(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117274
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】部品搭載システムおよび部品搭載方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230816BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
H05K13/04 A
H05K13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019905
(22)【出願日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】小林 広紀
(72)【発明者】
【氏名】江口 亮司
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC04
5E353CC05
5E353CC21
5E353EE23
5E353EE32
5E353EE36
5E353EE37
5E353EE89
5E353HH12
5E353HH24
5E353HH26
5E353HH29
5E353HH32
5E353HH40
5E353LL03
5E353LL04
5E353LL07
5E353PP02
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】部品供給ユニットとキャリアテープの対応関係を適切に管理することができる部品搭載システム及び部品搭載方法を提供する。
【解決手段】部品搭載システムは、部品供給ユニットと、フィーダベースと、搭載ヘッドと、制御部と、部品供給ユニットで使用するキャリアテープの部品情報を取得する情報取得部と、情報取得部で取得した部品情報を記憶する、または部品情報に基づいて更新される記憶部と、部品供給ユニットにおけるキャリアテープの状態に応じて記憶部を更新する第1部品情報更新部と、フィーダベースに部品供給ユニットが再装着されたことを検知する再装着検知部と、再装着検知部によって再装着が検知された部品供給ユニットに装着されているキャリアテープの部品情報を情報取得部で取得するように作業者へ要求し、この要求により取得した部品情報に基づいて記憶部を更新する第2部品情報更新部と、を備える。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を梱包したキャリアテープをテープ搬送路に沿って搬送して部品取り出し位置に部品を供給する部品供給ユニットと、
複数の前記部品供給ユニットを装着するフィーダベースと、
前記フィーダベースに装着された複数の前記部品供給ユニットの前記部品取り出し位置から部品をピックアップして基板に搭載する搭載ヘッドと、
生産プログラムに従って部品を基板に搭載する部品搭載作業を前記搭載ヘッドに実行させる制御部と、
前記部品供給ユニットで使用するキャリアテープの部品情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した前記部品情報を記憶する、または前記部品情報に基づいて更新される記憶部と、
前記部品供給ユニットにおけるキャリアテープの状態に応じて前記記憶部を更新する第1部品情報更新部と、
前記フィーダベースに前記部品供給ユニットが再装着されたことを検知する再装着検知部と、
前記再装着検知部によって再装着が検知された前記部品供給ユニットに装着されているキャリアテープの部品情報を前記情報取得部で取得するように作業者へ要求し、この要求により取得した前記部品情報に基づいて前記記憶部を更新する第2部品情報更新部と、
を備えた部品搭載システム。
【請求項2】
前記第2部品情報更新部は、更新後の前記記憶部の情報を参照して前記部品供給ユニットから取り除かれた可能性のあるキャリアテープについての処置に関する情報を作業者に要求し、この要求により取得した処置に関する情報に基づいて前記記憶部を更新する、
請求項1記載の部品搭載システム。
【請求項3】
表示部をさらに備え、
前記表示部は、前記部品供給ユニットの再装着の検知に応じて、前記キャリアテープの部品情報を入力するための部品情報入力画面を表示する、
請求項1又は2に記載の部品搭載システム。
【請求項4】
前記テープ搬送路でのキャリアテープの有無を検出するキャリアテープ検出部をさらに備え、
前記部品情報入力画面は、前記キャリアテープ検出部の検出結果に応じて、入力可能領域が変化する、
請求項3に記載の部品搭載システム。
【請求項5】
前記部品供給ユニットは、前記部品取り出し位置よりも上流側に、補充用のキャリアテープを待機させる待機位置を有し、前記待機位置に待機させているキャリアテープを前記部品取り出し位置に向けて搬送する機能を有する、
請求項1から4のいずれか1つに記載の部品搭載システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記部品取り出し位置にある先行キャリアテープに関する部品情報を記憶する第1記憶部と、前記待機位置にある後続キャリアテープに関する部品情報を記憶する第2記憶部とを有する、
請求項5に記載の部品搭載システム。
【請求項7】
部品供給ユニットにより、複数の部品を梱包したキャリアテープをテープ搬送路に沿って搬送して部品取り出し位置に部品を供給するステップと、
搭載ヘッドにより、フィーダベースに装着された複数の前記部品供給ユニットの前記部品取り出し位置から部品をピックアップして基板に搭載するステップと、
前記部品供給ユニットで使用するキャリアテープの部品情報を情報取得部で取得するステップと、
前記情報取得部で取得した前記部品情報を記憶部に記憶する、または前記部品情報に基づいて前記記憶部を更新するステップと、
前記部品供給ユニットがフィーダベースに再装着されたことを検知するステップと、
前記部品供給ユニットの再装着を検知することに応じて、前記部品供給ユニットに装着されている前記キャリアテープの部品情報を情報取得部で取得するように作業者へ要求し、この要求により取得した前記部品情報に基づいて前記記憶部を更新するステップと、
を含む部品搭載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を収納したキャリアテープから部品をピックアップして基板に搭載する部品搭載システムおよび部品搭載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に部品を搭載する部品搭載装置に用いられる部品供給ユニットとして、部品を収納したキャリアテープを搬送して所定の部品供給口に部品を供給するテープフィーダ(部品供給ユニット)が知られている。部品搭載装置は複数の部品供給ユニットから部品を取り出して基板に搭載するようになっており、部品は生産プログラム(生産データ)により指定された位置に装着された部品供給ユニットから供給される。このため、作業者が部品を収納したキャリアテープを部品供給ユニットに供給する場合は、キャリアテープを収納したリールに付されたバーコードを読み取って補給対象の部品であることを確認するいわゆる部品照合を行い、キャリアテープの掛け違いを防止するようにしている(例えば、特許文献1参照)。これによって、部品供給ユニットとその部品供給ユニットに補給されたキャリアテープやそのキャリアテープが保持する部品の種類、数量などの情報が関連付けられて管理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、部品供給ユニットに障害やエラーが生じると、場合によっては部品搭載装置から部品供給ユニットを取り外して復旧作業を行う場合があるが、復旧作業ではキャリアテープを部品供給ユニットから取り外す作業も度々発生する。このため、復旧前の状態からキャリアテープが変更され或いは取り除かれた部品供給ユニットを部品搭載装置に再装着すると、部品供給ユニットに関連付けたキャリアテープの情報と部品供給ユニットに現実に装着されているキャリアテープとが一致しない状態で部品搭載装置による部品搭載作業が行われる恐れがあった。本開示は、部品搭載システム及び部品搭載方法において、部品搭載作業中に部品搭載装置から取り外された部品供給ユニットが再装着された場合でも部品供給ユニットとキャリアテープの対応関係を適切に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の部品搭載システムは、複数の部品を梱包したキャリアテープをテープ搬送路に沿って搬送して部品取り出し位置に部品を供給する部品供給ユニットと、複数の前記部品供給ユニットを装着するフィーダベースと、前記フィーダベースに装着された複数の前記部品供給ユニットの前記部品取り出し位置から部品をピックアップして基板に搭載する搭載ヘッドと、生産プログラムに従って部品を基板に搭載する部品搭載作業を前記搭載ヘッドに実行させる制御部と、前記部品供給ユニットで使用するキャリアテープの部品情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部で取得した前記部品情報を記憶する、または前記部品情報に基づいて更新される記憶部と、前記部品供給ユニットにおけるキャリアテープの状態に応じて前記記憶部を更新する第1部品情報更新部と、前記フィーダベースに前記部品供給ユニットが再装着されたことを検知する再装着検知部と、前記再装着検知部によって再装着が検知された前記部品供給ユニットに装着されているキャリアテープの部品情報を前記情報取得部で取得するように作業者へ要求し、この要求により取得した前記部品情報に基づいて前記記憶部を更新する第2部品情報更新部と、を備える。
【0006】
本開示の部品搭載方法は、部品供給ユニットにより、複数の部品を梱包したキャリアテープをテープ搬送路に沿って搬送して部品取り出し位置に部品を供給するステップと、搭載ヘッドにより、フィーダベースに装着された複数の前記部品供給ユニットの前記部品取り出し位置から部品をピックアップして基板に搭載するステップと、前記部品供給ユニットで使用するキャリアテープの部品情報を情報取得部で取得するステップと、前記情報取得部で取得した前記部品情報を記憶部に記憶する、または前記部品情報に基づいて前記記憶部を更新ステップと、前記部品供給ユニットがフィーダベースに再装着されたことを検知するステップと、前記フィーダベースの再装着を検知することに応じて、前記部品供給ユニットに装着されている前記キャリアテープの部品情報を情報取得部で取得するように作業者へ要求し、この要求により取得した前記部品情報に基づいて前記記憶部を更新するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、部品搭載作業中に部品搭載装置から取り外された部品供給ユニットが再装着された場合でも部品供給ユニットとキャリアテープの対応関係を適切に管理する部品搭載システム及び部品搭載方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施の形態における部品搭載装置を備える部品搭載システムの要部側面図
【
図2】一実施の形態における部品搭載装置の部品供給部の平面図
【
図3】一実施の形態におけるフィーダ作業装置の要部側面図
【
図4】一実施の形態におけるキャリアテープの斜視図
【
図5】一実施の形態における部品供給ユニットの把手の斜視図
【
図6】一実施の形態における部品供給ユニットの構成を示す図
【
図15】部品供給ユニット内のキャリアテープの搬送を説明する図
【
図16】部品供給ユニット内のキャリアテープの搬送を説明する図
【
図17】部品供給ユニット内のキャリアテープの搬送を説明する図
【
図20】テープ入替え処理、及び部品補充作業支援に伴う使用部品情報記憶部の更新を示す図
【
図23】再装着処理に伴う使用部品情報記憶部の更新を示す図
【
図24】再装着処理に伴う部品管理情報の更新を示す図
【
図26A】除去テープの処置(廃棄)に応じた部品管理情報の更新を示す図
【
図26B】除去テープの処置(保管)に応じた部品管理情報の更新を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る部品搭載装置の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
【0010】
(実施の形態)
まず、本開示の実施の形態の部品搭載システム100および部品搭載装置1について
図1を参照して説明する。
図1は、部品搭載装置1を備える部品搭載システム100を簡略化して示す要部側面図である。
【0011】
部品搭載システム100は、基板4に部品5を搭載して実装基板を製造するためのシステムである。部品実装システム100は、部品搭載装置1と、管理装置92と、携帯型情報端末95とを備える。
【0012】
部品搭載装置1は、上流工程の他の装置から搬入した基板4に部品5を搭載して下流工程の他の装置に搬出する一連の部品搭載作業を繰り返し実行する装置である。部品搭載装置1は、本体部2と、部品供給部3とを備える。
【0013】
