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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117426
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】櫛
(51)【国際特許分類】
   A45D 24/00 20060101AFI20230817BHJP
【FI】
A45D24/00 K
A45D24/00 L
A45D24/00 M
A45D24/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020002
(22)【出願日】2022-02-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】510115018
【氏名又は名称】鈴木 由絵子
(74)【代理人】
【識別番号】100186864
【弁理士】
【氏名又は名称】尾関 眞里子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 由絵子
(57)【要約】
【課題】日々のセルフケアとして自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを容易に整えることのできる櫛を提供する。
【解決手段】胴部10とコーム部20からなり、胴部10はコーム部20を対歯略垂直胴部11と対歯略水平胴部12でL字状に囲うように設け、コーム部20は複数のコーム歯21が対歯略垂直胴部11から伸びるように略垂直にかつ対歯略水平胴部12に略平行に設け、対歯略水平胴部12に略水平にコーム歯平面25が並び、対歯略垂直胴部11の胴背部15の厚みは対歯略水平胴部12に接している部分から胴端部16に向かって薄くなるよう形成したことを特徴とする櫛1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部とコーム部からなり、胴部はコーム部を対歯略垂直胴部と対歯略水平胴部でL字状に囲うように設け、コーム部は複数のコーム歯が対歯略垂直胴部から伸びるように略垂直にかつ対歯略水平胴部に略平行に設け、対歯略水平胴部に略水平にコーム歯平面が並び、対歯略垂直胴部の胴背部の厚みは対歯略水平胴部に接している部分から胴端部に向かって薄くなるよう形成したことを特徴とする櫛。
【請求項2】
コーム歯は対歯略垂直胴部に接しているコーム歯元と先端のコーム歯先と両者の中間部のコーム歯中からなり、コーム歯先はコーム歯の対歯略垂直胴部に対して反対端部に設け、コーム歯先は端部をとがらせた請求項1記載の櫛。
【請求項3】
対歯略垂直胴部には、櫛の正面から背面に向かって胴部を貫通する孔を設けた請求項1または請求項2に記載の櫛。
【請求項4】
対歯略垂直胴部には、胴部貫通孔の際から対歯略垂直胴部の端まで対歯略垂直胴部に対し略垂直に線状突部を設けた請求項1乃至請求項3のずれかに記載の櫛。
【請求項5】
対歯略水平胴部と反対の端に設けた胴端部とコーム端部に接して設けたテンプレート部は、コーム歯に対し略垂直に歯を設け、歯の端部の形状が略水平に並んだテンプレート歯ストレート部とそれに連なり歯の端部がカーブを描くテンプレート歯カーブ部を有した請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の櫛。
【請求項6】
ガイドプレートは、略矩形の板形状であり、面の端に胴部貫通孔に嵌合するためのガイドプレート突起部を設けた請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の櫛。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、櫛に関するものである。
【背景技術】
【0002】
男女問わずヘアカット後、数日経つともみあげが上手く整えられなくなるという悩みがある。
【0003】
一例として、耳周りをスッキリとした印象にしたい人やもみあげにくせがある人に人気のヘアスタイルであるツーブロックでは、刈り上げた部分の髪の長さが伸びて気になるため、定期的なメンテナンスカットが必要となる。
【0004】
特に男性は、髭ともみあげとの繋がりにより、もみあげの美しいラインを整えるためには、髭をどこまで剃ったらよいのか、また左右の長さや形がアンバランスになっていないか、自分ではわかりにくいという悩みがある。
【0005】
これは、もみあげが、顔周りの髪の生え際であるフェイスラインに位置し、鏡で確認しても形をつくるのが困難な場所であることにも起因する。
【0006】
また、一般的に、もみあげは、約2週間で約5mm伸び、ヘアカット直後は綺麗に整えられたもみあげが伸びて厚くなり、クセがでたり、毛先が散らばったり、立ち上がったりするという悩みもある。
【0007】
他方、頭髪は、一般的に、1か月で約1cm伸び、特にショートヘアでは、全体のバランスが重くなりその長さが気になるため、月1回のペースで美容院・理髪店等でのヘアカットに通う人が多い。
【0008】
このように、もみあげと頭髪のカットは手入れの時間的間隔が異なる。そのため、常に清潔感・好感度を保つためには、少なくとも約2週間毎にもみあげを整えてもらう必要がある。
【0009】
しかし、時間的、金銭的、感染症等、様々な理由で、美容院・理髪店等でのこまめな手入れができない人もいる。
【0010】
そのため、日々のセルフケアとして、自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを容易に整えられることが望まれている。さらに、広く体毛のセルフケアも求められている。
【0011】
ここで、下記特許文献1および特許文献2は、毛髪をセットするときに使用したり、毛髪を鋏や剃刀でカットするときに使用する櫛に関する発明を開示する。
【0012】
具体的に特許文献1は、図9に示すように、一定間隔をおいて上下または上下の何れかに複数の尖端部101aを形成した長溝101を、櫛本体102の背部102aの表裏に略横一直線状に設け、さらに前記長溝101内に適宜間隔をおいて複数個の貫通孔103を設け、これら貫通孔103を経て、前記長溝101に摩擦係数が大きい材料を充填することにより、滑り止め部104を設けたことを特徴とするカット用の櫛100である。
【0013】
このような構成によれば、濡れた手や整髪料が付着した手で把持しても滑り難く、また水や整髪料などで汚れても、その汚れを落とすのが簡単であり、しかも目盛りも併せて設けたので、毛髪をセットしたりカットするときに素早く行うことができる。
【0014】
具体的に特許文献2は、図10に示すように、櫛歯201の表面に、使用時に毛髪に対する抵抗となる凸部202を、櫛歯201の長手方向に複数設けたことを特徴とする櫛である。
【0015】
