(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117256
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】LiDAR装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20230816BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20230816BHJP
G01S 17/87 20200101ALI20230816BHJP
【FI】
G01S7/497
G02B26/10 C
G01S17/87
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019873
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】久保庭 拓也
【テーマコード(参考)】
2H045
5J084
【Fターム(参考)】
2H045AA01
2H045AB01
2H045AB13
2H045BA12
2H045BA22
2H045DA11
5J084BA02
5J084BA03
5J084BA05
5J084BA19
5J084BA20
5J084BA36
5J084BA38
5J084BA50
5J084BB26
5J084BB28
5J084BB40
5J084CA34
5J084CA65
5J084CA70
5J084EA34
(57)【要約】
【課題】 容易に設置し得るLiDAR装置を提供する。
【解決手段】 LiDAR装置1は、所定の検知領域DAを非可視光域の波長のレーザ光L1が走査するよう、レーザ光L1を出射するレーザ光出射部10と、検知領域DAで反射されるレーザ光L1を受光する受光部20と、検知領域DAを示す可視光L3を出射する可視光出射部30と、を備える
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検知領域を非可視光域の波長のレーザ光が走査するよう、当該レーザ光を出射するレーザ光出射部と、
前記検知領域で反射される前記レーザ光を受光する受光部と、
前記検知領域を示す可視光を出射する可視光出射部と、
を備える
ことを特徴とするLiDAR装置。
【請求項2】
前記可視光出射部は、前記可視光を前記検知領域の外縁上に照射する
ことを特徴とする請求項1に記載のLiDAR装置。
【請求項3】
前記可視光出射部は、前記可視光を線状に照射する
ことを特徴とする請求項2に記載のLiDAR装置。
【請求項4】
前記可視光出射部は、前記可視光を整列された複数のドット状に照射する
ことを特徴とする請求項2に記載のLiDAR装置。
【請求項5】
前記可視光出射部は、前記検知領域を複数のブロックに分けて、それぞれの前記ブロックを示す前記可視光を出射する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のLiDAR装置。
【請求項6】
前記検知領域は、複数の分割領域から成り、
前記レーザ光出射部は、それぞれの前記分割領域を個別に走査する前記レーザ光を出射する複数の分割領域用レーザ光出射部を含み、
前記受光部は、それぞれの前記分割領域用レーザ光出射部から出射されそれぞれの前記分割領域で反射する前記レーザ光を個別に受光する複数の分割領域用受光部を含み、
それぞれの前記ブロックは、少なくとも1つの前記分割領域から成る
ことを特徴とする請求項5に記載のLiDAR装置。
【請求項7】
前記可視光出射部は、前記可視光をそれぞれの前記ブロックの外縁上に照射する
ことを特徴とする請求項5または6に記載のLiDAR装置。
【請求項8】
前記可視光はレーザ光である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のLiDAR装置。
【請求項9】
前記可視光の照射領域を示し前記受光部で受光可能な非可視光を出射する非可視光出射部を更に備える
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のLiDAR装置。
【請求項10】
前記非可視光出射部は、前記可視光出射部と一体に設けられる
ことを特徴とする請求項9に記載のLiDAR装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LiDAR装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光で所定の検知領域をスキャニングして、当該検知領域に位置する物体を検知するLiDAR(Light Detection And Ranging)が知られている。LiDARは、電信柱や建物といった固定物に設置されて、物体を検知する場合がある。また、このようなLiDARを複数用いて、より広い範囲における物体を検出することが行われている。
【0003】
