(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117325
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】パソコン設置台
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20230816BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20230816BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20230816BHJP
A47B 21/04 20060101ALI20230816BHJP
A47B 21/03 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/16 313A
G06F1/20 B
H05K5/02 B
A47B21/04
A47B21/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019972
(22)【出願日】2022-02-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年1月28日にウェブサイト(https://www.groundhills.jp/product/?p=313)にて公開。 令和4年2月2日に有限会社アフコメンテナンスに販売。 令和4年2月2日に池田勉に販売。 令和4年2月2日に近藤明彦に販売。
(71)【出願人】
【識別番号】522056655
【氏名又は名称】グランドヒルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土山 浄之
(72)【発明者】
【氏名】細貝 徹志
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB08
4E360AB61
4E360AC23
4E360BA11
4E360BB02
4E360BB12
4E360EA25
4E360EB03
4E360EC04
4E360EC11
4E360EC14
4E360EC15
4E360FA02
4E360FA20
4E360GA24
4E360GA27
4E360GA46
4E360GB45
4E360GB46
(57)【要約】
【課題】ノートパソコンを閉じた状態で使用してもパソコン本体部から放出される熱をパソコン外部に逃がしやすくする。
【解決手段】上面に露出するようにキーボードが設けられたパソコン本体部4aと、パソコン本体部4aの一縁部に対して開閉可能に取り付けられたディスプレイ部4bとを備えたノートパソコン4が設置されるパソコン設置台2であって、ノートパソコン4が設置される設置台本体部2と、設置台本体部2に設置されたパソコン本体部4aの上面との間に所定の隙間をあけて対向したディスプレイ部4bに対し、ディスプレイ部4bの表示面側から係止し、上記隙間を保持する隙間保持部材271,272とを備えた。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に露出するようにキーボードが設けられたパソコン本体部と、上記パソコン本体部の一縁部に対して開閉可能に取り付けられたディスプレイ部とを備えたノートパソコンが設置されるパソコン設置台であって、
上記ノートパソコンが設置される設置台本体部と、
上記設置台本体部に設置された上記パソコン本体部に対して開かれた上記ディスプレイ部に当該ディスプレイ部の表示面側から係止し、上記ディスプレイ部と上記パソコン本体部との間の隙間を保持する隙間保持部材とを備えていることを特徴とするパソコン設置台。
【請求項2】
請求項1に記載のパソコン設置台において、
上記隙間保持部材は、
上記設置台本体部に支持される被支持部と、
上記被支持部から上記ディスプレイ部と上記パソコン本体部との間へ挿入されて上記ディスプレイ部の表示面側に係止する係止部とを有し、
上記係止部は、挿入方向先端へ行くほど上下方向の寸法が短くなっていることを特徴とするパソコン設置台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパソコン設置台において、
上記設置台本体部は、上記パソコン本体部が設置される設置板を備え、
上記隙間保持部材の上記被支持部は、上記設置板に設置された上記パソコン本体部に対して接離する方向にスライド可能に当該設置板に支持されていることを特徴とするパソコン設置台。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のパソコン設置台において、
上記設置台本体部は、上記パソコン本体部の他縁部側に位置する側面と対向する壁部を備え、
上記壁部には、当該壁部より内側に形成されているパソコン設置空間の少なくとも一部を外側に開放する切欠部が形成されていることを特徴とするパソコン設置台。
【請求項5】
請求項4に記載のパソコン設置台において、
上記隙間保持部材は、上記壁部の内面から当該壁部よりも内側に形成されている上記パソコン設置空間へ向けて突出していることを特徴とするパソコン設置台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコン作業やパソコンの収納に用いられるパソコン設置台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、リモートワークの普及に伴い、会社や学校で使用しているノートパソコンを自宅に持ち帰って使用する場面が増えてきている。そのため、ノートパソコンを自宅のディスプレイやキーボード、マウスなどに接続して、デスクトップパソコンのように快適に使用したいというニーズが高まってきている。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1に示されるように、ディスプレイやキーボード、マウスなどを設置できる天板と、ノートパソコンを収納できる引出しとを備え、天板に設置されたディスプレイやキーボード、マウスなどを用いて引出しに収納されたノートパソコンを操作できるようにしたパソコンデスクが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に示されるパソコンデスクでは、ノートパソコンは、閉じた状態で引出しに収納されて使用される。