(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117160
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】制御装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H03K 17/082 20060101AFI20230816BHJP
H02M 1/00 20070101ALI20230816BHJP
H02M 1/08 20060101ALI20230816BHJP
H03K 17/08 20060101ALN20230816BHJP
H03K 17/695 20060101ALN20230816BHJP
【FI】
H03K17/082
H02M1/00 H
H02M1/08 A
H03K17/08 C
H03K17/695
H03K17/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019723
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】株式会社デンソーエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 拓也
【テーマコード(参考)】
5H740
5J055
【Fターム(参考)】
5H740BA12
5H740BB08
5H740BC01
5H740BC02
5H740HH07
5H740JA01
5H740JB01
5H740MM12
5H740NN17
5J055AX34
5J055AX40
5J055BX16
5J055CX13
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5J055GX01
5J055GX03
5J055GX06
(57)【要約】
【課題】主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための閾値を製品毎に容易に設定することを可能にする。
【解決手段】車両用制御装置10の製造方法は、端子間電圧VSの閾値が未記録である状態のメモリ43を備える車両用制御装置10のワーク10Xを準備する工程を含む。車両用制御装置10の製造方法は、ワーク10Xにて主電流ILが過電流に到達したと本来判定されるべき電流値の主電流ILが半導体素子21から車載直流モータ50に流された場合に、中央演算装置41は、閾値記録処理を実行する工程を含む。中央演算装置41は、閾値記録処理にて、アナログデジタル変換器42から出力されるデジタル信号を閾値としてメモリ43に記録させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オン、オフすることにより電源(60)と負荷(50)との間を接続、或いは開放するスイッチ素子(21、200)と、
前記スイッチ素子がオンしたときに前記電源の出力電圧に基づいて前記スイッチ素子から前記負荷に流れる電流を主電流としたとき、前記主電流の電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流がセンス電流源(22、200)から流れ込む検出抵抗素子(30)と、
前記検出抵抗素子の一方側端子と他方側端子との間の電圧である端子間電圧を検出する電圧検出部(42)と、
前記主電流が過電流であるか否かを判定するための前記端子間電圧の閾値を記録するための記録部(43)と、
前記記録部を制御する記録制御部(S310)と、
前記端子間電圧が閾値以上であるとき、前記主電流が過電流であると判定して、前記電源と前記負荷との間を開放させるように前記スイッチ素子をオフさせるスイッチ制御部(S110、S120)とを備える制御装置(10、10A)を製造する制御装置の製造方法であって、
前記端子間電圧の閾値が未記録である状態の前記記録部を備える前記制御装置のワーク(10X、10Y)を準備することと、
前記ワークにおいて前記主電流が過電流に到達したと本来判定されるべき電流値の前記主電流が前記スイッチ素子から前記負荷に流れた場合に、前記記録制御部は、前記電圧検出部の検出値を前記閾値として前記記録部に記録させることと、を含む制御装置の製造方法。
【請求項2】
前記記録制御部、および前記スイッチ制御部は、マイクロコンピュータ(40)によって実行される請求項1に記載の制御装置の製造方法。
【請求項3】
前記電圧検出部は、前記端子間電圧を前記端子間電圧を示すデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器である請求項2に記載の制御装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子の入力端子に入力される主電流に対して所定の分流率のセンス電流をセンス端子から出力する半導体素子を用いて、半導体素子の過電流保護処理を行う制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
制御装置には、半導体素子をオン、オフさせるゲート駆動回路と、半導体素子のセンス端子とグランドとの間に配置されている検出抵抗素子と、コンパレータと、過電流判定基準電源とを備える。
【0004】
