(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117435
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】貫入ロッド連結解除器具
(51)【国際特許分類】
E02D 1/02 20060101AFI20230817BHJP
G01N 3/40 20060101ALN20230817BHJP
【FI】
E02D1/02
G01N3/40 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020014
(22)【出願日】2022-02-11
(71)【出願人】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】白波瀬 雅史
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043AA03
2D043AB04
2D043AC01
2D043BA01
2D043BB02
2D043BC01
(57)【要約】
【課題】貫入試験機に使用するロッドを簡単に切り離すことができる貫入ロッド連結解除器具を提供する。
【解決手段】
モータ6の駆動に伴って貫入ロッド4を回転自在に保持可能なチャック5を備え、延長用ロッド104aをねじ連結により順次継ぎ足して延長しながら地中に回転貫入するように構成された貫入試験機に利用される貫入ロッド連結解除器具100であって、継ぎ足された延長用ロッドを保持可能な器具本体110と、貫入試験機1に固定し、器具本体の回転を規制する固定手段120とを備え、チャックのモータを駆動して貫入ロッドを回転させることにより、これらロッドのねじ連結を解除するように構成されている貫入ロッド連結解除器具による。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの駆動に伴って貫入ロッドを回転自在に保持可能なチャックを備え、延長用ロッドをねじ連結により順次継ぎ足して延長しながら地中に回転貫入するように構成された貫入試験機に利用される貫入ロッド連結解除器具であって、
継ぎ足された延長用ロッドを保持可能な器具本体と、
貫入試験機に固定し、器具本体の回転を規制する固定手段と、
を備え、
チャックのモータを駆動して貫入ロッドを回転させることにより、これらロッドのねじ連結を解除するように構成されていること、
を特徴とする貫入ロッド連結解除器具。
【請求項2】
器具本体は、
延長用ロッドが挿通可能な内孔を有する中空のチャック軸と、
チャック軸に沿って往復移動可能かつ常時チャック軸端側に付勢されたスリーブと、
スリーブのチャック軸端側への移動を規制するスリーブ押さえと、
前記チャック軸に配置されて常時前記スリーブによりチャック軸の内孔に突出した状態に支持される鋼球と、
を備え、
延長用ロッドの両端部の外周面に形成された係合溝に前記鋼球を嵌合させる一方、前記スリーブを押し下げることにより係合溝と鋼球との嵌合を解くことで、延長用ロッドに対して着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の貫入ロッド連結解除器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドの先端に貫入体を備える貫入ロッドに、ロッドを順次継ぎ足しながら地中へ貫入体を貫入させる貫入試験で使用されるロッドの連結を解除するための貫入ロッド連結解除器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、貫入試験機の一例としては、特許文献1に示すものがある。この貫入試験機は、貫入試験の一例であるスウェーデン式サウンディング試験を行うためのものであり、ロッドの先端に貫入体の一例であるスクリューポイントを備えて成る貫入ロッドを地中に回転貫入するように構成されている。貫入ロッドは、モータの駆動によって昇降可能な昇降台に設けたチャックに係合保持されており、昇降台の下降に伴って先端のスクリューポイントが地中へ貫入する。昇降台が最下点に到達すると、作業者は、ロッドの後端に次のロッドをねじ連結により継ぎ足す。そして、貫入ロッドとチャックの係合を解き、昇降台を上昇させ、チャックに継ぎ足されたロッドを係合保持した状態で再び昇降台を下降させることにより、スクリューポイントをさらに深い深度まで貫入させる。このようなロッドの連結作業を繰り返しながら、スクリューポイントは、所定の深度まで貫入させられる。
