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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117259
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1347 20060101AFI20230816BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20230816BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
G02F1/1347
G02F1/1343
G02F1/1335 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019881
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】518078142
【氏名又は名称】上海天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100174067
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】林 久志
(72)【発明者】
【氏名】池野 英徳
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
2H291
【Fターム(参考)】
2H092GA14
2H092GA60
2H092GA61
2H092JA26
2H092JA46
2H092JB02
2H092JB23
2H092JB32
2H092JB41
2H092JB54
2H092NA03
2H092PA06
2H092PA08
2H092PA09
2H092PA11
2H092PA13
2H189AA27
2H189AA64
2H189AA70
2H189LA03
2H189LA07
2H189LA08
2H189LA10
2H189LA14
2H189LA15
2H189LA17
2H189LA20
2H291FA05Y
2H291FA08Y
2H291FA09Y
2H291FA14Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA85Z
2H291FD09
2H291FD10
2H291GA04
2H291GA17
2H291GA19
2H291LA28
(57)【要約】
【課題】色モアレを抑制した液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルとを備える。第1液晶表示パネルには、複数の色の異なるサブ画素104を有する第1主画素が、所定の第1方向と所定の第2方向にマトリクス状に配置される。第2液晶表示パネルは、第1液晶表示パネルに重なり、第2主画素202が所定の第1方向と所定の第2方向にマトリクス状に配置される。第2液晶表示パネルは、所定の第1方向にジグザグに延びる走査配線GL2を有する。走査配線GL2の折れ曲がり点Pの周期は、第1液晶表示パネルのサブ画素104の所定の個数N分である。所定の個数Nは、第1液晶表示パネルの1つの第1主画素において所定の第1方向に配列されるサブ画素104の色数よりも大きく、第1液晶表示パネルの所定の第1方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数の自然数倍でない。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色の異なるサブ画素を有する第1主画素が、所定の第1方向と前記所定の第1方向に垂直な所定の第2方向にマトリクス状に配置され、カラー画像を表示する第1液晶表示パネルと、
前記第1液晶表示パネルの観察者側の面と反対側に位置して前記第1液晶表示パネルに重なり、第2主画素が前記所定の第1方向と前記所定の第2方向にマトリクス状に配置され、モノクロ画像を表示する第2液晶表示パネルとを備え、
前記第2液晶表示パネルは、前記所定の第1方向にジグザグに延びる走査配線を有し、
前記所定の第1方向に沿って並ぶ、前記第2液晶表示パネルの前記走査配線の折れ曲がり点の周期が、前記第1液晶表示パネルの前記サブ画素の所定の個数分であり、
前記所定の個数は、前記第1液晶表示パネルの1つの前記第1主画素において前記所定の第1方向に配列される前記サブ画素の色数よりも大きく、前記第1液晶表示パネルの前記所定の第1方向に沿って繰り返し配列される前記サブ画素の色数の自然数倍でない、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1液晶表示パネルの1つの前記第1主画素において前記所定の第1方向に配列される前記サブ画素の色数と、前記第1液晶表示パネルの前記所定の第1方向に沿って繰り返し配列される前記サブ画素の色数が3であり、自然数をnと、実数をmと、前記所定の個数をNとした場合、
N=3×n+m (1)
0<m<3 (2)
を満たす、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1液晶表示パネルの1つの前記第1主画素において前記所定の第1方向に配列される前記サブ画素の色数と、前記第1液晶表示パネルの前記所定の第1方向に沿って繰り返し配列される前記サブ画素の色数が4であり、自然数をnと、実数をmと、前記所定の個数をNとした場合、
N=4×n+m (3)
0<m<4 (4)
を満たす、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1液晶表示パネルの1つの前記第1主画素において前記所定の第1方向に配列される前記サブ画素の色数が2であり、前記第1液晶表示パネルの前記所定の第1方向に沿って繰り返し配列される前記サブ画素の色数が4であり、自然数をnと、実数をmと、前記所定の個数をNとした場合、
N=2×n+m (5)
0<m<2 (6)
を満たす、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1液晶表示パネルの1つの前記第1主画素において前記所定の第1方向に配列される前記サブ画素の色数が2であり、前記第1液晶表示パネルの前記所定の第1方向に沿って繰り返し配列される前記サブ画素の色数が4であり、自然数をnと、実数をmと、前記所定の個数をNとした場合、
N=2×(2×n+m) (7)
0<m<2 (8)
を満たす、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1液晶表示パネルは、前記サブ画素の間に配置され、前記所定の第2方向に延びる第1信号配線を有し、
前記第2液晶表示パネルは、前記所定の第2方向に延びる第1遮光パターンを有し、
前記第1遮光パターンは、前記所定の第2方向に延びる第2信号配線、又は、前記第2信号配線と前記所定の第2方向に延びるダミー線から形成され、
正面視した場合、前記第1遮光パターンは、前記第1液晶表示パネルの、前記所定の第1方向に沿って繰り返し配列される前記サブ画素の色数よりも1つ大きい数の前記サブ画素ごとに配置され、前記第1液晶表示パネルの前記第1信号配線に重なっている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第2液晶表示パネルは、前記所定の第2方向に延びる第2遮光パターンを有し、
前記第2遮光パターンは、前記所定の第2方向に延びる第2信号配線、又は、前記第2信号配線と前記所定の第2方向に延びるダミー線から形成され、1つの前記第2主画素ごとに、前記第1液晶表示パネルの、前記所定の第2方向に延び前記所定の第1方向に隣接する2つの前記サブ画素の列を跨いで前記所定の第2方向に対して傾斜している、
請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第2液晶表示パネルの前記走査配線の折れ曲がり点は、前記第2液晶表示パネルの前記第2主画素の内に位置する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記第2液晶表示パネルの前記第2主画素は、前記第2液晶表示パネルの前記走査配線に沿って折れ曲がった形状を有する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の液晶表示パネルを重ねることにより、コントラストを向上させた液晶表示装置が知られている。例えば、特許文献1は、積層される表示液晶パネル及び光制御パネルを備える、表示パネルを開示している。
【0003】
特許文献1では、表示液晶パネルが表示機能を実現し、光制御パネルがバックライトから表示液晶パネルに入射する光を制御する。光制御パネルは複数本の信号線(ゲート線とデータ線)を備え、複数本の信号線の少なくとも一部は折れ線である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2021-535415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、光制御パネルの信号線を折れ線にすることにより、光制御パネルの信号線と表示液晶パネルのグリッド線(ゲート線とデータ線)とを異なるパターンに形成して、表示パネルのモアレを改善している。しかしながら、バックライトからの光を広く遮光する光制御パネルの折れ線の折れ曲がり点が、表示液晶パネルの特定の色の画素の間(例えば、緑色の画素と青色の画素の間)に位置するので、光制御パネルの折れ線の折れ曲がり点が、表示液晶パネルの特定の色の画素に入射する光を周期的に遮り、特定の色の画素の輝度を周期的に低下させることにより、色モアレが表示パネルに生じる虞がある。
