(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117354
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230816BHJP
F21V 7/06 20060101ALI20230816BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20230816BHJP
E01F 9/615 20160101ALI20230816BHJP
F21W 111/02 20060101ALN20230816BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230816BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21V7/06 100
F21V5/04 600
F21V5/04 450
E01F9/615
F21W111:02
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115953
(22)【出願日】2022-07-20
(62)【分割の表示】P 2022019135の分割
【原出願日】2022-02-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】520105164
【氏名又は名称】山崎 明美
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貴志
【テーマコード(参考)】
2D064
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064BA01
2D064EB05
2D064EB36
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ライン状の照射範囲に照射するのに好適な、LED照明装置を提供する。
【解決手段】LED光源2と放物面鏡3とシリンドリカル凹レンズ6とを備えるLED照明装置1であって、LED光源2の照射軸方向を、本LED照明装置1の照射軸方向に対して略同軸反対方向とし、LED光源2の照射軸方向に配置する1枚の放物面鏡3での反射により、LED光源2からの発生光を本LED照明装置照射軸方向への略平行光とし、この略平行光をシリンドリカル凹レンズ6での屈折により照射範囲7を1軸方向にのみ拡大することで、ライン状の照射範囲7に照射することを特徴とする、LED照明装置1とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光源と放物面鏡とシリンドリカル凹レンズとを備えるLED照明装置であって、LED光源の照射軸方向を、本LED照明装置の照射軸方向に対して略同軸反対方向とし、LED光源の照射軸方向に配置する1枚の放物面鏡での反射により、LED光源からの発生光を本LED照明装置照射軸方向への略平行光とし、この略平行光をシリンドリカル凹レンズでの屈折により照射範囲を1軸方向にのみ拡大することで、ライン状の照射範囲に照射することを特徴とする、LED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED光源からの発生光を効率よく利用することができ、特定範囲への照射を行いやすく、透明カバーやカバーレンズへの着雪や凍結対策を行いやすい、LED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光パワーの強いLEDの多くは指向角が大きいため、スポットライトのように特定範囲への照射を行う照明装置にこのようなLEDを使用するときには、レンズや反射鏡を用いて、照射角の調整を行っている。
また、照明装置を寒冷時に使用する場合、透明カバーやカバーレンズへの着雪や凍結の問題が発生する。一般的に、LEDを利用した照明装置は発熱が少ないため、着雪や凍結への対策には、照明装置にヒーター等を取り付けることが行われている。
【0003】
特定範囲に照射を行うことができる照明装置として、特許文献1に示す照明装置が開示されており、ここではレンズを用いた屈折により照射角の調整を行っている。
また、特許文献2に開示されている照明装置では、反射鏡を用いた1~2回の反射により照射角の調整を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-245803号公報
【特許文献2】特開2013-196868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
