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特開2023-11787付加製造された構造体および同構造体を形成するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011787
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】付加製造された構造体および同構造体を形成するための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/40 20170101AFI20230117BHJP
   B29C 64/10 20170101ALI20230117BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230117BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230117BHJP
   B29C 64/20 20170101ALI20230117BHJP
【FI】
B29C64/40
B29C64/10
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/20
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174527
(22)【出願日】2022-10-31
(62)【分割の表示】P 2020561590の分割
【原出願日】2019-01-23
(31)【優先権主張番号】62/620,891
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520273599
【氏名又は名称】ローカル モーターズ アイピー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】LOCAL MOTORS IP, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド リハ
(72)【発明者】
【氏名】アレクシス フィッター
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ベドソル
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ヒル
(72)【発明者】
【氏名】ティモフェイ ノヴィコフ
(72)【発明者】
【氏名】カイル ロー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】付加製造では形成することができないオーバハング構造体を製造するための改善策および/または代替策または付加的な解決策を提供する。
【解決手段】付加製造された構造体および同構造体を形成および使用するための方法。構造体を形成するための方法では、第1の層構造体210を形成することができる。第2の層構造体220は第1の層構造体と支持構造体240との上に形成することができる。支持構造体は、第2の層構造体から除去することができる。第2の層構造体は、支持構造体が除去された後に変形または破損しないオーバハング構造体を含んでいてよい。支持構造体は、印刷中に第2の層構造体に対する支持を提供することができる。支持構造体は迅速かつ簡単に形成することができる。支持構造体は再利用することができ、印刷構造体に重量を付加しない。支持構造体は印刷の完了後に容易に除去することができる。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出堆積を介した付加製造のための方法であって、
各々が印刷方向に印刷された1つ以上の第1の層を有する少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップであって、前記1つ以上の第1の層は、前記印刷方向に対して垂直方向である積層方向に積層され、前記第1の層構造体は車両ボディのシャーシの一部を含む、ステップと、
前記少なくとも1つの第1の層構造体と第1の支持構造体との上に第2の層構造体を形成するステップであって、前記第2の層構造体は、前記印刷方向に印刷された1つ以上の第2の層を含み、前記1つ以上の第2の層は前記積層方向に積層され、前記第2の層構造体は、前記積層方向から見て開口を規定する、ステップと、
前記第1の支持構造体上に少なくとも部分的に配置されると共に前記開口と整合する第2の支持構造体を前記開口に挿入するステップと、
前記開口を覆う第3の層構造体を、前記第2の層構造体及び前記第2の支持構造体の上に形成するステップと、
前記第2の層構造体及び前記第3の層構造体から前記第1の支持構造体及び前記第2の支持構造体をそれぞれ除去するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記第2の層構造体を形成する前記ステップが、該第2の層構造体を形成するステップ中に、前記第1の支持構造体によって少なくとも部分的に支持されたオーバハング構造体を形成するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、2つの第1の層構造体を形成するステップを含み、
前記第1の支持構造体が、前記2つの第1の層構造体の間に配置されている、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第2の層構造体を形成する前記ステップが、該第2の層構造体を形成するステップ中に、前記2つの第1の層構造体をブリッジングしかつ該第1の支持構造体によって少なくとも部分的に支持されている前記第2の層構造体を形成するステップを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第1の支持構造体が、前記第2の層構造体を形成する前記ステップ中に、前記少なくとも1つの第1の層構造体に接触しない、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の層構造体または前記第2の支持構造体が、少なくとも1つの寸法において5フィート(1.524メートル)よりも長い、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、前記印刷方向に対して側面角度を成す側壁を有する第1の層構造体を形成するステップを含み、
前記側面角度が、35度~90度である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、前記側壁に沿って変化する前記側面角度を有する前記側壁を有する前記第1の層構造体を形成するステップを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップの後であって、前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記少なくとも1つの第1の層構造体から選択された距離をおいて前記第1の支持構造体を位置決めするステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1の層構造体と前記第1の支持構造体とがそれぞれ、前記第2の層構造体に対して近位の複数のインタフェース面を有し、
前記位置決めするステップが、前記複数のインタフェース面が同一平面にあるように前記第1の支持構造体を位置決めするステップを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第1の支持構造体が、前記第2の層構造体を受けるための上面を有する基部を含み、
前記方法が、前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記基部の前記上面上に剥離層を堆積させるステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記剥離層を堆積させる前記ステップが、前記基部の前記上面上にセッケン石を堆積させるステップを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第1の支持構造体が、前記第2の層構造体を受けるための上面を有する基部を含み、
前記方法は、
付加製造を介して前記基部を形成するステップと、
前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記基部の前記上面を冷却するステップと
をさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
冷却する前記ステップが、前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記基部の前記上面に圧縮空気を吹き付けるステップを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第2の層構造体が、第1の材料から成り、
前記第1の支持構造体が、前記第1の材料とは異なる第2の材料から成る、請求項1記載の方法。
【請求項16】
