(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117814
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】縦形製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/08 20120101AFI20230817BHJP
B65B 9/20 20120101ALI20230817BHJP
【FI】
B65B9/08
B65B9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020575
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 高志
(72)【発明者】
【氏名】江川 正和
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050CA01
3E050CB03
3E050DC03
3E050DC08
3E050DC09
3E050DD03
3E050DD04
3E050DE01
3E050FA01
3E050GB06
(57)【要約】
【課題】難延伸性包材を用いることに起因した包材の幅方向両側の長さとフォーマの包材の幅方向両側に相当する部分の経路の相違を補完して蛇行走行を防止することができ、袋の品質を確保しつつ袋の生産性を向上することができる。
【解決手段】縦形製袋充填包装機1において、フォーマ4は、筒状部32、一対の側面ガイド部34、背面ガイド部36、及び第1基部38を有し、包材Wの両側縁を互いに重ね合わせたラップ部Lが形成され、筒状部32の各周側縁32aに対向する位置において、ラップ部Lを形成するべく包材Wの両側縁を案内する一対の背張りガイド部材40と、第1テーブル22に設けられ、各背張りガイド部材40を昇降させ、各背張りガイド部材40の上下位置をそれぞれ独立して調整するとともに、各背張りガイド部材40を上下位置調整とは独立して水平方向にスライドさせ、各背張りガイド部材40の離間距離Dを調整するガイド位置調整機構42とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーマに沿って導かれた難延伸性の包材を製袋チューブの外周面にて筒状包材に成形し、前記筒状包材を前記製袋チューブの長手方向に繰り出しながら前記筒状包材の長手方向に沿って縦シール部を形成し、前記製袋チューブの下方にて、前記筒状包材の長手方向に所定の間隔を存して横シール部を形成する一方、前記横シール部の形成と前記筒状包材の内部への充填物の充填を交互に行い、前記充填物が充填された袋を製造する、縦形製袋充填包装機であって、
前記フォーマを支持する第1テーブルを備え、
前記フォーマは、
周方向に対向する一対の周側縁を有する筒状部と、
前記筒状部の前記各周側縁をそれぞれ前記筒状部の径方向の外方に折り返して襟状に形成される一対の側面ガイド部と、
前記各側面ガイド部のそれぞれの上部を前記筒状部の前記周方向に接続して形成される背面ガイド部と、
前記筒状部の下端部に形成されて前記周方向に延び、前記第1テーブルに接続される第1基部と
を有し、
前記包材は、前記背面ガイド部及び前記各側面ガイド部に沿って走行し、前記筒状部の前記各周側縁の隙間を通過した後、前記製袋チューブの前記外周面を囲むことにより前記筒状包材に成形され、併せて前記筒状部の前記各周側縁の対向位置にて前記包材の両側縁を互いに重ね合わせたラップ部が形成され、
前記筒状部の前記各周側縁に対向する位置において、前記ラップ部を形成するべく前記包材の前記両側縁を案内する一対の背張りガイド部材と、
前記第1テーブルに設けられ、前記各背張りガイド部材を昇降させ、前記各背張りガイド部材の上下位置をそれぞれ独立して調整するとともに、前記各背張りガイド部材を前記上下位置調整とは独立して水平方向にスライドさせ、前記各背張りガイド部材の離間距離を調整するガイド位置調整機構と
を備える、縦形製袋充填包装機。
【請求項2】
前記ガイド位置調整機構は、前記各背張りガイド部材のそれぞれにおいて、
前記背張りガイド部材に接続されて水平方向に延びる調整プレートと、
前記調整プレートに形成される第1ボルト挿通孔と、
前記第1テーブルに立設されるとともに、前記第1ボルト挿通孔に挿通される第1ボルトと、
前記調整プレートを挟持する位置でそれぞれ前記第1ボルトに螺合される位置決めナットと
を有し、
前記第1ボルト挿通孔は、前記調整プレートにおいて水平方向を長手方向とする長孔である、請求項1に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項3】
前記ガイド位置調整機構は、前記各背張りガイド部材のそれぞれにおいて、前記位置決めナットによる前記調整プレートの挟持を解除することにより、前記位置決めナット間において、前記調整プレート及び前記背張りガイド部材の一体的な昇降を許容するとともに、前記第1ボルト挿通孔において前記調整プレート及び前記背張りガイド部材の水平方向への一体的なスライドを許容する、請求項2に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項4】
