IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社レヨーン工業の特許一覧

特開2023-117421除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法
<>
  • 特開-除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法 図1
  • 特開-除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法 図2
  • 特開-除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法 図3
  • 特開-除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法 図4
  • 特開-除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法 図5
  • 特開-除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法 図6
  • 特開-除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法 図7
  • 特開-除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117421
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/00 20060101AFI20230817BHJP
   A47L 25/00 20060101ALI20230817BHJP
   B65H 75/00 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
B65H5/00 B
A47L25/00 A
B65H75/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015968
(22)【出願日】2022-02-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】392009342
【氏名又は名称】株式会社レヨーン工業
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆明
(72)【発明者】
【氏名】峯 友和
【テーマコード(参考)】
3F058
3F101
【Fターム(参考)】
3F058AB01
3F058GA01
3F058KA01
3F101AB03
3F101AB13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新たに粘着テープをセッティングする際の作業性を向上させ、塵埃の発生を抑え、電気的な部品を削減可能な除塵装置の巻取カートリッジおよび除塵装置を提供する。
【解決手段】除塵装置の巻取カートリッジ100は、粘着テープロールから、最外周の粘着テープT1を剥がす剥がし用テープが巻回された剥がし用テープロールT2Rを保持する剥がしテープ保持筒210と、剥がされた粘着テープT1を巻き取る巻取筒200と、剥がし用テープを粘着テープロールに向けて押し当てる剥がし用ローラ222を備える貼付機構220と、剥がし用ローラ222が開口160から突出可能な状態で回転可能に保持し、除塵装置の巻取カートリッジ収納部に対して着脱可能に設けられるハウジング110を備え、ハウジング110は、巻取筒200で巻き取られた粘着テープT1を外部に露出させない状態で収納する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの除塵を行うための除塵装置に収納されると共に、ワークに接触して当該ワークの除塵を行う除塵ローラに接触して、当該除塵ローラから塵埃を転写する粘着テープを巻き取った状態で保持する除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記粘着テープが巻回されている粘着テープロールから、最外周の前記粘着テープを剥がすための剥がし用テープが巻回された剥がし用テープロールを保持する剥がしテープ保持筒と、
前記剥がし用テープによって剥がされた前記粘着テープを、前記剥がし用テープと共に巻き取る巻取筒と、
前記剥がし用テープロールから引き出された前記剥がし用テープを前記粘着テープロールに向けて押し当てるための剥がし用ローラを備える貼付機構と、
前記剥がしテープ保持筒および前記巻取筒を回転可能な状態で保持し、前記剥がし用ローラが開口から突出可能な状態で回転可能に保持すると共に、前記除塵装置の巻取カートリッジ収納部に対して着脱可能に設けられるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記巻取筒で巻き取られた前記粘着テープを外部に露出させない状態で収納する、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項2】
請求項1記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記ハウジングには、外壁パネルと、この外壁パネルに対して開閉可能な蓋部材が取り付けられていて、
前記蓋部材は、前記剥がしテープ保持筒および前記巻取筒の軸方向と平行な向きを開閉の支点として開閉可能に設けられている、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項3】
請求項2記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記蓋部材には、巻取押さえ機構が取り付けられていて、
前記巻取押さえ機構は、前記巻取筒に巻き取られた前記粘着テープの外周に接触する押さえローラと、前記押さえローラに対して前記巻取筒の内径側に向かう付勢力を与える付勢バネと、を有する、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記ハウジングは、その長手方向の両端側に側板部材をそれぞれ備えていて、
前記側板部材には、
前記剥がし用テープロールを支持する剥がしテープ保持筒を着脱自在に支持する剥がし軸支部と、
前記巻取筒を着脱自在に支持する巻取軸支部と、
が設けられていて、
前記剥がし軸支部は、半円状の内壁を備え当該内壁によって前記剥がしテープ保持筒を回転自在に支持する第1軸受部と、前記第1軸受部の内径よりも狭める方向に向かって突出して前記第1軸受部からの前記剥がしテープ保持筒の脱落を防止する第1抜止突起とを備え、
前記巻取軸支部は、半円状の内壁を備え当該内壁によって前記巻取筒を回転自在に支持する第2軸受部と、前記第2軸受部の内径よりも狭める方向に向かって突出して前記第2軸受部からの前記巻取筒の脱落を防止する第2抜止突起とを備える、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項5】
請求項4記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記側板部材には、前記第2軸受部と連通する挿通孔が設けられていて、
前記巻取軸の端部には継手蓋が設けられていて、
前記継手蓋には、外部の巻取モータの連結部材が挿入されると共に、凹状に設けられている複数の連結凹部と、
周方向において隣り合う前記連結凹部の間に設けられていると共に、前記連結部材が衝突した際に前記連結凹部に向けてガイドする斜面を有するガイド突起と、
が設けられている、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記貼付機構には、押圧機構が設けられていて、
前記押圧機構は、前記ハウジング内部に配置されているバネ部材を有すると共に、前記バネ部材の付勢力によって前記剥がし用ローラを前記開口から外部に突出させる向きに付勢する、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項7】
ワークの除塵を行うための除塵装置であって、
筐体と、
前記筐体に支持され、前記ワークの表面に付着している塵埃を吸着する除塵ローラを備える除塵ロールユニットと、
前記筐体に支持され、前記除塵ローラに付着した前記塵埃を転写する粘着テープロールを保持する粘着テープホルダと、
前記筐体のうち、前記粘着テープホルダに保持される前記粘着テープロールよりも前記除塵ローラから離間する側に配置される巻取カートリッジ収納部と、
前記巻取カートリッジ収納部に収納される請求項1から6のいずれか1項に記載の巻取カートリッジと、
を備えることを特徴とする除塵装置。
【請求項8】
ワークに接触して当該ワークの除塵を行う除塵ローラに接触して、当該除塵ローラから塵埃を粘着テープに転写させることで、前記ワークの除塵を行う除塵装置のセッティング方法であって、
前記粘着テープが巻回されている粘着テープロールから、最外周の前記粘着テープを剥がすための剥がし用テープが巻回された剥がし用テープロールを保持する剥がしテープ保持筒、および使用済みの前記粘着テープを巻き取る巻取筒を、前記除塵装置から取り出す取出工程と、
前記剥がしテープ保持筒に、前記剥がし用テープロールを保持させる保持工程と、
前記剥がし用テープロールから引き出された前記剥がし用テープの先端側を、前記巻取筒に貼り付ける貼付工程と、
