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特開2023-117392視聴情報処理装置及び視聴情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117392
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】視聴情報処理装置及び視聴情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/254 20110101AFI20230816BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20230816BHJP
   H04N 17/00 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
H04N21/254
H04N21/258
H04N17/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017167
(22)【出願日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2022019653
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591101434
【氏名又は名称】株式会社ビデオリサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】長島 英樹
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 惇一
【テーマコード(参考)】
5C061
5C164
【Fターム(参考)】
5C061BB06
5C164SC11P
5C164SC31P
5C164YA10
(57)【要約】
【課題】テレビデバイスの視聴ログ情報から該テレビデバイスの視聴者の属性構成として、異常な属性構成が推定された場合に、その異常な属性構成を適切に補正することができる視聴情報処理装置を提供する。
【解決手段】視聴情報処理装置1は、テレビデバイス23から出力された視聴ログ情報から、テレビデバイス23の視聴者の属性構成を推定する属性構成推定部12を備えると共に、推定された属性構成が所定の異常属性構成である場合に該属性構成を補正する属性構成補正部13を備える。属性構成補正部13は、属性構成推定部12で特定された属性別存在確率に応じて属性構成を補正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送の受信機と、どのチャンネル又は放送局系列のテレビ放送が何時、該受信機を介して視聴されたかを示す視聴ログ情報を出力可能な視聴データ出力装置とを備えるテレビデバイスから出力された視聴ログ情報を取得する視聴ログ情報取得部と、
該視聴ログ情報取得部で取得された視聴ログ情報から、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を推定する属性構成推定部とを備える視聴情報処理装置であって、
前記属性構成推定部は、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を推定するとき、属性の種類毎に、該属性の視聴者が存在する確率である属性別存在確率を特定し得るように構成し、該属性別存在確率に基づいて決定される所定の属性を該テレビデバイスの視聴者の構成要員の属性として推定するように構成されており、
前記属性構成推定部により推定された属性構成があらかじめ定められた所定の異常属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、該テレビデバイスの視聴者の属性別存在確率に応じて、前記異常属性構成から補正して決定する属性構成補正部を備えることを特徴とする視聴情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の視聴情報処理装置において、
前記属性構成推定部は、前記属性別存在確率の値の合計値を算出し、該合計値に基づく所定人数を該属性別存在確率の値の高いほうから選定し、該テレビデバイスの視聴者の構成要員の属性として推定するように構成されていることを特徴とする視聴情報処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の視聴情報処理装置において、
前記属性構成推定部は、前記属性別存在確率の値が所定の閾値以上である属性を、該テレビデバイスの視聴者の構成要員の属性として推定するように構成されていることを特徴とする視聴情報処理装置。
【請求項4】
請求項1記載の視聴情報処理装置において、
前記所定の異常属性構成は、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成が、第1の所定年齢以下の子供という属性である子供属性だけから成るという第1属性構成を含み、
前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第1属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、前記子供属性と、該子供属性以外で第2の所定年齢以上であるという条件を満たす属性のうち、前記属性構成推定部により特定された前記属性別存在確率の値が最も高い属性である属性Aとを含む属性構成に補正することを特徴とする視聴情報処理装置。
【請求項5】
請求項4記載の視聴情報処理装置において、
前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第1属性構成であるとき、前記子供属性と、前記第2の所定年齢以上であるという条件を満たす属性とを除く属性のうち、前記属性構成推定部により特定された属性別存在確率の値が、前記属性Aに関する属性別存在確率の値であるPaと同じ値であるか、又は該Paよりも高い値である属性が存在する場合、当該存在する属性をさらに含むように、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を補正するように構成されていることを特徴とする視聴情報処理装置。
【請求項6】
請求項1記載の視聴情報処理装置において、
前記所定の異常属性構成は、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成に含まれる属性の種類数がゼロであるという第2属性構成を含み、
前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第2属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、第3の所定年齢以上であるという条件を満たす属性のうち、前記属性構成推定部により特定された前記属性別存在確率の値が最も高い属性である属性Bを含む属性構成に補正することを特徴とする視聴情報処理装置。
【請求項7】
請求項6記載の視聴情報処理装置において、
前記第3の所定年齢以上であるという条件を満たす属性は、第1の所定年齢以下の子供という属性である子供属性以外の属性であり、
前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第2属性構成であるとき、前記子供属性に関して前記属性構成推定部により特定された属性別存在確率の値が、前記属性Bに関して特定された属性別存在確率の値であるPbと同じ値であるか、又は該Pbよりも高い値であり、且つ、前記属性Bが前記第3の所定年齢よりも高い第4の所定年齢以上の属性である場合に、前記子供属性をさらに含むように、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を補正するように構成されていることを特徴とする視聴情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の視聴情報処理装置において、
前記所定の異常属性構成は、前記テレビデバイスの視聴者の属性の種類数が所定数以上であるという第3属性構成を含み、