前記各側面ガイド部及び前記背面ガイド部は、それぞれ前記径方向の両側に連続して傾斜する傾斜側縁を有し、
前記両傾斜側縁の少なくとも一方に取り付けられ、当該傾斜側縁からの前記包材の側縁の逸脱を規制する逸脱規制機構を備える、請求項1から3の何れか一項に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項5】
前記逸脱規制機構は、
前記傾斜側縁に嵌め込まれる断面コの字状のクリップと、
前記クリップに形成されるボルト孔と、
前記ボルト孔に螺合される第2ボルトと、
前記第2ボルトの先端と前記傾斜側縁との間に介在する規制プレートと
を有する、請求項4に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項6】
前記逸脱規制機構は、前記クリップの内側面と、前記第2ボルトの先端に押圧される前記規制プレートとで前記傾斜側縁を挟持することにより、前記傾斜側縁からの前記包材の前記側縁の逸脱を規制する一方、前記第2ボルトを螺退することにより、前記傾斜側縁に対する前記クリップと前記規制プレートとの挟持が解除され、前記傾斜側縁に沿う前記クリップのスライドが許容される、請求項5に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項7】
前記第1テーブルに前記第1基部を接続するとともに、前記フォーマの上下方向に対する傾きを調整するフォーマ傾き調整機構を備える、請求項1から6の何れか一項に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項8】
前記フォーマ傾き調整機構は、
前記第1基部に螺合されるとともに前記第1テーブルに先端が当接する第1押しボルトと、
前記第1基部に形成される第2ボルト挿通孔と、
前記第2ボルト挿通孔に挿通されるとともに前記第1テーブルに螺合される第1引きボルトと
を有する、請求項7に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項9】
前記フォーマ傾き調整機構は、前記第1引きボルトを前記第1テーブルから螺退させることにより、前記第1基部を介して前記フォーマの傾き調整を可能とし、前記第1押しボルトの先端が前記第1テーブルに当接した状態で、前記第1基部に対し前記第1押しボルトを螺進又は螺退させることにより、前記第1基部を介して前記フォーマの傾き調整を行う、請求項8に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項10】
前記製袋チューブの前記外周面を挟んで支持するクランプと、
前記クランプを支持する第2テーブルと、
前記クランプの下端部に形成され、前記第2テーブルに接続される第2基部と、
前記第2テーブルに前記第2基部を接続するとともに、前記製袋チューブの上下方向に対する傾きを調整するチューブ傾き調整機構と
を備える、請求項1から9の何れか一項に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項11】
前記チューブ傾き調整機構は、
前記第2基部に螺合されるとともに前記第2テーブルに先端が当接する第2押しボルトと、
前記第2基部に形成される第3ボルト挿通孔と、
前記第3ボルト挿通孔に挿通されるとともに前記第2テーブルに螺合される第2引きボルトと
を有する、請求項10に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項12】
前記チューブ傾き調整機構は、前記第2引きボルトを前記第2テーブルから螺退させることにより、前記第2基部を介して前記製袋チューブの傾き調整を可能とし、前記第2押しボルトの先端が前記第2テーブルに当接した状態で、前記第2基部に対し前記第2押しボルトを螺進又は螺退させることにより、前記第2基部を介して前記製袋チューブの傾き調整を行う、請求項11に記載の縦形製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦形製袋充填包装機に関し、特に難延伸性の包材を用いた袋を製造する縦形製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フォーマにより筒状に収束させた帯状フィルムを成形筒(製袋チューブ)の外周に沿い間欠的に繰り出して筒状袋体を成形し、この袋体への被包装物(充填物)の充填包装を自動的に行う製袋充填包装機が開示されている。成形筒及びフォーマは、それぞれ、中空筒体を長手方向に2分割した分割半体から形成され、成形筒及びフォーマの各分割半体を相互に近接離間自在とすることにより、帯状フィルムの成形寸法を可変し得るように構成されている。
【0003】
また、フォーマの各分割半体の間隙部に近接して、帯状フィルムの両端縁部を重合させつつ給送させる一対の背張りガイド部材が設けられている。一対の背張りガイド部材は、フォーマにおける各分割半体の間隔調節に伴い、各背張りガイド部材の間隔を対応的に調節し得るようになっている(公報