少なくとも部分的に発泡材から成る前記第1の支持構造体を形成するステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、前記車両ボディのシャーシ底部を形成するステップを含み、
前記第2の層構造体を形成する前記ステップが、前記シャーシ底部にそれぞれ接続されるフェンダとサスペンションアセンブリ組付け箇所とを形成するステップであって、前記フェンダがフェンダ上部開口を規定する、ステップを含み、
前記第3の層構造体を形成する前記ステップが、前記第2の支持構造体上にフェンダ上部を形成するステップと、前記フェンダ上部開口を覆うステップとを含む、請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年1月23日に出願された米国仮特許出願第62/620,891号の優先権を主張する。仮特許出願の優先権は、明示的に主張され、これにより、仮出願の開示は、その全体を参照することにより、かつあらゆる目的のために本明細書に援用するものとする。
【0002】
関連する非仮出願の相互参照
以下の米国特許出願は、本出願の譲受人によって完全に所有されており、本出願と同日に出願された。これにより、以下の米国特許出願の開示は、その全体を参照にすることにより、かつあらゆる目的のために本明細書に援用するものとする。
【0003】
2019年1月23日に出願された「付加製造された構造体および同構造体を形成するための方法(ADDITIVELY MANUFACTURED STRUCTURE AND METHOD FOR MAKING THE SAME)」(代理人事件番号36681.4002)。
【技術分野】
【0004】
開示された実施形態は、概して付加製造に関し、より詳細には、明示はされていないが、付加製造された構造体および同構造体を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0005】
付加製造としても知られる3次元(3D)印刷は、必要な場所にのみ材料を堆積させる技術であり、したがって、一般的に、塊状材料から材料を削減または除去することによって部材を形成する従来の製造技術よりも、材料の消費が大幅に少なくなる。典型的な付加製造プロセスでは、3Dの物体は、コンピュータ制御下で材料の層を形成することによって作製されている。3次元(3D)印刷された最初の物品は、概して模型であったが、ヒンジ、ツール、構造要素のような、より複雑なシステムにおける機能部材であってよい3D印刷物品を作製することによって、この産業は急速に進歩している。
【0006】
大規模な(すなわち、典型的には少なくとも1つの寸法が5フィート(1.524メートル)よりも長い)3D物品を形成するための付加製造は、大規模付加製造と呼ぶことができる。大規模付加製造のためのシステム(または技術)は、大規模付加製造システム(または技術)と呼ぶことができる。例示的な大規模付加製造システムは、たとえば、オハイオ州ハリソン群にあるCincinnati Incorporated社から入手可能なthe Big Area Additive Manufacturing(BAAM)100 ALPHA、またはインディアナ州デールにあるThermwood Corporation社から入手可能なthe Large Scale Additive Manufacturing (LSAM) machineを含んでいる。大型の大規模付加製造のために押出堆積を使用する例示的なシステムは、BAAM100ALPHAおよびLSAM machineを含んでいる。
【0007】
大規模付加製造は、材料特性の改善と、カスタマイズされた大規模な構造体の必要性の増大とによって、最近、より大きな研究、使用および技術進歩の分野となった。たとえば、アリゾナ州フェニックスにあるLocal Motors社は、大規模付加製造または大規模押出堆積を車両の印刷のために使用した最初の企業であった。しかし、大規模付加製造は、小規模付加製造において使用される技術を直接採用することでは解決することができない大きな課題にも直面している。この課題の1つは、(垂れ下がりのような)変形または重力下での破壊などの損傷を受けないオーバハングまたはブリッジ構造体を形成することである。オーバハング構造体は、印刷構造体の主要部分から少なくとも部分的に重力に対して直交する方向で何もないスペースへと延びている印刷構造体の部分を含んでいてよい。ブリッジ構造体は、印刷構造体にそれぞれ接続された互いに反対側の2つの端部領域を有する例示的なオーバハング構造体を含んでいてよい。
【0008】
本開示の発明者らは、小規模付加製造はオーバハング構造体を形成する際の問題を有しているが、この問題は、大規模付加製造では特に深刻であり、独特の課題を呈していることを発見した。たとえば、大規模押出堆積プロセスでは、大規模に押し出されたビードが熱をはるかに長く保持し、ノズルがビードを所望の場所において堆積させようとした後にも、ゴム状または溶融状態を長く維持してしまう。ビードが凝固する間、ビードは、ビード自体の重量のもとで、かつ/またはビードの上に印刷された材料の重量のもとで寸法を維持することができない。さらに、発明者らは、液体窒素をビードに噴霧するなど、凝固を加速させるために急速凝固プロセスを使用することを検討したが、この急速凝固プロセスは、印刷層間の層間接着を減じてしまい、大規模印刷された構造体の強度を弱めてしまうことが考えられた。対照的に、小規模押出堆積プロセスでは、ノズルから出た材料を急速に凝固させるためにファンを使用することができ、したがって、オーバハングをより簡単に印刷することができる。
【0009】
発明者らは、大規模押出堆積プロセスにおいて、オーバハング構造体が、通常は大規模であることをさらに発見した。たとえば、大規模付加製造を使用して車両を印刷する際には、フェンダや隆起した平面のような構造体を印刷することが必要であり、そのような構造体の印刷が問題となる。オーバハング構造体の変形量が大きくなってしまう。重量が大きいので、オーバハング構造体の破損が生じやすい。反対に、小規模押出堆積プロセスでは、オーバハング構造体は比較的小さい。したがって、オーバハング構造体の変形量は非常に小さいか、または無視することができる。重量が軽い場合、オーバハング構造体は破損しづらい。
【0010】
発明者らは、小規模付加製造において構造体を形成する方法は、大規模付加製造に適用されないことが多いことをさらに発見した。1つの例では、支持構造体は主要部分と同時に印刷することができ、オーバハング構造体は、次いで支持構造体上に印刷される。しかし、大規模付加製造において、このような支持構造体は、材料、印刷時間、エネルギ消費のようなかなりの資源を消費する。さらに、支持構造体の特性を柔軟に選択することができないので、支持構造体の除去が困難になってしまう。支持構造体が損傷することなしに正常に除去された場合でさえ、支持構造体は再利用されず、大量の廃棄物が発生してしまう。
【0011】
別の例では、充填構造体が主要部分に隣接して配置され、これにより、オーバハング構造体が、次いで充填構造体上に印刷される。充填構造体は、印刷された構造体の一部として残り、除去されない。大規模付加製造では、充填構造体のサイズが大きく、充填構造体の機械的強度に課される要求が高いので、充填構造体は極めて低い密度を有することはできない。充填構造体が印刷された構造体に加える重量は著しく大きく、ときとして、印刷された構造体を使用することを現実的ではなくしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、発明者らによって発見されたように、オーバハング構造体の形成にとっては、大規模付加製造における問題は、小規模付加製造における問題とは異なっており、かつ/または小規模付加製造における問題よりも大きい。さらに、小規模付加製造における問題を解決するための方法が、大規模付加製造において効果的または実用的ではないことがある。
【0013】
上記に鑑みて、オーバハング構造体を形成するための付加製造プロセスを改善して、現在、付加製造では形成することができないオーバハング構造体を製造するための改善策および/または代替策または付加的な解決策が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示は、付加製造された構造体ならびに同構造体を形成しかつ使用するための方法に関する。
【0015】
本明細書に開示された第1の態様によれば、付加製造のための方法であって、
少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップと、
第1の層構造体と第1の支持構造体との上に第2の層構造体を形成するステップと、
第2の層構造体から第1の支持構造体を除去するステップと
を含む方法が記載される。
【0016】
開示された方法の幾つかの実施形態では、第2の層構造体を形成するステップが、この形成するステップ中に、第1の支持構造体によって少なくとも部分的に支持されたオーバハング構造体を形成するステップを含む。
【0017】
開示された方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップが、2つの第1の層構造体を形成するステップを含み、第1の支持構造体が、2つの第1の層構造体の間に配置されている。