このような構成によれば、毛髪に櫛歯201を入れると、毛髪が凸部202に捉えられるため、櫛歯201の表面を滑らず、逃げにくく、カット等の作業を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2005-304720号公報(櫛)
【特許文献2】特開2011-183079号公報(櫛)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、特許文献1および特許文献2の発明は、他者の髪をカットする者が使用する櫛であり、日々のセルフケアとして自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを整える目的としての櫛ではない。
【0018】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、日々のセルフケアとして自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを容易に整えることのできる櫛を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、胴部とコーム部からなり、胴部はコーム部を対歯略垂直胴部と対歯略水平胴部でL字状に囲うように設け、コーム部は複数のコーム歯が対歯略垂直胴部から伸びるように略垂直にかつ対歯略水平胴部に略平行に設け、略水平胴部に略水平にコーム歯平面が並び、対歯略垂直胴部の胴背部の厚みは対歯略水平胴部に接している部分から胴端部に向かって薄くなるよう形成したことを特徴とする櫛を要旨とするものである。
【0020】
請求項1の本発明によれば、櫛は対歯略垂直胴部の胴背部の厚みでその角度をつくりカットできるため、望みのもみあげや頭髪の厚みに整えることができる。このような理容師・美容師の熟練技術であるmm単位でのヘアカットを、自分自身で容易に実現できる。
【0021】
請求項2記載の本発明は、コーム歯は対歯略垂直胴部に接しているコーム歯元と先端のコーム歯先と両者の中間部のコーム歯中からなり、コーム歯先はコーム歯の対歯略垂直胴部に対して反対端部に設け、コーム歯先は端部をとがらせたことを要旨とするものである。
【0022】
請求項2の本発明によれば、対歯略垂直胴部からコーム歯元、コーム歯中、コーム歯先へとすぼまり、コーム歯先の端部をとがった形状としたことにより髪をすくいやすい。コーム歯中の長辺は略平行に構成したことにより髪の長さや厚みを確保できる。
【0023】
請求項3記載の本発明は、対歯略垂直胴部には、櫛の正面から背面に向かって胴部を貫通する孔を設けたことを要旨とするものである。
【0024】
請求項3の本発明によれば、櫛の胴部の対歯略垂直胴部に胴部貫通孔を設けることにより、指で触って胴背部の位置の厚みを把握することができ、視力のない人、弱い人、誰でもが目に頼らず櫛を使用できる。また、胴部貫通孔は胴部を略同一直径で貫いているため、正面、背面とも同一の構成となり、櫛の正面・背面を同様に使える。
【0025】
請求項4記載の本発明は、対歯略垂直胴部には、胴部貫通孔の際から対歯略垂直胴部の端まで対歯略垂直胴部に対し略垂直に線状突部を設けたことを要旨とするものである。
【0026】
請求項4の本発明によれば、線状突部を設けることにより、指先で触って胴背部の厚みがわかる。
【0027】
請求項5記載の本発明は、対歯略水平胴部と反対の端に設けた胴端部とコーム端部に接して設けたテンプレート部は、コーム歯に対し略垂直に歯を設け、歯の端部の形状が略水平に並んだテンプレート歯ストレート部とそれに連なり歯の端部がカーブを描くテンプレート歯カーブ部を有したことを要旨とするものである。
【0028】
請求項5の本発明によれば、テンプレート部は、テンプレート歯ストレート部、テンプレート歯カーブ部があるため、カーブ状、角をつくるなど好みのラインをトリマー等でカットできる。さらに、テンプレート部の、テンプレート歯ストレート部、テンプレート歯カーブ部は縦状の櫛として使用することにより、毛流れを落ち着かせ抑えることができる。
【0029】
請求項6記載の本発明は、ガイドプレートは、略矩形の板形状であり、面の端に胴部貫通孔に嵌合するためのガイドプレート突起部を設けたことを要旨とするものである。
【0030】
請求項6の本発明によれば、櫛にガイドプレートを組み合わせて使用することで、ガイドプレートを耳の付け根上部に櫛を固定でき、見えない人・見にくい人も目に頼らずに、望みのもみあげのラインや厚みを、安定的に整えることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、日々のセルフケアとして自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを容易に整えることのできる櫛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の櫛の実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明の櫛の実施形態を示す正面図である。
図3】本発明の櫛の実施形態を示す図2中のA-A’線による断面図である。
図4】本発明の櫛の実施形態を示す図2中のB-B’線による断面図である。
図5】本発明の櫛の実施形態の示す(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図である。
図6】本発明の櫛の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図7】本発明の櫛の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図8】本発明の櫛の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図9】従来例の櫛を示す正面図である。
図10】従来例の櫛を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれに限定されたものでないことは、言うまでもない。
【0034】
本明細書において「フェイスライン」とは、正面から顔を見て、あごのラインからこめかみを通り、額の髪の毛の生え際にそった場所を言う。
【0035】
本明細書において「厚み」とは、頭皮から髪の先までの長さ、深さを言う。
【0036】
以下図面について本発明の櫛の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
〔構成・構造〕
はじめに、本発明の櫛の構成・構造を記載する。図1は本発明の櫛1の実施形態を示す斜視図、図2は正面図、図3図2中のA-A’線による断面図、図4図2中のB-B’線による断面図、図5は(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図を示す。
【0038】
櫛1は、胴部10、コーム部20、テンプレート部30からなる。本実施例の櫛1は、テンプレート部30を有するが、なくてもよい。
【0039】