【0006】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、色モアレを抑制した液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係る液晶表示装置は、
複数の色の異なるサブ画素を有する第1主画素が、所定の第1方向と前記所定の第1方向に垂直な所定の第2方向にマトリクス状に配置され、カラー画像を表示する第1液晶表示パネルと、
前記第1液晶表示パネルの観察者側の面と反対側に位置して前記第1液晶表示パネルに重なり、第2主画素が前記所定の第1方向と前記所定の第2方向にマトリクス状に配置され、モノクロ画像を表示する第2液晶表示パネルとを備え、
前記第2液晶表示パネルは、前記所定の第1方向にジグザグに延びる走査配線を有し、
前記所定の第1方向に沿って並ぶ、前記第2液晶表示パネルの前記走査配線の折れ曲がり点の周期が、前記第1液晶表示パネルの前記サブ画素の所定の個数分であり、
前記所定の個数は、前記第1液晶表示パネルの1つの前記第1主画素において前記所定の第1方向に配列される前記サブ画素の色数よりも大きく、前記第1液晶表示パネルの前記所定の第1方向に沿って繰り返し配列される前記サブ画素の色数の自然数倍でない。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、所定の第1方向に沿って並ぶ、第2液晶表示パネルの走査配線の折れ曲がり点の周期が、第1液晶表示パネルのサブ画素の所定の個数分である。所定の個数は、第1液晶表示パネルの1つの第1主画素において所定の第1方向に配列されるサブ画素の色数よりも大きく、第1液晶表示パネルの所定の第1方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素の色数の自然数倍でない。これにより、折れ曲がり点によって入射する光を遮蔽されるサブ画素の色が順次に変わっていくので、液晶表示装置の色モアレを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係る液晶表示装置を示す模式図である。
図2】実施形態1に係る第1液晶表示パネルを示す平面図である。
図3】実施形態1に係る液晶表示装置を示す断面図である。
図4】実施形態1に係る第1液晶表示パネルの第1走査配線と第1信号配線とを示す模式図である。
図5】実施形態1に係る第2液晶表示パネルを示す平面図である。
図6】実施形態1に係る、正面視した2個分の第2主画素における、第2走査配線と第2信号配線とダミー線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図7】実施形態1に係る、正面視した4個分の第2主画素における、第2走査配線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図8】実施形態1に係る、正面から-X側に寄った位置から見た4個分の第2主画素における、第2走査配線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図9】実施形態1に係る、正面から+X側に寄った位置から見た4個分の第2主画素における、第2走査配線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図10】第2走査配線、第2信号配線、スイッチング素子等を示す平面図である。
図11図10に示すスイッチング素子とコンタクトホールとをA-A線で矢視した断面図である。
図12図10に示す第2走査配線とダミー線とをB-B線で矢視した断面図である。
図13】実施形態1に係る表示制御部を示すブロック図である。
図14】実施形態2に係る、正面視した4個分の第2主画素における、第2走査配線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図15】実施形態3に係る、正面視した4個分の第2主画素における、第2走査配線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図16】実施形態4に係る第1液晶表示パネルの第1主画素を示す平面図である。
図17】実施形態4に係る、正面視した4個分の第2主画素における、第2走査配線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図18】実施形態5に係る、正面視した4個分の第2主画素における、第2走査配線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図19】実施形態6に係る第2信号配線とダミー線とを示す模式図である。
図20】実施形態7に係る第2液晶表示パネルを示す平面図である。
図21】実施形態7に係る、正面視した1個分の第2主画素における、第2走査配線と第2信号配線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図22】実施形態7に係る第2走査配線と第1液晶表示パネルのサブ画素とを示す模式図である。
図23】実施形態7に係る画素電極を示す模式図である。
図24】変形例に係る第2信号配線とダミー線とを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
【0011】
<実施形態1>
図1図13を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置10を説明する。液晶表示装置10は、後述する、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200とにより、カラー画像を表示する。
【0012】
液晶表示装置10は、図1に示すように、パネル部50と、バックライト300と、表示制御部400とを備える。パネル部50は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200とを有する。バックライト300は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200に光を照射する光源である。表示制御部400は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200の表示を制御する。なお、本明細書では、理解を容易にするため、図1における液晶表示装置10の右方向(紙面の右方向)を+X方向、上方向(紙面の上方向)を+Y方向、+X方向と+Y方向に垂直な方向(紙面の手前方向)を+Z方向として説明する。また、X方向が所定の第1方向に相当し、Y方向が所定の第2方向に相当する。
【0013】
(パネル部)
パネル部50は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200とを有する。第1液晶表示パネル100は、観察者側(+Z側)に位置し、カラー画像を表示する。第2液晶表示パネル200は、第1液晶表示パネル100の観察者側の面と反対側(第1液晶表示パネル100の背面側)に位置し、第1液晶表示パネル100に重なる。第2液晶表示パネル200は、モノクロ画像を表示する。
【0014】
第1液晶表示パネル100は、例えば、公知の透過型横電界方式の液晶表示パネルである。第1液晶表示パネル100は、TFT(Thin Film Transistor)によりアクティブマトリクス駆動される。
【0015】
第1液晶表示パネル100は、図2に示すように、矩形形状の表示領域101に、X方向とY方向にマトリクス状に配列された第1主画素102を有する。第1主画素102は、ブラックマトリクスBMによりV字形に画定され、X方向に並ぶ、赤色光を出射する赤色画素104Rと緑色光を出射する緑色画素104Gと青色光を出射する青色画素104Bとから形成されている。赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104Bは、第1液晶130の回転方向が異なる、2つのドメイン104a、104bに分かれている。ドメイン104aとドメイン104bも、ブラックマトリクスBMにより画定されている。なお、赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104Bと後述する白色画素104Wとを総称して、サブ画素104と記載する場合がある。
【0016】
本実施形態では、図2に示すように、第1主画素102がX方向(所定の第1方向)とY方向(所定の第2方向)に並び、第1主画素102の赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104BがX方向に並んでいるので、1つの第1主画素102においてX方向に配列されるサブ画素104の色数は3となる。また、X方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数も3となる。
【0017】
第1液晶表示パネル100は、図3に示すように、第1TFT基板110と、第1対向基板120と、第1液晶130と、第1偏光板132と、第2偏光板134と、第1ドライバ回路136とを備える。第1TFT基板110と第1対向基板120は、第1液晶130を挟持する。第1偏光板132は第1TFT基板110に設けられ、第2偏光板134は第1対向基板120に設けられる。
【0018】