【0018】
開示された方法の幾つかの実施形態では、第2の層構造体を形成するステップが、第2の層構造体を形成するステップ中に、2つの第1の層構造体をブリッジングしかつこの第1の支持構造体によって少なくとも部分的に支持されている第2の層構造体を形成するステップを含む。
【0019】
開示された方法の幾つかの実施形態では、第2の層構造体を形成するステップ中に、第1の支持構造体と少なくとも1つの第1の層構造体との間にギャップが存在する。
【0020】
開示された方法の幾つかの実施形態では、第1の支持構造体が、第2の層構造体を形成するステップ中に、少なくとも1つの第1の層構造体に接触しない。
【0021】
開示された方法の幾つかの実施形態では、第2の層構造体を形成するステップが、第1の支持構造体と少なくとも1つの第1の層構造体とをブリッジングする第2の層構造体を形成するステップを含む。
【0022】
開示された方法の幾つかの実施形態では、
少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップが、印刷方向で1つ以上の第1の層を印刷するステップを含み、1つ以上の第1の層が、印刷方向に対して垂直方向である積層方向で積層されており、
第2の層構造体を形成するステップが、印刷方向で1つ以上の第2の層を印刷するステップを含み、1つ以上の第2の層が、積層方向で積層されている。
【0023】
開示された方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップが、印刷方向に対して側面角度を成す側壁を有する第1の層構造体を形成するステップを含み、側面角度が、35度~90度である。
【0024】
開示された方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップが、側壁に沿って変化する側面角度を有する側壁を有する第1の層構造体を形成するステップを含む。
【0025】
開示された方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップが、湾曲された側壁を有する第1の層構造体を形成するステップを含み、側面角度が、積層方向に沿って減少する。
【0026】
開示された方法の幾つかの実施形態では、本方法が、少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップの後であって、第2の層構造体を形成するステップの前に、少なくとも1つの第1の層構造体から選択された距離をおいて第1の支持構造体を位置決めするステップをさらに有する。
【0027】
開示された方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの第1の層構造体と第1の支持構造体とがそれぞれ、第2の層構造体に対して近位のインタフェース面を有していて、位置決めするステップが、インタフェース面が同一平面にあるように第1の支持構造体を位置決めするステップを含む。
【0028】
開示された方法の幾つかの実施形態では、第1の支持構造体が、第2の層構造体を支持するための上面を有する基部を含んでいて、本方法が、第2の層構造体を形成するステップの前に、基部の上面上に剥離層を堆積させるステップをさらに有する。
【0029】
開示された方法の幾つかの実施形態では、剥離層を堆積させるステップが、基部の上面上にセッケン石を堆積させるステップを含む。
【0030】
開示された方法の幾つかの実施形態では、第1の支持構造体が、第2の層構造体を支持するための上面を有する基部を含んでいて、本方法は、
付加製造を介して基部を形成するステップと、
第2の層構造体を形成するステップの前に、基部の上面を冷却するステップと
をさらに含む。
【0031】
開示された方法の幾つかの実施形態では、冷却するステップが、第2の層構造体を形成するステップの前に、基部の上面上に圧縮空気を吹き付けるステップを含む。
【0032】
開示された方法の幾つかの実施形態では、本方法が、第2の層構造体を形成するステップの前に、基部の上面上に剥離層を堆積させるステップをさらに有する。
【0033】
開示された方法の幾つかの実施形態では、第2の層構造体が、第1の材料から成っていて、第1の支持構造体が、第1の材料とは異なる第2の材料から成っている。
【0034】
開示された方法の幾つかの実施形態では、本方法が、少なくとも部分的に発泡材から成る第1の支持構造体を形成するステップをさらに有する。
【0035】
開示された方法の幾つかの実施形態では、第1の支持構造体が、基部と、この基部上の1つ以上のオフセット層とを含んでいて、本方法が、第2の層構造体を形成するステップの前に、1つ以上のオフセット層を介して第1の支持構造体の高さを調整するステップをさらに有する。
【0036】
開示された方法の幾つかの実施形態では、本方法が、
第1の支持構造体を除去するステップの前に、第2の層構造体と、第1の支持構造体上に少なくとも部分的に配置された第2の支持構造体との上に第3の層構造体を形成するステップと、
第3の層構造体から第2の支持構造体を除去するステップと
をさらに含む。
【0037】
開示された方法の幾つかの実施形態では、
少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップが、シャーシ底部を形成するステップを含み、
第2の層構造体を形成するステップが、シャーシ底部にそれぞれ接続されるフェンダとサスペンションアセンブリ組付け箇所とを形成するステップであって、フェンダがフェンダ上部開口を規定する、ステップを含み、
第3の層構造体を形成するステップが、第2の支持構造体上にフェンダ上部を形成するステップと、フェンダ上部開口を覆うステップとを含む。
【0038】
開示された方法の幾つかの実施形態では、本方法が、第2の層構造体を形成するステップの前に、シャーシ底部に規定されたスロット内に第1の支持構造体を位置決めするステップをさらに含む。
【0039】
開示された方法の幾つかの実施形態では、本方法が、第3の層構造体を形成するステップの前に、第1の支持構造体上にフェンダ上部開口に整合させて第2の支持構造体を位置決めするステップをさらに含む。
【0040】
開示された方法の幾つかの実施形態では、少なくとも1つの第1の層構造体または第2の支持構造体が、少なくとも1つの寸法において5フィート(1.524メートル)よりも長い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】付加製造のためのシステムを示す例示的な図である。
図2図1に示したシステムを使用した製造中の構造体の実施形態を示す例示的な横断面図であり、構造体が第1の層構造体を含んでいる。
図3】製造中の図2に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、支持構造体が構造体に隣接して位置決めされている。
図4】製造中の図3に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、第2の層構造体が支持構造体上に印刷されている。
図5】製造中の図4に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、支持構造体が第2の層構造体から除去されている。
図6図1に示したシステムに基づく付加製造のための方法の実施形態を示す例示的なトップレベルのフローチャートである。
図7図4に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、支持構造体が2つの第1の層構造体の間にある。
図8図7に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、支持構造体が第2の層構造体から除去されている。
図9図5に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、第1の層構造体が、傾斜した側壁を有している。
図10図5に示した構造体の別の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、第1の層構造体が、湾曲された側壁を有している。
図11図5に示した構造体の別の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、第2の層構造体が傾斜角度を有している。
図12図3に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、支持構造体が剥離層を含んでいる。
図13図3に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、圧縮ガスが支持構造体上に吹き付けられている。
図14図13に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、支持構造体が剥離層を含んでいる。
図15図3に示した構造体の別の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、支持構造体が1つ以上のオフセット層を含んでいる。
