(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117191
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】ネズミ捕獲装置
(51)【国際特許分類】
A01M 23/02 20060101AFI20230816BHJP
【FI】
A01M23/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019769
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】591262827
【氏名又は名称】株式会社シー・アイ・シー
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 英武
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA03
2B121BA03
2B121BA47
2B121BA58
2B121DA22
2B121EA01
(57)【要約】
【課題】捕獲後のネズミの処理を簡単化するネズミ捕獲装置を提供する。
【解決手段】ネズミ捕獲装置10aは、袋形成部材12と、袋形成部材12により上を覆われる支持具20とを備える。支持具20は、下敷き21と、下敷き21の上に相互に平行に固設されている枕部22と、両端において枕部22の上面に載置され、相互に平行に延在して両枕部22間を橋絡する複数の瞬時巻回部材23とを備えている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネズミを包み込むための捕獲シートと、
前記捕獲シートがネズミを包み込むように前記捕獲シートを閉じさせる包み込み手段と、
ネズミが前記捕獲シート上に乗ったとき、前記包み込み手段を作動させて前記捕獲シートを湾曲させてネズミを包み込ませる起動手段とを備える、ネズミ捕獲装置。
【請求項2】
前記捕獲シートの上面には、粘着層が形成されている、請求項1記載のネズミ捕獲装置。
【請求項3】
前記包み込み手段は、細長い板状をなし、長手方向に沿って見たときに湾曲した形状をなし、湾曲した部分の少なくとも1か所を押すことにより、反転して丸まって、前記捕獲シートを閉じさせるように形成された板バネで構成されている、請求項1又は2記載のネズミ捕獲装置。
【請求項4】
前記捕獲シートは、丸まるように癖の付いたシートからなり、
前記包み込み手段は、床面に対して高い位置で前記捕獲シートの両端部を広げた状態で引き抜き可能に保持する保持部材を有し、ネズミが前記捕獲シート上に乗ると、その重量で前記捕獲シートが下降してその両端部が前記保持部材から引き抜かれるように構成されている、請求項1又は2記載のネズミ捕獲装置。
【請求項5】
前記包み込み手段は、前記捕獲シートの周縁に取付けられた複数の磁石からなり、前記捕獲シート上にネズミが乗ると、前記磁石が近接して互いに吸着することにより、前記捕獲シートを丸まらせるように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のネズミ捕獲装置。
【請求項6】
前記包み込み手段と前記起動手段とは、相互に直交する2軸方向の一方の軸方向にかつ表面側を内面として巻回する性質が付与されていて、かつ他方の軸方向から見て前記表面側を山側とする形状とされていることにより、前記表面側への巻回形状への変形を阻止されている板状部材であって、前記表面側の少なくとも1か所を押すことにより、前記表面側を内面側に反転して袋状に丸まって、前記捕獲シートを閉じさせるように形成された板バネで構成されている、請求項1又は2記載のネズミ捕獲装置。
【請求項7】
前記捕獲シートは、非透明材料からなる、請求項1~6のいずれか1項に記載のネズミ捕獲装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネズミ捕獲装置に係り、詳しくは捕獲ネズミの処理が改善されるネズミ捕獲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
捕獲箱内にエサを仕掛け、ネズミが、エサを求めて捕獲箱の捕獲空間内に進入したのを検知すると、シャッタを下して、ネズミを捕獲空間内に閉じ込めることにより、捕獲するネズミ捕獲装置が知られている(例:特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-100696号公報
【特許文献2】特許第6779399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のネズミ捕獲装置では、捕獲者は、捕獲したネズミを捕獲場所とは別の場所で処分する際、捕獲場所で捕獲箱からネズミを取り出すか、捕獲箱ごと運ばなければならず、作業が煩雑になっている。
【0005】
本発明の目的は、捕獲場所で捕獲したネズミの後処理を簡単化することができるネズミ捕獲装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のネズミ捕獲装置は、
ネズミを包み込むための捕獲シートと、