過電流判定基準電源は、主電流が過電流であるか否かを判定するための判定基準電圧を出力電圧として出力する。過電流判定基準電源には、判定基準電圧を手動で調整するための可変抵抗器が設けられている。
【0005】
コンパレータは、検出抵抗素子とセンス端子との間の共通接続端子から出力されるセンス電圧の方が過電流判定基準電源の出力電圧に比べて大きいと判定したとき、ゲート駆動回路に対して半導体素子をオンさせることを中止させる中止指令信号を出力する。
【0006】
このため、半導体素子をオンさせることを指令するゲート駆動指令がゲート駆動回路に入力されている場合でも、主電流が過電流である判定される際には、半導体素子をオフさせることができる。
【0007】
しかし、分流率のバラツキや検出抵抗素子の抵抗値のバラツキが起因して、主電流が過電流に到達した本来判定されるべきタイミングに上述した共通接続端子から出力されるセンス電圧には、製品毎に、バラツキが生じる。
【0008】
これに対して、製造時には、可変抵抗素子の抵抗値が手動で調整されて、分流率のバラツキや検出抵抗素子の抵抗値のバラツキを加味するように、過電流判定基準電源の出力電圧が調整される。このことにより、分流率や検出抵抗素子のバラツキが製品毎に生じていても、主電流が過電流であるか否かについて高精度に判定することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の制御装置では、製造時には、可変抵抗素子の抵抗値が手動で調整されることにより、分流率のバラツキや検出抵抗素子の抵抗値のバラツキを加味するように、過電流判定基準電源の出力電圧(すなわち、判定基準電圧)が設定される。このことにより、製品毎に分流率や検出抵抗素子のバラツキ生じていても、主電流が過電流であるか否かを高精度に判定することが可能になる。
【0011】
しかしながら、製品毎に、過電流判定基準電源の出力電圧を調整するために、可変抵抗素子の抵抗値が手動で調整されることが必要となるため、製品毎の判定基準電圧の調整に手間がかかる。すなわち、主電流が過電流であるか否かを判定するための製品毎の閾値の設定に手間がかかる。
【0012】
本発明は上記点に鑑みて、主電流が過電流であるか否かを判定するための製品毎の閾値を容易に設定することが可能である制御装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、制御装置の製造方法において、
オン、オフすることにより電源(60)と負荷(50)との間を接続、或いは開放するスイッチ素子(21、200)と、
スイッチ素子がオンしたときに電源の出力電圧に基づいてスイッチ素子から負荷に流れる電流を主電流としたとき、主電流の電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流がセンス電流源(22、200)から流れ込む検出抵抗素子(30)と、
検出抵抗素子の一方側端子と他方側端子との間の電圧である端子間電圧を検出する電圧検出部(42)と、
主電流が過電流であるか否かを判定するための端子間電圧の閾値を記録するための記録部(43)と、
記録部を制御する記録制御部(S310)と、
端子間電圧が閾値以上であるとき、主電流が過電流であると判定して、電源と負荷との間を開放させるようにスイッチ素子をオフさせるスイッチ制御部(S110、S120)とを備える制御装置(10、10A)を製造する制御装置の製造方法であって、
端子間電圧の閾値が未記録である状態の記録部を備える制御装置のワーク(10X、10Y)を準備することと、
ワークにおいて主電流が過電流に到達したと本来判定されるべき電流値の主電流がスイッチ素子から負荷に流れた場合に、記録制御部は、電圧検出部の検出値を閾値として記録部に記録させることと、を含む。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、記録制御部は、電圧検出部の検出値を閾値として記録部に記録させることができる。このため、主電流が過電流であるか否かを判定するための製品毎の閾値を容易に設定することが可能になる。
【0015】
但し、制御装置のワークとは、制御装置の製造工程において制御装置が完成前の状態である中間生成物である。
【0016】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態における車両用制御装置の概略的な回路構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の第1実施形態において、車両用制御装置の半導体素子から車載直流モータに流れる主電流の電流値とセンス電流検出用の抵抗素子の端子間電圧の電圧値との関係を示す図である。
【
図3】
図1の第1実施形態における車両用制御装置の中央演算装置により実行される過電流保護処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図1の第1実施形態における車両用制御装置の製造時にてメモリに過電流判定値を記録させる閾値記録工程において用いられる治具用電源、電子負荷と制御装置との接続関係を示すブロック図である。
【
図5】
図1の第1実施形態における車両用制御装置の各製造工程を示すフローチャートである。
【
図6】
