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特開2023-117171コーンバーおよびそロードコーン・コーンバー組立セット
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  • 特開-コーンバーおよびそロードコーン・コーンバー組立セット 図1
  • 特開-コーンバーおよびそロードコーン・コーンバー組立セット 図2
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  • 特開-コーンバーおよびそロードコーン・コーンバー組立セット 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117171
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】コーンバーおよびそロードコーン・コーンバー組立セット
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/04 20060101AFI20230816BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
E01F13/04 A
E01F13/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019740
(22)【出願日】2022-02-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】511173169
【氏名又は名称】株式会社トップ
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】河江 宏幸
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA12
2D101EA05
2D101FA12
2D101FA21
2D101FB21
(57)【要約】
【課題】 従来のコーンバーの課題を解決して、安全且つ簡便に利用することのできるコーンバーを提供することにある。
【解決手段】 コーンバー10は、バー本体部20と、バー本体部の両端にあってロードコーンの本体部先端に嵌め込む環状の嵌込部30と、バー本体部20と嵌込部30とを接続する接続部40、を備えるものである。接続部40は、折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えたものであり、ここではコイルバネ(圧縮バネ)を使用している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐状の本体部と、本体部の下側に本体部よりも幅広の台座部と、を備えた保安器具であるロードコーンとロードコーンの間に架設するコーンバーであって、
棒状のバー本体部と、バー本体部の両端にあってロードコーンの本体部先端に嵌め込む環状の嵌込部とを、折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えた接続部で接続したことを特徴とするコーンバー。
【請求項2】
接続部の折曲方向を上下方向に規制する規制体をバー本体部又は嵌込部に取り付けたことを特徴とする請求項1記載のコーンバー。
【請求項3】
接続部の折曲方向を上下方向に規制する規制体をバー本体部及び嵌込部に取り付け、規制体は折曲可能な折曲部を備えたことを特徴とする請求項1記載のコーンバー。
【請求項4】
接続部は、バネ材又はゴム材からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコーンバー。
【請求項5】
ロードコーンと請求項1から4のいずれかに記載のコーンバーとを備えたロードコーン・コーンバー組立セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、保安器具であるロードコーン(いわゆるカラーコーン:登録商標)どうしの間に架設するコーンバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業関係者は、ロードコーンにコーンバーを架設した作業帯の中で作業を行っている(特許文献1等を参照)。
そして、作業関係者が、資材の搬出入、食事休憩、トイレ等で作業帯の内外に出入りする場合、ロードコーンより一段下がって架設しているコーンバーをまたいだり、または、コーンバーを取り外して通行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3039495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前者のコーンバーをまたぐ場合、コーンバーの先端両側の輪(環状部材)を、それぞれ2個のロードコーンに架け渡した状態でコーンバーをまたぐことになり、足とコーンバーとが交差して転倒の危険がある。
【0005】
