(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117682
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】プッシャー製品供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 35/10 20060101AFI20230817BHJP
【FI】
B65B35/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020384
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】早川 智敬
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 駿人
【テーマコード(参考)】
3E054
【Fターム(参考)】
3E054AA01
3E054AA12
3E054CA08
3E054DB03
3E054DB04
3E054DB17
3E054DD01
3E054DD07
3E054DD11
3E054FA02
3E054GC06
3E054HA03
3E054HA08
3E054JA02
(57)【要約】
【課題】 製品搬送コンベアにベルトコンベアを用い箱詰めする装置において、プッシャー装置の収容部に確実に製品を供給すること
【構成】 製品12を搬送する製品搬送ベルトコンベア15と、その搬出端側に配置され、搬出される製品を受け取るとともにプッシャー部材25で押し出して待機する箱1に製品を供給するプッシャー装置16を備える。プッシャー装置は、搬出される製品を受ける収容部21を備え、その収容部の底部22は、ベルトコンベアの搬送面より低く、ベルトコンベアの搬送方向に沿って下方傾斜状にする。底部には、製品支持レール26を昇降可能に配置し、下方位置にある製品支持レールは底部内に収まり、製品支持部材が上方位置では底部に供給された製品を持ち上げて支持する。プッシャー部材は、2つの製品支持レールで支持される製品を押し出す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を搬送する製品搬送ベルトコンベアと、
前記製品搬送ベルトコンベアの搬出端側に配置され、搬出される前記製品を受け取るとともにプッシャー部材で押し出し、その押し出し方向で待機する箱に前記製品を供給するプッシャー装置を備え、前記プッシャー装置は、前記製品搬送ベルトコンベアから搬出される前記製品を受ける収容部と、前記収容部の上方で前記製品搬送ベルトコンベアの搬送方向に対して交差する方向に前記プッシャー部材を往復移動させる手段を備え、前記収容部の底部は、前記製品搬送ベルトコンベアの搬送方向に沿って下方傾斜状に形成され、
前記底部には、製品支持部材を昇降可能に配置し、前記製品支持部材が下方位置では前記底部の下方傾斜面に沿って前記製品が移動し、前記製品支持部材が上方位置では前記底部に供給された前記製品を持ち上げて支持するように構成し、
前記プッシャー部材は、前記製品支持部材で支持される前記製品を押し出すように構成したプッシャー製品供給装置。
【請求項2】
前記収容部の上方に昇降可能に配置され、前記製品支持部材で支持される前記製品が上方移動するのを抑制するアッパーガイド部材を備える請求項1に記載のプッシャー製品供給装置。
【請求項3】
前記プッシャー部材の前端には、下側爪部材と上側爪部材を備え、
前記下側爪部材は、上方位置にある前記製品支持部材の上面より下方に位置し、
前記プッシャー部材の前端が前記製品に接触して押し出す際には、前記下側爪部材と前記上側爪部材の間に前記製品が位置するように構成する請求項1または2に記載のプッシャー製品供給装置。
【請求項4】
前記底部及び前記製品支持部材が、前記プッシャー部材の移動方向に沿って前後進移動し、前記製品支持部材の端部を前記箱に接近移動可能に構成した請求項1から3のいずれか1項に記載のプッシャー製品供給装置。
【請求項5】
前記プッシャー部材で押し出される前記製品を前記箱に導く一対の開口ガイドを備え、
その一対の開口ガイドは、開閉可能で開いた状態では前記箱の開口部を塞ぐフラップを広げるように構成し、
前記底部を前後進移動させる駆動源に基づき前記一対の開口ガイドの開閉動作をするように構成した請求項4に記載のプッシャー製品供給装置。
【請求項6】