下記特許文献1には、このように複数のLiDARを用いた物体検出装置が記載されている。この物体検出装置では、それぞれのLiDARが物体の検知領域を互いに一部重ね合わせて、全体として検知領域を広げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献に記載の物体検出装置のように複数のLiDARの検知領域の一部を重ね合わせる場合、LiDARの設置者は、それぞれのLiDARの検知領域が一部重なることを確認する必要がある。しかし、レーザ光が赤外光や紫外光といった非可視光である場合、設置者は、LiDARが出射する検知用のレーザ光を視認することができない。この場合、設置者は、LiDARから出力される物体の検知結果を用いて、それぞれのLiDARが共通の物体を検知しているか否かを認識することで、それぞれのLiDARの検知領域が一部重なっているか否かを認識しなければならい。また、1つのLiDARを設置する場合であっても、検知領域を把握して設置する場合があり、この場合であっても、設置者は、LiDARから出力される物体の検知結果を用いて、設置したLiDARの検知領域を把握する必要がある。これらのように、LiDARを設置する際に、LiDARの向きの調整に手間がかかる。このため、LiDARを容易に設置したいとの要請がある。
【0006】
そこで、本発明は、容易に設置し得るLiDAR装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的の達成のため、本発明のLiDAR装置は、所定の検知領域を非可視光域の波長のレーザ光が走査するよう、当該レーザ光を出射するレーザ光出射部と、前記検知領域で反射される前記レーザ光を受光する受光部と、前記検知領域を示す可視光を出射する可視光出射部と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
このようなLiDAR装置によれば、検知領域に走査されて、検知領域に位置する物体で反射するレーザ光が受光部で受光されることで、当該物体が検知される。また、このLiDAR装置では、検知領域を示す可視光が出射される。従って、LiDAR装置を設置する者は、当該装置の検知領域を視覚的に把握し得る。従って、例えば、複数のLiDAR装置の検知領域の一部同士を重ねて、それぞれのLiDAR装置を設置する場合や、LiDAR装置を単品で設置する場合において、可視光を目安に検知範囲を把握して、LiDAR装置の向きを調節することができる。従って、このLiDAR装置によれば、LiDAR装置の設置の際、LiDAR装置の向きの調整が容易であり、設置者は、LiDAR装置を容易に設置し得る。
【0009】
また、前記可視光出射部は、前記可視光を前記検知領域の外縁上に照射することが好ましい。
【0010】
このように可視光が照射されることで、設置者が検知領域をより正確に把握し得る。
【0011】
この場合、前記可視光出射部は、前記可視光を線状に照射しても、前記可視光を整列された複数のドット状に照射してもよい。
【0012】
このように可視光が照射されることで、外縁を感覚的に把握し易い。
【0013】
また、前記可視光出射部は、前記検知領域を複数のブロックに分けて、それぞれの前記ブロックを示す前記可視光を出射することとしてもよい。
【0014】
このような構成とすることで、検知領域のある位置で物体が検知される場合に、当該物体を視認する者は、ブロックを目印に物体が検知領域のどの辺りに位置しているかを認識することができる。
【0015】
この場合、前記検知領域は、複数の分割領域から成り、前記レーザ光出射部は、それぞれの前記分割領域を個別に走査する前記レーザ光を出射する複数の分割領域用レーザ光出射部を含み、前記受光部は、それぞれの分割領域用レーザ光出射部から出射されそれぞれの分割領域で反射する前記レーザ光を個別に受光する複数の分割領域用受光部を含み、それぞれの前記ブロックは、少なくとも1つの前記分割領域から成ることが好ましい。
【0016】
複数の分割領域用レーザ光出射部を用いて、複数の分割領域をそれぞれ走査することで、短時間に検知領域の走査をし得る。この場合、それぞれのブロックを少なくとも1つの分割領域に合わせることで、分割領域を把握し得る。
【0017】
また、前記可視光出射部は、前記可視光をそれぞれの前記ブロックの外縁上に照射することが好ましい。
【0018】
このように可視光が照射されることで、設置者が各ブロックの位置をより正確に把握し得る。
【0019】
また、前記可視光はレーザ光であってもよい。
【0020】
可視光がレーザ光であることで、検知領域におけるLiDAR装置から離れた位置での可視光がぼやけることを抑制することができる。
【0021】
また、前記可視光の照射領域を示し前記受光部で受光可能な非可視光を出射する非可視光出射部を更に備えることが好ましい。
【0022】
このような構成により、上記の非可視光を照射して、反射する非可視光を受光部が受光し、受光部からの出力結果を用いることで、物体の検知用のレーザ光が走査する検知領域と非可視光の照射領域とを比較することができる。非可視光は可視光の照射領域を示すため、結果として、検知領域と可視光の照射領域との比較ができる。この比較を基にして、可視光の照射方向が所望の方向とずれる場合であっても、可視光の照射方向の調節をすることができる。
【0023】
この場合、前記非可視光出射部は、前記可視光出射部と一体に設けられることが好ましい。
【0024】
