(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117610
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】防護柵
(51)【国際特許分類】
E04H 9/14 20060101AFI20230817BHJP
E01F 13/02 20060101ALI20230817BHJP
E06B 5/00 20060101ALI20230817BHJP
E04H 17/14 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
E04H9/14 Z
E01F13/02 Z
E06B5/00 Z
E04H17/14 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020261
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 誠
(72)【発明者】
【氏名】神田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】長峰 大輔
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 智哉
【テーマコード(参考)】
2D101
2E139
2E142
2E239
【Fターム(参考)】
2D101FB13
2E139AA08
2E139AC20
2E142HH01
2E142HH12
2E142HH25
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】従来、止水板は、使用時以外においては、倉庫等の保管場所に、平置きや、縦置き等にして保管した場合、崩れたり倒れたりする可能性があるので、安定な状態で保管するためには、別途、工夫が必要である等の課題があった。そこで、止水板を安定な状態で着脱可能に取付けておくことができる防護柵を提供するようにした。
【解決手段】本発明の防護柵1は、止水板3を着脱可能に取付けるための被取付部4を備えたことを特徴とするものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
止水板を着脱可能に取付けるための被取付部を備えたことを特徴とする防護柵。
【請求項2】
被固定部に固定される枠体を備え、
止水板が前記枠体に設けられた前記被取付部に着脱可能に取付けられたことを特徴とする請求項1に記載の防護柵。
【請求項3】
止水板は、前記枠体で囲まれた空間の少なくとも一部を閉鎖する状態に、当該枠体の前記被取付部に着脱可能に取付けられたことを特徴とする請求項2に記載の防護柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアユニットの近傍や道路等に設置される防護柵に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の開口部に固定された仕切板(開閉しない固定された建具(FIX(嵌殺し戸))と、仕切板に隣接して設けられて、通常時には開口部の一部である出入口を閉鎖し、人や物の接近を感知すると出入口を開放する開閉扉とを備えた構成の自動ドアユニットが知られている。また、この自動ドアユニットの近傍には、開閉扉が開放位置へ移動する際に、当該開閉扉と人や物とが衝突することを防止するための戸袋安全対策としての防護柵が設けられることが知られている。当該防護柵は、仕切板と対峙するように被固定部としての床に固定された状態に設置されている(特許文献1,2等参照)。
また、近年、異常気象による豪雨や河川氾濫等に基づく水害対策として、建物の開口部に押し寄せる雨水や氾濫水の、建物内への浸入を防止する止水板を建物の開口部に着脱可能に設置することが知られている(特許文献3等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-218329号公報
【特許文献2】実用新案登録第3151738号公報
【特許文献3】特開2021-75929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献3に開示された止水板は、使用時以外においては、倉庫等の保管場所に、平置きや縦置き等にして保管した場合、崩れたり倒れたりする可能性があるので、安定な状態で保管するためには、別途、工夫が必要である等の課題があった。
【0005】
本発明は、止水板を安定な状態で着脱可能に取付けておくことができる防護柵を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る防護柵は、止水板を着脱可能に取付けるための被取付部を備えたことを特徴とする。