前記製品支持部材は、前記製品搬送ベルトコンベアの搬送方向に沿って複数個を配置し、その複数の前記製品支持部材により前記製品を支持可能とする請求項1から5のいずれか1項に記載のプッシャー製品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシャー製品供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送方向に対して交差する側面が開口する箱に対し、プッシャーにて製品を押し出してその開口部から箱内に製品を供給するシステムは、例えば以下に示す構成を採るものがある。
【0003】
箱を搬送する搬送コンベアと、製品を搬送する製品搬送コンベアを併走するとともに、両者を間欠駆動する。そして、搬送コンベアは、製品供給位置で箱が待機するように一時停止し、また、製品搬送コンベアは、製品が待機する箱の横(開口部に対向する位置)で一時停止するように動作を制御する。そして、製品供給位置における製品搬送コンベアの搬送コンベアと反対側の側縁外側には、プッシャー装置が配置される。このプッシャー装置は、製品搬送コンベアの搬送面を横断するように往復移動するプッシャー部材を備え、そのプッシャー部材により製品供給位置に留まる製品搬送コンベア上の製品を、横方向に押し出すように構成する。
【0004】
製品搬送コンベアは、箱に対する製品供給位置において精度よく一時停止させ、その一時停止した際に所望の姿勢で待機させる必要がある。そのため、従来のプッシャー製品供給装置における製品搬送コンベアは、例えば特許文献1に示すようにバケットコンベアを用いている。バケットコンベアは、個々のバケットに製品が所望の姿勢で保持された状態で間欠搬送され、バケットを製品供給位置で一時停止すると、それに伴いそのバケット内の製品も、製品供給位置で所望の姿勢で留めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された装置のように、バケットコンベアを用いるとコスト高となり、また所定ピッチで配置される個々のバケットの移動空間を確保する必要があり、大型化する。また、製品を搬送するバケットコンベアと、箱を搬送する搬送コンベアと同期をとって間欠駆動し、バケットコンベアと搬送コンベアをそれぞれ製品供給位置で精度よく一時停止する必要があり、制御が煩雑になる。
【0007】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のプッシャー製品供給装置は、(1)製品を搬送する製品搬送ベルトコンベアと、前記製品搬送ベルトコンベアの搬出端側に配置され、搬出される前記製品を受け取るとともにプッシャー部材で押し出し、その押し出し方向で待機する箱に前記製品を供給するプッシャー装置を備え、前記プッシャー装置は、前記製品搬送ベルトコンベアから搬出される前記製品を受ける収容部と、前記収容部の上方で前記製品搬送ベルトコンベアの搬送方向に対して交差する方向に前記プッシャー部材を往復移動させる手段を備え、前記収容部の底部は、前記製品搬送ベルトコンベアの搬送方向に沿って下方傾斜状に形成され、前記底部には、製品支持部材を昇降可能に配置し、前記製品支持部材が下方位置では前記底部の下方傾斜面に沿って前記製品が移動し、前記製品支持部材が上方位置では前記底部に供給された前記製品を持ち上げて支持するように構成し、前記プッシャー部材は、前記製品支持部材で支持される前記製品を押し出すように構成した。
【0009】
製品を製品搬送ベルトコンベアで搬送し、プッシャー装置によって製品を押し出し箱に充填するようにしたため、製品の搬送をベルトコンベアで行えるので、構成が簡単でコンパクトに収めることができる。そして、製品搬送ベルトコンベアから搬出される製品は、その搬送面よりも低い位置にある収容部の底部に落下供給され、しかも、底部は搬送方向に沿って下方傾斜状に形成されているので、落下した製品は下り傾斜に沿ってスムーズに移動し、撓むことなく底部の上に供給される。その後、その底部の上にある製品は、製品支持部材により持ち上げられ、姿勢が変わり、その状態でプッシャー部材により押し出されて箱詰めされる。底部の上にある製品は、下り傾斜面に沿って搬送面に対して傾いた姿勢にあるが、支持板部材の上昇位置を制御することで、姿勢の傾きを適宜のものに修正でき、箱詰めが可能となる。
【0010】
(2)前記収容部の上方に昇降可能に配置され、前記製品支持部材で支持される前記製品が上方移動するのを抑制するアッパーガイド部材を備えるとよい。このようにすると、例えば製品が柔らかいものなどで、プッシャー部材で押し出される際に、上に凸の状態に撓もうとすることがあるが、アッパーガイド部材によりその上方移動を抑制し、製品をまっすぐに箱に向けて移動することができる。さらに、アッパーガイド部材を昇降することで、例えば、製品が製品搬送ベルトコンベアから搬出されてくる際には、上方位置に位置させ、収容部に供給されたら下降移動して製品を抑えるようにするとよい。
