(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117591
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】プリンタ、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20230817BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230817BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20230817BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
B41J29/42 F
B41J29/38 202
G06F3/0481
H04N1/00 002A
H04N1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020234
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】稲原 大輔
(72)【発明者】
【氏名】林 浩司
(72)【発明者】
【氏名】依田 美夏
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS08
2C061CQ03
2C061CQ23
2C061CQ34
2C061CQ35
2C061CQ43
2C061HJ07
2C061HK05
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2C061HL00
2C061HM03
2C061HN08
2C061HN15
2C061HN19
2C061HN20
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5C062AF01
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5E555FA00
(57)【要約】
【課題】プリンタに関連する情報をプリンタのユーザが容易に確認できるようにする。
【解決手段】本発明のある態様は、プリンタの識別情報を記憶する記憶部と、プリンタが印字を実行できる状態である場合に、印字を実行できる状態であることを示す画面を表示する表示部と、複数のプリンタの各々を識別する複数の識別情報と、各識別情報に関連付けられた複数の関連情報と、を記憶する外部の記憶装置との通信が可能になり、かつ記憶部に記憶されている識別情報が複数の識別情報の中に含まれている場合には、複数の関連情報の中から、記憶部に記憶されている識別情報に関連付けられた関連情報を取得する取得部と、ユーザによる所定の操作に応じて、取得部が取得した関連情報が前記画面に含まれるように表示部を制御する表示制御部と、を備えたプリンタである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報が予め割り当てられたプリンタであって、
前記プリンタの前記識別情報を記憶する記憶部と、
前記プリンタが印字を実行できる状態である場合に、印字を実行できる状態であることを示す画面を表示する表示部と、
複数のプリンタの各々を識別する複数の識別情報と、各識別情報に関連付けられた複数の関連情報と、を記憶する外部の記憶装置との通信が可能になり、かつ前記記憶部に記憶されている識別情報が前記複数の識別情報の中に含まれている場合には、前記複数の関連情報の中から、前記記憶部に記憶されている識別情報に関連付けられた関連情報を取得する取得部と、
ユーザによる所定の操作に応じて、前記取得部が取得した関連情報が前記画面に含まれるように前記表示部を制御する表示制御部と、
を備えたプリンタ。
【請求項2】
前記複数の関連情報の各々が、複数の項目に関する情報を含み、
前記表示制御部は、前記複数の項目の各項目名に対応付けて各項目に関する情報が前記画面に含まれるように制御する、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記複数の項目の項目数に応じて、前記取得部が取得した関連情報に含まれる前記複数の項目に関する情報の中から一部又はすべての項目に関する情報が前記画面に含まれるように制御する、
請求項2に記載されたプリンタ。
【請求項4】
前記表示制御部は、ユーザによる選択操作に応じて、前記取得部が取得した関連情報が前記画面に含まれないようにする第1の表示モード、及び、前記取得部が取得した関連情報が前記画面に含まれるようにする第2の表示モードのいずれかを選択する、
請求項1から3のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【請求項5】
前記複数の関連情報の各々は、対応するプリンタの用途に関連する用途関連情報を含み、
前記プリンタは、前記取得部が取得した関連情報に含まれる用途関連情報に基づいて、前記プリンタの印字に関する設定を行う設定部を備えた、
請求項1から4のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【請求項6】
前記複数の関連情報の各々は、対応するプリンタの用途に関連する用途関連情報を含み、
前記記憶部は、前記プリンタの用途に応じて異なるプリンタ設定方法を表示するための複数の画像情報を記憶し、
前記表示制御部は、前記複数の画像情報の中からユーザに選択された画像情報を表示するように前記表示部を制御し、
前記表示制御部はさらに、前記取得部が取得した関連情報に含まれる用途関連情報に基づいて、前記複数の画像情報の中からいずれかの画像情報をユーザが選択するときの表示態様を変更する、
