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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117538
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】工具スタンド
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20230817BHJP
   B23Q 3/155 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
B23Q11/00 F
B23Q3/155 F
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020152
(22)【出願日】2022-02-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 剛大
【テーマコード(参考)】
3C002
【Fターム(参考)】
3C002BB08
3C002CC08
3C002LL01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】工具マガジンに出し入れされる工具の工具情報の管理に伴う作業を簡単にする工具スタンドを提供する。
【解決手段】工具スタンド200bは、工具を置くことができる第1工具ホルダ262と、工具を置くことができる第2工具ホルダ272と、第1工具ホルダ262または第2工具ホルダ272に置かれた工具の工具情報を読出す命令を受け付ける受付部と、(i)第1工具ホルダ262に置かれた第1工具の第1工具情報を読み取った場合に、工具情報を記憶している記憶部に第1工具情報を送信し、(ii)第2工具ホルダ272に置かれた第2工具の第2工具情報を読み取った場合に、第2工具情報を削除するための命令を送信する送信部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具を置くことができる第1工具ホルダと、
工具を置くことができる第2工具ホルダと、
前記第1工具ホルダまたは前記第2工具ホルダに置かれた工具の工具情報を読出す命令を受け付ける受付部と、
(i)前記第1工具ホルダに置かれた第1工具の第1工具情報を読み取った場合に、工具情報を記憶している記憶部に前記第1工具情報を送信し、(ii)前記第2工具ホルダに置かれた第2工具の第2工具情報を読み取った場合に、前記第2工具情報を削除するための命令を送信する送信部と、を備える、工具スタンド。
【請求項2】
工具マガジンに追加される工具を置くことができる工具ホルダと、
前記工具マガジンのポットの呼び出し命令を受け付ける受付部と、
前記追加される工具から工具情報を読み取るリーダと、
前記工具情報を含む前記呼び出し命令を送信する送信部と、を備え、
前記受付部が登録命令を受け付けた場合に、前記送信部は、前記工具マガジンの収容工具の工具情報を記憶している記憶部に、前記追加される工具の前記工具情報を送信し、
呼び出されたポットは、前記追加される工具を収容可能である、工具スタンド。
【請求項3】
工具マガジンのポットの呼び出し命令を受け付ける受付部と、
前記呼び出し命令を送信する送信部と、
呼び出されたポットから取り外された工具を置くことができる工具ホルダと、
前記工具から工具情報を読み取るリーダと、を備え、
前記受付部が削除命令を受け付けた場合に、前記送信部は、前記工具情報を削除するための命令を送信する、工具スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工作機械用の工具の工具情報を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械の工具マガジンには、多数の工具が収容される。たとえば200本程度の工具が収容されることもある。これらの工具に関する工具情報が、工作機械の操作盤で管理されている。
【0003】
工具マガジンに収容されている工具は、工具交換装置によって工作機械の加工部に取り付けられ使用される。繰り返して使用された工具は摩耗し、ときに破損することもある。そのため工具の保守として、トラブルが生じないように未然に、あるいはトラブルを解消するために事後的に工具マガジンに収容されている工具を新しい工具に交換する必要がある。つまり、作業員は使用済みの工具を工具マガジンから取り外して、新しい工具と交換する。
【0004】
このように工具を交換する場合には、工作機械の操作盤で管理されている使用済みの工具の工具情報を削除して、新しい工具の工具情報を登録する作業が必要になる。このような工具の入れ替えに伴う工具情報の更新を作業員の手入力で行うことは面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭59-118319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、「ツールの種類、および番号を、バーコードに記載したラベルを作成し、それをツールホルダに貼り付けておき、使用者がツールを装填する時、そのラベルに記載されているバーコードを、バーコードリーダを用いて計算機へ入力すると共に、ツールを装填するマガジン番号を計算機で自動的に設定するようにした」(2頁目の右上欄)技術が開示されている。この技術によれば、工具マガジンに追加する工具の工具情報を自動的に入力することができる。
【0007】
特許文献1の第1図には、バーコードリーダ6と接続するバーコードスキャナ7が示されている。この図によれば、バーコードスキャナ7は、螺旋ケーブルによってバーコードリーダ6と連結しているように見える。また、3頁目の左下欄には、「107:ツールホルダ(第4図の41)に貼りつけられているラベル31のバーコードをバーコードスキャナ7でスキャンし、計算機1へ入力する。」と記載されているものの、「ツール」つまり工具をどこに置くかについては触れられていない。そのため、工具台車などの仮置き場を作業員が用意し、そこに工具を仮置きして、作業員が「バーコードスキャナ7」を手に持って、置かれた工具のバーコードに近づける作業が必要になると推測される。
