(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117414
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230816BHJP
【FI】
A63F7/02 332B
A63F7/02 334
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023071235
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】小島 俊幸
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC27
2C088EA10
(57)【要約】
【課題】ベース値を表示可能な性能表示手段を活用することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器の表示態様と同じである。これにより、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されるときと、磁気エラーが検出されたときと、の何れであるかによって表示器の表示態様を異ならせることによる違和感を与えないように、表示器を活用することができる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数する通常賞計数手段と、
少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数する通常消費計数手段と、
少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数に対する少なくとも前記通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、
前記ベース値を表示可能な性能表示手段と、
遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御する不能制御手段と、
特定エラーを検出可能な特定エラー検出手段と、を備え、
前記不能制御手段は、特別条件が成立した場合、前記進行不能状態に制御可能であり、
前記特別条件は、賞として付与された遊技媒体に基づく特別値が所定値に達した場合に成立するように構成されており、
前記特別条件が成立して前記進行不能状態に制御される場合における前記性能表示手段の表示態様は、前記特定エラーが検出された場合における前記性能表示手段の表示態様と同じであることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定エラーとは異なる非特定エラーを検出可能な非特定エラー検出手段を備え、
前記非特定エラーが検出された場合における前記性能表示手段の表示態様は、前記特定エラーが検出された場合における前記性能表示手段の表示態様と異なる請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記性能表示手段は、複数の発光体によって構成されており、
前記特別条件が成立して前記進行不能状態に制御される場合における前記性能表示手段の表示態様及び前記特定エラーが検出された場合における前記性能表示手段の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで前記性能表示手段を構成する全ての発光体が消灯する表示態様である請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の中には、特許文献1に記載された遊技機のように、ベースに関する情報としてのベース値を所定の性能表示手段において表示可能な遊技機がある。特許文献1に記載の遊技機では、性能表示手段としての表示器においてベース値を表示することで、有用な情報を獲得することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日において、ベース値を表示可能な性能表示手段については、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、少なくとも通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数する通常賞計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数する通常消費計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数に対する少なくとも前記通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、前記ベース値を表示可能な性能表示手段と、遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御する不能制御手段と、特定エラーを検出可能な特定エラー検出手段と、を備え、前記不能制御手段は、特別条件が成立した場合、前記進行不能状態に制御可能であり、前記特別条件は、賞として付与された遊技媒体に基づく特別値が所定値に達した場合に成立するように構成されており、前記特別条件が成立して前記進行不能状態に制御される場合における前記性能表示手段の表示態様は、前記特定エラーが検出された場合における前記性能表示手段の表示態様と同じであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ベース値を表示可能な性能表示手段を活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】
図4は、パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、進行不能処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、不能報知演出が実行されたときの演出表示装置の表示内容の一例を示す図である。
【
図7】
図7(a)~
図7(d)は、表示器の表示内容のうちベース値を表示する表示内容の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、電力供給が開始されてから表示器の表示内容がベース値を表示する表示内容に復帰するまでの表示器の表示内容の遷移を示す図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、表示器の表示内容が特定の表示内容であるときにおける表示器を構成する発光体の発光パターンの示す図である。
【
図10】
図10(a)~
図10(f)は、電力供給が遮断されるときの表示器の表示内容と、その後に電力供給が開始されてベース値を表示する表示内容に復帰したときの表示器の表示内容と、の一例を示す図である。
【
図11】
図11(a)~
図11(d)は、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されるときにおける表示器の表示内容の一例と、磁気エラーが検出されたときにおける表示器の表示内容の一例と、扉開放エラーが検出されたときにおける表示器の表示内容の一例と、を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、遊技機の実施形態について説明する。本明細書における上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10(以下、遊技機10と示す)は、枠体11を備えている。枠体11は、外枠12と、中枠13と、前枠14と、を備えている。外枠12は、遊技場などの遊技機設置設備(所謂、島設備)に固定される。また、中枠13は、外枠12の開口前面側に開閉可能に支持されている。中枠13には、遊技盤20を含む遊技盤ユニットが固定される。前枠14は、遊技盤20の前面を覆うように、中枠13の前面側に開閉可能に支持されている。前枠14には、遊技盤20を保護する保護ガラス15が支持されている。なお、
図1において、保護ガラス15は、一部を残して図示が省略されているが、実際には前枠14の開口部14aの全体を覆っている。中枠13及び前枠14は、扉部材ともいわれる。遊技機10は、前枠14の前面側に、発射ハンドル16を備えている。遊技機10では、発射ハンドル16の操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技媒体としての遊技球が発射される。
【0009】
遊技機10には、中枠13及び前枠14が開放されることの規制や、当該規制の解除を行うための施錠機構SSが設けられている。例えば、遊技場の管理者が管理する枠キー(鍵)を用いて施錠機構SSを操作することで解錠され、中枠13及び前枠14を開放させることができる。遊技機10は、扉部材としての中枠13及び前枠14の開放を検知する扉開放センサES1(
図4に示す)を備えている。扉開放センサES1では、中枠13及び前枠14のうち少なくとも一方が開放されたことを検知することが可能である。以下の説明において、扉部材が開放された場合とは、中枠13及び前枠14のうち少なくとも一方が開放された場合に相当し、扉部材が閉鎖された場合とは、中枠13及び前枠14が閉鎖された場合に相当する。扉開放センサES1では、中枠13及び前枠14のうち少なくとも一方が開放されたことと、中枠13及び前枠14が閉鎖されたことと、のうち少なくとも一方の状態を検出可能とするとよい。本実施形態では、扉部材が開放されることにより、非特定エラーとしての扉開放エラーが発生することとなる。そして、本実施形態では、扉開放センサES1が、非特定エラーを検出可能な非特定エラー検出手段としての機能を実現する。また、本実施形態では、扉開放センサES1が、扉部材の開放及び閉鎖のうち少なくとも一方の状態を検出可能な扉検出手段としての機能を実現する。
【0010】
遊技機10は、前枠14の前面側に、発光可能な発光手段としての装飾ランプ17を備えている。装飾ランプ17は、演出の1つとして、内蔵された発光素子(例えば、LEDなどの発光体)を発光、点滅、及び消灯させる演出(以下、発光演出と示す)を実行する。遊技機10は、前枠14の前面側に、音を出力可能な音出力手段としてのスピーカ18を備えている。スピーカ18は、演出の1つとして、各種の音を出力する演出(以下、音演出と示す)を実行する。
【0011】
図2に示すように、遊技盤20の前面側には、正面視において略円形の遊技領域21が画成されている。遊技盤20は、発射された遊技球を遊技領域21へ案内する案内路21aを備えている。遊技盤20は、遊技領域21へ打ち出された遊技球が案内路21aへ逆戻りすることを防止する防止弁21bを備えている。発射された遊技球は、案内路21aで案内され、案内路21aの最下流に位置する防止弁21bを通過して遊技領域21に到達する場合がある。遊技領域21に到達した遊技球は、遊技領域21を流下する。
【0012】
遊技機10は、情報表示パネル22を備えている。情報表示パネル22では、遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。情報表示パネル22は、特別図柄表示部22aを備えている。特別図柄表示部22aは、特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を表示する。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、後述する内部抽選(例えば、大当り抽選)の結果を報知するための図柄である。このように、遊技機10は、変動ゲームとしての特別ゲームを実行可能である。即ち、遊技機10は、変動ゲームを実行可能な遊技機である。
【0013】
本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。
【0014】
特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、非大当り表示結果としてのはずれ図柄と、がある。遊技者は、特別ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示された場合に大当りを認識可能であり、特別ゲームにおいてはずれ図柄が確定停止表示された場合にはずれであることを認識可能である。遊技機10では、大当りに当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示される。そして、遊技機10では、大当りに当選すると、当該当選の対象となる特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技は、多数の賞球やその他の特典を獲得し得るため、遊技者にとって有利な状態である。即ち、本実施形態では、当り抽選において当りに当選した場合、変動ゲームにおいて当り結果が導出され、当該変動ゲームの終了後に当り遊技が付与される。
【0015】
情報表示パネル22は、特別保留表示部22bを備えている。特別保留表示部22bは、特別ゲームの保留数(以下、特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。遊技機10では、特別保留数の上限値を「4」としている。特別ゲームの保留数は、実行が保留されている特別ゲームの回数に相当する。このように、遊技機10は、特別ゲームの実行を保留可能である。即ち、遊技機10は、変動ゲームの実行を保留可能な遊技機である。
【0016】
情報表示パネル22は、普通図柄表示部22cを備えている。普通図柄表示部22cは、普通図柄変動ゲーム(以下、普通ゲームと示す)を表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(普通当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。遊技機10では、普通当りに当選した場合、普通ゲームにおいて普通当り図柄が確定停止表示される。そして、遊技機10では、普通当りに当選すると、当該当選の対象となる普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。情報表示パネル22は、普通保留表示部22dを備えている。普通保留表示部22dは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。遊技機10では、普通保留数の上限数を「4」としている。
【0017】
また、遊技機10は、遊技盤20のうち、遊技領域21の略中央に、各種の装飾が施されたセンター枠23を備えている。センター枠23は、開口部23aを備えている。センター枠23は、センター役やセンター役物ともいわれる。
【0018】
遊技機10は、表示手段としての演出表示装置25を備えている。例えば、演出表示装置25は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置であってもよい。演出表示装置25は、画像を表示可能な画像表示領域を備えている。演出表示装置25は、センター枠23の開口部23aを介して、画像表示領域を遊技者が視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。演出表示装置25は、演出の1つとして、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行する。
【0019】
遊技機10は、第1始動口26を備えている。始動口としての第1始動口26は、遊技領域21のうちセンター枠23の下方に位置している。第1始動口26は、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。遊技機10は、第1始動口26に入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1(
図4に示す)を備えている。本実施形態では、第1始動センサSE1により遊技球が検知されると、特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
【0020】
遊技機10は、第2始動口27を備えている。始動口としての第2始動口27は、遊技領域21のうちセンター枠23の右下方に位置している。遊技機10は、第2始動口27に入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2(
図4に示す)を備えている。本実施形態では、第2始動センサSE2により遊技球が検知されると、特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。また、第2始動口27は、可変部材としての第1可変部材28を有する。第1可変部材28は、開状態と、閉状態と、に動作可能である。第1可変部材28が開状態であるときには、第2始動口27へ入球させることができる、又は、閉状態であるときに比して遊技球を第2始動口27へ入球させ易い。第1可変部材28が閉状態であるときには、第2始動口27へ入球させることができない、又は、開状態であるときに比して遊技球を第2始動口27へ入球させ難い。第1可変部材28は、第1アクチュエータA1(
図4に示す)から動力を受けて動作する。第1可変部材28は、普通当り抽選において普通当りに当選したことを契機に、開状態に動作される。このように、遊技機10において、始動口には、第1始動口26と、第1可変部材28を有する第2始動口27と、がある。
【0021】
遊技機10は、大入賞口29を備えている。大入賞口29は、遊技領域21のうちセンター枠23の右下方に位置している。遊技機10は、大入賞口29に入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3(
図4に示す)を備えている。本実施形態では、カウントセンサSE3により遊技球が検知されると、賞球の払出条件が成立する。大入賞口29は、第2可変部材30を有する。第2可変部材30は、遊技球を大入賞口29へ入球させることができる開状態と、遊技球を大入賞口29へ入球させることができない閉状態と、に動作可能である。第2可変部材30は、第2アクチュエータA2(
図4に示す)から動力を受けて動作する。第2可変部材30は、大当りに当選したことを契機に、開状態に動作される。第2可変部材30が開状態となる場合には、大入賞口29への遊技球の入球が許容される。第2可変部材30が閉状態となる場合には、大入賞口29への遊技球の入球が許容されない。以下の説明では、第2可変部材30が開状態となることを「大入賞口29が開放される」と示し、第2可変部材30が閉状態となることを「大入賞口29が閉鎖される」と示す場合がある。
【0022】
遊技機10は、ゲート31を備えている。ゲート31は、遊技領域21のうちセンター枠23の右方に位置している。ゲート31には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口が開口されている。ゲート口には、入球し、通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4(
図4に示す)が配設されている。ゲートセンサSE4により遊技球が検知されると、普通ゲームの始動条件が成立し得る。
【0023】
遊技機10は、アウト口34を備えている。本実施形態において、第1始動口26や第2始動口27、大入賞口29へ入球しなかった遊技球は、アウト口34から機外へと排出される(遊技盤20から外部へ排出される)。なお、遊技機10は、釘(遊技釘)や風車など、遊技領域21を流下する遊技球の挙動に変化を与えるための遊技構成部材を備えている。その他、遊技機10は、特別ゲームの始動条件及び普通ゲームの始動条件が成立しない一方で、賞球の払出条件が成立する一般入賞口を備えてもよい。一般入賞口は、普通入賞口ともいわれる。
【0024】
遊技機10において、第1始動口26、第2始動口27及び大入賞口29は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入賞口である。本実施形態では、第1始動口26へ遊技球が入球した場合に賞球として払い出される賞球数を「3球」、第2始動口27へ遊技球が入球した場合に賞球として払い出される賞球数を「1球」、大入賞口29へ遊技球が入球した場合に賞球として払い出される賞球数を「15球」にそれぞれ定めている。つまり、第1始動口26へ遊技球が入球したときに賞として付与される遊技媒体の数は、「3」である。また、第2始動口27へ遊技球が入球したときに賞として付与される遊技媒体の数は、「1」である。大入賞口29へ遊技球が入球したときに賞として付与される遊技媒体の数は、「15」である。賞球数として定めた遊技球の個数は、1球の入球に対して付与される遊技球の個数である。第1始動口26、第2始動口27及び大入賞口29は、遊技球の入球によって賞の付与対象となる入賞口である。このように、遊技機10は、賞の付与対象となる入賞口を複数備えている。なお、例示した一般入賞口を備える場合、当該一般入賞口は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入賞口に相当する。例えば、一般入賞口へ遊技球が入球した場合に賞球として払い出される賞球数は、「10球」としてもよい。
【0025】
次に、有効球について説明する。
本明細書において有効球は、遊技機10での遊技に使用された遊技球のことであり、消費された遊技球に相当する。具体的に、有効球は、発射ハンドル16の操作によって発射され、遊技盤20の遊技領域21へ到達した遊技球である。遊技機10では、発射ハンドル16を操作することで発射された遊技球のうち案内路21aで案内されて防止弁21bを通過した遊技球が、有効球に相当する。その一方、遊技機10では、発射ハンドル16を操作することで発射された遊技球のうち防止弁21bを通過せずに案内路21aを戻った(又は、逆流した)遊技球は、有効球でなく、所謂、戻り球となる。戻り球は、遊技者に返却されることから、遊技に使用されなかった遊技球であり、有効球とはならず、無効球に相当する。
【0026】
なお、遊技領域21に到達した有効球としての遊技球は、遊技盤20に設けられた入賞口26,27,29のうち何れかへ入球して遊技盤20の外部へ排出される場合もあれば、何れへも入球せずにアウト口34へ入球して遊技盤20の外部へ排出される場合もある。そして、入賞口26,27,29のうち何れかへ入球した遊技球及びアウト口34へ入球した遊技球の何れも遊技盤20の外部へ排出された遊技球が集約されて通過する通路へ案内され、機外へ排出される。
【0027】
遊技機10は、遊技盤20から外部へ排出された遊技球(アウト球)を検知するアウトセンサSE5(
図4に示す)を備えている。アウトセンサSE5は、遊技盤20の遊技領域21へ発射された遊技球が遊技盤20の外部へ排出された遊技球が集約されて通過する通路上に配設されている。遊技盤20の外部へ排出された遊技球は、アウト口34へ入球した遊技球と、入賞口26,27,29の何れかへ入球した遊技球と、が含まれる。遊技盤20の外部へ排出された遊技球は、有効球であり、消費された遊技媒体である。アウトセンサSE5は、有効球を検知する有効球検知手段として機能する。アウトセンサSE5は、消費された遊技媒体を検知する消費遊技媒体検知手段として機能するともいえる。
【0028】
遊技機10は、磁気を検知可能な磁気センサES2(
図4に示す)を備えている。磁気センサES2は、遊技盤20の裏側に配置されている。例えば、磁気センサES2は、遊技盤20の裏側であって、且つ、大入賞口29の近傍に配置されている。磁気センサES2によって磁気が検出されることは、磁気センサES2によって特定エラーとしての磁気エラーが検出されることに相当する。本実施形態では、例えば、磁気が大入賞口29に近づけられることにより、磁気エラーが発生することとなる。そして、本実施形態では、磁気センサES2が、特定エラーを検出可能な特定エラー検出手段としての機能を実現する。なお、磁気エラーを検出することは、磁気エラーの発生を検出することに相当する。
【0029】
遊技機10は、表示器105を備えている。表示器105は、遊技盤20の裏側に配置されている。具体的に、表示器105は、遊技盤20の裏側に配置される主基板40上に設けられている。遊技機10において、表示器105の表示内容は、中枠13を開放させることによって確認することが可能となっている。
【0030】
図3に示すように、表示器105は、第1表示要素D1と、第2表示要素D2と、第3表示要素D3と、第4表示要素D4と、によって構成されている。表示器105は、4つの表示要素D1~D4を横並びに配置している。表示要素D1~D4は、それぞれドット付きの7セグメントLEDである。ドット付きの7セグメントLEDは、8セグメントLEDともいわれる。表示要素D1~D4は、それぞれ、7セグメントによる数字などを表示可能な7つのLEDと、ドットを表示可能な1つのLEDと、によって構成されている。即ち、表示要素D1~D4は、それぞれ8つのLED(以下、発光体と示す)によって構成されている。このように、表示器105は、複数の発光体によって構成されている。
【0031】
表示器105には、表示要素D1~D4が備える各8つの発光体を点灯及び消灯させる駆動回路が内蔵されている。なお、主基板40には、表示器105の駆動回路を別体として搭載してもよいし、本実施形態と同様に駆動回路とユニット化した表示器105として搭載してもよい。なお、詳細については後述するが、本実施形態において、表示器105は、ベース値を表示可能な性能表示手段としての機能を実現する。
【0032】
次に、遊技機10の遊技状態について説明する。
遊技機10は、大当り確率が異なる遊技状態として、低確率状態及び高確率状態を備えている。大当り確率は、大当り抽選において大当りに当選する確率である。高確率状態は、低確率状態に比して、大当り確率が高い遊技状態である。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」であり、低確率状態は、「非確率変動状態(非確変状態)」である。以下の説明では、高確率状態を「確変状態」、低確率状態を「非確変状態」と示す。また、遊技機10は、遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合が異なる遊技状態として、低ベース状態及び高ベース状態を備えている。高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動口27に入球する確率が高い遊技状態である。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、「非電サポ状態」である。
【0033】