非可視光出射部が可視光出射部と一体に設けられることで、LiDAR装置に外部から衝撃が加わる場合であっても、可視光の照射領域と非可視光の照射領域との相対的な位置関係は変化しづらい。従って、LiDAR装置に対する外部からの衝撃等により、レーザ光出射部から出射するレーザ光の照射方向に対して可視光の照射方向がずれる場合であっても、非可視光と可視光との照射方向はずれにくいため、可視光の照射方向を元の方向に調節することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明によれば、容易に設置し得るLiDAR装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態におけるLiDAR装置を示すブロック図である。
【
図3】複数のLiDAR装置の検知領域の一部を重ねて、それぞれのLiDAR装置を設置する様子を示す図である。
【
図6】検知領域が複数のブロックに分割される様子を示す図である。
【
図7】LiDAR装置の変形例を示すブロック図である。
【
図8】検知領域が複数のブロックに分割される他の例の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るLiDAR装置を実施するための形態が添付図面と共に例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。また、本発明は、以下に例示する実施形態における構成要素を適宜組み合わせてもよい。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
【0028】
図1は、本実施形態におけるLiDAR装置を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のLiDAR装置1は、LiDARユニット2と、検知領域表示ユニット3と、接続部4と、制御部5と、を主な構成として備える。
【0029】
<LiDARユニット2>
LiDARユニット2は、レーザ光出射部10と、受光部20と、を主な構成として備える。本実施形態では、レーザ光出射部10と受光部20とは、例えば、共通の筐体内に設けられたり、共通のシャーシ上に設けられたり、共通の回路基板上に設けられたりすることで、一体とされている。
【0030】
レーザ光出射部10は、後述の所定の検知領域を非可視光域の波長のレーザ光L1が走査するよう、当該レーザ光L1を出射する。本実施形態では、レーザ光出射部10は、ドライバ回路11と、レーザ光源12と、H方向スキャン用駆動ミラー13と、V方向スキャン用駆動ミラー14と、を主な構成として備える。なお、
図1の例では、レーザ光出射部10は、メカニカル式のユニットであるが、駆動部を含まないフェイズドアレイ方式のユニットであってもよい。
【0031】
ドライバ回路11は、例えば電源回路やロジック回路から構成され、レーザ光源12、H方向スキャン用駆動ミラー13、及びV方向スキャン用駆動ミラー14に電気的に接続されて、これらに必要な電力を印加すると共にこれらを制御する。
【0032】
レーザ光源12は、非可視光域の波長のレーザ光L1を出射する。このレーザ光L1の波長は、例えば波長が905nmや1550nmといった近赤外線等の非可視光域である。なお、レーザ光L1の波長は、紫外域であってもよい。レーザ光源12がレーザ光L1を出射するタイミングは、ドライバ回路11により制御される。レーザ光源12から出射するレーザ光L1は、H方向スキャン用駆動ミラー13に入射する。
【0033】
H方向スキャン用駆動ミラー13は、レーザ光源12が出射するレーザ光L1を反射するミラーと、ドライバ回路11により制御される不図示の駆動部とを有する。H方向スキャン用駆動ミラー13は、レーザ光L1を反射する際、上記駆動部により水平方向に反射角度を変化させながらレーザ光L1を反射する。このH方向スキャン用駆動ミラー13の反射角度の変化により、レーザ光L1は水平方向に走査される。H方向スキャン用駆動ミラー13で反射されるレーザ光L1は、V方向スキャン用駆動ミラー14に入射する。
【0034】
V方向スキャン用駆動ミラー14は、H方向スキャン用駆動ミラー13で反射されたレーザ光L1を反射するミラーと、ドライバ回路11により制御される不図示の駆動部とを有する。V方向スキャン用駆動ミラー14は、レーザ光L1を反射する際、上記駆動部により鉛直方向に反射角度を変化さながらレーザ光L1を反射する。このV方向スキャン用駆動ミラー14の反射角度の変化により、水平方向に走査されるレーザ光L1の位置を鉛直方向に変化させる。V方向スキャン用駆動ミラー14で反射されたレーザ光L1は、LiDAR装置1の前方の検知領域に照射される。
【0035】
H方向スキャン用駆動ミラー13及びV方向スキャン用駆動ミラー14は、例えば、ポリゴンミラーやガルバノミラーを含んで構成される。また、H方向スキャン用駆動ミラー13及びV方向スキャン用駆動ミラー14は、MEMSミラーによりそれぞれ構成されてもよい。また、H方向スキャン用駆動ミラー13とV方向スキャン用駆動ミラー14とが、二軸スキャンタイプのミラーにより1つに纏められてもよく、H方向スキャン用駆動ミラー13とV方向スキャン用駆動ミラー14とにレーザ光L1を反射する順番が入れ替わってもよい。
【0036】