指向角の大きいLED光源からの発生光の多くの部分を、照明装置の照射角範囲に光線軌跡を変換することで、LED光源からの発生光を効率よく照射することができる。
特許文献1に示す照明装置では、LED光源からの発生光をレンズ屈折により光線軌跡変換を行っているが、レンズが平面状であるため、指向角の大きいLED光源の場合には、LED光源からの全発生光の内の光軸付近の光に対してしか光線軌跡変換を行えない。
特許文献2に示す照明装置では、LED光源からの発生光を2枚の反射鏡の反射により光線軌跡変換を行っているが、照明装置からの照射光は、反射鏡による反射回数が1回の反射光と2回の反射光が混在して光線軌跡が散乱しているため、特定範囲に照射するための制御が困難である。
【0006】
また、照明装置を寒冷時に使用する場合、透明カバーやカバーレンズへの着雪や凍結の問題が発生する。一般的に、LEDを利用した照明装置は発熱が少ないため、着雪や凍結への対策には、照明装置にヒーター等を取り付けることが行われている。
【0007】
本発明は、LED光源からの全発生光の内の多くの部分に対しての光線軌跡変換を、1枚の反射鏡のみで行う、シンプルな構造のLED照明装置であって、特定範囲への照射を行いやすく、別途にヒーター等を設けることなく、透明カバーまたはカバーレンズへの着雪や凍結への対策が行うことができる、LED照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
LED光源2の照射軸方向を、照明装置の照射軸方向に対して、略同軸反対方向とし、LED光源2の照射軸方向に配置する1枚の反射鏡3による反射により、LED光源2からの発生光を照明装置照射軸方向へ照射することを特徴とする、LED照明装置1とする。
また、LED光源2からの発熱を放熱するための放熱用金属部品4を、照明装置の透明カバー5またはカバーレンズ6に、接触または近接させることで、透明カバー5またはカバーレンズ6を加熱できることを特徴とする、LED照明装置1とする。
【発明の効果】
【0009】
本LED照明装置1において、LED光源2を取り囲むように反射鏡3を配置、例えば、
図1や
図3のように放物面鏡の焦点位置にLED光源2を配置、することで、LED光源2からの発生光の多くの部分を本照明装置1の照射光として利用できるため、効率的な照射を行うことができる。この際、LED光源2からの発生光の多くの部分を、1枚の反射鏡3で光線軌跡変換を行っており、反射鏡3を経由しないで透明カバー5またはカバーレンズ6に届く光線がほとんどないため、光線軌跡の散乱がなく特定範囲への照射を行いやすい。
【0010】
一般的に、LEDは発光パワーの大きいものでは発熱が大きく、この発熱を放熱するために、LEDの発光面の反対側に金属部品を設けることが多い。本LED照明装置1では、この放熱用金属部品4を、透明カバー5またはカバーレンズ6に、接触または近接させることで、別途にヒーター等を設けることなく、透明カバー5またはカバーレンズ6を加熱することができる。
また、多くのLED照明装置は電源周波数に応じて点灯と消灯を繰り返す点滅をしていることや、LEDの発熱量は点灯時間に比例することから、LEDからの発熱量は、LEDの点滅における点灯時間と消灯時間の比率を変化させることで制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】実施例4の部分カットモデルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
LED光源2の照射軸方向を、照明装置の照射軸方向に対して、略同軸反対方向とし、LED光源2の照射軸方向に配置する1枚の反射鏡3による反射により、LED光源2からの発生光を照明装置照射軸方向へ照射することを特徴とする、LED照明装置1とする。
また、LED光源2からの発熱を放熱するための放熱用金属部品4を、照明装置の透明カバー5またはカバーレンズ6に、接触または近接させることで、透明カバー5またはカバーレンズ6を加熱できることを特徴とする、LED照明装置1とする。
【0013】
図1に、本LED照明装置1の実施例1を示すが、本LED照明装置1の形状や各構成部品の形状・配置等を限定するものではない。透明カバー5は、本LED照明装置1の内部保護を目的に設置されるものであり、顕著な光線軌跡変換を加えるものではないカバーを想定するが、顕著な光線軌跡変換を加えるカバーレンズとすることを排除するものではない。
【0014】
