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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117632
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】降圧電源回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20230817BHJP
【FI】
H02M3/155 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020302
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】宮地 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】西島 和哉
(72)【発明者】
【氏名】梅木 亨真
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB82
5H730FG01
5H730XX03
5H730XX13
(57)【要約】
【課題】負荷増大時における降圧電源回路の出力電圧の低下を抑制する。
【解決手段】降圧電源回路が少なくとも第1インダクタ(L)と第2インダクタ(L)と第1LSスイッチ(SL1)と第2LSスイッチ(SL2)と第1HSスイッチ(SH1)とフライングキャパシタ(CFLY1)と第2HSスイッチ(SH2)と出力電圧低下抑制キャパシタ(C)と出力電圧低下抑制スイッチ(S)とを備え、Sがオフ状態になる降圧電源回路の定常動作時に第1フェーズと第2フェーズと第3フェーズとが切り替わることによって負荷に電流が流れ、負荷の抵抗の減少に伴って負荷に流れる電流が増加する時である降圧電源回路の負荷増大時に、Sがオン状態になり、入力直流電源からSH1とCFLY1とLとを少なくとも介して負荷に電流が流れると共に、降圧電源回路の定常動作時にCに蓄えられた電荷が、SとLとを少なくとも介して負荷に流れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に接続される第1インダクタと、
前記第1インダクタに並列に前記負荷に接続される第2インダクタと、
第1ローサイドスイッチと、
第2ローサイドスイッチと、
入力直流電源に接続される第1ハイサイドスイッチと、
前記第1ハイサイドスイッチに接続された第1フライングキャパシタと、
前記第1フライングキャパシタに並列に前記第1ハイサイドスイッチに接続された第2ハイサイドスイッチと、
前記第1ハイサイドスイッチに並列に接続された出力電圧低下抑制キャパシタと、
前記出力電圧低下抑制キャパシタに直列接続された出力電圧低下抑制スイッチとを少なくとも備える降圧電源回路であって、
前記第1インダクタの一方の端部と前記第2インダクタの一方の端部とが前記負荷に接続され、
前記第1インダクタの他方の端部が、前記第1ローサイドスイッチの一方の端部に接続され、
前記第1ローサイドスイッチの他方の端部がグランドに接続され、
前記第2インダクタの他方の端部が、前記第2ローサイドスイッチの一方の端部に接続され、
前記第2ローサイドスイッチの他方の端部が前記グランドに接続され、
前記出力電圧低下抑制スイッチがオフ状態になる前記降圧電源回路の定常動作時に、
少なくとも、前記入力直流電源から前記第1ハイサイドスイッチと前記第1フライングキャパシタと前記第2インダクタとを少なくとも介して前記負荷に電流が流れると共に、前記グランドから前記第1ローサイドスイッチと前記第1インダクタとを介して前記負荷に電流が流れる第1フェーズと、
前記グランドから前記第2ローサイドスイッチと前記第2インダクタとを介して前記負荷に電流が流れると共に、前記グランドから前記第1ローサイドスイッチと前記第1インダクタとを介して前記負荷に電流が流れる第2フェーズと、
前記グランドから前記第2ローサイドスイッチと前記第2インダクタとを介して前記負荷に電流が流れると共に、前記第1フライングキャパシタから前記第2ハイサイドスイッチと前記第1インダクタとを少なくとも介して前記負荷に電流が流れる第3フェーズとが切り替わることによって、前記負荷に第1の大きさの電流が流れ、
前記負荷の抵抗の減少に伴って前記負荷に流れる電流が増加する時である前記降圧電源回路の負荷増大時に、
前記出力電圧低下抑制スイッチがオン状態になり、
前記入力直流電源から前記第1ハイサイドスイッチと前記第1フライングキャパシタと前記第2インダクタとを少なくとも介して前記負荷に電流が流れると共に、前記入力直流電源から前記出力電圧低下抑制キャパシタと前記出力電圧低下抑制スイッチと前記第1インダクタとを少なくとも介して前記負荷に電流が流れる第4フェーズになり、前記負荷に前記第1の大きさより大きい第2の大きさの電流が流れる、
降圧電源回路。
【請求項2】
前記出力電圧低下抑制キャパシタの一方の端部が、前記入力直流電源に接続され、
前記出力電圧低下抑制キャパシタの他方の端部が、前記出力電圧低下抑制スイッチの一方の端部に接続され、
前記出力電圧低下抑制スイッチの他方の端部が、前記第1インダクタの他方の端部に接続され、
前記第4フェーズでは、前記出力電圧低下抑制スイッチおよび前記第1ハイサイドスイッチがオン状態になると共に、前記第2ハイサイドスイッチ、前記第1ローサイドスイッチおよび前記第2ローサイドスイッチがオフ状態になることによって、前記入力直流電源から前記第1ハイサイドスイッチと前記第1フライングキャパシタと前記第2インダクタとを介して前記負荷に電流が流れると共に、前記入力直流電源から前記出力電圧低下抑制キャパシタと前記出力電圧低下抑制スイッチと前記第1インダクタとを介して前記負荷に電流が流れる、
請求項1に記載の降圧電源回路。
【請求項3】
第2の出力電圧低下抑制キャパシタを備え、
前記出力電圧低下抑制キャパシタの一方の端部が、前記入力直流電源に接続され、
前記出力電圧低下抑制キャパシタの他方の端部が、前記出力電圧低下抑制スイッチの一方の端部に接続され、
前記出力電圧低下抑制スイッチの他方の端部が、前記第2の出力電圧低下抑制キャパシタの一方の端部とに接続され、
前記第2の出力電圧低下抑制キャパシタの他方の端部が、前記第1インダクタの他方の端部に接続され、
前記第4フェーズでは、前記出力電圧低下抑制スイッチおよび前記第1ハイサイドスイッチがオン状態になると共に、前記第2ハイサイドスイッチ、前記第1ローサイドスイッチおよび前記第2ローサイドスイッチがオフ状態になることによって、前記入力直流電源から前記第1ハイサイドスイッチと前記第1フライングキャパシタと前記第2インダクタとを介して前記負荷に電流が流れると共に、前記入力直流電源から前記出力電圧低下抑制キャパシタと前記出力電圧低下抑制スイッチと前記第2の出力電圧低下抑制キャパシタと前記第1インダクタとを介して前記負荷に電流が流れる、
請求項1に記載の降圧電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降圧電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高降圧化と容量を用いるSwitched Capacitor(SC)電源が着目されている。
SC回路には直並列型、ラダー型(コッククロフト・ウォルトン型)、ディクソン型、フィボナッチ型など様々あるが、何れのSC回路においても、シングルインダクタ方式では1つのインダクタが2つ以上のフライングキャパシタを並列に充放電することがある。この場合、各フェーズの開始時にスイッチを介した電荷再配分(ハードチャージ)によりこの不釣り合い分を解消するが、結果的にハードチャージによる損失が発生する。
【0003】
このようなハードチャージを避けつつ、さらに降圧比を向上させる方法として2つのインダクタL、Lを有するデュアルインダクタハイブリッドディクソン型コンバータが提案された(非特許文献1および非特許文献2参照)。デュアルインダクタハイブリッドディクソン型コンバータにおいては、各フライングキャパシタに流れる電流をインダクタの電流に一致させることでハードチャージを防ぎつつ、出力電圧はDVIN/(2N)程度となり、降圧比をシングルインダクタの2倍にすることができる。また、負荷電流を2つのインダクタL、Lに分割することができるので、インダクタのサイズを大きくすることなく負荷電流を増加することが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Ratul Das, Gab-Su Seo and Hanh-Phuc Le “A 120V-to-1.8V 91.5%-Efficient 36-W Dual-Inductor Hybrid Converter with Natural Soft-charging Operations for Direct Extreme Conversion Ratios” 2018 IEEE Energy Conversion Congress and Exposition (ECCE)
【非特許文献2】Tianshi Xie, Ratul Das, Gab-Su Seo, Dragan Maksimovic and Hanh-Phuc Le “Multiphase Control for Robust and Complete Soft-charging Operation of Dual Inductor Hybrid Converter” 2019 IEEE Applied Power Electronics Conference and Exposition (APEC)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デュアルインダクタハイブリッドディクソン型コンバータはこのように優れた特徴を持っているが、負荷応答時の際、問題がある。デュアルインダクタハイブリッドディクソン型コンバータでは、出力負荷ILOADが急に増えた場合、インダクタL、Lを流れるインダクタ電流IL1、IL2は増加後の出力負荷ILOADの2分の1(ILOAD/2)まで増える必要がある。各インダクタ電流IL1、IL2はスイッチングノードVX1、VX2(インダクタL、Lの接続点)がハイレベルになっている時(インダクタ充電時)でしか増えない。しかし、このデュアルインダクタハイブリッドディクソン型コンバータは両方のスイッチングノードVX1、VX2がともにハイレベルになる状態が許されないため、制御回路はスイッチングノードVX1、VX2がともにハイレベルになることを避けるように制御する必要がある。その結果、両方のインダクタ電流IL1、IL2が同時に増えることができず、それぞれが増加後の出力負荷ILOADの2分の1(ILOAD/2)に追従するまでに時間がかかる。その間、出力平滑コンデンサCOUTから負荷へ電荷が供給され続け、電圧VOUTが一時的に目標電圧から大きく下がってしまう。
【0006】
上述した問題点に鑑み、本発明は、負荷増大時における第1インダクタLおよび第2インダクタLと負荷との接続点の電圧VOUTの低下を抑制することができる降圧電源回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、負荷に接続される第1インダクタと、前記第1インダクタに並列に前記負荷に接続される第2インダクタと、第1ローサイドスイッチと、第2ローサイドスイッチと、入力直流電源に接続される第1ハイサイドスイッチと、前記第1ハイサイドスイッチに接続された第1フライングキャパシタと、前記第1フライングキャパシタに並列に前記第1ハイサイドスイッチに接続された第2ハイサイドスイッチと、前記第1ハイサイドスイッチに並列に接続された出力電圧低下抑制キャパシタと、前記出力電圧低下抑制キャパシタに直列接続された出力電圧低下抑制スイッチとを少なくとも備える降圧電源回路であって、前記第1インダクタの一方の端部と前記第2インダクタの一方の端部とが前記負荷に接続され、前記第1インダクタの他方の端部が、前記第1ローサイドスイッチの一方の端部に接続され、前記第1ローサイドスイッチの他方の端部がグランドに接続され、前記第2インダクタの他方の端部が、前記第2ローサイドスイッチの一方の端部に接続され、前記第2ローサイドスイッチの他方の端部が前記グランドに接続され、前記出力電圧低下抑制スイッチがオフ状態になる前記降圧電源回路の定常動作時に、少なくとも、前記入力直流電源から前記第1ハイサイドスイッチと前記第1フライングキャパシタと前記第2インダクタとを少なくとも介して前記負荷に電流が流れると共に、前記グランドから前記第1ローサイドスイッチと前記第1インダクタとを介して前記負荷に電流が流れる第1フェーズと、前記グランドから前記第2ローサイドスイッチと前記第2インダクタとを介して前記負荷に電流が流れると共に、前記グランドから前記第1ローサイドスイッチと前記第1インダクタとを介して前記負荷に電流が流れる第2フェーズと、前記グランドから前記第2ローサイドスイッチと前記第2インダクタとを介して前記負荷に電流が流れると共に、前記第1フライングキャパシタから前記第2ハイサイドスイッチと前記第1インダクタとを少なくとも介して前記負荷に電流が流れる第3フェーズとが切り替わることによって、前記負荷に第1の大きさの電流が流れ、前記負荷の抵抗の減少に伴って前記負荷に流れる電流が増加する時である前記降圧電源回路の負荷増大時に、前記出力電圧低下抑制スイッチがオン状態になり、前記入力直流電源から前記第1ハイサイドスイッチと前記第1フライングキャパシタと前記第2インダクタとを少なくとも介して前記負荷に電流が流れると共に、前記入力直流電源から前記出力電圧低下抑制キャパシタと前記出力電圧低下抑制スイッチと前記第1インダクタとを少なくとも介して前記負荷に電流が流れる第4フェーズになり、前記負荷に前記第1の大きさより大きい第2の大きさの電流が流れる、降圧電源回路である。
【0008】
本発明の一態様の降圧電源回路では、前記出力電圧低下抑制キャパシタの一方の端部が、前記入力直流電源に接続され、前記出力電圧低下抑制キャパシタの他方の端部が、前記出力電圧低下抑制スイッチの一方の端部に接続され、前記出力電圧低下抑制スイッチの他方の端部が、前記第1インダクタの他方の端部に接続され、前記第4フェーズでは、前記出力電圧低下抑制スイッチおよび前記第1ハイサイドスイッチがオン状態になると共に、前記第2ハイサイドスイッチ、前記第1ローサイドスイッチおよび前記第2ローサイドスイッチがオフ状態になることによって、前記入力直流電源から前記第1ハイサイドスイッチと前記第1フライングキャパシタと前記第2インダクタとを介して前記負荷に電流が流れると共に、前記入力直流電源から前記出力電圧低下抑制キャパシタと前記出力電圧低下抑制スイッチと前記第1インダクタとを介して前記負荷に電流が流れてもよい。
【0009】
本発明の一態様の降圧電源回路は、第2の出力電圧低下抑制キャパシタを備え、前記出力電圧低下抑制キャパシタの一方の端部が、前記入力直流電源に接続され、前記出力電圧低下抑制キャパシタの他方の端部が、前記出力電圧低下抑制スイッチの一方の端部に接続され、前記出力電圧低下抑制スイッチの他方の端部が、前記第2の出力電圧低下抑制キャパシタの一方の端部とに接続され、前記第2の出力電圧低下抑制キャパシタの他方の端部が、前記第1インダクタの他方の端部に接続され、前記第4フェーズでは、前記出力電圧低下抑制スイッチおよび前記第1ハイサイドスイッチがオン状態になると共に、前記第2ハイサイドスイッチ、前記第1ローサイドスイッチおよび前記第2ローサイドスイッチがオフ状態になることによって、前記入力直流電源から前記第1ハイサイドスイッチと前記第1フライングキャパシタと前記第2インダクタとを介して前記負荷に電流が流れると共に、前記入力直流電源から前記出力電圧低下抑制キャパシタと前記出力電圧低下抑制スイッチと前記第2の出力電圧低下抑制キャパシタと前記第1インダクタとを介して前記負荷に電流が流れてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、負荷増大時における第1インダクタおよび第2インダクタと負荷との接続点の電圧の低下を抑制することができる降圧電源回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の一例を示す図である。
図2】第1実施形態の降圧電源回路1のフェーズを説明するための図である。
図3】第1実施形態の降圧電源回路1のフェーズを説明するための図である。
図4】第1実施形態の降圧電源回路1の定常状態における動作波形の一例を示す波形図である。
図5】第1実施形態の降圧電源回路1の負荷急増時における動作波形の一例を示す波形図である。
図6】比較例の降圧電源回路が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路を示す図である。
図7】比較例の降圧電源回路の負荷急増時における動作波形を示す波形図である。
図8】第2実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
図9】第3実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
図10】第4実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
図11】第5実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
図12】第6実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
図13】第8実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
図14】第9実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
図15】第10実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
図16】第11実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
図17】シミュレーション回路の概要を示す図である。
図18】制御回路(Control)の内部の概要を示す図である。
図19】制御回路の波形を示す図である。
図20】VIN=24V、VOUT=1V、スイッチング周波数2.5MHzとしたときの負荷変動時のVOUTのシミュレーション波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の降圧電源回路の実施形態について説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の一例を示す図である。図2および図3は第1実施形態の降圧電源回路1のフェーズを説明するための図である。詳細には、図2(A)は降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」を示しており、図2(B)は降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」を示しており、図3(A)は降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」を示しており、図3(B)は降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」を示している。
図4は第1実施形態の降圧電源回路1の定常状態における動作波形の一例を示す波形図である。図5は第1実施形態の降圧電源回路1の負荷急増時における動作波形の一例を示す波形図である。