【0003】
試験終了後には、貫入ロッドとチャックを係合した状態で昇降台を上昇させることによりロッドを地中から引き抜き、作業者がロッドの連結を解除する。ロッドの連結部分は、ねじによって硬く結びついているため、作業者はパイプレンチを用いて連結を解除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、パイプレンチの取り扱いは初心者には難しく、熟練の必要な作業である。このように、ロッドの連結解除作業は、作業性に問題を抱えていた。
【0006】
本発明は、貫入試験機に使用するロッドを簡単に切り離すことができる貫入ロッド連結解除器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、モータの駆動に伴って貫入ロッドを回転自在に保持可能なチャックを備え、延長用ロッドをねじ連結により順次継ぎ足して延長しながら地中に回転貫入するように構成された貫入試験機に利用される貫入ロッド連結解除器具であって、継ぎ足された延長用ロッドを保持可能な器具本体と、貫入試験機に固定し、器具本体の回転を規制する固定手段とを備え、チャックのモータを駆動して貫入ロッドを回転させることにより、これらロッドのねじ連結を解除するように構成されている貫入ロッド連結解除器具によって解決できる。
【0008】
前記器具本体は、延長用ロッドが挿通可能な内孔を有する中空のチャック軸と、チャック軸に沿って往復移動可能かつ常時チャック軸端側に付勢されたスリーブと、スリーブのチャック軸端側への移動を規制するスリーブ押さえと、前記チャック軸に配置されて常時前記スリーブによりチャック軸の内孔に突出した状態に支持される鋼球とを備え、延長用ロッドの両端部の外周面に形成された係合溝に前記鋼球を嵌合させる一方、前記スリーブを押し下げることにより係合溝と鋼球との嵌合を解くことで、延長用ロッドに対して着脱自在に構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の貫入ロッド連結解除器具は、貫入試験機に装着するだけで、作業者が直接手を下すこと無く、簡単に貫入ロッドの連結を解除できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】自動貫入試験機のチャックの構成を示す要部拡大一部切欠断面図である。
【
図6】本発明の貫入ロッド連結解除器具の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本発明の貫入ロッド連結解除器具100が用いられる貫入試験機を図面に基づいて説明する。
図1において、1は自動貫入試験機であり、支柱2に沿って昇降可能な昇降台3を有している。この昇降台3には、所定重量の錘3aと、回転用モータ6と、この回転用モータ6の駆動を受けて回転可能なチャック5と、このチャック5に保持されて一体に回転可能な貫入ロッド4と、昇降台3を昇降操作させるための昇降用モータ8とが載荷されている。
【0012】
貫入ロッド4は、ロッド4aと、その先端(下端)に接続されるスクリューポイント4bとから構成されている。ロッド4aは、上端外周を3等分する位置に3個の係合溝4cを有しており、下端にもその外周を3等分する位置に3個の係合溝4dを有している。
【0013】
図2に示すように、前記昇降台3は、支柱2に沿って垂直に配された案内チェーン2aに沿って回転するスプロケット7を有し、このスプロケット7が案内チェーン2aに沿って回転することで昇降するように構成されている。この昇降台3および昇降台3に載荷された前述の総重量により、前記貫入ロッド4には1KNの荷重が負荷できるように構成されている。
【0014】
図3に示すように、前記スプロケット7は、遊星歯車機構11を介して伝達軸12と一体に回転するように連結されている。また、前記昇降用モータ8の正逆転可能な駆動軸8aの先端には駆動歯車13が一体に回転するように取付けられている。さらに、この駆動歯車13には、中間歯車14および伝達歯車15が順に噛合しており、当該昇降用モータ8の駆動を伝達軸12に伝達するように構成されている。
【0015】