図2参照)。また、各背張りガイド部材は、フォーマにおける各分割半体の間隔調節に伴い、各背張りガイド部材の間隔を対応的に調節する必要がない、すなわち、フォーマにおける各分割半体の間隔を調節しても、各背張りガイド部材の間隔が一定に保持される形態も開示されている(公報
図7参照)。
【0004】
特許文献1に記載の包装機は、袋における充填物の充填量を増加したい場合、袋の幅寸法を大きくしなければならないが、そのためには製袋チューブを外径が大きなものに交換しなければならない、との課題を解決するものである。そして、製袋チューブ及びフォーマにおける各分割半体の間隔調節を行えるようにすることで、製袋チューブを交換する手間を解消し、外径の異なる製袋チューブを常時準備する設備投資を削減するとともに、多様なユーザーニーズに迅速に対応可能であるとの利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
昨今、SDGs(持続可能な開発目標)など、世界規模で環境配慮や省資源化推進の機運が高まり、また世界的な社会課題となっている「廃棄プラスチックによる海洋汚染問題」を受け、環境負荷を低減するパッケージに注目が集まっている。従来の包材の多くはシート状のフィルムであり、主として石油由来のプラスチック材から形成されるため、主体が紙材の紙包材に変更することにより、プラスチック材の使用量を削減する試みがなされている。
【0007】
プラスチック材から形成されるフィルム包材は、薄く且つ柔軟である一方、紙包材は、木材パルプなどの繊維が絡み合ったシートであり、フィルム包材に比して延伸し難い。包材の製造上の長さや厚みの誤差、保管状況による歪みやフォーマの形状等により包材の幅方向の両側において包材の長さとフォーマの包材の両側に相当する部分の経路が相異することがある。
【0008】
フォーマ及び製袋チューブに沿って走行する際、フィルム包材はフォーマ等に倣って伸びることで包材幅方向両側においての包材の長さとフォーマの包材の両側に相当する部分の経路が相違を解消し、フォーマ及び製袋チューブに沿って可能である。しかし、難延伸性包材は伸びにくいので、包材幅方向両側においての包材の長さとフォーマの包材の両側に相当する部分の経路の相違を解消できず、フォーマ等から浮き上がってしまい、蛇行して走行することがある。包材の蛇行走行は、製造される袋の品質不良や、包装機のエラー停止が頻発して袋の生産性低下を招く。
【0009】
一方、フォーマに沿って走行した包材は、製袋チューブの外周面を囲むことにより、筒状包材に成形されるとともに、筒状部の各周側縁の対向位置に包材の両側縁を互いに重ね合わせたラップ部が形成される。前述した各背張りガイド部材は、このラップ部を形成するべく包材の両側縁を案内する。ラップ部を好適に形成するためには、各背張りガイド部材の離間距離を調整する必要があるが、加えて、包材の両側縁を重ね合わせる位置を調整することにより、包材の蛇行走行を効果的に抑制可能であることが本願発明者の実験により判明している。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の包装機は、製袋チューブ及びフォーマの各分割半体の間隔調節に伴って付随的に各背張りガイド部材の離間距離のみが調整可能である。また、各背張りガイド部材の離間距離を調整しようとすると、製袋チューブ及びフォーマの各分割半体の間隔も併せて調整されてしまう。従って、包材幅方向両側においての包材の長さとフォーマの包材の両側に相当する部分の経路の相違を補完するのは困難である。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、難延伸性の包材を用いることに起因した包材の幅方向両側においての長さとフォーマの包材の両側に相当とする部分の経路の相違を補完して蛇行走行を防止することができ、袋の品質を確保しつつ袋の生産性を向上することができる縦形製袋充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するべく、一形態に係る縦形製袋充填包装機は、フォーマに沿って導かれた難延伸性の包材を製袋チューブの外周面にて筒状包材に成形し、筒状包材を製袋チューブの長手方向に繰り出しながら筒状包材の長手方向に沿って縦シール部を形成し、製袋チューブの下方にて、筒状包材の長手方向に所定の間隔を存して横シール部を形成する一方、横シール部の形成と筒状包材の内部への充填物の充填を交互に行い、充填物が充填された袋を製造する、縦形製袋充填包装機であって、フォーマを支持する第1テーブルを備え、フォーマは、周方向に対向する一対の周側縁を有する筒状部と、筒状部の各周側縁をそれぞれ筒状部の径方向の外方に折り返して襟状に形成される一対の側面ガイド部と、各側面ガイド部のそれぞれの上部を筒状部の周方向に接続して形成される背面ガイド部と、筒状部の下端部に形成されて周方向に延び、第1テーブルに接続される第1基部とを有し、包材は、背面ガイド部及び各側面ガイド部に沿って走行し、筒状部の各周側縁の隙間を通過した後、製袋チューブの外周面を囲むことにより筒状包材に成形され、併せて筒状部の各周側縁の対向位置にて包材の両側縁を互いに重ね合わせたラップ部が形成され、筒状部の各周側縁に対向する位置において、ラップ部を形成するべく包材の両側縁を案内する一対の背張りガイド部材と、第1テーブルに設けられ、各背張りガイド部材を昇降させ、各背張りガイド部材の上下位置をそれぞれ独立して調整するとともに、各背張りガイド部材を上下位置調整とは独立して水平方向にスライドさせ、各背張りガイド部材の離間距離を調整するガイド位置調整機構とを備える。
