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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117082
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20230816BHJP
   G01G 19/415 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
B65B57/00 C
G01G19/415 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019586
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】川西 猶人
(72)【発明者】
【氏名】鯛 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 充宏
(57)【要約】
【課題】作業性を向上する包装装置を提供する。
【解決手段】包装装置は、被包装物をフィルムで包装して、商品を製造する包装装置であって、計量部(10)と、包装部(30)と制御部(130)と、を備える。計量部(20)は、被包装物を計量する。包装部(30)は、被包装物をフィルムで包装する。制御部(130)は、価格条件が設定された商品であるか否かによって、包装部(30)の動作を切り替える。制御部(130)は、商品が、価格条件の設定された商品であると判断する場合は、計量部(10)での計量結果に基づいて商品の価格を算出し、算出した価格が、価格条件を満たす場合には、包装部(30)による被包装物の包装を実行させ、価格条件を満たさない場合には、包装部(30)による被包装物の包装を実行させない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物をフィルムで包装して、商品を製造する包装装置であって、
前記被包装物を計量する計量部と、
前記被包装物を前記フィルムで包装する包装部と、
価格条件が設定された商品であるか否かによって、前記包装部の動作を切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記商品が、前記価格条件の設定された商品であると判断する場合は、前記計量部での計量結果に基づいて前記商品の価格を算出し、算出した価格が、前記価格条件を満たす場合には、前記包装部による前記被包装物の包装を実行させ、前記価格条件を満たさない場合には、前記包装部による前記被包装物の包装を実行させない、
包装装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記価格条件が設定されていない商品の場合、前記計量部での計量値が安定すれば、前記計量部に載荷された前記被包装物を前記包装部において包装する第1動作モードと、前記価格条件が設定されている商品の場合、前記計量部での計量値が安定したときの前記被包装物の重量及び単位重量当たりの価格に基づいて前記被包装物の販売価格を算出し、算出した前記販売価格が前記価格条件を満たせば、前記計量部に載荷された前記被包装物を前記包装部において包装する第2動作モードと、を有する、
請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記価格条件及び重量条件が設定されている商品の場合、前記計量部での計量値が安定したときの前記被包装物の重量及び単位重量当たりの価格に基づいて前記被包装物の販売価格を算出し、算出した前記販売価格が前記価格条件を満たし、かつ、前記計量部での計量値が安定したときの前記被包装物の重量が前記重量条件を満たせば、前記計量部に載荷された前記被包装物を前記包装部において包装する第3動作モードを有する、
請求項1に記載の包装装置。
【請求項4】
前記価格条件を入力する入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部から前記価格条件が入力されている場合は、前記商品が、前記価格条件が設定された商品であると判断する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項5】
前記商品の商品情報を記憶する商品マスタをさらに備え、
前記制御部は、前記商品マスタから呼び出した商品情報に、前記価格条件が含まれている場合は、前記商品が、前記価格条件が設定された商品であると判断する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項6】
前記価格条件は、前記商品を販売するときの価格範囲である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項7】
ラベルに前記商品の情報を印刷するラベルプリンタをさらに備える、
請求項1~6のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項8】
前記商品に前記ラベルを貼り付けるラベル貼付部をさらに備える、
請求項7に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2019-156410号公報)に開示されているような包装装置が知られている。特許文献1の包装装置では、被包装物を計量し、その計量値が安定(閾値内となる)したことを条件に、被包装物を包装部に搬送させて、被包装物を包装する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、計量値の安定を条件に包装が開始されるが、本発明者は、価格を条件にして、被包装物の包装を実施することができないという問題に着眼した。
【0004】
従来の包装装置では、被包装物の重量を設定できるものの、価格を設定することができない。このため、価格を条件にして被包装物の包装を実施する場合には、価格を単価(被包装物の単位重量当たりの価格)で除算して、重量を設定する必要があるので、手間を要する。単価が変動する被包装物では、特に手間を要する。このため、目標とする価格条件で被包装物を包装する場合の作業性が悪い。
【0005】
そこで、本発明の課題は、作業性を向上する包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点に係る包装装置は、被包装物をフィルムで包装して、商品を製造する包装装置であって、計量部と、包装部と、制御部と、を備える。計量部は、被包装物を計量する。包装部は、被包装物をフィルムで包装する。制御部は、価格条件が設定された商品であるか否かによって、包装部の動作を切り替える。制御部は、商品が、価格条件の設定された商品であると判断する場合は、計量部での計量結果に基づいて商品の価格を算出し、算出した価格が、価格条件を満たす場合には、包装部による被包装物の包装を実行させ、価格条件を満たさない場合には、包装部による被包装物の包装を実行させない。
