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▶ 北田 駿一の特許一覧

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  • 特開-エフェクター 図1
  • 特開-エフェクター 図2
  • 特開-エフェクター 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117407
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】エフェクター
(51)【国際特許分類】
   G10D 1/08 20060101AFI20230816BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
G10D1/08 100
H04R3/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019228
(22)【出願日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】P 2022019993
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】521182205
【氏名又は名称】北田 駿一
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(72)【発明者】
【氏名】北田 駿一
【テーマコード(参考)】
5D002
5D220
【Fターム(参考)】
5D002AA05
5D002CC58
5D220EE02
5D220EE33
(57)【要約】
【課題】従来のエフェクターは、エフェクター本体をボディ内に収納するために、ボディに凹部を形成する必要があり、さらに、複数の可変抵抗器を取り付けるために、ボディに穴加工を加える必要があった。
【解決手段】本発明のエフェクター1は、電子弦楽器(エレキギターEG)に組み込まれる組み込み式のエフェクターであって、前記電子弦楽器(エレキギターEG)のボディBに形成された凹部Rを塞ぐように配される蓋板10と、前記蓋板10の裏側に配置され、前記凹部R内に収納可能なサイズに形成されたエフェクターモジュール20と、を備える。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子弦楽器に組み込まれる組み込み式のエフェクターであって、
前記電子弦楽器のボディに形成された凹部を塞ぎ、露出するように配される蓋板と、
前記蓋板の裏側に配置され、前記凹部内に収納可能なサイズに形成されたエフェクターモジュールと、
を備えるエフェクター。
【請求項2】
前記蓋板は、前記ボディに対して着脱可能に設けられることを特徴とする、請求項1に記載のエフェクター。
【請求項3】
前記エフェクターモジュールはユーザによって操作される操作部を有し、
前記蓋板には貫通穴が形成されており、
前記操作部は当該貫通穴の位置に対応して設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のエフェクター。
【請求項4】
前記エフェクターモジュールに電力を供給するバッテリーを備え、
前記バッテリーは前記ボディの凹部内に収納されることを特徴とする、請求項1に記載のエフェクター。
【請求項5】
前記エフェクターモジュールは入力端子および出力端子を備えており、当該入力端子および出力端子は前記電子弦楽器に対してコネクタ接続されることを特徴とする、請求項1に記載のエフェクター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エフェクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、エレキギターに使用されるエフェクターは、エレキギターとギターアンプの間に接続されて用いられ、エレキギターから出力された信号を加工し、音色に種々の変化をつけるものである。ここで、特許文献1に記載されているエフェクターは、エレキギターのボディに対して抜き差し自在に装着されるエフェクター本体と、当該エフェクター本体による音響効果を制御する複数の可変抵抗器と、を備えており、当該可変抵抗器はエフェクター本体とは物理的に分離した状態でエレキギターのボディ表面に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭57-133097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のエフェクターは、エフェクター本体をボディ内に収納するために、ボディに凹部を形成する必要があり、且つ、複数の可変抵抗器を取り付けるために、ボディに穴加工を加える必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電子弦楽器に組み込まれる組み込み式のエフェクターであって、前記電子弦楽器のボディに形成された凹部を塞ぎ、露出するように配される蓋板と、前記蓋板の裏側に配置され、前記凹部内に収納可能なサイズに形成されたエフェクターモジュールと、を備えることを特徴とする。
【0006】
前記蓋板は、前記ボディに対して着脱可能に設けられることを特徴とする。
【0007】
前記エフェクターモジュールはユーザによって操作される操作部を有し、前記蓋板には貫通穴が形成されており、前記操作部は当該貫通穴の位置に対応して設けられていることを特徴とする。
【0008】
前記エフェクターモジュールに電力を供給するバッテリーを備え、前記バッテリーは前記ボディの凹部内に収納されることを特徴とする。
【0009】
前記エフェクターモジュールは入力端子および出力端子を備えており、当該入力端子および出力端子は前記電子弦楽器に対してコネクタ接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電子弦楽器に対して単一の凹部を形成するだけでよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係るエフェクターが取り付けられたエレキギターの背面写真