図2に、LED光源2の放熱用金属部品4を透明カバー5に接触させた、本LED照明装置1の実施例2を示すが、放熱用金属部品4の形状や、本LED照明装置1の形状・構成等を限定するものではない。
また、多くのLED照明装置は電源周波数に応じて点灯と消灯を繰り返す点滅をしていることや、LEDの発熱量は点灯時間に比例することから、LEDからの発熱量は、LEDの点滅における点灯時間と消灯時間の比率を変化させることで制御することができる。
【0015】
図3に、ライン状の照射範囲7に照射を行うようにした、本LED照明装置1の実施例3を示す。
図3では、後記放物面鏡の焦点位置に配置したLED光源2からの発生光の略全部について、放物面鏡とした反射鏡3により光線軌跡変換を行っており、反射鏡3を経由しないでカバーレンズ6に届く光線がほとんどないため、カバーレンズ6には略平行光線が入力し、シリンドリカル凹レンズとしたカバーレンズ6により、照射範囲は1軸方向にのみ拡大され、ライン状の照射範囲7となる。
なお、
図3では、形状が一般的で形状設計が容易な、放物面鏡とした反射鏡3とシリンドリカル凹レンズとしたカバーレンズ6を用いて、ライン状の照射範囲7に照射を行っているが、反射鏡3の形状設計により、カバーレンズ6を用いないでもライン状の照射範囲7に照射を行うことができる。
【0016】
図3では、カバーレンズ6には略平行光線が入力しているので、カバーレンズ6の代わりに、
図4のように各種図形穴の開いた板8と透明カバー5とすることで、前記各種図形穴の形状の照射範囲7に照射することができる。また、LED光源2を前記焦点位置から変化させることで、前記各種図形穴の照射範囲7を、形状をある程度保ったままで拡大することができる。
なお、
図4において、図形穴の開いた板8を撤去すれば、透明カバー5の形状、すなわち矩形形状の照射範囲に照射できることは明らかである。
【0017】
本LED照明装置1には、特定範囲への照射を行いやすい特徴や、透明カバー5またはカバーレンズ6への着雪・凍結対策を行いやすい特徴があることから、本LED照明装置1は交通信号機への適用性が高い。前者の特徴は、近接する道路へ異なった信号標示を行いたい場合に有用な特徴であり、後者の特徴は、積雪寒冷地に設置される交通信号機に有用な特徴である。
【0018】
本LED照明装置1のLED光源2は、1個の反射鏡3に対して1個のLEDに限定するものではなく、1個の反射鏡3に対して複数個のLEDの集合体からなるLED光源2とすることも考えられる。
例えば、複数個のLEDが1列に配置されたLED光源2を用いることで、幅の広い照射範囲とすることができる。
また、前記交通信号機のように高い信頼性を必要とするものには、複数個のLEDの集合体からなるLED光源2として、冗長化を図ることが信頼性向上に有効である。
【符号の説明】
【0019】
1 LED照明装置
2 LED光源
3 反射鏡
4 放熱用金属部品
5 透明カバー
6 カバーレンズ
7 照射範囲
8 図形穴の開いた板
【手続補正書】
【提出日】2022-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
LED光源と放物面鏡とシリンドリカル凹レンズとを備えるLED照明装置であって、LED光源の照射軸方向を、本LED照明装置の照射軸方向に対して略同軸反対方向とし、LED光源の照射軸方向に配置する1枚の放物面鏡での反射により、LED光源からの発生光を本LED照明装置照射軸方向への略平行光とし、この略平行光をシリンドリカル凹レンズでの屈折により照射範囲を1軸方向にのみ拡大することで、ライン状の照射範囲に照射することを特徴とし、LED光源は放熱用金属部品により本LED照明装置内に固定され、放熱用金属部品はシリンドリカル凹レンズを貫通せず、放熱用金属部品は放物面鏡に接触しないことを特徴とする、LED照明装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
LED光源と放物面鏡とシリンドリカル凹レンズとを備えるLED照明装置であって、LED光源の照射軸方向を、本LED照明装置の照射軸方向に対して略同軸反対方向とし、LED光源の照射軸方向に配置する1枚の放物面鏡での反射により、LED光源からの発生光を本LED照明装置照射軸方向への略平行光とし、この略平行光をシリンドリカル凹レンズでの屈折により照射範囲を1軸方向にのみ拡大することで、ライン状の照射範囲に照射することを特徴とし、LED光源は放熱用金属部品により本LED照明装置内に固定され、放熱用金属部品はシリンドリカル凹レンズの光線通過主要領域の内側表面に貫通せずに略接触し、放熱用金属部品は放物面鏡に接触しないことを特徴とする、LED照明装置。