前記貼り付け工程に前後して、前記粘着テープロールに向けて前記剥がし用テープを押し当てるための剥がし用ローラに前記剥がし用テープを掛け回す掛け回し工程と、
前記剥がしテープ保持筒および前記巻取筒を、前記除塵装置に取り付ける取付工程と、
を備えることを特徴とする除塵装置のセッティング方法。
【請求項9】
請求項8記載の除塵装置のセッティング方法であって、
前記剥がしテープ保持筒、前記巻取筒および前記剥がし用ローラは、これらを保持するハウジングと共に巻取カートリッジを構成し、
前記ハウジングは、前記剥がしテープ保持筒および前記巻取筒を、回転可能な状態で保持し、
前記ハウジングは開口を備え、当該開口から前記剥がし用ローラを突出可能な状態で回転可能に保持すると共に、
前記巻取カートリッジは、前記除塵装置の巻取カートリッジ収納部に対して着脱可能に設けられている、
ことを特徴とする除塵装置のセッティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに付着した塵埃を除去するための除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板や半導体基板等のような各種のワークに付着した塵埃を取り除くために、除塵装置が用いられている。この除塵装置は、ワークに接触する粘着ロールと、粘着ロールに接触する粘着テープロールとを具備している。粘着テープロールには、ロール状に巻回されている粘着テープが取り付けられていて、粘着ロールに付着している塵埃は、粘着テープに転写される。そして、試用された粘着テープが巻取筒に巻き取られることで、粘着テープの未使用面が露出し、その未使用面を粘着ロールに接触させるようにしている。
【0003】
ところで、粘着テープを作業者の人手で剥がす場合には、作業者由来の塵埃が入り込んで、ワークに付着してしまう虞がある。このため、たとえば特許文献1には、粘着テープを自動的に更新する技術内容について開示されている。
【0004】
上記の特許文献1に示す構成では、たとえば新たな粘着テープをセットする際に、粘着テープの巻き取り側に対して、作業者が所定の作業を行っている。具体的には、粘着テープ剥がし機構を、除塵装置の本体から引き出す。このとき、巻取筒に既に使用済みの粘着テープが巻き取られている場合には、巻き取られた粘着テープを巻取筒から取り外して廃棄する。
【0005】
その後に、引き出しフィルムの先端を、巻取筒のスリットに差し込み、挟持用カムを回転させて引き出しフィルムの先端を巻取筒に保持させる。その後に、作業者は、剥がし用テープの先端を、引き出しフィルムに貼り付ける。このとき、剥がし用テープは、押し当て用ローラに掛けられた状態とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-092650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に示す構成では、新たな粘着テープを巻取筒で巻取可能とするために、上記のような面倒なセッティング作業を行う必要がある。そのため、作業者が、セッティング作業に慣れていないと、その作業(段取り)に時間が掛かってしまう、という問題がある。また、作業者が作業誤りを起こす可能性がある。
【0008】
また、セッティング作業を行うためには、作業者は、除塵装置の近傍で作業を行う必要がある。そのため、使用済みの粘着テープを取り出す際に塵埃が発生したり、作業者に由来する塵埃が発生して、除塵装置が設置されているクリーンな環境に影響を及ぼす虞がある。また、巻取筒に使用済みの粘着テープを巻き取るためには、モータ、センサおよびローラ移動機構といった電気的に作動する部品を用いる必要があるが、その分だけ重量が重くなり、コストも大きくなる、という問題がある。
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、新たに粘着テープをセッティングする際の作業性を向上させると共に、塵埃の発生を抑え、さらには電気的な部品を削減可能な除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、ワークの除塵を行うための除塵装置に収納されると共に、巻き取られた粘着テープを保持する除塵装置の巻取カートリッジであって、粘着テープが巻回されている粘着テープロールから、最外周の粘着テープを剥がすための剥がし用テープが巻回された剥がし用テープロールを保持する剥がしテープ保持筒と、剥がし用テープによって剥がされた粘着テープを、剥がし用テープと共に巻き取る巻取筒と、剥がし用テープロールから引き出された剥がし用テープを粘着テープロールに向けて押し当てるための剥がし用ローラを備える貼付機構と、剥がしテープ保持筒および巻取筒を回転可能な状態で保持すると共に、剥がし用ローラが開口から突出可能な状態で回転可能に保持すると共に、除塵装置の巻取カートリッジ収納部に対して着脱可能に設けられるハウジングと、を備え、ハウジングは、巻取筒で巻き取られた粘着テープを外部に露出させない状態で収納する、ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジが提供される。
【0011】
また、上述の発明において、ハウジングには、外壁パネルと、この外壁パネルに対して開閉可能な蓋部材が取り付けられていて、蓋部材は、剥がしテープ保持筒および巻取筒の軸方向と平行な向きを開閉の支点として開閉可能に設けられている、ことが好ましい。
【0012】
また、上述の発明において、蓋部材には、巻取押さえ機構が取り付けられていて、巻取押さえ機構は、巻取筒に巻き取られた粘着テープの外周に接触する押さえローラと、押さえローラに対して巻取筒の内径側に向かう付勢力を与える付勢バネと、を有する、ことが好ましい。
【0013】
また、上述の発明において、ハウジングは、その長手方向の両端側に側板部材をそれぞれ備えていて、側板部材には、剥がし用テープロールを支持する剥がしテープ保持筒を着脱自在に支持する剥がし軸支部と、巻取筒を着脱自在に支持する巻取軸支部と、が設けられていて、剥がし軸支部は、半円状の内壁を備え当該内壁によって剥がしテープ保持筒を回転自在に支持する第1軸受部と、第1軸受部の内径よりも狭める方向に向かって突出して第1軸受部からの剥がしテープ保持筒の脱落を防止する第1抜止突起とを備え、巻取軸支部は、半円状の内壁を備え当該内壁によって巻取筒を回転自在に支持する第2軸受部と、第2軸受部の内径よりも狭める方向に向かって突出して第2軸受部からの巻取筒の脱落を防止する第2抜止突起とを備える、ことが好ましい。
【0014】
また、上述の発明において、側板部材には、第2軸受部と連通する挿通孔が設けられていて、巻取軸の端部には継手蓋が設けられていて、継手蓋には、外部の巻取モータの連結部材が挿入されると共に、凹状に設けられている複数の連結凹部と、周方向において隣り合う連結凹部の間に設けられていると共に、連結部材が衝突した際に連結凹部に向けてガイドする斜面を有するガイド突起と、が設けられている、ことが好ましい。
【0015】
また、上述の発明において、貼付機構には、押圧機構が設けられていて、押圧機構は、ハウジング内部に配置されているバネ部材を有すると共に、バネ部材の付勢力によって剥がし用ローラを開口から外部に突出させる向きに付勢する、ことが好ましい。
【0016】
また、本発明の第2の観点によると、筐体と、筐体に支持され、ワークの表面に付着している塵埃を吸着する除塵ローラを備える除塵ロールユニットと、筐体に支持され、除塵ローラに付着した塵埃を転写する粘着テープロールを保持する粘着テープホルダと、筐体のうち、粘着テープホルダに保持される粘着テープロールよりも除塵ローラから離間する側に配置される巻取カートリッジ収納部と、巻取カートリッジ収納部に収納される上述の発明に係る巻取カートリッジと、を備えることを特徴とする除塵装置が提供される。
【0017】
また、本発明の第3の観点によると、ワークに接触して当該ワークの除塵を行う除塵ローラに接触して、当該除塵ローラから塵埃を粘着テープに転写させることで、ワークの除塵を行う除塵装置のセッティング方法であって、粘着テープが巻回されている粘着テープロールから、最外周の粘着テープを剥がすための剥がし用テープが巻回された剥がし用テープロールを保持する剥がしテープ保持筒、および使用済みの粘着テープを巻き取る巻取筒を、除塵装置から取り出す取出工程と、剥がしテープ保持筒に、剥がし用テープロールを保持させる保持工程と、剥がし用テープロールから引き出された剥がし用テープの先端側を、巻取筒に貼り付ける貼付工程と、貼り付け工程に前後して、粘着テープロールに向けて剥がし用テープを押し当てるための剥がし用ローラに剥がし用テープを掛け回す掛け回し工程と、剥がしテープ保持筒および巻取筒を、除塵装置に取り付ける取付工程と、を備えることを特徴とする除塵装置のセッティング方法が提供される。
【0018】
また、上述の発明において、剥がしテープ保持筒、巻取筒および剥がし用ローラは、これらを保持するハウジングと共に巻取カートリッジを構成し、ハウジングは、剥がしテープ保持筒および巻取筒を、回転可能な状態で保持し、ハウジングは開口を備え、当該開口から剥がし用ローラを突出可能な状態で回転可能に保持すると共に、巻取カートリッジは、除塵装置の巻取カートリッジ収納部に対して着脱可能に設けられている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、新たに粘着テープをセッティングする際の作業性を向上させると共に、塵埃の発生を抑え、さらには電気的な部品を削減可能な除塵装置の巻取カートリッジ、除塵装置および除塵装置へのセッティング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施の形態に係る除塵装置の一部の構成を透過的に示す側面図である。