【0007】
第1観点の包装装置では、制御部は、まず、商品が、価格条件の設定された商品であるか否かを判断し、価格条件の設定された商品である場合には、計量結果から商品の価格を算出し、その価格が価格条件を満たす場合には、包装部に包装を実行させ、満たさない場合には、包装部に包装を実行させない。このため、使用者が目標とする価格を単価で除算して重量範囲を包装装置に設定しておく必要がないから、目標とする価格条件で被包装物を包装する場合の作業性を向上することができる。
【0008】
第2観点に係る包装装置は、第1観点に係る包装装置であって、制御部は、第1動作モードと、第2動作モードと、を有する。第1動作モードは、価格条件が設定されていない商品の場合、計量部での計量値が安定すれば、計量部に載荷された被包装物を包装部において包装する。第2動作モードは、価格条件が設定されている商品の場合、計量部での計量値が安定したときの被包装物の重量及び単位重量当たりの価格に基づいて被包装物の販売価格を算出し、算出した販売価格が価格条件を満たせば、計量部に載荷された被包装物を包装部において包装する。
【0009】
第2観点の包装装置では、計量部に載荷した被包装物が安定していても、価格条件を満たさない場合には、包装動作が実行されないから、計量部上で被包装物の量を加減することができる。そして、加減した結果、価格条件を満たせば、包装動作を開始することができる。
【0010】
第3観点に係る包装装置は、第1観点に係る包装装置であって、制御部は、第3動作モードを有する。第3動作モードは、価格条件及び重量条件が設定されている商品の場合、計量部での計量値が安定したときの被包装物の重量及び単位重量当たりの価格に基づいて被包装物の販売価格を算出し、算出した販売価格が価格条件を満たし、かつ、計量部での計量値が安定したときの被包装物の重量が重量条件を満たせば、計量部に載荷された被包装物を包装部において包装する。
【0011】
第3観点の包装装置では、計量部に載荷した被包装物が安定していても、価格条件及び重量条件を満たさない場合には、包装動作が実行されないから、計量部上で被包装物の量を加減することができる。そして、加減した結果、価格条件及び重量条件を満たせば、包装動作を開始することができる。
【0012】
第4観点に係る包装装置は、第1観点から第3観点に係る包装装置であって、入力部をさらに備える。入力部は、価格条件を入力する。制御部は、入力部から価格条件が入力されている場合は、商品が、価格条件が設定された商品であると判断する。
【0013】
第4観点の包装装置では、入力部から価格条件を入力することができるから、商品を目標とする価格帯で包装したい場合には、入力部から入力された価格条件が満たされるまで、被包装物を計量部上に待機させて、被包装物の量を加減することができる。したがって、作業効率を向上させた包装装置を容易に実現することができる。
【0014】
第5観点に係る包装装置は、第1観点から第4観点に係る包装装置であって、商品マスタをさらに備える。商品マスタは、商品の商品情報を記憶する。制御部は、商品マスタから呼び出した商品情報に、価格条件が含まれている場合は、商品が、価格条件が設定された商品であると判断する。
【0015】
第5観点の包装装置では、価格条件を商品マスタに事前に登録しておくことができるから、商品情報を商品マスタから呼び出すだけで、価格条件が設定された商品であるか否かを判断することができる。
【0016】
第6観点に係る包装装置は、第1観点から第5観点に係る包装装置であって、価格条件は、商品を販売するときの価格範囲である。
【0017】
第6観点の包装装置では、消費者が購入し易い価格帯を価格条件として設定することができるから、売り上げに貢献できる包装装置を実現することができる。
【0018】
第7観点に係る包装装置は、第1観点から第6観点に係る製袋包装機であって、ラベルプリンタをさらに備える。ラベルプリンタは、ラベルに商品の情報を印刷する。
【0019】
第7観点の包装装置では、ラベルプリンタをさらに備えているので、商品の価格などの情報をラベルに印刷することができる。
【0020】
第8観点に係る包装装置は、第1観点から第7観点に係る包装装置であって、ラベル貼付部をさらに備える。ラベル貼付部は、商品にラベルを貼り付ける。
【0021】
第8観点の包装装置では、ラベル貼付部をさらに備えているので、商品の価格などの情報が印刷されたラベルを商品に貼り付けることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態の包装装置の斜視図である。
図2】実施形態の包装装置のブロック図である。
図3】実施形態のラベルの一例を示す図である。
図4】実施形態の包装装置の動作を示すフローチャートである。
図5】実施形態の表示部の一例を示す図である。
図6】実施形態の表示部の一例を示す図である。
図7】実施形態の表示部の一例を示す図である。
図8】実施形態の表示部の一例を示す図である。
図9】変形例の包装装置の動作を示すフローチャートである。
図10】変形例の表示部の一例を示す図である。
図11】変形例の表示部の一例を示す図である。
図12】変形例のラベルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態
は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0025】
(1)包装装置の機器構成
図1は、本実施形態に係る包装装置100の外観図である。包装装置100は、被包装物をフィルムで包装して、商品を製造する。
【0026】
図1及び図2に示されるように、包装装置100は、主として、計量部10と、搬送部20と、包装部30と、ラベル発行ユニット40と、操作ユニット50と、を備える。
【0027】
計量部10は、被包装物を計量する。被包装物は、例えば、トレーなどの容器に入れられる食品である。
【0028】
搬送部20は、計量部10から包装部30へ被包装物を搬送する。搬送部20は、コンベアなどを含む。
【0029】
包装部30は、計量部10から搬送されてきた被包装物をフィルムで包装する。包装部30は、主として、包装材保持ユニット31と、折り込み機構32と、フィルムシール部33とを有する。包装材保持ユニット31は、フィルムロールを保持する。折り込み機構32は、フィルムロールから繰り出されたフィルムを商品の下面側に折り込んで被包装物をフィルムで包装し、包装された被包装物をフィルムシール部33へ送り出す。フィルムシール部33は、被包装物の下面に折り込まれたフィルムに対して熱シールを施す。
【0030】
ラベル発行ユニット40は、ラベルプリンタ41と、ラベル貼付部42とを有する。ラベルプリンタ41は、ラベルに商品の情報を印刷する。商品の情報は、被包装物の重量、商品の価格などである。ラベル貼付部42は、包装された商品にラベルを貼り付ける。詳細には、ラベル貼付部42は、ラベルプリンタ41から発行されたラベルを、包装部30で包装されたフィルムに貼り付ける。