胴部10はコーム部20を対歯略垂直胴部11と対歯略水平胴部12でL字状に囲う。対歯略垂直胴部11と対歯略水平胴部12のコーム部20に接していない側面の厚みは胴背部15である。胴背部15は、対歯略水平胴部12に接する対歯略垂直胴部11から、対歯略垂直胴部11の対歯略水平胴部12と反対に位置する胴端部16に向かい傾斜し、薄くなっていくように形成される。したがって、胴背部15は、対歯略水平胴部12に近い部分ほど厚みがあり、胴端部16に近いほど薄く形成される。
【0040】
対歯略垂直胴部11には、櫛1の正面から背面に向かって胴部10を貫通する孔13が1つ以上設けられている。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられている。
【0041】
線状突部14は、胴部貫通孔13の際から対歯略垂直胴部11の端まで対歯略垂直胴部11に対し略垂直に設けた。対歯略垂直胴部11に設けた胴部貫通孔13の中心の位置に線状突部14を設けてもよい。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられており、線状突部14は、櫛1の両面に設けてもよいし、片面のみでもよい。
【0042】
コーム部20は、複数のコーム歯21が対歯略垂直胴部11から伸びるように略垂直にかつ対歯略水平胴部12に略平行に設けられている。対歯略水平胴部12に略水平にコーム歯平面25が並び、対歯略垂直胴部11の胴背部15の厚みは対歯略水平胴部12に接している部分から胴端部16に向かって薄くなるよう形成した。
【0043】
コーム歯21は対歯略垂直胴部11に接しているコーム歯元24、先端のコーム歯先22、その中間コーム歯中23からなる。対歯略垂直胴部11からコーム歯元24、コーム歯中23、コーム歯先22へとすぼまり、コーム歯先22は髪をすくい易いように端部がとがった形状とした。コーム歯元24からコーム歯中23の長辺は略平行に構成する。コーム歯21は、コーム歯平面25、コーム歯側面26,コーム端部27から構成される。
【0044】
対歯略垂直胴部11は対歯略水平胴部12に接している部分が一番厚みがあり、テンプレート部30が接している位置に向かい厚みが薄くなるよう傾斜状となっている。
【0045】
テンプレート部30は、コーム部20の対歯略水平胴部12と反対の端に設けた。テンプレート部30は、コーム歯21に対し略垂直に歯のならんだ部位であり、歯の端部の形状が略水平に並んだテンプレート歯ストレート部31と、それに連なり派の端部がややカーブを描くテンプレート歯カーブ部32を有する。
【0046】
ガイドプレート40は、櫛1に組み合わせて使用することができる略矩形の板形状の部品であり、面の端に胴部貫通孔13に嵌合するためのガイドプレート突起部41を備える。ガイドプレート40の外周は胴部貫通孔13にぴったりとはまる形状と大きさとした。胴部貫通孔13の中心部位置から対歯略垂直胴部11に向かい線状突部14を設けた。
【0047】
図3は本発明の櫛1の実施形態を示す図2中のA-A’線による断面図である。胴部10の対歯略垂直胴部11に胴部貫通孔13が設けられている状態を示す。胴部貫通孔13にはガイドプレート突起部41が嵌合する。対歯略垂直胴部11には、櫛1の正面から背面に向かって胴部を貫通する孔13が1つ以上設けられている。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられている。線状突部14は、胴部貫通孔13の際から対歯略垂直胴部11の端まで対歯略垂直胴部11に対し略垂直に設けられている。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられているため、線状突部14は、櫛1の両面に設けられている。
【0048】
本実施例では、胴部貫通孔13は複数設けられているが、1つでもよい。胴部貫通孔13の位置は、対歯略垂直胴部11の厚みの3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mmの位置に設けた。対歯略垂直胴部11の厚み、および、胴部貫通孔13を設ける数および間隔は任意である。
【0049】
図4は、本発明の櫛1の実施形態を示す図2中のB-B’線による断面図である。コーム歯21は対歯略垂直胴部11に接しているコーム歯元24、先端のコーム歯先22、その中間コーム歯中23からなる。対歯略垂直胴部11からコーム歯元24、コーム歯中23、コーム歯先22へとすぼまり、コーム歯先22は髪をすくい易いように端部とがった形状とした。コーム歯元24からコーム歯中23の長辺は略平行に構成する。コーム歯21は、コーム歯平面25、コーム歯側面26,コーム端部27から構成される。
【0050】
図5は、本発明の櫛1の実施形態の示す(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図である。平面図はコーム歯先22の端から胴背部15に向かって見た図である。底面図は胴背部15からコーム歯先22に向かって見た図である。線状突部14は、胴部貫通孔13の際から対歯略垂直胴部11の端まで対歯略垂直胴部11に対し略垂直に設けられている。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられている。線状突部14は、櫛1の両面に設けられている。櫛1の正面、背面とも同一の構成とすることにより正面・背面を同様に使える。線状突部14は、櫛1の片面のみに設けてもよい。
【0051】
〔サイズ〕
一例として、櫛1の寸法を記載する。正面縦の最長部分(対歯略水平胴部12からテンプレート歯ストレート部31端の長さ)133mm。正面横の最長部分(胴背部15の端からコーム歯先22端までの長さ)37mm。これは、対歯略垂直胴部11の胴背部15からコーム歯元24までの幅10mm、コーム歯元24からコーム歯先22のコーム歯中23に接する部分までの幅17mm、コーム歯先22の幅10mmと表現できる。
胴背部15の端から胴部貫通孔13の中心点までの長さ6mm。胴部貫通孔13およびガイドプレート突起部41の直径4mm。線状突部14を配置した胴背部15の幅、および、その位置に配されたコーム歯21のコーム歯元24からコーム歯中23の幅3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm。コーム歯側面26の幅1mm。コーム歯21とコーム歯21の間隔2mm。対歯略水平胴部12の端から胴端部16の長さ103mm。テンプレート部30の歯に平行方向の長さ30mm。テンプレート歯ストレート部31の歯の長さ27mm。
【0052】
〔使用方法〕
次に、本発明の使用方法について説明する。図6図7図8は本発明の櫛1の実施形態の使用状態を示す説明図である。
【0053】
図6は、胴部貫通孔13にガイドプレート突起部41を嵌合し、ガイドプレート40の接していない面のコーム部20をもみあげの上にあて、ガイドプレート40を耳の付け根の上部にかけて安定させて、コーム部20のコーム歯21からはみ出たもみあげをトリマー51でカットしている状態を示す。
