備えている。
なお、密閉制御手段20は、弁21Aを開閉させることで、変圧空間CSの密閉と開放とが可能になっている。
【0013】
外力付与手段30は、駆動機器としてのリニアモータ31と、リニアモータ31のスライダ31Aに支持され、出力軸32Aで蛇腹11を支持する駆動機器としての直動モータ32とを備え、変圧空間CSが密閉された後、変圧空間CSの容積が増大する方向に蛇腹11を変形させ、変圧空間CSの圧力を低減させて接着シートASを保持する保持力を得るようになっている。
なお、本実施形態では、外力付与手段30は、変圧空間CSが密閉される前に、変圧空間CSの容積が減少する方向に蛇腹11を弾性変形させて変圧空間CSを形成し、密閉制御手段20によって変圧空間CSが密閉された後、蛇腹11に対する外力を低減させることで、蛇腹11の弾性復元力によって、変圧空間CSの容積が増大する方向に蛇腹11を変形させて接着シートASを保持するようになっている。
【0014】
供給手段40は、当該供給手段40を構成する構成物を直接的または間接的に支持するベースプレート41と、剥離シートRLの一方の面に接着シートASが仮着された原反RSを支持する支持ローラ42と、原反RSを案内するガイドローラ43と、剥離縁44Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板44と、駆動機器としての回動モータ45Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ45Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ45と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EA1の自動運転が行われている間、ピンチローラ45Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ46とを備えている。
【0015】
押圧手段50は、本実施形態では、外力付与手段30と兼用されており、リニアモータ31と、直動モータ32とを備えている。
【0016】
搬送手段60は、被着体WKを搬送するベルトコンベアやローラコンベア等のコンベア61を備えている。
【0017】
以上の保持装置EAを備えたシート貼付装置EA1の動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EA1に対し、当該シート貼付装置EA1の使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、供給手段40が回動モータ45Aを駆動し、原反RSを繰り出し、
図1(A)に示すように、先頭の接着シートASが剥離板44上の所定位置に到達すると、回動モータ45Aの駆動を停止する。
【0018】
次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない移送手段が、
図1(A)に示すように、被着体WKをコンベア61上に載置すると、搬送手段60がコンベア61を駆動し、被着体WKを左方に搬送し、同図中二点鎖線で示すように、当該被着体WKが所定の位置に到達すると、コンベア61の駆動を停止する。また、コンベア61の駆動開始と同時期に外力付与手段30が直動モータ32を駆動し、出力軸32Aを下降させ、当接部材12を接着シートASの被保持面AS1に当接させて変圧空間CSを形成する。その後、当接部材12が被保持面AS1に当接した後も、出力軸32Aの下降が続行され、
図1(A)中二点鎖線で示すように、変圧空間CSの容積が減少する方向に蛇腹11を押し潰す(変形させる)。この際、変圧空間CS内の空気は、電磁弁21の弁21Aが開いていることで当該変圧空間CS内から排気される。次に、蛇腹11が所定量押し潰されると、外力付与手段30が直動モータ32の駆動を停止した後、密閉制御手段20が電磁弁21を駆動し、弁21Aを閉じて変圧空間CSを密閉状態にする。
【0019】
そして、供給手段40が回動モータ45Aを駆動し、原反RSを繰り出すとともに、外力付与手段30がリニアモータ31を駆動し、接着シートASの繰出速度に合わせて変圧空間形成手段10を左方に移動させる。これにより、先頭の接着シートASが剥離シートRLから剥離され、この剥離された接着シートASと共に剥離板44による下支えの無くなった蛇腹11は、自身の弾性復元力によって元の形状に戻ろうとするので、変圧空間CSの容積が増大する方向に変形して当該変圧空間CSの圧力が低減され、接着シートASを保持する保持力が得られるようになる。次いで、先頭の接着シートAS全体が剥離シートRLから剥離されて保持装置EAに保持され、当該先頭の接着シートASに続く次の接着シートASが剥離板44上の所定位置に到達すると、供給手段40が回動モータ45Aの駆動を停止する。
【0020】
その後、押圧手段50がリニアモータ31および直動モータ32を駆動し、
図1(A)中二点鎖線で示すように、保持装置EAで保持した接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する。次に、密閉制御手段20が電磁弁21を駆動し、弁21Aを初期位置に復帰させて変圧空間CSを開放状態とした後、押圧手段50がリニアモータ31および直動モータ32を駆動し、変圧空間形成手段10を初期位置に復帰させる。そして、搬送手段60がコンベア61を駆動し、次工程に向けて被着体WKを左方に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0021】
以上のような実施形態によれば、変圧空間CSが密閉とされた後、変圧空間CSの容積が増大する方向に蛇腹11を変形させ、変圧空間CSの圧力を低減させて接着シートASを保持する保持力を得るため、大掛かりな装置が不要となる。従って、装置が大型化することを防止することができる。
【0022】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0023】
変圧空間形成手段10は、蛇腹11と当接部材12とが一体で構成されたもの(例えば蛇腹付きの吸着パッド等)でもよいし、蛇腹11と当接部材12とが、凹部11Aと凹部12Aとを連通する配管で繋がった別体で構成されたものでもよい。
容積変更手段は、蛇腹11と当接部材12とで構成されてもよいし、変形可能な中空球体が採用されてもよいし、ばねや樹脂等の弾性部材によって所定の形状に戻るシリンジタイプのものでもよく、変形することによって変圧空間CSの容積を変更可能なものであればどのようなものでもよい。
【0024】
密閉制御手段20は、電磁弁21以外に、例えば、駆動機器によって方向制御弁、可変絞り弁、仕切弁、バタフライ弁等を変位させ、変圧空間CSの密閉と開放とが可能なものを採用してもよいし、変圧空間CSを大気開放する構成としてもよいし、変圧空間CSをチャンバやタンク等の気体収容手段に開放する構成としてもよいし、配管22を凹部12Aに連通させたり、蛇腹11と当接部材12との間に連通させたりしてもよいし、配管22をなくし、凹部11Aや凹部12Aに直接連結してもよい。
