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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117427
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/64 20060101AFI20230817BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230817BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20230817BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20230817BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20230817BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230817BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20230817BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
A61K8/64
A61Q19/00
A61P17/16
A61K38/16
A61P17/02
A61P43/00 107
A61P17/14
A61Q7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020003
(22)【出願日】2022-02-11
(71)【出願人】
【識別番号】508001073
【氏名又は名称】株式会社シーエスラボ
(71)【出願人】
【識別番号】522057283
【氏名又は名称】株式会社コスメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100136560
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】大澤 志好
(72)【発明者】
【氏名】小林 三伸
【テーマコード(参考)】
4C083
4C084
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC712
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD212
4C083AD242
4C083AD332
4C083AD392
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD432
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD572
4C083CC02
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE10
4C083EE12
4C083EE22
4C083FF01
4C084AA01
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084CA05
4C084CA53
4C084CA59
4C084MA63
4C084NA08
4C084NA14
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZA921
4C084ZA922
4C084ZB221
4C084ZB222
(57)【要約】
【課題】皮膚刺激の抑制効果が向上した皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を有することを特徴とする皮膚外用剤である。また、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123の配合量が、0.0001質量%~10質量%であることが、好ましい。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
前記合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123の配合量が、0.0001質量%~10質量%である皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関し、特に、皮膚刺激の抑制効果が向上した皮膚外用剤である。
【背景技術】
【0002】
皮膚外用剤にとって保湿効果は重要である。そのため、従来から種々の保湿剤について研究・開発されてきた。中でも、コラーゲンは、水溶性で水への溶解がよく、皮膚外用剤への配合のしやすさから多用されていた。しかしながら、コラーゲンは、保湿効果はあるものの、まだまだ改良の余地があるため、さらなる保湿剤の開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、L-チロシン、L-ドーパ、L-ドーパキノン、L-リジンの4種類の化合物と、グリシン、L-アラニン、L-ロイシン、L-バリンの4種の化合物から選ばれる1種の共重合体であるポリペプチドが、開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、魚の孵化液から医薬または化粧品組成物を調製する方法であって、a)魚卵を最小体積の水中に懸濁させるステップと、b)好ましくは、孵化が前記胚の80%超について6時間以内に完了するように、前記卵の同期した迅速な孵化を誘発するステップと、c)場合によって前記孵化した卵を濾過して、孵化液を得るステップと、d)b)またはc)の前記孵化液を濾過して組成物を得るステップであって、前記孵化液を濾過する前記ステップが、(i)少なくとも5μmの孔サイズを有するフィルターを用いて前記孵化液をろ過し、かつ前記ろ液を集めるステップと、(ii)ステップ(i)からの前記ろ液をイオン交換クロマトグラフィーにかけるス テップとを少なくとも含み、(1)前記ろ液をイオン交換カラム上、好ましくは、DEAE(ジエチルアミノエ チル)カラム上にロードし、(2)前記カラムを好適な緩衝液、好ましくはpH7~9の緩衝洗浄液で洗浄し、(3)ロイコレクチンポリペプチドを前記カラムから、第1溶出緩衝液または溶媒を用いて溶出させ、好ましくは、前記第1溶出緩衝液は、50~100mMの濃度の塩をさらに含む前記緩衝洗浄液を含み、(4)前記残存ポリペプチドを前記カラムから、第2溶出緩衝液または溶媒を用いて溶出させ、好ましくは、前記第2溶出緩衝液は500mM~2Mの濃度で塩を含む前記緩衝洗浄液を含み、(5)ステップ(4)からの前記溶出液を集めることを含み、e)ステップ(5)からの前記溶出液中の前記水を薬剤的または美容上許容される緩衝液と交換するステップと、f)ステップ(e)から得られた前記溶液を、0.15~0.30μmの孔サイズを有 するフィルターを用いてろ過し、かつ前記濾液を集めるステップと、g)前記医薬または化粧品組成物をステップ(f)からの前記濾液から調製するステップとを少なくとも含む、方法が記載され、ポリペプチドまたはその一部を含む魚の孵化液から得た、または得ることができる化粧品組成物が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-73781号公報