【0054】
図7は、胴部貫通孔13にガイドプレート突起部41を嵌合し、ガイドプレート40の接していない面のテンプレート部30をもみあげの端に沿うように当てて、ガイドプレート40を耳の付け根の上部にかけて安定させて、テンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32を、適宜、仕上げたいもみあげのラインに合うよう当て、トリマー51でカットする。
【0055】
図8は、櫛1を頭に対して略水平にあて、耳の付け根の上部にかけて安定させて、コーム部20のコーム歯21からはみ出た頭髪をフェイスシェーバー52でカットしている状態を示す。
【0056】
櫛1とガイドプレート40を使用してヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを整える手順を、図6図7図8を示して説明する。
【0057】
1.もみあげの厚みをカットする(図6)。もみあげを整えたい厚みの胴部貫通孔13にガイドプレート40を差し込む。ガイドプレート40はコーム歯21と平行に設置する。この際、コーム部20に接するのはガイドプレート突起部41の延長上の長面である。ガイドプレート40は耳の付け根の上部にかけて、もみあげに合わせる。もみあげに、コーム歯先22を頭皮に対して毛髪を引き起こすように滑らせてとかし、もみあげとガイドプレート40を合わせる。対歯略垂直胴部11を顔面にぴったりと当て、コーム歯元24からコーム歯中23部分からはみ出した毛をトリマー51で下から上にカットする。対歯略垂直胴部11に近づけるようにカットをすると、整えたい厚みにカットできる。
【0058】
2.厚みを整えたらデザインを整える(図7)。もみあげの厚みをカットしスッキリしたらもみあげのラインをテンプレート部30のテンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32を使用して整える。直線的に整える場合はテンプレート歯ストレート部31、緩やかなカーブに整える場合はテンプレート歯カーブ部32を使用する。対歯略垂直胴部11のテンプレート部30に近い胴部貫通孔13にガイドプレート40を差し込む。もみあげの整える部分にガイドプレート40とテンプレート部30を当て、位置を確認後、テンプレート部30でもみあげを下に梳かすようにして再度合わせる。テンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32の形状に沿って、はみ出した毛をトリマーでカットする。
【0059】
3.耳上の上にかかる毛をカットをする(図8)。耳の上に略水平に櫛1を置く。頭頂部から耳へ向かって上から下へコーム歯21でとかし、コーム歯21からはみ出した毛をフェイスシェーバー52でカットする。
【0060】
櫛1を用いてカットする際に使用する器具は、フェイスシェーバー、トリマー、ヘアカッター、鋏等、自身が安全に使用できるものなら何でもよい。
【0061】
〔材質〕
櫛1およびガイドプレート40の材質は、プラスチック、シリコン、ゴム、エラスティック、金属、これらの混合物、さらに部分的にそれぞれの素材を組合せて使用してもよい。硬い材質でもよく、多少しなりがあるものでもよい。髪の硬い、柔らかい、多い、薄いなどの量や質により、材質を選択すると、使用感が高まり、望ましい。衛生的に使用するためには、洗浄、洗剤、熱湯、消毒剤等に耐久性の高い素材であることが望ましい。
【0062】
〔効果〕
最後に本発明の櫛の効果を記載する。
【0063】
ヘアカットする際、美容師・理容師は、頭皮に対して櫛を当てる角度を調整し、櫛に沿って鋏を動かすことにより、仕上げる毛の長さを調整するという熟練の技を用いる。
【0064】
本実施例では、対歯略垂直胴部11の厚みを3mmから13mmとし、胴部貫通孔13にガイドプレート突起部41を嵌めこみ、櫛1とガイドプレート40を組み合わせて使用する。これにより、櫛1は対歯略垂直胴部11の胴背部15の厚みでその角度をつくりカットできるため、望みのもみあげや頭髪の厚みに整えることができる。このような理容師・美容師の熟練技術であるmm単位でのヘアカットを自分自身で容易に実現できる。
【0065】
一例として、もみあげに櫛1を縦に入れ、胴背部15の厚みの差により、もみあげの下からの上にかけて角度ができ、段差を作るカットが自分自身でできる。
【0066】
視力のない人、弱い人、誰でもが目に頼らず使用できるように、櫛1の胴部10の対歯略垂直胴部11に胴部貫通孔13を設け、ガイドプレート突起部41を嵌めて、櫛1にガイドプレート40を固定して、その端部を耳の付け根の上部にかけることにより、安定的にカットの厚み、形状のよりどころとした。櫛1の正面、背面とも同一の構成とすることにより左右同様に使えるため、左右のもみあげで同様に使用できストレスがない。部貫通孔13を均等に設けることで、胴背部15の厚みの変化が指で触ることでわかる。
【0067】
対歯略垂直胴部11からコーム歯元24、コーム歯中23、コーム歯先22へとすぼまり、コーム歯先22の端部をとがった形状としたことにより髪をすくいやすい。コーム歯中23の長辺は略平行に構成したことにより髪の長さや厚みを確保できる。一例として、本実施形態では、カットに約25mmの歯を持つトリマーを使用した時に、コーム歯21の平面の幅と同様の髪の長さや厚みを確保にするために、コーム歯元24からコーム歯中23の長さを17mmの幅とし、コーム歯中23からコーム歯先22までの長さは10mmとした。
【0068】
胴部貫通孔13や線状突部14を設けることにより、指で触ることで胴背部15の厚みがわかる。
【0069】
テンプレート部30は、テンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32があるため、カーブ状、角をつくるなど好みのラインをトリマー51等でカットできる。
【0070】
テンプレート部30の、テンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32は縦状の櫛として使用することにより、毛流れを落ち着かせ抑えることができる。
【0071】
櫛1にガイドプレート40を組み合わせて使用することで、ガイドプレート40を耳の付け根上部に櫛1を固定でき、見えない人・見にくい人も望みのもみあげのラインや厚みを安定的に整えることができる。
【0072】
以上のように、櫛1を使用してカットすることで、自身で容易に、もみあげのラインや厚みを整えることができるため、もみあげから上の髪の毛との繋がりが自然に整う。
【0073】
ヘアスタイルに合わせた、常に手入れのされたもみあげは顔やその人自身に反映され、清潔感、カッコ良さに繋がり、好印象をもたらすことができる。
【0074】
もみあげのラインや厚みを整えるにあたり、顔の側面にあるもみあげは、目視しにくい位置にあり、視覚障害者でも晴眼者でも同じ悩みを持つ。本発明の櫛1はユニバーサルデザインとしての意義を提供できる。