【0031】
操作ユニット50は、包装装置100を操作するために、主として、表示部51と、入力部52とを有する。
【0032】
表示部51は、液晶ディスプレイであり、包装装置100に関する情報を表示する。詳細には、表示部51は、包装装置100の動作状態、包装装置100によって包装される被包装物に関する情報、包装装置100を設定する画面等を表示する。表示部51は、タッチパネルであってもよい。
【0033】
入力部52は、入力キーであり、使用者が入力する。詳細には、入力部52は、包装装置100に対する指示、設定などを入力する。入力部52は、価格条件を入力できれば、特に限定されないが、本実施形態では、テンキーを含む。
【0034】
(2)包装装置の制御構成
図2は、本実施形態の包装装置100のブロック図である。図2に示すように、包装装置100は、構成機器の運転制御を行うために、制御装置110を有している。制御装置110は、コンピュータにより実現されるものである。制御装置110は、記憶部120と、制御部130と、を有する。制御部130には、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)といったプロセッサを使用できる。制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の演算処理を行う。さらに、制御部130は、プログラムに従って、演算結果を記憶部120に書き込んだり、記憶部120に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0035】
以下、記憶部120及び制御部130について説明する。
【0036】
(2-1)記憶部
記憶部120は、包装装置100の制御に必要な各種プログラム及び各種情報を記憶する。記憶部120は、商品マスタ121を有する。
【0037】
商品マスタ121は、商品の商品情報を記憶する。商品情報は、例えば、商品名、商品コード、単価、重量及び原材料を含む。ここでは、商品情報は、価格条件が設定された商品であるか否かの情報を含む。価格条件は、商品を販売するときの価格範囲である。
【0038】
商品マスタ121に記憶される各種商品の商品情報は、ネットワークを介してサーバから取得されてもよく、他の記憶媒体から取得されてもよい。各種商品の商品情報は、適宜更新される。
【0039】
(2-2)制御部
制御部130は、図2に示すように、入力部52からの入力に応じて、計量部10、搬送部20、包装部30、ラベルプリンタ41及びラベル貼付部42を制御するとともに、表示部51に各種情報を出力する。
【0040】
制御部130は、価格条件が設定された商品であるか否かによって、包装部30の動作を切り替える。制御部130は、商品が、価格条件の設定された商品であると判断する場合は、計量部10での計量結果に基づいて商品の価格を算出し、算出した価格が、価格条件を満たす場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させ、価格条件を満たさない場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させない。
【0041】
ここでは、制御部130は、価格条件の設定された商品の場合、計量部10での計量結果に基づいて商品の価格を算出し、算出した価格が、価格条件を満たす場合には、搬送部20を動作させ、価格条件を満たさない場合には、搬送部20を動作させない。
【0042】
制御部130は、第1動作モードと、第2動作モードとを有する。第1動作モードは、価格条件が設定されていない商品の場合、計量部10での計量値が安定すれば、計量部10に載荷された被包装物を包装部30において包装する。第2動作モードは、価格条件が設定されている商品の場合、計量部10での計量値が安定したときの被包装物の重量及び単位重量当たりの価格に基づいて被包装物の販売価格を算出し、算出した販売価格が価格条件を満たせば、計量部10に載荷された被包装物を包装部30において包装する。
【0043】
ここでは、制御部130は、第1動作モードにおいて計量値が安定すれば、また、第2動作モードにおいて計量値が安定した時の算出価格が価格条件を満足すれば、搬送部20を動作させて、被包装物を計量部10から包装部30へ搬送する。
【0044】
本実施形態では、制御部130は、第1判断部131と、算出部132と、第2判断部133と、を有している。
【0045】
第1判断部131は、価格条件が設定された商品であるか否かを判断する。この場合の価格条件は、販売価格として消費者に受け入れられる価格範囲である。第1判断部131は、入力部52、商品マスタ121などから取得した情報に基づいて、判断する。
【0046】
詳細には、第1判断部131は、入力部から価格条件が入力されている場合は、価格条件が設定された商品であると判断する。すなわち、第1判断部131は、入力部から価格条件が入力されると、価格条件が設定された商品であると判断する。
【0047】
また、第1判断部131は、商品マスタ121から呼び出した商品情報に、価格条件が含まれている場合は、価格条件が設定された商品であると判断する。より詳細には、第1判断部131は、入力部52から商品の呼出番号(呼出No.)が入力されると、記憶部120の商品マスタ121から呼出番号に対応する商品の商品情報を呼び出して、商品情報を取得する。そして、第1判断部131は、その商品情報に価格条件が設定されていれば、価格条件が設定された商品である、と判断する。一方、第1判断部131は、取得した商品情報に価格条件が設定されていなければ、価格条件が設定されていない商品である、と判断する。
【0048】
第1判断部131は、載荷された被包装物は価格条件が設定されていない商品である、と判断すると、第1動作モードを設定する。一方、第1判断部131は、計量部10に載荷された被包装物は価格条件が設定された商品である、と判断すると、第2動作モードを設定する。
【0049】
算出部132は、第1判断部131が、商品が価格条件の設定された商品であると判断した場合に、計量部10での計量結果に基づいて商品の価格を算出する。より詳細には、第2動作モードにおいて、算出部132は、商品マスタ121から呼び出した商品情報の中の単位重量当たりの価格(単価)と、計量部10で計量された被包装物の重量と、を乗算して、商品の価格を算出する。なお、算出部132は、この場合の「被包装物の重量」を、計量部10での計量値が安定したときの計量値から風袋重量を減算して得られる被包装物の正味重量として計算している。
【0050】
