(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117698
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】たくし上げカーテン
(51)【国際特許分類】
A47H 5/032 20060101AFI20230817BHJP
【FI】
A47H5/032
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020403
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡村 正
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA01
2E182AB00
2E182AC01
2E182DD01
2E182DG07
2E182EE04
2E182EF06
2E182EF14
2E182EG01
(57)【要約】
【課題】フレームにコード支持部材を容易に取り付け可能としたたくし上げカーテンを提供する。
【解決手段】フレーム20と、フレーム20から吊り下げられるカーテン生地11と、カーテン生地11を昇降するための昇降コード12と、フレーム20に取り付けられ、昇降コード12を垂下するコード支持部材33と、を備え、フレーム20は、上方に面する頂壁21と、頂壁21の前端部から下方に延び、カーテン生地11を吊り下げ可能な前壁22と、を備え、頂壁21の後端及び前壁22の下端の間に亘って開口領域が構成され、コード支持部材33は、開口領域からフレーム20に向けて取り付け可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームから吊り下げられるカーテン生地と、
前記カーテン生地を昇降するための昇降コードと、
前記フレームに取り付けられ、前記昇降コードを垂下するコード支持部材と、を備え、
前記フレームは、上方に面する頂壁と、前記頂壁の前端部から下方に延び、前記カーテン生地を吊り下げ可能な前壁と、を備え、前記頂壁の後端及び前記前壁の下端の間に亘って開口領域が構成され、
前記コード支持部材は、前記開口領域から前記フレームに向けて取り付け可能である
たくし上げカーテン。
【請求項2】
前記フレームは、前記頂壁における前記前壁よりも後方の位置から下方に突出する下方突出部を備え、
前記下方突出部は、前記前壁に向かって突出する係止部を備え、
前記コード支持部材は、前記係止部と係合する係合爪を備える
請求項1に記載のたくし上げカーテン。
【請求項3】
前記フレームは、
前記前壁における前記頂壁より下方の位置から後方に突出する第1後方突出部と、
前記前壁における前記第1後方突出部より下方の位置から後方に突出する第2後方突出部と、を備え、
前記たくし上げカーテンにおいて、
前記前壁から吊り下げられる前記カーテン生地が前側カーテン生地であり、
前記前側カーテン生地を昇降するための前記昇降コードが前側昇降コードであり、
前記前側昇降コードを垂下し、かつ、前記第1後方突出部と前記第2後方突出部との間に位置する前記コード支持部材が下側コード支持部材であり、
前記たくし上げカーテンは、
前記前側カーテン生地とは別の前記カーテン生地である後側カーテン生地と、
前記前側昇降コードとは別の前記昇降コードであって、前記後側カーテン生地を昇降するための後側昇降コードと、
前記下側コード支持部材とは別の前記コード支持部材であって、前記後側昇降コードを垂下し、かつ、前記頂壁と前記第1後方突出部との間に位置する上側コード支持部材と、
前記後側カーテン生地を吊り下げる後壁と、を備え、
前記後壁は、前記上側コード支持部材及び前記下側コード支持部材に対して、前記前壁と反対側に取り付けられる
請求項2に記載のたくし上げカーテン。
【請求項4】
前記上側コード支持部材及び前記下側コード支持部材は、同一形状を有し、
前記上側コード支持部材は、前記後側昇降コードを垂下するための上側導出口を備え、
前記下側コード支持部材は、前記前側昇降コードを垂下するための下側導出口を備え、
前記上側導出口が後方に面し、前記下側導出口が下方に面する
請求項3に記載のたくし上げカーテン。
【請求項5】
前記昇降コードは、紐状であり、一端が前記カーテン生地に取り付けられ、他端が前記コード支持部材を通じて前記フレームから外部に導出され、前記他端を操作することで、前記カーテン生地が昇降する
請求項1に記載のたくし上げカーテン。
【請求項6】
前記フレームの側方の端部に取り付けられるキャップと、
前記昇降コードが前記カーテン生地の重量によって下降することを防止するストッパを収容するストッパケースと、をさらに備え、
前記キャップと前記ストッパケースとが一体に接続され、
前記ストッパケースと1つの前記コード支持部材とが一体に接続される
請求項5に記載のたくし上げカーテン。
【請求項7】
前記コード支持部材は、前記昇降コードを巻き取る巻取部材を備え、
前記たくし上げカーテンは、
前記巻取部材を回転させるための無端の操作コードを有する操作部をさらに備える
請求項1に記載のたくし上げカーテン。
【請求項8】
前記操作部は、前記操作コードが掛装され、かつ、前記操作コードの操作に応じて前記巻取部材を回転させる駆動部を備え、
前記駆動部は、前記駆動部における上下方向の中心を通過する仮想平面を対称面として面対称な形状を有する
請求項7に記載のたくし上げカーテン。
【請求項9】
前記コード支持部材は、
前記巻取部材を回転可能に収容するケースをさらに備え、
前記ケースは、
前記巻取部材を収容する収容部と、
前記収容部の開口を開閉する開閉部と、を備え、
前記開閉部は、前記巻取部材に巻き付けられる前記昇降コードを垂下するための導出口を備える
請求項7または8に記載のたくし上げカーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たくし上げカーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
たくし上げカーテンは、天井や壁に取り付けられるフレームと、フレームから吊下支持されるカーテン生地と、カーテン生地の下縁部近傍に接続される昇降コードとを備える。たくし上げカーテンは、昇降コードによってカーテン生地を昇降することで採光量を調節する。
【0003】
カーテン生地を昇降するための操作手段は、種々の形態が知られている。操作手段の一例は、昇降コードを支持するコード支持部材が設けられたフレームから外部に導出された昇降コードを直接操作する直引き操作によって、カーテン生地を昇降する。他の例として、特許文献1には、無端の操作コードを操作することで、コード支持部材の一例である巻取コーンを回転させ、これによって昇降コードを巻き取り、または巻き出す構成が記載されている。更には、操作コードを用いた手動操作に代えて、電動モータによって巻取コーンを回転させることで、昇降コードを巻き取り、または巻き出す構成も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コード支持部材は、フレームなかで複数の昇降コードの各々が垂下される位置に1つずつ設けられる。コード支持部材を取り付ける際には、フレームの側面に設けられた開口からコード支持部材をフレームの内側の空間に挿入した後、フレームの内側をスライドするようにして所望の位置に配置する必要がある。この場合、たくし上げカーテンの幅が大型化する程、コード支持部材の取り付けに必要なスライド量が増大する。その結果、コード支持部材の取り付けを煩雑なものとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのたくし上げカーテンは、フレームと、前記フレームから吊り下げられるカーテン生地と、前記カーテン生地を昇降するための昇降コードと、前記フレームに取り付けられ、前記昇降コードを垂下するコード支持部材と、を備え、前記フレームは、上方に面する頂壁と、前記頂壁の前端部から下方に延び、前記カーテン生地を吊り下げ可能な前壁と、を備え、前記頂壁の後端及び前記前壁の下端の間に亘って開口領域が構成され、前記コード支持部材は、前記開口領域から前記フレームに向けて取り付け可能である。
【0007】
上記たくし上げカーテンにおいて、前記フレームは、前記頂壁における前記前壁よりも後方の位置から下方に突出する下方突出部を備え、前記下方突出部は、前記前壁に向かって突出する係止部を備え、前記コード支持部材は、前記係止部と係合する係合爪を備えてもよい。
【0008】
上記たくし上げカーテンにおいて、前記フレームは、前記前壁における前記頂壁より下方の位置から後方に突出する第1後方突出部と、前記前壁における前記第1後方突出部より下方の位置から後方に突出する第2後方突出部と、を備え、前記たくし上げカーテンにおいて、前記前壁から吊り下げられる前記カーテン生地が前側カーテン生地であり、前記前側カーテン生地を昇降するための前記昇降コードが前側昇降コードであり、前記前側昇降コードを垂下し、かつ、前記第1後方突出部と前記第2後方突出部との間に位置する前記コード支持部材が下側コード支持部材であり、前記たくし上げカーテンは、前記前側カーテン生地とは別の前記カーテン生地である後側カーテン生地と、前記前側昇降コードとは別の前記昇降コードであって、前記後側カーテン生地を昇降するための後側昇降コードと、前記下側コード支持部材とは別の前記コード支持部材であって、前記後側昇降コードを垂下し、かつ、前記頂壁と前記第1後方突出部との間に位置する上側コード支持部材と、前記後側カーテン生地を吊り下げる後壁と、を備え、前記後壁は、前記上側コード支持部材及び前記下側コード支持部材に対して、前記前壁と反対側に取り付けられてもよい。
【0009】
上記たくし上げカーテンにおいて、前記上側コード支持部材及び前記下側コード支持部材は、同一形状を有し、前記上側コード支持部材は、前記後側昇降コードを垂下するための上側導出口を備え、前記下側コード支持部材は、前記前側昇降コードを垂下するための下側導出口を備え、前記上側導出口が後方に面し、前記下側導出口が下方に面してもよい。
【0010】
上記たくし上げカーテンにおいて、前記昇降コードは、紐状であり、一端が前記カーテン生地に取り付けられ、他端が前記コード支持部材を通じて前記フレームから外部に導出され、前記他端を操作することで、前記カーテン生地が昇降してもよい。
【0011】
上記たくし上げカーテンにおいて、前記フレームの側方の端部に取り付けられるキャップと、前記昇降コードが前記カーテン生地の重量によって下降することを防止するストッパを収容するストッパケースと、をさらに備え、前記キャップと前記ストッパケースとが一体に接続され、前記ストッパケースと1つの前記コード支持部材とが一体に接続されてもよい。
【0012】
上記たくし上げカーテンにおいて、前記コード支持部材は、前記昇降コードを巻き取る巻取部材を備え、前記たくし上げカーテンは、前記巻取部材を回転させるための無端の操作コードを有する操作部をさらに備えてもよい。
