(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117704
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】散水システム
(51)【国際特許分類】
F24F 1/42 20110101AFI20230817BHJP
F25B 39/04 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
F24F1/42
F25B39/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020412
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】312009531
【氏名又は名称】トランスブート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
(72)【発明者】
【氏名】井上 繁人
(72)【発明者】
【氏名】久保田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】藤本 卓也
(72)【発明者】
【氏名】田中 允也
(72)【発明者】
【氏名】笠嶋 聖
(72)【発明者】
【氏名】下村 恒
(72)【発明者】
【氏名】速水 悠光
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA05
(57)【要約】
【課題】空調装置の動作に応じて散水することが可能であり、容易に設置することが可能な散水システムを提供する。
【解決手段】空調装置の室外機Cに散水する散水装置10と、前記室外機Cの振動を検出する振動検出部と、前記振動検出部により検出される前記室外機Cの振動に基づいて前記散水装置10の動作を制御する制御部と、を具備し、前記散水装置10の制御の契機となる前記室外機Cの振動の閾値は、前記室外機Cの振動の実測値に基づいて設定可能とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調装置の室外機に散水する散水装置と、
前記室外機の振動を検出する振動検出部と、
前記振動検出部により検出される前記室外機の振動に基づいて前記散水装置の動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記散水装置の制御の契機となる前記室外機の振動の閾値は、前記室外機の振動の実測値に基づいて設定可能である、
散水システム。
【請求項2】
非作動中の前記室外機の振動の実測値に基づいて、前記閾値を設定可能である、
請求項1に記載の散水システム。
【請求項3】
非作動中の前記室外機の振動の実測値の標準偏差に、所定の係数を乗じた値を、前記閾値として設定可能である、
請求項2に記載の散水システム。
【請求項4】
前記制御部は、
非作動中の前記室外機の振動の平均値を用いて作動中の前記室外機の振動のゼロ点補正を行い、ゼロ点補正された前記室外機の振動及び前記閾値に基づいて前記散水装置の動作を制御する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の散水システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記室外機の振動が、前記閾値を複数回連続で超えた場合に、前記散水装置を作動させる、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の散水システム。
【請求項6】
温度を検出する温度検出部をさらに具備し、
前記制御部は、
前記温度検出部により検出される温度が所定の閾値以上である場合にのみ、前記散水装置を作動させる、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の散水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置の室外機に散水する散水システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調装置の室外機に散水する散水システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の冷却装置(散水システム)は、逆浸透膜処理装置(RO処理装置)において不純物の取り除かれた処理水(RO処理水)を、散水ノズルから冷房装置の室外機に向けて散水することができる。特許文献1に記載の技術では、夏季の冷房運転期間中、純度の高い処理水を室外機に散水することで、室外機にスケールが付着するのを防止しながら、室外機を冷却することができる。