高ベース状態は、例えば、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は、複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における第1可変部材28の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における第1可変部材28の開放回数を低ベース状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における第1可変部材28の1回の開放時間を低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。また、高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば、平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、所謂「変動時間短縮状態(変短状態)」となる。
【0034】
なお、本実施形態では、低ベース状態であっても第1可変部材28が開状態となる場合があるため、低ベース状態であっても第2始動口27に遊技球が入球する可能性がある。しかし、低ベース状態であるときには、例えば、普通当り抽選に当選しないように構成するなどして、低ベース状態であるときには第1可変部材28が開状態とならず、第2始動口27に遊技球が入球しないように構成してもよい。その他、低ベース状態であるときには、例えば、普通当り抽選に当選したとしても第1可変部材28が開状態とならないように構成するなどして、第2始動口27に遊技球が入球しないように構成してもよい。以上のように構成する場合、低ベース状態は、第2始動口27へ遊技球が入球不能な状態といえ、高ベース状態は、第2始動口27へ遊技球が入球可能な状態といえる。遊技機10において制御され得る遊技状態には、非確変状態であって低ベース状態である遊技状態(以下、通常遊技状態と示す)と、非確変状態であって高ベース状態である遊技状態(以下、低確高ベース遊技状態と示す)と、確変状態であって高ベース状態である遊技状態(以下、高確高ベース遊技状態と示す)と、がある。そして、遊技機10では、通常遊技状態、低確高ベース遊技状態及び高確高ベース遊技状態のうち何れか1つの遊技状態に制御される。このように、遊技機10は、通常遊技状態を含む複数種類の遊技状態のうち何れかの遊技状態に制御可能に構成されている。
【0035】
次に、遊技機10における大当りについて説明する。
遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄は、第1大当り図柄と、第2大当り図柄と、に分類されている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当りの種類が定められている。大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態が定められていてもよい。大当り遊技では、最初に、予め定めたオープニング期間にわたって、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出が行われる。大当り遊技では、オープニング演出の終了後に、大入賞口29が開放されるラウンド遊技が行われる。ラウンド遊技は、予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技において、大入賞口29は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1ラウンド終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2ラウンド終了条件が成立する迄の間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたエンディング期間にわたって、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出が行われる。大当り遊技は、エンディング演出の終了に伴って終了される。
【0036】
第1大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当りの種類として「第1大当り」が定められている。第1大当り図柄に分類される大当り図柄には、ラウンド遊技の上限回数として「10回」が定められている。第1大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態として、次に大当り遊技が付与される迄の間、確変状態とすることが定められている。第1大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態として、100回の特別ゲームが終了する迄の間、又は、100回の特別ゲームが終了する前に大当り遊技が付与される迄の間、高ベース状態とすることが定められている。第2大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当りの種類として「第2大当り」が定められている。第2大当り図柄に分類される大当り図柄には、ラウンド遊技の上限回数として「8回」が定められている。第2大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態として、非確変状態とすることが定められている。また、第2大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態として、100回の特別ゲームが終了する迄の間、又は、100回の特別ゲームが終了する前に大当り遊技が付与される迄の間、高ベース状態とすることが定められている。以下の説明では、第1大当り図柄に分類される大当り図柄に基づいて付与される大当り遊技を「第1大当り遊技」と示し、第2大当り図柄に分類される大当り図柄に基づいて付与される大当り遊技を「第2大当り遊技」と示す場合がある。
【0037】
演出表示装置25が実行可能な表示演出には、演出用の図柄(以下、演出図柄と示す)が複数列で変動表示され、最終的に演出図柄の組み合わせが確定停止表示される演出図柄ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームは、複数列の演出図柄が変動して実行される。演出図柄は、キャラクタや模様などの装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させる。演出図柄は、「装飾図柄」や「飾り図柄」ともいわれる。演出ゲームは、第1列、第2列及び第3列の図柄列をそれぞれ縦方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。以下の説明では、「第1列」を「左列」と示すとともに「第1図柄」を「左図柄」と示し、「第2列」を「中列」と示すとともに「第2図柄」を「中図柄」と示し、「第3列」を「右列」と示すとともに「第3図柄」を「右図柄」と示す。各列では、原則、[1]~[8]の数字を模した演出図柄が所定の順序で変動表示される。
【0038】
演出ゲームは、特別ゲームと連動して行われる。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。遊技機10は、特別ゲームの実行中に演出ゲームを実行可能に構成されている。そして、演出ゲームでは、特別ゲームにて確定停止表示された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが確定停止表示される。特別ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出ゲームにおいて演出図柄による大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。本実施形態では、演出図柄による大当りの図柄組み合わせが当り演出図柄組み合わせに相当する。例えば、大当りの図柄組み合わせは、[777]などのように、全列の演出図柄が同一となる図柄組み合わせである。このように、当りとなる変動ゲームの実行中に実行される演出ゲームでは、当り演出図柄組み合わせが停止表示される。特別ゲームにおいてはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出ゲームにおいて演出図柄によるはずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。本実施形態では、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせがはずれ演出図柄組み合わせに相当する。例えば、はずれの図柄組み合わせは、[323]、[112]などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組み合わせである。このように、はずれの変動ゲームの実行中に実行される演出ゲームでは、はずれ演出図柄組み合わせが停止表示される。なお、演出ゲームにおいては、演出図柄が確定停止表示される前に一旦停止表示される。本明細書において「一旦停止表示」とは、例えば「ゆれ変動状態」など、図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態や、確定停止表示とは異なることを示す状態を意味する。このように、遊技機10は、特別ゲームの実行中に演出ゲームを実行可能である。
【0039】
演出ゲームでは、リーチが形成され、リーチ演出が行われる場合がある。本実施形態では、複数列のうち特定の列(本実施形態では、左列と右列)に同一の数字を模した演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、特定の列とは異なる列(本実施形態では、中列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態が、リーチが形成された状態に相当する。リーチ演出には、例えば、登場させるキャラクタや演出図柄の動作が異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。例えば、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出の開始後に行われるスーパーリーチ演出と、があってもよい。
【0040】
次に、遊技機10の電気的構成を説明する。
図4に示すように、遊技機10は、主基板40を備えている。主基板40は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。遊技機10は、副基板50を備えている。主基板40及び副基板50は、主基板40から副基板50へ一方向に制御信号を出力可能に接続されている。副基板50は、主基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。遊技機10は、電源ユニット60を備えている。
【0041】
主基板40について詳しく説明する。
主基板40は、主CPU41と、主ROM42と、主RWM43と、クリアスイッチ44と、表示器105と、を備えている。主CPU41は、主制御プログラムを実行することにより、各種処理を実行する。主ROM42は、主制御プログラムを記憶している。主ROM42は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。例えば、主ROM42は、大当り抽選に用いられる大当り判定値を記憶している。大当り判定値には、確変状態であるときの大当り抽選に用いられる大当り判定値と、非確変状態であるときの大当り抽選に用いられる大当り判定値と、がある。確変状態であるときの大当り抽選に用いられる大当り判定値及び非確変状態であるときの大当り抽選に用いられる大当り判定値は、一部の値が同一であってもよいし、全てが異なる値であってもよい。主ROM42は、演出抽選に用いられる演出判定値を記憶している。演出抽選は、大当り抽選に非当選した場合にリーチ演出を実行するかを決める抽選であり、リーチ抽選に相当する。
【0042】
主ROM42は、複数種類の変動パターンを記憶している。複数種類の変動パターンは、特別ゲームが開始されてから特別ゲームが終了されるまでの変動時間が対応付けられている。即ち、変動パターンには、特別ゲームの変動時間が対応付けられている。このため、変動パターンは、特別ゲームの変動時間を特定可能な情報といえる。遊技機10では、変動パターンが決定されることにより、特別ゲームの変動時間が決定される。変動パターンは、特別ゲームが開始されてから特別ゲームが終了されるまでの間に行われる演出ゲームの演出内容のうち一部又は全てを特定可能な情報であってもよい。変動パターンには、例えば、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的に演出図柄による大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させる演出内容が対応付けられている。はずれ変動パターンには、はずれリーチなし変動パターンと、はずれリーチあり変動パターンと、がある。はずれリーチなし変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させる演出内容が対応付けられている。はずれリーチあり変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させる演出内容が対応付けられている。
【0043】
主RWM43は、主CPU41による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主RWM43が記憶する情報は、フラグ、カウンタ及びタイマなどである。また、主基板40は、ハードウェア乱数を生成する図示しない乱数生成回路を備えている。また、主基板40は、主CPU41による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0044】
主基板40には、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、ゲートセンサSE4及びアウトセンサSE5が接続されている。主CPU41は、図示しないポートを介して、各種のセンサSE1~SE4が出力する検知信号を入力可能に構成されている。主基板40には、扉開放センサES1及び磁気センサES2が接続されている。主CPU41は、図示しないポートを介して、各種のセンサES1,ES2が出力する検知信号を入力可能に構成されている。主基板40には、情報表示パネル22が接続されている。主CPU41は、図示しない駆動回路を介して、情報表示パネル22の表示内容を制御可能となっている。主基板40には、第1アクチュエータA1及び第2アクチュエータA2が接続されている。主CPU41は、図示しない駆動回路を介して、第1アクチュエータA1の動作、第2アクチュエータA2の動作を制御可能となっている。
【0045】
次に、副基板50について説明する。
副基板50は、副CPU51と、副ROM52と、副RWM53と、を備えている。例えば、副CPU51は、副制御プログラムを実行することにより、各種の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。副ROM52は、副制御プログラムや、抽選に用いられる抽選テーブルや判定値などを記憶している。副ROM52は、演出表示装置25における表示演出の態様(内容)を特定可能な表示演出データを記憶している。また、副ROM52は、装飾ランプ17における発光演出の態様(内容)を特定可能な発光演出データを記憶している。副ROM52は、スピーカ18における音演出の態様(内容)を特定可能な音演出データを記憶している。
【0046】
副RWM53は、遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副RWM53が記憶する情報には、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどがある。副基板50は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0047】
副基板50には、装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25が接続されている。副CPU51は、図示しない駆動回路を介して、装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25を制御可能となっている。本実施形態では、装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25のうち演出実行手段となる一部又は全部の演出装置を副CPU51が制御することにより、演出実行手段を制御する演出制御手段としての機能が実現される。また、本実施形態では、発光手段としての装飾ランプ17を副CPU51が制御することにより、発光手段を制御する発光制御手段としての機能が実現される。本実施形態では、音出力手段としてのスピーカ18を副CPU51が制御することにより、音出力手段を制御する音出力制御手段としての機能が実現される。本実施形態では、表示手段としての演出表示装置25を副CPU51が制御することにより、表示手段を制御する表示制御手段としての機能が実現される。
【0048】
次に、電源ユニット60について説明する。
電源ユニット60は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧に変換するとともに、その変換後の電源電圧を各基板40,50へ供給すべき電源電圧に変換する。電源ユニット60は、電源スイッチ61を備える。電源スイッチ61は、オン状態及びオフ状態の何れかに切り替える操作を可能であって、切替え後の操作状態を維持する。遊技機10を起動するためには、電源スイッチ61をオン状態に操作したまま外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま電源スイッチ61をオフ状態からオン状態に操作することとなる。
【0049】
電源ユニット60は、バックアップ電源62を備える。バックアップ電源62は、電力供給が遮断された後にも、主RWM43に対して電力を供給する。主RWM43は、バックアップ電源62から電力供給が行われることにより、電力供給が遮断された時における主RWM43の記憶内容を電力供給が遮断された後も保持可能である。例えば、主RWM43は、電力供給が遮断されているときであっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリとし、電力供給が遮断された後にも記憶している情報を保持可能に構成してもよい。
【0050】
遊技機10は、バックアップ機能を備えている。バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が遮断された場合でも遊技制御に関する各種の情報を内部的に保持(バックアップ)し、電力供給が開始されたときに、保持している各種の情報に基づいて遊技制御を復帰する機能である。本実施形態では、主基板40がバックアップ機能を有しているが、例えば、副基板50が主基板40と同様にバックアップ機能を有してもよい。主RWM43は、各種の情報を記憶することが可能であって、記憶している情報のうち少なくとも一部の情報を電力供給が遮断された後も保持可能に構成された情報記憶手段の一例となる。
【0051】
ここで、遊技機10において行われる各種の処理について説明する。
最初に、電力供給の遮断に伴って行われるメイン電源断処理について説明する。
遊技機10への電力供給が遮断された場合、主CPU41は、主RWM43のバックアップ処理を行う。例えば、遊技機10へ供給される電力を電源ユニット60内において監視するように構成し、遊技機10へ供給される電力が低下したことを契機に、遊技機10への電力供給が遮断されたことを示す制御情報を主CPU41に対して出力してもよい。これにより、主CPU41は、遊技機10への電力供給が遮断されたことを把握することができる。バックアップ処理において主CPU41は、主RWM43に記憶されている各種情報に加えて、レジスタ及びスタックポインタなどの情報を主RWM43に記憶保持させる。これにより、主RWM43に記憶されている情報のうち少なくとも一部の情報がバックアップされる。例えば、バックアップする情報には、ベース状態フラグと、確率状態フラグと、が含まれる。例えば、バックアップする情報には、各種乱数の値(乱数情報)が含まれる。その後、主CPU41は、電力供給が遮断されるまで、待機する。
【0052】
次に、電力供給の開始に伴って行われるメイン電源投入処理及びサブ電源投入処理について説明する。
主CPU41は、電力供給の開始に伴う起動処理(ブート処理)によって起動すると、最初にメイン電源投入処理を実行する。メイン電源投入処理では、電力供給の開始時におけるクリアスイッチ44の操作状態に応じて、主RWM43の初期化(RWMクリア)の有無が制御される。主CPU41は、クリアスイッチ44がオン状態に操作されている場合、主RWM43に記憶されている情報のうち少なくとも一部の情報を初期化する初期化処理を実行する。初期化処理において、主CPU41は、主RWM43の記憶領域の各種の情報のうち遊技情報を格納する領域にそれぞれ初期情報を格納することにより、遊技情報を初期化する。初期化処理を終えると、主CPU41は、メイン電源投入処理を終了する。一方、主CPU41は、クリアスイッチ44がオフ状態である場合、初期化処理を実行せず、バックアップされている主RWM43の記憶内容に基づいて復帰し、メイン電源投入処理を終了する。本実施形態では、電力供給の開始に伴って行われる初期化処理が、情報を記憶可能な記憶手段としての主RWM43に記憶されている情報のうち一部の情報を初期化する初期化処理に相当する。本実施形態では、主CPU41が初期化処理を実行することにより、初期化処理を実行可能な初期化手段としての機能が実現される。
【0053】
なお、初期化処理が実行された場合には、特別ゲーム及び普通ゲームの何れも実行及び保留されておらず、大当り遊技及び普通当り遊技の何れでもない状況に復帰される。一方、初期化処理が実行されなかった場合には、バックアップされている遊技情報に基づいて、電力供給が遮断されたときの状況に復帰される。
【0054】
主CPU41は、メイン電源投入処理を終了するときに、主RWM43に記憶されている遊技情報に基づいて所定の制御コマンドを副基板50へ出力バッファに格納する。具体的に、メイン電源投入処理において初期化処理を実行した場合、主CPU41は、初期化処理を実行したことを特定可能な制御情報(以下、初期化コマンドと示す)を出力バッファに格納する。一方、メイン電源投入処理において初期化処理を実行しなかった場合、主CPU41は、電力供給が遮断されたときの状態に復帰することを特定可能な制御情報(以下、復帰コマンドと示す)を出力バッファに格納する。例えば、主CPU41は、電力供給の開始に伴って大当り遊技中に復帰する場合、大当り遊技中に復帰することを特定可能な復帰コマンドを出力バッファに格納する。なお、出力バッファに格納された制御情報(コマンド)は、次回以降のタイマ割り込み処理において副基板50へ出力される。
【0055】
副CPU51は、電力供給の開始に伴う起動処理(ブート処理)によって起動すると、主CPU41からの初期化コマンド又は復帰コマンドを入力するまで待機する。そして、初期化コマンド又は復帰コマンドを入力した場合、副CPU51は、サブ電源投入処理を実行する。サブ電源投入処理では、初期化コマンド及び復帰コマンドのうち何れを入力したかに応じて、副RWM53の初期化(RWMクリア)の有無が制御される。具体的に、初期化コマンドを入力した場合、副CPU51は、副RWM53に記憶されている情報のうち少なくとも一部の情報を初期化する。例えば、副CPU51は、副RWM53の記憶領域の各種の情報のうち遊技情報を格納する領域にそれぞれ初期情報を格納することにより、遊技情報を初期化し、副RWM53に記憶されている情報のうち少なくとも一部の情報を初期化する。その後、副CPU51は、サブ電源投入処理を終了する。一方、復帰コマンドを入力した場合、副CPU51は、その後に主CPU41から出力されている制御情報に基づいて復帰し、サブ電源投入処理を終了する。初期化コマンドが入力された場合には、演出ゲームが実行されておらず、大当り遊技中の演出及び普通当り遊技中の演出の何れも実行されていない状況に復帰可能となる。一方、復帰コマンドが入力された場合には、電力供給が遮断されたときの状況に復帰可能となる。
【0056】
次に、主CPU41が主制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主CPU41は、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理などを実行する。
【0057】
まず、主CPU41が行う特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において主CPU41は、第1始動センサSE1からの検知信号又は第2始動センサSE2からの検知信号を入力したか否かに基づいて、始動口26,27に遊技球が入球したかを判定する(以下、入力判定と示す)。入力判定の判定結果が否定の場合、主CPU41は、特別図柄入力処理を終了する。一方、入力判定の判定結果が肯定の場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている特別保留数が上限数未満であるかを判定する(以下、保留判定と示す)。保留判定の判定結果が否定の場合、主CPU41は、特別図柄入力処理を終了する。保留判定の判定結果が肯定の場合、主CPU41は、特別保留数に1加算して更新する。また、主CPU41は、更新後の特別保留数を表示するように情報表示パネル22を制御する。主CPU41は、更新後の特別保留数を特定可能な制御情報(以下、保留数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。保留判定の判定結果が肯定の場合、主CPU41は、主基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM43に記憶させる。このとき、主CPU41は、乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。本実施形態では、乱数情報を主RWM43に記憶させておくことで、特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留する。即ち、遊技機10は、特別ゲームの実行を保留可能に構成されている。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。例えば、乱数は、大当り抽選に用いる乱数(以下、大当り判定乱数と示す)、特別図柄の決定に用いる乱数(以下、特別図柄乱数と示す)、変動パターンの決定に用いる乱数(以下、変動パターン乱数と示す)、演出抽選に用いる乱数(以下、演出判定乱数と示す)などである。そして、乱数情報を記憶した後、主CPU41は、特別図柄入力処理を終了する。このように、遊技機10は、変動ゲームの実行を保留可能である。