【特許文献2】特表2016-510312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のコラーゲン、特許文献1および特許文献2記載の技術は、G(グリシン)-X(未知またはその他のアミノ酸(4))-Y(チロシン)の配列だけで構成されていないため、アレルギーを引き起し、皮膚刺激の原因となるおそれがあるという問題点があった。そのため、アレルギーを抑制し、皮膚刺激の抑制効果が高く、保湿力もある皮膚外用剤が求められていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、前記の従来技術の問題点を解決し、皮膚刺激の抑制効果が向上した皮膚外用剤を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定のポリペプチドを配合することによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の皮膚外用剤は、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を有することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の皮膚外用剤は、前記合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123の配合量が、0.0001質量%~10質量%であることが、好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、皮膚刺激の抑制効果が向上した皮膚外用剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】経皮吸収試験の試験結果を示すグラフである。
図2】細胞成長促進試験の試験結果を示すグラフである。
図3】細胞増殖促進能試験の結果を示す図である。
図4】創傷治癒促進能試験の結果を示す写真である。
図5】創傷治癒促進能試験の結果を示すグラフである。
図6】抗シワ試験の結果を示す写真である。
図7】抗シワ試験の結果を示すグラフである。
図8】髪の光沢向上試験の結果を示すグラフである。
図9】SRD5A1((5α還元酵素I型)の遺伝子発現の結果を示すグラフである。
図10】SRD5A2((5α還元酵素II型)の遺伝子発現の結果を示すグラフである。
図11】SRD5A3((5α還元酵素III型)の遺伝子発現の結果を示すグラフである。
図12】7日間の毛髪成長効果試験の結果を示すグラフである。
図13】7日間の毛髪成長効果試験の結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の皮膚外用剤について具体的に説明する。
本発明の皮膚外用剤は、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を有することを特徴とするものである。合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123は、G(グリシン)-X(未知またはその他のアミノ酸(4))-Y(チロシン)の配列だけで構成され、さらに一本鎖の構造で低分子量(55KDa)であり、一方、従来の水溶性コラーゲンは、G(グリシン)-X(未知またはその他のアミノ酸(4))-Y(チロシン)の配列だけで構成されておらず、しかも3重らせん構造で、得られる起源によって分子量が異なる。そのため、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を有することで、従来の水溶性コラーゲンと比較して、皮膚刺激の抑制効果およびアレルギー抑制効果が向上した皮膚外用剤を提供することができる。
【0014】
本発明において、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123とは、日本語表示名称である。また、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123は、国際公開第2018/014452号記載の「パスツールピペットP.pastoris(Pichia pastoris)を菌種として使用して、最初に1次種培養を行い、菌濃度が20±2g/Lのとき2次種培養に転換し、菌濃度が120±10g/Lのとき2次種培養をグリセリン培養段階に切り替え、グリセリン培養段階でグリセリンの添加量は60~70g/Lであり、溶存酸素が急激に上昇して、相対的に安定な状態に達した時点で、メタノール誘導フェーズに入り、120±8時間誘導した後、発酵を終了することを特徴とする、Pichia pastoris発現組換えタンパク質の発酵工法。さらに、前記ピペットP.パストリスのアクセッション番号がCGMCC第5021弧であることを特徴とする、Pichia pastoris発現組換えタンパク質の発酵工法、前記1次種培養は、菌種Pasteurピチアパストリス(Pichia pastoris)種培地に接種し、30℃にて菌体湿重量が20±2g/Lに達するまで24~36時間振とう培養することを特徴とするPichia pastoris発現組換えタンパク質の発酵工法、前記2次種培養は、1次ウイルス液の両方を発酵培地に移した後、30℃で培養し、アンモニア水でpH値を5.0に調節および制御し、溶存酸素は20~30%に制御し、菌体湿重量が120±10g/Lに達するまで培養することを特徴とする、Pichia pastoris発現組換えタンパク質の発酵工法、前記グリセリンのインキュベーション工程は、2次シード培養液を、発酵培地に移した後、60~70g/Lのグリセリンを添加し、30℃で培養し、アンモニア水でpH値を5.0に調節および制御し、通気量は30m/hであり、撹拌速度は、300~500rpmであり、溶存酸素が急激に上昇するとき、1時間飢餓状態としてグリセリンを消尽させることを特徴とする、Pichia pastoris発現組換えタンパク質の発酵工法、前記メタノール誘導段階は、誘導工程温度を30℃、pHを5.0に制御し、メタノール補充材料と溶存酸素の連動を設定し、溶存酸素が20%より高いときメタノール流加(fed-batch)を開始し、溶存酸素が20%より低いときメタノール流加を停止させ、120±8時間誘導した後、発酵を終了し、発酵ブロスを遠心分離し、遠心分離後の上澄み液を集めて濃縮し、限外濾過およびナノ濾過脱色、脱塩を順に実行することによって組換えヒトコラーゲンを得ることを特徴とする、Pichia pastoris発現組換えタンパク質の発酵工法。」