【0008】
このように仮置き場を用意して、工具を仮置きして、手持ちの「バーコードスキャナ7」を工具に近づけてバーコードを読み取らせるという作業は、煩雑である。また、使用済みの工具と新しい工具を交換する場合については、言及されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、請求項に記載の装置等を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、工具マガジンに出し入れされる工具の工具情報の管理に伴う作業を簡単にする工具スタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(A)は、工具スタンドを用いた工具情報の登録の概要を示す図である。図1(B)は、工具スタンドを用いた工具情報の削除の概要を示す図である。
図2】2ホルダ型の工具スタンド200bの上面図である。
図3】工具スタンド200と工作機械300の外観図である。
図4】工具スタンド200bと工作機械300のブロック図である。
図5】1ホルダ型の工具スタンドを用いて工具を取り付けるとき(工具追加)の作業及び動作のフローチャートである。
図6】1ホルダ型の工具スタンドを用いて工具を交換するとき(工具交換)の作業及び動作のフローチャートである。
図7】1ホルダ型の工具スタンドを用いて工具を交換するとき(工具交換)の作業及び動作のフローチャートである。
図8】1ホルダ型の工具スタンドを用いて工具を取り外すとき(工具除外)の作業及び動作のフローチャートである。
図9】2ホルダ型の工具スタンドを用いて工具を取り付けるとき(工具追加)の作業及び動作のフローチャートである。
図10】2ホルダ型の工具スタンドを用いて工具を交換するとき(工具交換)の作業及び動作のフローチャートである。
図11】2ホルダ型の工具スタンドを用いて工具を交換するとき(工具交換)の作業及び動作のフローチャートである。
図12】2ホルダ型の工具スタンドを用いて工具を取り外すとき(工具除外)の作業及び動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1(A)は、工具スタンド200aを用いた工具情報の登録の概要を示す図である。
図の中央に工具スタンド200aを示す。工具スタンド200aは、工具を置くことができる工具ホルダ202を有する。図示するように工具ホルダ202で、工具スタンド200aの上面に円形穴が形成されている。ここでは、参考例として、1ホルダ型の工具スタンド200aを用いて説明する。なお、本実施形態に係る2ホルダ型の工具スタンド200bについては、図2を用いて後述する。
【0013】
図の左側に工具100を示す。図示した向きで、工具100の上方には、ワークを削る刃部112があり、工具100の下方には、工作機械の取付部に取り付けられるシャンク110がある。工作機械の取付部とは、たとえばマシニングセンタの主軸やマシニングセンタのタレットなどである。
【0014】
また、工具100には、IC(Integrated Circuit)タグ120が付されている。ICタグ120は、その工具100に関する工具情報が記憶されている半導体メモリを有しており、外部のタグリーダからの電波に応答して工具情報を送信する。工具情報は、たとえば、工具ID、工具番号、寿命設定値、工具名、工具形状(長さと径)およびATC(Automatic Tool Changer)速度などである。ICタグ120は、RFID(Radio frequency identification)タグの一種である。
【0015】
作業員は、工作機械の工具マガジンに工具100を追加しようとするとき、追加する工具100を工具ホルダ202にセットする。具体的には、工具ホルダ202の円形穴にシャンク110を挿入するように工具100が置かれる。工具ホルダ202は、工具100の軸が垂直になるように工具100を支えて保持する。そして、作業員は、工具スタンド200aの手前側にある登録ボタン214を押す。登録ボタン214を設ける位置は、手前側に限らず任意である。
【0016】
工具ホルダ202の奥側には、工具タグリーダ204が設けられている。登録ボタン214が押されると、工具タグリーダ204は工具ホルダ202に置かれている工具100のICタグ120から工具情報を読み取る。そして、工具スタンド200aは、読み取られた工具情報を含む登録命令を工作機械300の工作機械操作盤500(図3参照)へ送信する。工具タグリーダ204の位置は、奥側に限らず任意である。
【0017】
工作機械操作盤500は、工具マガジンに収容されている工具の工具情報を記憶する工具情報記憶部504を有している。工作機械操作盤500は、工具スタンド200aから受信した登録命令に含まれる工具情報を工具情報記憶部504に登録する。
【0018】
このように、追加される工具100の工具情報が自動的に工作機械操作盤500の工具情報記憶部504に登録されるので、作業員が工作機械操作盤500において工具情報を入力する作業が不要になる。
【0019】
図1(B)は、工具スタンド200aを用いた工具情報の削除の概要を示す図である。
作業員は、工作機械の工具マガジンから工具100を取り外したとき、取り外した工具100を工具ホルダ202にセットする。そして、作業員は、工具スタンド200aの手前側にある削除ボタン216を押す。削除ボタン216を設ける位置は、手前側に限らず任意である。
【0020】
削除ボタン216が押されると、工具タグリーダ204は工具ホルダ202に置かれている工具100のICタグ120から工具情報を読み取る。そして、工具スタンド200aは、読み取られた工具情報を含む削除命令を工作機械300の工作機械操作盤500(図3参照)へ送信する。