第1TFT基板110は、例えば、ガラス基板である。第1TFT基板110の第1液晶130側の主面110aには、サブ画素104を選択するためのTFT、共通電極、画素電極、第1液晶130を配向する配向膜等が設けられる(いずれも図示せず)。
【0019】
さらに、第1TFT基板110の主面110aには、複数の共通配線(図示せず)と複数の第1走査配線GL1と複数の第1信号配線DL1が形成されている。共通配線は、第1液晶130に電圧を印加する共通電極に共通電位を供給する。第1走査配線GL1は、図4に示すように、X方向に直線状に延び、TFTを動作させる電圧を供給する。第1信号配線DL1は、Y方向にサブ画素104の外形(V字形)に沿ってジグザグに延びる。第1信号配線DL1は、TFTを介して、第1液晶130に電圧を印加する画素電極に電圧を供給する。サブ画素104は第1走査配線GL1と第1信号配線DL1とに囲まれ、TFTが第1走査配線GL1と第1信号配線DL1との交差部に設けられている。第1TFT基板110の主面110aと反対側の主面110bには、図3に示すように、第1偏光板132が設けられている。なお、図4では、第1走査配線GL1と第1信号配線DL1とを実線で示している。以下の図においても、第1走査配線GL1、第1信号配線DL1等を実線又は破線で示す場合がある。
【0020】
第1対向基板120は、図3に示すように、第1TFT基板110に対向し、シール材138により第1TFT基板110に貼り合わされている。第1対向基板120は、例えば、ガラス基板である。第1対向基板120の第1液晶130側の主面120aには、カラーフィルタ122、ブラックマトリクスBM、第1液晶130を配向する配向膜等が設けられている。第1対向基板120の主面120aと反対側の主面120bには、第2偏光板134が設けられている。なお、図3では、理解を容易にするために、ブラックマトリクスBM、配向膜等を省略している。
【0021】
カラーフィルタ122は、同一色のカラーフィルタがY方向に配置された、ストライプ状のカラーフィルタである。カラーフィルタ122の赤色カラーフィルタと緑色カラーフィルタと青色カラーフィルタのそれぞれは、ブラックマトリクスBMに囲まれ、赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104Bのそれぞれに対応している。
【0022】
ブラックマトリクスBMは、図2に示すように、第1主画素102とサブ画素104とドメイン104a、104bを画定する。ブラックマトリクスBMは、第1走査配線GL1と第1信号配線DL1を覆っている。ブラックマトリクスBMのX方向に延びる線分は、第1走査配線GL1と同様に、直線状に延びている。ブラックマトリクスBMのY方向に延びる線分は、第1信号配線DL1と同形で、ジグザグに延びている。
【0023】
第1液晶130は、図3に示すように、第1TFT基板110と第1対向基板120とに挟持される。第1液晶130は、例えば、ポジ型のネマチック液晶である。第1液晶130は、配向膜により、第1TFT基板110の主面110aに平行な方向に初期配向している。また、第1液晶130は、電圧を印加されることにより、第1TFT基板110の主面110aに平行な面内で回転する。
【0024】
第1偏光板132は第1TFT基板110の主面110bに設けられ、第2偏光板134は第1対向基板120の主面120bに設けられる。第1偏光板132の透過軸と第2偏光板134の透過軸のうちの、一方の透過軸が第1液晶130の初期配向方向に平行に配置され、第1偏光板132の透過軸と第2偏光板134の透過軸は直交している。第1偏光板132は、透光性を有する接着層150により、後述する第2液晶表示パネル200の第2対向基板220に貼り合わされている。接着層150は、例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)である。
【0025】
第1ドライバ回路136は、第1TFT基板110の主面110aに設けられる。第1ドライバ回路136は、表示制御部400から供給されるカラー画像信号に基づいて、第1走査配線GL1と第1信号配線DL1と共通配線に電圧を供給する。
【0026】
(第2液晶表示パネル)
第2液晶表示パネル200は、図3に示すように、第1液晶表示パネル100の背面側(-Z側)に位置し、接着層150により第1液晶表示パネル100に貼り合わされている。第2液晶表示パネル200は、モノクロ画像を表示する。
【0027】
本実施形態では、第2液晶表示パネル200は、ポジ型液晶を使用した透過型横電界方式の液晶表示パネルである。第2液晶表示パネル200は、後述するスイッチング素子240により、アクティブマトリクス駆動される。第2液晶表示パネル200は、図5に示すように、X方向とY方向にマトリクス状に配列した第2主画素202を有する。本実施形態では、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202が第1液晶表示パネル100の16個(X方向に4個、Y方向に4個)の第1主画素102に対応し、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202が第1液晶表示パネル100の16個の第1主画素102に対して光を出射する。
【0028】
第2液晶表示パネル200は、図3に示すように、第2TFT基板210と、第2対向基板220と、第2液晶230と、第3偏光板232と、第2ドライバ回路236とを備える。第2TFT基板210と第2対向基板220は、第2液晶230を挟持する。第3偏光板232は第2TFT基板210に設けられる。なお、本実施形態では、第1液晶表示パネル100の第1偏光板132が、第2液晶表示パネル200の光出射側の偏光板を兼ねている。また、第2液晶表示パネル200は、カラーフィルタとブラックマトリクスとを備えていない。
【0029】
第2TFT基板210は、例えば、ガラス基板である。第2TFT基板210の第2液晶230側の主面210aには、複数の第2走査配線GL2、複数の第2信号配線DL2、複数のダミー線DM、共通配線(図示せず)、第2主画素202のスイッチング素子240と画素電極250と共通電極CE、第2液晶230を配向する配向膜(図示せず)等が形成されている。共通配線は、第2液晶230に電圧を印加する共通電極CEに共通電位を供給する。第2走査配線GL2は、スイッチング素子240を動作させる電圧を供給する。第2信号配線DL2は、スイッチング素子240を介して、第2液晶230に電圧を印加する画素電極250に電圧を供給する。ダミー線DMは、バックライト300から入射する光を遮る材料から形成される。ダミー線DMと第2信号配線DL2は、後述する第1遮光パターン260を形成する。第2TFT基板210の主面210aと反対側の主面210bには、第3偏光板232が設けられている。第2走査配線GL2、第2信号配線DL2、ダミー線DM、第2主画素202(スイッチング素子240と共通電極CEと画素電極250)等の構成については、後述する。
【0030】
第2対向基板220は、第2TFT基板210に対向し、シール材238により第2TFT基板210に貼り合わされている。第2対向基板220は、例えば、ガラス基板である。第2対向基板220の第2液晶230側の主面220aには、第2液晶230を配向する配向膜(図示せず)が設けられている。第2対向基板220の主面220aと反対側の主面220bには、接着層150が設けられている。第2対向基板220は、接着層150を介して、第1液晶表示パネル100(第1偏光板132)に貼り付けられている。
【0031】
第2液晶230は、第2TFT基板210と第2対向基板220とに挟持される。第2液晶230はポジ型のネマチック液晶である。第2液晶230は、配向膜により、Y方向に初期配向している。第2液晶230は、電圧を印加されることにより、第2TFT基板210の主面210aに平行な面内で回転する。
【0032】
第3偏光板232は第2TFT基板210の主面210bに設けられる。第3偏光板232の透過軸は、第2液晶230の初期配向方向に平行に配置されている。なお、第3偏光板232の透過軸と第1液晶表示パネル100の第1偏光板132(第2液晶表示パネル200の光出射側の偏光板)の透過軸は直交しており、第2液晶表示パネル200はノーマリーブラックモードで動作する。
【0033】
第2ドライバ回路236は、第2TFT基板210の主面210aに設けられる。第2ドライバ回路236は、表示制御部400から供給される信号に基づいて、第2走査配線GL2と第2信号配線DL2と共通配線に電圧を供給する。
【0034】
図5図9を参照して、第2走査配線GL2と第2信号配線DL2とダミー線DMについて、説明する。図6は、正面視した2個分の第2主画素202における、第2走査配線GL2と第2信号配線DL2とダミー線DMと第1液晶表示パネル100のサブ画素104とを示す。図7は、正面視した4個分の第2主画素202における、第2走査配線GL2と第1液晶表示パネル100のサブ画素104とを示す。図7と以下の図では、理解を容易にするために、第1液晶表示パネル100の1つのサブ画素104を1つの矩形で図示する場合がある。また、以下の図では、サブ画素104を矩形で図示することに伴って、折れ曲がった第2信号配線DL2を直線分で図示する場合がある。さらに、後述する第2走査配線GL2の折れ曲がり点P1~P10を総称して、折れ曲がり点Pと記載する場合がある。
【0035】