前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第3属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、該第3属性構成に含まれる属性のうち、前記属性構成推定部により特定された前記属性別存在確率の値が最も低い属性を少なくとも含む一つ以上の属性を削除した属性構成に補正することを特徴とする視聴情報処理装置。
【請求項9】
テレビ放送の受信機と、どのチャンネル又は放送局系列のテレビ放送が何時、該受信機を介して視聴されたかを示す視聴ログ情報を出力可能な視聴データ出力装置とを備えるテレビデバイスから出力された視聴ログ情報を取得する第1ステップと、
該第1ステップで取得された視聴ログ情報から、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を推定する第2ステップとを備える視聴情報処理方法であって、
前記第2ステップは、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を推定するとき、属性の種類毎に、該属性の視聴者が存在する確率である属性別存在確率を特定し、当該特定した該属性別存在確率に基づいて決定される所定の属性を、該テレビデバイスの視聴者の構成要員の属性として推定するステップであり、
該第2ステップで推定された属性構成があらかじめ定められた所定の異常属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、該テレビデバイスの視聴者の属性別存在確率に応じて、前記異常属性構成から補正して決定する第3ステップをさらに備えることを特徴とする視聴情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビデバイス毎に得られる視聴ログ情報から、視聴者の属性構成を推定す機能を有する視聴情報処理装置及び視聴情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、どのチャンネルのテレビ放送が何時視聴されたかを示す視聴ログ情報を含む視聴データを、インターネット等の外部ネットワークを介してテレビのメーカ等に送信する機能を備えたテレビデバイスが普及してきている。なお、本明細書では、テレビ放送を受信して視聴し得ると共に、上記のように視聴ログ情報を送信する機能を有するデバイスをテレビデバイスと称する。
【0003】
そして、例えば特許文献1に見られるように、各テレビデバイスから得られる視聴ログ情報から、該テレビデバイスの視聴者(詳しくは、該テレビデバイスを介して受信されるテレビ放送を視聴し得る一人以上の視聴者)の属性構成を、あらかじめ学習処理が施されたモデル(数理モデル)を用いて推定する技術が本願出願により提案されている。ここで、テレビデバイスの視聴者の属性構成というのは、該視聴者が、性別や年齢等に応じて区分される複数種類の属性のうち、どの属性の構成要員により構成されるかを示すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6433615号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に見られるように、各テレビデバイスから得られる視聴ログ情報から、視聴者の構成要員の属性を推定する場合、その推定により得られる視聴者の属性構成が、間違っている可能性が高い異常な属性構成になる場合が有り得る。例えば、推定された視聴者の属性が低年齢の子供のみである場合、あるいは、推定された視聴者の属性の種類数がゼロである場合(換言すれば、テレビデバイスの視聴者がいないと推定された場合)、あるいは、推定された視聴者の属性の種類数が多過ぎる場合は、推定された視聴者の属性構成が、間違っているか、もしくはその可能性が高い異常な属性構成とみなし得る。
【0006】
そして、このような異常な属性構成が推定されたテレビデバイスの視聴ログ情報とその視聴者の属性構成とを属性別の視聴率等の視聴状況の調査に利用すると、調査結果の信頼性が損なわれる虞がある。
【0007】
ここで、異常な属性構成が推定されたテレビデバイスの視聴ログ情報を視聴状況の調査の利用対象から除外することが考えられるが、その場合には、利用対象のテレビデバイスの総数を十分に確保できない虞がある。
【0008】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、テレビデバイスの視聴ログ情報から該テレビデバイスの視聴者の属性構成を推定する機能を有する視聴情報処理装置又は視聴情報処理方法において、異常な属性構成が推定された場合に、その異常な属性構成を適切に補正することができる視聴情報処理装置又は視聴情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の視聴情報処理装置は、上記の目的を達成するために、テレビ放送の受信機と、どのチャンネル又は放送局系列のテレビ放送が何時、該受信機を介して視聴されたかを示す視聴ログ情報を出力可能な視聴データ出力装置とを備えるテレビデバイスから出力された視聴ログ情報を取得する視聴ログ情報取得部と、
該視聴ログ情報取得部で取得された視聴ログ情報から、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を推定する属性構成推定部とを備える視聴情報処理装置であって、
前記属性構成推定部は、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を推定するとき、属性の種類毎に、該属性の視聴者が存在する確率である属性別存在確率を特定し得るように構成し、該属性別存在確率に基づいて決定される所定の属性を該テレビデバイスの視聴者の構成要員の属性として推定するように構成されており、
前記属性構成推定部により推定された属性構成があらかじめ定められた所定の異常属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、該テレビデバイスの視聴者の属性別存在確率に応じて、前記異常属性構成から補正して決定する属性構成補正部を備えることを特徴とする(第1発明)。
【0010】
上記第1発明によれば、テレビデバイスの視聴者に関して属性構成推定部により推定された属性構成が異常属性構成である場合に、該属性構成に含まれる各属性毎の属性別存在確率に応じて該テレビデバイスの視聴者の属性構成が補正されるので、該テレビデバイスに係る実際の視聴ログ情報に基づく属性別存在確率に則して該属性構成を補正することができる。このため、該テレビデバイスの視聴者の属性構成を、推定された異常属性構成から適切に補正することが可能となる。
【0011】
上記第1発明において、前記属性構成推定部は、前記属性別存在確率の値の合計値を算出し、該合計値に基づく所定人数を該属性別存在確率の値の高いほうから選定し、該テレビデバイスの視聴者の構成要員の属性として推定するように構成されていることを特徴とする(第2発明)。
【0012】
これによれば、テレビデバイスの視聴者に関して属性構成推定部により推定された属性構成に含まれる各属性毎の属性別存在確率の値の合計値に基づいて、該テレビデバイスの視聴者の属性構成が簡易かつ適切に補正することができる。
上記第1発明において、前記属性構成推定部は、前記属性別存在確率の値が所定の閾値以上である属性を、該テレビデバイスの視聴者の構成要員の属性として推定するように構成されていることを特徴とする(第3発明)。
【0013】
これによれば、テレビデバイスの視聴者に関して属性構成推定部により推定された属性構成に含まれる各属性毎の属性別存在確率の値そのものに基づいて、該テレビデバイスの視聴者の属性構成が簡易かつ適切に補正することができる。
【0014】
なお、本発明では、年齢、確率等の任意の数値に関し、「A以上」というのは、Aよりも大きいこと、又は、Aよりも大きいか、もしくはAに等しいこととのいずれの場合であってもよい。同様に、「A以下」というのは、Aよりも小さいこと、又は、Aよりも小さいか、もしくはAに等しいこととのいずれの場合であってもよい。
【0015】
上記第1発明では、前記所定の異常属性構成は、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成が、第1の所定年齢以下の子供という属性である子供属性だけから成るという第1属性構成を含み得る。この場合、前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第1属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、前記子供属性と、該子供属性以外で第2の所定年齢以上であるという条件を満たす属性のうち、前記属性構成推定部により特定された前記属性別存在確率の値が最も高い属性とを含む属性構成に補正するという態様を採用し得る(第4発明)。