図2図1に示す除塵装置の概略的な構成を示す図である。
図3図1に示す除塵装置に収納される巻取カートリッジの構成を示す斜視図であり、開口側から見た状態を示す図である。
図4図3に示す巻取カートリッジの構成を示す斜視図であり、上面部側から見た状態を示す図である。
図5図3に示す巻取カートリッジの構成を示す断面図である。
図6図3に示す巻取カートリッジが有する側板部材の構成を示すと共に、その側板部材に支持される巻取筒、剥がしテープ保持筒および剥がし用ローラの構成を示す斜視図である。
図7図3に示す巻取カートリッジが有する後蓋パネルおよび巻取押さえ機構を切断した状態を示す斜視図である。
図8図3に示す巻取カートリッジが有する巻取筒の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施の形態に係る除塵装置10および巻取カートリッジ100について、図面に基づいて説明する。
【0022】
<除塵装置10の全体的な構成について>
図1は、本発明の一実施の形態に係る除塵装置10の一部の構成を透過的に示す側面図である。図2は、除塵装置10の概略的な構成を示す図である。本実施の形態に係る除塵装置10は、ワークWの表面に付着した塵埃を除去するための装置である。なお、ワークWとしては、たとえば、電子部品が実装されるプリント基板、液晶パネル等の基板、あるいは基板の原材料となるシート状部材等が挙げられるが、これら以外の平面状の部材がワークWであっても良い。
【0023】
本実施の形態の除塵装置10は、ワークWを、たとえば図1の左方から右方に向かって搬送しながら、ワークWの表面に付着した塵埃を除去する。この除塵装置10は、筐体部20と、搬送機構30と、クリーンユニット40と、巻取カートリッジ収納部70と、巻取モータ80と、制御部90と、巻取カートリッジ収納部70に収納される巻取カートリッジ100と、を主要な構成要素としている。
【0024】
筐体部20は、金属製の支柱といった構造部材が組み合わされると共に、その支柱の間に必要に応じて外壁が取り付けられることで、構成されている。この筐体部20は、搬送機構30、クリーンユニット40や制御部90等の各種の構成を支持している。また、筐体部20は、巻取カートリッジ収納部70に収納された巻取カートリッジ100を支持可能としている。
【0025】
また、搬送機構30は、ワークWを搬送する駆動力を与える部分である。搬送機構30としては、図1に概略的に示されるモータ31と、そのモータ31からの駆動力を伝達させる不図示の伝達機構と、伝達機構からの駆動力の伝達によって外部から搬送されるワークWを搬送する搬送ローラ32と、を有している。
【0026】
なお、モータ31は、制御部90の指令により、回転駆動させられる部分である。なお、本実施の形態では、伝達機構として、マグネット式のカップリング部、マグネット式のギヤおよびギヤ輪列を有している。しかしながら、伝達機構は、これらには限られず、マグネット式のカップリング部やマグネット式のギヤに代えて、歯車式のギヤやベルトを用いるようにしても良い。
【0027】
また、図2および図7においては、搬送ローラ32は複数設けられているが、モータ31は、いずれの搬送ローラ32に駆動力を与えても良い。また、モータ31は、除塵ローラ51に駆動力を伝達しても良い。
【0028】
また、クリーンユニット40は、ワークWから塵埃を除去するための部分であり、除塵ロールユニット50と、テープユニット60とを主要な構成要素としている。除塵ロールユニット50は、複数の除塵ローラ51を有している。図2に示す構成では、除塵ローラ51は、ワークWを挟んで上下方向(Z方向)に対称な位置に配置されている。そのため、ワークWの上下両面を、上記の除塵ローラ51で除塵可能となっている。なお、図1および図2に示す構成では、除塵ローラ51は、ワークWの上面側と、ワークWの下面側のそれぞれに2つずつ配置されている。しかしながら、除塵ローラ51は、ワークWの上面側と、ワークWの下面側のそれぞれに1つずつ配置しても良く、3つ以上配置しても良い。
【0029】
図2に示すように、除塵ローラ51は、回転軸51aと、粘着ラバー層51bとを有している。粘着ラバー層51bは、回転軸51aの外側に、軸方向において所定の長さ範囲に亘るように設けられている。この粘着ラバー層51bは、塵埃を吸着可能な粘着ラバーを材質として形成されている。なお、粘着ラバー層51bは、その表面側に吸着層(図示省略)が設けられていて、その吸着層は、シリコンゴム等のような、塵埃の吸着性に優れた材質から構成されている。なお、吸着層の下層側には、たとえばニトリルゴムやカーボンゴム等のような導電層を設けるように構成しても良い。
【0030】
また、テープユニット60は、粘着テープホルダ61を備えている。粘着テープホルダ61は、粘着テープT1をロール状に巻回した粘着テープロールT1Rの両端側を回転自在に保持する部分である。この粘着テープホルダ61は、粘着テープ移動機構65に取り付けられている。粘着テープ移動機構65は、たとえばエアシリンダやモータ等の駆動手段の駆動により、除塵ローラ51に対して接離する方向に粘着テープロールT1Rを移動させることが可能となっている。なお、粘着テープ移動機構65は、粘着テープT1を介して除塵ローラ51をワークWに向けて移動させることも可能となっている。
【0031】
なお、粘着テープホルダ61は、粘着テープロールT1Rを保持するのみとしても良い(すなわち、粘着テープロールT1Rは、ワークWの送り込みによって従動的に回転させられるものとしても良い)。しかしながら、駆動モータ等の駆動源により、粘着テープロールT1Rを回転させる駆動力を与えられる構成とするのが好ましい。このように、駆動モータによって、粘着テープロールT1Rを回転させる場合には、不図示の検出センサでの最外周(最上位)の粘着テープT1の先端(段差部分)の検出を行い易くなる。なお、粘着テープロールT1Rを駆動させる駆動モータに代えて、直径が一定の状態を維持できる除塵ローラ51を駆動モータによって回転させる構成としても良い。
【0032】
ここで、粘着テープT1はシート状に設けられていると共に、その表面に粘着面を有している。粘着面は、上述した除塵ローラ51に吸着されている塵埃を保持可能となっている。このため、粘着テープT1の粘着面の塵埃に対する粘着力は、除塵ローラ51の塵埃に対する粘着力よりも大きくなっている。それにより、除塵ローラ51から粘着テープT1の粘着面へと、塵埃を良好に転写可能となっている。なお、シート状の粘着テープT1には、切れ目が存在していると共に、その粘着テープT1はロール状に巻回されて、粘着テープロールT1Rを構成している。このため、粘着テープロールT1Rから粘着テープT1を引き出した後に切れ目で切断することで、汚れた粘着テープT1を、汚れていない粘着テープT1へと容易に更新することができる。
【0033】
また、巻取カートリッジ収納部70は、筐体部20のうち、巻取カートリッジ100を収納する部分である。図1に示すように、巻取カートリッジ収納部70は、筐体部20において、ワークWを挟んで上下にそれぞれ設けられている。具体的には、ワークWよりも上側に位置する巻取カートリッジ収納部70は、筐体部20のうち、テープユニット60よりも、さらに上側に設けられている。また、ワークWよりも下側に位置する巻取カートリッジ収納部70は、筐体部20のうち、テープユニット60よりも、さらに下側に設けられている。
【0034】
また、巻取モータ80は、後述する巻取筒200に対して駆動力を与えるためのモータである。この巻取モータ80の回転軸には、不図示の連結部材が連結されていて、この連結部材が挿通孔121dに差し込まれて、継手蓋202の連結凹部202aに嵌まり込むことで、巻取モータ80の駆動力を巻取筒200に伝達可能としている。
【0035】
また、制御部90は、不図示の検出センサからの検出信号に基づいて、または所定の制御プログラムに基づいて、モータ31または巻取モータ80の駆動を制御することができる。また、制御部90は、所定の移動タイミングが到来した際に、粘着テープ移動機構65を作動させて、粘着テープT1をワークWに押し当てたり、粘着テープT1をワークWから退避させることを可能としている。
【0036】
<巻取カートリッジ100について>
図3は、巻取カートリッジ100の構成を示す斜視図であり、開口160側から見た状態を示す図である。図4は、巻取カートリッジ100の構成を示す斜視図であり、上面部130a側から見た状態を示す図である。図5は、巻取カートリッジ100の構成を示す断面図である。なお、図3および図4は、巻取カートリッジ収納部70から巻取カートリッジ100が取り出された状態の、巻取カートリッジ100を示している。
【0037】
図3から図5に示すように、巻取カートリッジ100は、ハウジング110と、巻取筒200と、剥がしテープ保持筒210と、貼付機構220と、巻取押さえ機構240とを主要な構成要素としている。
【0038】
