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特開2023-117762送信装置、受信装置、これらを備えた無線通信システムおよびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117762
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置、これらを備えた無線通信システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/54 20230101AFI20230817BHJP
   H04W 72/12 20230101ALI20230817BHJP
【FI】
H04W72/08
H04W72/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020501
(22)【出願日】2022-02-14
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「高ノイズ環境における周波数共用のための適応メディアアクセス制御に関する研究開発、技術課題ア(4)無線局連携送受信技術の開発」委託研究、産業技術力強化法17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】393031586
【氏名又は名称】株式会社国際電気通信基礎技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】近藤 良久
(72)【発明者】
【氏名】四方 博之
(72)【発明者】
【氏名】横山 浩之
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD44
5K067DD45
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG01
(57)【要約】
【課題】パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも受信装置が送信装置とチャネル接続を可能なようにパケットを送信する送信装置を提供する。
【解決手段】受信装置2は、送信装置1から送信されたパケットを受信する通信領域CM_REG1に向かって移動しているときに、パケットロスが通信領域CM_REG1よりも多い通信領域CM_REG2において送信装置1の第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器によってそれぞれ送信された第1のパケット~第Qのパケットの1つのパケットを受信し、その受信した1つのパケットに含まれるチャネル情報(第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器におけるチャネルを示すチャネル情報)に基づいて送信装置1とチャネル接続を完了する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムトラフィックを構成するパケットをアプリケーションから受信し、その受信したパケットをブロードキャストする送信装置であって、
移動体からなる受信装置が当該送信装置から前記パケットを受信する受信領域に向かって移動しているときに、無線通信に用いる周波数が相互に異なる第1のチャネル~第Q(Qは、2以上の整数)のチャネルをそれぞれ用いて第1のパケット~第Qのパケット(前記第1のパケット~前記第Qのパケットの各々は、送信用無線器によって送信されるパケットである。)をそれぞれブロードキャストする第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器と、
前記第1のチャネル~前記第Qのチャネルがそれぞれ前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFを前記アプリケーションから受信したパケットに追加して前記第1のパケット~前記第Qのパケットを生成し、その生成した前記第1のパケット~前記第Qのパケットをそれぞれ前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器へ出力する第1の処理手段とを備える送信装置。
【請求項2】
前記第1の処理手段は、更に、前記アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の前記単体パケットを符号化した符号化パケット、および前記符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットであって前記チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットを順次生成し、その順次生成した送信用パケットをそれぞれ前記第1のパケット~前記第Qのパケットとしてラウンドロビン伝送方式によって前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器に順次割り振る、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第1の処理手段は、更に、前記アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の前記単体パケットを符号化した符号化パケット、および前記符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットであって前記チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットを生成し、前記送信用パケットを生成する毎に、前記生成した送信用パケットをそれぞれ前記第1のパケット~前記第Qのパケットとして多重伝送方式によって前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器の全てに割り振る、請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
各々が前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器に接続されたp(pは、2以上の整数)個の基地局を更に備え、
前記第1の処理手段は、前記生成した第1のパケット~第Qのパケットを前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器に代えて前記p個の基地局へ出力し、
前記p個の基地局の各々は、前記第1の処理手段から受けた前記第1のパケット~前記第Qのパケットをそれぞれ前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器へ出力する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
前記第1の処理手段は、更に、前記アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の前記単体パケットを符号化した符号化パケット、および前記符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットを生成し、その生成した送信用パケットを所定の割振方法によって前記p個の基地局に割り振り、
前記p個の基地局の各々は、前記第1の処理手段によって割り振られた前記送信用パケットに前記チャネル情報CH_IFを含め、前記チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットをそれぞれ前記第1のパケット~前記第Qのパケットとしてラウンドロビン伝送方式によって前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器に順次割り振る、請求項4に記載の送信装置。
【請求項6】
前記第1の処理手段は、更に、前記アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の前記単体パケットを符号化した符号化パケット、および前記符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットを生成し、その生成した送信用パケットを所定の割振方法によって前記p個の基地局に割り振り、
前記p個の基地局の各々は、前記第1の処理手段によって割り振られた前記送信用パケットに前記チャネル情報CH_IFを含め、前記チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットをそれぞれ前記第1のパケット~前記第Qのパケットとして多重伝送方式によって前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器の全てに割り振る、請求項4に記載の送信装置。
【請求項7】
前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器のうちのv(vは、1≦v<Qを満たす整数)個の送信用無線器は、前記v個の送信用無線器におけるチャネルの変更が必要であると判定したとき、無線通信の停止を前記第1の処理手段へ通知し、
前記第1の処理手段は、無線通信の停止を前記v個の送信用無線器から受けると、複数の単体パケットを符号化した符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットを生成する割合である符号化率を下げるとともに、前記v個の送信用無線器へのパケットの割振を停止し、前記v個の送信用無線器に割り振っていた送信用パケットを(Q-v)個の送信用無線器に割り振る、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項8】
前記v個の送信用無線器は、前記v個の送信用無線器におけるv個の元のチャネルを、前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器のうちの前記(Q-v)個の送信用無線器における(Q-v)個のチャネル以外のチャネルであってビジー率がしきい値以下であるv個のチャネルに変更し、または前記(Q-v)個のチャネル以外のチャネルであって前記v個の送信用無線器における前記v個の元のチャネルとの周波数差が最も大きいv個のチャネルに変更し、前記v個の送信用無線器におけるチャネルの変更と前記v個の送信用無線器による無線通信の開始とを前記第1の処理手段へ通知し、
前記第1の処理手段は、前記v個のチャネルへの変更および前記無線通信の開始を前記v個の送信用無線器から受けると、前記符号化率を上げ、前記v個の送信用無線器への前記送信用パケットの割振を開始する、請求項7に記載の送信装置。
【請求項9】
移動体からなり、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の送信装置によってブロードキャストされた前記第1のパケット~前記第Qのパケットを受信する受信領域内へ移動して前記第1のパケット~前記第Qのパケットを受信する受信装置であって、
前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器にそれぞれ対応して設けられるとともに、前記第1のチャネル~前記第Qのチャネルをそれぞれ用いて、前記第1のパケット~前記第Qのパケットをそれぞれ受信する第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器と、
当該受信装置が前記受信領域に向かって移動しているときに、前記第1の受信用無線器~前記第Qの受信用無線器のうちのk(kは、1≦k<Qを満たす整数)個の受信用無線器が前記k個のパケットを受信したとき、前記k個の受信用無線器によって受信された前記k個のパケットに含まれるk個の前記チャネル情報CH_IFを検出し、その検出したk個のチャネル情報CH_IFに基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルでそれぞれ前記送信装置の前記(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように前記(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する第2の処理手段とを備える受信装置。
【請求項10】
前記第2の処理手段は、前記k個の受信用無線器が前記受信領域の外側であって前記受信領域よりもパケットロスが多い領域において前記k個のパケットを受信したとき、前記チャネル接続制御を実行する、請求項9に記載の受信装置。
【請求項11】
前記第2の処理手段は、更に、前記第1の受信用無線器~前記第Qの受信用無線器から前記第1のパケット~前記第Qのパケットを受信し、その受信した前記第1のパケット~前記第Qのパケットに対して受信処理を実行して受信パケットを生成し、その生成した受信パケットをアプリケーションへ送信する、請求項9または請求項10に記載の受信装置。
【請求項12】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の送信装置と、
請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の受信装置とを備える無線通信システム。
【請求項13】
リアルタイムトラフィックを構成するパケットをアプリケーションから受信し、その受信したパケットをブロードキャストする送信装置において前記アプリケーションから受信したパケットのブロードキャストをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記送信装置は、
移動体からなる受信装置が当該送信装置から前記パケットを受信する受信領域に向かって移動しているときに、無線通信に用いる周波数が相互に異なる第1のチャネル~第Q(Qは、2以上の整数)のチャネルをそれぞれ用いて第1のパケット~第Qのパケット(前記第1のパケット~前記第Qのパケットの各々は、送信用無線器によって送信されるパケットである。)をそれぞれブロードキャストする第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器を備え、
前記プログラムは、
第1の処理手段が、前記第1のチャネル~前記第Qのチャネルがそれぞれ前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFを前記アプリケーションから受信したパケットに追加して前記第1のパケット~前記第Qのパケットを生成し、その生成した前記第1のパケット~前記第Qのパケットをそれぞれ前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器へ出力する第1のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
前記第1の処理手段は、前記第1のステップにおいて、更に、前記アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の前記単体パケットを符号化した符号化パケット、および前記符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットであって前記チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットを順次生成し、その順次生成した送信用パケットをそれぞれ前記第1のパケット~前記第Qのパケットとしてラウンドロビン伝送方式によって前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器に順次割り振る、請求項13に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
前記第1の処理手段は、前記第1のステップにおいて、更に、前記アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の前記単体パケットを符号化した符号化パケット、および前記符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットであって前記チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットを生成し、前記送信用パケットを生成する毎に、前記生成した送信用パケットをそれぞれ前記第1のパケット~前記第Qのパケットとして多重伝送方式によって前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器の全てに割り振る、請求項13に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
前記送信装置は、各々が前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器に接続されたp(pは、2以上の整数)個の基地局を更に備え、
前記第1の処理手段は、前記第1のステップにおいて、前記生成した第1のパケット~第Qのパケットを前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器に代えて前記p個の基地局へ出力し、
前記p個の基地局の各々は、前記第1の処理手段から受けた前記第1のパケット~前記第Qのパケットをそれぞれ前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器へ出力する、請求項13に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項17】
前記第1の処理手段は、前記第1のステップにおいて、更に、前記アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の前記単体パケットを符号化した符号化パケット、および前記符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットを生成し、その生成した送信用パケットを所定の割振方法によって前記p個の基地局に割り振り、
前記p個の基地局の各々は、前記第1の処理手段によって割り振られた前記送信用パケットに前記チャネル情報CH_IFを含め、前記チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットをそれぞれ前記第1のパケット~前記第Qのパケットとしてラウンドロビン伝送方式によって前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器に順次割り振る、請求項16に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項18】
前記第1の処理手段は、前記第1のステップにおいて、更に、前記アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の前記単体パケットを符号化した符号化パケット、および前記符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットを生成し、その生成した送信用パケットを所定の割振方法によって前記p個の基地局に割り振り、
前記p個の基地局の各々は、前記第1の処理手段によって割り振られた前記送信用パケットに前記チャネル情報CH_IFを含め、前記チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットをそれぞれ前記第1のパケット~前記第Qのパケットとして多重伝送方式によって前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器の全てに割り振る、請求項16に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項19】
前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器のうちのv(vは、1≦v<Qを満たす整数)個の送信用無線器は、前記v個の送信用無線器におけるチャネルの変更が必要であると判定したとき、無線通信の停止を前記第1の処理手段へ通知し、
前記プログラムは、
前記第1の処理手段が、無線通信の停止を前記v個の送信用無線器から受けると、複数の単体パケットを符号化した符号化パケットを前記単体パケットに付与した結合パケットを生成する割合である符号化率を下げるとともに、前記v個の送信用無線器へのパケットの割振を停止し、前記v個の送信用無線器に割り振っていた送信用パケットを(Q-v)個の送信用無線器に割り振る第2のステップを更にコンピュータに実行させる、請求項13~請求項18のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項20】
前記v個の送信用無線器は、前記v個の送信用無線器におけるv個の元のチャネルを、前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器のうちの前記(Q-v)個の送信用無線器における(Q-v)個のチャネル以外のチャネルであってビジー率がしきい値以下であるv個のチャネルに変更し、または前記(Q-v)個のチャネル以外のチャネルであって前記v個の送信用無線器における前記v個の元のチャネルとの周波数差が最も大きいv個のチャネルに変更し、前記v個の送信用無線器におけるチャネルの変更と前記v個の送信用無線器による無線通信の開始とを前記第1の処理手段へ通知し、
前記プログラムは、
前記第1の処理手段が、前記v個のチャネルへの変更および前記無線通信の開始を前記v個の送信用無線器から受けると、前記符号化率を上げ、前記v個の送信用無線器への前記送信用パケットの割振を開始する第3のステップを更にコンピュータに実行させる、請求項19に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項21】
移動体からなり、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の送信装置によってブロードキャストされた前記第1のパケット~前記第Qのパケットを受信する受信領域内へ移動して前記第1のパケット~前記第Qのパケットを受信する受信装置において、前記第1のパケット~前記第Qのパケットの受信をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記受信装置は、
前記第1の送信用無線器~前記第Qの送信用無線器にそれぞれ対応して設けられ、前記第1のチャネル~前記第Qのチャネルをそれぞれ用いて、前記第1のパケット~前記第Qのパケットをそれぞれ受信する第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器を備え、
前記プログラムは、
第2の処理手段が、前記受信装置が前記受信領域に向かって移動しているときに、前記第1の受信用無線器~前記第Qの受信用無線器のうちのk(kは、1≦k<Qを満たす整数)個の受信用無線器が前記k個のパケットを受信したとき、前記k個の受信用無線器によって受信された前記k個のパケットに含まれるk個の前記チャネル情報CH_IFを検出し、その検出したk個のチャネル情報CH_IFに基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルでそれぞれ前記送信装置の前記(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように前記(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する第1のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
前記第2の処理手段は、前記第1のステップにおいて、前記k個の受信用無線器が前記受信領域の外側であって前記受信領域よりもパケットロスが多い領域において前記k個のパケットを受信したとき、前記チャネル接続制御を実行する、請求項21に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項23】
前記第2の処理手段が、前記第1の受信用無線器~前記第Qの受信用無線器からそれぞれ前記第1のパケット~前記第Qのパケットを受信し、その受信した前記第1のパケット~前記第Qのパケットに対して受信処理を実行して受信パケットを生成し、その生成した受信パケットをアプリケーションへ送信する第2のステップを更にコンピュータに実行させる、請求項21または請求項22に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送信装置、受信装置、これらを備えた無線通信システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、送信対象である複数のパケットが揃った時点で複数のパケットを複数の経路で伝送することを開示する。
【0003】
また、非特許文献2は、送信対象である複数のパケットが揃った時点でウィンドウを複数のパケットに対してスライディングさせながら複数のパケットを送信することによって低遅延化を試行することを開示する。
【0004】
更に、特許文献1は、多対多の通信において、複数のパケットをネットワークコーディングし、そのネットワークコーディングしたコーディングパケットをブロードキャストすることによってパケットの到達率を向上することを開示する。
【0005】
より具体的には、無線装置TM_1~TM_6は、1番目の周期において、それぞれ、シーケンス番号Seq=1の単一のパケットPKT1(1)~PKT6(1)を生成してブロードキャストする。その後、無線装置TM_1~TM_6は、2番目の周期において、シーケンス番号Seq=1のパケットPKT1(1)~PKT6(1)をネットワークコーディングしたコーディングパケットと、シーケンス番号Seq=2の単一のパケットとの結合パケットを生成してブロードキャストする。更に、無線装置TM_1~TM_6は、3番目の周期において、シーケンス番号Seq=2のパケットPKT1(2)~PKT6(2)をネットワークコーディングしたコーディングパケットと、シーケンス番号Seq=3の単一のパケットとの結合パケットを生成してブロードキャストする。そして、無線装置TM_1~TM_6は、これを繰り返し行う。
【0006】
このように、特許文献1は、無線装置TM_1~TM_6の各々が自己で生成したパケットと他の無線装置から受信したパケットとをネットワークコーディングしてコーディングパケットを生成することを開示する。つまり、特許文献1は、ネットワークコーディングの対象となるパケットが既知である場合において、複数のパケットをネットワークコーディングしてコーディングパケットを生成することを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-093738号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?arnumber=5753567&casa_token=NlznD3EhwnsAAAAA:GxTWt9heKzlvg0G6nUoIhPijCKnV26EoCsg0jRrjm7ZFijLqlTaT7s_IXCxZ4H7bK8IfHn-nQA
【非特許文献2】https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?arnumber=8826710&casa_token=zouNIPn0UqgAAAAA:aoV6VQxo79INnWaVIlTKDcxSkeH_nrWGEnZxVxbZYgxRlUaY899uw4fe9yeW-P-MmdxEFHu5QQ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、非特許文献1,2に記載の通信方法は、複数のパケットの到着を待ってから処理する方法であるため、バーストを構成する複数のパケットを非特許文献1,2に記載の通信方法によって送信した場合、遅延が生じてしまう。
【0010】
また、バーストの開始および/または終了を知ることはできないため、特許文献1に記載の方法では、パケットのネットワークコーディング(符号化)を効率的に行うことが困難である。
【0011】
そこで、この発明の実施の形態によれば、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも受信装置が送信装置とチャネル接続を可能なようにパケットを送信する送信装置を提供する。
【0012】
また、この発明の実施の形態によれば、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも送信装置とのチャネル接続を実行可能な受信装置を提供する。
【0013】
更に、この発明の実施の形態によれば、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも受信装置が送信装置とチャネル接続を可能なようにパケットを送信する送信装置と、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも送信装置とのチャネル接続を実行可能な受信装置とを備える無線通信システムを提供する。
【0014】
更に、この発明の実施の形態によれば、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも受信装置と送信装置とのチャネル接続を可能なようにパケットの送信をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【0015】
更に、この発明の実施の形態によれば、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも受信装置と送信装置とのチャネル接続をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、送信装置は、リアルタイムトラフィックを構成するパケットをアプリケーションから受信し、その受信したパケットをブロードキャストする送信装置であって、第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器と、第1の処理手段とを備える。第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器は、移動体からなる受信装置が当該送信装置からパケットを受信する受信領域に向かって移動しているときに、無線通信に用いる周波数が相互に異なる第1のチャネル~第Q(Qは、2以上の整数)のチャネルをそれぞれ用いて第1のパケット~第Qのパケット(第1のパケット~第Qのパケットの各々は、送信用無線器によって送信されるパケットである。)をそれぞれブロードキャストする。第1の処理手段は、第1のチャネル~第Qのチャネルがそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFをアプリケーションから受信したパケットに追加して第1のパケット~第Qのパケットを生成し、その生成した第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器へ出力する。
【0017】
(構成2)
構成1において、第1の処理手段は、更に、アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の単体パケットを符号化した符号化パケット、および符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットであってチャネル情報CH_IFを含む送信用パケットを順次生成し、その順次生成した送信用パケットをそれぞれ第1のパケット~第Qのパケットとしてラウンドロビン伝送方式によって第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器に順次割り振る。
【0018】
(構成3)
構成1において、第1の処理手段は、更に、アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の単体パケットを符号化した符号化パケット、および符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットであってチャネル情報CH_IFを含む送信用パケットを生成し、送信用パケットを生成する毎に、その生成した送信用パケットをそれぞれ第1のパケット~第Qのパケットとして多重伝送方式によって第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器の全てに割り振る。
【0019】
(構成4)
構成1において、送信装置は、p(pは、2以上の整数)個の基地局を更に備える。p個の基地局の各々は、第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器に接続される。そして、第1の処理手段は、生成した第1のパケット~第Qのパケットを第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器に代えてp個の基地局へ出力する。p個の基地局の各々は、第1の処理手段から受けた第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器へ出力する。
【0020】
(構成5)
構成4において、第1の処理手段は、更に、アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の単体パケットを符号化した符号化パケット、および符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットを生成し、その生成した送信用パケットを所定の割振方法によってp個の基地局に割り振る。p個の基地局の各々は、第1の処理手段によって割り振られた送信用パケットにチャネル情報CH_IFを含め、チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットをそれぞれ第1のパケット~第Qのパケットとしてラウンドロビン伝送方式によって第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器に順次割り振る。
【0021】
(構成6)
構成4において、第1の処理手段は、更に、アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の単体パケットを符号化した符号化パケット、および符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットを生成し、その生成した送信用パケットを所定の割振方法によってp個の基地局に割り振る。p個の基地局の各々は、第1の処理手段によって割り振られた送信用パケットにチャネル情報CH_IFを含め、チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットをそれぞれ第1のパケット~第Qのパケットとして多重伝送方式によって第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器の全てに割り振る。
【0022】
(構成7)
構成1から構成6のいずれかにおいて、第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器のうちのv(vは、1≦v<Qを満たす整数)個の送信用無線器は、v個の送信用無線器におけるチャネルの変更が必要であると判定したとき、無線通信の停止を第1の処理手段へ通知する。第1の処理手段は、無線通信の停止をv個の送信用無線器から受けると、複数の単体パケットを符号化した符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットを生成する割合である符号化率を下げるとともに、v個の送信用無線器へのパケットの割振を停止し、v個の送信用無線器に割り振っていた送信用パケットを(Q-v)個の送信用無線器に割り振る。
【0023】
(構成8)
構成7において、v個の送信用無線器は、v個の送信用無線器におけるv個の元のチャネルを、第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器のうちの(Q-v)個の送信用無線器における(Q-v)個のチャネル以外のチャネルであってビジー率がしきい値以下であるv個のチャネルに変更し、または(Q-v)個のチャネル以外のチャネルであってv個の送信用無線器におけるv個の元のチャネルとの周波数差が最も大きいv個のチャネルに変更し、v個の送信用無線器におけるチャネルの変更とv個の送信用無線器による無線通信の開始とを第1の処理手段へ通知する。第1の処理手段は、v個のチャネルへの変更および無線通信の開始をv個の送信用無線器から受けると、符号化率を上げ、v個の送信用無線器への送信用パケットの割振を開始する。
【0024】
(構成9)
また、この発明の実施の形態によれば、受信装置は、移動体からなり、構成1から構成8のいずれかに記載の送信装置によってブロードキャストされた第1のパケット~第Qのパケットを受信する受信領域内へ移動して第1のパケット~第Qのパケットを受信する受信装置であって、第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器と、第2の処理手段とを備える。第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器は、第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器にそれぞれ対応して設けられるとともに、第1のチャネル~第Qのチャネルをそれぞれ用いて、第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ受信する。第2の処理手段は、当該受信装置が受信領域に向かって移動しているときに、第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器のうちのk(kは、1≦k<Qを満たす整数)個の受信用無線器がk個のパケットを受信したとき、k個の受信用無線器によって受信されたk個のパケットに含まれるk個のチャネル情報CH_IFを検出し、その検出したk個のチャネル情報CH_IFに基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルでそれぞれ送信装置の(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する。
【0025】
(構成10)
構成9において、第2の処理手段は、k個の受信用無線器が受信領域の外側であって受信領域よりもパケットロスが多い領域においてk個のパケットを受信したとき、チャネル接続制御を実行する。
【0026】
(構成11)
構成9または構成10において、第2の処理手段は、更に、第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器から第1のパケット~第Qのパケットを受信し、その受信した第1のパケット~第Qのパケットに対して受信処理を実行して受信パケットを生成し、その生成した受信パケットをアプリケーションへ送信する。
【0027】
(構成12)
更に、この発明の実施の形態によれば、無線通信システムは、構成1から構成8のいずれか1項に記載の送信装置と、構成9から構成11のいずれか1項に記載の受信装置とを備える。
【0028】
(構成13)
更に、この発明の実施の形態によれば、プログラムは、リアルタイムトラフィックを構成するパケットをアプリケーションから受信し、その受信したパケットをブロードキャストする送信装置においてアプリケーションから受信したパケットのブロードキャストをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
送信装置は、
移動体からなる受信装置が当該送信装置から前記パケットを受信する受信領域に向かって移動しているときに、無線通信に用いる周波数が相互に異なる第1のチャネル~第Q(Qは、2以上の整数)のチャネルをそれぞれ用いて第1のパケット~第Qのパケット(第1のパケット~第Qのパケットの各々は、送信用無線器によって送信されるパケットである。)をそれぞれブロードキャストする第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器を備え、
プログラムは、
第1の処理手段が、第1のチャネル~第Qのチャネルがそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFをアプリケーションから受信したパケットに追加して第1のパケット~第Qのパケットを生成し、その生成した第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器へ出力する第1のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0029】
(構成14)
構成13において、第1の処理手段は、第1のステップにおいて、更に、アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の単体パケットを符号化した符号化パケット、および符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットであってチャネル情報CH_IFを含む送信用パケットを順次生成し、その順次生成した送信用パケットをそれぞれ第1のパケット~第Qのパケットとしてラウンドロビン伝送方式によって第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器に順次割り振る。
【0030】
(構成15)
構成13において、第1の処理手段は、第1のステップにおいて、更に、アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の単体パケットを符号化した符号化パケット、および符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットであってチャネル情報CH_IFを含む送信用パケットを生成し、送信用パケットを生成する毎に、生成した送信用パケットをそれぞれ第1のパケット~第Qのパケットとして多重伝送方式によって第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器の全てに割り振る。