【0021】
工作機械操作盤500は、工具スタンド200aから受信した削除命令に含まれる工具情報と同じ工具情報を工具情報記憶部504から削除する。
【0022】
このように、取り外された工具100の工具情報が自動的に工作機械操作盤500の工具情報記憶部504から削除されるので、作業員が工作機械操作盤500において工具情報を削除する作業が不要になる。
【0023】
ただし、1ホルダ型の工具スタンド200aの場合、工具マガジンに収容されている工具100を別の工具100と入れ替える場合に、取り出された工具100と新に収容させる工具100の両方を同時に置くことができないため、作業を行いにくい面がある。
【0024】
図2は、2ホルダ型の工具スタンド200bの上面図である。
本実施形態に係る工具スタンド200bは、2つのホルダを有する。第1工具ホルダ262には、追加される工具100がセットされる。第2工具ホルダ272には、取り外された工具100がセットされる。したがって、追加される工具100と取り外された工具100とを同時に置くことができる。このように、工具スタンド200bは、工具100を置くことができる第1工具ホルダ262と、工具100を置くことができる第2工具ホルダとを有する。
【0025】
第1工具ホルダ262の奥側には、第1工具タグリーダ264が設けられている。第1工具タグリーダ264は、第1工具ホルダ262に置かれている工具100のICタグ120から工具情報を読み取る。また、第2工具ホルダ272の奥側には、第2工具タグリーダ274が設けられている。第2工具タグリーダ274は、第2工具ホルダ272に置かれている工具100のICタグ120から工具情報を読み取る。
【0026】
2ホルダ型の工具スタンド200bの手前側には、呼び出しボタン212、登録ボタン214、削除ボタン216およびリセットボタン218が設けられている。各ボタンを設ける位置は、手前側に限らず任意である。
呼び出しボタン212は、工具マガジンのポットを呼び出す命令(以下、「ポット呼び出し命令」という)を受け付ける。登録ボタン214は、工具情報を登録する命令(以下、「登録命令」という)を受け付ける。削除ボタン216は、工具情報を削除する命令(以下、「削除命令」という)を受け付ける。リセットボタン218は、工具スタンド200bの状態をリセットする命令を受け付ける。マガジン操作盤400の動作中にエラーが発生した場合には、ボタンが点滅する。この状態で、作業員が、リセットボタン218を押すとボタンの点滅が終了する。2ホルダ型の工具スタンド200bの動作の詳細については、後述する。
【0027】
図3は、工具スタンド200と工作機械300の外観図である。
工作機械300は、たとえばターニングセンタ、マシニングセンタあるいは複合加工機などである。工作機械300の扉の奥には、ワークを加工するための加工部302が設置された加工室302がある。工作機械300の側面には、工作機械操作盤500が設置されている。
【0028】
工作機械300は、工具マガジン306を備えている。この例で、工具マガジン306は加工室の左側にある。工具マガジン306側の側面には、マガジン操作盤400が設置されている。
【0029】
工具スタンド200bは、工具マガジン306の脇などに置かれている。ただし、工具スタンド200を工作機械300と一体としてもよい。
【0030】
図4は、工具スタンド200bと工作機械300のブロック図である。
工作機械300は、加工部302、NC(Numerical Control)制御部304、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)320、工具マガジン306、工具交換装置308、工作機械操作盤500およびマガジン操作盤400を有する。
【0031】
NC制御部304は、数値制御の標準仕様に従うプログラムによって加工部302のサーボモータなどの制御を行う。このプログラムを、NCプログラムという。NCプログラムには、加工部302および工具マガジン306などに所定機能を実行させるNC指令が記述されている。
【0032】
PLC320は、たとえば工具交換装置308による工具交換や加工室内のクーラント放出の制御などを行う。本実施形態におけるPLC320は、工具スタンド200bから工作機械操作盤500へ送られる種々の命令を中継する処理を行う。ただし、工具スタンド200bから工作機械操作盤500へ直接的に種々の命令を伝送するようにしてもよい。命令伝送の詳細については、後述する。
【0033】
工作機械操作盤500は、マガジン定義情報記憶部502、工具情報記憶部504、受付部510、表示部520、送信部530、受信部532および制御部540を有する。
マガジン定義情報記憶部502は、マガジン定義情報を記憶する。マガジン定義情報には、ポット毎に隣接するポットの情報やポットに収容可能な工具の最大径および最大長などが定義されている。
【0034】
工具情報記憶部504は、工具マガジン306に収容されている各工具100に関する工具情報をポット番号に対応付けて記憶する。工具情報は、上述のように、たとえば工具ID、工具番号、寿命設定値、工具名、工具形状(長さと径)およびATC速度などである。
工具IDは、工具の個体を識別する情報である。つまり、同じ型の工具であっても、個体毎に異なるIDが割り当てられる。工具番号も、工具の個体毎に異なる。工具番号の用途は、運用次第で自由である。たとえば、NCプログラムで工具を指定する場合に工具番号が使用されるようにしてもよい。工具名は、工具の型によって異なる。つまり、工具名は、工具の型を識別する情報である。工具名が同じ複数の工具は、同じ型の工具であり、同じ用途のために交換可能である。たとえば、使用済みの工具を同じ型の工具と入れ替える場合、新しい工具は、使用済みの工具と工具名が同じであるが、工具IDと工具番号は異なる。寿命設定値は、保守のために工具を交換するタイミングの判定条件として参照される。なお、空ポットの場合には、ポット番号に対応する工具情報はなく、工具なしの旨が記憶される。