図1において、本体部2は、基台11、基板搬送部12、搭載ヘッド13、ヘッド移動機構14、給電部15、操作部16、及び本体制御部17を備える。基板搬送部12はコンベア機構を備え、上流工程の装置から受け取った基板4を水平方向に搬送して所定の作業位置に位置決めする。本実施の形態では、部品搭載装置1における基板4の搬送方向をX方向(横方向)とし、上下方向をZ方向とする。また、X方向とZ方向の双方に直交する方向をY方向(前後方向)とする。操作部16は本体部2の側面に設置されている。操作部16はその表面にはタッチスクリーン16aを有しており、タッチスクリーン16aに部品搭載装置1の操作に必要な情報や操作ボタン等を表示する。
【0014】
図1において、搭載ヘッド13は下方に延びた複数のノズル13aを備えており、各ノズル13aの下端に部品5を吸着する真空吸引力を発生させる。ヘッド移動機構14は例えばXYテーブルを備え、搭載ヘッド13をXY面内で移動させる。
【0015】
図1において、部品供給部3は、台車21と部品供給ユニット23を備えている。
【0016】
台車21には、フィーダベース31とリール保持部32が設けられている。
【0017】
フィーダベース31は、部品供給ユニット23を装着するための部材である。フィーダベース31には、部品供給ユニット23を装着するための装着スロット(図示せず)がX方向に等間隔で複数設けられている。部品供給ユニット23は、部品搭載装置1の搭載ヘッド13に部品5を供給するものであり、例えば、テープフィーダである。
【0018】
リール保持部32は、キャリアテープ24を巻回収納したリール22を装着して保持する。リール保持部32には、リール22を保持するための保持具(図示せず)が複数設けられている。本実施の形態のリール保持部32は、1台の部品供給ユニット23に対して2つのリール22を保持可能に構成されている。これにより、リール保持部32は1台の部品供給ユニットに対して2本のキャリアテープ24を同時に供給することができる。
【0019】
リール22には、キャリアテープ24に梱包された部品に関する情報(以下、部品情報と呼ぶ)を含んだバーコード28が取り付けられている。バーコード28は、部品情報を含む情報をコード化した識別子の一種であるが、一次元コードに限らず、二次元コード等の他の識別子であってもよい。
【0020】
図2は、フィーダベース31に複数の部品供給ユニット23が装着された状態を示す概略平面図である。
図2に示すように、フィーダベース31には、複数の部品供給ユニット23をX方向に並べて装着することができる。部品供給ユニット23のそれぞれには部品供給口23bが設けられており、部品供給口23bへ供給された部品5は搭載ヘッド13によりピックアップされ、基板4に搭載される。
【0021】
フィーダベース31に装着された各部品供給ユニット23はいわゆるオートロードフィーダであり、部品供給ユニット23に装着されたキャリアテープ24を前方に向けて搬送し、所定の位置の部品供給口23bにキャリアテープ24に保持された部品5を供給する。
図1に示すように、部品供給ユニット23が現に搬送しているキャリアテープ24(カレントテープ24a)とは別に、カレントテープ24aの次に使用されるキャリアテープ24(ネクストテープ24b)を保持可能になっている。カレントテープ24aの部品5が品切れになると、部品供給ユニット23はカレントテープ24aを排出してネクストテープ24bを自動で搬送し、ネクストテープ24bに保持された部品5を部品供給口23bに供給する。なお、本明細書では、ネクストテープ24bが部品供給口23bに到達するとその呼称をカレントテープ24aに変更するものとする。
【0022】
部品搭載装置1が部品搭載作業を行うときには、先ず、基板搬送部12が作動して外部から基板4を搬入し、所定の作業位置に位置決めする。基板搬送部12によって基板4が作業位置に位置決めされたら、部品供給ユニット23が部品供給口23bに部品5を供給する動作と、ヘッド移動機構14が搭載ヘッド13を移動させる動作との連動による搭載ターンを繰り返し実行する。
【0023】
搭載ヘッド13は1つの搭載ターンにおいて、部品供給ユニット23の上方位置に移動してノズル13aで部品5を吸着(ピックアップ)した後、基板4の上方位置に移動し、部品5を基板4に搭載する一連の動作を行う。搭載ターンが繰り返し実行されることによって、基板4に搭載されるべき全ての部品5が搭載されたら、基板搬送部12が作動して、基板4を下流工程の装置に搬出する。これにより、基板4の1枚当たりの部品搭載作業が終了する。
【0024】
部品搭載システム100は、
図1に図示しない構成として、フィーダ作業装置300をさらに備える。
図3は、フィーダ作業装置300およびフィーダ作業装置300に装着された部品供給ユニット23を概略的に示す側面図である。
【0025】
フィーダ作業装置300は、
図1に示した部品搭載装置1のフィーダベース31とは別に、部品供給ユニット23を一時的に装着して作業するための装置である。例えば、フィーダベース31に装着して使用していた部品供給ユニット23にエラー等が発生した場合に、フィーダベース31から部品供給ユニット23を取り外してフィーダ作業装置300に装着する。これにより、部品供給ユニット23を給電状態として各種復旧作業を行うことができる。
【0026】
フィーダ作業装置300は、作業台302と、給電部304とを備える。作業台302は、部品供給ユニット23を装着して支持するための部材であり、部品供給ユニット23を装着するための装着スロット(図示せず)を有する。給電部304は、作業台302に装着された部品供給ユニット23のユニット制御部64に電力を供給するための部材であり、作業台302に内蔵される。給電部304は例えば電源である。
【0027】
フィーダ作業装置300に装着された部品供給ユニット23は、部品搭載装置1や管理装置92とは通信できない「オフライン状態」となる。
【0028】
図1に戻ると、携帯型情報端末95は、それを携行する作業者に対して管理装置92からの通知や、部品搭載装置1の状態を確認するための部材である。携帯型情報端末95は、部品供給ユニット23で使用するリール22およびキャリアテープ24の部品情報を取得する情報取得装置の一種である。携帯型情報端末95は例えば、キャリアテープ24を収納した収納体(リールやカセット)に設けたバーコード28を読取可能なバーコードリーダを有する。携帯型情報端末95は、WiFi等で管理装置92と無線接続され、管理装置92と通信可能である。携帯型情報端末95は、部品搭載装置1と通信可能であってもよい。携帯型情報端末95で取得した部品情報は、管理装置92に送信される。携帯型情報端末95は表示パネル95aを備えており、作業者へ通知する情報等を表示する。なお本実施の形態では情報取得部として携帯型情報端末95を例に説明しているが、バーコードリーダを有するものであればよい。またバーコード28に替えて無線タグが使用される場合は無線タグの情報を読み取るリーダを有するものであればよい。
【0029】
次に、
図4を参照してキャリアテープ24を説明する。
図4は、キャリアテープ24の一部を拡大して示す斜視図である。キャリアテープ24は、ベーステープ51とトップテープ52とを有する。ベーステープ51には上方に開口した多数のポケット53がベーステープ51の長手方向に一列かつ等間隔に設けられており、各ポケット53には部品5が収納されている。トップテープ52はベーステープ51の上面に貼り付けられており、ポケット53内に部品5を封入している。このようにして、キャリアテープ24は部品5を梱包している。ベーステープ51のポケット53の列と平行に並ぶ位置には、複数の送り孔54が一列かつ等間隔に並んで設けられている。
【0030】
キャリアテープ24のトップテープ52は、ベーステープ51の先端から延出する延出部52aを有する。延出部52aは、後述する露出部66にトップテープ52を捕捉させるために設けるものであり、延出部52aのベーステープ51の先端からの寸法は、テープ搬送路60から露出部66に到達して捕捉されるのに必要な長さになっている。キャリアテープ24の先端は、送り孔54を分割するように切断されている。
【0031】
《部品供給ユニット》
図1、
図3に示す部品供給ユニット23は、把手30を有する。把手30は、作業者が部品供給ユニット23を持つための部材である。本実施形態の把手30には、部品供給ユニット23に対して操作をするための操作パネル(操作部)が設けられる。
【0032】
図5は、部品供給ユニット23の把手30を示す斜視図である。
図5に示すように、把手30には、作業者が部品供給ユニット23に対して操作するための操作パネル18が設けられている。
図5に示す操作パネル18は、複数の操作スイッチ33と、フィーダ表示部34とを備える。
【0033】
操作スイッチ33は、部品供給ユニット23に対して各種操作を実行するためのスイッチである。操作スイッチ33は少なくとも、キャリアテープ24を順方向に送るための順駆動スイッチと、キャリアテープ24を逆方向に送るための逆駆動スイッチとを含む。操作スイッチ33を押下する回数や時間によって、キャリアテープ24の駆動量を調整することができる。
【0034】
フィーダ表示部34は、部品供給ユニット23に関する情報を表示する。
図5に示すフィーダ表示部34は、7セグディスプレイ35と、ランプ36、37とを含む。7セグディスプレイ35は、数値や文字を表示するための部分である。7セグディスプレイ35は例えば、部品供給ユニット23やキャリアテープ24の状態の他、発生したエラーの情報を表示する。ランプ36、37は、作業者に対して通知を行うように点灯可能なランプである。ランプ36、37は例えば、複数の部品供給ユニット23のうち、作業対象である部品供給ユニット23を作業者に知らせるために点灯する。
【0035】
次に、
図6を参照して、部品供給ユニット23の詳細な構成について説明する。
図6は、本実施の形態の部品供給ユニット23の概略図である。
【0036】
部品供給ユニット23は、テープ搬送路60と、第1テープ搬送部61と、第2テープ搬送部62と、シャッターユニット63と、ユニット制御部64と、ユニット側コネクタ65と、を備える。また、部品供給ユニット23は、テープ搬送路60へキャリアテープ24を投入するテープ入口23aと、部品を供給する部品供給口23bと、テープ搬送路60からキャリアテープ24が排出される排出口23cを備える。
【0037】
テープ搬送路60は、部品供給ユニット23の本体に形成されており、リール22から引き出されてテープ入口23aから部品供給ユニット23内に挿入されたキャリアテープ24を、部品供給ユニット23の内部を通って、部品供給口23bの位置である部品取り出し位置23baへ案内し、さらに、排出口23cへ導く。
【0038】
テープ入口23aは、部品供給ユニット23におけるテープ送り方向の上流側に開口している。排出口23cは、テープ送り方向の下流側に開口している。テープ搬送路60は、テープ入口23aから排出口23cまで連通している。テープ搬送路60の下流側に設けられた部品取り出し位置23baにおいて、搭載ヘッド13が部品5を取り出す。
【0039】
部品装着作業を継続して実行する過程において、リール22に収納されたキャリアテープ24を単位ロットとして複数のキャリアテープ24が、テープ入口23aから順次挿入されて部品供給ユニット23に供給される。
【0040】
第1テープ搬送部61は、テープ搬送路60における下流側において、キャリアテープ24を部品取り出し位置23baに搬送する。第1テープ搬送部61は、キャリアテープ24の送り孔54に係合する第1搬送スプロケット61aと、第2搬送スプロケット61bと、第3搬送スプロケット61cと、駆動部61dと、を備える。
【0041】
第1搬送スプロケット61a、第2搬送スプロケット61b、及び第3搬送スプロケット61cが、テープ搬送路60に沿って、下流側から順に配置されている。
【0042】
駆動部61dは、例えば、動力源としてのモータと、動力源の動力を第1から第3搬送スプロケット61a~61cに伝達する動力伝達部材とを備える。動力伝達部材は、例えば、ギアである。
【0043】
第2テープ搬送部62は、テープ入口23aから部品供給ユニット23内に挿入されたキャリアテープ24を第1テープ搬送部61に送る。第2テープ搬送部62は、テープ搬送路60における上流側に配置されている。第2テープ搬送部62は、搬入スプロケット62aと、テープ支持部62bと、駆動部62cと、を備える。
【0044】
駆動部62cは、搬入スプロケット62aを矢印a1方向へ回転させる機能と、搬入スプロケット62a及びテープ支持部62bを矢印a2方向へ移動させる機能を有する。駆動部62cが搬入スプロケット62aを矢印a1方向へ回転駆動させることで、投入されたキャリアテープ24をテープ搬送路60の下流方向へ搬入することができる。
【0045】
テープ搬送路60の上流側のテープ入口23a付近においてテープ搬送路60は大きく拡がっており、この拡がった空間の中でテープ搬送路60を2分するようにテープ支持部62bが配置されている。したがって、部品供給ユニット23は、テープ搬送路60の上流側端部において、キャリアテープ24の先端部をテープ支持部62bに支持した状態で、テープ支持部62bの下方で別のキャリアテープ24をテープ搬送路60の底面60aに沿って下流側へ搬送することができる。また、駆動部62cが搬入スプロケット62a及びテープ支持部62bを移動させることで、テープ支持部62bに支持されているキャリアテープ24を、テープ搬送路60の底面60aへ移動させることができる。
