(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117403
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】力/トルクセンサのためのクォーターブリッジ温度補償
(51)【国際特許分類】
G01L 1/26 20060101AFI20230816BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
G01L1/26 D
G01L5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023018497
(22)【出願日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】17/668,733
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】508274529
【氏名又は名称】エーティーアイ インダストリアル オートメーション, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ATI INDUSTRIAL AUTOMATION, INC.
【住所又は居所原語表記】Pinnacle Park, 1031 Goodworth Drive, Apex, North Carolina 27539, USA
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フライスナー, デイビッド
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA10
2F051AB09
2F051AC04
2F051BA03
2F051BA05
2F051BA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】歪みゲージを採用する力/トルクセンサにおいて、熱ドリフトによる誤差を補償する。
【解決手段】ハードウェア温度補償手順は、トリミング抵抗器および単一の無応力歪みゲージを使用して、温度の変化に伴う複数の負荷検知歪みゲージの熱ドリフトを実質的に除去する。歪みゲージは、クォーターブリッジ構成で、複数の並列ステージで接続される。クォーターブリッジ構成の無応力歪みゲージは、並列に接続される。トリミング抵抗器は、所定の温度範囲に渡って前記負荷検知歪みゲージの熱ドリフトを実質的に排除する補償手順において、前記無応力歪みゲージおよび負荷検知歪みゲージの1つ以上に渡って追加される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力/トルクセンサのための温度補償回路であって、
並列に接続された第1の複数の第1のステージであって、各第1のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び負荷検知歪みゲージを直列に接続するノードにおいてそれぞれの電圧を出力するように構成されている、第1の複数の第1のステージと、
前記第1のステージと並列に接続された第2のステージであって、前記第2のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び無応力歪みゲージを直列に接続するノードにおいて電圧を出力するように構成されている、第2のステージと、
前記第2のステージの電圧は、各第1のステージ電圧から減算され、
前記無応力歪みゲージに渡って並列に接続された無応力トリミング抵抗器と、を備え、
前記無応力トリミング抵抗器の値は、所定の温度範囲に渡って、前記無応力歪みゲージに対する、全ての負荷検知歪みゲージの、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の極性とは反対の極性の、有効温度係数を、実質的に排除するように選択される、温度補償回路。
【請求項2】
第2の複数の負荷トリミング抵抗器であって、各々が、負荷検知歪みゲージにわたって並列に接続される、第2の複数の負荷トリミング抵抗器をさらに備え、
各負荷トリミング抵抗器の値は、前記所定の温度範囲に渡って、前記無応力歪みゲージに対する、関連する負荷検知歪みゲージの、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の前記極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第2の複数は、1つの負荷検知歪みゲージがそれに渡って接続された負荷トリミング抵抗器を有さないように、前記第1の複数よりも1つ少ない、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
負荷トリミング抵抗器を有さない前記負荷検知歪みゲージは、トリミング抵抗器が前記無応力歪みゲージに渡って接続されていない場合に、前記無応力歪みゲージに対して、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の前記極性の、最大有効温度係数を示す前記負荷検知歪みゲージである、請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記無応力歪みゲージは、前記力/トルクセンサが加えられた力および/またはトルクを測定するときに、実質的に機械的歪みを受けない前記力/トルクセンサの部材に取り付けられる、請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記負荷検知歪みゲージは、前記力/トルクセンサによって測定される力および/またはトルクから機械的変形を受ける異なる変形可能なビームの同じ側に対で取り付けられる、請求項1に記載の回路。
【請求項7】
前記第1の複数は6つであり、3つの変形可能なビームが、その上に取り付けられた負荷検知歪みゲージを有する、請求項6に記載の回路。
【請求項8】
力/トルクセンサのための温度補償回路であって、
並列に接続された第1の複数の第1のステージであって、各第1のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び負荷検知歪みゲージを直列に接続するノードにおいて、それぞれの電圧を出力するように構成されている、第1の複数の第1のステージと、
前記第1のステージと並列に接続された第2のステージであって、前記第2のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び無応力歪みゲージを直列に接続するノードにおいて、電圧を出力するように構成されている、第2のステージと、
前記第2のステージの電圧は、各第1のステージの電圧から減算され、
第2の複数の負荷トリミング抵抗器であって、各々が、負荷検知歪みゲージに渡って並列に接続される、第2の複数の負荷トリミング抵抗器と、を備え、
各負荷トリミング抵抗器の値は、前記所定の温度範囲に渡って、前記無応力歪みゲージに対する、関連する負荷検知歪みゲージの、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の前記極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される、温度補償回路。
【請求項9】
前記無応力歪みゲージに渡って並列に接続された無応力トリミング抵抗器をさらに備え、