図16図4に示した構造体の代替的な実施形態を示す例示的な横断面図であり、構造体が第3の層構造体を含んでいる。
図17図6に示した付加製造のための方法の代替的な実施形態を示す例示的なフローチャートである。
図18図17に示した方法を用いて製造された車両ボディの実施形態を示す例示的な斜視図である。
図19図18に示した車両ボディのシャーシの実施形態を示す例示的な詳細図である。
図20】製造中の図19に示したシャーシの代替的な実施形態を示す例示的な詳細図であり、第1の層構造体が印刷されている。
図21】製造中の図20に示したシャーシの代替的な実施形態を示す例示的な詳細図であり、第2の層構造体が印刷されている。
図22】製造中の図21に示したシャーシの代替的な実施形態を示す例示的な詳細図であり、第3の層構造体が印刷されている。
図23】製造中の図22に示したシャーシの代替的な実施形態を示す例示的な詳細図であり、支持構造体がシャーシから除去されている。
図24図1に示したシステムを制御するための制御システムの実施形態を示す例示的な図である。
【0042】
図面は、正しい縮尺で描かれておらず、同様の構造または機能の要素は、図面全体にわたって例示の目的で概して同一の参照番号によって表されていることに留意されたい。また、図面は、好適な実施形態の説明を容易にすることのみを目的としていることにも留意されたい。図面は、説明されている実施形態のすべての態様を示しているわけではなく、本開示の範囲を限定するものでもない。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、付加製造のための例示的なシステム100を示している。このシステム100は、押出堆積(または材料押出)を介して3D物品を印刷することができる。プリントヘッド120は、3D印刷された物品を形成するためにプリントベッド140上に1つ以上のポリマ層を堆積させるために構成されたノズルを含んでいるものとして示されている。プリントベッド140は、加熱テーブルおよび/または前もって堆積させられた層を含んでいてよい。層の積層方向は、z方向であり、印刷方向は、x方向である。
【0044】
図1は、押出堆積を用いたシステム100により実施されるものとしての付加製造を示しているが、付加製造を実施するための別のシステムまたはプロセスも、本開示において使用することができる。付加製造のための例示的なプロセスは、結合剤噴射、指向性エネルギ堆積、材料噴射、粉末床溶融結合、シート積層、液槽光重合、ステレオリソグラフィまたはこれらの組み合わせを含んでいてよい。
【0045】
現在利用することができる方法およびシステムでは、大きなオーバハング構造体を備えた大規模付加製造された部材の製造ができないので、大きなオーバハング構造体を備えた付加製造された構造体および同構造体を形成するための方法が、所望されていることが判明し、車両および/または建築構造体のための付加製造のような、幅広い用途のための基礎が提供される。
【0046】
本開示において記載されるような構造体および方法が、大規模付加製造における技術的問題を解決するために適用されるが、構造体および方法は、中規模および/または小規模付加製造のような、より小さな規模の付加製造にも、限定することなしに適用することができる。
【0047】
図2を参照すると、構造体200の横断面が示されている。構造体200は、第1の層構造体210を含んでいてよく、この第1の層構造体210は、z方向で積層されている1つ以上の層(または第1の層)212を含んでいる。第1の層構造体210は、付加製造を用いて製造することができる。
【0048】
第1の層構造体210は、側壁214を有しているものとして示されている。側壁214は、x方向に対して側面角度Aを成すように示されている。換言すると、側壁214は、プリントベッド140に対して側面角度Aを成している。
【0049】
図3を参照すると、支持構造体240が側壁214から距離dをおいて位置決めされている。図3は、支持構造体240および第1の層構造体210がプリントベッド140上に配置されているように示してあるにもかかわらず、支持構造体240および/または第1の層構造体210は、限定することなしに、均一かつ/または異なる平面上に位置決めすることができる。
【0050】
支持構造体240は、プリントベッド140に対して遠位にあるインタフェース面246を有するものとして示されている。第1の層構造体210は、プリントベッド140に対して遠位にあるインタフェース面216を含んでいてよい。図3に例示目的で示したように、インタフェース面216,246は、同一平面上にあってよい。しかし、インタフェース面216,246は、必ずしも同一平面上にある必要はなく、限定することなしに、同一平面上になくてよい。換言すると、インタフェース面216,246は、プリントベッド140から均一なかつ/または異なる距離にあってよい。
【0051】
距離dは、第1の層構造体210および支持構造体240上の任意の点の間の間隔であってよい。図3に例示的に示したように、距離dは、インタフェース面246,216間のギャップ242のサイズであってよい。換言すると、距離dは、後続の層を印刷することができる支持構造体240および第1の層構造体210の領域の間で測定された間隔であってよい。
【0052】
図3は、単に例示的な目的で、ギャップ242が均一であることを示している。ギャップ242は、側壁214に沿ったそれぞれ異なる箇所において均一であってよい、かつ/または異なっていてよい。たとえば、側壁214は、湾曲した形状、傾斜した形状および/または不規則な形状を有していてよく、側壁214に沿って不均一なギャップ242および不均一な距離dをもたらす。1つの例では、距離dは、それぞれ異なる箇所においてゼロであってよい、かつ/またはゼロでなくてよい。換言すると、側壁214は、支持構造体240に部分的に接触していてよい。
【0053】
支持構造体240は、選択された形状およびサイズを有していてよい。支持構造体240は、適切な材料およびプロセスを使用して形成することができる。1つの実施形態では、支持構造体240は、3D印刷を使用して形成することができる。有利には、3D印刷は、複雑な輪郭を有する支持構造体240を形成することができる。1つの例では、支持構造体240は、プリントベッド140上に印刷することができ、使用中に逆さに配置することができる。有利には、支持構造体240は、平坦であるインタフェース面246を提供することができる。
【0054】
付加的かつ/または代替的に、支持構造体240は、少なくとも部分的に発泡材から形成されていてよい。発泡材は、選択したサイズおよび形状を得るために、機械加工することができる。有利には、支持構造体240は、より安価な形式で形成することができる。
【0055】
図3は、z方向およびx方向によって規定された平面に、ギャップ242を有する第1の層構造体210および支持構造体240を示しているが、第1の層構造体210および支持構造体240は、限定することなしに、z方向およびy方向により規定された平面および/または別の平面において分離されていてよい、かつ/または接触していてよい。
【0056】
図4を参照すると、第2の層構造体220が、支持構造体240および第1の層構造体210上に配置されているものとして示されている。第2の層構造体220は、z方向で積層された1つ以上の層(または第2の層)222を含むものとして示されている。1つの実施形態では、第2の層構造体220は、第1の層構造体210を製造したものと同一の付加製造技術を使用して製造することができる。
【0057】
第2の層構造体220は、ギャップ242に跨がるように示されている。距離dは、適切な長さであってよい。小さな距離dは、有利には、ギャップに跨がる第2の層構造体220の変形の可能性を減少させることができる。距離dは、第2の層構造体220のブリッジング能力、つまり、第2の層構造体220の材料が、第2の層構造体220の下の空間からの鉛直方向のいかなる支持なしでも張り出すことができる能力によって規定することができる。1つの実施形態では、距離dはゼロであってよい。有利には、第2の層構造体220は、印刷中に完全に支持されていてよく、変形を減じるか、または阻止することができる。
【0058】
図5を参照すると、支持構造体240が、第2の層構造体220から除去されたものとして示されている。第1の層構造体210を越えて延びる第2の層構造体220の部分が、オーバハング構造体224である。
【0059】
オーバハング構造体224は、支持構造体240の除去の前後で形状を維持することができる。換言すると、オーバハング構造体224は、支持されずに空きスペースに位置決めされていたとしても、重力下で変形せず、第2の層構造体220から離脱しない。
【0060】
図6を参照すると、(図5に示した)構造体200を製造する例示的な方法300が示されている。第1の層構造体210は、符号310において印刷することができる。第2の層構造体220は、符号330において、支持構造体240および第1の層構造体210上に印刷することができる。
【0061】