【0014】
図1図5に示す例では、第1実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、フライングキャパシタCFLY1と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図1の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図1の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図1の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図1の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図1の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図1の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図1の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図1の下側の端部)は接地されている。
【0015】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図1の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図1の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図1の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図1の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図1の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図1の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図1の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図1の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図1の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図1の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図1の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図1の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図1の右側の端部)に接続されている。
【0016】
第1実施形態の降圧電源回路1の定常状態の動作には、図2(A)および図4に示すフェーズ「PhaseA1」と、図2(B)および図4に示すフェーズ「PhaseB」と、図3(A)および図4に示すフェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、図4および図5に示すように、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図2(A)に示すように、フェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、図2(A)の右側の矢印で示すように、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。詳細には、図4に示すように、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、図2(A)の左側の矢印で示すように、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、図4に示すように、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。フェーズ「PhaseA1」では、フライングキャパシタCFLY1とインダクタLとが、エネルギーを蓄積する状態になり、インダクタLが、エネルギーを放出する状態になる。
図4に示す電流ILOAD/2は、インダクタLを流れる電流IL1とインダクタLを流れる電流IL2との平均に相当するものであり、負荷LDを流れる電流ILOADの2分の1に相当するものである。
詳細には、図4に示すように、フェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。また、フライングキャパシタCFLY1の電圧VCFLY1が増加する。
【0017】
図2(B)に示すように、フェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1およびハイサイドスイッチSH2がオフ状態になる。その結果、図2(B)の右側の矢印で示すように、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、図4に示すように、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、図2(B)の左側の矢印で示すように、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、図4に示すように、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。フェーズ「PhaseB」では、インダクタLとインダクタLとが、エネルギーを放出する状態になる。
詳細には、図4に示すように、フェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。また、フライングキャパシタCFLY1の電圧VCFLY1が高い状態になる。
【0018】
図3(A)に示すように、フェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、図3(A)の右側の矢印で示すように、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、図4に示すように、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、図3(A)の左側の矢印で示すように、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。詳細には、図4に示すように、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。フェーズ「PhaseA2」では、フライングキャパシタCFLY1とインダクタLとが、エネルギーを放出する状態になり、インダクタLが、エネルギーを蓄積する状態になる。
詳細には、図4に示すように、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。また、フライングキャパシタCFLY1の電圧VCFLY1が減少する。
フェーズ「PhaseA2」の次に実行されるフェーズ「PhaseB」では、図4に示すように、フライングキャパシタCFLY1の電圧VCFLY1が低い状態になる。
図5に示すように、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0019】
負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時には、図5に示すように、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。電流ILOADの増加は、例えば、インダクタ電流IL1、インダクタ電流IL2、またはインダクタLおよびインダクタLと負荷LDとの接続点の電圧VOUTをモニターすることによって測定できる。図5は、フェーズ「PhaseA1」の時に降圧電源回路1の負荷が増大し、Sがオン状態になる例である。出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になってフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行されるのは、フェーズ「PhaseA1」のときに限定されない。他のフェーズ、例えば、フェーズ「PhaseB」、フェーズ「PhaseA2」のときも、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する場合があり、そのときも出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になってフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行される。
図3(B)に示すように、フェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、図3(B)の右側の矢印で示すように、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、図5に示すように、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、図3(B)の左側の矢印で示すように、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、図5に示すように、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。フェーズ「PhaseC」では、フライングキャパシタCFLY1とインダクタLとが、エネルギーを蓄積する状態になり、出力電圧低下抑制キャパシタCとインダクタLとが、エネルギーを蓄積する状態になる。
詳細には、図5に示すように、フェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図5に示すように、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
なお、モニターしていたインダクタ電流IL1、インダクタ電流IL2、または電圧VOUTが所定の値になったときに出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態となり、フェーズ「PhaseC」の動作は終わり、降圧電源回路1は定常状態の動作(定常動作)となる。
【0020】
図6は比較例の降圧電源回路が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路を示す図である。図7は比較例の降圧電源回路の負荷急増時における動作波形を示す波形図である。
図6に示す比較例の降圧電源回路には、図1に示す出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとが備えられていない。
図7に示すように、比較例の降圧電源回路のフェーズ「PhaseA1」には、図5に示す第1実施形態の降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」と同様に、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、図5に示す第1実施形態の降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」と同様に、インダクタLを流れる電流IL2が増加し、インダクタLを流れる電流IL1が減少し、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図7に示すように、比較例の降圧電源回路のフェーズ「PhaseB」には、図5に示す第1実施形態の降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」と同様に、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1およびハイサイドスイッチSH2がオフ状態になる。その結果、図5に示す第1実施形態の降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」と同様に、インダクタLを流れる電流IL2が減少し、インダクタLを流れる電流IL1が減少し、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0021】
図7に示すように、比較例の降圧電源回路のフェーズ「PhaseA2」には、図5に示す第1実施形態の降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」と同様に、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、図5に示す第1実施形態の降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」と同様に、インダクタLを流れる電流IL2が減少し、インダクタLを流れる電流IL1が増加し、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
比較例の降圧電源回路において負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時には、第1実施形態の降圧電源回路1のようにフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行されることなく、フェーズ「PhaseA1」、「PhaseB」、「PhaseA2」のいずれかが、予め設定された順序どおり実行される。
図7に示す例のように、フェーズ「PhaseA1」の実行中に、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する場合には、インダクタLを流れる電流IL1が減少し、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態であるため、インダクタLを流れる電流IL1とインダクタLを流れる電流IL2との合計が、電流ILOAD/2の値より小さくなり、インダクタLおよびインダクタLと負荷LDとの接続点の電圧VOUTが大きく低下してしまう。
フェーズ「PhaseA1」の後に実行されるフェーズ「PhaseA2」においても、インダクタLを流れる電流IL2が減少し、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態であるため、インダクタLを流れる電流IL1とインダクタLを流れる電流IL2との合計が、依然として電流ILOAD/2の値より小さくなり、インダクタLおよびインダクタLと負荷LDとの接続点の電圧VOUTの低下が続いてしまう。
【0022】
それに対し、第1実施形態の降圧電源回路1では、上述したように、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、図5に示すように、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。フェーズ「PhaseC」では、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。詳細には、インダクタLを流れる電流IL2が増加すると共に、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
そのため、第1実施形態の降圧電源回路1では、図6および図7に示す比較例の降圧電源回路よりも、負荷増大時におけるインダクタLおよびインダクタLと負荷LDとの接続点の電圧VOUTの低下を抑制することができる。
図1に示す例では、出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図1の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続され、出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図1の下側の端部)が、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図1の上側の端部)に接続され、出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図1の下側の端部)が、インダクタLの他方の端部(図1の右側の端部)に接続されているが、他の例では、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部が入力直流電源VINに接続され、出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部が出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部に接続され、出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部がインダクタLに接続(出力電圧低下抑制スイッチSと出力電圧低下抑制キャパシタCとが直列接続)されていてもよい。
【0023】
図1図5に示す第1実施形態の降圧電源回路1の定常動作時は、図6および図7に示す比較例の降圧電源回路の定常動作時と同様である。第1実施形態の降圧電源回路1の定常動作時に、出力電圧低下抑制スイッチSをオンする必要は原則ない。ただし、出力電圧低下抑制キャパシタCにかかる電圧を調整するなどの時に出力電圧低下抑制スイッチSをオンすることはあり得る。
【0024】
上述したように、図1図5に示す第1実施形態の降圧電源回路1では、電流ILOADが急増した際に、フェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行されるため、インダクタLを流れる電流IL1とインダクタLを流れる電流IL2とを同時に増加させることができる。その結果、インダクタLを流れる電流IL1とインダクタLを流れる電流IL2との合計が、負荷LDを流れる電流ILOADに追随するまでに要する時間を、図6および図7に示す比較例の降圧電源回路より短くすることができる。また、過渡応答(電流ILOADが急増した際)におけるインダクタLおよびインダクタLと負荷LDとの接続点の電圧VOUTの低下を、図6および図7に示す比較例の降圧電源回路より抑制することができる。
【0025】
図1図5に示す第1実施形態の降圧電源回路1では、電流ILOADが急減した際に、例えばフェーズ「PhaseB」の動作を割り込んで実行する(フェーズ「PhaseB」の動作期間を通常よりも長くする)ことによって、インダクタLを流れる電流IL1とインダクタLを流れる電流IL2との合計を、負荷LDを流れる電流ILOADに早期に追随させることができる。
【0026】
他の例では、出力電圧低下抑制キャパシタCが、ハイサイドスイッチSH1およびハイサイドスイッチSH2を駆動するドライバ(図示せず)のブートストラップ容量としての機能を有していてもよい。
【0027】
<第2実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0028】
図8は第2実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
【0029】
