(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117716
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】串刺食品製造装置
(51)【国際特許分類】
A23P 10/10 20160101AFI20230817BHJP
A23P 30/10 20160101ALI20230817BHJP
【FI】
A23P10/10
A23P30/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020432
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】591047394
【氏名又は名称】株式会社飯田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 博
【テーマコード(参考)】
4B048
【Fターム(参考)】
4B048PE17
4B048PL03
4B048PL11
4B048PM04
4B048PR04
4B048PR07
4B048PR11
4B048PR16
(57)【要約】
【課題】成形食品の生地として種々の素材を用いても信頼できる効率で串刺し食品を自動製造することができるようにした万能串刺食品製造装置を提供する。
【解決手段】生地供給装置30は、互いに逆方向に回転して生地ホッパー311に投入された生地を送り出す一対のスクリュー33a,33bと、成形装置10へ供給される生地の温度を調節する温度調節装置が設けられており、食品成形装置10は、周面に一定の間隔で形成された複数の第1の溝部を有する第1の成形ロール10aと、第1の成形ロールの第1の溝部に対応する複数の第2の溝部を有する第2の成形ロール11bと、第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール11bの間欠駆動に同期して第2の成形ロールから離脱する串刺食品の串に当接し、該串刺食品の第2の成形ロールからの離脱を補助する離脱補助装置160と、を具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地を供給する生地供給装置と、前記生地供給装置から供給された生地を成形する成形装置と、前記成形装置で成形された成形食品を串刺しする串刺装置と、前記串刺装置で串刺しされた串刺食品を前記成形装置から離脱させて搬送する搬送装置とを備えた串刺食品製造装置であって、
前記生地供給装置は、
生地が投入される生地ホッパーと、
前記生地ホッパー内の生地を送り出すスクリュー搬送装置と、
前記スクリュー搬送装置から送り出される生地の温度を調節する温度調節装置と、
を具備し、
前記成形装置は、
周面に一定の間隔で複数の第1の溝部が形成された第1の成形ロール及び前記第1の成形ロールの前記第1の溝部に対応する複数の第2の溝部が形成され、前記第1の成形ロールに接する第2の成形ロールを有し、前記スクリュー搬送装置から送り出される生地を前記第1の溝部と前記第2の溝部との間に挟んで前記成形食品を成形する成形ロールと、
前記串刺装置により串刺しされた串刺食品の前記成型ロールからの離脱を補助する離脱補助装置と、
を具備することを特徴とする串刺食品製造装置。
【請求項2】
前記生地供給装置は、
前記生地ホッパー内に設けられ、前記生地ホッパー内に投入された生地を下方に押し出して前記スクリュー搬送装置に供給する押出装置と、
前記スクリュー搬送装置により送り出された生地の断面形状を調節する口金と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の串刺食品製造装置。
【請求項3】
前記スクリュー搬送装置は、
水平方向に対向配列され、互いに逆方向に回転する一対のスクリューを有し、前記押出装置により押し出された生地を水平方向に送り出すことを特徴とする請求項2に記載の串刺食品製造装置。
【請求項4】
前記生地ホッパーの側壁及び前記スクリュー搬送装置の筐体はそれぞれ2重構造からなり、
前記温度調節装置は、
前記生地ホッパーの側壁の2重構造内部及び前記スクリュー搬送装置の筐体の2重構造内部に温度調節媒体を循環させることにより前記口金から流出する生地の温度を調節することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【請求項5】
前記離脱補助装置は、
前記成形ロールの間欠駆動に同期して動作し、前記成形ロールから離脱する前記串刺食品の串に当接する串押出板と、
前記串押出板を前記成形ロールから離れる方向に移動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータによる前記串押出板の移動位置を制限するストッパーと、
を具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、
前記串押出板を水平に移動させるためのガイドを有するガイド付きエアーシリンダ、
を具備することを特徴とする請求項5に記載の串刺食品製造装置。
【請求項7】
前記第1の成形ロール又は前記第2の成形ロールの間欠駆動軸に設けられた串刺食品離脱位置検出用ドグと、