【0075】
本発明の櫛1は、フェイスラインの頭髪やもみあげに限定されず、形状や厚み・長さを整えたい全身の毛の手入れにも利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、日々のセルフケアとして自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを容易に整えることのできる櫛1を提供することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 櫛
10 胴部
11 対歯略垂直胴部
12 対歯略水平胴部
13 胴部貫通孔
14 線状突部
15 胴背部
16 胴端部
20 コーム部
21 コーム歯
22 コーム歯先
23 コーム歯中
24 コーム歯元
25 コーム歯平面
26 コーム歯側面
27 コーム端部
30 テンプレート部
31 テンプレート歯ストレート部
32 テンプレート歯カーブ部
40 ガイドプレート
41 ガイドプレート突起部
51 トリマー
52 フェイスシェーバー
100 カット用の櫛
101 長溝
101a 尖端部
101b 広面積部
102 櫛本体
102a 背部
102b 把手部
102c 狭い櫛歯
103 貫通孔
104 滑り止め部
105 平坦部
201 櫛歯
202 凸部
203 基部
210 櫛歯列
211 櫛歯列
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部とコーム部からなり、胴部はコーム部を対歯略垂直胴部と対歯略水平胴部でL字状に囲うように設け、コーム部は複数のコーム歯が対歯略垂直胴部から伸びるように略垂直にかつ対歯略水平胴部に略平行に設け、対歯略水平胴部に略水平にコーム歯平面が並び、対歯略垂直胴部の胴背部の厚みは対歯略水平胴部に接している部分から胴端部に向かって薄くなるよう形成し、コーム歯は対歯略垂直胴部に接しているコーム歯元と先端のコーム歯先と両者の中間部のコーム歯中からなり、コーム歯先はコーム歯の対歯略垂直胴部に対して反対端部に設け、コーム歯先は端部をとがらせ、対歯略垂直胴部には、対歯略垂直胴部を貫通して設けた胴部貫通孔の際から対歯略垂直胴部の端まで対歯略垂直胴部に対し略垂直に線状突部を設け、対歯略水平胴部と反対の端に設けた胴端部とコーム端部に接して設けたテンプレート部は、コーム歯に対し略垂直に歯を設け、歯の端部の形状が略水平に並んだテンプレート歯ストレート部とそれに連なり歯の端部がカーブを描くテンプレート歯カーブ部を有し、ガイドプレートは略矩形の板形状であり、面の端に胴部貫通孔に嵌合するためのガイドプレート突起部を設けガイドプレート突起部を胴部貫通孔に嵌合して設けたことを特徴とする櫛。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、櫛に関するものである。
【背景技術】
【0002】
男女問わずヘアカット後、数日経つともみあげが上手く整えられなくなるという悩みがある。
【0003】
一例として、耳周りをスッキリとした印象にしたい人やもみあげにくせがある人に人気のヘアスタイルであるツーブロックでは、刈り上げた部分の髪の長さが伸びて気になるため、定期的なメンテナンスカットが必要となる。
【0004】
特に男性は、髭ともみあげとの繋がりにより、もみあげの美しいラインを整えるためには、髭をどこまで剃ったらよいのか、また左右の長さや形がアンバランスになっていないか、自分ではわかりにくいという悩みがある。
【0005】
これは、もみあげが、顔周りの髪の生え際であるフェイスラインに位置し、鏡で確認しても形をつくるのが困難な場所であることにも起因する。
【0006】
また、一般的に、もみあげは、約2週間で約5mm伸び、ヘアカット直後は綺麗に整えられたもみあげが伸びて厚くなり、クセがでたり、毛先が散らばったり、立ち上がったりするという悩みもある。
【0007】
他方、頭髪は、一般的に、1か月で約1cm伸び、特にショートヘアでは、全体のバランスが重くなりその長さが気になるため、月1回のペースで美容院・理髪店等でのヘアカットに通う人が多い。
【0008】
このように、もみあげと頭髪のカットは手入れの時間的間隔が異なる。そのため、常に清潔感・好感度を保つためには、少なくとも約2週間毎にもみあげを整えてもらう必要がある。
【0009】
しかし、時間的、金銭的、感染症等、様々な理由で、美容院・理髪店等でのこまめな手入れができない人もいる。
【0010】
そのため、日々のセルフケアとして、自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを容易に整えられることが望まれている。さらに、広く体毛のセルフケアも求められている。
【0011】
ここで、下記特許文献1および特許文献2は、毛髪をセットするときに使用したり、毛髪を鋏や剃刀でカットするときに使用する櫛に関する発明を開示する。
【0012】
具体的に特許文献1は、図9に示すように、一定間隔をおいて上下または上下の何れかに複数の尖端部101aを形成した長溝101を、櫛本体102の背部102aの表裏に略横一直線状に設け、さらに前記長溝101内に適宜間隔をおいて複数個の貫通孔103を設け、これら貫通孔103を経て、前記長溝101に摩擦係数が大きい材料を充填することにより、滑り止め部104を設けたことを特徴とするカット用の櫛100である。
【0013】
このような構成によれば、濡れた手や整髪料が付着した手で把持しても滑り難く、また水や整髪料などで汚れても、その汚れを落とすのが簡単であり、しかも目盛りも併せて設けたので、毛髪をセットしたりカットするときに素早く行うことができる。
【0014】
具体的に特許文献2は、図10に示すように、櫛歯201の表面に、使用時に毛髪に対する抵抗となる凸部202を、櫛歯201の長手方向に複数設けたことを特徴とする櫛である。
【0015】
このような構成によれば、毛髪に櫛歯201を入れると、毛髪が凸部202に捉えられるため、櫛歯201の表面を滑らず、逃げにくく、カット等の作業を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2005-304720号公報(櫛)
【特許文献2】特開2011-183079号公報(櫛)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、特許文献1および特許文献2の発明は、他者の髪をカットする者が使用する櫛であり、日々のセルフケアとして自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを整える目的としての櫛ではない。
【0018】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、日々のセルフケアとして自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを容易に整えることのできる櫛を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