図8に示す例では、第2実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、ハイサイドスイッチSH3と、フライングキャパシタCFLY1と、第2の出力電圧低下抑制キャパシタとして機能するフライングキャパシタCFLY2と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。この例で示すように、降圧電源回路に用いられるフライングキャパシタは第2の出力電圧低下抑制キャパシタとしての機能を兼務することが可能であり、この場合、キャパシタの部品点数が少なくなるというメリットがある。後述する他の実施形態(図10図12図13図15に対応する実施形態)においても同様である。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図8の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図8の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図8の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図8の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図8の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図8の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図8の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図8の下側の端部)は接地されている。
【0030】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図8の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図8の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図8の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図8の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図8の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図8の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図8の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図8の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2の一方の端部(図8の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH3の他方の端部(図8の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図8の左側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の他方の端部(図8の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図8の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図8の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図8の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図8の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図8の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図8の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の一方の端部(図8の上側の端部)とに接続されている。
【0031】
図8に示す例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」と、後述するフェーズ「PhaseA3」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とフェーズ「PhaseA3」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA3」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0032】
図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2およびハイサイドスイッチSH3がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0033】
図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0034】
図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図8に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0035】
図8に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図8に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図8に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0036】
第2実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第2例(第2実施形態の降圧電源回路1の第2例)は、図8に示す第2実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例と同様に構成されている。
【0037】
第2実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
第2実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第2実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0038】
第2実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2およびハイサイドスイッチSH3がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第2実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0039】
第2実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図8に示す例と同様に、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
第2実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0040】
第2実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
第2実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第2実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
第2実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0041】
<第3実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第3実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0042】
図9は第3実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
【0043】
図9に示す例では、第3実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、ハイサイドスイッチSH3と、フライングキャパシタCFLY1と、フライングキャパシタCFLY2と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図9の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図9の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図9の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図9の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図9の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図9の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図9の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図9の下側の端部)は接地されている。
【0044】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図9の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図9の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図9の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図9の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図9の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図9の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図9の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図9の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2の一方の端部(図9の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH3の他方の端部(図9の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図9の左側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY2の他方の端部(図9の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図9の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図9の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図9の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図9の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図9の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図9の右側の端部)に接続されている。
【0045】
図9に示す例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」と、フェーズ「PhaseA3」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とフェーズ「PhaseA3」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA3」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図9に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図9に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0046】
図9に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2およびハイサイドスイッチSH3がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図9に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0047】
図9に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0048】
図9に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、フェーズ「PhaseA3」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図9に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0049】
図9に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
図9に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図9に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図9に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0050】
第3実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第2例(第3実施形態の降圧電源回路1の第2例)は、図9に示す第3実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例と同様に構成されている。
【0051】
第3実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
第3実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第3実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0052】
第3実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2およびハイサイドスイッチSH3がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第3実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0053】
第3実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
第3実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0054】
第3実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
第3実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第3実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
第3実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0055】
<第4施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第2実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第4実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第2実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0056】
図10は第4実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
【0057】
図10に示す例では、第4実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、ハイサイドスイッチSH3と、ハイサイドスイッチSH4と、フライングキャパシタCFLY1と、第2の出力電圧低下抑制キャパシタとして機能するフライングキャパシタCFLY2と、フライングキャパシタCFLY3と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図10の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図10の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図10の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図10の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図10の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図10の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図10の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図10の下側の端部)は接地されている。