【0031】
(構成16)
構成13において、送信装置は、p(pは、2以上の整数)個の基地局を更に備える。p個の基地局の各々は、第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器に接続される。第1の処理手段は、第1のステップにおいて、生成した第1のパケット~第Qのパケットを第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器に代えてp個の基地局へ出力する。p個の基地局の各々は、第1の処理手段から受けた第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器へ出力する。
【0032】
(構成17)
構成17において、第1の処理手段は、第1のステップにおいて、更に、アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の単体パケットを符号化した符号化パケット、および符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットを生成し、その生成した送信用パケットを所定の割振方法によってp個の基地局に割り振る。p個の基地局の各々は、第1の処理手段によって割り振られた送信用パケットにチャネル情報CH_IFを含め、チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットをそれぞれ第1のパケット~第Qのパケットとしてラウンドロビン伝送方式によって第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器に順次割り振る。
【0033】
(構成18)
構成16において、第1の処理手段は、第1のステップにおいて、更に、アプリケーションから受信したパケットに基づいて単体パケット、複数の単体パケットを符号化した符号化パケット、および符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットのいずれかからなる送信用パケットを生成し、その生成した送信用パケットを所定の割振方法によってp個の基地局に割り振る。p個の基地局の各々は、第1の処理手段によって割り振られた送信用パケットにチャネル情報CH_IFを含め、チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットをそれぞれ第1のパケット~第Qのパケットとして多重伝送方式によって第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器の全てに割り振る。
【0034】
(構成19)
構成13から構成18のいずれかにおいて、第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器のうちのv(vは、1≦v<Qを満たす整数)個の送信用無線器は、v個の送信用無線器におけるチャネルの変更が必要であると判定したとき、無線通信の停止を第1の処理手段へ通知する。
【0035】
プログラムは、
第1の処理手段が、無線通信の停止をv個の送信用無線器から受けると、複数の単体パケットを符号化した符号化パケットを単体パケットに付与した結合パケットを生成する割合である符号化率を下げるとともに、v個の送信用無線器へのパケットの割振を停止し、v個の送信用無線器に割り振っていた送信用パケットを(Q-v)個の送信用無線器に割り振る第2のステップを更にコンピュータに実行させる。
【0036】
(構成20)
構成19において、v個の送信用無線器は、v個の送信用無線器におけるv個の元のチャネルを、第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器のうちの(Q-v)個の送信用無線器における(Q-v)個のチャネル以外のチャネルであってビジー率がしきい値以下であるv個のチャネルに変更し、または(Q-v)個のチャネル以外のチャネルであってv個の送信用無線器におけるv個の元のチャネルとの周波数差が最も大きいv個のチャネルに変更し、v個の送信用無線器におけるチャネルの変更とv個の送信用無線器による無線通信の開始とを第1の処理手段へ通知する。
【0037】
プログラムは、
第1の処理手段が、v個のチャネルへの変更および無線通信の開始をv個の送信用無線器から受けると、符号化率を上げ、v個の送信用無線器への送信用パケットの割振を開始する第3のステップを更にコンピュータに実行させる。
【0038】
(構成21)
更に、この発明の実施の形態によれば、プログラムは、移動体からなり、構成1から構成8のいずれかに記載の送信装置によってブロードキャストされた第1のパケット~第Qのパケットを受信する受信領域内へ移動して第1のパケット~第Qのパケットを受信する受信装置において、第1のパケット~第Qのパケットの受信をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
受信装置は、
第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器にそれぞれ対応して設けられ、第1のチャネル~第Qのチャネルをそれぞれ用いて、第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ受信する第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器を備える。
【0039】
プログラムは、
第2の処理手段が、受信装置が受信領域に向かって移動しているときに、第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器のうちのk(kは、1≦k<Qを満たす整数)個の受信用無線器がk個のパケットを受信したとき、k個の受信用無線器によって受信されたk個のパケットに含まれるk個のチャネル情報CH_IFを検出し、その検出したk個のチャネル情報CH_IFに基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルでそれぞれ送信装置の(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する第1のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0040】
(構成22)
構成21において、第2の処理手段は、第1のステップにおいて、k個の受信用無線器が受信領域の外側であって受信領域よりもパケットロスが多い領域においてk個のパケットを受信したとき、チャネル接続制御を実行する。
【0041】
(構成23)
構成21または構成22において、第2の処理手段が、第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器からそれぞれ第1のパケット~第Qのパケットを受信し、その受信した第1のパケット~第Qのパケットに対して受信処理を実行して受信パケットを生成し、その生成した受信パケットをアプリケーションへ送信する第2のステップを更にコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0042】
パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも受信装置が送信装置とチャネル接続を完了できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】この発明の実施の形態1による無線通信システムの概略図である。
図2】この発明の実施の形態における無線通信の概念図である。
図3図1に示す送信機の概略図である。
図4図1に示す受信機の概略図である。
図5】画像の送信を示す概念図である。
図6】パケットのフォーマットを示す概略図である。
図7図3に示すバッファの概略図である。
図8】パケットを符号化する方法を説明するための図である。
図9】MBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)を送信するときの符号化パケットの生成方法を説明する図である。
図10】バーストを構成するパケットの送信方法を説明するための図である。
図11】バーストを構成するパケットの別の送信方法を説明するための図である。
図12】バーストを構成するパケットの更に別の送信方法を説明するための図である。
図13】パケットを無線器12,13に割り振る方法を示す図である。
図14】パケットを無線器12,13に割り振る別の方法を示す図である。
図15図1に示す送信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図16図15に示すフローチャートのステップS7の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図17図15に示すフローチャートのステップS7の詳細な動作を説明するための別のフローチャートである。
図18図15に示すステップS8の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図19図1に示す受信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図20図19に示すステップS26の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図21図19に示すステップS28の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図22図19に示すステップS29の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図23】バーストを構成するパケットの受信時におけるNバッファおよびCバッファの変遷を示す図である。
図24】チャネル接続の動作を説明するためのフローチャートである。
図25】レーダーを検出する動作を説明するためのフローチャートである。
図26】無線器12,13からの通知に対する送信機11の動作を説明するためのフローチャートである。
図27】実施の形態2による通信システムの概略図である。
図28図27に示す制御装置の概略図である。
図29】対応表TBL1の概略図である。
図30】対応表TBL2の概略図である。
図31】対応表TBL3の概略図である。
図32図27に示す端末装置の概略図である。
図33図27に示す送信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図34図33に示すステップS101の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図35図33に示すステップS101の詳細な動作を説明するための別のフローチャートである。
図36図33に示すステップS103の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図37図36のステップS103-2における「第1のフローチャート」を示すフローチャートである。
図38図36のステップS103-3における「第2のフローチャート」を示すフローチャートである。
図39】バーストを構成するパケットの更に別の送信方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0045】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による無線通信システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による無線通信システム10は、送信装置1と受信装置2とを備える。送信装置1および受信装置2は、無線通信空間に配置される。
【0046】
アプリケーション20は、例えば、カメラによって画像を撮影し、その撮影した画像の画像データをペイロードに含むパケットPKTを送信装置1へ伝送する。
【0047】
送信装置1は、パケットPKTをアプリケーション20から受信する。そして、送信装置1は、後述する方法によって、パケットPKTをリアルタイムトラフィックを構成するパケットとして無線通信によって受信装置2へ送信する。
【0048】
受信装置2は、移動体からなる。受信装置2は、送信装置1からのパケットPKTを無線通信によって受信し、その受信したパケットPKTに対して後述する受信処理を実行する。そして、受信装置2は、受信処理を行ったパケットPKTをアプリケーション30へ伝送する。アプリケーション30は、受信装置2からパケットPKTを受信し、その受信したパケットPKTに含まれる画像データを再生して表示部に表示する。
【0049】
送信装置1は、送信機11と、無線器12,13とを含む。送信装置1において、無線器12,13の各々は、USB(Universal Serial Bus)またはPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)によって送信機11に接続される。PCIeは、高速データ通信を行うことが可能なシリアル転送方式の拡張インターフェース規格である。また、無線器12,13の各々は、有線LAN(Local Area Network)によって送信機11に接続される。
【0050】
無線器12,13の各々がUSBまたはPCIeによって送信機11に接続された場合、送信機11および無線器12,13は、一体化した物理装置である。一方、無線器12,13の各々が有線LANによって送信機11に接続された場合、送信機11と無線器12,13とは、別々の装置である。
【0051】
送信機11は、パケットPKTをアプリケーション20から受信し、その受信したパケットPKTを後述する方法によってリアルタイムトラフィックを構成するパケットとして無線器12,13に割り振る。
【0052】
この発明の実施の形態においては、無線器12,13が使用可能なチャネルとして、例えば、12個のチャネルCH_1~CH_12が予め決定されている。12個のチャネルCH_1~CH_12は、周波数が相互に異なるチャネルである。そして、無線器12は、例えば、チャネルCH_1を用いて無線通信を行い、無線器13は、例えば、チャネルCH_2を用いて無線通信を行う。
【0053】
送信機11は、アプリケーション20からパケットPKTを受信すると、チャネルCH_1,CH_2がそれぞれ無線器12,13におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPKTに含めて送信用パケットPKT_TR1を生成し、その生成した送信用パケットPKT_TR1を無線器12,13へ出力する。
【0054】
このように、送信機11は、無線器12,13がそれぞれ無線通信に用いるチャネルCH_1,CH_2の情報(チャネル情報CH_IF)をパケットPKTに含めて送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2を生成し、その生成した送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2をそれぞれ無線器12,13に出力する。
【0055】
無線器12は、送信機11から送信用パケットPKT_TR1を受けると、その受けた送信用パケットPKT_TR1をチャネルCH_1でブロードキャストする。また、無線機13は、送信機11から送信用パケットPKT_TR2を受けると、その受けた送信用パケットPKT_TR2をチャネルCH_2でブロードキャストする。
【0056】
受信装置2は、受信機21と、無線器22,23とを含む。無線器22,23は、それぞれ送信装置1の無線器12,13に対応して設けられる。無線器22,23の各々は、USBまたはPCIeによって受信機21に接続される。また、無線器22,23の各々は、有線LANによって受信機21に接続される。無線器22,23の各々がUSBまたはPCIeによって受信機21に接続される場合、受信機21および無線器22,23は、一体化した物理装置である。一方、無線器22,23の各々が有線LANによって受信機21に接続される場合、受信機21と無線器22,23とは、別々の装置である。
【0057】
無線器22は、無線器12からブロードキャストされた送信用パケットPKT_TR1をチャネルCH_1で受信し、その受信した送信用パケットPKT_TR1を受信機21へ出力する。また、無線器23は、無線器13からブロードキャストされた送信用パケットPKT_TR2をチャネルCH_2で受信し、その受信した送信用パケットPKT_TR2を受信機21へ出力する。
【0058】
受信機21は、送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2をそれぞれ無線器22,23から受け、その受けた送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2に対して後述する受信処理を実行する。そして、受信機21は、受信処理を行ったパケットPKTをアプリケーション30へ伝送する。
【0059】
無線通信システム10は、次の特徴を有する。無線通信システム10は、到達確認を用いた効率的な再送ができないシステムであり、例えば、無線通信によるブロードキャストまたはマルチキャストを行う。また、無線通信システム10は、複数経路を用いるシステムである。更に、無線通信システム10は、高い信頼性を必要とするリアルタイム通信(例えば、映像伝送等)を行うものである。
【0060】
図2は、この発明の実施の形態における無線通信の概念図である。図2を参照して、通信領域CM_REG1は、例えば、半径Rが100mである円形状からなり、通信領域CM_REG2は、例えば、径方向の長さrが200mであるドーナツ形状からなる。そして、通信領域CM_REG2は、通信領域CM_REG1の外側に配置され、通信領域CM_REG1よりもパケットロスが大きい領域である。
【0061】
送信装置1は、通信領域CM_REG1の中心に配置されており、無線器12,13によってそれぞれチャネルCH1,CH2で送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2をブロードキャストしている。
【0062】
受信装置2は、通信領域CM_REG1外から通信領域CM_REG1に向かって移動し、通信領域CM_REG2を通過して通信領域CM_REG1内に入ると、送信装置1からブロードキャストされた送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2を受信する。
【0063】
この場合、受信装置2の無線器22,23は、通信領域CM_REG2内において、それぞれチャネルCH_1,CH_2でキャリアセンスを行い、チャネルCH_1,CH_2のうちの少なくとも1つのチャネルでパケット(送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2の少なくとも1つ)を受信する。そして、受信装置2は、通信領域CM_REG1内に入るまでに、チャネルCH1,CH2のうちの少なくとも1つのチャネルで受信したパケット(送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2の少なくとも1つ)に含まれる少なくとも1つのチャネル情報CH_IFに基づいて、後述する方法によって、無線器22と送信装置1の無線器12とのチャネル接続、および無線器23と送信装置1の無線器13とのチャネル接続を完了する。
【0064】
そして、受信装置2は、通信領域CM_REG1内に入ると、送信装置1の無線器12,13からそれぞれチャネルCH_1,CH_2でブロードキャストされたパケット(送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2)を、移動しながら無線器22,23によってそれぞれチャネルCH_1,CH_2で受信し、その受信したパケット(送信用パケットPKT_TR1,PKT_TR2)に対して受信処理を実行してアプリケーション30へ伝送する。
【0065】
図3は、図1に示す送信機11の概略図である。図3を参照して、送信機11は、バッファ111と、処理手段112とを備える。
【0066】
バッファ111は、アプリケーション20から到着した複数のパケットPKT_N(1)~PKT_N(Z)を格納する。複数のパケットPKT_N(1)~PKT_N(Z)の各々は、アプリケーション20によって生成された生(Native)のパケットからなる。また、Zは、整数からなる。
【0067】
処理手段112は、USBまたはPCIeによって無線器12,13に接続される。また、処理手段112は、有線LANによって無線器12,13に接続される。処理手段112は、タイマーを内蔵している。そして、処理手段112は、パケットが到着したか否かを判定する。処理手段112は、パケットが到着したと判定したとき、到着したパケットPKT_N(z)(zは、1~Zの整数)のコピーをバッファ111に格納し、元のパケットPKT_N(z)をラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振る。また、処理手段112は、パケットが到着したと判定したとき、複数のパケットがバッファ111に格納されていれば、複数のパケットをバッファ111から取り出し、その取り出した複数のパケットに基づいて後述する方法によって符号化パケットPKT_Cを含む送信用パケットPKT_TRを生成し、その生成した送信用パケットPKT_TRをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振る。なお、処理手段112は、タイマーを参照して、パケットPKT_N(z)または送信用パケットPKT_TRをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振る。
【0068】
無線器12は、1個のパケットPKT_N(z)または送信用パケットPKT_TRを処理手段112から割り振られると、その割り振られた1個のパケットPKT_N(z)または送信用パケットPKT_TRをチャネルCH_1で無線通信によってブロードキャストする。また、無線器13は、1個のパケットPKT_N(z)または送信用パケットPKT_TRを処理手段112から割り振られると、その割り振られた1個のパケットPKT_N(z)または送信用パケットPKT_TRをチャネルCH_2で無線通信によってブロードキャストする。
【0069】
図4は、図1に示す受信機21の概略図である。図4を参照して、受信機21は、処理手段211と、Nバッファ212と、Cバッファ213とを備える。
【0070】
処理手段211は、USBまたはPCIeによって無線器22,23に接続される。また、処理手段211は、有線LANによって無線器22,23に接続される。
【0071】
処理手段211は、パケットPKT_N(z)を無線器22および/または無線器23から受けると、後述する方法によって、パケットPKT_N(z)に対してNパケット受信処理を実行する。この場合、処理手段211は、Nパケット受信処理において、パケットPKT_N(z)が受信済でないとき、パケットPKT_N(z)をNバッファ212に格納する。そして、処理手段211は、Nバッファ212に格納された全てのパケットPKT_N(z)をアプリケーション30へ伝送する。
【0072】
一方、処理手段211は、送信用パケットPKT_TRを無線器22および/または無線器23から受けると、送信用パケットPKT_TRが符号化パケットPKT_Cと単体パケットPKT_Nとを含むとき、符号化パケットPKT_Cと単体パケットPKT_Nとを分離する分離処理を実行する。そして、処理手段211は、その分離した単体パケットPKT_Nに対してNパケット受信処理を実行する。また、処理手段211は、Nバッファ212に格納済の単体パケットPKT_N(即ち、受信済の単体パケットPKT_N)の情報を符号化パケットPKT_Cから除去する除去処理を実行し、その除去処理後の符号化パケットPKT_C’が複数の単体パケットPKT_Nを含むとき、符号化パケットPKT_C’をCバッファ213に格納する。その後、処理手段211は、Cバッファ213に格納された符号化パケットPKT_C’に対して後述する復号処理を実行する。この場合、処理手段211は、復号処理において復号された単体パケットPKT_Nに対してNパケット受信処理を実行する。
【0073】
処理手段211は、送信用パケットPKT_TRが符号化パケットPKT_Cのみを含むとき、上述した分離処理を実行せずに、上述した除去処理および復号処理を順次実行する。
【0074】
図5は、画像の送信を示す概念図である。図5を参照して、リアルタイム動画伝送の場合の特徴を説明する。Iピクチャは、前後のピクチャの差分を用いない圧縮画像からなり、サイズが大きい。Pピクチャは、前のピクチャとの差分を伝送するため、サイズが小さい。
【0075】
IピクチャおよびPピクチャは、周期的に送信される。そして、周期的な送信の際の送信パケット数は、異なり、バースト的に一度にパケットを送信する場合もある。また、Iピクチャは、IPPPIPPPIPのように周期的に生成されて送信される。
【0076】
Iピクチャを伝送する際にバーストが発生し、バーストのサイズは、一定でない。また、バーストを構成するパケットは、一度に到着せずに逐次到着する。
【0077】
更に、図5に示すPピクチャ、Pピクチャ、Pピクチャ、Iピクチャ、Pピクチャ、Pピクチャ、Pピクチャ、IピクチャおよびPピクチャにおいて、Pピクチャをペイロードに含むパケットおよびIピクチャをペイロードに含むパケットがアプリケーション20から送信装置1(=送信機11)に到着する時間間隔は、Tinterval_1であり、Iピクチャをペイロードに含む複数のパケットがアプリケーション20から連続して送信装置1(=送信機11)に到着する時間間隔は、Tinterval_1よりも短いTinterval_2である。
【0078】
図6は、パケットのフォーマットを示す概略図である。図6を参照して、パケットPKTは、ヘッダと、ペイロードとを含む。ヘッダは、送信先のIPアドレスを含む。
【0079】
ペイロードは、Packet Infoと、領域REG1と、Coded Infoと、領域REG2とを含む。領域REG1は、1個のパケットPKT_Nのペイロードを含む。領域REG2は、N個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(N)を符号化した符号化パケットPKT_Cを含む。領域REG1の長さは、Lであり、領域REG2の長さは、L~Lの最大値である。Lは、1個のパケットPKT_Nのデータ長であり、L~Lは、それぞれ、パケットPKT_N(1)~PKT_N(N)のデータ長である。
【0080】
Packet Infoは、識別子N/Cと、シーケンス番号SNと、データ長Lと、チャネル情報Ch_Ifとを含む。識別子N/Cは、領域REG1に含まれるパケットが単体のパケットPKT_Nであるか符号化パケットPKT_Cであるかを識別する識別子であり、“N”または“C”からなる。“N”は、単体のパケットPKT_Nであることを表し、“C”は、符号化パケットPKT_Cであることを表す。シーケンス番号SNは、領域REG1に含まれるパケットの送信装置1(=送信機11)への到着順序を表す。データ長Lは、領域REG1の長さを表す。チャネル情報Ch_Ifは、送信機11に接続される無線器の個数が無線器12,13の2個であるとき、チャネルCH_1を示す1番目のビットと、チャネルCH_2を示す2番目のビットとの2ビットからなる。そして、一般的に、送信機11に接続される無線器の個数がQ(Qは、2以上の整数)個であるとき、チャネル情報Ch_Ifは、チャネルCH_1を示す1番目のビットと、チャネルCH_2を示す2番目のビットと、・・・、チャネルCH_Qを示すQ番目のビットとのQビットからなる。そして、受信機21は、受信したパケットPKTのチャネル情報Ch_Ifに含まれるQビットのビット列から送信機11におけるQ個のチャネルCH_1~CH_Qを把握する。
【0081】
Coded Infoは、識別子N/Cと、Num coded(N)と、チャネル情報Ch_Ifと、Packet Info 1~Packet Info Nとを含む。識別子N/Cは、領域REG2に含まれるパケットが単体のパケットPKT_Nであるか符号化パケットPKT_Cであるかを識別する識別子であり、“N”または“C”からなる。Num coded(N)は、領域REG2に含まれる符号化パケットPKT_Cを構成するパケットPKT_Nの個数を表す。
【0082】
チャネル情報Ch_Ifは、Packet Infoのチャネル情報Ch_Ifと同じ構成からなる。
【0083】
Packet Info 1は、シーケンス番号SNと、データ長Lと、符号Cとを含む。以下、同様にして、Packet Info Nは、シーケンス番号SNと、データ長Lと、符号Cとを含む。
【0084】
Packet Info 1において、シーケンス番号SNは、符号化パケットPKT_Cを構成するパケットPKT_N(1)の送信装置1(=送信機11)への到着順序を表し、データ長Lは、符号化パケットPKT_Cを構成するパケットPKT_N(1)のデータ長であり、符号Cは、N個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(N)を符号化したときのパケットPKT_N(1)の係数である。
【0085】
以下、同様にして、Packet Info Nにおいて、シーケンス番号SNは、符号化パケットPKT_Cを構成するパケットPKT_N(N)の送信装置1(=送信機11)への到着順序を表し、データ長Lは、符号化パケットPKT_Cを構成するパケットPKT_N(N)のデータ長であり、符号Cは、N個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(N)を符号化したときのパケットPKT_N(N)の係数である。
【0086】
1個のパケットPKT_Nは、ペイロードがPacket Infoと領域REG1とを含む構成からなる。
【0087】
バースト的に一度に送信するためのパケットがMBurst(MBurstは、2≦MBurst<Vを満たす整数である。)個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)からなるとすると、MBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)のうちの最初に送信装置1(=送信機11)に到着したパケットPKT_N(1)以外の(MBurst-1)個のパケットPKT_N(2)~PKT_N(MBurst)から選択されたa(aは、1以上の整数である。)個の所定のパケットPKT_N(m)の各々が送信装置1(=送信機11)に到着すると、所定のパケットPKT_N(m)よりも早く送信装置1(=送信機11)に到着したパケットPKT_N(1)~PKT_N(m-1)を符号化して符号化パケットPKT_C1を生成し、その生成した符号化パケットPKT_C1を所定のパケットPKT_N(m)に付与した結合パケットPKT_N/PKT_C1を送信用パケットPKT_TRとして生成することになる。
【0088】
従って、結合パケットPKT_N/PKT_C1は、ペイロードが[Packet Info/PKT_Nのデータ/Coded Info/PKT_N(1)のデータ~PKT_N(m-1)のデータ]を含む構成からなる。
【0089】
また、MBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)が連続して送信装置1(=送信機11)に到着したとき、MBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)を符号化した符号化パケットPKT_C2を送信用パケットPKT_TRとして生成することになる。
【0090】
従って、符号化パケットPKT_C2は、ペイロードが[Coded Info/PKT_N(1)のデータ~PKT_N(MBurst)のデータ]を含む構成からなる。
【0091】
図7は、図3に示すバッファ111の概略図である。なお、図7は、バースト的に一度に送信するためのパケットの個数MBurstよりもバッファ111のサイズが大きい場合についてバッファ111の概略図を示す。
【0092】
図7を参照して、バッファ111は、例えば、リングバッファからなる。そして、バッファ111は、シーケンス番号SNが小さい順(即ち、古い順)にMBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)を格納する。パケットPKT_N(MBurst)は、現在時刻においてバッファ111に格納されたパケットであり、パケットPKT_N(1)~パケットPKT_N(M-1)は、過去にバッファ111に格納されたパケットである。
【0093】
また、バッファ111は、パケット数が最大数を超えると、古いパケットから順に上書きする構成からなる。その結果、バッファ111は、常に、最大数のパケットを格納できる。
【0094】
パケットPKT_N(1),PKT_N(2),・・・,PKT_N(MBurst)が格納されたMBurst個の領域には、それぞれ、パケットPKT_N(1)のシーケンス番号SNおよびデータ長L、パケットPKT_N(2)のシーケンス番号SNおよびデータ長L、・・・、パケットPKT_N(MBurst)のシーケンス番号SNMBurstおよびデータ長LMBurstも格納される。
【0095】
即ち、アプリケーション20から送信装置1(=送信機11)に到着したパケットPKT_N(PKT_N(1)~PKT_N(MBurst)のいずれか)がペイロードを構成し、バッファ111の各領域には、[SN/L/ペイロード/パディング(全て“0”)]が格納される。なお、パディング(全て“0”)は、[SN/L/ペイロード]の長さが最大長にならない場合に追加される。
【0096】
図8は、パケットを符号化する方法を説明するための図である。図8においては、パケットX(iは、1,2,3,・・・)と符号化パケットYi-1とを符号化する方法を説明する。
【0097】
図8を参照して、パケットXは、L/n個の成分Xi,1,Xi,2,Xi,3,Xi,4,・・・,Xi,Li×8/nと、“0”からなるパディングとを含む。成分Xi,1,Xi,2,Xi,3,Xi,4,・・・,Xi,Li×8/nの各々は、n(nは、正の整数である。)ビットの長さを有する。符号Cは、ガロア体GF(2)上のnビット長の乱数からなる。ここで、nは、例えば、8からなる。
【0098】
符号化パケットYi-1は、成分Yi-1,1,Yi-1,2,Yi-1,3,Yi-1,4,・・・,Yi-1,Li×8/n,Yi-1,Max×8/nからなる。成分Yi-1,1,Yi-1,2,Yi-1,3,Yi-1,4,・・・,Yi-1,Li×8/n,Yi-1,Max×8/nの各々は、nビットの長さを有する。
【0099】
符号Cを成分Xi,1,Xi,2,Xi,3,Xi,4,・・・,Xi,Li×8/nの各々に乗算して乗算結果C・Xi,1,C・Xi,2,C・Xi,3,C・Xi,4,・・・,C・Xi,Li×8/nを生成する。この場合、符号Cと、成分Xi,1,Xi,2,Xi,3,Xi,4,・・・,Xi,Li×8/nの各々との乗算は、ガロア体GF(2)上の乗算として実行される。
【0100】
その後、乗算結果C・Xi,1と成分Yi-1,1との排他的論理和を演算して成分Yi,1を生成し、乗算結果C・Xi,2と成分Yi-1,2との排他的論理和を演算して成分Yi,2を生成し、乗算結果C・Xi,3と成分Yi-1,3との排他的論理和を演算して成分Yi,3を生成し、乗算結果C・Xi,4と成分Yi-1,4との排他的論理和を演算して成分Yi,4を生成し、以下、同様にして、乗算結果C・Xi,Li×8/nと成分Yi-1,Li×8/nとの排他的論理和を演算して成分Yi,Li×8/nを生成し、更に、“0”からなるパディングと成分Yi-1,Max×8/nとの排他的論理和を演算して成分Yi,Max×8/nを生成する。これによって、符号化パケットY=[Yi,1,Yi,2,Yi,3,Yi,4,・・・,Yi,Li×8/n,・・・,Yi,Max×8/n]が生成される。
【0101】
図9は、MBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)を送信するときの符号化パケットの生成方法を説明する図である。
【0102】
図9においては、パケットP,P,P,Pが送信装置1(=送信機11)に到着したタイミングで符号化パケットを受信装置2へ送信すると判定するものとする。
【0103】
図9の(a)を参照して、バーストを構成するMBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)は、パケットP~Pからなる。そして、バッファ111に格納できるパケットの最大数は、6個である。即ち、バーストを構成するパケットの個数MBurstは、バッファ111のサイズMBuffer以下である。
【0104】
送信機11の処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーする(図9の(a)(i)参照)。そして、処理手段112は、バッファ111からパケットPを取り出し、その取り出したパケットP図8において説明した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。
【0105】
より具体的には、処理手段112は、(n÷8)バイト長の“0”からなる符号化パケットY={000・・・0}を生成し、ガロア体GF(2)上のnビット長の乱数からなる符号Cを生成する。そして、処理手段112は、パケットX(=P)と符号化パケットY={000・・・0}と符号Cとに基づいて、図8において説明した方法によって、符号化パケットY(=C)を生成する。
【0106】
その後、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーする(図9の(a)(ii)参照)。そして、処理手段112は、バッファ111からパケットPを取り出す。その後、処理手段112は、ガロア体GF(2)上のnビット長の乱数からなる符号Cを生成する。そうすると、処理手段112は、パケットX(=P)と符号化パケットYと符号Cとに基づいて、図8において説明した方法によって、符号化パケットY(=C)を生成する。
【0107】
以下、同様にして、パケットP~Pが送信機11に到着したタイミングで、それぞれ、符号化パケットY~Y(=C~C)を順次生成する(図9の(a)(iii)~(vi)参照)。この場合、パケットPが送信機11に到着し、パケットPをバッファ111にコピーした段階で、バッファ111は、最大数MBufferのパケットを格納する。
【0108】
処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーし(図9の(a)(iii)参照)、符号化パケットを送信すると判定する。そして、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着したタイミングで生成した符号化パケットY(=C)をパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。なお、結合パケットP/Cによって情報を送信することは、Piggybackによる情報の送信である。
【0109】
また、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーし(図9の(a)(v)参照)、符号化パケットを送信すると判定する。そして、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着したタイミングで生成した符号化パケットY(=C)をパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。
【0110】
そして、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着し、符号化パケットY(=C)を生成した後、後述する方法によって、パケットPがバーストを構成するパケットP~Pのうちの最後のパケットPであると判定した後、未送信の符号化パケットY(=C)をラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って符号化パケットY(=C)を単独で受信装置2へ送信する。
【0111】
また、処理手段112は、バッファ111からパケットP~Pを取り出し、その取り出したパケットP~Pを符号化して符号化パケットY(=C)を生成する。そして、処理手段112は、符号化パケットY(=C)をラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って符号化パケットY(=C)を単独で受信装置2へ送信する。
【0112】
このように、処理手段112は、バーストを構成するパケットの個数MBurstがバッファ111のサイズMBuffer以下であるとき、バーストを構成する全てのパケットP~Pを含む符号化パケットY(=C)を生成して受信装置2へ送信する。
【0113】
図9の(b)を参照して、バーストを構成するMBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)は、パケットP~P10からなる。そして、バッファ111に格納できるパケットの最大数は、6個である。即ち、バーストを構成するパケットの個数MBurstは、バッファ111のサイズMBufferよりも大きい。
【0114】
処理手段112は、パケットP~Pが送信機11に到着したとき、図9の(a)において説明した処理を実行する(図9の(b)(i),(ii)参照)。
【0115】
そして、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーする(図9の(b)(iii)参照)。その結果、パケットPが送信機11に到着した段階でバッファ111に格納されていたパケットP~Pは、それぞれ、パケットP~Pによって上書きされる。
【0116】
処理手段112は、パケットPをバッファ111にコピーした後、バッファ111からパケットPを取り出す。そして、処理手段112は、ガロア体GF(2)上のnビット長の乱数からなる符号Cを生成する。そうすると、処理手段112は、パケットX(=P)と符号化パケットYと符号Cとに基づいて、図8において説明した方法によって、符号化パケットY(=C)を生成する。
【0117】