【0011】
(3)前記プッシャー部材の前端には、下側爪部材と上側爪部材を備え、前記下側爪部材は、上方位置にある前記製品支持部材の上面より下方に位置し、前記プッシャー部材の前端が前記製品に接触して押し出す際には、前記下側爪部材と前記上側爪部材の間に前記製品が位置するように構成するとよい。このようにすると、製品の上下方向に所定距離以上に移動するのを抑制することができ、安定して製品を押し出すことができる。特に、製品支持部材による支持がなくなる区間では、製品の下降移動を抑制し、支えることができるのでよい。また、下側爪部材は、製品支持部材の上面よりも下方に位置しているため、例えば、製品が柔らかく、製品支持部材がない区間で下に撓むようにことがあってもし、下側爪部材を確実に製品の下側に位置させることができる。
【0012】
(4)前記底部及び前記製品支持部材が、前記プッシャー部材の移動方向に沿って前後進移動し、前記製品支持部材の端部を前記箱に接近移動可能に構成するとよい。このようにすると、箱の近くまで製品を支持することができるのでよい。
【0013】
(5)前記プッシャー部材で押し出される前記製品を前記箱に導く一対の開口ガイドを備え、その一対の開口ガイドは、開閉可能で開いた状態では前記箱の開口部を塞ぐフラップを広げるように構成し、前記底部を前後進移動させる駆動源に基づき前記一対の開口ガイドの開閉動作をするように構成するとよい。このようにすると、開閉する一対の開口ガイドを設けた場合に、その開口ガイドの駆動源を別途用意する必要がなくなり、コンパクトに構成することができる。
【0014】
(6)前記製品支持部材は、前記製品搬送ベルトコンベアの搬送方向に沿って複数個を配置し、その複数の前記製品支持部材により前記製品を支持可能とするとよい。このようにすると、より確実に製品を支持することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、製品搬送コンベアにベルトコンベアを用い箱詰めする装置において、プッシャー装置の収容部に確実に製品を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係るプッシャー製品供給装置及びそれが実装される箱詰め装置の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】その平面図(搬出される製品を受け取る状態)である。
【
図3】その側面図(搬出される製品を受け取る状態)である。
【
図4】その正面図(搬出される製品を受け取る状態)である。
【
図5】その平面図(製品を押し出して箱に充填する状態)である。
【
図6】その正面図(製品を押し出して箱に充填する状態)である。
【
図7】開口ガイドの開いた状態と閉じた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0018】
図1~
図7は、本発明に係るプッシャー製品供給装置を備えた箱詰め装置の一実施形態を示している。なお図示の便宜上、各図間において縮尺は異なっているものがある。箱詰め装置は、側面が開口する箱1を間欠的に搬送する搬送コンベア10と、その搬送コンベア10に併設して設けられたプッシャー製品供給装置11を備え、搬送コンベア10上で一時停止する箱1に対し、搬送してきた製品12をプッシャー製品供給装置11で搬送コンベア10側に押し出して箱1内に製品を供給する。
【0019】
本実施形態で用いる箱1は、ピローボックス(「ピローケース」と称されることもある)とも称される形態のもので、
図8に示すように、製品を収納する胴体部2が上面部3と下面部4の側縁同士が繋がるとともに、上面部3と下面部4の非接続の両端が開口し、その開口側の上面部3の両端に繋がる上側フラップ5との接続部分の境界となる折り線7並びに開口側の下面部4の両端に繋がる下側フラップ6との接続部分の境界となる折り線7が曲線となり、製函して組み立てた状態では曲線に合わせて箱1の表面が湾曲し、幅方向中央側が上下に膨らんだ枕状の形態となる。
【0020】
図8(b)は、本実施形態で処理対象となる箱1の展開図であり、図示の例では上面部3の一方の側縁に糊代片8を設ける。そして、上面部3と下面部4の境界の側縁を折り曲げるとともに、糊代片8を下面部4に貼り付けることで、
図8(c)に示す折り畳まれたピローボックスカートン9が構成される。そして、搬送コンベア10の上流側で、折り畳まれたピローボックスカートン9が、その上面部3と下面部4の幅方向中央部位を離反させるようにして、筒状に開き、左右両側が開口された姿態になる。そして、搬送コンベア10は、図示省略するが、前後に配置された前フィンガーと後フィンガーで、開口された箱1の胴体部2の長辺を搬送方向の前後から挟み込んで保持し、左右両側が開口された箱1を水平状態の姿勢を維持しながら搬送する。