で製造することができる。また、国際公開第2018/014453号記載の「ヒト起源コラーゲン製造レベルを再編する発酵工程を高め、その特徴は以下のステップを含むことである:メタノール資化酵母の歪の液を滅菌の発酵媒体中に接種し、発酵培養14~18時間後にメタノールを補足して誘導性発現を行い始め、同時に発酵媒体中をピルビン酸ナトリウムに添加し、そのうちピルビン酸ナトリウムの加入量は0.01~10g/Lとする。さらに、前記のピルビン酸ナトリウムの加入量が0.1g/L~1g/Lであることを特徴とする発酵工程、前記メタノール資化酵母はメタノール資化酵母Pichia pastorisとし、寄託番号はCGMCC No.5021とする、前記ピルビン酸ナトリウムの添加様式は添加とする、前記メタノール資化酵母発酵媒体の調合は85%のHPO 6.6~26.7mL/Lとして、CaSO・2HO 0.3~1.175g/L、KSO 4.5~18.2g/L、MgSO・7HO 3.7~14.9g/L、KOH 1.0~4.13g/L、グリセロール 10.0~40.0g/L、PTM1溶液0.435~4.35mL/L、発酵工程中に、メタノール資化酵母の歪の液の接種サイズは8~12%とし、発酵温度は28~30℃とし、アンモニア水はpHを調節して5.0~5.2とし、溶解酸素は20%より低くなく、メタノール誘導時間は90~120時間とする。」で製造することができる。
【0015】
また、本発明の皮膚外用剤は、前記合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123の配合量が、固形分換算で0.0001質量%~10質量%であることが、好ましい。特に、フェイスマスクでは0.005質量%~0.01質量%、クリームでは0.01質量%~0.02質量%、化粧水では0.02質量%~0.03質量%、美容液やアイクリームでは0.03質量%~0.05質量%、しわ改善化粧料では0.1質量%~0.15質量%、粉体化粧料では0.2質量%~0.5質量%であることが、より好ましい。
【0016】
本発明において、皮膚外用剤とは、人間の身体等に使用できるものであり、通常の化粧品の分類に属するものであり、医薬部外品、医薬品等の用途を排除するものではない。さらに、前記皮膚外用剤とは、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、頭髪用化粧品等の用途を含むものである。
【0017】
さらに、本発明において、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜他の成分等を添加することもできる。質的、量的範囲で上記以外の任意の成分を配合することができ、皮膚外用剤に通常配合される成分、例えば、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、高分子成分、保湿剤、抽出液成分、薬効成分、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、pH調整剤、安定化剤、香料等を配合することができる。
【0018】
本発明において、油性成分としては、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、例えば、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン、固型パラフィン等の炭化水素類、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類、牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類、鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類、コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸等のステロール類、サポゲニン類、サポニン類、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイルサルコシンイソプロピル等のアシルサルコシンアルキルエステル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α-ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類、リン脂質・コレステロール複合体、リン脂質・フィトステロール複合体等の脂質複合体、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸メチルヘプチル、ミリスチン酸メチルヘプチル、パルミチン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、クエン酸トリエチル等のモノアルコールカルボン酸エステル類、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、γ-エルカラクトン等のオキシ酸エステル類、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル-10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル-8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等の多価アルコール脂肪酸エステル類、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級アルコール類、ベンジルアルコール等のアラルキルアルコール及び誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の高級脂肪酸類及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム、ナトリウム塩等の金属石けん類、及びアミド等の含窒素誘導体類、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アミノフェニル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類等を挙げることができる。