前記捕獲シートがネズミを包み込むように前記捕獲シートを閉じさせる包み込み手段と、
ネズミが前記捕獲シート上に乗ったとき、前記包み込み手段を作動させて前記捕獲シートを湾曲させてネズミを包み込ませる起動手段とを備える。
【0007】
本発明によれば、ネズミが袋詰めされて、捕獲される。これにより、捕獲後の処分を簡単化することができる。
【0008】
本発明のネズミ捕獲装置においては、前記捕獲シートの上面には、粘着層が形成されていることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、ネズミが捕獲シート上に乗ったとき、ネズミが粘着層に付着するので、包み込み手段が作動してネズミを包み込む間に、ネズミが捕獲シートから離れてしまうことを防止できる。
【0010】
本発明のネズミ捕獲装置においては、前記包み込み手段は、細長い板状をなし、長手方向に沿って見たときに湾曲した形状をなし、湾曲した部分の少なくとも1か所を押すことにより、反転して丸まって、前記捕獲シートを閉じさせるように形成された板バネで構成されていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、板バネを直線状に伸ばすと、長手方向から見て湾曲した形状の保持力によって直線状態に維持される。この状態で板バネの湾曲した凸部を上に向けて配置し、その上に捕獲シートを載せて設置することにより、ネズミが捕獲シートに乗ると、その重量で板バネの湾曲した凸部がへこんで板バネが反転して丸まるように変形し、その際に捕獲シートを湾曲させてネズミを包み込ませることができる。
【0012】
本発明のネズミ捕獲装置においては、前記捕獲シートは、丸まるように癖の付いたシートからなり、前記包み込み手段は、床面に対して高い位置で前記捕獲シートの両端部を広げた状態で引き抜き可能に保持する保持部材を有し、ネズミが前記捕獲シート上に乗ると、その重量で前記捕獲シートが下降してその両端部が前記保持部材から引き抜かれるように構成されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、ネズミが前記捕獲シート上に乗ると、その重量で前記捕獲シートが下降してその両端部が前記保持部材から引き抜かれるので、捕獲シートが丸まってネズミを包み込むことができる。
【0014】
本発明のネズミ捕獲装置においては、前記包み込み手段は、前記捕獲シートの周縁に取付けられた複数の磁石からなり、前記捕獲シート上にネズミが乗ると、前記磁石が近接して互いに吸着することにより、前記捕獲シートを丸まらせるように構成されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、ネズミが捕獲シート上に乗ると、磁石どうしが近接して互いに吸着することにより、捕獲シートが丸まってネズミを包み込むことができる。
【0016】
本発明のネズミ捕獲装置においては、前記包み込み手段と前記起動手段とは、相互に直交する2軸方向の一方の軸方向にかつ表面側を内面として巻回する性質が付与されていて、かつ他方の軸方向から見て前記表面側を山側とする形状とされていることにより、前記表面側への巻回形状への変形を阻止されている板状部材であって、前記表面側の少なくとも1か所を押すことにより、前記表面側を内面側に反転して袋状に丸まって、前記捕獲シートを閉じさせるように形成された板バネで構成されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、板バネは、包み込み手段と起動手段とを兼ねるので、ネズミ捕獲装置の構成を簡単化することができる。
【0018】
本発明のネズミ捕獲装置においては、前記捕獲シートは、非透明材料からなることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、捕獲シート内に捕獲されたネズミが捕獲シートの外から見えないので、ネズミを気持ち悪がる人も支障なくネズミを処分することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】第1実施形態のネズミ捕獲装置の上下分解図である。
【
図1B】
図1Aのネズミ捕獲装置を斜め上方から見た斜視図である。
【
図2】
図1Aのネズミ捕獲装置の動作説明図である。
【
図3】第2実施形態のネズミ捕獲装置の動作説明を構成と共に示す図である。
【
図4A】第3実施形態のネズミ捕獲装置の制御装置の斜視図である。
【
図5】
図4Aのネズミ捕獲装置の動作説明図である。
【
図6A】第4実施形態のネズミ捕獲装置の制御装置の斜視図である。
【
図7】
図6Aのネズミ捕獲装置の動作説明図である。
【
図8A】第5実施形態のネズミ捕獲装置の上下分解図である。
【
図9】
図8Aのネズミ捕獲装置の動作説明図である。
【
図10】第6実施形態のネズミ捕獲装置の動作説明を構成と共に示す図である。
【
図11A】
図10の第7実施形態のネズミ捕獲装置の外側シート66の平面図である。
【
図13A】第8実施形態のネズミ捕獲装置において包み込み部材を外した状態で示す斜視図である。
【
図13B】第8実施形態のネズミ捕獲装置を上下に分解した状態の側面図である。
【