その後、処理手段112は、パケットP~P10が送信機11に到着したタイミングで、同様にして、それぞれ、符号化パケットY(=C)~Y10(=C10)を生成する(図9の(b)(iv)~(vi)参照)。
【0118】
そして、パケットP10をバッファ111にコピーした段階で、バッファ111は、パケットP~P10を格納する。
【0119】
処理手段112は、パケットP10が送信機11に到着し、符号化パケットY10(=C10)を生成した後、後述する方法によって、パケットP10がバーストを構成するパケットP~P10のうちの最後のパケットP10であると判定した後、未送信の符号化パケットY10(=C10)をラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って符号化パケットY10(=C10)を単独で受信装置2へ送信する。
【0120】
また、処理手段112は、バッファ111からパケットP~P10を取り出し、その取り出したパケットP~P10を符号化して符号化パケットY11(=C11)を生成する。そして、処理手段112は、符号化パケットY11(=C11)をラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って符号化パケットY11(=C11)を単独で受信装置2へ送信する。
【0121】
このように、処理手段112は、バーストを構成するパケットの個数MBurstがバッファ111のサイズMBufferよりも大きいとき、バーストを構成するパケットP~P10のうちのパケットP~P10を含む符号化パケットY11(=C11)を生成して受信装置2へ送信する。
【0122】
図9において説明したように、単独で送信される符号化パケットは、バーストを構成するパケットの個数MBurstとバッファ111のサイズMBufferとの大小関係によって異なるパケットを含む。
【0123】
なお、処理手段112は、バーストを構成するMBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)のうちの最後のパケットPKT_N(MBurst)がバッファ111に到着したか否かを次の方法によって判定する。
【0124】
Burst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)は、連続してバッファ111に到着するので、シーケンス番号SNが連続する2個のパケットPKT_N(m),PKT_N(m+1)について、1個のパケットPKT_N(m)がバッファ111に到着してから1個のパケットPKT_N(m+1)がバッファ111に到着するまでの標準経過時間である経過時間TSTANDARDを予め固定値に決定し、その決定した固定値からなる経過時間TSTANDARDを処理手段112に設定しておく。
【0125】
処理手段112は、MBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)のうちの1個のパケットPKT_N(m’)が到着してからの経過時間tELPが経過時間tSTANDARDよりも長くなってもパケットPKT_Nがバッファ111に到着しないとき、パケットPKT_N(m’)がMBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)のうちの最後のパケットPKT_N(MBurst)であると判定し、MBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)のうちの最後のパケットPKT_N(MBurst)がバッファ111に到着したと判定する。
【0126】
また、アプリケーション20がMBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)のうちの最後のパケットPKT_N(MBurst)に、最後のパケットであることを示すフラグFGを設定しておき、処理手段112がアプリケーション20からパケットPKT_Nを受信する毎にパケットPKT_NにフラグFGが設定されているか否かを判定し、パケットPKT_NにフラグFGが設定されていると判定したとき、フラグFGが設定されているパケットPKT_Nを最後のパケットPKT_N(MBurst)であると判定するようにしてもよい。
【0127】
図10は、バーストを構成するパケットの送信方法を説明するための図である。図10においては、バーストを構成するMBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)がパケットP~Pである場合において、バーストを構成するMBurst個のパケットPKT_N(1)~PKT_N(MBurst)の送信方法を説明する。この場合、処理手段112は、例えば、パケットP,Pのいずれかが送信機11に到着したタイミングで符号化パケットを送信すると判定し、パケットP,P,P,Pのいずれかが送信機11に到着したタイミングでは符号化パケットを送信しないと判定するものとする。また、パケットP,Pが送信先へ送信できなかったものとする。
【0128】
図10を参照して、パケットP~Pは、バースト的に一度に送信するパケットを構成する。
【0129】
処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、タイマーによって経過時間tELP_1の計測を開始するとともに、パケットPをバッファ111にコピーし、パケットPがパケットP,P以外のパケットであるので(即ち、パケットPがm=1であるパケットPKT_N(1)であるので)、符号化パケットを送信しないと判定する。そして、処理手段112は、元のパケットPをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振ってパケットPを受信装置2へ送信する。その後、処理手段112は、バッファ111からパケットPを取り出し、その取り出したパケットPを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。符号化パケットCは、次式によって表される。
【0130】
【数1】
【0131】
引き続いて、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、経過時間tELP_1の計測を終了し、パケットPが到着してからの経過時間tELP_2の計測を開始する。そして、処理手段112は、パケットPをバッファ111にコピーし、パケットPがパケットP,P以外のパケットであるので(即ち、パケットPがm=2であるパケットPKT_N(2)であるので)、符号化パケットを送信しないと判定する。そして、処理手段112は、元のパケットPをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振ってパケットPを受信装置2へ送信する。その後、処理手段112は、パケットP,Pをバッファ111から取り出し、その取り出したパケットP,Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。符号化パケットCは、次式によって表される。
【0132】
【数2】
【0133】
引き続いて、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、経過時間tELP_2の計測を終了し、パケットPが到着してからの経過時間tELP_3の計測を開始する。そして、処理手段112は、パケットPをバッファ111にコピーし、パケットPがパケットP,Pのいずれかに該当するパケットであるので(即ち、パケットPがm=3であるパケットPKT_N(3)であるので)、符号化パケットを送信すると判定する。そうすると、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着したタイミングで生成した符号化パケットCを元のパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。その後、処理手段112は、パケットP~Pをバッファ111から取り出し、その取り出したパケットP~Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。符号化パケットCは、次式によって表される。
【0134】
【数3】
【0135】
引き続いて、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、経過時間tELP_3の計測を終了し、パケットPが到着してからの経過時間tELP_4の計測を開始する。そして、処理手段112は、パケットPをバッファ111にコピーし、パケットPがパケットP,P以外のパケットであるので(即ち、パケットPがm=4であるパケットPKT_N(4)であるので)、符号化パケットを送信しないと判定する。そうすると、処理手段112は、元のパケットPをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振ってパケットPを受信装置2へ送信する。そして、処理手段112は、パケットP~Pをバッファ111から取り出し、その取り出したパケットP~Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。符号化パケットCは、次式によって表される。
【0136】
【数4】
【0137】
その後、パケットPが送信機11に到着すると、処理手段112は、経過時間tELP_4の計測を終了し、パケットPが到着してからの経過時間tELP_5の計測を開始する。そして、処理手段112は、パケットPをバッファ111にコピーし、パケットPがパケットP,Pのいずれかに該当するパケットであるので(即ち、パケットPがm=5であるパケットPKT_N(5)であるので)、符号化パケットを送信すると判定する。そうすると、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着したタイミングで生成した符号化パケットCを元のパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。その後、処理手段112は、パケットP~Pをバッファ111から取り出し、その取り出したパケットP~Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。符号化パケットCは、次式によって表される。
【0138】
【数5】
【0139】
引き続いて、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、経過時間tELP_5の計測を終了し、パケットPが到着してからの経過時間tELP_6の計測を開始する。そして、処理手段112は、パケットPをバッファ111にコピーし、パケットPがパケットP,P以外のパケットであるので(即ち、パケットPがm=6であるパケットPKT_N(6)であるので)、符号化パケットを送信しないと判定する。そうすると、処理手段112は、元のパケットPをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振ってパケットPを受信装置2へ送信する。その後、処理手段112は、パケットP~Pをバッファ111から取り出し、その取り出したパケットP~Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。符号化パケットCは、次式によって表される。
【0140】
【数6】
【0141】
なお、符号化パケットCをパケットPに付与して受信装置2へ送信しないのは、符号化パケットを単体パケットに付与して受信装置2へ送信するタイミングがパケットP,Pのいずれかがバッファ111に到着したタイミングであると決定されているので、パケットPがバッファ111に到着したタイミングが符号化パケットを単体パケットに付与して受信装置2へ送信するタイミングでないからである。
【0142】
そして、処理手段112は、経過時間tELP_6が経過時間TSTANDARDよりも長くなってもパケットが送信機11に到着しないことを確認し、パケットPがパケットP~Pのうちの最後のパケットPであると判定する。
【0143】
その後、処理手段112は、最後のパケットPがバッファ111に到着した後、Tミリ秒が経過したか否かを判定する。ここで、Tは、T<T_interval_1を満たす時間であり、例えば、5ミリ秒である。
【0144】
処理手段112は、最後のパケットPがバッファ111に到着した後、Tミリ秒が経過したと判定したとき、符号化パケットCをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って符号化パケットCを受信装置2へ送信する。
【0145】
そして、処理手段112は、符号化パケットの送信数がK個であるか否かを判定する。Kは、例えば、3である。また、Kは、バッファ111に格納されるパケット数に応じて変更されてもよい。この場合、Kは、K=A+B/Mによって決定される。Mは、バッファ111に格納されるパケット数であり、A,Bは、定数である。そして、A,B,Mの各々は、整数である。K=A+B/Mによれば、バッファ111に格納されるパケット数Mが多くなれば、Kは、小さくなり、バッファ111に格納されるパケット数Mが少なくなれば、Kは、大きくなる。従って、符号化パケットの送信数KをK=A+B/Mによって決定することによって、バッファ111に格納されるパケット数Mが第1の個数であるとき、符号化パケットの送信数Kを第1の送信数に設定し、バッファ111に格納されるパケット数Mが第1の個数よりも多い第2の個数であるとき、符号化パケットの送信数Kを第1の送信数よりも少ない第2の送信数に設定する。つまり、バッファ111に格納されるパケット数Mが少なくなれば、より多くの符号化パケットを送信することになる。
【0146】
処理手段112は、符号化パケットの送信数がK個でないと判定したとき、バッファ111に格納されたパケットP~Pを取り出し、その取り出したパケットP~Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。符号化パケットCは、次式によって表される。
【0147】
【数7】
【0148】
そして、処理手段112は、符号化パケットCをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って符号化パケットCを受信装置2へ送信する。
【0149】
その後、処理手段112は、符号化パケットの送信数がK個(=3個)でないと判定する。そして、処理手段112は、バッファ111に格納されたパケットP~Pを取り出し、その取り出したパケットP~Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。符号化パケットCは、次式によって表される。
【0150】
【数8】
【0151】
このように、処理手段112は、符号化パケットを単体で送信するとき、バッファ111に格納されている全てのパケットP~Pを用いて符号化パケットC~Cを生成する。
【0152】
引き続いて、処理手段112は、符号化パケットの送信数がK個(=3個)であると判定し、バッファ111をクリアする。
【0153】
式(6)~(8)に示すように、符号化パケットC,C,Cは、同じパケットP~Pを含み、係数Cのみが異なる符号化パケットである。係数Cは、ガロア体GF(2)上のnビット長の乱数からなるので、例えば、式(6)における係数a62,a64が零であることもある。この場合、符号化パケットCは、実質的に、パケットP,P,P,Pを含むことになる。符号化パケットC,Cについても同様である。
【0154】
受信機21は、送信機11から送信されたパケットPの受信に失敗し、送信機11から送信されたパケットPを受信する。また、受信機21は、送信機11から送信された結合パケットP/Cの受信に失敗し、送信機11から送信されたパケットP、結合パケットP/C、パケットPおよび符号化パケットC,C,Cを順次受信する。
【0155】
受信機21は、パケットP,Pおよび符号化パケットCを受信できなかったので、受信できなったパケットP,Pを符号化パケットC,Cから復号するために、符号化パケットC,Cから受信済のパケットP,Pの情報を除去する。
【0156】
より具体的には、受信機21は、次式によって、符号化パケットCから受信済のパケットP,Pの情報を除去する。
【0157】
【数9】
【0158】
また、受信機21は、次式によって、符号化パケットCから受信済のパケットP,P,P,Pの情報を除去する。
【0159】
【数10】
【0160】
その結果、符号化パケットCから受信済のパケットP,Pの情報を除去した後の符号化パケットC’および符号化パケットCから受信済のパケットP,P,P,Pの情報を除去した後の符号化パケットC’は、共に、パケットP,Pを含む。
【0161】
そして、式(9)の左辺は、符号化パケットCとパケットPとの排他的論理和を演算し、その排他的論理和の演算結果とパケットPとの排他的論理和を演算することによって得られる。また、式(10)の左辺は、符号化パケットCとパケットPとの排他的論理和を演算し、その排他的論理和の演算結果とパケットPとの排他的論理和を演算し、その排他的論理和の演算結果とパケットPとの排他的論理和を演算し、その排他的論理和の演算結果とパケットPとの排他的論理和を演算することによって得られる。従って、受信機21は、式(9)および式(10)の左辺の値を取得できる。
【0162】
また、式(9)の符号a41,a43は、符号化パケットCの“Coded Infoに含まれており、式(10)の符号a61,a63は、符号化パケットCの“Coded Infoに含まれているので(図6参照)、既知である。
【0163】
従って、受信機21は、式(9)および式(10)の連立方程式を解くことによって、受信できなかったパケットP,Pを復号できる。
【0164】
また、受信機21は、同様にして、符号化パケットC~Cから任意に選択した2つの符号化パケットに基づいて、受信できなかったパケットP,Pを復号できる。
【0165】
このように、受信機21が受信できなかったパケットが2個のパケットP,Pである場合、送信機11は、受信機21が受信できなかったパケットの個数(=2個)以上の符号化パケットを送信することによって、受信できなかった2個のパケットP,Pを復号できる。
【0166】
受信機21が結合パケットP/Cに代えて結合パケットP/Cを受信できなかった場合について、上記の方法によって、受信できなかった2個のパケットを復号できることを説明する。この場合、受信機21は、2個のパケットP,Pを受信できなかったことになる。
【0167】
そこで、受信機21は、符号化パケットCから受信済のパケットPの情報を除去した後の符号化パケットC’と、符号化パケットCから受信済のパケットP,P,P,Pの情報を除去した後の符号化パケットC”とを次式によって算出する。
【0168】
【数11】
【0169】
従って、受信機21は、式(11A),(11B)の連立方程式を解くことによって、受信できなかった2個のパケットP,Pを復号できる。
【0170】
符号化パケットC,Cがそれぞれ付与されるパケットP,P以外のパケットP,P,Pを受信機21へ送信できなくても、受信機21は、3個の符号化パケットC,C,Cを受信できる。
【0171】
そこで、受信機21は、符号化パケットCから受信済のパケットP,Pの情報を除去した後の符号化パケットC (3)と、符号化パケットCから受信済のパケットP,Pの情報を除去した後の符号化パケットC (3)と、符号化パケットCから受信済のパケットP,Pの情報を除去した後の符号化パケットC (3)とを算出する。その結果、次式が得られる。
【0172】
【数12】
【0173】
受信機21は、式(12A),(12B),(12C)の連立方程式を解くことによってパケットP,P,Pを復号できる。
【0174】
なお、受信機21は、符号化パケットから受信済のパケットの情報を除去した後の符号化パケットCが1個のパケットのみを含むとき、次式によって符号化パケットCを1個のパケットPKT_Nに変換する。
【0175】
【数13】
【0176】
この場合、受信機21は、受信済のパケットの情報を除去した符号化パケットCを式(13)の“Y”に代入し、受信済のパケットの情報を除去した符号化パケットCのいずれかに含まれる1個の符号Cを式(13)の“C”に代入する。なお、式(13)の演算は、ガロア体GF(2)上の演算である。
【0177】
図11は、バーストを構成するパケットの別の送信方法を説明するための図である。図11を参照して、処理手段112は、図10において説明したように、パケットP~Pをそれぞれバッファ111にコピーする毎に、それぞれ、符号化パケットC~Cを生成する。
【0178】
処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーし、符号化パケットCをパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。
【0179】
その後、処理手段112は、符号化パケットCを生成し、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーし、符号化パケットCをパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。
【0180】
更に、処理手段112は、符号化パケットCを生成し、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーし、符号化パケットCをパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。
【0181】
更に、処理手段112は、符号化パケットCを生成し、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーし、符号化パケットCをパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。
【0182】
更に、処理手段112は、符号化パケットCを生成し、パケットPが送信機11に到着すると、パケットPをバッファ111にコピーし、符号化パケットCをパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。なお、符号化パケットCは、パケットP~Pを含むが(式(5)参照)、バーストを構成するパケットP~Pのうちの最後に送信機11に到着したパケットPに符号化パケットCを付与して結合パケットを生成する場合、符号化パケットCは、バッファ111に格納された全てのパケットP~Pを含む。従って、結合パケットP/Cにおける符号化パケットCは、上記の式(5)ではなく、図11に示すようにパケットP~Pの全てを含む。
【0183】
このように、Piggybackによる符号化パケットの送信は、バーストを構成するパケットP~PのうちのパケットP~Pの各々において実行されてもよい。
【0184】
結合パケットP/Cを受信装置2へ送信した後、処理手段112は、図10において説明したように、符号化パケットC~Cをそれぞれ単独で受信装置2へ送信する。
【0185】
図12は、バーストを構成するパケットの更に別の送信方法を説明するための図である。
【0186】
図12を参照して、処理手段112は、図10において説明したように、パケットP~Pをそれぞれバッファ111にコピーする毎に、それぞれ、符号化パケットC~Cを生成する。
【0187】
処理手段112は、パケットP~Pがそれぞれ送信機11に到着したタイミングでは、それぞれ符号化パケットC~CをパケットP~Pに付与せずに、パケットP~Pをそれぞれ単独で受信装置2へ送信する。
【0188】
そして、処理手段112は、パケットPが送信機11に到着すると、符号化パケットPをパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成し、その生成した結合パケットP/Cをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12および/または無線器13に割り振って結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。この場合も、符号化パケットPは、上記の式(5)ではなく、図12に示すようにパケットP~Pの全てを含む。
【0189】
このように、Piggybackによる符号化パケットの送信は、バーストを構成するパケットP~Pのうちの最後のパケットPのみにおいて実行されてもよい。
【0190】
結合パケットP/Cを受信装置2へ送信した後、処理手段112は、図10において説明したように、符号化パケットC~Cをそれぞれ単独で受信装置2へ送信する。
【0191】
図10から図12において説明したように、この発明の実施の形態においては、結合パケットによる符号化パケットの送信(即ち、Piggybackによる符号化パケットの送信)は、バーストを構成するパケットP~Pのうち、パケットP~Pから選択された1個以上のパケットがそれぞれ送信機11に到着したタイミングで実行されればよい。
【0192】
図13は、パケットを無線器12,13に割り振る方法を示す図である。図13は、図10において説明したパケットの送信方法におけるパケットの無線器12,13への割振方法を示す。なお、図13は、ラウンドロビン伝送方式によってパケットを無線器12,13に順次割り振る方法を示す。
【0193】
図13を参照して、処理手段112は、パケットPを送信する場合、チャネルCH_1,CH_2がそれぞれ無線器12,13におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含むパケットP(CH_IF)を無線器12に割り振ってパケットP(CH_IF)を受信装置2へ送信する。
【0194】
次に、処理手段112は、パケットPを送信する場合、チャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含むパケットP(CH_IF)を無線器13に割り振ってパケットP(CH_IF)を受信装置2へ送信する。
【0195】
引き続いて、処理手段112は、結合パケットP/Cを送信する場合、チャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFを結合パケットP/CにおけるパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含む結合パケットP(CH_IF)/Cを無線器12に割り振って結合パケットP(CH_IF)/Cを受信装置2へ送信する。
【0196】
更に、処理手段112は、パケットPを送信する場合、チャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含むパケットP(CH_IF)を無線器13に割り振ってパケットP(CH_IF)を受信装置2へ送信する。
【0197】
更に、処理手段112は、結合パケットP/Cを送信する場合、チャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFを結合パケットP/CにおけるパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含む結合パケットP(CH_IF)/Cを無線器12に割り振って結合パケットP(CH_IF)/Cを受信装置2へ送信する。
【0198】
更に、処理手段112は、パケットPを送信する場合、チャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含むパケットP(CH_IF)を無線器13に割り振ってパケットP(CH_IF)を受信装置2へ送信する。
【0199】
更に、処理手段112は、符号化パケットCを送信する場合、チャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFを符号化パケットCにおけるCoded InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含む符号化パケットC(CH_IF)を無線器12に割り振って符号化パケットC(CH_IF)を受信装置2へ送信する。
【0200】
更に、処理手段112は、符号化パケットCを送信する場合、チャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFを符号化パケットCにおけるCoded InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含む符号化パケットC(CH_IF)を無線器13に割り振って符号化パケットC(CH_IF)を受信装置2へ送信する。
【0201】
更に、処理手段112は、符号化パケットCを送信する場合、チャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFを符号化パケットCにおけるCoded InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含む符号化パケットC(CH_IF)を無線器12に割り振って符号化パケットC(CH_IF)を受信装置2へ送信する。
【0202】
このように、処理手段112は、パケットP,P,P,P、結合パケットP/C,P/Cおよび符号化パケットC~Cのそれぞれを割り振る無線器の全ての無線器におけるチャネルを示すチャネル情報CH_IFを含めてパケットP,P,P,P、結合パケットP/C,P/Cおよび符号化パケットC~Cをラウンドロビン伝送方式によって無線器12,13に順次割り振る。
【0203】
送信装置1において、処理手段112が図13に示す方法でパケットを無線器12,13に順次割り振った場合、無線器12は、パケットP(CH_IF)、結合パケットP(CH_IF)/C,P(CH_IF)/Cおよび符号化パケットC(CH_IF),C(CH_IF)を、順次、ブロードキャストし、無線器13は、パケットP(CH_IF),P(CH_IF),P(CH_IF)および符号化パケットC(CH_IF)を、順次、ブロードキャストする。
【0204】
そして、受信装置2は、通信領域CM_REG1に向かって移動し、通信領域CM_REG2内に入ると、送信装置1の無線器12,13によってブロードキャストされたパケットP(CH_IF),P(CH_IF),P(CH_IF),P(CH_IF)、結合パケットP(CH_IF)/C,P(CH_IF)/Cおよび符号化パケットC(CH_IF),C(CH_IF),C(CH_IF)の少なくとも1つを受信する。
【0205】
この場合、受信装置2において、無線器22は、チャネルCH_1でパケットを受信し、無線器23は、チャネルCH_2でパケットを受信する。そして、通信領域CM_REG2は、通信領域CM_REG1よりもパケットロスが多い領域であるので、無線器22が送信装置1の無線器12によってブロードキャストされたパケットP(CH_IF)、結合パケットP(CH_IF)/C,P(CH_IF)/Cおよび符号化パケットC(CH_IF),C(CH_IF)をパケットロスによって受信できなくても、無線器23が送信装置1の無線器13によってブロードキャストされたパケットP(CH_IF),P(CH_IF),P(CH_IF)および符号化パケットC(CH_IF)の少なくとも1つをチャネルCH_2で受信できれば、受信装置2の処理手段211は、無線器23によって受信されたパケットP(CH_IF),P(CH_IF),P(CH_IF)および符号化パケットC(CH_IF)の少なくとも1つに含まれるチャネル情報CH_IFに基づいて、送信装置1の無線器12におけるチャネルがチャネルCH_1であることを検出し、送信装置1の無線器12とチャネルCH_1でチャネル接続するように無線器22を制御し、無線器22は、処理手段211からの制御に従って、チャネルCH_1で送信装置1の無線器12とチャネル接続する。
【0206】
また、無線器23が送信装置1の無線器13によってブロードキャストされたパケットP(CH_IF),P(CH_IF),P(CH_IF)および符号化パケットC(CH_IF)をパケットロスによって受信できなくても、無線器22が送信装置1の無線器12によってブロードキャストされたパケットP(CH_IF)、結合パケットP(CH_IF)/C,P(CH_IF)/Cおよび符号化パケットC(CH_IF),C(CH_IF)の少なくとも1つをチャネルCH_1で受信できれば、受信装置2の処理手段211は、無線器22によって受信されたパケットP(CH_IF)、結合パケットP(CH_IF)/C,P(CH_IF)/Cおよび符号化パケットC(CH_IF),C(CH_IF)の少なくとも1つに含まれるチャネル情報CH_IFに基づいて、送信装置1の無線器13におけるチャネルがチャネルCH_2であることを検出し、送信装置1の無線器13とチャネルCH_2でチャネル接続するように無線器23を制御し、無線器23は、処理手段211からの制御に従って、チャネルCH_2で送信装置1の無線器13とチャネル接続する。
【0207】
従って、受信装置2は、通信領域CM_REG1内に入るまでに、無線器22,23と送信装置1の無線器12,13とのチャネル接続を完了することができる。
【0208】
図14は、パケットを無線器12,13に割り振る別の方法を示す図である。図14は、図10において説明したパケットの送信方法におけるパケットの無線器12,13への別の割振方法を示す。なお、図14は、多重伝送方式によってパケットを無線器12,13に割り振る方法を示す。
【0209】
図14を参照して、処理手段112は、パケットPを送信する場合、チャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納してチャネル情報CH_IFを含むパケットP(CH_IF)を生成する。そして、処理手段112は、パケットP(CH_IF)を無線器12,13に割り振って、パケットP(CH_IF)を2個の無線器12,13によって受信装置2へ送信する。
【0210】
次に、処理手段112は、パケットPを送信する場合、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納してチャネル情報CH_IFを含むパケットP(CH_IF)を生成する。そして、処理手段112は、パケットP(CH_IF)を無線器12,13に割り振って、パケットP(CH_IF)を2個の無線器12,13によって受信装置2へ送信する。
【0211】
引き続いて、処理手段112は、結合パケットP/Cを送信する場合、その生成したチャネル情報CH_IFを結合パケットP/CのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納してチャネル情報CH_IFを含む結合パケットP(CH_IF)/Cを生成する。そして、処理手段112は、結合パケットP(CH_IF)/Cを無線器12,13に割り振って、結合パケットP(CH_IF)/Cを2個の無線器12,13によって受信装置2へ送信する。
【0212】
更に、処理手段112は、パケットPを送信する場合、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納してチャネル情報CH_IFを含むパケットP(CH_IF)を生成する。そして、処理手段112は、パケットP(CH_IF)を無線器12,13に割り振って、パケットP(CH_IF)を2個の無線器12,13によって受信装置2へ送信する。
【0213】
更に、処理手段112は、結合パケットP/Cを送信する場合、その生成したチャネル情報CH_IFを結合パケットP/CのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納してチャネル情報CH_IFを含む結合パケットP(CH_IF)/Cを生成する。そして、処理手段112は、結合パケットP(CH_IF)/Cを無線器12,13に割り振って、結合パケットP(CH_IF)/Cを2個の無線器12,13によって受信装置2へ送信する。
【0214】
更に、処理手段112は、パケットPを送信する場合、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPのPacket InfoのCh_If(図6参照)に格納してチャネル情報CH_IFを含むパケットP(CH_IF)を生成する。そして、処理手段112は、パケットP(CH_IF)を無線器12,13に割り振って、パケットP(CH_IF)を2個の無線器12,13によって受信装置2へ送信する。
【0215】
更に、処理手段112は、符号化パケットCを送信する場合、その生成したチャネル情報CH_IFを符号化パケットCのCoded InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含む符号化パケットC(CH_IF)を生成する。そして、処理手段112は、符号化パケットC(CH_IF)を無線器12,13に割り振って、符号化パケットC(CH_IF)を2個の無線器12,13によって受信装置2へ送信する。
【0216】
更に、処理手段112は、符号化パケットCを送信する場合、その生成したチャネル情報CH_IFを符号化パケットCのCoded InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含む符号化パケットC(CH_IF)を生成する。そして、処理手段112は、符号化パケットC(CH_IF)を無線器12,13に割り振って、符号化パケットC(CH_IF)を2個の無線器12,13によって受信装置2へ送信する。
【0217】
更に、処理手段112は、符号化パケットCを送信する場合、その生成したチャネル情報CH_IFを符号化パケットCのCoded InfoのCh_If(図6参照)に格納し、チャネル情報CH_IFを含む符号化パケットC(CH_IF)を生成する。そして、処理手段112は、符号化パケットC(CH_IF)を無線器12,13に割り振って、符号化パケットC(CH_IF)を2個の無線器12,13によって受信装置2へ送信する。
【0218】
このように、処理手段112は、パケットP,P,P,P、結合パケットP/C,P/Cおよび符号化パケットC~Cのそれぞれを割り振る全ての無線器におけるチャネルを示すチャネル情報CH_IFを含めてパケットP,P,P,P、結合パケットP/C,P/Cおよび符号化パケットC~Cを多重伝送方式によって無線器12および無線器13に割り振る。
【0219】
処理手段112が図14において説明した方法によってパケットP等を無線器12,13に割り振った場合も、図13において説明したように、受信装置2は、通信領域CM_REG1内に入るまでに、無線器22,23と送信装置1の無線器12,13とのチャネル接続を完了することができる。
【0220】
なお、図11および図12において説明したパケットの送信方法によってパケットを送信する場合も、処理手段112は、図13および図14において説明した方法によってパケット(単体パケット、結合パケットおよび符号化パケットのいずれかからなる。)をラウンドロビン伝送方式または多重伝送方法によって無線器12,13に割り振る。
【0221】
送信装置1においては、一般的に、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Q(Qは、2以上の整数)の送信用無線器WD_TR_QがUSBまたはPCIeによって処理手段112に接続され、または第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qが有線LANによって処理手段112に接続される。第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qは、それぞれ、チャネルCH_1~CH_Qによってパケットを送信する。
【0222】
そして、受信装置2においては、一般的に、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_QがUSBまたはPCIeによって処理手段211に接続され、または第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qが有線LANによって処理手段211に接続される。第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qは、それぞれ、チャネルCH_1~CH_Qによってパケットを受信する。
【0223】
この場合、処理手段112は、第1のチャネルCH_1~第QのチャネルCH_Qがそれぞれ第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qにおけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFをアプリケーション20から受信したパケットに追加してパケットPKT(CH_IF)を生成し、その生成したパケットPKT(CH_IF)を、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qにそれぞれ出力する第1のパケットPKT(CH_IF)~第QのパケットPKT(CH_IF)として第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qへ出力する。
【0224】
第1のパケットPKT(CH_IF)~第QのパケットPKT(CH_IF)は、それぞれ、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qが送信するパケットを表すものであり、図13において説明したラウンドロビン伝送方式によって第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qに順次割り振られるパケットと異なるものであり、図14において説明した多重伝送方式によって第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qの全てに割り振られる各パケットとも異なるものである。
【0225】
このように、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qは、それぞれ第1のパケットPKT(CH_IF)~第QのパケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_1~CH_Qで送信するので、受信装置2において、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qのうちの1つの受信用無線器WD_RV_qがチャネルCH_qで第qのパケットPKT(CH_IF)を受信すれば、処理手段211は、パケットPKT(CH_IF)に含まれるチャネル情報CH_IFに基づいて、送信装置1の第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qがそれぞれパケットの送信に用いるチャネルCH_1~CH_Qの全てを検出することができ、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qがそれぞれ送信装置1の第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qとチャネル接続するように第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qを制御する。