請求項1から5のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【請求項7】
プリンタに対して予め割り当てられた識別情報を記憶装置に記憶させるステップと、
前記プリンタが印字を実行できる状態である場合に、印字を実行できる状態であることを示す画面を前記プリンタに表示するステップと、
複数のプリンタの各々を識別する複数の識別情報と、各識別情報に関連付けられた複数の関連情報と、を記憶する外部の記憶装置との通信を確立するステップと、
前記記憶装置に記憶されている識別情報が前記複数の識別情報の中に含まれている場合には、前記複数の関連情報の中から、前記記憶部に記憶されている識別情報に関連付けられた関連情報を取得するステップと、
ユーザによる所定の操作に応じて、前記取得した関連情報が前記画面に含まれるように制御するステップと、を含む、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに所定の方法を実行させるプログラムであって、
前記方法は、
プリンタに対して予め割り当てられた識別情報を記憶装置に記憶させるステップと、
前記プリンタが印字を実行できる状態である場合に、印字を実行できる状態であることを示す画面を前記プリンタに表示するステップと、
複数のプリンタの各々を識別する複数の識別情報と、各識別情報に関連付けられた複数の関連情報と、を記憶する外部の記憶装置との通信を確立するステップと、
前記記憶装置に記憶されている識別情報が前記複数の識別情報の中に含まれている場合には、前記複数の関連情報の中から、前記記憶部に記憶されている識別情報に関連付けられた関連情報を取得するステップと、
ユーザによる所定の操作に応じて、前記取得した関連情報が前記画面に含まれるように制御するステップと、を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーマルプリンタ等のプリンタに対してサービスマンが保守点検(メンテナンス)を行う際の労力を軽減するように構成したプリンタが提案されている。
例えば特許文献1には、USB(Universal Serial Bus)メモリが接続されたことを認識した場合、当該USBメモリに保存されている予め規定された形式で記述された指示情報を解析し、当該指示情報にプリンタに関する装置情報の読み取り指示が含まれている場合、当該解析結果に応じて、装置情報をUSBメモリに書き込むようにしたプリンタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、プリンタが稼働している現場においてプリンタに保守点検の必要が生じた場合、サービスマンが派遣される前段階において、現場の担当者は先ず、例えばプリンタの製造会社の保守部門や代理店等に対して保守点検の問合せを行うのが通常である。しかし、現場の担当者は、保守点検の問合せ先の情報(電話番号等)がわからず適時に問合せを行うことができない場合がある。また、現場の担当者が保守点検の問合せ先の情報を知っているとしても、保守点検の問合せの応対者が必要とする情報(例えばプリンタのIPアドレスやMACアドレスなど)が伝えることができず、保守点検を適時に行うことができない場合もある。
なお、保守点検の問合せ先の情報が印刷されたシール等をプリンタ本体に貼付することは従来行われていたが、この作業は、特に現場で稼動しているプリンタの数が多い場合に煩雑である。
【0005】
そこで、本発明は、プリンタに関連する情報をプリンタのユーザが容易に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、識別情報が予め割り当てられたプリンタであって、
前記プリンタの前記識別情報を記憶する記憶部と、
前記プリンタが印字を実行できる状態である場合に、印字を実行できる状態であることを示す画面を表示する表示部と、
複数のプリンタの各々を識別する複数の識別情報と、各識別情報に関連付けられた複数の関連情報と、を記憶する外部の記憶装置との通信が可能になり、かつ前記記憶部に記憶されている識別情報が前記複数の識別情報の中に含まれている場合には、前記複数の関連情報の中から、前記記憶部に記憶されている識別情報に関連付けられた関連情報を取得する取得部と、
ユーザによる所定の操作に応じて、前記取得部が取得した関連情報が前記画面に含まれるように前記表示部を制御する表示制御部と、
を備えたプリンタである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、プリンタに関連する情報をプリンタのユーザが容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】一実施形態のプリンタのオンライン画面の変化を例示する図である。
【
図4】一実施形態のプリンタにおいてオンライン画面に含まれるボタンを操作したときの画面遷移を示す図である。
【
図5】一実施形態のプリンタにおいてオンライン画面に含まれるボタンを操作したときの画面遷移を示す図である。
【
図6】一実施形態のプリンタにおいてオフライン画面に含まれるボタンを操作したときの画面遷移を示す図である。
【
図7】一実施形態のプリンタの内部構成を示すブロック図である。
【
図8】表示用データリストのデータ構成例を示す図である。
【
図9】一実施形態のプリンタによって実行されるUSB受信処理のフローチャートである。
【
図10】一実施形態のプリンタによって実行されるオンライン画面表示処理のフローチャートである。
【
図11】表示用データの一例と当該表示用データが反映されたオンライン画面とを示す図である。
【
図12】表示用データの一例と当該表示用データが反映されたオンライン画面とを示す図である。
【