【0035】
受付部510は、ユーザ操作(各種命令など)を受け付ける。表示部520は、各種情報を表示する。送信部530は、マガジン操作盤400、工具スタンド200およびPLC320などへ各種情報を送信する。受信部532は、マガジン操作盤400、工具スタンド200およびPLC320などから各種情報を受信する。制御部540は、各種制御を行う。
【0036】
マガジン操作盤400は、受付部410、表示部420、送信部430、受信部432および制御部440を有する。
受付部410は、ユーザ操作(各種命令など)を受け付ける。表示部420は、各種情報を表示する。送信部430は、工作機械操作盤500、工具スタンド200およびPLC320などへ各種情報を送信する。受信部432は、工作機械操作盤500、工具スタンド200およびPLC320などから各種情報を受信する。制御部440は、各種制御を行う。
【0037】
工具スタンド200は、工作機械300に接続しており、工作機械300と通信可能である。工具スタンド200は、受付部210、送信部230、受信部232および制御部240を有する。
受付部210は、ユーザ操作(各種命令など)を受け付ける。送信部230は、工作機械操作盤500、マガジン操作盤400およびPLC320などへ各種情報を送信する。受信部232は、工作機械操作盤500、マガジン操作盤400およびPLC320などから各種情報を受信する。制御部240は、各種制御を行う。
【0038】
本実施形態に係る2ホルダ型の工具スタンド200bの詳細について説明する前に、対比する参考例として、1ホルダ型の工具スタンド200aの場合の工具100の追加、工具100の交換および工具100の除外に関する作業と動作について説明する。
【0039】
図5は、1ホルダ型の工具スタンド200aを用いて工具100を取り付けるとき(工具追加)の作業及び動作のフローチャートである。
右側に示した作業の流れを理解しやすくするために、左側に作業状況を略式で図示する。ここでは、チェーンマガジンの例を示し、簡略化のため工具マガジン306のポットの数を8個としている。ポットは、右回りに回転するものとする。工具マガジン306内の小さい丸は、空ポット307を示している。大きい丸は、ポットに嵌められている工具100を示している。
【0040】
作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをONにする(S100)。マガジン手動モードでは、工具マガジン306を手動で操作することが可能になる。作業員は、工具マガジン306に追加する工具100を工具スタンド200aの工具ホルダ202にセットする(S102)。作業員は、マガジン操作盤400を操作して空ポット309を選択する(S104)。選択された空ポット309をわかりやすくするために黒丸で図示する。この操作によって、空ポット309が段取りステーション310へ呼び出される(S106)。なお、ここで行うポットの呼び出しを、ポットの割り出しということもある。
【0041】
作業員は、登録ボタン214を押す(S108)。この操作によって、工作機械操作盤500の工具情報記憶部504に、追加する工具100の工具情報が登録される(S110)。作業員は、工具マガジン306の扉(以下、「マガジン扉」という)を開ける(S112)。作業員は、段取りステーション310へ呼び出された空ポット309に、追加する工具100を取り付ける(S114)。作業員は、マガジン扉を閉める(S116)。作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをOFFにする(S118)。
【0042】
図6図7は、1ホルダ型の工具スタンド200aを用いて工具100を交換するとき(工具交換)の作業及び動作のフローチャートである。
作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをONにする(S200)。作業員は、マガジン操作盤400を操作して工具交換のポット311を選択する(S202)。工具交換のポット311を破線の丸で示している。工具交換のポット311には、使用済みの工具100がはめ込まれている。この操作によって、工具交換のポット311が段取りステーション310へ呼び出される(S204)。作業員は、マガジン扉を開ける(S206)。作業員は、使用済みの工具100をポット311から取り外す(S208)。そして、作業員は、マガジン扉を閉める(S210)。
【0043】
作業員は、取り外された使用済みの工具100を工具ホルダ202にセットする(S212)。作業員は、削除ボタン216を押す(S214)。この操作によって、工作機械操作盤500の工具情報記憶部504に登録されている使用済みの工具100の工具情報が削除される(S216)。
【0044】
図7の説明に移る。作業員は、使用済みの工具100を工具台車600に仮置きする(S218)。作業員は、新しい工具100を工具ホルダ202にセットする(S220)。そして、作業員は、登録ボタン214を押す(S222)。この操作によって、工作機械操作盤500の工具情報記憶部504に、新しい工具100の工具情報が登録される(S224)。
【0045】
作業員は、マガジン扉を開ける(S226)。作業員は、ポット311に新しい工具100を取り付ける(S228)。作業員は、マガジン扉を閉める(S230)。そして、作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをOFFにする(S232)。
【0046】
図8は、1ホルダ型の工具スタンド200aを用いて工具100を取り外すとき(工具除外)の作業及び動作のフローチャートである。