受光部20は、検知領域に位置する物体でレーザ光L1が反射した反射光Lr1を受光し、受光した光に係る電気信号を出力する。本実施形態では、受光部20は、受光素子21と、画像処理回路22と、を主な構成として備える。
【0037】
受光素子21は、レーザ光L1と同波長の光を受光することができるフォトダイオード等から成る素子である。このため、受光素子21は、レーザ光L1が検知領域に位置する物体で反射した反射光Lr1を受光することができる。受光素子21により受光されるレーザ光L1の反射光Lr1には、所定の検知領域に位置する物体にかかる情報が含まれる。
【0038】
受光素子21は、画像処理回路22に電気的に接続されており、当該情報は電気信号として画像処理回路22に入力される。画像処理回路22は、ドライバ回路11にも電気的に接続されており、画像処理回路22では、ドライバ回路11がレーザ光源12にレーザ光L1を出射させる旨の制御信号を送信するタイミング、及びその際のH方向スキャン用駆動ミラー13及びV方向スキャン用駆動ミラー14の傾き等といったドライバ回路11からの信号と、受光素子21から入力する信号とに所定の処理がなされ、受光素子21が受光する反射光Lr1の反射点の座標を特定して、これら信号に基づく画像信号が出力される。
【0039】
以上の構成のLiDARユニット2により、所定の検知領域の物体が検知される。
【0040】
<検知領域表示ユニット3>
検知領域表示ユニット3は、可視光出射部30と、非可視光出射部40と、を主な構成として備える。本実施形態では、可視光出射部30と非可視光出射部40とは、例えば、共通の筐体内に設けられたり、共通のシャーシ上に設けられたり、共通の回路基板上に設けられたりすることで、一体とされている。
【0041】
可視光出射部30は、レーザ光L1が走査される所定の検知領域を示す可視光L3を出射する。本実施形態では、可視光出射部30は、ドライバ回路31と、可視光源32と、配光パターン形成素子33と、を主な構成として備える。
【0042】
ドライバ回路31は、例えば電源回路やロジック回路から構成され、可視光源32に電気的に接続されて、可視光源32に必要な電力を印加すると共に可視光源32を制御する。
【0043】
可視光源32は、可視光域の波長の光を出射する光源であり、例えば、可視光域の波長のレーザ光を出射するレーザ光源や、可視光域の光を出射するLED(Light Emitting Diode)光源から成る。可視光源32から出射する可視光L3は、配光パターン形成素子33に入射する。
【0044】
配光パターン形成素子33は、入射する可視光L3を所定の検知領域を示す所定の配光パターンに変換して出射する素子である。配光パターン形成素子33は、例えば、所定の配光パターンの形状の孔が形成された遮光板や、所定の配光パターンの可視光L3が出射するように光を屈折して出射するレンズや、所定の配光パターンの可視光L3が出射するように当該可視光L3を回折する回折格子から構成される。
【0045】
なお、可視光L3の発散角が抑制され、照射された可視光L3が明瞭である観点から、可視光源32はレーザ光源であることが好ましい。また、出射する可視光L3のエネルギーが有効に活用される観点から、配光パターン形成素子33は、上記のレンズや回折格子から成ることが好ましい。また、線状の配光パターンやドット状の配光パターンの可視光L3を照射する場合に、可視光L3が照射される位置とLiDAR装置との距離によらず、線の太さやドットの大きさが変化することを抑制し易い観点から、配光パターン形成素子33は、回折格子から成ることが好ましい。
【0046】
非可視光出射部40は、LiDARユニット2の受光部20で受光可能な非可視光域の波長の非可視光L4を出射する。非可視光L4は、可視光出射部30から出射する可視光L3の照射領域を示す光である。非可視光L4は、可視光L3と概ね同じ配光パターンで概ね同じ位置に照射されたり、可視光L3の照射領域を囲ったりすることで、可視光L3の照射領域を示す。本実施形態では、非可視光出射部40は、レーザ光出射部10と概ね同様の構成であり、ドライバ回路11と同様の構成のドライバ回路41と、非可視光L4であるレーザ光を出射する点の除きレーザ光源12と同様の構成のレーザ光源42と、H方向スキャン用駆動ミラー13と同様の構成のH方向スキャン用駆動ミラー43と、V方向スキャン用駆動ミラー14と同様の構成のV方向スキャン用駆動ミラー44と、を主な構成として備える。このように、本例では、非可視光L4はレーザ光である。なお、非可視光出射部40は、メカニカル式のユニットでなくフェイズドアレイ方式のユニットであってもよい。
【0047】
本実施形態では、ドライバ回路41は、レーザ光源42、H方向スキャン用駆動ミラー43、及びV方向スキャン用駆動ミラー44を制御して、可視光L3の配光パターンと同じ配光パターンの非可視光L4や、可視光L3を囲う配光パターンの非可視光L4を出射する。
【0048】