【0046】
駆動部62cは、例えば、動力源としてのモータと、動力源の動力を搬入スプロケット62aに伝達する動力伝達部材とを備える。動力伝達部材は、例えば、ギアである。また、別の動力源の動力を利用して搬入スプロケット62a及びテープ支持部62bを矢印a2方向へ移動させるリンク機構、ギア、弾性部材などを組み合わせた動力伝達機構も備える。
【0047】
第1テープ搬送部61と第2テープ搬送部62は、キャリアテープ24をテープ搬送路60に沿って搬送して部品取り出し位置23baに部品5を供給する「テープ搬送部」である。第2テープ搬送部62を持たない部品供給ユニットの場合、第1テープ搬送部61がテープ搬送部である。
【0048】
部品供給ユニット23は、テープ搬送路60に沿って上流側から順に配置された、第1センサPH1、第2センサPH2、及び、第3センサPH3を備える。
【0049】
第1センサPH1は、部品供給ユニット23のテープ支持部62bに挿入されたキャリアテープ24が、テープ支持部62bの下流側端部に設けた第1チェックポイントに到達したことを検出する。
【0050】
第2センサPH2は、第1チェックポイントよりも下流側で、テープ支持部62bの延長上においてテープ搬送路60と合流する合流点付近に設けた第2チェックポイントにおいてキャリアテープ24の有無を検出する。
【0051】
第3センサPH3は、テープ搬送路60の露出部66よりも下流かつ部品取り出し位置23baより上流に設けた第3チェックポイントにおいてキャリアテープ24の有無を検出する。第1センサPH1~第3センサPH3は、それぞれのチェックポイントにおいてキャリアテープ24の有無を直接または間接的に検出する光学センサであり、例えば、カラーセンサ、または、フォトセンサである。
【0052】
テープ支持部62bは、キャリアテープ24を支持し、キャリアテープ24が搬送される姿勢を保持する。
図7を参照する。テープ支持部62bは、第1支持部62ba、第2支持部62bbより構成される。部品供給ユニット23の両側面には、テープ搬送路60を左右から挟むように薄板状の左カバー62bcLと右カバー62bcRが装着されている。右カバー62bcRの上端は、テープ支持部62bよりも低い位置で途切れており、その上方には薄板状の可動部材62bdが右カバー62bcRを補完するように配置されている。以下、便宜上、
図6に示すように、部品供給ユニット23においてキャリアテープ24が搬送される下流方向を向いて一方を左方、他方を右方とする。
【0053】
左カバー62bcLは、テープ送り方向と上下方向(Z方向)に延びる。左カバー62bcLの内側面(右側面)は、キャリアテープ24の左側面を案内するガイド面である。左カバー62bcLは、部品供給ユニット23の本体左面に固定されている。同様に右カバー62bcRも部品供給ユニット23の本体右面に固定されている。
【0054】
第1支持部62baは、キャリアテープ24の幅方向における一方の側部を下方から支持する。第1支持部62baは、左カバー62bcLの右側面に形成されており、テープ入口23aからシャッターユニット63の下方まで伸びている。第2支持部62bbは、キャリアテープ24の他方の側部を下方から支持する。第2支持部62bbは、後述する可動部材62bdの左側面に形成されており、テープ入口23aから下流へ延びておりシャッターユニット63の手前で途切れている。
【0055】
可動部材62bdは、板状の形状を有し、部品供給ユニット23の本体に上下方向に移動可能に装着されている。また、可動部材62bdは搬入スプロケット62aと一体的に装着されており、上下方向へ移動する場合は搬入スプロケット62aも上下方向へ移動する。可動部材62bdの内側面は、キャリアテープ24の右側面を案内するガイド面である。可動部材62bdは駆動部62cによって上下方向(
図6の矢印a2)に移動させられる。
【0056】
次にテープ支持部62bからキャリアテープ24をテープ搬送路60へ放出する機能について説明する。
図7(a)に示すように、可動部材62bdが初期位置に位置して第2支持部62bbが第1支持部62baと同じ高さ位置にある状態で、キャリアテープ24はテープ支持部62bに保持されている。テープ支持部62bからキャリアテープ24を放出する際、ユニット制御部64は駆動部62cを駆動させて可動部材62bdを上方へ移動させる。これにより、第2支持部62bb及び搬入スプロケット62aと一体となって上昇する。
【0057】
可動部材62bdが上昇するにつれて、キャリアテープ24は右側部の下面を第2支持部62bbに支持されながら上方に移動し、搬入スプロケット62aのピン62aaがキャリアテープ24の送り孔54から外れ、反時計方向にねじれる。
【0058】
図7(b)に示すように、さらに可動部材62bdが上昇するとキャリアテープ24のねじれが増加し、やがてキャリアテープ24が第1支持部62ba及び第2支持部62bbからずれ落ちる。
【0059】
テープ支持部62bから放出されたキャリアテープ24は、テープ支持部62bの下方のテープ搬送路60の底面60aに移動する。キャリアテープ24がテープ支持部62bから離脱すると、テープ支持部62bに次のキャリアテープ24(ネクストテープ24b)をいつでも挿入することができる。
【0060】
《シャッターユニット》
次に、シャッターユニット63について
図8を参照して説明する。
図8は、シャッターユニットの構成を示す側面図であり、
図8(a)はキャリアテープ24がシャッターユニット63に到達していない状態を示し、
図8(b)はキャリアテープ24がシャッターユニット63に止められている状態を示す。
【0061】
シャッターユニット63は、テープ支持部62bに支持されたキャリアテープ24がテープ搬送路60の下流側へさらに進行するのを防止する。シャッターユニット63は、テープ検出機構63a及びゲートユニット63bを備える。
【0062】
テープ検出機構63aは、テープ支持部62bに支持されたキャリアテープ24がシャッターユニット63に到達したことを検出する。テープ検出機構63aは、テープ検出片71と、ピン72と、第1センサPH1とを備える。
【0063】
テープ検出片71は、略L字形状を有し、テープ支持部62bに対向して延びる板状部71aと、板状部71aの上流側からテープ支持部62bに向けて延びる接触部71bと、板状部71aの下流側端部からテープ支持部62bの方向とは反対方向(上方)に延びる遮光部71cとを有する。テープ検出片71は、上流側端部付近に設けられた支点71dを中心に揺動可能な状態で部品供給ユニット23の本体に装着されている。板状部71aは、支点71dよりも下流側に固定されたピン72で下方から支持される。接触部71bは、テープ検出片71の板状部71aから第1支持部62baに向かって突出しており、その下端部は第1支持部62baの上面に沿って移動するキャリアテープ24の先端部に接触可能な位置に位置している。接触部71bの位置はキャリアテープ24を検出するための第1チェックポイントとなっている。
【0064】
第1センサPH1は、遮光部71cの上方に配置されている。
図8(b)に示すように、キャリアテープ24がテープ支持部62bに沿って下流側に進行すると、キャリアテープ24の先端が接触部71bを下流方向に押し込んで、テープ検出片71が支点71dを中心に反時計周りに回転する。これにより、遮光部71cが第1センサPH1から照射されている光を遮蔽して、第1センサPH1は検出信号をユニット制御部64へ送信する。これにより、キャリアテープ24がシャッターユニット63に到達(第1チェックポイントに到達)したことを検出することができる。
【0065】
図8(a)に示すように、ゲートユニット63bは、ゲート74と、圧縮ばね75と、ロック部材76と、レバー77と、アクチュエータ78と、戻りばね79とを備える。ゲートユニット63bは、ユニット制御部64からの指示によりテープ支持部62bに支持されたキャリアテープ24がテープ搬送路60のさらに下流側へ進行させるか停止させておくかを制御する。
【0066】
ゲート74は、例えば、板状の部材であり、その上端に圧縮ばね75の一端が接続されている、圧縮ばね75の他端は部品供給ユニット23の本体23dに装着されている。ゲート74は、圧縮ばね75により、第1支持部62baに向かって付勢されている。したがって、ゲート74の下端は、第1支持部62baの上面に接触している。
【0067】
ゲート74は、ロック部材76によりゲート74が圧縮ばね75のバネ力に抗して上昇するのを防がれている。ロック部材76は、例えば、ロッドであり、その一端がゲート74の側面に形成された凹部74aに横方向から挿入されている。
【0068】
レバー77は、中央部に配置された支点77aを中心として揺動可能な状態で部品供給ユニット23の本体に装着されている。レバー77の一端(下端)にはロック部材76が固定されている。ロック部材76は、ゲート74の側面に形成された凹部74aに向かって横方向に伸びている。レバー77の他端(上端)は、アクチュエータ78のロッド78aと接続されている。また、レバー77の支点77aとレバー77の一端との間に戻りばね79の一端が接続されている。
【0069】
アクチュエータ78は、ユニット制御部64からの指示により、ロッド78aを伸縮する。戻りばね79は、レバー77を引っ張る方向に付勢しており、すなわち、時計方向に回転するように付勢している。これにより、ロック部材76は戻りばね79によってゲート74の側面の凹部74aにその先端が挿入される。ロック部材76がゲート74の側面の凹部74aに挿入された状態では、ゲート74の上方への移動は規制され、ロック状態となる。一方、アクチュエータ78を作動させてレバー77を戻りばね79のばね力に抗して反時計方向へ揺動させると、凹部74aからロック部材76が外れてゲート74の上方への移動が可能な状態、すなわちロックが解除された状態となる。
【0070】
次に、シャッターユニットの動作について
図8~
図10を参照して説明する。
図9は、シャッターユニットの構成を示す側面図であり、
図9(a)はロック部材のロックが解除された状態を示し、
図9(b)はキャリアテープ24がシャッターユニット63を通過する状態を示す。
図10は、キャリアテープ24がテープ支持部62bから落下した状態を示す。
【0071】
図8(a)に示すように、キャリアテープ24がテープ入口23aからテープ支持部62bに沿って挿入されて下流方向に進む。次に、
図8(b)に示すように、キャリアテープ24の先端がテープ検出片71の接触部71bに接触すると、接触部71bが下流方向へ押されて、テープ検出片71が支点71dを中心軸として反時計方向に揺動する。これにより、テープ検出片71の遮光部71cが第1センサPH1の光路を遮断し、第1センサPH1が検出信号をユニット制御部64へ送信する。
【0072】
テープ検出片71の接触部71bが揺動した後で、キャリアテープ24の先端はゲート74に接触して、ゲート74を上方に押し上げる。ゲート74は、キャリアテープ24により上方へ押し上げられるが、ゲート74の凹部74aの壁面がロック部材76に当たってゲート74の上昇が阻止される。したがって、キャリアテープ24は、ゲート74によって、テープ搬送路60を下流方向に進入することができない。
【0073】
次に、ユニット制御部64は、キャリアテープ24をゲート74よりも下流へ搬送する場合は、アクチュエータ78を駆動してゲート74のロック状態を解除する。
【0074】
アクチュエータ78が駆動すると、
図9(a)に示すように、ロッド78aがレバー77側に伸びて、レバー77が反時計周りに揺動する。これにより、ロック部材76がゲート74の凹部74aから離れて、ゲート74のロックが解除される。これにより、ゲート74は、上方へ移動可能な状態となる。ユニット制御部64は、アクチュエータ78を駆動した後に、搬入スプロケット62aを駆動する。これにより、キャリアテープ24の下流方向への搬送が開始され、
図9(b)に示すように、キャリアテープ24がゲート74を押し上げながらテープ搬送路60の下流側に向けて移動する。なお、ユニット制御部64は、キャリアテープ24の先端がゲート74を通過した以降の適当なタイミングでアクチュエータ78の駆動を停止する。
【0075】
キャリアテープ24がテープ搬送路60の下流方向へ搬送され、第3搬送スプロケット61cに搬送されると、第3センサPH3がキャリアテープ24を検出する。第3センサPH3は、キャリアテープ24を検出した検出信号をユニット制御部64に送信する。ユニット制御部64は、第3センサPH3からの検出信号を受信すると、キャリアテープ24の下流側が第3搬送スプロケット61cに搬送されていることを認識する。ユニット制御部64は、次に、駆動部62cを駆動させて、搬入スプロケット62a及びテープ支持部62bを矢印a2方向へ移動させる。これにより、