また、被固定部に固定される枠体を備え、止水板が前記枠体に設けられた前記被取付部に着脱可能に取付けられたことを特徴とする。
また、止水板は、前記枠体で囲まれた空間の少なくとも一部を閉鎖する状態に、当該枠体の前記被取付部に着脱可能に取付けられたことを特徴とする。
本発明に係る防護柵によれば、止水板を安定な状態で着脱可能に取付けておくことができる防護柵を提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(a)は止水板が取付けられた防護柵を示す斜視図、(b)は当該防護柵を示す分解斜視図(実施形態1)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
図1に基づいて、実施形態1に係る防護柵1について説明する。
防護柵1は、上述したような自動ドアユニットの近傍において、当該自動ドアユニットの仕切板(FIX(嵌殺し戸))と対峙するように、図外の固定手段により、被固定部としての床に固定された状態に設置される。
防護柵1は、枠体としての門型フレーム2と、門型フレーム2に取付けられた上側板28及び下側板29と、門型フレーム2に着脱自在に取付けられた止水板3とを備えて構成される。
即ち、防護柵1は、門型フレーム2に、止水板3を着脱可能に取付けるための被取付部4を備えた構成とした。
【0009】
門型フレーム2は、左右一対の垂直材20,20と、左右の垂直材20,20の上端部に着脱可能に構成された横架材21とを備えて構成される。
垂直材20は、例えば上端開口25を有した断面円形の鋼管により構成される。
横架材21は、例えば断面円形の鋼管の両端側を同方向に折り曲げて形成され、両方の端部の先端側には、左右の垂直材20,20の上端開口25からこれら垂直材20,20の管内に嵌め込まれて嵌合結合される結合部22,22が設けられた構成となっている。
即ち、横架材21は、門型フレーム2の上端部を形成する水平部と、水平部の両端から延長する端部とを備えるように形成された外形凹状(コ字状)の断面円形の鋼管により形成され、両方の端部の先端側に結合部22,22が設けられた構成となっている。
【0010】
垂直材20は、下端27側が、図外のブラケット及びアンカーボルト等の固定手段を用いて被固定部としての床に固定される。
左右一対の垂直材20,20は、被取付部4としての縦溝41が互いに向かい合うように所定の間隔を隔てて床に固定される。
縦溝41は、垂直材20の上端開口縁26の一部分から下方に連続するように垂直材20の管壁を除去して形成された溝により構成される。当該縦溝41は、垂直材20の上端開口縁26の上方から、下側板29の側端部、及び、止水板3の側端部31が挿脱可能となるような、上端開放下端有底の縦溝に構成されている。
【0011】
止水板3、及び、下側板29は、
図1(b)に示すように、例えば左右方向に長い所定厚さの長方形の板材により構成される。
当該止水板3、及び、下側板29は、左右幅寸法が、左の垂直材20の外周面と右の垂直材20の外周面との間の最短距離寸法Aよりも長く、かつ、左の垂直材20の外周面と右の垂直材20の外周面との間の最長距離寸法Bよりも短い寸法に形成される。また、上下幅寸法が、縦溝41の上下の延長長さ寸法よりも短い寸法に形成される。さらに、厚さ(板厚)寸法が、縦溝41の溝縁41s,41s間の寸法とほぼ同じ寸法(溝縁41s,41s間の寸法よりも若干小さい寸法)に形成されている。
【0012】
そして、下側板29は、左右の側端部が、左右の垂直材20,20の上端開口25,25から縦溝41,41を介して左右の垂直材20,20の管内に嵌め込まれて、左右の側端部の下面が、縦溝41,41の下端縁上に載置された状態とされて、左右の垂直材20,20間の下側の部分を塞ぐように設けられている。
尚、下側板29は、図外の固定手段により、左右の垂直材20,20に固定されていることが好ましいが、左右の側端部の下面が、縦溝41,41の下端縁上に載置された状態となるように、左右の垂直材20,20の管内に嵌め込まれているだけの状態であってもよい。つまり、実施形態1の場合、下側板29は、必ずしも、左右の垂直材20,20に固定されていなくてもよい。
【0013】
また、横架材21の水平部と両方の端部とで囲まれた空間を塞ぐように、上側板28が横架材21の水平部の下部と両方の端部の側部との固定された状態に設けられている。
この場合、上側板28の下端面28uと横架材21の両方の端部の下端面とが同一面上に位置されるように構成される。
【0014】
止水板3は、左右の垂直材20,20の縦溝41,41に嵌め込まれた下側板29の上方に位置され、左右の側端部31,31が、左右の垂直材20,20の縦溝41,41を介して左右の垂直材20,20の管内に位置された状態となるように取付けられる。