第2判断部133は、算出部132で算出した価格が、価格条件を満たす場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させ、価格条件を満たさない場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させない。
【0051】
より詳細には、第2動作モードにおいて、第2判断部133は、商品マスタ121から呼び出した商品情報に含まれる価格条件、または、入力部52で入力された価格条件と、算出部132から算出した価格とを比較して、算出部132で算出した価格が、価格条件を満たすか否かを判断する。そして、算出部132で算出した価格が、価格条件を満たすと判断した場合は、第2判断部133は、搬送部20を動作させて、被包装物を計量部10から包装部30へ搬送し、包装部30を動作させて、被包装物の包装を実行させる。一方、第2判断部133は、算出部132で算出した価格が、価格条件を満たさないと判断した場合には、搬送部20及び包装部30を動作させず、被包装物の包装を実行させない。ここでは、第2判断部133は、算出部132で算出した価格が、価格条件を満たさないと判断した場合には、表示部51にその旨を表示させる(図8参照)。
【0052】
図3は、包装装置100が発行するラベルの一例である。第2判断部133は、算出部132で算出した価格が、価格条件を満たすと判断した場合には、ラベルプリンタ41に図3に示すようなラベルを印刷させる。より詳細には、第2判断部133は、商品マスタ121から呼び出した単価(198円)に正味重量(419g)を乗算して得られる価格(895円)と、その他の商品情報などをラベルプリンタ41に送信して、ラベルプリンタ41にラベルを生成させて、ラベルを印刷させる。
【0053】
また、第2判断部133は、ラベルプリンタ41にラベルを印刷させると、ラベル貼付部42にラベルを貼り付けさせる。より詳細には、第2判断部133は、ラベルプリンタ41で印刷させたラベルを、商品に貼り付けるように、ラベル貼付部42に指示する。
【0054】
(3)包装装置の動作
図4は、本実施形態の包装装置100の動作を示すフローチャートである。図5図8は、表示部51が示す一画面を示す。図1図8を参照して、本実施形態の包装装置100の動作を説明する。包装装置100における被包装物をフィルムで包装することによる商品の製造は、制御装置110が各種機器を運転制御することによって、行われる。
【0055】
図4に示すように、まず、使用者が入力部52に商品の呼出番号を入力する(ステップS11)。このステップS11では、使用者は、呼出No.の入力によって、商品を選択する。本実施形態では、使用者は、「呼出No.」として「2」を入力することによって、「トマト」を選択する。ステップS11において、呼出番号が入力されると、ステップS12に進む。
【0056】
なお、ステップS11では、入力部52で呼出No.を入力する場合の代わりに、表示部51に商品の一覧を表示し、その中から該当する商品名を指定することによって呼び出してもよい。
【0057】
ステップS12では、制御部130は、商品マスタ121から、ステップS11で入力された呼出No.の商品に対応する商品情報を呼び出す。本実施形態では、制御部130は、商品マスタ121から、「呼出No.」が「2」に対応する商品情報を読み出す。具体的には、制御部130の第1判断部131は、商品マスタ121から、商品情報として、商品名、単価、価格条件などを呼び出す。その後、ステップS13に進む。
【0058】
ステップS13では、使用者によって、ステップS11で選択された呼出No.の商品を、計量部10に載荷する。計量部10は、載荷された被包装物の重量を計量する。本実施形態では、トレーに載せた「トマト」を計量部10に載置する。計量部10は、計量部10に載荷された被包装物である「トマト」の重量を計量する。その後、ステップS14に進む。
【0059】
ステップS14では、計量部10は、被包装物の計量値を制御部130に入力する。制御部130は、入力した計量値から、商品マスタ121から呼び出した風袋重量を減算して「トマト」の正味重量を求め、求めた正味重量を表示部51に表示させる。その後、ステップS15に進む。
【0060】
ステップS15では、制御部130は、求めた正味重量及び単価に基づいて被包装物の販売価格を算出する。本実施形態では、制御部130の算出部132は、商品マスタ121から単価を取得し、取得した単価と、前述の正味重量とを乗算して、販売価格を算出する。その後、ステップS16に進む。
【0061】
ステップS16では、制御部130は、計量された被包装物が、価格条件の設定された商品(価格商品)か否かを判断する。本実施形態では、制御部130は、入力部52から価格条件が入力されている場合は、商品が、価格条件が設定された商品であると判断する。また、これと併せて、またはこれに代えて、制御部130は、商品マスタ121から呼び出した商品情報に、価格条件が含まれている場合は、商品が、価格条件が設定された商品であると判断する。なお、制御部130は、入力部51からの価格条件の入力と、商品マスタ121から呼び出した価格条件とが異なる場合、いずれか一方を優先させる。
【0062】
具体的には、例えば、使用者は、表示部51の上限金額または下限金額をタッチした後、入力部52としてのテンキーで数値を入力する。そして、制御部130は、入力部52によって、上限金額及び下限金額の少なくとも一方が入力された場合には、価格条件が設定された商品であると判断する。また、制御部130は、上限金額及び下限金額が0円と表示されている場合には、価格条件が設定された商品でないと判断する。なお、上限金額及び下限金額は、初期状態では、0円がデフォルト値として設定されている。
【0063】
本実施形態では、図5図7に示すように、価格条件として、上限金額(図5図7では「1000円」)及び下限金額(図5図7では「800円」)が設定されている。
【0064】
なお、制御部130は、入力部52に価格条件が入力されると、表示部51に、重量条件をさらに追加するか否かを問い合わせる画面を表示させてもよい。
【0065】
ステップS16において、制御部130が価格条件の設定された商品であると判断すると、ステップS17に進む。一方、ステップS16において、制御部130が価格条件の設定された商品でないと判断すると、第1動作モードとなり、ステップS22に進む。
【0066】
ステップS17では、制御部130は、ステップS15で算出した価格が、価格条件を満たすか否かを判断する。より詳細には、制御部130の第2判断部133は、算出部で算出した価格が、入力部52で入力された価格条件、及び、商品マスタ121から呼び出した価格条件の少なくとも一方を満たすか否かを判断する。
【0067】
ステップS17において、制御部130が価格条件を満たすと判断すると、第2動作モードとなり、ステップS18に進む。一方、ステップS17において、制御部130が価格条件を満たさないと判断すると、ステップS19に進む。
【0068】