【0013】
上記たくし上げカーテンにおいて、前記操作部は、前記操作コードが掛装され、かつ、前記操作コードの操作に応じて前記巻取部材を回転させる駆動部を備え、前記駆動部は、前記駆動部における上下方向の中心を通過する仮想平面を対称面として面対称な形状を有してもよい。
【0014】
上記たくし上げカーテンにおいて、前記コード支持部材は、前記巻取部材を回転可能に収容するケースをさらに備え、前記ケースは、前記巻取部材を収容する収容部と、前記収容部の開口を開閉する開閉部と、を備え、前記開閉部は、前記巻取部材に巻き付けられる前記昇降コードを垂下するための導出口を備えてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フレームにコード支持部材を容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、第1実施形態のたくし上げカーテンの斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態のヘッドボックスの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態のヘッドボックスの背面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態のフレームの側面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態におけるフレームの一端に取り付けられるキャップを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態のコード支持部材の斜視図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態におけるフレームの他端に取り付けられるキャップを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態において、コード支持部材がフレームに取り付けられた状態を示す側面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態のたくし上げカーテンの斜視図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態のヘッドボックスの斜視図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態のヘッドボックスの背面図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態において、コード支持部材がフレームに仮止めされた状態を示す側面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態において、コード支持部材がフレームに取り付けられた状態を示す側面図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態におけるカーテン生地と昇降コードとの対応関係を示す側面図である。
【
図15】
図15は、第3実施形態のたくし上げカーテンの斜視図である。
【
図16】
図16は、第3実施形態のヘッドボックスの分解斜視図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態のヘッドボックスの背面図である。
【
図18】
図18は、第3実施形態のコード支持部材の斜視図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態において、コード支持部材がフレームに取り付けられた状態を示す側面図である。
【
図20】
図20は、第4実施形態のたくし上げカーテンの斜視図である。
【
図21】
図21は、第4実施形態のヘッドボックスの斜視図である。
【
図22】
図22は、第4実施形態のヘッドボックスの背面図である。
【
図23】
図23は、第4実施形態において、コード支持部材がフレームに仮止めされた状態を示す側面図である。
【
図24】
図24は、第4実施形態において、コード支持部材がフレームに取り付けられた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、たくし上げカーテンの第1実施形態について
図1~
図8を参照して説明する。なお、説明の便宜上、たくし上げカーテンの室内側を前方または正面側、室外側を後方または背面側とする。そして、たくし上げカーテンを正面側から見て右方を右側、左方を左側とする。また、左右を区別しない場合には単に側方とする。
【0018】
[第1実施形態の全体構成]
図1に示すように、たくし上げカーテン1は、ヘッドボックス10と、1つのカーテン生地11と、複数本の昇降コード12とを備える。
【0019】
ヘッドボックス10は、壁面や天井面などの取付面に取着されるフレーム20を備える。フレーム20は、上方に面する頂壁21と、頂壁21の前端部から下方に延びる前壁22とを備える。前壁22には、カーテン生地11の上端が取り付けられる。
【0020】
カーテン生地11は、遮光性を有する生地、もしくは、レース状などの光透過性を有する生地が用いられる。カーテン生地11の下端には、ウェイトバー11Aが取着される。カーテン生地11の下端近傍には、昇降コード12の一端が取り付けられる。カーテン生地11は、複数本の昇降コード12によって昇降される。
【0021】
昇降コード12は、紐状の部材である。昇降コード12は、ヘッドボックス10内を挿通される。各昇降コード12の一端は、ヘッドボックス10から垂下されてカーテン生地11に取り付けられる。各昇降コード12の他端は、ヘッドボックス10から外部に導出されて束ねられた状態の操作部12Aを構成する。カーテン生地11は、操作部12Aが操作されることによって上昇または下降する。
【0022】
[第1実施形態のヘッドボックス]
図2に示すように、ヘッドボックス10は、フレーム20と、2つのキャップ31と、キャップ支持部材32と、複数のコード支持部材33と、ストッパケース34と、2つの端部カバー35と、複数の固定部36とを備える。
【0023】
フレーム20が備える頂壁21及び前壁22は、カーテン生地11とほぼ同一の左右方向の幅を有する。フレーム20は、頂壁21における前壁22よりも後方の位置から下方に突出する下方突出部21Aを備える。フレーム20は、前壁22における頂壁21より下方の位置から後方に突出する第1後方突出部22Aと、前壁22における第1後方突出部22Aより下方の位置から後方に突出する第2後方突出部22Bとを備える。
【0024】
以下、フレーム20において、頂壁21と第1後方突出部22Aとの間を上段とし、そして、第1後方突出部22Aと第2後方突出部22Bとの間を下段として説明する。なお、フレーム20における上段及び下段のそれぞれは、コード支持部材33が取り付けられる取付部の一例である。第1実施形態では、キャップ支持部材32、コード支持部材33、及びストッパケース34が、フレーム20の上段に取り付けられる。
【0025】
キャップ31は、フレーム20の側方の両端部、すなわち、左右方向の各端に1つずつ取り付けられる。キャップ31は、フレーム20の左右方向の各端において、頂壁21と第2後方突出部22Bとの間、かつ、前壁22と下方突出部21Aとの間の空間を塞ぐ。
【0026】
キャップ支持部材32は、固定部36によってフレーム20の側方の端部近傍に固定される。キャップ支持部材32は、1つのキャップ31と一体に接続される。すなわち、2つのキャップ31のうちの一方は、キャップ支持部材32を介してフレーム20に取り付けられる。
【0027】
ヘッドボックス10は、昇降コード12と同数のコード支持部材33を備える。各コード支持部材33は、固定部36によってフレーム20に固定される。各コード支持部材33は、ヘッドボックス10のなかで昇降コード12を支持する。コード支持部材33は、昇降コード12をヘッドボックス10から導出して垂下する導出口33Aを備える。導出口33Aには、一例として滑車が設けられる。コード支持部材33は、導出口33Aが後方に面するように、フレーム20に対して取り付けられる。昇降コード12は、導出口33Aを通じてヘッドボックス10の後方側から垂下される。
【0028】
ストッパケース34は、ストッパ39を収容する略矩形状の凹部を有する。ストッパ39は、昇降コード12がカーテン生地11の重量によって下降することを防止する。ストッパケース34は、一端に1つのコード支持部材33が一体に接続され、そして、他端に1つのキャップ31が接続される。すなわち、2つのキャップ31のうちの他方は、コード支持部材33及びストッパケース34を介してフレーム20に取り付けられる。
【0029】
端部カバー35は、フレーム20の側面、すなわち、左右方向の各端面において、キャップ31から露出した部分を覆うように1つずつ取り付けられる。端部カバー35の固定手段は、例えば、ビスやねじである。
【0030】
図3に示すように、複数の昇降コード12は、ストッパケース34に収容されたストッパ39を通じて各コード支持部材33から垂下される。第1実施形態のたくし上げカーテン1は、操作部12Aを引き続けることで昇降コード12が引き上げられ、これによってカーテン生地11が引き上げれられる。また、操作部12Aを僅かに引き下げてストッパ39を解除した状態で手を離すことで、カーテン生地11及びウェイトバー11Aが自重によって下降する。
【0031】
[フレーム]
図4に示すように、フレーム20は、頂壁21と前壁22とによって、略L字状に構成される。フレーム20は、頂壁21の後端及び前壁22の下端の間に亘って、後方及び下方に向けた開口である開口領域を構成する。開口領域は、頂壁21の後端から前壁22の下端に亘って、フレーム20の上段及び下段を後方下側に露出させる。
【0032】
頂壁21は、フレーム20を天井面などの取付面に取り付けるためのブラケットが掴持可能とするように、前後に突出する突出片21B,21Cを備える。頂壁21は、さらに、頂壁21と後述する第3実施形態の操作部53(
図15参照)とをねじにより締結可能とするねじ受部21Dと、頂壁21と端部カバー35とをねじにより締結可能とするねじ受部21Eとを備える。下方突出部21Aは、その先端に前壁22に向かって突出する第1係止部21Fを備える。第1係止部21Fは、コード支持部材33が備える第1係合爪33D(
図6参照)と係合する。
【0033】
前壁22は、前壁22が有する前面22Sに位置する上下一対の保持片22Cを備える。上下一対の保持片22Cは、カーテン生地11の上端部を取着するための面ファスナを支持する。カーテン生地11は、保持片22Cに支持された面ファスナを介してフレーム20に吊り下げられる。
【0034】