一般的にノートパソコンは、上面に露出するようにキーボードが設けられたパソコン本体部と、パソコン本体部の一縁部に対して開閉可能に取り付けられたディスプレイ部とを備えているが、ディスプレイ部をパソコン本体部の上面に向かって閉じると、パソコン本体部上面から放出される熱が、デイスプレイ部に遮られてパソコン外部に逃げづらくなる。さらに、ノートパソコンが収納される引出しの内側は通気性が悪い。そのため、パソコン本体部の過熱に伴う処理速度の低下などによってパソコン作業の快適性が損なわれる可能性がある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ノートパソコンを閉じた状態で使用してもパソコン本体部から放出される熱をパソコン外部に逃がしやすくすることができるパソコン設置台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成すべく、本発明では、パソコン設置台に隙間保持部材を設け、パソコン設置台に設置されたノートパソコンのディスプレイ部を隙間保持部材で係止することで、パソコン本体部とディスプレイ部との間に空気が流入出する隙間が形成されるようにした。
【0008】
具体的には、第1の発明は、
上面に露出するようにキーボードが設けられたパソコン本体部と、上記パソコン本体部の一縁部に対して開閉可能に取り付けられたディスプレイ部とを備えたノートパソコンが設置されるパソコン設置台であって、
上記ノートパソコンが設置される設置台本体部と、
上記設置台本体部に設置された上記パソコン本体部に対して開かれた上記ディスプレイ部に当該ディスプレイ部の表示面側から係止し、上記ディスプレイ部と上記パソコン本体部との間の隙間を保持する隙間保持部材とを備えていることを特徴とする。
【0009】
この第1の発明によると、パソコン設置台に設置されたノートパソコンのディスプレイ部を隙間保持部材で係止することで、パソコン本体部とディスプレイ部との間に空気が流入出する隙間を形成することができる。そのため、パソコン本体部の上面から放出される熱を当該隙間に流入出する空気を介してパソコン外部に逃がすことができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、
上記隙間保持部材は、
上記設置台本体部に支持される被支持部と、
上記被支持部から上記ディスプレイ部と上記パソコン本体部との間へ挿入されて上記ディスプレイ部の表示面側に係止する係止部とを有し、
上記係止部は、挿入方向先端へ行くほど上下方向の寸法が短くなっていることを特徴とする。
【0011】
この第2の発明によると、隙間保持部材の係止部は、挿入方向先端へ行くほど上下方向の寸法が短くなるから、係止部をディスプレイ部とパソコン本体部との間へ挿入し易くすることができる。さらに、ディスプレイ部とパソコン本体部との間への係止部の挿入深さを変えることによって、上記隙間の大きさを調整することができる。そのため、表示面が作動するまでディスプレイ部が開かれて、表示面の作動に伴う余分な熱の発生を防止することができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
上記設置台本体部は、上記パソコン本体部が設置される設置板を備え、
上記隙間保持部材の上記被支持部は、上記設置板に設置された上記パソコン本体部に対して接離する方向にスライド可能に当該設置板に支持されていることを特徴とする。
【0013】
この第3の発明によると、隙間保持部材をパソコン本体部に対して接離する方向にスライドできるため、ノートパソコンの幅や設置板への設置位置に合わせて隙間保持部材の位置を調整することができる。
【0014】
第4の発明は、第1~第3の発明において、
上記設置台本体部は、上記パソコン本体部の他縁部側に位置する側面と対向する壁部を備え、
上記壁部には当該壁部より内側に形成されているパソコン設置空間の少なくとも一部を外側に開放する切欠部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
この第4の発明によると、パソコン本体部の側面が壁部によって外部から視認され難くなりパソコン設置台の見栄えを高めることができる。さらに、切欠部を通じてパソコン本体部から放出された熱をパソコン設置台の外側に逃がすことができる。
【0016】
第5の発明は、第4の発明において、
上記隙間保持部材は、上記壁部の内面から当該壁部よりも内側に形成されている上記パソコン設置空間へ向けて突出していることを特徴とする。
【0017】
この第5の発明によると、隙間保持部材の支持構造を強固かつ単純なものにすることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明した如く、本発明によると、ノートパソコンを閉じた状態で使用してもパソコン本体部から放出される熱をパソコン外部に逃がしやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】パソコン設置台を周辺機器設置台から取り出して使用している状態を示す斜視図である。
【
図2】パソコン設置台を周辺機器設置台に収納して使用している状態を示す斜視図である。
【
図5】ノートパソコンが設置されたパソコン設置台を示す斜視図である。
【
図6】ノートパソコンが設置されたパソコン設置台を示す側面図である。
【
図12】実行処理選択部の動作を示すフローチャートである。
【
図13A】設置台収納時のオートモード1処理を示すフローチャートである。
【
図13B】設置台取出時のオートモード1処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0021】
(パソコンデスクの概略構成)
図1及び
図2は、本発明の実施形態に係るパソコン設置台2が備えられたパソコンデスク1を示す。このパソコンデスク1は、例えば、机上に設置して使用される。パソコンデスク1は、ノートパソコン4を設置できる広さを有するパソコン設置台2と、パソコン設置台2を収納でき、周辺機器の設置に用いられる周辺機器設置台3とを備えている。
【0022】