【0025】
外力付与手段30は、押圧手段50と兼用されることなく独立していてもよく、例えば、直動モータ32以外の駆動機器で変圧空間CSの容積が減少する方向に容積変更手段を変形させる構成としてもよいし、変圧空間形成手段10を移動させることなくまたは移動させつつ、接着シートASを移動させ、容積変更手段の弾性復元力によって、変圧空間CSの容積が増大する方向に容積変更手段を変形させてもよい。
外力付与手段30は、変圧空間CSの圧力を低減させる際、剥離板44上の接着シートASが直動モータ32の出力軸32Aの移動方向に移動しないように抑制する移動抑制部材を備えていてもよい。
外力付与手段30は、例えば、
図1(B)~(C)に示すように、蛇腹11の収縮と伸長とが可能なチャック爪33A、33Bを備えた駆動機器としてのチャックモータ33を採用してもよい。この場合、外力付与手段30は、
図1(B)、(C)に示すように、変圧空間CSが形成されていない状態で、チャック爪33A、33Bを接近させて変圧空間CSの容積が減少する方向に蛇腹11を変形させ、変圧空間CSが形成されて当該変圧空間CSが密閉された後、チャック爪33A、33Bを離間させて変圧空間CSの容積が拡大する方向に蛇腹11を変形させることで、変圧空間CSの圧力を低減させて接着シートASを保持する保持力を得るようにしてもよいし、
図1(D)に示すように、変圧空間CSが形成され、当該変圧空間CSが開放された状態で、チャック爪33A、33Bを接近させて変圧空間CSの容積が減少する方向に蛇腹11を変形させ、変圧空間CSが密閉された後、チャック爪33A、33Bを離間させて変圧空間CSの容積が拡大する方向に蛇腹11を変形させることで、変圧空間CSの圧力を低減させて接着シートASを保持する保持力を得るようにしてもよい。
なお、
図1(B)~(C)で示した外力付与手段30の場合、蛇腹11(容積変更手段)は、弾性変形が可能であってもよいし、弾性変形が不能であってもよい。容積変更手段が、弾性変形が不能の場合、外力付与手段30が容積変更手段に外力を付与して当該容積変更手段を縮小させたり拡大させたりして、変圧空間CSの容積が増大する方向に容積変更手段を変形させ、変圧空間CSの圧力を低減させて接着シートASを保持する保持力を得る構成としてもよいし、容積変更手段を縮小させることなく拡大させるだけで、変圧空間CSの容積が増大する方向に容積変更手段を変形させ、変圧空間CSの圧力を低減させて接着シートASを保持する保持力を得る構成としてもよい。
【0026】
供給手段40は、剥離シートRLに仮着された帯状のシート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反を繰り出してから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、剥離シートRLに帯状のシート基材が仮着されたシート原反を採用し、当該シート原反を繰り出す途中で、シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反を繰り出してから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、支持ローラ42やガイドローラ43等の各ローラの代わりに板状部材やシャフト部材等で原反RSや剥離シートRLを支持したり案内したりしてもよいし、原反RSを巻回することなく例えばファンフォールド折りにして支持してもよいし、剥離シートRLを巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、剥離シートRLに仮着されていない接着シートASを繰り出して供給してもよいし、接着シートASに接着剤層ALが積層されていなくてもよいし、接着シートASが保持装置EAに保持される前に、剥離シートRLから剥離された接着シートASを受け取る台やベルトコンベア等の受渡手段が備わっていてもよいし、本発明の保持装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0027】
押圧手段50は、外力付与手段30と兼用されることなく独立していてもよく、例えば、駆動機器としての多関節ロボットで保持装置EAを移動させ、当該保持装置EAで保持された接着シートASを被着体WKに押圧して貼付するようにしてもよいし、保持装置EAを移動させることなくまたは移動させつつ、被着体WKを移動させ、保持装置EAで保持された接着シートASを被着体WKに押圧して貼付するようにしてもよいし、保持装置EAで保持していない接着シートASの未保持領域を被着体WKに押圧する未保持領域押圧部材を備えていてもよいし、被着体WKの下面や側面等に接着シートASを押圧して貼付してもよいし、本発明の保持装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0028】
搬送手段60は、コンベア61に代えてまたは併用して、多関節ロボット等の駆動機器で被着体WKを搬送してもよいし、接着シートASを被着体WKに貼付する際、コンベア61の駆動を停止しなくてもよいし、本発明の保持装置EAやシート貼付装置EA1に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、備わっていない場合、他の装置で被着体WKを搬送してもよい。
【0029】
保持装置EAは、シート貼付装置EA1以外の他の装置に採用されてもよく、このような他の装置としては、例えば、シート供給装置や印刷装置等が例示でき、その他どのような装置でもよい。
【0030】
シート貼付装置EA1は、接着シートASに印刷を施すインクジェットプリンタやレーザプリンタ等の印刷手段を備えていてもよい。
【0031】
接着シートASおよび被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASおよび被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
保持対象物は、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。
【0032】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、密閉制御手段は、変圧空間が形成された状態で、当該変圧空間の密閉と開放とが可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0033】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
EA…保持装置
EA1…シート貼付装置
10…変圧空間形成手段
11…蛇腹(容積変更手段)
20…密閉制御手段
30…外力付与手段
40…供給手段
50…押圧手段
AL…接着剤層
AS…接着シート(保持対象物)
AS1…被保持面
CS…変圧空間
WK…被着体