【0016】
これによれば、第1属性構成として推定された属性構成を、子供属性だけでなく、子供属性以外で第2の所定年齢以上であるという条件を満たす属性のうち、テレビデバイスの視聴者である可能性が最も高い属性である属性Aを含むように、すなわち、子供を有する通常的な世帯と同様の属性構成になるように補正することができる。このため、テレビデバイスの視聴者の属性構成を第1属性構成から適切に補正することができる。
【0017】
上記第4発明では、前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第1属性構成であるとき、前記子供属性と、前記第2の所定年齢以上であるという条件を満たす属性との間の年齢の属性のうち、前記属性構成推定部により特定された属性別存在確率の値が、前記属性Aに関する属性別存在確率の値であるPaと同じ値であるか、又は該Paよりも高い値である属性が存在する場合、当該存在する属性をさらに含むように、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を補正するように構成されているという態様を採用し得る(第5発明)。
【0018】
これによれば、前記子供属性と、前記第2の所定年齢以上であるという条件を満たす属性との間の年齢の属性であっても、その属性別存在確率の値が高い場合(テレビデバイスの視聴者である可能性が高い場合)に、その属性をテレビデバイスの視聴者の属性構成にさらに含めることができる。
【0019】
上記第1発明では、前記所定の異常属性構成は、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成に含まれる属性の種類数がゼロであるという第2属性構成を含み得る。この場合、前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第2属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、第3の所定年齢以上であるという条件を満たす属性のうち、前記属性構成推定部により特定された前記属性別存在確率の値が最も高い属性である属性Bを含む属性構成に補正するという態様を採用し得る(第6発明)。
【0020】
なお、第6発明を、例えば、上記第4発明又は第5発明と組み合わせる場合、上記第3の所定年齢以上であるという条件を満たす属性は、前記第1の所定年齢以下の子供属性よりも高い年齢の属性である。また、上記第3の所定年齢は、前記第2の所定年齢よりも低い場合、又は前記第2の所定年齢と同じ年齢である場合、又は前記第2の所定年齢よりも高い年齢である場合のいずれの場合でもよい。
【0021】
上記第6発明によれば、第2属性構成として推定された属性構成を、第3の所定年齢以上であるという条件を満たす属性のうち、テレビデバイスの視聴者である可能性が最も高い属性を含むように補正することができる。このため、テレビデバイスの視聴者の属性構成を第2属性構成から適切に補正することができる。
【0022】
上記第6発明では、前記第3の所定年齢以上であるという条件を満たす属性は、第1の所定年齢以下の子供という属性である子供属性以外の属性であり、前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第2属性構成であるとき、前記子供属性に関して前記属性構成推定部により特定された属性別存在確率の値が、前記属性Bに関して特定された属性別存在確率の値であるPbと同じ値であるか、又は該Pbよりも高い値であり、且つ、前記属性Bが前記第3の所定年齢よりも高い第4の所定年齢以上であるという条件を満たす属性である場合に、前記子供属性をさらに含むように、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を補正するように構成されているという態様を採用し得る(第7発明)。
【0023】
なお、第7発明を、例えば、上記第4発明又は第5発明と組み合わせる場合、上記第4の所定年齢以上であるという条件を満たす属性は、前記第1の所定年齢以下の子供属性よりも高い年齢の属性である。そして該第4の所定年齢は、前記第2の所定年齢よりも低い場合、又は該第2の所定年齢と同じである場合、又は該第2の所定年齢よりも高い場合のいずれの場合でもよい。
【0024】
上記第7発明によれば、子供属性に関して特定された属性別存在確率の値が高い場合(テレビデバイスの視聴者である可能性が高い場合)であって、且つ、前記属性Bが前記第4の所定年齢以上であるという条件を満たす属性である場合に、該子供属性をテレビデバイスの視聴者の属性構成にさらに含めることができる。
【0025】
上記第1~第7発明では、前記所定の異常属性構成は、前記テレビデバイスの視聴者の属性の種類数が所定数以上であるという第3属性構成を含み得る。この場合、前記属性構成補正部は、前記属性構成推定部により推定された属性構成が前記第3属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、該第3属性構成に含まれる属性のうち、前記属性構成推定部により特定された前記属性別存在確率の値が最も低い属性を少なくとも含む一つ以上の属性を削除した属性構成に補正するという態様を採用し得る(第8発明)。
【0026】
上記第8発明によれば、第3属性構成として推定された属性構成を、該第3属性構成に含まれる属性のうち、テレビデバイスの視聴者である可能性が最も低い属性を少なくとも含む一つ以上の属性を削除するように補正することができる。このため、テレビデバイスの視聴者の属性構成を第3属性構成から適切に補正することができる。
【0027】
また、本発明の視聴情報処理方法は、上記の目的を達成するために、テレビ放送の受信機と、どのチャンネル又は放送局系列のテレビ放送が何時、該受信機を介して視聴されたかを示す視聴ログ情報を出力可能な視聴データ出力装置とを備えるテレビデバイスから出力された視聴ログ情報を取得する第1ステップと、
該第1ステップで取得された視聴ログ情報から、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を推定する第2ステップとを備える視聴情報処理方法であって、
前記第2ステップは、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を推定するとき、属性の種類毎に、該属性の視聴者が存在する確率である属性別存在確率を特定し、当該特定した該属性別存在確率に基づいて決定される所定の属性を、該テレビデバイスの視聴者の構成要員の属性として推定するステップであり、
該第2ステップで推定された属性構成があらかじめ定められた所定の異常属性構成であるとき、前記テレビデバイスの視聴者の属性構成を、該テレビデバイスの視聴者の属性別存在確率に応じて、前記異常属性構成から補正して決定する第3ステップをさらに備えることを特徴とする(第9発明)。
【0028】
上記第9発明によれば、テレビデバイスの視聴者に関して第2ステップにより推定された属性構成が異常属性構成である場合に、前記第1発明と同様に、該属性構成を属性別存在確率に応じて補正できるので、該属性構成を、異常属性構成から適切に補正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態における全体システムを示す図。
図2図1に示す視聴情報処理装置の属性構成推定部の処理を説明するためのブロック線図。
図3図1に示す視聴情報処理装置の属性構成補正部の処理を説明するためのフローチャート。
図4図1に示す視聴情報処理装置の属性別視聴情報生成部の処理を説明するためのブロック線図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の一実施形態を以下に図1図4を参照して説明する。なお、以降の本実施形態の説明では、「以上」、「以下」、「未満」は通常の意味で使用する。すなわち、AがB以上というのは、A≧Bを意味し、AがB以下というのは、A≦Bを意味し、AがB未満というのは、A<Bを意味する。
【0031】