【0058】
次に、主CPU41が行う特別図柄開始処理について説明する。
主CPU41は、特別ゲームの実行条件が成立しているかを判定する(以下、実行判定と示す)。実行判定において主CPU41は、大当り遊技中ではなく、且つ、特別ゲーム中ではなく、変動間インターバル中でもない場合に肯定判定する。一方、実行判定において主CPU41は、大当り遊技中、特別ゲーム中及び変動間インターバル中のうち何れかである場合に否定判定する。実行判定の判定結果が否定の場合(特別ゲームの実行条件が成立していない場合)、主CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行判定の判定結果が肯定の場合(特別ゲームの実行条件が成立している場合)、主CPU41は、主RWM43に記憶されている特別保留数が1以上であるかを判定する。そして、特別保留数が1以上でない場合、主CPU41は、待機状態であることを特定可能な待機コマンドを出力バッファに格納し、特別図柄開始処理を終了する。一方、特別保留数が1以上である場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている特別保留数を1減算して更新する。主CPU41は、更新後の特別保留数が表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主CPU41は、更新後の特別保留数を特定可能な保留数コマンドを出力バッファに格納する。
【0059】
続いて、主CPU41は、特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主RWM43から読み出す。主CPU41は、最先の乱数情報を読み出すと、最先に記憶された乱数情報を主RWM43から消去する。そして、主CPU41は、読み出した乱数情報から特定可能な大当り判定乱数の値及び主ROM42に記憶されている大当り判定値を基に、大当り抽選を行う。なお、大当り抽選には、確変状態であるときに高確値と共通値が用いられ、非確変状態であるときに共通値が用いられる。大当り抽選に非当選した場合(大当り抽選に当選しなかった場合)、主CPU41は、演出判定乱数の値に基づき、演出抽選を行う。
【0060】
そして、主CPU41は、特別ゲームで確定停止表示させる特別図柄と、変動パターンと、を決定する。具体的に、大当り抽選に当選した場合、主CPU41は、特別図柄乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し、変動パターン決定乱数の値に基づいて大当り変動パターンを決定する。一方、大当り抽選に非当選した場合、主CPU41は、はずれ図柄を決定する。更に、大当り抽選に非当選した場合、主CPU41は、演出抽選の抽選結果に基づき、はずれ変動パターンを決定する。具体的に、演出抽選に当選した場合、主CPU41は、変動パターン決定乱数の値に基づいてはずれリーチあり変動パターンを決定する。一方、演出抽選に非当選した場合、主CPU41は、変動パターン決定乱数の値に基づいてはずれリーチなし変動パターンを決定する。特別図柄や変動パターンを決定した後、主CPU41は、決定した特別図柄を特定可能な制御情報(以下、図柄コマンドと示す)及び変動パターンを特定可能な制御情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファに格納し、特別図柄開始処理を終了する。
【0061】
特別図柄開始処理を終了すると、主CPU41は、特別図柄開始処理とは別の処理を行い、特別ゲームを実行させる。具体的に、主CPU41は、特別ゲームが開始されるように、情報表示パネル22を制御する。主CPU41は、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに対応付けられた変動時間を計時する。そして、主CPU41は、変動パターンに対応付けられた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が確定停止表示されるように、情報表示パネル22を制御する。主CPU41は、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに対応付けられた変動時間が経過すると、演出図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるための終了コマンドを出力バッファに格納する。主CPU41は、特別図柄を確定停止表示させた後、つまり、特別ゲームの終了後、変動間インターバル(例えば、1秒)を設定する。変動間インターバル中、特別ゲームの終了に伴って確定停止表示された特別図柄は、確定停止表示され続ける。
【0062】
次に、主CPU41が行う大当り処理について説明する。
主CPU41は、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。そして、主CPU41は、大当りの特別ゲームの終了後、特定した大当り遊技を付与する制御を開始する。具体的に、主CPU41は、大当りの特別ゲームの終了後であって、変動間インターバルが経過した後、大当り遊技を付与する制御を開始する。主CPU41は、大当り処理を実行することにより、大当り遊技を付与する。
【0063】
主CPU41は、大当りの特別ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力バッファに格納する。主CPU41は、オープニングコマンドを出力バッファに格納すると、オープニング時間を計時する。主CPU41は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主CPU41は、大当り遊技に設定された開放態様(開放パターン)にしたがって、大入賞口29を開放するように第2アクチュエータA2を制御し、ラウンド遊技を開始させる。主CPU41は、ラウンド遊技を開始させた後、第1ラウンド終了条件又は第2ラウンド終了条件が成立すると、大入賞口29が閉鎖されるように第2アクチュエータA2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主CPU41は、ラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主CPU41は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンドコマンドを出力バッファに格納する。主CPU41は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディングコマンドを出力バッファに格納する。主CPU41は、エンディングコマンドを出力バッファに格納すると、エンディング時間を計時する。そして、主CPU41は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
【0064】
次に、主CPU41が行う遊技状態処理について説明する。
主CPU41は、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を特定する。主CPU41は、非確変状態に制御することを特定した場合、大当り遊技の終了に伴い、非確変状態に制御することを特定可能な値を、主RWM43に記憶されている確率状態フラグに設定する。また、主CPU41は、非確変状態であることを特定可能な制御情報(以下、低確率状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。また、主CPU41は、確変状態に制御することを特定した場合、大当り遊技の終了に伴い、確変状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグに設定する。また、主CPU41は、確変状態であることを特定可能な制御情報(以下、高確率状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0065】
主CPU41は、高ベース状態に制御することを特定した場合、大当り遊技の終了に伴い、高ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定する。また、主CPU41は、高ベース状態であることを特定可能な制御情報(以下、高ベース状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU41は、高ベース状態に制御する特別ゲームの上限回数に相当する「100回」を、高ベース状態に制御する特別ゲームの残り回数として主RWM43に記憶させる。主CPU41は、特別ゲームが実行される毎に、主RWM43に記憶されている「高ベース状態に制御する特別ゲームの残り回数」を1減算する。主CPU41は、「高ベース状態に制御する特別ゲームの残り回数」が0となった場合、「高ベース状態に制御する特別ゲームの残り回数」が0となった特別ゲームの終了に伴い、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定する。即ち、主CPU41は、高ベース状態を終了させ、低ベース状態へ移行させる。また、主CPU41は、低ベース状態であることを特定可能な制御情報(以下、低ベース状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0066】
なお、主CPU41は、大当り遊技が付与された場合、非確変状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグに設定するとともに、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定する。更に、主CPU41は、低確率状態コマンドを出力バッファに格納するとともに、低ベース状態コマンドを出力バッファに格納する。本実施形態では、遊技状態処理を主CPU41が行うことにより、遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段としての機能が実現される。
【0067】
次に、主CPU41が行う普通図柄入力処理について説明する。
主CPU41は、ゲートセンサSE4から検知信号を入力したかに基づき、遊技球がゲート31を通過(入球)したかを判定する。遊技球がゲート31を通過していない場合、主CPU41は、普通図柄入力処理を終了する。一方、遊技球がゲート31を通過した場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている普通保留数が上限数未満であるかを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主CPU41は、普通図柄入力処理を終了する。普通保留数が上限数未満である場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている普通保留数を1加算して更新する。この場合、主CPU41は、更新後の普通保留数が表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主CPU41は、更新後の普通保留数を特定可能な普通保留数コマンドを出力バッファに格納する。次に、主CPU41は、主基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM43に記憶させる。この場合、主CPU41は、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。その後、主CPU41は、普通図柄入力処理を終了する。
【0068】
次に、主CPU41が行う普通図柄開始処理について説明する。
主CPU41は、普通ゲームの実行条件が成立しているかを判定する。主CPU41は、普通当り遊技中ではなく普通ゲーム中でもない場合に肯定判定する一方、普通当り遊技中又は普通ゲーム中である場合に否定判定する。普通ゲームの実行条件が成立していない場合、主CPU41は、普通図柄開始処理を終了する。一方、普通ゲームの実行条件が成立している場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている普通保留数が1以上であるかを判定する。普通保留数が1以上ではない場合、主CPU41は、普通図柄開始処理を終了する。普通保留数が1以上である場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている普通保留数を1減算して更新し、更新後の普通保留数が表示されるように、情報表示パネル22を制御する。主CPU41は、更新後の普通保留数を特定可能な普通保留数コマンドを出力バッファに格納する。次に、主CPU41は、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主RWM43から読み出す。なお、主CPU41は、最先の乱数情報を読み出すと、最先に記憶された乱数情報を主RWM43から消去する。続いて、主CPU41は、読み出した乱数情報及び主ROM42に記憶されている普通当り判定値を基に、普通当り抽選を行う。そして、主CPU41は、普通当り抽選の抽選結果に基づき、普通ゲームで確定停止表示させる普通図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。その後、主CPU41は、普通図柄開始処理を終了する。
【0069】
そして、主CPU41は、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主CPU41は、普通ゲームを開始させるとともに、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄が確定停止表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主CPU41は、普通ゲームの実行開始に伴い、普通ゲームの実行が開始されることを特定可能な制御情報を出力バッファに格納する。
【0070】
次に、主CPU41が行う普通当り処理について説明する。
普通当り抽選に当選した場合、主CPU41は、普通ゲームが終了すると、第2始動口27の開放パターンを決定するとともに、当該開放パターンにしたがって第2始動口27が開放されるように第1アクチュエータA1を制御する。遊技機10では、高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときよりも、普通当り抽選に当選し易くなっている。そして、遊技機10では、低ベース状態であるときであっても普通当り抽選に当選し得るように構成されており、普通当り抽選に当選した場合には第1可変部材28が開状態となる。遊技機10では、低ベース状態であるとき、高ベース状態であるときに比して、第2始動口27へ遊技球が入球し難いものの、第2始動口27へ遊技球が入球し得る。
【0071】
次に、主CPU41が行う賞球処理について説明する。
第1始動センサSE1からの検知信号を入力した場合、主CPU41は、賞球としての3球の遊技球が払い出されるように制御する。第2始動センサSE2からの検知信号を入力した場合、主CPU41は、賞球としての1球の遊技球が払い出されるように制御する。カウントセンサSE3からの検知信号を入力した場合、主CPU41は、賞球としての15球の遊技球が払い出されるように制御する。以上のように、主CPU41は、遊技球が入球した入賞口に対応付けられた数の遊技球が賞として付与されるように制御する。本実施形態では、賞球としての遊技球が払い出されるように主CPU41が制御することにより、賞としての遊技媒体を付与する賞付与手段としての機能が実現される。
【0072】
次に、副CPU51が副制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
副CPU51は、低確率状態コマンドを入力すると、副RWM53に記憶されている確率状態フラグに、非確変状態であることを特定可能な値を設定する。副CPU51は、高確率状態コマンドを入力すると、副RWM53に記憶されている確率状態フラグに、確変状態であることを特定可能な値を設定する。副CPU51は、副RWM53の確率状態フラグを参照することにより、確変状態であるかを特定できる。また、副CPU51は、低ベース状態コマンドを入力すると、副RWM53に記憶されているベース状態フラグに、低ベース状態であることを特定可能な値を設定する。副CPU51は、高ベース状態コマンドを入力すると、副RWM53に記憶されているベース状態フラグに、高ベース状態であることを特定可能な値を設定する。副CPU51は、副RWM53のベース状態フラグを参照することにより、高ベース状態であるかを特定できる。
【0073】
副CPU51は、大当り遊技中、大当り演出が行われるように、装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。具体的に、副CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出が行われるように、装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。また、副CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出が行われるように、装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。また、副CPU51は、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出が行われるように、装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25のうち少なくとも1つを制御する。大当り演出の演出内容は、大当りの種類に応じて異ならせてもよい。
【0074】
副CPU51は、演出ゲームが行われるように、演出表示装置25を制御する。具体的に、副CPU51は、図柄コマンド及び変動パターン指定コマンドを入力すると、演出ゲームを実行させる制御を行う。副CPU51は、変動パターン指定コマンド及び図柄コマンドに基づいて、演出ゲームにおいて最終的に確定停止表示させる演出図柄による図柄組み合わせを決定する。副CPU51は、入力した図柄コマンドから大当り図柄を特定する場合、演出図柄による大当り図柄を決定する。副CPU51は、入力した図柄コマンドからはずれ図柄を特定する場合、演出図柄によるはずれ図柄を決定する。例えば、副CPU51は、入力した変動パターン指定コマンドからはずれリーチあり変動パターンを特定する場合、リーチを含むはずれの図柄組み合わせを決定する。一方、副CPU51は、入力した変動パターン指定コマンドからはずれリーチなし変動パターンを特定する場合、リーチを含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0075】
また、副CPU51は、変動パターン指定コマンドを入力すると、演出図柄を変動表示させるように、演出表示装置25を制御する。つまり、副CPU51は、演出ゲームを開始させる。そして、副CPU51は、所定のタイミングにおいて、決定した演出図柄による図柄組み合わせを一旦停止表示させる。その後、副CPU51は、終了コマンドの入力を契機に、演出図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させる。なお、副CPU51は、終了コマンドとは関係なく、変動パターンから特定可能な変動時間を計時し、該変動時間の経過を契機に図柄組み合わせを確定停止表示させてもよい。この場合、終了コマンドを省略してもよい。その他、変動パターン指定コマンドから特定可能な変動パターンがリーチ演出を含む変動パターンである場合、副CPU51は、リーチ演出が実行されるように、演出表示装置25を制御する。
【0076】
副CPU51は、待機コマンドを入力した場合、待機状態に係る制御を行う。待機状態に係る制御において、例えば、副CPU51は、演出図柄による図柄組み合わせが一旦停止表示されるように演出表示装置25を制御する。その後、副CPU51は、待機演出が実行されるように演出表示装置25を制御する。待機演出は、デモンストレーション又は客待ち演出ともいわれる。待機演出では、例えば、のめり込みに関する注意喚起が実行されるように構成してもよい。
【0077】
遊技機10では、扉開放エラーが検出された場合、扉開放エラーが検出されたことを特定可能な扉開放エラー演出が装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25において実行される。例えば、遊技機10では、扉開放エラーが検出された場合、装飾ランプ17は、扉開放エラーが検出されたときの発光態様で装飾ランプ17が発光し、扉開放エラー演出を実行する。例えば、遊技機10では、扉開放エラーが検出された場合、スピーカ18は、扉開放エラーが検出されたことを特定可能な音声を出力して、扉開放エラー演出を実行する。例えば、遊技機10では、扉開放エラーが検出された場合、演出表示装置25は、扉開放エラーが検出されたことを特定可能な画像を表示して、扉開放エラー演出を実行する。
【0078】
以下、扉開放エラー演出の実行に係る制御について説明する。
主CPU41は、扉開放センサES1からの検知信号を入力した場合、扉開放エラーが検出されたことを特定可能な制御情報(以下、扉開放開始コマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU41は、扉開放センサES1からの検知信号の入力を終了した場合、扉開放エラーが解消されたことを特定可能な制御情報(以下、扉開放終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。例えば、主CPU41は、前回の制御周期において扉開放センサES1からの検知信号を入力している一方、今回の制御周期において扉開放センサES1からの検知信号を入力していない場合、扉開放センサES1からの検知信号の入力を終了したものと判断するように構成してもよい。
【0079】
副CPU51は、扉開放開始コマンドを入力した場合、扉開放エラー演出が実行されるように装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25を制御する。副CPU51は、扉開放終了コマンドを入力するまでの間、扉開放エラー演出が実行されるように装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25を制御する。したがって、副CPU51は、扉開放終了コマンドを入力した場合、扉開放エラー演出の実行が終了されるように装飾ランプ17、スピーカ18及び演出表示装置25を制御する。
【0080】
遊技機10では、遊技を進行不能な進行不能状態に制御される場合がある。即ち、遊技機10は、進行不能状態に制御可能である。本実施形態において、進行不能状態に係る制御には、最大差数情報処理と、進行不能処理と、が含まれる。
【0081】
ここで、最大差数情報処理について説明する。
最大差数情報処理は、最大差数を計数する処理に相当する。最大差数を特定可能な情報(以下、最大差数情報と示す)は、主RWM43に記憶される。最大差数情報処理において主CPU41は、最大差数情報を更新し、最大差数を計数する。本実施形態では、最大差数情報から特定可能な値、つまり、最大差数が、賞として付与された遊技媒体に基づく特別値に相当する。
【0082】
最大差数情報処理において、主CPU41は、賞球としての遊技球が払い出されるように制御した場合、払い出した遊技球の数を最大差数情報から特定可能な値に加算し、最大差数情報を更新する。また、主CPU41は、アウトセンサSE5からの検知信号を入力した場合、最大差数情報から特定可能な値から1減算し、最大差数情報を更新する。但し、減算前の最大差数情報から特定可能な値が0である場合、主CPU41は、最大差数情報を更新しない。また、主CPU41は、最大差数情報を更新した場合、更新後の最大差数を特定可能な制御情報(以下、最大差数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。以上のように、最大差数は、電力供給が開始されてから付与された賞球の数と、電力供給が開始されてからの有効球の数と、に基づいて計数される。このように、最大差数は、賞として付与された遊技媒体に基づく値である。
【0083】
次に、
図5に基づき、進行不能処理について説明する。
進行不能処理において主CPU41は、磁気エラーを検出したかを判定する(ステップS101)。ステップS101において主CPU41は、磁気センサES2からの検知信号を入力したかに基づいて、磁気エラーを検出したか判定する。そして、磁気エラーを検出した場合(ステップS101;YES)、主CPU41は、磁気エラーが検出されたことを特定可能な制御情報(以下、磁気不能コマンドと示す)を出力バッファに格納し、副基板50へ出力する(ステップS102)。その後、主CPU41は、ループ処理を行う。この結果、電力供給が遮断されるまでの間、主CPU41は、ループ処理を行うこととなる。ループ処理が行われている状態は、遊技を進行することが不能な進行不能状態となる。例えば、ループ処理が行われている状態では、特別図柄入力処理が行われないため、始動口26,27へ遊技球が入球したとしても特別ゲームの実行が保留されない。例えば、ループ処理が行われている状態では、特別図柄開始処理が行われないため、特別ゲームが実行されない。例えば、ループ処理が行われている状態では、賞球処理が行われないため、始動口26,27及び大入賞口29の何れに遊技球が入球したとしても賞球が付与されない。例えば、ループ処理が行われている状態では、大当り処理が行われないため、大当り遊技の付与が開始されない。例えば、ループ処理が行われている状態では、普通ゲームに係る処理が行われない。例えば、ループ処理が行われている状態では、普通ゲームの実行が保留されない。例えば、ループ処理が行われている状態では、普通ゲームが実行されない。例えば、ループ処理が行われている状態では、普通当り遊技が付与されない。
【0084】
磁気エラーを検出していない場合(ステップS101;NO)、主CPU41は、主RWM43に進行不能予定情報が記憶されているかを判定する(ステップS103)。詳細については後述するが、進行不能予定情報は、進行不能状態となることが決定されている一方で、大当り遊技の付与中であることから進行不能状態に制御されていない状況下において主RWM43に記憶される情報に相当する。
【0085】