図13】表示用データの一例と当該表示用データが反映されたオンライン画面とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において「識別情報」とは、複数のプリンタからいずれかのプリンタを識別するために用いられる情報であり、例えばプリンタに固有の情報である。プリンタに固有の情報としては、プリンタのIPアドレス、MAC(Media Access Control)アドレス、シリアル番号、資産管理番号、端末整理番号等が挙げられる。しかし、本開示において「識別情報」とは、所定数の複数のプリンタが使用されている個々の現場において各プリンタを識別できればよく、必ずしもプリンタに固有の情報である必要はない。例えば、複数のプリンタが稼動している現場において、ユーザが当該複数のプリンタを区別するために便宜的に割り当てたコードや番号等も「識別情報」になり得る。
【0010】
本開示において「外部の記憶装置」とは、プリンタ以外の記憶装置であればよく、例えばUSBメモリ、メモリカード(SDカード等)等、プリンタに接続される比較的小型のメモリデバイスでもよいし、NFCタグ、Bluetooth(登録商標)を利用する電子機器、Bluetooth(登録商標) Low Energyを利用する電子タグ等、近距離無線通信によってプリンタと通信を行うメモリデバイスであってもよい。また、「外部の記憶装置」は、プリンタとネットワークを介して有線又は無線で通信可能なサーバであってもよい。
【0011】
一実施形態のプリンタは、識別情報が予め割り当てられており、当該識別情報を記憶する記憶部を備える。また、プリンタは、プリンタが印字を実行できる状態である場合に、印字を実行できる状態であることを示す画面を表示する表示部を備える。プリンタが印字を実行できる状態である場合とは、例えば、プリンタに対してホストコンピュータから印字指示を行ったときに当該印字指示に基づいてプリンタが印字を実行できる状態(オンライン状態)である場合である。「印字を実行できる状態であることを示す画面」を、以下の説明では適宜「オンライン画面」という。逆に、印字を実行できない状態であることを示す画面を「オフライン画面」という。
【0012】
一実施形態のプリンタは、複数のプリンタの各々を識別する複数の識別情報と、各識別情報に関連付けられた複数の関連情報と、を記憶する外部の記憶装置と通信可能に構成される。
記憶装置が記憶する「関連情報」は特に限定しないが、プリンタに関連する情報であれば如何なる情報であってもよい。一実施形態のプリンタは、外部の記憶装置との通信が可能になり、かつプリンタの記憶部に記憶されている識別情報が、外部の記憶装置が記憶する複数の識別情報の中に含まれている場合には、外部の記憶装置から関連情報を取得する。つまり、プリンタは、外部の記憶装置が記憶する複数の関連情報の中から、自身の記憶部に記憶されている識別情報に関連付けられた関連情報を取得する。
【0013】
一実施形態のプリンタは、ユーザによる所定の操作に応じて、取得した関連情報がオンライン画面に含まれるように表示部を制御する。それによって、関連情報が表示されるようにオンライン画面をカスタマイズすることができ、プリンタの関連情報をプリンタのユーザが容易に確認できる。オンライン画面をカスタマイズすることは、以下の点で特に利点がある。
【0014】
一般に、プリンタが稼動している製造や販売等の現場のユーザは、プリンタの表示部に表示されるオンライン画面を確認することはできるものの、プリンタ自体には詳しくないため、プリンタの設定を変更することやプリンタの内部にある情報を閲覧することが制限されていることが多い。そこで、オンライン画面をカスタマイズすることで、例えばプリンタの保守点検の問合せ先の情報(電話番号等)や保守点検の問合せの応対者が必要とする情報(例えばプリンタのIPアドレスやMACアドレスなど)を関連情報として含むようにする。それによって現場のユーザは、プリンタの保守点検について適時に問合せを行うことができ、また、プリンタ固有の情報等を問合せの応対者に適時に伝えることが可能となる。
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係るプリンタについてより具体的に説明する。また、説明の便宜のために、プリンタ3が病院で稼動しており、リストバンド、検体ラベル、又は、注射ラベルといった、患者あるいは医療用具に用いられる印字媒体(以下では、適宜「用紙」という。)を発行する場合を例にして説明する。
なお、リストバンドは、患者の取り違え防止のために患者情報が記載されたラベルである。検体ラベルは、患者から採取した検体の内容や患者情報等が記載されたラベルである。注射ラベルは、患者に注射投与する内容・状況や患者情報等が記載されたラベルである。
【0016】
図1及び
図2にそれぞれ、一実施形態のプリンタ3の斜視図及び背面図を示す。
プリンタ3は例示的なサーマルプリンタである。
図1に示すように、プリンタ3の構成部品を収容するハウジング42と、例えば用紙をセットする際にハウジング42を開放するためのカバー43とを有する。カバー43は、オープンレバー41に対する操作に伴ってハウジング42に対して揺動して開放可能となるようにハウジング42に軸支されている。
プリンタ3の前面には、電源ボタン32aと、表示パネル33aと、用紙排出口44とが配置される。印字された用紙は、用紙排出口4から排出される。電源ボタン32aは、プリンタ3を起動するためのボタンである。
プリンタ3が起動すると、表示パネル33aには、オンライン画面が表示される。オンライン画面は、プリンタ3が印字を実行できる状態を示す画面である。
【0017】
図2に示すように、プリンタ3の背面には、DC入力コネクタ45、LANコネクタ37a、及び、USBコネクタ38a,38bが設けられる。