ハウジング110は、巻取カートリッジ100の全体を支持すると共に、巻取筒200で巻き取った粘着テープT1を収納したり、剥がしテープ保持筒210に保持されている剥がし用テープT2を収納する部材である。このため、ハウジング110は、巻取筒200で巻き取った粘着テープT1を外部から隔離することで、その粘着テープT1から塵埃が何らかの拍子に脱落して外部環境に飛散するのを防止可能となっている。また、ハウジング110は、剥がし用テープT2に塵埃が付着するのを防止可能となっている。
【0039】
このハウジング110は、側板部材120と、外壁パネル130と、前蓋パネル140と、後蓋パネル150とを主要な構成要素としている。
【0040】
まず、巻取カートリッジ100を構成する側板部材120について説明する。図4に示すように、側板部材120は、巻取カートリッジ100の長手方向(Y方向)における両端側に配置されている部材である。かかる側板部材120の構成を図6に示す。
【0041】
図6は、側板部材120の構成を示すと共に、その側板部材120に支持される巻取筒200、剥がしテープ保持筒210および剥がし用ローラ222の構成を示す斜視図である。図6に示す側板部材120は、たとえばPOM(ポリアセタール樹脂)のような、耐衝撃性に優れ、摩擦係数が小さく自己潤滑性に優れている材質から形成されているが、このような特質を備えている材質であれば、側板部材120は、POM以外の材質(たとえばフッ素樹脂等)から形成されても良い。
【0042】
図6に示すように、側板部材120、巻取軸支部121と、剥がし軸支部122と、貼付軸支部123とを有している。巻取軸支部121は、巻取筒200の端部を支持するための部分であり、第2軸支部に対応する。この巻取軸支部121は、側板部材120における肉厚部分124(他の部分よりも肉厚に設けられている部分)を略U字形状に窪ませた溝状の部分である。したがって、巻取軸支部121の一端側は、開口された状態となっていて、この開口から巻取筒200の端部を挿入可能となっている。
【0043】
この巻取軸支部121には、略U字形状の溝の内壁から、その略U字形状の溝の内側に向かって突出する抜止突起121a(第2抜止突起に対応)が設けられていて、その抜止突起121aを境に、挿入ガイド部121bと、軸受部121cとに分けられている。抜止突起121aの突出の先端側から、その抜止突起121aが対向する内壁までの寸法は、巻取筒200の端部の直径よりも小さく設けられている。そのため、巻取筒200の端部を軸受部121cが軸支している場合には、抜止突起121aは、巻取筒200の端部が挿入ガイド部121bから抜けてしまうのを防止することが可能な高さに設定されている。
【0044】
また、抜止突起121aの突出高さは、挿入ガイド部121bの開口側から巻取筒200を挿入する際に、側板部材120が撓んで当該挿入の支障がない程度の高さに設けられている。
【0045】
また、挿入ガイド部121bは、抜止突起121aよりも巻取軸支部121の開口側に位置する部分であり、一対の内壁が対向することで巻取筒200の端部の挿入をガイドする部分である。また、軸受部121c(第2軸受部に対応)は、巻取筒200の端部を軸支する部分であり、略半円状の内壁で囲まれた部分である。なお、上記のように、側板部材120の材質は、POMのような摩擦係数の小さな材質から形成されているので、軸受部121cは、ベアリング等のような軸受を配置しなくても、巻取筒200の回転の支障となるような回転抵抗を生じさせない状態となっている。
【0046】
また、巻取軸支部121には、軸受部121cと連通する挿通孔121dが設けられている。挿通孔121dは、巻取軸支部121を貫く孔部分であり、軸受部121cと同心に設けられているが、軸受部121cよりも直径が若干小さく設けられている。このため、軸受部121cと挿通孔121dの間には段差が設けられていて、巻取筒200が挿通孔121dから抜けてしまうのが阻止されている。
【0047】
上記の挿通孔121dからは、巻取モータ80の連結部材が差し込み可能となっている。それにより、挿通孔121dに差し込まれる連結部材を介して、巻取モータ80の駆動力を、巻取筒200に伝達可能となっている。
【0048】
また、剥がし軸支部122は、剥がしテープ保持筒210の端部を支持するための部分である。この剥がし軸支部122も、側板部材120における肉厚部分124(他の部分よりも肉厚に設けられている部分)を略U字形状に窪ませた溝状の部分である。したがって、剥がし軸支部122の一端側も、開口された状態となっていて、この開口から剥がしテープ保持筒210の端部を挿入可能となっている。
【0049】
この剥がし軸支部122には、抜止突起122a(第1抜止突起に対応)が設けられていて、その抜止突起122aも、上記の抜止突起121aと同様に、略U字形状の溝の内壁から、その略U字形状の溝の内側に向かって突出している。そして、この抜止突起122aを境に、挿入ガイド部122bと、軸受部122cとに分けられている。なお、抜止突起122aの突出の先端側から、その抜止突起122aが対向する内壁までの寸法は、剥がしテープ保持筒210の端部の直径よりも小さく設けられている。そのため、剥がしテープ保持筒210の端部を軸受部122cが軸支している場合には、抜止突起122aは、剥がしテープ保持筒210の端部が挿入ガイド部122bから抜けてしまうのを防止することが可能な高さに設定されている。
【0050】
また、抜止突起122aの突出高さは、挿入ガイド部122bの開口側から剥がしテープ保持筒210を挿入する際に、側板部材120が撓んで当該挿入の支障がない程度の高さに設けられている。
【0051】
また、挿入ガイド部122bは、抜止突起122aよりも剥がし軸支部122の開口側に位置する部分であり、一対の内壁が対向することで剥がしテープ保持筒210の端部の挿入をガイドする部分である。また、軸受部122c(第1軸受部に対応)は、剥がしテープ保持筒210の端部を軸支する部分であり、略半円状の内壁で囲まれた部分である。この軸受部122cも、上記の軸受部121cと同様に、ベアリング等のような軸受を配置しなくても、剥がしテープ保持筒210の回転の支障となるような回転抵抗を生じさせない状態となっている。
【0052】
なお、剥がし軸支部122には、上記の挿通孔121dに対応する挿通孔は設けられていないが、挿通孔を設けるようにしても良い。
【0053】
また、側板部材120には、貼付軸支部123が設けられている。貼付軸支部123は、貼付機構220の剥がし用支持軸221を支持する部分であるが、この剥がし用支持軸221を回転自在とはせずに回転不能な状態で支持している。
【0054】
この貼付軸支部123は、側板部材120における肉厚部分124を略U字形状に窪ませた溝状の部分であり、その貼付軸支部123の一端側は開口されている。しかしながら、上記の巻取軸支部121および剥がし軸支部122とは異なり、抜止突起121a,122aに相当する突起状の部分は設けられていない。また、貼付軸支部123の溝幅は、上述した巻取軸支部121の溝幅および剥がし軸支部122の溝幅よりも小さく設けられているが、貼付軸支部123の溝幅は、巻取軸支部121の溝幅および剥がし軸支部122の溝幅と同程度としても良い。
【0055】
この貼付軸支部123には、貼付機構220の、後述する押圧機構230が配置されている。具体的には、貼付軸支部123には、摺動溝123aと、軸孔123bとが設けられている。摺動溝123aは、押圧機構230を構成するバネ部材232が配置されていて、その一端部を摺動溝123aの底部で受け止めることが可能となっている。また、軸孔123bには、バネ軸231が自由に摺動可能な状態で挿通され、摺動溝123aの内部にバネ軸231が突出しているが、バネ軸231の頭部231aは、摺動溝123aとは反対側の壁面に受け止められている。
【0056】
また、側板部材120には、取手125が設けられている。取手125は、作業者が手の指を差し込むことが可能な長孔状の部分であり、側板部材120を貫くように設けられている。
【0057】
また、図3から図5に示すように、ハウジング110を構成する外壁パネル130は、金属板が折り曲げられた部材であり、当該外壁パネル130の長手方向の両端側はそれぞれ側板部材120に固定されている。この外壁パネル130は、図4および図5における上面部130a、側面部130bおよびフランジ部130cを有するように折り曲げられている。上面部130aは、ハウジング110において後述する開口とは反対側に位置する壁面である。側面部130bは、上面部130aから略90度をなして折り曲げられている壁面である。
【0058】
また、フランジ部130cは、側面部130bから略90度をなして折り曲げられている部分であるが、その幅は、上記の上面部130aおよび側面部130bよりも小さく設けられている。なお、側面部130bとフランジ部130cとは、後述する前蓋パネル140に対して面一には設けられておらず、フランジ部130cが搬送方向の後側に向かって形成されていることで、側面部130bは、前蓋パネル140よりも後側に位置している。かかる側面部130bおよびフランジ部130cの存在により、作業者の手を取手125から容易に差し込むことが可能な凹形状がハウジング110に存在している。
【0059】
また、前蓋パネル140(蓋部材に対応)は、フランジ部130cに対して複数のヒンジH1を介して回動可能に取り付けられているパネル状の部材である。すなわち、前蓋パネル140は、ハウジング110の前側(X1側)に位置する開閉可能な蓋状の部材である。また、前蓋パネル140は、側板部材120に対して、ロック部材R1を介して閉じた状態をロック可能に取り付けられている。