非可視光L4は、受光部20で受光可能な非可視光域の波長の光であるため、受光部20は、非可視光L4が、物体で反射した反射光Lr4を受光することができる。ドライバ回路41は、不図示の信号線で画像処理回路22に電気的に接続されている。このため、画像処理回路22は、反射光Lr1を受光した際の処理に加えて、反射光Lr4を受光した際に次の処理を行う。すなわち、画像処理回路22は、ドライバ回路41がレーザ光源42に非可視光L4を出射させる旨の制御信号を送信するタイミング、及びその際のH方向スキャン用駆動ミラー43及びV方向スキャン用駆動ミラー44の傾き等といったドライバ回路41からの信号と、受光素子21から入力する反射光Lr4の受光に係る信号とに所定の処理を行い、受光素子21が受光する反射光Lr4の反射点の座標を特定して、これら信号に基づく画像信号を出力する。
【0049】
ところで、受光素子21が複数の波長の光を受光可能で、受光した光の信号をそれぞれの波長ごとに出力することができる素子である場合、非可視光L4の波長は、レーザ光L1と異なる波長の光であることが好ましい。このように構成されることで、非可視光出射部40からの非可視光L4が、レーザ光出射部10からのレーザ光L1と同時に出射され、受光素子21が反射光Lr1,Lr4が同時に受光しても、受光素子21は、反射光Lr1,Lr4を区別して、それぞれの反射光を示す信号を出力することができる。この場合、画像処理回路22は、それぞれの反射光を示す信号を分けて信号の処理をすることができる。このような受光素子21としては、複数のフォトダイオードを有する受光素子を挙げることができる。
【0050】
<その他の構成>
上記構成のLiDARユニット2と検知領域表示ユニット3とは、接続部4により、互いに所定の相対的な向きの関係とされて、互いに接続されている。接続部4は、例えば固定可能なヒンジ等から構成され、LiDARユニット2と検知領域表示ユニット3とが所定の相対的な向きとされた後、その向きを固定することができる。
【0051】
また、レーザ光出射部10のドライバ回路11、受光部20の画像処理回路22、可視光出射部30のドライバ回路31、及び非可視光出射部40のドライバ回路41は、それぞれ制御部5に電気的に接続されている。
【0052】
制御部5は、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置から成る。また、制御部5は、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。以下に説明するように、制御部5は、少なくともドライバ回路11,31,41、及び画像処理回路22を制御する。
【0053】
また、本実施形態では、LiDAR装置1にモニタ9が接続されている。モニタ9は、画像処理回路22から出力される反射光Lr1,Lr4の反射位置を視覚的に表示することができる。
【0054】
次にLiDAR装置1の準備と設置について説明する。
【0055】
<LiDAR装置1の準備>
LiDAR装置1の準備に際しては、LiDARユニット2の向きと検知領域表示ユニット3の向きとを調節する。なお、LiDAR装置1の工場出荷時等において、この調節が行われてもよい。
【0056】
まず、制御部5に所定の入力を行い、レーザ光出射部10からのレーザ光L1を出射させると共に、非可視光出射部40からの非可視光L4を出射させる。このとき、受光素子21が複数の波長の光を受光可能で、受光した光の信号をそれぞれの波長ごとに出力することができる素子であり、非可視光L4の波長とレーザ光L1の波長とが互いに異なる場合、レーザ光L1と非可視光L4とを同時に出射させる。この場合、受光部20からは、反射光Lr1と反射光Lr4とに対応する信号が出力される。モニタ9には、これらの信号に基づいた、図が表示される。
【0057】
図2は、検知領域を示す図であり、モニタ9にはこの図が示される。
図2において、各ドットは、レーザ光L1が反射して反射光Lr1となる反射点を示している。従って、このドット群が位置する領域が、LiDAR装置1が物体を検知する所定の検知領域DAである。検知領域DAは破線で示されている。
図2において、斜線で示される領域は、非可視光L4が反射して反射光Lr4となる非可視光L4の照射領域IAを示している。
図2の例では、非可視光出射部40は、検知領域DAの外縁ED上に位置する線状の非可視光L4を出射し、
図2の状態では、LiDARユニット2と検知領域表示ユニット3との相対的な向きが適切である。従って、モニタ9に映し出される照射領域IAは、モニタ9に映し出される検知領域DAの外縁ED上に位置している。この場合、例えば、非可視光L4の配光パターンとその照射位置が、可視光L3の配光パターンとその照射位置と同じであれば、可視光出射部30から可視光L3を出射する場合に、当該可視光L3は、検知領域DAの外縁ED上である照射領域IAに照射され、LiDAR装置1の検知領域DAを示すことになる。
【0058】
また、本例において、モニタ9に映し出される画像で、例えば照射領域IAが検知領域DAの外縁ED上に位置せずに、照射領域IAの位置が検知領域DAを示さない場合がある。この場合、可視光出射部30から可視光L3を出射する場合に可視光L3が照射される照射領域とLiDAR装置1の検知領域DAとが異なり、可視光L3が検知領域DAを示さないことになる。従って、この場合には、
図2の状態となるまで、LiDARユニット2と検知領域表示ユニット3との相対的な向きを調整する。
【0059】