図15A】第9実施形態のネズミ捕獲装置の上下分解図である。
【
図17A】第10実施形態のネズミ捕獲装置において袋形成部材を外したときの平面図である。
【
図18A】第11実施形態のネズミ捕獲装置の上下方向の分解図である。
【
図18B】第11実施形態のネズミ捕獲装の組立て後の斜視図である。
【
図19A】第1実施形態のネズミ捕獲装置の瞬時巻回部材の製作方法の説明図である。
【
図19B】第11実施形態のネズミ捕獲装置の瞬時巻回部材の製作方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は、実施形態に限定されないことは言うまでもない。なお、複数の実施形態間で共通する構成要素については、全図を通して同一の符号を使用する。
【0022】
(第1実施形態)
図1Aは、第1実施形態のネズミ捕獲装置10aの上下分解図、
図1Bは、ネズミ捕獲装置10aを斜め上方から見た斜視図、
図1Cは、ネズミ捕獲装置10aの側面図である。ネズミ捕獲装置10aは、袋形成部材12と、袋形成部材12を載置する支持具20とを備える。
【0023】
袋形成部材12は、単一の可撓性シート13と、可撓性シート13の上面に分布して貼られている複数の粘着シール14とを備える。粘着シール14は、この例では、矩形(正方形を含む。)の形状を有し、可撓性シート13の上面に所定の配列パターンで均一な分布密度で配置されている。
【0024】
可撓性シート13は、外力無しの状態では、ロール状に丸められて保管され、適宜、展開可能になっている。可撓性シート13の材料は、典型的には紙であるが、紙に代えて、布や樹脂を使用することもできる。
【0025】
支持具20は、矩形の下敷き21と、下敷き21の上面において下敷き21の各短辺に沿って直線状に延在する枕部22と、両端が各枕部22の上面に載置されて両枕部22間を橋絡している複数の瞬時巻回部材23とを備えている。複数の瞬時巻回部材23は、下敷き21の短辺方向に等間隔で配置されて、長辺方向に平行に延在している。
【0026】
瞬時巻回部材23は、「パッチンバンド」で通称されているものと同一の構造を有している。「パッチンバンド」は、手首や腕などに当ててくるくる巻き付ける腕章等に利用されている。
【0027】
具体的には、瞬時巻回部材23は、長手方向の両端部において厚さ方向の背側に少し反らせて、中央部を腹側に少し凸に湾曲するほぼ平板の形状となる反り形状と、腹側にくるくる巻きになった巻回形状との2つの保持形状を切替自在の構造を有している。
【0028】
瞬時巻回部材23において、反り形状から巻回形状への切替は、長手方向の任意の1箇所に厚さ方向に所定値以上の荷重を作用させることにより実施可能になっている。逆に、巻回形状から反り形状への切替は、人が、瞬時巻回部材23の両端を把持して、人の指先の力の範囲内で反らすことにより実施可能になっている。
【0029】
瞬時巻回部材23は、典型的には、金属製又は樹脂製であるが、後述のネズミ捕獲後の燃えるゴミとしての廃棄を考慮すると、袋詰め後の死んだネズミと共に燃えるゴミとしてゴミ箱に投函可能な材料で製造されていることが好ましい。
【0030】
図1Cでは、瞬時巻回部材23は、水平に延在しているが、実際は、両端が背中(下面)の方へわずかに反るように、腹側(上面)の中央において上方に少しだけ凸に湾曲している。
【0031】
袋形成部材12は、少なくとも全部の瞬時巻回部材23を上から覆うように、支持具20の上に載置される。袋形成部材12の裏面としての下面は、ネズミの捕獲前までは載置位置を保持する程度の固着力で、すなわちネズミの捕獲後は袋形成部材12を取り外し自在に、瞬時巻回部材23に固着されている。
【0032】
図2は、ネズミ捕獲装置10aの動作説明図である。ネズミ捕獲装置10aは、ネズミ27の出現が予想される床等の水平な仕掛け場所30に載置される(STEP1)。
【0033】
ネズミ27は、ネズミ捕獲装置10aの上に進入し、展開状態の袋形成部材12の上面を進む。袋形成部材12には、粘着シール14が分布しているが、ネズミ27は、粘着シール14に手足のみの接触、すなわち粘着シール14とは点的な接触であるので、袋形成部材12の上を円滑に前進することができる。
【0034】
ネズミ27が、いずれかの瞬時巻回部材23の長手方向にほぼ中央に来ると、当該瞬時巻回部材23にかかる下向きの荷重が、増大して、瞬時巻回部材23の湾曲反転の臨界値を超える(STEP2)。
【0035】
このため、まず、臨界値を超えた1つの瞬時巻回部材23のみが、瞬時に反り状態から反転して、巻回状態(ロール巻き状態)になる。当該瞬時巻回部材23は、反転時、両隣りの瞬時巻回部材23に袋形成部材12を介して反転方向の外力を及ぼす。こうして、両隣りの瞬時巻回部材23に袋形成部材12も、巻回状態に変化する。
【0036】
さらに、ネズミ27は、最初に巻き付いてきた瞬時巻回部材23に驚いて、袋形成部材12上を動き回るので、次々に周囲の瞬時巻回部材23が巻回状態に変化する。こうして、十分な個数の瞬時巻回部材23が、袋形成部材12を介してネズミ27に巻き付いて、袋形成部材12を包み袋17にして、ネズミ27を包み袋17の中に袋詰めする(STEP3)。
【0037】