図1を参照して、本実施形態で説明するシステムは、テレビ放送の視聴状況の調査等に関する処理を実行する視聴情報処理装置1を有する。該視聴情報処理装置1は、例えば一つ以上のコンピュータにより構成される。該コンピュータは、図示しないCPU等のプロセッサ、メモリ(記憶装置)、インターフェース回路、通信装置等を含む。そして、該視聴情報処理装置1は、視聴状況等の調査対象地域(例えば都道府県単位の地域、あるいは、関東圏、近畿圏等、複数の都府県を合わせた地域)に属する複数のデバイス別世帯20から、各デバイス別世帯20でのテレビ放送の視聴に関する視聴データを取得可能である。該視聴データは、どのチャンネル(もしくはどの放送局系列)のテレビ放送が何時視聴されたかを示す視聴ログ情報等を含むデータである。
【0032】
ここで、本実施形態では、各「デバイス別世帯20」は、テレビ放送の受信機21と、テレビ放送の視聴に関する視聴データを出力可能な視聴データ出力装置22とを含むテレビデバイス23を備えると共に、該テレビデバイス23の一人以上の視聴者(詳しくは、該テレビデバイス23の受信機21で受信されたテレビ放送を視聴し得る一人以上の視聴者)を構成要員として含む世帯を意味する。換言すれば、デバイス別世帯20は、テレビデバイス23と、該テレビデバイス23の視聴者との組として構成されるものを意味する。
【0033】
この場合、個々のテレビデバイス23毎に、一つのデバイス別世帯20が対応付けられる。従って、ある住戸に、複数のテレビデバイス23が備えられている場合であっても、該複数のテレビデバイス23のそれぞれ毎に、一つのデバイス別世帯20が対応付けられる。この場合、当該複数のテレビデバイス23のそれぞれに対応する各デバイス別世帯20は、同一の構成要員を視聴者として含んでいてもよい。換言すれば、いずれかのデバイス別世帯20の一人以上の構成要員が、他のデバイス別世帯20の構成要員であってもよい。
【0034】
各デバイス別世帯20のテレビデバイス23は、テレビにより構成され、あるいは、テレビとこれに接続された録画装置とにより構成され得る。該テレビデバイス23の視聴データ出力装置22は、例えば図示しないマイコン等のプロセッサ、メモリ、インターフェース回路、通信装置等により構成される。該視聴データ出力装置22は、これを含むテレビデバイス23を介して視聴されたテレビ放送のチャンネルを検知することが可能であると共に、該チャンネルのテレビ放送が視聴された日時(詳しくは、該チャンネルのテレビ放送の視聴開始及び視聴終了の日時)を検知することが可能であり、これらの検知情報から、該デバイス別世帯20の視聴ログ情報(以降、デバイス別視聴ログ情報という)を生成することが可能である。該デバイス別視聴ログ情報は、換言すれば、デバイス別世帯20に含まれる構成要員の全体の視聴ログ情報である。
【0035】
そして、視聴データ出力装置22は、生成したデバイス別視聴ログ情報を含む視聴データを、インターネットや電話回線網等により構成される外部ネットワークNWを介して、テレビデバイス23を構成するテレビ又は録画装置のメーカのサーバ(図示省略)に定期的に(又は該サーバからの要求に応じて)送信することが可能である。この場合、視聴データ出力装置22から送信される視聴データには、デバイス別視聴ログ情報の他、テレビデバイス23を構成するテレビ又は録画装置であらかじめ登録された所在地域情報(例えば、郵便番号の上3桁を示す情報)と、テレビデバイス23の識別情報とが含まれる。なお、テレビデバイス23の識別情報は、該テレビデバイス23を有するデバイス別世帯20の識別情報としても利用し得る。
【0036】
視聴情報処理装置1は、実装されたハードウェア構成とプログラム(ソフトウェア構成)とにより実現される機能として、視聴データ取得部11、属性構成推定部12、属性構成補正部13、属性別視聴情報生成部14、及び視聴状況推定部15を備える。以降、これらの各機能部の詳細と併せて、視聴情報処理装置1の全体の処理を説明する。
【0037】
視聴データ取得部11は、デバイス別世帯20のそれぞれのテレビデバイス23のメーカのサーバ(図示しない)と通信を行うことが可能であり、その通信を行うことで、該メーカの各テレビデバイス23の視聴データを取得することが可能である。該視聴データ取得部11は、本発明における視聴ログ情報取得部としての機能を有するものである。
【0038】
なお、視聴情報処理装置1がデバイス別世帯20の視聴データ出力装置22と通信を行うことができる場合には、視聴データ取得部11は、デバイス別世帯20のテレビデバイス23の視聴データを該テレビデバイス23の視聴データ出力装置22から直接的に取得するようにしてもよい。また、視聴情報処理装置1は、各メーカから適宜の記憶装置を介してテレビデバイス23の視聴データを取得してもよい。
【0039】
視聴情報処理装置1は、調査対象地域の各デバイス別世帯20について、視聴データ取得部11により取得される視聴データを用いて、属性構成推定部12、属性構成補正部13、属性別視聴情報生成部14、及び視聴状況推定部15のそれぞれの処理を順次実行する。
【0040】
属性構成推定部12は、各デバイス別世帯20のテレビデバイス23から出力された所定期間分(例えば、1カ月分、数カ月分、1年分等)のデバイス別視聴ログ情報から、該デバイス別世帯20にどの属性の構成要員が含まれるかを示す属性構成(換言すれば、該デバイス別世帯20のテレビデバイス23の視聴者の属性構成)を推定する機能部である。
【0041】
ここで、各デバイス別世帯20の構成要員(テレビデバイス23の視聴者)の属性は、例えば、構成要員の年齢や性別に応じて複数種類の属性に分類される。例えば、y1歳未満の子供、y1歳以上、且つy2歳未満の男性、y1歳以上、且つy2歳未満の女性、y2歳以上の男性、y2歳以上の女性、というように複数種類の属性に分類される。以降、属性の種類数をN種類とし、そのN種類の属性のそれぞれを適宜、At(i)(i=1,2,…,N)というように表記する。なお、各デバイス別世帯20の構成要員の属性は、年齢や性別だけでなく、例えば、職業、学歴等、様々なパラメータに応じて分類され得る。
【0042】
図2に示すように、属性構成推定部12は、あらかじめ機械学習処理が施された第1モデルを用いて各デバイス別世帯20の構成要員の属性構成を推定する。ここで、第1モデルは、調査対象地域に属する任意のデバイス別世帯20の所定期間分のデバイス別視聴ログから、該デバイス別世帯20の構成要員の属性構成を推定し得るように、あらかじめ機械学習処理が施されたモデルである。該第1モデルに対する機械学習処理では、属性構成が既知の複数のサンプル世帯のそれぞれに設置されたピープルメータ等から得られる各サンプル世帯毎の視聴ログ情報と各サンプル世帯毎の属性構成とが学習データとして用いられる。そして、その機械学習処理のアルゴリズムとしては、公知のアルゴリズムを使用し得る。
【0043】
この場合、本実施形態では、第1モデルは、各デバイス別世帯20の所定期間分のデバイス別視聴ログ情報から、N種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のそれぞれ毎に、それぞれの属性At(i)の構成要員が該デバイス別世帯20に存在する確率である属性別存在確率を特定し得るように構成される。このような第1モデルとしては、例えば前記特許文献1における世帯構成の判定用の数理モデルと同様のモデルを採用し得る。ただし、第1モデルは、デバイス別世帯20の所定期間分のデバイス別視聴ログ情報から属性別存在確率(もしくはこれに類似する指標値)を特定し得るものであれば、他の形態のモデルであってもよい。
【0044】
そして、属性構成推定部12は、第1モデルにより特定される属性別存在確率が所定の閾値以上(例えば、0.5以上)となった属性を、該デバイス別世帯20の構成要員の属性として推定する。一例として、図2は、一つのデバイス別世帯20(図2では、識別情報IDがx1であるデバイス別世帯20)に対する属性構成推定部12の処理を例示している。なお、図2及び後述の図4に示すブロック線図では、処理の実行部を太線枠で示し、データの出力部又はデータを細線枠で示している。
【0045】
図2に示す例では、識別情報IDがx1であるデバイス別世帯20の所定期間分のデバイス別視聴ログ情報から、第1モデルによって、該デバイス別世帯20の構成要員の属性別存在確率が図示の如く特定される。この例では、N種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のうち、属性At(1),At(3),At(N)のそれぞれの属性別存在確率が所定の閾値(ここでは、例えば0.5)以上の確率、他の属性At(2),At(4)~At(N-1)のそれぞれの属性別存在確率が該閾値よりも小さい確率となっている。