胴部とコーム部からなり、胴部はコーム部を対歯略垂直胴部と対歯略水平胴部でL字状に囲うように設け、コーム部は複数のコーム歯が対歯略垂直胴部から伸びるように略垂直にかつ対歯略水平胴部に略平行に設け、対歯略水平胴部に略水平にコーム歯平面が並び、対歯略垂直胴部の胴背部の厚みは対歯略水平胴部に接している部分から胴端部に向かって薄くなるよう形成し、コーム歯は対歯略垂直胴部に接しているコーム歯元と先端のコーム歯先と両者の中間部のコーム歯中からなり、コーム歯先はコーム歯の対歯略垂直胴部に対して反対端部に設け、コーム歯先は端部をとがらせ、対歯略垂直胴部には、対歯略垂直胴部を貫通して設けた胴部貫通孔の際から対歯略垂直胴部の端まで対歯略垂直胴部に対し略垂直に線状突部を設け、対歯略水平胴部と反対の端に設けた胴端部とコーム端部に接して設けたテンプレート部は、コーム歯に対し略垂直に歯を設け、歯の端部の形状が略水平に並んだテンプレート歯ストレート部とそれに連なり歯の端部がカーブを描くテンプレート歯カーブ部を有し、ガイドプレートは略矩形の板形状であり、面の端に胴部貫通孔に嵌合するためのガイドプレート突起部を設けガイドプレート突起部を胴部貫通孔に嵌合して設けたことを特徴とする櫛を要旨とするものである。
【0020】
請求項1の本発明によれば、櫛は対歯略垂直胴部の胴背部の厚みでその角度をつくりカットできるため、望みのもみあげや頭髪の厚みに整えることができる。
【0021】
このような理容師・美容師の熟練技術であるmm単位でのヘアカットを、自分自身で容易に実現できる。
【0022】
対歯略垂直胴部からコーム歯元、コーム歯中、コーム歯先へとすぼまり、コーム歯先の端部をとがった形状としたことにより髪をすくいやすい。
【0023】
コーム歯中の長辺は略平行に構成したことにより髪の長さや厚みを確保できる。
【0024】
櫛の胴部の対歯略垂直胴部に胴部貫通孔を設けることにより、指で触って胴背部の位置の厚みを把握することができ、視力のない人、弱い人、誰でもが目に頼らず櫛を使用できる。
【0025】
また、胴部貫通孔は胴部を略同一直径で貫いているため、正面、背面とも同一の構成となり、櫛の正面・背面を同様に使える。
【0026】
線状突部を設けることにより、指先で触って胴背部の厚みがわかる。
【0027】
テンプレート部は、テンプレート歯ストレート部、テンプレート歯カーブ部があるため、カーブ状、角をつくるなど好みのラインをトリマー等でカットできる。
【0028】
さらに、テンプレート部の、テンプレート歯ストレート部、テンプレート歯カーブ部は縦状の櫛として使用することにより、毛流れを落ち着かせ抑えることができる。
【0029】
櫛にガイドプレートを組み合わせて使用することで、ガイドプレートを耳の付け根上部に櫛を固定できる。
【0030】
以上の構成により、見えない人・見にくい人も目に頼らずに、望みのもみあげのラインや厚みを、安定的に整えることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、日々のセルフケアとして自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを容易に整えることのできる櫛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の櫛の実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明の櫛の実施形態を示す正面図である。
図3】本発明の櫛の実施形態を示す図2中のA-A’線による断面図である。
図4】本発明の櫛の実施形態を示す図2中のB-B’線による断面図である。
図5】本発明の櫛の実施形態の示す(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図である。
図6】本発明の櫛の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図7】本発明の櫛の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図8】本発明の櫛の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図9】従来例の櫛を示す正面図である。
図10】従来例の櫛を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれに限定されたものでないことは、言うまでもない。
【0034】
本明細書において「フェイスライン」とは、正面から顔を見て、あごのラインからこめかみを通り、額の髪の毛の生え際にそった場所を言う。
【0035】
本明細書において「厚み」とは、頭皮から髪の先までの長さ、深さを言う。
【0036】
以下図面について本発明の櫛の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
〔構成・構造〕
はじめに、本発明の櫛の構成・構造を記載する。図1は本発明の櫛1の実施形態を示す斜視図、図2は正面図、図3図2中のA-A’線による断面図、図4図2中のB-B’線による断面図、図5は(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図を示す。
【0038】
櫛1は、胴部10、コーム部20、テンプレート部30からなる。本実施例の櫛1は、テンプレート部30を有するが、なくてもよい。
【0039】
胴部10はコーム部20を対歯略垂直胴部11と対歯略水平胴部12でL字状に囲う。対歯略垂直胴部11と対歯略水平胴部12のコーム部20に接していない側面の厚みは胴背部15である。胴背部15は、対歯略水平胴部12に接する対歯略垂直胴部11から、対歯略垂直胴部11の対歯略水平胴部12と反対に位置する胴端部16に向かい傾斜し、薄くなっていくように形成される。したがって、胴背部15は、対歯略水平胴部12に近い部分ほど厚みがあり、胴端部16に近いほど薄く形成される。
【0040】
対歯略垂直胴部11には、櫛1の正面から背面に向かって胴部10を貫通する孔13が1つ以上設けられている。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられている。
【0041】
線状突部14は、胴部貫通孔13の際から対歯略垂直胴部11の端まで対歯略垂直胴部11に対し略垂直に設けた。対歯略垂直胴部11に設けた胴部貫通孔13の中心の位置に線状突部14を設けてもよい。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられており、線状突部14は、櫛1の両面に設けてもよいし、片面のみでもよい。
【0042】