制御部130は、ステップS18において、価格条件を満たすと判断すると、図5に示すように、表示部51に「正量」と表示させる。
【0069】
ステップS19では、制御部130は、ステップS15で算出した価格が、価格条件の上限金額以上であるか否かを判断する。本実施形態では、制御部130の第2判断部133は、ステップS15で算出した価格が、上限金額である1000円以上であるか否かを判断する。
【0070】
ステップS19において、制御部130が上限金額以上であると判断すると、ステップS20に進む。一方、ステップS19において、制御部130が上限金額未満であると判断すると、ステップS21に進む。この場合、ステップS15で算出した価格は、価格条件を満たさず、かつ、上限金額以上でないため、下限金額以下である。
【0071】
ステップS20では、制御部130は、ステップS15で算出した価格(図6では「1255円」)が上限金額以上であるため、図6に示すように、表示部51に「過量」を表示させる。過量であると認識した使用者は、計量部10に載荷された被包装物を減らす。すると、計量部10は、ステップS14に戻って、計量値を入力し直す。
【0072】
ステップS21では、制御部130は、ステップS15で算出した価格(図7では「617円」)が下限金額以下であるため、図7に示すように、表示部51に「軽量」を表示させる。軽量であると認識した使用者は、計量部10に載荷された被包装物を増やす。すると、計量部10は、ステップS14に戻って、計量値を入力し直す。
【0073】
なお、ステップS20及びS21では、制御部130は、価格条件を満たしていないことを表示部51に表示させる。例えば、ステップS21で価格条件の下限金額以下の場合に表示部51に表示させる画面の一例を図8に示す。
【0074】
ステップS22では、計量部10での計量値が安定すれば、搬送部20を動作させる。より詳細には、ステップS16において、価格条件が設定されていない商品の場合、ステップS22において、計量部10での計量値が安定すれば、計量部10に載荷された被包装物を包装部30に搬送する。ステップS16において、価格条件が設定されている商品の場合、ステップS17において、ステップS15で算出した販売価格が価格条件を満たし、かつ、ステップS22において、計量部10での計量値が安定すれば、計量部10に載荷された被包装物を包装部30に搬送する。その後、ステップS23に進む。
【0075】
ステップS23では、制御部130は、包装部30に、搬送部20によって搬送された被包装物を包装させる。詳細には、包装部30は、フィルムで被包装物の上面を覆ってから、フィルムの周縁部をトレーの底面に折り込んで包装する。本実施形態では、トレーに載せたトマトをフィルムで包装して、商品とする。その後、ステップS24に進む。
【0076】
ステップS24では、制御部130は、価格条件が設定されている商品の場合は、ステップS22において計量安定と判断したときの正味重量と単価とに基づいて算出される価格に、その他の商品情報を付加した印字情報をラベルプリンタ41に出力する。ラベルプリンタ41は、これらの印字情報に基づいてラベルに商品の情報を印刷させる。本実施形態では、ラベルプリンタ41は、図3に示すように、商品の情報として、商品名、商品の価格、被包装物の重量(正味量)、単価、加工日、消費期限などを記載したラベルを印刷する。その後、ステップS25に進む。
【0077】
一方、価格条件が設定されていない商品の場合、例えば販売金額として一定金額が設定された定額商品の場合は、ステップS14で入力した計量値が安定していれば、商品マスタ121から読み出した一定金額と、その他の商品情報を付加した印字情報をラベルプリンタ41に出力する。ラベルプリンタ41は、これらの印字情報に基づいてラベルに商品の情報を印刷させる。
【0078】
ステップS25では、制御部130は、ラベル貼付部42に、ラベルを商品に貼り付けさせる。本実施形態では、ラベル貼付部42は、図3に示すラベルを商品のフィルムに貼り付ける。
【0079】
なお、包装装置100は、自動モードと、手動モードとを有している。自動モードに設定されている場合には、制御部130は、価格条件(ステップS17)及び計量安定条件(ステップS22)を満たせば、搬送部20に計量部10上の被包装物を搬送させて、直ちに包装部30に包装動作を開始させる(ステップS23)。手動モードに設定されている場合には、制御部130は、価格条件(ステップS17)及び計量安定条件(ステップS22)を満たせば、使用者がスタートキーもしくは印字キーを操作することで、制御部130は、搬送部20に計量部10上の被包装物を包装部30に搬送させて、包装部30に包装動作を開始させる。
【0080】
(4)特徴
(4-1)
本実施形態に係る包装装置100は、被包装物をフィルムで包装して、商品を製造する包装装置であって、計量部10と、包装部30と、制御部130と、を備える。計量部10は、被包装物を計量する。包装部30は、被包装物をフィルムで包装する。制御部130は、価格条件が設定された商品であるか否かによって、包装部30の動作を切り替える。制御部130は、商品が、価格条件の設定された商品であると判断する場合は、計量部10での計量結果に基づいて商品の価格を算出し、算出した価格が、価格条件を満たす場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させ、価格条件を満たさない場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させない。
【0081】
ここでは、制御部130は、まず、商品が、価格条件の設定された商品であるか否かを判断し、価格条件の設定された商品である場合には、計量部10での計量結果から商品の価格を算出し、その価格が価格条件を満たす場合には、包装部30に包装を実行させ、満たさない場合には、包装部30に包装を実行させない。このため、使用者が目標とする価格を単価で除算して重量範囲を包装装置に設定しておく必要がないから、目標とする価格条件で被包装物を包装する場合の作業性を向上することができる。
【0082】
このように、本実施形態の包装装置100は、価格条件を設定することができるので、特に、単価が変動する被包装物の包装の手間を省くことができる。このため、本実施形態の包装装置100は、仕入れ価格が日々変動する青果などの生鮮食料品の包装に好適に用いられる。
【0083】
なお、制御部130は、価格条件が設定された商品であるか否かによって、包装部30の動作を切り替えるので、本実施形態の包装装置100は、価格条件が設定された商品(価格商品)と、価格条件が設定されていない商品と、を製造することができる。
【0084】
さらに、本実施形態の包装装置100は、設定された価格条件に応じて、計量部10に載荷された被包装物を包装部30に搬送して包装できるので、使用者のニーズに応えることができる。
【0085】