【発明の効果】
【0013】
難延伸性包材を用いることに起因したフォーマからの包材の浮き上がりを防ぎ、蛇行走行を防止することができ、袋の品質を確保しつつ袋の生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る縦形製袋充填包装機の斜視図である。
【
図5】各背張りガイド部材及びガイド位置調整機構の正面図である。
【
図6】包材がセットされた製袋チューブ及びフォーマの正面図である。
【
図7】ガイド位置調整機構による調整後の製袋チューブ及びフォーマの正面図である。
【
図9】フォーマの筒状部の第1基部を
図4の背面側から見た斜視図である。
【
図10】フォーマ傾き調整機構を正面から見た断面図である。
【
図11】クランプ及び第2テーブルの斜視図である。
【
図12】チューブ傾き調整機構を正面から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、実施形態に係る縦形製袋充填包装機1の斜視図を示す。この縦形製袋充填包装機(以下、単に包装機ともいう)1は製袋チューブ2を備え、製袋チューブ2は上下方向に延びている。製袋チューブ2は、その上端にホッパ(図示しない)が接続され、ホッパを通じて粉粒体などの充填物の供給を受ける。また、包装機1の上方には充填供給装置(図示しない)が配置され、充填供給装置は、ホッパを介して製袋チューブ2内に所定量の充填物を供給する。
【0016】
製袋チューブ2の上方で且つホッパの下側にはフォーマ4が取り付けられ、フォーマ4から包材リール6まで包材繰り出し経路が延びている。包材リール6からは、複数のローラ8を介して包材Wが繰り出される。包材Wは、難延伸性包材であって、例えば、袋Pの外装に使用されるシート状の紙材と、袋の内装に使用されるシート状のヒートシール材とを積層及び接着した紙包材である。包材リール6から繰り出された包材Wは、包材繰り出し経路に沿って案内され、フォーマ4に沿って製袋チューブ2の外周に導かれる。
【0017】
フォーマ4に沿って導かれた包材Wは、製袋チューブ2の外周面2aを囲む筒状に成形され、この筒状包材Wcは製袋チューブ2に沿い下方に導かれる。また、フォーマ4を通過する際、筒状包材Wcの両側縁は所定の形態、例えば合掌貼りの形態にて互いに重ね合わされたラップ部Lを形成する。また、包装機1は、包材繰り出し装置を備えている。包材繰り出し装置は一対の包材フィーダ10を有する。
【0018】
包材フィーダ10は、フォーマ4の下方にて製袋チューブ2の外周の両側にそれぞれ配置されている。各包材フィーダ10は、それぞれ無端状のサクションベルト12を有し、サクションベルト12に筒状包材Wcを吸着させる。この吸着状態にて、サクションベルト12が一方向に走行することにより、筒状包材Wcは製袋チューブ2に沿って下方に向けて繰り出される。
【0019】
製袋チューブ2の近傍には、開閉可能な縦シーラ14が配置されている。縦シーラ14は、製袋チューブ2の周方向で見て一対の包材フィーダ10間に配置され、筒状包材Wcのラップ部Lをヒートシールし、その両側縁を互いに接着させた縦シール部Svを袋Pに形成する。これにより、縦シーラ14を通過した後、筒状包材Wcは完全に両側縁が閉じた状態となる。
【0020】
製袋チューブ2の下方には、開閉可能な横シーラ16が配置されている。横シーラ16は一対のヒータブロック16a,16bを有する。各ヒータブロック16a,16bにはヒータ18が内蔵されている。各ヒータブロック16a,16bは、筒状包材Wcを横断する方向である水平方向に延び、水平面内にて製袋チューブ2の径方向に互いに接離する。これにより、横シーラ16の開閉動作がなされる。
【0021】
各ヒータブロック16a,16bは、筒状包材Wcを横シーラ16の閉動作によりその前後から挟み付けることで、筒状包材Wcに横シール部Shを形成する。また、各ヒータブロック16a,16bの一方であるヒータブロック16aには、包材切断用のナイフ20が保持されている。各ヒータブロック16a,16bの他方であるヒータブロック16bには、ナイフ20を受け入れる刃受溝21が形成されている。横シーラ16が閉動作することにより、ナイフ20は刃受溝21に向かって水平方向にスライドし、横シール部Shを突き押して切断する。
【0022】
このように構成される包装機1の一連の動作を以下に説明する。包装機1は、フォーマ4に沿って導かれた難延伸性の包材Wを製袋チューブ2の外周面2aにて筒状包材Wcに成形し、筒状包材Wcを製袋チューブ2の長手方向、すなわち下方向に繰り出しながら、縦シーラ14により筒状包材Wcの長手方向に沿って縦シール部Svを形成する。次に、製袋チューブ2の下方にて、横シーラ16により筒状包材Wcの長手方向に所定の間隔を存して横シール部Shを形成する。一方、横シール部Shの形成と筒状包材Wcの内部への充填物の充填を交互に行い、併せて、ナイフ20により横シール部Shにて筒状包材Wcを切断する。これにより、充填物が充填された袋Pが製造される。