DC入力コネクタ45は、プリンタ3を動作させる直流電源を入力するためのコネクタである。LANインタフェース37は、例えば印字指示を行うホストコンピュータとLANケーブル(図示せず)を介して接続させるためのポートである。
USBコネクタ38a,38bはそれぞれ異なるタイプ(例えば、Type-AやType-B)のUSBを接続させるためのポートである。以下の説明では、USBコネクタ38a,38bを総称して「USBコネクタ」という。
【0018】
なお、
図1及び
図2に示したプリンタ3は、説明の便宜のための一例に過ぎず、外部との通信を行うための通信インタフェースとオンライン画面を表示させるための表示パネルとを備えている限り、如何なる形態、如何なる印字形式のプリンタであってもよい。
【0019】
一実施形態のプリンタ3には、オンライン画面を変更するための表示アプリケーション(ソフトウェア)がインストールされている。表示アプリケーションは、外部から表示用データ(後述する)を取得した場合に、取得した表示用データに基づいてオンライン画面を変更する。
表示用データの取得先は限定しないが、好ましい例ではプリンタ3に接続されたUSBメモリである。以下では、プリンタ3がUSBメモリから表示用データを取得してオンライン画面を変更する場合を例にして説明する。
【0020】
オンライン画面の変更例を
図3に示す。
図3において、画面G1は、変更前のプリンタ3のオンライン画面(標準画面)である。このオンライン画面は、プリンタ3のデフォルト設定の画面であり、オフライン状態に切り替えるボタンb0を含む比較的情報量の少ない画面である。
画面G2a及び画面G2bはそれぞれ、変更後のプリンタ3のオンライン画面(以下、適宜「カスタマイズ画面」という。)である。画面G2aと画面G2bの違いは、画面の右上に配置されるロゴの表示内容である。すなわち、画面G2aは、オンライン状態であることを示すロゴ110aを表示し、画面G2bは、プリンタ3が稼働する現場に特化したカスタマイズしたロゴ110bを表示する。
画面G2a及び画面G2bはそれぞれ、プリンタ関連テキスト群100、及び、ボタンb1~b5を含む。
【0021】
プリンタ関連テキスト群100は、プリンタ3に関連するテキスト101~106を含み、USBメモリから取得する表示用データ(関連情報の一例)に記述されている。
図3に例示するプリンタ関連テキスト群100は、プリンタ3のIPアドレス、プリンタ3が稼働している現場(例えば「病院」)の部門名(「入院受付」)、用途名(「リストバンド」)、備考として端末管理番号に対応するテキストである。なお、用途名は、プリンタ3の用途(
図3の例では、リストバンドがプリンタ3によって発行される)を表している。
【0022】
次に、
図4及び
図5を参照して、
図3に示した変更後のオンライン画面G2a,G2bにおけるボタンb1~b5の機能について説明する。なお、これらの機能は、プリンタ3にインストールされている表示アプリケーションによって実現される。
【0023】
図4に示すように、オンライン画面G2aにおいてボタンb1が操作されると、画面G3が表示される。画面G3では、オンライン画面G2aにおいてIPアドレスを表示するか否かの切り替え(ON:表示、OFF:非表示)、及び、表示用データ更新を行うことができる。表示用データ更新は、オンライン画面G2aに表示されている個々のテキストを編集するモードである。
オンライン画面G2aにおいてボタンb2が操作されると、画面G4が表示される。画面G4では、プリンタ3のMACアドレスが表示される。
オンライン画面G2aにおいてボタンb3が操作されると、画面G5が表示される。画面G5では、プリンタ3の保守点検に関する問合せ先の情報(問合せ先の電話番号、及び、プリンタ3のシリアル番号を含む)が表示される。
オンライン画面G2aにおいてボタンb4が操作されると、
図5に示すように、例えば画面G6,G7がユーザの選択に応じて順に表示される。画面G6,G7は、一例として、用紙セットを説明するヘルプ動画を選択するときの画面遷移を示している。この例に示すように、プリンタ3には、ユーザがプリンタ3のサプライ品(用紙やインクリボン)をセットあるいは交換することを補助し、あるいは、プリンタ3の用途に応じて異なるプリンタ設定方法を表示するための複数のヘルプ動画が格納されており、ユーザの選択により特定のヘルプ動画を再生することができる。
オンライン画面G2aのボタンb4はフィードボタンであり、ボタンb4が操作されるとプリンタ3内の用紙の紙送りが行われる。
【0024】
図4に示すように、オンライン画面G2a(カスタマイズ画面)では、プリンタ関連テキスト群100において各項目名と各項目に関する情報が対応付けて表示されるとともに、さらに詳しい情報をユーザが望む場合にはボタン操作によって情報が補充的に提示される。そのため、ユーザが必要な情報を容易に把握できる構成となっている。
【0025】
図3に示したボタンb0が操作されると、
図6に例示するオフライン画面G10が表示される。
図6に示すように、画面G10は、オンライン状態に切り替えるボタンb6、フィードボタンb7、及び、設定ボタンb8を含む。
一実施形態では、オフライン状態では、表示アプリケーションを有効にする表示設定(第2の表示モードの一例)と、表示アプリケーションを無効にする表示設定(第1の表示モードの一例)との間で切り替えることが可能である。この切り替えは以下のようにして行われる。すなわち、画面G10において設定ボタンb8を操作すると、プリンタ3の各機能の設定変更を行うためのボタンb9~b11等を含む画面G11に切り替わる。画面G11においてボタンb11を操作すると画面G12が表示され、ボタンb12の操作に応じて表示アプリケーションの有効/無効を切り替えることができる。
【0026】
表示アプリケーションの有効/無効の切り替えを行うことで、例えば同じ現場で稼動している複数のプリンタ3の中で一部のプリンタ3のオンライン画面を標準画面(