さらには、本実施形態の包装装置100は、設定された価格条件の範囲外の商品を製造しないので、使用者の誤生産を抑制することもできる。
【0086】
(4-2)
本実施形態に係る包装装置100において、制御部130は、第1動作モードと、第2動作モードと、を有する。第1動作モードは、価格条件が設定されていない商品の場合、計量部10での計量値が安定すれば、計量部10に載荷された被包装物を包装部30において包装する。第2動作モードは、価格条件が設定されている商品の場合、計量部10での計量値が安定したときの被包装物の重量及び単位重量当たりの価格に基づいて被包装物の販売価格を算出し、算出した販売価格が価格条件を満たせば、計量部10に載荷された被包装物を包装部30において包装する。
【0087】
ここでは、計量部10に載荷した被包装物の計量値が安定していても、価格条件を満たさない場合には、包装動作が実行されないから、計量部10上で被包装物の量を加減することができる。そして、加減した結果、価格条件を満たせば、包装動作を開始することができる。
【0088】
なお、本実施形態に係る包装装置100は、計量部10から包装部30へ商品を搬送する搬送部20をさらに備え、制御部130は、第1動作モードでは、計量部10での計量値が安定した場合に、第2動作モードでは、計量部10での計量値が安定した時の算出価格が価格条件を満足した場合に、搬送部20を動作させて、被包装物を計量部10から包装部30へ搬送する。
【0089】
(4-3)
本実施形態に係る包装装置100は、入力部52をさらに備える。入力部52は、価格条件を入力する。制御部130は、入力部52から価格条件が入力されている場合は、商品が、価格条件が設定された商品であると判断する。すなわち、制御部130は、入力部52に価格条件が入力されると、価格条件が設定された商品であると判断する。
【0090】
ここでは、使用者は、入力部52から価格条件を入力することができるから、商品を目標とする価格帯で包装したい場合には、制御部130は、入力部52から入力された価格条件が満たされるまで、被包装物を計量部10上に待機させて、被包装物の量を加減することができる。したがって、作業効率を向上させた包装装置100を容易に実現することができる。
【0091】
(4-4)
本実施形態に係る包装装置100は、商品マスタ121をさらに備える。商品マスタ121は、商品の商品情報を記憶する。制御部130は、商品マスタ121から呼び出した商品情報に、価格条件が含まれている場合は、商品が、価格条件が設定された商品であると判断する。
【0092】
ここでは、価格条件を商品マスタ121に事前に登録しておくことができるから、制御部130は、商品情報を商品マスタ121から呼び出すだけで、価格条件が設定された商品であるか否かを判断することができる。
【0093】
(4-5)
本実施形態に係る包装装置100において、価格条件は、商品を販売するときの価格範囲である。ここでは、消費者が購入し易い価格帯を価格条件として設定することができるから、売り上げに貢献できる包装装置100を実現することができる。
【0094】
(4-6)
本実施形態に係る包装装置100は、ラベルプリンタ41をさらに備える。ラベルプリンタ41は、ラベルに商品の情報を印刷する。ラベルプリンタ41により、商品の価格などの情報をラベルに印刷することができる。
【0095】
(4-7)
本実施形態の包装装置100は、ラベル貼付部42をさらに備える。ラベル貼付部42は、商品にラベルを貼り付ける。ラベル貼付部42により、商品の価格などの情報が印刷されたラベルを商品に貼り付けることができる。
【0096】
(5)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部または全部は、互いに矛盾しない範囲で上記実施形態の内容や他の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0097】
(5-1)変形例A
(5-1-1)全体構成
上記実施形態では、制御部130は、価格条件が設定されていない商品を包装する第1動作モードと、価格条件が設定されている商品を包装する第2動作モードと、を有するが、これに限定されない。本変形例の包装装置は、基本的には上記実施形態の包装装置100と同様の構成を備えているが、重量条件をさらに設定することができる。
【0098】
(5-1-2)制御構成
本変形例の制御部130は、第3動作モードを有する。第3動作モードは、価格条件及び重量条件が設定されている商品の場合、計量部10での計量値が安定したときの被包装物の重量及び単位重量当たりの価格に基づいて被包装物の販売価格を算出し、算出した販売価格が価格条件を満たし、かつ、計量部10での計量値が安定したときの被包装物の重量が重量条件を満たせば、計量部10に載荷された被包装物を包装部において包装する。
【0099】
詳細には、制御部130は、価格条件が設定された商品であると判断し、かつ、重量条件が設定された商品でないと判断する場合において、価格条件を満たす場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させ、価格条件を満たさない場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させない。また、制御部130は、価格条件が設定された商品であると判断し、かつ、重量条件が設定された商品であると判断する場合において、価格条件及び重量条件を満たす場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させ、価格条件及び重量条件の少なくとも一方を満たさない場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させない。また、制御部130は、価格条件が設定された商品でないと判断し、かつ、重量条件が設定された商品であると判断する場合において、重量条件を満たす場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させ、重量条件を満たさない場合には、包装部30による被包装物の包装を実行させない。また、制御部130は、価格条件が設定された商品でないと判断し、かつ、重量条件が設定された商品でないと判断する場合には、計量部10による被包装物の計量を実行し、包装部30による被包装物の包装を実行させる。
【0100】
また、本変形例の商品マスタ121に記憶させる商品情報は、重量条件が設定された商品であるか否かの情報をさらに含む。
【0101】
(5-1-3)動作
図9は、本変形例の包装装置の動作を示すフローチャートである。図10及び図11は、表示部51が示す一画面を示す。図1図3図5図11を参照して、本変形例の包装装置の動作を説明する。
【0102】