【0004】
このような室外機を冷却するための散水システムは、冷房装置の冷房運転期間中に室外機の温度上昇を抑制することが目的である。そのため、冷房装置の運転を検出し、自動的に散水を行う構成とすることが望ましい。電気製品である冷房装置の運転を検出する方法としては、CTセンサ(交流電流センサ)を用いて電流を検出する方法が考えられる。しかし、CTセンサの設置には電気工事士が必要であり、また、室外機の種類(配線の太さ)に応じたCTセンサを準備する必要があるなど、時間とコストがかかってしまうため、設置が困難である点で不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、空調装置の動作に応じて散水することが可能であり、容易に設置することが可能な散水システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、空調装置の室外機に散水する散水装置と、前記室外機の振動を検出する振動検出部と、前記振動検出部により検出される前記室外機の振動に基づいて前記散水装置の動作を制御する制御部と、を具備し、前記散水装置の制御の契機となる前記室外機の振動の閾値は、前記室外機の振動の実測値に基づいて設定可能なものである。
【0009】
請求項2においては、非作動中の前記室外機の振動の実測値に基づいて、前記閾値を設定可能なものである。
【0010】
請求項3においては、非作動中の前記室外機の振動の実測値の標準偏差に、所定の係数を乗じた値を、前記閾値として設定可能なものである。
【0011】
請求項4においては、前記制御部は、非作動中の前記室外機の振動の平均値を用いて作動中の前記室外機の振動のゼロ点補正を行い、ゼロ点補正された前記室外機の振動及び前記閾値に基づいて前記散水装置の動作を制御するものである。
【0012】
請求項5においては、前記制御部は、前記室外機の振動が、前記閾値を複数回連続で超えた場合に、前記散水装置を作動させるものである。
【0013】
請求項6においては、温度を検出する温度検出部をさらに具備し、前記制御部は、前記温度検出部により検出される温度が所定の閾値以上である場合にのみ、前記散水装置を作動させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、空調装置の動作に応じて散水することができ、かつ、容易に設置することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a)本発明の一実施形態に係る散水システムが設置された室外機を示した正面図。(b)同じく、側面図。
【
図2】散水システムの電気的な構成を示したブロック図。
【
図3】散水システムの制御態様を示したフローチャート。
【
図4】空調装置の電源投入以降の、室外機の振動量の時間変化を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の一実施形態に係る散水システム1の構成について説明する。
【0017】
図1及び
図2に示す散水システム1は、空調装置の室外機Cに対して散水を行うことで、空調装置の省エネ化を図るものである。散水システム1は、主として散水装置10及び制御装置20を具備する。
【0018】
図1に示す散水装置10は、水を室外機Cに散水するものである。散水装置10は、主として電磁弁11、ノズル12及びステー13を具備する。
【0019】
電磁弁11は、水道等から供給される水の流通の可否を切り替える開閉弁である。電磁弁11は、後述する制御装置20からの電気信号により動作することができる。なお、電磁弁11へと供給される水として、不純物を取り除かれた処理水を使用してもよい。これによって、室外機Cにスケールが付着するのを抑制することができる。
【0020】
ノズル12は、水を噴出する噴出口である。ノズル12としては、各種のノズル(一流体ノズル、二流体ノズル等)を用いることができる。ノズル12は、電磁弁11に接続される。ノズル12は、電磁弁11を介して供給される水を噴出することができる。
【0021】
ステー13は、電磁弁11及びノズル12を支持するものである。電磁弁11及びノズル12は、ステー13を介して室外機Cの上部に取り付けられる。ノズル12は、室外機Cの広範囲に水を散水できるような位置に配置される。なお、図例のステー13は一例であり、電磁弁11及びノズル12を適切な位置に配置できるように、ステー13を任意の形状に形成し、任意の位置に配置することが可能である。
【0022】
図例では、上述の散水装置10(電磁弁11、ノズル12及びステー13)を室外機Cに2つ設けた例を示しているが、散水装置10の個数は室外機Cの大きさ、形状、発熱量等に応じて任意に変更することが可能である。
【0023】
図1及び