図10に示すように、また、既に上述したように、キャリアテープ24がテープ支持部62bから落下してテープ搬送路60の底面60aへ移動する。キャリアテープ24がテープ支持部62bから落下するとゲート74は圧縮ばね75によって第1支持部62baに押し付けられるとともにゲート74の凹部74aにロック部材76が戻りばねによって挿入される。これによりゲート74はロック状態となる。
【0076】
ユニット制御部64は、駆動部62cを駆動させてテープ支持部62bを移動させた後、テープ支持部62bをもとの位置に戻す。アクチュエータ78を駆動させてロッド78aを縮める。
【0077】
キャリアテープ24がテープ支持部62bから落下すると、テープ検出片71が支点71dを中心に時計周りに揺動し、板状部71aがピン72に接触して揺動が止まる。これにより、遮光部71cが第1センサPH1から外れるので、ユニット制御部64へ検出信号が出力されなくなる。これにより、ユニット制御部64は、テープ支持部62bにキャリアテープ24が支持されていない、または第1チェックポイントにキャリアテープ24が存在しないことを認識する。
【0078】
《露出部》
次に、
図11を参照して、露出部66について説明する。
図11は、露出部66の構成を示す側面図である。
図11(a)は、キャリアテープ24が露出部66を通過した状態を示し、
図11(b)は、キャリアテープ24が露出部66を引き返す状態を示す。なお、本明細書においてキャリアテープ24の「前進」とはキャリアテープ24が下流方向に搬送されることを意味し、キャリアテープ24の「後進」とはキャリアテープ24が上流方向に搬送されることを意味する。
【0079】
トップテープ52はフィルム状で剛性が極めて低い素材でできているので、テープ搬送路60内では延出部52aがベーステープ51の先端で折れ曲がった状態になる。本明細書では、延出部52aがベーステープ51の先端で折れ曲がってその一部分が先端よりも上流側のキャリアテープ24に重なった状態を「めくれ」と呼ぶことにする。重なった状態は、トップテープ52の延出部52aがベーステープ51の上面に貼られたトップテープ52に接触してもよいし、非接触でもよい。また、「めくれを矯正する」及び「折れ曲がり矯正」とは、ベーステープ51の先端で折れ曲がっていた延出部52aをベーステープ51の先端よりも前方(下流)へ延びた状態に戻そうとすることを意味するものであり、トップテープ52の延出部52aが前方へ完全に延びきるところまで戻さない場合も含む。
【0080】
部品取り出し位置23baの上流側の斜め下方において、テープ搬送路60の傾斜部に、露出部66が配置されている。露出部66は、キャリアテープ24のトップテープ52をベーステープ51から剥離して、ポケット53に収納されている部品5の上面を露出させる。露出部66は、トップテープ送り用の一対のローラ81、82と、これらのローラ81、82を駆動する駆動機構を備える。露出部66の駆動機構は駆動源であるモータと、モータの回転動力をローラ81、82に伝達するギアなどの駆動伝達機構を有する。ユニット制御部64によって露出部66の駆動機構を制御することにより回転し、ローラ81が回転することにより、以下に説明するトップテープ52の剥離動作が実行される。
【0081】
ローラ81、82は、例えば、テープ搬送路60の上方に設けられており、テープ搬送路60の上面60b側に開口した開口部83を介してテープ搬送路60と連通している。上流側からテープ搬送路60に沿って搬送されたキャリアテープ24のトップテープ52の延出部52aは、開口部83を通ってローラ81、82に引き込まれ、ベーステープ51から剥離される。新たにセットされるキャリアテープ24は、トップテープ52の先端52bがベーステープ51の先端よりも長い状態(延出部52aを有する状態)でテープ搬送路60のテープ投入口2aから送り込まれる。そしてキャリアテープ24の先端部が開口部83に到達すると、トップテープ52の延出部52aが露出部66によって捕捉される。
【0082】
すなわち、露出部66はトップテープ52の先端の延出部52aをローラ81、82の間に挟んで引き込む。これにより、トップテープ52はキャリアテープ24のベーステープ51から剥離される。剥離されたトップテープ52はベーステープ51から離れる方向にテープ送りされる。なお、以後の説明において、ベーステープ51からトップテープ52が剥離された後は、トップテープ52が剥離されたベーステープ51を、キャリアテープ24とも称する。
【0083】
露出部66が配置された位置よりも下流側に、第3センサPH3が配置されている。第3センサPH3は、例えば、透過検出型の光学センサであり、テープ搬送路60に沿って搬送されるキャリアテープ24を検出する。第3センサPH3による検出結果はユニット制御部64に送られる。なお、キャリアテープ24の先端部と機械的に接触可能なドグを設け、キャリアテープ24がドグと接触した際に起こるドグの変位を光学センサで検出することにより、キャリアテープ24の先端部を検出してもよい。ドグの変位を光学センサで検出する方式であれば、キャリアテープ24が光透過性の素材で形成されている場合でもキャリアテープ24を確実に検出することが可能になる。
【0084】
テープ搬送路60の底面60a側において、開口部83に対向する位置に、エアーを噴射するエアーノズル84が、エアー噴射方向を開口部83に向けて配置されている。エアーノズル84はエアーを噴射する噴射部であり、噴出したエアーは開口部83付近に位置するトップテープ52の延出部52aに当てられ、噴出したエアーの力でトップテープ52の延出部52aを露出部66へ向かわせる。すなわち、エアーノズル84は、露出部66がトップテープ52を捕捉するのを補助し、トップテープ52の先端を露出部66へ案内する。エアーノズル84はエアー供給部(図示省略)からエアーが供給される。
【0085】
ユニット制御部64がエアー供給部に接続された制御バルブ70(
図13)の開閉を制御することにより、エアーノズル84から露出部66に向けて任意のタイミングでエアーを噴射することができる。本実施の形態では、トップテープ52のめくれが矯正されて、延出部52aが露出部66によって捕捉可能な位置に到達したタイミングで、ユニット制御部64がエアーノズル84からエアーを噴射するように制御している。例えば、第3センサPH3がキャリアテープ24の先端を検出すると、第3搬送スプロケット61cでキャリアテープ24を所定距離または所定時間だけ上流方向へ送った後にエアーを噴射してもよい。キャリアテープ24を所定距離または所定時間だけ逆方向に移動するうちにトップテープ52のめくれが矯正され、延出部52aを開口部83の下方へ移動させる。
【0086】
エアーノズル84が噴射したエアーを延出部52aに吹き当てることにより、延出部52aを、下流側に位置する一方のローラ81に押し当てる。そしてローラ81とローラ82を
図12(a)に示す矢印方向にそれぞれ回転させてローラ81に押し当てられた延出部52aを、一方のローラ81と他方のローラ82とで挟み込んで捕捉する。そして、ローラ81、82の回転を継続させてトップテープ52をベーステープ51から離れる方向に引き込むことにより、トップテープ52をベーステープ51から剥離する。
【0087】
このときエアーノズル84は、噴射したエアーをキャリアテープ24の下方から延出部52aに吹き当てるように、エアーノズル84の噴射方向が設定されている。
【0088】
図6において、ユニット制御部64は駆動部61d、露出部66及び第3センサPH3とそれぞれ通信可能に接続されており、ユニット制御部64は、駆動部61d、露出部66を制御する。すなわちユニット制御部64が第3搬送スプロケット61cを制御することにより、キャリアテープ24をテープ搬送路60に沿って搬送するテープ搬送動作が実行される。このとき、ユニット制御部64は、キャリアテープ24の搬送タイミングおよび搬送量を制御することが可能となっている。
【0089】
またユニット制御部64が第3センサPH3の検出信号に基づいてローラ81、82と、エアー供給部とを制御することにより、トップテープ52をキャリアテープ24のベーステープ51から剥離する剥離動作が実行される。この剥離動作では、エアーノズル84からエアーを噴射させることにより、トップテープ52を露出部66に捕捉させるようにしている。
【0090】
ユニット制御部64には操作部が通信可能に接続されており、さらにユニット制御部64は部品搭載装置1の本体部2と通信可能に接続されている。上述のテープ搬送動作、テープ送り動作は、操作部から入力される操作指令、本体部2から送信される制御指令によって実行される。
【0091】
次に、上述した構成の部品供給ユニット23においてキャリアテープ24のベーステープ51からトップテープ52を剥離するテープ剥離方法について、特に
図11~
図12を参照して説明する。
【0092】
テープ入口23aに挿入されたキャリアテープ24は、第2テープ搬送部62の搬入スプロケット62aによってテープ搬送路60に沿って下流側へ搬送される。キャリアテープ24がテープ搬送路60の下流側に位置する第1テープ搬送部61の第3搬送スプロケット61cに到達(
図15(b))したら、それ以降のキャリアテープ24の搬送は第1テープ搬送部61によって行われる。キャリアテープ24がテープ搬送路60に沿って下流側へ搬送される過程において、トップテープ52のめくれが発生する。このテープ搬送に際して、テープ搬送路60の傾斜部に配置された露出部66では、ローラ81、82がトップテープ52を挟み込んで捕捉することが可能な方向に回転状態にある。
【0093】
このテープ搬送の過程において、テープ搬送路60を搬送されるキャリアテープ24の先端部を第3センサPH3によって検出する検出工程が実行され、この検出結果はユニット制御部64に送られる。そしてこの検出結果に基づいて、トップテープ52のめくれを矯正する矯正工程を実施する。矯正工程は第1テープ搬送部61によって実行される。トップテープ52のめくれが矯正された後、テープ搬送路60の上流側に設けられた露出部66によって、トップテープ52をキャリアテープ24から剥離する剥離工程が実行される。この剥離工程に際しては、トップテープ52の延出部52aを露出部66に捕捉させるためのガスであるエアーを、噴射部であるエアーノズル84によって露出部66に向かって噴射するガス噴射工程が実行される。
【0094】
トップテープ52の延出部52a(先端部)が露出部66によって剥離可能な位置に到達したタイミングで、ユニット制御部64がエアー供給部を制御してガス噴射工程を実行する。これにより、エアーノズル84から噴射したエアーが、キャリアテープ24の延出部52aに吹き当たる。
【0095】
ベーステープ51の先端からトップテープ52が延出している延出部52aが、
図11(a)に示すような、ベーステープ51の下方にめくれるカバーテープ下折れ、または、ベーステープ51の上方にめくれるカバーテープ上折れが発生する。この状態のトップテープ52にエアーノズル84からエアーを噴射しても延出部52aを吹き上げることができないので、露出部66にトップテープ52の延出部52aを案内することができない。
【0096】
図11(a)に示すように、第3搬送スプロケット61cは、トップテープ52の延出部52aの先端がエアーノズル84よりも下流側に位置するように、キャリアテープ24を前進させる。ユニット制御部64は、エアーノズル84よりも下流側に配置された第3センサPH3からのキャリアテープ24の検出信号を受信するまで、キャリアテープ24を搬送するように第3搬送スプロケット61cを制御してもよい。
【0097】
次に、第3センサPH3がキャリアテープ24を検出すると、ユニット制御部64はこの検出信号を基に、キャリアテープ24の搬送を停止し、逆送り、すなわち、キャリアテープ24をテープ入口23aの方へ搬送するように第3搬送スプロケット61cを制御する。これにより、第3搬送スプロケット61cが逆回転して、
図11(b)に示すようにキャリアテープ24が上流方向へ所定の距離だけ後進する。
【0098】
図11(b)に示すように、第3搬送スプロケット61cがキャリアテープ24を逆送りすると、めくれたトップテープ52の延出部52aのめくれが矯正され、トップテープ52の延出部52aが直線状に伸ばされる。この状態になるように、第3センサPH3でキャリアテープ24を検出してからタイマーの計測により所定の時間キャリアテープ24を逆送りすることで、トップテープ52のめくれが矯正される。
【0099】
所定時間キャリアテープ24を逆送りした後で、再び、ユニット制御部64はキャリアテープ24を順方向に所定距離(所定時間)搬送(順送り)させる(ステップS4)と、
図11(b)に示すように、トップテープ52の延出部52aを、露出部66の中心の下方にキャリアテープ24の先端を位置させることができる。
【0100】
ユニット制御部64は、このタイミングでエアーノズル84からエアーを噴射させてトップテープ52の先端をローラ81に吹き付けてトップテープ52の延出部52aを露出部66へ送り、
図12(a)に示すように、ローラ81、82がトップテープ52を挟み込んで回転する。このようにして、ベーステープ51から完全に自動的にトップテープ52を剥離させることができる。