図1の第1実施形態における車両用制御装置の製造工程において制御装置の中央演算装置により実行される記録制御処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第2実施形態における車両用制御装置の概略的な回路構成を示すブロック図である。
【
図8】
図7の第2実施形態における車両用制御装置の製造時にてメモリに過電流判定値を記録させる閾値記録工程において用いられる治具用電源、電子負荷と制御装置との接続関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0019】
(第1実施形態)
図1に本第1実施形態の車両用制御装置10の回路構成を示す。車両用制御装置10は、車載直流モータ50を制御するためのものであって、駆動回路20、抵抗素子30、31、およびマイクロコンピュータ40を備える。
【0020】
駆動回路20は、半導体素子21、センス電流源22、およびゲート駆動回路23を備える。半導体素子21は、車載電源60のプラス電極と車載直流モータ50との間に配置されている。なお、本実施形態の車載電源60としては、例えば、車載バッテリが用いられる。
【0021】
半導体素子21は、スイッチ素子として、オンすることにより、車載電源60のプラス電極と車載直流モータ50との間を接続する一方、半導体素子21は、オフすることにより、車載電源60のプラス電極と車載直流モータ50との間を開放する。
【0022】
本実施形態では、半導体素子21は、電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなど各種の半導体素子が用いられる。
【0023】
車載直流モータ50は、半導体素子21とグランドとの間に配置されている負荷である。車載直流モータ50は、車両のワイパ駆動用電動モータ、ミラーの格納用電動モータ、ドアクローザ用電動モータとして用いられる。
【0024】
センス電流源22は、車載電源61から出力される出力電圧に基づいて作動するものであって、車載電源60のプラス電極から半導体素子21に流れ込む主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流ISを出力する。
【0025】
主電流ILの電流値は、車載電源61の出力電圧に基づいて半導体素子21から車載直流モータ50に流れる電流の電流値と同一となる。本実施形態のセンス電流ISは、車載電源61の出力電圧に基づいて半導体素子21から車載直流モータ50に流れる主電流の電流値に対して所定比率の電流値を有する。
【0026】
本実施形態では、センス電流源22としては、例えば、車載電源60のプラス電極から半導体素子21に流れ込む主電流ILを検出し、この検出した主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流を出力するカレントミラー回路等が用いられる。
【0027】
ゲート駆動回路23は、車載電源61から出力される電力に基づいて作動するものであって、中央演算装置41から出力されるゲート駆動信号に応じて半導体素子21をオン、オフ制御する。
【0028】
なお、本実施形態の駆動回路20としては、例えば、infineon製のBTN8962TA等の半導体集積回路が用いられる。
【0029】
抵抗素子30は、センス電流源22の出力端子とグランドとの間に接続されている。抵抗素子30は、センス電流源22の出力端子から流れ込むセンス電流ISによって、センス電流ISを示す端子間電圧VSを発生するセンス電流検出用の抵抗素子である。端子間電圧VSは、センス電流ISの電流値が大きくなるほど、大きくなる。端子間電圧VSは、センス電流ISの電流値が小さくなるほど、小さくなる。
【0030】
ここで、主電流ILと端子間電圧VSとは、
図2に示すように、主電流ILが大きくなるほど端子間電圧VSが大きくなる比例関係になっている。このため、主電流ILと端子間電圧VSとは、1体1で特定される関係になっている。
【0031】
図2は、横軸を主電流ILの電流値とし、縦軸を端子間電圧VSの電圧値とし、主電流ILの電流値と端子間電圧VSの電圧値との関係を示す図である。端子間電圧VSは、抵抗素子30のうち一方側端子と他方側端子との間の電圧である。
【0032】
抵抗素子31は、共通接続端子32とマイクロコンピュータ40のアナログデジタル変換器42の入力端子との間に配置されている。抵抗素子31は、センス電流源22の出力端子からセンス電流ISがアナログデジタル変換器42の入力端子に流れ込むことを制限する電流制限抵抗を構成する。
【0033】
ここで、共通接続端子32は、センス電流源22の出力端子と抵抗素子30との間の共通接続端子である。共通接続端子32は、抵抗素子30、31の間の共通接続端子を構成する。
【0034】
マイクロコンピュータ40は、中央演算装置41、アナログデジタル変換器42、およびメモリ43を備える。
【0035】
中央演算装置41は、メモリ43に予め記録されているコンピュータプログラムを実行することにより、過電流保護処理、記録制御処理を実行する。
【0036】
過電流保護処理は、後述するように、過電流に到達した主電流ILによって車載直流モータ50が故障することを未然に防ぐための制御処理である。記録制御処理は、後述するように、製造時にて、主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための端子間電圧VSの閾値をメモリ43に記録するための制御処理である。