フレーム20は、上段に2つの凹条22Dを備える。凹条22Dは、後方側が開口した溝である。フレーム20は、下段に凹条22Eを備える。凹条22Eは、下方側が開口した溝である。
【0035】
第2後方突出部22Bは、その先端に、頂壁21に向かって突出する第2係止部22Fを備える。第2係止部22Fは、後述の第2実施形態において、下段に配置されたコード支持部材33が備える第2係合爪33E(
図6参照)と係合する。
【0036】
次に、
図5~
図7を参照して、ヘッドボックス10のなかでフレーム20に取り付けられる各部の構成を説明するとともに、それらをフレーム20に取り付ける方法について説明する。
【0037】
[キャップ]
図5に示すように、キャップ31は、ベース部31Aと、突出部31Bとを備える。ベース部31Aは、略直方形状を有する部分であって、フレーム20の左右方向の端部を塞ぐ部分である。突出部31Bは、ベース部31Aの一方の面から突き出る部分であって、フレーム20のなかで頂壁21と第2後方突出部22Bとの間、かつ、前壁22と下方突出部21Aとの間に挿入される部分である。
【0038】
突出部31Bは、上側係合孔31Cと、下側係合孔31Dとを備える。上側係合孔31Cは、キャップ支持部材32が備える第1係合凸部32C、またはストッパケース34が備える第2係合凸部34B(
図7参照)と係合する孔部であって、一例として円孔である。上側係合孔31Cは、キャップ31がフレーム20に取り付けられた状態で上段に位置する。
【0039】
下側係合孔31Dは、後述の第2実施形態において、下段に配置されたストッパケース34が備える第2係合凸部34B(
図7参照)と係合する孔部であって、一例として円孔である。下側係合孔31Dは、キャップ31がフレーム20に取り付けられた状態で、下段に位置する。下側係合孔31Dは、上側係合孔31Cよりもベース部31Aまでの距離が大きい。
【0040】
なお、たくし上げカーテン1が備える2つのキャップ31は、同一形状を有する。2つのキャップ31の一方は、キャップ支持部材32と、固定部36を構成するロック部材37及びプレート38とを用いてフレーム20に取り付けられる。2つのキャップ31の他方は、コード支持部材33と、ストッパケース34と、固定部36を構成するロック部材37及びプレート38とを用いてフレーム20に取り付けられる(
図7参照)。
【0041】
[キャップ支持部材]
図5に示すように、キャップ支持部材32は、連結部32Aと、固定台32Bとを備える。連結部32Aは、上側係合孔31Cと係合する第1係合凸部32Cを備える。キャップ31及びキャップ支持部材32は、上側係合孔31Cと第1係合凸部32Cとが係合することで一体に接続される。固定台32Bは、挿通孔32Dを備える。挿通孔32Dは、ロック部材37が備える係止片37Bを挿通可能な大きさを有した非円形、例えば、略矩形状の孔部である。
【0042】
[固定部]
図5に示すように、固定部36は、ロック部材37とプレート38とを備える。ロック部材37は、摘み部37Aと係止片37Bとを備える。摘み部37Aは、挿通孔32Dに挿通不能な大きさを有する。係止片37Bは、摘み部37Aと一体のT字状の片である。係止片37Bは、挿通孔32Dに挿通可能な大きさを有する。係止片37Bの先端における長手方向の大きさは、挿通孔32Dの長手方向の幅よりも小さく、かつ、挿通孔32Dの短手方向の幅よりも大きい。係止片37Bの先端における摘み部37Aと対向する面は、摘み部37Aに向かって膨らんだ形状を有する。
【0043】
プレート38は、板状の部材であって、中央に貫通孔38Aを備える。貫通孔38Aは、一例として、挿通孔32Dと同様に略矩形状を有するが、摘み部37Aが挿通不能な大きさであって、係止片37Bが挿通可能な大きさであれば、その形状は限定されない。
【0044】
係止片37Bは、固定台32B及びプレート38が下方突出部21Aを挟み込んだ状態で、挿通孔32D及び貫通孔38Aに挿通される。そして、摘み部37Aを90度程度回転させることで、係止片37Bの先端が固定台32Bと係合する。この状態では、ロック部材37は、下方突出部21Aを挟み込んだ状態の固定台32B及びプレート38を締め付ける。これにより、キャップ支持部材32がフレーム20に取り付けられる。また、キャップ31は、上側係合孔31Cと第1係合凸部32Cとが係合することで、キャップ支持部材32を介してフレーム20に取り付けられる。
【0045】
なお、キャップ31及びキャップ支持部材32は、たくし上げカーテン1の前後方向において、各部材の中心を通過する仮想平面を対称面とした面対称な形状を有する。したがって、たくし上げカーテン1の左右方向の各端の何れにキャップ31及びキャップ支持部材32を取り付ける場合であっても、同一形状のキャップ31及びキャップ支持部材32を用いることができる。
【0046】
[第1実施形態のコード支持部材]
図6に示すように、コード支持部材33は、上述した導出口33Aに加えて、固定片33Bと、挿通孔33Cと、第1係合爪33Dと、第2係合爪33Eと、係合片33Fと、リブ33Gと、連結突起33Hを備える。
【0047】
固定片33Bは、挿通孔33Cを備えた片である。固定片33Bは、導出口33Aと同じ側、すなわち、本実施形態では後方に位置する。挿通孔33Cは、ロック部材37が備える係止片37Bを挿通可能な大きさを有した非円形、例えば、略矩形状の孔部である。挿通孔33Cの形状は、一例として、キャップ支持部材32が備える挿通孔32Dと同一形状を有するが、挿通孔32Dと同一形状でなくてもよい。
【0048】
コード支持部材33は、固定部36を構成するロック部材37とプレート38とを用いて、キャップ支持部材32と同様にフレーム20に取り付けられる。すなわち、固定片33B及びプレート38が下方突出部21Aを挟み込んだ状態で、係止片37Bが挿通孔33C及び貫通孔38Aに挿通される。そして、摘み部37Aを回転させることで、ロック部材37が下方突出部21A、固定片33B、及びプレート38を締め付け、これによってコード支持部材33がフレーム20に取り付けられる。
【0049】
第1係合爪33D及び第2係合爪33Eは、導出口33Aと同じ側、すなわち、本実施形態では後方に位置する一対の弾性片である。
図6に示す状態において、第1係合爪33Dが上方に向かって延びる片であって、第2係合爪33Eが下方に向かって延びる片である。コード支持部材33は、第1係合爪33Dが第1係止部21Fと係合することで、フレーム20の上段において、左右方向にスライド可能な状態で仮止めされる。コード支持部材33が仮止めされた状態では、コード支持部材33の左右方向の位置、すなわち昇降コード12を垂下させる位置を微調整することができる。
【0050】
係合片33Fは、導出口33Aと同じ側、すなわち、本実施形態では後方に位置する。係合片33Fは、導出口33Aから左右方向に沿って延びる片であって、その先端に略C字状の凹部を備える。係合片33Fが備える凹部は、ストッパケース34が備える第1係合凸部34A(
図7参照)、及び他のコード支持部材33が備える連結突起33Hと係合可能である。なお、複数のコード支持部材33のうち、1つにはストッパケース34が接続されるが、他のコード支持部材33にはストッパケース34が接続されない。
【0051】
リブ33Gは、導出口33Aと反対側、すなわち、本実施形態における前方に向かって突き出る部分であって、左右方向に沿って延びる。リブ33Gは、上下方向の各端に一つずつ位置する(
図8参照)。2つのリブ33Gは、2つの凹条22Dに1つずつ挿入される。
【0052】
連結突起33Hは、導出口33Aと同じ側、すなわち、本実施形態では後方に位置する。コード支持部材33が備える係合片33Fと、別のコード支持部材33が備える連結突起33Hとが係合することで、複数のコード支持部材33が連結する。
【0053】
コード支持部材33は、上下方向において、部材の中心を通過する仮想平面を対称面とした面対称な形状を有する。したがって、コード支持部材33は、その左右を反転させた状態で、フレーム20に取り付けることもできる。
【0054】
[ストッパケース]
図7に示すように、ストッパケース34は、第1係合凸部34Aと、第2係合凸部34Bと、滑車34Cと、第3係合凸部34Dとを備える。第1係合凸部34Aは、ストッパケース34における左右方向の一端において、後方に向かって突き出る部分であって、コード支持部材33が備える係合片33Fと係合する部分である。ストッパケース34は、第1係合凸部34Aと係合片33Fとが係合することで、コード支持部材33と一体に接続される。すなわち、ストッパケース34は、コード支持部材33を介してフレーム20に取り付けられる。
【0055】
第2係合凸部34Bは、ストッパケース34における左右方向の他端に設けられる部分であって、キャップ31が備える上側係合孔31Cと係合する部分である。キャップ31は、上側係合孔31Cと第2係合凸部34Bとが係合することで、ストッパケース34と一体に接続される。すなわち、キャップ31は、ストッパケース34及びコード支持部材33を介してフレーム20に取り付けられる。
【0056】
キャップ31とストッパケース34との間には、昇降コード12を外部に導出するための空間が構成される。ヘッドボックス10の内部に配された複数の昇降コード12は、滑車34Cを経由してキャップ31とストッパケース34との間の空間から外部に導出される。
【0057】
第3係合凸部34Dは、ストッパケース34の下面から下方に向かって突き出る部分である。第3係合凸部34Dは、後述の第2実施形態において、フレーム20の下段に配置されたコード支持部材33が備える係合片33Fと係合する。第3係合凸部34Dは、左右方向において、第1係合凸部34Aよりも第2係合凸部34Bの側に位置する。左右方向における第1係合凸部34Aと第3係合凸部34Dとの距離は、左右方向におけるキャップ31の上側係合孔31Cと下側係合孔31Dとの距離と等しい。
【0058】
[第1実施形態におけるコード支持部材の取付方法]
次に、
図8を参照してコード支持部材33の取付方法について説明する。
まず、頂壁21の後端及び前壁22の下端との間に亘って構成される開口領域から、コード支持部材33をフレーム20の上段に取り付ける。具体的に、フレーム20が備える2つの凹条22Dに、コード支持部材33が備える2つのリブ33Gを挿入する。このとき、コード支持部材33が備える第1係合爪33Dは、第1係止部21Fを乗り越えた後、弾性復帰することで第1係止部21Fと係合する。これにより、コード支持部材33は、フレーム20に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めされる。
【0059】
次いで、固定片33Bとプレート38とによって下方突出部21Aを挟み込んだ状態で、ロック部材37の係止片37Bを挿通孔33C及び貫通孔38Aに挿通する。そして、摘み部37Aを90度程度回転させることで、ロック部材37が下方突出部21Aを挟み込んだ状態の固定片33B及びプレート38を締め付ける。これによって、コード支持部材33がフレーム20に取り付けられる。