【0058】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図10の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図10の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図10の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図10の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図10の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図10の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図10の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図10の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2の一方の端部(図10の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH3の他方の端部(図10の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図10の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図10の上側の端部)とに接続されている。フライングキャパシタCFLY3の他方の端部(図10の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図10の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH4の他方の端部(図10の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図10の右側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の他方の端部(図10の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図10の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図10の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図10の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図10の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図10の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図10の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の一方の端部(図10の上側の端部)とに接続されている。
【0059】
図10に示す例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」と、フェーズ「PhaseA3」と、後述するフェーズ「PhaseA4」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とフェーズ「PhaseA3」とフェーズ「PhaseA4」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA3」→「PhaseB」→「PhaseA4」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0060】
図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびハイサイドスイッチSH4がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0061】
図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0062】
図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0063】
図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
図10に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0064】
図10に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図10に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図10に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0065】
第4実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第2例(第4実施形態の降圧電源回路1の第2例)は、図10に示す第4実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例と同様に構成されている。
【0066】
第4実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
第4実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第4実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0067】
第4実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびハイサイドスイッチSH4がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第4実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0068】
第4実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第4実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
第4実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0069】
第4実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
第4実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第4実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
第4実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0070】
<第5実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第5実施形態について説明する。
第5実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第3実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第5実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第3実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0071】
図11は第5実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
【0072】
図11に示す例では、第5実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、ハイサイドスイッチSH3と、ハイサイドスイッチSH4と、フライングキャパシタCFLY1と、フライングキャパシタCFLY2と、フライングキャパシタCFLY3と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図11の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図11の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図11の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図11の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図11の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図11の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図11の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図11の下側の端部)は接地されている。
【0073】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図11の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図11の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図11の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図11の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図11の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図11の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図11の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図11の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2の一方の端部(図11の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH3の他方の端部(図11の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図11の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図11の上側の端部)とに接続されている。フライングキャパシタCFLY3の他方の端部(図11の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図11の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH4の他方の端部(図11の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図11の右側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY2の他方の端部(図11の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図11の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図11の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図11の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図11の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図11の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図11の右側の端部)に接続されている。
【0074】
図11に示す例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」と、フェーズ「PhaseA3」と、フェーズ「PhaseA4」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とフェーズ「PhaseA3」とフェーズ「PhaseA4」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA3」→「PhaseB」→「PhaseA4」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図11に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図11に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0075】
図11に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびハイサイドスイッチSH4がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図11に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0076】
図11に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0077】
図11に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、フェーズ「PhaseA3」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0078】
図11に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA4」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
図11に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0079】
図11に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
図11に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図11に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図11に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0080】
第5実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第2例(第5実施形態の降圧電源回路1の第2例)は、図11に示す第5実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例と同様に構成されている。
【0081】
第5実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
第5実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第5実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0082】
第5実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびハイサイドスイッチSH4がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第5実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0083】
第5実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
第5実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0084】
第5実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
第5実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第5実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
第5実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0085】
<第6実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第6実施形態について説明する。
第6実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第4実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第6実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第4実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0086】
図12は第6実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
【0087】
図12に示す例では、第6実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、ハイサイドスイッチSH3と、ハイサイドスイッチSH4と、ハイサイドスイッチSH5と、フライングキャパシタCFLY1と、第2の出力電圧低下抑制キャパシタとして機能するフライングキャパシタCFLY2と、フライングキャパシタCFLY3と、フライングキャパシタCFLY4と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図12の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図12の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図12の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図12の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図12の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図12の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図12の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図12の下側の端部)は接地されている。