前記無応力トリミング抵抗器の値は、所定の温度範囲に渡って、前記無応力歪みゲージに対する、全ての負荷検知歪みゲージの、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の極性とは反対の前記極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される、請求項1に記載の回路。
【請求項10】
前記第2の複数は、1つの負荷検知歪みゲージがそれに渡って接続された負荷トリミング抵抗器を有さないように、前記第1の複数よりも1つ少ない、請求項9に記載の回路。
【請求項11】
負荷トリミング抵抗器を有さない前記負荷検知歪みゲージは、前記負荷トリミング抵抗器を接続する前に、前記無応力歪みゲージに対して、最大の負の有効温度係数を示した前記負荷検知歪みゲージである、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
前記無応力歪みゲージは、前記力/トルクセンサが加えられた力および/またはトルクを測定するときに、実質的に機械的歪みを受けない前記力/トルクセンサの部材に取り付けられる、請求項8に記載の回路。
【請求項13】
前記負荷検知歪みゲージは、前記力/トルクセンサによって測定される力および/またはトルクから機械的変形を受ける異なる変形可能なビームの同じ側に対で取り付けられる、請求項8に記載の回路。
【請求項14】
前記第1の複数は6つであり、3つの変形可能なビームが、その上に取り付けられた負荷検知歪みゲージを有する、請求項13に記載の回路。
【請求項15】
各第1のステージが、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び負荷検知歪みゲージを直列に接続するノードにおいてそれぞれの電圧を出力するように構成された、並列に接続された複数の第1のステージと、前記第1のステージと並列に接続された第2のステージであって、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び無応力歪みゲージを直列に接続するノードにおいて、電圧を出力するように構成された、第2のステージとを備える回路において、熱ドリフトに対して力/トルクセンサにおける複数の負荷検知歪みゲージを補償する方法であって、
前記第2のステージおよび各第1のステージの出力電圧を測定し、所定の温度範囲に渡って、各第1のステージの出力電圧から前記第2のステージの出力電圧を減算することと、
前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の極性とは反対の極性の、有効温度係数を少なくとも1つの負荷検知歪みゲージが示すことに応答して、前記無応力歪みゲージに渡って並列に無応力トリミング抵抗器を追加することであって、前記無応力トリミング抵抗器の値は、前記所定の温度範囲に渡って、全ての負荷検知歪みゲージの、前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の極性とは反対の前記極性の、前記有効温度係数を実質的に排除するように選択される、ことと、
各負荷検知歪みゲージについて、前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の極性の、有効温度係数を前記負荷検知歪みゲージが示すことに応答して、前記負荷検知歪みゲージに渡って並列に負荷検知トリミング抵抗器を追加することであって、前記負荷検知トリミング抵抗器の値は、前記所定の温度範囲に渡って、前記負荷検知歪みゲージの、前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の前記極性の、前記有効温度係数を実質的に排除するように選択される、ことと、
を含む、方法。
【請求項16】
無応力トリミング抵抗器を追加することは、
前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の極性とは反対の前記極性の、最大有効温度係数を示す負荷検知歪みゲージを識別することと、
前記無応力歪みゲージに渡って第1の無応力トリミング抵抗器を並列に追加することと、
前記所定の温度範囲に渡って、前記識別された負荷検知歪みゲージの応答を測定することと、
反復的に、前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の極性とは反対の前記極性の、有効温度係数を前記識別された負荷検知歪みゲージが示すことに応答して、
前記識別された負荷検知歪みゲージが、前記所定の温度範囲に渡って、前記無応力歪みゲージに対して、実質的にゼロの有効温度係数を示すまで、
現在の無応力トリミング抵抗器に代えて、異なる無応力トリミング抵抗器を使用することと、
前記所定の温度範囲に渡って、前記識別された負荷検知歪みゲージの応答を測定することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記所定の温度範囲に渡って、前記識別された負荷検知歪みゲージの応答を反復的に測定することは、前記所定の温度範囲に渡って前記回路のモデルをシミュレートすることと、前記識別された負荷検知歪みゲージのシミュレートされた応答を記録することとを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
負荷検知トリミング抵抗器を追加することは、前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の前記極性の、有効温度係数を示すと識別された各負荷検知歪みゲージについて、
前記負荷検知歪みゲージに渡って並列に第1の負荷検知トリミング抵抗器を追加することと、
前記所定の温度範囲に渡って、前記負荷検知歪みゲージの応答を測定することと、
反復的に、前記固定抵抗器に接続された前記電源電圧の前記極性の、有効温度係数を前記負荷検知歪みゲージが示すことに応答して、
前記負荷検知歪みゲージが、前記所定の温度範囲に渡って、前記無応力歪みゲージに対して、実質的にゼロの有効温度係数を示すまで、
現在の負荷検知トリミング抵抗器に代えて、異なる負荷検知トリミング抵抗器を使用することと、
前記所定の温度範囲に渡って、前記負荷検知歪みゲージの応答を測定することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記所定の温度範囲に渡って前記負荷検知歪みゲージの応答を反復的に測定することは、前記所定の温度範囲に渡って前記回路のモデルをシミュレートすることと、前記負荷検知歪みゲージのシミュレートされた応答を記録することとを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記無応力歪みゲージは、前記力/トルクセンサが、加えられた力および/またはトルクを測定するときに、実質的に機械的歪みを受けない前記力/トルクセンサの部材に取り付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記力/トルクセンサは、6つの負荷検知歪みゲージを含み、そのうちの2つが、加えられた力および/またはトルクから機械的変形を受ける3つの変形可能なビームの各々に取り付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