作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをONにする(S300)。作業員は、マガジン操作盤400を操作して除外する工具100のポット312を選択する(S302)。除外する工具100のポット312を破線の丸で示している。この操作によって、除外する工具100のポット312が段取りステーション310へ呼び出される(S304)。作業員は、マガジン扉を開ける(S306)。作業員は、除外する工具100をポット312から取り外す(S308)。そして、作業員は、マガジン扉を閉める(S310)。
【0047】
作業員は、除外する工具100を工具スタンド200aの工具ホルダ202にセットする(S312)。作業員は、削除ボタン216を押す(S314)。この操作によって、工作機械操作盤500の工具情報記憶部504に登録されている除外対象の工具100の工具情報が削除される(S316)。
【0048】
作業員は、除外する工具を工具台車600に仮置きする(S318)。そして、作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをOFFにする(S320)。
【0049】
続いて、本実施形態に係る2ホルダ型の工具スタンド200bの場合の工具100の追加、工具100の交換および工具100の除外に関する作業と動作について説明する。
【0050】
図9は、2ホルダ型の工具スタンド200bを用いて工具100を取り付けるとき(工具追加)の作業及び動作のフローチャートである。
作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをONにする(S400)。作業員は、追加する工具(以下、「第1工具101」という)を第1工具ホルダ262にセットする(S402)。作業員は、呼び出しボタン212を押す(S404)。この操作によって、空ポット309が段取りステーション310へ呼び出される(S406)。
【0051】
具体的には、工具スタンド200bの受付部210がポット呼び出し命令を受け付けると、第1工具タグリーダ264は、第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101のICタグ120から工具情報(以下、「第1工具情報」という)を読み取る。工具スタンド200bの送信部230は、読み取られた第1工具情報を含むポット呼び出し命令をPLC320へ送信する。PLC320は、第1工具情報を含むポット呼び出し命令を受信すると、第1工具情報を含むポット呼び出し命令を工作機械操作盤500へ送信する。ただし、工具スタンド200bの送信部230が、直接工作機械操作盤500へ第1工具情報を含むポット呼び出し命令を送信してもよい。
【0052】
工作機械操作盤500の受信部532は、第1工具情報を含むポット呼び出し命令を受信する。工作機械操作盤500の制御部540は、第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101と同じ型の工具100が工具マガジン306に収容されているか否かを判定する。第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101と同じ型の工具100が工具マガジン306にない場合には、第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101を新たに工具マガジン306に追加する。具体的には、工作機械操作盤500の制御部540は、受信したポット呼び出し命令に含まれる第1工具情報から工具名を読みだす。工作機械操作盤500の制御部540は、工具情報記憶部504において、読み出した工具名と同じ工具名を有する工具情報を探索する。工作機械操作盤500の制御部540は、同じ工具名を有する工具情報がない場合には、第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101と同じ型の工具100が工具マガジン306に収容されていないと判定する。ここでは、第1工具101と同じ型の工具100が収容されていないものとする。
【0053】
第1工具101と同じ型の工具100の工具情報が登録されていない場合には、第1工具ホルダ262にセットされている工具100を収容可能なポットを特定する。たとえば、以下の3つの条件を満たすポットを見つける。
(1)ポット番号に対応付けて工具なしの旨が記憶されている空ポットである。
(2)第1工具101の径がポットの最大径より小さく、第1工具101の長さがポットの最大長よりも短い。
(3)第1工具101が空ポットに隣接するポットに収容されている工具100と干渉しない。工具同士の干渉を判定する方法は、従来技術でもよい。
【0054】
工作機械操作盤500の送信部230は、特定されたポットのポット番号を含むポット呼び出し命令を、PLC320へ送信する。PLC320は、ポット番号を含むポット呼び出し命令を受信すると、ポット番号を含むポット呼び出し命令を工具マガジン306へ送信する。ただし、工具スタンド200bの送信部230が、直接工具マガジン306へポット番号を含むポット呼び出し命令を送信してもよい。工具マガジン306は、ポット番号を含むポット呼び出し命令を受信すると、ポット番号で特定される空ポット309を段取りステーション310へ移動させる。
【0055】
作業員は、登録ボタン214を押す(S408)。この操作によって、工作機械操作盤500の工具情報記憶部504に、追加する第1工具101の第1工具情報が登録される(S410)。
【0056】
具体的には、工具スタンド200bの受付部210が登録命令を受け付けると、第1工具タグリーダ264は、第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101のICタグ120から第1工具情報を読み取る。このように、工具スタンド200bの受付部210は、第1工具ホルダ262に置かれた第1工具101の第1工具情報を読出す命令(登録命令)を受け付ける。工具スタンド200bの送信部230は、読み取られた第1工具情報を含む登録命令をPLC320へ送信する。PLC320は、第1工具情報を含む登録命令を受信すると、第1工具情報を含む登録命令を工作機械操作盤500へ送信する。ただし、工具スタンド200bの送信部230が、直接工作機械操作盤500へ第1工具情報を含む登録命令を送信してもよい。