前記串刺食品離脱位置検出用ドグを検出する串刺食品離脱位置検出センサーと、
を具備し、
前記アクチュエータは、前記串刺食品離脱位置検出センサーの検出出力に基づき間欠的に駆動されることを特徴とする請求項6に記載の串刺食品製造装置。
【請求項8】
前記第2の成形ロールの第2の溝部の底部と前記串刺食品との間にエアー噴出して該串刺食品の前記成形ロールからの離脱を補助するエアー噴出装置、
を更に具備することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【請求項9】
前記第2の成形ロールは、
前記第2の溝部の底部の一側部にエアー吹込口、
を有し、
前記エアー噴出装置は、
前記第2の成形ロールの間欠駆動に同期して前記エアー吹込口からエアーを吹き込むエアー噴出管を有するエアー供給装置、
を具備することを特徴とする請求項8に記載の串刺食品製造装置。
【請求項10】
前記エアー供給装置は、
前記串刺食品離脱位置検出センサの検出出力に基づき前記エアー噴出管から前記エアー吹込口に間欠的にエアーを吹き込むことを特徴とする請求項9に記載の串刺食品製造装置。
【請求項11】
前記串刺装置は、
複数の串が投入される串ホッパーと、
前記串ホッパに投入された串を一本ずつ搬出する串供給装置と、
外周面上に等間隔で形成された複数の串溝を有し前記串供給装置から搬出された串を前記串溝に1本ずつ収容して前記食品の串刺位置まで搬送する串ロールと、
前記串ロールの前記串溝に対する串の収容位置に対応して設けられ、前記串ロールの周面に接する串抑えロールと、
前記串刺位置に設けられ、前記串ロールの串溝から落下された串をその幅方向が垂直方向となるように収容する串レールを有する串ガイドと、
前記串ガイドの前記串レール内に収容された串を前記串刺対象食品方向に串押し出す串押出装置と、
を具備することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【請求項12】
前記串供給装置は、
前記串ホッパー内に設けられ、前記串ホッパ内の串を均してその底面から順次排出する振り子装置と、
所定の角度で上方に傾斜した第1の串搬送路と、
前記第1の串搬送路の下端に設けられ、前記串ホッパー内から順次排出された串を一本ずつ前記第1の串搬送路上に搬出する串送り羽根と、
前記第1の串搬送路に設けられ、前記第1の串搬送路上の串を戻す方向に回転して前記第1の串搬送路上の串を整列させる回転ブラシと、
前記第1の串搬送路の上端に接続されるとともに、所定の角度で下方に傾斜して前記第1の串搬送路の上端に達した串を下方に搬送する第2の串搬送路と、
を具備することを特徴とする請求項11に記載の串刺食品製造装置。
【請求項13】
前記生地は、
獣肉、鳥肉、魚肉などのすり身、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等から選択されたものであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、串刺食品製造装置に関し、詳しくは、獣肉、鳥肉、魚肉などのすり身、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等の種々の素材からなる生地を用いた成形食品の自動串刺し製造を可能にした串刺食品製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の串刺食品製造装置としては、特許文献1に開示された「団子製造機」が知られている。
【0003】
この特許文献1に開示された「団子製造機」は、米粉等からなる団子の生地を生地供給装置でシート状に成型して一対の成形ロールの間に導き、このシート状の生地を間欠駆動される一対の成形ロールで成形してこの成形された団子を串押出装置から押し出された串により串刺して、排出するように構成されている。
【0004】
ところで、この種の串刺食品製造装置においては、米粉等からなる団子だけでなく、獣肉、鳥肉、魚肉などのすり身、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等から形成された生地を用いた串刺食品の自動製造の要求がある。
【0005】
しかしながら、従来の上記特許文献1に開示された「団子製造機」等では、獣肉、鳥肉、魚肉などのすり身、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等を成形食品の生地として用いると、生地供給装置からの生地の供給が安定せず、また、串刺食品の粘性、重量等の関係からこの串刺食品を成形ロールから自由落下により容易に離脱させることができないことがあり、その結果信頼できる効率でこの種の串刺食品を自動製造することが困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、成形食品の生地として獣肉、鳥肉、魚肉などのすり身、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等の種々の素材を用いても信頼できる効率で串刺食品を自動製造することができる串刺食品製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