各変形可能なビーム上の前記2つの負荷検知歪みゲージは、前記変形可能なビームの同じ側に取り付けられる、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してロボット力/トルクセンサに関し、特に、無応力歪みゲージを有するホイートストンクォーターブリッジ回路構成における複数の負荷(荷重)検知歪みゲージを温度補償するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットは、製品の製造、試験、組み立て、および梱包、補助的手術および遠隔手術、宇宙探査、危険な環境での動作、ならびに多くの他の用途に不可欠な存在である。多くのロボットおよびロボットアプリケーションは、材料除去(研削、研磨など)、部品組立、遠隔掘削、または環境の他の操作など、加えられるまたは経験される力の定量化を必要とする。
【0003】
産業用ロボットは、典型的には空間を移動し、多数の自由度に沿ってワークピース上で動作するようにプログラムされた、汎用アクチュエータ、すなわち「アーム」を備える。エンドエフェクタとしても知られる様々な異なるツールをロボットアームに取り付けて、異なるタスクを実行することができる。
【0004】
ロボットがワークピースに加える力の程度を監視および制御しなければならない、および/またはロボットが受ける力をフィードバックしてロボットの動作(動き)を制御する(「力制御」動作)用途では、ロボットアームとツールとの間に力/トルク(F/T)センサが介在する。
【0005】
従来のタイプのF/Tセンサの1つは、歪みゲージを使用して、2つの機械部品、-すなわち一方がロボットアームに(直接的または間接的に)結合され、他方がロボットツールに(直接的または間接的に)結合される-、を接続する小さなビーム(梁)の変形を測定する。そのようなF/Tセンサの1つのコンパクトな例は、開示の譲受人に譲渡された米国特許第10,422,707号明細書(「'707特許」)に記載されており、本その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
'707特許から再現された
図1は、ツールアダプタプレート(TAP)と呼ばれる、ツールに結合された中央「ハブ」を示す。TAPの周りに環状に配置され、TAPから離間して配置され、当技術分野では取付アダプタプレート(MAP)と呼ばれる別の本体が、ロボットアームに結合される。MAPとTAPは、TAPの周りに放射状に配置された、複数の比較的薄い、したがって機械的に変形可能なビームによって接続され、ある構成では車輪のスポークに似ている。TAPおよびMAPにそれぞれ結合された物体間の相対的な力またはトルクは、TAPに対してMAPを移動させようとし、結果として、少なくともいくつかのビームがわずかに変形または屈曲する。
【0007】
典型的には、少なくともいくつかのビームの複数の表面に取り付けられた歪みゲージが、この変形を検出する。機械的変形を受けるビームは、一方の側に沿ってわずかに伸長し、反対側に沿って圧縮される。そのようなビームの側面に堅固に取り付けられた抵抗性歪みは、それぞれ、対応する伸びまたは縮みを受け、歪みゲージの抵抗はその長さに比例する。したがって、ホイートストンブリッジ回路のいくつかの構成などによって、歪みゲージの抵抗の変化を検出して定量化し、複数のゲージからの信号を組み合わせて、F/Tセンサに作用する力およびトルクを分解することができる。
【0008】
'707特許は、変形可能なビームの片側のみに取り付けられた歪みゲージを記載し、
図1に示す。この構成は、全ての力およびトルクを依然として分解しながら、非常にコンパクトなセンサ本体および製造時の歪みゲージの配置の容易さを可能にする。歪みゲージは、'707特許の
図3から再現される
図2に示されるように、クォーターブリッジ回路に接続される。
【0009】
ロボット力/トルクセンサにおける誤差の主な原因は、熱ドリフトによる不正確さである。熱ドリフトの原因は、周囲温度変化、周囲温度勾配、及び自己加熱を含む。シリコン歪みゲージの場合、温度変化によるゲージ回路の出力電圧の変化は、誘起応力による出力電圧変化の大きさの数倍であり得る。実際、シリコン歪みゲージは、応力センサよりも良好な温度センサであると考えることができる。ハーフブリッジトポロジーで歪みゲージを接続することにより、ゲージが十分に整合されている場合にのみ、また、ゲージが互いに正確に対向して配置されている場合にのみ、温度の影響を補償することができる。さらに、歪みゲージ出力に影響を与えることに加えて、ロボット力-トルクセンサの温度変化は、構造要素の不均等な膨張/圧縮に起因する機械的応力を誘発する可能性があり、センサは、加えられた負荷または力として解釈しうる。
【0010】
熱ドリフトを補償するための1つのアプローチは、歪みゲージに対する温度変化の影響を捕捉し、それらを数学的に除去することである。'707特許の
図8である
図3は、F/Tセンサの無応力機械部材に取り付けられた無応力温度補償歪みゲージを示す。この歪みゲージは、その抵抗を変化させるための機械的変形を受けないので、抵抗の変化は、F/Tセンサ本体の温度の変化のみに起因する。無応力歪みゲージからの信号は、熱の影響を補償するために、負荷検知歪みゲージからの信号から数学的に除去される。
【0011】
本開示の譲受人に譲渡され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開2018/200668号は、各負荷検知歪みゲージについてクォーターブリッジ回路によって出力される電圧から、無応力歪みゲージのクォーターブリッジ回路によって出力される電圧を減算することを記載している。第'668号PCT公報の
図2である
図4は、歪みゲージSG0およびSG1の信号から無応力歪みゲージSGU信号が減算されることを示している。
【0012】
しかし、個々の歪みゲージの温度係数の違いにより、無応力歪みゲージ回路の出力が減算された場合でも、負荷検知歪みゲージ回路は、温度変化に対する出力の変動を示す。すなわち、負荷検知歪みゲージの少なくともいくつかは、無応力歪みゲージとは異なる、温度に対する抵抗値の変化を示す。これは、本明細書では、無応力歪みゲージに対する有効温度係数と呼ばれる。これらの有効温度係数は、温度が変化するにつれて熱ドリフトをもたらし、力およびトルクの測定に誤差を生じさせる。
【0013】
本明細書の背景技術は、本発明の実施形態を技術的および動作的な文脈に置き、当業者がそれらの範囲および有用性を理解するのを助けるために提供される。背景技術に記載されているアプローチは、追求することができるが、必ずしも以前に着想または追求されているアプローチではない。そのように明示的に特定されない限り、本明細書におけるいかなる記述も、単に背景技術セクションに含まれることによって、従来技術であると認められるものではない。
【発明の概要】
【0014】
以下は当業者に基本的な理解を提供するために、本開示の簡略化された発明の概要を提示する。この概要は、本開示の広範な概要略ではなく、本発明の実施形態の主要/重要な要素を識別すること、または本発明の範囲を線引きすることを意図するものではない。この概要の唯一の目的は、本明細書で開示されるいくつかの概念を、後で提示されるより詳細な説明の前置きとして簡略化された形で提示することである。
【0015】