即ち、止水板3の左右の側端部31,31が、左右の垂直材20,20の縦溝41,41を介して左右の垂直材20,20の管内に位置されて、止水板3の下端面3uが下側板29の上端面29t上に載置され、かつ、止水板3の上端面3tと左右の垂直材20,20の上端開口25とが同一水平面上に位置されるように構成される。つまり、止水板3の左右の側端部31,31が縦溝41,41を介して防護柵1の左右の垂直材20,20の管内に収容された取付状態となっている。
そして、横架材21の端部の先端側に設けられた結合部22,22が、左右の垂直材20,20の上端開口25から垂直材20の管内に嵌め込まれて嵌合結合されたことにより、止水板3が左右の垂直材20,20に対して着脱可能に取付けられた構成となっている。
尚、横架材21の結合部22,22が、左右の垂直材20,20の上端開口25から垂直材20の管内に嵌め込まれて嵌合結合された状態において、止水板3の左右の側端部31,31の上端面3t側部分と横架材21の結合部22,22とが干渉しないように構成されている。即ち、実施形態1において、結合部22は、例えば、止水板3の側端部31の上端面3t側部分と干渉する部分を除去した切欠きを備えた構成となっている。
【0015】
また、止水板3は、左右の側端部31,31の板厚寸法が、縦溝41の溝幅寸法よりも数mm程度小さい寸法に形成されることが好ましい。このようにすれば、止水板3の側端部31の板面と縦溝41の溝縁41sとが干渉せずに、縦溝41に対する止水板3の側端部31の挿脱が容易となり、かつ、縦溝41,41内に、止水板3を安定な状態で着脱可能に取付けておくことができるようになる。
【0016】
実施形態1において、止水板3を着脱可能に取付けるための被取付部4は、中空の管材により構成された垂直材20に形成された上端開放下端有底の縦溝41により構成される。
換言すれば、被取付部4は、上端開口25を有した中空の管材により構成されて、かつ、上端開放下端有底の縦溝41を備えた左右の垂直材20,20により構成される。即ち、被取付部4は、垂直材20の上端開口25を形成する上端開口縁26の一部分から下方に連続するように垂直材20の管壁を除去して形成されて、垂直材20の上端開口25の上方から止水板3の側端部31が挿脱可能となるように構成された上端開放下端有底の縦溝41を有した左右の垂直材20,20により構成される。
【0017】
門型フレーム2に対する止水板3の取付は、まず、横架材21を左右の垂直材20,20から取り外す。そして、止水板3の左右の側端部31,31を、左右の垂直材20,20の上端開口25,25から縦溝41,41及び管内に挿入して、止水板3の側端部31の下端面3uと下側板29の上端面29tとを接触させた状態とする。つまり、止水板3の左右の側端部31,31が縦溝41,41を介して防護柵1の左右の垂直材20,20の管内に収容された状態とする。
その後、横架材21の両端側の結合部22,22を、左右の垂直材20,20の上端開口25から垂直材20の管内に嵌め込んで結合することにより、横架材21に固定された上側板28の下端面28uと止水板3の上端面3tとが接触した状態となった防護柵1が構成される。
尚、横架材21の結合部22と垂直材20との結合を確実にするために、横架材21の結合部22と垂直材20の上端部とが図外のねじやボルトナット等の結合手段で結合されている。
以上により、止水板3が、被取付部4としての左右の垂直材20,20に、安定な状態で着脱可能に取付けられることになる。
【0018】
即ち、左右の垂直材20,20と横架材21とが結合されて門型フレーム2が形成され、かつ、門型フレーム2で囲まれた空間の少なくとも一部を閉鎖する状態に、止水板3が左右の垂直材20,20に着脱可能に取付けられた構成の防護柵1となる。
換言すれば、防護柵1は、枠体としての門型フレーム2と、門型フレーム2の左右の垂直材20,20に着脱自在に取付けられた場合に門型フレーム2で囲まれた空間の少なくとも一部を塞ぐ面材として機能する止水板3とを備えて構成される。
尚、当該防護柵1は、例えばJIS A 4722に規定された内容を満たすように構成される。例えば、当該防護柵1の高さ(床面から横架材21の上端までの高さ)は900mm以上に構成され、かつ、当該防護柵1の下側板の下端面と床面との間の隙間は100mm以下となるよう構成される。
【0019】
また、左右の垂直材20,20から止水板3を取り外す場合には、横架材21を左右の垂直材20,20から取り外した後、止水板3を上方に引き上げて縦溝41,41から取り出すようにすればよい。
左右の垂直材20,20から取り外された止水板3は、建物の開口部の下部側を塞ぐように設置されることにより、止水板3の本来の機能である、開口部に押し寄せる雨水や氾濫水の建物内への浸入防止効果を発揮する。