【0060】
[第1実施形態におけるカーテン生地及び昇降コードの配置]
次に、
図8を参照してカーテン生地11及び昇降コード12の配置について説明する。
カーテン生地11は、フレーム20が備える上下一対の保持片22Cに取り付けられた面ファスナ11Bを介してフレーム20の前方に吊り下げられる。昇降コード12は、ヘッドボックス10のなかでコード支持部材33によって支持されるとともに、導出口33Aを通じてヘッドボックス10の後方から垂下される。昇降コード12は、カーテン生地11に対して後方から取り付けられる。
【0061】
[第1実施形態の効果]
上記第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1-1)頂壁21と前壁22との間に構成される開口領域からコード支持部材33をフレーム20に取り付けることで、フレーム20の側方からスライドさせずとも、コード支持部材33をフレーム20内の所望の位置に取り付けることができる。したがって、昇降コード12の端部を直接操作することで1つのカーテン生地11を操作する構成であっても、コード支持部材33をフレーム20に対して容易に取り付けることができる。
【0062】
(1-2)下方突出部21Aが備える第1係止部21Fと、コード支持部材33が備える第1係合爪33Dとが係合することで、コード支持部材33をフレーム20に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めすることができる。コード支持部材33が仮止めされた状態では、コード支持部材33の左右方向の位置、すなわち昇降コード12を垂下させる位置を微調整することができる。
【0063】
(1-3)キャップ31とストッパケース34とコード支持部材33とが一体に接続されることで、キャップ31を基準として、コード支持部材33におけるフレーム20の端部からの位置が一意に定められる。すなわち、キャップ31と一体に接続されるコード支持部材33によって支持される昇降コード12が、フレーム20から垂下される位置を一意に定めることができる。
【0064】
[第2実施形態]
たくし上げカーテンの第2実施形態について
図9~
図14を参照して説明する。
図9に示すように、たくし上げカーテン2は、ヘッドボックス40と、ヘッドボックス40の前側に位置する前側カーテン生地41と、ヘッドボックス40の後側に位置する後側カーテン生地42と、を備える。ヘッドボックス40は、第1実施形態のヘッドボックス10と同一のフレーム20を備える。
【0065】
前側カーテン生地41は、例えば、遮光性を有した生地である。後側カーテン生地42は、例えば、レース状などの光透過性を有した生地である。なお、前側カーテン生地41及び後側カーテン生地42は、何れもが遮光性を有した生地であってもよいし、何れもが光透過性を有した生地であってもよい。また、前側カーテン生地41が光透過性を有した生地であって、後側カーテン生地42が遮光性を有した生地であってもよい。
【0066】
前側カーテン生地41の下端には、ウェイトバー41Aが取着される。前側カーテン生地41の下端近傍には、紐状を有した複数の前側昇降コード43の一端が取り付けられる。各前側昇降コード43は、紐状を有してヘッドボックス40内を挿通される。各前側昇降コード43の他端は、ヘッドボックス40から外部に導出されて束ねられた状態の前側操作部43Aを構成する。前側カーテン生地41は、前側操作部43Aが操作されることで上昇または下降する。
【0067】
後側カーテン生地42の下端には、ウェイトバー42Aが取着される。後側カーテン生地42の下端近傍には、紐状を有した複数の後側昇降コード44の一端が取り付けられる。各後側昇降コード44は、ヘッドボックス40内を挿通される。各後側昇降コード44の他端は、ヘッドボックス40から外部に導出されて束ねられた状態の後側操作部44Aを構成する。後側カーテン生地42は、後側操作部44Aが操作されることで上昇または下降する。
【0068】
[第2実施形態のヘッドボックス]
図10に示すように、ヘッドボックス40は、フレーム20に加えて、第1実施形態と同様に、2つのキャップ31と、2つの端部カバー35とを備える。さらに、ヘッドボックス40は、フレーム20の上段に、キャップ支持部材32と、複数のコード支持部材33と、1つのストッパケース34及びストッパ39と、複数の固定部36とを備える。これらの部材は、フレーム20に対して、第1実施形態と同様に取り付けられる。そして、ヘッドボックス40は、第1実施形態のヘッドボックス10との相違点として、フレーム20の下段に複数のコード支持部材33と、1つのストッパケース34及びストッパ39とを備える。
【0069】
なお、上段に位置するコード支持部材33が上側コード支持部材であり、下段に位置するコード支持部材33が下側コード支持部材である。そして、上段に位置するコード支持部材33が備える導出口33Aが上側導出口であり、下段に位置するコード支持部材33が備える導出口33Aが下側導出口である。上側コード支持部材及び下側コード支持部材は、同一形状の部材が用いられる。
【0070】
フレーム20の下段に位置するストッパケース34及びストッパ39は、上段に位置するストッパケース34及びストッパ39と同じ向きで配置される。フレーム20の下段に位置するストッパケース34は、第2係合凸部34Bが、キャップ31が備える下側係合孔31Dと係合する。なお、上段に位置するストッパケース34及びストッパ39が上側ストッパケース及び上側ストッパであり、下段に位置するストッパケース34及びストッパ39が下側ストッパケース及び下側ストッパである。また、上側ストッパケース及び下側ストッパケースは、同一形状の部材が用いられる。同様に上側ストッパ及び下側ストッパは、同一形状の部材が用いられる。
【0071】
フレーム20の下段に位置するコード支持部材33は、導出口33Aが下方に面するように、上段に位置するコード支持部材33に対して90度回転した状態で配置される。フレーム20の下段に位置するコード支持部材33のうちの1つは、係合片33Fが、ストッパケース34が備える第3係合凸部34Dと係合する。
【0072】
左右方向における第1係合凸部34Aと第3係合凸部34Dとの距離は、左右方向におけるキャップ31の上側係合孔31Cと下側係合孔31Dとの距離と等しい。そのため、上段及び下段の各々において、ストッパケース34に接続されたコード支持部材33の導出口33Aは、左右方向において同じ位置に揃えられる。
【0073】
ヘッドボックス40は、さらに、後壁45を備える。後壁45は、フレーム20の上段に位置するコード支持部材33、及びフレーム20の下段に位置するコード支持部材33に対して、前壁22と反対側に取り付けられる。なお、
図10では、説明の便宜上、後壁45が取り外された状態を図示している。
【0074】
後壁45は、第1係合溝45Aと、第2係合溝45Bと、第3係合溝45Cと、上下一対の保持片45Dとを備える。第1係合溝45Aは、フレーム20の上段に位置するコード支持部材33が備える第2係合爪33Eと係合する。第2係合溝45Bは、フレーム20の下段に位置するコード支持部材33が備える2つのリブ33Gのうち第1係合爪33D側のリブ33Gと係合する。第3係合溝45Cは、フレーム20の下段に位置するコード支持部材33が備える第1係合爪33Dと係合する。上下一対の保持片45Dは、後側カーテン生地42の上端部を取着するための面ファスナを支持する。後側カーテン生地42は、保持片45Dに支持された面ファスナを介して後壁45に吊り下げられる。
【0075】
図11に示すように、複数の前側昇降コード43は、下段に位置するストッパケース34に収容されるストッパ39を通じて、下段に位置する各コード支持部材33から垂下される。複数の後側昇降コード44は、上段に位置するストッパケース34に収容されるストッパ39を通じて、上段に位置する各コード支持部材33から垂下される。第2実施形態のたくし上げカーテン2は、前側操作部43Aを操作することで、前側昇降コード43を介して前側カーテン生地41が昇降する。また、後側操作部44Aを操作することで、後側昇降コード44を介して後側カーテン生地42が昇降する。なお、
図11では、説明の便宜上、後壁45を図示していない。
【0076】
[第2実施形態におけるコード支持部材の取付方法]
次に、
図12及び
図13を参照してコード支持部材33の取付方法について説明する。
図12に示すように、まず、第1実施形態と同様に、頂壁21の後端及び前壁22の下端との間に亘って構成される開口領域から、コード支持部材33をフレーム20の上段に取り付ける。具体的に、フレーム20が備える2つの凹条22Dに、コード支持部材33が備える2つのリブ33Gを挿入する。上段に配置されたコード支持部材33は、第1係合爪33Dが第1係止部21Fと係合することで、フレーム20に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めされる。
【0077】
次いで、頂壁21の後端及び前壁22の下端との間に亘って構成される開口領域から、コード支持部材33をフレーム20の下段に取り付ける。具体的に、コード支持部材33が備える2つのリブ33Gのうち第2係合爪33E側のリブ33Gを、フレーム20が備える凹条22Eに挿入する。このとき、コード支持部材33が備える第2係合爪33Eは、第2係止部22Fを乗り越えた後、弾性復帰することで第2係止部22Fと係合する。これにより、下段に配置されたコード支持部材33は、フレーム20に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めされる。
【0078】
図13に示すように、次いで、上段及び下段に配置されたコード支持部材33に対して後壁45を取り付ける。具体的に、第2係合溝45Bをフレーム20の下段に位置するコード支持部材33が備える第1係合爪33D側のリブ33Gと係合する。そして、第1係合溝45Aをフレーム20の上段に位置するコード支持部材33が備える第2係合爪33Eと係合する。さらに、第3係合溝45Cをフレーム20の下段に位置するコード支持部材33が備える第1係合爪33Dと係合する。このように、後壁45は、上段及び下段に配置されたコード支持部材33に対して、後方側から取り付けることができる。
【0079】
そして、上段に位置するコード支持部材33の固定片33Bとプレート38とによって下方突出部21A及び後壁45の上端を挟み込んだ状態で、ロック部材37によって固定片33B及びプレート38を締め付ける。さらに、下段に位置するコード支持部材33の固定片33Bとプレート38とによって第2後方突出部22B及び後壁45の下端を挟み込んだ状態で、ロック部材37によって固定片33B及びプレート38を締め付ける。これにより、上段に位置するコード支持部材33、下段に位置するコード支持部材33、及び、後壁45が、フレーム20に対して固定される。