【0037】
アナログデジタル変換器42は、抵抗素子30(すなわち、検出抵抗素子)の端子間電圧VSを端子間電圧VSを示すデジタル信号に変換して中央演算装置41に出力する。デジタル信号は、センス電流ISを示す信号でもある。すなわち、アナログデジタル変換器42は、抵抗素子30の端子間電圧VSを検出値として検出して中央演算装置41に出力する電圧検出部である。
【0038】
なお、
図1において中央演算装置41をCPUと記し、アナログデジタル変換器42をA/Dと記す。
【0039】
メモリ43は、半導体メモリであって、ROM、RAM、フラッシュメモリ等によって構成されている記録部である。メモリ43は、過電流保護処理、記録制御処理等を実行するためのコンピュータプログラム、過電流保護処理の実行に用いる端子間電圧VSの閾値を記録する役割を果たす。
【0040】
ここで、本実施形態では、フラッシュメモリとしては、端子間電圧VSの閾値を記録するために用いられる不揮発性メモリである(すなわち、非遷移的実体的記録媒体)である。
【0041】
次に、本実施形態の車両用制御装置10の作動について説明する。以下の車両用制御装置10では、センス電流源22、ゲート駆動回路23、およびマイクロコンピュータ40は、車載電源61から出力される電力によって作動する。
【0042】
まず、中央演算装置41は、車載電子制御装置からゲート駆動指令を受けると、ゲート駆動信号をゲート駆動回路23に出力する。すると、ゲート駆動回路23は、半導体素子21をオンさせるためのオン制御信号を半導体素子21の制御端子に出力する。
【0043】
これに伴い、半導体素子21がオンする。このため、半導体素子21が車載電源60のプラス電極と車載直流モータ50との間を接続する。これに伴い、車載電源60のプラス電極から半導体素子21、車載直流モータ50を通してグランドに主電流ILが流れる。よって、車載直流モータ50は、主電流ILに基づいて回転力を出力する。
【0044】
一方、車載電子制御装置が中央演算装置41に対してゲート駆動指令を与えることを停止すると、中央演算装置41は、ゲート停止信号をゲート駆動回路23に出力する。すると、ゲート駆動回路23は、半導体素子21をオフさせるためのオフ制御信号を半導体素子21の制御端子に出力する。
【0045】
これに伴い、半導体素子21がオフする。このため、半導体素子21が車載電源60のプラス電極と車載直流モータ50との間を開放する。これに伴い、車載電源60のプラス電極から半導体素子21、車載直流モータ50を通してグランドに主電流ILが流れることが停止される。したがって、車載直流モータ50が回転力を出力することが停止される。
【0046】
このように、中央演算装置41は、車載電子制御装置から与えるゲート駆動指令に応じて、車載直流モータ50をオン、オフ制御する。
【0047】
このとき、センス電流源22は、車載電源60のプラス電極から半導体素子21に流れ込む主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流ISを抵抗素子30に出力する。
【0048】
このため、抵抗素子30の端子間電圧VSが共通接続端子32からアナログデジタル変換器42の入力端子に与えられる。これに伴い、アナログデジタル変換器42は、端子間電圧VSを示すデジタル信号を中央演算装置41に出力する。
【0049】
ここで、半導体素子21に流れる主電流ILが過電流であるとき、車載直流モータ50が故障する虞がある。これに対して、中央演算装置41は、アナログデジタル変換器42から出力されるデジタル信号に基づいて、半導体素子21を保護するための過電流保護処理を時分割で繰り返し実行する。
【0050】
以下、本実施形態の中央演算装置41による過電流保護処理について
図3を参照して説明する。
【0051】
図3は、過電流保護処理を示すフローチャートである。中央演算装置41は、
図3のフローチャートにしたがって、過電流保護処理を繰り返し実行する。
【0052】
まず、中央演算装置41は、ステップS100において、メモリ43から端子間電圧VSの閾値を取得する。
【0053】
次に、中央演算装置41は、ステップS110において、スイッチ制御部として、アナログデジタル変換器42から出力されるデジタル信号に基づいて、端子間電圧VSが上述した閾値以上であるか否かを判定する。このことにより、主電流ILが過電流に到達したか否かを判定することになる。
【0054】
このとき、中央演算装置41は、端子間電圧VSが上述した閾値以上である場合には、主電流ILが過電流に到達したとして、ステップS110において、YESと判定する。
【0055】
これに伴い、中央演算装置41は、ステップS120において、ゲート停止信号をゲート駆動回路23に出力する。すると、ゲート駆動回路23は、半導体素子21をオフさせるための制御信号を半導体素子21の制御端子に出力する。
【0056】
これに伴い、半導体素子21がオフする。このため、半導体素子21が車載電源60のプラス電極と車載直流モータ50との間を開放する。これに伴い、車載電源60のプラス電極から半導体素子21、車載直流モータ50を通してグランドに主電流ILが流れることが停止される。したがって、車載直流モータ50が回転力を出力することが停止される。
【0057】