コーム部20は、複数のコーム歯21が対歯略垂直胴部11から伸びるように略垂直にかつ対歯略水平胴部12に略平行に設けられている。対歯略水平胴部12に略水平にコーム歯平面25が並び、対歯略垂直胴部11の胴背部15の厚みは対歯略水平胴部12に接している部分から胴端部16に向かって薄くなるよう形成した。
【0043】
コーム歯21は対歯略垂直胴部11に接しているコーム歯元24、先端のコーム歯先22、その中間コーム歯中23からなる。対歯略垂直胴部11からコーム歯元24、コーム歯中23、コーム歯先22へとすぼまり、コーム歯先22は髪をすくい易いように端部がとがった形状とした。コーム歯元24からコーム歯中23の長辺は略平行に構成する。コーム歯21は、コーム歯平面25、コーム歯側面26,コーム端部27から構成される。
【0044】
対歯略垂直胴部11は対歯略水平胴部12に接している部分が一番厚みがあり、テンプレート部30が接している位置に向かい厚みが薄くなるよう傾斜状となっている。
【0045】
テンプレート部30は、コーム部20の対歯略水平胴部12と反対の端に設けた。テンプレート部30は、コーム歯21に対し略垂直に歯のならんだ部位であり、歯の端部の形状が略水平に並んだテンプレート歯ストレート部31と、それに連なり派の端部がややカーブを描くテンプレート歯カーブ部32を有する。
【0046】
ガイドプレート40は、櫛1に組み合わせて使用することができる略矩形の板形状の部品であり、面の端に胴部貫通孔13に嵌合するためのガイドプレート突起部41を備える。ガイドプレート40の外周は胴部貫通孔13にぴったりとはまる形状と大きさとした。胴部貫通孔13の中心部位置から対歯略垂直胴部11に向かい線状突部14を設けた。
【0047】
図3は本発明の櫛1の実施形態を示す図2中のA-A’線による断面図である。胴部10の対歯略垂直胴部11に胴部貫通孔13が設けられている状態を示す。胴部貫通孔13にはガイドプレート突起部41が嵌合する。対歯略垂直胴部11には、櫛1の正面から背面に向かって胴部を貫通する孔13が1つ以上設けられている。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられている。線状突部14は、胴部貫通孔13の際から対歯略垂直胴部11の端まで対歯略垂直胴部11に対し略垂直に設けられている。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられているため、線状突部14は、櫛1の両面に設けられている。
【0048】
本実施例では、胴部貫通孔13は複数設けられているが、1つでもよい。胴部貫通孔13の位置は、対歯略垂直胴部11の厚みの3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mmの位置に設けた。対歯略垂直胴部11の厚み、および、胴部貫通孔13を設ける数および間隔は任意である。
【0049】
図4は、本発明の櫛1の実施形態を示す図2中のB-B’線による断面図である。コーム歯21は対歯略垂直胴部11に接しているコーム歯元24、先端のコーム歯先22、その中間コーム歯中23からなる。対歯略垂直胴部11からコーム歯元24、コーム歯中23、コーム歯先22へとすぼまり、コーム歯先22は髪をすくい易いように端部とがった形状とした。コーム歯元24からコーム歯中23の長辺は略平行に構成する。コーム歯21は、コーム歯平面25、コーム歯側面26,コーム端部27から構成される。
【0050】
図5は、本発明の櫛1の実施形態の示す(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図である。平面図はコーム歯先22の端から胴背部15に向かって見た図である。底面図は胴背部15からコーム歯先22に向かって見た図である。線状突部14は、胴部貫通孔13の際から対歯略垂直胴部11の端まで対歯略垂直胴部11に対し略垂直に設けられている。胴部貫通孔13は対歯略垂直胴部11を貫通して設けられている。線状突部14は、櫛1の両面に設けられている。櫛1の正面、背面とも同一の構成とすることにより正面・背面を同様に使える。線状突部14は、櫛1の片面のみに設けてもよい。
【0051】
〔サイズ〕
一例として、櫛1の寸法を記載する。正面縦の最長部分(対歯略水平胴部12からテンプレート歯ストレート部31端の長さ)133mm。正面横の最長部分(胴背部15の端からコーム歯先22端までの長さ)37mm。これは、対歯略垂直胴部11の胴背部15からコーム歯元24までの幅10mm、コーム歯元24からコーム歯先22のコーム歯中23に接する部分までの幅17mm、コーム歯先22の幅10mmと表現できる。
胴背部15の端から胴部貫通孔13の中心点までの長さ6mm。胴部貫通孔13およびガイドプレート突起部41の直径4mm。線状突部14を配置した胴背部15の幅、および、その位置に配されたコーム歯21のコーム歯元24からコーム歯中23の幅3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm。コーム歯側面26の幅1mm。コーム歯21とコーム歯21の間隔2mm。対歯略水平胴部12の端から胴端部16の長さ103mm。テンプレート部30の歯に平行方向の長さ30mm。テンプレート歯ストレート部31の歯の長さ27mm。
【0052】
〔使用方法〕
次に、本発明の使用方法について説明する。図6図7図8は本発明の櫛1の実施形態の使用状態を示す説明図である。
【0053】
図6は、胴部貫通孔13にガイドプレート突起部41を嵌合し、ガイドプレート40の接していない面のコーム部20をもみあげの上にあて、ガイドプレート40を耳の付け根の上部にかけて安定させて、コーム部20のコーム歯21からはみ出たもみあげをトリマー51でカットしている状態を示す。
【0054】
図7は、胴部貫通孔13にガイドプレート突起部41を嵌合し、ガイドプレート40の接していない面のテンプレート部30をもみあげの端に沿うように当てて、ガイドプレート40を耳の付け根の上部にかけて安定させて、テンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32を、適宜、仕上げたいもみあげのラインに合うよう当て、トリマー51でカットする。
【0055】
図8は、櫛1を頭に対して略水平にあて、耳の付け根の上部にかけて安定させて、コーム部20のコーム歯21からはみ出た頭髪をフェイスシェーバー52でカットしている状態を示す。
【0056】
櫛1とガイドプレート40を使用してヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを整える手順を、図6図7図8を示して説明する。
【0057】