【0046】
この場合、属性構成推定部12は、属性別存在確率が閾値以上である属性At(1),At(3),At(N)が、該デバイス別世帯20の構成要員(テレビデバイス23の視聴者)の属性であると推定し、属性別存在確率が閾値よりも小さい属性At(2),At(4)~At(N-1)は、該デバイス別世帯20の構成要員の属性でないと推定する。これにより、該デバイス別世帯20の構成要員の属性構成が推定される。
【0047】
このように属性構成推定部12は、各デバイス別世帯20について、第1モデルにより特定される属性別存在確率が所定の閾値以上であるか否かによって、各属性の構成要員(視聴者)が該デバイス別世帯20に存在するか否かを推定することで、該デバイス別世帯20の構成要員の属性構成を推定する。
【0048】
視聴情報処理装置1は、属性構成推定部12の処理を実行した後、次に属性構成補正部13の処理を実行する。この属性構成補正部13は、各デバイス別世帯20について、属性構成推定部12により推定された属性構成が、間違っている可能性が高い属性構成としてあらかじめ定められた所定の異常属性構成である場合に、該デバイス別世帯20の構成要員の属性構成の推定結果を補正する機能部である。
【0049】
ここで、本実施形態では、所定の異常属性構成として、例えば3種類の属性構成(第1~第3属性構成)があらかじめ定められている。第1属性構成は、デバイス別世帯20について属性構成推定部12により推定された構成要員が、N種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のうち、y1歳未満(又はy1歳以下)の子供という属性(以降、この属性をAt(1)の属性とする)の構成要員だけから成るという属性構成である。該第1属性構成は、換言すれば、N種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のそれぞれ毎に特定された属性別存在確率のうち、y1歳未満(又はy1歳以下)の子供という属性At(1)(以降、単に子供属性At(1)という)に対応する属性別存在確率だけが所定の閾値以上になった場合の属性構成である。なお、上記y1歳は、本発明における第1の所定年齢に相当する。
【0050】
また、第2属性構成は、デバイス別世帯20について属性構成推定部12により推定された属性構成が、N種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のうちのどの属性も含まない(すなわち、該属性構成に含まれる属性の総数がゼロである)という属性構成である。該第2属性構成は、換言すれば、N種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のそれぞれ毎に特定された属性別存在確率の全てが、所定の閾値よりも小さい値になった場合の属性構成である。
【0051】
また、第3属性構成は、デバイス別世帯20について属性構成推定部12により推定された属性構成が、所定数(例えば5もしくは6等)以上の種類の属性を有するという属性構成である。該第3属性構成は、換言すれば、N種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のそれぞれ毎に特定された属性別存在確率のうち、所定数以上の種類の属性のそれぞれに対応する属性別存在確率が所定の閾値以上の値になった場合の属性構成である。なお、以降の説明では、該第3属性構成に係る上記所定数を所定数nxと表記する。
【0052】
これらの第1~第3属性構成は、現実的には存在しないとみなし得る属性構成(例えば第1属性構成又は第2属性構成)であるか、もしくは、該第1~第3属性構成以外の属性構成に比して存在することが稀であるとみなし得る属性構成(例えば第3属性構成)である。
【0053】
属性構成補正部13には、各デバイス別世帯20について属性構成推定部12により推定された属性構成と、該属性構成推定部12の第1モデルにより特定された属性別存在確率とが入力される。そして、属性構成補正部13は、各デバイス別世帯20毎に、推定された属性構成が上記の第1~第3属性構成のいずれかの異常属性構成であるか否かを判断し、推定された属性構成がいずれかの異常属性構成である場合に、その属性構成を補正する。
【0054】
具体的には、属性構成補正部13は、各デバイス別世帯20毎に、図3のフローチャートに示す如く処理を実行することで、属性構成推定部12により推定された属性構成が異常属性構成となったデバイス別世帯20についての属性構成を補正する。
【0055】
STEP1において、属性構成補正部13は、各デバイス別世帯20について推定された属性構成が前記第3属性構成(所定数nx以上の種類の属性が含まれる属性構成)であるか否かを判断する。この判断結果が肯定的である場合(推定された属性構成が第3属性構成である場合)には、属性構成補正部13は、STEP2の処理を実行する。
【0056】
このSTEP2では、属性構成補正部13は、当該デバイス別世帯20(STEP1の判断結果が肯定的になったデバイス別世帯20)の属性構成から、当該デバイス別世帯20について特定された属性別存在確率に応じて選出した属性を削除するように該属性構成を補正することにより、当該デバイス別世帯20の属性構成に含まれる属性の総数を所定数nxよりも少ない総数に削減する。
【0057】
具体的には、属性構成補正部13は、当該デバイス別世帯20について推定された属性構成に含まれる複数の属性(所定数nx以上の種類の属性)のそれぞれに対応する属性別存在確率のうち、下位側の確率値(最も高い確率値よりも最も低い確率値により近い確率値(最も低い確率値を含む))を有する一つ以上の種類の属性を削除対象の属性として選出し、その選出した削除対象の属性を、当該デバイス別世帯の属性構成から削除することで、その削除後の属性の総数が所定数nxよりも少なくなるように属性構成を補正する。この場合、推定された属性構成に含まれる複数の属性のうち、属性別存在確率の値(確率値)がより低い属性が優先的に削除される。
【0058】
上記のように属性構成に含まれる属性の総数を削減する処理は、例えば次のように行い得る。すなわち、属性構成補正部13は、推定された属性構成に含まれる複数の属性(所定数nx以上の種類の属性)のうち、属性別存在確率の値(確率値)が相対的に低い属性(下位側の確率値の属性)を該確率値が最も低いものから順番に選出して削除することを、その削除後の属性の総数が所定数nxよりも少なくなるまで繰り返す。この場合、当該繰り返しの各回において、削除前の属性構成に含まれる属性の中で、属性別存在確率の値が最も低い属性が複数ある場合には、それらの複数の属性が削除される。
【0059】
一例として、前記所定数nxが例えば“5”であり、あるデバイス別世帯20について属性構成推定部12により推定された属性構成が、例えばAt(1)~At(7)の7種類の属性から成る属性構成であり、At(1)~At(7)のそれぞれの属性別存在確率の値が、0.63(:At(1))、0.53(:At(2))、0.53(:At(3))0.70(:At(4))、0.80(:At(5))、0.57(:At(6))、0.57(:At(7))である場合を想定する。
【0060】
この場合、属性At(1)~At(7)から、属性別存在確率の値が最も低い2種類の属性At(2),At(3)が削除され、さらに、その次に属性別存在確率の値が低い2種類の属性At(6),At(7)が削除される。これにより、当該デバイス別世帯20における属性構成は、At(1),At(4),At(5)の3種類の属性から成る属性構成に補正される。
【0061】
本実施形態では、STEP2の処理(デバイス別世帯20の属性構成を第3属性構成から補正する処理)は上記の如く行われる。これにより、推定された属性構成が第3属性構成となったデバイス別世帯20の属性構成は、それに含まれる属性の種類数が所定数nxよりも少ない属性構成になるように補正される。
【0062】
属性構成補正部13は、STEP1の判断結果が否定的である場合(推定された属性構成が第3属性構成でない場合)にはSTEP3の処理を実行する。また、属性構成補正部13は、前記STEP2の処理の実行後にも、STEP3の処理を実行する。このSTEP3では、属性構成補正部13は、推定された属性構成が前記第1属性構成(子供属性At(1)だけを含む属性構成)であるか否かを判断する。