一方、中央演算装置41は、端子間電圧VSが上述した閾値未満であるとき、主電流ILが過電流に到達していないとして、NOと判定して、ステップS120をスキップして、ステップS100に移行する。すなわち、中央演算装置41は、主電流ILが正常である場合には、ステップS120をスキップして、ステップS100に移行する。
【0058】
このように、中央演算装置41は、端子間電圧VSが上述した閾値以上である場合には、車載電子制御装置からゲート駆動指令が与えられた場合でも、車載直流モータ50の駆動を停止させることができる。
【0059】
次に、本実施形態の車両用制御装置10の製造工程について
図4、
図5、
図6を参照して説明する。
【0060】
図4は、車両用制御装置10のワーク10Xの回路構成を示すブロック図である。
図5は、車両用制御装置10の製造工程を示すフローチャートである。
【0061】
まず、
図5のステップS100の準備工程において、車両用制御装置10のワーク10Xを準備する。ワーク10Xは、車両用制御装置10の製造工程において車両用制御装置10が完成前の状態である中間生成物である。
【0062】
具体的には、ワーク10Xは、駆動回路20、抵抗素子30、31、およびマイクロコンピュータ40を備える。但し、ワーク10Xでは、マイクロコンピュータ40のメモリ43は、端子間電圧VSの閾値が未記録状態であるものの、過電流保護処理、記録制御処理を実行するためのコンピュータプログラムが記録されている。
【0063】
次に、
図5のステップS110の閾値記録工程において、中央演算装置41によって記録制御処理を実行することにより、メモリ43に端子間電圧VSの閾値を記録する。以下、メモリ43に端子間電圧VSの閾値を記録するための閾値記録工程の詳細について説明する。
【0064】
まず、閾値記録工程では、
図4に示すように、車載電源61に代わる治具用電源61Aのプラス電極が駆動回路20とマイクロコンピュータ40とに接続されている。これに加えて、車載電源60に代わる治具用車載電源60Aのプラス電極が半導体素子21の入力端子に接続されている。
【0065】
ここで、車載直流モータ50に代わる電子負荷50Aが半導体素子21の出力端子とグランドとの間に配置されている。治具用電源61Aおよび治具用車載電源60Aは、それぞれ、製造工程で用いられる電源でる。
【0066】
ここで、電子負荷50Aは、製造工程において、車載直流モータ50を代用して用いられる。電子負荷50Aは、内蔵される抵抗素子の抵抗値の設定により、治具用車載電源60Aから半導体素子21および電子負荷50Aを通してグランドに流れる電流を調整することができる。
【0067】
この場合、治具用電源61Aから出力される出力電力がセンス電流源22、ゲート駆動回路23、およびマイクロコンピュータ40に与えられる。このため、センス電流源22、ゲート駆動回路23、およびマイクロコンピュータ40は、治具用電源61Aから出力される出力電力に基づいて作動する。
【0068】
これに加えて、電子負荷50Aの設定により、ワーク10Xにおいて、主電流ILが過電流に到達したと本来判定されるべき電流値の主電流ILを治具用車載電源60Aから半導体素子21および電子負荷50Aを通してグランドに流す。
【0069】
このとき、センス電流源22は、治具用車載電源60Aのプラス電極から半導体素子21に流れ込む主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流ISを抵抗素子30に出力する。
【0070】
このため、抵抗素子30の端子間電圧VSが共通接続端子32からアナログデジタル変換器42の入力端子に与えられる。すると、アナログデジタル変換器42は、端子間電圧VSを示すデジタル信号を中央演算装置41に出力する。
【0071】
このとき、中央演算装置41は、治具用制御装置から記録制御指令を受けると、
図6のフローチャートにしたがって、記録制御処理の実行を開始する。
【0072】
まず、中央演算装置41は、ステップS300において、アナログデジタル変換器42から出力されるデジタル信号に基づいて、端子間電圧VSを取得する。端子間電圧VSは、主電流ILが過電流に到達したと本来判定されるべき電流値の主電流ILに対して所定比率の電流値を有するセンス電流ISの電流値を示す閾値情報である。
【0073】
次に、中央演算装置41は、ステップS310において、記録制御部として、上述の如く取得した端子間電圧VSを閾値としてメモリ43に記録する。以上のように、中央演算装置41が主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための閾値をメモリ43に記録することができる。
【0074】
以上説明した本実施形態によれば、車両用制御装置10は、オン、オフすることにより、車載電源60と車載直流モータ50との間を接続、或いは開放する半導体素子21を備える。車両用制御装置10は、主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流ISがセンス電流源22から流れる抵抗素子30を備える。
【0075】
センス電流ISは、半導体素子21がオンしたときに車載電源60の出力電圧に基づいて半導体素子21から車載直流モータ50に流れる電流である。
【0076】