【0023】
ここで、本実施形態の包装機1は、フォーマ4を支持する第1テーブル22、製袋チューブ2の外周面2aを挟んで支持するクランプ24、及びクランプ24を支持する第2テーブル26を備えている。第1及び第2テーブル22,26は、上下方向に延びる2つの連結部材28を介して連結される。また、フォーマ4の傾斜側縁4aには、包材Wの逸脱を規制するための逸脱規制機構30が取り付けられている。
【0024】
図2はフォーマ4の正面図を示し、
図3はフォーマ4の側面図を示す。フォーマ4は、筒状部32、一対の側面ガイド部34、背面ガイド部36、及び第1基部38を備えている。筒状部32は、上方に筒状をなして延び、周方向に隙間Gを有して対向する一対の周側縁32aを有する。一対の側面ガイド部34は、筒状部32の各周側縁32aをそれぞれ筒状部32の径方向の外方に折り返して襟状に形成される。
【0025】
背面ガイド部36は、各側面ガイド部34のそれぞれの上部を筒状部32の周方向に接続して形成される。第1基部38は、筒状部32の下端部に形成されて筒状部32の周方向に延び、第1テーブル22に接続される。筒状部32には、その径方向において各周側縁32aの反対側の周壁を切り欠いた切欠部32bが形成されている。包材Wは、切欠部32bから筒状部32内に通された後、各周側縁32aの隙間Gを通され、各側面ガイド部34及び背面ガイド部36の各表面に沿ってセットされる。
【0026】
切欠部32bを形成したことにより、難延伸性の包材Wであってもフォーマ4に容易にセットすることができる。また、
図3に示すように、背面ガイド部36は、一点鎖線で示す水平方向に対して斜め上方に所定の傾斜角αを有して傾斜し、傾斜角αは例えば15°である。なお、従来のフィルム包材を製袋する包装機のフォーマの背面ガイド部は、
図3において二点鎖線で示すように、水平方向に対して斜め下方に所定の傾斜角βを有して傾斜している。
【0027】
本実施形態においては、斜め上方の傾斜角αを有する背面ガイド部36を形成したことにより、背面ガイド部36や各側面ガイド部34から筒状部32への包材Wの移動が緩やかな角度で行われる。これにより、難延伸性の包材Wであっても、フォーマ4を走行する包材Wに皴が生じ難くなり、また、包材Wに生じる皴に起因した包材Wの蛇行走行を防止することができる。
【0028】
一方、フォーマ4にセットされた包材Wは、背面ガイド部36及び各側面ガイド部34の各表面に沿って走行し、筒状部32の各周側縁32aの隙間Gを通過した後、製袋チューブ2の外周面2aを囲むことにより筒状包材Wcに成形される。併せて、筒状部32の各周側縁32aの対向位置にて包材Wの両側縁を互いに重ね合わせることにより、前述したラップ部Lが形成される。
【0029】
図4は、製袋チューブ2及びフォーマ4の斜視図を示す。包装機1は、ラップ部Lを形成するべく包材Wの両側縁を案内する一対の背張りガイド部材40と、各背張りガイド部材40の位置を調整するガイド位置調整機構42とを備えている。各背張りガイド部材40は、筒状部32の各周側縁32aに対向する位置に配置される。ガイド位置調整機構42は第1テーブル22に設けられている。
【0030】
図5は、各背張りガイド部材40及びガイド位置調整機構42の正面図を示す。ガイド位置調整機構42は、各背張りガイド部材40を昇降させ、各背張りガイド部材40の上下位置をそれぞれ独立して調整するとともに、各背張りガイド部材40を水平方向にスライドさせ、各背張りガイド部材40の離間距離Dの調整を行う。ガイド位置調整機構42は、各背張りガイド部材40の上下位置調整とは独立して、各背張りガイド部材40の離間距離Dの調整を行うことができる。各背張りガイド部材40の離間距離Dを調整することにより、筒状部32の各周側縁32aの隙間Gが実質的に調整される。
【0031】
詳しくは、各背張りガイド部材40は、筒状部32の各周側縁32aに対向する位置において上下方向に延びるプレートである。ガイド位置調整機構42は、各背張りガイド部材40のそれぞれにおいて、調整プレート44、第1ボルト挿通孔46、第1ボルト48、及び位置決めナット50を備えている。各調整プレート44は、各背張りガイド部材40にそれぞれ溶接などで接続され、第1テーブル22に沿って延びている。なお、各調整プレート44は、それぞれ各背張りガイド部材40と一体形成しても良い。
【0032】
第1ボルト挿通孔46は、各調整プレート44に2つずつ形成されている。第1ボルト48は、4つ設けられ、それぞれ第1テーブル22に立設されるとともに、各第1ボルト挿通孔46にそれぞれ挿通されている。より具体的には、各第1ボルト48は、それぞれ第1テーブル22の下側からねじ込まれるとともに、固定ナット52により第1テーブル22に固定される。また、各第1ボルト48の上端には、それぞれ袋ナット49が螺合されている。