【0021】
製品12は、例えばネクタイ、靴下、マスクなどの比較的柔らかく、途中で折れ曲がったり、湾曲したりして姿態・姿勢が変わりやすいものである。マスクなどは、耳に掛ける紐部分があるので、ピロー包装などして袋に収納した状態のものを用いるとよい。
【0022】
プッシャー製品供給装置11は、製品12を搬送する製品搬送ベルトコンベア15と、その製品搬送ベルトコンベア15の搬出端側に配置されたプッシャー装置16を備える。プッシャー装置16は、製品搬送ベルトコンベア15の搬出端の外側近傍に配置され、製品搬送ベルトコンベア15で搬送されそのまま搬送方向の前方にむけて排出される製品12を受ける収容部21と、その収容部21の上方所定位置を、搬送方向に対して直交方向に往復移動するプッシャー部材25と、収容部21の上方所定位置に昇降可能に配置されるアッパーガイド部材27等を備える。
【0023】
収容部21の底部22は、製品搬送ベルトコンベア15の搬送面よりも一段低い位置に設定される。そして底部22は、下流側に向かって下り傾斜状に形成する(
図1,
図4,
図6等参照)。これにより、製品搬送ベルトコンベア15の端部から下流側に向けて搬出された製品12は、収容部21の底部22の下方傾斜面に沿って滑り降りるように移動する。そして、製品12は傾斜面に沿って平たく延びた形態となって、底部22の上に留まる。なお、仮に底部を製品搬送ベルトコンベア15の搬送面よりも一段低くしつつ水平にした場合、製品12に腰がないことから斜めになったり、途中で折れたりして、収容部21の中央に平たく収まらないことがある。これに対し、本実施形態では、搬出された際の勢いと、下方傾斜面を滑り降りる効果が相まって、係る事態の発生を抑制でき、収容部21に確実に製品12を平たい状態で納めることができる。
【0024】
また、収容部21の底部22の両長辺、すなわち、製品搬送ベルトコンベア15の搬送方向に沿った前後端には、上方に伸びる第1側壁ガイド板23と第2側壁ガイド板24を起立配置する。これにより、製品12が勢いよく搬出されて底部22の前方よりも前に飛び出そうとしても、前側の第1側壁ガイド板23に接触し、それ以上の前進が阻止され収容部21に留まる。また、収容部21の底部22上に留まった製品12は、その後、プッシャー部材25により、製品搬送ベルトコンベア15の搬送方向に対して直交する方向に付勢され、収容部21の底部22上を長手方向に沿って移動するが、このとき、第1側壁ガイド板23と第2側壁ガイド板24は、その製品12の移動方向の左右に位置するため、製品12の横ずれを抑制し、プッシャー部材25の押し出し方向に沿って移動する。
【0025】
さらに収容部21の底部22には、上下方向に貫通する貫通孔221が、製品搬送ベルトコンベア15の搬送方向に沿って所定の間隔をおいて2個設けられる。この2個の貫通孔221は、底部22の長手方向に沿って平行に配置される。そして、この貫通孔221内には、それぞれ製品支持レール26が昇降可能に配置される。各貫通孔221に設けられた各製品支持レール26は、それぞれ別々の第1シリンダー28に連結され、それぞれの第1シリンダー28の動作に伴い昇降する。また製品支持レール26の上面は、設置した状態で水平な平面にしている。さらに、2つの第1シリンダー28のシリンダロッドの往復動作の移動範囲を異ならせており、各製品支持レール26の上面の位置は、下がった位置では傾斜面に応じて下流側の方が低く、上がった位置では等しい高さになるように制御する。
【0026】
例えば、上昇位置では2つの製品支持レール26の上面は、高さが一致し同一の水平平面内に位置し、下降位置では2つの製品支持レール26の上面が、底部22の表面と等しいか、それよりも低く貫通孔221内に入り込んだ箇所に位置するように制御するとよい。なお、底部22は傾斜面であり、製品支持レール26の上面は水平面であるので、製品支持レール26の上面と、底部22が同一面上に配置されることはなく、底部22の表面と等しいとは、例えば製品支持レール26の上面の、製品搬送ベルトコンベア15の搬送方向に沿って後側(上流側)の端縁が、底部22の貫通孔221の上端縁に一致する状態から、製品支持レール26の上面の、製品搬送ベルトコンベア15の搬送方向に沿って前側(下流側)の端縁が、底部22の貫通孔221の上端縁に一致する状態までのうちの任意の位置とするとよい。このようにすると、製品支持レール26の起立する側面のうち、製品搬送ベルトコンベア15の搬送方向に沿って後側(上流側)の部分が底部22より上方に突出し、その突出した側面に製品12が当たってスムーズな移動が抑制されることを可及的に防止できる。なお、例えば製品支持レール26の上面の、製品搬送ベルトコンベア15の搬送方向に沿って後側(上流側)の端縁が、底部22の貫通孔221の上端縁に一致する状態では、製品支持レール26の上面の下流側の端縁は、底部22の表面よりも少し上方に突出していることになるが、製品12は、引っかかることはなくスムーズに移動される。