【0080】
なお、コード支持部材33をフレーム20の上段及び下段に取りつける手順は、上記の例に限定されない。例えば、初めに、頂壁21の後端及び前壁22の下端との間に亘って構成される開口領域から、コード支持部材33をフレーム20の下段に仮止めする。次いで、後壁45が備える第2係合溝45Bをフレーム20の下段に位置するコード支持部材33が備える第1係合爪33D側のリブ33Gと係合する。さらに、第3係合溝45Cをフレーム20の下段に位置するコード支持部材33が備える第1係合爪33Dと係合する。これにより、後壁45が下段に位置するコード支持部材33に取り付けられる。そして、フレーム20の左右方向の一端から、フレーム20の上段にコード支持部材33をスライドさせて配置する。このとき、フレーム20の上段において、複数のコード支持部材33をスライドさせる際に、各コード支持部材33が備える係合片33Fと連結突起33Hとを連結させることで、複数のコード支持部材33をまとめてスライドさせてもよい。その後、固定部36によってコード支持部材33をフレーム20に固定する。
【0081】
[第2実施形態におけるカーテン生地及び昇降コードの配置]
次に、
図14を参照して前側カーテン生地41、後側カーテン生地42、前側昇降コード43、及び、後側昇降コード44の配置について説明する。
【0082】
前側カーテン生地41は、フレーム20が備える上下一対の保持片22Cに取り付けられた面ファスナ41Bを介してフレーム20に吊り下げられる。後側カーテン生地42は、後壁45が備える上下一対の保持片45Dに取り付けられた面ファスナ42Bを介して後壁45に吊り下げられる。前側昇降コード43は、下段に位置するコード支持部材33によって支持されるとともに、当該コード支持部材33が備える導出口33Aから垂下される。したがって、前側昇降コード43は、フレーム20に対して下方から垂下される。前側昇降コード43は、前側カーテン生地41に後方から取り付けられる。後側昇降コード44は、上段に位置するコード支持部材33によって支持されるとともに、当該コード支持部材33が備える導出口33Aから垂下される。したがって、後側昇降コード44は、フレーム20に対して後方から垂下される。後側昇降コード44は、後側カーテン生地42に後方から取り付けられる。
【0083】
[第2実施形態の効果]
上記第2実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(2-1)フレーム20の上段に配置されるコード支持部材33だけでなく、フレーム20の下段に配置されるコード支持部材33もまた、頂壁21と前壁22との間に構成される開口領域から取り付け可能である。したがって、2つのカーテン生地41,42を備えるたくし上げカーテン2においても、フレーム20の側方からコード支持部材33をスライドさせずとも、コード支持部材33をフレーム20内の所望の位置に容易に取り付けることができる。
【0084】
(2-2)上段に配置されるコード支持部材33及び下段に配置されるコード支持部材33が同一形状を有することで、部材の共通化を図れることから、製造及び保管コストの削減が可能となる。
【0085】
(2-3)上段に配置されるコード支持部材33は、導出口33Aが後方に面するように配置されるとともに、後側カーテン生地42に接続される後側昇降コード44を支持する。下段に配置されるコード支持部材33は、導出口33Aが下方に面するように配置されるとともに、前側カーテン生地41に接続される前側昇降コード43を支持する。これにより、前側カーテン生地41の後方に前側昇降コード43を配することができ、そして、後側カーテン生地42の後方に後側昇降コード44を配することができる。これにより、前方から見て昇降コード43,44がカーテン生地41,42に隠れる構成となるため意匠性を向上できる。
【0086】
(2-4)第2後方突出部22Bが備える第2係止部22Fと、コード支持部材33が備える第2係合爪33Eとが係合することで、コード支持部材33をフレーム20の下段に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めすることができる。
【0087】
(2-5)上段に位置するストッパケース34に接続されたコード支持部材33の導出口33Aと、下段に位置するストッパケース34に接続されたコード支持部材33の導出口33Aとが、左右方向において同じ位置に揃えられる。これにより、左右方向において、前側昇降コード43が垂下される位置と、後側昇降コード44が垂下される位置とを揃えることができる。
【0088】
(2-6)上段及び下段に配置されたコード支持部材33に対して後壁45を後方側から取り付けることができるため、例えば、後壁45を側方からスライドさせて取り付ける構成と比較して作業スペースの削減が可能となる。
【0089】
[第1実施形態及び第2実施形態の変更例]
なお、上記第1実施形態、及び第2実施形態は、さらに以下のように適宜変更して実施することもできる。
【0090】
・キャップ31とストッパケース34とコード支持部材33とが一体に接続される構成を例示したが、2つのキャップ31の両方をキャップ支持部材32によって取付ける構成であってもよい。その場合、ストッパケース34は、コード支持部材33とのみ接続される。
【0091】
・第1実施形態のように、フレーム20の上段にのみコード支持部材33を設ける構成の場合、フレーム20は上段部分のみを備える構成であって、下段部分を備えない構成であってもよい。また、コード支持部材33の第2係合爪33Eは省略されてもよい。この場合、フレーム20及びコード支持部材33の構成を簡素化できる。特に、フレーム20の場合は、上下方向の大きさが略半分になるため、小型及び軽量化が可能となる。
【0092】
・第2実施形態において、上段側の導出口33Aが後方に面し、下段側の導出口33Aが下方に面する構成を例示した。これに代えて、フレーム20のなかでコード支持部材33が取り付けられる位置を上段と下段とでずらして上段及び下段の導出口33Aの何れもが下方に面する構成でもよい。この場合、後側昇降コード44は、後側カーテン生地42に前方から取り付けられる。
【0093】
・第1係止部21Fと第1係合爪33Dとは、省略されてもよい。この場合、第1係止部21Fと第1係合爪33Dとの係合に必要な力が不要な分だけ、開口領域からコード支持部材33をフレーム20の上段に対して容易に配置できる。なお、この場合、コード支持部材33は、固定部36による固定のみによってフレーム20に取り付けられる。
【0094】
・コード支持部材33をフレーム20に取り付ける場合、必ずしも全てのコード支持部材33をフレーム20の開口領域から取り付けなくてもよい。例えば、左右方向の中央部分のコード支持部材33をフレーム20の開口領域から取り付ける。そして、左右方向の端部近傍のコード支持部材33をフレーム20の左右の端部からスライドさせることで、フレーム20の左右方向の各部にコード支持部材33を取り付けてもよい。
【0095】
・上段に位置するストッパケース34に接続されたコード支持部材33の導出口33Aと、下段に位置するストッパケース34に接続されたコード支持部材33の導出口33Aとが、左右方向において異なる位置に配置されてもよい。例えば、第1係合凸部34Aと第3係合凸部34Dとが、ストッパケース34のなかの異なる面であって、左右方向において同じ位置に設けられてもよい。この場合、左右方向におけるキャップ31の上側係合孔31Cと下側係合孔31Dとの距離の分だけ、上段に位置する導出口33Aと下段に位置する導出口33Aとが左右方向にずれた状態で配置される。
【0096】
[第3実施形態]
たくし上げカーテンの第3実施形態について
図15~
図19を参照して説明する。
図15に示すように、たくし上げカーテン3は、ヘッドボックス50と、ヘッドボックス50の前側に位置するカーテン生地51と、複数本の昇降コード52とを備える。
【0097】
カーテン生地51は、例えば、遮光性を有する生地、あるいはレース状などの光透過性を有する生地である。カーテン生地51の下端には、ウェイトバー51Aが取着される。カーテン生地51の下端近傍には、紐状の昇降コード52の一端が取り付けられる。
【0098】
ヘッドボックス50は、第1実施形態のヘッドボックス10と同一のフレーム20と、操作部53と、駆動軸56と、複数のコード支持部材60とを備える。フレーム20には、第1実施形態と同様に、面ファスナなどの取付手段を介してカーテン生地51が取り付けられる。
【0099】
操作部53は、伝達ユニット54と、操作コード55とを備える。伝達ユニット54には、フレーム20の上段において、駆動軸56の一端が連結される。操作コード55は、伝達ユニット54に掛装される無端状のコードであって、一例として、ボールチェーンである。
【0100】
昇降コード52は、コード支持部材60から垂下される。各コード支持部材60は、フレーム20の上段に配置される。各コード支持部材60は、昇降コード52を巻き取り、または巻き出す巻取部材61を備える。巻取部材61は、例えば、略円錐状を有した巻取コーンである。各コード支持部材60が備える巻取部材61は、駆動軸56と一体に回転する。
【0101】
[第3実施形態のヘッドボックス]
図16に示すように、ヘッドボックス50は、フレーム20の一端に、1つのキャップ31と、キャップ支持部材32と、1つの端部カバー35とを備える。これらの部材は、第1実施形態と同様にフレーム20に対して取り付けられる。
【0102】
ヘッドボックス50は、フレーム20の他端に、1つの端部カバー35と、上述の伝達ユニット54とを備える。端部カバー35は、第1実施形態と同様にフレーム20に対して取り付けられる。伝達ユニット54は、一例として、ねじなどの固定手段によってフレーム20に対して取り付けられる。
【0103】
伝達ユニット54は、駆動部54Aと、第1押さえ片54Eと、第2押さえ片54Fとを備える。駆動部54Aは、操作コード55の操作に応じて駆動軸56を回転させ、これによって巻取部材61を回転させる。駆動部54Aは、操作コード55が掛装されるプーリ54Bと、フレーム20の上段に位置する上段側連結部54Cと、フレーム20の下段に位置する下段側連結部54Dとを備える。上段側連結部54C及び下段側連結部54Dには、それぞれ駆動軸56を連結可能であるが、第3実施形態においては上段側連結部54Cのみに駆動軸56が連結される。
【0104】