なお、受光素子21が、実質的に単波長の受光能である場合や、受光した光の信号をそれぞれの波長ごと分けて出力することができない素子の場合、レーザ光L1と非可視光L4とを交互に出射させる。この場合、モニタ9には、検知領域DAを示すドット群と、照射領域IAとが交互に映し出される。また、この場合、画像処理回路22が、反射光Lr1を受光するタイミングの画像と、反射光Lr4を受光するタイミングの画像とをメモリして、メモリしたそれぞれの画像を合成した画像信号を出力してもよい。この場合、
図2に示す画像となる信号が出力される。従って、この場合、モニタ9には、
図2と同様の画像が映し出される。このような構成により、受光部20の受光素子21の構成が簡易であっても、検知領域DAと照射領域IAとの関係を視認し易くすることができる。
【0060】
なお、LiDARユニット2と検知領域表示ユニット3との相対的な向きが調整された後には、例えば不図示のスイッチが操作されることで、制御部5がドライバ回路41を制御して、非可視光出射部40から非可視光L4が出射されなくなることとしてもよい。
【0061】
<LiDAR装置1の設置>
図3は、複数のLiDAR装置1の検知領域DAの一部を重ねて、それぞれのLiDAR装置1を設置する様子を示す図である。なお、以下の説明では、非可視光L4は、可視光L3と概ね同じ配光パターンで概ね同じ位置に照射される例で説明をするため、可視光L3の照射領域を照射領域IAとして説明する場合がある。また、
図3以降において、見やすさの観点からドット群は省略されている。
図3に示すように、LiDAR装置1の設置者は、検知領域DAを示す可視光L3の照射領域IAを視認することで、それぞれのLiDAR装置1の検知領域DAの一部が重なるように、それぞれのLiDAR装置1を設置する。
【0062】
なお、特に図示しないが、1つのLiDAR装置1を設置する場合であっても、設置者は、検知領域DAを示す可視光L3の照射領域IAを視認することで、LiDAR装置1の検知領域DAを把握しながら、LiDAR装置1を設置する。
【0063】
なお、LiDAR装置1の設置後には、例えば不図示のスイッチが操作されることで、制御部5がドライバ回路31を制御して、可視光出射部30から可視光L3が出射されなくなることとしてもよい。
【0064】
以上説明したように、本実施形態のLiDAR装置1は、所定の検知領域DAを非可視光域の波長のレーザ光L1が走査するよう、レーザ光L1を出射するレーザ光出射部10と、検知領域DAで反射されるレーザ光L1を受光する受光部20と、検知領域DAを示す可視光L3を出射する可視光出射部30と、を備える。
【0065】
このようなLiDAR装置1によれば、検知領域DAに走査されて、物体で反射するレーザ光L1の反射光Lr1が受光部20で受光されることで、当該物体が検知される。また、このLiDAR装置1では、検知領域DAを示す可視光L3が出射される。従って、LiDAR装置1を設置する者は、検知領域DAを視覚的に把握し得る。従って、上記のように、複数のLiDAR装置1の検知領域DAの一部同士を重ねて、それぞれのLiDAR装置1を設置する場合や、LiDAR装置1を単品で設置する場合において、可視光L3を目安に検知範囲を把握して、LiDAR装置1の向きを調節することができる。従って、このLiDAR装置1によれば、LiDAR装置1の設置の際、LiDAR装置1の向きの調整が容易であり、設置者は、LiDAR装置1を容易に設置し得る。
【0066】
また、上記実施形態のように可視光出射部30が可視光L3を検知領域DAの外縁ED上に照射する場合には、設置者が検知領域DAをより正確に把握し得る。この場合、
図2,3に示す例のように、可視光出射部30が可視光L3を検知領域DAの外縁ED上に線状に照射することで、設置者は、外縁EDを感覚的により把握し易い。
【0067】
また、本実施形態では、可視光L3の照射領域IAを示し受光部20で受光可能な非可視光L4を出射する非可視光出射部40を備える。このため、上記の非可視光L4を照射して、反射する非可視光L4の受光部20が反射光Lr4を受光し、受光部20からの出力結果を用いることで、検知領域DAと非可視光L4の照射領域IAとを比較することができる。非可視光L4は可視光L3の照射領域を示すため、結果として、検知領域DAと可視光L3の照射領域との比較ができる。この比較を基にして、可視光L3の照射方向の調節をすることができる。
【0068】
また、本実施形態では、非可視光出射部40は、可視光出射部30と一体に設けられる。このため、LiDAR装置1に外部から衝撃が加わる場合であっても、可視光L3と非可視光L4との位置関係は変化しづらい。従って、LiDAR装置1に対する外部からの衝撃等により、レーザ光出射部10から出射するレーザ光L1の照射方向に対して可視光L3の照射方向がずれる場合であっても、非可視光L4と可視光L3との照射方向はずれにくいため、レーザ光L1と非可視光L4との関係が適切となるように調整することで、可視光L3の照射方向を調節することができる。
【0069】
(変形例)
次に本実施形態の変形例について説明する。
【0070】
図4は、検知領域DAを示す第1の変形例の図である。
図4では、可視光出射部30は、可視光L3を整列された複数のドット状に照射している。なお、本例においても、可視光出射部30は、可視光L3を検知領域DAの外縁ED上に照射している。本例の場合、可視光L3の照射領域IAがドット状であるため、照射領域IAの面積を小さくし得る。