また、後者のコーンバーを取り外す場合、コーンバーの先端の輪を両方ともロードコーンから外して出入りすることがある(コーンバーの両側を外す方法)。この場合、ロードコーンから外したり架けたりする際、ロードコーンが並んでいる境界線上から外れる可能性があり、ロードコーンが歩行者や車両と接触する危険がある。
【0006】
後者ではその他に、コーンバーの先端片側の輪のみをロードコーンから外した状態で、上方向に持ち上げることにより通り道をつくり、出入りすることがある(コーンバーの片側を外す方法)。この場合、コーンバーの他方の先端片側の輪は、ロードコーンに装着した状態なので、上方向に持ち上げる角度が浅くなる(約30度くらい)。従って、作業関係者は腰をかがめた不安定な姿勢で通行することになり、危険が伴う。また、かがんだ姿勢のため、顔が下を向いた状態での通行となり、周囲の安全確認の視野が狭くて、危険である。さらに、コーンバーの他方の先端片側の輪をロードコーンに装着しているので、コーンバーをねじ曲げる状態となり、コーンバーのねじ曲げた部分に負荷がかかり、壊れやすくなる。安全資機材の破損は、危険につながる。
【0007】
そこで、本願発明者は、上記した従来のコーンバーの課題を解決して、安全且つ簡便に利用することのできるコーンバーを提供すべく、本願発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明の第1の発明は、円錐状の本体部と、本体部の下側に本体部よりも幅広の台座部と、を備えた保安器具であるロードコーンとロードコーンの間に架設するコーンバーであって、棒状のバー本体部と、バー本体部の両端にあってロードコーンの本体部先端に嵌め込む環状の嵌込部とを、折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えた接続部で接続したことを特徴とするものである。なお、接続部は、バー本体部の両端に備えるのが好ましいが、一方のみであっても構わない。
第2の発明は、接続部の折曲方向を上下方向に規制する規制体をバー本体部又は嵌込部に取り付けたことを特徴とする同コーンバーである。
第3の発明は、接続部の折曲方向を上下方向に規制する規制体をバー本体部及び嵌込部に取り付け、規制体は折曲可能な折曲部を備えたことを特徴とする同コーンバーである。
第4の発明は、接続部が、バネ材又はゴム材からなることを特徴とする同コーンバーである。
第5の発明は、ロードコーンと上記第1の発明から第4の発明に係るコーンバーとを備えたロードコーン・コーンバー組立セットである。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、以下の効果を有する。
(1)コーンバーのバー本体部と嵌込部とを、折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えた接続部で接続したことで、一方の嵌込部をロードコーンの本体部先端に嵌め込んだまま、他方の嵌込部をロードコーンから外してバー本体部を持ち上げても接続部が折れ曲がるので、その接続部が支点となりバー本体部を無理なく可動できて、人(作業関係者等)が安定した姿勢で通行(出入り)できる。
(2)人の通行後、当該人がバー本体部を持ち上げていた力を抜けば、接続部の復元力によりバー本体部は元の状態に戻るので、ロードコーンから外していた他方の嵌込部を再び元のロードコーンに嵌め込むことが簡単にできる。
(3)コーンバーに接続部の折曲方向を上下方向へ規制する規制体を備えることで、折曲可能な接続部でバー本体部と嵌込部が接続されていても、コーンバーが思わぬ方向(例えば、作業帯の外側や内側)に可動することはなくなるので、通行人や通行車両等に接触することなく、安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願発明の実施形態を説明する説明図(1)。
図2】本願発明の実施形態を説明する説明図(2)。
図3】本願発明の実施形態を説明する説明図(3)。
図4】本願発明の実施形態を説明する説明図(4)。
図5】本願発明の実施形態を説明する説明図(5)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願発明に係るコーンバーの実施形態を、図面に基いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は本願発明の一例であり、これに限定されるものではない。
【0012】
図1は、本願発明に係るコーンバーの全体図である。
図1に図示するコーンバー10は、バー本体部20と、バー本体部の両端にあってロードコーンの本体部先端に嵌め込む環状の嵌込部30と、バー本体部20と嵌込部30とを接続する接続部40、を備えるものである。
【0013】
接続部40は、折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えたものであり、ここではコイルバネ(引きバネ、引張りバネ、圧縮バネともいう)を使用している。
図2では、接続部40の取り付け状態を図示している。