【0027】
製品支持レール26の昇降制御を上記のように制御することで、下降位置に位置させた状態では、製品搬送ベルトコンベア15から搬出された製品12は、傾斜面に沿って収容部21の底部22を移動し、所望の姿勢で待機することになる。そしてその状態から各製品支持レール26が上昇すると、製品12の下面を各製品支持レール26の上面で支持して上方に持ち上げることができ、少なくとも上昇位置に至ると製品12は水平な姿勢で支持されることになる。
【0028】
また本実施形態では、2つの第1シリンダー28は、ベースプレート29の上面所定位置に設置される。さらにこのベースプレート29の上面には、その四隅に支柱部材30を起立形成し、その4本の支柱部材30の上端に、収容部21の底部22の下面を連結する。
【0029】
さらにこの底部22の長手方向の一方端部側には、その両側にリンク機構31の一端が取り付けられ、各リンク機構31の他端は、箱1を開口する一対の開口ガイド32のそれぞれに接続する。開口ガイド32は、回転支持部材33に支持され、その回転支持部材33の回転軸を中心に所定角度範囲内で正逆回転し、一対の開口ガイド32の先端側(搬送コンベア10側)同士が接近する閉じた状態(
図2,
図7(a)参照)と、先端側(搬送コンベア10側)同士が離反した開いた状態(
図5,
図7(b)参照)を遷移する。各開口ガイド32は、縦断面が略コ字状や略横U字状で互いの先端同士が向かい合うように配置される。
【0030】
ベースプレート29は、その下面側で製品搬送ベルトコンベア15の搬送方向に直交する方向に延びるガイドレールにスライド可能に連携されたスライダーに取り付けられる。さらにベースプレート29の下面に設けられるプレート34には、第2シリンダー36のシリンダロッドが連結されている。よって、第2シリンダー36の往復移動に伴い、ベースプレート29は、ガイドレールに案内されて安定して往復移動する。
【0031】
このベースプレート29の往復移動すなわち、搬送コンベア10側に向けた接近・離反移動にともない、底部22や第1シリンダー28並び製品支持レール26が一体となって移動する。この往復移動に伴い底部22の一方端部の位置も往復移動し、その往復移動動がリンク機構31を介して開口ガイド32に伝わり、開口ガイド32が回転支持部材33の回転軸を中心に正逆回転する。そして、収容部21の底部22が搬送コンベア10から離反した待機位置では、底部22は製品搬送ベルトコンベア15の下流側に位置し搬出される製品12を受け取る待機位置にあり、その状態では一対の開口ガイド32は閉じた姿勢になる(
図2等参照)。一方、底部22が搬送コンベア10側に接近した供給位置では、開口ガイド32は開いた姿勢になる(
図5等参照)。そして、一対の開口ガイド32が閉じた状態から開いた状態に変移する際に、一対の開口ガイド32の先端側が、製品供給位置で待機する箱1の上側フラップ5と下側フラップ6の間に入り込み、各フラップを上下に広げ、箱1の開口部を開く。
【0032】
上述したように、本実施形態では、底部22の往復移動により開口ガイド32の開閉を行うようにしている。このように、開口ガイド32の開閉動作を、底部22を移動させるための駆動源(ここでは、第2シリンダー36)の動力を利用したため、開口ガイド32を開閉するための駆動源として、例えば、シリンダーや駆動モータなど独立した専用のものを用いる必要がなくなる。よって、独立した駆動源の設置スペースがない場合でも対応でき、また、省スペース化が可能となる。
【0033】
さらに本実施形態では、底部22の搬送コンベア10側の先端部222は、細幅で突出した形状にしている。そして、
図2等に示すように、細長な帯状に突出する先端部222は、底部22が待機位置にあるとき閉じた開口ガイド32の先端付近に至り、平面視で一部が重なった状態になる。なお、
図3に示すように、底部22は、開口ガイド32よりも低位置に位置しており、上述したように底部22の先端部222と開口ガイド32が平面視で重なっていても、互いに干渉することなくそれぞれが移動可能になる。また、