図3の画面G1)とし、他のプリンタ3のオンライン画面をカスタマイズ画面(
図3の画面G2a又はG2b)とすることができる。つまり、複数のプリンタ3の各々についてオンライン画面をカスタマイズ画面とするか標準画面とするか、柔軟に設定することができる。
【0027】
次に、
図7を参照して、プリンタ3の構成について説明する。
図5は、一実施形態のプリンタ3の内部構成を示すブロック図である。
図7に示すように、一実施形態のプリンタ3は、制御部31、操作入力部32、表示部33、搬送部34、印字部35、ストレージ36(記憶部の一例)、LANインタフェース(I/F)37、及び、USBインタフェース(I/F)38を備える。
【0028】
制御部31は、マイクロプロセッサを主体として構成され、ファームウェアを実行してプリンタ3の全体を制御する。例えば、制御部31は、ストレージ36に記憶されている印字データを描画データに変換し、描画データのライン毎のデータであるラインデータを順次、印字部35へ送出する。制御部31は、LANインタフェース37を介してホストコンピュータ7から印字データとともに印字指示を受ける。
【0029】
制御部31は、オンライン画面をカスタマイズするための表示アプリケーションを実行する。
制御部31は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリであるメモリ311を有する。制御部31は、USBメモリ5から取得した表示用データをメモリ311に記録する。メモリ311はまた、プリンタ3のIPアドレスやMACアドレス等、プリンタ3に固有の情報を記憶する。メモリ311は、オンライン画面を表示するときに制御部31から参照される。
【0030】
操作入力部32は、電源ボタン32a(
図1参照)及び表示パネル33a(
図1参照)に実装されたタッチ入力機構を備え、ユーザの操作入力を制御部31に出力する。
表示部33は、表示パネル33a(
図1参照)と表示制御回路を備え、制御部31によるファームウェア及び表示アプリケーションの実行結果を表示する。
【0031】
搬送部34および印字部35は、制御部31から順次送出されるラインデータに基づいて印字を行う。搬送部34は、プラテンローラ(図示せず)、および、図示しないモータ駆動回路およびモータを含み、プリンタ3内の用紙の搬送を行う。ファームウェアによる搬送要求に基づき、モータ駆動回路が、プラテンローラの回転を制御するモータを駆動することによって、用紙を搬送させる。
印字部35は、サーマルヘッドおよびヘッド駆動回路(共に図示せず)を含む。ヘッド駆動回路は、ラインデータに基づきサーマルヘッドの各発熱抵抗体に選択的に電流を流すことで、用紙に印字を行う。
【0032】
ストレージ36は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSD(Solid State Drive)である。ストレージ36は、外部のホストコンピュータから取得した印字データを記憶するほか、プリンタ3のIPアドレス、MACアドレス等の固有の識別情報を記憶する。
ストレージ36はまた、ユーザがプリンタ3のサプライ品をセットあるいは交換することを補助し、あるいは、プリンタ3の用途に応じて異なるプリンタ設定方法を表示するための複数のヘルプ動画(画像情報の一例)を記憶する。この複数のヘルプ動画は、ユーザに選択されたヘルプ動画を表示する際に制御部31から参照される。
【0033】
LANインタフェース37は、LANコネクタ37a(
図2参照)を有し、ホストコンピュータ7との間で通信を行う通信インタフェースである。
USBインタフェース38は、USBコネクタ38a,38b(
図2参照)を有し、USBメモリ5との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0034】
USBメモリ5(外部の記憶装置の一例)は、表示用データリストと1以上の画像ファイル(例えば、
図3のロゴ110b(
図3参照)に反映される画像ファイル;以下、「ロゴファイル」という。)を格納する。なお、表示用データリストに参照すべきロゴファイルがない場合には、USBメモリ5にはロゴファイルが格納されていなくてもよい。ロゴファイルは、静止画であってもよいし動画であってもよい。
表示用データリストは、複数のプリンタ3の各々に対応する複数の表示用データを含む。表示用データリストのデータ構成例を
図8に示す。表示用データリストの各レコードは、個々のプリンタ3に対応する表示用データである。
【0035】
表示用データリストの各レコードは、「IP」,「IP_OFF」,「Type1」,「Type2」,「Type3」,「Type4」,「Type5」,「Type6」,「Contact」、「Tel」,「Logo」の各フィールドの値を含む。
【0036】
「IP」フィールドの値は、IPアドレス(識別情報の一例)を示し、カスタマイズ画面のプリンタ関連テキスト群100(
図3参照)に含まれるIPアドレスに反映される。
「IP_OFF」フィールドの値は、カスタマイズ画面においてIPアドレスを非表示にするか否かを示す(非表示の場合、「1」)。
【0037】
「Type1」~「Type6」の各フィールドの値は、カスタマイズ画面のプリンタ関連テキスト群100のテキスト101~106にそれぞれ反映される。
「Type1」フィールドの値は所定の項目名(「部門」)であり、「Type2」フィールドの値は、「Type1」フィールドが示す項目名に対応する内容(テキスト)である。
「Type3」フィールドの値は所定の項目名(「用途」)であり、「Type4」フィールドの値は、「Type3」フィールドが示す項目名に対応する内容(テキスト)である。「Type4」フィールドの値は、プリンタ3の用途に関連する用途関連情報の一例であり、