図12(b)に示すように、キャリアテープ24がさらに前進すると、それに伴ってローラ81、82も回転して、トップテープ52が剥がされて、キャリアテープ24のポケット53に収納された部品5の上面が露出する。
【0101】
このように、キャリアテープ24を逆送りするだけで、トップテープ52のめくれを矯正することができる。キャリアテープ24を逆送りすると、トップテープ52の延出部52aにテープ搬送路60内の空気が当たり、トップテープ52の先端52bに対してベーステープ51が上流側へ移動する。キャリアテープ24の逆送によりトップテープ52のめくれを矯正する場合、トップテープ52の先端を捕捉する露出部66の中心よりも上流側でトップテープ52のめくれを矯正することが必要である。
【0102】
露出された部品はその下流に形成された開口部、すなわち部品取り出し位置23baへキャリアテープ24と共に第1テープ搬送部61によって搬送される(
図16(a)、(b)参照)。部品取り出し位置23baに対応する位置には、開口部が形成されている。
【0103】
次に、
図13を参照して、部品搭載装置1を含む部品実装システム100の構成について説明する。
図13は、部品実装システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0104】
部品実装システム100は、部品搭載装置1と、管理装置92と、携帯型情報端末95と、ネットワーク96とを備える。
【0105】
管理装置92は、部品搭載装置1の生産情報をまとめて管理する。管理装置92は、例えば、ホストコンピュータであり、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の回路で構成することができる。管理装置92の機能は、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現される。管理装置92は、上位記憶部104に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、予め定められた機能を実現する。管理装置92は、部品補充作業支援部102と、上位記憶部104とを備える。
【0106】
部品補充作業支援部102は、作業者に対してキャリアテープ24を部品供給ユニット23に補充する部品補充作業を支援する機能を有する。部品補充作業支援部102は、作業者による部品補充作業が正しく行われているかを判定する部品照合機能も具備している。
【0107】
上位記憶部104は、実装基板の生産に関する各種情報を記憶する。上位記憶部104は、生産プログラム106、及び、部品管理情報108を記憶している。上位記憶部104は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0108】
携帯型情報端末95は管理装置92と無線通信するので、作業者は携帯型情報端末95を持ち運びながら、管理装置92が有する生産情報を確認することができる。携帯型情報端末95は、例えば、タブレット端末またはスマートフォンである。
【0109】
ネットワーク96は、管理装置92と部品搭載装置1を互いに通信可能に接続する。
【0110】
図14は、部品管理情報108の一例を示す図である。
【0111】
図14に示す部品管理情報108は、複数種類の情報として、「リールID」、「部品名」、「残数」、「テープ位置」、「フィーダアドレス」のそれぞれに関する情報を記憶している。
【0112】
「リールID」は、キャリアテープ24を収納したリール22を識別するための識別情報である。「部品名」は、リール22に収納されたキャリアテープ24が保持する部品5の名称を示す情報である。「残数」は、キャリアテープ24が保持する部品5の残数を示す情報である。「テープ位置」は、キャリアテープ24がカレントテープ24a/ネクストテープ24bのいずれの状態で使用されているかを示す情報である。「フィーダアドレス」は、リール22がフィーダベース31においてどの装着スロットに装着されているかを示す識別情報である。テープ位置およびフィーダアドレスがブランクである場合、リール22はフィーダベース31上の部品供給ユニット23に装着されていない。
【0113】
図13に戻ると、部品搭載装置1の本体制御部17は、複数の処理部と、本体記憶部142とを備える。本体制御部17は、半導体素子などで実現可能である。本体制御部17は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の回路で構成することができる。本体制御部17の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。本体制御部17は、本体記憶部142に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、予め定められた機能を実現する。
【0114】
本体制御部17は、複数の処理部としての、部品搭載作業実行部143、再装着検知部144、第1部品情報更新部145、第2部品情報更新部146、及び除去テープ確認部147を備える。
【0115】
部品搭載作業実行部143は、部品5を基板4に搭載する一連の部品搭載作業を実行するように制御し、例えば、基板搬送部12、搭載ヘッド13、及び、ヘッド移動機構14の動作を制御する。
【0116】
再装着検知部144は、部品供給ユニット23がフィーダベース31に再装着されたことを検知する。再装着検知部144は例えば、フィーダベース31に装着された部品供給ユニット23から所定の信号を受信することに応じて、部品供給ユニット23の再装着を検知する。
【0117】
第1部品情報更新部145は、フィーダベース31に装着中の部品供給ユニット23でのキャリアテープ24の状態に応じて、管理装置92の上位記憶部104や後述するフィーダ記憶部162の使用部品情報記憶部164に記憶された情報を更新する。第1部品情報更新部145は、上位更新部145Aと、下位更新部145Bとを備える。上位更新部145Aは、上位記憶部104に記憶された情報を更新し、下位更新部145Bは、使用部品情報記憶部164に記憶された情報を更新する。
【0118】
第2部品情報更新部146は、再装着検知部144によって部品供給ユニット23の再著着が検知されることに応じて、この部品供給ユニット23に装着されているキャリアテープ24の部品情報を携帯型情報端末95で取得するように作業者へ要求し、この要求により取得した部品情報に基づいて、後述するフィーダ記憶部162の情報を更新する。
【0119】
除去テープ確認部147は、上位記憶部104の部品管理情報108と、フィーダ記憶部162の使用部品情報記憶部164の部品情報とを比較して、部品供給ユニット23から除去された可能性のあるキャリアテープ24の有無を確認する。キャリアテープ24の中には、部品管理情報108では管理対象範囲のフィーダアドレスに装着されている部品供給ユニット23で使用中となっているが、実際にフィーダアドレスに装着されている部品供給ユニット23の使用部品情報記憶部164には記憶されていないものがある。この場合、除去テープ確認部147は、当該キャリアテープ24(及び対応するリールID)が部品供給ユニット23から取り除かれた除去テープであると判別する。
【0120】
本体記憶部142は、生産プログラム151等の部品搭載装置1に関する各種情報を記憶する。本体記憶部142は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0121】
生産プログラム151は、部品搭載装置1を作動させるために必要なプログラムである。生産プログラム151は、管理装置92の上位記憶部104に記憶されている生産プログラム106をダウンロードしたものである。生産プログラム151には、基板4の部品搭載位置(座標)とそこに搭載する部品5の名称や搭載順序などの情報が含まれる。
【0122】
図13に示すように、部品搭載装置1には、複数の部品供給ユニット23が装着可能であり、部品供給ユニット23のそれぞれにユニット制御部64が設けられる。
【0123】
ユニット制御部64は、操作パネル18、第1センサPH1、第2センサPH2、第3センサPH3、駆動部62c、駆動部61d、アクチュエータ78、及び、制御バルブ70に電気的に接続されており、各構成要素の動作を制御する。
【0124】
ユニット制御部64は、半導体素子などで実現可能である。ユニット制御部64は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の回路で構成することができる。ユニット制御部64の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。ユニット制御部64は、本体記憶部142に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、予め定められた機能を実現する。
【0125】
ユニット制御部64は、テープ搬送制御部160及びフィーダ記憶部162を備える。
【0126】
テープ搬送制御部160は、本体制御部17からの指令に基づいて、部品供給ユニット23に装着されたキャリアテープ24の送り動作を制御する。
【0127】
フィーダ記憶部162は、部品供給ユニット23に関する各種情報を記憶する。フィーダ162は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0128】
使用部品情報記憶部164は、部品供給ユニット23に装着されているキャリアテープ24の部品情報を記憶する。使用部品情報記憶部164は、第1記憶部164Aと、第2記憶部164Bとを備える。第1記憶部164Aは、部品供給ユニット23に装着されているカレントテープ24aの部品情報を記憶し、第2記憶部164Bは、部品供給ユニット23に装着されているネクストテープ24bの部品情報を記憶する。第1記憶部164Aと第2記憶部164Bを設けることで、カレントテープ24aの部品情報、及びネクストテープ24bの部品情報をそれぞれ管理することができる。
【0129】
次に
図15から
図17を参照して、部品供給ユニット23によるキャリアテープ搬送動作を説明する。
【0130】
図15(a)を参照する。作業者は、操作パネル18のランプ36、37(
図5)が点滅している部品供給ユニット23のテープ入口23aに配置されたテープ支持部62bに沿ってキャリアテープ24を挿入する。作業者は、キャリアテープ24を挿入すると部品供給ユニット23の操作スイッチ33(
図5)を押下する。テープ搬送路60の下流側にカレントテープ24aがある場合、ゲートユニット63bのゲート74がロックされている状態で第2テープ搬送部62がキャリアテープ24を搬入し、第1センサPH1でキャリアテープ24が検知されたら搬入スプロケット62aを停止させる。作業者が第1センサPH1で検知される位置までキャリアテープ24を挿入させていれば、第2テープ搬送部62は作動しない。いずれの場合もキャリアテープ24はゲート74より奥へ進入することができない。このように、キャリアテープ24は、後述する部品取り出し位置23baの上流側に位置する待機位置23bbで待機する。
【0131】
作業者が操作スイッチ33を押下した時点で、テープ搬送路60の下流側にキャリアテープ24が無い場合、操作スイッチ33が押下されるとゲート74のロックが解除され、その状態で第2テープ搬送部62がキャリアテープ24を搬送する。これによりキャリアテープ24はその先端でゲート74を押し上げてテープ搬送路60内に送り込まれる。
図15(b)に示すように、キャリアテープ24が第3搬送スプロケット61cのピンに当たる位置まで搬送されると搬入スプロケット62aによる搬入は停止する。キャリアテープ24は、第3搬送スプロケット61cによりさらに下流側へ搬送され、第3センサPH3により検出されると露出部66にトップテープ52を補足させる動作が第1テープ搬送部61によって行われる。
【0132】
露出部66がトップテープ52を捕捉すると、露出部66及び第3搬送スプロケット61cにより、トップテープ52が剥離されながらキャリアテープ24がさらに下流側に搬送される。キャリアテープ24の送り孔54に第2搬送スプロケット61bのピンが挿入されると、
図16(a)に示すように、駆動部61dが第2搬送スプロケット61bを駆動してキャリアテープ24の先頭のポケット53を部品取り出し位置23baに位置決めする。
【0133】
次に、第2テープ搬送部62で走路変更が行われる。
図16(b)に示すように、第2テープ搬送部62を通過するキャリアテープ24は走路変更により第2テープ搬送部62から脱落してその下方のテープ搬送路60底面60aへ移動する。なお、走路変更は、キャリアテープ24が第1テープ搬送部61の第2搬送スプロケット61b及び第3搬送スプロケット61cに係合しているタイミングのときに実行する。また、走路変更が実行されると、ゲート74が下方へ移動してロック状態になる。
【0134】
図17(a)に示すように、作業者は、走路変更により空きとなった第2テープ搬送部62に、次に使用するキャリアテープ24(ネクストテープ24b)を挿入することができる。第2テープ搬送部62へのキャリアテープ24の挿入方法は、既に上述した方法と同様である。