1.もみあげの厚みをカットする(図6)。もみあげを整えたい厚みの胴部貫通孔13にガイドプレート40を差し込む。ガイドプレート40はコーム歯21と平行に設置する。この際、コーム部20に接するのはガイドプレート突起部41の延長上の長面である。ガイドプレート40は耳の付け根の上部にかけて、もみあげに合わせる。もみあげに、コーム歯先22を頭皮に対して毛髪を引き起こすように滑らせてとかし、もみあげとガイドプレート40を合わせる。対歯略垂直胴部11を顔面にぴったりと当て、コーム歯元24からコーム歯中23部分からはみ出した毛をトリマー51で下から上にカットする。対歯略垂直胴部11に近づけるようにカットをすると、整えたい厚みにカットできる。
【0058】
2.厚みを整えたらデザインを整える(図7)。もみあげの厚みをカットしスッキリしたらもみあげのラインをテンプレート部30のテンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32を使用して整える。直線的に整える場合はテンプレート歯ストレート部31、緩やかなカーブに整える場合はテンプレート歯カーブ部32を使用する。対歯略垂直胴部11のテンプレート部30に近い胴部貫通孔13にガイドプレート40を差し込む。もみあげの整える部分にガイドプレート40とテンプレート部30を当て、位置を確認後、テンプレート部30でもみあげを下に梳かすようにして再度合わせる。テンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32の形状に沿って、はみ出した毛をトリマーでカットする。
【0059】
3.耳上の上にかかる毛をカットをする(図8)。耳の上に略水平に櫛1を置く。頭頂部から耳へ向かって上から下へコーム歯21でとかし、コーム歯21からはみ出した毛をフェイスシェーバー52でカットする。
【0060】
櫛1を用いてカットする際に使用する器具は、フェイスシェーバー、トリマー、ヘアカッター、鋏等、自身が安全に使用できるものなら何でもよい。
【0061】
〔材質〕
櫛1およびガイドプレート40の材質は、プラスチック、シリコン、ゴム、エラスティック、金属、これらの混合物、さらに部分的にそれぞれの素材を組合せて使用してもよい。硬い材質でもよく、多少しなりがあるものでもよい。髪の硬い、柔らかい、多い、薄いなどの量や質により、材質を選択すると、使用感が高まり、望ましい。衛生的に使用するためには、洗浄、洗剤、熱湯、消毒剤等に耐久性の高い素材であることが望ましい。
【0062】
〔効果〕
最後に本発明の櫛の効果を記載する。
【0063】
ヘアカットする際、美容師・理容師は、頭皮に対して櫛を当てる角度を調整し、櫛に沿って鋏を動かすことにより、仕上げる毛の長さを調整するという熟練の技を用いる。
【0064】
本実施例では、対歯略垂直胴部11の厚みを3mmから13mmとし、胴部貫通孔13にガイドプレート突起部41を嵌めこみ、櫛1とガイドプレート40を組み合わせて使用する。これにより、櫛1は対歯略垂直胴部11の胴背部15の厚みでその角度をつくりカットできるため、望みのもみあげや頭髪の厚みに整えることができる。このような理容師・美容師の熟練技術であるmm単位でのヘアカットを自分自身で容易に実現できる。
【0065】
一例として、もみあげに櫛1を縦に入れ、胴背部15の厚みの差により、もみあげの下からの上にかけて角度ができ、段差を作るカットが自分自身でできる。
【0066】
視力のない人、弱い人、誰でもが目に頼らず使用できるように、櫛1の胴部10の対歯略垂直胴部11に胴部貫通孔13を設け、ガイドプレート突起部41を嵌めて、櫛1にガイドプレート40を固定して、その端部を耳の付け根の上部にかけることにより、安定的にカットの厚み、形状のよりどころとした。櫛1の正面、背面とも同一の構成とすることにより左右同様に使えるため、左右のもみあげで同様に使用できストレスがない。部貫通孔13を均等に設けることで、胴背部15の厚みの変化が指で触ることでわかる。
【0067】
対歯略垂直胴部11からコーム歯元24、コーム歯中23、コーム歯先22へとすぼまり、コーム歯先22の端部をとがった形状としたことにより髪をすくいやすい。コーム歯中23の長辺は略平行に構成したことにより髪の長さや厚みを確保できる。一例として、本実施形態では、カットに約25mmの歯を持つトリマーを使用した時に、コーム歯21の平面の幅と同様の髪の長さや厚みを確保にするために、コーム歯元24からコーム歯中23の長さを17mmの幅とし、コーム歯中23からコーム歯先22までの長さは10mmとした。
【0068】
胴部貫通孔13や線状突部14を設けることにより、指で触ることで胴背部15の厚みがわかる。
【0069】
テンプレート部30は、テンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32があるため、カーブ状、角をつくるなど好みのラインをトリマー51等でカットできる。
【0070】
テンプレート部30の、テンプレート歯ストレート部31、テンプレート歯カーブ部32は縦状の櫛として使用することにより、毛流れを落ち着かせ抑えることができる。
【0071】
櫛1にガイドプレート40を組み合わせて使用することで、ガイドプレート40を耳の付け根上部に櫛1を固定でき、見えない人・見にくい人も望みのもみあげのラインや厚みを安定的に整えることができる。
【0072】
以上のように、櫛1を使用してカットすることで、自身で容易に、もみあげのラインや厚みを整えることができるため、もみあげから上の髪の毛との繋がりが自然に整う。
【0073】
ヘアスタイルに合わせた、常に手入れのされたもみあげは顔やその人自身に反映され、清潔感、カッコ良さに繋がり、好印象をもたらすことができる。
【0074】
もみあげのラインや厚みを整えるにあたり、顔の側面にあるもみあげは、目視しにくい位置にあり、視覚障害者でも晴眼者でも同じ悩みを持つ。本発明の櫛1はユニバーサルデザインとしての意義を提供できる。
【0075】
本発明の櫛1は、フェイスラインの頭髪やもみあげに限定されず、形状や厚み・長さを整えたい全身の毛の手入れにも利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、日々のセルフケアとして自分自身で、ヘアスタイルに合わせたもみあげのラインと厚みを容易に整えることのできる櫛1を提供することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 櫛
10 胴部
11 対歯略垂直胴部
12 対歯略水平胴部
13 胴部貫通孔
14 線状突部
15 胴背部
16 胴端部
20 コーム部
21 コーム歯
22 コーム歯先
23 コーム歯中
24 コーム歯元
25 コーム歯平面
26 コーム歯側面
27 コーム端部
30 テンプレート部
31 テンプレート歯ストレート部
32 テンプレート歯カーブ部
40 ガイドプレート
41 ガイドプレート突起部
51 トリマー
52 フェイスシェーバー
100 カット用の櫛
101 長溝
101a 尖端部
101b 広面積部
102 櫛本体
102a 背部
102b 把手部
102c 狭い櫛歯
103 貫通孔
104 滑り止め部
105 平坦部
201 櫛歯
202 凸部
203 基部
210 櫛歯列
211 櫛歯列