支持構造体240は、符号340において、第2の層構造体220から除去することができる。第2の層構造体220から支持構造体240を除去することは、第2の層構造体220との直接的な接触から支持構造体240を分離することを含んでいてよい。支持構造体240は、適切なときに除去することができる。1つの実施形態では、第2の層構造体220は、支持構造体240が第2の層構造体220から除去される前に、室温にまで冷却することができ、かつ/または凝固させることができる。有利には、支持構造体240は、第2の層構造体220の変形を阻止するための冷却および/または凝固中に、第2の層構造体220に対する支持を提供することができる。冷却および/または凝固が完了すると、第2の層構造体220は、十分な構造強度を得ることができ、支持構造体240が除去された後でも変形することはない。
【0062】
有利には、支持構造体240は、構造体200を繰り返し形成するために再利用することができる。再利用は、材料、印刷時間およびエネルギを著しく節約することができる。さらに、支持構造体240を構造体200から分離することができるので、支持構造体240は、第2の層構造体220を支持するために十分な強度を提供するための高い密度の材料から形成することができるが、構造体200の重量は増大しない。
【0063】
任意には、支持構造体240は、符号320において、第1の層構造体210から選択された距離dをおいて位置決めすることができる。1つの実施形態では、支持構造体240は、第1の層構造体210を印刷した後であって、第2の層構造体220を印刷する前に、位置決めすることができる。たとえば、印刷プロセスは、第1の層構造体210を印刷した後であって、第2の層構造体220を印刷する前に、休止または時間間隔を有していてよい。支持構造体240は、オペレータにより手動で、かつ/または機械支援された形式で(たとえば、ロボットにより)、時間間隔中に位置決めすることができる。有利には、支持構造体240は、第1の層構造体210を印刷するプロセスを妨げない。付加的かつ/または代替的に、支持構造体240は、第1の層構造体210の印刷を終了する前に配置することができる。支持構造体240を位置決めするプロセスは、第1の層構造体210を印刷するプロセスよりも著しく短くてよい。
【0064】
図7を参照すると、第1の層構造体210は、第1の層構造体210A,210Bを含むものとして示されている。第1の層構造体210A,210Bのそれぞれは、z方向で積層された1つ以上の層212を含むものとして示されている。第1の層構造体210A,210Bは、同一のかつ/または互いに異なる数の層212を含んでいてよい。1つの実施形態では、第1の層構造体210A,210Bは、同一の数の層212を含んでいてよい。有利には、第1の層構造体210A,210Bは同時に印刷することができ、後続の印刷層に曝されている第1の層構造体210A,210Bの表面は、整合していてよい、かつ/または同一平面であってよい。
【0065】
図7は、支持構造体240を第1の層構造体210A,210B間に配置されているものとして示している。支持構造体240は、第1の層構造体210A,210Bからそれぞれ距離d1,d2にあるものとして示されている。距離d1,d2は、均一であってよい、かつ/または互いに異なっていてよい。図7は、第2の層構造体220を第1の層構造体210A,210Bおよび支持構造体240上に配置されているものとして示している。
【0066】
図8を参照すると、支持構造体240が、第2の層構造体220から除去されたものとして示されている。オーバハング構造体224は、第1の層構造体210A,210B間に跨っているように示されている。オーバハング構造体224は、支持構造体240の除去の前後に形状を維持することができる。換言すると、オーバハング構造体224は、第1の層構造体210A,210Bをブリッジングすることができる。
【0067】
図9を参照すると、第1の層構造体210の側壁214は、z方向から離れるにつれて傾斜する面であるものとして示されている。換言すると、側面角度Aは直角ではない。図9は、90度よりも小さい側面角度Aを示している。
【0068】
側面角度Aは、適切な値を有していてよい。側面角度Aの最小値は、印刷プロセスによって規定することができる。1つの実施形態では、第1の層構造体210を印刷するためのビード(図示せず)が幅広である場合、側面角度Aは小さくなり得る。たとえば、ビードが大きなアスペクト比を有している場合、側面角度Aは小さくなり得る。アスペクト比は、ビードの幅(またはx方向のサイズ)対高さ(またはz方向のサイズ)の比を含んでいてよい。付加的かつ/または代替的に、層212間で長い凝固時間が存在する場合、側面角度Aは小さくなり得る。例示的な側面角度Aは、35度~90度、40度~90度、または45度~90度の範囲であってよい。
【0069】
図10を参照すると、第1の層構造体210の側壁214は、z方向から離れるにつれて傾斜する湾曲された面を含むものとして示されている。側壁214は、側壁214に沿ったそれぞれの位置において複数の側面角度Aを有していてよい。図10に示すように、側面角度Aは、側壁214の端部領域における側面角度A1と、側壁214の中央領域における側面角度A2とを含むものとして示されている。
【0070】
側面角度A1,A2のそれぞれの最小値は、第1の層構造体210のブリッジング能力によって規定することができる。1つの実施形態では、第1の層構造体210を印刷するためのビード(図示せず)が幅広である場合、側面角度A1,A2は小さくなり得る。たとえば、ビードが大きなアスペクト比を有している場合、側面角度A1,A2は小さくなり得る。アスペクト比は、ビードの幅(またはx方向のサイズ)対高さ(またはz方向のサイズ)の比を含んでいてよい。付加的かつ/または代替的に、層212間で長い凝固時間が存在する場合、側面角度A1,A2は小さくなり得る。例示的な側面角度A1,A2は、それぞれ35度~90度、40度~90度、または45度~90度の範囲であってよい。
【0071】
側壁214は、図9では直線状であり、図10では湾曲しているものとして示されているが、側壁214は、限定することなしに、直線状、湾曲、またはこれらの組み合わせであってよい。
【0072】
図11を参照すると、インタフェース面246は、第2の層構造体220に接続するものとして示されている。インタフェース面246の形態および/または形状は、支持構造体240上に印刷される第2の層構造体220を規定することができる。
【0073】
図11は、傾斜角度Bをインタフェース面246とプリントベッド140との間に存在するものとして示している。事実上、支持構造体240上に形成されたオーバハング構造体224は、プリントベッド140に対して傾斜角度Bを成す側壁を有していてよい。
【0074】
傾斜角度Bは、適切な値を有していてよい。1つの実施形態では、傾斜角度Bは、支持構造体240を使用せずには3D印刷において達成することが困難であるかつ/または不可能である値を有していてよい。例示的な傾斜角度Bは、0度~45度の範囲であってよい。有利には、第2の層構造体220が、制限されたブリッジング能力を有する材料から成っていて、支持なしでは傾斜角度Bを小さな値で形成することができない場合、支持構造体240は、そのような小さな傾斜角度Bを可能にするための支持を提供することができる。
【0075】
1つの実施形態では、傾斜角度Bは、ゼロであってよい。したがって、インタフェース面246は、プリントベッド140に対して平行であってよい。たとえば、インタフェース面246は、第1の層構造体210の(図3に示した)インタフェース面216と同一平面にあってよい。
【0076】
図12を参照すると、支持構造体240は、基部241上に配置された剥離層244を含み、インタフェース面246を提供するものとして示されている。剥離層244は、(図4に示した)第2の層構造体220が支持構造体240上に印刷される前に、配置することができる。
【0077】
剥離層244は、第2の層構造体220と支持構造体240との間の強固な結合を阻止するために使用することができる。有利には、第2の層構造体220が冷却され、かつ/または凝固した後に、第2の層構造体220を損傷することなしに、第2の層構造体220から支持構造体240を除去することができる。付加的かつ/または代替的に、剥離層244は、第2の層構造体220の印刷中に、第2の層構造体220と支持構造体240との間に十分な接着を提供するために使用することができる。有利には、第2の層構造体220を、第2の層構造体220と支持構造体240との間の位置ずれを阻止するために、支持構造体240に対して位置固定することができる。例示的な剥離層244は、非粘着性材料を含んでいてよい。たとえば、剥離層244は、滑石粉、マイカダスト、食用油などの油、および/または離型材料を含んでいてよい。代替的かつ/または付加的に、剥離層244は、少なくとも部分的にセッケン石から形成することができる。たとえば、剥離層244は、セッケン石マーカを使用することによって被着することができる。有利には、剥離層244の被着は、ばらの粉末を供給するよりもよりクリーンなプロセスであり得る。
【0078】