本明細書に記載され、特許請求される1つ以上の実施形態によれば、ハードウェア温度補償手順は、トリミング抵抗器を使用して、無応力歪みゲージに対する、負荷(荷重)検知歪みゲージの任意の有効温度係数を実質的に排除する。前記歪みゲージは、クォーターブリッジ構成で、複数の並列ステージで接続される。クォーターブリッジ構成の無応力歪みゲージは、並列に接続される。トリミング抵抗器は、所定の温度範囲に渡って、前記無応力歪みゲージに対する、負荷検知歪みゲージの任意の有効温度係数を実質的に排除する補償手順において、前記無応力歪みゲージおよび負荷検知歪みゲージのうちの1つ以上に渡って追加される。
【0016】
一実施形態は、力/トルクセンサのための温度補償回路に関する。前記回路は、並列に接続された第1の複数の第1のステージを含む。各第1のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び負荷検知歪みゲージを直列に接続するノードにおいてそれぞれの電圧を出力するように構成される。前記回路はまた、前記第1のステージと並列に接続された第2のステージを含む。前記第2のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び無応力歪みゲージを直列に接続するノードにおいて電圧を出力するように構成される。前記第2のステージの電圧は、各第1のステージ電圧から減算される。前記回路は、前記無応力歪みゲージに渡って並列に接続された無応力トリミング抵抗器をさらに含む。前記無応力トリミング抵抗器の値は、所定の温度範囲に渡って、前記無応力歪みゲージに対する、全ての負荷検知歪みゲージの、前記固定抵抗器に接続された前記電源の極性とは反対の極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される。
【0017】
別の実施形態は、力/トルクセンサのための温度補償回路に関する。前記回路は、並列に接続された第1の複数の第1のステージを含む。各第1のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び負荷検知歪みゲージを直列に接続するノードにおいてそれぞれの電圧を出力するように構成される。前記回路はまた、前記第1のステージと並列に接続された第2のステージを含む。前記第2のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び無応力歪みゲージを直列に接続するノードにおいて電圧を出力するように構成される。前記第2のステージの電圧は、各第1のステージ電圧から減算される。前記回路は、第2の複数の負荷トリミング抵抗器をさらに含む。各負荷トリミング抵抗器は、負荷検知歪みゲージに渡って並列に接続される。各負荷トリミング抵抗器の値は、前記所定の温度範囲に渡って、前記無応力歪みゲージに対する、関連する負荷検知歪みゲージの、前記固定抵抗器に接続された前記電源の極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される。
【0018】
さらに別の実施形態は、熱ドリフトに対して力/トルクセンサにおける複数の負荷検知歪みゲージを補償する方法に関する。回路は、並列に接続された複数の第1のステージを含む。各第1のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び負荷検知歪みゲージを直列に接続するノードにおいてそれぞれの電圧を出力するように構成される。前記回路はまた、前記第1のステージと並列に接続された第2のステージを含む。前記第2のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器及び無応力歪みゲージを直列に接続するノードにおいて電圧を出力するように構成される。前記第2のステージおよび各第1のステージの前記出力電圧が測定され、前記第2のステージの出力電圧が、所定の温度範囲に渡って、各第1のステージの出力電圧から減算される。前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源の極性と反対の極性の、有効温度係数を少なくとも1つの負荷検知歪みゲージが示すことに応答して、無応力トリミング抵抗器が、前記無応力歪みゲージに渡って並列に追加される。前記無応力トリミング抵抗器の値は、前記所定の温度範囲に渡って、全ての負荷検知歪みゲージの、前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源の反対の極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される。各負荷検知歪みゲージについて、前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源の極性の、有効温度係数を前記負荷検知歪みゲージが示すことに応答して、負荷検知トリミング抵抗器が前記負荷検知歪みゲージに渡って並列に追加される。前記負荷検知トリミング抵抗器の値は、前記所定の温度範囲に渡って、前記負荷検知歪みゲージの、前記無応力歪みゲージに対する、前記固定抵抗器に接続された前記電源の極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、本発明の実施形態を示す添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分かつ完全になるように提供され、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるのであろう。同じ参照符号は全体を通して同じ要素を指す。
【0020】
【
図1】
図1は、負荷検知歪みゲージを示す従来技術の力/トルクセンサの断面図である。
【0021】
【
図2】
図2は、従来技術のクォーターブリッジ回路における歪みゲージの図である。
【0022】
【
図3】
図3は、無応力歪みゲージを示す従来技術の力/トルクセンサの斜視断面図である。
【0023】
【
図4】
図4は、2つの負荷検知歪みゲージ信号から無応力歪みゲージ信号を減算することを示す従来技術の回路図である。
【0024】
【
図5】
図5は、6つの負荷検知歪みゲージ及び無応力歪みゲージのクォーターブリッジ回路を示す回路図である。
【0025】
【
図6】
図6は、補償前の、温度に対する測定された歪みゲージ応答のグラフである。
【0026】
【
図7】
図7は、温度に対する測定された歪みゲージ応答のシミュレートされた変化のグラフであり、応答は、負の有効温度係数を除去するために部分的に補償されている。
【0027】
【
図8】
図8は、温度に対する測定された歪みゲージ応答のシミュレートされた変化のグラフであり、応答は、正の有効温度係数も除去するために十分に補償されている。
【0028】
【
図9】
図9は、補償手順の複数回の反復後の、
図8の測定された歪みゲージ応答に対するシミュレートされた変化のグラフである。
【0029】
【
図10】
図10は、熱ドリフトに対して力/トルクセンサにおける複数の負荷検知歪みゲージを補償する方法のフロー図である。
【0030】
【
図11】
図11は、トリミング抵抗器の決定手順のフロー図である。
【0031】
【
図12A】
図12Aは、温度補償前の温度に対する測定された歪みゲージ応答のグラフである。
【0032】
【
図12B】