また、前記伝達歯車15は、中空の円柱を成し、その外周面に外歯を備える構成である。そして、この伝達歯車15の内部には、一方向クラッチ16が当該伝達歯車15と一体に回転するよう圧入されるとともに、伝達軸12に回転自在に支持されている。この第1の一方向クラッチ16により、昇降台3が上昇しようとする方向にスプロケット7を回転させるよう昇降用モータ8が駆動(便宜上、この駆動を正転駆動とする)したとき、昇降用モータ8の駆動が伝達されるように構成されている。この構成により、(昇降台の総重力に基づく荷重)-(昇降用モータ8の出力トルクに応じた上昇力)で決定される荷重が試験荷重として貫入ロッド4に負荷される。
【0016】
一方、これとは逆に昇降用モータ8が駆動(便宜上、この駆動を逆転駆動とする)すると、一方向クラッチ16は空転する。これにより、昇降用モータ8の駆動が伝達軸12に伝達されない状態を創出でき、貫入ロッド4には昇降台の質量に基づく1KN(最大試験荷重)を負荷することができる。
【0017】
また、前記伝達軸12には、ロータリエンコーダ17が取付けられており、スプロケット7の回転に伴うパルス信号を出力する。そして、詳細を後述する制御ユニット50が当該パルス信号を処理し、昇降台3の昇降量、昇降速度に基づき貫入ロッド4の貫入量、貫入速度等を演算する。
【0018】
また、前記昇降用モータ8は、インダクションモータであり、インバータ制御部53によって駆動制御される。この昇降用モータ8の駆動軸8aの後端には、主動プーリ18が一体に回転可能に取付けられている。この主動プーリ18から所定の間隔をおいた位置には従動プーリ19が配置されており、これらプーリ18,19には無端ベルト20が巻き掛けられている。そして、従動プーリ19には、昇降用モータ8の加速度検出手段として、ロータリエンコーダ21が取付けられており、昇降用モータ8の駆動軸8aの回転に伴うパルス信号を検出するように構成されている。このロータリエンコーダ21によるパルス信号は、昇降用モータ8のインバータ制御部53および演算処理部51へ送られる。
【0019】
なお、インダクションモータに代えてACサーボモータを用いてこれに準じた駆動制御部を備える構成であっても同等の機能を実現することができる。
【0020】
図4に示すように、前記チャック5は、軸受45,46,47,48によって回転自在に支持された中空のチャック軸31と、このチャック軸31にマシンキー(図示せず)を介して挿入されるフランジ型のスリーブ32とから構成されている。このスリーブ32は、ばね33によって上方へ常時付勢されており、チャック軸31の外周面を摺動しながら移動可能に構成されている。一方、円周方向へはチャック軸31と一体に回転するように構成されている。また、チャック軸31にはその外周を3等分する位置に鋼球34を収納可能な収納孔が穿設されている。この鋼球34が貫入ロッド4の係合溝4cに嵌合し、貫入ロッド4を保持する。また、スリーブ32の上部の内径はチャック軸31の内径より大径に形成されており、スリーブ32をばね33の付勢に逆らって手動で押下げると、鋼球34が貫入ロッド4の係合溝4cから外れる。さらに、この状態でスリーブ32とともにチャック軸31を回転し、鋼球34を貫入ロッド4の係合溝4cが形成されていない位置まで移動させると、スリーブ32から手を離しても貫入ロッド4とチャック軸31との係合が解かれた状態となる。
【0021】
前記チャック軸31には、環状の押さえ部材32aが挿入され、当該チャック軸31に固定されている。この押さえ部材32aは、前記スリーブ32と同一の内径に成形されており、スリーブ32を上方から押さえて抜け止めするように構成されている。また、押さえ部材32aは、チャック軸31の上端から突出するように配置されており、その理由は後述する。
【0022】
また、前記昇降台3には回転用モータ6が載荷されている。回転用モータ6は、インダクションモータであり、インバータ制御部54によって駆動制御される。この回転用モータ6の駆動軸6aには、一方向クラッチ35を介して主動スプロケット36が取付けられている。さらに、チャック軸31の下端には従動スプロケット37が取付けられており、これらスプロケット36,37に無端チェーン38を巻き掛けて回転用モータ6の回転駆動をチャック軸31へ伝達できるように構成されている。
【0023】
ここで、前記貫入ロッド4先端のスクリューポイント4bは、日本工業規格A1221に示されるように、長さ200mmに対して1回の捻りが加えられたドリル形状を成すものである。したがって、前記一方向クラッチ35は、スクリューポイント4bの捻りに合わせて貫入ロッド4を地中にねじ込む方向に回転用モータ6が駆動(以下、便宜上、この駆動を正転駆動とする)しときにはその駆動を主動スプロケット35に伝達する。一方、これとは逆方向に回転用モータ6が駆動(以下、便宜上、この駆動を逆転駆動とする)したときには空転するので、駆動を貫入ロッド4へ伝達しないように構成されている。