パソコン設置台2に設置されるノートパソコン4は、一般的に知られた開閉機能を備えるもので、上面にキーボードが設けられた矩形板状のパソコン本体部4aと、パソコン本体部4aの後端部に沿って延びる回動軸であるヒンジ部4cに開閉可能に取り付けられた矩形板状のディスプレイ部4bとを備えている。ディスプレイ部4bの一面は、映像を表示する表示面である。ディスプレイ部4bは、ヒンジ部4cを支点として上記表示面がパソコン本体部4aの上面と対向するように開閉される。
【0023】
ノートパソコン4は、開かれたディスプレイ部4bをパソコン本体部4aに向かって一定量以上閉じることによってディスプレイ部4bを非使用姿勢にすると、ディスプレイ部4bの表示が自動的にOFFになる。一方で、閉じられたディスプレイ部4bをパソコン本体部4aから一定量以上開くことによってディスプレイ部4bを使用姿勢にすると、ディスプレイ部4bの表示が自動的にONになる。
【0024】
図1に示すように、周辺機器設置台3から取り出したパソコン設置台2にノートパソコン4を設置し、直接ノートパソコン4を操作して作業を行うことができる。また、
図2に示すように、パソコン設置台2に設置したノートパソコン4を閉じて、パソコン設置台2ごと周辺機器設置台3に収納することができる。この状態では、周辺機器設置台3に設置したディスプレイ5を見ながらキーボード6やマウス7を用いてノートパソコン4を操作することができ、ノートパソコン4をデスクトップパソコンとして使用することができる。
【0025】
尚、この実施形態では、
図1に示すようにパソコン設置台2に設置されたノートパソコン4を操作する使用者から見て、手前側を「前」、奥側を「後」、左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」として説明する。
【0026】
(パソコン設置台の構成)
図3及び
図4に示すように、パソコン設置台2は、矩形平板である設置板20と、設置板20に対して下方向に間隔をあけて対向する矩形平板である底板21と、設置板20と底板21とを左右方向から挟むように取り付けられた一対の側板22と、設置板20の前端部に垂直に取付けられた前板23と、パソコン設置台2の後部に被せるように取り付けられた後板24とを備えている。
【0027】
設置板20の上面は、ノートパソコン4を載置できる広さを有している。前板23と側板22によって設置板20の縁部に上方に延びた壁部が形成されている。設置板20の上面における上記壁部の内側には、ノートパソコン4が設置されるパソコン設置空間25が形成されている。パソコン設置空間25に、ディスプレイ部4bを開いたとき表示面が前方へ向くようにノートパソコン4を設置すると、パソコン本体部4aの前面が、前板23と対向し、パソコン本体部4aの両側面は、左右の側板22と対向する。
【0028】
前板23には、上端中央部を台形状に切り欠いた切欠部23aが形成されている。すなわち、切欠部23aは、パソコン設置空間25の前部をパソコン設置空間25の外側に開放している。
【0029】
設置板20の上面には、ディスプレイ部4bを開いたとき表示面が前方へ向くように設置されたノートパソコン4のパソコン本体部4aの下面前端部と対向するように、右ガイドレール20aと左ガイドレール20bとが埋設されている。右ガイドレール20aは、設置板20の右端部から左右方向中央部に向かって延ばされ、左ガイドレール20bは、設置板20の左端部から左右方向中央部に向かって延ばされている。右ガイドレール20aと左ガイドレール20bは、左右方向に延びる直線上に配置されている。
【0030】
右ガイドレール20aには、右隙間保持部材271が左右方向にスライド可能に取り付けられている。左ガイドレール20bには、左隙間保持部材272が左右方向にスライド移動可能に取り付けられている。
【0031】
右隙間保持部材271は、上方に延びた四角柱形状の被支持部271aと、被支持部271aの上端部から左方向に延びた係止部271bとを備えている。
【0032】
被支持部271aの下端部は、右ガイドレール20aに支持されており、右ガイドレール20aに沿って左右方向にスライドさせることができる。
【0033】
係止部271bの上部には、被支持部271aから左端部へ行くほど下方に向かって低くなる上面部271cが形成され、係止部271bの下部には、被支持部271aから左端部へ行くほど上方に向かって高くなる下面部271dが形成されている。
【0034】
すなわち、係止部271bは、左端部へ行くほど上下方向の寸法が短くなる楔状に形成されている。
【0035】
左隙間保持部材272も右隙間保持部材271と同様の形状を有している。左隙間保持部材272は、上方に延びた四角柱形状の被支持部272aと、被支持部272aの上端部から右方向に延びた係止部272bとを備えている。
【0036】
被支持部272aの下端部は、左ガイドレール20bに支持されており、左ガイドレール20bに沿って左右方向にスライドさせることができる。
【0037】
係止部272bの上部には、被支持部272aから右端部へ行くほど下方に向かって低くなる上面部272cが形成され、係止部272bの下部には、被支持部272aから右端部へ行くほど上方に向かって高くなる下面部271dが形成されている。
【0038】
係止部271bの左端部及び係止部272bの右端部は、左右方向に対向している。
【0039】
本実施形態では、係止部271b,272bは、先端部へ行くほど上下方向の寸法が短くなる楔状に形成されているが、先端部へ行くほど上下方向の寸法が短くなる形状であれば他の形状であってもよく、例えば、半円状や台形状、円錐状であってもよい。
【0040】
また、パソコン本体部4aとディスプレイ部4bとの間への挿入を容易にするために、下面部271d,272dは、被支持部271a,272aから先端部へ行くほど、下方に向かって低くならないように形成することが好ましい。
【0041】
設置板20には、ディスプレイ部4bを開いたとき表示面が前方へ向くように設置されたノートパソコン4のパソコン本体部4aの下面後端部に対向するように、右通風孔20cと、左通風孔20dとが設けられている。
【0042】
右通風孔20c及び左通風孔20dは、左右方向に並べて配置されている。右通風孔20c及び左通風孔20dは、設置板20の上面から下面に連通する円形孔である。