、生地を供給する生地供給装置と、前記生地供給装置から供給された生地を成形する成形装置と、前記成形装置で成形された成形食品を串刺しする串刺装置と、前記串刺装置で串刺しされた串刺食品を前記成形装置から離脱させて搬送する搬送装置とを備えた串刺食品製造装置であって、前記生地供給装置は、生地が投入される生地ホッパーと、前記生地ホッパー内の生地を送り出すスクリュー搬送装置と、前記スクリュー搬送装置から送り出される生地の温度を調節する温度調節装置と、を具備し、前記成形装置は、周面に一定の間隔で複数の第1の溝部が形成された第1の成形ロール及び前記第1の成形ロールの前記第1の溝部に対応する複数の第2の溝部が形成され、前記第1の成形ロールに接する第2の成形ロールを有し、前記スクリュー搬送装置から送り出される生地を前記第1の溝部と前記第2の溝部との間に挟んで前記成形食品を成形する成形ロールと、前記串刺装置により串刺しされた串刺食品の前記成型ロールからの離脱を補助する離脱補助装置と、を具備することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の記載の発明において、前記生地供給装置は、前記生地ホッパー内に設けられ、前記生地ホッパー内に投入された生地を下方に押し出して前記スクリュー搬送装置に供給する押出装置と、前記スクリュー搬送装置により送り出された生地の断面形状を調節する口金と、を具備することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、前記スクリュー搬送装置は、水平方向に対向配列され、互いに逆方向に回転する一対のスクリューを有し、前記押出装置により押し出された生地を水平方向に送り出すことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記生地ホッパーの側壁及び前記スクリュー搬送装置の筐体はそれぞれ2重構造からなり、前記温度調節装置は、前記生地ホッパーの側壁の2重構造内部及び前記スクリュー搬送装置の筐体の2重構造内部に温度調節媒体を循環させることにより前記スクリュー搬送装置から送り出される生地の温度を調節することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記離脱補助装置は、前記成形ロールの間欠駆動に同期して動作し、前記成形ロールから離脱する前記串刺食品の串に当接する串押出板と、前記串押出板を前記成形ロールから離れる方向に移動させるアクチュエータと、前記アクチュエータによる前記串押出板の移動位置を制限するストッパーと、を具備することを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5に記載の発明において、前記アクチュエータは、前記串押出板を水平に移動させるためのガイドを有するガイド付きエアーシリンダ、を具備することを特徴とすることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6に記載の発明において、前記第1の成形ロール又は前記第2の成形ロールの間欠駆動軸に設けられた串刺食品離脱位置検出用ドグと、前記串刺食品離脱位置検出用ドグを検出する串刺食品離脱位置検出センサーと、を具備し、前記アクチュエータは、前記串刺食品離脱位置検出センサーの検出出力に基づき間欠的に駆動されることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の成形ロールの第2の溝部の底部と前記串刺食品との間にエアー噴出して該串刺食品の前記成形ロールからの離脱を補助するエアー噴出装置、を更に具備することを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8に記載の発明において、前記第2の成形ロールは、前記第2の溝部の底部の一側部にエアー吹込口、を有し、前記エアー噴出装置は、前記第2の成形ロールの間欠駆動に同期して前記エアー吹込口からエアーを吹き込むエアー噴出管を有するエアー供給装置、を具備することを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項9に記載の発明において、前記エアー供給装置は、前記串刺食品離脱位置検出センサの検出出力に基づき前記エアー噴出管から前記エアー吹込口に間欠的にエアーを吹き込むことを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の発明において、前記串刺装置は、複数の串が投入される串ホッパーと、前記串ホッパーに投入された串を一本ずつ搬出する串供給装置と、外周面上に等間隔で形成された複数の串溝を有し前記串供給装置から搬出された串を前記串溝に1本ずつ収容して前記食品の串刺位置まで搬送する串ロールと、前記串ロールの前記串溝に対する串の収容位置に対応して設けられ、前記串ロールの周面に接する串抑えロールと、前記串刺位置に設けられ、前記串ロールの串溝から落下された串をその幅方向が垂直方向となるように収容する串レールを有する串ガイドと、前記串ガイドの前記串レール内に収容された串を前記串刺対象食品方向に串押し出す串押出装置と、を具備することを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明は、請求項11に記載の発明において、前記串供給装置は、前記串ホッパー内に設けられ、前記串ホッパー内の串を均してその底面から順次排出する振り子装置と、所定の角度で上方に傾斜した第1の串搬送路と、前記第1の串搬送路の下端に設けられ、前記串ホッパー内から順次排出された串を一本ずつ前記第1の串搬送路上に搬出する串送り羽根と、 