図5等に示すように、底部22が供給位置に至たった状態では、先端部222は、平面視で開いた一対の開口ガイド32の間の空間内に箱1の付近に位置する。このように先端部222が移動することで、開口ガイド32の開閉の如何に関わらず、平面視で開口ガイド32間に形成される、空いているエリアが少なくなる。後述するように、製品12は、プッシャー部材25により押し出される際、2本の製品支持レール26に支持された状態で箱1側に向けて移動し、開口ガイド32内を通過して箱1内に供給される。
【0034】
また、上述したように各開口ガイド32は、縦断面が略コ字状や略横U字状で互いの先端同士が向かい合うように配置さており、個々の開口ガイド32は、例えば
図7等に示すように、上板部321と下板部322がそれぞれの一端側で側壁部323により接続された形態からなる。そして、上板部321と下板部322の上下の間隔は、製品の入口側(収容部21側)から出口側(搬送コンベア10側)に進むにつれて狭くなるように形成される(
図3,
図7等参照)。このように入口側を広くすることで、一対の開口ガイド32間にスムーズに製品12を供給することができ、さらに、出口側が狭くなっているため出口側から排出される製品12の箱1内への供給もスムーズに行うことができる。
【0035】
さらに開口ガイド32の下板部322の製品入口側は、先端入口側に行くに従って低くなる下方傾斜状の傾斜部324を有する。この傾斜部324を設けることで製品搬入側の間口が広くなる。そして
図3に示すように、この傾斜部324の先端側は、底部22よりも低く設定されている。これにより製品12を開口ガイド32により確実に導入できる。例えば、製品12が柔らかく、2本の製品支持レール26で支持される製品12の外側がに位置する部分が撓んで下方に垂れて製品支持レール26よりも下方に位置し、例えば底部22に接した状態で製品12が開口ガイド32内に進入する場合でも、垂れ下がった外側の部分も傾斜部324により案内されてスムーズに開口ガイド32内に導かれる。
【0036】
また本実施形態では、上述したベースプレート29に取り付けられた各部材がユニット化されており、ベースプレート29ごと着脱が可能としている。すなわち、固定捻子38を締め付けることで、ベースプレート29をスライダーに固定し、スライダーとともに移動するスライダーに固定し、第2シリンダー36の駆動を受けて往復移動し、固定捻子38を緩めてユニット毎取り外すことができる。これにより、例えば、製品12や箱1の寸法形状に変更に伴い、対応するユニットに交換が容易に行える。
【0037】
プッシャー部材25は、
図1,
図3等に示すように、偏平な板状体からなり、プッシャー部材25の移動方向に対する交差方向の横幅が、底部22の第1側壁ガイド板23と第2側壁ガイド板24間の長さに対して若干短い形状としている。これにより、プッシャー部材25は、製品12の短辺に対して広く接触して付勢可能としている。
【0038】
またプッシャー部材25の後面には細長な角柱棒状で後端側が幅広の第1連結部材50の前端側を連結し、その第1連結部材50の後端側に平板状の第2連結部材51を起立するように連結し、この第2連結部材51の上端に水平方向に伸びるように平板状の第3連結部材52を連結する。そして、この第3連結部材52は、固定捻子53を用いて、着脱可能にスライダー55に取り付けられた支持板部材54に取り付ける。また、スライダー55は、サーボモータ56の出力軸に連携されるボールネジに噛み合い、サーボモータ56の正逆回転に伴い往復直線運動をする。そして、スライダー55は、スライドレール57に連携され、そのスライドレール57に案内されて安定して移動する。
【0039】
そして、プッシャー部材25の前面は、搬送コンベア10に対して後退して待機位置にある状態では、収容部21の底部22に供給される製品12に非接触な位置にあり(
図2等参照)、前進して動作位置にある状態では、搬送コンベア10上で待機している箱1内に進入する位置にある(
図5等参照)ように構成・制御する。
【0040】
さらにプッシャー部材25の先端には、その下側に第1爪部材58を設け、上側に第2爪部材59を設ける。これにより、プッシャー部材25の先端は、上下に二股状にわかれた形態となる。そして、プッシャー部材25の下側の第1爪部材58は、上昇した製品支持レール26の上面より低い位置にあるように構成する。これにより、収容部21に供給された製品12が、製品支持レール26の上に平らな姿勢で乗っている状態でプッシャー部材25が前進移動すると、プッシャー部材25の先端面に製品12は接触するが、第1爪部材58には製品12は当たらない状態となる。
【0041】
このように構成することで、例えば製品12が柔らかい場合、上昇した2本の製品支持レール26の間で製品12が下に撓むことがあるが、係る場合でもプッシャー部材25を前進移動した際に確実に製品12の下に第1爪部材58を位置させることができる。