【0024】
また、前記チャック軸31には荷重センサの一例としてワッシャ型ロードセル39が挿入されている。このワッシャ型ロードセル39は、
図5に示すように、センサ本体40の下面に円周方向に対して等間隔に成形される受圧部41と、センサ本体40の上面に円周方向に対して等間隔に成形される支持部42と、センサ本体40に貼付けられる歪みゲージ43とから構成されている。この構成により、貫入ロッド4に実際にかかるスラスト荷重がチャック軸31を支持するアンギュラ玉軸受45,46および円筒ころ軸受47を介して受圧部41へ伝達され、これに応じて支持部42が受圧板44に対して支点となりセンサ本体40に歪みが生じる。この歪みを歪みゲージ43が検出することにより、貫入ロッド4にかかる荷重を精度良く検出できる。
【0025】
図2に示すように、本発明の自動貫入試験機1の作動および荷重制御を行う制御ユニット50は、演算処理部51と、昇降用モータ8を駆動制御するインバータ制御部53と、回転用モータを駆動制御するインバータ制御部54と、記憶部55と、入力部56とを備えている。
【0026】
前記記憶部55には、試験荷重に対応するトルク指令値が記憶されており、所定の試験荷重設定時に演算処理部51が当該トルク指令値を選択する。そして、このトルク指令値をインバータ制御部53に出力し、昇降用モータ8が当該トルク指令値に応じた上昇力を発揮することにより、貫入ロッド4に所定の試験荷重をかけるように構成されている。
【0027】
前記インバータ制御部53は、前記演算処理部51から出力されるトルク指令値で昇降用モータ8が駆動するよう当該昇降用モータ8を駆動制御する。具体的には、インバータ制御部53は、ロータリエンコーダ21のパルス信号に基づくベクトル制御により、昇降用モータ8の回転数および出力トルクを制御する。
【0028】
前記演算処理部51は、前記昇降用モータ8のロータリエンコーダ21によるパルス信号に基づいて昇降用モータ8の駆動軸8aの回転加速度を演算する。
【0029】
続いて、上記自動貫入試験機1の動作を説明する。自動貫入試験機1では、スウェーデン式サウンディング試験に準じて、貫入ロッド4に負荷される荷重が、50N,150N,250N,500N,750N,1KNの6段階の値に設定されている。例えば、250N荷重で貫入速度が遅くなった場合には、貫入ロッド4にかけられる荷重を増加する。一方、貫入速度が速くなった場合には、貫入ロッド4にかけられる荷重を減少する。このように、貫入段階で貫入速度が遅くなるごとに500N、750N、1KNの順に荷重が増すよう指令値が変更される。そして1KNの荷重がかけられた状態で、かつ貫入速度が遅くなった時には、回転用モータ6が駆動してチャック5と貫入ロッド4を一体に回転させ、荷重を負荷した状態で回転貫入が行われる。
【0030】
また、貫入試験中、昇降台3が地表に到達し、貫入ロッド4の全長が地中に貫入すると貫入ロッド4の後端に延長用ロッド104aを継ぎ足す。
【0031】
延長用ロッド104aは、貫入ロッド4のロッド4aと同様の構成を成している。また、貫入ロッド4のロッド4aおよび延長用ロッド104aは、いずれも先端には雌ねじ部が形成されており、後端には雄ねじ部が形成されている。この構成により、貫入ロッド4の後端の雄ねじ部に、延長用ロッド104aの雌ねじ部を螺合する。そして、貫入ロッド4とチャック5の係合を解き、昇降台3を上昇させ、チャック5の鋼球34を延長用ロッドの係合溝104cに嵌合させることにより延長が完了する。再び昇降台3を下降させることにより、スクリューポイント4bをさらに深い深度まで貫入させる。このようなロッドの連結作業を繰り返しながら、スクリューポイント4bは、所定の深度まで貫入させられる。
【0032】
試験終了後には、延長用ロッド104aとチャック5を係合させた状態で、昇降台3を上昇させることにより、延長用ロッド104aを地中から引き抜く。そして、延長用ロッド104aとチャック5の係合を解き、昇降台3を下側の貫入ロッド4の位置するところまで下降させ、当該貫入ロッド4のロッド4aの係合溝4c(あるいは延長用ロッド104aの係合溝104c)にチャック5の鋼球34を嵌合させる。ここで、本発明の貫入ロッド連結解除器具100を上側の延長用ロッド104aに装着する。
【0033】
本発明の貫入ロッド連結解除器具100は、