【0226】
従って、受信装置2は、通信領域CM_REG1内に入るまでに、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qと送信装置1の第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qとのチャネル接続を完了することができる。
【0227】
図15は、図1に示す送信装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図15を参照して、送信装置1の動作が開始されると、処理手段112は、シーケンス番号SNをSN=0に設定する(ステップS1)。そして、処理手段112は、パケットがバッファ111に到着したか否かを判定する(ステップS2)。
【0228】
ステップS2において、パケットPKT_Nがバッファ111に到着したと判定されたとき、処理手段112は、SN=SN+1を設定し(ステップS3)、シーケンス番号SNとパケット長LとをパケットPKT_Nに追加し、シーケンス番号SN、パケット長LおよびパケットPKT_Nをバッファ111にコピーする(ステップS4)。なお、ステップS3が実行されることによって、バッファ111(即ち、送信機11)に到着した順番を示すシーケンス番号SNがパケットPKT_Nおよびパケット長Lと共にバッファ111に格納される。
【0229】
その後、処理手段112は、符号化パケットCを送信するか否かを判定する(ステップS5)。図10から図12において説明したように、結合パケットによる符号化パケットの送信(即ち、Piggybackによる符号化パケットの送信)は、バーストを構成するパケットP~Pのうち、パケットP~Pから選択された1個以上のパケットがそれぞれ送信機11に到着したタイミングで実行されるので、結合パケットによる符号化パケットの送信(即ち、Piggybackによる符号化パケットの送信)を実行するパケットPPiggybackを予め決定しておき、その決定したパケットPPiggybackがバッファ111(即ち、送信機11)に到着すると、処理手段112は、符号化パケットCを送信すると判定し、パケットPPiggyback以外のパケットがバッファ111(即ち、送信機11)に到着すると、符号化パケットCを送信しないと判定する。
【0230】
ステップS5において、符号化パケットCを送信すると判定されたとき、処理手段112は、符号化パケットをNパケットPKT_Nに付与し(ステップS6)、結合パケットを生成する。
【0231】
そして、ステップS5において、符号化パケットCを送信しないと判定されたとき、またはステップS6の後、処理手段112は、パケットの送信に用いる全ての無線器(無線器12,13)におけるチャネルを示すチャネル情報CH_IFを含むパケットを生成し、その生成したパケットをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式に従って無線器12,13に割り振り、無線器12,13は、処理手段112によって割り振られたパケットをそれぞれチャネルCH_1,CH_2で受信装置2へ送信する(ステップS7)。
【0232】
その後、処理手段112は、上述した方法によって、バッファ111に格納されたパケットから符号化パケットCを生成する(ステップS8)。
【0233】
そして、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0234】
一方、ステップS2において、パケットがバッファ111に到着しなかったと判定されたとき、処理手段112は、最後のパケットがバッファ111に到着してからTミリ秒が経過したか否かを判定する(ステップS9)。
【0235】
ステップS9において、最後のパケットがバッファ111に到着してからTミリ秒が経過したと判定されたとき、処理手段112は、符号化パケットCの送信に用いる全ての無線器(無線器12,13)におけるチャネルを示すチャネル情報CH_IFを含む符号化パケットCを生成し、その生成した符号化パケットCをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式に従って無線器12,13に割り振り、無線器12,13は、処理手段112によって割り振られた符号化パケットCをそれぞれチャネルCH_1,CH_2で受信装置2へ送信する(ステップS10)。
【0236】
その後、処理手段112は、符号化パケットCの送信数がKであるか否かを判定する(ステップS11)。
【0237】
ステップS11において、符号化パケットCの送信数がKでないと判定されたとき、処理手段112は、バッファ111に格納されたパケットから符号化パケットCを生成する(ステップS12)。その後、一連の動作は、ステップS10へ移行し、ステップS11において、符号化パケットCの送信数がKであると判定されるまで、ステップS10~ステップS12が繰り返し実行される。
【0238】
そして、ステップS11において、符号化パケットCの送信数がKであると判定されると、処理手段112は、バッファ111をクリアする(ステップS13)。その後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。また、ステップS9において、最後のパケットがバッファ111に到着してからTミリ秒が経過していないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0239】
なお、送信装置1が第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qを備える場合、ステップS7,S10の動作は、次のようになる。
【0240】
ステップS5において、符号化パケットCを送信しないと判定されたとき、またはステップS6の後、処理手段112は、パケットの送信に用いる全ての無線器(=第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Q)におけるチャネルを示すチャネル情報CH_IFを含むパケットを生成し、その生成したパケットをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式に従って第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qに割り振り、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qは、処理手段112によって割り振られたパケットをそれぞれチャネルCH_1~CH_Qで受信装置2へ送信する(ステップS7)。
【0241】
また、ステップS9において、最後のパケットがバッファ111に到着してからTミリ秒が経過したと判定されたとき、処理手段112は、符号化パケットCの送信に用いる全ての無線器(=第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Q)におけるチャネルを示すチャネル情報CH_IFを含む符号化パケットCを生成し、その生成した符号化パケットCをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式に従って第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qに割り振り、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qは、処理手段112によって割り振られた符号化パケットCをそれぞれチャネルCH_1~CH_Qで受信装置2へ送信する(ステップS10)。
【0242】
図16は、図15に示すフローチャートのステップS7の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0243】
なお、図16に示すフローチャートは、ラウンドロビン伝送方式に従ってパケットを第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qに割り振る場合における図15のステップS7の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0244】
図16を参照して、図15のステップS5において、符号化パケットCを送信しないと判定されたとき、またはステップS6の後、処理手段112は、全ての送信用無線器WD_TR_1~WD_TR_QにおけるQ個のチャネルを示すチャネル情報CH_IFを生成する(ステップS71)。
【0245】
そして、処理手段112は、チャネル情報CH_IFをパケットのPacket Info(またはCoded Info)のCh_Ifに格納して送信用パケットPKT(CH_IF)を生成する(ステップS72)。
【0246】
その後、処理手段112は、ステップS7を(c・Q+1)回目に実行するか否かを判定する(ステップS73)。ここで、cは、図16に示すフローチャート(即ち、図15のステップS7)がQ回実行される回数を示す引き数であり、図16に示すフローチャート(即ち、図15のステップS7)が1回目~Q回目のQ回実行されるとき、c=0であり、図16に示すフローチャート(即ち、図15のステップS7)が(Q+1)回目~2Q回目のQ回実行されるとき、c=1であり、図16に示すフローチャート(即ち、図15のステップS7)が(2Q+1)回目~3Q回目のQ回実行されるとき、c=2であり、以後、図16に示すフローチャート(即ち、図15のステップS7)がQ回実行される毎にc=3,4,5,6,・・・と増加する。
【0247】
ステップS73において、ステップS7を(c・Q+1)回目に実行すると判定されたとき、処理手段112は、g=0を設定する(ステップS74)。ここで、gは、g=0,1,2,3,・・・である。
【0248】
そして、ステップS73において、ステップS7を(c・Q+1)回目に実行するのではないと判定されたとき、またはステップS74の後、処理手段112は、g=g+1を設定する(ステップS75)。
【0249】
その後、処理手段112は、q=mod(g,(Q+1))を算出する(ステップS76)。
【0250】
そうすると、処理手段112は、送信用パケットPKT(CH_IF)を第qの送信用無線器WD_TR_qに割り振る(ステップS77)。そして、第qの送信用無線器WD_TR_qは、処理手段112によって割り振られた送信用パケットPKT(CH_IF)をチャネルCH_qで送信する(ステップS78)。その後、一連の動作は、図15のステップS8へ移行する。
【0251】
図16に示すフローチャートにおいては、単体パケットまたは結合パケットが送信される場合、ステップS71において、処理手段112は、全ての送信用無線器WD_TR_1~WD_TR_QにおけるQ個のチャネルを示すチャネル情報CH_IFを生成する。そして、ステップS72において、処理手段112は、チャネル情報CH_IFをパケットのPacket InfoのCh_Ifに格納して送信用パケットPKT(CH_IF)を生成する。一方、符号化パケットが送信される場合、ステップS72において、処理手段112は、チャネル情報CH_IFをパケットのCoded InfoのCh_Ifに格納して送信用パケットPKT(CH_IF)を生成する。
【0252】
図16に示すフローチャートが1回目に実行されるとき、ステップS73において、ステップS7を(c・Q+1)=(0・Q+1)=1回目に実行すると判定され、ステップS74,S75,S76が順次実行されたとき、ステップS76において、q=mod(g,(Q+1))=mod(1,(Q+1))=1が算出される。
【0253】
そして、ステップS77において、送信用パケットPKT(CH_IF)が第1の送信用無線器WD_TR_1に割り振られ、ステップS78において、第1の送信用無線器WD_TR_1が送信用パケットPKT(CH_IF)をチャネルCH_1で送信する。
【0254】
引き続いて、図16に示すフローチャートが2回目に実行されるとき、処理手段112は、図16に示すフローチャートが1回目に実行される場合と同様にして、ステップS71,S72によって、送信用パケットPKT(CH_IF)を生成する。
【0255】
その後、ステップS73において、ステップS7を(c・Q+1)=(0・Q+1)=1回目に実行するのではないと判定され、ステップS75において、g=g+1=2が算出され、ステップS76において、q=mod(g,(Q+1))=mod(2,(Q+1))=2が算出される。
【0256】
そして、ステップS77において、送信用パケットPKT(CH_IF)が第2の送信用無線器WD_TR_2に割り振られ、ステップS78において、第2の送信用無線器WD_TR_2が送信用パケットPKT(CH_IF)をチャネルCH_2で送信する。
【0257】
更に、図16に示すフローチャートが3回目に実行されるとき、処理手段112は、図16に示すフローチャートが1回目に実行される場合と同様にして、ステップS71,S72によって、送信用パケットPKT(CH_IF)を生成する。
【0258】
その後、ステップS73において、ステップS7を(c・Q+1)=(0・Q+1)=1回目に実行するのではないと判定され、ステップS75において、g=g+1=3が算出され、ステップS76において、q=mod(g,(Q+1))=mod(3,(Q+1))=3が算出される。
【0259】
そして、ステップS77において、送信用パケットPKT(CH_IF)が第3の送信用無線器WD_TR_3に割り振られ、ステップS78において、第3の送信用無線器WD_TR_3が送信用パケットPKT(CH_IF)をチャネルCH_3で送信する。
【0260】
これ以降、図16に示すフローチャートが4回目~Q回目の(Q-3)回繰り返し実行され、ステップS71→ステップS72→ステップS73の“NO”→ステップS75→ステップS76が順次実行され、q=4,5,6,・・・,Qが順次算出され、ステップS77において、送信用パケットPKT_4(CH_IF),PKT_5(CH_IF),PKT_6(CH_IF),・・・,PKT_Q(CH_IF)がそれぞれ第4の送信用無線器WD_TR_4、第5の送信用無線器WD_TR_5、第6の送信用無線器WD_TR_6,・・・、第Qの送信用無線器WD_TR_Qに順次割り振られ、ステップS78において、第4の送信用無線器WD_TR_4、第5の送信用無線器WD_TR_5、第6の送信用無線器WD_TR_6,・・・、第Qの送信用無線器WD_TR_Qがそれぞれ送信用パケットPKT_4(CH_IF),PKT_5(CH_IF),PKT_6(CH_IF),・・・,PKT_Q(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_4,CH_5,CH_6,・・・,CH_Qで送信する。
【0261】
従って、図16に示すフローチャートに従って図15のステップS7の詳細な動作を実行することによって、チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットPKT_1(CH_IF)~PKT_Q(CH_IF)がラウンドロビン伝送方式に従って第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qに順次割り振られ、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qがそれぞれ送信用パケットPKT_1(CH_IF)~PKT_Q(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_1~CH_Qで順次送信することになる。
【0262】
そして、図16に示すフローチャートが(Q+1)回目に実行されるとき、ステップS71,S72において、上述した図16に示すフローチャートが1回目に実行されるときの動作と同じ動作が実行され、ステップS73において、ステップS7を(c・Q+1)=(1・Q+1)=(Q+1)回目に実行すると判定され、ステップS74,S75,S76が順次実行されて、ステップS76において、q=mod(g,(Q+1))=mod(1,(Q+1))=1が算出される。
【0263】
そして、ステップS77,S78において、上述した図16に示すフローチャートが1回目に実行されるときの動作と同じ動作が実行される。
【0264】
また、図16に示すフローチャートが(Q+2)回目~(2Q)回目の(Q-1)回実行されるとき、ステップS71,S72において、上述した図16に示すフローチャートが2回目~Q回目に実行されるときの動作と同じ動作が実行され、ステップS73において、ステップS7を(c・Q+1)=(1・Q+1)=(Q+1)回目に実行するのではないと判定され、ステップS75,S76が順次実行されて、ステップS76において、q=mod(g,(Q+1))=2,3,・・・,nが順次算出される。
【0265】
そして、ステップS77,S78において、上述した図16に示すフローチャートが2回目~Q回目に実行されるときの動作と同じ動作が実行される。
【0266】
以後、図16に示すフローチャートがQ回実行される毎に、cがc=2,3,4,・・・と増加し、上述した動作が繰り返し実行される。
【0267】
送信用無線器の個数QがQ=2およびQ=3である場合について、図15に示すフローチャートを実行したときのステップS7の実行回数と、cの値と、c・Q+1の値と、ステップS73の判定結果と、ステップS75におけるgの値と、ステップS76におけるmod(g,(Q+1))の算出結果qと、ラウンドロビン伝送方式に従ってパケットが割り振られる無線器qとの関係を表1および表2に示す。
【0268】
【表1】
【0269】
【表2】
【0270】
表1に示すように、送信用無線器の個数QがQ=2である場合、パケットがラウンドロビン伝送方式に従って送信用無線器WD_TR_1(=無線器12)、送信用無線器WD_TR_2(=無線器13)、送信用無線器WD_TR_1(=無線器12)、送信用無線器WD_TR_2(=無線器13)、送信用無線器WD_TR_1(=無線器12)、送信用無線器WD_TR_2(=無線器13)、・・・に順次割り振られていることが分かる。
【0271】
また、表2に示すように、送信用無線器の個数QがQ=3である場合、パケットがラウンドロビン伝送方式に従って送信用無線器WD_TR_1、送信用無線器WD_TR_2、送信用無線器WD_TR_3、送信用無線器WD_TR_1、送信用無線器WD_TR_2、送信用無線器WD_TR_3、・・・に順次割り振られていることが分かる。
【0272】
そして、表1および表2が示されていれば、QがQ≧4以上である場合についても、パケットをラウンドロビン伝送方式に従って送信用無線器WD_TR_1、送信用無線器WD_TR_2、送信用無線器WD_TR_3、送信用無線器WD_TR_4・・・に順次割り振ることができる。
【0273】
従って、図16に示すフローチャートに従って図15のステップS7の詳細な動作を実行することによって、チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットPKT(CH_IF)をラウンドロビン伝送方式に従って第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qに順次割り振って送信することができる。
【0274】
なお、バーストを構成するパケットの個数MBurstと送信用無線器の個数Qとの大小関係によって図16に示すフローチャートの実行回数が決定される。バーストを構成するパケットは、アプリケーション20から連続して送信機11に届くので、バーストを構成するパケットが連続して送信機11に届いているとき、図15のステップS2において、パケットが到着したと判定される毎に、ステップS7(即ち、図16に示すフローチャート)が実行されるからである。
【0275】
そして、MBurst<Qであるとき、パケットは、ラウンドロビン伝送方式に従って送信用無線器WD_TRの総数Qよりも少ない個数の送信用無線器WD_TRに順次割り振られて送信される。
【0276】
また、MBurst=Qであるとき、パケットは、ラウンドロビン伝送方式に従って第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qの全てに順次割り振られて送信される。
【0277】
更に、MBurst>Qであるとき、パケットは、第1の送信用無線器WD_TR_1、第2の送信用無線器WD_TR_2、第3の送信用無線器WD_TR_3、・・・、第Qの送信用無線器WD_TR_Q、第1の送信用無線器WD_TR_1、第2の送信用無線器WD_TR_2、・・・のようにリング状にした第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qにラウンドロビン伝送方式に従って順次割り振られて送信される。
【0278】
図17は、図15に示すフローチャートのステップS7の詳細な動作を説明するための別のフローチャートである。
【0279】
なお、図17に示すフローチャートは、多重伝送方式に従ってパケットを第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qに割り振る場合における図15のステップS7の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0280】
図17を参照して、図15のステップS5において、符号化パケットCを送信しないと判定されたとき、またはステップS6の後、処理手段112は、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_1におけるQ個のチャネルを示すチャネル情報CH_IFを生成する(ステップS71A)。
【0281】
そして、処理手段112は、チャネル情報CH_IFをパケットのPacket Info(またはCoded Info)のCh_Ifに格納して送信用パケットPKT(CH_IF)を生成する(ステップS72A)。
【0282】
その後、処理手段112は、送信用パケットPKT(CH_IF)を多重伝送方式に従って第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qに割り振る(ステップS73A)。
【0283】
その後、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qは、送信用パケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_1~CH_Qで送信する(ステップS74A)。ステップS74Aの後、一連の動作は、図15のステップS8へ移行する。
【0284】
図17に示すフローチャートにおいては、単体パケットまたは結合パケットが送信される場合、ステップS71Aにおいて、処理手段112は、チャネル情報CH_IFを生成し、ステップS72Aにおいて、処理手段112は、チャネル情報CH_IFをパケットのPacket InfoのCh_Ifに格納して送信用パケットPKT(CH_IF)を生成する。一方、符号化パケットが送信される場合、ステップS72Aにおいて、処理手段112は、チャネル情報CH_IFをパケットのCoded InfoのCh_Ifに格納して送信用パケットPKT(CH_IF)を生成する。
【0285】
そして、ステップS73Aにおいて、処理手段112は、送信用パケットPKT(CH_IF)を多重伝送方式に従って第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qに割り振り、ステップS74Aにおいて、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qは、送信用パケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_1~CH_Qで受信装置2へ送信する。
【0286】
従って、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qが送信用パケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_1~CH_Qで送信することによって、1個の送信用パケットPKT(CH_IF)を相互に異なるQ個のチャネルCH_1~CH_Qで送信できる。
【0287】
なお、図15のステップS10の詳細な動作は、図16に示すフローチャートまたは図17に示すフローチャートに従って実行される。
【0288】
そして、ステップS10の詳細な動作が図16に示すフローチャートに従って実行される場合、処理手段112は、図16のステップS73において、「ステップS7を(c・Q+1)回目に実行するか否かを判定する」ことに代えて、「ステップS10を(c・Q+1)回目に実行するか否かを判定する」ことを実行する。
【0289】
また、図15のステップS7の詳細な動作を実行するフローチャートと図15のステップS10の詳細な動作を実行するフローチャートとの組合せは、表3に示す通りである。
【0290】
【表3】
【0291】
表3に示すように、図15のステップS7の詳細な動作を実行するフローチャートは、図15のステップS10の詳細な動作を実行するフローチャートと同じあってもよく、図15のステップS10の詳細な動作を実行するフローチャートと異なっていてもよい。
【0292】
パケットの受信装置2への到達率を高くする観点からは、図15のステップS7の詳細な動作を実行するフローチャートおよび図15のステップS10の詳細な動作を実行するフローチャートが図17に示すフローチャートからなるのが好ましい。図17に示すフローチャートは、多重伝送方式(即ち、各パケットを無線器12,13の両方を用いて送信する方式)によってパケットを送信するので、パケットの受信装置2への到達率を高くできるからである。
【0293】
また、図15のステップS7の詳細な動作を実行するフローチャートが図16に示すフローチャートからなる場合、図15のステップS10の詳細な動作を実行するフローチャートは、好ましくは、図17に示すフローチャートからなる。図15のステップS7においては、単体パケットまたは結合パケットが送信され、図15のステップS10においては、符号化パケットが送信されるので、単体パケットまたは結合パケットが図16に示すフローチャートに従ってラウンドロビン伝送方式によって送信され、受信装置2において、受信できなかったパケットが多くなっても、図15のステップS10において、符号化パケットが図17に示すフローチャートに従って多重伝送方式によって送信されると、符号化パケットの受信装置2への到達率が高くなるので、図10において説明したように、受信装置2において、受信できなかったパケットを復号できるからである。
【0294】
図18は、図15に示すステップS8の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0295】
図18を参照して、図15のステップS7の後、処理手段112は、i=1を設定する(ステップS81)。ここで、iは、図15のステップS8が実行される時点においてバッファ111に格納された各パケットのシーケンス番号SNを示す引数である。そして、i=1は、バッファ111に格納されたパケットのうち、最も古いパケットを表す。
【0296】
ステップS81の後、処理手段112は、nバイトの長さを有する“000・・・0”からなる符号化パケットY={000・・・0}を生成する(ステップS82)。
【0297】
そして、処理手段112は、バッファ111からパケットXを取得する(ステップS83)。
【0298】
その後、処理手段112は、ガロア体(GF(2))によって(n÷8)ビット長の乱数を生成し、その生成した(n÷8)ビット長の乱数をCに格納する(ステップS84)。
【0299】
そうすると、処理手段112は、パケットXの各要素Xi,1~Xi,Li×8/nにCを掛け、C・XとYi-1との排他的論理和を演算する。即ち、処理手段112は、次式によってYを算出する(ステップS85)。
【0300】
【数14】
【0301】
引き続いて、処理手段112は、パケットXのシーケンス番号SN、パケット長Lおよび符号CをCoded infoに追加する(ステップS86)。
【0302】
そして、処理手段112は、i=Iであるか否かを判定する(ステップS87)。ここで、Iは、図15のステップS8が実行される時点においてバッファ111に格納されたパケットのシーケンス番号SNの最大値を示す。
【0303】
ステップS87において、i=Iでないと判定されたとき、処理手段112は、i=i+1を設定する(ステップS88)。その後、一連の動作は、ステップS83へ移行し、ステップS87において、i=Iであると判定されるまで、ステップS83~ステップS88が繰り返し実行される。
【0304】
そして、ステップS87において、i=Iであると判定されると、処理手段112は、YとCoded infoとからなる符号化パケットを生成する(ステップS89)。
【0305】
その後、一連の動作は、図15のステップS2へ移行する。
【0306】
なお、図15のステップS12の詳細な動作も、図18に示すフローチャートによって実行される。この場合、図15のステップS11において、符号化パケットの送信数がKでないと判定されたとき、ステップS81~ステップS89が順次実行され、ステップS89の後、一連の動作は、図15のステップS10へ移行する。
【0307】
送信装置1は、駆動されている限り、図15に示すステップS1~ステップS13(図16から図18に示すフローチャートを含む)を繰り返し実行する。
【0308】
ここで、図15に示すフローチャートが図16から図18に示すフローチャートを含むのは、表3に示すように、図15のステップS7の詳細な動作を実行するフローチャートと図15のステップS10の詳細な動作を実行するフローチャートとの組合せが、図16に示すフローチャートおよび図17に示すフローチャートのうちの一方と、図16に示すフローチャートおよび図17に示すフローチャートのうちの他方との組合せを含むからである。
【0309】
そして、図15のステップS7の詳細な動作を実行するフローチャートと図15のステップS10の詳細な動作を実行するフローチャートとが同じフローチャートである場合、「図15に示すフローチャート(図16および図18に示すフローチャートを含む)」または「図15に示すフローチャート(図17および図18に示すフローチャートを含む)」と表記されるべきである。
【0310】
そこで、この発明の実施の形態においては、「図15に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)」の表記は、「図15に示すフローチャート(図16および図18に示すフローチャートを含む)」の表記または「図15に示すフローチャート(図17および図18に示すフローチャートを含む)」の表記も含んでいるものとする。
【0311】
図15に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)においては、ステップS1が実行された後に、処理手段112は、ステップS2において、バーストを構成しないパケットPKT_N(1)(図5に示すPピクチャを示すパケット)がバッファ111に到着したと判定すると、上述したステップS3,S4を順次実行した後、ステップS5において符号化パケットCを送信しないと判定し、ステップS7において、無線器12,13を介してパケットPKT_N(1)を受信装置2へ送信する。
【0312】
その後、処理手段112は、ステップS8において、符号化パケットCを生成し、ステップS8の後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0313】
そして、処理手段112は、ステップS2において、バーストを構成しないパケットPKT_N(図5に示すPピクチャを示すパケット)がバッファ111に到着したと判定する毎に、ステップS3,S4、ステップS5の“NO”およびステップS7を順次実行して単体のパケットPKT_Nを受信装置2へ送信し、ステップS8において、符号化パケットCを生成する。その後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0314】
なお、ステップS8において、バーストを構成しないパケットPKT_N(1)を符号化して符号化パケットを生成し、ステップS2において、パケットが到着しなかったと判定され、ステップS9において、最後のパケットがバッファ111に到着してからTミリ秒が経過したと判定された場合、符号化パケット(ほぼ、Nパケットからなる。)がK回送信されることになる(ステップS10~ステップS12参照)。
【0315】
次に、バーストを構成するパケット(例えば、図10に示すパケットP~Pのいずれか)がバッファ111に到着したときの送信装置1の動作を説明する。
【0316】
処理手段112は、ステップS2において、パケットPがバッファ111に到着したと判定し、上述したステップS3,S4を順次実行した後、ステップS5において符号化パケットCを送信しないと判定し、ステップS7において、無線器12,13を介してパケットPを受信装置2へ送信する。
【0317】
そして、処理手段112は、ステップS8において、パケットPを含む符号化パケットCを生成し、その後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0318】
その後、処理手段112は、ステップS2において、パケットPがバッファ111に到着したと判定し、上述したステップS3,S4を順次実行した後、ステップS5において符号化パケットCを送信しないと判定し、ステップS7において、無線器12,13を介してパケットPを受信装置2へ送信する。そして、処理手段112は、ステップS8において、パケットP,Pを含む符号化パケットCを生成する。その後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0319】
引き続いて、処理手段112は、ステップS2において、パケットPがバッファ111に到着したと判定し、上述したステップS3,S4を順次実行した後、ステップS5において符号化パケットC(=符号化パケットC)を送信すると判定し、ステップS6において、符号化パケットCをパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成する。そして、処理手段112は、ステップS7において、無線器12,13を介して結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。その後、処理手段112は、ステップS8において、パケットP~Pを含む符号化パケットCを生成する。そして、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0320】
処理手段112は、符号化パケットCを生成した後、ステップS2において、パケットPがバッファ111に到着したと判定し、上述したステップS3,S4を順次実行した後、ステップS5において符号化パケットCを送信しないと判定し、ステップS7において、無線器12,13を介してパケットPを受信装置2へ送信する。そして、処理手段112は、ステップS8において、パケットP~Pを含む符号化パケットCを生成する。その後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0321】
処理手段112は、符号化パケットCを生成した後、ステップS2において、パケットPがバッファ111に到着したと判定し、上述したステップS3,S4を順次実行した後、ステップS5において符号化パケットCを送信すると判定し、ステップS6において、符号化パケットCをパケットPに付与して結合パケットP/Cを生成する。そして、処理手段112は、ステップS7において、無線器12,13を介して結合パケットP/Cを受信装置2へ送信する。
【0322】
その後、処理手段112は、ステップS8において、パケットP~Pを含む符号化パケットCを生成する。そして、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0323】
処理手段112は、符号化パケットCを生成した後、ステップS2において、パケットPがバッファ111に到着したと判定し、上述したステップS3,S4を順次実行した後、ステップS5において符号化パケットCを送信しないと判定し、ステップS7において、無線器12,13を介してパケットPを受信装置2へ送信する。そして、処理手段112は、ステップS8において、パケットP~Pを含む符号化パケットCを生成する。その後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0324】
引き続いて、処理手段112は、ステップS2において、パケットがバッファ111に到着しなかったと判定し、ステップS9において、最後のパケット(=パケットP)がバッファ111に到着した後、Tミリ秒が経過したと判定し、ステップS10において、無線器12,13を介して符号化パケットCを受信装置2へ送信する。そして、処理手段112は、ステップS11において、符号化パケットCの送信数がK(=3)でないと判定し、ステップS12において、バッファ111に格納されたパケットP~PからパケットP~Pを含む符号化パケットCを生成する。
【0325】
その後、処理手段112は、ステップS10において、無線器12,13を介して符号化パケットCを受信装置2へ送信する。
【0326】
引き続いて、処理手段112は、ステップS11において、符号化パケットCの送信数がK(=3)でないと判定し、ステップS12において、バッファ111に格納されたパケットP~PからパケットP~Pを含む符号化パケットCを生成する。
【0327】
その後、処理手段112は、ステップS10において、無線器12,13を介して符号化パケットCを受信装置2へ送信する。
【0328】
そして、処理手段112は、ステップS11において、符号化パケットCの送信数がK(=3)であると判定し、ステップS13において、バッファ111をクリアする。
【0329】
図15に示すフローチャートにおいては、ステップS11における符号化パケットの送信数は、ステップS10において送信された符号化パケットの個数であり、ステップS7において、結合パケットによって送信された符号化パケットの個数を含まない。
【0330】
また、図9の(a)において説明したように、バーストを構成するパケットの個数MBurstがバッファ111のサイズMBuffer以下である場合、図15のステップS2においてパケットが到着しなかったと判定されたとき、パケットP~Pがバッファ111に格納されているので、処理手段112は、ステップS12において、パケットP~Pの全てを含む符号化パケットC,Cを生成することができる。その結果、ステップS7において、符号化パケット(符号化パケットC~Cの少なくとも1つ)を含む結合パケットまたは単体のパケット(図10のパケットP,P,P,P等)が受信装置2によって受信できなくても、ステップS10において、受信装置2が受信できなかったパケット(パケットP~Pのうちの一部のパケット)の個数以上の個数の符号化パケット(符号化パケットC,C等)を受信装置2へ送信するように“K”を決定することによって、受信装置2が受信できなかったパケット(パケットP~Pのうちの一部のパケット)を復号できる。
【0331】
更に、図9の(b)において説明したように、バーストを構成するパケットの個数MBurstがバッファ111のサイズMBufferよりも大きい場合、図11に示すように、パケットP~P10がそれぞれ送信機11に到着したタイミングで、パケットP~P10に、それぞれ、符号化パケットC~Cを付与した結合パケットP/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P10/Cを受信装置2へ送信するようにすると、符号化パケットC~Cは、次式によって表される。
【0332】
【数15】
【0333】
式(15)において、符号化パケットC~Cに含まれるパケットの個数が6個であるのは、バッファ111に格納できるパケットの最大数MBufferが“6”であるので、パケットPがバッファ111にコピーされると、パケットP~PがパケットP~Pによって上書きされ、パケットPがバッファ111にコピーされると、パケットP~PがパケットP~Pによって上書きされ、パケットPがバッファ111にコピーされると、パケットP~PがパケットP~Pによって上書きされるからである。
【0334】
そして、単体のパケットPおよび結合パケットP/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P10/Cは、図15のステップS7において送信される。
【0335】
単体のパケットPおよび結合パケットP/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P10/Cの個数(=10個)のうちの半分が受信装置2によって受信できなかった場合、9個の結合パケットP/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P/C,P10/Cのうち、少なくとも4個の結合パケットが受信装置2によって受信できる。
【0336】
この場合、受信装置2がパケットPと、4個の結合パケットP/C,P/C,P/C,P/Cとを受信でき、5個の結合パケットP/C,P/C,P/C,P/C,P10/Cを受信できなかったとすると、受信装置2は、パケットP~P10を受信できず、パケットP~Pを受信できたことになる。
【0337】
しかし、送信機11は、図15のステップS10~S12を5回繰り返し実行することによって、パケットP~P10を含む5個の符号化パケットC10~C14を受信装置2へ送信できる。5個の符号化パケットC10~C14は、次式によって表される。
【0338】
【数16】
【0339】