【0042】
また、サーボモータ56の駆動によりプッシャー部材25が前進移動すると、プッシャー部材25の先端面が製品12に接触し、そのまま製品12を箱1側に向けて押し出す。そして、製品支持レール26と、開口ガイド32の間に一定の空間が空いているため、例えば押し出された製品12が製品支持レール26からの支持が無くなると、製品12が下方に移動する恐れがあるが、係る場合に第1爪部材58で製品12を支持し、そのまま安定して押し出し、箱詰めすることができる。
【0043】
また、プッシャー部材25で製品12を押し出し中に、製品12が持ち上がろうとした場合、第2爪部材59に接触し、係る持ち上がりを抑止しつつ、安定した姿勢で製品12を押し出すことができる。
【0044】
さらに本実施形態では、上述したように固定捻子53により第3連結部材52を支持板部材54に固定しており、固定捻子53を緩めることで、第3連結部材52を支持板部材54から取り外すことが出来るように構成する。すなわち、プッシャー部材25に第1連結部材50、第2連結部材51、第3連結部材52、第1爪部材58及び第2爪部材59が一体化したユニットとして構成されており、例えば、製品12や箱1の寸法形状に変更に伴い、対応するユニットに交換が容易に行える。
【0045】
一方、上記の各製品支持レール26の上方には、それぞれアッパーガイド部材27が昇降可能に配置されている。この2つのアッパーガイド部材27は、それぞれの一端を連結プレート39に固定し、その連結プレート39を第3シリンダー40の駆動を受けて昇降するL字プレート41に着脱自在に固定する。この着脱は、2個の固定捻子42を用いて行う。
【0046】
2枚のアッパーガイド部材27は、それぞれ薄板状で起立した姿勢で連結プレート39に片持ち支持状で取り付けられる。2枚のアッパーガイド部材27は、所定の間隔を置いて平行に配置され、その下端縁は、水平な同一平面上に位置するように取り付けられる。また、アッパーガイド部材27の先端は、製品支持レール26よりも先に突出するように配置している。
【0047】
そして、2枚のアッパーガイド部材27は、第3シリンダー40の駆動に伴い一体となって昇降する。そして、本実施形態では、収容部21に製品12が存在せず、製品搬送ベルトコンベア15から製品12が搬出するのを待っている状態では、アッパーガイド部材27は第3シリンダー40により上昇し、アッパーガイド部材27に衝突することなくスムーズに製品12が収容部21の底部22に供給される(
図4等参照)。そして、製品12を押し出すときに先立ち、製品支持レール26が上昇するとともに、アッパーガイド部材27が下降する(
図6等参照)。これにより、アッパーガイド部材27は、製品12の上面近傍に位置し、例えば、製品12が柔軟でプッシャー部材25により押し出された際に、上に撓むように変形しようとすることがあるが、係る場合アッパーガイド部材27によりその変形を抑止し、平らな姿勢を維持させ、アッパーガイド部材27と製品支持レール26で上下から挟んだ状態で製品12を案内する。よって、プッシャー部材25の押し出し力を製品12に伝え、そのまま箱1内に押し込み、箱詰めを行うことができる。
【0048】
また、一対のアッパーガイド部材27は、連結プレート39に取り付けられて一体化したユニットとなり、固定捻子53を緩めるとそのユニットごと取り外し、交換することができる。
【0049】
なお、アッパーガイド部材27は、必ずしも設ける必要はなく、例えば製品12が上に撓まなかったり、多少湾曲してもプッシャー部材25により製品を箱に押し込むことができるような場合には、アッパーガイド部材27を設けないようにしたり、動作しないようにしたりするとよい。
【0050】
また、製品12を箱詰めする対象の箱は、上述した実施形態のように、ピローボックスタイプのものに限定されず、各種の箱、カートンを用いることができる。また、製品12は、上述した実施形態では、例えば、靴下、ネクタイ、マスクなどの柔軟な製品を箱詰めする装置について説明したが、製品はこれに限ることはなく、例えば紙やカードのような薄い製品であったり、硬い製品出会ったりするなど、各種のものを箱詰めすることができる。
【0051】