図9に示すように、上記実施形態と同様に、まず、使用者が入力部52に商品の呼出番号を入力する(ステップS11)。次に、制御部130は、商品マスタ121から、ステップS11で選択された呼出No.の商品に対応する商品情報を呼び出す(ステップS12)。次に、使用者が被包装物を計量部10に載荷する(ステップS13)。次に、計量部10は、被包装物の計量値を入力して制御部130に出力する(ステップS14)。その後、ステップS31に進む。
【0103】
ステップS31では、制御部130は、計量された被包装物が計量商品であるか否かを判断する。計量商品は、商品の価格が計量部10の計量結果に基づいて算出される商品である。
【0104】
本実施形態では、制御部130は、入力部52から重量条件が入力されている場合は、商品が、計量商品であると判断する。また、これと併せて、またはこれに代えて、制御部130は、商品マスタ121から呼び出した商品情報に、重量条件が含まれている場合は、商品が、計量商品であると判断する。
【0105】
ステップS31において、制御部130が計量商品であると判断すると、ステップS32に進む。一方、ステップS31において、制御部130が計量商品でないと判断すると、定額商品であると判断して、ステップS33に進む。定額商品は、商品の価格が計量部10の計量結果によらず一定である商品である。
【0106】
ステップS33では、制御部130は、計量部10から制御部130に入力された被包装物の重量が第2重量値(図9では「10g」)以上であるか否かを判断する。定額商品の被包装物の重量が第2重量値以上である場合、ステップS16に進む。一方、定額商品の被包装物の重量が第2重量値以上でない場合、ステップS34に進む。
【0107】
ステップS34では、制御部130は、表示部51に第2重量値以上でないことを表示させる。第2重量値以上でないことを認識した使用者は、計量部10に載荷された被包装物を増やす。すると、計量部10は、ステップS14に戻って、計量値を入力し直す。
【0108】
ステップS32では、制御部130は、計量部10から制御部130に入力された被包装物の重量が第1重量値(図10では「20g」)以上であるか否かを判断する。ここで、第1重量値は、計量部10の精度等級で定められる最小測定量である。計量部10の精度等級で定められる最小測定量は、計量商品について、印字に必要な最小重量である。なお、はかりの精度等級の分類は、日本工業規格で規定されている。本実施形態の第1重量値は、20gである。第1重量値は、第2重量値よりも大きい。
【0109】
ステップS32において、計量商品の被包装物の重量が第1重量値以上である場合、ステップS35に進む。一方、計量商品の被包装物の重量が第1重量値以上でない場合、ステップS34に進む。
【0110】
ステップS34では、制御部130は、表示部51に第1重量値以上でないことを表示させる。第1重量値以上でないことを認識した使用者は、計量部10に載荷された被包装物を増やす。すると、計量部10は、ステップS14に戻って、計量値を入力し直す。
【0111】
ステップS35では、計量された被包装物が、重量条件の設定された商品か否かを判断する。本実施形態では、制御部130は、入力部52から重量条件が入力されている場合は、商品が、重量条件が設定された商品であると判断する。また、これと併せて、またはこれに代えて、制御部130は、商品マスタ121から呼び出した商品情報に、重量条件が含まれている場合は、商品が、重量条件が設定された商品であると判断する。
【0112】
具体的には、例えば、使用者は、表示部51の上限重量欄または下限重量欄をタッチして指定した後、入力部52としてのテンキーで数値を入力する。すると、制御部130は、入力された数値を、指定された上限重量欄又は下限重量欄の入力値として登録する。そして、制御部130は、入力部52によって、上限重量及び下限重量の少なくとも一方が入力された場合には、重量条件が設定された商品であると判断する。また、制御部130は、上限重量及び下限重量が0gと表示されている場合には、重量条件が設定された商品でないと判断する。なお、上限重量及び下限重量は、初期状態では、0gがデフォルト値として設定されている。
【0113】
ステップS35において、制御部130は、重量条件が設定されている否かを判断する。本実施形態では、図10に示すように、重量条件として、上限重量(図10では「400g」)及び下限重量(図10では「300g」)が設定されている。
【0114】
ステップS35において、制御部130は、重量条件が設定された商品であると判断すると、ステップS36に進む。一方、ステップS35において、制御部130は、重量条件が設定された商品でないと判断すると、ステップS15に進む。
【0115】
ステップS36では、制御部130は、計量部10の計量値から商品マスタ121に登録された風袋重量を減算して正味重量を求め、その正味重量が安定したときの被包装物の重量が重量条件を満たすか否かを判断する。より詳細には、制御部130は、入力部52で入力された重量条件、及び、商品マスタ121から呼び出した重量条件の少なくとも一方を満たすか否かを判断する。
【0116】
ステップS36において、制御部130が重量条件を満たすと判断すると、ステップS15に進む。一方、ステップS36において、制御部130が重量条件を満たさないと判断すると、ステップS34に進む。
【0117】
ステップS34では、制御部130は、ステップS14において計量部10の計量値に基づいて算出した正味重量が、重量条件の範囲外であることを表示部51に表示させる。例えば、制御部130が下限重量以下であると判断すると、表示部51に「軽量」を表示させ、上限重量以上であると判断すると、表示部51に「過量」を表示させる(図示せず)。また、制御部130は、図11に示すように、表示部51に警告画面を表示させてもよい。重量範囲外であると認識した使用者は、計量部10に載荷された被包装物を加減する。すると、計量部10は、ステップS14に戻って、計量値を入力し直す。
【0118】
ステップS15以降の工程は、上記実施形態と同様に実施される。具体的には、制御部130は、計量部10で計量された被包装物の正味重量及び単価に基づいて被包装物の販売価格を算出する(ステップS15)。次に、制御部130は、計量された被包装物が、価格条件の設定された商品か否かを判断する(ステップS16)。
【0119】
ステップS16において、制御部130が価格条件の設定された商品であると判断すると、制御部130は、ステップS15で算出した価格が、価格条件を満たすか否かを判断する(ステップS17)。一方、ステップS16において、制御部130が価格条件の設定された商品でないと判断すると、ステップS22に進む。
【0120】
ステップS17において、制御部130が価格条件を満たす商品であると判断すると、表示部51に、図5に示すように「正量」と表示させて(ステップS18)、ステップS22に進む。一方、ステップS17において、制御部130が価格条件を満たさない商品であると判断すると、ステップS19に進み、表示部51に、図6に示すように「過量」(ステップS20)または図7に示すように「軽量」(ステップS21)と表示させて、ステップS14に戻す。