進行不能予定情報が記憶されている場合(ステップS103;YES)、主CPU41は、大当り遊技が付与されているときかを判定する(ステップS104)。大当り遊技が付与されているときである場合(ステップS104;YES)、主CPU41は、進行不能処理を終了する。一方、大当り遊技が付与されているときでない場合(ステップS104;NO)、主CPU41は、各種の表示部22a~22dの発光態様を進行不能状態時の発光態様に制御する(ステップS105)。本実施形態において、進行不能状態時の発光態様は、各表示部22a~22dを構成する全ての発光体が消灯する発光態様としている。また、ステップS105の処理に続いて、主CPU41は、特定不能コマンドを出力バッファに格納し、副基板50へ出力する(ステップS106)。その後、主CPU41は、ループ処理を行う。この結果、ステップS102の処理が行われた後と同様、電力供給が遮断されるまでの間、主CPU41は、ループ処理を行うこととなる。ループ処理が行われている状態は、遊技を進行することが不能な進行不能状態となる。
【0086】
一方、進行不能予定情報が記憶されていない場合(ステップS103;NO)、主CPU41は、最大差数が規定値に達しているかを判定する(ステップS107)。遊技機10では、規定値を「99000」としている。このため、ステップS107において主CPU41は、主RWM43の最大差数情報から特定可能な最大差数が、99000に達したかを判定する。そして、最大差数が規定値に達していない場合(ステップS107;NO)、主CPU41は、進行不能処理を終了する。
【0087】
最大差数が規定値に達している場合(ステップS107;YES)、主CPU41は、大当り遊技が付与されているときかを判定する(ステップS108)。大当り遊技が付与されているときである場合(ステップS108;YES)、主CPU41は、進行不能予定情報を主RWM43に記憶する(ステップS109)。続いて、主CPU41は、特定予定コマンドを出力バッファに格納し、副基板50へ出力する(ステップS110)。その後、主CPU41は、進行不能処理を終了する。
【0088】
一方、大当り遊技が付与されているときでない場合(ステップS108;NO)、主CPU41は、各表示部22a~22dの発光態様を進行不能状態時の発光態様に制御する(ステップS111)。続いて、主CPU41は、特定不能コマンドを出力バッファに格納し、副基板50へ出力する(ステップS112)。その後、主CPU41は、ループ処理を行う。この結果、ステップS102の処理が行われた後及びステップS106の処理が行われた後と同様、電力供給が遮断されるまでの間、主CPU41は、ループ処理を行うこととなる。ループ処理が行われている状態は、遊技を進行することが不能な進行不能状態となる。
【0089】
以上のように、遊技機10では、最大差数が規定値に達した場合、進行不能状態に制御されることとなる。本実施形態では、最大差数が規定値に達することによって、特別条件が成立する。即ち、本実施形態における特別条件は、賞として付与された遊技媒体に基づく特別値に相当する最大差数が所定値に相当する規定値に達した場合に成立するように構成されている。そして、遊技機10では、特別条件が成立したことを契機として進行不能状態に制御される。具体的に、主CPU41は、特別条件が成立した場合、ループ処理を行うことにより、進行不能状態に制御可能である。また、遊技機10では、特別条件が成立したときに限らず、磁気エラーが検出されたことを契機として進行不能状態に制御される。具体的に、主CPU41は、磁気エラーが検出された場合、ループ処理を行うことにより、進行不能状態に制御可能である。このように、主CPU41は、特別条件が成立した場合とは別に、特定エラーとしての磁気エラーが検出された場合、進行不能状態に制御可能である。本実施形態では、主CPU41がループ処理を行うことにより、遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御する不能制御手段としての機能が実現される。
【0090】
なお、遊技機10では、例えば、大当り遊技が付与されているときに最大差数が規定値に達した場合、進行不能予定情報が主RWM43に記憶される一方、大当り遊技が終了するまでは進行不能状態に制御されない。そして、遊技機10では、例えば、大当り遊技が付与されているときに最大差数が規定値に達した場合、大当り遊技の終了後、進行不能状態に制御される。つまり、遊技機10では、例えば、大当り遊技が付与されているときに最大差数が規定値に達した場合、当該大当り遊技の終了を待ってから、進行不能状態に制御される。以上のように、遊技機10は、大当り遊技中に特別条件が成立した場合には、当該大当り遊技の終了後に進行不能状態に制御可能に構成されている。
【0091】
但し、遊技機10では、大当り遊技が付与されているときに最大差数が規定値に達した後であっても、当該大当り遊技が終了するよりも前のタイミングで磁気エラーが検出された場合、大当り遊技の終了を待たず、磁気エラーが検出されたことを契機として進行不能状態に制御される。大当り遊技が付与されているときに磁気エラーが検出されたことを契機として進行不能状態に制御されると、大当り遊技が中止され、進行不能状態に制御される。また、大当り遊技中に最大差数が規定値に達した後に当該大当り遊技が終了するよりも前のタイミングで磁気エラーが検出されて進行不能状態に制御された場合には、その後、大当り遊技中に復帰することはない。
【0092】
また、遊技機10では、例えば、特別ゲームが実行されているときに最大差数が規定値に達した場合、当該特別ゲームの実行中であったとしても、進行不能状態に制御される。このとき、特別ゲームの実行は、中止される。このように、遊技機10において、特別ゲームが実行されているときに最大差数が規定値に達した場合には、当該特別ゲームの終了を待たずに、進行不能状態に制御される。つまり、遊技機10において、特別ゲームが実行されているときに最大差数が規定値に達した場合には、当該特別ゲームの終了前に、進行不能状態に制御される。
【0093】
遊技機10は、進行不能状態に制御されたことを遊技者が特定可能な不能報知演出を実行可能である。不能報知演出は、進行不能状態に制御されたことを報知する演出に相当する。不能報知演出は、進行不能状態に制御された場合、演出表示装置25において実行される。不能報知演出が実行された場合、当該不能報知演出は、少なくとも電力供給が遮断されるまでの間、継続して実行される。遊技機10において、不能報知演出には、特別条件が成立したことを契機として進行不能状態に制御されたことを特定可能な第1不能報知演出と、磁気エラーが検出されたことを契機として進行不能状態に制御されたことを特定可能な第2不能報知演出と、がある。
【0094】
図6(a)に示すように、遊技機10では、第1不能報知画像Gf1が演出表示装置25に表示されることにより、第1不能報知演出が実行される。第1不能報知画像Gf1は、「本日の遊技は終了しました」という文字情報を含む画像としている。このように、演出表示装置25は、第1不能報知演出を実行可能である。第1不能報知演出は、特別条件が成立したことを特定可能な演出ともいえる。
【0095】
図6(b)に示すように、遊技機10では、第2不能報知画像Gf2が演出表示装置25に表示されることにより、第2不能報知演出が実行される。第2不能報知画像Gf2は、「磁気を検出しました」という文字情報を含む画像としている。このように、演出表示装置25は、第2不能報知演出を実行可能である。第2不能報知演出は、磁気が検出されたこと、つまり、磁気エラーが検出されたことを特定可能な演出ともいえる。
【0096】
ここで、第1不能報知演出及び第2不能報知演出の実行に係る制御について説明する。
副CPU51は、特定不能コマンドを入力した場合、第1不能報知演出の実行が開始されるように演出表示装置25に制御する。副CPU51は、第1不能報知画像Gf1を演出表示装置25に表示させ、第1不能報知演出を実行させる。また、副CPU51は、磁気不能コマンドを入力した場合、第2不能報知演出の実行が開始されるように演出表示装置25に制御する。副CPU51は、第2不能報知画像Gf2を演出表示装置25に表示させ、第2不能報知演出を実行させる。
【0097】
遊技機10は、ベース値を計数し、その計数したベース値を報知するベース報知機能を有している。ベース値は、有効球の数に対する賞球の数の割合を示す値である。つまり、ベース値は、消費された遊技媒体の数に対する賞として付与された遊技媒体の数の割合を示す値である。そして、遊技機10は、少なくとも通常遊技であるときにおける有効球の数に対する少なくとも通常遊技であるときにおける賞球の数の割合を示すベース値を計数し、当該ベース値を報知するベース報知機能を有している。本実施形態における「通常遊技」は、通常遊技状態であるときが含まれるものの、必ずしも通常遊技状態であるときの全ての状況が含まれるものではない。「通常遊技」は、ベース値の計数対象となる状況(状態)に相当する。そして、本実施形態における「通常遊技」は、大当り遊技中でないときであって、通常遊技状態に制御されている状況である。このように、遊技機10におけるベース値は、少なくとも通常遊技であるときにおける有効球の数に対する少なくとも通常遊技であるときにおける賞球の数の割合を示す値である。つまり、本実施形態におけるベース値は、少なくとも通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数に対する少なくとも通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数の割合を示す値である。
【0098】
少なくとも通常遊技であるときにおける有効球の数には、大当り遊技が付与されているときにおける有効球は含まれない。同様に、少なくとも通常遊技であるときにおける賞球の数には、大当り遊技が付与されているときにおける賞球は含まれない。また、ベース値は、少なくとも通常遊技であるときにおける有効球の数に対する少なくとも通常遊技であるときにおける賞球の数の割合、つまり、比率である。そして、ベース値は、大当り遊技中ではないことを前提として、(「通常遊技であるときの賞球の数」÷「通常遊技であるときの有効球の数」)×100の計算式によって、計数(算出)された数値である。
【0099】
遊技機10では、表示器105においてベース値を表示することにより、ベース値を報知する。表示器105の表示内容のうちベース値を表示する表示内容は、複数種類ある。このように、本実施形態において、性能表示手段の表示内容のうちベース値を表示する表示内容は、複数種類ある。
【0100】
ここで、
図7(a)~
図7(d)に基づき、表示器105の表示内容のうちベース値を表示する表示内容について、説明する。
表示器105は、表示要素D1~D4のうち、2つの表示要素を一組とし、その一組の表示要素で所定の情報を報知するように構成されている。具体的に、遊技機10では、第1表示要素D1及び第2表示要素D2が一組となり、この2つの表示要素D1,D2の表示の組み合わせで1つの情報を構成する。更に、遊技機10では、第3表示要素D3及び第4表示要素D4が一組となり、この2つの表示要素D3,D4の表示の組み合わせで1つの情報を構成する。
【0101】
表示要素D3,D4は、ベース値を表示する。ベース値は、[00]~[99]の2桁の数字によって表示される。因みに、ベース値が100以上の場合は、[99.]というように、[99]の数字に加えて、第4表示要素D4のドット部分の発光体が点灯する。
【0102】
一方、表示要素D1,D2は、表示要素D3,D4に表示されたベース値を識別する識別子を表示する。
図7(a)~
図7(d)に示すように、本実施形態におけるベース値を識別する識別子には、[bL.]と、[b1.]と、[b2.]と、[b3.]と、がある。識別子[bL.]は、第1表示要素D1にアルファベットの[b]を表示するとともに、第2表示要素D2にアルファベットの[L]とドットを表示することによって構成される。識別子[b1.]は、第1表示要素D1にアルファベットの[b]を表示するとともに、第2表示要素D2にアルファベットの[1]とドットを表示することによって構成される。識別子[b2.]は、第1表示要素D1にアルファベットの[b]を表示するとともに、第2表示要素D2にアルファベットの[2]とドットを表示することによって構成される。識別子[b3.]は、第1表示要素D1にアルファベットの[b]を表示するとともに、第2表示要素D2にアルファベットの[3]とドットを表示することによって構成される。
【0103】
図7(a)において例示している[bL.36]は、所定の計数周期で計数されたベース値が「36」であることを示す表示内容である。つまり、識別子[bL.]は、表示要素D3,D4において表示されているベース値が、所定の計数周期で計数されたベース値であることを識別可能な識別子である。
図7(b)において例示している[b1.32]は、前回(1回前)の所定期間で計数されたベース値の最終のベース値が「32」を示す表示内容である。つまり、識別子[b1.]は、表示要素D3,D4において表示されているベース値が、前回の所定期間で計数されたベース値の最終のベース値であることを識別可能な識別子である。
図7(c)において例示している[b2.38]は、前々回(2回前)の所定期間で計数されたベース値の最終のベース値が「38」を示す表示内容である。つまり、識別子[b2.]は、表示要素D3,D4において表示されているベース値が、前々回の所定期間で計数されたベース値の最終のベース値であることを識別可能な識別子である。
図7(d)において例示している[b3.34]は、前々々回(3回前)の所定期間で計数されたベース値の最終のベース値が「34」を示す表示内容である。つまり、識別子[b3.]は、表示要素D3,D4において表示されているベース値が、前々々回の所定期間で計数されたベース値の最終のベース値であることを識別可能な識別子である。本実施形態において「所定期間」は、後述する全状態時有効球数が所定球数(例えば、60000)に達するまでの期間となる。例えば、所定期間には、全状態時有効球数が所定球数に達してから、再び全状態時有効球数が所定球数に達するまでの期間が含まれる。以上のように、遊技機10は、所定期間におけるベース値を3回分表示可能に構成されている。なお、3回分のベース値を識別する識別子は[b1.]、[b2.]、[b3.]に限らず、任意に変更してもよい。なお、例えば、
図7(a)~
図7(d)に示したベース値[36]、[32]、[38]及び[34]は、単なる例示であり、これらの値は変動値である。
【0104】
本実施形態において、識別子[bL.]とともに表示されるベース値は、今回の通常時の発射遊技球数に対する獲得遊技球数の比率(所謂、現在比率)に相当する。本実施形態において、識別子[b1.]とともに表示されるベース値は、1回前の通常時の発射遊技球数に対する獲得遊技球数の比率(所謂、1回前比率)に相当する。本実施形態において、識別子[b2.]とともに表示されるベース値は、2回前の通常時の発射遊技球数に対する獲得遊技球数の比率(所謂、2回前比率)に相当する。本実施形態において、識別子[b3.]とともに表示されるベース値は、3回前の通常時の発射遊技球数に対する獲得遊技球数の比率(所謂、3回前比率)に相当する。このように、遊技機10において、表示器105が表示可能なベース値は、複数種類ある。即ち、性能表示手段が表示可能なベース値は、複数種類ある。
【0105】
遊技機10において、表示器105の表示内容のうちベース値を表示する表示内容は、所定時間が経過することに伴って切り替わる場合がある。具体的に、遊技機10において、表示器105の表示内容のうちベース値を表示する表示内容は、4.8秒が経過することに伴って切り替わる場合がある。つまり、遊技機10では、4.8秒間隔でベース値を表示する表示内容が切り替わる。本実施形態における所定時間は、4.8秒としているが、4.8秒よりも短い時間としてもよいし、4.8秒よりも長い時間としてもよい。また、遊技機10では、「・・・→[bL.XX(XX:ベース値)]→[b1.XX(XX:ベース値)]→[b2.XX(XX:ベース値)]→[b3.XX(XX:ベース値)]→[bL.XX(XX:ベース値)]→・・・」の順で、ベース値を表示する表示内容が切り替わる。例えば、遊技機10では、現在比率としてのベース値を表示する表示内容である[bL.XX(XX:ベース値)]の後、1回前比率としてのベース値を表示する表示内容である[b1.XX(XX:ベース値)]へ切り替わる。例えば、遊技機10では、1回前比率としてのベース値を表示する表示内容である[b1.XX(XX:ベース値)]の後、2回前比率としてのベース値を表示する表示内容である[b2.XX(XX:ベース値)]へ切り替わる。例えば、遊技機10では、2回前比率としてのベース値を表示する表示内容である[b2.XX(XX:ベース値)]の後、3回前比率としてのベース値を表示する表示内容である[b3.XX(XX:ベース値)]へ切り替わる。例えば、遊技機10では、3回前比率としてのベース値を表示する表示内容である[b3.XX(XX:ベース値)]の後、現在比率としてのベース値を表示する表示内容である[bL.XX(XX:ベース値)]へ切り替わる。このように、本実施形態において、ベース値を表示する表示内容は、所定時間が経過することに伴って切り替わる場合がある。
【0106】
本実施形態では、現在比率としてのベース値、1回前比率としてのベース値、2回前比率としてのベース値及び3回前比率としてのベース値のうち何れもが第1ベース値に相当し得る。例えば、本実施形態において、現在比率としてのベース値を第1ベース値とする場合には、1回前比率としてのベース値が第2ベース値に相当し、2回前比率としてのベース値が第3ベース値に相当する。このとき、3回前比率としてのベース値は、第4ベース値として捉えることができる。例えば、本実施形態において、1回前比率としてのベース値を第1ベース値とする場合には、2回前比率としてのベース値が第2ベース値に相当し、3回前比率としてのベース値が第3ベース値に相当する。このとき、現在比率としてのベース値は、第4ベース値として捉えることができる。例えば、本実施形態において、2回前比率としてのベース値を第1ベース値とする場合には、3回前比率としてのベース値が第2ベース値に相当し、現在比率としてのベース値が第3ベース値に相当する。このとき、1回前比率としてのベース値は、第4ベース値として捉えることができる。例えば、本実施形態において、3回前比率としてのベース値を第1ベース値とする場合には、現在比率としてのベース値が第2ベース値に相当し、1回前比率としてのベース値が第3ベース値に相当する。このとき、2回前比率としてのベース値は、第4ベース値として捉えることができる。このように、本実施形態において、性能表示手段が表示可能なベース値には、第1ベース値と、第2ベース値と、第3ベース値と、が少なくとも含まれる。
【0107】
また、前述したように、ベース値を表示する表示内容となる表示器105の表示内容は、「・・・→[bL.XX(XX:ベース値)]→[b1.XX(XX:ベース値)]→[b2.XX(XX:ベース値)]→[b3.XX(XX:ベース値)]→[bL.XX(XX:ベース値)]→・・・」の順で切り替わる。したがって、本実施形態において、性能表示手段の表示内容は、第1ベース値を表示する表示内容から第2ベース値を表示する表示内容へと切り替わり、その後、第2ベース値を表示する表示内容から第3ベース値を表示する表示内容へと切り替わるように構成されている。
【0108】
ここで、表示器105の表示内容のうちベース値を表示する表示内容に係る制御について説明する。
主CPU41は、ベース値を計数するにあたって、次に説明する第1の数~第3の数の計3つの数を計数する。詳細については後述するが、遊技機10において、第1の数~第3の数は、主RWM43に記憶されることとなる。
【0109】
具体的に、主CPU41は、第1の数として、通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数する。以下、第1の数を「通常時賞球数」と示す。通常時賞球数は、主RWM43の所定の領域に記憶され、通常時賞球数を記憶する領域は通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数のカウンタ(以下、「通常時賞球カウンタ」と示す)として機能する。主CPU41によって通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数することにより、少なくとも通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数する通常賞計数手段としての機能が実現される。
【0110】
主CPU41は、第2の数として、通常遊技であるときの有効球の数、つまり、通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数する。以下、第2の数を「通常時有効球数」と示す。通常時有効球数は、主RWM43の所定の領域に記憶され、通常時有効球数を記憶する領域は通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数のカウンタ(以下、「通常時有効球カウンタ」と示す)として機能する。主CPU41によって通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数することにより、少なくとも通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数する通常消費計数手段としての機能が実現される。
【0111】
主CPU41は、第3の数として、全ての遊技状態における有効球の数、つまり、全ての遊技状態において消費された遊技媒体の数を計数する。以下、第3の数を「全状態時有効球数」と示す。全状態時有効球数は、主RWM43の所定の領域に記憶され、全状態時有効球数を記憶する領域は全ての遊技状態において消費された遊技媒体の数のカウンタ(以下、「全状態時有効球カウンタ」と示す)として機能する。主CPU41によって全ての遊技状態において消費された遊技媒体の数を計数することにより、全ての状況において消費された遊技媒体の数を計数する全消費計数手段としての機能が実現される。
【0112】
ここで、通常時賞球数、通常時有効球数、及び全状態時有効球数を計数する処理を具体的に説明する。因みに、主CPU41は、確率状態フラグ及びベース状態フラグに設定されている値、及び、大当り遊技の付与中であるか特定可能な情報に基づき、通常遊技であるかを特定することができる。具体的に、主CPU41は、確変状態フラグから非確変状態であることを特定可能であり、ベース状態フラグから低ベース状態であることを特定可能であり、且つ、大当り遊技の付与中でないことを特定可能な場合、通常遊技であることを特定する。
【0113】
主CPU41は、通常遊技であることを特定できるとき、通常時賞球数を計数する。具体的に、主CPU41は、大入賞口29を除く賞球の払い出しの対象となる入賞口へ遊技球が入球する毎に、その入球した入賞口に定められた賞球数を通常時賞球カウンタに加算する。例えば、主CPU41は、第1始動センサSE1からの検知信号を入力した場合は第1始動口26に定められた賞球数(本実施形態では、3)を通常時賞球カウンタに加算する。その他、主CPU41は、第2始動センサSE2からの検知信号を入力した場合は第2始動口27に定められた賞球数(本実施形態では、1)を通常時賞球カウンタに加算する。一般入賞口を備える場合、主CPU41は、一般入賞口へ入球したことを特定した場合、当該一般入賞口に定められた賞球数を通常時賞球カウンタに加算する。
【0114】
主CPU41は、通常遊技であることを特定できるとき、通常時有効球数を計数する。具体的に、主CPU41は、アウトセンサSE5からの検知信号を入力した場合は1を通常時有効球カウンタに加算する。このように、通常遊技であるとき、主CPU41は、有効球が発生する毎に通常時有効球カウンタに1加算する。
【0115】
主CPU41は、どのような状況であったとしても、全状態時有効球数を計数する。具体的に、主CPU41は、アウトセンサSE5からの検知信号を入力した場合は1を全状態時有効球カウンタに加算する。このとき、通常遊技でないときであったとしても、主CPU41は、アウトセンサSE5からの検知信号を入力した場合は1を全状態時有効球カウンタに加算する。このように、通常遊技であるとき及び通常遊技でないときの何れであっても、主CPU41は、有効球が発生する毎に全状態時有効球カウンタに1加算する。例えば、大当り遊技の付与中にアウトセンサSE5からの検知信号を入力した場合、主CPU41は、1を全状態時有効球カウンタに加算する。
【0116】
そして、主CPU41は、全状態時有効球数が所定球数(例えば、60000)に達した場合、その達した時点で計数されている通常時賞球数を、1回前比率を計数するための通常時賞球数として主RWM43に記憶する。このとき、主CPU41は、既に1回目比率を計数するための通常時賞球数が記憶されている場合、当該通常時賞球数を、2回前比率を計数するための通常時賞球数として主RWM43に記憶する。更に、主CPU41は、既に2回目比率を計数するための通常時賞球数が記憶されている場合、当該通常時賞球数を、3回前比率を計数するための通常時賞球数として主RWM43に記憶する。また、主CPU41は、既に3回目比率を計数するための通常時賞球数が記憶されている場合、当該通常時賞球数を消去する。
【0117】
同様に、主CPU41は、全状態時有効球数が所定球数(例えば、60000)に達した場合、その達した時点で計数されている通常時有効球数を、1回前比率を計数するための通常時有効球数として主RWM43に記憶する。このとき、主CPU41は、既に1回目比率を計数するための通常時有効球数が記憶されている場合、当該通常時有効球数を、2回前比率を計数するための通常時有効球数として主RWM43に記憶する。更に、主CPU41は、既に2回目比率を計数するための通常時有効球数が記憶されている場合、当該通常時有効球数を、3回前比率を計数するための通常時有効球数として主RWM43に記憶する。また、主CPU41は、既に3回目比率を計数するための通常時有効球数が記憶されている場合、当該通常時有効球数を消去する。
【0118】
また、主CPU41は、全状態時有効球数が所定球数に達した場合、通常時賞球数を0とし、通常時賞球数を初期化する。同様に、主CPU41は、全状態時有効球数が所定球数に達した場合、通常時有効球数を0とし、通常時有効球数を初期化する。同様に、主CPU41は、全状態時有効球数が所定球数に達した場合、全状態時有効球数を0とし、全状態時有効球数を初期化する。
【0119】
主CPU41は、通常時賞球カウンタから特定可能な通常時賞球数と通常時有効球カウンタから特定可能な通常時有効球数を用いて、現在比率となるベース値を算出する。具体的に、主CPU41は、所定の計数周期毎に、通常時賞球カウンタから特定可能な通常時賞球数及び通常時有効球カウンタから特定可能な通常時有効球数をそれぞれ特定し、「(通常時賞球数÷通常時有効球数)×100」の計算式に基づき、現在比率となるベース値を算出する。そして、現在比率となるベース値を算出した場合、主CPU41は、算出した現在比率となるベース値を特定可能な情報(以下、現在比率情報と示す)を主RWM43に記憶する。