図2に示す制御装置20は、検出された振動等に基づいて散水装置10の動作を制御するものである。制御装置20は、主として筐体21、振動センサ22、温度センサ23及び制御部24を具備する。
【0024】
筐体21は、後述する振動センサ22、温度センサ23及び制御部24を収容するものである。筐体21は、中空の箱状に形成される。筐体21は、例えば直方体状に形成される。筐体21の底面は、両面テープ等によって室外機Cの上面に固定される。筐体21を室外機Cに密着させて固定することで、室外機Cから筐体21(ひいては、後述する振動センサ22)へと伝達される振動が減衰してしまうのを抑制することができる。
【0025】
図2に示す振動センサ22は、振動を検出するものである。振動センサ22としては、振動(振動数、振動量(振幅)等)を検出することが可能な種々のセンサ(例えば、加速度センサ等)を用いることができる。振動センサ22は、筐体21の内部に収容される。振動センサ22は、筐体21を介して室外機Cに固定されるため、室外機Cの振動を検出することができる。
【0026】
温度センサ23は、温度を検出するものである。温度センサ23は、筐体21の内部に収容される。温度センサ23は、外気温を検出することができる。
【0027】
制御部24は、散水装置10の動作を制御するものである。制御部24は、主としてCPU等の演算処理装置、RAMやROM等の記憶装置等により構成される。制御部24の記憶装置には、散水装置10の動作を制御するために必要な情報や各種プログラムが記憶されている。
【0028】
制御部24は、振動センサ22及び温度センサ23と電気的に接続される。制御部24は、振動センサ22からの電気信号に基づいて、振動センサ22が検出した振動(すなわち、室外機Cの振動)を取得することができる。また制御部24は、温度センサ23からの電気信号に基づいて、温度センサ23が検出した温度(すなわち、外気温)を取得することができる。
【0029】
制御部24は、電磁弁11と電気的に接続される。制御部24は、電磁弁11の動作(開閉)を制御することにより、散水装置10を作動させて散水を行うことができる。
【0030】
次に、上述の如く構成された散水システム1の制御態様について説明する。制御部24は、
図3に示す制御フローを繰り返すことで、室外機Cへの散水を自動的に行うことができる。以下、順に説明する。
【0031】
ステップS101において、制御部24は、温度センサ23により検出される外気温が所定の閾値(例えば、20℃)以上であるか否かを判定する。制御部24は、外気温が所定の温度以上であると判定した場合、ステップS102に移行する。一方、制御部24は、外気温が所定の温度未満であると判定した場合、本制御フローを終了する。
【0032】
ステップS102において、制御部24は、室外機Cが作動しているか否かを判定する。制御部24は、振動センサ22により検出される室外機Cの振動に基づいて、室外機Cが作動しているか否かを判定することができる。
【0033】
具体的には、制御部24は、室外機Cの振動量が、所定の作動閾値T1を「複数回」「連続」で超えた場合に、室外機Cが作動していると判定する。なお、作動閾値T1の設定方法については後述する。以下、「複数回」(回数)及び「連続」の意味について説明する。
【0034】
制御部24は、室外機Cの振動量が、所定の時間(例えば、10秒間)継続して作動閾値T1を超えている場合に、室外機Cの振動量が作動閾値T1を「1回」超えたと判定する。
【0035】
さらに制御部24は、室外機Cの振動量が複数回(例えば、2~3回)連続で作動閾値T1を超えた場合に、室外機Cが作動していると判定する。例えば上記の例のように、室外機Cの振動量が10秒間継続して作動閾値T1を超えた場合に、作動閾値T1を「1回」超えたと判定する場合であれば、室外機Cの振動量が30秒間連続で作動閾値T1を超えた場合に、振動が3回連続で作動閾値T1を超えたと判定される。
【0036】
このように室外機Cの振動量が作動閾値T1を「複数回」「連続」で超えたことを判定することで、室外機Cの作動とは関係のない何らかの理由(例えば、人が室外機Cにぶつかる等)で発生した瞬間的な振動を無視することができる。
【0037】
制御部24は、室外機Cが作動していると判定した場合、ステップS103に移行する。一方、制御部24は、室外機Cが作動していないと判定した場合、本制御フローを終了する。
【0038】
ステップS103において、制御部24は、散水装置10を作動させて散水を開始する。なお制御部24は、電磁弁11を適宜制御することで、連続して散水することや、間欠的に散水することが可能である。どのように散水するかは任意に設定することが可能である。制御部24は、ステップS103の処理を行った後、ステップS104に移行する。