なお、瞬時巻回部材23の内面側には、複数の粘着シール14が貼り付けてあり、これら粘着シール14は、瞬時巻回部材23がネズミ27に巻き付く際、及び巻き付き後、ネズミ27の身体に面的に固着して、包み袋17の中へのネズミ27の閉じ込めを改善する。
【0038】
この後、仕掛け場所30の作業者(例:一般家庭の一般人)は、包み袋17ごと、燃えるゴミ等としてゴミ出しや、ゴミ箱に廃棄する。
【0039】
なお、作業者は、瞬時巻回部材23を再利用するとき、又は瞬時巻回部材23が燃えるゴミとして捨てることができない材料であるときには、手の力で瞬時巻回部材23を手で元の反り状態に戻して包み袋17の外面から取り外してから、包み袋17を生ごみのごみ箱に投函する。
【0040】
また、可撓性シート13は、典型的には、非透明材からなる。このことは、作業者(例:家庭の主婦)が、包み袋17内で死んだ状態のネズミ27を見るのを気持ち悪がる場合にも、支障なく、包み袋17を取り扱うことができるようになる。
【0041】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態のネズミ捕獲装置10bの動作説明を構成と共に示す図である。
図3のSTEP1は、ネズミ捕獲装置10bを平面図で示している。ネズミ捕獲装置10bは、袋形成部材12と、袋形成部材12の裏面側、すなわち下面側にランダムな分布と方向とで貼り付けられた複数の瞬時巻回部材33とを備える。
【0042】
ネズミ捕獲装置10a(
図1)の瞬時巻回部材23は、ネズミ27の丈(ネズミ27の頭から尻までの寸法)の数倍の長さであったのに対し、ネズミ捕獲装置10bでは、ネズミ27の丈以下の長さに設定されている。
【0043】
各瞬時巻回部材33は、上面側に接着剤を上面の全面にわたり塗布されている。複数の瞬時巻回部材33は、下方に反らした状態(上に凸の状態)で、可撓性シート13の下面に貼り付けられている。幾つかの瞬時巻回部材33は、部分的に重なっていてもよい。
【0044】
STEP1の図は、ネズミ27がネズミ捕獲装置10bに進入する直前の状態を示している。
【0045】
STEP2,3の図は、図示の便宜上、袋形成部材12を省略している。ネズミ27がネズミ捕獲装置10bに進入して、体重をネズミ捕獲装置10bのいずれかの瞬時巻回部材33に体重を載せると、載せられた瞬時巻回部材33における下向きの荷重が、瞬時巻回部材33の湾曲反転の臨界値を超える。
【0046】
これにより、当該瞬時巻回部材33が、瞬時に背側への反り状態から腹側への巻回状態に反転して、ネズミ27に巻き付く(STEP2)。ネズミ27は、これに驚き、さらに、周囲を動き回って、周囲の瞬時巻回部材33に対し体重をかける。こうして、次々に、瞬時巻回部材33の反転が伝搬していき、十分な個数の瞬時巻回部材33がネズミ27の身体全体に巻き付いて、ネズミ27は、身動きが取れなくなる(STEP3)。
【0047】
図3のSTEP3の図では、袋形成部材12の図示を省略して、瞬時巻回部材33が直接、ネズミ27に巻き付いている。詳細には、ネズミ27は、瞬時巻回部材33の巻き付きにより、STEP4に図示のように、包み袋17内に袋詰めされる。包み袋17についてのその後の処理は、
図2の包み袋17の処理と同様である。
【0048】
(第3実施形態)
図4Aは、第3実施形態のネズミ捕獲装置10cの制御装置43の斜視図、
図4Bは、ネズミ捕獲装置10cの上下分解図、
図4Cは、ネズミ捕獲装置10cの全体斜視図である。ネズミ捕獲装置10cは、感圧シート38と、感圧シート38の上に載置される複数の瞬時巻回部材49と、瞬時巻回部材49の反転タイミングを制御する制御装置43とを備えている。
【0049】
図4Aにおいて、感圧シート38は、上面の中心に出力端子39を有する。制御装置43は、感圧シート38の一方の短辺に隣接して配置されている制御箱44と、感圧シート38の上面において出力端子39の上を通って感圧シート38の長辺方向に延在する剛性バー45とを備えている。制御箱44は、配線46を介して出力端子39から入力される感圧信号に基づいて剛性バー45を長手方向に進退させる。
【0050】
図4Bにおいて、複数の瞬時巻回部材49が感圧シート38の中心から放射方向に延び出るように、感圧シート38の上面に配設されている。各瞬時巻回部材49は、感圧シート38の中心側の端部において剛性バー45により上から押し付けられているとともに、下面側(背側)の中心において感圧シート38に当接している。すなわち、各瞬時巻回部材49は、長手方向の2点において上下方向位置を固定されているので、現在の形状を保持し、これにより、巻回状態になるのを阻止されている。
【0051】
図4Cにおいて、袋形成部材12は、瞬時巻回部材49を覆うように、配置される。この結果、感圧シート38及び剛性バー45も、袋形成部材12の下に隠れる。
【0052】
図5は、ネズミ捕獲装置10cの動作説明図である。ネズミ27が袋形成部材12の上に進入する。制御箱44(厳密には制御箱44内の制御部)は、感圧シート38からの入力信号により感圧シート38における荷重分布を判断し、袋形成部材12上におけるネズミ27の位置を検知する(STEP1)。
【0053】