【0019】
また、本発明において、水溶性多価アルコールとしては、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリグリセリンおよびポリプロパンジオール等を挙げることができる。
【0020】
さらに、本発明において、界面活性剤としては、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、例えば、非イオン界面活性剤としては、モノ脂肪酸ポリグリセリル、ポリ脂肪酸ポリグリセリル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等、両性界面活性成分としては、例えば、2-ウンデシルーN,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミタゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2-ナトリウム塩等の、イミダゾリン系両性界面活性剤、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等、ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、PEG-10ジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、PEG/PPG-19/19ジメチコン、ラウリルPEG/PPG-18/18メチコン、ラウリルPEG-10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン、(セチルジグリセリルトリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン)、PEG-12ジメチコン/PPG-20クロスポリマー、PPG-12ジメチコン、PEG/PPG-20/15ジメチコン、PEG/PPG-20/15ジメチコン等を挙げることができる。
【0021】
さらにまた、本発明において、高分子成分としては、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、プルラン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチンメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
【0022】
また、本発明において、保湿成分として、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、エラスチン、グルコサミン、ヒアルロン酸、シクロデキストリン、コラーゲン、胆汁酸塩等を挙げることができる。
【0023】
さらに、本発明において、抽出液成分として、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、例えば、カミツレエキス、パセリエキス、スイカズラエキス、コメエキス、コメヌカエキス、ホップエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、ユーカリエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス、チンピエキス、ピーカンナッツエキス、グレープフルーツエキス、シークワーサーエキス、パッションフルーツエキス、ビワエキス、ブドウエキス、ローズフルーツエキス、クララエキス、ペパーミントエキス等の各種抽出成分等を挙げることができる。
【0024】
さらにまた、本発明において、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、薬効成分として、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類およびそれらの誘導体、グリチルリチン酸及びの誘導体、グリチルレチン酸及びの誘導体、尿素などの各種塩、クレアチニン、CoQ10、アスタキサンチン、ポリフェノール、セラミド等を挙げることができる。
【0025】
また、本発明において、紫外線吸収剤としては、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジエトキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸ブチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸及びそのナトリウム塩、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシルp-メトキシシンナメート(パラメトキシケイヒ酸オクチル)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート(シノキサート)、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシルα-シアノ-β-フェニルシンナメート(オクトクリン)、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート、フェルラ酸及びその誘導体等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;4-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン誘導体、オクチルトリアゾン;ウロカニン酸及びウロカニン酸エチル等のウロカニン酸誘導体、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等のヒダントイン誘導体、フェニルベンズイミダソゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、アントラニル酸メチル、ルチン及びその誘導体、オリザノール及びその誘導体等を挙げることができる。
【0026】
また、本発明において、紫外線散乱剤としては、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができ、前記酸化チタンや前記酸化亜鉛は、表面処理をされていてもよい。かかる表面処理としては、通常の化粧料の粉体に用いられる表面処理であれば限定されないが、例えば、ジメチコン処理、メチコン/ハイドロゲンジメチコン処理、ジメチコン/ハイドロゲンジメチコン処理、トリエトキシカプリリルシラン処理、ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理、N-ステアロイル-L-グルタミン酸2Na・水酸化Al処理、パルミトイルプロリン、パルミトイルサルコシンNa・パルミトイルグルタミン酸Mg・パルミチン酸処理、セバシン酸イソステアリル・ステアロイルグルタミン酸2Na・水酸化Al処理、ジミリスチン酸Al処理、水添レシチン・トリミリスチン酸・水酸化Al処理、アルギン酸Na処理等を挙げることができる。