付加的かつ/または代替的に、剥離層244は、上述の特性を提供するシートおよび/またはコーティングを含んでいてよい。例示的なシートは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)シート、別の熱可塑性シート、接触接着剤でコーティングされた布地、ビーズボード、木材用接着剤で覆われた中密度繊維板(MDF)(またはビーズボードの表面に撒き散らされたペレットを有しないビーズボード)、発泡材インサート、ボール紙、またはそれらの組み合わせを含んでいてよい。
【0079】
図12は剥離層244を示しているが、第2の層構造体220と支持構造体240との間の所望の表面相互作用は、剥離層244なしでも達成することができる。1つの実施形態では、第2の層構造体220と支持構造体240とを互いに異なる材料で形成することができる。たとえば、第2の層構造体220と支持構造体240とは、それぞれ第1および第2の材料で形成することができる。第1の材料および第2の材料は、滑石粉によって提供される相互作用と同じである、かつ/または滑石粉によって提供される相互作用よりも大きい有利な界面相互作用を達成するために十分に異なる化学的および/または物理的特性を有していてよい。
【0080】
1つの実施形態では、第1および第2の材料のそれぞれは、ABS、炭素繊維充填ABS(CF/ABS)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(p-フェニレンオキシド)(PPO)、ポリ(p-フェニレンエーテル)(PPE)またはこれらの組み合わせを含んでいてよい。たとえば、CF/ABSは、20%の炭素短繊維が充填されたアクリロニトリルブタジエンスチレン(20%CF/ABS)のような不連続炭素繊維複合材を含んでいてよい。付加的かつ/または代替的に、第1の材料は、ABSおよび/またはコポリエステルを含んでいてよく、炭素繊維および/またはグラフェンナノフィラーを充填することができる。第2の材料は、第1の材料とは異なっていてよい。1つの例では、第1の材料はABSを含んでいてよく、第2の材料はPPOを含んでいてよい。
【0081】
付加的かつ/または代替的に、第1の材料および第2の材料は、支持構造体240上に第2の層構造体220を印刷する間に互いに異なる温度を有していてよい。第1の材料と第2の材料との間の温度差は、第1の材料が第2の材料と同一であるか、または異なる場合に、第1の材料と第2の材料との間の剥離を容易にすることができる。たとえば、第1の材料と第2の材料とは、同一の材料を含んでいてよいが、第2の材料の温度は、第2の層構造体220の印刷中に、第1の材料の温度よりも低くてよい。有利には、第2の層構造体220と支持構造体240との間の所望の剥離特性を達成することができる。
【0082】
図13を参照すると、支持構造体240は、z方向で積層された1つ以上の層212を含むものとして示されている。1つの実施形態では、支持構造体240は、付加製造を使用して形成することができる。たとえば、支持構造体240は、3D印刷を使用して、第1の層構造体210と同時に形成することができる。換言すると、第1の層構造体210および支持構造体240を含むように、コンピュータ化されたモデルを生成することができ、第1の層構造体210および支持構造体240を、1回の印刷プロセスにおいて印刷することができる。
【0083】
図13は、(図4に示した)第2の層構造体220の印刷中および/または印刷前に、支持構造体240の温度を下げるために、圧縮ガス243を支持構造体240に任意で吹き付けることができることを示す。圧縮ガス243は、大気圧よりも高い圧力下に維持されたガスを含んでいてよい。例示的な圧縮ガス243は、圧縮空気、液体窒素、またはこれらの組み合わせを含んでいてよい。
【0084】
印刷されたばかりの支持構造体240は、高温であるインタフェース面246を有していてよい。圧縮ガス243は、インタフェース面246を冷却することができる。第2の層構造体220を、インタフェース面246の温度よりも高い温度で、支持構造体240上に印刷することができ、(図12に示した)剥離層244が支持構造体240に被着されていない場合でさえ、次いで容易に剥離することができる。有利には、第1の層構造体210は、圧縮ガス243によって冷却されないので、第1の層構造体210と第2の層構造体220との間の良好な接着を達成することができる。
【0085】
図14を参照すると、圧縮ガス243は、任意に、支持構造体240の温度を下げるために支持構造体240に吹き付けられるものとして示されている。たとえば、支持構造体240は、付加製造を介して形成することができ、印刷されたばかりの支持構造体240は、高温であってよい。圧縮ガス243は、支持構造体240の温度を下げることができる。
【0086】
剥離層244を、支持構造体240上に被着することができる。剥離層244は、セッケン石、滑石粉、および/または支持構造体240の剥離を容易にすることができる別の材料で形成することができる。第2の層構造体220は、支持構造体240の温度よりも高い温度で、支持構造体240上に印刷することができる。有利には、第2の層構造体220は、支持構造体240からより容易に剥離することができる。
【0087】
図15を参照すると、支持構造体240は、プリントベッド140の遠位に配置された1つ以上のオフセット層248を含むものとして示されている。オフセット層248は、均一なかつ/または互いに異なる厚さおよび/または形態を有していてよい。オフセット層248は、インタフェース面246が第1の層構造体210に対して所望の位置にあることができるように、支持構造体240の高さおよび/または形状を調整するために選択することができる。たとえば、オフセット層248は、支持構造体240のインタフェース面246が第1の層構造体210のインタフェース面216と同一平面にあるように、選択することができる。
【0088】
支持構造体240が複数回の印刷プロセスにおいて再利用される場合、各印刷プロセスにおける第1の層構造体210は、異なる程度の変形を有することがあり、結果として異なる形状および/または厚さをもたらす。選択されたオフセット層248を支持構造体240に位置固定することによって、支持構造体240のサイズ、厚さおよび/または形状を、有利には第1の層構造体210のそれぞれの幾何学的形状に正確に適合および/または整合させるために調整することができる。
【0089】
オフセット層248は、第3の材料で形成することができる。第2の材料と第3の材料とは、均一であってよく、かつ/または互いに異なっていてよい。たとえば、オフセット層248は、発泡材から形成することができ、間隙調整板(Shim)に類似するように成形することができる。
【0090】
図15は、例示のみを目的として、2つのオフセット層248を示しているが、支持構造体240が、限定することなしに、均一なかつ/または互いに異なる幾何学形状を有する1つ以上のオフセット層248を含んでいてよい。図15は、z方向で積層されているオフセット層248を示しているが、オフセット層248は、限定することなしに、任意の方向で配置することができる。
【0091】
図16を参照すると、支持構造体240は、支持構造体(または第1の支持構造体)240Aと、この支持構造体240A上に積層された支持構造体(または第2の支持構造体)240Bとを含むものとして示されている。支持構造体240Bは、プリントベッド140に対して支持構造体240Aのインタフェース面246Aよりも遠位にあるインタフェース面246Bを有するものとして示されている。構造体200は、第2の層構造体220上かつ支持構造体240B上に形成された第3の層構造体230を含むものとして示されている。第3の層構造体230は、z方向で積層されている1つ以上の層(または第3の層)232を含むものとして示されている。支持構造体240を除去すると、オーバハング構造体224,234を形成することができる。
【0092】
図16は、支持構造体240Bを支持構造体240A上に積層されているものとして示しているが、支持構造体240Bは、限定することなしに、プリントベッド140のような表面上かつ/または先に印刷された層上に配置することができる。図16は支持構造体240A,240Bを示しているが、均一なかつ/または互いに異なる厚さおよび/または形状の任意の個数の支持構造体240を使用することができる。
【0093】
図17を参照すると、(図16に示した)構造体200を製造する例示的な方法300が示されている。第1の層構造体210は、符号310において印刷することができる。第2の層構造体220は、符号330において、第1の層構造体210と支持構造体240Aとの上に印刷することができる。第3の層構造体230は、符号332において、第2の層構造体220と支持構造体240Bとの上に印刷することができる。支持構造体240A,240Bは、符号340において、第2の層構造体220および第3の層構造体230から除去することができる。
【0094】
換言すると、符号330における印刷は、符号332において示されるように、印刷される付加的な支持構造体240を位置決めすることによって繰り返し実施することができ、これにより、プリントベッド140からそれぞれ異なる高さおよび/または距離をおいて複数のオーバハング構造体を形成することができる(図16を参照)。図17では1回だけ繰返し実施するように示されているが、符号330における印刷は、限定することなしに、何回でも繰り返し実施することができる。