車両用制御装置10は、抵抗素子30の一方側端子と他方側端子との間の電圧である端子間電圧を検出するアナログデジタル変換器42と、主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための端子間電圧VSの閾値を記録するためのメモリ43とを備える。
【0077】
中央演算装置41は、メモリ43を制御するステップS310と、端子間電圧VSが閾値以上であるとき主電流ILが過電流であると判定し、車載電源60と車載直流モータ50との間を開放させるように半導体素子21をオフさせるステップS110とを実行する。
【0078】
車両用制御装置10の製造方法は、端子間電圧VSの閾値が未記録である状態のメモリ43を備える車両用制御装置10のワーク10Xを準備する準備工程を含む。
【0079】
車両用制御装置10の製造方法は、ワーク10Xにおいて主電流ILが過電流に到達したと本来判定されるべき電流値の主電流ILが半導体素子21から車載直流モータ50に流された場合に、中央演算装置41が記録制御処理を実行する閾値記録工程を含む。
【0080】
すなわち、中央演算装置41は、記録制御処理において、アナログデジタル変換器42から出力されるデジタル信号を閾値としてメモリ43に記録させる。
【0081】
以上により、主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための閾値を中央演算装置41によってメモリ43に記録させることができる。これにより、製品毎の閾値を容易に記録させることができる。以上により、主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための閾値を製品毎に容易に設定することが可能になる。
【0082】
本実施形態では、閾値は、主電流ILの電流値や主電流ILに対するセンス電流ISの比率のバラツキだけでなく、アナログデジタル変換器42の変換誤差、抵抗素子30等の車両用制御装置10を構成する回路部品のバラツキが加味されて設定される。このため、主電流ILが過電流であるか否かをより高精度に判定することができる。
【0083】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、抵抗素子30にセンス電流ISを出力するために、駆動回路20のセンス電流源22を用いた例について説明した。しかし、これに代えて、抵抗素子30にセンス電流ISを出力するために、抵抗素子30にセンス電流ISを出力するセンス端子203を有する半導体素子200を用いる本第2実施形態について
図3、
図5、
図6、
図7、
図8を参照して説明する。
【0084】
本実施形態の車両用制御装置10Aは、
図7に示すように、上記第1実施形態の車両用制御装置10において、駆動回路20に代わる半導体素子200とゲート駆動回路23とを備える。
【0085】
半導体素子200は、スイッチ素子として、入力端子201、出力端子202、センス端子203、および制御端子204を備える。本実施形態の半導体素子200としては、例えば、絶縁ゲート型バイポーラートランジスタが用いられる。
【0086】
本実施形態では、半導体素子200の入力端子201は、車載電源60のプラス電極に接続されている。半導体素子200の出力端子202は、車載直流モータ50のプラス電極に接続されている。
【0087】
このことにより、車載電源60のプラス電極とグランドとの間に、半導体素子200の入力端子201、出力端子202、および車載直流モータ50が配置されていることになる。
【0088】
半導体素子200の制御端子204は、ゲート駆動回路23の出力端子に接続されている。半導体素子200は、オフすることにより、入力端子201および出力端子202の間を開放する。
【0089】
半導体素子200は、オンすることにより、入力端子201および出力端子202の間を接続する。半導体素子200のセンス端子203は、抵抗素子30、31の間の共通接続端子32に接続されている。
【0090】
センス端子203は、主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値を有するセンス電流ISを抵抗素子30に出力する。本実施形態では、半導体素子200は、センス電流ISを抵抗素子30に出力するセンス電流源を構成することになる。
【0091】
主電流ILは、車載電源60の出力電圧に基づいて半導体素子200の出力端子202から車載直流モータ50を通してグランドに流れる電流である。ここで、半導体素子200がオンした状態で車載電源60から半導体素子200の入力端子201に流れる負荷電流を負荷電流IWとする。
【0092】
さらに、負荷電流IWの電流値を百分率で表して100%とすると、主電流ILは、負荷電流IWに対して分流率Aa(%)の電流値を有することになる。センス電流ISは、負荷電流IWに対して分流率Ba(%)の電流値を有することになる。なお、主電流ILの電流値とセンス電流ISの電流値とを足すと、負荷電流IWになる。分流率Aaと分流率Baとを加算すると、100%となる。
【0093】
本実施形態のゲート駆動回路23は、上記第1実施形態のゲート駆動回路23と同様に、中央演算装置41の出力信号に応じて、半導体素子200をオン、オフ制御する。
【0094】
次に、本実施形態の車両用制御装置10Aの作動について
図3、
図5、
図6を参照して説明する。
【0095】