【0057】
工作機械操作盤500の受信部532は、第1工具情報を含む登録命令を受信する。工作機械操作盤500の制御部540は、工具情報記憶部504において、段取りステーション310に移動させた空ポット309のポット番号に対応づけて登録命令に含まれる第1工具101の第1工具情報を記憶させる。このように、工具スタンド200bの送信部230は、第1工具ホルダ262に置かれた第1工具101の第1工具情報を読み取った場合に、工具情報を記憶している工具情報記憶部504に第1工具情報を送信する。
【0058】
作業員は、マガジン扉を開ける(S412)。作業員は、空ポット309に第1工具101を取り付ける(S414)。作業員は、マガジン扉を閉める(S416)。作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをOFFにする(S418)。
【0059】
図10図11は、2ホルダ型の工具スタンド200bを用いて工具100を交換するとき(工具交換)の作業及び動作のフローチャートである。
作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをONにする(S500)。作業員は、第1工具101(新しい工具)を第1工具ホルダ262にセットする(S502)。作業員は、呼び出しボタン212を押す(S504)。この操作によって、工具交換のポット311が段取りステーション310へ呼び出される(S506)。
【0060】
具体的には、工具スタンド200bの受付部210がポット呼び出し命令を受け付けると、第1工具タグリーダ264は、第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101のICタグ120から第1工具情報を読み取る。工具スタンド200bの送信部230は、読み取られた第1工具情報を含むポット呼び出し命令をPLC320へ送信する。PLC320は、第1工具情報を含むポット呼び出し命令を受信すると、第1工具情報を含むポット呼び出し命令を工作機械操作盤500へ送信する。ただし、工具スタンド200bの送信部230が、直接工作機械操作盤500へ第1工具情報を含むポット呼び出し命令を送信してもよい。
【0061】
工作機械操作盤500の受信部532は、第1工具情報を含むポット呼び出し命令を受信する。工作機械操作盤500の制御部540は、第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101と同じ型の工具100が工具マガジン306に収容されているか否かを判定する。第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101と同じ型の工具100が工具マガジン306に収容されている場合には、既にある同じ型の工具100を第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101と交換する。工作機械操作盤500の制御部540は、受信したポット呼び出し命令に含まれる第1工具情報から工具名を読み出す。工作機械操作盤500の制御部540は、工具情報記憶部504において、読み出した第1工具名と同じ工具名を有する工具情報を探索する。工作機械操作盤500の制御部540は、同じ工具名を有する工具情報がある場合には、第1工具ホルダ262にセットされている第1工具101と同じ型の工具100の工具情報が登録されていると判定する。ここでは、第1工具101と同じ型の工具100が工具マガジン306に収容されているものとする。
【0062】
第1工具101と同じ型の工具100の工具情報が登録されている場合には、工作機械操作盤500の制御部540は、その工具情報に対応するポット番号を特定する。図10では、破線の丸で表した工具交換のポット311がそのポット番号に対応する。つまり、工具交換のポット311には、第1工具101と同じ型の使用済みの工具(以下、「第2工具102」という)がはめ込まれている。
【0063】
工作機械操作盤500の送信部230は、特定されたポット311のポット番号を含むポット呼び出し命令を、PLC320へ送信する。PLC320は、ポット311のポット番号を含むポット呼び出し命令を受信すると、ポット311のポット番号を含むポット呼び出し命令を工具マガジン306へ送信する。ただし、工具スタンド200bの送信部230が、直接工具マガジン306へポット311のポット番号を含むポット呼び出し命令を送信してもよい。工具マガジン306は、工具交換のポット311のポット番号を含むポット呼び出し命令を受信すると、工具交換のポット311を段取りステーションへ移動させる。
【0064】
作業員は、マガジン扉を開ける(S508)。作業員は、使用済みの第2工具102をポット311から取り外す(S510)。作業員は、マガジン扉を閉める(S512)。作業員は、取り外された第2工具102を第2工具ホルダ272にセットする(S514)。作業員は、削除ボタン216を押す(S516)。この操作によって、工作機械操作盤500の工具情報記憶部504に登録されている第2工具102の第2工具情報が削除される(S518)。
【0065】
具体的には、工具スタンド200bの受付部210が削除命令を受け付けると、第2工具タグリーダ274は、第2工具ホルダ272にセットされている第2工具102のICタグ120から第2工具情報を読み取る。このように、工具スタンド200bの受付部210は、第2工具ホルダ272に置かれた第2工具102の第2工具情報を読出す命令(削除命令)を受け付ける。工具スタンド200bの送信部230は、読み取られた第2工具情報を含む削除命令をPLC320へ送信する。PLC320は、第2工具情報を含む削除命令を受信すると、第2工具情報を含む削除命令を工作機械操作盤500へ送信する。ただし、工具スタンド200bの送信部230が、直接工作機械操作盤500へ第2工具情報を含む削除命令を送信してもよい。このように、工具スタンド200bの送信部230は、第2工具ホルダ272に置かれた第2工具102の第2工具情報を読み取った場合に、第2工具情報を削除するための命令を送信する。