前記第1の串搬送路に設けられ、前記第1の串搬送路上の串を戻す方向に回転して前記第1の串搬送路上の串を整列させる回転ブラシと、 前記第1の串搬送路の上端に接続されるとともに、所定の角度で下方に傾斜して前記第1の串搬送路の上端に達した串を下方に搬送する第2の串搬送路と、を具備することを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の発明において、前記生地は、獣肉、鳥肉、魚肉などのすり身、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等から選択されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、生地を供給する生地供給装置と、前記生地供給装置から供給された生地を成形する成形装置と、前記成形装置で成形された成形食品を串刺しする串刺装置と、前記串刺装置で串刺しされた串刺食品を前記成形装置から離脱させて搬送する搬送装置とを備えた串刺食品製造装置であって、前記生地供給装置は、生地が投入される生地ホッパーと、前記生地ホッパー内の生地を送り出すスクリュー搬送装置と、前記スクリュー搬送装置から送り出される生地の温度を調節する温度調節装置と、を具備し、前記成形装置は、周面に一定の間隔で複数の第1の溝部が形成された第1の成形ロール及び前記第1の成形ロールの前記第1の溝部に対応する複数の第2の溝部が形成され、前記第1の成形ロールに接する第2の成形ロールを有し、前記スクリュー搬送装置から送り出される生地を前記第1の溝部と前記第2の溝部との間に挟んで前記成形食品を成形する成形ロールと、前記串刺装置により串刺しされた串刺食品の前記成型ロールからの離脱を補助する離脱補助装置と、を具備して構成したので、獣肉、鳥肉、魚肉などのすり身、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等の種々の素材からなる生地を用いた成形食品の自動串出し製造を可能にした万能串刺食品製造装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明に係る串刺食品製造装置の一実施例を示す側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した串刺食品製造装置の上面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した串刺食品製造装置の内部の要部を説明する内部説明図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した串刺食品製造装置の生地供給装置の詳細を示す側面図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した生地供給装置の串刺食品製造装置のスクリュー搬送装置の詳細を示す上面図である。
【
図6】
図6は、
図2に示した串刺食品製造装置の串刺装置の要部の詳細を示す側面図である。
【
図7】
図7は、
図2に示した串刺食品製造装置の串刺装置の動作を説明する説明図である。
【
図8】
図8は、
図2に示した串刺食品製造装置の串刺装置の串押出動作を説明する説明図である。
【
図9】
図9は、
図1に示した串刺食品製造装置の成形装置の側面図である。
【
図13】
図13は、
図9に示した第2の成形ロールの詳細を示す断面図及び端面図である。
【
図15】
図10は、
図9に示した第1の成形ロール、第2の成形ロールの断面図及び端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための実施例について、願書に添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
なお、以下に示す実施例においては、鳥肉のすり身を用いた串刺食品製造装置について説明するが、獣肉、魚肉などのすり身、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等を用いた串刺食品製造装置においても同様に構成することができる。
【0025】
また、以下に示す実施例においては、平串Pを使用する場合を示したが、五平串、角串、丸串、鉄炮串等を使用する場合も同様に構成することができる。
【0026】
図1は、本発明に係る串刺食品製造装置100の一実施例を示す側面図であり、
図2は、
図1に示した串刺食品製造装置100の上面図であり、
図3は、
図1に示した串刺食品製造装置の内部の要部を説明する内部説明図である。
【0027】
図1乃至
図3において、本実施例の串刺食品製造装置100は、鳥肉のすり身からなる生地を供給する生地供給装置30と、生地供給装置30から供給された生地から成形食品を成形する成形装置10と、成形装置10により成形された成形食品を平串Pで串刺しする串刺装置20と、串刺装置20で串刺しされた串刺成形食品を成形装置10から離脱させて搬送するベルトコンベアーからなる串刺食品搬送装置40とを備えて構成される。