【0120】
主CPU41は、1回前比率を計数するための通常時賞球数と1回前比率を計数するための通常時有効球数を用いて、1回前比率となるベース値を算出する。具体的に、主CPU41は、所定の計数周期毎に、主RWM43から1回前比率を計数するための通常時賞球数と1回前比率を計数するための通常時有効球数をそれぞれ特定し、「(通常時賞球数÷通常時有効球数)×100」の計算式に基づき、1回前比率となるベース値を算出する。そして、1回前比率となるベース値を算出した場合、主CPU41は、算出した1回前比率となるベース値を特定可能な情報(以下、1回前比率情報と示す)を主RWM43に記憶する。
【0121】
同様に、主CPU41は、2回前比率を計数するための通常時賞球数と2回前比率を計数するための通常時有効球数を用いて、2回前比率となるベース値を算出する。具体的に、主CPU41は、所定の計数周期毎に、主RWM43から2回前比率を計数するための通常時賞球数と2回前比率を計数するための通常時有効球数をそれぞれ特定し、「(通常時賞球数÷通常時有効球数)×100」の計算式に基づき、2回前比率となるベース値を算出する。そして、2回前比率となるベース値を算出した場合、主CPU41は、算出した2回前比率となるベース値を特定可能な情報(以下、2回前比率情報と示す)を主RWM43に記憶する。
【0122】
また、主CPU41は、3回前比率を計数するための通常時賞球数と3回前比率を計数するための通常時有効球数を用いて、3回前比率となるベース値を算出する。具体的に、主CPU41は、所定の計数周期毎に、主RWM43から3回前比率を計数するための通常時賞球数と3回前比率を計数するための通常時有効球数をそれぞれ特定し、「(通常時賞球数÷通常時有効球数)×100」の計算式に基づき、3回前比率となるベース値を算出する。そして、3回前比率となるベース値を算出した場合、主CPU41は、算出した3回前比率となるベース値を特定可能な情報(以下、3回前比率情報と示す)を主RWM43に記憶する。以上のように、遊技機10では、主CPU41によって各種のベース値が計数(算出)される。本実施形態では、主CPU41がベース値を計数(算出)することにより、ベース値を計数(算出)するベース値計数手段(ベース値算出手段)としての機能が実現される。
【0123】
主CPU41は、表示器105に現在比率となるベース値を表示させた場合、所定時間が経過することに伴って、表示器105に1回前比率となるベース値を表示させ、表示器105に表示させるベース値を1回前比率となるベース値に切り替える。主CPU41は、表示器105に1回前比率となるベース値を表示させた場合、所定時間が経過することに伴って、表示器105に2回前比率となるベース値を表示させ、表示器105に表示させるベース値を2回前比率となるベース値に切り替える。主CPU41は、表示器105に2回前比率となるベース値を表示させた場合、所定時間が経過することに伴って、表示器105に3回前比率となるベース値を表示させ、表示器105に表示させるベース値を3回前比率となるベース値に切り替える。主CPU41は、表示器105に3回前比率となるベース値を表示させた場合、所定時間が経過することに伴って、表示器105に現在比率となるベース値を表示させ、表示器105に表示させるベース値を現在比率となるベース値に切り替える。
【0124】
主CPU41は、表示器105において現在比率となるベース値を表示させる場合、識別子[bL.]を表示要素D1,D2に表示するとともに、現在比率情報から現在比率となるベース値を特定して当該特定したベース値を示す数値を表示要素D3,D4に表示するように、表示器105を制御する。主CPU41は、表示器105において1回前比率となるベース値を表示させる場合、識別子[b1.]を表示要素D1,D2が表示するとともに、1回前比率情報から1回前比率となるベース値を特定して当該特定したベース値を示す数値を表示要素D3,D4が表示するように、表示器105を制御する。なお、主CPU41は、1回前比率情報が主RWM43に記憶されていない場合、[--]を表示要素D3,D4が表示するように、表示器105を制御する。表示要素D3,D4に表示される[--]は、ベース値を報知するものではないが、表示器105の表示内容のうちベース値を表示する表示内容の一種である。
【0125】
主CPU41は、表示器105において2回前比率となるベース値を表示させる場合、識別子[b2.]を表示要素D1,D2が表示するとともに、2回前比率情報から2回前比率となるベース値を特定して当該特定したベース値を示す数値を表示要素D3,D4が表示するように、表示器105を制御する。なお、主CPU41は、2回前比率情報が主RWM43に記憶されていない場合、[--]を表示要素D3,D4が表示するように、表示器105を制御する。主CPU41は、表示器105において3回前比率となるベース値を表示させる場合、識別子[b3.]を表示要素D1,D2が表示するとともに、3回前比率情報から3回前比率となるベース値を特定して当該特定したベース値を示す数値を表示要素D3,D4が表示するように、表示器105を制御する。なお、主CPU41は、3回前比率情報が主RWM43に記憶されていない場合、[--]を表示要素D3,D4が表示するように、表示器105を制御する。
【0126】
因みに、バックアップ処理においてバックアップする情報には、通常時賞球カウンタによって計数される通常時賞球数が含まれる。通常時賞球カウンタによって計数される通常時賞球数は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、通常時有効球カウンタによって計数される通常時有効球数が含まれる。通常時有効球カウンタによって計数される通常時有効球数は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、全状態時有効球カウンタによって計数される全状態時有効球数が含まれる。全状態時有効球カウンタによって計数される全状態時有効球数は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。
【0127】
また、バックアップ処理においてバックアップする情報には、1回前比率を計数するための通常時賞球数が含まれる。1回前比率を計数するための通常時賞球数は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、1回前比率を計数するための通常時有効球数が含まれる。1回前比率を計数するための通常時有効球数は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、2回前比率を計数するための通常時賞球数が含まれる。2回前比率を計数するための通常時賞球数は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、2回前比率を計数するための通常時有効球数が含まれる。2回前比率を計数するための通常時有効球数は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、3回前比率を計数するための通常時賞球数が含まれる。3回前比率を計数するための通常時賞球数は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、3回前比率を計数するための通常時有効球数が含まれる。3回前比率を計数するための通常時有効球数は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。また、バックアップ処理においてバックアップする情報には、現在比率情報が含まれる。現在比率情報は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、1回前比率情報が含まれる。1回前比率情報は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、2回前比率情報が含まれる。2回前比率情報は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。バックアップ処理においてバックアップする情報には、3回前比率情報が含まれる。3回前比率情報は、初期化処理が実行されたとしても初期化されない。
【0128】
図8に示すように、遊技機10では、電力供給が開始された場合、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる場合がある。そして、遊技機10では、電力供給が開始され、表示器105の表示内容が特定の表示内容となった後、ベース値を表示する表示内容へと復帰する場合がある。このように、遊技機10では、電力供給が開始された場合、表示器105の表示内容は、特定の表示内容となった後、ベース値を表示する表示内容に復帰可能である。即ち、電力供給が開始された場合、性能表示手段の表示内容は、特定の表示内容となった後、ベース値を表示する表示内容に復帰可能である。詳細については後述するが、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間は、時間TX1である場合と、時間TX2である場合と、がある。
【0129】
ここで、表示器105の表示内容のうち特定の表示内容について説明する。
図9(a)及び
図9(b)に示すように、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる場合、表示器105は、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、を交互に取り得る。このように、遊技機10において、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる場合、表示器105の表示態様は、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される表示態様となる場合がある。即ち、表示器105を構成する発光体の発光パターンは、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される発光パターンとなる場合がある。本実施形態では、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される発光パターンが、性能表示手段を構成する発光体の発光体パターンが特定の発光パターンであるときに相当する。
【0130】
このように、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる場合には、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態(
図9(a)に示す)となる場合がある。つまり、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる場合には、表示要素D1~D4を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態となる場合がある。以上のように、遊技機10では、電力供給が開始された場合、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する場合がある。即ち、本実施形態では、電力供給が開始された場合、性能表示手段を構成する全ての発光体が点灯する場合がある。
【0131】
更に、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる場合には、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態(
図9(b)に示す)となる場合がある。つまり、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる場合には、表示要素D1~D4を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態となる場合がある。以上のように、遊技機10では、電力供給が開始された場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する場合がある。即ち、本実施形態では、電力供給が開始された場合、性能表示手段を構成する全ての発光体が消灯する場合がある。
【0132】
このように、遊技機10では、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される場合、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する場合がある。即ち、本実施形態では、性能表示手段を構成する発光体の発光パターンが特定の発光パターンであるとき、性能表示手段を構成する全ての発光体が点灯する場合がある。同様に、遊技機10では、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する場合がある。即ち、本実施形態では、性能表示手段を構成する発光体の発光パターンが特定の発光パターンであるとき、性能表示手段を構成する全ての発光体が消灯する場合がある。
【0133】
遊技機10では、表示器105の表示内容が特定の表示内容である場合、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する場合がある。一方、遊技機10では、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容である場合、表示器105を構成する全ての発光体が点灯することはない。また、遊技機10では、表示器105の表示内容が特定の表示内容である場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する場合がある。一方、遊技機10では、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容である場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯することはない。このように、表示器105の表示内容のうち特定の表示内容は、ベース値を表示する表示内容と異なる。本実施形態において、特定の表示内容は、ベース値を表示する表示内容とは異なる表示内容である。
【0134】
なお、遊技機10では、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容である場合、少なくとも表示要素D1,D2には、[bL.]、[b1.]、[b2.]及び[b3.]のうち何れかが表示される。また、遊技機10では、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容である場合、表示要素D3,D4を構成する発光体のうちドットを構成する発光体は消灯している。つまり、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときには、表示器105を構成する発光体のうち少なくとも一部の発光体が消灯する。即ち、本実施形態において、性能表示手段の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときには、性能表示手段を構成する発光体のうち少なくとも一部の発光体が消灯する。
【0135】
遊技機10では、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間が異なる場合がある。具体的に、遊技機10では、電力供給が開始されたことに伴って主CPU41によって初期化処理が実行されるかによって、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間が異なる場合がある。なお、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間が異なる場合には、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間が異なる。
【0136】
電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されない場合には、時間TX1にわたって表示器105の表示内容が特定の表示内容となる。このため、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されない場合には、電力供給が開始されてから少なくとも時間TX1が経過するタイミング以降に、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰する。一方、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合には、時間TX2にわたって表示器105の表示内容が特定の表示内容となる。このため、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合には、電力供給が開始されてから少なくとも時間TX2が経過するタイミング以降に、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰する。
【0137】
遊技機10において、時間TX2は、時間TX1よりも長い(時間TX1<時間TX2)。したがって、遊技機10では、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合には、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されなかった場合に比して、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間が長い。このため、遊技機10では、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合には、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されなかった場合に比して、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間が長い。即ち、本実施形態において、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合には、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されなかった場合に比して、電力供給が開始されてから性能表示手段の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間が長い。
【0138】
遊技機10では、時間TX1を「4.8秒」としている。また、遊技機10では、時間TX2を「5秒」としている。因みに、前述したように、遊技機10において、表示器105の表示内容のうちベース値を表示する表示内容が切り替わる間隔は、4.8秒となっている。このように、時間TX1及び時間TX2は、表示器105の表示内容のうちベース値を表示する表示内容が切り替わる所定時間である「4.8秒」以上の時間である。遊技機10において、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となってからベース値を表示する表示内容に復帰するまでの時間は、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間以上である。即ち、本実施形態において、電力供給が開始されて性能表示手段の表示内容が特定の表示内容となってからベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間は、所定時間以上である。したがって、遊技機10において、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となってからベース値を表示する表示内容に切り替わるまでの時間は、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間以上である。つまり、本実施形態において、電力供給が開始されて性能表示手段の表示内容が特定の表示内容となってからベース値を表示する表示内容へと切り替わるまでの時間は、所定時間以上である。
【0139】
遊技機10において、時間TX1は、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される時間に相当する。同様に、遊技機10において、時間TX2は、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される時間に相当する。このため、遊技機10において、電力供給が開始されたことに伴って、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される時間は、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間以上である。即ち、本実施形態において、電力供給が開始されたことに伴って性能表示手段を構成する発光体の発光パターンが特定の発光パターンとなる時間は、所定時間以上である。
【0140】
前述したように、遊技機10では、電力供給が開始されたことに伴って主CPU41によって初期化処理が実行されるかによって、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間が異なる。しかし、遊技機10では、電力供給が遮断されたときにおける表示器105の表示内容がどのような表示内容であったかによって、その後に電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間に変化はない。現在比率、1回前比率、2回前比率及び3回前比率のうち何れのベース値を表示しているときに電力供給が遮断されたかによっては、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間に変化はない。換言すると、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間は、現在比率、1回前比率、2回前比率及び3回前比率のうち何れのベース値を表示しているときに電力供給が遮断されたかによって変わらない。したがって、電力供給が開始されてからベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間は、電力供給が遮断されたときにおける表示器105の表示内容が現在比率としてのベース値を表示する表示内容、1回前比率としてのベース値を表示する表示内容及び2回前比率としてのベース値を表示する表示内容のうち何れであるかによって変わらない。即ち、電力供給が開始されてから性能表示手段の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間は、電力供給が遮断されたときにおける性能表示手段の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容、第2ベース値を表示する表示内容及び第3ベース値を表示する表示内容のうち何れの表示内容であるかによって変わらない。
【0141】
次に、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断された場合について、説明する。
遊技機10では、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容の中でも電力供給が遮断されたときに表示していたベース値とは異なるベース値を表示する表示内容に復帰可能である。即ち、本実施形態は、性能表示手段がベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、性能表示手段の表示内容は、ベース値を表示する表示内容のうち電力供給が遮断されたときに表示していたベース値とは異なるベース値を表示する表示内容に復帰可能である。
【0142】
例えば、第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容に復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容以降の表示内容から復帰可能である。このように、本実施形態において、性能表示手段の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合、その後、電力供給が開始されて性能表示手段の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容以降の表示内容から復帰可能である。具体的に、例えば、第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容に復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容又は第3ベース値を表示する表示内容から復帰可能である。このように、性能表示手段の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合、その後、電力供給が開始されて性能表示手段の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容又は第3ベース値を表示する表示内容から復帰可能である。
【0143】
遊技機10では、電力供給が遮断されるときのタイミングによって、電力供給が開始された後に復帰するベース値を表示する表示内容が異なる場合がある。遊技機10では、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたタイミングが、電力供給が遮断されたときのベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過する前であるか、当該所定の基準時間が経過した後であるか、によって、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときに表示されるベース値が異なる。具体的に、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたタイミングが、電力供給が遮断されたときのベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過する前であれば、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、電力供給が遮断されたときのベース値の1回後(次回)に表示されるベース値を表示する表示内容から復帰する。一方、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたタイミングが、電力供給が遮断されたときのベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過した後であれば、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、電力供給が遮断されたときのベース値の2回後(次々回)に表示されるベース値を表示する表示内容から復帰する。