第2走査配線GL2と、第1液晶表示パネル100のサブ画素104との関係を説明する。第2走査配線GL2は、図5図6に示すように、第2主画素202の内を通過する。第2走査配線GL2は、第2主画素202の+Y側の端部と-Y側の端部で折れ曲がり、X方向にジグザグに延びる。本実施形態では、液晶表示装置10を正面視した場合(すなわち+Z方向から見た場合)、第2走査配線GL2の折れ曲がり点Pは、図6に示すように、第2主画素202の内で、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の間に位置する。
【0036】
第2走査配線GL2の折れ曲がり点Pは、X方向(所定の第1方向)に沿って、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の所定の個数N分の周期で並ぶ。所定の個数Nは、第1液晶表示パネル100の1つの第1主画素102においてX方向に配列されるサブ画素104の色数3よりも大きく、第1液晶表示パネル100のX方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数3の自然数倍でない数である。また、自然数をnと、実数をmとすると、所定の個数Nは下記の式(1)と式(2)により表される。本実施形態では、図6図7に示すように、所定の個数Nが13(n=4、m=1)である場合について、説明する。
N=3×n+m (1)
0<m<3 (2)
【0037】
本実施形態では、図7に示すように、第2走査配線GL2は、サブ画素104の6個分又は7個分延びて折れ曲がり(例えば、折れ曲がり点P1と折れ曲がり点P2の間では7個分、折れ曲がり点P2と折れ曲がり点P3の間では6個分)、X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P1、P3、P5、P7と、X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P2、P4、P6、P8は、それぞれ、サブ画素104の13個分の周期で並んでいる。折れ曲がり点P1~P7の並びでは、サブ画素104の13個分の周期であるので、折れ曲がり点P1が青色画素104Bと赤色画素104Rとの間に位置すると、折れ曲がり点P3は赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置し、折れ曲がり点P5は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置し、折れ曲がり点P7は青色画素104Bと赤色画素104Rとの間に位置する。また、折れ曲がり点P2~P8の並びでは、折れ曲がり点P2が赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置し、折れ曲がり点P4は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置し、折れ曲がり点P6は青色画素104Bと赤色画素104Rとの間に位置し、折れ曲がり点P8が赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置する。
【0038】
すなわち、本実施形態では、X方向に並ぶ折れ曲がり点Pが位置するサブ画素104の間を形成するサブ画素104の色が、順次に変わっていく。折れ曲がり点Pは、バックライト300から第1液晶表示パネル100のサブ画素104に入射する光を遮蔽するので、折れ曲がり点Pによって入射する光を遮蔽されるサブ画素104の色が、順次に変わっていく。
【0039】
折れ曲がり点Pによって入射する光を遮蔽されるサブ画素104の色が、順次に変わると、入射される光の遮蔽より生じるサブ画素104の色の輝度の低下(混色により得られる色の偏り)が、第1液晶表示パネル100の表示領域101の内で平均化されるので、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。
【0040】
また、本実施形態では、図8に示すように、液晶表示装置10を正面から-X側に寄った位置から見た場合であっても、折れ曲がり点Pの位置は正面視した場合から一様に変化するので、X方向に並ぶ折れ曲がり点Pが位置するサブ画素104の間を形成するサブ画素104の色が、順次に変わっていく。さらに、図9に示すように、液晶表示装置10を正面から+X側に寄った位置から見た場合であっても、X方向に並ぶ折れ曲がり点Pが位置するサブ画素104の間を形成するサブ画素104の色が、順次に変わっていく。したがって、観察者の位置が変化しても、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。
【0041】
第2信号配線DL2とダミー線DMと、第1液晶表示パネル100のサブ画素104との関係を説明する。液晶表示装置10を正面視した場合、第2信号配線DL2は、図6に示すように、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の間に位置し、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の外形に沿って折れ曲がってY方向に延びる。また、第2信号配線DL2は、第1液晶表示パネル100の第1信号配線DL1に重なる。ダミー線DMも、第2信号配線DL2と同様に、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の間に位置し、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の外形に沿って折れ曲がって、Y方向に延びる。ダミー線DMも、第1液晶表示パネル100の第1信号配線DL1に重なる。
【0042】
本実施形態では、図5に示すように、2つのダミー線DMが2つの第2信号配線DL2の間に配置されて、第2信号配線DL2とダミー線DMはバックライト300から入射する光を遮る第1遮光パターン260を形成している。液晶表示装置10を正面視した場合、第2信号配線DL2とダミー線DM(すなわち第1遮光パターン260)は、図6に示すように、X方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数3よりも1つ大きい4つのサブ画素104ごとに配置されている。
【0043】
本実施形態では、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202は、第1液晶表示パネル100の16個の第1主画素102に対応し、第1液晶表示パネル100の1つの第1主画素102よりも大きい。したがって、Y方向に延びる遮光性を有する配線として、1つの第2主画素202に対応する1つの第2信号配線DL2のみが配置されると、Y方向に延びる遮光性を有する配線から形成される暗線の空間周波数が低くなり、暗線が観察者に認識されやすくなる。本実施形態では、液晶表示装置10を正面視した場合、第1遮光パターン260を形成する第2信号配線DL2とダミー線DMが、第1液晶表示パネル100の4つのサブ画素104ごとに配置されているので、Y方向に延びる遮光性を有する配線から形成される暗線の空間周波数を高くして、暗線を観察者に認識されにくくできる。
【0044】
次に、図10図12を参照して、第2走査配線GL2と、第2信号配線DL2と、ダミー線DMと、第2主画素202のスイッチング素子240と画素電極250と共通電極CEについて説明する。図10は、第2走査配線GL2、第2信号配線DL2、スイッチング素子240等を示す平面図である。図11は、図10に示すスイッチング素子240とコンタクトホールCHとをA-A線で矢視した断面図であり、図12は、図10に示す第2走査配線GL2とダミー線DMとをB-B線で矢視した断面図である。なお、理解を容易にするために、図10では共通電極CEを省略し、図11図12では第3絶縁層278のハッチングを省略している。
【0045】
第2走査配線GL2は、図11に示すように、第2TFT基板210の主面210aの上に形成され、第1絶縁層272に覆われている。第2信号配線DL2は、第1絶縁層272の上に形成され、第2絶縁層274に覆われている。第2走査配線GL2と第2信号配線DL2は、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属から形成される。
【0046】
共通電極CEは、図11図12に示すように、第2絶縁層274の上に形成されている有機層間膜276の上に形成される。共通電極CEは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)から形成される。共通電極CEは、第3絶縁層278に覆われている。
【0047】
スイッチング素子240は、第2走査配線GL2の近傍に設けられる。スイッチング素子240は、図10図11に示すように、ゲート電極242と半導体層244とソース電極246とドレイン電極248とを有する。スイッチング素子240は、例えば、TFT素子である。
【0048】
ゲート電極242は、第2走査配線GL2と一体に、第2TFT基板210の主面210aの上に形成されている。ゲート電極242は、第2走査配線GL2と同様に、第1絶縁層272に覆われる。半導体層244は、第1絶縁層272を介して、ゲート電極242の上にアイランド状に設けられる。半導体層244は、例えば、アモルファスシリコンから形成される。ソース電極246は、第2信号配線DL2から分岐して、半導体層244の上に形成される。ドレイン電極248は、半導体層244の上から第2走査配線GL2に沿って延びる。ドレイン電極248は、第3絶縁層278と有機層間膜276と第2絶縁層274とを貫通するコンタクトホールCHを介して、画素電極250に接続している。ソース電極246とドレイン電極248は、第2信号配線DL2と同様に、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属から形成される。また、半導体層244とソース電極246とドレイン電極248は、図11に示すように、第2絶縁層274に覆われている。