【0066】
工作機械操作盤500の受信部532は、第2工具情報を含む削除命令を受信する。工作機械操作盤500の制御部540は、工具情報記憶部504において、削除命令に含まれる第2工具情報と同じ工具情報を探索する。工具IDによって工具情報を特定できるので、工作機械操作盤500の制御部540は、第2工具情報から工具IDを読み出し、読みだされた工具IDと同じ工具IDを有する工具情報を探索するようにしてもよい。工作機械操作盤500の制御部540は、工具情報記憶部504に記憶されている第2工具情報を削除し、代わりに工具なしの旨を記憶する。
【0067】
図11の説明に移る。作業員は、登録ボタン214を押す(S520)。この操作によって、工作機械操作盤500の工具情報記憶部504に、第1工具101の第1工具情報が登録される(S522)。第1工具101の第1工具情報を登録する処理は、図9のS410の処理と同様である。図9のS410の場合と同様に、工具スタンド200bの受付部210は、第1工具ホルダ262に置かれた第1工具101の第1工具情報を読出す命令(登録命令)を受け付ける。また、工具スタンド200bの送信部230は、第1工具ホルダ262に置かれた第1工具101の第1工具情報を読み取った場合に、工具情報を記憶している工具情報記憶部504に第1工具情報を送信する。
【0068】
続いて、作業員は、マガジン扉を開ける(S524)。作業員は、ポット311に第1工具101を取り付ける(S526)。作業員は、マガジン扉を閉める(S528)。作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをOFFにする(S530)。
【0069】
図12は、2ホルダ型の工具スタンド200bを用いて工具100を取り外すとき(工具除外)の作業及び動作のフローチャートである。
作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをONにする(S600)。作業員は、マガジン操作盤400を操作して除外する第2工具102のポット312を選択する(S602)。この操作によって、除外する第2工具102のポット312が段取りステーション310へ呼び出される(S604)。
【0070】
具体的には、マガジン操作盤400の受付部410は、選択されたポット312のポット番号を含むポット呼び出し命令を受け付ける。マガジン操作盤400の送信部430は、ポット312のポット番号を含むポット呼び出し命令をPLC320へ送信する。PLC320は、ポット312のポット番号を含むポット呼び出し命令を受信すると、ポット312のポット番号を含むポット呼び出し命令を工具マガジン306へ送信する。ただし、マガジン操作盤400の送信部430が、直接工具マガジン306へポット312のポット番号を含むポット呼び出し命令を送信してもよい。工具マガジン306は、ポット312のポット番号を含むポット呼び出し命令を受信すると、ポット312を段取りステーションへ移動させる。
【0071】
作業員は、マガジン扉を開ける(S606)。作業員は、除外する第2工具102をポット312から取り外す(S608)。作業員は、マガジン扉を閉める(S610)。作業員は、除外する第2工具102を第2工具ホルダ272にセットする(S612)。作業員は、削除ボタン216を押す(S614)。
【0072】
この操作によって、工作機械操作盤500の工具情報記憶部504に登録されている第2工具102の第2工具情報が削除される(S616)。第2工具102の第2工具情報を削除する処理は、図10のS518の処理と同様である。図10のS518の場合と同様に、工具スタンド200bの受付部210は、第2工具ホルダ272に置かれた第2工具102の第2工具情報を読出す命令(削除命令)を受け付ける。また、工具スタンド200bの送信部230は、第2工具ホルダ272に置かれた第2工具102の第2工具情報を読み取った場合に、第2工具情報を削除するための命令を送信する。
【0073】
作業員は、工具を工具台車600に仮置きする(S618)。作業員は、マガジン操作盤400を操作してマガジン手動モードをOFFにする(S620)。
【0074】
[変形例1]
図9のS404で呼び出しボタン212が押されたときに、空ポット309を呼び出す処理(S406)に続いて、S410に示した工具100の工具情報を登録する処理を行うようにしてもよい。この場合には、図9のS408に示した登録ボタンを押す操作を省き、操作を簡素化することができる。
【0075】
また同様に、図10のS504で呼び出しボタンが押されたときに、工具交換のポット311を呼び出す処理(S506)に続いて、図11のS522に示した第1工具101の工具情報を登録する処理を行うようにしてもよい。この場合には、図11のS520に示した登録ボタンを押す操作を省き、操作を簡素化することができる。
【0076】
[変形例2]