制御箱44は、ネズミ27が袋形成部材12の中心に存在することを検知すると、剛性バー45を所定量、制御箱44の方へ移動させる。剛性バー45は、複数の瞬時巻回部材49の端部の集合領域に最深部が設定された上方に凹の湾曲形状を有するか、下面側に、集合領域に対して先端側に少し偏依した位置に凹部が形成されているか形成されている形状を有している。
【0054】
剛性バー45が制御箱44側の方に所定量引き込まれることに伴い、複数の瞬時巻回部材49の端部は、剛性バー45の最深部による下向きの押圧を解除されるか、凹部によって押圧を解除される。これにより、全部の瞬時巻回部材49が瞬時に、ネズミ27との間に袋形成部材12を介在させつつ、ネズミ27の身体に巻き付く。
【0055】
こうして、袋形成部材12は、包み袋17となって、ネズミ27を包み袋17内に袋詰めする(STEP2)。すなわち、ネズミ27は、包み袋17内に捕獲される。その後の包み袋17の処理は、ネズミ捕獲装置10aの包み袋17と同様である。
【0056】
(第4実施形態)
図6Aは、第4実施形態のネズミ捕獲装置10dの制御装置43の斜視図、
図6Bは、ネズミ捕獲装置10dの上下分解図、
図6Cは、ネズミ捕獲装置10dの全体斜視図である。ネズミ捕獲装置10dについて、前述のネズミ捕獲装置10cとの相違点について説明する。
【0057】
ネズミ捕獲装置10dでは、ネズミ捕獲装置10cの瞬時巻回部材49に代えて、瞬時巻回部材53が用いられている。複数の瞬時巻回部材53は、制御装置43の制御箱44に隣接する感圧シート38上の箇所から熊手の指のように、別々の方向に感圧シート38を通過して、感圧シート38の外まで延び出している。各瞬時巻回部材53は、両端において下面側(背側)に反りつつ、中央において上側(腹側)に少しだけ凸に湾曲した状態になっている。
【0058】
ネズミ捕獲装置10dの制御装置43は、ネズミ捕獲装置10cの制御装置43の剛性バー45の代わりに、揺動アーム51を有している。揺動アーム51は、複数の瞬時巻回部材53が延び出す起点の上に少し間隙を開けて位置する。制御箱44は、感圧シート38からの入力信号に応じて、揺動アーム51を上下に揺動させる。なお、
図6Cでは、揺動アーム51が袋形成部材12の下側に配置されているが、袋形成部材12において揺動アーム51が位置する領域を開口にして、揺動アーム51を袋形成部材12の上に露出させる構造にすることもできる。
【0059】
図7は、ネズミ捕獲装置10dの動作説明図である。ネズミ27は、ネズミ捕獲装置10dに近傍に出現して、袋形成部材12の中心点56に向かって前進しようとしている(STEP1)。
【0060】
制御箱44は、ネズミ27が袋形成部材12の中心点56に到達したことを出力端子39からの入力信号に基づいて検知すると、揺動アーム51を瞬時に下降させて、複数の瞬時巻回部材53の制御箱44側の端を同時に叩く。これにより、全部の瞬時巻回部材53は、一斉に制御箱44からの遠い方の端を近い方の端に向かって巻回する巻回動作を開始する(STEP2)。
【0061】
瞬時巻回部材53は、袋形成部材12を間に介してネズミ27に巻き付き、ネズミ27を包み袋17の中に袋詰めする(STEP3)。包み袋17についてのその後の処理は、
図2の包み袋17の処理と同様である。
【0062】
(第5実施形態)
図8Aは、第5実施形態のネズミ捕獲装置10eの上下分解図、
図8Bは、ネズミ捕獲装置10eの側面図である。
【0063】
ネズミ捕獲装置10eの支持具20は、ネズミ捕獲装置10a(
図1C)に対して、各枕部22の上に保持部材としてのフック59が付加されている。袋形成部材12は、各短辺の縁部がフック59内に挿入されている。
【0064】
ネズミ捕獲装置10e及び後述のネズミ捕獲装置10fで用いられる可撓性シート13は、ネズミ捕獲装置10aの可撓性シート13に対して構造を少し変更されている。すなわち、ネズミ捕獲装置10e,10fの可撓性シート13は、それ自体が外力無しの状態では、瞬時巻回部材23と同様に、ロール状に丸まる形状に速やかにロール状に丸まる形状を付与されて、制作されている。したがって、この可撓性シート13は、展開方向の両端部を背側に反らせ、中央部を少し腹側に凸にしたほぼ平板状の展開状態から面に対して垂直方向に所定値(ネズミ27の体重より小)以上の荷重を受けるや否や、本来のロール巻き状の巻回状態に切り替わる。
【0065】
なお、
図8Bに一点鎖線で示すように、袋形成部材12の上面側(腹側)に紙58を追加することもできる。この場合、袋形成部材12は、下面側(背側)から上面側(腹側)に順番に、可撓性シート13、紙58及び粘着シール14の3層構造となる。すなわち、粘着シール14は、可撓性シート13の上面ではなく、紙58の上面に貼着されている。
【0066】
図9は、ネズミ捕獲装置10eの動作説明図である。ネズミ27が、袋形成部材12の中心に来ると、袋形成部材12に下向きに作用する分力が最大となり、袋形成部材12は、両端を背側に反らせた状態から腹側に丸まろうとする(STEP1)。
【0067】
袋形成部材12は、厚さ方向にある程度の弾性を有するとともに、腹側に丸まろうとする際、水平方向の長さを短縮する。この結果、袋形成部材12の両端が、フック59から外れて、袋形成部材12は、ネズミ27に巻き付く(STEP2)。こうして、ネズミ27は、袋形成部材12内に袋詰めされる。