【0043】
設置板20の上面には、ディスプレイ部4bを開いたとき表示面が前方へ向くように設置されたノートパソコン4のパソコン本体部4aの下面後端部を支持するように、右支持部材20eと左支持部材20fと中央支持部材20gとが設けられている。
【0044】
右支持部材20e、左支持部材20f及び中央支持部材20gは、左右方向に延びた半円断面形状の部材である。右支持部材20eは、設置板20の右端部と右通風孔20cとの間に、左支持部材20fは、設置板20の左端部と左通風孔20dとの間に、中央支持部材20gは、右通風孔20cと左通風孔20dとの間にそれぞれ設けられている。
【0045】
右支持部材20e、左支持部材20f及び中央支持部材20gが、パソコン本体部4aにおける前後方向の重心後方を下方から支持することで、パソコン本体部4aが後方から前方に向かって低くなるように傾き、パソコン本体部4aと設置板20との間に空気が流入出する空間が形成される。
【0046】
設置板20の左右方向両端部には、ケーブルを通すための溝部20hが形成されている。
【0047】
設置板20の下面側には、底板21と、側板22と、後板24とで囲われた箱状の空隙部26が形成されている。
【0048】
(パソコン設置台による作用効果)
ノートパソコン4が設置されたパソコン設置台2を
図5及び
図6に示す。なお、
図5及び
図6では、ノートパソコン4の状態をわかりやすくするために、側板22の記載を省略している。
【0049】
ノートパソコン4をパソコン設置台2に設置する前に右隙間保持部材271を右ガイドレール20aに沿って設置板20の右端部へ移動させ、左隙間保持部材272を左ガイドレール20bに沿って設置板20の左端部へ移動させることで、パソコン設置空間25における右隙間保持部材271と左隙間保持部材272との間にノートパソコン4を設置することができるようになる。
【0050】
この状態で、右隙間保持部材271と左隙間保持部材272との間に開かれたノートパソコン4をディスプレイ部4bの表示面が前方を向くように設置する。
【0051】
右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272を、ノートパソコン4に向かってスライドさせ、係止部271b及び係止部272bをディスプレイ部4bとパソコン本体部4aとの間に挿入する。
【0052】
この状態で、ディスプレイ部4bをパソコン本体部4aに向かって閉じると、ディスプレイ部4bの表示面側が、係止部271bと係止部272bによって係止され、ディスプレイ部4bがパソコン本体部4aの上面との間に所定の隙間をあけて保持される。
【0053】
なお、隙間保持部材271と左隙間保持部材272との間に閉じられたノートパソコン4を設置して、右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272をノートパソコン4に向かってスライドさせ、ディスプレイ部4bを開きながら係止部271b及び係止部272bをディスプレイ部4bとパソコン本体部4aとの間に挿入してもよい。
【0054】
このとき、右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272は、ヒンジ部4cから離れたパソコン本体部4aの前端部近傍に位置しているから、使用者は、少ない力でディスプレイ部4cを開きながら係止部271b及び係止部272bをディスプレイ部4bとパソコン本体部4aとの間に挿入することができる。
【0055】
こうして、ディスプレイ部4bがパソコン本体部4aの上面との間に所定の隙間をあけて保持されると、パソコン本体部4aとディスプレイ部4bとの間に空気が流入出する隙間が形成される。
【0056】
この状態で、周辺機器を用いてノートパソコン4を操作してパソコン作業をすると、パソコン本体部4a上面のキーボードなどから放出された熱が上記隙間内の空気を暖める。すなわち、パソコン本体部4aと空気との間で熱交換が行われる。暖められた上記隙間内の空気が上記隙間から放出されることで、パソコン本体部4aの熱がパソコン外部に放出される。
【0057】
右隙間保持部材271の上面部271cは、被支持部271aから左端部へ行くほど下方に向かって低くなり、左隙間保持部材272の上面部272cは、被支持部272aから右端部へ行くほど下方に向かって低くなっているから、右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272を左右方向にスライドさせて上面部271c,272cにおけるディスプレイ部4bを係止する位置を変えることで、ディスプレイ部4bとパソコン本体部4aの上面との間に形成された隙間の大きさを変化させることができる。上記隙間の大きさは、ディスプレイ部4bの表示面が作動しない程度にノートパソコン4が開かれ、かつ上記隙間が空気が十分に流入出できる大きさになるように調整するとよい。
【0058】
右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272は、左右方向にスライド移動できるから、ノートパソコン4の幅やパソコン設置空間25への左右方向の設置位置が右隙間保持部材271と左隙間保持部材272との間の最大幅内で変化したとしても、右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272によるディスプレイ部4bの係止を行うことができる。
【0059】
閉じられたディスプレイ部4bを開いて使用姿勢にするときには、係止部271bの下面部271d及び係止部272bの下面部272dが、パソコン本体部4aの上面に引っ掛かることで、ディスプレイ部4bの開閉操作に伴うパソコン本体部4aの設置板20からの浮き上がりが抑制されて、ノートパソコン4の開閉操作が行いやすくなる。
【0060】
右通風孔20c及び左通風孔20dは、パソコン設置空間25の後部に位置しているため、通風時の風切音や、詳細は後述する第1電動ファン281及び第2電動ファン282の作動音を使用者に聞こえづらくすることができる。
【0061】
パソコン本体部4aが、右支持部材20e、左支持部材20f及び中央支持部材20gによって下方から支持されることで、パソコン本体部4aと設置板20との間に空気が流入出する空間が形成されるから、上記空間においても上記隙間と同様に、空気とパソコン本体部4aとの間で熱交換が行われてパソコン4a本体部の熱がパソコン外に放出されやすくなる。