【0049】
ダミー線DMは、図12に示すように、有機層間膜276の上に形成され、共通電極CEに覆われている。ダミー線DMは、例えば、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属から形成される。ダミー線DMは、導電性を有していなくともよく、遮光性を有する有機材料から形成されてもよい。また、本実施形態では、スイッチング素子240のダミーに相当するダミー素子240Dが、図10図12に示すように、スイッチング素子240と向き合う位置に、ダミー線DMと同様に形成されている。
【0050】
第1絶縁層272は、図11図12に示すように、第2走査配線GL2とスイッチング素子240のゲート電極242とを覆う。第2絶縁層274は、スイッチング素子240の半導体層244とソース電極246とドレイン電極248と、第2信号配線DL2と、第1絶縁層272とを覆う。有機層間膜276は、感光性樹脂から、第2絶縁層274の上に形成される。第3絶縁層278は、共通電極CEと有機層間膜276とを覆う。第1絶縁層272と第2絶縁層274と第3絶縁層278は、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)等から形成される。
【0051】
画素電極250は、コンタクトホールCHを介して、スイッチング素子240に接続している。画素電極250は、櫛歯形状を有し、歯部252はY方向に対して傾斜している。画素電極250は、例えば、ITOから形成される。
【0052】
(バックライト)
バックライト300は、図1に示すように、第2液晶表示パネル200の背面側(-Z側)に配置される。バックライト300は、例えば、直下型バックライトである。バックライト300は、白色LED(Light emitting diode)素子、反射シート、拡散シート等を備えている(いずれも図示せず)。
【0053】
(表示制御部)
表示制御部400は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200の表示を制御する。表示制御部400は、図13に示すように、画像データ分配部410と、第1画像信号生成部420と、第2画像輝度信号生成部430と、第2画像信号生成部440とを備える。
【0054】
画像データ分配部410は、入力画像データを、第1画像信号生成部420と第2画像輝度信号生成部430とに分配する。
【0055】
第1画像信号生成部420は、画像データ分配部410から分配された入力画像データから、第1液晶表示パネル100に表示するカラー画像を生成する。具体的には、第1画像信号生成部420の第1階調変換部422が、分配された入力画像データを、第1液晶表示パネル100に適した輝度-階調特性を有するカラー画像データに変換する階調変換を行う。データの変換には、例えば、入出力の関係を予め設定したルックアップテーブルが用いられる。第1画像信号生成部420は、生成されたカラー画像を表すカラー画像信号を第1液晶表示パネル100の第1ドライバ回路136へ送信する。
【0056】
第2画像輝度信号生成部430は、画像データ分配部410から分配された入力画像データから、第2液晶表示パネル200に表示するモノクロ画像を生成するための輝度信号を生成する。第2画像輝度信号生成部430は、例えば、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202から出射される光が入射する、第1液晶表示パネル100の16個の第1主画素102における、赤色の階調値と緑色の階調値と青色の階調値の平均値、頻出値、最小値、最大値等から、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202の輝度レベルを求める。求められた輝度レベルは、階調値であってもよい。第2画像輝度信号生成部430は、求められた輝度レベルを表す輝度信号を第2画像信号生成部440に送信する。
【0057】
第2画像信号生成部440は、第2画像輝度信号生成部430から送信された輝度信号に基づいて、第2液晶表示パネル200に表示するモノクロ画像を生成する。第2画像信号生成部440は、例えば、平均化処理と階調変換とを施したモノクロ画像を生成する。具体的には、第2画像信号生成部440の演算部442は、注目する第2主画素202の所定の距離内に位置する第2主画素202の輝度レベルを、例えば、注目する第2主画素202からの距離に基づく加重平均により、平均化する。これにより、第2画像信号生成部440は、エッジをぼかしたモノクロ画像を生成できる。さらに、第2画像信号生成部440の第2階調変換部444は、第2液晶表示パネル200に適した輝度-階調特性を有するモノクロ画像データを生成する。第2階調変換部444の構成は、第1画像信号生成部420の第1階調変換部422と同様である。
【0058】
第2液晶表示パネル200に送信されるモノクロ画像信号は、第2画像輝度信号生成部430により実施される輝度レベルの算出、平均化処理等により、第1液晶表示パネル100に送信されるカラー画像信号に対して遅延する。そこで、表示制御部400は、モノクロ画像信号とカラー画像信号の出力を同期させるために、図示しない同期回路を備えている。同期回路によって、第1液晶表示パネル100のカラー画像に応じたモノクロ画像が、第2液晶表示パネル200に表示されるので、液晶表示装置10に適切なカラー画像が表示される。
【0059】
表示制御部400は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等から構成される。表示制御部400の機能は、例えば、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
【0060】
以上のように、第2走査配線GL2の折れ曲がり点Pが、X方向(所定の第1方向)に沿って、第1液晶表示パネル100の1つの第1主画素102においてX方向に配列されるサブ画素104の色数3よりも大きく、第1液晶表示パネル100のX方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数3の自然数倍でない、所定の個数N分(本実施形態ではN=13)並ぶので、折れ曲がり点Pによって入射する光を遮蔽されるサブ画素104の色が順次に変わる。これにより、入射される光の遮蔽より生じるサブ画素104の色の輝度の低下(混色により得られる色の偏り)が、第1液晶表示パネル100の表示領域101の内で平均化され、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。また、観察者の位置が変化しても、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。
【0061】
さらに、第2信号配線DL2とダミー線DMから形成され、Y方向(所定の第2方向)に延びる第1遮光パターン260が、X方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数3よりも1つ大きい4つのサブ画素104ごとに配置されている。これにより、Y方向に延びる遮光性を有する配線から形成される暗線の空間周波数を高くして、液晶表示装置10に生じる暗線を観察者に認識されにくくできる。
【0062】
<実施形態2>
実施形態1では、第2走査配線GL2の折れ曲がり点Pが、X方向に沿って、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の13個分(n=3、m=1)の周期で並ぶ。所定の個数Nは14個(n=3、m=2)であってもよい。本実施形態のその他の構成は、実施形態1と同様である。
【0063】
所定の個数Nが14個である場合、例えば、図14に示すように、第2走査配線GL2は、サブ画素104の7個分延びて折れ曲がる。また、X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P1、P3と、P5、P7と、X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P2、P4、P6は、それぞれ、サブ画素104の14個分の周期で並ぶ。
【0064】
折れ曲がり点P1~P7の並びでは、サブ画素104の14個分の周期であるので、折れ曲がり点P1が青色画素104Bと赤色画素104Rとの間に位置すると、折れ曲がり点P3は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置し、折れ曲がり点P5は赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置し、折れ曲がり点P7は青色画素104Bと赤色画素104Rとの間に位置する。折れ曲がり点P2、P4、P6の並びでは、折れ曲がり点P2は赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置し、折れ曲がり点P4は青色画素104Bと赤色画素104Rとの間に位置し、折れ曲がり点P6は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置する。
【0065】