そして、受信装置2は、例えば、式(16)から4個の符号化パケットC10~C13を選択し、4個の符号化パケットC10~C13から受信済のパケットPの情報を除去して符号化パケットC10’,C11’,C12’,C13’を生成する。符号化パケットC10’,C11’,C12’,C13’の各々は、4個のパケットP~P10を含むので、次式の連立方程式を解くことによってパケットP~P10を復号できる。
【0340】
【数17】
【0341】
また、受信装置2がパケットPと、5個の結合パケットP/C,P/C,P/C,P/C,P10/Cとを受信でき、4個の結合パケットP/C,P/C,P/C,P/Cを受信できなかったとすると、パケットP~Pを受信できなかったことになる。
【0342】
そうすると、受信できなかったパケットの個数が“4個”であるので、式(15)の符号化パケットC~Cから4個の符号化パケットC~Cを選択し、符号化パケットC~Cから受信済のパケットP,P~Pの情報を除去し、受信済のパケットP,P~Pの情報を除去した符号化パケットC’~C’を示す連立方程式を解くことによってパケットP~Pを復号できる。
【0343】
このように、バーストを構成するパケットの個数MBurstがバッファ111のサイズMBufferよりも大きい場合においても、受信装置2が受信できなかったパケットを復号できる。
【0344】
更に、図15に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)においては、送信機11は、バーストを構成するパケットP~Pの各パケットが送信機11に到着する毎に、単体のパケットまたは結合パケット(符号化パケットを含む。)を受信装置2へ送信するので、バーストを構成する複数のパケットP~Pを低遅延で受信装置2へ送信できる。
【0345】
送信機11は、バーストを構成するパケット(図10に示すパケットP~Pの全て)を受信装置2へ送信した後、バーストを構成しないパケットPKT_N(図5に示すPピクチャを示すパケット)がバッファ111に到着したと判定すると、上述した方法によって、バーストを構成しないパケットPKT_N(図5に示すPピクチャを示すパケット)を受信装置2へ送信する。
【0346】
このように、送信機11は、図15に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)に従って、バーストを構成しないパケットおよびバーストを構成するパケットを受信装置2へ送信する。
【0347】
図19は、図1に示す受信装置2の動作を説明するためのフローチャートである。図19を参照して、受信装置2の動作が開始された後、無線器22,23は、パケットを受信すると(ステップS21の“YES”)、その受信したパケットを処理手段211へ出力する。
【0348】
処理手段211は、パケットPKTを無線器22,23から受け、その受けたパケットPKTがNパケットPKT_Nであるか否かを判定することによってNパケットPKT_Nを受信したか否かを判定する(ステップS22)。この場合、処理手段211は、パケットPKTのPacket infoの識別子N/Cが“N”からなり、かつ、パケットPKTがCoded infoおよび領域REG2を含んでいないとき、NパケットPKT_Nを受信したと判定し、パケットPKTのPacket infoの識別子N/Cが“C”からなるとき、またはパケットPKTのPacket infoの識別子N/Cが“N”からなり、かつ、Coded infoの識別子N/Cが“C”からなるとき、NパケットPKT_Nを受信しなかったと判定する。
【0349】
ステップS22において、NパケットPKT_Nを受信しなかったと判定されたとき、処理手段211は、結合パケット(Piggybackによって送信されたパケット)を受信したか否かを判定する(ステップS23)。この場合、処理手段211は、パケットPKTのPacket infoの識別子N/Cが“N”からなり、かつ、パケットPKTのCoded infoの識別子N/Cが“C”からなるとき、結合パケットを受信したと判定し、パケットPKTのPacket infoの識別子N/Cが“C”からなるとき、結合パケットを受信しなかったと判定する。
【0350】
ステップS23において、結合パケットを受信したと判定されたとき、処理手段211は、NパケットとCパケット(=符号化パケット)とを分離する(ステップS24)。
【0351】
その後、処理手段211は、NパケットPKT_Nが有るか否かを判定する(ステップS25)。
【0352】
ステップS25において、NパケットPKTが有ると判定されたとき、またはステップS22において、NパケットPKT_Nを受信したと判定されたとき、処理手段211は、Nパケット受信処理を実行する(ステップS26)。
【0353】
その後、処理手段211は、Cパケット(=符号化パケット)が有るか否かを判定する(ステップS27)。
【0354】
そして、ステップS23において、結合パケットを受信しなかったと判定されたとき、またはステップS25において、NパケットPKT_Nが無いと判定されたとき、またはステップS27において、Cパケット(=符号化パケット)が有ると判定されたとき、処理手段211は、Cパケット(=符号化パケット)から受信済のNパケットPKT_Nの情報を除去する(ステップS28)。
【0355】
引き続いて、処理手段211は、復号処理を実行する(ステップS29)。そして、処理手段211は、復号できたか否かを判定する(ステップS30)。
【0356】
ステップS30において、復号できたと判定されたとき、ステップS30において、復号できなかったと判定されるまで、ステップS29,S30が繰り返し実行される。
【0357】
そして、ステップS27において、Cパケット(=符号化パケット)が無いと判定されたとき、またはステップS30において、復号できなかったと判定されたとき、一連の動作は、ステップS21へ移行する。以後、受信機21は、駆動されている限り、ステップ21~ステップS30を繰り返し実行する。
【0358】
なお、ステップS23において、結合パケットを受信しなかったと判定されたときに、一連の動作がステップS28へ移行するのは、受信機21によって受信されるパケットは、NパケットPKT_N、符号化パケットPKT_Cおよび結合パケットの3種類であり、ステップS22において、NパケットPKT_Nを受信しなかったと判定され、更に、ステップS23において、結合パケットを受信しなかったと判定されているので、受信機21が受信したパケットは、符号化パケットPKT_Cであるからである。
【0359】
図20は、図19に示すステップS26の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0360】
図20を参照して、図19のステップS22において、NパケットPKT_Nを受信したと判定されたとき、または図19のステップS25において、NパケットPKT_Nが有ると判定されたとき、処理手段211は、受信したNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNrxが受信済、かつ、アプリケーション30へ送信済のNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsent(即ち、Nバッファ212に格納されたNパケットのシーケンス番号)以下であるか否か、または受信したNパケットPKT_NがNバッファ212に格納済であるか否かを判定する(ステップS261)。
【0361】
ステップS261において、受信したNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNrxが受信済、かつ、アプリケーション30へ送信済のNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsent以下であると判定されたとき、または受信したNパケットPKT_NがNバッファ212に格納済であると判定されたとき、処理手段211は、受信したNパケットPKT_Nを破棄する(ステップS262)。
【0362】
一方、ステップS261において、受信したNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNrxが受信済、かつ、アプリケーション30へ送信済のNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsent以下でなく、かつ、受信したNパケットPKT_NがNバッファ212に格納済でないと判定されたとき、処理手段211は、受信したNパケットPKT_N(SNrx)をNバッファ212に格納する(ステップS263)。
【0363】
そして、処理手段211は、i=1を設定し(ステップS264)、シーケンス番号SNsent+iを有するパケットPKT_NがNバッファ212に存在するか否かを判定する(ステップS265)。なお、iは、1,2,3,・・・の整数である。
【0364】
ステップS265において、シーケンス番号SNsent+iを有するパケットPKT_NがNバッファ212に存在すると判定されたとき、処理手段211は、シーケンス番号SNsent+iを有するパケットPKT_Nをアプリケーション30へ伝送する(ステップS266)。そして、処理手段211は、i=i+1を設定する(ステップS267)。その後、一連の動作は、ステップS265へ移行し、ステップS265において、シーケンス番号SNsent+iを有するパケットPKT_NがNバッファ212に存在しないと判定されるまで、ステップS265~ステップS267が繰り返し実行される。
【0365】
そして、ステップS265において、シーケンス番号SNsent+iを有するパケットPKT_NがNバッファ212に存在しないと判定されると、処理手段211は、SNsent=SNsent+i-1を設定する(ステップS268)。
【0366】
そして、ステップS262またはステップS268の後、一連の動作は、図19のステップS27へ移行する。
【0367】
図20に示すステップS263~ステップS267は、新たに受信したNパケットPKT_NをNバッファ212に格納するとともにアプリケーション30に伝送するステップである。そして、i≧2であるときに、ステップS265においてシーケンス番号SNsent+iを有するパケットPKT_NがNバッファ212に存在しないと判定されると、ステップS268において、Nバッファ212における受信済のNパケットPKT_Nの最新のシーケンス番号SNsentが更新される。
【0368】
図21は、図19に示すステップS28の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0369】
図21を参照して、図19のステップS23において、結合パケットを受信しなかったと判定されたとき、または図19のステップS25において、Nパケットが無いと判定されたとき、または図19のステップS27において、Cパケット(符号化パケット)が有ると判定されたとき、処理手段211は、i=1を設定し(ステップS281)、Nバッファ212からパケットXを取得する(ステップS282)。ここで、iは、Nバッファ212に格納された各パケットXを表し、1~Iである。そして、Iは、Nバッファ212に格納されたパケットXの総数である。
【0370】
ステップS282の後、処理手段211は、パケットXのシーケンス番号SNが符号化パケットYのCoded infoに含まれるか否かを判定する(ステップS283)。
【0371】
ステップS283において、パケットXのシーケンス番号SNが符号化パケットYのCoded infoに含まれると判定されたとき、処理手段211は、符号化パケットYとパケットXとの排他的論理和を演算することによって符号化パケットYから受信済のパケットXの情報を除去する(ステップS284)。
【0372】
そして、ステップS283において、パケットXのシーケンス番号SNが符号化パケットYのCoded infoに含まれていないと判定されたとき、またはステップS284の後、処理手段211は、i=Iであるか否かを判定する(ステップS285)。
【0373】
ステップS285において、i=Iでないと判定されたとき、処理手段211は、i=i+1を設定する(ステップS286)。その後、一連の動作は、ステップS282へ移行し、ステップS285において、i=Iであると判定されるまで、ステップS282~ステップS286が繰り返し実行される。
【0374】
そして、ステップS285において、i=Iであると判定されると、処理手段211は、符号化パケットYに含まれていた情報の全てを受信済であるか否かを判定する(ステップS287)。この場合、処理手段211は、符号化パケットYがY={000・・・0}であるとき、符号化パケットYに含まれていた情報の全てを受信済であると判定し、符号化パケットYがY={000・・・0}でないとき、符号化パケットYに含まれていた情報の全てを受信済であることは無い(即ち、符号化パケットYに含まれていた情報の一部を受信済でない)と判定する。
【0375】
ステップS287において、符号化パケットYに含まれていた情報の全てを受信済であることは無いと判定されたとき、処理手段211は、符号化パケットYに含まれるNパケット数が“1”であるか否かを判定する(ステップS288)。
【0376】
ステップS288において、符号化パケットYに含まれるNパケット数が“1”でないと判定されたとき、処理手段211は、符号化パケットYをCバッファ213に保存する(ステップS289)。
【0377】
一方、ステップS288において、符号化パケットYに含まれるNパケット数が“1”であると判定されたとき、処理手段211は、式(13)によって符号化パケットYをパケットXに変換し、その変換したパケットXに対して、上述した「Nパケット受信処理」(図20に示すフローチャート)を実行する(ステップS290)。
【0378】
そして、ステップS287において、符号化パケットYに含まれていた情報の全てを受信済であると判定されたとき、またはステップS289の後、またはステップS290の後、一連の動作は、図19のステップS29へ移行する。
【0379】
図21に示すフローチャートにおいては、ステップS285において、i=Iであると判定されるまで、ステップS282~ステップS286が繰り返し実行されることによって、符号化パケットYから受信済の全てのパケットX~Xの情報が除去される。即ち、ステップS285において、i=Iであると判定されるまで、ステップS282~ステップS286が繰り返し実行されることによって、Nバッファ212に格納されていない複数のパケット(=受信済でない複数のパケット)のみを含む符号化パケットCが生成される。
【0380】
図22は、図19に示すステップS29の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0381】
図22を参照して、図19のステップS28の後、またはステップS30において復号できたと判定されたとき、処理手段211は、2個以上の符号化パケットYがCバッファ213に存在するか否かを判定する(ステップS291)。
【0382】
ステップS291において、2個以上の符号化パケットYがCバッファ213に存在しないと判定されたとき、一連の動作は、図19のステップS21へ移行する。
【0383】
一方、ステップS291において、2個以上の符号化パケットYがCバッファ213に存在すると判定されたとき、処理手段211は、i=1を設定する(ステップS292)。ここで、iは、Cバッファ213に格納された各符号化パケットYを表し、1~Iである。そして、Iは、Cバッファ213に格納された符号化パケットYの総数である。
【0384】
ステップS292の後、処理手段211は、Cバッファ213から符号化パケットYを取得する(ステップS293)。
【0385】
そして、処理手段211は、符号化パケットYに対して「符号化パケットから受信済のパケットXの情報を除去」(図21のフローチャート)を実行する(ステップS294)。
【0386】
その後、処理手段211は、符号化パケットYに含まれるNパケット数が“1”以下であるか否かを判定する(ステップS295)。
【0387】
ステップS295において、符号化パケットYに含まれるNパケット数が“1”以下であると判定されると、処理手段211は、符号化パケットYをCバッファ213から消去する(ステップS296)。
【0388】
そして、ステップS295において、符号化パケットYに含まれるNパケット数が“1”以下でないと判定されたとき、またはステップS296の後、処理手段211は、i=Iであるか否かを判定する(ステップS297)。
【0389】
ステップS297において、i=Iでないと判定されたとき、処理手段211は、i=i+1を設定する(ステップS298)。その後、一連の動作は、ステップS293へ移行し、ステップS297において、i=Iであると判定されるまで、ステップS293~ステップS298が繰り返し実行される。
【0390】
そして、ステップS297において、i=Iであると判定されると、処理手段211は、複数のNパケットを含む符号化パケットCがCバッファ213に複数存在するか否かを判定する(ステップS299)。
【0391】
ステップS299において、複数のNパケットを含む符号化パケットCがCバッファ213に複数存在すると判定されたとき、処理手段211は、Cバッファ213から複数の符号化パケットYを取得し、その取得した複数の符号化パケットYを表す連立方程式を解いてCパケット(符号化パケット)を復号する(ステップS300)。
【0392】
そして、ステップS299において、複数のNパケットを含む符号化パケットCがCバッファ213に複数存在しないと判定されたとき、またはステップS300の後、処理手段211は、i=1を設定し(ステップS301)、復号できたNパケット数が“i”以上であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0393】
ステップS302において、復号できたNパケット数が“i”以上であると判定されたとき、処理手段211は、復号されたNパケットに対して「Nパケット受信処理」(図20のフローチャート)を実行する(ステップS303)。そして、処理手段211は、i=i+1を設定する(ステップS304)。その後、一連の動作は、ステップS302へ移行し、ステップS302において、復号できたNパケット数が“i”以上でないと判定されるまで、ステップS302~ステップS304が繰り返し実行される。
【0394】
そして、ステップS302において、復号できたNパケット数が“i”以上でないと判定されると、一連の動作は、図19のステップS30へ移行する。
【0395】
図22に示すフローチャートにおいては、図21のステップS287において、符号化パケットYに含まれていた情報の全てを受信済であると判定された後に、またはステップS290の後にステップS291へ移行した場合、ステップS291において、2個以上の符号化パケットYがCバッファ213に存在しないと判定され、一連の動作は、図19のステップS21へ移行する。
【0396】
一方、図21のステップS289の後にステップS291へ移行した場合において、ステップS291において、2個以上の符号化パケットYがCバッファ213に存在すると判定されたとき、上述したステップS292~ステップS304が順次実行され、ステップS291において、2個以上の符号化パケットYがCバッファ213に存在しないと判定されたとき、一連の動作は、図19のステップS21へ移行する。
【0397】
また、図22に示すフローチャートにおいては、ステップS302において、復号できたNパケット数がi以上でないと判定されるまで、ステップS302~ステップS304が繰り返し実行されるのは、符号化パケットCを復号することによって取得された全てのNパケットに対して「Nパケット受信処理」(図20のフローチャート)を実行するためである。
【0398】
図23は、バーストを構成するパケットの受信時におけるNバッファ212およびCバッファ213の変遷を示す図である。
【0399】
なお、図23は、バーストを構成するパケットが図10に示すパケットP~Pからなる場合において、バーストを構成するパケットの受信時におけるNバッファ212およびCバッファ213の変遷を示す。
【0400】
図23を参照して、送信装置1がパケットPを送信すると、受信装置2は、パケットPの受信に失敗するので、図19のステップS21においては、受信装置2の無線器22,23は、パケットPを受信しない。その結果、Nバッファ212およびCバッファ213には、パケットが格納されない(図23の(a)参照)。
【0401】
その後、送信装置1がパケットPを送信すると、受信装置2の無線器22,23は、パケットPを受信し(図19のステップS21の“YES”参照)、その受信したパケットPを処理手段211へ出力する。
【0402】
処理手段211は、パケットPを無線器22,23から受けると、パケットPのPacket infoの識別子N/Cが“N”からなることを確認してNパケットを受信したと判定する(図19のステップS22の“YES”参照)。そして、処理手段211は、パケットPに対してNパケット受信処理を実行し(図19のステップS26参照)、パケットPのシーケンス番号SNrxが受信済、かつ、アプリケーション30へ送信済のNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsent(即ち、Nバッファ212に格納されたNパケットのシーケンス番号)よりも大きく、かつ、受信パケットがNバッファ212に格納済でないと判定し(図20のステップS261の“NO”参照)、パケットPをNバッファ212に格納するとともにパケットPをアプリケーション30へ伝送する(図20のステップS263~S266参照)。そして、処理手段211は、i=2であるときに、SNsent+i(=SNsent+2)のパケットがNバッファ212に存在しないと判定し(図20のステップS265の“NO”参照)、SNsent=SNsent+i-1=SNsent+2-1=SNsent+1によってNバッファ212に格納されたNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsentを更新する(図20のステップS268参照)。その後、処理手段211は、Cパケットが無いと判定し(図19のステップS27の“NO”参照)、受信装置2の動作は、図19のステップS21へ移行する。この段階で、パケットPがNバッファ212に格納される(図23の(b)参照)。
【0403】
引き続いて、送信装置1が結合パケットP/Cを送信すると、受信装置2は、結合パケットP/Cの受信に失敗するので、図19のステップS21においては、受信装置2の無線器22,23は、結合パケットP/Cを受信しない。その結果、Nバッファ212およびCバッファ213の状態は、変化しない(図23の(c)参照)。
【0404】
その後、送信装置1がパケットPを送信すると、受信装置2は、上述したパケットPの受信時における動作と同じ動作を実行する。その結果、パケットPがNバッファ212に格納される(図23の(d)参照)。
【0405】
そして、送信装置1が結合パケットP/Cを送信すると、受信装置2の無線器22,23は、結合パケットP/Cを受信し(図19のステップS21の“YES”参照)、その受信した結合パケットP/Cを処理手段211へ出力する。
【0406】
処理手段211は、結合パケットP/Cを無線器22,23から受けると、結合パケットP/CのPacket infoの識別子N/Cが“N”からなり、かつ、Coded infoの識別子N/Cが“C”からなることを確認し、NパケットPKT_Nを受信しなかったと判定するとともに(図19のステップS22の“NO”参照)、結合パケットを受信したと判定する(図19のステップS23の“YES”参照)。
【0407】
その後、処理手段211は、結合パケットP/CのNパケットPと符号化パケットCとを分離し(図19のステップS24参照)、Nパケットが有ると判定し(図19のステップS25の“YES”参照)、パケットPに対してNパケット受信処理を実行する(図19のステップS26参照)。そして、処理手段211は、Nパケット受信処理において、パケットPのシーケンス番号SNrxが受信済、かつ、アプリケーション30へ送信済のNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsent(即ち、Nバッファ212に格納されたNパケットのシーケンス番号)よりも大きく、かつ、受信パケットがNバッファ212に格納されていないと判定し(図20のステップS261の“NO”参照)、パケットPをNバッファ212に格納するとともにパケットPをアプリケーション30へ伝送する(図20のステップS263~S266参照)。そして、処理手段211は、i=2であるときに、Nバッファ212にSNsent+i(=SNsent+2)のパケットが存在しないと判定し(図20のステップS265の“NO”参照)、SNsent=SNsent+i-1=SNsent+2-1=SNsent+1によってNバッファ212に格納されたNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsentを更新する(図20のステップS268参照)。その後、処理手段211は、Cパケットが有ると判定し(図19のステップS27の“YES”参照)、Cパケットから受信済のNパケットの情報を除去する(図19のステップS28参照)。この時点で、Nバッファ212には、パケットP,P,Pが格納されており(図23の(e)参照)、符号化パケットCは、パケットP~Pを含むので、処理手段211は、符号化パケットCとパケットP,Pとの排他的論理和を順次演算して符号化パケットCから受信済のパケットP,Pの情報を除去する(図21のステップS282~ステップS286参照)。
【0408】
符号化パケットCから受信済のパケットP,Pの情報を除去した後の符号化パケットC’は、式(9)によって表わされる。その結果、処理手段211は、符号化パケットCに含まれていた情報の全てを受信済であることは無いと判定し(図21のステップS287の“NO”参照)、符号化パケットC’に含まれるNパケット数が“1”でないと判定し(図21のステップS288の“NO”参照)、符号化パケットC’をCバッファ213に格納する(図21のステップS289参照)。これによって、Nバッファ212には、3個のパケットP,P,Pが格納され、Cバッファ213には、1個の符号化パケットC’が格納される(図23の(e)参照)。
【0409】
図21のステップS289の後、受信装置2の動作は、図19のステップS29へ移行し、図19のステップS29の詳細な動作を示す図22のフローチャートのステップS291において、処理手段211は、2個以上の符号化パケットYがCバッファ213に存在しないと判定し、受信装置2の動作は、図19のステップS21へ移行する。
【0410】
その後、送信装置1がパケットPを送信すると、受信装置2は、上述したパケットPの受信時における動作と同じ動作を実行する。その結果、パケットPがNバッファ212に格納される(図23の(f)参照)。そして、パケットPがNバッファ212に格納された後、処理手段211は、Cパケットが無いと判定するので(図19のステップS27の“NO”参照)、受信装置2の動作は、図19のステップS21へ移行する。
【0411】
引き続いて、送信装置1が符号化パケットCを送信すると、受信装置2の無線器22,23は、符号化パケットCを受信し(図19のステップS21の“YES”参照)、その受信した符号化パケットCを処理手段211へ出力する。
【0412】
処理手段211は、符号化パケットCを無線器22,23から受けると、符号化パケットCのPacket infoの識別子N/Cが“C”からなるので、Nパケットを受信しなかったと判定し(図19のステップS22の“NO”参照)、結合パケットを受信しなかったと判定する(図19のステップS23の“NO”参照)。
【0413】
従って、処理手段211は、符号化パケットCから受信済のパケットの情報を除去する(図19のステップS28参照)。この段階では、Nバッファ212には、パケットP,P,P,Pが格納されており、符号化パケットCは、パケットP~Pを含むので(式(6)参照)、処理手段211は、符号化パケットCとパケットP,P,P,Pとの排他的論理和を順次演算して符号化パケットCから受信済のパケットP,P,P,Pの情報を除去する(図21のステップS282~ステップS286参照)。
【0414】
符号化パケットCから受信済のパケットP,P,P,Pの情報を除去した後の符号化パケットC’は、式(10)によって表わされる。その結果、処理手段211は、符号化パケットCに含まれていた情報の全てを受信済であることは無いと判定し(図21のステップS287の“NO”参照)、符号化パケットC’に含まれるNパケット数が“1”でないと判定し(図21のステップS288の“NO”参照)、符号化パケットC’をCバッファ213に格納する(図21のステップS289参照)。これによって、Nバッファ212には、4個のパケットP,P,P,Pが格納され、Cバッファ213には、2個の符号化パケットC’,C’が格納される(図23の(g)参照)。
【0415】
そうすると、処理手段211は、複数のNパケットを含む符号化パケットが複数存在すると判定し(図22のステップS299の“YES”参照)、符号化パケットC’を表す式(9)と符号化パケットC’を表す式(10)との連立方程式を解いてCパケットを復号する(図22のステップS300参照)。これによって、2つのNパケットP,Pが得られる。
【0416】
その後、処理手段211は、i=1を設定し(図22のステップS301参照)、復号できたNパケット数がi(=1)以上であると判定し(図22のステップS302の“YES”参照)、NパケットPに対して「Nパケット受信処理」(図20に示すフローチャート)を実行する(図22のステップS303参照)。そして、処理手段211は、Nパケット受信処理において、パケットPのシーケンス番号SNrxが受信済、かつ、アプリケーション30へ送信済のNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsent(即ち、Nバッファ212に格納されたNパケットのシーケンス番号)よりも大きく、かつ、受信パケット(=パケットP)がNバッファ212に格納済でないと判定し(図20のステップS261の“NO”参照)、パケットPをNバッファ212に格納するとともにパケットPをアプリケーション30へ伝送する(図20のステップS263~S266参照)。そして、処理手段211は、i=2であるときに、Nバッファ212にSNsent+i(=SNsent+2)のパケットが存在しないと判定し(図20のステップS265の“NO”参照)、SNsent=SNsent+i-1=SNsent+2-1=SNsent+1によってNバッファ212に格納されたNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsentを更新する(図20のステップS268参照)。
【0417】
図22のステップS303において、「Nパケット受信処理」(図20に示すフローチャート)が実行される場合、図20のステップS268の後、受信装置2の動作は、図22のステップS304へ移行するので、処理手段211は、i=i+1=2を設定し(図22のステップS304参照)、復号できたNパケット数がi(=2)以上であると判定し(図22のステップS302の“YES”参照)、NパケットPに対して「Nパケット受信処理」(図20に示すフローチャート)を実行する(図22のステップS303参照)。そして、処理手段211は、Nパケット受信処理において、パケットPのシーケンス番号SNrxが受信済、かつ、アプリケーション30へ送信済のNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsent(即ち、Nバッファ212に格納されたNパケットのシーケンス番号)よりも大きく、かつ、受信パケット(=パケットP)がNバッファ212に格納済でないと判定し(図20のステップS261の“NO”参照)、パケットPをNバッファ212に格納するとともにパケットPをアプリケーション30へ伝送する(図20のステップS263~S266参照)。そして、処理手段211は、i=2であるときに、SNsent+i(=SNsent+2)のパケットがNバッファ212に存在しないと判定し(図20のステップS265の“NO”参照)、SNsent=SNsent+i-1=SNsent+2-1=SNsent+1によってNバッファ212に格納されたNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsentを更新する(図20のステップS268参照)。その後、処理手段211は、i=i+1=3を設定し(図22のステップS304参照)、復号できたNパケット数がi(=3)以上でないと判定する(図22のステップS302の“NO”参照)。そうすると、受信装置2の動作は、図19のステップS30へ移行し、処理手段211は、復号できたと判定し(図19のステップS30の“YES”)、図19のステップS29の詳細な動作を示す図22のフローチャートのステップS291において、2個以上の符号化パケットがCバッファ213に存在しないと判定し(図22のステップS291の“NO”参照)、受信装置2の動作は、図19のステップS21へ移行する。
【0418】
この段階で、Nバッファ212およびCバッファ213には、パケットが格納されていない(図23の(h)参照)。これによって、バーストを構成するパケット(パケットP~P)の受信処理が終了する。
【0419】
パケットの受信処理を示す図19に示すフローチャート(図20から図22に示すフローチャートを含む)においては、図19のステップS28において、「Cパケットから受信済のNパケットの情報を除去」することを実行した後に、ステップS29における復号処理の詳細な動作を示す図22のフローチャートのステップS294において「符号化パケットから受信済のパケットXの情報を除去」することを実行するのは、次の理由による。
【0420】
送信装置1の動作を示す図15のフローチャートにおいては、ステップS9において、最後のパケットがバッファ111に到着した後、Tミリ秒が経過したと判定されると、送信機11は、ステップS11において、符号化パケットの送信数がKであると判定されるまで無線器11,12を介して符号化パケットCを受信装置2へ送信する(ステップS10~ステップS12参照)。この場合、上述したように、送信機11は、符号化パケットC(=a61+a62+a63+a64+a65+a66)、符号化パケットC(=a71+a72+a73+a74+a75+a76)および符号化パケットC(=a81+a82+a83+a84+a85+a86)を受信装置2へ送信する。そして、ここでは、符号化パケットCにおける符号a63は、零であるとする。即ち、符号化パケットCは、実質的に、C=a61+a62+a64+a65+a66からなるものとする。
【0421】
その結果、受信装置2は、図15のステップS7において送信された符号化パケットC(例えば、符号化パケットC)を受信できなくても、ステップS10において送信された符号化パケットC~Cを受信できる。
【0422】
そうすると、受信装置2の処理手段211は、Nパケットを受信しなかったと判定し(図19のステップS22の“NO”参照)、かつ、結合パケットを受信しなかったと判定し(図19のステップS23の“NO”参照)、符号化パケットCから受信済のNパケットP,P,P,Pの情報を除去する(図19のステップS28(図21のフローチャートのステップS281~ステップS286)参照)。その結果、処理手段211は、符号化パケットC’=a61を取得する。
【0423】
そして、処理手段211は、符号化パケットYに含まれていた情報の全てを受信済でないと判定し(図21のステップS287の“NO”参照)、符号化パケットC’に含まれるNパケット数が“1”であると判定し(図21のステップS288の“YES”参照)、符号化パケットC’=a61を式(13)によってPに変換して「Nパケット受信処理」(図20に示すフローチャート)を実行する(図21のステップS290参照)。
【0424】
この場合、「Nパケット受信処理」は、パケットPに対して初めて実行されるので、処理手段211は、パケットPのシーケンス番号SNrxが受信済、かつ、アプリケーション30へ送信済のNパケットPKT_Nのシーケンス番号SNsent(即ち、Nバッファ212に格納されたNパケットのシーケンス番号)よりも大きく、かつ、受信パケット(パケットP)がNバッファ212に格納済でないと判定し(図20のステップS261の“NO”参照)、パケットPをNバッファ212に格納する(図20のステップS263参照)。この段階で、パケットP,P,P,P,PがNバッファ212に格納されている。
【0425】
そして、処理手段211は、図21のステップS290の後に、復号処理(図19のステップS29参照)の詳細な動作を示す図22のフローチャートにおいてステップS293~ステップS298を複数回繰り返し実行することによって、ステップS294において、符号化パケットC’(=a41+a43)からパケットPの情報を除去し、符号化パケットC(=a71+a72+a73+a74+a75+a76)からパケットP,P,P,P,Pの情報を除去し、符号化パケットC(=a81+a82+a83+a84+a85+a86)からパケットP,P,P,P,Pの情報を除去する。
【0426】
このように、新たに取得されたパケットP(Nパケット)の情報を符号化パケットC’,C,Cから除去するために、図19のステップS28において、「Cパケットから受信済のNパケットの情報を除去」することを実行した後に、ステップS29における復号処理の詳細な動作を示す図22のフローチャートのステップS294において「符号化パケットから受信済のパケットXの情報を除去」することを実行することにしたのである。
【0427】
図24は、チャネル接続の動作を説明するためのフローチャートである。なお、図24においては、送信装置1において、無線器12,13が、チャネル情報CH_IF(チャネルCH_1,CH_2がそれぞれ無線器12,13におけるチャネルであることを示すチャネル情報)を含むパケットPKT(CH_IF)をチャネルCH_1でブロードキャストしており、無線器13が、パケットPKT(CH_IF)をチャネルCH_2でブロードキャストしていることを前提として、チャネル接続の動作を説明する。
【0428】
図24を参照して、チャネル接続の動作が開始されると、受信装置2は、通信領域CM_REG1に向かって移動する(ステップS31)。
【0429】
そして、受信装置2の処理手段211は、パケットの受信が無いか否か、または一定の受信品質が保持されていないか否かを判定する(ステップS32)。この場合、処理手段211は、無線器22,23のいずれからもパケットを受けなかったとき、パケットの受信が無いと判定し、無線器22,23の少なくとも1つからパケットを受けたとき、パケットの受信が有ると判定する。また、処理手段211は、パケット誤り率のしきい値th_ERを予め保持しており、アプリケーション30において検出されたパケット誤り率PKT_ERをアプリケーション30から受ける。そして、処理手段211は、パケット誤り率PKT_ERがしきい値th_ER以上であるとき、一定の品質が保持されていないと判定し、パケット誤り率PKT_ERがしきい値th_ER未満であるとき、一定の品質が保持されていると判定する。なお、しきい値th_ERは、例えば、20%である。
【0430】
ステップS32において、パケットの受信が無いと判定されたとき、または一定の品質が保持されていないと判定されたとき、処理手段211は、例えば、奇数チャネル(例えば、チャネルCH_1)でスキャンを実行するように無線器22を制御し、例えば、偶数チャネル(例えば、チャネルCH_2)でスキャンを実行するように無線器23を制御する(ステップS33)。
【0431】
そして、無線器22は、処理手段211からの制御に従って、奇数チャネル(例えば、チャネルCH_1)でスキャンを実行し、無線器23は、処理手段211からの制御に従って、例えば、偶数チャネル(例えば、チャネルCH_2)でスキャンを実行する(ステップS34)。
【0432】
その後、処理手段211は、無線器22,23のうちの1つの無線器からパケットを受けたか否かを判定することによって1つのチャネルでパケットを受信したか否かを判定する(ステップS35)。この場合、処理手段211は、無線器22,23のうちの1つの無線器からパケットを受けたと判定したとき、1つのチャネルでパケットを受信したと判定し、無線器22,23の両方からパケットを受けなかったと判定したとき、1つのチャネルでパケットを受信しなかったと判定する。
【0433】
ステップS35において、1つのチャネルでパケットを受信しなかったと判定されたとき、無線器22,23は、チャネルを切り換える(ステップS36)。この場合、無線器22は、ステップS34においてスキャンを実行したときの奇数チャネルと異なる奇数チャネルに切り替え、無線器23は、ステップS34においてスキャンを実行したときの偶数チャネルと異なる偶数チャネルに切り替える。
【0434】
ステップS36の後、一連の動作は、ステップS34へ移行する。その後、ステップS35において、1つのチャネルでパケットを受信したと判定されるまで、ステップS34~ステップS36が繰り返し実行される。
【0435】
そして、ステップS35において、1つのチャネルでパケットを受信したと判定されると、処理手段211は、無線器22,23のいずれか一方の無線器が受信したパケットに含まれるチャネル情報CH_IFに基づいて、パケットを受信したチャネルCH_rと異なるチャネルCH_unを検出する(ステップS37)。
【0436】
その後、処理手段211は、チャネルCH_unで送信装置1の無線器(無線器12,13のいずれか他方)とチャネル接続を行うように、パケットを受信しなかった無線器を制御する(ステップS38)。ここで、「送信装置1の無線器(無線器12,13のいずれか他方)」と表記しているのは、受信装置2の無線器22は、送信装置1の無線器12のチャネルCH_1と同じチャネルCH_1でパケットを受信し、受信装置2の無線器23は、送信装置1の無線器13のチャネルCH_2と同じチャネルCH_2でパケットを受信するので、ステップS37における「無線器22,23のいずれか一方の無線器」が無線器22である場合、ステップS38において、処理手段211は、無線器22のチャネルCH_1と同じチャネルCH_1でパケットを送信する無線器12と異なる無線器13のチャネルCH_2をチャネルCH_unとして検出するからである。また、ステップS37における「無線器22,23のいずれか一方の無線器」が無線器23である場合も同様にして、ステップS38において、処理手段211は、無線器23のチャネルCH_2と同じチャネルCH_2でパケットを送信する無線器13と異なる無線器12のチャネルCH_1をチャネルCH_unとして検出するからである。