【0062】
右隙間保持部材271及び左隙間保持部材27によってディスプレイ部4bが係止されたノートパソコン4をパソコン設置台2ごと周辺機器設置台3に収納しても、ノートパソコン4のパソコン本体部4aとディスプレイ部4bとの間に形成された隙間は、前板23に形成された切欠部23aを通じて外気に晒される。上記隙間から放出された暖かい空気は、切欠部23aやパソコン設置台2の背部からパソコン設置空間25の外側に放出される。
【0063】
また、閉じられたディスプレイ部4bを開くとき、切欠部23aから手を入れることで、前板23と手が干渉することなくディスプレイ部4bを開くことができる。
【0064】
(パソコン設置台の電装品)
パソコン設置台2には、パソコン設置空間25内に空気の流れを発生させ、パソコン本体部4aからパソコン設置空間25内に放出された熱をパソコン設置空間25の外部に逃がしやすくするために、第1電動ファン281と第2電動ファン282とが設けられている。
【0065】
設置板20の下面には、第1電動ファン281が右通風孔20cを覆うように設けられ、第2電動ファン282が左通風孔20dを覆うように設けられている。
【0066】
第1電動ファン281は、第1電動モータ281aと、第1電動モータ281aによって回転駆動される羽根281bと、第1電動モータ281aを支持するフレーム281cとを備えている。
【0067】
第2電動ファン282は、第1電動モータ282aと、第1電動モータ282aによって回転駆動される羽根282bと、第1電動モータ282aを支持するフレーム282cとを備えている。
【0068】
第1電動ファン281は、フレーム281cをねじ止めすることによって設置板20の下面に固定され、第2電動ファン282は、フレーム282cをねじ止めすることによって設置板20の下面に固定されている。
【0069】
第1電動ファン281及び第2電動ファン282を設置板20の下面に固定することで、設置板20の上面に設置されたノートパソコン4のパソコン本体部4aと、第1電動ファン281及び第2電動ファン282との間の距離を確保し、羽根281b及び羽根282bの後方の流れをパソコン本体部4aが妨げづらくすることで、第1電動ファン281及び第2電動ファン282と、パソコン本体部4aとの間の通風抵抗を減らすことができる。
【0070】
第1電動ファン281及び第2電動ファン282は、空隙部26内の空気をパソコン設置空間25に設置されたノートパソコン4に向かって送り出すことができる。第1電動ファン281及び第2電動ファン282によってノートパソコン4の周囲に空気の流れを発生させることで、パソコン本体部4aとディスプレイ部4bとの間の隙間や、パソコン本体部4aと設置板20との間の空間から熱が放出されやすくなる。
【0071】
設置板20の上面右端部には、PC検出センサ29が設けられている。PC検出センサ29は、パソコン設置空間25へのノートパソコン4の設置の有無を検出する。PC検出センサ29としては、例えば、近接センサなど各種センサを用いることができる。
【0072】
(周辺機器設置台の構成)
図7~
図10に示すように、周辺機器設置台3は、矩形平板である天板30と、天板30の左右方向両端部から下方に向かって延び、天板30を支持する一対の側板31と、天板30の下面から下方に向かって延び、天板30の下側の空間を仕切る仕切板32とを備えている。
【0073】
天板30の上面は、ディスプレイ5を載置するのに十分な広さを有している。一対の側板31は、同じ大きさの矩形平板で、互いに平行になるように天板30に取付けられている。仕切板32は、側板31と平行になるように天板30に取付けられている。
【0074】
左側の側板31と仕切板32との間には、パソコン設置台2を収納することができるように間隔があけられている。左側の側板31の下端部と仕切板32の下端部には、それぞれ、前後方向に延びる支持レール33が互いに対向するように設けられている。周辺機器設置台3に収納されたパソコン設置台2は、支持レール33に支持され、周辺機器設置台3を持ち上げても、パソコン設置台2は落下しない。
【0075】
右側の側板31と仕切板32との間には箱形の制御装置34が設けられている。制御装置34は、パソコンデスク1の電気的制御を行う装置である。制御装置34の前面には、制御装置34の操作に用いられるプッシュスイッチ34aと、周辺機器の充電に用いられるUSBコネクタ34bとが設けられている。
【0076】
制御装置34の背面には、家庭用電源から制御装置34に電力を供給するための入力用電源コネクタ34cと、制御装置34からノートパソコン4やディスプレイ5に電力を供給するための出力用電源コネクタ34dとが設けられている。
【0077】
また、図示はしないが、制御装置34には、ノートパソコン4のUSBポートに接続することでノートパソコン4の電源状態を検出するUSBケーブルが設けられている。
【0078】
制御装置34は、パソコン設置台2に設けられた第1電動ファン281、第2電動ファン282及びPC検出センサ29と電気的に接続されている。
【0079】
制御装置34の下方には、右側の側板31の下端部と仕切板32の下端部とを繋ぐように底板35が設けられている。制御装置34の下面と、底板35との間には付属品収納スペースが形成されている。
【0080】
天板30、側板31、仕切板32の後端部には、半円形の溝部30a,31a,32aが形成されており、周辺機器設置台3の後部を部屋の壁に密着させても、ノートパソコン4や周辺機器のケーブルを通すことができるようになっている。
【0081】
天板30の下面には、周辺機器設置台3に収納されたパソコン設置台2のパソコン設置空間25上方に位置するように温度センサ36が設けられている。温度センサ36は、周辺機器設置台3にパソコン設置台2を収納すると、パソコン設置空間25内の温度を検出することができる。温度センサ36は、周辺機器設置台3からパソコン設置台2を引き出すと、使用環境温度を検出することができる。温度センサ36としては、例えば、半導体センサなど各種センサを用いることができる。
【0082】