【0144】
例えば、表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、当該電力供給が遮断されたタイミングが第1ベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過するよりも前のタイミングであれば、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容から復帰可能である。即ち、性能表示手段の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、当該電力供給が遮断されたタイミングが第1ベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過するよりも前のタイミングであれば、その後、電力供給が開始されて性能表示手段の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容から復帰可能である。一方、例えば、表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、当該電力供給が遮断されたタイミングが第1ベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過した後のタイミングであれば、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第3ベース値を表示する表示内容から復帰可能である。即ち、性能表示手段の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、当該電力供給が遮断されたタイミングが第1ベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過した後のタイミングであれば、その後、電力供給が開始されて性能表示手段の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第3ベース値を表示する表示内容から復帰可能である。
【0145】
なお、本実施形態において、「所定の基準時間が経過するタイミング」は、所定の基準時間が経過した後のタイミングに含まれる。因みに、本実施形態において「所定の基準時間」は、「4.6秒」としている。したがって、例えば、第1ベース値を表示する表示内容となってから4.6秒が経過するタイミングは、所定の基準時間が経過した後タイミングに含まれる。
【0146】
ここで、
図10(a)~
図10(f)に基づき、電力供給が遮断されるときの表示器105の表示内容と、その後に電力供給が開始されてベース値を表示する表示内容に復帰したときの表示器105の表示内容と、の一例について説明する。なお、
図10(a)~
図10(f)では、所定の基準時間が経過する前を「基準時間経過前」と示し、所定の基準時間が経過した後を「基準時間経過後」と示す。
【0147】
図10(a)に示すように、1回前比率としてのベース値が表示器105において表示されているときに電力供給が遮断されたとする。
図10(b)に示すように、1回前比率としてのベース値が表示器105に表示されてから所定の基準時間が経過する前に電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されてベース値を表示する表示内容に復帰すると、1回前比率の1回後に表示される2回前比率としてのベース値が表示器105に表示される。一方、
図10(c)に示すように、1回前比率としてのベース値が表示器105に表示されてから所定の基準時間が経過した後に電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されてベース値を表示する表示内容に復帰すると、1回前比率の2回後に表示される3回前比率としてのベース値が表示器105に表示される。
【0148】
図10(d)に示すように、2回前比率としてのベース値が表示器105において表示されているときに電力供給が遮断されたとする。
図10(e)に示すように、2回前比率としてのベース値が表示器105に表示されてから所定の基準時間が経過する前に電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されてベース値を表示する表示内容に復帰すると、2回前比率の1回後に表示される3回前比率としてのベース値が表示器105に表示される。一方、
図10(f)に示すように、2回前比率としてのベース値が表示器105に表示されてから所定の基準時間が経過した後に電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されてベース値を表示する表示内容に復帰すると、2回前比率の2回後に表示される現在比率としてのベース値が表示器105に表示される。
【0149】
次に、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されるときにおける表示器105の表示内容と、磁気エラーが検出されたときにおける表示器105の表示内容と、扉開放エラーが検出されたときにおける表示器105の表示内容と、について説明する。
【0150】
遊技機10では、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する。そして、表示器105を構成する全ての発光体の消灯は、少なくとも電力供給が遮断されるまで継続される。このように、遊技機10において、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合、表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様となる。
【0151】
ここで、
図11(a)及び
図11(b)に基づき、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されるときにおける表示器105の表示内容の一例について説明する。
図11(a)に示すように、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されるとき、表示器105の表示内容は、現在比率としてのベース値を表示する表示内容であったとする。そして、
図11(b)に示すように、このときに最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯し、表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様となる。
図11(b)では、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されるときを「最大差数が規定値に到達+進行不能状態」と示す。
【0152】
遊技機10では、磁気エラーが検出された場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する。そして、表示器105を構成する全ての発光体の消灯は、少なくとも電力供給が遮断されるまで継続される。このように、遊技機10において、磁気エラーが検出された場合、表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様となる。なお、本実施形態において、磁気エラーが検出された場合とは、磁気エラーが検出されて進行不能状態に制御される場合と捉えることも可能である。
【0153】
ここで、
図11(a)及び
図11(c)に基づき、磁気エラーが検出されたときにおける表示器105の表示内容の一例について説明する。
図11(a)に示すように、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されるとき、表示器105の表示内容は、現在比率としてのベース値を表示する表示内容であったとする。そして、
図11(c)に示すように、このときに磁気エラーが検出された場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯し、表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様となる。
【0154】
このように、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合と、磁気エラーが検出された場合と、の何れであっても、表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様となる。つまり、最大差数が規定値に達した場合における表示器105の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様と同じである。即ち、特別条件が成立して進行不能状態に制御される場合における性能表示手段の表示態様は、特定エラーが検出された場合における性能表示手段の表示態様と同じである。以上のように、遊技機10において、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様及び磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様である。即ち、本実施形態において、特別条件が成立して進行不能状態に制御される場合における性能表示手段の表示態様及び特定エラーが検出された場合における性能表示手段の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで性能表示手段を構成する全ての発光体が消灯する表示態様である。
【0155】
遊技機10では、扉開放エラーが検出された場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯することはなく、表示器105の表示態様が継続される。具体的に、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときに扉開放エラーが検出された場合、表示器105の表示態様は、ベース値を表示する表示内容とする表示態様のままとなる。このように、遊技機10において、扉開放エラーが検出された場合、表示器105の表示態様は、ベース値を表示する表示内容とする表示態様となる。
【0156】
ここで、
図11(a)及び
図11(d)に基づき、扉開放エラーが検出されたときにおける表示器105の表示内容の一例について説明する。
図11(a)に示すように、扉開放エラーが検出されたとき、表示器105の表示内容は、現在比率としてのベース値を表示する表示内容であったとする。そして、
図11(d)に示すように、このときに扉開放エラーが検出された場合、表示器105の表示態様は、ベース値を表示する表示内容とする表示態様のままとなる。
【0157】
このように、扉開放エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、ベース値を表示する表示内容とする表示態様である。一方、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様である。したがって、扉開放エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様と異なる。即ち、非特定エラーが検出された場合における性能表示手段の表示態様は、特別条件が成立して進行不能状態に制御される場合における性能表示手段の表示態様と異なる。また、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様である。したがって、扉開放エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様と異なる。即ち、非特定エラーが検出された場合における性能表示手段の表示態様は、特定エラーが検出された場合における性能表示手段の表示態様と異なる。
【0158】
ここで、電力供給が開始されたときにおける表示器105の制御と、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されるときにおける表示器105の制御と、磁気エラーが検出されたときにおける表示器105の制御と、について説明する。
【0159】
電力供給が開始された場合、主CPU41は、表示器105の表示内容が特定の表示内容となるように、表示器105を制御する。このとき、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理を実行していない場合、主CPU41は、時間TX1(本実施形態では、4.8秒)にわたって表示器105の表示内容が特定の表示内容となるように、表示器105を制御する。一方、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理を実行している場合、主CPU41は、時間TX2(本実施形態では、5秒)にわたって表示器105の表示内容が特定の表示内容となるように、表示器105を制御する。
【0160】
そして、特定の表示内容が終了した後、主CPU41は、ベース値を表示する表示内容へと表示器105の表示内容を復帰させる。以下、ベース値を表示する表示内容へ復帰させるための制御について説明する。
【0161】
バックアップ処理においてバックアップする情報には、電力供給が遮断されたときに表示させていたベース値を特定可能な情報(以下、電断時表示情報と示す)が含まれる。更に、バックアップ処理においてバックアップする情報には、電力供給が遮断されたときに表示させていたベース値を表示させてからの経過時間を特定可能な情報(以下、経過時間情報と示す)が含まれる。このため、主CPU41は、電断時表示情報から電力供給が遮断されたときに表示されていたベース値を特定することができる。更に、主CPU41は、経過時間情報から、電力供給が遮断されたタイミングが、電力供給が遮断されたときに表示させていたベース値が表示されてから基準時間が経過する前であったか(又は、所定の基準時間が経過した後であったか)を特定することができる。
【0162】
そして、電力供給が遮断されたタイミングが、電力供給が遮断されたときに表示させていたベース値が表示されてから基準時間が経過する前であった場合、主CPU41は、電力供給が遮断されたときに表示させていたベース値の1回後に表示されるベース値を表示する表示内容に復帰するように、表示器105を制御する。一方、電力供給が遮断されたタイミングが、電力供給が遮断されたときに表示させていたベース値が表示されてから基準時間が経過した後であった場合、主CPU41は、電力供給が遮断されたときに表示させていたベース値の2回後に表示されるベース値を表示する表示内容に復帰するように、表示器105を制御する。
【0163】
最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合、主CPU41は、表示器105を構成する全ての発光体が消灯するように、表示器105を制御する。具体的に、例えば、進行不能処理において特定不能コマンドを出力バッファに格納した場合、つまり、ステップS106の処理又はステップS112の処理が行われた場合、主CPU41は、表示器105を構成する全ての発光体が消灯するように、表示器105を制御する。このとき、主CPU41は、表示器105の表示態様が少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様となるように、表示器105を制御する。
【0164】
磁気エラーを検出した場合、主CPU41は、表示器105を構成する全ての発光体が消灯するように、表示器105を制御する。具体的に、進行不能処理において磁気不能コマンドを出力バッファに格納した場合、つまり、ステップS102の処理が行われた場合、主CPU41は、表示器105を構成する全ての発光体が消灯するように、表示器105を制御する。このとき、主CPU41は、表示器105の表示態様が少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様となるように、表示器105を制御する。
【0165】
なお、主CPU41は、扉開放エラーを検出したとしても、当該扉開放エラーが検出したことを契機として、表示器105の表示態様を変更しない。例えば、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときに扉開放エラーを検出したとしても、主CPU41は、ベース値を表示する表示内容と異なる表示内容へ表示器105の表示内容を変更しない。
【0166】
ここで、
図12(a)~
図12(g)に基づき、表示器105の表示内容の一例について、説明する。
図12(a)に示すように、表示器105には、2回前比率としてのベース値が表示されているものとする。
図12(b)に示すように、2回前比率としてのベース値が表示されてから4.8秒が経過すると、表示器105には、3回前比率としてのベース値が表示される。このように、表示器105には、2回前比率としてのベース値が表示されてから4.8秒が経過すると、2回前比率の次に表示される3回前比率としてのベース値が表示される。そして、3回前比率としてのベース値が表示されているときに、電力供給が遮断されたものとする。
【0167】
その後、電力供給が開始されると、表示器105の表示内容は、特定の表示内容となる。この結果、
図12(c)及び
図12(d)に示すように、表示器105を構成する発光体の発光パターンは、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される発光パターンとなる。つまり、表示器105の表示態様は、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される表示態様となる。なお、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間は、電力供給が開始されることに伴って初期化処理が主CPU41によって実行されなかった場合、4.8秒となる。一方、表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間は、電力供給が開始されることに伴って初期化処理が主CPU41によって実行された場合、5秒となる。
【0168】
そして、表示器105の表示内容が特定の表示内容となった後、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容へと復帰する。このように、表示器105がベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容とは異なる特定の表示内容となった後、ベース値を表示する表示内容に復帰可能である。即ち、性能表示手段がベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、性能表示手段の表示内容は、ベース値を表示する表示内容とは異なる表示内容となった後、ベース値を表示する表示内容に復帰可能である。
【0169】
図12(e)に示すように、3回前比率となるベース値が表示されているときに電力供給が遮断されたタイミングが当該3回前比率となるベース値が表示されてから所定の基準時間が経過するよりも前のタイミングであれば、表示器105の表示内容は、3回前比率の1回後に表示される現在比率としてのベース値を表示する表示内容に復帰する。
図12(f)に示すように、3回前比率となるベース値が表示されているときに電力供給が遮断されたタイミングが当該3回前比率となるベース値が表示されてから所定の基準時間が経過した後のタイミングであれば、表示器105の表示内容は、3回前比率の2回後に表示される1回前比率としてのベース値を表示する表示内容に復帰する。このように、遊技機10では、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容に復帰する場合、電力供給が遮断されたときに表示されていた3回前比率がどの程度の時間にわたって表示されていたかによって、ベース値を表示する表示内容に復帰したときに表示器105に表示されるベース値が異なる。
【0170】
図12(g)に示すように、表示器105においてベース値が表示されているときに最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御された場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯し、表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様となる。同様に、
図12(g)に示すように、表示器105においてベース値が表示されているときに磁気エラーが検出された場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯し、表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様となる。なお、図示していないが、表示器105においてベース値が表示されているときに扉開放エラーが検出された場合、表示器105を構成する全ての発光体が消灯することはなく、表示器105の表示態様は、ベース値を表示する表示内容とする表示態様のままとなる。
【0171】
以下、本実施形態の効果について説明する。
(1)電力供給が開始された場合、ベース値を表示可能な表示器105を構成する全ての発光体が点灯する場合がある。このように、電力供給が開始されたときに全ての発光体が点灯するように構成されていることから、例えば、電力供給が開始されたときに一部の発光体が点灯していない場合には、その発光体が故障している可能性を疑うことができるなど、表示器105を構成する発光体の故障の早期発見に寄与することができる。また、表示器105を構成する発光体の故障を早期に発見できた場合には、例えば、表示器105を構成する発光体の故障によって、表示器105から認識できるベース値が実際のベース値と異なることを抑制することができる。以上のように構成することにより、表示器105を構成する発光体の故障を早期に発見できるように、表示器105を活用することができる。
【0172】
(2)表示器105を構成する発光体の発光パターンが、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される発光パターンとなる時間は、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間以上である。つまり、表示器105を構成する発光体の発光パターンが、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態と、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態と、が交互に繰り返される発光パターンとなる時間は、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容となって当該ベース値を確認できる程度の時間以上である。これにより、表示器105を構成する全ての発光体が発光していることを確認する時間を確保することができ、表示器105を活用し易くすることができる。
【0173】
(3)表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときには、表示器105を構成する発光体のうち少なくとも一部の発光体が消灯する。これにより、表示器105を構成する発光体の全てが点灯しているときは、ベース値を表示する表示内容でないことを認識し易くすることができる。
【0174】
(4)電力供給が開始された場合、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容とは異なる特定の表示内容となった後、ベース値を表示する表示内容に復帰可能である。このため、例えば、電力供給が開始されたときに表示器105の表示内容が特定の表示内容でないときには、表示器105が故障している場合や表示器105の制御に何らかの問題が生じている可能性を疑うことができるなど、表示器105に関する不具合の早期発見に寄与することができる。また、表示器105に関する不具合を早期に発見できた場合には、例えば、表示器105に関する不具合によって、間違ったベース値が表示器105に表示され続けることを抑制することができる。以上のように構成することにより、表示器105の不具合を早期に発見できるように表示器105を活用することができる。
【0175】
(5)電力供給が開始されて表示器105の表示内容が特定の表示内容となってからベース値を表示する表示内容へと切り替わるまでの時間は、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間以上である。つまり、電力供給が開始されて表示器105の表示内容が特定の表示内容となってからベース値を表示する表示内容へと切り替わるまでの時間は、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容となって当該ベース値を確認できる程度の時間以上である。これにより、表示器105の表示内容が特定の表示内容であることを確認する時間を確保することができ、表示器105を活用し易くすることができる。
【0176】
(6)表示器105がベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容のうち電力供給が遮断されたときに表示していたベース値とは異なるベース値を表示する表示内容に復帰可能である。このように、表示器105の表示内容が、電力供給が遮断されたときに既に表示されていたベース値とは異なるベース値を表示する表示内容となることにより、例えば、電力供給が遮断されていたときに表示されていたベース値と同じベース値を再確認させることなく、別のベース値を確認させることができ、有効に表示器105を活用することができる。
【0177】
(7)表示器105がベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容とは異なる表示内容となった後、ベース値を表示する表示内容に復帰可能である。このように、一旦、ベース値を表示する表示内容とは異なる表示内容となることにより、例えば、電力供給が開始された直後にいきなりベース値を表示する表示内容に復帰する場合に比して、ベース値を見逃してしまうことを抑制することができる。
【0178】