【0060】
この前蓋パネル140は、図3から図5に示すような側面部140aと、ガイド斜面部140bとを有している。側面部140aは、上記の側面部130bに対して面一ではないが平行をなす壁面である。また、ガイド斜面部140bは、ワークWの搬送方向(X方向)において、前側(X1側)から後側(X2側)に向かうにつれて、徐々にワークWに近接するように傾斜している壁面であるが、後述する剥がし用ローラ222よりも下方側(Z2側)に突出しないように設けられている。
【0061】
図7は、後蓋パネル150および巻取押さえ機構240を切断した状態を示す斜視図である。図5に示すように、後蓋パネル150(蓋部材に対応)は、外壁パネル130の上面部130aの後側(X2側)に対して、複数のヒンジH2を介して回動可能に取り付けられているパネル状の部材である。すなわち、後蓋パネル150は、ハウジング110の後側(X2側)に位置する開閉可能な蓋状の部材である。また、後蓋パネル150は、側板部材120に対して、ロック部材R2を介して閉じた状態をロック可能に取り付けられている。
【0062】
この後蓋パネル150も、上記の前蓋パネル140と同様に、図3図5および図7に示す側面部150aを有していて、その側面部150aは、上面部130aに対して直交している。また、後蓋パネル150は、急斜面部150bを有している。急斜面部150bは、ガイド斜面部140bよりも水平方向に対してなす角度が大きく設けられている壁面である。かかる急斜面部150bの存在により、巻取カートリッジ100の搬送方向(X方向)における前後を区別可能としていると共に、巻取カートリッジ100の搬送方向(X方向)に沿う寸法(幅寸法)を小さくしている。
【0063】
この後蓋パネル150の側面部150aには、ロール支持部材241が取り付けられている。ロール支持部材241は、後述する巻取押さえ機構240を構成する部材であり、押さえローラ242を支持する部材である。また、前蓋パネル140と同様に、後蓋パネル150も、側板部材120に対して、ロック部材R2を介して閉じた状態をロック可能に取り付けられている。
【0064】
また、前蓋パネル140のガイド斜面部140bの端部と、後蓋パネル150の端部の間には、開口160が設けられている。開口160は、後述する剥がし用ローラ222およびこの剥がし用ローラ222に巻回されている剥がし用テープT2がハウジング110から突出する開口部分であると共に、粘着テープT1がハウジング110に収納されるための開口部分である。
【0065】
次に、巻取筒200について説明する。図8は、巻取筒200の構成を示す斜視図である。巻取筒200は、上記の粘着テープT1と後述する剥がし用テープT2を巻き取るための筒状の部材であり、上述した巻取軸支部121の軸受部121cに回転自在な状態で支持されている。この巻取筒200は、パイプ状部201を備えており、このパイプ状部201は、たとえば塩化ビニル樹脂等のような樹脂を材質としている。しかしながら、パイプ状部201は、たとえばアルミニウム系金属のような金属を材質としても良い。
【0066】
図8に示すように、パイプ状部201の両端側には、継手蓋202が取り付けられている。継手蓋202は、駆動モータからの駆動力を巻取筒200に伝達させるために取り付けられる蓋状の部材であり、パイプ状部201と一体的に回転するようにパイプ状部201に係止されている。
【0067】
継手蓋202には、連結凹部202aと、ガイド突起202bとが設けられている。連結凹部202aは、上述した巻取モータ80の連結部材が差し込まれる凹状または孔状の部分である。図8に示す構成では、連結凹部202aは2つ設けられているが、3つ以上設けるようにしても良い。
【0068】
また、ガイド突起202bは、隣り合う連結凹部202aの間に位置する突起状の部材であり、たとえば三角錐状のような斜面を有する形状に設けられている。したがって、巻取モータ80の連結部材が挿通孔121dを通過して連結凹部202aに向かって進行した際に、連結凹部202aから回転方向にずれた位置に進行してガイド突起202bに衝突すると、その連結部材か、または巻取筒200が連結部材の進行によって回転する。そのため、位置ずれを防止するためのセンサを設けなくても、連結部材を連結凹部202aに差し込むことが可能となっている。
【0069】
また、図5に示すように、剥がしテープ保持筒210は、剥がし用テープT2をロール状に巻回した剥がし用テープロールT2Rを保持する部分である。この剥がしテープ保持筒210の材質は、上記の巻取筒200のパイプ状部201と同様となっている。
【0070】
また、貼付機構220は、剥がしテープ保持筒210から送り出される剥がし用テープT2を、粘着テープロールT1Rに押し付けるための機構である。この貼付機構220は、剥がし用支持軸221と、剥がし用ローラ222と、押圧機構230とを備えている。剥がし用支持軸221は、巻取カートリッジ100の長手方向(Y方向)に沿って遠心する長尺状の部材であるが、この剥がし用支持軸221は回転不能に設けられている。また、剥がし用支持軸221の両端側には、後述するバネ軸231のネジ山を捻じ込むためのネジ孔221aが形成されている。
【0071】
また、剥がし用ローラ222は、剥がし用支持軸221に対して軸受B1を介して回転可能に設けられているローラである。また、剥がし用ローラ222は、剥がし用テープT2が巻回された状態で剥がし用テープT2を粘着テープロールT1Rに対して押し付けることで、粘着テープロールT1Rの最外周の粘着テープT1を粘着テープロールT1Rから剥がすためのローラである。この剥がし用ローラ222は、剥がし用テープT2の幅に対応した幅を有しているため、剥がし用支持軸221の長手方向に沿って複数(図3に示す構成では3つ)配置されている。また、剥がし用ローラ222は、押圧機構230での押圧によって、開口160から突出するように設けられている。
【0072】
また、押圧機構230は、一対の側板部材120のそれぞれに設けられている。この押圧機構230は、バネ軸231と、バネ部材232とを有している。バネ軸231は、上述した軸孔123bに差し込まれる軸状の部材であるが、図5および図6に示す構成では、バネ軸231の先端側には、ネジ山(符号省略)が形成されている。したがって、バネ軸231の先端側を、剥がし用支持軸221のネジ孔221aに捻じ込むことで、バネ軸231と剥がし用支持軸221とは、一体的に移動する構成となっている。
【0073】
上記のバネ軸231の外周側には、バネ部材232が設けられているが、このバネ部材232は、摺動溝123aの内部に配置されている。バネ部材232は、たとえばコイルバネであり、その一端側が摺動溝123aの底部に受け止められると共に、その他端側が剥がし用支持軸221に受け止められている。そして、バネ軸231の頭部231aが、摺動溝123aとは反対側の壁面に受け止められた状態で、バネ部材232は、摺動溝123aの底部と、剥がし用支持軸221の双方に付勢力を及ぼす。したがって、剥がし用ローラ222が粘着テープロールT1R側に強く押し付けられると、その押し付け力に応じてバネ部材232が収縮することで、剥がし用ローラ222がハウジング110の内部に向かって移動可能となっている。このため、剥がし用ローラ222は、剥がし用テープロールT2Rの外周面に対して付勢力を及ぼしながら、良好に追従可能となっている。
【0074】
次に、巻取押さえ機構240について説明する。図5および図7に示すように、後蓋パネル150には、巻取押さえ機構240が取り付けられている。この巻取押さえ機構240は、ロール支持部材241と、押さえローラ242と、付勢バネ243とを有している。ロール支持部材241は、側面部150aに対して、たとえばネジ等で固定されており、その材質を樹脂または金属としている。なお、樹脂を材質とする場合、側板部材120と同様に、たとえばPOM(ポリアセタール樹脂)のような、耐衝撃性に優れ、摩擦係数が小さく自己潤滑性に優れている樹脂としても良い。
【0075】
このロール支持部材241には、軸支スリット241aと、バネ取付軸241bと、バネ係止部241cが設けられている。軸支スリット241aは、押さえローラ242の軸部(符号省略)を挿入しつつ、その押さえローラ242の回転を許容する溝部分である。この軸支スリット241aは、たとえば円弧を描くように形成されているが、その円弧の中心は、側面部150aに近接する側に位置している。しかも、軸支スリット241aの端部の上側(Z1側)には、巻取筒200が近接して設けられている。このため、押さえローラ242が軸支スリット241aに沿って移動することで、その押さえローラ242は巻取筒200に対して近接または離間可能となっている。
【0076】
また、バネ取付軸241bは、後述する付勢バネ243の巻回部分をロール支持部材241に取り付けるための軸部分である。また、バネ係止部241cは、後述する付勢バネ243の他端側を係止する部分であり、その他端部が係止し易いように凸部状に設けられている。
【0077】
また、押さえローラ242は、その端部に軸部(符号省略)と、ローラ部242aとが設けられている。軸部は、ローラ部242aよりも小径に設けられていて、この軸部が上記の軸支スリット241aに挿入されている。また、ローラ部242aは、巻取筒200に剥がし用テープT2と共に粘着テープT1が巻き取られた際に、その粘着テープT1が外径側に膨らもうとするのを抑えるためのローラである。