【0063】
ここで、本実施形態では、STEP2の処理による補正後の属性構成が、第1属性構成になる場合が有り得る。例えば、STEP2の処理による補正前の属性構成(=第3属性構成)が、子供属性At(1)を含んでおり、且つ、該補正前の属性構成のうちの他の属性の属性別存在確率の値が、子供属性At(1)の属性別存在確率の値よりも低く、且つ、いずれも同一の値である場合には、STEP2の処理による補正後の属性構成は、子供属性At(1)だけを含む属性構成、すなわち、第1属性構成になる。このため、本実施形態では、属性構成補正部13は、STEP1の判断結果が否定的になる場合だけでなく、STEP2の処理の実行後にも、STEP3の判断処理を実行する。
【0064】
このSTEP3の判断結果が肯定的である場合(属性構成推定部12により推定された属性構成、又はSTEP2で補正された後の属性構成が第1属性構成である場合)には、属性構成補正部13は、STEP4の処理を実行する。
【0065】
このSTEP4では、属性構成補正部13は、当該デバイス別世帯20(STEP3の判断結果が肯定的になったデバイス別世帯20)の属性構成を、子供属性At(1)に加えて、当該デバイス別世帯20について特定された属性別存在確率に応じて選出した一つ以上の属性を含む属性構成になるように補正する。
【0066】
具体的には、属性構成補正部13は、当該デバイス別世帯20について属性構成推定部12により属性別存在確率が特定されたN種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のうち、所定の年齢以上(大人の年齢)という条件を満たす属性から、属性別存在確率の値が最も高い属性を追加対象の属性として選出し、その選出した追加対象の属性を当該デバイス別世帯20の属性構成(子供属性At(1)だけから成る属性構成)に追加するように、当該デバイス別世帯20の属性構成を補正する。この場合、属性別存在確率の値が最も高い属性が複数ある場合には、それらの複数の属性が当該デバイス別世帯20の属性構成に追加される。なお、上記所定の年齢は、本発明における第2の所定年齢又は第4の所定年齢に相当する。
【0067】
例えば、あるデバイス別世帯20について属性構成推定部12により推定された属性構成が第1属性構成であり、所定の年齢以上(大人の年齢)という条件を満たす属性がAt(4)~At(7)の4種類の属性であり、At(4)~At(7)のそれぞれの属性別存在確率の値が、0.45(:At(4))、0.36(:At(5))、0.45(:At(6))、0.28(:At(7))である場合を想定する。この場合、At(4)~At(7)のうち、属性別存在確率の値が最も高い属性はAt(4)、At(6)の2種類の属性であるので、これらの属性At(4)、At(6)が追加対象の属性として選出され、当該デバイス別世帯20の属性構成に追加される。これにより、当該デバイス別世帯20の属性構成は、第1属性構成から、At(1)、At(4)、At(6)の3種類の属性を含む属性構成に補正される。
【0068】
STEP2での補正後の属性構成が第1属性構成になったデバイス別世帯20についても上記と同様である。補足すると、STEP4の処理では、補正後の属性構成が、前記所定数nx以上の種類の属性を含む属性構成(=第3属性構成)になる場合もあり得る。なお、STEP4の処理では、所定の年齢以上(大人の年齢)という条件を満たす属性(以降、大人属性という)だけでなく、該大人属性と、子供属性At(1)との間の年齢の属性(以降、若者属性という)がさらに含まれ得るようにデバイス別世帯20の属性構成を補正してもよい。
【0069】
具体的には、ある若者属性に関する属性別存在確率の値が、大人属性のそれぞれの属性別存在確率のうち、最も高い属性別存在確率の値Pa以上の値(Paと同じ値であるか、又はPaよりも高い値)である場合に、属性別存在確率の値がPaである属性だけでなく、Pa以上の値の属性別存在確率を有する若者属性を、デバイス別世帯20の属性構成に追加してもよい。
【0070】
例えば、大人属性がAt(4)~At(7)の4種類の属性、若者属性がAt(2),At(3)の2種類の属性であり、デバイス別世帯20(属性構成が第1属性構成と推定されたデバイス別世帯20)におけるAt(2)~At(7)のそれぞれの属性別存在確率の値が、0.49(:At(2)),0.30(:At(3)、0.45(:At(4))、0.36(:At(5))、0.45(:At(6))、0.28(:At(7))である場合を想定する。この場合、大人属性At(4)~At(7)のうち、属性別存在確率の値が最も高い属性At(4)、At(6)と、若者属性At(2)、At(3)のうち、属性At(4)、At(6)よりも属性別存在確率の値が高い属性At(2)が追加対象の属性として選出され、当該デバイス別世帯20の属性構成に追加される。これにより、当該デバイス別世帯20の属性構成は、第1属性構成から、At(1)、At(2)、At(4)、At(6)の4種類の属性を含む属性構成に補正される。
【0071】
本実施形態では、STEP4の処理(デバイス別世帯20の属性構成を第1属性構成から補正する処理)は上記の如く行われる。
これにより、属性構成推定部12により推定された属性構成、又はSTEP2で補正された後の属性構成が第1属性構成となったデバイス別世帯20の属性構成は、At(1)以外の属性(大人属性)をさらに含む属性構成になるように補正される。なお、STEP4の処理を実行したときには、その処理により属性構成が補正されたデバイス別世帯20についての属性構成補正部13の処理は終了する(ひいては、当該デバイス別世帯20の属性構成が確定される)。
【0072】
STEP3の判断結果が否定的である場合(属性構成推定部12により推定された属性構成、又はSTEP2で補正された後の属性構成が第1属性構成でない場合)には、属性構成補正部13は、STEP5の処理を実行する。このSTEP5では、属性構成補正部13は、推定された属性構成が前記第2属性構成(含まれる属性の総数がゼロである属性構成)であるか否かを判断する。
【0073】
ここで、本実施形態では、STEP2の処理による補正後の属性構成が、第2属性構成になる場合があり得る。例えば、STEP2の処理による補正前の属性構成(=第3属性構成)に含まれる複数の属性(所定数nx以上の種類数の属性)の属性別存在確率の値がいずれも同一の値である場合には、STEP2の処理による補正後の属性構成は、それに含まれる属性の総数がゼロとなる属性構成、すなわち、第2属性構成になる。このため、本実施形態では、属性構成補正部13は、STEP1,3の両方の判断結果が否定的である場合だけでなく、STEP2の処理の実行後に、STEP3の判断結果が否定的になった場合にも、STEP5の判断処理を実行する。
【0074】
STEP5の判断結果が肯定的である場合(属性構成推定部12により推定された属性構成、又はSTEP2で補正された属性構成が第2属性構成である場合)には、属性構成補正部13は、STEP6の処理を実行する。
【0075】
このSTEP6では、属性構成補正部13は、当該デバイス別世帯20(STEP5の判断結果が肯定的になったデバイス別世帯20)の属性構成を、当該デバイス別世帯20について特定された属性別存在確率に応じて選出した一つ以上の属性を含む属性構成になるように補正する。
【0076】
具体的には、属性構成補正部13は、当該デバイス別世帯20について属性構成推定部12により属性別存在確率が特定されたN種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のうち、子供属性At(1)を除く属性At(2)~At(N)から、属性別存在確率の値が最も高い属性を追加対象の属性として選出し、その選出した追加対象の属性から成る属性構成を当該デバイス別世帯20の属性構成とするように、当該デバイス別世帯20の属性構成を補正する。なお、子供属性At(1)を除く属性At(2)~At(N)は、換言すれば、子供属性At(1)に係る所定年齢y1以上の年齢(又はy1よりも高い年齢)であるという条件を満たす属性であり、該所定年齢y1は、本発明における第3の所定年齢に相当する。
【0077】