【0135】
図17(b)に示すように、キャリアテープ24の部品切れが検出され、且つ、キャリアテープ24の終端の通過が第2センサPH2で検出されると、第1テープ搬送部61はキャリアテープ24を排出(テープ排出)する。部品切れが検出された時点でキャリアテープ24の終端の通過が検知されていなければ、終端サーチを行い、その後テープ排出を実行する。カレントテープ24aの搬出が終わると、ゲート74のロックが解除され、その状態で第2テープ搬送部62が待機位置23bbで待機していたネクストテープ24bを搬送する。これにより、ネクストテープ24bはその先端でゲート74を押し上げてテープ搬送路60内に送り込まれる。ネクストテープ24bが第1テープ搬送部61の最上流のスプロケットのピンに当たる位置まで搬送されると搬入スプロケット62aによる搬入は停止する。走路変更が実施されて、ネクストテープ24bがカレントテープ24aとして搬送される。
【0136】
次に、
図18~
図20を参照して、テープ入替え処理および部品補充作業支援について説明する。
図18は、キャリアテープ24の入替え処理(テープ入替え処理)を示すフローチャートであり、
図19は、新たなキャリアテープ24を補充する作業の支援(部品補充作業支援)を示すフローチャートである。
図20は、
図18に示すテープ入替え処理、及び
図19に示す部品補充作業支援を説明するための説明図である。
【0137】
図18に示すテープ入替え処理は、部品搭載装置1において部品5を基板4に搭載する部品搭載処理を実行している間に実行される。本例では、
図20の状態(a)に示すように、リール“A”がカレントテープ24aを供給し、リール“B”がネクストテープ24bを供給している状態から開始する。フィーダ記憶部162の使用部品情報記憶部164には、第1記憶部164Aに、リールID“R001”、部品名“abc”というカレントテープ24aに関する部品情報が記憶され、第2記憶部164Bに、リールID“R002”、部品名“abc”というネクストテープ24bに関する部品情報が記憶されている。
【0138】
まず、ステップS1において、本体制御部17は、カレントテープ排出条件が成立したか否かを判断する。カレントテープ24aの部品切れが検出され、且つ、カレントテープ24aの終端の通過が第2センサPH2で検出されると(
図17(b))、カレントテープ排出条件が成立したと判断する。カレントテープ排出条件が成立しないと判断する限り(S1でNO)、ステップS1を繰り返し実行する。
【0139】
ステップS2において、本体制御部17は、第1テープ搬送部61にカレントテープ24aを排出させる。これにより、
図17(b)に示す状態から、
図15(a)に示す状態となる。
【0140】
ステップS3において、第1部品情報更新部145の下位更新部145Bは、フィーダ記憶部162の使用部品情報記憶部164を更新する。具体的には、使用部品情報記憶部164の第1記憶部164Aの部品情報をクリアさせる。これにより、
図20の状態(b)に対応して、カレントテープ24aに関する部品情報がクリアされる。
【0141】
ステップS4において、第1部品情報更新部145の上位更新部145Aは、上位記憶部104を更新する。具体的には、管理装置92にステップS2、S3に応じた部品情報更新通知を送信する。部品情報更新通知にはステップS2で排出されたカレントテープ24aのリールIDを含む。部品情報更新通知を受信した管理装置92は、部品情報更新通知に含まれるリールIDの部品数をゼロにするとともに、“カレント”を削除する。これにより上位記憶部104が更新される。
【0142】
ステップS5において、本体制御部17は、第1センサPH1によるキャリアテープ24の検出結果に基づいて、ネクストテープ24bがあるか否かを判断する。
【0143】
第1センサPH1がキャリアテープ24を検出することに応じて、ネクストテープ24bがあると判断する場合(S5でYES)、ステップS6において、ユニット制御部64は、第2テープ搬送部62にネクストテープ24bを搬入させる。これにより、
図15(a)に示す状態から順に、
図15(b)に示す状態、
図16(a)に示す状態、
図16(b)に示す状態に移行し、ネクストテープ24bがカレントテープ24aとなる。
【0144】
ステップS7において、第1部品情報更新部145の下位更新部145Bは、フィーダ記憶部162の使用部品情報記憶部164を更新する。具体的には、使用部品情報記憶部164の第1記憶部164Aに第2記憶部164Bの部品情報をコピーさせるとともに、第2記憶部164Bの部品情報をクリアさせる。これにより、第2記憶部164Bに記憶されていた部品情報が第1記憶部164Aへ移動し、第2記憶部164Bにおいてネクストテープ24bとして記憶されていた部品情報が、第1記憶部164Aにおいてカレントテープ24aとしての部品情報として記憶される。
【0145】
ステップS5でネクストテープ24bがないと判断する場合(S5でNO)、ステップS8において、第1部品情報更新部145の下位更新部145Bは、フィーダ記憶部162の使用部品情報記憶部164を更新する。具体的には、使用部品情報記憶部164の第2記憶部164Bの部品情報をクリアさせる。これにより、第2記憶部164Bにネクストテープ24bに関する部品情報が含まれていた場合は、当該部品情報がクリアされる。
【0146】
ステップS9において、第1部品情報更新部145の上位更新部145Aは、上位記憶部104を更新する。具体的には、管理装置92にステップS5~S8に応じた部品情報更新通知を送信する。部品情報更新通知にはステップS6で搬入されたネクストテープ24bのリールID、またはステップS8でクリアされる直前の第2記憶部164Bに記憶されていたリールIDを含む。部品情報更新通知を受信した管理装置92は、ステップS7を経てステップ9を実行する場合は、部品情報更新通知に含まれるリールIDのテープ位置の欄を、“ネクスト”から“カレント”に変更するとともに、“カレント”であったリール22の残数を0としてテープ位置とフィーダアドレスをクリアする。また、ステップS8を経てステップ9を実行する場合は、部品情報更新通知にリールIDが含まれていればそのリールIDのテープ位置の欄から“ネクスト”を削除し、リールIDが含まれていなければスキップする。
【0147】
上記フローによれば、カレントテープ24aの排出からネクストテープ24bの搬入に応じて、部品供給ユニット23の使用部品情報記憶部164と、管理装置92の上位記憶部104の両方を更新することができる。具体的には、排出したカレントテープ24aの部品情報をクリアするとともに、搬入したネクストテープ24bの部品情報を新たなカレントテープ24aとして更新する。これにより、部品供給ユニット23においてキャリアテープ24の部品情報を適切に管理することができる。
【0148】
部品搭載装置1において部品5を基板4に搭載する部品搭載処理が行われるとキャリアテープ24の部品が消費されて品切れになるので、作業者は部品の品切れになる前にキャリアテープ24(ネクストテープ24b)を部品供給ユニット23に装着する必要がある。管理装置92は、実装基板の生産数、生産プログラム106における予定生産数、部品管理情報108の残数等を参照することにより、ネクストテープ24bで部品の補充を行うべき部品供給ユニット23を特定し、特定した部品供給ユニット23の中で第2テープ搬送部62が空いているものを作業者へ報知する。具体的には、作業者が携行する携帯型情報端末95に、部品名とその部品補充先の部品供給ユニット23のフィーダアドレスとを表示させる。作業者は報知された情報を見て部品補充を行う。
【0149】
図19に示す部品補充作業支援は、作業者による部品補充作業を支援するプログラムであり、管理装置92の部品補充作業支援部102によって実行される。まず、ステップS11において、部品補充作業支援部102は、携帯型情報端末95によりキャリアテープ24(ネクストテープ24b)の部品情報がスキャンして取得されたか否かを判断する。すなわち、作業者が携帯型情報端末95で補充用のキャリアテープ24を収納したリール22のバーコード28を読み取らせたか否かを判断する。スキャン情報を取得しない限り(S11でNO)、ステップS11を繰り返し実行する。
図20の状態(c)に示すように、新たなリール“C”を取り付ける際に、作業者が携帯型情報端末95を使用してリール“C”のバーコード28を読み取らせる。
【0150】
スキャン情報を取得した場合(S11でYES)、ステップS12において、フィーダアドレスを取得したか否かを判断する。具体的には、作業者が携帯型情報端末95に表示されたフィーダアドレスに位置する部品供給ユニット23の操作スイッチ33を押下すると、部品供給ユニット23から信号が出力され、本体制御部17はその信号の伝達経路からフィーダアドレスを特定して、管理装置92の部品補充作業支援部102へ当該フィーダアドレスを送信する。
【0151】
フィーダアドレスを取得しない場合(S12でNO)、ステップS13において、所定の制限時間を超過したか否かを判断する。制限時間を超過しない場合(S13でNO)、ステップS12を再度実行する。フィーダアドレスを取得するか、制限時間を超過するまで、ステップS12、S13を繰り返し実行する。制限時間を超過したと判断した場合(S13でYES)、ステップS14において、ステップS11で取得したスキャン情報をクリアして、ステップS11を再度実行する。すなわち、作業者が部品供給ユニット23の操作スイッチ33を押さずに放置した場合は、最初から作業をやり直す。
【0152】
フィーダアドレスを取得した場合(S12でYES)、ステップS15において、照合結果がOKか否か、換言すれば作業者による部品補充作業が正しいか否かを判断する。具体的には、ステップS11で取得した部品名およびステップS12で取得したフィーダアドレスと、生産プログラム106に登録されている部品名とフィーダアドレスとの対応関係が一致するか否かについて、部品補充作業支援部102が判定する(部品照合)。対応関係が一致しない場合、照合結果NGと判断し(S15でNO)、ステップS16において、不一致通知を行うとともに、ステップS11で取得したスキャン情報をクリアして、ステップS11を再度実行する。不一致通知は、携帯型情報端末95または操作パネル18のフィーダ表示部34を通じて行う。
【0153】
対応関係が一致する場合、照合結果OKと判断し(S15でYES)、ステップS17において、部品供給ユニット23のフィーダ表示部34におけるランプ36、37の点灯指令を送信する。これにより、新たなキャリアテープ24をセットすべき部品供給ユニット23のランプ36もしくはランプ37を点灯させる。
【0154】
ステップS18において、キャリアテープ24の挿入を検出したか否かを判断する。ランプ36もしくはランプ37が点灯した部品供給ユニット23に作業者が所定の作業手順でキャリアテープ24を挿入すると、第1センサPH1でキャリアテープ24が検出され、これにより、キャリアテープ24の挿入を検出したと判断する(S18でYES)。
図20の状態(d)に示すように、新たなリール“C”が装着された状態で、リール“C”に収納されたキャリアテープ24の挿入が検出される。
【0155】
テープ挿入を検出しない場合(S18でNO)、ステップS19において、所定の許可期間を経過したか否かを判断する。テープ挿入を検出するか、許可期間を経過するまで、ステップS18、S19を繰り返し実行する。許可期間を経過したと判断した場合(S19でYES)、ステップS20において、テープ挿入許可を取り消すとともに、ステップS11でスキャンした情報をクリアして、ステップS11を再度実行する。すなわち、作業者がランプ点灯指令のあった部品供給ユニット23にキャリアテープ24を許可期間内にセットできなかった場合は最初から作業をやり直す。
【0156】
許可期間内にテープ挿入を検出した場合(S18でYES)、ステップS21において、第2記憶部164Bに部品情報を登録する。具体的には、第1部品情報更新部145の下位更新部145Bが、ステップS11で取得したスキャン情報に含まれる部品情報を、フィーダ記憶部162の使用部品情報記憶部164の第2記憶部164Bに登録するように指令する。その指令を受けて、第2記憶部164Bは部品情報の書き込みを行う。
図20の状態(d)に示すように、リール“C”に収納されるキャリアテープ24の部品情報である、リールID“R003”、部品名“abc”が、第2記憶部164Bに新たに記憶される。
【0157】
ステップS22において、第1部品情報更新部145の上位更新部145Aは、管理装置92に部品情報更新通知を送信する。部品情報更新通知を受信した管理装置92は、上位記憶部104に記憶された部品管理情報108を更新し、該当するキャリアテープ24に対応するリールIDのテープ位置の欄に“ネクスト”の状態を追加するとともに、フィーダアドレスの欄に該当アドレスの情報を追加する。
【0158】
上記フローによれば、新たなネクストテープ24bの装着による部品補充作業に応じて、装着したネクストテープ24bに関する部品情報をフィーダ記憶部162および部品管理情報108に反映させることができる。これにより、部品供給ユニット23で使用されるキャリアテープ24の部品情報を正確に記憶することができる。更に、作業者が部品補充作業でミスを犯してしまうことを未然に防止することができる。