【0039】
ステップS104において、制御部24は、室外機Cが停止しているか否かを判定する。制御部24は、振動センサ22により検出される室外機Cの振動に基づいて、室外機Cが停止しているか否かを判定することができる。
【0040】
具体的には、制御部24は、室外機Cの振動量が、所定の停止閾値T2を「複数回」「連続」で下回った場合に、室外機Cが停止していると判定する。なお、停止閾値T2の設定方法については後述する。
【0041】
制御部24は、室外機Cが停止していると判定した場合、ステップS105に移行する。一方、制御部24は、室外機Cが停止していない(作動している)と判定した場合、ステップS104の処理を再度行う。
【0042】
ステップS105において、制御部24は、散水装置10を停止させて散水を停止する。制御部24は、ステップS105の処理を行った後、本制御フローを終了する。
【0043】
このように散水システム1は、室外機Cの振動に基づいて室外機C(ひいては、空調装置)の作動を検出し、室外機Cへの散水を行うことができる。散水を行って室外機Cを冷却することで、空調装置の省エネ化を図ることができる。振動センサ22の設置には複雑な電気工事等が不要なため、散水システム1を容易に設置することができる。
【0044】
また散水システム1は、外気温が所定の閾値以上である場合にのみ、散水装置10を作動させることができる。これによって、室外機Cの冷却が必要な場合(外気温が比較的高い場合)にのみ散水を行うことができ、効率良く散水を行うことができる。
【0045】
次に、散水装置10の制御(作動及び停止)の契機となる作動閾値T1及び停止閾値T2の設定方法、及び、室外機Cの振動量と作動閾値T1等との比較方法について説明する。
【0046】
室外機Cが作動する際の振動量は、例えば室外機Cの型式、メーカー、品番等によって個体差があるため、作動閾値T1及び停止閾値T2も室外機Cごとに個別に設定することが望ましい。そこで本実施形態では、散水システム1を設置する際に、設置対象となる室外機Cごとに作動閾値T1等を設定する。なお、以下で説明する作動閾値T1等の設定は、散水システム1を設置した作業者が行うことを想定しているが、制御部24の機能によって自動的に設定するように構成することも可能である。
【0047】
図4には、作動閾値T1等の設定方法を説明するために、空調装置の電源を投入した時点からの室外機Cの振動量(振幅)の時間変化の一例を示している。
図4に示すように、空調装置の電源投入時点では室外機Cは作動せず、空調装置の電源投入からN秒以上経過した後で室外機Cが作動するものとする。なお図例では、室外機Cは一定時間作動した後に、再び停止している。
【0048】
作動閾値T1等を設定する場合、まず、空調装置の電源を投入し、電源投入からN秒間の振動量を、振動センサ22を用いて計測する。空調装置の電源投入からN秒間は、室外機Cは作動していないため、非作動状態の室外機Cの振動量(ノイズ)を計測することになる。なお、このノイズは正規分布に従うものと仮定する。
【0049】
次に、計測された振動量(実測値)から、振動量の平均値(μ)と標準偏差(σ)を算出する。そして、標準偏差(σ)に所定の係数(M)を乗じた値(M×σ)を、作動閾値T1とする。
【0050】
なお本実施形態では、停止閾値T2の値も、作動閾値T1と同一(すなわち、M×σ)とするが、異なる値に設定することも可能である。例えば、停止閾値T2を、作動閾値T1よりも小さい値に設定することも可能である。
【0051】
次に、前述のステップS102やステップS104において、室外機Cの作動や停止を判定するために、振動量と作動閾値T1等とを比較する方法について説明する。
【0052】
ステップS102において室外機Cの振動量と作動閾値T1とを比較する場合、制御部24は、振動センサ22によって検出された振動量(シグナル)を、上記平均値(μ)でゼロ点補正する。そして制御部24は、ゼロ点補正された振動量と作動閾値T1(M×σ)とを比較し、当該振動量が作動閾値T1を複数回連続で超えた場合に、室外機Cが作動していると判定する。
【0053】
ステップS104において室外機Cの振動量と停止閾値T2とを比較する場合も同様に、制御部24はゼロ点補正された振動量と停止閾値T2とを比較し、当該振動量が停止閾値T2を複数回連続で下回った場合に、室外機Cが停止していると判定する。
【0054】
このように、室外機Cの振動の実測値に基づいて作動閾値T1等を設定することで、室外機Cの振動に個体差があったとしても、適切に散水装置10を制御することができる。
【0055】
以上の如く、本実施形態に係る散水システム1は、
空調装置の室外機Cに散水する散水装置10と、
前記室外機Cの振動を検出する振動検出部(振動センサ22)と、