【0033】
位置決めナット50は、第1テーブル22を上下に挟む位置に4組設けられ、各調整プレート44を挟持する位置でそれぞれ各第1ボルト48に螺合されている。ここで、各第1ボルト挿通孔46は、調整プレート44において水平方向を長手方向とする長孔として形成される。これにより、ガイド位置調整機構42は、各背張りガイド部材40の上下位置をそれぞれ独立して調整するとともに、各背張りガイド部材40の上下位置調整とは独立して各背張りガイド部材40の離間距離Dを調整することができる。
【0034】
詳しくは、ガイド位置調整機構42は、各背張りガイド部材40のそれぞれにおいて、位置決めナット50による調整プレート44の挟持を解除することにより、位置決めナット50間において調整プレート44及びガイド部材40の一体的な昇降を許容する。また、ガイド位置調整機構42は、各背張りガイド部材40のそれぞれにおいて、位置決めナット50による調整プレート44の挟持を解除することにより、第1ボルト挿通孔46において調整プレート44及びガイド部材40の一体的な水平方向へのスライドを許容する。
【0035】
図6は、包材Wがセットされた製袋チューブ2及びフォーマ4の正面図を示す。
図7は、ガイド位置調整機構42による調整後の製袋チューブ2及びフォーマ4の正面図を示す。
図6で見てフォーマ4の右側の側面ガイド部34と背面ガイド部36との境目近傍において包材Wが浮き上がり、包材Wの蛇行走行が生じ得る状態となっている。この場合には、
図7に示すように、
図7で見て右側、すなわち包材Wの浮き上がりが生じている側の上側の2つの位置決めナット50を上方に螺進させ、位置決めナット50による調整プレート44の挟持を解除する。
【0036】
次に、
図7で見て右側の各第1ボルト挿通孔46において調整プレート44及び背張りガイド部材40を必要に応じて一体的に水平方向にスライドする。次に、前述した上側の2つの位置決めナット50を上方に螺進させ、各第1ボルト48に沿って調整プレート44を上方に移動させる。そして、各位置決めナット50により調整プレート44を再び挟持し、調整プレート44及び背張りガイド部材40を位置決めする。これにより、
図7に示すように、右側の背張りガイド部材40が左側の背張りガイド部材40よりも上側に位置付けられ、包材Wの浮き上がりが解消される。
【0037】
図8は、逸脱規制機構30の側面図を示す。逸脱規制機構30は、クリップ54、3つの第2ボルト56、及び規制プレート58を備えている。クリップ54は、断面U字状をなし、フォーマ4の傾斜側縁4aに嵌め込まれる。傾斜側縁4aは、フォーマ4の各側面ガイド部34及び背面ガイド部36において筒状部32の径方向の両側に連続して傾斜して形成される側縁である。
【0038】
また、クリップ54には、3つのボルト孔60が形成されている。第2ボルト56は、それぞれ各ボルト孔60に螺合される。規制プレート58は、各第2ボルト56の先端と傾斜側縁4aとの間に介在する。逸脱規制機構30は、クリップ54の内側面54aと、各第2ボルト56の先端に押圧される規制プレート58とで傾斜側縁4aを挟持する。
【0039】
包材Wの側縁が規制プレート58に接触することにより、傾斜側縁4aからの包材Wの逸脱が規制される。一方、各第2ボルト56を螺退することにより、傾斜側縁4aに対するクリップ54と規制プレート58との挟持が解除され、傾斜側縁4aに沿うクリップ54のスライドが許容される。これにより、逸脱規制機構30を傾斜側縁4aの所望の箇所に移動可能となる。
【0040】
図9は、フォーマ4の筒状部32の第1基部38を
図4の背面側から見た斜視図を示す。包装機1は、第1テーブル22に第1基部38を接続するとともに、フォーマ4の上下方向に対する傾きを調整するフォーマ傾き調整機構62を備えている。フォーマ傾き調整機構62は、第1基部38の周方向に4つ設けられている。また、第1基部38の外周縁には複数の突起64が形成され、第1テーブル22の上面には各突起64の位置に対応する箇所にケガキ線66が形成されている。
【0041】
ケガキ線66は、第1テーブル22の上面に線引きしたマークであっても良いし、第1テーブル22の上面に加工した長溝であっても良い。突起64及びケガキ線66は、第1テーブル22に対してフォーマ4を適正に組み付ける際の目印となり、突起64がケガキ線66に合致する位置にフォーマ4を配置して組み付ける。これにより、フォーマ4を容易に精度良く組付けることができるため、包装機1の組立性が向上する。
【0042】
図10は、フォーマ傾き調整機構62を正面から見た断面図を示す。フォーマ傾き調整機構62は、第1押しボルト68と第1引きボルト70とによる、いわゆる押し・引きボルト機構によりフォーマ4の傾きを調整する。第1押しボルト68は、第1基部38に螺合されるとともに第1テーブル22に先端が当接する。第1押しボルト68には、第1押しボルト68を位置決めするためのナット72が螺合されている。なお、
図9に示すように、各フォーマ傾き調整機構62は、それぞれ1つ又は2つの第1押しボルト68を含む。
【0043】