【0028】
生地供給装置30は、生地ホッパー31と、後に
図5を参照して詳述する一対のスクリュー33a,33bを有するスクリュー搬送装置37とを具備して構成され、ホッパー31内には、鳥肉のすり身からなる生地が投入され、スクリュー搬送装置37は、ホッパー31内の生地を成形装置10に供給する。
【0029】
成形装置10は、一対の第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bを具備しており、生地供給装置30から供給された生地を第1の成形ロール10aと第2の成形ロール10bとの間に挟み込むことで成形食品を成形する。
【0030】
串刺装置20は、多数の串、この実施例では多数の平串Pが投入される串ホッパー21を有し、この串ホッパー21から投入された平串Pを1本ずつ取り出して整列して搬送する串ロール22と、串ロール22で整列搬送された平串Pを後に説明する
図7に示す串レール230上に落下させ、この串レール230上に落下させた平串Pを串押出装置23により成形装置10側に押し出して、成型食品の串刺しを行うように構成されている。
【0031】
成形装置10で成形され、串刺装置20で串刺しされた串刺成形食品は、成形装置10の第2の成形ロール10bから離脱されて、串刺食品搬送装置40上に落下し、
図2に示す矢印方向に搬出される。
【0032】
図4は、
図1に示した串刺食品製造装置100の生地供給装置30の詳細を示す側面図であるり、
図5は、
図4に示した生地供給装置30のスクリュー搬送装置37の詳細を示す上面図である。
【0033】
図4において、この実施例の生地供給装置30は、鳥肉のすり身からなる生地が投入される生地ホッパー31と、この生地ホッパーの下に配設されるスクリュー搬送装置37とを具備して構成される。
【0034】
生地ホッパー31内には、生地ホッパー31内の生地を攪拌する撹拌羽根312及び生地ホッパー31内の生地を下方に押し出すためのスクリュー形の押出装置313が設けられている。
【0035】
生地ホッパー31内の押出装置313により押し出された生地はスクリュー搬送装置37に導かれる。
【0036】
スクリュー搬送装置37は、
図5に示すように、水平方向に対向配列され、互いに逆方向に回転する一対のスクリュー33a,33bを有し、押出装置313から導かれた生地を水平搬送路32に沿って水平方向に搬送し、水平搬送路32のに設けられた口金34から排出する。
【0037】
ここで、1対のスクリュー33a,33bは、
図5に示すように、ギヤボックス35の出力軸にそれぞれ取り付けられ、ギヤボックス35の入力軸35aの回転により、スクリュー33aをR1方向、スクリュー33bをR2方向に回転させ、これにより、生地ホッパー31内の押出装置313から導かれた生地を水平搬送路32に沿って口金34まで水平搬送することができる。
【0038】
さて、この実施例において、生地ホッパー31の側壁31a及びスクリュー搬送装置37の筐体37aは、それぞれ2重構造からなっており、ポートP1から入力した冷水等の温度調節媒体を、生地ホッパー31の側壁31aの2重構造内部、ポートP2、スクリュー搬送装置37の筐体37aの2重構造内部、ポートP3を通って循環させ、これにより、生地供給装置30から成形装置10へ供給される生地の温度を適正にコントロールすることができるようになっている。
【0039】
この生地供給装置30から成形装置10へ供給される生地の温度が適正でないと、生地のダレ等が生じ、成形装置10での成形食品の形成及び及び後に説明する串刺装置20で串刺しが適正に行われないことになる。
【0040】
次に、
図2に示した串刺食品製造装置100の串刺装置20の要部の詳細について説明する。
【0041】
図6は、
図2に示した串刺食品製造装置100の串刺装置20の要部の詳細を示す側面図である。
【0042】
図6において、本実施例の串刺食品製造装置100で使用する串(この実施例で平串P)は、串ホッパー21に投入される。串ホッパー21内には、平串Pを均してその底面から順次排出する振り子装置120が設けられている。この振り子装置120は振り子部材121と振り子カム122とを備えて構成され、振り子部材121は串ホッパー21内の平串Pを均してその底面から順次排出する。
【0043】
振り子装置120により串ホッパー21から排出された平串Pは、所定の角度で上方に傾斜した第1の串搬送路140-1に導かれる。この第1の串搬送路140-1の下端には、串ホッパー21内から順次排出された平串Pを一本ずつ第1の串搬送路140-1上に搬出する串送り羽根150が設けられている。
【0044】
また、第1の串搬送路140-1の上には、第1の串搬送路140-1上の平串Pを戻す方向に回転して第1の串搬送路140-1の平串Pを整列させる回転ブラシ160が設けられている。
【0045】
第1の串搬送路140-1の上端には、所定の角度で下方に傾斜して第1の串搬送路140-1の上端に達した平串Pを下方に搬送する第2の串搬送路140-2が設けられている。
【0046】