駆動部54Aは、プーリ54Bと上段側連結部54Cとの間、及び、プーリ54Bと下段側連結部54Dとの間のそれぞれに、ストッパとクラッチとワンウェイクラッチとを備える。ストッパは、駆動軸56がカーテン生地51及びウェイトバー51Aの重量によって回転することを防ぐ。クラッチは、駆動軸56と、プーリ54B及びストッパとの接続を切り離し、これによってカーテン生地51及びウェイトバー51Aの自重による下降を可能とする。ワンウェイクラッチは、操作コード55からプーリ54Bに入力された一方向の回転のみを駆動軸56に伝達し、これによって、上段側連結部54C及び下段側連結部54Dの各々に接続された駆動軸56を各別に回転させる。
【0105】
第1押さえ片54Eは、プーリ54Bの上方に配置される。第2押さえ片54Fは、プーリ54Bに対して上段側連結部54C及び下段側連結部54Dと反対側に配置される。第1押さえ片54E及び第2押さえ片54Fは、プーリ54Bに掛装された操作コード55がプーリ54Bから外れることを防ぐ。
【0106】
駆動部54Aは、駆動部54Aにおける上下方向の中心を通過する仮想平面P(
図17参照)を対称面として面対称な形状を有する。したがって、フレーム20の左右方向の各端の何れに伝達ユニット54を取り付ける場合であっても、同一形状の駆動部54Aを用いることができる。また、伝達ユニット54は、駆動部54A、第1押さえ片54E、及び第2押さえ片54Fの分割された3つの部材によって構成される。このような構成によれば、フレーム20の左右方向の各端の何れに伝達ユニット54を取り付ける場合であっても、同一形状の第1押さえ片54E、及び第2押さえ片54Fを用いることができる。
【0107】
ヘッドボックス50は、カーテン生地51及びウェイトバー51Aが自重によって下降する際の速度を減速させる速度調整機構57を備える。速度調整機構57は、フレーム20の上段において、駆動軸56に接続される。
【0108】
ヘッドボックス50は、昇降コード52と同数のコード支持部材60を備える。各コード支持部材60は、固定部36によってフレーム20に固定される。各コード支持部材60は、上述した巻取部材61と、ケース62とを備える。ケース62は、巻取部材61を回転可能に収容する。ケース62は、巻取部材61に取り付けられた昇降コード52を導出する導出口64Aを有する。コード支持部材60は、導出口64Aが後方に面するように、フレーム20に対して取り付けられる。
【0109】
図17に示すように、駆動軸56は、各コード支持部材60の巻取部材61と一体に回転するように連結された状態で、伝達ユニット54の上段側連結部54Cに連結される。操作コード55の室内側の部分及び室外側の部分の何れか一方である第1部分を引くと、上段側連結部54Cに連結された駆動軸56が回転することで、各コード支持部材60が備える巻取部材61が回転する。そして、巻取部材61が昇降コード52を巻き取ることでカーテン生地51が上昇する。また、操作コード55の第1部分を僅かに引くと、カーテン生地51及びウェイトバー51Aが自重によって下降する。さらに、カーテン生地51及びウェイトバー51Aが下降している状態で第1部分を僅かに引くと、カーテン生地51及びウェイトバー51Aの下降が停止する。
【0110】
[第3実施形態のコード支持部材]
以下、
図18を参照して第3実施形態のコード支持部材60の構成について説明する。
図18に示すように、コード支持部材60は、上述した巻取部材61、及びケース62と、コード取付部材65とを備える。巻取部材61は、左右方向の一端にコード取付部材65を嵌着可能な凹溝61Aを備える。
【0111】
ケース62は、収容部63と、開閉部64とを備える。収容部63は、巻取部材61を回転可能に収容する。収容部63は、開口63Aと、固定片63Bと、挿通孔63Cと、第1係合爪63Dと、第2係合爪63Eと、リブ63Fとを備える。
【0112】
開口63Aは、後方に面する。開口63Aは、コード取付部材65が通過可能な大きさを有する。固定片63Bは、挿通孔63Cを備えた片である。固定片63Bは、開口63Aと同じ側、すなわち、本実施形態では後方に位置する。挿通孔63Cは、挿通孔33Cは、ロック部材37が備える係止片37Bを挿通可能な大きさを有した非円形、例えば、略矩形状の孔部である。
【0113】
コード支持部材60は、固定部36を用いて、第1実施形態、及び第2実施形態のコード支持部材33と同様にフレーム20に取り付けられる。すなわち、固定片63B及びプレート38が下方突出部21Aを挟み込んだ状態で、係止片37Bが挿通孔63C及び貫通孔38Aに挿通される。そして、摘み部37Aを回転させることで、ロック部材37が下方突出部21A、固定片33B、及びプレート38を締め付け、これによってコード支持部材60がフレーム20に取り付けられる。
【0114】
第1係合爪63D及び第2係合爪63Eは、開口63Aと同じ側、すなわち、本実施形態では後方に位置する一対の弾性片である。
図18に示す状態において、第1係合爪63Dが上方に向かって延びる片であって、第2係合爪63Eが下方に向かって延びる片である。コード支持部材60は、第1係合爪63Dが第1係止部21Fと係合することで、フレーム20に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めされる。
【0115】
リブ63Fは、開口63Aと反対側、すなわち、本実施形態における前方に向かって突き出る部分である。リブ33Gは、収容部63における前方側の四角に一つずつ位置する。各リブ33Gは、2つの凹条22Dの何れかに挿入される。
【0116】
開閉部64は、開口63Aを開閉するための部材である。開閉部64は、収容部63に対して後方側であって、開口63Aと重なるように位置する。開閉部64は、開口63Aよりも僅かに小さな形状を有する。開閉部64は、上述の導出口64Aと、回動軸部64Bと、摘み部64Cと、固定爪64Dとを備える。
【0117】
回動軸部64Bは、開閉部64の左右方向の一端を、収容部63に対して上下方向を軸として回動可能に取り付けるための機構である。開閉部64は、回動軸部64Bを軸として回動することで、開口63Aを閉じる閉状態と、開口63Aを開ける開状態とを切り換える。なお、開閉部64において、導出口64Aは、回動軸部64Bの近傍に位置する。
【0118】
開閉部64は、開口63Aと重なる閉状態で、開口63Aの開口面積を減らすように開口63Aを塞ぐことで、コード取付部材65が開口63Aを通過できないようにする。開閉部64は、開口63Aを開ける開状態で、コード取付部材65が開口63Aを通過できるようにする。
【0119】
摘み部64Cは、左右方向において、回動軸部64Bと反対の端部に位置する。摘み部64Cは、閉状態の開閉部64において、後方に向かって突き出る部分である。固定爪64Dは、左右方向において、回動軸部64Bと反対の端部であって、摘み部64Cと同じ側に位置する。固定爪64Dは、閉状態の開閉部64において、前方に向かって突き出る部分であって、収容部63の開口63Aを区画する端部と係合する部分である。開閉部64は、固定爪64Dが収容部63と係合することで、閉状態が維持される。
【0120】
コード取付部材65は、略C字状の部材である。コード取付部材65は、開口63Aを通過可能な大きさを有する。コード取付部材65は、巻取部材61の凹溝61Aに嵌着される。コード取付部材65は、コード挿通孔65Aを備える。コード取付部材65には、昇降コード52の一端が挿通される。
【0121】
コード支持部材60は、上下方向において、各部材の中心を通過する仮想平面を対称面とした面対称な形状を有する。したがって、コード支持部材60は、その左右を反転させた状態で、フレーム20に取り付けることもできる。
【0122】
ここで、
図18を参照して、コード支持部材60に昇降コード52を取り付ける手順について説明する。なお、コード支持部材60に昇降コード52を取り付ける際には、コード支持部材60は、フレーム20に取り付けられた状態であってもよいし、フレーム20に取り付けられる前の状態であってもよい。
【0123】
まず、摘み部64Cを掴んで開閉部64を回動させることで、開口63Aを開ける開状態とする。そして、コード取付部材65を凹溝61Aから取り外す。次いで、昇降コード52を導出口64Aに挿通し、さらに、コード取付部材65のコード挿通孔65Aに挿通する。そして、昇降コード52の先端に玉結びなどによって結び目52Aを構成する。これによって、昇降コード52の先端が、コード取付部材65から外れないようにする。次いで、コード取付部材65を凹溝61Aに嵌着した後に、開閉部64を回動して開口63Aを閉じる閉状態とする。以上の手順により、昇降コード52がコード支持部材60の巻取部材61に取り付けられるとともに、導出口64Aから導出された状態となる。
【0124】
[第3実施形態におけるコード支持部材の取付方法]
次に、
図19を参照してコード支持部材60の取付方法について説明する。
図19に示すように、まず、頂壁21の後端及び前壁22の下端との間に亘って構成される開口領域から、コード支持部材60をフレーム20の上段に取り付ける。具体的に、フレーム20が備える2つの凹条22Dに、コード支持部材60が備えるリブ63Fを挿入する。このとき、コード支持部材60が備える第1係合爪63Dは、第1係止部21Fを乗り越えた後、弾性復帰することで第1係止部21Fと係合する。これにより、コード支持部材60は、フレーム20に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めされる。
【0125】
次いで、固定片63Bとプレート38とが下方突出部21Aを挟み込んだ状態で、ロック部材37の係止片37Bを挿通孔63C及び貫通孔38Aに挿通する。そして、摘み部37Aを90度程度回転させることで、ロック部材37が下方突出部21Aを挟み込んだ状態の固定片63B及びプレート38を締め付ける。これによって、コード支持部材60がフレーム20に取り付けられる。
【0126】
[第3実施形態におけるカーテン生地及び昇降コードの配置]
次に、
図19を参照してカーテン生地51及び昇降コード52の配置について説明する。
図19に示すように、カーテン生地51は、フレーム20が備える上下一対の保持片22Cに取り付けられた面ファスナ51Bを介してフレーム20の前方に吊り下げられる。昇降コード52は、ヘッドボックス10のなかでコード支持部材60の巻取部材61によって支持される。そして、昇降コード52は、コード支持部材60が備える導出口64Aを通じて後方から垂下されてカーテン生地51に取り付けられる。
【0127】
[第3実施形態の効果]
上記第3実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(3-1)頂壁21と前壁22との間に構成される開口領域からコード支持部材60をフレーム20に取り付けることで、フレーム20の側方からスライドさせずとも、コード支持部材60をフレーム20内の所望の位置に取り付けることができる。したがって、コード支持部材60が昇降コード52を巻き取るための巻取部材61を備える場合であっても、コード支持部材60をフレーム20に対して容易に取り付けることができる。