仕切板32の左側面には、パソコン設置台2の周辺機器設置台3への出し入れを検出する設置台検出センサ37が設けられている。設置台検出センサ37としては、例えば、近接センサなど各種センサを用いることができる。温度センサ36及び設置台検出センサ37は、制御装置34と電気的に接続されている。
【0083】
(電動ファンの制御構成)
第1電動ファン281及び第2電動ファン282は、制御装置34によって制御される。制御装置34による制御を行うことで、パソコン設置台2が周辺機器設置台3に収納されているときは、ノートパソコン4の周囲温度に基づいて第1電動ファン281及び第2電動ファン282が駆動され、パソコン設置台2が周辺機器設置台3から取り出されているときは、使用環境温度に基づいて第1電動ファン281及び第2電動ファン282が駆動される。
【0084】
図11のブロック図に示すように、制御装置34の内部は、実行する処理の選択を行う実行処理選択部C1と、実行処理選択部で選択された処理を実行する処理実行部C2と、動作モード設定が記憶される記憶部C3と、各センサの検出信号を受け付ける信号受付部C4とを備えている。
【0085】
実行処理選択部C1は、信号受付部C4で受け付けたプッシュスイッチ34aの操作信号及び記憶部C3に記憶された動作モード設定に基づいて実行する処理の選択を行う。
【0086】
処理実行部C2は、実行処理選択部C1で選択された処理を信号受付部C4からの信号に基づいて実行することで第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aの制御を行う。
【0087】
信号受付部C4は、温度センサ36の検出信号、設置台検出センサ37の検出信号、PC検出センサ29の検出信号、ノートパソコン4からの電源信号、プッシュスイッチ34aの操作信号を受け付ける。なお、これら信号は、制御装置34の動作中、信号受付部C4で常時受信されている。
【0088】
以下、フローチャートを用いて実行処理選択部C1及び処理実行部C2が行う制御の詳細を説明する。
【0089】
(実行処理選択部の制御)
実行処理選択部C1が行う実行処理選択について、
図12に示すフローチャートに従って説明する。この制御フローは、入力用電源コネクタ34cに電源が接続されると制御装置34の電源がONになりスタートする。
【0090】
先ず、ステップS1で、動作モード設定操作がされているか否かを判定する。動作モード設定操作は、使用者によるプッシュスイッチ34aの長押しである。ここで、長押しは、プッシュスイッチ34aを指で所定時間(例えば、4秒間。)押し続ける操作である。動作モード設定操作がされていれば、ステップS2に移行する。動作モード設定操作がされていなければステップS4に移行する。
【0091】
動作モード設定操作後のステップS2では、使用者は、プッシュスイッチ34aを操作して、オートモード1、オートモード2及びマニュアルモードの中からいずれか一つの動作モードを選択する。オートモード1は、ノートパソコン4の電源状態と、温度センサ36の検出結果と、設置台検出センサ37の検出結果と、PC検出センサ29の検出結果とを判断条件として第1電動ファン281及び第2電動ファン282を自動制御するモードである。オートモード2は、ノートパソコン4の電源状態を判断条件に入れずに、温度センサ36の検出結果と、設置台検出センサ37の検出結果と、PC検出センサ29の検出結果とを判断条件として電動ファン241,242を自動制御するモードである。マニュアルモードは、プッシュスイッチ34aを押すことで第1電動ファン281及び第2電動ファン282を回転もしくは停止させることができるモードである。
【0092】
ステップS2に続くステップS3では、使用者は、プッシュスイッチ34aの長押しによって、ステップS2で選択した動作モードを記憶部C3に記憶させることができる。なお、工場出荷時の記憶部C3には、オートモード1が記憶されている。
【0093】
ステップS4では、記憶部C3に保存されている動作モード設定の読み出しを行う。
【0094】
ステップS5では、ステップS4での動作モード読み出し結果に基づいて、動作モードがオートモード1、オートモード2及びマニュアルモードのいずれかであるか判定を行う。
【0095】
処理実行部C2では、ステップS5で判定された処理が実行される。以下、ステップS5でオートモード1処理と判定されたものとして説明を続ける。
【0096】
(オートモード1処理)
処理実行部C2にて実行されるオートモード1処理について、
図13A及び
図13Bに示すフローチャートに従って説明する。
【0097】
先ず、ステップS7で、信号受付部C4で受け付けたPC設置センサ29の検出結果に基づいてノートパソコン4がパソコン設置空間25に設置されているか否かを判定する。設置されていれば、ステップS7に移行する。設置されていなければ、オートモード1処理のスタートまでリターンする。
【0098】
ステップS7では、信号受付部C4で受け付けた設置台検出センサ37の検出結果に基づいて、パソコン設置台2が周辺機器設置台3に収納されているか否かを判定をする。収納されていれば、ステップS8に移行する。収納されていなければ、ステップS19に移行する。以下、パソコン設置台2収納時とパソコン設置台2取出時に分けて、それぞれの制御を説明する。
【0099】
(設置台収納時の制御)
設置台収納時の制御フローを
図13Aに示す。パソコン設置台2が周辺機器設置台3に収納されているとき、パソコン設置空間25内の温度は、パソコン設置台2に設置されたノートパソコン4の温度に大きく影響される。そのため、温度センサ36の検出温度は、ノートパソコン4の周囲温度とみなすことができる。すなわち、パソコン設置台2収納時はノートパソコン4の周囲温度に応じて第1電動ファン281及び第2電動ファン282を制御する。
【0100】
先ず、ステップS8では、信号受付部C4で受け付けた温度センサ36の検出温度が、予め設定された停止温度T1以下であるか否かを判定する。
【0101】
停止温度T1は、例えば、35℃に設定されるが、使用環境に応じて適宜変更してもよい。停止温度T1以下であれば、ステップS9に移行する。停止温度T1以下でなければ、ステップS13に移行する。
【0102】