図2に図示するように、接続部40は、バー本体部20の端面21の中心に形成された凹部22と、嵌込部30の端面31の中心に形成された凹部32とのそれぞれに挿入し、取り付けられる(図2(b))。これによって、接続部40とバー本体部20及び嵌込部30との接続は確実且つ安定したものとなる(図2(a))。
【0014】
図3は、コーンバー10の使用状態を図示している。
図3(ア)に図示するように、ロードコーン70とロードコーン70の間にコーンバー10を架設し、作業帯Xを構成する。
そして、この作業帯Xの中で作業している作業関係者Yが、この作業帯Xを越えて移動しようとしている。
【0015】
図3(イ)に図示するように、作業関係者Yは、バー本体部20を持ち上げて一方の嵌込部30をロードコーン70の本体部71の先端から外す。この時、他方の嵌込部30はロードコーン70の本体部71の先端に嵌め込まれたまま、バー本体部20との間を接続している接続部40が折れ曲がり、ここを支点としてバー本体部20が弧を描くように可動する。これによって、作業関係者Yが通過するのに十分な広さを確保できて、無理なく安全に作業帯Xの外側へ移動できる。
【0016】
図3(ウ)に図示するように、作業関係者Yが作業帯Xを通過したあとは、バー本体部20を持ち上げていた力(応力)を抜くことで、支点となっていた接続部40の復元力が働き、コーンバー10は元の状態(ストレート状態)に戻ることになる。その結果、特に力(応力)を加えることなく、作業関係者Yはコーンバー10に手を添えるだけで一方の嵌込部30をロードコーン70の本体部71の先端に嵌め込むことができ、元の作業帯Xに戻すことができる。
【0017】
図4は、コーンバー10に設ける規制体について図示したものである。
規制体は、接続部40の折曲方向を上下方向(=作業帯Xの上下方向)へ規制するために設けるものである。
図4(ア)に図示する規制体50は、一対の板状部材を接続部40の側面方向に沿って嵌込部30に取り付けたものである。
図4(イ)に図示する規制体53は、一対の板状部材を接続部40の側面方向に沿ってバー本体部20に取り付けたものである。
図4(ウ)に図示する規制体56は、一対の板状部材を接続部40の側面方向に沿って嵌込部30及びバー本体部20に取り付けたものである。なお、接続部40の折曲に対応できるように、規制体56には2部材で1の板状部材を形成し、その2部材をヒンジ等で連結し、折曲可能な折曲部57を形成している。
【0018】
図5は、接続部のその他の実施形態を図示したものである。
図1図4に図示した接続部40は、コイルバネ(圧縮バネ)を使用したものであるが、図5に図示した接続部45は、ゴム材を使用したものである。折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えたゴム材であれば、コイルバネ(圧縮バネ)と同じく本願発明の接続部として使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本願発明に係るコーンバーは、ロードコーンとロードコーンの間に架設して、作業帯を構成する部材として幅広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0020】
10 コーンバー
20 バー本体部
21 端面
22 凹部
30 嵌込部
31 端面
32 凹部
40 接続部
45 接続部
50 規制体
53 規制体
56 規制体
57 折曲部
70 ロードコーン
71 本体部
X 作業帯
Y 作業関係者
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐状の本体部と、本体部の下側に本体部よりも幅広の台座部と、を備えた保安器具であるロードコーンとロードコーンの間に架設するコーンバーであって、
棒状のバー本体部と、バー本体部の両端にあってロードコーンの本体部先端に嵌め込む環状の嵌込部とを、折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えた接続部で接続し
接続部の折曲方向を上下方向に規制する規制体をバー本体部又は嵌込部に取り付けたことを特徴とするコーンバー。
【請求項2】
円錐状の本体部と、本体部の下側に本体部よりも幅広の台座部と、を備えた保安器具であるロードコーンとロードコーンの間に架設するコーンバーであって、
棒状のバー本体部と、バー本体部の両端にあってロードコーンの本体部先端に嵌め込む環状の嵌込部とを、折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えた接続部で接続し
接続部の折曲方向を上下方向に規制する規制体をバー本体部及び嵌込部に取り付け、規制体は折曲可能な折曲部を備えたことを特徴とするコーンバー。
【請求項3】
接続部は、バネ材又はゴム材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーンバー。
【請求項4】
ロードコーンと請求項1からのいずれかに記載のコーンバーとを備えたロードコーン・コーンバー組立セット。