前記振動検出部により検出される前記室外機Cの振動に基づいて前記散水装置10の動作を制御する制御部24と、
を具備し、
前記散水装置10の制御の契機となる前記室外機Cの振動の閾値(作動閾値T1及び停止閾値T2)は、前記室外機Cの振動の実測値に基づいて設定可能なものである。
このように構成することにより、空調装置の動作に応じて散水することが可能な散水システム1を、容易に設置することができる。すなわち、比較的設置が容易な振動センサ22を用いて室外機Cの振動を検出することで、空調装置の動作を検出することができる。また、室外機Cの振動の実測値に基づいて作動閾値T1等を設定することで、室外機Cの個体差にかかわらず、適切に散水を行うことができる。
【0056】
また、散水システム1は、
非作動中の前記室外機Cの振動の実測値に基づいて、前記閾値を設定可能なものである。
このように構成することにより、非作動中の前記室外機Cの振動(ノイズ)に応じた閾値を設定することができ、ひいては適切に散水を行うことができる。
【0057】
また、散水システム1は、
非作動中の前記室外機Cの振動の実測値の標準偏差(σ)に、所定の係数(M)を乗じた値を、前記閾値として設定可能なものである。
このように構成することにより、適切に散水を行うことができる。
【0058】
また、前記制御部24は、
非作動中の前記室外機Cの振動の平均値(μ)を用いて作動中の前記室外機Cの振動のゼロ点補正を行い、ゼロ点補正された前記室外機Cの振動及び前記閾値に基づいて前記散水装置10の動作を制御するものである。
このように構成することにより、適切に散水を行うことができる。
【0059】
また、前記制御部24は、
前記室外機Cの振動が、前記閾値を複数回連続で超えた場合に、前記散水装置10を作動させるものである。
このように構成することにより、適切に散水を行うことができる。
【0060】
また、散水システム1は、
温度を検出する温度検出部(温度センサ23)をさらに具備し、
前記制御部24は、
前記温度検出部により検出される温度が所定の閾値以上である場合にのみ、前記散水装置10を作動させるものである。
このように構成することにより、室外機Cの冷却が必要な場合(外気温が比較的高い場合)にのみ散水を行うことができ、効率良く散水を行うことができる。
【0061】
なお、本実施形態に係る振動センサ22は、本発明に係る振動検出部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る作動閾値T1は、本発明に係る振動の閾値の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る温度センサ23は、本発明に係る温度検出部の実施の一形態である。
【0062】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0063】
例えば、本実施形態に係る散水システム1は、種々の設備に設けられた空調装置(室外機C)に適用することが可能である。例えば、マンション等の集合住宅、戸建住宅、商業施設、公共施設等に適用することが可能である。
【0064】
また、本実施形態では、散水システム1を設置する際に、室外機Cの振動の実測値に基づいて閾値(作動閾値T1及び停止閾値T2)を設定する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば閾値の初期値を予め設定しておき、必要に応じて実測値に基づいて再設定(上書き)することも可能である。また、作動閾値T1又は停止閾値T2のいずれか一方のみを、室外機Cの振動の実測値に基づいて設定することも可能である。
【0065】
また、本実施形態では、室外機Cの振動量(振幅)に基づいて散水装置10を制御する例を示したが、例えば振動量ではなく、振動数に基づいて散水装置10を制御することも可能である。
【0066】
また、本実施形態では、温度センサ23で外気温を検出し、外気温が閾値以上である場合にのみ、散水装置10を作動させる例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、外気温ではなく、室外機Cの温度を検出し、当該温度が閾値以上である場合にのみ散水装置10を作動させる構成とすることも可能である。また、外気温や室外機Cの温度にかかわらず、散水装置10を作動させる構成とすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で例示した具体的な数値は一例であり、任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 散水システム
10 散水装置
20 制御装置
22 振動センサ
23 温度センサ
24 制御部