まず、中央演算装置41は、車載電子制御装置からゲート駆動指令を受けると、ゲート駆動信号をゲート駆動回路23に出力する。すると、ゲート駆動回路23は、半導体素子200をオンさせるためのオン制御信号を半導体素子21の制御端子に出力する。
【0096】
これに伴い、半導体素子200がオンする。このため、半導体素子200が車載電源60のプラス電極と車載直流モータ50との間を接続する。これに伴い、車載電源60のプラス電極から負荷電流IWが半導体素子200の入力端子201に流れる。
【0097】
このとき、負荷電流IWに対する分流率Aa(%)の電流値を有する主電流ILが、半導体素子200の出力端子202から車載直流モータ50を通してグランドに流れる。このため、車載直流モータ50は、主電流ILに基づいて回転出力を発生する。
【0098】
さらに、負荷電流IWに対する分流率Ba(%)の電流値を有するセンス電流ISが、センス端子203から抵抗素子30を通してグランドに流れる。
【0099】
このため、抵抗素子30の端子間電圧VSが共通接続端子32からアナログデジタル変換器42の入力端子に与えられる。アナログデジタル変換器42は、端子間電圧VSを示すデジタル信号を中央演算装置41に出力する。
【0100】
中央演算装置41は、上記第1実施形態と同様に、アナログデジタル変換器42から出力されるデジタル信号に基づいて、車載直流モータ50を保護するための過電流保護処理を実行する。
【0101】
具体的には、中央演算装置41は、
図3のフローチャートにしたがって、過電流保護処理を繰り返し実行する。
図3は、過電流保護処理を示すフローチャートである。まず、中央演算装置41は、
図3のステップS100において、メモリ43から端子間電圧VSの閾値を取得する。
【0102】
次に、中央演算装置41は、ステップS110において、スイッチ制御部として、アナログデジタル変換器42から出力されるデジタル信号に基づいて、端子間電圧VSが上述した閾値以上であるか否かを判定する。
【0103】
このとき、中央演算装置41は、端子間電圧VSが上述した閾値以上である場合には、主電流ILが過電流に到達したとして、ステップS110において、YESと判定する。
【0104】
これに伴い、中央演算装置41は、ステップS120において、ゲート停止信号をゲート駆動回路23に出力する。すると、ゲート駆動回路23は、半導体素子200をオフさせるための制御信号を半導体素子200の制御端子に出力する。
【0105】
これに伴い、半導体素子200がオフする。このため、半導体素子200が車載電源60のプラス電極と車載直流モータ50との間を開放する。これに伴い、車載電源60のプラス電極から半導体素子200の入力端子201に負荷電流IWが流れることが停止される。このため、主電流ILが、半導体素子200の出力端子202から車載直流モータ50に流れることが停止される。したがって、車載直流モータ50が回転力を出力することが停止される。
【0106】
次に、本実施形態の車両用制御装置10Aの製造工程について
図5、
図8を参照して説明する。
【0107】
まず、
図5のステップS200の準備工程において、車両用制御装置10Aのワーク10Yを準備する。ワーク10Yは、車両用制御装置10Aの製造工程において車両用制御装置10Aが完成前の状態である中間生成物である。
【0108】
具体的には、ワーク10Yは、
図8に示すように、半導体素子200、ゲート駆動回路23、抵抗素子30、31、およびマイクロコンピュータ40を備える。但し、ワーク10Yでは、マイクロコンピュータ40のメモリ43は、端子間電圧VSの閾値が未記録状態であるものの、過電流保護処理、記録制御処理を実行するためのコンピュータプログラムが記録されている。
【0109】
次に、
図5のステップS210の閾値記録工程において、上記第1実施形態と同様に、中央演算装置41によって記録制御処理を実行することにより、メモリ43に端子間電圧VSの閾値を記録する。
【0110】
具体的には、閾値記録工程では、ゲート駆動回路23、およびマイクロコンピュータ40には、車載電源61に代わる治具用電源61Aが接続される。このため、ゲート駆動回路23、およびマイクロコンピュータ40は、治具用電源61Aから出力される電力によって作動する。
【0111】
これに加えて、上記第1実施形態と同様に、車載電源60に代わる治具用車載電源60Aのプラス電極が半導体素子200の入力端子が接続されている。さらに、車載直流モータ50に代わる電子負荷50Aが半導体素子200の出力端子とグランドとの間に配置されている。
【0112】
ここで、ワーク10Yにおいて、主電流ILが過電流に到達したと本来判定されるべき電流値の主電流ILを治具用車載電源60Aから半導体素子200および電子負荷50Aを通してグランドに流す。
【0113】
このとき、半導体素子200は、センス端子203は、出力端子202から電子負荷50Aに流れ込む主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流ISを抵抗素子30に出力する。
【0114】
このため、抵抗素子30の端子間電圧VSが共通接続端子32からアナログデジタル変換器42の入力端子に与えられる。すると、アナログデジタル変換器42は、端子間電圧VSを示すデジタル信号を中央演算装置41に出力する。
【0115】