図12Bは、温度補償後の温度に対する測定された歪みゲージ応答のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、簡単かつ例示的な目的のために、主にその例示的な実施形態を参照することによって説明される。これから述べる説明において、本発明を完全に理解するために、数多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細に限定されることなく実施され得ることは、当業者には容易に明らかであろう。本明細書では、本発明を不必要に不明瞭にしないように、周知の方法および構造については詳細に説明しない。
【0034】
本発明の実施形態は、上記で組み込まれた米国特許第10,422,707号(「707特許」)に記載されているコンパクトな力/トルク(F/T)センサの文脈で本明細書に記載されている。しかしながら、本発明はこの用途に限定されず、当業者は、実施形態が多種多様なF/Tセンサに有利に適用され得ることを容易に認識するのであろう。本明細書の
図1~3はそれぞれ、'707特許の
図1、3、および8から再現され、
図4は'668 PCT公報の
図2から再現されている。説明を明確にするために、'707特許における要素の番号付けがここで採用される。
【0035】
図1は、F/Tセンサ10の一実施形態の平面図を示す。TAP12は、3つの変形可能なビーム16a、16b、16cによってMAP14に接続される。図示された実施形態では、各ビーム16は、TAP12に直接接続され、薄い屈曲部17によってMAP14に接続され、これは機械的負荷下でのビーム16の変形を助ける。TAP12は、貫通孔30を介して、ロボットツールなどの第1の物体に接続されるように構成される。MAP14は、複数の取付孔32を介して、ロボットアーム等の第2の物体に接続されるように構成されている。TAP12およびMAP14は、ビーム16および屈曲部17によってのみ接続される。
【0036】
各ビーム16a~cの上面に(のみ)固定されているのは、負荷検知歪みゲージ1~6である。本明細書で使用する場合、用語「負荷検知歪みゲージ」は、F/Tセンサが加えられた力及び/又はトルクを測定するときに機械的応力を受ける、F/Tセンサの部材(変形可能なビーム16など)に取り付けられた歪みゲージを指す。他の実施形態では、負荷検知歪みゲージは、変形可能なビーム16の複数の表面、例えば、その反対側の表面(例えば、反対側の面、上面および下面)に取り付けられてもよい。F/Tセンサ10はまた、各負荷検知歪みゲージ1~6から電気信号を受信し、信号を処理して、MAP14とTAP12との間に加えられる力(複数可)およびトルク(複数可)の大きさおよび方向を分解するように動作する処理回路(図示せず)を含む。そのような処理回路は、例えば、プログラムコードおよびセンサデータを記憶するように動作可能なメモリに結合されたマイクロプロセッサを備え得る。
【0037】
図2は、クォーターブリッジ構成で配線された2つの負荷検知歪みゲージを示している。'707号特許に記載されているように、この回路構成は、2つの負荷検知歪みゲージの抵抗R
LSnの変化から、それぞれの負荷検知歪みゲージが取り付けられているビーム16の表面の一部分が引張状態または圧縮状態のどちらであるかを区別するのに十分である。全ての6つの負荷検知歪みゲージについてこの情報を比較すれば、力Fx、Fy、FxおよびトルクTx、Ty、Tzを決定するのに十分である。
【0038】
図3は、無応力歪みゲージ38を示す。無応力歪みゲージ38は、TAP12内に空隙35を形成することによって形成される拡張部37に取り付けられる。拡張部37は、F/Tセンサ10に加えられた、または受けた任意の力またはトルクによる変形を受けない。したがって、無応力歪みゲージ35の抵抗の変化は、温度変化によって生じる。本明細書で使用する場合、「無応力歪みゲージ」という用語は、F/Tセンサが加えられた力及び/又はトルクを測定するときに、実質的に機械的応力を受けないF/Tセンサの部材に取り付けられた、他の点で負荷検知歪みゲージに実質的に類似する歪みゲージを意味する。
【0039】
図4は、クォーターブリッジ回路構成における2つの負荷検知歪みゲージSG0およびSG1を示す。負荷検知歪みゲージ信号は、同じ区クォーターブリッジ回路に配線された、無応力歪みゲージSGUからの信号を減算することによって、熱ドリフトに対して部分的に補償される。無応力歪みゲージSGU信号のこの減算は、温度変化に対するF/Tセンサの性能を改善するが、温度に対する各負荷検知歪みゲージSG0、SG1の抵抗の変化は、無応力歪みゲージSGUのそれとは正確に一致しない。したがって、負荷検知歪みゲージSG0、SG1のいくつかは、F/Tセンサが温度変化を受けるとき、無応力歪みゲージに対する、有効温度係数を示す。この有効温度係数は、F/Tセンサ温度が変化するにつれて、力およびトルクの測定に悪影響を及ぼす。
【0040】
図5は、F/Tセンサにおける負荷検知歪みゲージの抵抗値の変化を測定するための回路、および、熱ドリフトを補償するための可能なトリミング抵抗器を示す。複数の第1のステージが並列に接続されており、各第1のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器と負荷検知歪みゲージとを直列に接続するノードにおいてそれぞれの電圧を出力するように構成される。i番目の負荷検知歪みゲージの抵抗値は、R
LSi(すなわち、R
LS0、R
LS1、...R
LS(n-1))と表される。図示の回路ではn=6であるが、これは本発明を限定するものではない。変数R
LSiは、i番目の負荷検知歪みゲージの抵抗値のみを適切に指すが、以下の説明では便宜上、歪みゲージそのものをR
LSiと表記する(及び負荷検知歪みゲージをまとめてR
LSと表記する)ことがある。n個の負荷検知歪みゲージR
LS0、R
LS1、...R
LS(n-1)の各々は、対応する固定抵抗器R
F0, R
F1, . . . , R
F(n-1)に直列に接続される。
図5の回路構成では、固定抵抗器が正電圧源に接続されており、他の実施形態では、固定抵抗器が負電圧源に接続されていてもよいことに留意されたい。実際には、全ての固定抵抗器R
Fは、1kΩなどの同じ値を有することができる。一実施形態では、固定抵抗器R
Fの数値は、本明細書でより詳しく説明するように、電圧測定値を好ましい範囲内に維持するように、変更することができる。
【0041】
第1のステージは、印加されるソース電圧V+とV-との間で並列に接続される。クォーターブリッジ回路は、負荷検知歪みゲージRLSiと固定抵抗器RFnの間の、各第1のステージの中間点で電圧測定を行うことによって形成される。
【0042】
第2のステージは、第1のステージと並列に接続される。第2のステージは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器RFUと無応力歪みゲージRUとを直列に接続するノードにおいて、電圧を出力するように構成される。固定抵抗器RFUは、正電源電圧に接続されている。実際には、固定抵抗器RFUは、第1のステージの固定抵抗器RFと同じ値を有することができる。無応力歪みゲージRUは、負荷検知歪みゲージRLSと実質的に同様であり、唯一の違いは、それが、加えられた力またはトルクの下で機械的応力を受けないF/Tセンサの部材に取り付けられることである。
【0043】
各歪みゲージR
LSi、R
Uの出力は、対応するステージの中間点で測定される電圧である。
図4に示すように、第2のステージの出力電圧は、各第1のステージの出力電圧から減算される。このことから、固定抵抗器R
Fn、R