【0027】
また、本発明において、pH調整剤としては、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グリコール酸等のヒドロキシ酸類、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸類、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸類、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等を挙げることができる。
【0028】
また、本発明において、安定化剤としては、本発明の効果が得られれば、通常、皮膚外用剤に使用できるものを使用することができ、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、ヒドロキシエタンジホスホン酸、エデト酸及びその塩等の金属封鎖剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、L-システイン塩酸塩等の酸化防止剤、メチルパラベン、エチルパラベン、安息香酸、安息香酸塩、サリチル酸、サリチル酸塩、フェノキシエタノール、水溶性カチオン抗菌剤、エチルヘキシルグリセリン、ビサボロール、ポリ-ε-リシン等の防腐剤等を挙げることができる。
【0029】
また、本発明において、皮膚外用剤の製造方法としては、通常の皮膚外用剤の製造方法で製造することができ、油相成分と水相成分を加熱・混合して製造する方法を用いることができる。
【0030】
本発明の皮膚外用剤は、経皮吸収向上皮膚外用剤、細胞成長促進皮膚外用剤、細胞増殖促進皮膚外用剤、創傷治癒促進皮膚外用剤、抗シワ用皮膚外用剤、髪の光沢向上皮膚外用剤、脱毛抑制皮膚外用剤、毛髪成長皮膚外用剤でもある。
【0031】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下、処方中の数値は質量%を示す。
【実施例0032】
(実験例1)
(皮膚刺激性試験)
OECD TG439(試験管内皮膚刺激性:再構成ヒト表皮(RHE) Test Method、2015)に基づいて、以下の方法で試験した。
【0033】
(試験材料)
以下の材料を使用した。
(1)皮膚モデル:12ウェル再構成ヒト表皮(RHE ,Episkin)、バッチ番号:19ER291021S1
(2)培養条件:37℃、CO 25体積%、相対湿度95%RH
(3)試薬および対照:
陽性対照(以下、「PC」と記す):5質量% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)水溶液
陰性対照(以下、「NC」と記す):超純水
被験物質(以下、「TA」と記す):合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123(原液)
培地:特殊な培地および皮膚モデル用の試験培地
MTT溶液:MTT(3-[4,5―dimethylthiazol―2-yl]―2,5-diphenyltetrazolium bromide)は、DPBS(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水)バッファで3mg/mLまで溶解した。次に、試験培地を使用して体積比1:9で最終濃度0.3mg/mLまで希釈した。
酸性イソプロパノール(0.04M):0.18mL 12M HClの50mL イソプロパノール。2~8℃で1カ月間、光から遮断した。
【0034】
(試験手順)
(1)準備:12ウェル再構成ヒト表皮は、12ウェルのプレートで2mLの事前に温められた培地の新しいウェルへ移し、一夜孵卵器に保管した。
(2)MTT反応:12ウェルプレートで、10μLのTAを、2mL MTT溶液(0.3mg/mL)に追加し、混合し、3時間、培養した。
(3)投与量:10μL TA(NCおよびPCを含む)を、12ウェル再構成ヒト表皮の表面に均等に適用した。15分間、室温に曝した後、TAを、DPBSで濯ぐことにより、12ウェル再構成ヒト表皮から完全に除去した。2mLの事前に温められた培地の新しいウェルへ移し、さらに42時間、培養した。各グループは、3つ並行してセットした。
(4)MTT試験:12ウェル再構成ヒト表皮は、2mLの事前に温められたMTT溶液(0.3mg/mL)の新しいウェルへ入れられ、3時間、孵卵器に保管した。その後、組織は、分離され、500μLの酸性イソプロパノールの2mLチューブに移し、室温の暗室下で一夜保管した。OD値は、200μL溶液を96ウェルのプレートへ追加することにより、の波長で決定した。酸性イソプロパノールは、ブランク対照としてセットした。
【0035】
(試験:分析)
酸性イソプロパノールは、ブランク対照としてセットし、NCの生存率を100%に設定した。次に、TAおよびPCの細胞生存率を下記計算式で計算し、下記評価基準で評価し、結果を下記表1に示す。
計算式
細胞生存率(%)=(OD値TA(またはPC)-OD値Blank)/(OD値NC-OD値Blank)×100
評価基準:
・平均細胞相対生存率(%) >50,UN GHS カテゴリなし
・平均細胞相対生存率(%) ≦50,UN GHS 1/2
【0036】
【表1】
【0037】
OECD TG439-2015基準によると、実験例1の条件下で、試験サンプル「TA(合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123)」は、「テゴリなし」属し(UN GHS分類)し、皮膚刺激性が低いことが確認できた。
【0038】
(実験例2)
(経皮吸収試験)
下記条件で経皮吸収試験を行い、結果を図1に示す。
(1)サンプル調整
1cmのSC(角層)片は、処理後にSCを損傷することなく分離できるようにしながら、接着性(製品の拡散中のSCの移動を回避するため)という利点を持つポリマー支持体上に堆積された。測定直前に合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を蒸留水で0.5質量%に希釈した。得られたSC片の外側を約5mg/cmで処理した。処理したSCの回折パターンの取得は、処理後15分、180分、385分の時点で行った。未処理のコントロールサンプルも分析しました。
回折
l‘ESRFのbeamlineID13