【0128】
(3-2)下方突出部21Aが備える第1係止部21Fと、コード支持部材60が備える第1係合爪63Dとが係合することで、コード支持部材60をフレーム20に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めできる。コード支持部材60が仮止めされた状態では、コード支持部材60の左右方向の位置、すなわち昇降コード52を垂下させる位置を微調整することができる。
【0129】
(3-3)駆動部54Aが上下方向の中心を通過する仮想平面Pを対称面として面対称な形状を有することで、フレーム20の左右方向の各端の何れに伝達ユニット54を取り付ける場合であっても、同一形状の駆動部54Aを用いることができる。また、伝達ユニット54が、駆動部54A、第1押さえ片54E、及び第2押さえ片54Fの分割された3つの部材によって構成される。これにより、フレーム20の左右方向の各端の何れに伝達ユニット54を取り付ける場合であっても、同一形状の第1押さえ片54E、及び第2押さえ片54Fを用いることができる。
【0130】
(3-4)開閉部64に導出口64Aを設けることで、開閉部64を回動させることによって昇降コード52を導出口64Aに挿通し易くすることができる。したがって、コード支持部材60がフレーム20に取り付けられた状態であっても、昇降コード52をコード支持部材60に容易に取り付けることができる。
【0131】
[第4実施形態]
たくし上げカーテンの第4実施形態について
図20~
図24を参照して説明する。
図20に示すように、たくし上げカーテン4は、ヘッドボックス70と、ヘッドボックス70の前側に位置する前側カーテン生地71と、ヘッドボックス70の後側に位置する後側カーテン生地72と、を備える。
【0132】
前側カーテン生地71及び後側カーテン生地72は、第2実施形態の前側カーテン生地41及び後側カーテン生地42と同様の構成である。前側カーテン生地71の下端には、ウェイトバー71Aが取着される。前側カーテン生地71の下端近傍には、紐状を有した複数の前側昇降コード73の一端が取り付けられる。後側カーテン生地72の下端には、ウェイトバー72Aが取着される。後側カーテン生地72の下端近傍には、紐状を有した複数の後側昇降コード74の一端が取り付けられる。
【0133】
ヘッドボックス70は、第3実施形態のヘッドボックス50と同様に、フレーム20と、操作部53とを備える。操作部53が備える伝達ユニット54の上段側連結部54Cには、第1駆動軸75が連結される。操作部53が備える伝達ユニット54の下段側連結部54Dには、第2駆動軸76が連結される。
【0134】
[第4実施形態のヘッドボックス]
図21に示すように、ヘッドボックス70は、フレーム20に加えて、第3実施形態のヘッドボックス50と同様に、キャップ31と、キャップ支持部材32と、2つの端部カバー35と、伝達ユニット54とを備える。これらの部材は、第3実施形態と同様にフレーム20に対して取り付けられる。
【0135】
ヘッドボックス70は、第3実施形態のヘッドボックス50と同様に、フレーム20の上段に複数のコード支持部材60を備える。フレーム20の上段に位置するコード支持部材60が備える巻取部材61は、第1駆動軸75と一体に回転する。なお、第1駆動軸75は、第3実施形態の駆動軸56と同様の構成である。ヘッドボックス70は、さらに、フレーム20の下段に複数のコード支持部材60を備える。フレーム20の下段に位置するコード支持部材60が備える巻取部材61は、第2駆動軸76と一体に回転する。フレーム20の下段に位置するコード支持部材60は、導出口64Aが下方に面するように、上段に位置するコード支持部材60に対して90度回転した状態で配置される。
【0136】
なお、上段に位置するコード支持部材60が上側コード支持部材であり、下段に位置するコード支持部材60が下側コード支持部材である。そして、上段に位置するコード支持部材60が備える導出口64Aが上側導出口であり、下段に位置するコード支持部材60が備える導出口64Aが下側導出口である。上側コード支持部材及び下側コード支持部材は、同一形状の部材が用いられる。
【0137】
ヘッドボックス70は、さらに、第2実施形態のヘッドボックス40と同様の後壁45を備える。後壁45は、フレーム20の上段に位置するコード支持部材60、及びフレーム20の下段に位置するコード支持部材60に対して、前壁22と反対側に取り付けられる。後壁45が備える上下一対の保持片45Dは、面ファスナが取り付けられ、そして、当該面ファスナを介して、後側カーテン生地72が後壁45に吊り下げられる。なお、
図21では、説明の便宜上、後壁45が取り外された状態を図示している。
【0138】
図22に示すように、第1駆動軸75は、フレーム20の上段に位置する各コード支持部材60の巻取部材61と一体に回転するように連結された状態で、伝達ユニット54の上段側連結部54Cに連結される。フレーム20の上段に位置する各コード支持部材60には、後側昇降コード74が取り付けられている。なお、
図22では、説明の便宜上、後壁45を図示していない。
【0139】
操作コード55の室内側の部分及び室外側の部分の何れか一方である第1部分を引くと、上段側連結部54Cに連結された第1駆動軸75が回転することで、フレーム20の上段に各コード支持部材60が備える巻取部材61が回転する。そして、上段の巻取部材61が後側昇降コード74を巻き取ることで後側カーテン生地72が上昇する。また、操作コード55の第1部分を僅かに引くと、後側カーテン生地72及びウェイトバー72Aが自重によって下降する。さらに、後側カーテン生地72及びウェイトバー72Aが下降している状態で第1部分を僅かに引くと、後側カーテン生地72及びウェイトバー72Aの下降が停止する。
【0140】
第2駆動軸76は、フレーム20の下段に位置する各コード支持部材60の巻取部材61と一体に回転するように連結された状態で、伝達ユニット54の下段側連結部54Dに連結される。フレーム20の下段に位置する各コード支持部材60には、前側昇降コード73が取り付けられている。操作コード55の室内側の部分及び室外側の部分のうちの他方である第2部分を引くと、下段側連結部54Dに連結された第2駆動軸76が回転することで、フレーム20の下段に各コード支持部材60が備える巻取部材61が回転する。そして、下段の巻取部材61が前側昇降コード73を巻き取ることで前側カーテン生地71が上昇する。また、操作コード55の第2部分を僅かに引くと、前側カーテン生地71及びウェイトバー71Aが自重によって下降する。さらに、前側カーテン生地71及びウェイトバー71Aが下降している状態で第2部分を僅かに引くと、前側カーテン生地71及びウェイトバー71Aの下降が停止する。
【0141】
ヘッドボックス70は、上側速度調整機構77と、下側速度調整機構78とを備える。上側速度調整機構77は、後側カーテン生地72及びウェイトバー72Aが自重によって下降する際の速度を減速させる。下側速度調整機構78は、前側カーテン生地71及びウェイトバー71Aが自重によって下降する際の速度を減速させる。
【0142】
[第4実施形態におけるコード支持部材の取付方法]
次に、
図23及び
図24を参照してコード支持部材60の取付方法について説明する。
図23に示すように、まず、第1実施形態と同様に、頂壁21の後端及び前壁22の下端との間に亘って構成される開口領域から、コード支持部材60をフレーム20の上段に取り付ける。具体的に、フレーム20が備える2つの凹条22Dに、コード支持部材60が備えるリブ63Fを挿入する。このとき、コード支持部材60が備える第1係合爪63Dは、第1係止部21Fを乗り越えた後、弾性復帰することで第1係止部21Fと係合する。これにより、コード支持部材60は、フレーム20に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めされる。
【0143】
次いで、頂壁21の後端及び前壁22の下端との間に亘って構成される開口領域から、コード支持部材60をフレーム20の下段に取り付ける。具体的に、コード支持部材60が備える2つのリブ63Fのうち第2係合爪63E側のリブ63Fを、フレーム20が備える凹条22Eに挿入する。このとき、コード支持部材60が備える第2係合爪63Eは、第2係止部22Fを乗り越えた後、弾性復帰することで第2係止部22Fと係合する。これにより、下段に配置されたコード支持部材60は、フレーム20に対して左右方向にスライド可能な状態で仮止めされる。
【0144】
図24に示すように、次いで、上段及び下段に配置されたコード支持部材60に対して後壁45を取り付ける。具体的に、第2係合溝45Bをフレーム20の下段に位置するコード支持部材60が備える第1係合爪63D側のリブ63Fと係合する。そして、第1係合溝45Aをフレーム20の上段に位置するコード支持部材60が備える第2係合爪63Eと係合する。さらに、第3係合溝45Cをフレーム20の下段に位置するコード支持部材60が備える第1係合爪63Dと係合する。このように、後壁45は、上段及び下段に配置されたコード支持部材60に対して、後方側から取り付けることができる。
【0145】
そして、上段に位置するコード支持部材60の固定片63Bとプレート38とによって下方突出部21A及び後壁45の上端を挟み込んだ状態で、ロック部材37によって固定片63B及びプレート38を締め付ける。さらに、下段に位置するコード支持部材60の固定片63Bとプレート38とによって第2後方突出部22B及び後壁45の下端を挟み込んだ状態で、ロック部材37によって固定片63B及びプレート38を締め付ける。これにより、上段に位置するコード支持部材60、下段に位置するコード支持部材60、及び、後壁45が、フレーム20に対して固定される。
【0146】
なお、第2実施形態と同様に、コード支持部材60をフレーム20の上段及び下段に取りつける手順は、上記の例に限定されない。例えば、初めに、頂壁21の後端及び前壁22の下端との間に亘って構成される開口領域から、コード支持部材60をフレーム20の下段に仮止めする。次いで、後壁45が備える第2係合溝45Bをフレーム20の下段に位置するコード支持部材60が備える第1係合爪63D側のリブ63Fと係合する。さらに、第3係合溝45Cをフレーム20の下段に位置するコード支持部材60が備える第1係合爪63Dと係合する。これにより、後壁45が下段に位置するコード支持部材60に取り付けられる。そして、フレーム20の左右方向の一端から、フレーム20の上段にコード支持部材60をスライドさせて配置する。その後、固定部36によってコード支持部材60をフレーム20に固定する。
【0147】
[第4実施形態におけるカーテン生地及び昇降コードの配置]
次に、
図24を参照して前側カーテン生地71、後側カーテン生地72、前側昇降コード73、及び、後側昇降コード74の配置について説明する。
【0148】