第2の串搬送路140-2の上方には第2の串搬送路140-2上を搬送される平串Pを上から押さえる串押え部材170が設けられており、串押え部材170の先端には、第2の串搬送路140-2から串ロール22の串溝22aに収納された平串Pを上方から押さえる串抑えロール171が設けられている。
【0047】
串刺装置20の串ロール22は、外周面の母線方向が第2の串搬送路140-2の下端部に近接して配置され、第2の串搬送路140-2で搬送された平串Pを串溝22aに収納して成形食品の串刺位置まで搬送する。
【0048】
成形食品の串刺位置には、
図7及び
図8に示すように、串ロール22の串溝22aから落下した平串Pをその幅方向が垂直方向となるように収容する串ガイド溝240を有する串レール230が配置されている。この串ガイド溝240には、平串Pを成形ロール10a、10bで成形された成形食品側に押し出す串押出装置23が設けられている。
【0049】
ここで、串整列ロール22及び串押出装置23は、第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bの間欠駆動に同期して間欠駆動し、第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bの回転により、
図8に示すように第1の溝部11a及び第2の溝部11bが串レール23の配設位置に達し、成形食品の成形が完了すると、第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bは回転を停止し、このとき、串ガイド溝240内の平串Pは、串押出装置23により第1の溝部11a及び第2の溝部11bにより成形された成形食品方向に押し出されて、成形食品の串刺しが行われる。
【0050】
串刺装置20により串刺しが行われた串刺食品PDは、第1の成形ロール10aの第1の溝部11a及び第2の成形ロール10bの第2の溝部11bから離脱して、串刺食品搬送装置40上に排出される。
【0051】
図9は、本発明に係る串刺食品製造装置100の形成装置10の詳細を示す側面図であり、
図10は、
図9に示した成形装置10の上面図、
図11は、
図9に示した成形装置10の正面図である。また、
図12は、
図9に示した成形形成装置10の駆動機構の概略を示す図である。
【0052】
図9乃至
図12において、本実施例の串刺食品製造装置100は、それぞれ間欠駆動される第1の成形ロール10aと、この第1の成形ロール10aに接してこの第1の成形ロール10aの下方に配置される第2の成形ロール10bと、からなる一対の成形ロールを具備して構成される。
【0053】
第1の成形ロール10aは、周面に一定の間隔で形成された複数の第1の溝部11aを有し、第2の成形ロール10bは、第1の成形ロール10aの第1の溝部11aに対応して形成された複数の第2の溝部11bを有する。
【0054】
第1の成形ロール10aと第2の成形ロール10bとの間には生地供給装置30から生地が挿入され、この生地は第1の成形ロール10aと第2の成形ロール10bとの間で挟圧されて成形食品が成形される。
【0055】
第2の成形ロール10bの第2の溝部11bの底部には、後に詳述するエアー吹込口20が設けられている。
【0056】
また、第1の成形ロール10aと第2の成形ロール10bとが接する部分には、第1の成形ロール10aと第2の成形ロール10bとにより成形された成形食品に串刺しするための串刺装置20の串レール230が配設されている。
【0057】
ところで、この串刺食品製造装置100は、平串Pを用いて成形食品に串刺しするように構成されており、串刺装置20の串ロール22で整列された平串Pは、第1の成形ロール10aと第2の成形ロール10bとが接する部分に設けられた串レール230上に落下し、この串レール230上に落下した平串Pを串押出装置23で第1の成形ロール10aと第2の成形ロール10bとにより成形された成形食品に対して押し出すことにより串刺食品PDを形成する。
【0058】
なお、生地側面ガイド140は、第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bの両端に配置され、第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bによる成形食品の成形時に押し出される生地の横漏れを防止するために設けられたものであり、スクレパー150a、150bは、第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bの表面に残った成形後の残余のつくね生地を回収するために設けられたものである。
【0059】
第1の成形ロール10aと第2の成形ロール10bとにより成形され、串刺装置20により串刺しが行われた串刺食品PDは、第1の成形ロール10aと第2の成形ロール10bとが接する部分を経過すると、自由落下により第2の成形ロール10bから串刺食品搬送装置40上に落下するが、ここでの串刺食品PDの第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bからの離脱を補助するために、本実施例の串刺食品製造装置100においては、串刺食品PDの第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bからの離脱に際して、串刺食品PDの平串Pの一端に当接する串押出板160が設けられている。