【0068】
図8Bに示したように、袋形成部材12が紙58を有するときは、STEP2の袋状態の袋形成部材12から外面側の可撓性シート13を外して、紙58によるネズミ27の袋詰め状態で、廃棄することができる。そして、可撓性シート13は、平面状態に展開して、再使用可能となる。
【0069】
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態のネズミ捕獲装置10fの動作説明を構成と共に示す図である。ネズミ捕獲装置10fの構成について、ネズミ捕獲装置10eの構成との相違点を説明する。
【0070】
ネズミ捕獲装置10fでは、ネズミ捕獲装置10eのフック59の代わりに、フック61,62が設けられている。フック61は、ネズミ捕獲装置10d(
図6A)の制御装置43における揺動アーム51の代わりに設けられている。制御箱44は、感圧シート38からの検知信号に基づいてフック61の進退を制御する。一方、フック62は、感圧シート38の孔(図示せず)を貫通して感圧シート38の下の載置部(図示せず)に固定されている。
【0071】
ネズミ捕獲装置10fにおける袋形成部材12の両端は、ネズミ捕獲装置10fによるネズミ27の捕獲前の状態では、ネズミ捕獲装置10eにおける袋形成部材12と同じく、フック61,62により両端において係止されている(STEP1)。
【0072】
なお、
図10において、破線で示すように、ネズミ捕獲装置10fにおいても、ネズミ捕獲装置10e(
図8A)と同様に、袋形成部材12に紙58を追加することができる。
【0073】
ネズミ27が感圧シート38の中心に来たことが検知されると、制御箱44は、フック61を突出位置から引き込み位置へ切り替える。これにより、袋形成部材12は、フック61側の端において係止が解除され(STEP2)、フック61側の端から袋形成部材12に巻き付いていく。こうして、ネズミ27は、ネズミ捕獲装置10eのネズミ27と同様に、袋形成部材12が丸まった包み袋17(図示せず)の中に袋詰めされる。
【0074】
(第7実施形態)
図11Aは、第7実施形態のネズミ捕獲装置10gの外側シート66の平面図、
図11Bは、ネズミ捕獲装置10gの全体の平面図である。外側シート66は、シート材67と、シート材67の上面側に固着された複数の磁石とを備える。
図11A及び
図11Bにおいて、N,Sは、それぞれ各磁石の上面側がN極及びS極になっていることを意味している。
【0075】
シート材67は、星形の形状を有する。磁石は、シート材67の各山の頂点及び谷の底に固着されている。シート材67の周方向に交互にN極及びS極が配置されている。シート材67の各山の頂点及び谷の底がそれぞれN極及びS極となっているが、逆であってもよい。
【0076】
袋形成部材12は、外側シート66の全体を上から覆うように、外側シート66の上に敷かれる。また、無磁化状態の磁性金属体70は、平面視が正方形の袋形成部材12の中心に移動自在に配置される。
【0077】
図12は、ネズミ捕獲装置10gの動作説明図である。ネズミ27は、袋形成部材12の上を磁性金属体70に向かって前進して、磁性金属体70にぶつかる。これにより、磁性金属体70は、ネズミ27とは反対側に転がって行く(STEP1)。この後、磁性金属体70といずれかの磁石との距離が減少し、磁性金属体70は、近接して最短距離になった磁石に、間に袋形成部材12を挟んで瞬時に吸着する。
【0078】
この派生作用として、磁性金属体70が吸着した磁石と、それに隣接する磁極の異なる磁石との距離が減少し、それらの異なる磁極同士が吸着する。このようなことが、次々に、ネズミ捕獲装置10g全体に伝搬し、外側シート66とその内面側の袋形成部材12とは、周辺においてつぼまり、包み袋72を形成するとともに、ネズミ27を包み袋72の中に袋詰めする。
【0079】
(第8実施形態)
図13Aは、第8実施形態のネズミ捕獲装置10hにおいて袋形成部材12を外した状態で示す斜視図、
図13Bは、ネズミ捕獲装置10hを上下に分解した状態の側面図、
図13Cは、ネズミ捕獲装置10hの全体を斜め上方から見た斜視図である。
【0080】
ブラケット74は、矩形の下敷き80の短辺方向の中心線に沿って、下敷き80の上に固定され、両端において鉛直方向に起立するフック75を備えている。各フック75は、下敷き80の長辺方向に貫通する下端部に貫通孔76を有している。折畳み板77は、ブラケット74に沿って延在するヒンジ79を有し、ヒンジ79に対する両側が上下方向に変位可能になっている。切欠き溝78は、下敷き80の長辺に対応する折畳み板77の辺部でかつ下敷き80の隅部の近傍の箇所に形成されている。
【0081】
各引張ゴム81は、中間部においてフック75の貫通孔76を通過し、両端部において切欠き溝78に留められている。折畳み板77は、上面側に袋形成部材12をかぶせられる。なお、袋形成部材12は、折畳み板77の後述の折り畳み時にフック75と干渉しないように、両フック75間の距離より幅が狭く設定されている。
【0082】