この場合、子供属性At(1)を除く属性At(2)~At(N)のうち、属性別存在確率の値が最も高い属性が複数ある場合には、それらの複数の属性により構成される属性構成になるように、当該デバイス別世帯20の属性構成が補正される。
【0078】
例えば、あるデバイス別世帯20について属性構成推定部12により推定された属性構成が第2属性構成であり、At(2)~At(N)の属性のうち、At(3),At(4)の属性別存在確率の値が共に0.47、他の属性At(2),At(5)~At(N)のそれぞれの属性別存在確率の値が、いずれも0.47より低い場合を想定する。この場合、At(2)~At(N)の属性のうち、属性別存在確率の値が最も高い属性はAt(3)、At(4)の2種類の属性であるので、これら属性At(3)、At(4)が追加対象の属性として選出され、これらの追加対象の属性At(3)、At(4)から成る属性構成に、当該デバイス別世帯20の属性構成が補正される。
【0079】
STEP2での補正後の属性構成が第2属性構成になったデバイス別世帯20についても上記と同様である。補足すると、STEP6の処理では、補正後の属性構成が、前記所定数nx以上の種類の属性を含む属性構成(=第3属性構成)になる場合もあり得る。なお、STEP6の処理では、子供属性At(1)以外の属性だけでなく、子供属性At(1)がさらに含まれ得るようにデバイス別世帯20の属性構成を補正してもよい。
【0080】
具体的には、子供属性At(1)に関する属性別存在確率の値が、子供属性At(1)以外のそれぞれの属性別存在確率のうち、最も高い属性別存在確率の値Pb以上の値(Pbと同じ値であるか、又はPbよりも高い値)であり、且つ、属性別存在確率の値Pbである属性が大人属性を含む場合に、属性別存在確率の値がPaである属性だけでなく、子供属性At(1)を、デバイス別世帯20の属性構成に追加してもよい。
【0081】
例えば、大人属性がAt(4)~At(7)の4種類の属性、若者属性がAt(2),At(3)の2種類の属性であり、デバイス別世帯20(属性構成が第2属性構成と推定されたデバイス別世帯20)における子供属性At(1)の属性別存在確率が0.48、At(2)~At(7)の属性のうち、若者属性であるAt(3)及び大人属性であるAt(4)のそれぞれの属性別存在確率の値が共に0.47、他の属性At(2),At(5)~At(7)のそれぞれの属性別存在確率の値が、いずれも0.47より低い場合を想定する。子供属性At(1)以外のAt(2)~At(7)の属性のうち、属性別存在確率の値が最も高い属性At(3)、At(4)が大人属性At(4)を含んでおり、且つ、子供属性At(1)の属性別存在確率の値が、属性At(3)、At(4)の属性別存在確率の値よりも高い。このため、属性At(3)、At(4)だけなく、子供属性At(1)が追加対象の属性として選出され、これらの追加対象の属性At(1)、At(3)、At(4)から成る属性構成に、当該デバイス別世帯20の属性構成が補正される。
【0082】
なお、At(2)~At(7)の属性のうち、属性別存在確率の値が最も高い属性が、若者属性(例えばAt(3))だけであった場合には、子供属性At(1)の属性別存在確率の値がAt(3)の属性別存在確率の値以上の値であっても、子供属性At(1)は追加対象の属性として選出されない。このため、補正後の属性構成が、子供属性At(1)及び若者属性だけから成る属性構成になるのが防止される。
【0083】
本実施形態では、STEP6の処理(デバイス別世帯20の属性構成を第2属性構成から補正する処理)は上記の如く行われる。これにより、属性構成推定部12により推定された属性構成、又はSTEP2で補正された属性構成が第2属性構成となったデバイス別世帯20の属性構成は、一つ以上の属性を含むように補正される。
【0084】
本実施形態では、属性構成補正部13の処理は以上説明した如く実行される。これにより、属性構成推定部12により推定された属性構成が第1属性構成となったデバイス別世帯20においては、子供属性At(1)に加えて、所定の年齢以上の大人であるという条件を満たす属性(大人属性)が少なくとも含まれるように当該デバイス別世帯20の属性構成を補正することができる。そして、この場合、子供属性At(1)以外に追加される属性は、属性別存在確率の値が他の属性よりも高い属性であるので、補正後の属性構成が、当該デバイス別世帯20の実際の属性構成から乖離したものになるのを極力防止できる。
【0085】
また、属性構成推定部12により推定された属性構成が第2属性構成となったデバイス別世帯20においては、子供属性At(1)以外の一つ以上の属性が含まれるように当該デバイス別世帯20の属性構成を補正することができる。そして、この場合、補正後の属性構成に含ませる属性は、属性別存在確率の値が他の属性よりも高い属性であるので、補正後の属性構成が、当該デバイス別世帯20の実際の属性構成から乖離するのを極力防止できる。さらに、補正後の属性構成に含ませる属性は、子供属性At(1)以外の属性を少なくとも含むので、補正後の属性構成が子供At(1)の属性だけから成る属性構成(=第1属性構成)になってしまうのを防止できる。
【0086】
また、属性構成推定部12により推定された属性構成が第3属性構成となったデバイス別世帯20においては、基本的には、所定数nxよりも少ない種類数の属性を含む属性構成になるように、当該デバイス別世帯20の属性構成を補正することができる。そして、この場合、補正前の属性構成から削除する属性は、属性別存在確率の値が他の属性よりも低い属性であるので、補正後の属性構成が、当該デバイス別世帯20の実際の属性構成から乖離するのを極力防止できる。
【0087】
なお、STEP4又は6の処理による補正後の属性構成は、所定数nx以上の種類の属性を含む第3属性構成になる場合もあるが、このような場合の発生頻度は一般には小さい。また、第3属性構成は、第1属性構成や第2属性構成に比べれば、実際に存在する可能性が高い属性構成である。このため、本実施形態では、STEP4又は6の処理による補正後の属性構成が第3属性構成になった場合には、その属性構成を維持する。
【0088】
視聴情報処理装置1は、次に属性別視聴情報生成部14の処理を実行する。この属性別視聴情報生成部14は、属性構成補正部13の処理を経た各デバイス別世帯20(属性構成が確定したデバイス別世帯20)について、その属性構成に含まれる各属性毎に、視聴状況の調査対象のテレビ放送(以降、調査対象放送という)を視聴したか否かを示す属性別視聴情報を生成する機能部である。
【0089】
属性別視聴情報生成部14は、図4に示すように。各デバイス別世帯20の所定期間分の視聴ログ情報から、あらかじめ機械学習処理が施された第2モデルを用いて各デバイス別世帯20の構成要因の属性毎の属性別視聴情報を推定する。
【0090】
ここで、本実施形態では、第2モデルは、N種類の属性At(i)(i=1,2,…,N)のそれぞれ毎に各別に作成されるモデルである。そして、各属性At(i)に対応する第2モデルは、調査対象放送のチャンネル(又は放送局系列)とその放送の日時(月、曜日、時間帯等)を示す日時データとが指定されたとき、該属性At(i)が属するデバイス別世帯20の所定期間分のデバイス別視聴ログから、該属性At(i)の構成要員(視聴者)が、該調査対象放送を視聴した確率(以降、属性別視聴確率という)を特定し得るように、あらかじめ機械学習処理が施されたモデルである。
【0091】
なお、図2では、ある属性At(n)の構成要員を有するデバイス別世帯20の視聴ログ情報から、属性At(n)に対応する第2モデルによって、チャンネル(又は放送局系列)と日時データとにより規定される調査対象放送を属性At(n)の構成要員が視聴した確率である属性別視聴確率が特定されることが示されている。他の属性に対応する第2モデルについても同様である。
【0092】
上記の如き第2モデルに対する機械学習処理では、属性構成が既知の複数のサンプル世帯のそれぞれに設置されたピープルメータ等から得られる各サンプル世帯の構成要員のそれぞれ毎の視聴ログ情報と各サンプル世帯毎の属性構成とが学習データとして用いられる。そして、その機械学習処理のアルゴリズムとしては、公知のアルゴリズムを使用し得る。また、かかる第2モデルとしては、例えば前記特許文献1における個人視聴判定用の数理モデルと同様のモデルを採用し得る。ただし、第2モデルは、デバイス別世帯20の構成要員の属性毎に、該デバイス別世帯20の所定期間分のデバイス別視聴ログ情報から、調査対象放送に関する属性別視聴確率(もしくはこれに類似する指標値)を特定し得るものであれば、他の形態のモデルであってもよい。