図8に示す例では、「リストバンド」、「検体ラベル」、又は「注射ラベル」のいずれかのテキスト(患者あるいは医療用具に用いられる印字媒体を示すテキスト)である。
「Type5」フィールドの値は所定の項目名(「備考」)であり、「Type6」フィールドの値は、「Type5」フィールドが示す項目名に対応する内容(テキスト)である。
つまり、各表示用データは、複数の項目に関する情報を含む。表示用データがカスタマイズ画面に反映されると、
図3に示したように、各項目に関する情報が、各項目名に対応付けてオンライン画面上に表示される。
【0038】
「Contact」及び「Tel」の各フィールドの値は、カスタマイズ画面において問合せボタンを操作したときに表示される画面(
図4参照)上で、テキスト107,108にそれぞれ反映される。
「Logo」フィールドの値は、ロゴファイルのファイル名を示すテキストである。なお、ロゴファイルは、表示用データリストとは別にUSBメモリ5に設けられる。
【0039】
再度
図7を参照すると、プリンタ3の制御部31は、表示アプリケーションを実行することで、取得部及び表示制御部として機能する。
取得部としての制御部31は、表示用データリストを格納するUSBメモリ5との通信が可能になり、かつ自身のIPアドレスが表示用データリストの「IP」フィールドの複数のIPアドレスの中に含まれている場合には、表示用データを取得する。この表示用データは、表示用データリスト(
図8)内の自身のIPアドレスに対応するレコードのデータである。
表示制御部としての制御部31は、ユーザによる所定の操作に応じて、取得部が取得した表示用データがオンライン画面(つまり、カスタマイズ画面)に含まれるように表示部33を制御する。ここで、「所定の操作」の一例は、例えば、電源ボタン32a(
図1参照)の操作である。
【0040】
一実施形態では、表示制御部としての制御部31は、ユーザによる選択操作に応じて、USBメモリ5から受信(取得)した表示用データが表示パネル33aの画面に含まれないようにする第1の表示モード、及び、当該画面に含まれるようにする第2の表示モードのいずれかを選択する。
図6の画面G12のボタンb12に対する操作は、USBメモリ5から取得した表示用データがオンライン画面に含まれるようにするための「所定の操作」の一例である。
【0041】
次に、
図9及び
図10のフローチャートを参照して、プリンタ3の制御部31が表示アプリケーションを実行するときの処理を説明する。
図9は、制御部31がUSBメモリ5からデータを受信するUSB受信処理を示すフローチャートである。例えばユーザがプリンタ3のUSBコネクタにUSBメモリ5を挿入する場合が想定される。USBメモリ5には、表示用データリストと、1以上の画像データ(ロゴに対応する画像データ)とが格納されている。
ユーザがUSBメモリ5をプリンタ3に挿入すると、制御部31は、USBメモリ5との間で通信を確立し、USBメモリ5に格納される表示用データリストを受信する(ステップS10:YES)。次いで制御部31は、受信した表示用データリスト(
図6)の「IP」フィールドの値を参照して、自身のIPアドレスに合致する値が有るか(つまり、自身と同一のIPアドレスのレコードが有るか)判断する。自身のIPアドレスに合致する値がない場合には(ステップS12:NO)は、USB受信処理を終了する。
自身のIPアドレスに合致する値がある場合には(ステップS12:YES)、制御部31は、自身のIPアドレスに対応するレコード(表示用データ)と、当該レコードの「Logo」フィールドの値に対応するロゴファイルと、をメモリ311に保存する(ステップS14)。その後、制御部31は、USB受信処理を終了する。
【0042】
図10は、制御部31がオンライン画面を表示するためのオンライン画面表示処理を示すフローチャートである。
制御部31は先ず、表示アプリケーションが有効であるか否か判断する(ステップS20)。
図6の画面G12に示したように、プリンタ3ではユーザの操作に応じて表示アプリケーションが有効又は無効を設定できるようになっており、ステップS20ではこの設定情報が参照される。
表示アプリケーションが無効である場合には(ステップS20:「無効」)、制御部31は、オンライン画面として標準画面が表示されるように表示部33を制御する(ステップS22)。
他方、表示アプリケーションが有効である場合には(ステップS20:「有効」)、制御部31は、オンライン画面としてカスタマイズ画面が表示される表示部33を制御する。すなわち、制御部31は、USBメモリ5から取得済みの表示用データとロゴファイルをメモリ311から読み出し(ステップS24)、表示用データがプリンタ関連テキスト群に反映され、かつロゴファイルがロゴに反映されるようにしてカスタマイズ画面を生成し、表示部33に表示させる(ステップS26)。
【0043】
ユーザがプリンタ3のオンライン画面をカスタマイズするときの処理をまとめると、以下のとおりである。
USBメモリ5には、表示用データリストと1以上のロゴファイルが格納されている場合を想定する。ユーザがUSBメモリ5をプリンタ3に挿入すると、制御部31は、
図9のUSB受信処理を実行して、自身に対応する表示用データと、関連するロゴファイルと、を取得してメモリ311に保存する。
表示用データを取得した時点で表示アプリケーションが無効になっている場合には、
図6に示した手順で表示アプリケーションを有効にする設定をユーザが行う。すると、表示アプリケーションが、メモリ311に記録されている表示用データとロゴファイルを読み出して、当該表示用データとロゴファイルが反映されたカスタマイズ画面を生成して表示する。