【0159】
次に、
図21~
図23を参照して、再装着処理について説明する。
図21は、部品供給ユニット23をフィーダベース31に再装着された場合に実行する処理(再装着処理)を示すフローチャートである。
図22A、
図22Bは、再装着処理に伴って、携帯型情報端末95の表示パネル95aや操作部16のタッチスクリーン16aに表示される部品情報入力画面の一例を示す図である。
図23は、
図21に示す再装着処理を説明するための説明図である。
【0160】
部品搭載作業中に部品供給ユニット23でキャリアテープ24の搬送のエラーが発生すると、エラーの内容によっては復旧作業のために部品供給ユニット23を部品搭載装置1から取り外す場合がある。復旧作業では、これまで部品供給ユニット23に装着されていたキャリアテープ24を取り外して別のキャリアテープ24に変更することがあるが、部品搭載装置1から取り外された部品供給ユニット23はオフライン状態となるため、復旧作業中に生じたキャリアテープ24の変更等は部品管理情報108に反映されない。このため、部品搭載装置1に再装着された復旧後の部品供給ユニット23のキャリアテープ24と部品管理情報108で記憶されているキャリアテープ24が一致せず、部品の在庫管理に支障をきたしてしまうという課題があった。このため、部品搭載システム100に、復旧作業を終えた部品供給ユニット23が部品搭載装置1に再装着されたらその部品供給ユニット23に装着されているキャリアテープ24の情報を取得して部品管理情報108に反映させる機能(再装着処理)を設けた。
【0161】
図21に示す再装着処理は、部品搭載装置1において部品5を基板4に搭載する部品搭載処理を実行しているときに部品供給ユニット23の脱着(再装着)を検出した場合に実行される。
【0162】
図23の状態(a)は、復旧作業のため部品供給ユニット23が部品搭載装置1から取り外された場面を示している。この部品供給ユニット23には、リール“A”から供給されたカレントテープ24aと、リール“B”から供給されたネクストテープ24bが装着されている。この時点で、部品供給ユニット23の使用部品情報記憶部164の第1記憶部164Aには、リール“A”から供給されたキャリアテープ24の部品情報である、リールID“R001”、部品名“abc”が記憶されており、第2記憶部164Bには、リール“B”から供給されたキャリアテープ24の部品情報である、リールID“R002”、部品名“abc”が記憶されている。
【0163】
図23の状態(b)に示すように、取り外された部品供給ユニット23は、部品搭載装置1とは独立した作業台302に装着される。作業台302に装着された部品供給ユニット23は給電部304(
図3)に接続されて給電状態となり、操作パネル18を用いた各種操作を行うことが可能となる。作業台302に装着された部品供給ユニット23は、部品搭載装置1や管理装置92とは通信しない「オフライン状態」となる。オフライン状態の部品供給ユニット23に対して実行された作業は、部品搭載装置1や管理装置92がリアルタイムで認識できなくなる。本例では、
図23の状態(b)に示すように、部品供給ユニット23を作業台302に装着したオフライン状態で、カレントテープ24aとリール“A”を取り外し、復旧前はネクストテープ24bとして使用されていたキャリアテープ24をカレントテープ24aに変更して部品供給ユニット23に装着して復旧作業を行った場合を例に説明する。
【0164】
復旧作業が終わると、
図23の状態(c)、(d)に示すように、リール“B”を装着した部品供給ユニット23がフィーダベース31に再装着される。フィーダベース31に再装着された部品供給ユニット23は、部品搭載装置1と通信可能に接続された「オンライン状態」に復帰する。なお、第1記憶部164Aと第2記憶部164Bに記憶されている情報は、部品搭載装置1から取り外された時(
図23の状態(a))と同じであり、再装着された部品供給ユニット23に現実に装着されているキャリアテープの部品情報と一致しない(符号164(1)参照)。
【0165】
図21に戻ると、部品供給ユニット23が部品搭載装置1に装着されると、本体制御部17の再装着検知部144は再装着を検出する(S31)。
【0166】
再装着検知部144が再装着を検出すると(S31でYES)、ステップS32において、本体制御部17は、第1センサPH1、第2センサPH2、第3センサPH3の検出結果に基づいて、再装着された部品供給ユニット23におけるキャリアテープ24の有無を確認する。
【0167】
ステップS33において、第3センサPH3の検出結果に基づいて、本体制御部17は、カレントテープ24aがあるか否かを判断する。第3センサPH3がキャリアテープ24を検出していない場合、カレントテープ無しと判断し(S33でNO)、ステップS34において、第1センサPH1の検出結果に基づいて、ネクストテープ24bがあるか否かを判断する。
【0168】
第1センサPH1がキャリアテープ24を検出している場合、ネクストテープ有りと判断し(S34でYES)、ステップS35において、本体制御部17から所定の信号を受けたユニット制御部64のテープ搬送制御部160は、ネクストテープ24bを部品取り出し位置23baへ搬送する。すなわち、カレントテープ24aがなく(S33でNO)、ネクストテープ24がある場合(S34でYES)は、ネクストテープ24bを搬送して(S35)、カレントテープ24aへと状態変化させる。つまり、
図16(b)に示すように、カレントテープ24aがテープ搬送路60に正しく存在する状態にしておく。
【0169】
次に、ステップS36において、本体制御部17の第2部品情報更新部146は、携帯型情報端末95の表示パネル95aもしくは操作部16のタッチスクリーン16aに部品情報入力画面を表示させる。なお、本実施の形態では、表示パネル95aもしくはタッチスクリーン16aが部品情報入力画面を表示する表示部となっている。この部品情報入力画面は、再装着された部品供給ユニット23にキャリアテープ24が装着されているかいないかに関係なく必ず表示される。ここで、部品情報入力画面の一例について、
図22A、
図22Bを用いて説明する。
【0170】
図22Aに示す部品情報入力画面SC1は、スキャンデータ表示フィールド201と、カレントテープ情報入力フィールド202と、ネクストテープ情報入力フィールド204と、取消ボタン206と、登録ボタン208とを含む。
【0171】
スキャンデータ表示フィールド201は、携帯型情報端末95でスキャンしたデータ、すなわちキャリアテープ24の部品情報を表示する。スキャンデータ表示フィールド201には、リールIDや部品名等の部品情報が表示される。カレントテープ情報入力フィールド202は、スキャンデータ表示フィールド201に表示された部品情報をカレントテープ24aの部品情報として登録するための入力欄である。ネクストテープ情報入力フィールド204は、スキャンデータ表示フィールド201に表示された部品情報をネクストテープ24bの部品情報として登録するための入力欄である。カレントテープ情報入力フィールド202およびネクストテープ情報入力フィールド204はそれぞれ、作業者がタッチすることで、スキャンデータ表示フィールド201に表示された部品情報が自動入力されるように構成される。
【0172】
取消ボタン206は、カレントテープ情報入力フィールド202およびネクストテープ情報入力フィールド204に入力した部品情報を取り消すためのボタンである。登録ボタン208は、カレントテープ情報入力フィールド202およびネクストテープ情報入力フィールド204に入力した部品情報を登録するためのボタンである。
【0173】
カレントテープ情報入力フィールド202とネクストテープ情報入力フィールド204は、再装着された部品供給ユニット23におけるキャリアテープ24の有無に応じて、入力可能状態と入力禁止状態に変化する。カレントテープ情報入力フィールド202は、第3センサPH3がキャリアテープ24を検出している場合は入力可能状態となり、第3センサPH3がキャリアテープ24を検出していない場合は入力禁止状態になる。同様に、ネクストテープ情報入力フィールド204は、第1センサPH1がキャリアテープ24を検出している場合は入力可能状態となり、第1センサPH1がキャリアテープ24を検出していない場合は入力禁止状態になる。
図22Bに示す部品情報入力画面SC1は、ネクストテープ情報入力フィールド204が入力禁止状態になった例を示している。入力禁止状態になったネクストテープ情報入力フィールド204は、グレー(ハッチング表示)で表示される。
【0174】
作業者は、部品情報入力画面SC1が携帯型情報端末95の表示パネル95aもしくは操作部16のタッチスクリーン16aに表示されたら、部品情報入力画面SC1を操作しながら、再装着された部品供給ユニット23に装着されているキャリアテープ24の情報を登録するための操作を行う。第2部品情報更新部146は、部品情報入力画面SC1における作業者の操作に応じた処理を実行する(S37)。ここでの操作には、カレントテープ情報入力フィールド202やネクストテープ情報入力フィールド204への部品情報の入力操作、取消ボタン206による取消操作、登録ボタン208による登録操作が含まれる。
【0175】
図23の状態(d)を参照しながらキャリアテープ24の情報を登録する作業の一例を説明する。部品情報入力画面SC1が表示されると、作業者は再装着された部品供給ユニット23に装着されているキャリアテープ24の部品情報を取得する。具体的には、携帯型情報端末95でリール“B”の識別子(バーコード28)をスキャンして部品情報を取得する。第2部品情報更新部146は、携帯型情報端末95で読み取られた部品情報より、再装着された部品供給ユニット23に装着されているキャリアテープ24が適切かどうかを判定する。例えば、生産プログラム106に登録されている部品名とフィーダアドレスとの対応関係、または使用部品情報記憶部164に登録されている部品情報を参照して判定する。第2部品情報更新部146は、部品名等が一致しない場合は携帯型情報端末95のブザーを鳴らす等して作業者に報知し、適切と判定したら、部品情報入力画面SC1のスキャンデータ表示フィールド201に表示する。
【0176】
作業者は、スキャンデータ表示フィールド201に表示された部品情報と、部品供給ユニット23に装着されているキャリアテープ24を目視で確認し、カレントテープ24aであればカレントテープ情報入力フィールド202をタップし、ネクストテープ24bであればネクストテープ情報入力フィールド204をタップする。第2部品情報更新部146は、この入力操作を受けてスキャンデータ表示フィールド201に表示された部品情報をカレントテープ情報入力フィールド202またはネクストテープ情報入力フィールド204に入力する。なお、
図23の状態(d)ではネクストテープ情報入力フィールド204は入力禁止状態となるため、カレントテープ24aの部品情報として登録すべき情報を誤ってネクストテープ24bの部品情報として登録できないようになっている。
【0177】
作業者は、部品供給ユニット23に装着されている全てのキャリアテープ24に関する入力操作が全て完了したら、登録ボタン208をタップする登録操作を行う。第2部品情報更新部146は、登録操作があったか否かを判断する(S38)。登録操作がないと判断される限り(S38でNO)、ステップS37およびステップS38を繰り返し実行する。
【0178】
第2部品情報更新部146は、登録操作を検出したら(ステップS38でYES)、ステップS39において、使用部品情報記憶部164を更新する。具体的には、第2部品情報更新部146が、フィーダ記憶部162の使用部品情報記憶部164において、第1記憶部164Aおよび/又は第2記憶部164Bに部品情報を登録させる。例えば、部品情報入力画面SC1において、カレントテープ情報入力フィールド202に入力された部品情報は、第1記憶部164Aに登録される。また、ネクストテープ情報入力フィールド204に入力された部品情報は、第2記憶部164Bに登録される。カレントテープ情報入力フィールド202あるいはネクストテープ情報入力フィールド204の入力内容が空欄の場合、対応する第1記憶部164Aあるいは第2記憶部164Bの値はクリアされる。これにより、使用部品情報記憶部164は第2部品情報更新部146によって更新される。
【0179】
図23の状態(d)に示す例では、使用部品情報記憶部164に記憶されている情報は、符号164(1)で示す内容から符号164(2)に示す内容に更新される。すなわち、第1記憶部164Aにおいて、リール“A”の部品情報(リールID“R001”、部品名“abc”)がクリアされるとともに、リール“B”の部品情報(リールID“R002”、部品名“abc”)が新たに登録される。また、第2記憶部164Bにおいて、リール“B”の部品情報(リールID“R002”、部品名“abc”)がクリアされる。なお、更新前の第1記憶部164Aの内容とカレントテープ情報入力フィールド202に入力された情報が同一である場合や更新前の第2記憶部164Bの内容とネクストテープ情報入力フィールド204に入力された情報が同一である場合、第2部品情報更新部146は、第1記憶部164Aや第2記憶部164Bをカレントテープ情報入力フィールド202やネクストテープ情報入力フィールド204の値で上書きせずに現在の値を維持とするようにしてもよい。