【0095】
図18を参照すると、例示的な自動車のボディ400が、ボディ400の底部にシャーシ420を含むものとして示されている。シャーシ420は、(図17に示した)開示された方法300を使用することによって、付加製造を介して形成することができる。
【0096】
シャーシ420は、シャーシ底部426を含むものとして示されている。シャーシ420は、サスペンションアセンブリ組付け箇所422とフェンダ428とをさらに含み、サスペンションアセンブリ組付け箇所422とフェンダ428とはそれぞれ、シャーシ底部426上で上昇している。換言すると、サスペンションアセンブリ組付け箇所422とフェンダ428とは両方とも、シャーシ底部426よりも地面から遠くにあってよい。フェンダ428は、サスペンションアセンブリ組付け箇所422よりも地面からさらに上昇したフェンダ上部424を含むものとして示されている。図19は、シャーシ420の拡大図を示している。
【0097】
図20を参照すると、シャーシ420の少なくとも一部が、印刷プロセス中に形成されるものとして示されている。第1の層構造体210が印刷され、シャーシ底部426を含むものとして示されている。支持構造体240Aは、第1の層構造体210に挿入されているものとして示されている。換言すると、シャーシ底部は、2つの第1の層構造体210を含むものとして示されており、支持構造体240Aは、2つの第1の層構造体210の間に挿入することができる。支持構造体240Aの表面は、シャーシ底部426の表面と同一平面にあってよい。
【0098】
支持構造体240Aは、印刷プロセス中に第1の層構造体210内に挿入することができ、生産の速度に著しい影響を与えることなしに、短時間しか要求しない。たとえば、印刷は、30秒~60秒の範囲の時間間隔の間休止することができ、この時間間隔中に支持構造体240Aを挿入することができる。
【0099】
図21を参照すると、第2の層構造体220が、第1の層構造体210と支持構造体240Aとの上に形成されるものとして示されている。第2の層構造体220の一部は、サスペンションアセンブリ組付け箇所422(図19に示したが、図21では見えない)を含んでいてよい。
【0100】
図21は、フェンダ上部開口423を規定するものとして第2の層構造体220を示している。(図19に示した)フェンダ上部424を直接に印刷することは、印刷材料が有することのない著しいブリッジング能力を要求し得る。1つの実施形態では、第2の層構造体220の高さは、印刷材料のブリッジング能力を伴って印刷することができるフェンダ428の部分のサイズによって少なくとも部分的に規定することができる。印刷材料が大きなブリッジング能力を有する場合、第2の層構造体220は、フェンダ428の大部分を含んでいてよく、フェンダ上部開口423は、小さくてよい。
【0101】
図22を参照すると、第3の層構造体230が、第2の層構造体220と支持構造体240Bとの上に形成されるものとして示されている。第1の層構造体210、第2の層構造体220および第3の層構造体230は、見やすいようにワイヤフレームで示されている。図20は、方形のボックスまたは方形の六面体を含み、支持構造体240Bを支持構造体240A上に積層されているものとして示している。第3の層構造体230は、支持構造体240B上に印刷されたフェンダ上部424を含んでいる。
【0102】
支持構造体240Bは、印刷プロセス中に(図21に示した)フェンダ上部開口423内に位置決めすることができ、生産の速度に著しい影響を与えることなしに、短時間しか要求しない。たとえば、印刷は、30秒~60秒の範囲の時間間隔の間休止することができ、この時間間隔中に支持構造体240Bを挿入することができる。
【0103】
図23を参照すると、(図22に示した)支持構造体240A,240Bが、第2の層構造体220および第3の層構造体230から除去されたものとして示されている。したがって、シャーシ420を形成することができる。
【0104】
開示された実施形態は、付加製造を介して形成された(図5に示した)構造体200をさらに開示する。構造体200は、(図5に示した)側壁214を有する(図5に示した)第1の層構造体210を含んでいてよい。構造体200は、第1の層構造体210上にz方向で積層された(図5に示した)第2の層構造体220を含んでいてよい。換言すると、第1の構造体210および第2の構造体220は、同じ積層方向を共有することができる。第2の層構造体220は、側壁214を越えて延びる、積層方向で支持されていない(図5に示した)オーバハング構造体224を含んでいてよい。開示された実施形態は、図7図11図16および図18図23に示されるような構造体200をさらに開示する。
【0105】
図24を参照すると、付加製造のための制御システム500が示されている。この制御システム500は、(図1に示した)プリントヘッド120を制御するために構成することができる。制御システム500は、プロセッサ510を含んでいてよい。プロセッサ510は、1つ以上の汎用マイクロプロセッサ(たとえば、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ)、特定用途用集積回路、特定用途用命令セットプロセッサ、グラフィック処理ユニット、物理処理ユニット、デジタル信号処理ユニット、コプロセッサ、ネットワーク処理ユニット、暗号化処理ユニット等を含んでいてよい。
【0106】
プロセッサ510は、制御システム500および/または(図5に示した)構造体200のコンピュータ化されたモデルを実装するための命令を実行することができる。限定的ではない例では、命令は、1つ以上の付加製造ソフトウェアプログラムを含む。プログラムは、大きな構成要素の付加印刷を実施するための複数の印刷オプション、設定および技術でシステム100を制御するために動作することができる。
【0107】
プログラムは、構造体200の3Dコンピュータモデルを生成するためのコンピュータ支援設計(CAD)プログラムを含んでいてよい。付加的かつ/または代替的に、3Dコンピュータモデルは、別のコンピュータシステム(図示せず)からインポートすることができる。3Dコンピュータモデルは、業界標準のソリッド、サーフェスまたはメッシュファイル形式であってよい。
【0108】
プログラムは、3Dコンピュータモデルをロードし、印刷モデルを形成し、構造体200を印刷するためのシステム100を制御するための機械コードを生成することができる。例示的なプログラムは、インディアナ州デールにあるThermwood Corporation社から入手可能なLAMS Print3Dを含んでいてよい。付加的かつ/または代替的に、例示的なプログラムは、オハイオ州ハリソンにあるCincinnati Incorporated社から入手可能なUnfolder Module Software、Bend Simulation Software、Laser Programmingおよび/またはNesting Softwareを含んでいてよい。
【0109】
図24に示したように、制御システム500は、必要に応じて、1つ以上の付加的なハードウェア構成要素を含んでいてよい。例示的な付加的なハードウェア構成要素は、メモリ520(本明細書では、代替的には、非一時的なコンピュータ可読媒体と呼ばれる)を含むが、これらに限定されない。例示的なメモリ520は、たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM、ダイナミックRAM、読取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能ROM、消去可能プログラム可能ROM、電気的消去可能プログラム可能ROM、フラッシュメモリ、セキュアデジタル(SD)カードおよび/または類似のものを含んでいてよい。制御システム500および/または構造体200のコンピュータ化されたモデルを実装するための命令は、プロセッサ510によって実行されるようにメモリ520に格納されていてよい。
【0110】
付加的かつ/または代替的に、制御システム500は、通信モジュール530を含んでいてよい。通信モジュール530は、有線および/または無線の通信方法を使用して制御システム500と別のコンピュータシステム(図示せず)との間でデータおよび/または命令を交換するために動作する従来のハードウェアおよびソフトウェアを含んでいてよい。たとえば、制御システム500は、通信モジュール530を介して、構造体200に対応するコンピュータ設計データを受信することができる。例示的な通信方法は、たとえば、無線、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)、セルラー、衛星、放送またはそれらの組み合わせを含んでいる。
【0111】
付加的かつ/または代替的に、制御システム500は、表示デバイス540を含んでいてよい。表示デバイス540は、制御システム500を動作させるためのプログラミング命令および/またはプリントヘッド120に関連するデータを表示するために動作するデバイスを含んでいてよい。付加的かつ/または代替的に、制御システム500は、必要に応じて、1つ以上の入力/出力デバイス550(たとえば、ボタン、キーボード、キーパッド、トラックボール)を含んでいてよい。