FUの既知の値を用いて、負荷検知歪みゲージR
LSnの抵抗値の変化、ひいては機械的応力を引き起こす加えられた力およびトルクを計算することができる。本明細書に記載の補正手順は、各負荷検知歪みゲージR
LSiについて、無応力歪みゲージR
Uに対する、任意の有効温度係数を実質的に排除して、力/トルクの計測値から熱ドリフトを実質的に排除する。
【0044】
上述のように、固定抵抗器R
Fn、R
FUは、正の電圧源に接続される。これは、温度上昇に伴う負荷検知歪みゲージR
LSnと無応力歪みゲージR
Uとの間の相対的な温度ドリフトの方向、すなわち、本明細書では「極性」とも呼ばれる、正または負の方向を決定する。この相対的な熱ドリフト、より正確には、無応力歪みゲージR
Uに対する負荷検知歪みゲージR
LSiの温度上昇に伴う抵抗値の変化率の差は、本明細書では無応力歪みゲージR
Uに対する負荷検知歪みゲージR
LSnの有効温度係数と呼ばれる。有効温度係数の方向または極性は、固定抵抗器R
Fn、R
FUが正または負の電源電圧に接続されているかどうかに依存する。ここでは、説明を明確にするために、
図5の回路構成を想定し、固定抵抗器R
Fn、R
FUを正電圧源に接続するものとする。
【0045】
図5は、各負荷検知歪みゲージR
LSに渡って並列に接続された可能なトリミング抵抗器R
LSTと、無応力歪みゲージR
Uに渡って並列に接続された可能なトリミング抵抗器R
UTとを示している。トリミング抵抗器R
LST、R
UTは、破線で示されており、温度補償手順中に各々が任意の所与の歪みゲージに追加されても追加されなくてもよいことを示している。負荷検知歪みゲージR
LSnに渡る任意のトリミング抵抗器は、本明細書では負荷検知トリミング抵抗器R
LSTと呼ばれ、無応力歪みゲージR
Uに渡る任意のトリミング抵抗器は、本明細書では無応力トリミング抵抗器R
UTと呼ばれる(負荷検知トリミング抵抗器R
LSTは、いかなる負荷も検知せず、無応力トリミング抵抗器R
UTが機械的応力を受けるかどうかは無関係である-トリミング抵抗器に適用される用語は参考のためのみである)。任意のトリミング抵抗器R
LST、R
UTの値は、温度の変化に対する反復処理において決定され、それはいくつかの実施形態ではシミュレートされ得る。
【0046】
本発明の実施形態によれば、負荷検知歪みゲージR
LSは、所定の温度範囲に渡って、無応力歪みゲージR
Uに対する、有効温度係数を実質的に排除するように温度補償される。
図5の回路構成では、無応力歪みゲージR
Uにトリミング抵抗器R
UTを追加すると、無応力歪みゲージR
Uに対する、全ての負荷検知歪みゲージR
LSの有効温度係数が増加する(高くなる)。また、この回路構成では、負荷検知歪みゲージR
LSiにトリミング抵抗器を追加すると、無応力歪みゲージR
Uに対する、負荷検知歪みゲージR
LSiの有効温度係数が減少する(低くなる)。
【0047】
最初に、機械的負荷が加えられていない状態で、センサが所定の温度範囲に渡って加熱されるにつれて、各第1のステージおよび第2のステージの出力が測定され、各第1のステージの出力電圧から第2のステージの出力電圧が減算される。万が一、全ての負荷検知歪みゲージRLSの抵抗値の変化が、無応力歪みゲージRUの抵抗値の変化と正確に一致(マッチ)する場合には、補償は不要である。ほとんどの現実的なケースでは、少なくとも1つの負荷検知歪みゲージRLSiは、所定の温度範囲にわたって、無応力歪みゲージに対して、負の有効温度係数を示す。
【0048】
図6は、各負荷検知歪みゲージR
LSiの、昇温に対する応答をプロットしている。本明細書で使用される場合、負荷検知歪みゲージR
LSnの応答は、励磁電圧(V+とV-との間の差)によって正規化された、対応する第1のステージの出力電圧と第2のステージの出力電圧との間の差分である。応答は、温度の上昇に伴って測定される。例えば、R
LS0のグラフは、F/Tセンサ本体が所定の温度範囲に渡って加熱されるときに、単位mV/Vでの値
【数1】
の時系列プロットである。各固定抵抗器R
Fiの値は既知であるので、R
Uの抵抗値に対する、歪みゲージR
LSの抵抗値は、測定された電圧およびオームの法則から容易に計算される。別の実施形態では、各負荷検知歪みゲージR
LSiの抵抗値は、所定の温度範囲に渡って多数の点で直接的に測定されてもよい。
図6の例では、R
LS1は、最大の負の有効温度係数を有し、つまり、対応する第1のステージは、温度の上昇に伴い、第2のステージに対して最大の電圧低下を示す。R
LS0とR
LS1のプロットが交差するので、混乱を避けるために、
図6-9ではR
LS0のプロットが破線で描かれていることに留意されたい。
【0049】
次いで、無応力トリミング抵抗器R
UTの値決定され、これは、無応力歪みゲージR
U(R
LSmax-negとして、
図5の回路のための一般的な場合で示される)に対して、最大の負の有効温度係数を示す負荷検知歪みゲージR
LS1の、温度に渡って、応答を平坦化(フラットに)する。一実施形態では、無応力トリミング抵抗器R
UTの値を決定することは、抵抗値の場イナリサーチを実行することと、無応力トリミング抵抗器R
UTの新しい値を、現在の値に代えて使用することと、所定の温度範囲に渡って、最も負の負荷検知歪みゲージR
LSmax-neg(
図6ではR
LS1)の実質的にゼロの有効温度係数をもたらすR
UT値が見つかるまで、R
UTの異なる値の反復ごとに、所定の温度範囲に渡って第1のステージの出力を測定またはシミュレートすることとを含む。
【0050】
図7は、決定された無応力トリミング抵抗器R
UTが、無応力歪みゲージR
Uに渡って接続された後の、負荷検知歪みゲージR
LSの応答を示す。負荷検知歪みゲージR
LS1の応答は、以前は最も負の有効温度係数を示していたが、ここでは所定の温度範囲に渡って実質的に一定である。しかし、無応力トリミング抵抗器R
UTを追加すると、他の全ての負荷検知歪みゲージR
LSの有効温度係数は、無応力歪みゲージR
Uに対して、増加した。すなわち、残りの第1のステージは、第2のステージよりも、温度が増加することにつれて、より大きな電圧の増加を出力する。
【0051】
次に、負荷検知トリミング抵抗器RLSTは、無応力歪みゲージRUに対して、正の有効温度係数を示す各負荷検知歪みゲージRLSに渡って並列に接続される。第1のステージの各々について、負荷検知トリミング抵抗器RLSTiの値が決定され、これは、その負荷検知歪みゲージRLSiについて、所定の温度範囲に渡って、実質的に平坦な応答をもたらす。また、ここでは、負荷検知トリミング抵抗RLSTiの新しい値を代用し、反復ごとに所定の温度範囲に渡って負荷検知歪みゲージRLSiの抵抗値を測定またはシミュレートする、バイナリサーチが適用されてもよい。
【0052】
図8は、補償手順の1回の反復が完了した後の、温度補償された負荷検知歪みゲージR
LSの応答を示す。全ての負荷検知歪みゲージR
LSは、所定の温度範囲に渡って実質的に一定の応答を示す(この例では、R
LS0およびR
LS5のプロットが重なっていることに留意されたい)。
【0053】
図9は、補償手順の数回の反復後の温度補償された負荷検知歪みゲージR
LSの応答を示している。応答はより平坦であり、すなわち、全ての負荷検知歪みゲージR
LSは、無応力歪みゲージR
Uに対して、実質的にゼロの有効温度係数を示す。さらに、応答は、ゼロmV/V付近を中心としたものとなっている。
【0054】
当業者であれば、上述の温度補償手順は、