【0078】
上記のような、粘着テープT1が外径側に膨らむのを抑えるための付勢力を押さえローラ242に与えるために、付勢バネ243が設けられている。付勢バネ243は、たとえばトーションバネであり、その一端部は軸部に係止されている。また、付勢バネ243の他端側は、上述したバネ係止部241cに係止されている。そして、付勢バネ243は、巻取筒200に向けて付勢している。したがって、後蓋パネル150を閉じると、押さえローラ242は巻取筒200に付勢された状態となる。
【0079】
以上のような構成の除塵装置10においては、巻取カートリッジ100が筐体部20の巻取カートリッジ収納部70から取り外し可能となっている。このため、取り外した巻取カートリッジ100のセッティング作業を容易に行うことが可能となっている。
【0080】
かかる巻取カートリッジ100のセッティング作業は、以下の通りである。まず、巻取カートリッジ100の前蓋パネル140および後蓋パネル150を開く。そして、既に、巻取筒200に粘着テープT1が巻き取られている場合には、巻取筒200を巻取軸支部121から取り外す。このとき、巻取筒200のパイプ状部201の端部が、抜止突起121aを乗り越えることで、巻取筒200を巻取軸支部121から容易に取り外すことが可能となっている。そして、巻取筒200には、たとえば剥がし用テープT2の端部側(図5図6参照)を貼り付ける。
【0081】
また、剥がしテープ保持筒210には、新たな剥がし用テープロールT2Rを保持させ、その剥がし用テープロールT2Rから引き出した剥がし用テープT2は、剥がし用ローラ222に掛け回し、その掛け回しの後に剥がし用テープT2を上述した巻取筒200に貼り付ける。そして、剥がし用テープT2が所定だけ巻取筒200に巻き付くように、巻取筒200を回転させる。
【0082】
以上のような状態とすることで、開口160から突出した剥がし用ローラ222に、剥がし用テープT2が掛け回された状態となる。そのため、不図示の検出センサで、粘着テープロールT1Rのテープエッジを検出し、その検出結果に基づいて粘着テープ移動機構65を制御部90が制御駆動させる。すると、上記のテープエッジ付近に剥がし用テープT2が貼り付けられるが、この剥がし用テープT2の粘着力は、粘着テープロールT1Rにおける粘着テープT1の粘着力よりも強くなるように設けられている。
【0083】
したがって、粘着テープロールT1Rのテープエッジ付近に、剥がし用テープT2が貼り付けられた状態で、制御部90が巻取モータ80を所定だけ駆動させると、粘着テープロールT1Rから最外周の粘着テープT1を剥がすことができる。また、粘着テープロールT1Rから剥がされた粘着テープT1は、巻取筒200に巻き取ることが可能となる。
【0084】
<除塵装置10のセッティング方法について>
上記の巻取カートリッジ100を用いた、構成の除塵装置10のセッティング方法においては、先ずは、除塵装置10から上記の巻取カートリッジ100を取り出す(取出工程に対応)。なお、除塵装置10から取り出した巻取カートリッジ100は、除塵装置10が設置されている空間(たとえばクリーンルーム)とは別の作業空間に運び、その作業空間内で、以下の各工程を実行する方が好ましい。
【0085】
上記の取出工程の後に、前蓋パネル140および後蓋パネル150を開いて、ハウジング110から剥がしテープ保持筒210を取り外す。そして、剥がしテープ保持筒210に対して、剥がし用テープロールT2Rを保持させる(保持工程)。そして、剥がし用テープロールT2Rを保持した状態の剥がしテープ保持筒210を、再びハウジング110に装着させるが、この装着は、下記の貼付工程と掛け回し工程の少なくとも1つが完了した後に行っても良い。
【0086】
なお、既に使用済み(巻取済み)の粘着テープT1および剥がし用テープT2が巻取筒200に巻き取られている場合には、保持工程に先立って、ハウジング110から巻取筒200を取り外し、その巻取筒200から粘着テープT1および剥がし用テープT2を取り外す。そして、粘着テープT1および剥がし用テープT2が取り外された状態の巻取筒200を、再びハウジング110に装着する。
【0087】
また、上記の保持工程の後に、剥がし用テープロールT2Rから引き出された剥がし用テープT2の先端側を、巻取筒200に貼り付ける(貼付工程)。
【0088】
また、上記の貼付工程に前後して、粘着テープロールT1Rに向けて剥がし用テープT2を押し当てるための剥がし用ローラ222に、剥がし用テープT2を掛け回す(掛け回し工程)。
【0089】
その後に、巻取カートリッジ100を、除塵装置10の巻取カートリッジ収納部70に、巻取カートリッジ100を取り付ける(取付工程)。以上のようにして、除塵装置10のセッティング方法が完了する。
【0090】
<効果について>
以上のような構成の、ワークWの除塵を行うための除塵装置10に収納されると共に、巻き取られた粘着テープT1を保持する除塵装置10の巻取カートリッジ100においては、粘着テープT1が巻回されている粘着テープロールT1Rから、最外周の粘着テープT1を剥がすための剥がし用テープT2が巻回された剥がし用テープロールT2Rを保持する剥がしテープ保持筒210と、剥がし用テープT2によって剥がされた粘着テープT1を、剥がし用テープT2と共に巻き取る巻取筒200と、剥がし用テープロールT2Rから引き出された剥がし用テープT2を粘着テープロールT1Rに向けて押し当てるための剥がし用ローラ222を備える貼付機構220と、剥がしテープ保持筒210および巻取筒200を回転可能な状態で保持すると共に、剥がし用ローラ222が開口160から突出可能な状態で回転可能に保持すると共に、除塵装置10の巻取カートリッジ収納部70に対して着脱可能に設けられるハウジング110と、を備え、ハウジング110は、巻取筒200で巻き取られた粘着テープT1を外部に露出させない状態で収納する。
【0091】
このように構成する場合には、剥がし用テープロールT2Rが巻取カートリッジ100に収納されていて、その剥がし用テープロールT2Rから引き出された剥がし用テープT2を剥がし用ローラ222に掛け回すことで、粘着テープロールT1Rから最外周の粘着テープT1を剥がすことが可能な状態に、セッティングがなされる。しかも、ハウジング110は、除塵装置10の巻取カートリッジ収納部70に対して着脱可能に設けられているので、巻取カートリッジ100は、除塵装置10から取り外して、除塵装置10が設置されている環境とは別の外部環境にて、セッティング作業を行うことが可能となっている。このため、作業者が、セッティング作業を行う際に、除塵装置10の他の部位が支障となるのを低減させることができ、セッティングにおける作業性を向上させることが可能となる。また、作業性が向上することで、作業者が作業誤りを起こすのを低減させることができる。
【0092】
また、巻取カートリッジ100は、除塵装置10から取り外して、除塵装置10が設置されている環境とは別の外部環境にて、セッティング作業を行うことで、作業者に由来する塵埃が、除塵装置10が設置されているクリーンな環境に影響を及ぼすのを防止することができる。
【0093】
また、粘着テープロールT1Rから剥がされた、使用済みの粘着テープT1が巻き取られたた巻取筒200を、巻取カートリッジ100(ハウジング110)の内部に収納しているので、塵埃の付着している使用済みの粘着テープT1を外部に露出させない状態とすることが可能となる。それにより、既に粘着テープT1に粘着されている塵埃が、何らかの拍子に、外部に飛散してしまうのを抑制可能となる。
【0094】
また、本実施の形態では、ハウジング110には、外壁パネル130と、この外壁パネル130に対して開閉可能な前蓋パネル140および後蓋パネル150(蓋部材)が取り付けられている。そして、前蓋パネル140および後蓋パネル150(蓋部材)は、剥がしテープ保持筒210および巻取筒200の軸方向と平行な向きを開閉の支点として開閉可能に設けられている。
【0095】
このように構成する場合、開閉可能な前蓋パネル140および後蓋パネル150(蓋部材)がハウジング110に設けられていて、この前蓋パネル140および後蓋パネル150(蓋部材)を開くことにより、作業者が新たに剥がし用テープロールT2Rをセッティングしたり、既に巻取筒200に巻き取られた粘着テープT1を巻取筒200から取り外す際の作業性を向上させることが可能となる。
【0096】
また、本実施の形態では、後蓋パネル150(蓋部材)には、巻取押さえ機構240が取り付けられていて、巻取押さえ機構240は、巻取筒200に巻き取られた粘着テープT1の外周に接触する押さえローラ242と、押さえローラ242に対して巻取筒200の内径側に向かう付勢力を与える付勢バネ243と、を有している。
【0097】
このように構成する場合、巻取筒200に巻き取られる粘着テープT1が膨らんでしまうのを防止することができる。すなわち、粘着テープT1を巻取筒200で巻き取る場合、粘着テープT1の外部から何らかの力を加えないと、粘着テープT1の巻取状態が乱れてしまい、巻き取った粘着テープT1の直径が大きくなってしまう虞がある。しかしながら、上記のような巻取押さえ機構240を設け、付勢バネ243から付勢力が与えられる押さえローラ242で、粘着テープT1を押さえながら粘着テープT1を巻取筒200に巻き取らせることで、粘着テープT1の良好な巻取状態を実現することができる。
【0098】