波長:0.9537Å
フルモード
ビームサイズ2.6(h)×1.6(v)mm
サンプル-検出器の距離:132mm
検出器FRELON(ピクセル50×50μm
2μmのステップサイズでの垂直スキャン(サンプルプレイスに垂直)
異なる位置でのサンプルごとの3回のスキャン
ポイントあたりの露出時間:0.1秒
温度:t=22℃、湿度:HR 53%
【0039】
図1は、経皮吸収試験の結果を示す図である。縦軸は、シグナル強度、横軸は波長(オングストローム)を示す。図1の結果から、角質層への浸透率は80~90%までに達し、浸透効果は6時間持続した。
【0040】
(実験例3)
(細胞成長促進および細胞増殖促進能試験)
配合量をふって、細胞成長促進および細胞増殖促進能試験を行い、結果を図2および図3に示す。
【0041】
図2は、細胞成長促進試験の結果を示す図であり、図3は細胞増殖促進能試験の結果を示す図である。図2の縦軸は増殖率(%)、横軸は合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123の配合量(質量%)を示し、図3の縦軸は増殖率(%)、横軸はポリペプチド-123(以下、「合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123」を「ポリペプチド-123」と称すこともある)およびマリンコラーゲン(魚コラーゲン)の配合量(質量%)を示す。図2および図3の結果から、0.001質量%~0.5質量%の範囲で、ヒト表皮細胞および繊維芽細胞の増殖を促進した。また、配合量が多いほど、増殖効果は大きく、効果とコストを考慮すると0.01質量%が最も好ましかった。
【0042】
(実験例4)
(創傷治癒促進能試験)
細胞をスクラッチして創傷治癒促進能試験を行い、結果を図4および図5に示す。
【0043】
図4は、創傷治癒促進能試験の結果を示す写真であり、図5は、創傷治癒促進能試験の結果を示すグラフである。図5の縦軸は傷の距離の減少率(%)を示し、横軸は時間(H)である。図4および図5から、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を有することで創傷治癒促進能が大きくなることがわかった。
【0044】
(実験例5)
(抗シワ試験)
抗シワ試験を行い、結果を図6および図7に示す。
【0045】
図6は、抗シワ試験の結果を示す写真であり、図7は、抗シワ試験の結果を示すグラフである。図7の縦軸は抗シワ試験の改善率(%)を示し、横軸は時間(週:w)である。図6および図7から、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を有することで抗シワ効果が大きくなることがわかった。
【0046】
(実験例6)
(髪の光沢向上試験)
各溶液に30分間浸漬した後、髪の光沢向上試験を行い、結果を図8に示す。
【0047】
図8は、髪の光沢向上試験の結果を示すグラフである。図8の縦軸はL値を示し、横軸は各サンプルであり、図8は各サンプルへの浸漬前後の髪のL値を示す。図8中、「0.001質量%」は「合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を0.001質量%配合した水溶液」、「0.1質量%」は「合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を0.1質量%配合した水溶液」を示す。図8から、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を0.001質量%有することで、髪の光沢向上効果が大きくなることがわかった。
【0048】
(実験例7)
(脱毛抑制効果試験)
脱毛に関するSRD5A1((5α還元酵素I型)、SRD5A2((5α還元酵素II型)、SRD5A3((5α還元酵素III型)の発現抑制効果を測定し、結果を図9図11に示す。
【0049】
図9は、SRD5A1((5α還元酵素I型)の遺伝子発現の結果を示すグラフであり、図10は、SRD5A2((5α還元酵素II型)の遺伝子発現の結果を示すグラフであり、図11は、SRD5A3((5α還元酵素III型)の遺伝子発現の結果を示すグラフである。図9図11の縦軸は各遺伝子の発現量を示し、横軸は合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123の配合量(質量%)を示す。図9図11から、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を有することで、脱毛抑制効果向上効果が大きくなることがわかった。
【0050】
(実験例8)
(毛髪成長効果試験)
7日間の毛髪成長効果試験を行い、結果を図12および図13に示す。
【0051】
図12は、7日間の毛髪成長効果試験の結果を示すグラフであり、図13は、7日間の毛髪成長効果試験の結果を示す写真である。図12の縦軸は髪の成長度合い(Hair growth(fold change))を示し、横軸は合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123(Biollagen)の配合量(質量%)、EGF(上皮成長因子)およびコントロール(control)を示す。また、図13では、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123(Biollagen)の配合量(質量%)の異なるサンプル、EGF(上皮成長因子)およびコントロール(control)を示し、「BASAL」は処理前の毛髪、「D7」は7日後の毛髪を示す。図12および図13から、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を有することで、毛髪成長効果が大きくなることがわかった。
【0052】
(実施例1~実施例8および比較例1)
下記表2および下記表3の処方に従って、実施例1~実施例8および比較例1の皮膚外用剤を作製した。なお、処方中の数値は質量%を示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
実施例1~実施例8の皮膚外用剤は、皮膚刺激を抑えることができた。一方、比較例1の皮膚外用剤は、合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-123を配合していないため皮膚刺激を抑えることができなかった。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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図11
図12
図13