【0020】
即ち、実施形態1の防護柵1は、枠体としての門型フレーム2の左右の垂直材20,20に止水板3を着脱可能に取付けるための被取付部4を備え、当該被取付部4に止水板3が着脱可能に取付けられた構成の止水板3付き防護柵である。
換言すれば、実施形態1の防護柵1は、止水板3の左右の側端部31,31を縦溝41,41を介して防護柵1の左右の垂直材20,20の管内に収容した状態で着脱可能に取付けるための被取付部4を備えた構成である。
また、実施形態1の防護柵1は、後述する実施形態2,3等とは異なり、左右の垂直材20,20を構成する各管の互いに対向する内側のみに止水板3を挿脱するための縦溝41,41が存在する構成であるため、防護柵1として使用される通常時には、通常の防護柵と同等な外観となるので、止水板3を着脱可能でかつ意匠性に優れた防護柵1を提供できるようになる。
【0021】
実施形態1の防護柵1によれば、防護柵1の枠体としての門型フレーム2を止水板3の保管場所として利用できるので、止水板3を保管するための倉庫等の保管場所を不要とでき、かつ、止水板3を安定な状態で着脱可能に取付けて保管しておくことができる防護柵1を提供できる。
【0022】
また、上述した特許文献3に開示された止水板では、止水板の使用時の設置場所の近傍に保管場所がない場合には、当該設置場所と設置場所から離れた保管場所との間で止水板を運搬しなければならず、止水板3の保管及び設置に関する利便性に欠けるという課題があった。
これに対して、実施形態1に係る防護柵によれば、建物の開口部近傍の設置場所に着脱可能に設置される止水板と、建物の開口部に設置された自動ドアユニットの近傍に固定される防護柵とに着目して、防護柵の枠体としての門型フレーム2に止水板3を着脱自在に取付けた構成としたので、止水板3の保管及び設置に関する利便性を向上させた、止水板3の着脱を可能とした防護柵1を提供できるようになった。
即ち、止水板は、通常時には使わないため、開口部から離れた倉庫等に収納されることが多い。また、止水板は開口部を塞ぐ必要があるため、大きくて重くなる傾向がある。これらの理由で、有事の際には、運搬、設置が遅れ、浸水被害を大きくする虞がある。また、建物に複数の開口部があり、それぞれの開口部用の複数の止水板が倉庫等に収納される場合、止水板が何処の開口部用の止水板なのか判別に時間がかかるという懸念もあった。
実施形態1に係る防護柵1によれば、これらの問題を解消できるようになった。
【0023】
実施形態1では、垂直材20の管壁を除去して形成された縦溝41を備え、止水板3の左右の側端部31,31を、左右の垂直材20,20の縦溝41,41及び管内に挿入して取付ける構成の被取付部4とした。
一方、以下の実施形態2のように、互いに対向する左の垂直材20の管壁の外周面と右の垂直材20の管壁の外周面とに、止水板3を着脱可能に取付けるための被取付部4を備えた構成としてもよい。
また、以下の実施形態3のように、門型フレーム2Aの互いに対向する左右の垂直部20A,20Aの管壁の外周面に、止水板3を着脱可能に取付けるための被取付部4を備えた構成としてもよい。
【0024】
実施形態2
図2に示すように、互いに対向する左の垂直材20の管壁の外周面と右の垂直材20の管壁の外周面とに、止水板3を着脱可能に取付けるための被取付部4を備え、当該被取付部4は、止水板3の側端部31を受ける受部42により構成した。
尚、実施形態2においては、下側板29の左右の側端部側が、左右の垂直材20,20に予め固定されて、左右の垂直材20,20と下側板29とが一体に構成されている。
また、実施形態2の
図2において、実施形態1の
図1と同一部分又は相当部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0025】
実施形態2においては、被取付部4としての受部42は、上下方向に延長して、止水板3の側端部31の板厚寸法よりも若干大きい寸法を隔てて互いに板面が平行に対向するように、垂直材20の管壁の外周面に溶接などで取付けられた一対の前後の縦板42s,42sにより構成される。
即ち、受部42は、垂直材20の管壁の外周面に溶接などで取付けられて、上方から挿入された止水板3の側端部31の下端面3uを、下側板29の上端面29tまで導くガイドとして機能するとともに、側端部31の板面を前後から挟持する挟持部材として機能する一対の前後の縦板42s,42sにより構成される。
【0026】
実施形態2によれば、門型フレーム2に対する止水板3の取付は、実施形態1と同じように、まず、横架材21を左右の垂直材20,20から取り外す。そして、止水板3の左右の側端部31,31を、受部42を構成する前後の縦板42s,42sの上端縁間の上方から前後の縦板42s,42s間に挿入して、止水板3の下端面3uと下側板29の上端面29tとを接触させた状態とする。