図6に示すように、器具本体110と、この器具本体110を前記自動貫入試験機1に固定するための固定手段120とから構成される。
【0034】
器具本体110は、前記チャック5と同様の構成をしており、延長用ロッド104aを挿通可能な貫通孔を有する中空のチャック軸131と、このチャック軸131に外装されるスリーブ132とから構成されている。このスリーブ132は、ばね133によって上方へ常時付勢されており、チャック軸131の外周面を摺動しながら移動可能に構成されている。一方、円周方向へはチャック軸131と一体に回転するように構成されている。
【0035】
また、器具本体110のチャック軸131にはその外周を3等分する位置に鋼球134を収納可能な収納孔が穿設されている。この鋼球134が延長用ロッド104aの下端外周面に形成された係合溝104dと嵌合し、延長用ロッド104aを保持する。また、スリーブ132の上部の内径はチャック軸131の内径より大径に形成されており、スリーブ132をばね133の付勢に逆らって手動で押下げると、鋼球134が延長用ロッド104aの係合溝104dから外れるように構成されている。
【0036】
固定手段120は、器具本体110の下部に連結されるブロック部材であり、器具本体110のチャック軸131の貫通孔に連通する連通孔121を有している。また、固定手段120は、昇降台3に設けられたフレーム101に嵌合可能な保持溝122を有している。なお、便宜上、フレーム101は、
図6以外の図面には図示していない。
【0037】
また、固定手段120は、連通孔121の開口部にインロー部123を有しており、チャック軸31の上端に位置決め可能に構成されている。
【0038】
上記貫入ロッド連結解除器具1の使用方法としては、上述したように、貫入試験終了後の自動貫入試験機1による所定の引き抜き動作をした後に、上側の延長用ロッド104aの係合溝104dに貫入ロッド連結解除器具100の器具本体110を装着するとともに、昇降台3のフレーム101に固定手段120を固定する。
【0039】
この状態で、回転用モータ6を駆動してチャック5を回転することにより、下側の貫入ロッド4が回転する。一方、上側の延長用ロッド104aは、貫入ロッド連結解除器具100によって回転方向が固定されているので、これらロッドを接続しているねじ部の螺合が解かれる。
【0040】
螺合が解かれた後に、スリーブ132をばね133の付勢に逆らって手動で押下げると、鋼球134が延長用ロッド104aの係合溝104dから外れるので、この状態で延長用ロッド104aを手動で回転し、延長用ロッド104aの係合溝104dを鋼球134の無い位置まで回転移動させると、スリーブ132から手を離しても延長用ロッド104aとチャック軸131との係合が解かれた状態となり、延長用ロッド104aを器具本体から取り外することができる。貫入ロッド連結解除器具1を自動貫入試験機1から取り外し、再度、自動貫入試験機1による所定の引き抜き動作を繰り返し、都度貫入ロッド連結解除器具100を用いることにより、順次延長用ロッド104aの連結を解除することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 自動貫入試験機
2 支柱
2a 案内チェーン
3 昇降台
3a 錘
4 貫入ロッド
4b スクリューポイント
4c 係合溝
5 チャック
6 回転用モータ
6a 駆動軸
8 昇降用モータ
8a 駆動軸
11 遊星歯車機構
12 伝達軸
13 駆動歯車
14 中間歯車
15 伝達歯車
16 一方向クラッチ
17 ロータリエンコーダ
18 主動プーリ
19 従動プーリ
20 無端ベルト
21 ロータリエンコーダ
31 チャック軸
32 スリーブ
32a 押さえ部材
33 ばね
34 鋼球
35 一方向クラッチ
36 主動スプロケット
37 従動スプロケット
38 無端チェーン
39 ワッシャ型ロードセル
40 ロードセル本体
41 受圧部
42 支持部
43 歪みゲージ
44 受圧板
45,46 アンギュラ玉軸受
47,48 円筒ころ軸受
50 制御ユニット
51 演算処理部
53 インバータ制御部
54 インバータ制御部
55 記憶部
56 入力部
100 貫入ロッド連結解除器具
101 フレーム
104a 延長用ロッド
104c、104d 係合溝
110 器具本体
120 固定手段
121 連通孔
122 保持溝
123 インロー部
131 チャック軸
132 スリーブ
133 ばね
134 鋼球