図5のクォーターブリッジ回路構成に関連することに留意されたい。特に、その回路構成では、固定抵抗器R
Fn、R
FUは、正電圧源に接続される。電源電圧が逆になり、固定抵抗器R
Fn、R
FUが負の電圧源に接続されている場合、逆のブリッジ出力変化が生じる。すなわち、無応力歪みゲージR
Uに渡る無応力トリミング抵抗R
UTの追加は、無応力歪みゲージR
Uに対して、負荷検知歪みゲージR
LSnの有効温度係数を低下させる。さらに、負荷検知歪みゲージR
LSiに渡る負荷検知トリミング抵抗器R
LSTiの追加は、無応力歪みゲージR
Uに対して、その負荷検知歪みゲージR
LSiの有効温度係数を増加させる。
【0055】
したがって、一般な場合、無応力トリミング抵抗器RUTは、所定の温度範囲に渡って、無応力歪みゲージRUに対する、全ての負荷検知歪みゲージRLSnの、固定抵抗器RFn、RFUに接続された電源電圧の極性と逆の極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される。さらに、一般に、各負荷トリミング抵抗器RLSTiの値は、所定の温度範囲にわたって、無応力歪みゲージRUに対する、関連する負荷検知歪みゲージRLSiの、固定抵抗器RFn、RFUに接続された電源電圧の極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される。
【0056】
図10は、F/Tセンサ内の複数の負荷検知歪みゲージR
LSを熱ドリフトに対して補償する方法100におけるステップのフロー図である。この方法は、並列に接続された複数の第1のステージを備える回路で動作する。各第1のステージiは、正電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器R
Fiと負荷検知歪みゲージR
LSiとを直列に接続するノードにおいてそれぞれの電圧を出力するように構成される。回路は、第1のステージと並列に接続された第2のステージを含む。第2のステージは、電源電圧と負電源電圧との間で固定抵抗器R
FUと無応力歪みゲージR
Uとを直列に接続するノードにおいて正電圧を出力するように構成される。
【0057】
第2のステージおよび各第1のステージの出力電圧が測定され、第2のステージの出力電圧が、所定の温度範囲に渡って、各第1のステージの出力電圧から減算される(ブロック102)。
【0058】
様々な歪みゲージに対する任意のトリミング抵抗器の必要性および値は、以下に説明されるトリミング抵抗器決定手順(ブロック200)において決定される。一実施形態では、手順200は、回路のコンピュータシミュレーションで実行される。一実施形態では、回路は、Python言語でモデル化され、所定の温度範囲にわたる回路の動作がシミュレートされるが、当業者は、様々なプログラミング言語および/または回路シミュレーションプログラムのいずれかでモデルおよびシミュレーションを実施することができる。代替的に、手順200は、本明細書でより詳細に説明されるように、個別の抵抗器またはポテンショメータを使用して実行され得、トリミング抵抗器の値に収束するために必要に応じて、回路を反復的に熱的に循環させる。
【0059】
全てのトリミング抵抗器の必要性、及び、そうである場合には、全てのトリミング抵抗器の値が、トリミング抵抗器決定手順から決定されると(ブロック200)、決定されたトリミング抵抗器RUT、RLSTnが、回路内に設置(インストール)される(ブロック104)。次いで、回路は所定の温度範囲に渡って循環され、負荷検知歪みゲージRLSの応答が測定されて、それらが実質的に一定のままであることを検証する(ブロック106)。
【0060】
図11は、トリミング抵抗決定手順200の一実施形態におけるステップを示す。なお、
図11、及び以下のトリミング抵抗器決定手順200の説明は、最も一般的な場合を説明するものであり、
図5(固定抵抗器R
Fn、R
FUが正電源電圧に接続されている場合)の回路構成に限定されない。方法100(
図10)のブロック104の測定処理中に、少なくとも1つの負荷検知歪みゲージR
LSが、無応力歪みゲージR
Uに対して、固定抵抗器に接続された電源電圧の極性とは逆の極性の、有効温度係数を示す場合(ブロック202)、無応力トリミング抵抗器R
UTが、無応力歪みゲージR
Uに渡って並列に追加される。無応力トリミング抵抗器R
UTの値は、所定の温度範囲にわたって、全ての負荷検知歪みゲージR
LSの、無応力歪みゲージR
Uに対する、固定抵抗器に接続された電源電圧の極性とは逆の極性の、有効温度係数を実質的に排除するように選択される(ブロック204)。
【0061】
一実施形態では、無応力トリミング抵抗器RUTの値の決定は、無応力ストレインゲージRUに対して、固定抵抗器に接続された電源電圧の極性と逆の極性の、最大有効温度係数を示す負荷検知歪みゲージRLSmaxを最初に識別することによって実行される。第1の無応力トリミング抵抗器RUT1が、無応力歪みゲージRUに渡って並列に追加され、識別された負荷検知歪みゲージRLSmaxの応答が所定の温度範囲に渡って再度測定される。この負荷検知歪みゲージRLSmaxが、固定抵抗器に接続された電源電圧の極性と逆の極性の、有効温度係数を依然として示す場合、現在の無応力トリミング抵抗器の代わりに、異なる無応力トリミング抵抗器RUT2が使用(代用)される。一実施形態では、j個の連続する無応力トリミング抵抗器RUTjの値は、バイナリサーチを介して選択される。所定の温度範囲に渡って応答を測定し、異なる無応力トリミング抵抗器RUTjを使用(代用)するステップは、識別された負荷検知歪みゲージRLSmaxが実質的にゼロの有効温度係数(または固定抵抗器に接続された電源電圧の極性の小さな温度係数)を示すまで、反復的に繰り返される。最終的な無応力トリミング抵抗器RUTの値は、最後の測定反復中の全ての負荷検知歪みゲージRLSの応答と同様に、記憶される。
【0062】
次に、トリミング抵抗器決定手順200は、回路の第1のステージのうちのいずれかが、負荷検知トリミング抵抗器RLSTの追加を必要とするかどうか、および必要とする場合、それらの値を決定する。無応力トリミング抵抗器RUTは、識別された負荷検知歪みゲージRLSmaxの有効温度係数をゼロにするように選択された。したがって、残りの負荷検知歪みゲージRLSの全てではないにしてもほとんどの有効温度係数は、現在、非ゼロである可能性が高く、固定抵抗器に接続された電源の極性のものである可能性が高い。
【0063】
ブロック204における最後の測定反復の間に、任意の負荷検知歪みゲージRLSiが、無応力歪みゲージRUに対する、固定抵抗器に接続された電源電圧の極性の、有効温度係数を示す場合(ブロック206)、負荷検知歪みゲージRLSiに渡って、負荷検知トリミング抵抗器RLSTiが並列に追加される。負荷検知トリミング抵抗器RLSTiの値は、所定の温度範囲に渡って、関連する負荷検知歪みゲージRLSiの、無応力歪みゲージRUに対する有効温度係数を実質的に排除するように選択される(ブロック208)。
【0064】