その後、実施形態1と同様に、横架材21の両端側の結合部22,22を、左右の垂直材20,20の上端開口25から垂直材20の管内に嵌め込んで結合することにより、横架材21に固定された上側板28の下端面28uと止水板3の上端面3tとが接触した状態となった防護柵1が構成される。
また、横架材21の結合部22と垂直材20との結合を確実にするために、横架材21の結合部22と垂直材20の上端部とが図外のねじやボルトナット等の結合手段で結合されている。
尚、実施形態2においては、止水板3の側端面が垂直材20の管壁の外側に位置されるので、横架材21の結合部22は、垂直材20の上端開口25に対応した例えば円管状に形成されていればよい。
以上により、止水板3が、左右の垂直材20,20に設けられた被取付部4としての左右の受部42,42に、安定な状態で着脱可能に取付けられることになる。
【0027】
以上の説明から明らかなように、実施形態2によれば、実施形態1と同様な効果が得られる防護柵1を提供できる。
【0028】
実施形態3
実施形態1,2では、止水板3を、被取付部4に対して上方から挿入して取付ける構成としたが、
図3に示すように、止水板3を、門型フレーム2Aの前側又は後側から門型フレーム2Aに設けられた被取付部4としての被取付板45に取付ける構成としてもよい。
実施形態3の場合、門型フレーム2Aは、左右の垂直部20A,20Aと横架部21Aとが一体に形成された構成される。従って、下側板29の左右の側端部側が、左右の垂直部20A,20Aに予め固定されて、かつ、上側板28の上端側及び左右の端部側が、横架部21Aに予め固定された構成である。即ち、門型フレーム2Aと上側板28と下側板29とが一体に構成されている。
また、実施形態3の
図3において、実施形態1の
図1と同一部分又は相当部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0029】
実施形態3においては、互いに対向する左の垂直部20Aの外周面と右の垂直部20Aの外周面とに、それぞれ、被取付板45を設けた構成とする。
左右の垂直部20A,20Aに設けられた被取付板45、止水板3の側端部31には、それぞれ板を貫通する貫通孔46,47が形成される。
そして、例えば被取付板45に設けられた貫通孔46及び止水板3の側端部31に設けられた貫通孔47を貫通させたボルト48の先端側にナット49を締結することにより、止水板3が、門型フレーム2Aの前側又は後側から門型フレーム2Aに設けられた被取付部4としての被取付板45に着脱可能に取付けられた構成の防護柵1とした。
【0030】
実施形態3においては、止水板3の下端面3uと下側板29の上端面29tとが接触し、かつ、止水板3の上端面3tと上側板28の下端面28uとが接触するように、止水板3が被取付板45に取付けられる。
実施形態3によれば、止水板3が、被取付部4としての左右の被取付板45,45に、安定な状態で着脱可能に取付けられることになる。
従って、実施形態3によれば、実施形態1,2と同様な効果が得られる防護柵1を提供できる。
【0031】
尚、止水板3、下側板29、上側板28は、所定板厚の金属板で構成してもよいが、防護柵1の内側の透明性や止水板3の軽量化等を図るために、止水板3、下側板29、上側板28の各部材の全て、あるいは、各部材の一部を、光透過性パネル(例えばガラス、透明パネル等)で構成してもよい。
例えば、止水板3、下側板29は、外側の金属製枠材の内側に光透過性パネルを嵌め込んだ構成の複合板とし、上側板28は、上端側及び左右の端部側が横架部21Aに嵌め込まれた光透過性パネルの下側に金属製枠材を備えた構成の複合板としてもよい。
【0032】
また、上記では、自動ドアユニットの近傍に設置される防護柵の枠体に止水板を着脱自在に取付けた構成の防護柵を例示したが、本発明の対象となる防護柵は、道路やその他の土地などの箇所に設置される防護柵の枠体に止水板を着脱自在に取付けた構成の防護柵であってもよい。
【0033】
また、上記では、防護柵の枠体に止水板を着脱自在に取付けた構成の防護柵を例示したが、本発明の防護柵は、少なくとも、防護柵本体を構成する防護柵の枠体に止水板を着脱可能に取付けるための被取付部を備えた構成であればよい。
即ち、実際に止水板が取付けられているか否かに関係なく、止水板を着脱可能に取付けるための被取付部を備えた防護柵であればよく、当該構成の防護柵であっても、本願発明の所期の目的である、止水板を安定な状態で着脱可能に取付けておくことができる防護柵を提供できるようになる。
【符号の説明】
【0034】
1 防護柵、2,2A 門型フレーム(枠体)、3 止水板、4 被取付部、
41 縦溝(被取付部)、42 受部(被取付部)、45 被取付板(被取付部)。