また、上述した実施形態では、製品支持部材として2本の製品支持レール26を備え、その2本の製品支持レール26の間にプッシャー部材25が往復移動するように構成したが、製品支持レール26の設置数は任意であり、1つ或いは3つ以上としてもよい。但し、実施形態のように2つにすると、コンパクトな構成で確実に製品を支持できるとともに、その間に位置するプッシャー部材で安定して押し出すことができるのでよい。また、製品支持レールを1つ設ける場合、例えば製品支持レールを下り傾斜面の低い側に配置し、その下り傾斜面の低い側に位置する製品の片側を持ち上げ、製品支持レールの上面と、底部とで製品を支持し、支持している製品支持レールと底部の間で浮き上がっている製品の縁部をプッシャー部材で押し出すようにするとよい。
【0052】
また、上述した実施形態では、収容部21の底部21の高さを製品搬送ベルトコンベア15の搬送面よりも低くしたが本発明はこれに限ることはなく、例えば、収容部21の傾斜状の底部22の上流側搬送面の高さを製品搬送ベルトコンベア15の搬送面と同一にしてもよい。この場合、底部22に貫通孔221とは別に複数の貫通孔を設け、そこからエアーを製品12に向けて吹きつけるように構成するとよい。
【0053】
また、第2側壁ガイド板24を昇降可能に構成し、製品搬送ベルトコンベア15から製品12を搬出する際は第2側壁ガイド板24の上端を搬送面よりも下方に位置させ、プッシャー装置16で製品12を押送するときは第2側壁ガイド板24を上昇位置にするとよい。
【0054】
さらに、上述した底部22から製品12に向けてエアーの吹きつけ機能は、上述した実施形態のように製品搬送ベルトコンベア15の搬送面から一段下がった収容部21の底部22に実装してもよい。
【0055】
また上述した実施形態では、それぞれの製品支持レール26は、製品搬送ベルトコンベア15の搬送方向に対して直交方向に延びるように連続した1本のレール状とし、同一直線上には1つの製品支持レール26が存在するようにしたが、本発明はこれに限ることは無く、例えば、
図9に示すように、搬送方向に対して直交方向の同一直線上に短い製品支持レール26を複数配置してもよい。この場合、搬送方向に沿って前後に複数(ここでは2本)配置する場合、同一直線上に配置する製品支持レール26が存在しない切れ目の部分が、搬送方向で重ならないように千鳥状に配置するとよい。
【0056】
また、製品支持部材
また上述した実施形態では、アッパーガイド部材27は、製品支持レール26の上方に配置したが、本発明はこれに限ることはなく、上方に位置する製品支持レールに換えて、或いは、それに加えて製品支持レールの上方以外の位置に設けてもよい。また、この場合、製品支持レールの上方以外に配置したアッパーガイド部材は、下降位置にあるアッパーガイド部材の下面を、製品支持レール26の上面よりも低くするとよい。このようにすると、製品12を垂直面内において、例えば、V字状またはW字状などに変形させることによって製品12の幅よりも幅の狭いタイトな箱1に箱詰めできる。
【0057】
上述した実施形態では、収容部21の底部22の上方を、1つのプッシャー部材25が搬送方向に対して直交方向に往復直線運動で移動することで、製品支持レール26上の製品12を待機する箱1に向けて押し出し、その後、後退移動して元の待機位置に戻り次の製品12の押し出しに備えるようにしたが、例えば、プッシャー部材を製品搬送方向に対して直交方向の移動に加え、昇降移動も可能に構成するとよい。そして、プッシャー部材は下降位置で製品1を押し出す動作を行い、箱1に充填した後、上昇移動し上方位置で後退移動するようにするとよい。このようにすると、プッシャー部材の後退移動中にも製品搬送ベルトコンベア15から製品12を搬出し、収容部21の底部22上に製品12を収容することができる。
【0058】
さらに、このように前後進移動と昇降移動するプッシャー部材を、1つの収容部21の上に搬送方向に沿って前後に2個設け、その2個のプッシャー部材のいずれもが、その1つの収容部21の底部22の上に収容された製品12を押し出し可能にし、2つのプッシャー部材が交互に製品12を押し出して箱詰めするように構成するとよい。すなわち、2つのプッシャー部材を独立して前後進移動と昇降移動可能に構成し、一方のプッシャー部材が上方位置を後退移動している間に、他方のプッシャー部材が収容部21の底部22上の製品を押し出すように制御する。これにより、より高速対応が可能となる。
【0059】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0060】
1 :箱
10 :搬送コンベア
11 :プッシャー製品供給装置
12 :製品
15 :製品搬送ベルトコンベア
16 :プッシャー装置
21 :収容部
22 :底部
25 :プッシャー部材
26 :製品支持レール
27 :アッパーガイド部材
28 :第1シリンダー
31 :リンク機構
32 :開口ガイド
36 :第2シリンダー
40 :第3シリンダー
58 :第1爪部材
59 :第2爪部材