【0088】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図12の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図12の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図12の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図12の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図12の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図12の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図12の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図12の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2の一方の端部(図12の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH3の他方の端部(図12の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図12の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図12の上側の端部)とに接続されている。フライングキャパシタCFLY3の他方の端部(図12の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図12の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH4の他方の端部(図12の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH5の一方の端部(図12の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY4の一方の端部(図12の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH5の他方の端部(図12の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図12の左側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY4の他方の端部(図12の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図12の右側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の他方の端部(図12の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図12の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図12の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図12の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図12の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図12の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図12の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の一方の端部(図12の上側の端部)とに接続されている。
他の例では、出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図12の下側の端部)が、フライングキャパシタCFLY4の一方の端部(図12の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH5の一方の端部(図12の上側の端部)とに接続されていてもよい。
更に他の例では、出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図12の下側の端部)が、インダクタLの他方の端部(図12の右側の端部)に接続されていてもよい。
【0089】
図12に示す例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」と、フェーズ「PhaseA3」と、フェーズ「PhaseA4」と、後述するフェーズ「PhaseA5」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とフェーズ「PhaseA3」とフェーズ「PhaseA4」とフェーズ「PhaseA5」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA3」→「PhaseB」→「PhaseA4」→「PhaseB」→「PhaseA5」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0090】
図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびハイサイドスイッチSH5がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0091】
図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0092】
図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0093】
図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とフライングキャパシタCFLY4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0094】
図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA5」では、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY4からハイサイドスイッチSH5とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA5」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図12に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0095】
図12に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図12に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図12に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0096】
第6実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第2例(第6実施形態の降圧電源回路1の第2例)は、図12に示す第6実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例と同様に構成されている。
【0097】
第6実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
第6実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY4からハイサイドスイッチSH5とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第6実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0098】
第6実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびハイサイドスイッチSH5がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第6実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0099】
第6実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とフライングキャパシタCFLY4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第6実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
第6実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0100】
第6実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
第6実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第6実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
第6実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0101】
<第7実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第7実施形態について説明する。
第7実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第6実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第7実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第6実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0102】
上述したように、第6実施形態の降圧電源回路1(ディクソン型)は、5個のハイサイドスイッチ(詳細には、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびハイサイドスイッチSH5)と、4個のフライングキャパシタ(詳細には、フライングキャパシタCFLY1、フライングキャパシタCFLY2、フライングキャパシタCFLY3およびフライングキャパシタCFLY4)とを備えている。
一方、第7実施形態の降圧電源回路1(ディクソン型)の第1例では、降圧電源回路1が、6個以上のハイサイドスイッチと、5個以上のフライングキャパシタとを備えている。詳細には、第7実施形態の降圧電源回路1の第1例では、降圧電源回路1が、(N+1)個(Nは5以上の自然数)のハイサイドスイッチと、N個のフライングキャパシタとを備えている。
【0103】
第7実施形態の降圧電源回路1の第1例を一般化して表現すると、下記のようになる。
インダクタLは、電圧「VX1」(図12等参照)で示す点と、電圧「VOUT」(図12等参照)で示す点との間に位置する。インダクタLは、電圧「VX2」(図12等参照)で示す点と、電圧「VOUT」(図12等参照)で示す点との間に位置する。
ローサイドスイッチSL1は、電圧「VX1」(図12等参照)で示す点とグランドとの間に位置する。ローサイドスイッチSL2は、電圧「VX2」(図12等参照)で示す点とグランドとの間に位置する。
N段の降圧電源回路1(ディクソン型)を構成するために、N個のフライングキャパシタ(フライングキャパシタCFLY1、フライングキャパシタCFLY2、…、フライングキャパシタCFLYN)が必要であり、(N+1)個のハイサイドスイッチ(ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、…、ハイサイドスイッチSHN+1)が必要である。
(2M-1)番目のフライングキャパシタCFLY2M-1(Mは自然数で、2M-1はNを超えない)は、電圧「V2M-1」で表現できる点と、電圧「VX2」(図12等参照)で示す点との間に位置する。
2M番目のフライングキャパシタCFLY2M(Mは自然数で、2MはNを超えない)は電圧「V2M-1」で表現できる点と、電圧「VX1」(図12等参照)で示す点との間に位置する。
【0104】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINと、電圧「V」(図12等参照)で示す点との間に位置する。
K番目のハイサイドスイッチSHK(Kは2からNまでの自然数)は、電圧「VK-1」で表現できる点と、電圧「V」で表現できる点との間に位置する。
Nが奇数の時、(N+1)番目のハイサイドスイッチSHN+1は、電圧「V」で表現できる点と、電圧「VX1」(図12等参照)で示す点との間に位置する。Nが偶数の時、(N+1)番目のハイサイドスイッチSHN+1は、電圧「V」で表現できる点と、電圧「VX2」(図12等参照)で示す点との間に位置する。
出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとが直列接続されたブランチが、入力直流電源VINと、電圧「V2M」(Mは自然数で2MはNを超えない)で表現できる点との間に挿入されるか、あるいは、入力直流電源VINと電圧「VX1」(図12等参照)で示す点との間に挿入される。
【0105】
第7実施形態の降圧電源回路1の第1例の定常動作時(出力電圧低下抑制スイッチSはオフ状態)における動作パターンを一般化して表現すると、下記のようになる。
フェーズ「PhaseA2M-1」(Mは自然数で2M-1はNを超えない)では、ハイサイドスイッチSH2M-1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になる。
フェーズ「PhaseA2M」(Mは自然数で2MはNを超えない)では、ハイサイドスイッチSH2MおよびローサイドスイッチSL2がオン状態になる。
フェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になる。
第7実施形態の降圧電源回路1の第1例の定常動作時には、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→…→「PhaseAN」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
【0106】
第7実施形態の降圧電源回路1の第1例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、フェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
フェーズ「PhaseC」では、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になり、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。そのため、インダクタLを流れる電流IL1が増加すると共に、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。その結果、インダクタLおよびインダクタLと負荷LDとの接続点の電圧VOUTのドロップ量を減らすことができ、それにより、降圧電源回路1の定常状態までの復帰時間を減らすことができ、降圧電源回路1を含む電源の安定性を向上させることができる。
【0107】
第7実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1が、上述した第7実施形態の降圧電源回路1の第1例と同様に構成されている。
【0108】
第7実施形態の降圧電源回路1の第2例の定常動作時(出力電圧低下抑制スイッチSはオフ状態)における動作パターンを一般化して表現すると、下記のようになる。
フェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、…、ハイサイドスイッチSH2M-1(Mは自然数で2M-1はNを超えない)およびローサイドスイッチSL1がオン状態になる。
フェーズ「PhaseA2」(Mは自然数で2MはNを超えない)では、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4、…、ハイサイドスイッチSH2M(Mは自然数で2MはNを超えない)およびローサイドスイッチSL2がオン状態になる。
フェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になる。
第7実施形態の降圧電源回路1の第2例の定常動作時には、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
【0109】
第7実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、フェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
フェーズ「PhaseC」では、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になり、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。そのため、インダクタLを流れる電流IL1が増加すると共に、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。その結果、インダクタLおよびインダクタLと負荷LDとの接続点の電圧VOUTのドロップ量を減らすことができ、それにより、降圧電源回路1の定常状態までの復帰時間を減らすことができ、降圧電源回路1を含む電源の安定性を向上させることができる。
【0110】
<第8実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第8実施形態について説明する。
第8実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第2実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第8実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第2実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0111】
図13は第8実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
【0112】
図13に示す例では、第8実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、ハイサイドスイッチSH3と、ハイサイドスイッチSH4と、フライングキャパシタCFLY1と、第2の出力電圧低下抑制キャパシタとして機能するフライングキャパシタCFLY2と、フライングキャパシタCFLY3と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図13の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図13の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図13の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図13の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図13の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図13の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図13の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図13の下側の端部)は接地されている。