【0180】
ステップS40において、第2部品情報更新部146は、管理装置92の上位記憶部104を更新する。具体的には、管理装置92にカレントテープ情報入力フィールド202とネクストテープ情報入力フィールド204に入力されたリールIDを含む部品情報更新通知を送信する。部品情報更新通知を受信した管理装置92は、部品情報入力画面SC1での登録内容に基づいて、上位記憶部104に記憶された部品管理情報108の内容を更新する。
図23の状態(d)に示す例では、リール“B”の部品情報(リールID“R002”、部品名“abc”)は第2記憶部164Bから第1記憶部164Aへ移動、すなわちネクストテープ24bからカレントテープ24aに変化している。従ってこの例では、
図24に示す部品管理情報108のリールID“R002”は、テープ位置の欄が“ネクスト”から“カレント”に更新される。これにより、部品管理情報108が適切な内容に更新される。なお、リールID“R001”のように、復旧作業で部品供給ユニット23から除去されたキャリアテープ24に関する情報はステップS41以降の処理で更新する。
【0181】
このように、部品供給ユニット23がオフライン状態のときにリール22の入替えがあった場合でも、再装着の検知に応じて部品情報入力画面SC1を携帯型情報端末95の表示パネル95aもしくは操作部16のタッチスクリーン16aに表示させて、作業者に最新の部品情報を入力させることで、使用部品情報記憶部164の部品情報を実際に存在するキャリアテープ24と一致する内容に更新することができる。これにより、部品供給ユニットとキャリアテープの情報との対応関係を適切に管理することができる。
【0182】
ステップS41において、除去テープ確認部147は、除去テープが有るか否かを判断する。除去テープとは、部品供給ユニット23がオフライン状態のときに取り除かれた可能性のあるキャリアテープ24を意味する。
図23に示す例では、リール“A”に収納されたキャリアテープ24が除去テープに対応する。ここで、除去テープの有無の判定方法について、
図24を用いて説明する。
【0183】
図24は、管理装置92に記憶された部品管理情報108の一例を示す図である。
図24に示す部品管理情報108では、リールID“R001”(リール“A”)のキャリアテープ24と、リールID“R002” (リール“B”)のキャリアテープ24がともに、カレントテープ24aとして記憶されている。リールID“R002”のキャリアテープ24は、ステップS40の部品情報更新通知により、新たにカレントテープ24aとして記憶されたのに対し、リールID“R001”のキャリアテープ24は、ステップS40の部品情報更新通知を受ける前から、カレントテープ24aとして記憶されている。テープ位置(“カレント”)とフィーダアドレス(“F012”)がともに重複することから、除去テープ確認部147は、部品情報更新通知を受け取る前から“カレント”の状態となっていたリールID“R001”のキャリアテープ24が除去テープであると判断する。
【0184】
ステップS42において、除去テープ確認部147は、携帯型情報端末95の表示パネル95aもしくは操作部16のタッチスクリーン16aに除去テープ問合せ画面RT1を表示させる。ここで、除去テープ問合せ画面RT1の一例について、
図25を用いて説明する。
【0185】
図25に示す除去テープ問合せ画面RT1は、携帯型情報端末95の表示パネル95aもしくは操作部16のタッチスクリーン16aにおいて、部品情報入力画面SC1に重ねて表示されるとともに、部品情報表示部209と、廃棄ボタン210と、保管ボタン212と、戻るボタン214とを含む。
【0186】
部品情報表示部209は、ステップS41で除去テープと判断されたキャリアテープ24の部品情報を表示する部分であり、
図25に示す例では、リールID、部品名、残数を部品情報として表示する。
【0187】
廃棄ボタン210、保管ボタン212及び戻るボタン214はいずれも、除去テープに関する処置を選択するためのボタンである。廃棄ボタン210は、除去テープの処置を「廃棄」として登録するためのボタンであり、保管ボタン212は、除去テープの処置を「保管」として登録するためのボタンである。戻るボタン214は、除去テープの処置を登録せずに、部品情報入力画面SC1に戻ることを選択するためのボタンである。作業者は、除去テープ問合せ画面RT1が表示されたら、部品情報表示部209に表示された部品情報で特定されるキャリアテープ24の処置として適切な操作を実行する。除去テープ確認部147はこの作業者の操作に応じた処理を実行する(ステップ43)
【0188】
ステップS43において、管理装置92は、除去テープ問合せ画面RT1での操作に応じた処理を実行する。具体的には、
図25に示す除去テープ問合せ画面RT1で押下されたボタンに応じて、管理装置92は、部品管理情報108における該当リールID(例えばリールID“R001”)の部品情報を更新する。押下されたボタンが廃棄ボタン210である場合、
図26Aに示すように、リールID“R001”に関して、「残数」を0とし、「テープ位置」をクリアし、フィーダアドレスをクリアする(網掛け表示)。押下されたボタンが保管ボタン212である場合、
図26Bに示すように、「テープ位置」を“保管”とし、フィーダアドレスをクリアする(網掛け表示)。押下されたボタンが戻るボタン214である場合、除去テープ問合せ画面RT1を消去するのみで、部品管理情報108の更新は行わない。
【0189】
ステップS41~ステップS43によれば、部品供給ユニット23が部品搭載装置1や管理装置92と通信しないオフライン状態のときに部品供給ユニット23から除去されたキャリアテープ24の処置を反映するように部品管理情報108を更新することができる。これにより、キャリアテープ単位(リール単位)で部品を適切に管理することができる。
【0190】
(作用・効果)
本実施の形態の部品搭載システム100は、複数の部品5を梱包したキャリアテープ24をテープ搬送路60に沿って搬送して部品取り出し位置23baに部品5を供給する部品供給ユニット23と、複数の部品供給ユニット23を装着するフィーダベース31と、フィーダベース31に装着された複数の部品供給ユニット23の部品取り出し位置23baから部品5をピックアップして基板4に搭載する搭載ヘッド13と、生産プログラム106、151に従って部品5を基板4に搭載する部品搭載作業を搭載ヘッド13に実行させる本体制御部17(制御部)と、部品供給ユニット23で使用するキャリアテープ24の部品情報を取得する携帯型情報端末95(情報取得部)と、携帯型情報端末95で取得した部品情報を記憶する、または取得した部品情報に基づいて更新される記憶部(使用部品情報記憶部164、上位記憶部104)と、部品供給ユニット23におけるキャリアテープ24の状態に応じて記憶部を更新する第1部品情報更新部145と、フィーダベース31に部品供給ユニット23が再装着されたことを検知する再装着検知部144と、再装着検知部144によって再装着が検知された部品供給ユニット23に装着されているキャリアテープ24の部品情報を携帯型情報端末95で取得するように作業者へ要求し、この要求により取得した部品情報に基づいて記憶部を更新する第2部品情報更新部146と、を備える。
【0191】
このような構成によれば、部品搭載作業に供されているキャリアテープ24の部品情報を記憶部(使用部品情報記憶部164、上位記憶部104)に正確に反映させることができ、部品搭載システムにおける部品供給ユニットとキャリアテープの対応関係を適切に管理することができる。
【0192】
また、本実施の形態の部品搭載システム100では、第2部品情報更新部146は、更新後の記憶部の情報を参照して部品供給ユニット23から取り除かれた可能性のあるキャリアテープ24についての処置に関する情報を作業者に要求し、この要求により取得した処置に関する情報に基づいて使用部品情報記憶部164を更新する。このような構成によれば、部品搭載作業に供されているキャリアテープ24の状態と、記憶部に記憶されているキャリアテープ24の状態を一致させることができる。
【0193】
また、本実施の形態の部品搭載システム100は、表示部(携帯型情報端末95の表示パネル95aもしくは操作部16のタッチスクリーン16a)をさらに備え、表示部は、部品供給ユニット23の再装着の検知に応じて、キャリアテープ24の部品情報を入力するための部品情報入力画面SC1を表示する。このような構成によれば、部品情報を容易に登録できる。
【0194】
また、本実施の形態の部品搭載システム100では、テープ搬送路60でのキャリアテープ24の有無を検出するセンサPH1、PH3(キャリアテープ検出部)をさらに備え、部品情報入力画面SC1は、センサPH1、PH3の検出結果に応じて、入力可能領域が変化する。このような構成によれば、キャリアテープ24の有無に応じて入力可能領域を変化させることで、誤入力を抑制することができる。
【0195】
また、本実施の形態の部品搭載システム100では、部品供給ユニット23は、部品取り出し位置23baよりも上流側に、補充用のキャリアテープ24(ネクストテープ24b)を待機させる待機位置23bbを有し、待機位置23bbに待機させているキャリアテープ24を部品取り出し位置23baに向けて搬送する機能を有する。このような構成によれば、いわゆるオートローダに適用できる。
【0196】
また、本実施の形態の部品搭載システム100では、使用部品情報記憶部164は、部品取り出し位置23baにあるカレントテープ24a(先行キャリアテープ)に関する部品情報を記憶する第1記憶部164Aと、待機位置23bbにあるネクストテープ24b(後続キャリアテープ)に関する部品情報を記憶する第2記憶部164Bとを有する。このような構成によれば、2種類のキャリアテープ24a、24bに関する部品情報を管理することができる。
【0197】
また、本実施の形態の部品供給方法は、部品供給ユニット23により、複数の部品5を梱包したキャリアテープ24をテープ搬送路60に沿って搬送して部品取り出し位置23baに部品5を供給するステップと、搭載ヘッド13により、フィーダベース31に装着された複数の部品供給ユニット23の部品取り出し位置23baから部品5をピックアップして基板4に搭載するステップと、部品供給ユニット23で使用するキャリアテープ24の部品情報を携帯型情報端末95(情報取得部)で取得するステップ(S11)と、携帯型情報端末95で取得した部品情報を記憶部(使用部品情報記憶部164)に記憶するステップ(S21)、または、部品情報に基づいて記憶部(上位記憶部104)を更新するステップ(S22)と、部品供給ユニット23がフィーダベース31に再装着されたことを検知するステップ(S31)と、部品供給ユニット23の再装着を検知することに応じて、部品供給ユニット23に装着されているキャリアテープ24の部品情報を携帯型情報端末95で取得するように作業者へ要求し、この要求により取得した部品情報に基づいて記憶部(使用部品情報記憶部164、上位記憶部104)を更新するステップ(S36~S40)と、を含む。
【0198】
このような方法によれば、部品搭載作業に供されているキャリアテープ24の部品情報を記憶部(使用部品情報記憶部164、上位記憶部104)に正確に反映させることができ、部品搭載システムにおける部品供給ユニットとキャリアテープの対応関係を適切に管理することができる。
【0199】
なお、上述の実施形態では部品供給ユニット23としてオートロードフィーダを例に説明したが、部品供給口23bに位置するキャリアテープ(先行キャリアテープ)の末端に補充用のキャリアテープ(後続キャリアテープ)を連結して搬送するスプライシングフィーダを使用する場合でも本発明は適用できる。
【0200】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【0201】
なお、様々な実施形態及び変形例のうちの任意の実施形態あるいは変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本開示に係る部品搭載装置は、部品を収納するキャリアテープを用いて部品を供給する部品搭載システムおよび部品搭載方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0203】
4 基板
5 部品
13 搭載ヘッド
16 操作部
16a タッチスクリーン(表示部)
17 本体制御部(制御部)
23 部品供給ユニット
23ba 部品取り出し位置
24 キャリアテープ
31 フィーダベース
95 携帯型情報端末(情報取得部)
95a 表示パネル(表示部)
100 部品搭載システム
104 上位記憶部(記憶部)
106 生産プログラム
144 再装着検知部
145 第1部品情報更新部
146 第2部品情報更新部
151 生産プログラム
164 使用部品情報記憶部(記憶部)