このとき、中央演算装置41は、治具用制御装置から記録制御指令を受けると、
図6のフローチャートにしたがって、記録制御処理の実行を開始する。
【0116】
まず、中央演算装置41は、
図6のステップS300において、アナログデジタル変換器42から出力されるデジタル信号に基づいて、端子間電圧VSを取得する。端子間電圧VSは、主電流ILが過電流に到達したと本来判定されるべき電流値の主電流ILに対して所定比率の電流値を有するセンス電流ISの電流値を示す閾値情報である。
【0117】
次に、中央演算装置41は、
図6のステップS310において、記録制御部として、上述の如く取得した端子間電圧VSを閾値としてメモリ43に記録する。以上のように、中央演算装置41が主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための閾値をメモリ43に記録することができる。
【0118】
以上説明した本実施形態によれば、車両用制御装置10Aは、オン、オフすることにより車載電源60と車載直流モータ50との間を接続、或いは開放する半導体素子200を備える。車両用制御装置10Aは、主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流ISが半導体素子200のセンス端子203から流れる抵抗素子30を備える。
【0119】
センス電流ISは、半導体素子200がオンしたときに車載電源60の出力電圧に基づいて半導体素子200から車載直流モータ50に流れる電流である。
【0120】
車両用制御装置10Aは、抵抗素子30の端子間電圧VSを検出するアナログデジタル変換器42と、主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための端子間電圧VSの閾値を記録するためのメモリ43とを備える。
【0121】
車両用制御装置10Aの製造方法は、端子間電圧VSの閾値が未記録である状態のメモリ43を備える車両用制御装置10Aのワーク10Yを準備する準備工程を含む。
【0122】
車両用制御装置10Aの製造方法は、ワーク10Yにおいて主電流ILが過電流に到達したと本来判定されるべき電流値の主電流ILが半導体素子200から車載直流モータ50に流された場合に、中央演算装置41が閾値記録処理を実行する閾値記録工程を含む。
【0123】
すなわち、中央演算装置41は、記録制御処理において、アナログデジタル変換器42から出力されるデジタル信号を閾値としてメモリ43に記録させる。
【0124】
以上により、主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための閾値を中央演算装置41によってメモリ43に記録させることができる。これにより、製品毎の閾値を容易に記録させることができる。以上により、主電流ILが過電流に到達したか否かを判定するための閾値を製品毎に容易に設定することが可能になる。
【0125】
(他の実施形態)
(1)上記第1、第2実施形態では、本発明の制御装置を車両用制御装置10、10Aとした例について説明したが、これに代えて、本発明の制御装置を車両用以外の用途の制御装置としてもよい。すなわち、本発明の制御装置を家電用機器や産業用機器等に適用される制御装置としてもよい。
【0126】
(2)上記第1、第2実施形態では、負荷を車載直流モータ50とした例について説明したが、これに代えて、負荷を車載直流モータ50以外の各種の電気機器(例えば、電気ヒータ)としてもよい。
【0127】
(3)上記第1、第2実施形態では、アナログデジタル変換器42やメモリ43を内蔵するマイクロコンピュータ40によって車両用制御装置10、10Aを構成した例について説明した。しかし、これに代えて、アナログデジタル変換器42やメモリ43をマイクロコンピュータ40に対して独立して配置してもよい。
【0128】
(4)上記第1、第2実施形態では、スイッチ素子として半導体素子を用いた例について説明したが、これに代えて、スイッチ素子として電磁リレーを用いてよい。
【0129】
(5)上記第1実施形態では、車載電源60のプラス電極から半導体素子21に流れ込む主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流ISを出力するセンス電流源22を用いた例について説明した。
【0130】
しかし、これに代えて、半導体素子21から車載直流モータ50を通してグランドに流れ込む主電流ILの電流値に対して所定比率の電流値のセンス電流ISを出力するセンス電流源22を用いてもよい。
【0131】
(6)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンスを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンスを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。
【符号の説明】
【0132】
10 車両用制御装置
10A 車両用制御装置
10X 車両用制御装置のワーク
10Y 車両用制御装置のワーク
20 駆動回路
21 半導体素子
22 センス電流源
23 ゲート駆動回路
30 抵抗素子
31 抵抗素子
40 マイクロコンピュータ
41 中央演算装置
42 アナログデジタル変換器
43 メモリ
50 車載直流モータ