【0121】
ステップS22では、計量部10の計量値に基づいて算出される正味重量が安定すれば、搬送部20を動作させる。次に、制御部130は、包装部30に、搬送部20によって搬送された被包装物を包装させる(ステップS23)。次に、制御部130は、前述と同様に、算出した販売価格、重量、その他の商品情報からなる計量商品の情報、又は、商品マスタ121から呼び出した一定金額、その他の商品情報からなる定額商品の情報をラベルプリンタ41に出力する。ラベルプリンタ41は、それらの情報をラベルに印刷させる(ステップS24)。次に、制御部130は、ラベル貼付部42に、ラベルを商品に貼り付けさせる(ステップS25)。
【0122】
(5-1-4)特徴
(5-1-4-1)
本変形例に係る包装装置において、制御部130は、第3動作モードを有する。第3動作モードは、価格条件及び重量条件が設定されている商品(ステップS35及びステップS17でYesと判断される商品)の場合、計量部10での計量値が安定したときの被包装物の重量及び単位重量当たりの価格に基づいて被包装物の販売価格を算出し、算出した販売価格が価格条件を満たし、かつ、計量部での計量値が安定したときの被包装物の重量が重量条件を満たせば、計量部に載荷された被包装物を包装部において包装する。
【0123】
ここでは、計量部10に載荷した被包装物が安定していても、価格条件及び重量条件を満たさない場合には、包装動作が実行されないから、計量部10上で被包装物の量を加減することができる。そして、加減した結果、価格条件及び重量条件を満たせば、包装動作を開始することができる。
【0124】
また、本変形例の包装装置は、価格条件が設定された商品(価格商品)と、計量商品であって重量条件が設定された商品と、計量商品であって重量条件が設定されていない商品と、を製造することができる。
【0125】
(5-1-4-2)
本変形例の制御部130は、商品の価格が計量部10の計量結果に基づいて算出される第1商品(ここでは計量商品)の、計量部10による計量及び包装部30による包装を行うモードでは、計量結果が第1重量以上のときに、包装部30による第1商品の包装を行わせ、商品の価格が計量部10の計量結果によらず一定である第2商品(ここでは定額商品)の、計量部10による計量及び包装部30による包装を行うモードでは、計量結果が第2重量以上のときに、包装部30による第2商品の包装を行わせ、第2重量は第1重量よりも小さい。これにより、商品の計量結果が第1重量より小さい場合でも、第2重量よりも大きい場合は計量部10に載せた被包装物を包装部30において包装することができる。
【0126】
この場合、本変形例の包装装置は、価格条件が設定された商品と、計量商品であって重量条件が設定された商品と、計量商品であって重量条件が設定されていない商品と、定額商品と、を製造することができる。
【0127】
(5-1-4-3)
第1重量は、計量部10の精度等級で定められる最小測定量である。これにより、被包装物の計量結果が最小測定量より小さい場合でも、第2重量以上の場合は、計量部に載せた被包装物を包装部30において包装することができる。
【0128】
(5-1-4-4)
第2重量は、予め設定された一定値である。これにより、重量が最小測定量よりも小さい定額商品を包装する場合でも、予め設定した一定の値を用いて、計量部10に載荷させた被包装物を包装部30において包装することができる。この一定の値は、例えば重量の軽い商品であっても、計量部10に被包装物が載荷されていると、計量部10自身が認識できる程度の値である。
【0129】
(5-1-4-5)
制御部130は、計量結果が第1重量以上のときに、計量部10に載荷された第1商品の搬送を開始させるとともに、計量結果が第2重量以上のときに、計量部10に載荷された第2商品の搬送を開始させる。これにより、被包装物の計量結果が第1重量よりも小さい場合でも、第2重量以上の場合は搬送部20が計量部10に載荷させた被包装物の搬送を開始することができる。したがって、計量部10に搬送部20をスタートさせるための重りを載せる必要がなくなる。
【0130】
(5-1-4-6)
定額商品の場合、ステップS23において、制御部130は、計量結果が第2重量以上であれば、商品に関する所定の情報を、ラベルプリンタに印字させる。これにより、商品の計量結果が印字に必要な最小重量である第1重量よりも小さい場合でも、第2重量以上の場合には計量結果以外の商品に関する情報に関するラベルを生成することができる。このようなラベルの一例を図12に示す。
【0131】
(5-2)変形例B
上記実施形態では、被包装物として、トマトを例に挙げて説明したが、包装装置が製造する商品は、限定されない。例えば、図9のステップS31で定額商品と判断されるものとして、大葉、木の芽(サンショウの若葉)、鷹の爪(とうがらし)などを被包装物としてもよい。
【0132】
(5-3)変形例C
上記実施形態及び変形例Aでは、価格条件として、上限価格及び下限価格を有しているが、これに限定されない。価格条件は、上限価格及び下限価格の少なくとも一方を有している。すなわち、価格条件は、上限価格のみである場合と、下限価格のみである場合と、上限価格及び下限価格である場合と、を含む。
【0133】
(5-4)変形例D
上記変形例Aでは、重量条件として、上限重量及び下限重量を有しているが、これに限定されない。重量条件は、上限重量及び下限重量の少なくとも一方を有している。すなわち、重量条件は、上限重量のみである場合と、下限重量のみである場合と、上限重量及び下限重量である場合と、を含む。
【0134】
(5-5)変形例E
上記実施形態では、包装装置100はラベル発行ユニット40を備えているが、ラベル発行ユニット40は省略されてもよい。また、包装装置は、ラベルプリンタ41を備えるが、ラベル貼付部42を備えていなくてもよい。この場合、使用者は、ラベルプリンタ41によって発行されたラベルを、包装装置100によって包装された商品に貼り付ける。
【0135】
(5-6)変形例F
上記実施形態では、包装部30は、トレーなどの容器に載置された被包装物をフィルムで包装する例を挙げて説明したが、商品によっては、トレーなどの容器を使わずにフィルムで直接商品を包装してもよい。
【符号の説明】
【0136】
10 :計量部
20 :搬送部
30 :包装部
41 :ラベルプリンタ
42 :ラベル貼付部
51 :表示部
52 :入力部
100 :包装装置
121 :商品マスタ
130 :制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0137】
【特許文献1】特開2019-156410号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12