すなわち、本実施形態においても、実施形態1と同様に、X方向に並ぶ折れ曲がり点Pが位置するサブ画素104の間を形成するサブ画素104の色が、順次に変わっていく。したがって、本実施形態においても、サブ画素104の色の輝度の低下(混色により得られる色の偏り)が、第1液晶表示パネル100の表示領域101の内で平均化され、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。
【0066】
以上のように、所定の個数Nが14個(n=3、m=2)であっても、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。
【0067】
<実施形態3>
実施形態1では、第1液晶表示パネル100の第1主画素102は、X方向に並ぶ、赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104Bとから形成されている。第1液晶表示パネル100の第1主画素102は、図15に示すように、X方向に並ぶ、赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104Bと白色画素104Wから形成されてもよい。白色画素104Wは、白色光を出射する。
【0068】
本実施形態では、第1主画素102がX方向とY方向に並び、第1主画素102の赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104Bと白色画素104WがX方向に並んでいるので、1つの第1主画素102においてX方向に配列されるサブ画素104の色数は4となる。また、X方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数も4となる。本実施形態の第1液晶表示パネル100のその他の構成は、実施形態1と同様である。
【0069】
本実施形態の第2液晶表示パネル200では、図15に示すように、2つのダミー線DMが2つの第2信号配線DL2の間に配置されている。液晶表示装置10を正面視した場合、第2信号配線DL2とダミー線DM(すなわち第1遮光パターン260)は、図15に示すように、X方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数4よりも1つ大きい5つのサブ画素104ごとに配置されている。
【0070】
本実施形態の第2液晶表示パネル200においても、第2走査配線GL2の折れ曲がり点Pは、X方向に沿って、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の所定の個数N分の周期で並ぶ。本実施形態の所定の個数Nは、第1液晶表示パネル100の1つの第1主画素102においてX方向に配列されるサブ画素104の色数4よりも大きく、第1液晶表示パネル100のX方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数4の自然数倍でない数である。また、自然数をnと、実数をmとすると、所定の個数Nは下記の式(3)と式(4)により表される。本実施形態では、図15に示すように、所定の個数Nが15(n=3、m=3)である場合について、説明する。本実施形態の第2液晶表示パネル200のその他の構成とバックライト300と表示制御部400の構成は、実施形態1と同様である。
N=4×n+m (3)
0<m<4 (4)
【0071】
所定の個数Nが15個である場合、例えば、図15に示すように、第2走査配線GL2は、7個分又は8個分延びて折れ曲がる(例えば、折れ曲がり点P1と折れ曲がり点P2の間では7個分、折れ曲がり点P2と折れ曲がり点P3の間では8個分)。X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P1、P3、P5、P7、P9と、X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P2、P4、P6、P8は、それぞれ、サブ画素104の15個分の周期で並ぶ。
【0072】
折れ曲がり点P1~P9の並びでは、サブ画素104の15個分の周期であるので、折れ曲がり点P1が赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置すると、折れ曲がり点P3は白色画素104Wと赤色画素104Rとの間に位置し、折れ曲がり点P5は青色画素104Bと白色画素104Wとの間に位置する。さらに、折れ曲がり点P7は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置し、折れ曲がり点P9は赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置する。
【0073】
折れ曲がり点P2~P8の並びでは、折れ曲がり点P2は白色画素104Wと赤色画素104Rとの間に位置し、折れ曲がり点P4は青色画素104Bと白色画素104Wとの間に位置する。さらに、折れ曲がり点P6は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置し、折れ曲がり点P8は赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置する。
【0074】
以上のように、本実施形態においても、実施形態1と同様に、X方向に並ぶ折れ曲がり点Pが位置するサブ画素104の間を形成するサブ画素104の色が、順次に変わっていく。したがって、本実施形態においても、サブ画素104の色の輝度の低下(混色により得られる色の偏り)が、第1液晶表示パネル100の表示領域101の内で平均化され、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。
【0075】
また、本実施形態では、第2信号配線DL2とダミー線DM(第1遮光パターン260)が、第1液晶表示パネル100の5つのサブ画素104ごとに配置されているので、Y方向に延びる遮光性を有する配線から形成される暗線の空間周波数を高くして、暗線を観察者に認識されにくくできる。
【0076】
<実施形態4>
実施形態3では、第1液晶表示パネル100の1つの第1主画素102を形成する、赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104Bと白色画素104Wは、X方向に一列に並ぶ。第1液晶表示パネル100の1つの第1主画素102を形成する、赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104Bと白色画素104Wは、X方向に2列に並んでもよい。
【0077】
本実施形態では、第1液晶表示パネル100の第1主画素102の構成と第2液晶表示パネル200の第2走査配線GL2の折れ曲がりが、実施形態3における第1主画素102の構成と第2走査配線GL2の折れ曲がりと異なる。液晶表示装置10のその他の構成は、実施形態1と実施形態3と同様である。
【0078】
本実施形態の第1液晶表示パネル100は、図16に示すように、第1主画素102として、第1主画素102aと第1主画素102bとを有する。第1主画素102aと第1主画素102bはX方向に交互に並ぶ。Y方向には、第1主画素102aと第1主画素102bの一方が一列に並んでいる。
【0079】
第1主画素102aでは、赤色画素104Rと緑色画素104GがX方向の1列目に順に並び、青色画素104Bと白色画素104WがX方向の2列目に順に並ぶ。第1主画素102bでは、青色画素104Bと白色画素104WがX方向の1列目に順に並び、赤色画素104Rと緑色画素104GがX方向の2列目に順に並ぶ。
【0080】
本実施形態では、第1主画素102aと第1主画素102bがX方向に交互に並び、第1主画素102aの1列目に赤色画素104Rと緑色画素104Gが並び、第1主画素102bの1列目に青色画素104Bと白色画素104Wが並ぶ。また、第1主画素102aの2列目に青色画素104Bと白色画素104Wが並び、第1主画素102bの2列目に赤色画素104Rと緑色画素104Gが並ぶ。したがって、本実施形態では、1つの第1主画素102a、102bにおいてX方向に配列されるサブ画素104の色数は2となり(赤色画素104Rと緑色画素104G、又は青色画素104Bと白色画素104W)、X方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数は4となる(赤色画素104Rと緑色画素104Gと青色画素104Bと白色画素104W)。
【0081】
本実施形態では、第2液晶表示パネル200は、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202が第1液晶表示パネル100の16個(X方向に8個、Y方向に2個)の第1主画素102に対応し、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202が第1液晶表示パネル100の16個の第1主画素102に対して光を出射する。
【0082】
本実施形態の第2液晶表示パネル200においても、第2走査配線GL2の折れ曲がり点Pは、X方向に沿って、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の所定の個数N分の周期で並ぶ。本実施形態の所定の個数Nは、第1液晶表示パネル100の1つの第1主画素102においてX方向に配列されるサブ画素104の色数2よりも大きく、第1液晶表示パネル100のX方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数4の自然数倍でない数である。この場合、自然数をnと、実数をmとすると、所定の個数Nは下記の式(5)と式(6)とを満たす。本実施形態では、図17に示すように、所定の個数Nが13(n=6、m=1)である場合について、説明する。