折畳み板77は、側面視で、ヒンジ79の上端をフック75に当てられつつ、両端を下敷き80に当てられて、フック75と下敷き80との間に設置される。引張ゴム81は、フック75の両端を引張しているが、ヒンジ79がフック75により上から押さえられているので、フック75は、側面視で山形の形状を保持する。
【0083】
図14は、ネズミ捕獲装置10hの作動の説明図である。ネズミ捕獲装置10hは、ネズミ27が通りそうな場所に載置される。
【0084】
図14のSTEP1において、ネズミ27が側面視で山形の折畳み板77の傾斜面に進んで、ヒンジ79の近辺まで近づくと、折畳み板77は、ヒンジ79の位置においてネズミ27の重量で沈む。ヒンジ79が貫通孔76より下に来ると、引張ゴム81の引張力が、折畳み板77を下側に畳もうと方向から上側に畳もうとする方向に作用する。
【0085】
これにより、STEP2では、折畳み板77は、引張ゴム81の引張力により、折畳み板77の両端が合わさるように、閉じ込まれる。これにより、ネズミ27は、折畳み板77により挟み込まれて、袋形成部材12内に包み込まれる。
【0086】
その後、作業者は、折畳み板77をヒンジ79の回りに開いて、ネズミ27を包み込んだ折畳み板77を所定の場所に移動して、廃棄する。折畳み板77は、新たな袋形成部材12をかぶせて、ブラケット74にセットして、再利用する。
【0087】
(第9実施形態)
図15Aは、第9実施形態のネズミ捕獲装置10iの上下分解図、
図15Bは、ネズミ捕獲装置10iの斜め上方からの斜視図である。ネズミ捕獲装置10iは、袋形成部材12と、袋形成部材12が上から被せられる敷き部87とを備えている。ネズミ捕獲装置10iの袋形成部材12の粘着シール14は、円形の形状を有している。
【0088】
敷き部87は、両端においてフック86に係止されている瞬時巻回部材23と、瞬時巻回部材23に対して垂直に延在しかつ瞬時巻回部材23の長手方向に等間隔で配列されている複数の剛性バンド89と、瞬時巻回部材23に対して平行に延在して複数の剛性バンド89を結合している結合バンド88とを有している。剛性バンド89は、ネズミ捕獲装置10iがネズミ27を捕獲する前では、瞬時巻回部材23から分離せず、かつ捕獲後は人の手の力で分離できる固着力で瞬時巻回部材23に固着されている。
【0089】
図16は、ネズミ捕獲装置10iの動作説明図である。ネズミ27が、袋形成部材12の上面において瞬時巻回部材23の直上の位置に来ると、瞬時巻回部材23には、下向きに臨界点を超える荷重が作用する(STEP1)。
【0090】
この結果、瞬時巻回部材23には、瞬時に上側に巻取り状態になる。瞬時巻回部材23の端がフック86から離反する作用は、前述の
図9で説明した作用と同一である。こうして、ネズミ27は、袋形成部材12により巻き取られる(STEP2)。
【0091】
袋形成部材12によるネズミ27の巻き取り状態を具体的に述べると、この巻き取りは、回転軸の方向から見てロール巻きの形状となっている。すなわち、複数の剛性バンド89が渦巻き線に沿って、等間隔の位置で平板形状を維持したままロール軸の方向に延在する一方、2本の結合バンド88は、渦巻線の形状としての湾曲形状に変化して、渦巻線に沿って延在している。
【0092】
(第10実施形態)
図17Aは、第10実施形態のネズミ捕獲装置10jにおいて袋形成部材12を外したときの平面図、
図17Bは、ネズミ捕獲装置10jの全体の平面図である。
【0093】
4つの瞬時巻回部材92は、平坦に延ばした状態で「十」字状に配置される。4つの瞬時巻回部材92の中心側の端は、「十」字の中心のパッド97の下側に重ねられている。各瞬時巻回部材92は、先端側の端部において平板状の羽根93が取り付けられている。
【0094】
瞬間動作器94は、感知バー95と、プランジャ96とを有している。感知バー95は、鉛直方向のプランジャ96から水平方向にパッド97の上方に張り出している。感知バー95が外力によりプランジャ96の回りに回転すると、プランジャ96は、係止を解除されて、瞬時に下降して、パッド97を叩く。パッド97の荷重は、下側の瞬時巻回部材92の端部に伝わる。
【0095】
図17Bにおいて、袋形成部材12は、正方形とされ、中心に正方形の窓99を有する。瞬間動作器94の感知バー95及びプランジャ96は、窓99の内側に配置されて、袋形成部材12から露出している。
【0096】
ネズミ27が、パッド97の上を通過する際、感知バー95を押すと、感知バー95が回転し、プランジャ96が感知バー95を介して瞬時巻回部材92の内側の端を叩く。これにより、複数の瞬時巻回部材92が一斉に巻回状態に変化し、袋形成部材12を包み袋17にして、ネズミ27を包み袋17内に袋詰めする。羽根93は、袋形成部材12を外面側から内側に押圧して、袋形成部材12を内側につぼまり易くする。
【0097】
なお、
図17A及び
図17Bでは、羽根93は、ほぼ正方形の形状を有しているが、羽根93の形状、大きさ及び枚数は、状況に応じて任意の選択が可能である。例えば、各瞬時巻回部材92の突出側端部には、瞬時巻回部材92の幅方向(短手方向)に延在する帯状の羽根を長手方向に適宜間隔で複数、取り付けることも可能である。
【0098】
(第11実施形態)
図18Aは、第11実施形態のネズミ捕獲装置10kの上下方向の分解図、