(8)電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合には、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されなかった場合に比して、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間が長い。これにより、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間から、初期化処理が実行されたかについて特定することができる。つまり、表示器105の表示内容からは、ベース値だけでなく、初期化処理が実行されたかについて確認することも可能となり、表示器105を活用することができる。
【0179】
(9)表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容以降の表示内容から復帰可能である。このように、表示器105の表示内容が、電力供給が遮断されたときの第1ベース値を表示する表示内容ではなく、第2ベース値を表示する表示内容以降の表示内容となる。これにより、例えば、第1ベース値を再確認させることなく、第2ベース値以降の第1ベース値とは異なるベース値を確認させることができ、有効に表示器105を活用することができる。
【0180】
(10)電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間は、電力供給が遮断されたときにおける表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容、第2ベース値を表示する表示内容及び第3ベース値を表示する表示内容のうち何れの表示内容であるかによって変わらない。これにより、電力供給が遮断されたときの表示器105の表示内容により、電力供給が開始されてからの違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
【0181】
(11)表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、当該電力供給が遮断されたタイミングが第1ベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過するよりも前のタイミングであれば、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容から復帰可能である。一方、表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、当該電力供給が遮断されたタイミングが第1ベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過した後のタイミングであれば、その後、電力供給が開始されて性能表示手段の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第3ベース値を表示する表示内容から復帰可能である。つまり、表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、当該電力供給が遮断されたタイミングが第1ベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過する前後で、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときのベース値の種類が異なる。このように、表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容となってから電力供給が遮断されるタイミングに応じて、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときのベース値の種類を異ならせることで、復帰時の違和感を抑制することができる。
【0182】
(12)最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様と同じである。これにより、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されるときと、磁気エラーが検出されたときと、の何れであるかによって表示器105の表示態様を異ならせることによる違和感を与えないように、表示器105を活用することができる。
【0183】
また、遊技機10では、磁気エラーが検出された場合であっても、進行不能状態に制御される。したがって、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様と同じであるため、表示器105の表示態様から進行不能状態に制御されたことを認識することができる。
【0184】
(13)扉開放エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様と異なる。これにより、エラーが検出された際において、扉開放エラーと磁気エラーの何れが検出されたかについて、表示器105の表示態様から確認できるように、表示器105を活用することができる。
【0185】
(14)最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様及び磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様である。このように、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体を消灯させることにより、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されたり、磁気エラーが検出されたりしていることを気が付かせ易くすることができるように、表示器105を活用することができる。
【0186】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・電力供給が開始された場合、表示器105の表示内容は、特定の表示内容となることなく、ベース値を表示する表示内容に復帰可能に構成してもよい。例えば、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合、表示器105の表示内容は、特定の表示内容となることなく、ベース値を表示する表示内容に復帰するように構成してもよい。一方、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されなかった場合、表示器105の表示内容は、特定の表示内容となった後、ベース値を表示する表示内容に復帰するように構成してもよい。逆に、例えば、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合、表示器105の表示内容は、特定の表示内容となった後、ベース値を表示する表示内容に復帰するように構成してもよい。一方、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されなかった場合、表示器105の表示内容は、特定の表示内容となることなく、ベース値を表示する表示内容に復帰するように構成してもよい。表示器105がベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容に復帰可能であってもよい。このとき、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容とは異なる表示内容となることなく、ベース値を表示する表示内容に復帰可能であってもよい。
【0187】
・ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間(所定時間)は、変更してもよい。例えば、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間は、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間以上であってもよい。例えば、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間は、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間以下であってもよい。例えば、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間は、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間よりも長い時間であってもよい。例えば、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間は、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間よりも短い時間であってもよい。
【0188】
・表示器105がベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されたとき、表示器105の表示内容が一時的にベース値を表示する表示内容となった後、特定の表示内容となる場合があってもよい。そして、その後、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容に復帰可能に構成してもよい。以上のように、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が一時的にベース値を表示内容となった後、特定の表示内容を経て、最終的に、ベース値を表示する表示内容へと復帰するように構成してもよい。このようになる場合において、表示器105の表示内容が一時的にベース値を表示する表示内容となることは、ベース値を表示する表示内容に復帰することには相当しない。なお、一時的に表示されるベース値は、電力供給が遮断されたときに表示されていたベース値と同じベース値であってもよいし、電力供給が遮断されたときに表示されていたベース値と異なるベース値であってもよい。
【0189】
・電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間を変更してもよい。つまり、電力供給が開始されたことに伴って表示器105を構成する発光体の発光パターンが特定の発光パターンとなる時間を変更してもよい。例えば、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間は、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間(所定時間)よりも長い時間であってもよい。その他、例えば、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間は、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間以下であってもよい。例えば、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容が特定の表示内容となる時間は、ベース値を表示する表示内容が切り替わる時間よりも短い時間であってもよい。
【0190】
・特定の表示内容を変更してもよい。特定の表示内容となる場合には、表示器105を構成する全ての発光体が点灯しなくてもよい。特定の表示内容となる場合には、表示器105を構成する全ての発光体が消灯しなくてもよい。例えば、特定の表示内容となる場合には、時間経過に伴って表示器105を構成する発光体が1つずつ順番に点灯するように構成してもよい。このように構成する場合であっても、どの発光体が点灯しない状況に陥っているかを確認することができる。
【0191】
・電力供給が開始された場合、ベース値を表示可能な表示器105を構成する全ての発光体が点灯するように構成してもよい。例えば、電力供給が開始された場合、ベース値を表示可能な表示器105を構成する全ての発光体が消灯せずに、ベース値を表示可能な表示器105を構成する全ての発光体が点灯するように構成してもよい。したがって、表示器105の特定の表示内容は、表示器105を構成する全ての発光体が点灯する全点灯状態となる表示内容であってもよい。
【0192】
・電力供給が開始された場合、ベース値を表示可能な表示器105を構成する全ての発光体が消灯するように構成してもよい。例えば、電力供給が開始された場合、ベース値を表示可能な表示器105を構成する全ての発光体が点灯せずに、ベース値を表示可能な表示器105を構成する全ての発光体が消灯するように構成してもよい。したがって、表示器105の特定の表示内容は、表示器105を構成する全ての発光体が消灯する全消灯状態となる表示内容であってもよい。
【0193】
・表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときには、表示器105を構成する発光体の全てが点灯する場合があってもよい。例えば、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときには、表示器105を構成する発光体の全てが消灯する場合があってもよい。例えば、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときの少なくとも一部の期間では、表示器105を構成する発光体のうち少なくとも一部の発光体が消灯するように構成してもよい。
【0194】
・表示器105がベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容のうち電力供給が遮断されたときに表示していたベース値と同じベース値を表示する表示内容に復帰可能であってもよい。表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第1ベース値を表示する表示内容から復帰可能であってもよい。その他、表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第3ベース値を表示する表示内容以降の表示内容から復帰可能であってもよい。
【0195】
・電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合には、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されなかった場合に比して、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間が短くてもよい。電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行された場合には、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されなかった場合と、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間が同じであってもよい。つまり、電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間は、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されたかによって異ならせてもよいし、電力供給が開始されたことに伴って初期化処理が実行されたかによって変化しないようにしてもよい。
【0196】
・電力供給が開始されてから表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間は、電力供給が遮断されたときにおける表示器105の表示内容によって異なる場合があるように構成してもよい。例えば、電力供給が遮断されたときにおける表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容、第2ベース値を表示する表示内容及び第3ベース値を表示する表示内容のうち何れの表示内容であるかによって異ならせてもよい。
【0197】
・ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたタイミングが、電力供給が遮断されたときのベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過する前であるかによって、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときに表示されるベース値を異ならせなくてもよい。例えば、表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容から復帰可能であってもよい。このとき、電力供給が遮断されたタイミングが第1ベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過したかに関係なく、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容から復帰可能であってもよい。例えば、表示器105の表示内容が第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合、その後、電力供給が開始されて表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、第2ベース値を表示する表示内容の表示内容から復帰するように構成してもよい。
【0198】
・最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様は、変更してもよい。即ち、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様でなくてもよい。また、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、変更してもよい。即ち、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで表示器105を構成する全ての発光体が消灯する表示態様でなくてもよい。
【0199】
・最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様と異ならせてもよい。例えば、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様のうち何れか一方は、ベース値を表示する表示内容とする表示態様としてもよい。最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様と、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様と、の何れの表示態様についても、ベース値を表示する表示内容とする表示態様としてもよい。例えば、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときに磁気エラーが検出された場合、表示器105の表示態様は、ベース値を表示する表示内容とする表示態様のままとなるように構成してもよい。例えば、表示器105の表示内容がベース値を表示する表示内容であるときに最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合、表示器105の表示態様は、ベース値を表示する表示内容とする表示態様のままとなるように構成してもよい。
【0200】
・扉開放エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様と同じであってもよい。扉開放エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様と同じであってもよい。扉開放エラーが検出された場合における表示器105の表示態様は、磁気エラーが検出された場合における表示器105の表示態様及び最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御される場合における表示器105の表示態様のうち何れか一方と同じであってもよい。
【0201】
・最大差数が規定値に達した場合であっても、進行不能状態に制御されないように構成してもよい。最大差数が規定値に達したことによって進行不能状態に制御された後、電力供給を遮断することで進行不能状態が終了するように構成してもよい。また、最大差数が規定値に達したことによって進行不能状態に制御された後、電力供給を遮断するだけでは進行不能状態が終了せず、電力供給が開始されることに伴って初期化処理が実行されることで進行不能状態が終了するように構成してもよい。また、大当り遊技中に最大差数が規定値に達した場合には、大当り遊技の終了を待たずに、進行不能状態に制御されるように構成してもよい。また、特別ゲームの実行中に最大差数が規定値に達した場合には、当該特別ゲームの終了後、進行不能状態に制御されるように構成してもよい。進行不能状態に制御される契機として、上記実施形態では、最大差数が規定値に達した場合と、磁気エラーが検出された場合と、を示したが、これに限られるものではない。例えば、付与された遊技媒体の数が予め定められた値に達した場合には、進行不能状態に制御されるように構成してもよい。この場合、付与された遊技媒体の数が予め定められた値に達することで特別条件が成立すると捉えることができる。このように、特別条件を変更してもよい。また、電波エラーが検出された場合には、進行不能状態に制御されるように構成してもよい。
【0202】
・磁気エラーが検出された場合であっても、進行不能状態に制御されないように構成してもよい。磁気エラーが検出されて進行不能状態に制御された後、電力供給を遮断することで進行不能状態が終了するように構成してもよい。また、磁気エラーが検出されて進行不能状態に制御された後、電力供給を遮断するだけでは進行不能状態が終了せず、電力供給が開始されることに伴って初期化処理が実行されることで進行不能状態が終了するように構成してもよい。
【0203】
・エラーが検出された場合、表示器105の表示内容は、エラーが検出されたことを特定可能な表示内容となる場合があるように構成してもよい。例えば、エラーが検出されたことを特定可能な表示内容となる場合、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容と、エラーが検出されたことを特定可能な表示内容と、が交互に切り替わるように構成してもよい。例えば、表示器105の表示内容は、「…現在比率を表示する表示内容→エラーが検出されたことを特定可能な表示内容→1回前比率を表示する表示内容→エラーが検出されたことを特定可能な表示内容→2回前比率を表示する表示内容→…」という順序で切り替わるように構成してもよい。このとき、表示器105の表示内容が「ベース値を表示する表示内容」となる時間と、表示器105の表示内容が「エラーが検出されたことを特定可能な表示内容」となる時間と、が同じであってもよいし、何れか一方が他方より長く(又は、短く)なるように構成してもよい。なお、エラーが検出されたことを特定可能な表示内容となるエラーは、扉開放エラー及び磁気エラーのうち一方であってもよいし、両方であってもよい。その他、エラーが検出されたことを特定可能な表示内容となるエラーには、最大差数が規定値に達したことと、最大差数が規定値に達したことを契機に進行不能状態に制御されたことと、のうち一方又は両方が含まれてもよい。なお、エラーが検出されたことを特定可能な表示内容は、検出されたエラーの種類を特定可能な表示内容であってもよい。その他、表示器105とは異なる表示器(以下、特別表示器と示す)において、エラーが検出されたことが報知されるように構成してもよい。特別表示器は、表示器105と同様、主基板40上に設けてもよいし、主基板40とは異なる基板(例えば、払出制御基板)上に設けてもよい。払出制御基板は、例えば、賞球の付与を管理する基板に相当する。特別表示器は、複数の発光体によって構成されるものであってもよいし、1つの発光体によって構成されるものであってもよい。例えば、磁気エラーが検出されたことを報知する表示器と、扉開放エラーが検出されたことを報知する表示器と、はそれぞれ異なる基板上に設けてもよい。
【0204】
・最大差数が規定値に達した場合、表示器105の表示内容は、最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容となる場合があるように構成してもよい。例えば、最大差数が規定値に達した場合には、進行不能状態に制御される前であっても、表示器105の表示内容は、最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容となるように構成してもよい。例えば、最大差数が規定値に達した場合であっても、進行不能状態に制御されるまでは、表示器105の表示内容は、最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容とならないように構成してもよい。つまり、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御された場合、表示器105の表示内容は、最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容となる場合があるように構成してもよい。このように、最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容は、最大差数が規定値に達して進行不能状態に制御されたことを特定可能な表示内容であってもよい。例えば、最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容となる場合、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容と、最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容と、が交互に切り替わるように構成してもよい。例えば、表示器105の表示内容は、「…現在比率を表示する表示内容→最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容→1回前比率を表示する表示内容→最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容→2回前比率を表示する表示内容→…」という順序で切り替わるように構成してもよい。このとき、表示器105の表示内容が「ベース値を表示する表示内容」となる時間と、表示器105の表示内容が「最大差数が規定値に達したことを特定可能な表示内容」となる時間と、が同じであってもよいし、何れか一方が他方より長く(又は、短く)なるように構成してもよい。その他、表示器105とは異なる特別表示器において、最大差数が規定値に達したことが報知されるように構成してもよい。
【0205】