【0060】
串押出板160は、成形ロール10a,10bの間欠駆動に同期してエアーシリンダ170により駆動され、串刺食品PDの平串Pを第2の成形ロール10bから離れる方向に移動させる。このエアーシリンダ170による串押出板160の移動位置は、ストッパー161により規制され、これより平串Pが串刺食品PDから飛び出してしまうのを防止している。
【0061】
なお、エアーシリンダ170は、ガイド171とアクチュエータ172を有するガイド付エアーシリンダから構成されており、串押出板160を水平方向に所定距離移動させることができるように構成されている。
【0062】
また、本実施例の串刺食品製造装置100においては、串刺食品PDの第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bからの離脱に際して、第2の成形ロール10bの第2の溝部11bの底部と串刺食品PDとの間にエアー吹込口120からエアー噴出して第2の成形ロール10bからの串刺食品PDの離脱を容易かつ確実にしている。
【0063】
第2の成形ロール10bのエアー吹込口120には、図示しないエアー供給装置からエアー噴出管190を通ってエアーが吹き込まれ、このエヤーによって第2の成形ロール10bの第2の溝部11bの底部と串刺食品PDとの間が離され、第2の成形ロール10bからの串刺食品PDの離脱を容易かつ確実にしている。
【0064】
ベルトコンベアーからなる串刺食品搬送装置40は、第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bから落下した串刺食品PDを
図2に示す矢印方向に搬送する。
【0065】
さて、本実施例の串刺食品製造装置100においては、串刺食品PDの第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bからの離脱に際して、串刺食品PDの平串Pの一端に当接する串押出板160を設けるとともに、第2の成形ロール10bのエアー吹込口120からエアーを吹き込むように構成されており、この串押出板160の駆動及びエアー吹込口120からのエアー吹き込みは、第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bの間欠駆動に同期して行われる。
【0066】
この同期は、
図12に示すように、成形ロール10bの間欠駆動軸12bに串刺食品離脱位置検出用ドグ113を設け、この串刺食品離脱位置検出用ドグ113を串刺食品離脱位置検出センサー114で検出し、その検出出力に基づき、エアーシリンダ170及び図示しないエアー供給装置を制御することにより行われる。
【0067】
図13は、
図1に示した串刺食品製造装置100の第2の成形ロール10bの詳細を示す断面図(
図13(A))及び端面図(
図13(B))である。また、
図14は、
図1に示した串刺食品製造装置100の第2の成形ロール10bの間欠駆動軸12b側から見た斜視図(
図14(A))及び端面側から見た斜視図(
図14(B))である。
【0068】
図13及び
図14に示すように、本実施例の串刺食品製造装置100で採用される第2の成形ロール10bは、一端が間欠駆動軸12bに接続されるとともに、周面に複数の第2の溝部11bが形成され、その端面の第2の溝部11bの底部に対応する箇所にエアー吹込口120が形成されている。
【0069】
串刺食品PDの第1の成形ロール10a及び第2の成形ロール10bからの離脱に際しては、このエアー吹込口120に図示しないエアー供給装置からエアー噴出管190を通ってエアーが吹き込まれる。
【0070】
図15は、
図1に示した串刺食品製造装置100の第1の成形ロール10a、第2の成形ロール10bの断面図(
図15(A))及び端面図(
図15B))である。
【0071】
図15に示すように、第1の成形ロール10aは、その周面に一定の間隔で複数の第1の溝部11aが形成され、その一端に間欠駆動軸12aが接続されている。
【0072】
第2の成形ロール10bは、第1の成形ロール10aの下側から第1の成形ロール10aに接し、その一端に間欠駆動軸12bが接続されているとともに、周面に第1の溝部11aに対応する複数の第2の溝部11bが形成され、その端面の第2の溝部11bの底部に対応する箇所にエアー吹込口120が形成されている。
【0073】
以上が本発明の一実施例を示したものであるが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0074】
10…成形装置
10a…第1の成形ロール
10b…第2の成形ロール
20…串刺装置
21…串ホッパー
22…串ロール
23…串押出装置
30…生地供給装置
31…生地ホッパー
37…スクリュー搬送装置
40…串刺食品搬送装置
100…串刺食品製造装置
120…エアー吹込口
140…生地側面ガイド
150a…スクレパー
150b…スクレパー
160…串押出板
170…エアーシリンダ
190…エアー噴出管
230…串レール
240…串ガイド溝