ステップS9では、第1電動ファン281及び第2電動ファン282を停止状態とするために、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aに加える電圧のデューティ比を0に設定する。
【0103】
ステップ9に続くステップS10では、例えば、温度センサ36の周囲温度が停止温度T1付近で変動を繰り返したとき、制御の乱調が発生することを防止するため、温度が上昇しながら停止温度T1を上回るときは、停止温度T1を例えば35℃とし、温度が下降しながら停止温度T1を下回るときは、停止温度T1を例えば33℃として、温度上昇時と温度下降時で停止温度T1を2℃変えるヒステリシス処理を行う。
【0104】
ステップS13では、信号受付部C4で受け付けた温度センサ36の検出温度が、予め設定された制御温度T2以下であるか否かを判定する。
【0105】
制御温度T2は、停止温度T1より高い温度に設定され、例えば45℃に設定されるが、使用環境に応じて適宜変更してもよい。制御温度T2以下であれば、ステップS14に移行する。制御温度T2以下でなければ、ステップS17に移行する。
【0106】
ステップS14では、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aに加える電圧のデューティ比を温度センサ36の検出温度に比例して高くなるように設定する。なお、温度センサ36の検出温度と電圧のデューティ比との関係は、非線形の関係であってもよい。
【0107】
ステップS14に続くステップS15では、制御の乱調を防止するため、温度が上昇しながら制御温度T2を上回るときは、制御温度T2を例えば45℃とし、温度が下降しながら制御温度T2を下回るときは、制御温度T2を例えば43℃として、温度上昇時と温度下降時で制御温度T2を2℃変えるヒステリシス処理を行う。
【0108】
ステップS17では、第1電動ファン281及び第2電動ファン282を最高回転数とするために、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aに加える電圧のデューティ比を1に設定する。なお、信号受付部C4で受け付けた温度センサ36の検出温度が50℃を超えたときには、電動モータ241a,242aに加える電圧のデューティ比を1に設定すると共に、異常高温と判定して、制御装置34の前面に設けられたランプ(図示せず。)の点灯によって使用者に警告を行う。
【0109】
ステップS17に続くステップS18では、ステップS15と同様のヒステリシス処理を行う。
【0110】
ステップS10、ステップS15及びステップS18に続くステップS11では、プッシュスイッチ34aの状態が短押しであるか否かを判定する。ここで、短押しは、プッシュスイッチ34aを指で押して素早く離す操作である。短押しでなければ、ステップS12のファン駆動処理に移行する。短押しであれば、ステップS16の強制動作処理に移行する。
【0111】
ステップS12のファン駆動処理では、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aに対してステップS9、ステップS14及びステップS17のいずれか一つで設定されたデューティ比の電圧を出力する。
【0112】
ステップS16の強制動作処理では、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aが回転中であれば第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aを強制的に停止させ、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aが停止中であれば第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aを強制的に回転させる。また、強制動作処理中に再度プッシュスイッチ34aを短押しすると、強制動作処理を終了する。すなわち、オートモード1処理による動作中であっても使用者はプッシュスイッチ34aの短押しによって第1電動ファン281及び第2電動ファン282を強制的に回転もしくは停止させることができる。
【0113】
ステップS12もしくはステップS16の実行後は、オートモード1処理のスタートまでリターンする。
【0114】
(設置台取出時の制御)
設置台取出時の制御フローを
図13Bに示す。パソコン設置台2が周辺機器設置台3から取り出されているとき、温度センサ36の検出温度は、使用環境温度とみなすことができる。すなわち、パソコン設置台2取出時は、使用環境温度に応じて第1電動ファン281及び第2電動ファン282を制御する。
【0115】
先ず、ステップS19では、90秒程度、制御処理を停止する遅延処理を行う。こうすることで、パソコン設置台2を取り出してノートパソコン4の電源を入れ、パソコン設置台2を周辺機器設置台3に収納するまでの間に、不必要に第1電動ファン281及び第2電動ファン282が回転することを防止することができる。
【0116】
ステップS19に続くステップS20では、信号受付部C4で受け付けたノートパソコン4の電源がONからOFFへ移行したか否かを判定する。
【0117】
ノートパソコン4の電源がONからOFFへ移行したならば、ステップS29のアフタークーリング処理に移行する。ノートパソコン4の電源がONからOFFへ移行していなければ、ステップS21に移行する。
【0118】
ステップS29では、第1電動モータ281a及び第2電動モータを約5分間、所定の回転数で駆動させることで電源OFF後のノートパソコン4の余熱を放出させやすくするアフタークーリング処理を行う。
【0119】
ステップS21では、信号受付部C4で受け付けた温度センサ36の検出温度が、予め設定された停止温度T3以下であるか否かを判定する。
【0120】
停止温度T3は、設置台収納時の停止温度T1よりも低く、例えば、28℃に設定されるが、使用環境に応じて適宜変更してもよい。停止温度T3以下であれば、ステップS22に移行する。停止温度T3以下でなければ、ステップS24に移行する。
【0121】
ステップS22では、第1電動ファン281及び第2電動ファン282を停止状態とするために、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aに加える電圧のデューティ比を0に設定する。