【0113】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図13の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図13の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図13の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図13の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図13の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図13の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図13の上側の端部)とに接続されている。
ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図13の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図13の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2の一方の端部(図13の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH3の他方の端部(図13の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図13の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図13の上側の端部)とに接続されている。フライングキャパシタCFLY3の他方の端部(図13の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図13の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH4の他方の端部(図13の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図13の右側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の他方の端部(図13の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図13の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図13の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図13の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図13の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図13の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図13の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の一方の端部(図13の上側の端部)とに接続されている。
【0114】
図13に示す例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」と、フェーズ「PhaseA3」と、後述するフェーズ「PhaseA4」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とフェーズ「PhaseA3」とフェーズ「PhaseA4」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA3」→「PhaseB」→「PhaseA4」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0115】
図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびハイサイドスイッチSH4がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0116】
図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0117】
図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0118】
図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
図13に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0119】
図13に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図13に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図13に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0120】
第8実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第2例(第8実施形態の降圧電源回路1の第2例)は、図13に示す第8実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例と同様に構成されている。
【0121】
第8実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
第8実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第8実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0122】
第8実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびハイサイドスイッチSH4がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第8実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0123】
第8実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第8実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
第8実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0124】
第8実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
第8実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第8実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
第8実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0125】
<第9実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第9実施形態について説明する。
第9実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第3実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第9実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第3実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0126】
図14は第9実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
【0127】
図14に示す例では、第9実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、ハイサイドスイッチSH3と、ハイサイドスイッチSH4と、フライングキャパシタCFLY1と、フライングキャパシタCFLY2と、フライングキャパシタCFLY3と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図14の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図14の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図14の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図14の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図14の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図14の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図14の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図14の下側の端部)は接地されている。
【0128】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図14の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図14の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図14の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図14の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図14の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図14の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図14の上側の端部)とに接続されている。
ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図14の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図14の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2の一方の端部(図14の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH3の他方の端部(図14の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図14の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図14の上側の端部)とに接続されている。フライングキャパシタCFLY3の他方の端部(図14の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図14の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH4の他方の端部(図14の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図14の右側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY2の他方の端部(図14の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図14の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図14の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図14の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図14の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図14の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図14の右側の端部)に接続されている。
【0129】
図14に示す例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」と、フェーズ「PhaseA3」と、フェーズ「PhaseA4」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とフェーズ「PhaseA3」とフェーズ「PhaseA4」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA3」→「PhaseB」→「PhaseA4」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図14に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図14に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0130】
図14に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびハイサイドスイッチSH4がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図14に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0131】
図14に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0132】
図14に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、フェーズ「PhaseA3」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0133】
図14に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA4」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
図14に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0134】
図14に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
図14に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図14に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図14に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0135】
第9実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第2例(第9実施形態の降圧電源回路1の第2例)は、図14に示す第9実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例と同様に構成されている。
【0136】
第9実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
第9実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第9実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0137】
第9実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3およびハイサイドスイッチSH4がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第9実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0138】
第9実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
第9実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0139】
第9実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
第9実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第9実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
第9実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0140】
<第10実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第10実施形態について説明する。
第10実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第8実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第10実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第8実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0141】
図15は第10実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
【0142】
図15に示す例では、第10実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、ハイサイドスイッチSH3と、ハイサイドスイッチSH4と、ハイサイドスイッチSH5と、フライングキャパシタCFLY1と、第2の出力電圧低下抑制キャパシタとして機能するフライングキャパシタCFLY2と、フライングキャパシタCFLY3と、第2の出力電圧低下抑制キャパシタとして機能するフライングキャパシタCFLY4と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図15の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図15の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図15の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図15の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図15の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図15の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図15の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図15の下側の端部)は接地されている。