【0437】
ステップS38の後、パケットを受信しなかった無線器(パケットを受信した無線器以外の無線器)は、処理手段211からの制御に従って、チャネルCH_unで送信装置1の無線器(無線器12,13のいずれか他方)とチャネル接続を行う(ステップS39)。これによって、チャネル接続の動作が終了する。
【0438】
図24に示すフローチャートにおいては、ステップS34において、Beacon等の制御フレームのみではなく、データフレームもスキャンの対象とする。データフレームが映像からなる場合、データフレームは、Beaconの送信間隔である100msよりも短い20ms以下の間隔で送信されるのが一般的であるので、データフレームもスキャンの対象とすることによって、スキャン時間を短くでき、その結果、送信装置1とのチャネル接続を完了するまでの時間を短縮できる。
【0439】
また、図24に示すフローチャートにおいて、1つのチャネルでパケットを受信した無線器が無線器22であるとすると、処理手段211は、無線器22からパケットを受けることによってチャネルCH_1でパケットを受信できたことを検知する。また、処理手段211は、ステップS37において、無線器22が受信したパケットに含まれるチャネル情報CH_IF(無線器12,13におけるチャネルがそれぞれチャネルCH_1,CH_2であることを示す情報)に基づいて、パケットを受信したチャネルCH_r(=CH_1)と異なるチャネルCH_un(=CH_2)を検出する。
【0440】
そして、処理手段211は、ステップS38において、チャネルCH_un(=CH_2)で送信装置1の無線器13とチャネル接続を行うように、パケットを受信しなかった無線器23を制御する。
【0441】
そうすると、無線器23(パケットを受信した無線器以外の無線器)は、ステップS39において、処理手段211からの制御に従って、チャネルCH_un(=CH_2)で送信装置1の無線器13とチャネル接続を行う。
【0442】
図24に示すフローチャートにおいて、無線器22,23がそれぞれ自己のチャネルCH_1,CH_2でスキャンするので、スキャン速度を向上できる。その結果、受信装置2は、通信領域CM_REG1よりもパケットロスが多い通信領域CM_REG2において(即ち、受信装置2が通信領域CM_REG1に入るまでに)、送信装置1とのチャネル接続を完了できる。
【0443】
更に、図24に示すフローチャートにおいては、ステップS35において、1つのチャネルでパケットを受信したか否かが判定されるのは、1つのチャネルでパケットを受信すれば、その受信されたパケットは、パケットを受信しなかったチャネルの情報を含むので、処理手段211が、送信装置1における無線器12,13がパケットの送信に使用するチャネルCH_1,CH_2の全てを検出でき、受信装置2の無線器22,23がそれぞれ送信装置1の無線器12,13とチャネル接続を完了できるからである。
【0444】
この発明の実施の形態においては、受信装置2は、一般的に、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qを備える。
【0445】
この場合、図24に示すフローチャートにおいては、処理手段211は、ステップS33において、それぞれチャネルCH_1~CH_Qでスキャンするように第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qを制御し、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qは、ステップS34において、処理手段211からの制御に従って、それぞれチャネルCH_1~CH_Qでスキャンを実行する。
【0446】
そして、ステップS35において、1つのチャネルCH_q(qは、1~Qのうちのいずれか1つ)でパケットを受信したと判定されると、受信されたパケットは、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器におけるQ個のチャネルを示すチャネル情報CH_IFを含むので、受信装置2の処理手段211は、ステップS37において、チャネル情報CH_IFに基づいて、チャネルCH_q以外の(Q-1)個のチャネル(=CH_1~CH_q-1,CH_q+1~CH_Q)を検出できる。
【0447】
そうすると、処理手段211は、ステップS38において、チャネルCH_q以外の(Q-1)個のチャネル(=CH_1~CH_q-1,CH_q+1~CH_Q)でそれぞれ送信装置1の(Q-1)個の送信用無線器とチャネル接続を行うように、パケットを受信した受信用無線器WD_RV_q以外の(Q-1)個の受信用無線器を制御し、受信用無線器WD_RV_q以外の(Q-1)個の受信用無線器は、ステップS39において、処理手段211からの制御に従って、それぞれ(Q-1)個のチャネル(=CH_1~CH_q-1,CH_q+1~CH_Q)で送信装置1の(Q-1)個の送信用無線器のそれぞれとチャネル接続を行う。
【0448】
この発明の実施の形態においては、受信装置2が第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qを備える場合、一般的に、処理手段211は、ステップS38において、受信装置2が受信領域(=通信領域CM_REG1)に向かって移動しているときに、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qのうちのk(kは、1≦k<Qを満たす整数)個の受信用無線器がk個のパケットを受信したとき、k個の受信用無線器によって受信されたk個のパケットに含まれるk個のチャネル情報CH_IFを検出し、その検出したk個のチャネル情報CH_IFに基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルでそれぞれ送信装置1の(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する。この場合、図24のステップS35において、k個のチャネルでパケットを受信したか否かが判定される。
【0449】
好ましくは、処理手段211は、図2に示す通信領域CM_REG2(通信領域CM_REG1よりもパケットロスが多い領域)において、k個の受信用無線器がk個のパケットを受信したとき、(Q-k)個の受信用無線器が、(Q-k)個のチャネルCH_unでそれぞれ送信装置1の(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する。
【0450】
[チャネル変更]
レーダーは、予め許可された周波数で電波を送信するので、無線器12,13のうちの少なくとも1つの無線器がレーダーを検出したとき、無線器12,13のうちの少なくとも1つの無線器は、自己のチャネルを変更する必要がある。
【0451】
送信装置1の処理手段112は、例えば、無線器12がレーダーを検出すると、次の(a)~(d)を実行する。
【0452】
(a)伝送レートを下げるようにアプリケーション20に指示する。
【0453】
(b)符号化パケットCをNパケットに付与して結合パケットを生成する割合である符号化率を下げ、冗長パケットの数を増やす。
【0454】
(c)レーダーを検出した無線器12を停止する。
【0455】
(d)停止した無線器12へのパケットの割振を中止し、停止した無線器12に割り振っていたパケットをラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器12以外の無線器13に割り振る。
【0456】
なお、送信装置1が2個の無線器12,13を備え、無線器12がレーダーを検出した場合、無線器12に割り振っていたパケットを割り振る無線器は、1個の無線器13であるので、無線器12に割り振っていたパケットは、ラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式のいずれによっても、無線器13に割り振られることになる。
【0457】
そして、無線器12は、全てのチャネルCH_1~CH_12でスキャンを実行し、他の無線器13が使用しておらず、かつ、最も状態の良いチャネルに自己のチャネルを変更する。その後、無線器12は、変更後のチャネルCH_changeで、例えば、1分間、レーダーの検出を行い、レーダーを検出しなければ、変更後のチャネルで無線通信を開始することを示す開始通知NOTF_startを処理手段112へ出力する。
【0458】
処理手段112は、開始通知NOTF_startを受けると、次の(e)~(g)を実行する。
【0459】
(e)変更後のチャネルCH_changeが無線器12におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IF_changeを無線器13が送信するパケットに格納する。
【0460】
(f)符号化率を元に戻し、無線通信を開始した無線器12へのパケットの割振を再開する。
【0461】
(g)伝送レートを上げるようにアプリケーション20に指示する。
【0462】
一方、受信装置2の処理手段211は、無線器22,23のそれぞれのチャネルを監視し、送信装置1におけるチャネルの変更に応じて、無線器12に対応する無線器22の使用チャネルを無線器12の変更後のCH_changeに変更する。
【0463】
図25は、レーダーを検出する動作を説明するためのフローチャートである。図25を参照して、レーダーを検出する動作が開始されると、送信装置1の無線器12,13は、レーダーを検出したか否かを判定する(ステップS41)。より具体的には、無線器12,13は、予め許可された周波数を保持しており、無線器12,13が使用可能な12個のチャネルCH_1~CH_12の全てのチャネルでスキャンを実行し、予め許可された周波数の電波を検出すると、レーダーを検出したと判定し、予め許可された周波数の電波を検出しないとき、レーダーを検出しなかったと判定する。
【0464】
ステップS41において、レーダーを検出したと判定されたとき、無線器12,13のうちのレーダーを検出した無線器(例えば、無線器12)は、無線通信の停止を処理手段112に通知する(ステップS42)。
【0465】
そして、無線器12は、X秒(例えば、1秒)、待機し(ステップS43)、その後、全てのチャネル(チャネルCH_1~CH_12の全て)でスキャンを実行する(ステップS44)。
【0466】
そうすると、無線器12は、他の無線器13が使用しておらず、かつ、最も状態の良いチャネルに自己のチャネルを変更する(ステップS45)。この場合、無線器12は、ビジー率がしきい値以下であるチャネル、またはビジー率が最も低いチャネル、または既に使用中のチャネルと周波数差が最も大きいチャネルを最も状態の良いチャネルとして選択し、その選択したチャネルに自己のチャネルを変更する。
【0467】
ステップS45の後、無線器12は、変更後のチャネルの情報と、無線通信を開始することを示す開始通知NOTF_startとを処理手段112へ通知する(ステップS46)。
【0468】
そして、ステップS41において、レーダーを検出しなかったと判定されたとき、またはステップS46の後、一連の動作は、ステップS41へ移行する。その後、無線器12,13は、起動されている限り、図25に示すフローチャートを繰り返し実行する。
【0469】
なお、図25においては、無線器12がレーダーを検出する場合を例としてレーダーを検出する動作を説明したが、無線器13がレーダーを検出する場合も、レーダーを検出する動作は、図25に示すフローチャートに従って実行される。
【0470】
図25に示すフローチャートに従って無線器12のチャネルが変更されたとき、送信装置1は、変更後のチャネルで無線通信を行う無線器12と、チャネルCH2で無線通信を行う無線器13とを用いて、図15に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)に従ってパケットを受信装置2へ送信する。無線器13のチャネルが変更された場合も、同様である。
【0471】
図26は、無線器12,13からの通知に対する送信機11の動作を説明するためのフローチャートである。
【0472】
図26を参照して、送信機11の処理手段112は、無線器12,13からの通知が有るか否かを判定する(ステップS51)。
【0473】
ステップS51において、無線器12,13からの通知が無いと判定されたとき、処理手段112は、無線器12,13からの通知が有るか否かの判定を繰り返す。
【0474】
一方、ステップS51において、無線器12,13からの通知があると判定されたとき、処理手段112は、通知が停止通知であるか否かを判定する(ステップS52)。
【0475】
ステップS52において、通知が停止通知であると判定されたとき、処理手段112は、伝送レートを下げるようにアプリケーション20に指示する(ステップS53)。
【0476】
そして、処理手段112は、Y秒(例えば、1秒)、待機し(ステップS54)、その後、符号化パケットCをNパケットに付与して結合パケットを生成する割合である符号化率を下げ、冗長パケットを増やす(ステップS55)。
【0477】
引き続いて、処理手段112は、停止通知のあった無線器(例えば、無線器12)へのパケットの割振を停止し、パケットを他の無線器(無線器13)に割り振る(ステップS56)。その後、一連の動作は、ステップS51へ移行する。
【0478】
一方、ステップS52において、通知が停止通知でないと判定されたとき(即ち、通知が開始通知NOTF_startであると判定されたとき)、処理手段112は、伝送レートを上げるようにアプリケーション20に指示する(ステップS57)。
【0479】
そして、処理手段112は、Y秒待機し(ステップS58)、その後、符号化パケットCをNパケットに付与して結合パケットを生成する割合である符号化率を上げ、冗長パケットを減らす(ステップS59)。
【0480】
引き続いて、処理手段112は、開始通知NOTF_startのあった無線器(例えば、無線器12)へのパケットの割振を開始する(ステップS60)。その後、一連の動作は、ステップS51へ移行する。これ以降、送信装置1が起動されている限り、処理手段112は、図26に示すフローチャートを繰り返し実行する。
【0481】
なお、図26に示すフローチャートにおいては、ステップS53,S54,S57,S58は、実行されなくてもよい。この場合、ステップS52において、通知が停止通知であると判定されたとき、ステップS55およびステップS56が順次実行され、ステップS52において、通知が停止通知でないと判定されたとき(即ち、通知が開始通知NOTF_startであると判定されたとき)、ステップS59,S60が順次実行される。
【0482】
図26に示すフローチャートにおいては、通知が停止通知である場合に、ステップS53において、伝送レートを下げ、ステップS55において、符号化率を下げ、冗長パケットを増やすのは、無線器12,13のうちの無線器12が停止しているので、無線器13に割り振られるパケット数が過剰に増加し、無線器13によって送信されたパケットのロスを低減するためである。
【0483】
一方、通知が停止通知でない(即ち、通知が開始通知NOTF_startである)場合に、ステップS57において、伝送レートを上げ、ステップS59において、符号化率を上げ、冗長パケットを減らすのは、一旦、無線通信を停止した無線器12が無線通信を開始したので、無線器12,13によって多くのパケットを送信できるようにするためである。
【0484】
なお、図25に示すフローチャートにおいては、ステップS41において、「レーダーを検出したか否かを判定すること」に代えて、「予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したか否かを判定すること」を実行してもよく、または「チャネル状態が悪いか否かを判定すること」を実行してもよい。
【0485】
この場合、チャネルのビジー率がしきい値th_busy以上であるとき、「チャネル状態が悪い」と判定し、チャネルのビジー率がしきい値th_busy未満であるとき、「チャネル状態が悪くない」と判定する。
【0486】
そして、図25に示すフローチャートのステップS41において、予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したと判定されたとき、図26に示すフローチャートのステップS52において、通知が停止信号であると判定され、その後、上述したステップS53~ステップS56が順次実行され、図25に示すフローチャートのステップS41において、予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出しなかったと判定されたとき、図26に示すフローチャートのステップS52において、通知が停止通知でないと判定され(即ち、通知が開始通知NOTF_startであると判定され)、その後、上述したステップS57~ステップS60が順次実行される。
【0487】
また、図25に示すフローチャートのステップS41において、チャネル状態が悪いと判定されたとき、図26に示すフローチャートのステップS52において、通知が停止信号であると判定され、その後、上述したステップS53~ステップS56が順次実行され、図25に示すフローチャートのステップS41において、チャネル状態が悪くないと判定されたとき、図26に示すフローチャートのステップS52において、通知が停止通知でないと判定され(即ち、通知が開始通知NOTF_startであると判定され)、その後、上述したステップS57~ステップS60が順次実行される。
【0488】
従って、図25に示すフローチャートのステップS41において、「予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したか否かを判定すること」、または「チャネル状態が悪いか否かを判定すること」を実行することによって、図26に示すフローチャートにおいて、処理手段112は、「予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したこと」、または「チャネル状態が悪いこと」に応じて、良好に無線通信を行うように無線器13または無線器12,13を制御できる(ステップS53~S56またはステップS57~S60参照)。
【0489】
なお、送信装置1においては、無線器12,13が、レーダーを検出する動作、または1次利用者を検出する動作、またはチャネル状態が悪いチャネルを検出する動作は、図25に示すフローチャートに従って実行される。
【0490】
そして、送信装置1が第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qを備える場合、レーダーを検出する無線器の個数、または1次利用者を検出する無線器の個数、またはチャネル状態が悪いチャネルを検出する無線器の個数は、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qの総数Qよりも少なければ良く、一般的には、v(vは、1≦v<Qを満たす整数)個であればよい。
【0491】
従って、図25のステップS41において、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qは、レーダーを検出したか否かを判定し、または1次利用者を検出したか否かを判定し、またはチャネル状態が悪いチャネルを検出したか否かを判定する。そして、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちのv個の送信用無線器は、レーダーを検出したと判定したとき、または1次利用者を検出したと判定したとき、またはチャネル状態が悪いチャネルを検出したと判定したとき、即ち、v個の送信用無線器におけるチャネルの変更が必要であると判定したとき、図25のステップS42において、無線通信の停止を処理手段112へ通知する。
【0492】
また、v個の送信用無線器の各々は、図25のステップS44において、全てのチャネルCH_1~CH_12でスキャンを実行し、図25のステップS45において、上述した方法によって、他の無線器が使用しておらず、かつ、最も状態の良いチャネルに変更し、図25のステップS46において、変更後のチャネルの情報と、無線通信を開始することを示す開始通知NOTF_startとを処理手段112へ通知する。
【0493】
送信装置1においては、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qからの通知に対する処理手段112の動作は、図26に示すフローチャートに従って実行される。
【0494】
この場合、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちのv個の送信用無線器から通知があったとすると、処理手段112は、ステップS52において、通知が停止通知であると判定し、ステップS53において、伝送レートを下げるようにアプリケーション20に指示し、ステップS55において、符号化パケットCをNパケットに付与して結合パケットを生成する割合である符号化率を下げ、冗長パケットを増やし、ステップS56において、停止通知のあったv個の送信用無線器へのパケットの割振を停止し、v個の送信用無線器に割り振っていたパケットを他の(Q-v)個の送信用無線器に割り振る。
【0495】
また、ステップS52において、通知が停止通知でないと判定されたとき(即ち、通知が開始通知NOTF_startであると判定されたとき)の動作は、上述した通りである(ステップS57~ステップS60参照)。
【0496】
実施の形態1においては、送信装置1の動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。この場合、送信装置1は、コンピュータと、無線器12,13(または第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Q)とを備える。コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。そして、ROMは、図15に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)の各ステップからなるプログラムProg_A、または図26に示すフローチャートの各ステップからなるProg_Bを記憶する。
【0497】
コンピュータ(CPU)は、ROMからプログラムProg_Aを読み出し、その読み出したプログラムProg_Aを実行して、パケットを受信装置2へ送信する動作を実行する。RAMは、上述したバッファ111の機能を果たす。また、コンピュータ(CPU)は、ROMからプログラムProg_Bを読み出し、その読み出したプログラムProg_Bを実行して、無線器12,13のいずれか一方の無線器(または第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちのv個の送信用無線器)からの通知に対する処理を実行する。
【0498】
また、プログラムProg_AまたはプログラムProg_Bは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Aを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Aを読み出して実行し、パケットを受信装置2へ送信する動作を実行する。また、プログラムProg_Bを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Bを読み出して実行し、無線器12,13のいずれか一方の無線器(または第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちのv個の送信用無線器)からの通知に対する処理を実行する。
【0499】
従って、プログラムProg_AまたはプログラムProg_Bを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0500】
また、実施の形態1においては、受信装置2の動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。この場合、受信装置2は、コンピュータと、無線器22,23(または第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Q)とを備える。コンピュータは、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、ROMは、図19に示すフローチャート(図20から図22に示すフローチャートを含む)の各ステップからなるプログラムProg_C、または図24に示すフローチャートの各ステップからなるProg_Dを記憶する。
【0501】
コンピュータ(CPU)は、ROMからプログラムProg_Cを読み出し、その読み出したプログラムProg_Cを実行して、パケットの受信処理を実行する。RAMは、上述したNバッファ212およびCバッファ213の機能を果たす。また、コンピュータ(CPU)は、ROMからプログラムProg_Dを読み出し、その読み出したプログラムProg_Dを実行して、受信装置2の無線器22,23と送信装置1の無線器12,13との間、または受信装置2の第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qと送信装置1の第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qとの間でチャネル接続を実行する。
【0502】
また、プログラムProg_CまたはプログラムProg_Dは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Cを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Cを読み出して実行して、パケットの受信処理を実行する。また、プログラムProg_Dを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Dを読み出して実行して、受信装置2の無線器22,23と送信装置1の無線器12,13との間、または受信装置2の第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qと送信装置1の第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qとの間でチャネル接続を実行する。
【0503】
従って、プログラムProg_CまたはプログラムProg_Dを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0504】
[実施の形態2]
図27は、実施の形態2による通信システムの概略図である。図27を参照して、実施の形態2による通信システム10Aは、送信装置1Aと、複数の端末装置50とを備える。送信装置1Aおよび複数の端末装置50は、無線通信空間に配置される。
【0505】
送信装置1Aは、図2に示す通信領域CM_REG1内において、画像をペイロードに含むパケットPKTをチャネルCH_1~CH_10でブロードキャストしている。
【0506】
また、送信装置1Aは、無線器401~410のいずれかがレーダーを検出したとき、または無線器401~410のいずれかが予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したとき、またはチャネルCH_1~CH_10のいずれかのチャネル状態が悪いと判定したとき、実施の形態1において説明したチャネルの変更を行う。
【0507】
複数の端末装置50は、移動体からなり、図2に示す通信領域CM_REG1外から通信領域CM_REG1に向かって移動し、通信領域CM_REG2を通過して通信領域CM_REG1内に入ると、送信装置1AからブロードキャストされたパケットPKTを受信し、その受信したパケットに対して受信処理(Nパケット受信処理、分離処理、復号処理、および受信済のパケットの情報の除去処理)を実行し、受信処理(Nパケット受信処理、分離処理、復号処理、および受信済のパケットの情報の除去処理)した後のパケットをアプリケーション(図示せず)へ伝送する。
【0508】
この場合、複数の端末装置50の各々は、通信領域CM_REG2内において、チャネルCH_1~CH_10でキャリアセンスを行い、チャネルCH_1~CH_10のうちの少なくとも1つのチャネルでパケットPKTを受信する。そして、複数の端末装置50の各々は、通信領域CM_REG1内に入るまでに、チャネルCH_1~CH_10のうちの少なくとも1つのチャネルで受信したパケットPKTに含まれるチャネル情報CH_IFに基づいて、上述した方法によって、送信装置1Aの無線器401~410とのチャネル接続を完了する。
【0509】
そして、複数の端末装置50の各々は、通信領域CM_REG1内に入ると、移動しながら無線器によって送信装置1Aの無線器401~410からそれぞれチャネルCH_1~CH_10でブロードキャストされたパケットPKTを受信し、その受信したパケットPKTに対して受信処理(Nパケット受信処理、分離処理、復号処理、および受信済のパケットの情報の除去処理)を実行し、受信処理(Nパケット受信処理、分離処理、復号処理、および受信済のパケットの情報の除去処理)した後のパケットをアプリケーション(図示せず)へ伝送する。
【0510】
送信装置1Aは、基地局41~45と、無線器401~410と、制御装置46とを備える。
【0511】
基地局41~45は、有線ケーブルを介して制御装置46に接続される。また、基地局41~45は、パケットの送信先である複数の端末装置50との間の通信空間において、相互に異なる通信空間をカバーするように相互に異なる位置に配置される。
【0512】
基地局41は、USBまたはPCIeによって無線器401,402に接続される。この場合、基地局41および無線器401,402は、一体化した物理装置である。また、基地局41は、有線LANによって無線器401,402に接続される。この場合、基地局41および無線器401,402は、別々の装置である。
【0513】
基地局42は、基地局41と無線器401,402との接続方法と同じ接続方法によって、無線器403,404に接続される。基地局43は、基地局41と無線器401,402との接続方法と同じ接続方法によって、無線器405,406に接続される。基地局44は、基地局41と無線器401,402との接続方法と同じ接続方法によって、無線器407,408に接続される。基地局45は、基地局41と無線器401,402との接続方法と同じ接続方法によって、無線器409,410に接続される。
【0514】
無線器401~410は、それぞれチャネルCH_1~CH_10でパケットをブロードキャストする。
【0515】
制御装置46は、リアルタイムトラフィックを構成する単体パケットPKT_Nを端末装置40からネットワークNWを介して受信する。リアルタイムトラフィックを構成する単体パケットPKT_Nは、図5に示すPピクチャをペイロードに含むパケットおよびIピクチャをペイロードに含むパケットからなる。そして、リアルタイムトラフィックを構成する単体パケットPKT_Nは、例えば、同じデータを同時に多数台の端末装置50に伝送する放送からなる。
【0516】
制御装置46は、端末装置40から受信した単体パケットPKT_Nのうち、バーストを構成しない単体パケットPKT_Nをそのまま複数の基地局41~45へ有線通信によって送信する。
【0517】
また、制御装置46は、端末装置40から受信した単体パケットPKT_Nのうち、バーストを構成する単体パケットPKT_Nを上述した方法によって符号化して符号化パケットを生成する。そして、制御装置46は、後述する方法によって、符号化パケットPKT_Cを基地局41~45に割り振り、その割り振った符号化パケットPKT_Cを基地局41~45へ有線通信によって送信する。
【0518】
更に、制御装置46は、無線器401~410のいずれかがレーダーを検出したとき、または無線器401~410のいずれかが予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したとき、またはチャネルCH_1~CH_10のいずれかのチャネル状態が悪いと判定したとき、実施の形態1において説明したように、無線器401~410のいずれかにおけるチャネルの変更を行う。
【0519】
基地局41~45は、制御装置46から単体パケットPKT_Nを受信すると、その受信した単体パケットPKT_Nをそれぞれ無線器401,402、無線器403,404、無線器405,406、無線器407,408および無線器409,410を介して複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0520】
また、基地局41~45は、制御装置46から符号化パケットPKT_Cを受信すると、その受信した符号化パケットPKT_Cをそれぞれ無線器401,402、無線器403,404、無線器405,406、無線器407,408および無線器409,410を介して複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0521】
更に、基地局41~45は、制御装置46から結合パケットを受信すると、その受信した結合パケットをそれぞれ無線器401,402、無線器403,404、無線器405,406、無線器407,408および無線器409,410を介して複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0522】
基地局41がパケットPKT(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)を複数の端末装置50へブロードキャストする場合、基地局41は、チャネルCH_1~CH_10がそれぞれ無線器401~410におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFをパケットPKTのPacket Info(またはCoded Info)のCh_If(図6参照)に格納して送信用パケットPKT(CH_IF)を生成する。そして、基地局41は、送信用パケットPKT(CH_IF)を無線器401,402へ出力する。
【0523】
基地局42がパケットPKT(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)を複数の端末装置50へブロードキャストする場合、基地局42は、基地局41と同様にして送信用パケットPKT(CH_IF)を生成し、その生成した送信用パケットPKT(CH_IF)を無線器403,404へ出力する。
【0524】
基地局43がパケットPKT(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)を複数の端末装置50へブロードキャストする場合、基地局43は、基地局41と同様にして送信用パケットPKT(CH_IF)を生成し、その生成した送信用パケットPKT(CH_IF)を無線器405,406へ出力する。。
【0525】
基地局44がパケットPKT(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)を複数の端末装置50へブロードキャストする場合、基地局44は、基地局41と同様にして送信用パケットPKT(CH_IF)を生成し、その生成した送信用パケットPKT(CH_IF)を無線器407,408へ出力する。
【0526】
基地局45がパケットPKT(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)を複数の端末装置50へブロードキャストする場合、基地局45は、基地局41と同様にして送信用パケットPKT(CH_IF)を生成し、その生成した送信用パケットPKT(CH_IF)を無線器409,4010へ出力する。
【0527】
無線器401,402は、基地局41から送信用パケットPKT(CH_IF)を受け、その受けた送信用パケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_1,CH_2で複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0528】
無線器403,404は、基地局42から送信用パケットPKT(CH_IF)を受け、その受けた送信用パケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_3,CH_4で複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0529】
無線器405,406は、基地局43から送信用パケットPKT(CH_IF)を受け、その受けた送信用パケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_5,CH_6で複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0530】
無線器407,408は、基地局44から送信用パケットPKT(CH_IF)を受け、その受けた送信用パケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_7,CH_8で複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0531】
無線器409,410は、基地局45から送信用パケットPKT(CH_IF)を受け、その受けた送信用パケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_9,CH_10で複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0532】
基地局41は、割振個数分のパケットPKTを制御装置46から順次受けると、その割振個数分のパケットPKTを上述したラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器401,402に割り振る。
【0533】
基地局42は、割振個数分のパケットPKTを制御装置46から順次受けると、その割振個数分のパケットPKTを上述したラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器403,404に割り振る。
【0534】
基地局43は、割振個数分のパケットPKTを制御装置46から順次受けると、その割振個数分のパケットPKTを上述したラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器405,406に割り振る。
【0535】
基地局44は、割振個数分のパケットPKTを制御装置46から順次受けると、その割振個数分のパケットPKTを上述したラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器407,408に割り振る。
【0536】
基地局45は、割振個数分のパケットPKTを制御装置46から順次受けると、その割振個数分のパケットPKTを上述したラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式によって無線器409,410に割り振る。
【0537】
無線器401,402は、基地局41によって割り振られたパケットをそれぞれチャネルCH_1,CH_2で複数の端末装置50へブロードキャストする。無線器403,404は、基地局42によって割り振られたパケットをそれぞれチャネルCH_3,CH_4で複数の端末装置50へブロードキャストする。無線器405,406は、基地局43によって割り振られたパケットをそれぞれチャネルCH_5,CH_6で複数の端末装置50へブロードキャストする。無線器407,408は、基地局44によって割り振られたパケットをそれぞれチャネルCH_7,CH_8で複数の端末装置50へブロードキャストする。無線器409,410は、基地局45によって割り振られたパケットをそれぞれチャネルCH_9,CH_10で複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0538】
基地局41~45は、無線器401~410のいずれかが、レーダーを検出したとき、または予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したとき、またはチャネルCH_1~CH_10のいずれかのチャネル状態が悪いと判定したとき、レーダーを検出したことを示す通知NOTF_1、または予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したことを示す通知NOTF_2、またはチャネルCH_1~CH_10のいずれかのチャネル状態が悪いことを示す通知NOTF_3を有線通信によって制御装置46へ送信する。
【0539】
また、基地局41~45のいずれかは、無線器401~410のうちのいずれかにおけるチャネルの変更を行う指示INSTを制御装置46から受信すると、チャネルの変更を行うように無線器401~410のうちのいずれかを制御する。
【0540】
図28は、図27に示す制御装置46の概略図である。図28を参照して、制御装置46は、受信手段461と、処理手段462と、バッファ463と、送信手段464とを備える。
【0541】
受信手段461は、端末装置40からネットワークNWを介して単体パケットPKT_Nを受信し、その受信した単体パケットPKT_Nを処理手段462へ出力する。
【0542】
受信手段461は、レーダーを検出したことを示す通知NOTF_1、または予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したことを示す通知NOTF_2、またはチャネルCH_1~CH_10のいずれかのチャネル状態が悪いことを示す通知NOTF_3を基地局41~45から受信し、その受信した通知NOTF_1または通知NOTF_2または通知NOTF_3を処理手段462へ出力する。
【0543】
処理手段462は、各基地局41~45に割り振るパケット(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)の個数N_ALCを後述する方法によって決定し、その決定した個数N_ALCを送信手段464へ出力する。