N=2×n+m (5)
0<m<2 (6)
【0083】
所定の個数Nが13個である場合、例えば、図17に示すように、第2走査配線GL2は、6個分又は7個分延びて折れ曲がる(例えば、折れ曲がり点P1と折れ曲がり点P2の間では7個分、折れ曲がり点P2と折れ曲がり点P3の間では6個分)。X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P1、P3、P5、P7、P9と、X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P2、P4、P6、P8、P10は、それぞれ、サブ画素104の13個分の周期で並ぶ。
【0084】
折れ曲がり点P1~P9の並びでは、折れ曲がり点P1が青色画素104Bと白色画素104Wとの間に位置すると、折れ曲がり点P3は白色画素104Wと赤色画素104Rとの間に位置し、折れ曲がり点P5は赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置する。さらに、折れ曲がり点P7は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置し、折れ曲がり点P9は青色画素104Bと白色画素104Wとの間に位置する。
【0085】
折れ曲がり点P2~P10の並びでは、折れ曲がり点P2は白色画素104Wと赤色画素104Rとの間に位置し、折れ曲がり点P4は赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置し、折れ曲がり点P6は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置する。さらに、折れ曲がり点P8は青色画素104Bと白色画素104Wとの間に位置し、折れ曲がり点P10は白色画素104Wと赤色画素104Rとの間に位置する。
【0086】
以上のように、本実施形態においても、実施形態1と同様に、X方向に並ぶ折れ曲がり点Pが位置するサブ画素104の間を形成するサブ画素104の色が、順次に変わっていく。したがって、本実施形態においても、サブ画素104の色の輝度の低下(混色により得られる色の偏り)が、第1液晶表示パネル100の表示領域101の内で平均化され、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。なお、本実施形態においても、実施形態3と同様に、第2信号配線DL2とダミー線DM(第1遮光パターン260)が、第1液晶表示パネル100の5つのサブ画素104ごとに配置されている。
【0087】
<実施形態5>
実施形態4のように、所定の個数Nが、第1液晶表示パネル100の1つの第1主画素102においてX方向に配列されるサブ画素104の色数2よりも大きく、第1液晶表示パネル100のX方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数4の自然数倍でない数である場合、下記の式(7)と上記の(6)とを満たしてもよい。本実施形態では、図18に示すように、所定の個数Nが14(n=3、m=1、nは自然数、mは実数)である場合について、説明する。
N=2×(2×n+m) (7)
【0088】
所定の個数Nが14個である場合、例えば、図18に示すように、第2走査配線GL2は、7個分延びて折れ曲がる。X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P1、P3、P5、P7、P9と、X方向に沿って並ぶ折れ曲がり点P2、P4、P6、P8、P10は、それぞれ、サブ画素104の14個分の周期で並ぶ。
【0089】
折れ曲がり点P1~P9の並びでは、折れ曲がり点P1が青色画素104Bと白色画素104Wとの間に位置すると、折れ曲がり点P3は赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置し、折れ曲がり点P5は青色画素104Bと白色画素104Wとの間に位置する。さらに、折れ曲がり点P7は赤色画素104Rと緑色画素104Gとの間に位置し、折れ曲がり点P9は青色画素104Bと白色画素104Wとの間に位置する。
【0090】
折れ曲がり点P2~P10の並びでは、折れ曲がり点P2は白色画素104Wと赤色画素104Rとの間に位置し、折れ曲がり点P4は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置し、折れ曲がり点P6は白色画素104Wと赤色画素104Rとの間に位置する。さらに、折れ曲がり点P8は緑色画素104Gと青色画素104Bとの間に位置し、折れ曲がり点P10は白色画素104Wと赤色画素104Rとの間に位置する。
【0091】
以上のように、本実施形態においても、実施形態1~実施形態4と同様に、X方向に並ぶ折れ曲がり点Pが位置するサブ画素104の間を形成するサブ画素104の色が、順次に変わっていく。したがって、本実施形態においても、サブ画素104の色の輝度の低下(混色により得られる色の偏り)が、第1液晶表示パネル100の表示領域101の内で平均化され、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。なお、本実施形態においても、実施形態3と実施形態4と同様に、第2信号配線DL2とダミー線DM(第1遮光パターン260)が、第1液晶表示パネル100の5つのサブ画素104ごとに配置されている。
【0092】
<実施形態6>
実施形態1~実施形態5では、第2液晶表示パネル200の第2信号配線DL2とダミー線DM(第1遮光パターン260)は、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の間に位置し、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の外形に沿って折れ曲がってY方向に延びている。第2液晶表示パネル200の第2信号配線DL2とダミー線DMは、第1液晶表示パネル100のサブ画素104を跨いでY方向に対して傾斜してもよい。
【0093】
本実施形態の第1液晶表示パネル100の構成は、実施形態1の第1液晶表示パネル100の構成と同様である。また、第2信号配線DL2とダミー線DMとを除き、本実施形態の第2液晶表示パネル200の構成は、実施形態1の第2液晶表示パネル200の構成と同様である。ここでは、図19を参照して、第2液晶表示パネル200の第2信号配線DL2とダミー線DMについて説明する。
【0094】
本実施形態では、実施形態1の第2信号配線DL2とダミー線DMと同様に、2つのダミー線DMが2つの第2信号配線DL2の間に配置されている。また、本実施形態の第2信号配線DL2とダミー線DMは、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の4個分の周期で配置され、バックライト300から入射する光を遮る第2遮光パターン280を形成している。
【0095】
本実施形態では、図19に示すように、第2信号配線DL2とダミー線DM(第2遮光パターン280)は、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202ごとに、第1液晶表示パネル100のY方向に延びる2つのサブ画素104の列を跨いで+Y方向に対して鋭角に傾斜している。+Y方向に対して鋭角に傾斜している傾斜部282は、Y方向に延びる2つのサブ画素104の列を跨いで、サブ画素104の4個分に渡ってサブ画素104の1個分傾斜している。X方向に対して平行な平坦部284が2つの傾斜部282を接続している。
【0096】
本実施形態では、第2遮光パターン280(第2信号配線DL2とダミー線DM)がY方向に延びる2つのサブ画素104の列を跨いでY方向に対し傾斜しているので、観察者の位置が変化しても、第2遮光パターン280が入射する光を遮る第1液晶表示パネル100のサブ画素104の、色はほとんど変化しない。したがって、観察者の位置が変化することにより生じる、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。
【0097】
<実施形態7>
実施形態1~実施形態6では、第2液晶表示パネル200の第2主画素202は矩形形状である。第2液晶表示パネル200の第2主画素202の形状は、矩形形状に限られない。
【0098】
本実施形態の第1液晶表示パネル100とバックライト300と表示制御部400の構成は、実施形態1と同様である。ここでは、本実施形態の第2液晶表示パネル200について説明する。
【0099】
本実施形態の第2液晶表示パネル200では、図20に示すように、第2走査配線GL2に沿って折れ曲がった、非対称なV字形を有する第2主画素202が、X方向とY方向にマトリクス状に配列されている。第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202は、図21に示すように、第1液晶表示パネル100の複数のサブ画素104に対応し、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202が第1液晶表示パネル100の複数のサブ画素104に対して光を出射する。
【0100】