【0143】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図15の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図15の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図15の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図15の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図15の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図15の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図15の上側の端部)とに接続されている。
ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図15の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図15の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2の一方の端部(図15の上側の端部)とに接続されている。フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の他方の端部(図15の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH5の一方の端部(図12の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY4(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の一方の端部(図15の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH3の他方の端部(図15の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図15の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図15の上側の端部)とに接続されている。フライングキャパシタCFLY3の他方の端部(図15の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図15の左側の端部)に接続されている。
ハイサイドスイッチSH4の他方の端部(図15の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH5の一方の端部(図12の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY4の一方の端部(図15の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH5の他方の端部(図15の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図15の左側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY4(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の他方の端部(図15の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図12の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図15の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図15の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図15の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図15の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図15の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)の一方の端部(図15の上側の端部)とに接続されている。
他の例では、出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図15の下側の端部)が、フライングキャパシタCFLY4の一方の端部(図15の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH5の一方の端部(図15の上側の端部)とに接続されていてもよい。
更に他の例では、出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図15の下側の端部)が、インダクタLの他方の端部(図15の右側の端部)に接続されていてもよい。
【0144】
図15に示す例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」と、フェーズ「PhaseA3」と、フェーズ「PhaseA4」と、後述するフェーズ「PhaseA5」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とフェーズ「PhaseA3」とフェーズ「PhaseA4」とフェーズ「PhaseA5」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA3」→「PhaseB」→「PhaseA4」→「PhaseB」→「PhaseA5」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0145】
図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびハイサイドスイッチSH5がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0146】
図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とフライングキャパシタCFLY4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0147】
図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0148】
図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とフライングキャパシタCFLY4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0149】
図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA5」では、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY4からハイサイドスイッチSH5とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA5」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図15に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0150】
図15に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とフライングキャパシタCFLY4(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
図15の例では、第2の出力電圧低下抑制キャパシタは、直列に接続された2つのフライングキャパシタCFLY2とCFLY4で構成される。第2の出力電圧低下抑制キャパシタは、このように、一つのキャパシタであることに限定されず、2つ以上のキャパシタが直列に接続されたものであってもよい。また、この例に示すように、第2の出力電圧低下抑制キャパシタがこのように直列接続されたキャパシタの場合であっても、直列接続されたフライングキャパシタが第2の出力電圧低下抑制キャパシタとして機能できることは言うまでもない。
詳細には、図15に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図15に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0151】
第10実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第2例(第10実施形態の降圧電源回路1の第2例)は、図15に示す第10実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例と同様に構成されている。
【0152】
第10実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
第10実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY4からハイサイドスイッチSH5とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第10実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0153】
第10実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびハイサイドスイッチSH5がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第10実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0154】
第10実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とフライングキャパシタCFLY4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とフライングキャパシタCFLY4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第10実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
第10実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0155】
第10実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
第10実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとフライングキャパシタCFLY2(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とフライングキャパシタCFLY4(第2の出力電圧低下抑制キャパシタ)とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第10実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
第10実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0156】
<第11実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第11実施形態について説明する。
第11実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第5実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第1実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第8実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0157】
図16は第11実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例を示す図である。
【0158】
図16に示す例では、第11実施形態の降圧電源回路1が、インダクタLと、インダクタLと、ローサイドスイッチSL1と、ローサイドスイッチSL2と、ハイサイドスイッチSH1と、ハイサイドスイッチSH2と、ハイサイドスイッチSH3と、ハイサイドスイッチSH4と、ハイサイドスイッチSH5と、フライングキャパシタCFLY1と、フライングキャパシタCFLY2と、フライングキャパシタCFLY3と、フライングキャパシタCFLY4と、出力電圧低下抑制キャパシタCと、出力電圧低下抑制スイッチSとを備えている。
インダクタLは、負荷LDに接続される。インダクタLは、インダクタLに並列に負荷LDに接続される。出力平滑コンデンサCOUTは、負荷LDに並列に接続される。詳細には、インダクタLの一方の端部(図16の左側の端部)とインダクタLの一方の端部(図16の右側の端部)とが、負荷LDに接続される。インダクタLの他方の端部(図16の右側の端部)は、ローサイドスイッチSL1の一方の端部(図16の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL1の他方の端部(図16の下側の端部)は接地されている。インダクタLの他方の端部(図16の左側の端部)は、ローサイドスイッチSL2の一方の端部(図16の上側の端部)に接続されている。ローサイドスイッチSL2の他方の端部(図16の下側の端部)は接地されている。
【0159】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINに接続される。詳細には、ハイサイドスイッチSH1の一方の端部(図16の上側の端部)が、入力直流電源VINに接続される。ハイサイドスイッチSH1の他方の端部(図16の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY1の一方の端部(図16の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH2の一方の端部(図16の上側の端部)とに接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSH2は、フライングキャパシタCFLY1に並列にハイサイドスイッチSH1に接続されている。フライングキャパシタCFLY1の他方の端部(図16の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図16の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH2の他方の端部(図16の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH3の一方の端部(図16の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY2の一方の端部(図16の上側の端部)とに接続されている。ハイサイドスイッチSH3の他方の端部(図16の下側の端部)は、フライングキャパシタCFLY3の一方の端部(図16の上側の端部)と、ハイサイドスイッチSH4の一方の端部(図16の上側の端部)とに接続されている。フライングキャパシタCFLY3の他方の端部(図16の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図16の左側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH4の他方の端部(図16の下側の端部)は、ハイサイドスイッチSH5の一方の端部(図16の上側の端部)と、フライングキャパシタCFLY4の一方の端部(図16の上側の端部)とに接続されている。フライングキャパシタCFLY4の他方の端部(図16の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図16の右側の端部)に接続されている。ハイサイドスイッチSH5の他方の端部(図16の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図16の左側の端部)に接続されている。フライングキャパシタCFLY2の他方の端部(図16の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図16の右側の端部)に接続されている。
出力電圧低下抑制キャパシタCの一方の端部(図16の上側の端部)は、入力直流電源VINに接続される。つまり、出力電圧低下抑制キャパシタCは、第1ハイサイドスイッチSH1に並列に入力直流電源VINに接続される。出力電圧低下抑制キャパシタCの他方の端部(図16の下側の端部)は、出力電圧低下抑制スイッチSの一方の端部(図16の上側の端部)に接続されている。出力電圧低下抑制スイッチSの他方の端部(図16の下側の端部)は、インダクタLの他方の端部(図16の右側の端部)に接続されている。
【0160】
図16に示す例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」と、フェーズ「PhaseA3」と、フェーズ「PhaseA4」と、「PhaseA5」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とフェーズ「PhaseA3」とフェーズ「PhaseA4」とフェーズ「PhaseA5」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA3」→「PhaseB」→「PhaseA4」→「PhaseB」→「PhaseA5」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0161】
図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびハイサイドスイッチSH5がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0162】
図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0163】
図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA3」では、ハイサイドスイッチSH3およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、フェーズ「PhaseA3」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0164】