第1引きボルト70は、第1基部38に形成される第2ボルト挿通孔74に挿通され、第1テーブル22に螺合される。
図10に示す状態において、第1引きボルト70を第1テーブル22から螺退させることにより、第1基部38を介してフォーマ4の傾き調整が可能となる。次に、各第1押しボルト68の先端が第1テーブル22に当接した状態で、第1基部38に対し各第1押しボルト68を螺進又は螺退させることにより、第1基部38を介してフォーマ4の傾き調整を行う。
【0044】
フォーマ4の傾き調整後には、第1引きボルト70を第1テーブル22に向けて螺進させ、第1引きボルト70の頭を第1基部38に当接させる。さらに、第1基部38に向けて各第1押しボルト68のナット72を螺進させ、第1基部38に当接させることにより、各第1押しボルト68を第1基部38に対して位置決めする。これにより、フォーマ4が第1テーブル22に対して所望の傾きで固定される。
【0045】
図11は、クランプ24及び第2テーブル26の斜視図を示す。クランプ24の下端部には、4つの第2基部76が製袋チューブ2の径方向の外方に向けて突出して形成されている。クランプ24は、各第2基部76において第2テーブル26に接続される。包装機1は、第2テーブル26に第2基部76を接続するとともに、製袋チューブ2の上下方向に対する傾きを調整するチューブ傾き調整機構78を備えている。チューブ傾き調整機構78は、各第2基部76にそれぞれ設けられる。
【0046】
図12は、チューブ傾き調整機構78を正面から見た断面図を示す。チューブ傾き調整機構78は、第2押しボルト80と第2引きボルト82とによる前述したフォーマ傾き調整機構62と同様の押し・引きボルト機構により製袋チューブ2の傾きを調整する。第2押しボルト80は、第2基部76に螺合されるとともに第2テーブル26に先端が当接する。第2押しボルト80には、第2押しボルト80を位置決めするためのナット84が螺合されている。なお、
図11に示すように、各チューブ傾き調整機構78は、それぞれ2つの第2押しボルト80を含む。
【0047】
第2引きボルト82は、第2基部76に形成される第3ボルト挿通孔86に挿通され、第2テーブル26に螺合される。
図12に示す状態において、第2引きボルト82を第2テーブル26から螺退させることにより、第2基部76を介して製袋チューブ2の傾き調整が可能となる。次に、各第2押しボルト80の先端が第2テーブル26に当接した状態で、第2基部76に対し各第2押しボルト80を螺進又は螺退させることにより、第2基部76を介して製袋チューブ2の傾き調整を行う。
【0048】
製袋チューブ2の傾き調整後には、第2引きボルト82を第2テーブル26に向けて螺進させ、第2引きボルト82の頭を第2基部76に当接させる。さらに、第2基部76に向けて各第2押しボルト80のナット84を螺進させ、第2基部76に当接させることにより、各第2押しボルト80を第2基部76に対して位置決めする。これにより、製袋チューブ2が第2テーブル26に対して所望の傾きで固定される。
【0049】
以上のように実施形態の縦形製袋充填包装機1は、種々の調整を可能とする機構を備えることにより、難延伸性の包材Wを用いることに起因した包材Wの特に蛇行走行の不具合を防止することができ、袋Pの品質を確保しつつ袋Pの生産性を向上することができる。具体的には、包装機1は、一対の背張りガイド部材40とガイド位置調整機構42とを備え、各背張りガイド部材40は、フォーマ4の筒状部32の各周側縁32aに対向する位置において、袋Pにラップ部Lを形成するべく包材Wの両側縁を案内する。
【0050】
また、ガイド位置調整機構42は、フォーマ4の第1テーブル22に設けられ、各背張りガイド部材40を昇降させ、各背張りガイド部材40の上下位置をそれぞれ独立して調整するとともに、各背張りガイド部材40を上下位置調整とは独立して水平方向にスライドさせ、各背張りガイド部材40の離間距離Dを調整する。ガイド位置調整機構42は、各背張りガイド部材40のそれぞれの上下位置調整と、離間距離Dの調整とを独立して行うことができるため、包材Wの幅方向両側においての長さとフォーマ4の包材Wの両側に相当する部分の経路の相違を補完することができる。従って、フォーマ4における包材Wの浮き上がり等に起因した包材Wの蛇行走行を効果的に防止することができる。
【0051】
詳しくは、ガイド位置調整機構42は、各背張りガイド部材40のそれぞれにおいて、調整プレート44、第1ボルト挿通孔46、第1ボルト48、及び位置決めナット50を有し、第1ボルト挿通孔46は、調整プレート44において水平方向を長手方向とする長孔である。これにより、簡素な機構で各背張りガイド部材40の上下位置調整と離間距離Dの調整とを独立して容易に行うことができる。
【0052】
より詳しくは、各背張りガイド部材40のそれぞれにおいて、位置決めナット50による調整プレート44の挟持を解除することにより、位置決めナット50間において、調整プレート44及び背張りガイド部材40の一体的な昇降が許容される。また、第1ボルト挿通孔46において調整プレート44及び背張りガイド部材40の水平方向への一体的なスライドが許容される。
【0053】