表示用データを取得した時点で表示アプリケーションが有効になっている場合には、表示アプリケーションは、ユーザ操作を介することなく、メモリ311に記録されている表示用データとロゴファイルが反映されたカスタマイズ画面を生成して表示する。あるいは、表示アプリケーションは、ユーザによる所定の操作が行われたことを条件として、メモリ311に記録されている表示用データとロゴファイルが反映されたカスタマイズ画面を生成して表示してもよい。
【0044】
また、表示アプリケーションの有効/無効の設定に対する操作ではなく、電源ボタン32a(
図1)の操作を行ってプリンタ3を再起動させることで、USB受信処理により取得した表示用データとロゴファイルをカスタマイズ画面に反映させることもできる。起動時において、表示アプリケーションの初期設定は「有効」であるため、プリンタ3の起動時点でメモリ311に記録されている表示用データとロゴファイルに基づいてオンライン画面(カスタマイズ画面)が表示される。次回以降の起動時においても、表示アプリケーションを無効にしない限り、オンライン画面としてカスタマイズ画面が表示される。
オンライン画面を標準画面に戻すには、プリンタ3の起動後に、表示アプリケーションを無効にする設定操作を行う必要がある。
【0045】
なお、プリンタ3が起動した場合、表示パネル33aには起動直後に、プリンタ3の製造者のロゴが表示され、その後に表示されるオンライン画面上のロゴ(例えば
図3のロゴ110b)において、メモリ311内のロゴファイルが反映されるが、その限りではない。プリンタ3の起動直後に、プリンタ3の製造者のロゴに代えて、メモリ311内のロゴファイルに基づくロゴを表示させてもよい。
【0046】
図11~
図13は、異なる表示用データに対して、カスタマイズ画面に含まれるプリンタ関連テキスト群の表示例を示す図である。
図11~
図13はそれぞれ、
図9のステップS14で保存された表示用データ201~203と、その後のオンライン画面表示処理によって表示されるカスタマイズ画面G11~G13と、を含む。
図11において、表示用データ201の「Type1」~「Type6」の各フィールドの値は、画面G11に含まれるプリンタ関連テキスト群100aのテキスト101~106にそれぞれ反映される。
図12において、表示用データ202の「Type1」~「Type5」の各フィールドの値は、画面G11に含まれるプリンタ関連テキスト群100bのテキスト101~105にそれぞれ反映される。
図13において、表示用データ203の「Type1」~「Type6」の各フィールドの値は、画面G11に含まれるプリンタ関連テキスト群100cのテキスト101~106にそれぞれ反映される。
【0047】
以上説明したように、一実施形態のプリンタ3は、ユーザによる所定の操作に応じて、USBメモリ5から取得した表示用データがオンライン画面に含まれるように表示部を制御する。それによって、表示用データが表示されるようにプリンタ3のオンライン画面をカスタマイズすることができ、プリンタ3に関連する情報をプリンタ3のユーザが容易に確認できる。
オンライン画面をカスタマイズすることで、例えばプリンタ3の保守点検の問合せ先の情報(電話番号等)や保守点検の問合せの応対者が必要とする情報(例えばプリンタ3のIPアドレスや端末整理番号、用途など)がプリンタ3に関連する情報として表示される。オンライン画面上の情報は、プリンタ3に詳しくない現場のユーザであっても視認できることから、ユーザは、プリンタ3に不具合が生じた場合にプリンタ3の保守点検について適時に問合せを行うことができる。また、プリンタ3は、プリンタ固有の情報(例えば、プリンタ3のIPアドレスや端末整理番号)を問合せの応対者に適時に伝えることが可能となる。
【0048】
一実施形態では、表示用データに含まれる複数の項目の項目数に応じて、カスタマイズ画面に反映される情報が調整されてもよい。例えば、表示用データに含まれる項目数が多いときには、1画面上で同時にすべての項目の情報を表示させることが難しい場合がある。例えば、
図3のプリンタ関連テキスト群100では、「部門」、「用途」、「備考」という項目名と、各項目の内容とを示すテキストが含まれているが、他の項目名(例えば、「病棟」、「階」、「設置部屋」等)を追加しようとした場合、1画面上で同時にすべての項目の情報を表示させることが難しい。
このような場合、一部の項目(例えば、予め設定された重要な項目)の情報のみを表示させてもよいし、すべての項目の情報が表示されるように各項目の情報の表示態様を変更してもよい(例えば、対応するテキストの文字サイズを小さくしてもよい)。
【0049】
すなわち、表示制御部としての制御部31は、複数の項目の項目数に応じて、USBメモリ5から取得した表示用データに含まれる複数の項目に関する情報の中から一部又はすべての項目に関する情報がカスタマイズ画面に含まれるように制御してもよい。このように制御を行うことで、表示用データに多数の項目の情報が含まれる場合に、その多数の項目の情報の中から必要な情報(例えば、保守点検の問合せ先の情報)にユーザが適時にアクセスできない、ということが避けられる。
【0050】
一実施形態では、表示用データに含まれる複数の項目のいずれかの情報に応じて、プリンタ3の設定を制御してもよい。例えば、制御部31は、USBメモリ5から取得した表示用データに含まれる「Type4」フィールドの値(用途関連情報の一例)に基づいて、プリンタ3の印字に関する設定を行う設定部として機能してもよい。表示用データに含まれる「Type4」フィールドの値(
図8に示す例では、「リストバンド」、「検体ラベル」、又は「注射ラベル」のいずれかのテキスト)は、プリンタ3の用途に関連している。そこで、制御部31は、USBメモリ5から取得した表示用データに基づき、プリンタ3の用途に応じて、プリンタ3の印字に関する設定を行う。
【0051】