【0122】
ステップS22に続くステップS23では、制御の乱調を防止するため、温度が上昇しながら停止温度T3を上回るときは、停止温度T3を例えば28℃とし、温度が下降しながら停止温度T3を下回るときは、停止温度T3を例えば26℃として、温度上昇時と温度下降時で停止温度T3を2℃変えるヒステリシス処理を行う。
【0123】
ステップS24では、信号受付部C4で受け付けた温度センサ36の検出温度が、予め設定された制御温度T4以下であるか否かを判定する。
【0124】
制御温度T4は、停止温度T3より高い温度に設定され、例えば35℃に設定されるが、使用環境に応じて適宜変更してもよい。制御温度T4以下であれば、ステップS25に移行する。制御温度T4以下でなければ、ステップS27に移行する。
【0125】
ステップS25では、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aに加える電圧のデューティ比を温度センサ36の検出温度に比例して高くなるように設定する。なお、温度センサ36の検出温度と電圧のデューティ比との関係は、非線形の関係であってもよい。また、温度センサ36の検出温度と電圧のデューティ比との関係は、設置台収納時のステップS14のものと異なっていてもよい。
【0126】
ステップS25に続くステップS26では、制御の乱調を防止するため、温度が上昇しながら制御温度T4を上回るときは、制御温度T4を例えば35℃とし、温度が下降しながら制御温度T4を下回るときは、制御温度T4を例えば33℃として、温度上昇時と温度下降時で制御温度T4を2℃変えるヒステリシス処理を行う。
【0127】
ステップS27では、第1電動ファン281及び第2電動ファン282を最高回転数とするために、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aに加える電圧のデューティ比を1に設定する。
【0128】
ステップS27に続くステップS28では、ステップS26と同様のヒステリシス処理を行う。
【0129】
ステップS12のファン駆動処理では、第1電動モータ281a及び第2電動モータ282aに対してステップS22、ステップS25及びステップS27のいずれか一つで設定されたデューティ比の電圧を出力する。
【0130】
(オートモード2処理)
オートモード2処理の制御フローは、
図13A及び
図13Bに示すオートモード1の制御フローと同様である。ただし、ステップS20でノートパソコン4の電源がONからOFFに移行したか否かの判定を行わず、ステップS19からステップS21に直接移行し、ステップS29のアフタークーリング処理は行われない点がオートモード1処理と異なっている。
【0131】
(電動ファンの制御による作用効果)
以上の制御によると、パソコン設置台2の収納状態に応じて、制御フローや制御パラメータを切り替えて第1電動ファン281及び第2電動ファン282の制御を行うため、電動ファンの騒音や消費電力を最小限としながら、パソコン4本体部4aの熱をパソコン外部に放出することができる。
【0132】
また、アフタークーリング処理によって、ノートパソコン4の電源OFF後の過熱を防止することができ、ノートパソコン4の故障を予防することができる。
【0133】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、右隙間保持部材271を設置板20上面の右ガイドレール21aに、左隙間保持部材272を設置板20上面の左ガイドレール21bにそれぞれ設けているが、
図14及び
図15に示すように前板23の後面からパソコン設置空間25へ向けて突出するように設けてもよい。なお、
図14及び
図15では、右隙間保持部材271の状態をわかりやすくするために、側板22の記載を省略している。
【0134】
この実施形態では、開かれたノートパソコン4をパソコン設置空間25に設置し、パソコン本体部4aの上面と、右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272の下面部271d,272dとが対向するようにノートパソコン4を移動させ、ディスプレイ部4bをパソコン本体部4aに向かって閉じると、ディスプレイ部4bの表示面側が右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272によって係止される。
【0135】
右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272の被支持部271a,272aを、前板23の後面に設けることで、設置板20から上方に向かって延びる形状と比較して被支持部271a,272aを強固かつ単純な形状をすることができる。
【0136】
なお、被支持部271a,272aは、前板23の後面と設置板20の上面とで支持されるような形状であってもよい。こうすることで、被支持部271a,272aのパソコン設置台2への取付強度を高めることができる。さらに、左右方向にスライドできるように被支持部271a,272を前板23の後面と設置板20の上面とで支持してもよい。こうすることで、ノートパソコン4の幅やパソコン設置空間25への左右方向の設置位置が変化しても右隙間保持部材271及び左隙間保持部材272によるディスプレイ部4bの係止を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明は、ノートパソコンを閉じた状態で使用してもパソコン本体部から放出される熱をパソコン外部に逃がしやすくすることができるからパソコン設置台として極めて有用である。
【符号の説明】
【0138】
2 パソコン設置台
20 設置板
20a 右ガイドレール
20b 左ガイドレール
20c 右通風孔
20d 左通風孔
20e 右支持部材
20f 左支持部材
20g 中央支持部材
21 底板
22 側板
23 前板
23a 切欠部
24 後板
25 パソコン設置空間
26 空隙部
271 右隙間保持部材
271a 被支持部
271b 係止部
271c 上面部
271d 下面部
272 左隙間保持部材
272a 被支持部
272b 係止部
272c 上面部
272d 下面部
4 ノートパソコン
4a パソコン本体部
4b ディスプレイ部
4c ヒンジ部