図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA4」では、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とフライングキャパシタCFLY4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA4」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0165】
図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA5」では、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、フライングキャパシタCFLY4からハイサイドスイッチSH5とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseA5」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図16に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0166】
図16に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、図16に示す降圧電源回路1のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
図16に示す例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0167】
第11実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第2例(第11実施形態の降圧電源回路1の第2例)は、図16に示す第11実施形態の降圧電源回路1が入力直流電源VIN、負荷LDおよび出力平滑コンデンサCOUTに適用された回路の第1例と同様に構成されている。
【0168】
第11実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1の定常状態の動作に、フェーズ「PhaseA1」と、フェーズ「PhaseB」と、フェーズ「PhaseA2」とが含まれる。降圧電源回路1の定常状態の動作時(定常動作時)には、出力電圧低下抑制スイッチSがオフ状態になる。降圧電源回路1の定常動作時には、フェーズ「PhaseA1」とフェーズ「PhaseB」とフェーズ「PhaseA2」とが、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
第11実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY2からハイサイドスイッチSH3とフライングキャパシタCFLY3とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY4からハイサイドスイッチSH5とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第11実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA1」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
【0169】
第11実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびハイサイドスイッチSH5がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、グランドからローサイドスイッチSL1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が減少する。
詳細には、第11実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が低い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
【0170】
第11実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseA2」では、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4およびローサイドスイッチSL2がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH5およびローサイドスイッチSL1がオフ状態になる。その結果、グランドからローサイドスイッチSL2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が減少する。また、フライングキャパシタCFLY1からハイサイドスイッチSH2とフライングキャパシタCFLY2とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れると共に、フライングキャパシタCFLY3からハイサイドスイッチSH4とフライングキャパシタCFLY4とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、フェーズ「PhaseA2」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が低い状態になる。
第11実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)よりも前の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的小さい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的小さい値になる)。
【0171】
第11実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、出力電圧低下抑制スイッチSがオン状態になるフェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
第11実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では(すなわち、フェーズ「PhaseC」の動作の実行中には)、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になると共に、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4、ハイサイドスイッチSH5、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオフ状態になる。その結果、入力直流電源VINからハイサイドスイッチSH1とフライングキャパシタCFLY1とインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。また、入力直流電源VINから出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとインダクタLとを介して負荷LDに電流が流れる。つまり、インダクタLを流れる電流IL1が増加する。
詳細には、第11実施形態の降圧電源回路1の第2例のフェーズ「PhaseC」では、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。
第11実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流が増加する時点(フェーズ「PhaseC」の開始時点)以降の期間においては、負荷LDに流れる電流ILOADの値が比較的大きい値になる(つまり、電流ILOAD/2の値も比較的大きい値になる)。
【0172】
<第12実施形態>
以下、本発明の降圧電源回路の第12実施形態について説明する。
第12実施形態の降圧電源回路1は、後述する点を除き、上述した第10実施形態の降圧電源回路1と同様に構成されている。従って、第12実施形態の降圧電源回路1によれば、後述する点を除き、上述した第10実施形態の降圧電源回路1と同様の効果を奏することができる。
【0173】
上述したように、第10実施形態の降圧電源回路1(ラダー型)は、5個のハイサイドスイッチ(詳細には、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH3、ハイサイドスイッチSH4およびハイサイドスイッチSH5)と、4個のフライングキャパシタ(詳細には、フライングキャパシタCFLY1、フライングキャパシタCFLY2、フライングキャパシタCFLY3およびフライングキャパシタCFLY4)とを備えている。
一方、第12実施形態の降圧電源回路1(ラダー型)の第1例では、降圧電源回路1が、6個以上のハイサイドスイッチと、5個以上のフライングキャパシタとを備えている。詳細には、第7実施形態の降圧電源回路1の第1例では、降圧電源回路1が、(N+1)個(Nは5以上の自然数)のハイサイドスイッチと、N個のフライングキャパシタとを備えている。
【0174】
第12実施形態の降圧電源回路1の第1例を一般化して表現すると、下記のようになる。
インダクタLは、電圧「VX1」(図15等参照)で示す点と、電圧「VOUT」(図15等参照)で示す点との間に位置する。インダクタLは、電圧「VX2」(図15等参照)で示す点と、電圧「VOUT」(図15等参照)で示す点との間に位置する。
ローサイドスイッチSL1は、電圧「VX1」(図15等参照)で示す点とグランドとの間に位置する。ローサイドスイッチSL2は、電圧「VX2」(図15等参照)で示す点とグランドとの間に位置する。
N段の降圧電源回路1(ラダー型)を構成するために、N個のフライングキャパシタ(フライングキャパシタCFLY1、フライングキャパシタCFLY2、…、フライングキャパシタCFLYN)が必要であり、(N+1)個のハイサイドスイッチ(ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH2、…、ハイサイドスイッチSHN+1)が必要である。
K番目のフライングキャパシタCFLYK(Kは1からN-2までの自然数)は、電圧「V」で表現できる点と、電圧「VK+2」で表現できる点との間に位置する。
Nが奇数の時、フライングキャパシタCFLYN-1は、電圧「VN-1」で表現できる点と、電圧「VX1」(図15等参照)で示す点との間に位置し、フライングキャパシタCFLYNは、電圧「V」で表現できる点と、電圧「VX2」(図15等参照)で示す点との間に位置する。
Nが偶数の時、フライングキャパシタCFLYN-1は、電圧「VN-1」で表現できる点と、電圧「VX2」(図15等参照)で示す点との間に位置し、フライングキャパシタCFLYNは、電圧「V」で表現できる点と、電圧「VX1」(図15等参照)で示す点との間に位置する。
【0175】
ハイサイドスイッチSH1は、入力直流電源VINと、電圧「V」(図15等参照)で示す点との間に位置する。
K番目のハイサイドスイッチSHK(Kは2からNまでの自然数)は、電圧「VK-1」で表現できる点と、電圧「V」で表現できる点との間に位置する。
Nが奇数の時、(N+1)番目のハイサイドスイッチSHN+1は、電圧「V」で表現できる点と、電圧「VX1」(図15等参照)で示す点との間に位置する。Nが偶数の時、(N+1)番目のハイサイドスイッチSHN+1は、電圧「V」で表現できる点と、電圧「VX2」(図15等参照)で示す点との間に位置する。
出力電圧低下抑制キャパシタCと出力電圧低下抑制スイッチSとが直列接続されたブランチが、入力直流電源VINと、電圧「V2M」(Mは自然数で2MはNを超えない)で表現できる点との間に挿入されるか、あるいは、入力直流電源VINと電圧「VX1」(図15等参照)で示す点との間に挿入される。
【0176】
第12実施形態の降圧電源回路1の第1例の定常動作時(出力電圧低下抑制スイッチSはオフ状態)における動作パターンを一般化して表現すると、下記のようになる。
フェーズ「PhaseA2M-1」(Mは自然数で2M-1はNを超えない)では、ハイサイドスイッチSH2M-1およびローサイドスイッチSL1がオン状態になる。
フェーズ「PhaseA2M」(Mは自然数で2MはNを超えない)では、ハイサイドスイッチSH2MおよびローサイドスイッチSL2がオン状態になる。
フェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になる。
第12実施形態の降圧電源回路1の第1例の定常動作時には、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→…→「PhaseAN」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
【0177】
第12実施形態の降圧電源回路1の第1例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、フェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
フェーズ「PhaseC」では、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になり、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。そのため、インダクタLを流れる電流IL1が増加すると共に、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。その結果、インダクタLおよびインダクタLと負荷LDとの接続点の電圧VOUTのドロップ量を減らすことができ、それにより、降圧電源回路1の定常状態までの復帰時間を減らすことができ、降圧電源回路1を含む電源の安定性を向上させることができる。
【0178】
第12実施形態の降圧電源回路1の第2例では、降圧電源回路1が、上述した第12実施形態の降圧電源回路1の第1例と同様に構成されている。
【0179】
第12実施形態の降圧電源回路1の第2例の定常動作時(出力電圧低下抑制スイッチSはオフ状態)における動作パターンを一般化して表現すると、下記のようになる。
フェーズ「PhaseA1」では、ハイサイドスイッチSH1、ハイサイドスイッチSH3、…、ハイサイドスイッチSH2M-1(Mは自然数で2M-1はNを超えない)およびローサイドスイッチSL1がオン状態になる。
フェーズ「PhaseA2」(Mは自然数で2MはNを超えない)では、ハイサイドスイッチSH2、ハイサイドスイッチSH4、…、ハイサイドスイッチSH2M(Mは自然数で2MはNを超えない)およびローサイドスイッチSL2がオン状態になる。
フェーズ「PhaseB」では、ローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2がオン状態になる。
第12実施形態の降圧電源回路1の第2例の定常動作時には、「PhaseA1」→「PhaseB」→「PhaseA2」→「PhaseB」→「PhaseA1」→…の順に切り替えられて繰り返される。
【0180】
第12実施形態の降圧電源回路1の第2例では、負荷LDの抵抗の減少に伴って負荷LDに流れる電流ILOADが増加する時である降圧電源回路1の負荷増大時に、フェーズ「PhaseC」の動作が割り込んで実行(開始)される。
フェーズ「PhaseC」では、出力電圧低下抑制スイッチSおよびハイサイドスイッチSH1がオン状態になり、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1が高い状態になり、ローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2が高い状態になる。そのため、インダクタLを流れる電流IL1が増加すると共に、インダクタLを流れる電流IL2が増加する。その結果、インダクタLおよびインダクタLと負荷LDとの接続点の電圧VOUTのドロップ量を減らすことができ、それにより、降圧電源回路1の定常状態までの復帰時間を減らすことができ、降圧電源回路1を含む電源の安定性を向上させることができる。
【0181】
[実施例]
本発明者等は、0.25μm BCDプロセスを用いたシミュレーションによる本発明の効果の確認を行った。シミュレータにはCadence社のSpectreを用いた。
図17はシミュレーション回路の概要を示す図である。主回路(Power Stage)は、ハイサイドスイッチSH1~ハイサイドスイッチSH6と、フライングキャパシタCFLY1~フライングキャパシタCFLY5とを有する6:1デュアルインダクタハイブリッドラダー型となっている。図17において、CFLYは、フライングキャパシタCFLY1~フライングキャパシタCFLY5および出力電圧低下抑制キャパシタCに用いているフライングキャパシタの容量値であり、500nFとしている。インダクタンスは330nHである。CBSTはPower Stage内部のゲートドライバに用いているブートストラップ容量の値である。
図18は制御回路(Control)の内部の概要を示す図である。位相補償は2相のType-III制御がベースとなっており、VCMP1とVCMP2とが、ローサイドスイッチSL1とインダクタLとの接続点の電圧VX1の波形とローサイドスイッチSL2とインダクタLとの接続点の電圧VX2の波形とを模擬するように論理回路とゲートドライバを経て、ハイサイドスイッチSH1~ハイサイドスイッチSH6とローサイドスイッチSL1およびローサイドスイッチSL2と出力電圧低下抑制スイッチSとを制御する。
【0182】
図19は制御回路の波形を示す図である。図19に示すように、この制御回路ではEN_VEAHLIM制御端子がHの時、エラーアンプ(EA)のマルチプレクサ後の出力VMUXが、VEA_HLIMの値より上にならないようになっている。VEA_HLIMの値を適切に設定することで負荷変動時でもこれによりVCMP1とVCMP2とがともにハイレベルになる(VMUXがVRAM1とVRAM2よりともに大きいときになる)ことを防止することができるようになっており、従来回路の制御として機能させることができる。一方、EN_VEAHLIM制御端子をLにするとVMUXの値がVEA_HLIMより上の値も出力できるようになるため、VCMP1とVCMP2とがともにハイレベルとなることを許す。
図20はVIN=24V、VOUT=1V、スイッチング周波数2.5MHzとしたときの負荷変動時のVOUTのシミュレーション波形を示す図である。負荷抵抗は50Ωから0.25Ωへ切り替えている(負荷電流としては20mAから4Aへ増やしていることに相当)。このとき、本発明の提案手法の方がVOUTの低下が抑えられており、復帰の時間も短いことが示されている。
【0183】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0184】
1…降圧電源回路、L…インダクタ、L…インダクタ、SL1…ローサイドスイッチ、SL2…ローサイドスイッチ、SH1…ハイサイドスイッチ、SH2…ハイサイドスイッチ、SH3…ハイサイドスイッチ、SH4…ハイサイドスイッチ、SH5…ハイサイドスイッチ、CFLY1…フライングキャパシタ、CFLY2…フライングキャパシタ、CFLY3…フライングキャパシタ、CFLY4…フライングキャパシタ、C…出力電圧低下抑制キャパシタ、S…出力電圧低下抑制スイッチ、VIN…入力直流電源、LD…負荷、COUT…出力平滑コンデンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20