プリンタ3の印字に関する設定は限定しないが、例えば、印字速度及び/又は印字濃度である。リストバンド、検体ラベル、及び、注射ラベル等の印字媒体は、それぞれ用紙種が異なり、それによって最適な印字速度、最適な印字濃度、又はその組合せが異なる。例えば、印字内容にバーコードが含まれている場合に、印字速度及び/又は印字濃度が適切でないと、印字されたバーコードが不良となりスキャナによって読み込むことができないことがある。
プリンタ3の印字に関する設定の他の例としては、用紙種の設定が挙げられる。例えば、USBメモリ5から取得した表示用データに含まれる「Type4」フィールドの値が「リストバンド」であるときには、プリンタ3の用紙種の設定が「リストバンド」に自動設定される。
【0052】
プリンタ3の印字に関する設定は、例えば以下のようにして行う。印字媒体ごとに、印字速度及び/又は印字濃度の規定したデータテーブルをストレージ36に記憶させておく。制御部31は、USBメモリ5から取得した表示用データに含まれる「Type4」フィールドの値をキーとしてデータテーブルを参照して、印字速度及び/又は印字濃度を設定する。
ここで、制御部31は、設定する印字速度及び/又は印字濃度が、現在の印字速度及び/又は印字濃度と異なる場合には、例えば、「リストバンドの推奨設定と異なります」といったテキストを表示してユーザに通知することが好ましい。さらに、制御部31は、「推奨設定の印字速度及び/又は印字濃度に変更してよいですか。」といったテキストを表示させ、ユーザによる変更の承諾を示す入力に応じて、新たな印字速度及び/又は印字濃度を設定するとよい。
このようにプリンタ3の印字に関する設定を行うことで、ユーザは、USBメモリ5をプリンタ3に挿入すればプリンタ3の用途に適した印字設定を自動的に行うことができ、実質的にユーザがプリンタ3の設定操作を行う必要がないという利点がある。
【0053】
一実施形態では、プリンタ3の用途に応じて、ヘルプ動画をユーザが選択するときの選択画面(例えば、
図5の画面G6,G7)の表示態様を変更してもよい。すなわち、表示制御部としての制御部31は、USBメモリ5から取得した表示用データに含まれる「Type4」フィールドの値(用途関連情報の一例)に基づいて、複数のヘルプ動画の中からいずれかをユーザが選択するときの表示態様を変更してもよい。
【0054】
例えば、制御部31は、プリンタ3の用途に応じて選択画面に含まれる項目の順番が変更するように、選択画面の表示態様を変更する。例えば
図5の選択画面G7では、「リストバンドをセットする」という内容を説明する動画M1と、「ロール紙をセットする」という内容を説明する動画M2と、「ファンフォールド紙をセットする」という内容を説明する動画M3とが、この順に表示されている。つまり、リストバンドに対応する動画M1が先頭に表示されているため、プリンタ3の用途が「リストバンド」である場合にはこの順でよいが、プリンタ3の用途が「リストバンド」以外の用途である場合には、用途に応じて動画M2又はM3が先頭になるように選択画面を変更するとよい。このように、複数のヘルプ動画の中からいずれかをユーザが選択するときの表示態様をプリンタ3の用途に応じて変更することで、目的とするヘルプ動画をユーザが選択するときの操作性が向上する。
【0055】
以上、本発明のプリンタ、情報処理方法、及び、プログラムの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。例えば、上述した各実施形態及び各変形例に記載した個々の技術的特徴は、技術的矛盾がない限り、他の実施形態及び他の変形例の一部又は全部と適宜組み合わせることが可能である。
【0056】
例えば、上述した実施形態では、プリンタ3は、自身のIPアドレスをキーとして、USBメモリ5に格納されている表示用データリストから表示用データを取得する場合について説明したが、その限りではない。キーとする情報は、プリンタ3に割り当てられている識別情報であればIPアドレスに限られない。
【0057】
上述した実施形態では、表示用データリスト及びロゴファイルをUSBメモリから受信することで取得する方法について説明したが、その限りではない。表示用データリスト及びロゴファイルの取得方法は、NFCやBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信や、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信を用いた方法であってもよいし、2次元コードからコードスキャナを介した受信する方法であってもよい。その場合、プリンタ3において、データの取得方法に対応した通信インタフェースを備えるようにすればよい。
なお、近距離無線通信や2次元コードを利用する場合には、通信データ量が制限される場合があるため、サーバと連動して表示用データリスト及びロゴファイルを取得することもできる。例えば、プリンタは、近距離無線通信や2次元コードから、表示用データリスト及びロゴファイルを特定する識別情報のみを受信し、その後、受信した識別情報をキーとして、サーバに記録されている表示用データリスト及びロゴファイルを受信(ダウンロード)することもできる。
【符号の説明】
【0058】
3…プリンタ
31…制御部
311…メモリ
32…操作入力部
32a…電源ボタン
33…表示部
33a…表示パネル
34…搬送部
35…印字部
36…ストレージ
37…LANインタフェース
37a…LANコネクタ
38…USBインタフェース
38a,38b…USBコネクタ
41…オープンレバー
42…ハウジング
43…カバー
44…用紙排出口
45…DC入力コネクタ
5…USBメモリ
7…ホストコンピュータ
100…プリンタ関連テキスト群
110a,110b…ロゴ
201~203…表示用データ