無応力トリミング抵抗器RUTの決定と同様に、一実施形態では、各負荷検知トリミング抵抗器RLSTiの値の決定は、反復測定/代用処理で実行される。無応力歪みゲージRUに対して、固定抵抗器に接続された電源電圧の極性の、有効温度係数を示すi番目の負荷検知歪みゲージRLSiごとに、第1の負荷検知トリミング抵抗器RLST1が、関連する負荷検知歪みゲージRLSiに渡って並列に追加される。少なくともその負荷検知歪みゲージRLSiの応答は、所定の温度範囲にわたって再び測定される。負荷検知歪みゲージRLSiが依然として有効温度係数を示す場合、その負荷検知歪みゲージRLSiに渡って、現在の負荷検知トリミング抵抗器の代わりに、異なる負荷検知トリミング抵抗器RLST2が使用(代用)される。一実施形態では、j個の連続する負荷検知トリミング抵抗器RLSTjの値は、バイナリサーチを介して選択される。所定の温度範囲に渡って応答を測定し、異なる負荷検知トリミング抵抗器RUTjを代用するステップは、i番目の負荷検知歪みゲージRLSiが、無応力歪みゲージRUに対して、実質的にゼロの有効温度係数を示すまで、反復的に繰り返される。次に、固定抵抗器に接続された電源の極性の、有効温度係数を示す全てのn個の負荷検知歪みゲージが補償されるまで、このプロセスが、次の第1のステージに対して繰り返される。
【0065】
代替的に、全ての負荷検知トリミング抵抗器R
LSTnの値を同時に変更し、その後、歪みゲージ応答を熱サイクルにわたって測定することができる。最終的な負荷検出トリミング抵抗R
LSTの全ての値が記憶される。
図10の方法100に関して上述したように、これらの値を有するトリミング抵抗器が、回路に設置され(ブロック104)、温度安定性が検証される(ブロック106)。
【0066】
トリミング抵抗器RLST、RUTを追加すると、場合によっては、所望の電圧範囲から外れる出力が発生することがある。一実施形態では、この場合、1つ以上の固定抵抗RF、RFUの値(複数可)は、出力電圧が所望の範囲内になるように変更される。この場合、任意のトリミング抵抗器RLSTn、RUTが除去され、計測サイクルが実行され、所定の温度範囲にわたって全ての負荷検知歪みゲージRLSの応答が測定され、次いで、トリミング抵抗器決定手順200がブロック202で再開され、更新された固定抵抗値RF、RFUで再度実行される。
【0067】
図5に戻ると、補償手順、例えば、方法100の実行後、補償手順中に測定された応答に応じて、トリミング抵抗器R
LSTn、R
UTのいくつかの可能な構成がある。上述のように、万一、最初の測定で、全ての負荷検知歪みゲージR
LSが、無応力歪みゲージR
Uに対して、ゼロノ有効温度係数を示すことを明らかになった場合には、トリミング抵抗器R
LSTまたはR
UTは必要とされない。
【0068】
別の可能性は、1つ以上の負荷検知歪みゲージRLSの全ての有効温度係数がゼロまたは正であることである。この場合、無応力歪みゲージRUには無応力トリミング抵抗器RUTが追加されないが、1つ以上の負荷検知歪みゲージRLSにわたって負荷検知トリミング抵抗器RLSTが追加される。
【0069】
一般的な場合、負荷検知歪みゲージRLSmaxは、最初に最大の負の有効温度係数を示し、その歪みゲージRLSmaxの応答を所定の温度範囲に渡って実質的に一定にする(すなわち、無応力歪みゲージRUに対して、その有効温度係数をゼロにする)ために、無応力トリミング抵抗器RUTを無応力歪みゲージRUに追加することを促す。これは、他の負荷検知歪みゲージRLSの大部分または全てに対して正の有効温度係数を生じさせ、負荷検知トリミング抵抗器RLSTをそれらに追加することを促す。したがって、(n-1)個までの第1のステージは、負荷検知トリミング抵抗器RLSTを含むことができ、1つの例外は、無応力トリミング抵抗器RUTによって最初にゼロにされた負荷検知歪みゲージRLSmaxである。しかし、この場合でも、実際問題として、無応力トリミング抵抗器RUTの利用可能な値が離散的であるので、この負荷検知歪みゲージRLSmaxに、ゼロではなく、わずかに正の有効温度係数を与える値が選択されることができ、同様に、負荷検知トリミング抵抗器RLSTの追加を促す。
【0070】
図6にプロットされたデータは、代表的なF/Tセンサから測定されたものである。回路のモデルを用いて、
図5の回路の変化(すなわち、トリミング抵抗R
LSTn、R
UTの追加および数値の調整)をシミュレートした。したがって、
図7-9にプロットされた歪みゲージの応答は、シミュレーションされたデータを反映している。対照的に、
図12Aおよび12Bはそれぞれ、熱補償方法100の前後のF/Tセンサについて測定された歪みゲージ応答を示し、追加および調整されたトリミング抵抗器は実際のハードウェアであり、歪みゲージ応答は、所定の温度範囲にわたって測定された。これらのグラフは、本発明の実施形態によって達成される熱ドリフトの劇的な改善を示している。
【0071】
本発明の実施形態は、従来技術を超える多数の利点を提示する。所定の温度範囲に渡って、1つの無応力歪みゲージRUに対して、複数の負荷検知歪みゲージRLSnの有効温度係数を実質的に排除することによって、F/Tセンサ精度が改善され、他の熱ドリフト軽減手段が無意味となる。本発明の実施形態による歪みゲージの温度補償は、F/Tセンサのクォーターブリッジ測定回路に設置された特定の歪みゲージに適合された、個別のトリミング抵抗器の特定の値をもたらす。補償はF/Tセンサ製造時に実行されてもよく、トリミング抵抗器が回路内に設置されると、熱ドリフトは、F/Tセンサの寿命の間、ハードウェア内で永続的に排除される。
【0072】
一般に、本明細書で使用される全ての用語は、異なる意味が明確に与えられ、かつ/またはそれが使用される文脈から暗示されない限り、関連する技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。a/an/the要素、装置、構成要素、手段、ステップなどへの全ての言及は、明示的に別段の定めがない限り、要素、装置、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを指すものとして、オープンに解釈されるべきである。本明細書に開示される任意の方法のステップは、ステップが別のステップに続くまたは先行しなければならないと明示的に記載されない限り、および/またはステップが別のステップに続くまたは先行しなければならないことが暗示的である場合を除き、開示された正確な順序で実行される必要はない。本明細書に開示される実施形態のいずれかの任意の特徴は、適切な場合にはいつでも、任意の他の実施形態に適用され得る。同様に、任意の実施形態の任意の利点は、任意の他の実施形態に適用することができ、逆もまた同様である。同封の実施形態の他の目的、特徴および利点は、以下の説明から明らかになるのであろう。本明細書で使用される場合、用語「ように構成される」は、特定の方法で動作するように設定、編成、適合、または配置されることを意味し、用語「ように設計される」と同義である。本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、ほぼまたは本質的を意味するが必ずしも完全ではない。この用語は、機械的または部品値の許容誤差(公差)、測定誤差、ランダム変動、および不正確さの動揺の原因を包含し、説明する。
【0073】
もちろん、本発明は、本発明の本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書に具体的に記載されたもの以外の方法で実施されてもよい。本実施形態は全ての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味および均等の範囲内に入る全ての変更は、その中に包含されることが意図される。
【外国語明細書】