また、包装機1は、フォーマ4の各側面ガイド部34及び背面ガイド部36の両傾斜側縁4aの少なくとも一方に取り付けられ、当該傾斜側縁4aからの包材Wの側縁の逸脱を規制する逸脱規制機構30を備える。これにより、フォーマ4における包材Wの逸脱に起因した包材Wの蛇行走行を防止することができる。
【0054】
詳しくは、逸脱規制機構30は、クリップ54、ボルト孔60、第2ボルト56、及び規制プレート58を有し、包材Wの側縁が規制プレート58に接触することにより、傾斜側縁4aからの包材Wの逸脱が規制される。これにより、簡素な機構で包材Wの逸脱を容易に規制することができる。
【0055】
一方、各第2ボルト56を螺退することにより、傾斜側縁4aに対するクリップ54と規制プレート58との挟持が解除され、傾斜側縁4aに沿うクリップ54のスライドが許容される。これにより、走行中の包材Wの規制位置を調整して包材Wの個別の状態やフォーマ4の状態等に対応した位置に逸脱規制機構30を容易に且つ迅速にセットすることができる。
【0056】
また、包装機1は、第1テーブル22にフォーマ4の第1基部38を接続するとともに、フォーマ4の上下方向に対する傾きを調整するフォーマ傾き調整機構62を備える。これにより、フォーマ4の傾き調整を容易に行うことができるため、包装機1の組立性が向上するとともに、フォーマ4の傾きに起因した包材Wの蛇行走行を防止することができる。
【0057】
詳しくは、フォーマ傾き調整機構62は、第1押しボルト68、第2ボルト挿通孔74、及び第1引きボルト70を有し、第1引きボルト70を第1テーブル22から螺退させることにより、第1基部38を介してフォーマ4の傾き調整を可能とする。また、第1押しボルト68の先端が第1テーブル22に当接した状態で、第1基部38に対し第1押しボルト68を螺進又は螺退させることにより、第1基部38を介してフォーマ4の傾き調整を行う。これにより、簡素な機構でフォーマ4の傾きを容易に調整することができる。
【0058】
また、包装機1は、第2テーブル26にクランプ24の第2基部76を接続するとともに、製袋チューブ2の上下方向に対する傾きを調整するチューブ傾き調整機構78を備える。これにより、製袋チューブ2の傾き調整を容易に行うことができるため、包装機1の組立性が向上するとともに、製袋チューブ2の傾きに起因した包材Wの蛇行走行を防止することができる。
【0059】
詳しくは、チューブ傾き調整機構78は、第2押しボルト80、第3ボルト挿通孔86、及び第2引きボルト82を有し、第2引きボルト82を第2テーブル26から螺退させることにより、第2基部76を介して製袋チューブ2の傾き調整を可能とする。また、第2押しボルト80の先端が第2テーブル26に当接した状態で、第2基部76に対し第2押しボルト80を螺進又は螺退させることにより、第2基部76を介して製袋チューブ2の傾き調整を行う。これにより、簡素な機構で製袋チューブ2の傾きを容易に調整することができる。
【0060】
以上で実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。例えば、包装機1は、紙包材以外の難延伸包材を用いた袋Pの製造に用いることができる。また、ガイド位置調整機構42において、各調整プレート44に第1ボルト挿通孔46が2つずつ形成され、第1ボルト48は4つ設けられ、位置決めナット50は第1テーブル22を上下に挟む位置に4組設けられるが、これらの数は変更可能である。
【0061】
また、逸脱規制機構30において、クリップ54にボルト孔60が3つ形成され、第2ボルト56は3つ設けられるが、これらの数は変更可能である。また、逸脱規制機構30は、傾斜側縁4aに複数取り付けても良いし、フォーマ4の両側の傾斜側縁4aにそれぞれ取り付けても良い。
【0062】
また、フォーマ傾き調整機構62において、第1押しボルト68と第1引きボルト70とは少なくとも1つずつ設ければ良い。また、第1基部38に設けるフォーマ傾き調整機構62の数は変更可能である。また、チューブ傾き調整機構78において、第2押しボルト80と第2引きボルト82とは少なくとも1つずつ設ければ良い。また、第2基部76に設けるチューブ傾き調整機構78の数は変更可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 縦形製袋充填包装機
2 製袋チューブ
2a 外周面
4 フォーマ
4a 傾斜側縁
22 第1テーブル
24 クランプ
26 第2テーブル
30 逸脱規制機構
32 筒状部
32a 周側縁
34 側面ガイド部
36 背面ガイド部
38 第1基部
40 背張りガイド部材
42 ガイド位置調整機構
44 調整プレート
46 第1ボルト挿通孔
48 第1ボルト
50 位置決めナット
54 クリップ
58 規制プレート
60 ボルト孔
62 フォーマ傾き調整機構
68 第1押しボルト
70 第1引きボルト
74 第2ボルト挿通孔
76 第2基部
78 チューブ傾き調整機構
80 第2押しボルト
82 第2引きボルト
86 第3ボルト挿通孔
D 離間距離
G 隙間
L ラップ部
P 袋
Sv 縦シール部
Sh 横シール部
W 包材
Wc 筒状包材