【0544】
また、処理手段462は、受信手段461から単体パケットPKT_Nを受ける。そして、処理手段462は、その受けた単体パケットPKT_Nがバーストを構成しないパケットであるとき、単体パケットPKT_Nをバッファ463にコピーし、元の単体パケットPKT_Nを送信手段464へ出力する。
【0545】
一方、処理手段462は、受信手段461から受けた単体パケットPKT_Nがバーストを構成するパケットであるとき、単体パケットPKT_Nをバッファ463にコピーする。そして、処理手段462は、バッファ463に格納された単体パケットPKT_Nを読み出し、その読み出した単体パケットPKT_Nを上述した方法によって符号化して符号化パケットPKT_Cを生成する。その後、処理手段462は、次の2つの方法のいずれかによって符号化パケットPKT_Cを送信する。
【0546】
[符号化パケットの送信方法]
(I)処理手段462は、受信手段461から受けた単体パケットPKT_Nをバッファ463にコピーする前に生成された符号化パケットPKT_Cを、受信手段461から受けた単体パケットPKT_Nに付与して結合パケットPKT_N/PKT_Cを生成し、その生成した結合パケットPKT_N/PKT_Cを送信手段464へ出力する。
(II)処理手段462は、受信手段461から受けた単体パケットPKT_Nをバッファ463にコピーした後に生成された符号化パケットPKT_Cを送信手段464へ出力する。
【0547】
処理手段462は、レーダーを検出したことを示す通知NOTF_1、または予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出したことを示す通知NOTF_2、またはチャネルCH_1~CH_10のいずれかのチャネル状態が悪いことを示す通知NOTF_3を受信手段461から受けると、レーダーを検出した無線器(無線器401~410のうちのいずれか)、または予め許可された周波数で無線通信を行う1次利用者を検出した無線器(無線器401~410のうちのいずれか)、またはチャネルCH_1~CH_10のいずれかのチャネル状態が悪いことを検出した無線器(無線器401~410のうちのいずれか)におけるチャネルの変更を行う指示INSTを送信手段464を介して基地局41~45のいずれかへ送信する。
【0548】
送信手段464は、各基地局41~45に割り振るパケット(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)の個数N_ALCを処理手段462から受ける。
【0549】
そして、送信手段464は、処理手段462からパケットPKT(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)を受けると、各基地局41~45に割り振るパケットPKTの個数N_ALCに応じて、処理手段462から受けたパケットPKT(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)を基地局41~45へ有線通信によって送信する。
【0550】
[パケットの割振方法]
処理手段462は、各基地局41~45に割り振るパケット(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)の個数N_ALCを次の割振方法(A)~(C)のいずれかによって決定する。
(A)各基地局41~45に割り振るパケット(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)の個数N_ALCを均等にする。
(B)各基地局41~45に割り振るパケット(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)の個数N_ALCを動的に決定する。
(C)各基地局41~45に割り振るパケット(単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれか)の個数N_ALCを各基地局41~45の周辺基地局の密度に応じて決定する。
【0551】
[パケットの割振方法(A)]
図29は、対応表TBL1の概略図である。図29を参照して、対応表TBL1は、基地局とパケットの割振個数とを含む。基地局およびパケットの割振個数は、相互に対応付けられる。基地局41~45に対応するパケットの割振個数は、同じ個数N_ALCからなる。
【0552】
処理手段462は、パケットの割振方法(A)によって個数N_ALCを決定したとき、対応表TBL1を作成し、その作成した対応表TBL1を送信手段464へ出力する。
【0553】
[パケットの割振方法(B)]
処理手段462は、パケットの割振方法(B)によって個数N_ALCを決定するとき、全ての端末装置50と全ての基地局41~45との間のパケット誤り率PERj,sを管理する。パケット誤り率PERj,sにおいて、“j”は、基地局41~45の各々を表す引数であり、“s”は、端末装置50を表す引数である。
【0554】
制御装置46の受信手段461は、基地局AP(基地局41~45のいずれか)を介して、基地局APによるパケットPKTの送信数N_TRと、各端末装置50において計測された直近(“直近”は、現在時刻を基準として、1秒から30秒の時間長だけ前の期間であり、典型的には、10秒の時間長だけ前の期間である。)のパケットPKTの受信数N_RCVとを受信し、送信数N_TRと受信数N_RCVとを処理手段462へ出力する。
【0555】
処理手段462は、受信手段461から送信数N_TRと受信数N_RCVとを受ける。そして、処理手段462は、受信数N_RCVを送信数N_TRで除算することによってパケット誤り率PERj,sを算出する。
【0556】
そして、処理手段462は、次式によって、各基地局41~45に割り振るパケットPKTの個数Tの組み合わせCBNを決定する。
【0557】
【数18】
【0558】
式(18)において、式(18B)は、「複数の端末装置50における期待受信数の合計E_Totalがしきい値E_Total_Thre以上でなければならない」との条件式である。そして、しきい値E_Total_Threは、例えば、R1・Nであり、R1は、1.0以上の実数(例えば、1,5)であり、Nは、符号化パケットPKT_Cに含まれる単体パケットPKT_Nの個数である。また、式(18A)において、“AP”は、基地局41~45の集合を表す。
【0559】
式(18)によってパケットPKTの個数Tの組み合わせCBNを決定することは、複数の基地局41~45の全てによるパケットの送信数の総和が最小になるようにパケットを複数の基地局41~45に割り振ることに相当する。
【0560】
図30は、対応表TBL2の概略図である。図30を参照して、対応表TBL2は、基地局とパケットの割振個数とを含む。基地局およびパケットの割振個数は、相互に対応付けられる。パケットの割振個数N_ALC41~N_ALC45は、それぞれ、基地局41~45に対応付けられる。そして、N_ALC41~N_ALC45は、式(18)によって算出されたCBN(Tの組み合わせ)からなる。
【0561】
処理手段462は、式(18)によって、各基地局41~45に割り振るパケットPKTの個数Tの組み合わせCBNを決定すると、対応表TBL2を作成し、その作成した対応表TBL2を送信手段464へ出力する。
【0562】
なお、パケットの割振方法(B)においては、処理手段462は、端末装置50における各基地局41~45からの信号の受信信号強度RSSIに基づいてパケット誤り率PERj,sを算出してもよい。この場合、処理手段462は、次の方法によってパケット誤り率PERj,sを算出する。
【0563】
処理手段462は、しきい値RSSI_THRE_1,RSSI_THRE_2を保持する。しきい値RSSI_THRE_1は、例えば、-80dBmであり、しきい値RSSI_THRE_2は、例えば、-60dBmである。しきい値RSSI_THRE_1,RSSI_THRE_2は、これらの値に限らず、しきい値RSSI_THRE_1がしきい値RSSI_THRE_2よりも小さければよい(即ち、RSSI_THRE_1<RSSI_THRE_2の関係を満たせばよい)。
【0564】
処理手段462は、端末装置sにおける基地局jからの受信信号強度RSSIj,sに基づいて式(19)によってパケット誤り率PERj,sを算出する。
【0565】
より具体的には、処理手段462は、受信信号強度RSSIj,sがしきい値RSSI_THRE_1よりも小さいとき、式(19A)によってパケット誤り率PERj,sを算出し、受信信号強度RSSIj,sがしきい値RSSI_THRE_1以上であり、かつ、しきい値RSSI_THRE_2よりも小さいとき、パケット誤り率PERj,sを式(19B)によってパケット誤り率PERj,sを算出し、受信信号強度RSSIj,sがしきい値RSSI_THRE_2以上であるとき、式(19C)によってパケット誤り率PERj,sを算出する。
【0566】
【数19】
【0567】
[パケットの割振方法(C)]
基地局41~45の各々は、自己の周辺に配置された基地局からの信号をモニターし、自己の周辺に配置された基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIを計測する。そして、基地局41~45の各々は、計測した受信信号強度RSSIを制御装置46へ送信する。
【0568】
制御装置46の受信手段461は、基地局41~45の各々から受信信号強度RSSIを受信し、その受信した受信信号強度RSSIを処理手段462へ出力する。
【0569】
制御装置46の処理手段462は、各基地局41~45の受信信号強度RSSIを受信手段461から受けると、受信信号強度RSSIに基づいて、受信信号強度が-60dBm以上である周辺の基地局の個数Xと、受信信号強度が-80dBm~-60dBmである周辺の基地局の個数Yと検出する。
【0570】
そして、処理手段462は、次式によって、各基地局41~45に割り振るパケットの個数Tを算出する。
【0571】
【数20】
【0572】
式(20C)は、「各基地局41~45に割り振るパケット数Tが最小値T_Min以上でなければならない」との条件式であり、T_Minは、1以上の整数である。また、式(20A)におけるa,bの各々は、0~1の実数であり、a>bの関係を有する。更に、式(20B)におけるR2は、例えば、1.2である。
【0573】
1個の基地局の周辺の基地局の個数がNAPであるとする。1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-60dBm以上であるとき、Y=0であるので、式(20A)の分母は、aXとなる。
【0574】
また、1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-80dBm~-60dBmであるとき、X=0であるので、式(20A)の分母は、bYとなる。
【0575】
更に、1個の基地局が周辺の基地局の一部から信号を受信したときの受信信号強度RSSIが-60dBm以上であり、かつ、1個の基地局が周辺の残りの基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIが-80dBm~-60dBmであるとき、式(20A)の分母は、aX+bYとなる。
【0576】
式(20A)の分母がaXである場合と、式(20A)の分母がbYである場合とを比較すると、a>bおよびX=Y=NAPであるので、aX>bYとなる。従って、Tは、1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-60dBm以上である場合の方が1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-80dBm~-60dBmである場合よりも小さくなる。
【0577】
式(20A)の分母がaXである場合と、式(20A)の分母がaX+bYである場合とを比較する。式(20A)の分母がaXである場合、式(20A)の分母は、aX=aNAPとなる。
【0578】
一方、式(20A)の分母がaX+bYである場合、X+Y=NAPが成立するので、式(20A)の分母は、aX+bY=aNAP+(b-a)Yとなる。その結果、a>bであるので、(b-a)Yは、負の値になり、aX+bYは、aNAPよりも小さくなる。
【0579】
次に、式(20A)の分母がbYである場合と、式(20A)の分母がaX+bYである場合とを比較する。式(20A)の分母がbYである場合、式(20A)の分母は、bY=bNAPとなる。
【0580】
一方、式(20A)の分母がaX+bYである場合、X+Y=NAPが成立するので、式(20A)の分母は、aX+bY=bNAP+(a-b)Xとなる。その結果、a>bであるので、(a-b)Xは、正の値になり、aX+bYは、bNAPよりも大きくなる。
【0581】
従って、式(20A)の分母は、1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-60dBm以上であるとき、最も大きく、1個の基地局が周辺の基地局の一部から信号を受信したときの受信信号強度RSSIが-60dBm以上であり、かつ、1個の基地局が周辺の残りの基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIが-80dBm~-60dBmであるとき、2番目に大きく、1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-80dBm~-60dBmであるとき、最も小さい。
【0582】
以上をまとめると、表4のようになる。
【0583】
【表4】
【0584】
表4において、周辺基地局の密度は、1個の基地局における受信信号強度RSSIが-80dBm以上である基地局の個数からなる。そして、周辺基地局の密度が、全ての受信信号強度RSSIが-60dBm以上であるとき、最も高くなり、全ての受信信号強度RSSIが-80~-60dBmであるとき、最も低くなるのは、受信信号強度RSSIが大きい方が1個の基地局の近くにより多くの周辺基地局が存在し、受信信号強度RSSIが小さい方が1個の基地局の近くにより少ない周辺基地局が存在するからである。
【0585】
表4に示すように、周辺基地局の密度は、1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-60dBm以上であるとき、最も高く、1個の基地局が周辺の基地局の一部から信号を受信したときの受信信号強度RSSIが-60dBm以上であり、かつ、1個の基地局が周辺の残りの基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIが-80dBm~-60dBmであるとき、2番目に高く、1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-80dBm~-60dBmであるとき、最も低い。
【0586】
そして、1個の基地局に割り振るパケット送信数Tは、1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-60dBm以上であるとき、最も少なく、1個の基地局が周辺の基地局の一部から信号を受信したときの受信信号強度RSSIが-60dBm以上であり、かつ、1個の基地局が周辺の残りの基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIが-80dBm~-60dBmであるとき、2番目に少なく、1個の基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度RSSIの全てが-80dBm~-60dBmであるとき、最も多い。
【0587】
従って、処理処理462は、周辺基地局の密度が第1の密度であるとき、パケット送信数Tを第1の値に決定し、周辺基地局の密度が第1の密度よりも低い第2の密度であるとき、パケット送信数Tを第1の値よりも大きい第2の値に決定する。
【0588】
図31は、対応表TBL3の概略図である。図31を参照して、対応表TBL3は、対応表TBL2と同じ構成からなる。そして、対応表TBL3においては、N_ALC41~N_ALC45の各々は、式(20)によって算出されたTからなる。
【0589】
処理手段462は、式(20)によって、各基地局41~45に割り振るパケットPKTの個数Tを決定すると、対応表TBL3を作成し、その作成した対応表TBL3を送信手段464へ出力する。
【0590】
基地局の総数uと、1つの基地局に接続される無線器の個数dと、無線器の総数w(=u×d)との関係を表5に示す。
【0591】
【表5】
【0592】
基地局の総数uは、2以上の整数である。これは、u個の基地局がパケットの送信先である複数の端末装置50との間の通信空間において相互に異なる通信空間をカバーするように相互に異なる位置に配置されるからである。
【0593】
1つの基地局に接続される無線器の個数dは、2以上の整数である。これは、1つの基地局がラウンドロビン伝送方式によってパケットをd個の無線器に割り振ることを可能にする必要があるからである。
【0594】
基地局の総数uがu=2であり、1つの基地局に接続される無線器の個数dがd=2であるとき、無線器の総数wは、w=4である。この場合、送信装置1Aにおける無線器は、第1の送信用無線器~第Q(=4)の送信用無線器からなる。
【0595】
また、基地局の総数uがu=2であり、1つの基地局に接続される無線器の個数dがd=3であるとき、無線器の総数wは、w=6である。この場合、送信装置1Aにおける無線器は、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Q(=6)の送信用無線器WD_TR_Qからなる。
【0596】
以下、同様にして、基地局の総数uがu=2であり、1つの基地局に接続される無線器の個数dがd=w_max/2であるとき、無線器の総数wは、w=w_maxである。この場合、送信装置1Aにおける無線器は、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Q(=w_max)の送信用無線器WD_TR_Qからなる。
【0597】
u=3,4,・・・,u_max、d=2,3,・・・,w_max/3;d=2,3,・・・,w_max/4;・・・;d=2,3,・・・,w_max/u_max、w=6,9,・・・,w_max;w=8,12,・・・,w_max;・・・;w=2×u_max,3×u_max,・・・,w_maxである場合も、同様にして、送信装置1Aにおける無線器は、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Q(=w_max)の送信用無線器WD_TR_Qからなる。
【0598】
そして、基地局の総数uの最大値u_maxおよび無線器の総数wの最大値w_maxは、通信システム10Aの設計者によって決定される。
【0599】
送信装置1Aが第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qを備える場合、基地局41~45は、チャネルCH_1~CH_Qがそれぞれ1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qにおけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFを生成し、その生成したチャネル情報CH_IFを含む第1のパケットPKT(CH_IF)~第QのパケットPKT(CH_IF)をそれぞれ第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qへ出力する。
【0600】
第1のパケットPKT(CH_IF)~第QのパケットPKT(CH_IF)は、それぞれ、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qが送信するパケットを表すものであり、基地局41~45の各々が、図13において説明したラウンドロビン伝送方式によって自己(=基地局41~45のうちの1つの基地局)に接続されたd個の送信用無線器(=第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちのd個の送信用無線器)に順次割り振られるパケットと異なるものであり、図14において説明した多重伝送方式によって自己(=基地局41~45のうちの1つの基地局)に接続されたd個の送信用無線器(=第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qの一部からなる送信用無線器)の全てに割り振られる各パケットとも異なるものである。
【0601】
このように、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qは、それぞれ第1のパケットPKT(CH_IF)~第QのパケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_1~CH_Qで送信するので、端末装置50において、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qのうちの1つの受信用無線器WD_RV_qがチャネルCH_qで第qのパケットPKT(CH_IF)を受信すれば、処理手段511は、パケットPKT(CH_IF)に含まれるチャネル情報CH_IF(チャネルCH_1~CH_Qがそれぞれ1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qにおけるチャネルであることを示すチャネル情報)に基づいて、送信装置1Aの第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qがそれぞれパケットの送信に用いるチャネルCH_1~CH_Qの全てを検出することができ、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qがそれぞれ送信装置1Aの第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qとチャネル接続するように第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qを制御できる。
【0602】
従って、端末装置50は、通信領域CM_REG1内に入るまでに、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qと送信装置1Aの第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qとのチャネル接続を完了することができる。
【0603】
図32は、図27に示す端末装置50の概略図である。図32を参照して、端末装置50は、無線器501~510と、受信機51とを備える。受信機51は、処理手段511と、Nバッファ512と、Cバッファ513とを含む。
【0604】
処理手段511は、USBまたはPCIeによって無線器501~510に接続される。この場合、受信機51および無線器501~510は、一体化した物理装置である。また、処理手段511は、有線LANによって無線器501~510に接続される。この場合、受信機51および無線器501~510は、別々の装置である。
【0605】
無線器501~510は、それぞれ、送信装置1Aの無線器401~410に対応して設けられる。無線器501~510は、それぞれ、チャネルCH_1~CH_10でパケットPKTを送信装置1Aの無線器401~410から受信し、その受信したパケットPKTを処理手段511へ出力する。
【0606】
処理手段511は、端末装置50が通信領域CM_REG1(図2参照)に向かって移動しているときに、無線器501~510の少なくとも1つからパケットを受けると、その受けたパケットに含まれるチャネル情報CH_IFに基づいて、送信装置1Aの無線器401~410とチャネル接続を完了するように無線器501~510を制御する。
【0607】
また、処理手段511は、パケットPKT_N(z)を無線器501~510から受けると、上述したNパケット受信処理をパケットPKT_N(z)に対して実行する。この場合、処理手段511は、Nパケット受信処理において、パケットPKT_N(z)が受信済でないとき、パケットPKT_N(z)をNバッファ512に格納する。そして、処理手段511は、Nバッファ512に格納された全てのパケットPKT_N(z)をアプリケーション(図示省略)へ伝送する。
【0608】
一方、処理手段511は、送信用パケットPKT_TRを無線器501~510から受けると、送信用パケットPKT_TRが符号化パケットPKT_Cと単体パケットPKT_Nとを含むとき、符号化パケットPKT_Cと単体パケットPKT_Nとを分離する分離処理を実行する。そして、処理手段511は、その分離した単体パケットPKT_Nに対してNパケット受信処理を実行する。また、処理手段511は、Nバッファ512に格納済の単体パケットPKT_N(即ち、受信済の単体パケットPKT_N)の情報を符号化パケットPKT_Cから除去する除去処理を実行し、その除去処理後の符号化パケットPKT_C’が複数の単体パケットPKT_Nを含むとき、符号化パケットPKT_C’をCバッファ513に格納する。その後、処理手段511は、Cバッファ513に格納された符号化パケットPKT_C’に対して上述した復号処理を実行する。この場合、処理手段511は、復号処理において復号された単体パケットPKT_Nに対してNパケット受信処理を実行する。
【0609】
処理手段511は、送信用パケットPKT_TRが符号化パケットPKT_Cのみを含むとき、上述した分離処理を実行せずに、上述した除去処理および復号処理を順次実行する。
【0610】
図33は、図27に示す送信装置1Aの動作を説明するためのフローチャートである。図33を参照して、送信装置1Aの動作が開始されると、制御装置46は、各基地局41~45に割り振るパケットの個数を決定する(ステップS101)。この場合、制御装置46は、上述したパケットの割振方法(A)~(C)のいずれかによって各基地局41~45に割り振るパケットの個数を決定する。
【0611】
そして、ステップS101の後、制御装置46は、ネットワークNWを介して端末装置40からパケットを受信する(ステップS102)。その後、制御装置46は、ステップS101において決定したパケットの個数に応じてパケットを有線通信によって複数の基地局41~45へ送信する(ステップS103)。
【0612】
複数の基地局41~45は、制御装置46からパケットを受信する(ステップS104)。そして、複数の基地局41~45は、パケットの送信に用いる全ての無線器におけるチャネルを示すチャネル情報CH_IFを含むパケットを無線器401~410を介して複数の端末装置50へブロードキャストする(ステップS105)。
【0613】
そうすると、制御装置46は、各基地局41~45に割り振るパケットの個数を新たに決定するか否かを判定する(ステップS106)。この場合、制御装置46は、各基地局41~45に割り振るパケットの個数を上述したパケットの割振方法(A),(C)のいずれかによって決定するとき、各基地局41~45に割り振るパケットの個数を新たに決定しないと判定し、各基地局41~45に割り振るパケットの個数を上述したパケットの割振方法(B)によって決定するとき、各基地局41~45に割り振るパケットの個数を新たに決定すると判定する。
【0614】
ステップS106において、各基地局41~45に割り振るパケットの個数を新たに決定しないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS102へ移行し、その後、ステップS102~ステップS106が順次実行される。
【0615】
一方、ステップS106において、各基地局41~45に割り振るパケットの個数を新たに決定すると判定されたとき、一連の動作は、ステップS101へ移行し、その後、ステップS101~ステップS106が順次実行される。
【0616】
なお、送信装置1Aは、駆動されている限り、ステップS101~ステップS106を繰り返し実行する。
【0617】
図33に示すフローチャートにおいて、ステップS105の詳細な動作は、図16に示すフローチャートまたは図17に示すフローチャートに従って実行される。この場合、基地局41~45は、図16に示すフローチャートまたは図17に示すフローチャートを並行して実行し、ラウンドロビン伝送方式または多重伝送方式に従ってパケットを自己に接続された無線器(1つの基地局に接続されたd個の送信用無線器)に割り振って複数の端末装置50へパケットをブロードキャストする。
【0618】
基地局41~45の各々が図16に示すフローチャートを実行する場合、基地局41、基地局42、基地局43,基地局44および基地局45の順に図16に示すフローチャートをd回づつ実行する。そして、基地局41は、図16に示すフローチャートをd回実行すると、図16に示すフローチャートをd回実行したときのgの値g_dと図16に示すフローチャートをd回実行したことを示す信号S_dとを基地局42へ送信する。
【0619】
基地局42は、値g_dおよび信号S_dを基地局41から受信すると、値g_dを用いて図16に示すフローチャートを実行する。そして、基地局42は、図16に示すフローチャートをd回実行すると、値g_dおよび信号S_dを基地局43へ送信する。
【0620】
以後、基地局41~45は、基地局41→基地局42→基地局43→基地局44→基地局45→基地局41→基地局42→・・・のように、図16に示すフローチャートを実行する基地局をリング状に変更して図33のステップS105の詳細な動作を図16に示すフローチャートに従って実行する。
【0621】
また、基地局41~45の各々が図17に示すフローチャートを実行する場合、基地局41~45の各々は、ステップS71Aにおいて、チャネル情報CH_IFを生成し、ステップS72Aにおいて、チャネル情報CH_IFを含む送信用パケットPKT(CH_IF)を生成し、ステップS73Aにおいて、送信用パケットPKT(CH_IF)を多重伝送方式に従って第1の送信用無線器~第dの送信用無線器に割り振り、ステップS74Aにおいて、第1の送信用無線器~第dの送信用無線器が、送信用パケットPKT(CH_IF)をそれぞれチャネルCH_1~CH_dで送信する。
【0622】
図34は、図33に示すステップS101の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。なお、図34に示すフローチャートは、上述したパケットの割振方法(B)を用いるときのステップS101の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0623】
図34を参照して、図33の“開始”の後、またはステップS106において、各基地局に割り振るパケットの個数を新たに決定すると判定されたとき、制御装置46の処理手段462は、全ての端末装置STA_1~STA_Sにおける全ての基地局AP_1~AP_Jから受信したパケットの受信数N_RCV1,1~N_RCV1,J;N_RCV2,1~N_RCV2,J;・・・;N_RCVS,1~N_RCVS,Jと、全ての基地局AP_1~AP_Jによるパケットの送信数T1,1~TS,1;T1,2~TS,2;・・・;T1,J~TS,Jとを受信する(ステップS101-1)。ここで、Sは、端末装置50の総数であり、Jは、基地局41~45の総数である。
【0624】
そして、処理手段462は、全ての基地局AP_1~AP_Jの符号化パケットの送信数T~Tを同じ値T_Minに設定する(ステップS101-2)。
【0625】
その後、処理手段462は、s=1を設定し(ステップS101-3)、j=1を設定する(ステップS101-4)。
【0626】
引き続いて、処理手段462は、端末装置STA_sが基地局AP_jから受信したパケットの受信数N_RCVs,jを基地局AP_jから端末装置STA_sへのパケットの送信数Tj,sで除算してパケット誤り率PERj,sを算出する(ステップS101-5)。
【0627】
そして、処理手段462は、端末装置STA_sが基地局AP_jから符号化パケットを受信する期待受信数Ej,s(=Tj,s・PERj,s)を算出する(ステップS101-6)。
【0628】
その後、処理手段462は、E_Total_j_s=E_Total_j_s+Ej,sによって端末装置STA_sにおける基地局AP_jからのパケットの期待受信数E_Total_j_sを更新する(ステップS101-7)。
【0629】
そして、処理手段462は、j=Jであるか否かを判定する(ステップS101-8)。ステップS101-8において、j=Jでないと判定されたとき、処理手段462は、j=j+1を設定する(ステップS101-9)。その後、一連の動作は、ステップS101-5へ移行し、ステップS101-8において、j=Jであると判定されるまで、ステップS101-5~ステップS101-9が繰り返し実行される。
【0630】
そして、ステップS101-8において、j=Jであると判定されると、処理手段462は、端末装置STA_sにおける全ての基地局AP_1~AP_Jからのパケットの期待受信数の総和E_Total_sを取得する(ステップS101-10)。
【0631】
その後、処理手段462は、s=Sであるか否かを判定する(ステップS101-11)。
【0632】
ステップS101-11において、s=Sでないと判定されたとき、処理手段462は、s=s+1を設定する(ステップS101-12)。その後、一連の動作は、ステップSステップS101-4へ移行し、ステップS101-11において、s=Sであると判定されるまで、ステップS101-4~ステップS101-12が繰り返し実行される。
【0633】
そして、ステップS101-11において、s=Sであると判定されると、処理手段462は、全ての端末装置STA_1~STA_Sにおける全ての基地局AP_1~AP_Jからのパケットの期待受信数の総和E_Total_1~E_Total_Sのうちの最小値E_Total_minを検出する(ステップS101-13)。
【0634】
そうすると、処理手段462は、最小値E_Total_minがしきい値E_Total_Thre以上であるか否かを判定する(ステップS101-14)。
【0635】
ステップS101-14において、最小値E_Total_minがしきい値E_Total_Thre以上でないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS101-1へ移行し、ステップS101-14において、最小値E_Total_minがしきい値E_Total_Thre以上であると判定されるまで、ステップS101-1~ステップS101-14が繰り返し実行される。
【0636】
そして、ステップS101-14において、最小値E_Total_minがしきい値E_Total_Thre以上であると判定されると、処理手段462は、最小値E_Total_minが得られるときの端末装置STA_pについて、パケット誤り率PERj,pが最も小さい基地局AP_qを選択し、基地局AP_qの符号化パケットの送信数Tを“1”だけ増やす(T=T+1)(ステップS101-15)。その後、一連の動作は、図33のステップS102へ移行する。
【0637】
なお、ステップS101-7が1回目に実行されるとき、E_Total_j_s=E_Total_j_s+Ej,sの右辺における“E_Total_j_s”には、T_Minが代入される。
【0638】
また、全ての基地局AP_1~AP_Jについて、ステップS101-5~ステップS101-9が実行されることによって、1個の端末装置STA_sが全ての基地局AP_1~AP_Jから符号化パケットを受信する期待受信数の総数E_Total_sが取得される(ステップS101-10参照)。
【0639】
更に、全ての端末装置STA_1~STA_Sについて、ステップS101-4~ステップS101-12が実行されることによって、全ての端末装置STA_1~STA_Sの総和E_Total_1~E_Total_Sが取得される(ステップS101-13参照)。
【0640】
更に、ステップS101-13においては、全ての端末装置STA_1~STA_Sにおける全ての基地局AP_1~AP_Jからのパケットの期待受信数の総和E_Total_1~E_Total_Sのうちの最小値が複数存在するとき、複数の最小値のうちの任意の最小値が最小値E_Total_minとして検出される。
【0641】
更に、ステップS101-5においては、端末装置STA_sが基地局AP_jから受信した受信信号強度RSSIj,sに基づいて式(19)によってパケット誤り率PERj,sを算出してもよい。
【0642】
図35は、図33に示すステップS101の詳細な動作を説明するための別のフローチャートである。なお、図35に示すフローチャートは、上述したパケットの割振方法(C)を用いるときのステップS101の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0643】
図35を参照して、図33の“開始”の後、制御装置46の処理手段462は、全ての基地局AP_1~AP_Jにおける受信信号強度RSSI_1~RSSI_J(RSSI_1~RSSI_Jの各々は、各基地局が周辺の基地局から信号を受信したときの受信信号強度からなる。)を基地局AP_1~AP_Jから受信する(ステップS101-21)。
【0644】
そして、処理手段462は、j=1を設定し(ステップS101-22)、受信信号強度RSSI_1_j~RSSI_NAP_j(NAPは、基地局AP_jの周辺基地局の総数である。)のうち、-60dBm以上の受信信号強度の個数Xと、-80~-60dBmの受信信号強度の個数Yとをカウントする(ステップS101-23)。
【0645】
その後、処理手段462は、個数X,Yに基づいて、式(20)によって、基地局AP_jに割り振るパケットの個数Tを算出する(ステップS101-24)。
【0646】
そして、処理手段462は、j=Jであるか否かを判定する(ステップS101-25)。
【0647】
ステップS101-25において、j=Jでないと判定されたとき、処理手段462は、j=j+1を設定する(ステップS101-26)。その後、一連の動作は、ステップS101-23へ移行し、ステップS101-25において、j=Jであると判定されるまで、ステップS101-23~ステップS101-26が繰り返し実行される。
【0648】
そして、ステップS101-25において、j=Jであると判定されると、処理手段462は、基地局AP_1~AP_Jにそれぞれ割り振るパケットの個数T~Tを取得する(ステップS101-27)。その後、一連の動作は、図33のステップS102へ移行する。
【0649】
図36は、図33に示すステップS103の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0650】
図36を参照して、図33のステップS102の後、制御装置46の処理手段462は、符号化パケットをPiggybackで送信するか否かを判定する(ステップS103-1)。
【0651】
ステップS103-1において、符号化パケットをPiggybackで送信すると判定されたとき、処理手段462は、第1のフローチャートに従って、個数T~Tに応じてパケットをそれぞれ基地局AP_1~AP_Jへ送信する(ステップS103-2)。
【0652】
一方、ステップS103-1において、符号化パケットをPiggybackで送信しないと判定されたとき、処理手段462は、第2のフローチャートに従って、個数T~Tに応じてパケットをそれぞれ基地局AP_1~AP_Jへ送信する(ステップS103-3)。
【0653】
そして、ステップS103-2またはステップS103-3の後、一連の動作は、図33のステップS104へ移行する。
【0654】
図37は、図36のステップS103-2における「第1のフローチャート」を示すフローチャートである。
【0655】
図37に示すフローチャートは、図15に示すフローチャートのステップS7をステップS14に変え、ステップS10をステップS15に変えたものであり、その他は、図15に示すフローチャートと同じである。そして、図37に示すフローチャートは、送信装置1Aの動作を説明するための別のフローチャートである。
【0656】
図37を参照して、送信装置1Aの動作が開始されると、上述したステップS1,S2の“YES”,S3,S4,S5の“YES”,S6が順次実行された後、または上述したステップS1,S2の“YES”,S3,S4,S5の“NO”が順次実行された後、処理手段462は、個数T~Tに応じてパケットを基地局AP_1~AP_Jへ送信する(ステップS14)。その後、上述したステップS8が実行された後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0657】
そして、ステップS2において、パケットが到着しなかったと判定された後、処理手段462は、上述したステップS9を実行し、ステップS9において、最後のパケットが到着した後、Tミリ秒が経過したと判定されたとき、処理手段462は、個数T~Tに応じて符号化パケットを基地局AP_1~AP_Jへ送信する(ステップS15)。その後、ステップS11において、符号化パケットの送信数がKであると判定されるまで、ステップS15,S11,S12が繰り返し実行され、ステップS11において、符号化パケットの送信数がKであると判定されると、ステップS13が実行され、その後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0658】
図38は、図36のステップS103-3における「第2のフローチャート」を示すフローチャートである。
【0659】
図38に示すフローチャートは、図37に示すフローチャートのステップS6をステップS16に変え、ステップS8を削除したものであり、その他は、図37に示すフローチャートと同じである。そして、図38に示すフローチャートは、送信装置1Aの動作を説明するための更に別のフローチャートである。
【0660】
図38を参照して、送信装置1Aの動作が開始されると、上述したステップS1,S2の“YES”,S3,S4,S5の“YES”が順次実行された後、処理手段462は、バッファ463に格納されたパケットから符号化パケットを生成する(ステップS16)。
【0661】