【0093】
そして、属性別視聴情報生成部14は、デバイス別世帯20のそれぞれの構成要員の属性毎に、第2モデルにより特定された属性別視聴確率と、該デバイス別世帯20のデバイス別視聴ログ情報(調査対象放送の放送日時のログ情報を含むデバイス別視聴ログ情報)とから、各属性の構成要員が該調査対象放送を視聴したか否かを判定(推定)する。
【0094】
具体的には、属性別視聴情報生成部14は、デバイス別世帯20の構成要員の各属性について、調査対象放送に関して第2モデルにより特定された属性別視聴確率の値(確率値)が所定の閾値以上(例えば、0.5以上)であり、且つ、調査対象放送の放送日時(にちに、該テレビ放送のチャンネル(又は放送局系列)での実際の視聴があったことが該デバイス別世帯20の視聴ロク情報から確認されたという条件が満たされた場合に、当該属性の構成要員による調査対象放送の視聴があったと判定し、該条件が満たされない場合には、当該属性の構成要員による調査対象放送の視聴が無かったと判定する。
【0095】
例えば、図4では、属性Ar(n)に係る属性別視聴確率が所定の閾値以上であり、且つ、指定されたテレビ放送の日時データにより示される日時に、該テレビ放送のチャンネル(又は放送局系列)での実際の視聴があったことがデバイス別視聴ロク情報から確認された場合に、該属性At(n)に構成要員によって調査対象放送の視聴があったと判定される状況を例示されている。
【0096】
本実施形態では、属性別視聴情報生成部14の処理は以上説明した如く実行される。これにより、各デバイス別世帯20について属性構成補正部13により確定された属性構成に含まれる各属性毎に、チャンネル(又は放送局系列)と日時データとが指定された調査対象放送を視聴したか否かを示す属性別視聴情報が生成される。
【0097】
視聴情報処理装置1は、次に視聴状況推定部15の処理を実行する。この視聴状況推定部15は、調査対象地域の各デバイス別世帯20について、上記属性別視聴情報生成部14の処理により得られた属性別視聴情報に基づいて、調査対象地域のデバイス別世帯20の全体の構成要員の属性毎に、調査対象放送の視聴状況データ(視聴率に相当するデータ)を推定する処理部である。
【0098】
この場合、本実施形態では、調査対象地域のデバイス別世帯20の全体における属性At(i)(i=1,2,…,N)のそれぞれ毎の構成要員の総数をM(i)とおくと共に、属性At(i)のそれぞれ毎に、調査対象放送を視聴したと判定された構成要員の総数をm(i)と表記すると、視聴状況推定部15は、属性At(i)のそれぞれ毎の調査対象放送の視聴状況データを、例えば次式(1)により算出する。

属性At(i)に関する視聴状況データ=m(i)/M(i) ……(1)
【0099】
これにより、調査対象地域での属性毎の視聴率に相当するデータとしての視聴状況データを得ることができる。
【0100】
以上説明した本実施形態の視聴情報処理装置1によれば、調査対象地域の各デバイス別世帯20のデバイス別視聴ログ情報から属性構成推定部12により推定された各デバイス別世帯20の属性構成が第1属性構成、第2属性構成及び第3異常属性のいずれかの異常属性構成である場合に、該属性構成が、属性別存在確率に応じて補正される。その補正によって、調査対象地域に第1属性構成又は第2属性構成のデバイス別世帯20が含まれず、また、第3属性構成のデバイス別世帯20が十分に少ない世帯数に収まるようにすることができる。
【0101】
従って、調査対象地域での各デバイス別世帯の属性構成を、高い信頼性を確保し得るように特定することができる。その結果、属性別視聴情報生成部14の処理による各デバイス別世帯の属性別視聴情報の信頼性や、視聴状況推定部15の処理による視聴状況データの信頼性を高めることができる。ひいては、調査対象地域での視聴状況の調査を適正に行うことができる。
【0102】
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に他の実施形態をいくつか例示する。
前記実施形態において、属性構成推定部12は、第1モデルにより特定される属性別存在確率が所定の閾値以上(例えば、0.5以上)となった属性を、デバイス別世帯20の構成要員の属性として推定する場合について説明したがこれに限定されるものではない。具体的には、属性構成推定部12は、属性別存在確率に基づいて決定される所定の属性であれば、属性別存在確率の値の合計値を算出し、該合計値に基づく所定人数を該属性別存在確率の値の高いほうから選定し(例えば、合計値が1を超える1.8であれば、値の高いほうから1人、2を超える2.5であれば、値の高いほうから2人など)、選定した属性についてデバイス別世帯20の構成要員の属性として推定してもよい。
この場合において、属性別存在確率の値が同じ人が複数存在する場合に、どの対象者を優先して選定するかについては、ランダムに選定することも考えられるが、例えば、「家族構成」「TVメーカー」「視聴分数」などの情報により優先順位を設けてもよい。
このほか、(属性別存在確率の値の合計値に限らず)属性別に推定人数を規定し、存在確率値の高い方から構成要因の属性として決定する方法を採用してもよい。
また、前記実施形態では、異常属性情報として第1属性構成、第2属性構成及び第3属性構成の3種類の属性構成を採用したが、例えば第1属性構成及び第2属性構成だけを異常属性構成として採用し、第3属性構成を異常属性構成から除外してもよい。あるいは、例えば、第3属性構成を除外するか否かを調査対象地域毎に選定したり、属性構成推定部12により属性構成が推定されたデバイス別世帯20の全体のうち第3属性構成となったデバイス別世帯20の割合が所定値よりも高いか否かに応じて選定してもよい。
【0103】
さらに、前記実施形態では、推定された属性構成が第3属性構成である場合において、該属性構成が、属性別存在確率の値が互いに同じであり、且つその値が他の属性に比して低い複数の属性を含む場合に、その複数の属性の全体を削除対象の属性として選定した。ただし、この場合、例えば、補正後(一つ以上の属性の削除後)の属性構成に含まれる属性の総数が、前記所定数nxよりも少なくなるという条件を満たす範囲内で、属性別存在確率の値が互いに同じである上記の複数の属性から、削除対象の属性をランダムに、あるいは、あらかじめ定められた優先順位で選定してもよい。
【0104】
また、前記実施形態では、推定された属性構成、又は第3属性構成からの補正後の属性構成が、第1属性構成である場合において、大人の年齢を有する属性であるという条件を満たす属性のうち、属性別存在確率の値が互いに同じであり、且つ、その値が他の属性に比して高い複数の属性を含む場合に、その複数の属性の全体を属性構成に追加するように属性構成を補正した。ただし、この場合、例えば、補正後(一つ以上の属性の追加後)の属性構成に含まれる属性の総数が、前記所定数nxよりも少なくなるという条件を満たす範囲内で、属性別存在確率の値が互いに同じである上記の複数の属性から、追加対象の属性をランダムに、あるいは、あらかじめ定められた優先順位で選定してもよい。このことは、推定された属性構成、又は第3属性構成からの補正後の属性構成が、第2属性である場合において、属性構成に新たな属性を追加する場合でも同様である。
【0105】
さらに、前記実施形態では、視聴情報処理装置1に、属性別視聴情報生成部14、及び視聴状況推定部15を備えたが、本発明の視聴情報処理装置は、属性別視聴情報生成部14及び視聴状況推定部15を備えないものであってもよい。その場合、属性別視聴情報生成部14及び視聴状況推定部15を、視聴情報処理装置と別の装置に備えるようにしてもよい。また、属性構成推定部12により推定され、又は、属性構成補正部13により補正された属性構成は、属性別視聴情報生成部14及び視聴状況推定部15と別の処理で利用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1…視聴情報処理装置、11…視聴データ取得部(視聴ログ情報取得部)、12…属性構成推定部、13…属性構成補正部、21…受信機、22…視聴データ出力装置、23…テレビデバイス。
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図2
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