第2主画素202は非対称なV字形を有している。第2主画素202の外形形状(非対称なV字形)の+Y側と-Y側の辺は、図21に示すように、第2走査配線GL2に平行である。また、第2主画素202の外形形状の+Y側と-Y側の辺は、図20に示すように、隣接する第2走査配線GL2の間に位置する。第2主画素202の外形形状の+X側と-X側の辺は、図21に示すように、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の外形に沿って折れ曲がっている。さらに、第2主画素202の外形形状の+X側と-X側の辺は第1液晶表示パネル100の第1信号配線DL1に重なっている。
【0101】
本実施形態の第2走査配線GL2は、実施形態1の第2走査配線GL2と同様に、第2主画素202の内を通過し、X方向にジグザグに延びる。また、第2走査配線GL2の折れ曲がり点Pは、第2主画素202の内で、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の間に位置する。
【0102】
本実施形態の第2走査配線GL2は、実施形態1の第2走査配線GL2と同様に、X方向に沿って、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の所定の個数N分の周期で並ぶ。所定の個数Nは、第1液晶表示パネル100の1つの第1主画素102においてX方向に配列されるサブ画素104の色数3よりも大きく、第1液晶表示パネル100のX方向に沿って繰り返し配列されるサブ画素104の色数3の自然数倍でない数である。また、上記の式(1)と式(2)を満たす。例えば、所定の個数Nが16(n=5、m=1)である場合、図22に示すように、折れ曲がり点Pによって入射する光を遮蔽されるサブ画素104の色が、順次に変わる。したがって、本実施形態においても、サブ画素104の色の輝度の低下(混色により得られる色の偏り)が、第1液晶表示パネル100の表示領域101の内で平均化され、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。なお、図22では、第1液晶表示パネル100の1つのサブ画素104を1つの矩形で図示している。
【0103】
液晶表示装置10を正面視した場合、本実施形態の第2信号配線DL2は、図21に示すように、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の間に位置し、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の外形に沿って折れ曲がってY方向に延びる。本実施形態では、第2液晶表示パネル200はダミー線DMを備えておらず、第2信号配線DL2が、第1液晶表示パネル100の4つのサブ画素104ごとに配置されて、第1遮光パターン260を形成している。本実施形態においても、第2信号配線DL2(第1遮光パターン260)が第1液晶表示パネル100の4つのサブ画素104ごとに配置されているので、実施形態1と同様に、Y方向に延びる遮光性を有する配線から形成される暗線の空間周波数を高くして、暗線を観察者に認識されにくくできる。
【0104】
本実施形態では、図23に示すように、1つの第2主画素202が3つのスイッチング素子240と3つの画素電極250とを有している。1つの第2主画素202は、1つの第2走査配線GL2と3つの第2信号配線DL2からの電圧(信号)により、駆動される。なお、図23では、理解を容易にするために、スイッチング素子240を破線で、画素電極250を実線で図示している。
【0105】
画素電極250は、幹線電極254と線状電極256とを有する。幹線電極254は、第2走査配線GL2の上に設けられ、第2走査配線GL2に沿っている。幹線電極254は、図示しないコンタクトホールを介して、スイッチング素子240に接続している。
【0106】
線状電極256は、幹線電極254から分岐して、+Y方向又は-Y方向に延びる。線状電極256は、第2信号配線DL2と同様に、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の外形に沿って折れ曲がっている。
【0107】
本実施形態の第2液晶表示パネル200のその他の構成は、実施形態1と同様である。
【0108】
以上のように、第2液晶表示パネル200の第2主画素202の形状は、矩形に限られない。本実施形態においても、実施形態1と同様に、液晶表示装置10の色モアレを抑制できる。
【0109】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、本開示は、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0110】
例えば、実施形態では、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200は横電界方式の液晶表示パネルである。第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200の方式は、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード等であってもよい。また、第1液晶表示パネル100の表示領域101は、矩形形状に限られず、非矩形形状であってもよい。
【0111】
実施形態では、第1液晶表示パネル100の第1偏光板132が、第2液晶表示パネル200の光出射側の偏光板を兼ねている。第2液晶表示パネル200は、第2対向基板220の主面220bに偏光板を備えてもよい。
【0112】
実施形態1~6では、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202が第1液晶表示パネル100の16個の第1主画素102に対応している。第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202が対応する第1液晶表示パネル100の第1主画素102の数は、任意である。
【0113】
実施形態では、第2走査配線GL2の折れ曲がり点Pは、第1液晶表示パネル100のサブ画素104の間に位置している、第2走査配線GL2の折れ曲がり点Pはサブ画素104の間に位置していなくともよい。
【0114】
実施形態6では、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202が第1液晶表示パネル100の16個(X方向に4個、Y方向に4個)の第1主画素102に対応し、第2遮光パターン280(第2信号配線DL2とダミー線DM)の傾斜部282は、Y方向に延びる2つのサブ画素104の列を跨いで、サブ画素104の4個分に渡ってサブ画素104の1個分傾斜している。第2遮光パターン280は、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202ごとに、第1液晶表示パネル100のY方向に延びる2つのサブ画素104の列を跨いでY方向に対して傾斜していればよい。例えば、図24に示すように、第2液晶表示パネル200の1つの第2主画素202が第1液晶表示パネル100の4個(X方向に2個、Y方向に2個)の第1主画素102に対応し、第2遮光パターン280(傾斜部282)が、Y方向に延びる2つのサブ画素104の列を跨いで、サブ画素104の2個分に渡ってサブ画素104の1個分傾斜してもよい。
【0115】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【符号の説明】
【0116】
10 液晶表示装置、50 パネル部、100 第1液晶表示パネル、101 表示領域、102,102a,102b 第1主画素、104 サブ画素、104a,104b ドメイン、104R 赤色画素、104G 緑色画素、104B 青色画素、104W 白色画素、110 第1TFT基板、110a,110b 主面、120 第1対向基板、120a,120b 主面、122 カラーフィルタ、130 第1液晶、132 第1偏光板、134 第2偏光板、136 第1ドライバ回路、138 シール材、150 接着層、200 第2液晶表示パネル、202 第2主画素、210 第2TFT基板、210a,210b 主面、220 第2対向基板、220a,220b 主面、230 第2液晶、232 第3偏光板、236 第2ドライバ回路、238 シール材、240 スイッチング素子、240D ダミー素子、242 ゲート電極、244 半導体層、246 ソース電極、248 ドレイン電極、250 画素電極、252 歯部、254 幹線電極、256 線状電極、260 第1遮光パターン、272 第1絶縁層、274 第2絶縁層、276 有機層間膜、278 第3絶縁層、280 第2遮光パターン、282 傾斜部、284 平坦部、300 バックライト、400 表示制御部、410 画像データ分配部、420 第1画像信号生成部、422 第1階調変換部、430 第2画像輝度信号生成部、440 第2画像信号生成部、442 演算部、444 第2階調変換部、BM ブラックマトリクス、CE 共通電極、CH コンタクトホール、DL1 第1信号配線、DL2 第2信号配線、DM ダミー線、GL1 第1走査配線、GL2 第2走査配線、P,P1~P10 折れ曲がり点
図1
図2
図3
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図10
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図12
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