【0112】
プロセッサ510、メモリ520、通信モジュール530、表示デバイス540および/または入力/出力デバイス550は、たとえば、ハードウェアコネクタおよびバスを使用して、かつ/または無線形式で通信するように構成することができる。
【0113】
開示された実施形態では、種々異なる修正および代替形態が可能であり、その特定の例は、図面において例として示されていて、本明細書において詳細に説明されている。しかし、開示された実施形態は、開示された特定の形態または方法に限定されるべきではなく、むしろ開示された実施形態は、すべての修正、等価物および代替物を網羅することを理解されたい。
【0114】
以下、本願発明の望ましい実施形態を項分け記載する。
【0115】
実施形態1
付加製造のための方法であって、
少なくとも1つの第1の層構造体を形成するステップと、
前記第1の層構造体と第1の支持構造体との上に第2の層構造体を形成するステップと、
前記第2の層構造体から第1の支持構造体を除去するステップと
を有する方法。
【0116】
実施形態2
前記第2の層構造体を形成する前記ステップが、該形成するステップ中に、前記第1の支持構造体によって少なくとも部分的に支持されたオーバハング構造体を形成するステップを含む、実施形態1記載の方法。
【0117】
実施形態3
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、2つの第1の層構造体を形成するステップを含み、前記第1の支持構造体が、前記2つの第1の層構造体の間に配置されている、実施形態1または2記載の方法。
【0118】
実施形態4
前記第2の層構造体を形成する前記ステップが、前記第2の層構造体を形成する前記ステップ中に、前記2つの第1の層構造体をブリッジングしかつ該第1の支持構造体によって少なくとも部分的に支持されている前記第2の層構造体を形成するステップを含む、実施形態3記載の方法。
【0119】
実施形態5
前記第2の層構造体を形成する前記ステップ中に、前記第1の支持構造体と前記少なくとも1つの第1の層構造体との間にギャップが存在する、実施形態1から4いずれか1つ記載の方法。
【0120】
実施形態6
前記第1の支持構造体が、前記第2の層構造体を形成する前記ステップ中に、前記少なくとも1つの第1の層構造体に接触しない、実施形態1から5いずれか1つ記載の方法。
【0121】
実施形態7
前記第2の層構造体を形成する前記ステップが、前記第1の支持構造体と前記少なくとも1つの第1の層構造体とをブリッジングする前記第2の層構造体を形成するステップを含む、実施形態6記載の方法。
【0122】
実施形態8
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、印刷方向で1つ以上の第1の層を印刷するステップを含み、前記1つ以上の第1の層が、前記印刷方向に対して垂直方向である積層方向で積層されており、
前記第2の層構造体を形成する前記ステップが、前記印刷方向で1つ以上の第2の層を印刷するステップを含み、前記1つ以上の第2の層が、前記積層方向で積層されている、実施形態1から7いずれか1つ記載の方法。
【0123】
実施形態9
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、前記印刷方向に対して側面角度を成す側壁を有する第1の層構造体を形成するステップを含み、前記側面角度が、35度~90度である、実施形態8記載の方法。
【0124】
実施形態10
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、前記側壁に沿って変化する側面角度を有する側壁を有する第1の層構造体を形成するステップを含む、実施形態8または9記載の方法。
【0125】
実施形態11
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、湾曲された側壁を有する前記第1の層構造体を形成するステップを含み、前記側面角度が、前記積層方向に沿って減少する、実施形態10記載の方法。
【0126】
実施形態12
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップの後であって、前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記少なくとも1つの第1の層構造体から選択された距離をおいて前記第1の支持構造体を位置決めするステップをさらに有する、実施形態1から11いずれか1つ記載の方法。
【0127】
実施形態13
前記少なくとも1つの第1の層構造体と前記第1の支持構造体とがそれぞれ、前記第2の層構造体に対して近位のインタフェース面を有していて、前記位置決めするステップが、前記インタフェース面が同一平面にあるように前記第1の支持構造体を位置決めするステップを含む、実施形態12記載の方法。
【0128】
実施形態14
前記第1の支持構造体が、前記第2の層構造体を支持するための上面を有する基部を含んでいて、前記方法が、前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記基部の前記上面上に剥離層を堆積させるステップをさらに有する、実施形態1から13いずれか1つ記載の方法。
【0129】
実施形態15
前記剥離層を堆積させる前記ステップが、前記基部の前記上面上にセッケン石を堆積させるステップを含む、実施形態14記載の方法。
【0130】
実施形態16
前記第1の支持構造体が、前記第2の層構造体を支持するための上面を有する基部を含んでいて、前記方法は、
付加製造を介して前記基部を形成するステップと、
前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記基部の前記上面を冷却するステップと
をさらに有する、実施形態1から15いずれか1つ記載の方法。
【0131】
実施形態17
冷却する前記ステップが、前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記基部の前記上面上に圧縮空気を吹き付けるステップを含む、実施形態16記載の方法。
【0132】
実施形態18
前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記基部の前記上面上に剥離層を堆積させるステップをさらに有する、実施形態16または17記載の方法。
【0133】
実施形態19
前記第2の層構造体が、第1の材料から成っていて、前記第1の支持構造体が、前記第1の材料とは異なる第2の材料から成っている、実施形態1から18いずれか1つ記載の方法。
【0134】
実施形態20
少なくとも部分的に発泡材から成る前記第1の支持構造体を形成するステップをさらに有する、実施形態1から19いずれか1つ記載の方法。
【0135】
実施形態21
前記第1の支持構造体が、基部と、該基部上の1つ以上のオフセット層とを含んでいて、前記方法が、前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記1つ以上のオフセット層を介して前記第1の支持構造体の高さを調整するステップをさらに有する、実施形態1から20いずれか1つ記載の方法。
【0136】
実施形態22
前記第1の支持構造体を除去する前記ステップの前に、前記第2の層構造体と、前記第1の支持構造体上に少なくとも部分的に配置された第2の支持構造体との上に第3の層構造体を形成するステップと、
前記第3の層構造体から前記第2の支持構造体を除去するステップと
をさらに有する、実施形態1から21いずれか1つ記載の方法。
【0137】
実施形態23
前記少なくとも1つの第1の層構造体を形成する前記ステップが、シャーシ底部を形成するステップを含み、
前記第2の層構造体を形成する前記ステップが、前記シャーシ底部にそれぞれ接続されるフェンダとサスペンションアセンブリ組付け箇所とを形成するステップであって、前記フェンダがフェンダ上部開口を規定する、ステップを含み、
前記第3の層構造体を形成する前記ステップが、前記第2の支持構造体上にフェンダ上部を形成するステップと、前記フェンダ上部開口を覆うステップとを含む、実施形態22記載の方法。
【0138】
実施形態24
前記第2の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記シャーシ底部に規定されたスロット内に前記第1の支持構造体を位置決めするステップをさらに有する、実施形態22または23記載の方法。
【0139】
実施形態25
前記第3の層構造体を形成する前記ステップの前に、前記第1の支持構造体上に前記フェンダ上部開口に整合させて前記第2の支持構造体を位置決めするステップをさらに有する、実施形態22から24いずれか1つ記載の方法。
【0140】
実施形態26
前記少なくとも1つの第1の層構造体または前記第2の支持構造体が、少なくとも1つの寸法において5フィート(1.524メートル)よりも長い、実施形態1から25いずれか1つ記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24