【0071】
図5は、検知領域DAを示す第2の変形例の図である。
図5では、可視光出射部30は、可視光L3を検知領域DAの角部に照射している。従って、検知領域DAには角部が存在している。本例の場合、可視光L3の照射領域IAの面積が小さく、
図2、
図4の例の場合と比べて、可視光出射部30の消費するエネルギーを更に抑えることができる。
【0072】
図6は、検知領域DAが複数のブロックBAに分割される様子を示す図である。
図6では、各ブロックBAが点線で示されている。本例では、LiDAR装置1から見て、検知領域DAが、左右方向と遠近方向のそれぞれにおいて複数に分割されている。
図6の例では、検知領域DAが3×4のブロックBAに分割されている。本例では、可視光出射部30は、それぞれのブロックBAを示す可視光L3を出射する。複数のブロックBAが集合することで検知領域DAとなるため、ブロックBAを示す可視光L3は、検知領域DAをも示すことになる。
図6の例では、可視光L3がそれぞれのブロックBAの外縁EDB上に可視光L3を出射する。このため、可視光L3の照射領域IAは、それぞれのブロックBAの境界上に位置する。なお、
図6の例では、可視光出射部30は、ブロックBAの外縁EDB上に可視光L3を線状に照射しているが、
図4の例のように、可視光出射部30は、ブロックBAの外縁EDB上に可視光L3を整列された複数のドット状に照射してもよく、
図5の例のように、ブロックBAの角部に可視光L3を照射してもよい。このように可視光出射部30がそれぞれのブロックBAを示す可視光L3を出射することで、検知領域DAのある位置で物体が検知される場合に、当該物体を視認する者は、ブロックBAを目印に物体が検知領域DAのどの辺りに位置しているかを認識することができる。
【0073】
また、本例では、検知領域DAは、複数の分割領域から成り、それぞれのブロックBAは、少なくとも1つの分割領域から成る。
図6の例では、それぞれのブロックBAが1つの分割領域から成る例が示されており、ブロックBAは分割領域も示している。
【0074】
レーザ光出射部10は、それぞれの分割領域毎にレーザ光L1を走査する。
図7は、そのようなレーザ光L1の走査に適したLiDAR装置1の変形例を示すブロック図である。
図7のLiDAR装置1は、LiDARユニット2の構成が、
図1に示すLiDAR装置1と異なる。
図7のLiDAR装置1のレーザ光出射部10は、複数の分割領域用レーザ光出射部10Dを含む。それぞれの分割領域用レーザ光出射部10Dの構成は、
図1のレーザ光出射部10と概ね同様の構成である。つまり、
図7のLiDAR装置1のレーザ光出射部10は、
図1のレーザ光出射部10を複数含んでいると理解することができる。
【0075】
また、
図7のLiDAR装置1の受光部20は、複数の分割領域用受光部20Dを含む。それぞれの分割領域用受光部20Dの構成は、
図1の受光部20と同様の構成である。つまり、
図7のLiDAR装置1の受光部20は、
図1の受光部20を複数含んでいると理解することができる。分割領域用受光部20Dの数は、分割領域用レーザ光出射部10Dの数と同じである。また、分割領域用受光部20Dと分割領域用レーザ光出射部10Dとは一対一対応で個別に電気的に接続されている。具体的には、それぞれの分割領域用受光部20Dの画像処理回路22が、分割領域用レーザ光出射部10Dのドライバ回路11と個別に電気的に接続されている。
【0076】
1つの分割領域用レーザ光出射部10Dは、1つの分割領域に対してレーザ光L1を走査させる。この分割領域用レーザ光出射部10Dと電気的に接続される1つの分割領域用受光部20Dは、上記1つの分割領域で反射されるレーザ光L1の反射光Lr1を受光する。こうして、分割領域用レーザ光出射部10Dと分割領域用受光部20Dとのそれぞれの組が別々の分割領域の物体を検知することができる。なお、上記のように、本例では、分割領域とブロックBAとが一致しているため、それぞれの分割領域用レーザ光出射部10Dと分割領域用受光部20Dとの組が別々のブロックBAの物体を検知する。
【0077】
このように複数の分割領域用レーザ光出射部10Dを用いて、複数の分割領域がそれぞれ走査されることで、短時間に検知領域DAの走査をし得る。また、それぞれのブロックBAが少なくとも1つの分割領域に合わせられ、可視光出射部30がそれぞれのブロックBAを示す可視光L3を出射することで分割領域を把握し得る。
【0078】
なお、
図6の例のように、LiDAR装置1が、検知領域DAを複数の分割領域に分けて検知を行わない場合であっても、可視光出射部30は、検知領域DAを複数のブロックBAに分けて、それぞれのブロックBAを示す可視光L3を出射してもよい。この場合であっても、検知領域DAのある位置で物体が検知される場合に、当該物体を視認する者は、ブロックBAを目印に物体が検知領域DAのどの辺りに位置しているかを認識することができる。
【0079】
図8は、検知領域DAが複数のブロックBAに分割される他の例の様子を示す図である。本例では、LiDAR装置1から見て、検知領域DAが、左右方向にのみ複数に分割されている。