また、本実施の形態では、ハウジング110は、その長手方向の両端側に側板部材120をそれぞれ備えていて、側板部材120には、剥がし用ローラ222を支持する剥がし用支持軸221を着脱自在に支持する剥がし軸支部122と、巻取筒200を着脱自在に支持する巻取軸支部121と、が設けられている。そして、剥がし軸支部122は、半円状の内壁を備え当該内壁によって剥がし用テープロールT2Rを回転自在に支持する軸受部122c(第1軸受部)と、軸受部122c(第1軸受部)の内径よりも狭める方向に向かって突出して軸受部122c(第1軸受部)からの剥がしテープ保持筒210の脱落を防止する抜止突起122a(第1抜止突起)とを備えている。また、巻取軸支部121は、半円状の内壁を備え当該内壁によって巻取筒を回転自在に支持する軸受部121c(第2軸受部)と、軸受部121c(第2軸受部)の内径よりも狭める方向に向かって突出して軸受部121c(第2軸受部)からの巻取筒200の脱落を防止する抜止突起121a(第2抜止突起)とを備えている。
【0099】
このように構成する場合には、剥がし軸支部122は、軸受部122c(第1軸受部)を備えていることにより、剥がしテープ保持筒210を軸受部122c(第1軸受部)で回転自在に支持することが可能となる。加えて、剥がし軸支部122は、抜止突起122a(第1抜止突起)を備えていることにより、剥がしテープ保持筒210が軸受部122c(第1軸受部)から容易に抜けてしまうのを防止することができる。また、側板部材120を撓ませることで、剥がしテープ保持筒210が抜止突起122a(第1抜止突起)を乗り越えて軸受部122c(第1軸受部)に向かうようにすることで、剥がしテープ保持筒210を軸受部122c(第1軸受部)に容易にセットすることができる。
【0100】
また、巻取軸支部121は、軸受部121c(第2軸受部)を備えていることにより、巻取筒200を軸受部121c(第2軸受部)で回転自在に支持することが可能となる。加えて、巻取軸支部121は、抜止突起121a(第2抜止突起)を備えていることにより、巻取筒200が軸受部121c(第2軸受部)から容易に抜けてしまうのを防止することができる。また、側板部材120を撓ませることで、巻取筒200が抜止突起121a(第2抜止突起)を乗り越えて軸受部121c(第2軸受部)に向かうようにすることで、巻取筒200を軸受部121c(第2軸受部)に容易にセットすることができる。
【0101】
また、本実施の形態では、側板部材120には、軸受部121c(第2軸受部)と連通する挿通孔121dが設けられていて、巻取筒200の端部には継手蓋202が設けられている。そして、継手蓋202には、外部の巻取モータ80の連結部材が挿入されると共に、凹状に設けられている複数の連結凹部202aと、周方向において隣り合う連結凹部202aの間に設けられていると共に、連結部材が衝突した際に連結凹部202aに向けてガイドする斜面を有するガイド突起202bと、が設けられている。
【0102】
このように構成する場合には、巻取カートリッジ100の内部には、巻取筒200を回転させるための、電気的な部品である、巻取モータ80を設けずに済む。このため、巻取カートリッジ100の重量を低減させることができ、その分だけコストを低減することが可能となる。
【0103】
また、連結部材が衝突した際に連結凹部202aに向けてガイドする斜面を有するガイド突起202bの存在により、巻取モータ80の連結部材が挿通孔121dを通過して連結凹部202aに向かって進行した際に、連結凹部202aから回転方向にずれた位置に進行してガイド突起202bに衝突すると、その連結部材か、または巻取筒200が連結部材の進行によって回転する状態となる。そのため、位置ずれを防止するためのセンサを設けなくても、連結部材を連結凹部202aに差し込むことが可能となる。
【0104】
また、本実施の形態では、貼付機構220には、押圧機構230が設けられていて、押圧機構230は、ハウジング110内部に配置されているバネ部材232を有すると共に、バネ部材232の付勢力によって剥がし用ローラ222を開口160から外部に突出させる向きに付勢している。
【0105】
このように、バネ部材232によって、剥がし用ローラ222を開口160から外部に突出させる向きに付勢しているので、剥がし用ローラ222を粘着テープロールT1Rの最外周に向けて移動させるための電気的な部品である、シリンダ等の駆動手段を設けずに済む。このため、巻取カートリッジ100の重量を低減させることができ、その分だけコストを低減することが可能となる。
【0106】
また、本実施の形態の、除塵装置10のセッティング方法は、粘着テープT1が巻回されている粘着テープロールT1Rから、最外周の粘着テープT1を剥がすための剥がし用テープT2が巻回された剥がし用テープロールT2Rを保持する剥がしテープ保持筒210、および使用済みの粘着テープT1を巻き取る巻取筒200を、除塵装置10から取り出す取出工程と、剥がしテープ保持筒210に、剥がし用テープロールT2Rを保持させる保持工程と、剥がし用テープロールT2Rから引き出された剥がし用テープT2の先端側を、巻取筒200に貼り付ける貼付工程と、貼り付け工程に前後して、粘着テープロールT1Rに向けて剥がし用テープT2を押し当てるための剥がし用ローラ222に剥がし用テープT2を掛け回す掛け回し工程と、剥がしテープ保持筒210および巻取筒200を、除塵装置10に取り付ける取付工程と、を備えている。
【0107】
このように、剥がしテープ保持筒210および巻取筒200を、除塵装置10から取り出すため、除塵装置10が設置されている環境とは別の外部環境にて、セッティング作業を行うことが可能となる。すなわち、剥がしテープ保持筒210に、剥がし用テープロールT2Rを保持させる保持工程、および剥がし用テープロールT2Rから引き出された剥がし用テープT2の先端側を、巻取筒200に貼り付ける貼付工程を、除塵装置10が設置されている環境とは別の外部環境にて、実行することが可能となる。
【0108】
それにより、作業者が、セッティング作業を行う際に、除塵装置10の他の部位が支障となるのを低減させることができ、セッティングにおける作業性を向上させることが可能となる。また、作業性が向上することで、作業者が作業誤りを起こすのを低減させることができる。また、消耗品である、剥がし用テープT2(剥がし用テープロールT2R)の交換に要する作業時間を短縮することが可能となる。
【0109】
また、取出工程において、巻取筒200および剥がしテープ保持筒210を除塵装置10から取り外して、除塵装置10が設置されている環境とは別の外部環境にて、セッティング作業を行うことで、作業者に由来する塵埃が、除塵装置10が設置されているクリーンな環境に影響を及ぼすのを防止することができる。
【0110】
また、本実施の形態では、剥がしテープ保持筒210、巻取筒200および剥がし用ローラ222は、これらを保持するハウジング110と共に巻取カートリッジ100を構成する。そして、ハウジング110は、剥がしテープ保持筒210および巻取筒を、回転可能な状態で保持する。また、ハウジング110は開口160を備え、当該開口160から剥がし用ローラ222を突出可能な状態で回転可能に保持すると共に、巻取カートリッジ100は、除塵装置10の巻取カートリッジ収納部70に対して着脱可能に設けられている。
【0111】
このように、剥がしテープ保持筒210、巻取筒200および剥がし用ローラ222は、これらを保持するハウジング110と共に巻取カートリッジ100を構成している。このため、剥がし用テープT2等のセッティングに関する各部材が、巻取カートリッジ100として一体化されているので、セッティングに関する各部材は、巻取カートリッジ収納部70から巻取カートリッジ100を取り出すだけで済む。また、セッティングの完了後の各部材を取り付ける場合も、巻取カートリッジ収納部70へ巻取カートリッジ100を取り付けるだけで済む。このため、セッティング作業を、一層簡単に行うことが可能となる。
【0112】
また、ハウジング110が剥がしテープ保持筒210を保持しているので、粘着テープロールT1Rから剥がされた、使用済みの粘着テープT1が巻き取られたた巻取筒200を、巻取カートリッジ100(ハウジング110)に保持させることが可能となる。このため、塵埃の付着している使用済みの粘着テープT1を廃棄する際の取り扱いが容易となる。
【0113】
<変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0114】
上述の実施の形態においては、巻取カートリッジ100を除塵装置10から取り外して、クリーンな環境において、セッティング作業を行うようにしている。しかしながら、巻取カートリッジ100に収納されている、巻取筒200と剥がしテープ保持筒210とを取り出し、巻取筒200に巻き取られている粘着テープT1を取り外した後に、剥がしテープ保持筒210に剥がし用テープロールT2Rを保持させても良い。
【0115】
この場合も、上述したような取出工程、保持工程、貼付工程、掛け回し工程および取付工程を実行することになる。また、除塵装置10が設置されている環境とは別の外部環境にて、保持工程および貼付工程を実行することができる。なお、この場合においては、取出工程で剥がしテープ保持筒210および巻取筒200を、取出工程において取り出した後には、剥がしテープ保持筒210に剥がし用テープロールT2Rを保持させ(保持工程)、その剥がし用テープロールT2Rから剥がし用テープT2を引き出し、その剥がし用テープT2の先端を巻取筒200に貼り付ける(貼付工程)。この状態で、巻取筒200と剥がしテープ保持筒210とを巻取カートリッジ100の内部にセットし(取付工程)、剥がし用テープT2を剥がし用ローラ222に掛け回す(掛け回し工程)。