工具100から工具情報を工具スタンド200aに伝える手段として、ICタグを用いる例を示したが、他の方法で工具情報を伝えるようにしてもよい。ICタグ以外のRFIDタグを用いてもよい。ICタグ以外の近距離無線通信手段で、工具100から工具スタンド200aへ工具情報を伝送するようにしてもよい。その場合、工具100は工具情報を送信する送信部を有し、工具スタンド200aは工具情報を受信する受信部を有する。上述のような非接触方式以外の接触方式によって工具情報を伝送するようにしてもよい。工具100に工具情報を記憶する記憶部と、記憶部と接続する第1コネクタを設け、工具スタンド200aに第1コネクタと連結可能な第2コネクタを設けて、工具100が工具ホルダ202にセットされたときに第1コネクタと第2コネクタが連結し、工具スタンド200aの読取部で、第1コネクタと第2コネクタを介して記憶部から工具情報を読み取るようにしてもよい。その一例として、工具100に工具情報を記憶するUSB(Universal Serial Bus)メモリを付けて、工具スタンド200aにUSBコネクタを設けてもよい。工具スタンド200aのUSBコネクタは、工具100を工具ホルダ202にセットしたときに工具100のUSBメモリのコネクタと嵌めあう位置に設けられるようにする。つまり、工具100から工具スタンド200aへ有線通信手段で工具情報を伝送するようにしてもよい。バーコード、QRコード(登録商標)やAprilTagなどの図形コードを用いるようにしてもよい。工具100に工具情報を表す図形コードを付しておき、工具スタンド200aの図形コード読取部で図形コードを読み取って、工具情報を得るようにしてもよい。工具スタンド200bにおける第1工具101と第1工具ホルダ262の関係および第2工具102と第2工具ホルダ272の関係においても、これらのように変形することができる。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0078】
100 工具、101 第1工具、102 第2工具、110 シャンク、112 刃部、120 ICタグ、200 工具スタンド、202 工具ホルダ、204 工具タグリーダ、210 受付部、212 呼び出しボタン、214 登録ボタン、216 削除ボタン、218 リセットボタン、230 送信部、232 受信部、240 制御部、262 第1工具ホルダ、264 第1工具タグリーダ、272 第2工具ホルダ、274 第2工具タグリーダ、300 工作機械、302 加工部、304 NC制御部、306 工具マガジン、308 工具交換装置、310 段取りステーション、311 工具交換のポット、320 PLC、400 マガジン操作盤、410 受付部、420 表示部、430 送信部、432 受信部、440 制御部、500 工作機械操作盤、502 マガジン定義情報記憶部、504 工具情報記憶部、510 受付部、520 表示部、530 送信部、532 受信部、540 制御部、600 工具台車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具マガジンに収容されている工具の工具情報を記憶する記憶部を備える工作機械と通信可能であり、工具を置くことができる複数の工具ホルダを有する工具スタンドであって、
前記工具マガジンに追加される第1工具を置くことができる第1工具ホルダと、
前記第1工具ホルダに置かれた前記第1工具から第1工具情報を読み取る第1リーダーと、
前記工具マガジンから取り外された第2工具を置くことができる第2工具ホルダと、
前記第2工具ホルダに置かれた前記第2工具から第2工具情報を読み取る第2リーダーと、
前記工具マガジンのポットを呼び出すポット呼び出し命令を受け付ける呼び出しボタンと、
前記工具情報を登録する登録命令を受け付ける登録ボタンと、
前記工具情報を削除する削除命令を受け付ける削除ボタンと、
前記工作機械へ各種情報の信号を送信する送信部と、を備え
(i)前記呼び出しボタンが前記ポット呼び出し命令を受け付けると、前記送信部は前記ポット呼び出し命令の信号を前記工作機械へ送信し、
(ii)前記第2工具が前記第2工具ホルダに置かれた状態で前記削除ボタンが前記削除命令を受け付けると、前記第2リーダーは前記第2工具から前記第2工具情報を読み取り、前記送信部は読み取られた前記第2工具情報を含む前記削除命令の信号を前記工作機械へ送信し、
(iii)前記第1工具が前記第1工具ホルダに置かれた状態で前記登録ボタンが前記登録命令を受け付けると、前記第1リーダーは前記第1工具から前記第1工具情報を読み取り、前記送信部は読み取られた前記第1工具情報を含む前記登録命令の信号を前記工作機械へ送信する、工具スタンド。
【請求項2】
工具マガジンに収容されている工具の工具情報を記憶する記憶部を備える工作機械に通信可能に接続され、
前記工具マガジンに追加される工具を置くことができる工具ホルダと、
前記工具ホルダに置かれた前記工具から工具情報を読み取るリーダーと、
前記工具マガジンのポットを呼び出すポット呼び出し命令を受け付ける呼び出しボタンと、
前記工具情報を登録する登録命令を受け付ける登録ボタンと、
前記工作機械へ各種情報の信号を送信する送信部と、を備え、
(i)前記呼び出しボタンが前記ポット呼び出し命令を受け付けると、前記送信部は前記ポット呼び出し命令の信号を前記工作機械へ送信し、
(ii)前記追加される工具が前記工具ホルダに置かれた状態で前記登録ボタンが前記登録命令を受け付けると、前記リーダーは前記追加される工具から前記工具情報を読み取り、前記送信部は読み取られた前記工具情報を含む前記登録命令の信号を前記工作機械へ送信する、工具スタンド。
【請求項3】
工具マガジンに収容されている工具の工具情報を記憶する記憶部を備える工作機械に通信可能に接続され、
前記工具マガジンから取り外された工具を置くことができる工具ホルダと、
前記工具ホルダに置かれた前記工具から工具情報を読み取るリーダーと、
前記工具マガジンのポットを呼び出すポット呼び出し命令を受け付ける呼び出しボタンと、
前記工具情報を削除する削除命令を受け付ける削除ボタンと、
前記工作機械へ各種情報の信号を送信する送信部と、を備え、
(i)前記呼び出しボタンが前記ポット呼び出し命令を受け付けると、前記送信部は前記ポット呼び出し命令の信号を前記工作機械へ送信し、
(ii)前記取り外された工具が前記工具ホルダに置かれた状態で前記削除ボタンが前記削除命令を受け付けると、前記リーダーは前記取り外された工具から前記工具情報を読み取り、前記送信部は読み取られた前記工具情報を含む前記削除命令の信号を前記工作機械へ送信する、工具スタンド。