前側カーテン生地71は、フレーム20が備える上下一対の保持片22Cに取り付けられた面ファスナ71Bを介してフレーム20に吊り下げられる。後側カーテン生地72は、後壁45が備える上下一対の保持片45Dに取り付けられた面ファスナ72Bを介して後壁45に吊り下げられる。前側昇降コード73は、下段に位置するコード支持部材60によって支持されるとともに、当該コード支持部材60が備える導出口64Aから垂下される。したがって、前側昇降コード73は、フレーム20に対して下方から垂下される。前側昇降コード73は、前側カーテン生地71に後方から取り付けられる。後側昇降コード74は、上段に位置するコード支持部材60によって支持されるとともに、当該コード支持部材60が備える導出口64Aから垂下される。したがって、後側昇降コード74は、フレーム20に対して後方から垂下される。後側昇降コード74は、後側カーテン生地72に後方から取り付けられる。
【0149】
[第4実施形態の効果]
上記第4実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(4-1)2つのカーテン生地71,72と巻取部材61を有したコード支持部材60とを備えるたくし上げカーテン4において、コード支持部材60を頂壁21と前壁22との間の開口領域からフレーム20の上段及び下段に取り付け可能である。したがって、たくし上げカーテン4においても、フレーム20の側方からコード支持部材33をスライドさせずとも、コード支持部材33をフレーム20内の所望の位置に容易に取り付けることができる。さらに、たくし上げカーテン4においても、上記(2-2)~(2-4),(2-6)、並びに、(3-2)~(3-4)に準じた効果を得ることができる。
【0150】
[第3実施形態及び第4実施形態の変更例]
なお、上記第3実施形態、及び第4実施形態は、さらに以下のように適宜変更して実施することもできる。
【0151】
・開閉部64は、導出口64Aを備え、かつ、収容部63に対して可動する構成であればよい。例えば、開閉部64は、収容部63に対して着脱可能な構成であってもよい。また、例えば、開口63Aの全体を塞ぐ構成でなくてもよく、開口63Aの長手方向に対して半分程度の長さであってもよい。この場合、コード取付部材65は、開閉部64が開状態か閉状態かに関わらず、巻取部材61に対して取り付け可能である。なお、上記の実施形態のように、開閉部64が開口63Aの全体を塞ぐ構成であれば、開口63Aの全体に開閉部64が介在される分だけ、ケース62の強度を高めることができる。
【0152】
・コード支持部材60において、開閉部64に導出口64Aを設ける構成を記載したが、収容部63側に導出口を設けてもよい。
・コード支持部材60において、ケース62が収容部63と開閉部64とを備える構成を例示した。しかし、これに限定されず、昇降コード52(もしくは前側昇降コード73,後側昇降コード74)を巻取部材61に取り付け可能な構成であればケース62が1つの部材から構成されてもよい。
【0153】
・伝達ユニット54が、駆動部54A、第1押さえ片54E、及び第2押さえ片54Fの分割された3つの部材によって構成される場合を例示したが、予め一体に構成された部材を用いてもよい。この場合、伝達ユニット54の取付工程を簡略化できる。
【0154】
・駆動部54Aが上下方向の中心を通過する仮想平面Pを対称面として面対称な形状を有する構成を例示したが、フレーム20の左右方向の各端の何れにも取付可能な構成であれば、駆動部54Aの構成は限定されない。
【0155】
・第3実施形態のように、フレーム20の上段にのみコード支持部材60を設ける構成の場合、フレーム20は上段部分のみを備える構成であって、下段部分を備えない構成であってもよい。また、収容部63の第2係合爪63Eは省略されてもよい。この場合、フレーム20及びコード支持部材60の構成を簡素化できる。特に、フレーム20の場合は、上下方向の大きさが略半分になるため、小型及び軽量化が可能となる。
【0156】
・第4実施形態において、上段側の導出口64Aが後方に面し、下段側の導出口64Aが下方に面する構成を例示した。これに代えて、フレーム20のなかでコード支持部材60が取り付けられる位置を上段と下段とでずらして上段及び下段の導出口64Aの何れもが下方に面する構成でもよい。この場合、後側昇降コード74は、後側カーテン生地72に前方から取り付けられる。
【0157】
・第1係止部21Fと第1係合爪33Dとは、省略されてもよい。この場合、第1係止部21Fと第1係合爪63Dとの係合に必要な力が不要な分だけ、開口領域からコード支持部材60をフレーム20の上段に対して容易に配置できる。なお、コード支持部材60は、固定部36による固定のみによってフレーム20に取り付けられる。
【0158】
・コード支持部材60をフレーム20に取り付ける場合、必ずしも全てのコード支持部材60をフレーム20の開口領域から取り付けなくてもよい。例えば、左右方向の中央部分のコード支持部材60をフレーム20の開口領域から取り付ける。そして、左右方向の端部近傍のコード支持部材60をフレーム20の左右の端部からスライドさせることで、フレーム20の左右方向の各部にコード支持部材60を取り付けてもよい。
【0159】
上記実施形態、及び、その変更例によれば、更に、以下の技術的思想が導き出される。
(付記1)
フレームと、
前記フレームから吊り下げられるカーテン生地と、
前記カーテン生地を昇降するための昇降コードと、
前記フレームに取り付けられ、前記昇降コードを垂下するコード支持部材と、を備え、
前記コード支持部材は、
前記昇降コードを巻き取る巻取部材と、
前記巻取部材を回転可能に収容するケースと、備え、
前記ケースは、
前記巻取部材を収容する収容部と、
前記収容部の開口を開閉する開閉部と、を備え、
前記開閉部は、前記巻取部材に巻き付けられる前記昇降コードを垂下するための導出口を備える
たくし上げカーテン。
【0160】
上記付記1の構成によれば、開閉部に導出口を設けることで、開閉部を移動させることによって昇降コードを導出口に挿通し易くすることができる。したがって、コード支持部材がフレームに取り付けられた状態であっても、昇降コードをコード支持部材に容易に取り付けることができる。
【0161】
(付記2)
カーテン生地を備えたたくし上げカーテンにおいて、前記カーテン生地を吊り下げるフレームであって、
上方に面する頂壁と、前記頂壁の前端部から下方に延び、前記カーテン生地を吊り下げ可能な前壁と、前記カーテン生地を支持する昇降コードを垂下するコード支持部材を取り付け可能な取付部と、を備え、
前記頂壁の後端から前記前壁の下端に亘って前記取付部を後方下側に露出させる開口領域を区画する
たくし上げカーテン用フレーム。
【0162】
上記付記2の構成によれば、頂壁と前壁との間に構成される開口領域からコード支持部材をフレームの取付部に取り付けることができる。これにより、コード支持部材をフレームの側方からスライドさせずとも、フレーム内の所望の位置に取り付けることができる。したがって、コード支持部材をフレームに対して容易に取り付けることができる。
【0163】
(付記3)
フレームと、
前記フレームから吊り下げられるカーテン生地と、
前記カーテン生地を昇降するための昇降コードと、
前記フレームに取り付けられ、前記昇降コードを垂下するコード支持部材と、
前記フレームの側方の端部に取り付けられるキャップと、
前記昇降コードが前記カーテン生地の重量によって下降することを防止するストッパを収容するストッパケースと、を備え、
前記キャップと前記ストッパケースとが一体に接続され、
前記ストッパケースと1つの前記コード支持部材とが一体に接続される
たくし上げカーテン。
【0164】
上記付記3の構成によれば、キャップとストッパケースとコード支持部材とが一体に接続されることで、キャップを基準として、コード支持部材におけるフレームの端部からの位置が一意に定められる。すなわち、キャップと一体に接続されるコード支持部材によって支持される昇降コードが、フレームから垂下される位置を一意に定めることができる。
【0165】
(付記4)
上記付記3のたくし上げカーテンにおいて、
前記フレームは、前記コード支持部材を取り付け可能な取付部を備え、
前記取付部は、上段と、下段とを備え、
前記たくし上げカーテンにおいて、
前記前壁から吊り下げられる前記カーテン生地が前側カーテン生地であり、
前記前側カーテン生地を昇降するための前記昇降コードが前側昇降コードであり、
前記前側昇降コードを垂下し、かつ、前記下段に位置する前記コード支持部材が下側コード支持部材であり、
前記下段に位置し、前記前側昇降コードが前記前側カーテン生地の重量によって下降することを防止する前記ストッパが下側ストッパであり、
前記下段に位置し、前記下側ストッパを収容する前記ストッパケースが下側ストッパケースであり、
前記たくし上げカーテンは、
前記前側カーテン生地とは別の前記カーテン生地である後側カーテン生地と、
前記後側カーテン生地を昇降するための後側昇降コードと、
前記後側昇降コードを垂下し、かつ、前記上段に位置する上側コード支持部材と、
前記上段に位置し、前記後側昇降コードが前記後側カーテン生地の重量によって下降することを防止する上側ストッパと、
前記上段に位置し、前記上側ストッパを収容する上側ストッパケースと、を備え、
前記キャップと前記上側ストッパケース及び前記下側ストッパケースとが一体に接続され、
前記上側ストッパケースと1つの前記上側コード支持部材とが一体に接続され、
前記下側ストッパケースと1つの前記下側コード支持部材とが一体に接続されてもよい。
【0166】
上記付記4の構成によれば、上側ストッパケースに接続された上側コード支持部材、及び、下側ストッパケースに接続された下側コード支持部材におけるフレームの端部からの位置が、キャップを基準として一意に定められる。すなわち、上側ストッパケースに接続された上側コード支持部材から後側昇降コードが垂下される位置、及び下側ストッパケースに接続された下側コード支持部材から前側昇降コードが垂下される位置を一意に定めることができる。
【符号の説明】
【0167】
1~4…たくし上げカーテン
10,40,50,70…ヘッドボックス
11,51…カーテン生地
12,52…昇降コード
20…フレーム
21…頂壁
21A…下方突出部
21F…第1係止部
22…前壁
22A…第1後方突出部
22B…第2後方突出部
22F…第2係止部
31…キャップ
33,60…コード支持部材
33A,64A…導出口
33D…第1係合爪
33E…第2係合爪
34…ストッパケース
36…固定部
39…ストッパ
41,71…前側カーテン生地
42,72…後側カーテン生地
43,73…前側昇降コード
44,74…後側昇降コード
45…後壁
53…操作部
54…伝達ユニット
54A…駆動部
55…操作コード
56…駆動軸
61…巻取部材
62…ケース
63…収容部
63A…開口
64…開閉部
65…コード取付部材