・進行不能状態に制御された場合、表示器105の表示内容は、進行不能状態に制御されたことを特定可能な表示内容となる場合があるように構成してもよい。例えば、進行不能状態に制御されたことを特定可能な表示内容となる場合、表示器105の表示内容は、ベース値を表示する表示内容と、進行不能状態に制御されたことを特定可能な表示内容と、が交互に切り替わるように構成してもよい。例えば、表示器105の表示内容は、「…現在比率を表示する表示内容→進行不能状態に制御されたことを特定可能な表示内容→1回前比率を表示する表示内容→進行不能状態に制御されたことを特定可能な表示内容→2回前比率を表示する表示内容→…」という順序で切り替わるように構成してもよい。このとき、表示器105の表示内容が「ベース値を表示する表示内容」となる時間と、表示器105の表示内容が「進行不能状態に制御されたことを特定可能な表示内容」となる時間と、が同じであってもよいし、何れか一方が他方より長く(又は、短く)なるように構成してもよい。なお、進行不能状態に制御されたことを特定可能な表示内容となる進行不能状態は、最大差数が規定値に達したことを契機とする進行不能状態及び磁気エラーが発生したことを契機とする進行不能状態のうち一方であってもよいし、両方であってもよい。なお、進行不能状態に制御されたことを特定可能な表示内容は、進行不能状態に制御された要因を特定可能な表示内容であってもよい。その他、表示器105とは異なる特別表示器において、進行不能状態に制御されたことが報知されるように構成してもよい。例えば、最大差数が規定値に達したことを契機に進行不能状態に制御されたことを報知する表示器と、磁気エラーが検出されたことを契機に進行不能状態に制御されたことを報知する表示器と、はそれぞれ異なる基板上に設けてもよい。
【0206】
・上記実施形態において、第1始動口26への入球に基づき実行される特別ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)と、第2始動口27への入球に基づき実行される特別ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)と、を別けてもよい。例えば、第1特別ゲームよりも第2特別ゲームが優先して実行されるように構成してもよいし、特別ゲームの種類に関係なく保留された順序で実行されるように構成してもよい。また、第2特別ゲームよりも第1特別ゲームが優先して実行されるように構成してもよい。その他、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームを同時に実行可能に構成してもよい。例えば、第1特別ゲームが大当りとなったときと、第2特別ゲームが大当りとなったときと、で決定される大当りの種類及び各種大当りの決定率のうち少なくとも一方を異ならせてもよい。
【0207】
・大当りに当選しなかったとしても、所定の特別期間内における特別ゲームの実行回数が予め定められた特別回数に達したことを契機に、高ベース状態に制御可能に構成してもよい。ここでいう特別期間内における特別ゲームの実行回数は、例えば、非確変状態に制御されてから大当り遊技が付与されることなく実行された特別ゲームの実行回数であってもよいし、大当り遊技終了後から次の大当り遊技が付与されることなく実行された特別ゲームの実行回数であってもよい。例えば、特別期間内における特別ゲームの実行回数が特別回数に達したことを契機に高ベース状態に制御される場合、予め定められた上限回数の特別ゲームが実行される迄の間、又は、上限回数の特別ゲームが実行されるよりも前に大当り遊技が付与される迄の間、高ベース状態に制御されるように構成してもよい。但し、上限回数の特別ゲームが実行される迄の間に大当り遊技が付与されずに高ベース状態が終了した場合、大当り遊技が付与される迄は、特別ゲームの実行回数を契機として高ベース状態に制御されないように構成してもよい。
【0208】
・大当り抽選に非当選した場合に確定停止表示され得る特別図柄として、はずれ図柄と、はずれ図柄とは異なる図柄(以下、チャンス図柄と示す)と、を有するようにしてもよい。そして、低ベース状態であるときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が確定停止表示された場合には、チャンス図柄が確定停止表示されたことを契機として、高ベース状態に制御されるように構成してもよい。その他、電力供給が開始されてから所定回数の特別ゲームが実行されるまでの期間に限って、特別ゲームにおいてチャンス図柄が確定停止表示された場合に高ベース状態に制御されるように構成してもよい。このとき、電力供給が開始されてから所定回数の特別ゲームが実行されるまでの期間以外の期間では、特別ゲームにおいてチャンス図柄が確定停止表示された場合に高ベース状態に制御されないようにしてもよいし、特別ゲームにおいてチャンス図柄が確定停止表示されないようにしてもよい。大当り抽選に非当選した場合に確定停止表示され得る特別図柄には、必ずしもはずれ図柄が含まれる必要はなく、チャンス図柄のみであってもよい。また、チャンス図柄の種類は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
【0209】
・大当り遊技が付与されているときの遊技状態は、通常遊技状態とは異なる遊技状態として捉えることも可能である。また、大当り遊技が付与されているときは、必ずしも通常遊技状態に制御する必要はなく、大当り遊技が付与されたときの遊技状態に引き続き制御されるようにしてもよい。
【0210】
・高ベース状態であっても、低ベース状態であるときと実射位置が変わらず、且つ、低ベース状態であるときと普通電動役物としての第2始動口27への入賞率が略変わらない高ベース状態(以下、特殊高ベース状態と示す)に制御可能な遊技機であってもよい。例えば、上記実施形態は、高ベース状態として、上記実施形態における高ベース状態と、特殊高ベース状態と、のうち何れか一方又は両方に制御可能な遊技機に具体化してもよい。特殊高ベース状態は、低ベース状態であるときと実射位置が変わらず、且つ、低ベース状態であるときと普通電動役物としての第2始動口27への入賞率が同じ高ベース状態であってもよい。特殊高ベース状態は、大当り遊技の終了後に制御可能に構成してもよい。特殊高ベース状態は、特別ゲームにおいてチャンス図柄が確定停止表示された後に制御可能に構成してもよい。
【0211】
・ベース値の計数対象となる状況(状態)は、通常遊技であるときに限られるものではない。例えば、ベース値の計数対象となる状況には、特殊高ベース状態に制御されている状態が含まれてもよい。例えば、表示器105において表示可能なベース値は、通常遊技であるときのベース値と、特殊高ベース状態であるときのベース値と、を合算した値であってもよい。このように、ベース値の計数対象となる状況には、高ベース状態に制御されている状況のうち一部又は全部の状況が含まれてもよい。また、例えば、ベース値の計数対象となる状況には、大当り遊技中が含まれてもよい。
【0212】
・上記実施形態は、大当り抽選の他、小当り抽選を行う遊技機に適用してもよい。一般的に、小当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームにおいて小当り図柄が確定停止表示され、当該特別ゲームの終了後に小当り遊技が付与される。上記実施形態は、例えば、通常遊技状態に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能な遊技機に適用してもよい。大当り抽選に加えて小当り抽選を行うことが可能な遊技機においては、大当り抽選及び小当り抽選の両方を当り抽選、大当り遊技及び小当り遊技の両方を当り遊技として、それぞれ捉えることができる。その他、大当り抽選に加えて小当り抽選を行うことが可能な遊技機においては、大当り抽選及び小当り抽選のうち大当り抽選のみを当り抽選、大当り遊技及び小当り遊技のうち大当り遊技のみを当り遊技として、それぞれ捉えることができる。小当り抽選を行う遊技機においては、小当り図柄の種類が複数種類であってもよい。そして、特別ゲームにおいて確定停止表示された小当り図柄の種類によって、小当り遊技の種類を異ならせてもよい。例えば、小当り遊技の種類が異なる場合には、小当り遊技における大入賞口の開放態様を異ならせてもよい。なお、大当り遊技において開放される大入賞口及び小当り遊技において開放される大入賞口は、同じであってもよいし、異ならせてもよい。
【0213】
・小当り抽選を行う遊技機、つまり、小当り遊技を付与可能な遊技機において、小当り遊技が付与されているときに最大差数が規定値に達した場合、付与中の小当り遊技を中止して進行不能状態に制御されるように構成してもよい。また、小当り遊技を付与可能な遊技機において、小当り遊技が付与されているときに最大差数が規定値に達した場合、付与中の小当り遊技が終了するまで進行不能状態に制御されず、小当り遊技の終了後に進行不能状態に制御されるように構成してもよい。このように構成するにあたっては、例えば、進行不能処理におけるステップS104の処理及びステップS108の処理において、大当り遊技が付与されているときかを判定するにあたって、小当り遊技が付与されているときかについても判定するように構成するとよい。即ち、ステップS104の処理及びステップS108において、主CPU41は、当り遊技が付与されているときかを判定するように構成してもよい。
【0214】
・上記実施形態は、遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り遊技を付与する遊技機に具体化してもよい。例えば、上記実施形態は、大当り抽選において大当りに当選したことに基づく大当り遊技と、遊技球が特定領域を通過したことに基づく大当り遊技と、を付与する遊技機(所謂、1種2種混合機)に具体化してもよい。この特定領域は、例えば、上記実施形態における第2始動口27へ入球したことを契機に行われた小当り抽選において小当りに当選したことに基づいて開放された大入賞口内に設けられる。この大入賞口は、大当り遊技において開放される大入賞口29と同じであってもよいし、大入賞口29とは別の大入賞口であってもよい。なお、小当りに当選したことに基づいて開放された大入賞口へ遊技球が入球したとしても、特定領域を遊技球が通過しない場合には大当り遊技が付与されない。1種2種混合機は、前述した、大当り抽選に加えて小当り抽選を行うことが可能な遊技機の一種である。
【0215】
・確変状態に制御可能な遊技機として、次に大当り遊技が付与されるまで確変状態に制御する仕様や、転落抽選に当選するまで確変状態に制御する仕様(転落機)、或いは、予め定めた回数分の特別ゲームが終了するまで確変状態に制御する仕様(ST機)がある。また、確変状態に制御可能なパチンコ遊技機には、遊技球が特定の領域を通過することを契機に確変状態に制御する仕様(V確変機)がある。上記実施形態は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、上記実施形態は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様の遊技機であってもよい。また、V確変機は、単数の大入賞口を備えて特定のラウンド遊技を生じさせる仕様がある。V確変機は、特定のラウンド遊技で開放される大入賞口(V入賞口)と特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技で開放される大入賞口からなる複数の大入賞口を備えて特定のラウンド遊技を生じさせる仕様がある。上記実施形態は、これらの仕様のうち何れの仕様のV確変機に具体化してもよい。例えば、大当り遊技の種類によって、特定の領域に遊技球が入球する期待度を異ならせてもよい。
【0216】
・上記実施形態は、遊技球を付与するにあたって、電子データから構成される仮想媒体が付与されるパチンコ遊技機に具体化してもよい。即ち、上記実施形態は、物理的な遊技媒体が払い出されないパチンコ遊技機(所謂、管理遊技機)に具体化してもよい。このようなパチンコ遊技機は、仮想媒体を使用することで発射可能な遊技球に変換し、当該遊技球を発射可能に構成される。管理遊技機は、スマートパチンコ、スマパチともいわれる。
【0217】
・上記実施形態をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンでは、BETボタンの操作や、メダルの投入によって、掛け数(賭数ともいわれる)を設定することができる。スロットマシンでは、掛け数を設定した後、スタートレバーが操作されると、複数のリールが回転する。スロットマシンでは、複数のリールが回転した後、ストップボタンが操作されると、対応するリールの回転が停止する。そして、スロットマシンでは、全てのリールの回転が停止すると、停止した図柄組み合わせに応じて賞(メダルの付与、再遊技)が付与される。スロットマシンでは、掛け数が設定されていない状態で所定時間が経過した場合、待機状態となる。その他、スロットマシンでは、クレジットが1以上であるときにおいて、クレジットを精算する精算ボタンを操作した場合、待機状態となる。スロットマシンにおいて、メダルが付与されるにあたっては、メダルが払い出される以外に、クレジットが付与されるメダルの枚数分増加するようにしてもよい。また、スロットマシンに用いられる遊技媒体は、メダルであってもよいし、電子データから構成される仮想媒体であってもよい。即ち、物理的な遊技媒体を用いないスロットマシンに適用してもよい。
【0218】
・スロットマシンに適用する場合において、当該スロットマシンは、メダルとは異なる遊技媒体を用いる遊技機であってもよい。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いる遊技機として具体化してもよい。その他、遊技媒体は、データ(情報)で管理されるものであってもよい。即ち、スロットマシンは、所謂、メダルレス遊技機であってもよい。メダルレス遊技機におけるメダルは、仮想媒体ともいえる。仮想媒体は、遊技価値に相当する。メダルレス遊技機は、スマートパチスロ、スマスロともいわれる。
【0219】
・上記実施形態において、副基板50をサブ統括制御基板とし、当該サブ統括制御基板とは別に、装飾ランプ17を専門に制御する発光制御基板、スピーカ18を専門に制御する音制御基板及び演出表示装置25を専門に制御する表示制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて、副基板(副制御部)としてもよい。また、単一の基板に主基板40の主CPU41と副基板50の副CPU51を搭載してもよい。また、上記の変更例において、表示制御基板、発光制御基板及び音制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、又は、複数の基板としてもよい。
【0220】
・情報表示パネル22は、遊技者に賞として付与する遊技球(賞球)の残り個数を表示する残数表示部を備えていてもよい。情報表示パネル22は、大当り遊技中のラウンド遊技の回数を表示するラウンド数表示部を備えていてもよい。情報表示パネル22が有する各種の表示部は、同一部材(上記実施形態でいえば、情報表示パネル22)に設ける必要はなく、例えば、一部又は全部の表示部を他の表示部とは別の部材に設けてもよい。
【0221】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(A-1)少なくとも通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数する通常賞計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数する通常消費計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数に対する少なくとも前記通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、前記ベース値を表示可能な性能表示手段と、を備え、前記性能表示手段は、複数の発光体によって構成されており、電力供給が開始された場合、前記性能表示手段を構成する全ての発光体が点灯する場合があることを特徴とする遊技機。
【0222】
(A-2)前記性能表示手段の表示内容のうち前記ベース値を表示する表示内容は、複数種類あり、前記ベース値を表示する表示内容は、所定時間が経過することに伴って切り替わる場合があり、前記性能表示手段を構成する発光体の発光パターンが特定の発光パターンであるとき、前記性能表示手段を構成する全ての発光体が点灯する場合があり、電力供給が開始されたことに伴って前記性能表示手段を構成する発光体の発光パターンが前記特定の発光パターンとなる時間は、前記所定時間以上である技術的思想(A-1)に記載の遊技機。
【0223】
(A-3)前記性能表示手段の表示内容が前記ベース値を表示する表示内容であるときには、前記性能表示手段を構成する発光体のうち少なくとも一部の発光体が消灯する技術的思想(A-1)又は技術的思想(A-2)に記載の遊技機。
【0224】
(B-1)少なくとも通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数する通常賞計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数する通常消費計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数に対する少なくとも前記通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、前記ベース値を表示可能な性能表示手段と、を備え、電力供給が開始された場合、前記性能表示手段の表示内容は、特定の表示内容となった後、前記ベース値を表示する表示内容に復帰可能であり、前記特定の表示内容は、前記ベース値を表示する表示内容とは異なる表示内容であることを特徴とする遊技機。
【0225】
(B-2)前記性能表示手段の表示内容のうち前記ベース値を表示する表示内容は、複数種類あり、前記ベース値を表示する表示内容は、所定時間が経過することに伴って切り替わる場合があり、電力供給が開始されて前記性能表示手段の表示内容が前記特定の表示内容となってから前記ベース値を表示する表示内容へと切り替わるまでの時間は、前記所定時間以上である技術的思想(B-1)に記載の遊技機。
【0226】
(B-3)前記性能表示手段の表示内容のうち前記ベース値を表示する表示内容は、複数種類あり、前記性能表示手段の表示内容が前記ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、前記性能表示手段の表示内容は、前記ベース値を表示する表示内容のうち電力供給が遮断されたときにおける前記ベース値を表示する表示内容とは異なる前記ベース値を表示する表示内容に復帰可能である技術的思想(B-1)又は技術的思想(B-2)に記載の遊技機。
【0227】
(C-1)少なくとも通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数する通常賞計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数する通常消費計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数に対する少なくとも前記通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、前記ベース値を表示可能な性能表示手段と、を備え、前記性能表示手段が表示可能な前記ベース値は、複数種類あり、前記性能表示手段が前記ベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、前記性能表示手段の表示内容は、前記ベース値を表示する表示内容のうち電力供給が遮断されたときに表示していた前記ベース値とは異なる前記ベース値を表示する表示内容に復帰可能であることを特徴とする遊技機。
【0228】
(C-2)前記性能表示手段が前記ベース値を表示しているときに電力供給が遮断された場合、その後、電力供給が開始されると、前記性能表示手段の表示内容は、前記ベース値を表示する表示内容とは異なる表示内容となった後、前記ベース値を表示する表示内容に復帰可能である技術的思想(C-1)に記載の遊技機。
【0229】
(C-3)情報を記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている情報のうち少なくとも一部の情報を初期化する初期化処理を実行可能な初期化手段と、を備え、電力供給が開始されたことに伴って前記初期化処理が実行された場合には、電力供給が開始されたことに伴って前記初期化処理が実行されなかった場合に比して、電力供給が開始されてから前記性能表示手段の表示内容が前記ベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間が長い技術的思想(C-1)又は技術的思想(C-2)に記載の遊技機。
【0230】
(D-1)少なくとも通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数する通常賞計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数する通常消費計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数に対する少なくとも前記通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、前記ベース値を表示可能な性能表示手段と、を備え、前記性能表示手段が表示可能な前記ベース値には、第1ベース値と、第2ベース値と、第3ベース値と、が少なくとも含まれ、前記性能表示手段の表示内容は、前記第1ベース値を表示する表示内容から前記第2ベース値を表示する表示内容へと切り替わり、その後、前記第2ベース値を表示する表示内容から前記第3ベース値を表示する表示内容へと切り替わるように構成されており、前記性能表示手段の表示内容が前記第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合、その後、電力供給が開始されて前記性能表示手段の表示内容が前記ベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、前記第2ベース値を表示する表示内容以降の表示内容から復帰可能であることを特徴とする遊技機。
【0231】
(D-2)電力供給が開始されてから前記性能表示手段の表示内容が前記ベース値を表示する表示内容へ復帰するまでの時間は、電力供給が遮断されたときにおける前記性能表示手段の表示内容が前記第1ベース値を表示する表示内容、前記第2ベース値を表示する表示内容及び前記第3ベース値を表示する表示内容のうち何れの表示内容であるかによって変わらない技術的思想(D-1)に記載の遊技機。
【0232】
(D-3)前記性能表示手段の表示内容が前記第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、当該電力供給が遮断されたタイミングが前記第1ベース値を表示する表示内容となってから所定の基準時間が経過するよりも前のタイミングであれば、その後、電力供給が開始されて前記性能表示手段の表示内容が前記ベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、前記第2ベース値を表示する表示内容から復帰可能であり、前記性能表示手段の表示内容が前記第1ベース値を表示する表示内容であるときに電力供給が遮断されたとする場合において、当該電力供給が遮断されたタイミングが前記第1ベース値を表示する表示内容となってから前記所定の基準時間が経過した後のタイミングであれば、その後、電力供給が開始されて前記性能表示手段の表示内容が前記ベース値を表示する表示内容へ復帰するときには、前記第3ベース値を表示する表示内容から復帰可能である技術的思想(D-1)又は技術的思想(D-2)に記載の遊技機。
【0233】
(E-1)少なくとも通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数を計数する通常賞計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数を計数する通常消費計数手段と、少なくとも前記通常遊技であるときに消費された遊技媒体の数に対する少なくとも前記通常遊技であるときに賞として付与された遊技媒体の数の割合を示すベース値を計数するベース値計数手段と、前記ベース値を表示可能な性能表示手段と、遊技を進行することが不能な進行不能状態に制御する不能制御手段と、特定エラーを検出可能な特定エラー検出手段と、を備え、前記不能制御手段は、特別条件が成立した場合、前記進行不能状態に制御可能であり、前記特別条件は、賞として付与された遊技媒体に基づく特別値が所定値に達した場合に成立するように構成されており、前記特別条件が成立して前記進行不能状態に制御される場合における前記性能表示手段の表示態様は、前記特定エラーが検出された場合における前記性能表示手段の表示態様と同じであることを特徴とする遊技機。
【0234】
(E-2)前記特定エラーとは異なる非特定エラーを検出可能な非特定エラー検出手段を備え、前記非特定エラーが検出された場合における前記性能表示手段の表示態様は、前記特定エラーが検出された場合における前記性能表示手段の表示態様と異なる技術的思想(E-1)に記載の遊技機。
【0235】
(E-3)前記性能表示手段は、複数の発光体によって構成されており、前記特別条件が成立して前記進行不能状態に制御される場合における前記性能表示手段の表示態様及び前記特定エラーが検出された場合における前記性能表示手段の表示態様は、少なくとも電力供給が遮断されるまで前記性能表示手段を構成する全ての発光体が消灯する表示態様である技術的思想(E-1)又は技術的思想(E-2)に記載の遊技機。
【0236】
(E-4)前記不能制御手段は、前記特別条件が成立した場合とは別に、前記特定エラーが検出された場合、前記進行不能状態に制御可能である技術的思想(E-1)~技術的思想(E-3)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0237】
10…パチンコ遊技機(遊技機) 17…装飾ランプ 18…スピーカ 22…情報表示パネル 25…演出表示装置 26…第1始動口 27…第2始動口 29…大入賞口 34…アウト口 40…主基板 41…主CPU 42…主ROM 43…主RWM 44…クリアスイッチ 50…副基板 51…副CPU 52…副ROM 53…副RWM 60…電源ユニット 61…電源スイッチ 62…バックアップ電源 105…表示器 D1…第1表示要素 D2…第2表示要素 D3…第3表示要素 D4…第4表示要素 ES1…扉開放センサ ES2…磁気センサ SE1…第1始動センサ SE2…第2始動センサ SE3…カウントセンサ SE4…ゲートセンサ SE5…アウトセンサ