【0116】
このため、セッティングにおける作業性を向上させることが可能となる。また、作業性が向上することで、作業者が作業誤りを起こすのを低減させることができる。また、消耗品である、剥がし用テープT2(剥がし用テープロールT2R)の交換に要する作業時間を短縮することが可能となる。
【0117】
また、上述の実施の形態では、蓋部材には、前蓋パネル140と後蓋パネル150が対応しているが、ハウジング110は、1つの蓋部材のみを設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0118】
10…除塵装置、20…筐体部、30…搬送機構、31…モータ、32…搬送ローラ、40…クリーンユニット、50…除塵ロールユニット、51…除塵ローラ、51a…回転軸、51b…粘着ラバー層、60…テープユニット、61…粘着テープホルダ、65…粘着テープ移動機構、70…巻取カートリッジ収納部、80…巻取モータ、90…制御部、100…巻取カートリッジ、110…ハウジング、120…側板部材、121…巻取軸支部、121a…抜止突起(第2抜止突起に対応)、121b…挿入ガイド部、121c…軸受部(第2軸受部に対応)、121d…挿通孔、122…軸支部、122a…抜止突起(第1抜止突起に対応)、122b…挿入ガイド部、122c…軸受部(第1軸受部に対応)、123…貼付軸支部、123a…摺動溝、123b…軸孔、124…肉厚部分、125…取手、130…外壁パネル、130a…上面部、130b…側面部、130c…フランジ部、140…前蓋パネル(蓋部材に対応)、140a…側面部、140b…ガイド斜面部、150…後蓋パネル(蓋部材に対応)、150a…側面部、150b…急斜面部、160…開口、200…巻取筒、201…パイプ状部、202…継手蓋、202a…連結凹部、202b…ガイド突起、210…テープ保持筒、220…貼付機構、221…用支持軸、221a…ネジ孔、221b…貼付ロール軸、222…剥がし用ローラ、230…押圧機構、231…バネ軸、231a…頭部、232…バネ部材、240…巻取押さえ機構、241…ロール支持部材、241a…軸支スリット、241b…バネ取付軸、241c…バネ係止部、242…押さえローラ、242a…ローラ部、243…付勢バネ、B1…軸受、H1,H2…ヒンジ、R1,R2…ロック部材、T1…粘着テープ、T1R…粘着テープロール、T2…用テープ、T2R…用テープロール、W…ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの除塵を行うための除塵装置に収納されると共に、ワークに接触して当該ワークの除塵を行う除塵ローラに接触して、当該除塵ローラから塵埃を転写する粘着テープを巻き取った状態で保持する除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記粘着テープが巻回されている粘着テープロールから、最外周の前記粘着テープを剥がすための剥がし用テープが巻回された剥がし用テープロールを保持する剥がしテープ保持筒と、
前記剥がし用テープによって剥がされた前記粘着テープを、前記剥がし用テープと共に巻き取る巻取筒と、
前記剥がし用テープロールから引き出された前記剥がし用テープを前記粘着テープロールに向けて押し当てるための剥がし用ローラを備える貼付機構と、
前記剥がしテープ保持筒および前記巻取筒を回転可能な状態で保持し、前記剥がし用ローラが開口から突出可能な状態で回転可能に保持すると共に、前記除塵装置の巻取カートリッジ収納部に対して着脱可能に設けられるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記巻取筒で巻き取られた前記粘着テープを外部に露出させない状態で収納する、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項2】
請求項1記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記ハウジングには、外壁パネルと、この外壁パネルに対して開閉可能な蓋部材が取り付けられていて、
前記蓋部材は、前記剥がしテープ保持筒および前記巻取筒の軸方向と平行な向きを開閉の支点として開閉可能に設けられている、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項3】
請求項2記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記蓋部材には、巻取押さえ機構が取り付けられていて、
前記巻取押さえ機構は、前記巻取筒に巻き取られた前記粘着テープの外周に接触する押さえローラと、前記押さえローラに対して前記巻取筒の内径側に向かう付勢力を与える付勢バネと、を有する、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記ハウジングは、その長手方向の両端側に側板部材をそれぞれ備えていて、
前記側板部材には、
前記剥がし用テープロールを支持する剥がしテープ保持筒を着脱自在に支持する剥がし軸支部と、
前記巻取筒を着脱自在に支持する巻取軸支部と、
が設けられていて、
前記剥がし軸支部は、半円状の内壁を備え当該内壁によって前記剥がしテープ保持筒を回転自在に支持する第1軸受部と、前記第1軸受部の内径よりも狭める方向に向かって突出して前記第1軸受部からの前記剥がしテープ保持筒の脱落を防止する第1抜止突起とを備え、
前記巻取軸支部は、半円状の内壁を備え当該内壁によって前記巻取筒を回転自在に支持する第2軸受部と、前記第2軸受部の内径よりも狭める方向に向かって突出して前記第2軸受部からの前記巻取筒の脱落を防止する第2抜止突起とを備える、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項5】
請求項4記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記側板部材には、前記第2軸受部と連通する挿通孔が設けられていて、
前記巻取軸の端部には継手蓋が設けられていて、
前記継手蓋には、外部の巻取モータの連結部材が挿入されると共に、凹状に設けられている複数の連結凹部と、
周方向において隣り合う前記連結凹部の間に設けられていると共に、前記連結部材が衝突した際に前記連結凹部に向けてガイドする斜面を有するガイド突起と、
が設けられている、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の除塵装置の巻取カートリッジであって、
前記貼付機構には、押圧機構が設けられていて、
前記押圧機構は、前記ハウジング内部に配置されているバネ部材を有すると共に、前記バネ部材の付勢力によって前記剥がし用ローラを前記開口から外部に突出させる向きに付勢する、
ことを特徴とする除塵装置の巻取カートリッジ。
【請求項7】
ワークの除塵を行うための除塵装置であって、
筐体と、
前記筐体に支持され、前記ワークの表面に付着している塵埃を吸着する除塵ローラを備える除塵ロールユニットと、
前記筐体に支持され、前記除塵ローラに付着した前記塵埃を転写する粘着テープロールを保持する粘着テープホルダと、
前記筐体のうち、前記粘着テープホルダに保持される前記粘着テープロールよりも前記除塵ローラから離間する側に配置される巻取カートリッジ収納部と、
前記巻取カートリッジ収納部に収納される請求項1から6のいずれか1項に記載の巻取カートリッジと、
を備えることを特徴とする除塵装置。
【請求項8】
ワークに接触して当該ワークの除塵を行う除塵ローラに接触して、当該除塵ローラから塵埃を粘着テープに転写させることで、前記ワークの除塵を行う除塵装置のセッティング方法であって、
前記粘着テープが巻回されている粘着テープロールから、最外周の前記粘着テープを剥がすための剥がし用テープが巻回された剥がし用テープロールを保持し、かつハウジングと共に巻取カートリッジを構成する剥がしテープ保持筒、および使用済みの前記粘着テープを巻き取り、かつ前記巻取カートリッジを構成する巻取筒を、前記巻取カートリッジごと前記除塵装置から取り出す取出工程と、
前記剥がしテープ保持筒に、前記剥がし用テープロールを保持させる保持工程と、
前記剥がし用テープロールから引き出された前記剥がし用テープの先端側を、前記巻取筒に貼り付ける貼付工程と、
前記貼付工程に前後して、前記巻取カートリッジを構成すると共に前記粘着テープロールに向けて前記剥がし用テープを押し当てるための剥がし用ローラに前記剥がし用テープを掛け回す掛け回し工程と、
前記剥がしテープ保持筒、前記巻取筒および前記剥がし用ローラを、前記巻取カートリッジごと前記除塵装置に取り付ける取付工程と、
を備えることを特徴とする除塵装置のセッティング方法。
【請求項9】
請求項8記載の除塵装置のセッティング方法であって
記ハウジングは、前記剥がしテープ保持筒および前記巻取筒を、回転可能な状態で保持し、
前記ハウジングは開口を備え、当該開口から前記剥がし用ローラを突出可能な状態で回転可能に保持すると共に、
前記巻取カートリッジは、前記除塵装置の巻取カートリッジ収納部に対して着脱可能に設けられている、
ことを特徴とする除塵装置のセッティング方法。