そして、ステップS5において、符号化パケットを送信しないと判定されたとき、またはステップS16の後、上述したステップS14が実行され、その後、一連の動作は、ステップS2へ移行する。
【0662】
図37に示すフローチャートにおいて、ステップS8の詳細な動作は、図18に示すフローチャートに従って実行され、図38に示すフローチャートにおいて、ステップS16の詳細な動作は、図18に示すフローチャートに従って実行される。
【0663】
なお、図37に示すフローチャートおよび図38に示すフローチャートは、送信装置1Aが駆動されている限り、繰り返し実行される。
【0664】
図39は、バーストを構成するパケットの更に別の送信方法を説明するための図である。
【0665】
図39においては、バーストを構成する各パケットが送信装置1Aに到着する毎に符号化パケットPKT_Cを生成して複数の端末装置50へ送信する場合について、バーストを構成するパケットの送信方法を説明する。
【0666】
図39を参照して、処理手段462は、パケットPが送信装置1Aに到着すると、パケットPをバッファ463にコピーする。そして、処理手段462は、バッファ463からパケットPを取り出し、その取り出したパケットPを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。その後、処理手段462は、符号化パケットCを送信手段464へ出力して符号化パケットCを単独で基地局41~45へ送信する。
【0667】
また、処理手段462は、パケットPが送信装置1Aに到着すると、パケットPをバッファ463にコピーし、バッファ463からパケットP,Pを取り出し、その取り出したパケットP,Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。そして、処理手段462は、符号化パケットCを送信手段464へ出力して符号化パケットCを単独で基地局41~45へ送信する。
【0668】
更に、処理手段462は、パケットPが送信装置1Aに到着すると、パケットPをバッファ463にコピーし、バッファ463からパケットP,P,Pを取り出し、その取り出したパケットP,P,Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。そして、処理手段462は、符号化パケットCを送信手段464へ出力して符号化パケットCを単独で基地局41~45へ送信する。
【0669】
更に、処理手段462は、パケットPが送信装置1Aに到着すると、パケットPをバッファ463にコピーし、バッファ463からパケットP,P,P,Pを取り出し、その取り出したパケットP,P,P,Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。そして、処理手段462は、符号化パケットCを送信手段464へ出力して符号化パケットCを単独で基地局41~45へ送信する。
【0670】
更に、処理手段462は、パケットPが送信装置1Aに到着すると、パケットPをバッファ463にコピーし、バッファ463からパケットP,P,P,P,Pを取り出し、その取り出したパケットP,P,P,P,Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。そして、処理手段462は、符号化パケットCを送信手段464へ出力して符号化パケットCを単独で基地局41~45へ送信する。
【0671】
更に、処理手段462は、パケットPが送信装置1Aに到着すると、パケットPをバッファ463にコピーし、バッファ463からパケットP,P,P,P,P,Pを取り出し、その取り出したパケットP,P,P,P,P,Pを上述した方法によって符号化して符号化パケットCを生成する。そして、処理手段462は、符号化パケットCを送信手段464へ出力して符号化パケットCを単独で基地局41~45へ送信する。
【0672】
その後、処理手段462は、符号化パケットC~Cを生成し、その生成した符号化パケットC~Cをそれぞれ単独で基地局41~45へ送信する。
【0673】
このように、送信装置1Aは、バーストを構成する各パケットが到着する毎に、符号化パケットPKT_Cを生成し、その生成した符号化パケットPKT_Cを単独で基地局41~45へ送信する。
【0674】
なお、特に、図示しないが、送信装置1Aは、バーストを構成しない各パケットをそのまま(即ち、符号化パケットPKT_Cを生成せずに)基地局41~45へ送信する。
【0675】
図38に示すフローチャートにおいては、バーストを構成しない単体パケットPKT_Nが送信装置1Aに到着すると、ステップS2において、パケットが到着したと判定され、その後、ステップS3,S4が順次実行された後、ステップS5において、符号化パケットを送信しないと判定され、ステップS14,S7において、バーストを構成しない単体パケットPKT_Nが複数の端末装置50へ送信される。
【0676】
一方、図39に示すように、バーストを構成するパケットPが送信装置1Aに到着すると、ステップS2において、パケットが到着したと判定され、その後、ステップS3,S4が順次実行された後、ステップS5において、符号化パケットを送信すると判定され、ステップS16において、バッファ463に格納されたパケットを上述した方法によって符号化して符号化パケットCが生成される。
【0677】
そして、ステップS14において、符号化パケットPKT_Cは、基地局41~45へ送信される。
【0678】
また、バーストを構成するパケットPが送信装置1Aに到着すると、ステップS2において、パケットが到着したと判定され、その後、ステップS3,S4が順次実行された後、ステップS5において、符号化パケットを送信すると判定され、ステップS16において、バッファ463に格納されたパケットを上述した方法によって符号化して符号化パケットCが生成される。
【0679】
そして、ステップS14において、符号化パケットPKT_Cは、基地局41~45へ送信される。
【0680】
更に、バーストを構成するパケットPが送信装置1Aに到着すると、ステップS2において、パケットが到着したと判定され、その後、ステップS3,S4が順次実行された後、ステップS5において、符号化パケットを送信すると判定され、ステップS16において、バッファ463に格納されたパケットを上述した方法によって符号化して符号化パケットCが生成される。
【0681】
そして、ステップS14において、符号化パケットPKT_Cは、基地局41~45へ送信される。
【0682】
更に、同様にして、バーストを構成するパケットP~Pが送信装置1Aに到着する毎に、ステップS2の“YES”、ステップS3、ステップS4、ステップS5の“YES”、ステップS16およびステップS14が順次実行され、符号化パケットPKT_C~Cが基地局41~45へ順次送信される。
【0683】
そして、ステップS7において、符号化パケットPKT_Cが端末装置50へ送信された後の、ステップS2において、パケットが到着しなかったと判定されると、ステップS15,S10~ステップS12において、図39に示す符号化パケットPKT_C~Cが基地局41~45へ順次送信されるとともに端末装置50へ送信される。
【0684】
このように、図38に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む。)においては、バーストを構成しない単体パケットPKT_Nを単独で基地局41~45へ送信し、バーストを構成する単体パケットPKT_Nを符号化して符号化パケットC~Cを単独で基地局41~45へ送信できる。
【0685】
上述したように、送信装置1Aは、バーストを構成しないパケットを単独で端末装置50へ送信し、バーストを構成するパケットを単体パケットPKT_N、符号化パケットPKT_Cおよび結合パケットPKT_N/PKT_Cのいずれかによって端末装置50へ送信する。
【0686】
送信装置1Aがパケットを端末装置50へ送信(ブロードキャスト)することによって、以下の効果を得ることができる。
【0687】
[誤り率の改善]
複数の基地局41~45がパケットを同時に送信することによって、パケットの誤り率を低減することができる。
【0688】
複数の基地局41~45のうちのいずれか1つの基地局がパケットを送信すれば、パケットの送信に成功するため、トータルのパケット誤り率PER_TOTALは、次式によって表される。
【0689】
【数21】
【0690】
なお、式(21)におけるsは、各端末装置50を示す引数であり、PERは、端末装置sのパケット誤り率である。
【0691】
式(21)より、端末装置sの個数を増やすほど、トータルのパケット誤り率PER_TOTALを低減できる。
【0692】
[ノイズ・干渉に強い]
一部の基地局がノイズ・干渉の影響を受けたとしても、影響の小さい他の離れた基地局でパケットを送信すれば良く、ノイズ・干渉に強くなる。
【0693】
[低遅延]
パケットの再送数または符号化率を下げられるので、低遅延になる。
【0694】
[基地局の切り替え不要]
基地局の切り替えが発生しないので、切り替えによる瞬断が発生しない。
【0695】
[容易なエリア拡張]
作業エリアに沿って基地局を配置することにより、シームレスに作業エリアを拡張できる。つまり、基地局の個数を単に増加するだけで作業エリアを拡張できる。
【0696】
図36に示すフローチャートにおいては、ステップS103-2において、パケットを基地局AP_1~AP_Jへ送信する場合、図37のステップS14において、単体パケットまたは結合パケットPKT_N/PKT_Cが個数T~Tに応じてそれぞれ基地局AP_1~AP_Jへ送信され、図37のステップS15において、符号化パケットPKT_Cが個数T~Tに応じてそれぞれ基地局AP_1~AP_Jへ送信される。
【0697】
また、図36に示すフローチャートにおいては、ステップS103-3において、パケットを基地局AP_1~AP_Jへ送信する場合、図38のステップS14において、単体パケットまたは符号化パケットPKT_Cが個数T~Tに応じてそれぞれ基地局AP_1~AP_Jへ送信され、図38のステップS15において、符号化パケットPKT_Cが個数T~Tに応じてそれぞれ基地局AP_1~AP_Jへ送信される。
【0698】
複数の端末装置50は、移動しながら、基地局AP_1~AP_Jによってブロードキャストされたパケットを受信し、図19に示すフローチャート(図20から図22に示すフローチャートを含む)に従って、その受信したパケットに対して、上述した受信処理(Nパケット受信処理、分離処理、除去処理および復号処理)を実行し、受信処理(Nパケット受信処理、分離処理、除去処理および復号処理)したパケットをアプリケーション(図示せず)へ伝送する。
【0699】
送信装置1Aにおいては、制御装置46は、端末装置40から受信した単体パケットPKT_Nのうち、バーストを構成しない単体パケットPKT_Nを基地局AP_1~AP_Jへ送信し、バーストを構成する単体パケットPKT_Nを符号化して符号化パケットPKT_Cを生成し、その生成した符号化パケットPKT_CをPiggybackまたは単独で基地局AP_1~AP_Jへ送信し、基地局AP_1~AP_Jは、無線器401~410を用いて、制御装置46から受信した単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれかを複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0700】
その結果、基地局AP_1~AP_Jは、相互に同期せずに、単体パケットPKT_N、結合パケットPKT_N/PKT_Cおよび符号化パケットPKT_Cのいずれかを複数の端末装置50へブロードキャストする。
【0701】
従って、基地局AP_1~AP_J間で同期せずに、広域をカバーできる。
【0702】
なお、送信装置1Aにおいては、無線器401~410が、レーダーを検出する動作、または1次利用者を検出する動作、またはチャネル状態が悪いチャネルを検出する動作は、図25に示すフローチャートに従って実行される。
【0703】
この場合、レーダーを検出する無線器の個数、または1次利用者を検出する無線器の個数、またはチャネル状態が悪いチャネルを検出する無線器の個数は、無線器401~410の総数Qよりも少なければ良く、一般的には、v(vは、1≦v<Qを満たす整数)個であればよい。
【0704】
従って、図25のステップS41において、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qは、レーダーを検出したか否かを判定し、または1次利用者を検出したか否かを判定し、またはチャネル状態が悪いチャネルを検出したか否かを判定する。そして、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちのv個の送信用無線器は、レーダーを検出したと判定し、または1次利用者を検出したと判定し、またはチャネル状態が悪いチャネルを検出したと判定したとき、即ち、v個の送信用無線器におけるチャネルの変更が必要であると判定したとき、図25のステップS42において、v個の送信用無線器に接続された基地局を介して無線通信の停止を処理手段462へ通知する。
【0705】
また、v個の送信用無線器の各々は、図25のステップS44において、全てのチャネルCH_1~CH_12でスキャンを実行し、図25のステップS45において、上述した方法によって、他の無線器が使用しておらず、かつ、最も状態の良いチャネルに変更し、図25のステップS46において、変更後のチャネルの情報と、無線通信を開始することを示す開始通知NOTF_startとを処理手段462へ通知する。
【0706】
送信装置1Aにおいては、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qからの通知に対する制御装置46の動作は、図26に示すフローチャートに従って実行される。
【0707】
この場合、第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちのv個の送信用無線器から通知があったとすると、処理手段462は、ステップS52において、通知が停止通知であると判定し、ステップS53において、伝送レートを下げるようにアプリケーション20に指示し、ステップS55において、符号化パケットCをNパケットに付与して結合パケットを生成する割合である符号化率を下げ、冗長パケットを増やし、ステップS56において、停止通知のあったv個の送信用無線器へのパケットの割振を停止し、v個の送信用無線器に割り振っていたパケットを他の(Q-v)個の送信用無線器に割り振る。
【0708】
また、ステップS52において、通知が停止通知でないと判定されたとき(即ち、通知が開始通知NOTF_startであると判定されたとき)の動作は、上述した通りである(ステップS57~ステップS60参照)。
【0709】
更に、端末装置50が送信装置1Aの無線器401~410とチャネル接続する動作は、図24に示すフローチャートに従って実行される。この場合、ステップS33において、処理手段511は、それぞれチャネルCH_1~CH_10でスキャンするように無線器501~510を制御し、ステップS35において、1つのチャネルでパケットを受信したと判定されるまで、無線器501~510は、ステップS34~ステップS36を繰り返し実行する。この場合、ステップS34において、無線器501~510は、それぞれチャネルCH_1~CH_10でスキャンを実行し、ステップS35において、1つのチャネルでパケットを受信しなかったと判定されたとき、無線器501~510は、ステップS36において、チャネルを切り替える。
【0710】
そして、ステップS35において、1つのチャネルでパケットを受信した判定されたとき、処理手段511は、ステップS37,S38を順次実行し、ステップS39において、無線器501~510のうちのパケットを受信した無線器以外の無線器が、チャネルCH_unで送信装置1Aの無線器401~410とのチャネル接続を実行する。
【0711】
この場合、無線器401~410を第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qとし、無線器501~510を第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qとすると、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qのうちのk個の受信用無線器がk個のパケットを受信したとき、処理手段511は、ステップS37において、k個の受信用無線器によって受信されたk個のパケットに含まれるk個のチャネル情報CH_IFを検出し、その検出したk個のチャネル情報CH_IFに基づいて、k個のパケットを受信したチャネルCH_rと異なる(Q-k)個のチャネルCH_unを検出し、ステップS38において、(Q-k)個のチャネルCH_unで送信装置1Aの第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちの(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行し、ステップS39において、パケットを受信したk個の受信用無線器以外の(Q-k)個の受信用無線器は、(Q-k)個のチャネルCH_unでそれぞれ送信装置1Aの(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続する。
【0712】
好ましくは、処理手段511は、図2に示す通信領域CM_REG2(通信領域CM_REG1よりもパケットロスが多い領域)において、k個の受信用無線器がk個のパケットを受信したとき、(Q-k)個の受信用無線器が、(Q-k)個のチャネルCH_unでそれぞれ送信装置1Aの(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する。
【0713】
なお、端末装置50が10台の車両を連結した電車からなる場合、例えば、10個の無線器501~510は、1台の車両に1個づつ10台の車両に配置され、有線LANによって受信機51に接続されてもよい。
【0714】
実施の形態2においては、送信装置1Aの動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。この場合、送信装置1Aは、基地局41~45と、無線器401~410と、コンピュータとを備える。コンピュータは、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、ROMは、図33に示すフローチャート(図34に示すフローチャート(または図35に示すフローチャート)、および図36に示すフローチャート(図37に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)および図38に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)を含む)を含む)の各ステップからなるプログラムProg_EまたはプログラムProg_Bを記憶する。
【0715】
なお、「図37に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)」の表記は、上述した「図15に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)」の表記と同じように、「図37に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)」の表記と「図37に示すフローチャート(図17および図18に示すフローチャートを含む)」の表記とを含むものとする。「図38に示すフローチャート(図16から図18に示すフローチャートを含む)」の表記についても、同様である。
【0716】
コンピュータ(CPU)は、ROMからプログラムProg_Eを読み出し、その読み出したプログラムProg_Eを実行して、パケットの送信処理を実行する。RAMは、上述したバッファ463の機能を果たす。また、コンピュータ(CPU)は、ROMからプログラムProg_Bを読み出し、その読み出したプログラムProg_Bを実行して無線器401~410のいずれか1つの無線器(または第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちのv個の送信用無線器)からの通知に対する処理を実行する。
【0717】
また、プログラムProg_EまたはプログラムProg_Bは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Eを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Eを読み出し、その読み出したプログラムProg_Eを実行して、パケットの送信処理を実行する。また、プログラムProg_Bを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Bを読み出し、その読み出したプログラムProg_Bを実行して無線器401~410のいずれか1つの無線器(または第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qのうちのv個の送信用無線器)からの通知に対する処理を実行する。
【0718】
従って、プログラムProg_EまたはプログラムProg_Bを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0719】
また、実施の形態2においては、端末装置50の動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。この場合、端末装置50は、無線器501~510と、コンピュータとを備える。コンピュータは、CPU、ROMおよびRAMを備える。
【0720】
ROMは、プログラムProg_CまたはプログラムProg_Dを記憶する。コンピュータ(CPU)は、ROMからプログラムProg_Cを読み出し、その読み出したプログラムProg_Cを実行して、パケットの受信処理を実行する。RAMは、上述したNバッファ512およびCバッファ513の機能を果たす。また、コンピュータ(CPU)は、ROMからプログラムProg_Dを読み出し、その読み出したプログラムProg_Dを実行して、端末装置50の無線器501~510と送信装置1Aの無線器401~410との間、または端末装置50の第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qと送信装置1Aの第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qとの間でチャネル接続を実行する。
【0721】
また、プログラムProg_CまたはプログラムProg_Dは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Cを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Cを読み出して実行し、パケットの受信処理を実行する。また、プログラムProg_Dを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータ(CPU)は、記録媒体からプログラムProg_Dを読み出して実行し、端末装置50の無線器501~510と送信装置1Aの無線器401~410との間、または端末装置50の第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qと送信装置1Aの第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qとの間でチャネル接続を実行する。
【0722】
従って、プログラムProg_CまたはプログラムProg_Dを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0723】
実施の形態2によれば、基地局41~45は、複数の端末装置50との間の通信空間において、相互に異なる位置に配置されるので、基地局41~45の一部によってブロードキャストされたパケットが欠落しても、複数の端末装置50は、基地局41~45の一部以外の基地局によってブロードキャストされたパケットを受信でき、その受信したパケットに含まれるチャネル情報CH_IFに基づいて、上述した方法によって、通信領域CM_REG1に入るまでに無線器501~510と送信装置1Aの無線器401~410とのチャネル接続を完了することができる。
【0724】
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
【0725】
上述した実施の形態1,2によれば、この発明の実施の形態による送信装置は、リアルタイムトラフィックを構成するパケットをアプリケーションから受信し、その受信したパケットをブロードキャストする送信装置であって、
移動体からなる受信装置が当該送信装置からパケットを受信する受信領域に向かって移動しているときに、無線通信に用いる周波数が相互に異なる第1のチャネル~第Q(Qは、2以上の整数)のチャネルをそれぞれ用いて第1のパケット~第Qのパケット(第1のパケット~第Qのパケットの各々は、送信用無線器によって送信されるパケットである。)をそれぞれブロードキャストする第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器と、
第1のチャネル~第Qのチャネルがそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFをアプリケーションから受信したパケットに追加して第1のパケット~第Qのパケットを生成し、その生成した第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器へ出力する第1の処理手段とを備えていればよい。
【0726】
送信装置が第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器と第1の処理手段とを備えていれば、受信装置が、送信装置の第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器によってそれぞれブロードキャストされた第1のパケット~第Qのパケットのうちの少なくとも1つのパケットを受信すると、その受信した少なくとも1つのパケットに含まれる少なくとも1つのチャネル情報CH_IFに基づいて、受信装置によって受信できなかったパケットをブロードキャストした送信用無線器におけるチャネルを検出でき、その検出できたチャネルに基づいて、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも、送信装置の送信用無線器とチャネル接続を行うことができるからである。
【0727】
また、この発明の実施の形態による受信装置は、移動体からなり、上記のこの発明の実施の形態による送信装置によってブロードキャストされた第1のパケット~第Qのパケットを受信する受信領域内へ移動して第1のパケット~第Qのパケットを受信する受信装置であって、
第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器にそれぞれ対応して設けられるとともに、第1のチャネル~第Qのチャネルをそれぞれ用いて、第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ受信する第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器と、
当該受信装置が受信領域に向かって移動しているときに、第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器のうちのk(kは、1≦k<Qを満たす整数)個の受信用無線器がk個のパケットを受信したとき、k個の受信用無線器によって受信されたk個のパケットに含まれるk個のチャネル情報CH_IFを検出し、その検出したk個のチャネル情報CH_IFに基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルでそれぞれ送信装置の(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する第2の処理手段とを備えていればよい。
【0728】
受信装置が第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器と、第2の処理手段とを備えていれば、k個の受信用無線器によって受信されたk個のパケットに含まれるk個のチャネル情報に基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルでそれぞれ送信装置の(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行でき、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも、送信装置の第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器と受信装置の第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器との間でチャネル接続を行うことができるからである。
【0729】
更に、この発明の実施の形態によるプログラムは、リアルタイムトラフィックを構成するパケットをアプリケーションから受信し、その受信したパケットをブロードキャストする送信装置において前記アプリケーションから受信したパケットのブロードキャストをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
送信装置は、
移動体からなる受信装置が当該送信装置からパケットを受信する受信領域に向かって移動しているときに、無線通信に用いる周波数が相互に異なる第1のチャネル~第Q(Qは、2以上の整数)のチャネルをそれぞれ用いて第1のパケット~第Qのパケット(第1のパケット~第Qのパケットの各々は、送信用無線器によって送信されるパケットである。)をそれぞれブロードキャストする第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器を備え、
プログラムは、
第1の処理手段が、第1のチャネル~第Qのチャネルがそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器におけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFをアプリケーションから受信したパケットに追加して第1のパケット~第Qのパケットを生成し、その生成した第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器へ出力する第1のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムであればよい。
【0730】
プログラムが第1のステップをコンピュータに実行させれば、受信装置が、送信装置の第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器によってそれぞれブロードキャストされた第1のパケット~第Qのパケットのうちの少なくとも1つのパケットを受信すると、その受信した少なくとも1つのパケットに含まれる少なくとも1つのチャネル情報CH_IFに基づいて、受信装置によって受信できなかったパケットをブロードキャストした送信用無線器におけるチャネルを検出でき、その検出できたチャネルに基づいて、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも、送信装置の送信用無線器とチャネル接続を行うことができるからである。
【0731】
更に、この発明の実施の形態によるプログラムは、移動体からなり、上記のこの発明の実施の形態による送信装置によってブロードキャストされた第1のパケット~第Qのパケットを受信する受信領域内へ移動して第1のパケット~第Qのパケットを受信する受信装置において、第1のパケット~第Qのパケットの受信をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
受信装置は、
第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器にそれぞれ対応して設けられ、第1のチャネル~第Qのチャネルをそれぞれ用いて、第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ受信する第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器を備え、
プログラムは、
第2の処理手段が、受信装置が受信領域に向かって移動しているときに、第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器のうちのk(kは、1≦k<Qを満たす整数)個の受信用無線器がk個のパケットを受信したとき、k個の受信用無線器によって受信されたk個のパケットに含まれるk個のチャネル情報CH_IFを検出し、その検出したk個のチャネル情報CH_IFに基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルでそれぞれ送信装置の(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する第1のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムであればよい。
【0732】
プログラムが第1のステップをコンピュータに実行させれば、k個の受信用無線器によって受信されたk個のパケットに含まれるk個のチャネル情報に基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルでそれぞれ送信装置の(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行でき、パケットの受信領域よりもパケットロスが多い領域でも、送信装置の第1の送信用無線器~第Qの送信用無線器と受信装置の第1の受信用無線器~第Qの受信用無線器との間でチャネル接続を行うことができるからである。
【0733】
この発明の実施の形態においては、Nパケットは、「単体パケット」を構成し、符号化パケットC,Cの各々は、「第1の符号化パケット」を構成し、符号化パケットC~Cは、「第2の符号化パケット」を構成し、符号化パケットC’,C’等の符号化パケットC,Cから受信済のパケットの情報を除去した後の符号化パケットは、「第3の符号化パケット」を構成する。
【0734】
また、この発明の実施の形態においては、P/C,P/C,P/C,P/C,P/Cの各々は、「結合パケット」を構成する。
【0735】
更に、この発明の実施の形態においては、Nパケットを送信する処理は、「第1の送信処理」を構成し、P/C,P/C,P/C,P/C,P/Cの各々を送信する処理は、「第2の送信処理」を構成し、符号化パケットC~Cの各々を単独で送信する処理は、「第3の送信処理」を構成する。
【0736】
更に、この発明の実施の形態においては、Tミリ秒は、「しきい値」を構成する。
【0737】
更に、この発明の実施の形態においては、Nバッファ212,512の各々は、「第1の受信バッファ」を構成し、Cバッファ213,513の各々は、「第2の受信バッファ」を構成する。
【0738】
更に、この発明の実施の形態においては、P/CをパケットPと符号化パケットCに分離し、P/CをパケットPと符号化パケットCに分離し、P/CをパケットPと符号化パケットCに分離する処理手段211,511の各々は、「分離手段」を構成する。
【0739】
更に、この発明の実施の形態においては、図20のステップS261において、SNrx≦SNsentでなく、かつ、受信パケットがNバッファ212(またはNバッファ512)に格納済でないときに受信パケット(SNrx)をNバッファ212(またはNバッファ512)に格納するとともにNバッファ212(またはNバッファ512)に格納されたパケットをアプリケーション30へ伝送する処理手段211(または処理手段511)は、「第1の処理手段」を構成する。
【0740】
更に、この発明の実施の形態においては、符号化パケットCから受信済のパケットの情報を除去した符号化パケットC’,C’を生成することは、Nバッファ212(またはNバッファ512)に格納されていない複数のパケットのみを含む符号化パケットを生成することに相当する。そして、符号化パケットCから受信済のパケットの情報を除去した符号化パケットC’,C’を生成する処理手段211(または処理手段511)は、「第2の処理手段」を構成する。
【0741】
更に、この発明の実施の形態においては、図19のステップS29における復号処理を実行する処理手段211(または処理手段511)は、「復号手段」を構成する。
【0742】
更に、この発明の実施の形態においては、この発明の実施の形態による受信装置は、受信装置2または端末装置50によって構成される。
【0743】
更に、この発明の実施の形態においては、図2に示す通信領域CM_REG1は、送信装置1,1Aからパケットを受信する「受信領域」を構成し、図2に示す通信領域CM_REG2は、受信領域よりも「パケットロスが多い領域」を構成する。
【0744】
更に、この発明の実施の形態においては、無線器12は、「第1の送信用無線器」を構成し、無線器13は、「第nの送信用無線器」を構成する。
【0745】
更に、この発明の実施の形態においては、無線器401~無線器410は、それぞれ「第1の送信用無線器~第nの送信用無線器」を構成する。
【0746】
更に、この発明の実施の形態においては、処理手段112または処理手段462は、「第1の処理手段」を構成する。
【0747】
更に、この発明の実施の形態においては、基地局41~45または基地局AP_1~AP_Jは、「p(pは、2以上の整数)個の基地局」を構成する。
【0748】
更に、この発明の実施の形態においては、割振方法(A)~(C)は、「所定の割振方法」を構成する。
【0749】
更に、この発明の実施の形態においては、無線器22は、「第1の受信用無線器」を構成し、無線器23は、「第nの受信用無線器」を構成する。
【0750】
更に、この発明の実施の形態においては、無線器501~無線器510は、「第1の受信用無線器~第nの受信用無線器」を構成する。
【0751】
更に、この発明の実施の形態においては、処理手段211または処理手段511は、「第2の処理手段」を構成する。
【0752】
更に、この発明の実施の形態においては、処理手段112(または処理手段462)が、第1のパケットPKT_1~第QのパケットPKT_Qをそれぞれ第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qへ出力する場合に、図16のステップS71,S72,S77,S78をQ回実行することは、「処理手段112(または処理手段462)が、第1のチャネルCH_1~第QのチャネルCH_Qがそれぞれ第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qにおけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFをアプリケーションから受信したパケットに追加して第1のパケット~第Qのパケットを生成し、その生成した第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qへ出力する第1のステップをコンピュータに実行させること」に相当する。
【0753】
更に、この発明の実施の形態においては、処理手段112(または処理手段462)が、第1のパケットPKT_1~第QのパケットPKT_Qをそれぞれ第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qへ出力する場合に、図17のステップS71A~ステップS74Aを実行することは、「処理手段112(または処理手段462)が、第1のチャネルCH_1~第QのチャネルCH_Qがそれぞれ第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qにおけるチャネルであることを示すチャネル情報CH_IFをアプリケーションから受信したパケットに追加して第1のパケット~第Qのパケットを生成し、その生成した第1のパケット~第Qのパケットをそれぞれ第1の送信用無線器WD_TR_1~第Qの送信用無線器WD_TR_Qへ出力する第1のステップをコンピュータに実行させること」に相当する。
【0754】
更に、この発明の実施の形態においては、処理手段211(または処理手段511)が図24に示すステップS37,S38を実行することは、「処理手段211(または処理手段511)が、受信装置2(または端末装置50)が受信領域(=通信領域CM_REG1)に向かって移動しているときに、第1の受信用無線器WD_RV_1~第Qの受信用無線器WD_RV_Qのうちのk(kは、1≦k<Qを満たす整数)個の受信用無線器がk個のパケットを受信したとき、k個の受信用無線器によって受信されたk個のパケットに含まれるk個のチャネル情報を検出し、その検出したk個のチャネル情報に基づいて、(Q-k)個の受信用無線器における(Q-k)個のチャネルCH_unを検出し、その検出した(Q-k)個のチャネルCH_unでそれぞれ送信装置1(または送信装置1A)の(Q-k)個の送信用無線器とチャネル接続するように(Q-k)個の受信用無線器を制御するチャネル接続制御を実行する第1のステップをコンピュータに実行させること」に相当する。
【0755】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0756】
この発明は、送信装置、受信装置、これらを備えた無線通信システムおよびプログラムに適用される。
【符号の説明】
【0757】
1,1A 送信装置、2 受信装置、10,10A 無線通信システム、11 送信機、12,13,22,23,401~410,501~510 無線器、21,51 受信機、41~45 基地局、46 制御装置、50 端末装置、111,463 バッファ、112,211,462 処理手段、212,512 Nバッファ、213,513 Cバッファ、461 受信手段、464 送信手段。
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