図2】上記エフェクターを取り外したエレキギターの背面写真
図3】(a)上記エフェクターの平面図、(b)上記エフェクターの側面図、(c)上記エフェクターの背面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るエレキギター用のエフェクターを説明する。
【0013】
図1に示すように、エレキギターEGはボディBを有している。エレキギターEGのボディBは公知のものであって、図に示されているのはその一例である。当該エレキギターEGのボディBの裏側に本実施形態のエフェクター1が取り付けられている。
【0014】
本実施形態に係るエフェクター1は、図2に示すように、蓋板10と、エフェクターモジュール20と、バッテリー30と、を備えている。蓋板10は、厚みが薄い方形のアルミ板であり、ボディBの裏側に形成された凹部Rを塞ぐサイズに形成されている。当該蓋板10は、アルミ以外の金属板や、樹脂製の薄板または木製の薄板であっても構わない。ボディBの凹部Rの周りには複数の(本実施形態では2つの)ネジ穴が形成されており、蓋板10には、当該ネジ穴に対応する位置に開口が形成されている。当該開口に通されたネジがネジ穴にネジ止めされることにより、蓋板10がボディBに対して着脱可能、且つボディBの裏面に露出するように設けられる。
【0015】
上記蓋板10の裏側にエフェクターモジュール20が取り付けられている。具体的には、図3に示すように、蓋板10の裏側に配置されたスペーサ40を介してエフェクターモジュール20がネジ41により取り付けられる。エフェクターモジュール20は、回路部品が実装された基板21と、基板21の下面側に配置されたコネクタ22と、を備えている。当該基板21に実装されている回路部品によって、エレキギターEGのピックアップによってセンシングされた電気信号に特定の効果を付加するエフェクター回路が構成されている。当該エフェクター回路は、代表的には、ピックアップによってセンシングされた電気信号を増幅する増幅回路、当該電気信号に帯域制限をかけたり、特定の周波数成分を取り出すフィルタ回路などであり、これらの回路が直列的に接続されて構成されている。このような回路部品は基板21の上面に実装されている。
【0016】
当該エフェクターモジュール20は、エレキギターEGのピックアップによってセンシングされた電気信号が入力される入力端子と、エレキギターEGのアウトプットジャックに対して電気信号を出力する出力端子と、後述するバッテリー30からの電力供給を受ける電源端子およびグランド端子と、を備えている。当該入力端子は、エフェクター回路の入力に電気的に接続されており、当該出力端子は、エフェクター回路の出力に電気的に接続されている。入力端子、出力端子、電源端子、及びグランド端子はオス型コネクタ22により構成されている。このオス型コネクタ22は、エレキギターEGから延出された電気信号用配線およびバッテリー30から延出された電力用配線の先端に設けられたメス型コネクタ31と接続される。
【0017】
ここで、エフェクターモジュール20の基板21の上面(蓋板10に対向する面)には、ユーザによってエフェクター回路による音響効果を調節するための可変抵抗器23が複数箇所に等間隔で設けられている。当該可変抵抗器23はユーザによって操作される摺動部23aが上向き(蓋板10向きに)になるように設けられている。そして、当該可変抵抗器23の摺動部23aに対応するように、蓋板10には穴11が開設されている。これにより、ユーザは、当該穴11を介して、可変抵抗器23の摺動部23aを操作することが可能となっている。したがって、複数の可変抵抗器23は、音響効果を調整する調整部として機能しており、各可変抵抗器23の摺動部23aはユーザによって操作される操作部として機能している。
【0018】
上記エフェクターモジュール20の下方、すなわちエレキギターEGの凹部Rの底にはバッテリー30が配置される。バッテリー30の種類は特に限定されず、公知のバッテリーを用いることができる。
【0019】
本実施形態のエフェクター1は、エレキギターEGのボディBに単一の凹部Rを形成し、当該凹部Rに嵌め込まれることで、エレキギターEGに取り付けることができ、従来技術のように複数の穴加工をエレキギターEGに施す必要がない。
【0020】
また、本実施形態のエフェクター1はエレキギターEGのボディBの裏側に組み込むことができるので、エレキギターEGの外観に及ぼす影響が少ない。
【0021】
さらに、本実施形態のエフェクター1が組み込まれたエレキギターEGは、アウトプットジャックから出力される電気信号にユーザ好みの効果を付与することができる。これにより、エレキギターEGとギターアンプの間に接続していた従来のエフェクター1を省略することもできる。
【0022】
また、本実施形態のエフェクター1は、複数の可変抵抗器23を操作することで、予め音響効果を設定しておくことができる。そして、当該エフェクター1の蓋板10は、露出した状態でボディBの裏面側に設けられており、ネジを用いてボディBに対して着脱可能となっている。したがって、ユーザ好みに予め音響効果が設定された複数のエフェクターの付け替えが容易である。また、バッテリー30およびエレキギターEG本体とコネクタにより電気接続されているので、その着脱(付け替え)が容易である。
【0023】
以上、本発明の実施形態を、エレキギターEGを例にして説明したが、本発明のエフェクター1はベースにも組み込んで用いることができる。また、その他の電子弦楽器に組み込むことも可能である。
【0024】
また、蓋板10の表面に様々なデザインを施すことができるので、エレキギターEGの表側に組み込んでも構わない。
【符号の説明】
【0025】
1 エフェクター
10 蓋板
11 穴
20 エフェクターモジュール
22 オス型コネクタ
23a 摺動部(操作部)
30 バッテリー
31 メス型コネクタ
EG エレキギター(電子弦楽器)
B ボディ
R 凹部

図1
図2
図3