図18Bは、ネズミ捕獲装置10kの組立て後の斜視図である。
【0099】
ネズミ捕獲装置10kは、上側の袋形成部材12と、下側の瞬時巻回部材100とから構成されている。瞬時巻回部材100は、四隅が切除されている板状部材101から構成されている。瞬時巻回部材100は、上面側(表面側)において袋形成部材12をかぶせられて、ネズミ11の出現が予想される場所に配設される。
【0100】
図18Cは、ネズミ捕獲装置10kの動作説明図である。瞬時巻回部材100において、板状部材101は、その矩形形状の長辺方向に見て表面側が緩やかな山折りとなっている形状を維持している。ネズミ27が、板状部材101の上に載って、板状部材101の中央の方へ近づくに連れて、ネズミ27の重量による板状部材101にかかる下向きの荷重は増大する。
【0101】
そして、下向きの荷重が、閾値を超えると、板状部材101が一瞬に瞬時巻回部材100の表面側を内面側にしてかつ長辺方向に巻回して、ネズミ27を、表面側を内面側として巻き取る。このように、瞬時巻回部材100は、本発明の包み込み手段及び起動手段の機能を兼備している。
【0102】
図19A及び
図19Bは、それぞれ第1実施形態のネズミ捕獲装置10aの瞬時巻回部材23と第11実施形態のネズミ捕獲装置10kの瞬時巻回部材100の製作方法を対比した説明図である。
図19Aの瞬時巻回部材23の製作方法は、ネズミ捕獲装置10kの瞬時巻回部材100の製作方法(
図19B)を分かり易くするために、説明するものである。
【0103】
最初に、瞬時巻回部材23は、STEP1で弧状の面の金属製の弧状帯板123を用意する。次に、STEP2で、弧状帯板123を長手方向に強い力で巻回していき、力を解除しても巻回状態を維持する癖を付けたロール125を形成する。弧状帯板123の使用時では、ロール125を大きな力で展開して、元の平板状態に戻し、さらに、反対側に反るような湾曲形状の瞬時巻回部材23にしてから、支持具20(
図1)にセットしている。
【0104】
これに対して、瞬時巻回部材100に製作では、STEP1で、金属製の矩形で平板の湾曲板半径の平板130を用意する。平板130の長辺及び短辺は、相互に直交する2軸の各々に平行な辺となっている。
【0105】
図19BのSTEP2は、平板130を短辺に平行な方向から見た側面視である。平板130は、長辺方向の一端から巻回されてコイル形状(渦巻形状)にされる。これにより、平板130は、巻回形状から外力により元の平板の形状に戻しても、外力を解除すると、瞬時に巻回形状に変形する性質が付与される。
【0106】
STEP3では、STEP2の平板130に山折り103を付けて、ほぼ瞬時巻回部材100を完成する。山折り103は、平板130の長辺方向に平行な方向から見て表面側の中央を上に突出させる湾曲の形状にされている。山折り103は、平板130において長辺に平行な方向に延在している。このように、平板130を強く山折り130で折ることにより、外力を解除しても、瞬時巻回部材100は、緩い上方に緩やかに凸の湾曲形状を保持した瞬時巻回部材100となる。
【0107】
STEP3の瞬時巻回部材100において、平面視が矩形の四隅の張出し面部102は、巻回に寄与しない。したがって、STEP4のように、瞬時巻回部材100は、四隅の張出し面部102が切除された状態で、
図18Bのように、セットされる。
【0108】
(変形例)
袋形成部材12では、粘着層としての粘着シール14が等寸法かつ等形状で可撓性シート13に均等に分布している。粘着シール14の寸法及び形状は、等しくなくてもよい。また、粘着シール14の分布密度は、可撓性シート13の全面にわたり均等でなくてもよい。
【0109】
可撓性シート13は、ネズミ捕獲装置10a等の実施形態では捕獲シートの実施例である。可撓性シート13は、ネズミ捕獲装置10e等の実施形態では、捕獲シートと包み込み手段と起動手段との3つを兼ねている。
【0110】
制御装置43は、ネズミ捕獲装置10c等の起動手段に相当する。これに対し、ネズミ捕獲装置10a等の瞬時巻回部材23は、包み込み手段と起動手段との2つを兼ねている。
【0111】
包み込み手段の実施例としての瞬時巻回部材23は、細長い板状をなし、長手方向に沿って見たときに湾曲した形状をなし、湾曲した部分の少なくとも1か所を押すことにより、反転して丸まって、可撓性シート13を閉じさせるように形成された板バネからなる。瞬時巻回部材23は、金属製に限らず、燃えるゴミとして廃棄可能な材料製であってもよい。
【符号の説明】
【0112】
10a-10k・・・ネズ獲装置、12・・・袋形成部材、13・・・可撓性シート(捕獲シート)、14・・・粘着シール、17,72,85・・・包み袋、23,33,49,53,92,100・・・瞬時巻回部材(包み込み手段及び板バネ)、27・・・ネズミ、38・・・感圧シート、43・・・制御装置(起動手段)、59,61,86・・・フック(保持部材)、67・・・シート材、70・・・磁性金属体、73・・・挟み込み装置、74・・・剛性シートカバー、81・・・引張ゴム、82・・・バランスゴム、84・・・可撓性カバー、88・・・結合バンド、89・・・剛性バンド、90・・・瞬間動作器、95・・・感知バー、96・・・プランジャ。