図8の例では、検知領域DAが左右方向に4つのブロックBAに分割されている。本例では、可視光出射部30は、
図6の例と同様に、それぞれのブロックBAを示す可視光L3を出射する。
図8の例では、可視光L3がそれぞれのブロックBAの外縁EDB上に可視光L3を整列されたドット状に出射する例が示されている。なお、可視光出射部30は、ブロックBAの外縁EDB上に可視光L3を線状に照射してもよく、ブロックBAの角部に可視光L3を照射してもよい。
【0080】
なお、
図8の場合においても、検知領域DAが複数の分割領域から成り、それぞれのブロックBAは、少なくとも1つの分割領域から成ってもよい。この場合、レーザ光出射部10は、
図6の例と同様にそれぞれの分割領域毎にレーザ光L1を走査し、LiDARユニット2は、それぞれの分割領域ごとに物体を検知する。また、例えば、それぞれのブロックBAが1つの分割領域から成るのであれば、
図8のブロックBAは分割領域も示す。或いは、それぞれのブロックBAが複数の分割領域から成ってもよい。このように検知領域DAが複数の分割領域から成る場合、
図7に示すLiDAR装置1が用いられてもよい。
【0081】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0082】
例えば、上記実施形態、変形例では、可視光L3が検知領域DAの外縁ED上に照射されたが、本発明はこれに限らない。例えば、可視光L3が検知領域DAの外縁EDの内側に沿って照射されてもよい。或いは、可視光L3が検知領域DAの全面に照射され、検知領域DAの外側に照射されなくてもよい。これらの場合であっても、可視光L3は、検知領域DAを示す。また、可視光L3は、検知領域DAを示す限りにおいて、上記実施形態や変形例のように照射される例に限らず、他の配光パターンで照射されてもよい。同様に、上記実施形態、変形例では、非可視光L4の配光パターンとその照射位置が、可視光L3の配光パターンとその照射位置と同じ場合について説明をしたが、本発明はこれに限らない。例えば、非可視光L4が可視光L3の照射領域IAの内側に沿って照射されてもよい。この場合であっても、非可視光L4は、可視光L3の照射領域IAを示す。また、非可視光L4は、可視光L3の照射領域IAを示す限りにおいて、上記実施形態や変形例のように照射される例に限らず、他の配光パターンで照射されてもよい。
【0083】
また、非可視光出射部40は必須ではない。この場合、他の手段により、可視光L3の照射領域が適切に設定されればよい。また、非可視光出射部40が設けられる場合であっても、非可視光出射部40と可視光出射部30とが一体でなくてもよい。ただし、非可視光出射部40と可視光出射部30とが一体であることが、非可視光L4の照射領域と可視光L3の照射領域との関係を一定に保つことができる観点から好ましい。
【0084】
また、可視光出射部30がLiDARユニット2と一体に構成されてもよい。
【0085】
また、可視光源32が、レーザ光源である場合、可視光出射部30は、H方向スキャン用駆動ミラー及びV方向スキャン用駆動ミラー等を備え、可視光L3を照射領域IAに走査して照射してもよい。
【0086】
なお、LiDAR装置1の設置後においても、可視光出射部30から可視光L3が出射される場合には、検知領域DAの範囲を第3者にも知らしめることができる。
【0087】
また、非可視光出射部40は、出射する非可視光L4の反射位置が受光部20で把握できる限りにおいて、上記実施形態と異なる構成であってもよい。例えば、受光部20が上記と異なる構成である場合、非可視光出射部40は、レーザ光源42から出射する非可視光L4を配光パターン形成素子により可視光L3の照射領域を示す所定の配光パターンに変換して出射してもよい。この場合、レーザ光源42は非可視光L4と同じ波長の光を出射する限りにおいて、LED等の非可視光源とされてもよい。また、この場合の配光パターン形成素子は、例えば、可視光L3の照射領域を示す配光パターンの形状の孔が形成された遮光板や、このような配光パターンの非可視光L4が出射するように当該非可視光L4を屈折して出射するレンズや、このような配光パターンの非可視光L4が出射するように当該非可視光L4を回折する回折格子から構成されてもよい。なお、この場合においても、可視光源32がレーザ光源であることが好ましい理由と同様の理由から、非可視光源はレーザ光源であることが好ましい。また、配光パターン形成素子33がレンズや回折格子から成ることが好ましい理由と同様の理由から、非可視光出射部40の配光パターン形成素子は、レンズや回折格子から成ることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明によれば、容易に設置し得るLiDAR装置が提供され、監視装置等の分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1・・・LiDAR装置
2・・・LiDARユニット
3・・・検知領域表示ユニット
4・・・接続部
5・・・制御部
10・・・レーザ光出射部
20・・・受光部
30・・・可視光出射部
40・・・非可視光出射部
DA・・・検知領域
IA・・・照射領域
BA・・・ブロック
L1・・・レーザ光
L3・・・可視光
L4・・・非可視光