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特開2023-11788ポリイミドマトリックスを有する複合ベアリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011788
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】ポリイミドマトリックスを有する複合ベアリング
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/20 20060101AFI20230117BHJP
   F16C 33/12 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
F16C33/20 A
F16C33/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022174873
(22)【出願日】2022-10-31
(62)【分割の表示】P 2021009842の分割
【原出願日】2014-12-30
(31)【優先権主張番号】61/922,421
(32)【優先日】2013-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナフィ・メクヒレフ
(72)【発明者】
【氏名】ボグスワラ・チャルネッカ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エイチ・ピート
(72)【発明者】
【氏名】エメリック・マレファント
(72)【発明者】
【氏名】ブライアー・ケイ・ブレットマン
(72)【発明者】
【氏名】ホンシアン・テン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本開示は、基材及びその基材上に被着される層を含む複合構造を含む、ベアリング及びシールのアセンブリに関する。
【解決手段】基材上に被着される層はポリイミドマトリックス及び当該ポリイミドマトリックス中に分散された充填剤を含む。充填剤は、PTFEといった熱可塑性ポリマー及び/又は有機充填剤であり得る。ベアリングアセンブリは、耐摩耗性及び摩擦係数において相乗的な改善を示し得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリングであって:
a.基材;と
b.前記基材上に被着される第1の層であって
i.ポリイミドマトリックス;及び
ii.前記ポリイミドマトリックス中に分散される充填剤を含み、ここで充填剤は熱
可塑性物質又は有機充填剤を含む前記第1の層、とを含む、前記ベアリング。
【請求項2】
前記基材が金属基材を含む、請求項1に記載のベアリング。
【請求項3】
前記基材がスチール、アルミニウム、青銅又は銅を含む、請求項1に記載のベアリング
【請求項4】
前記ポリイミドマトリックスが、架橋型及びイミド化ポリアミド酸又はポリアミド酸塩
を含む、請求項1に記載のベアリング。
【請求項5】
前記架橋型及びイミド化ポリアミド酸又はポリアミド酸塩が、ピロメリット酸二無水物
(PMDA)、3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)
、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6
FDA)、2,2’-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパ
ン二無水物(BPADA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及び
4,4’-オキシジアニリン(ODA)又はm-フェニレンジアミン(m-PDA)、4
,4’-ジアミノフェニルスルホン(4,4’-DDS)、p-フェニレンジアミン(p
-PDA)及びメチレンジアニリン(MDA)から成る群から選択される2種類の異なる
モノマーの反応産物を含む、請求項4に記載のベアリング。
【請求項6】
前記充填剤が、熱可塑性フルオロポリマーを含む、請求項1に記載のベアリング。
【請求項7】
前記充填剤が、熱可塑性ペルフルオロポリマーを含む、請求項1に記載のベアリング。
【請求項8】
前記充填剤が、PTFEを含む、請求項1に記載のベアリング。
【請求項9】
前記充填剤が、有機充填剤を含む、請求項1に記載のベアリング。
【請求項10】
前記充填剤が、熱可塑性充填剤及び有機充填剤を含む、請求項1に記載のベアリング。
【請求項11】
前記充填剤が、前記充填剤及び前記ポリイミドマトリックスを合わせた重量に対して、
0重量%超~80重量%の量で前記第1の層中に存在する、請求項1に記載のベアリング
【請求項12】
a.前記基材がスチールを含み;
b.前記ポリイミドマトリックスが、架橋型及びイミド化ポリアミド酸又はポリアミド
酸塩を含み、
c.前記充填剤がPTFEを含む、請求項1に記載のベアリング。
【請求項13】
ベアリングであって:
a.金属基材;と
b.ポリイミドマトリックス及び前記ポリイミドマトリックス中に分散された充填剤を
含む第1の層;とを含み、
c.ここで、前記ベアリングは約1未満の摩擦係数及び約2.9mm未満の耐摩耗性
を有する、前記ベアリング。
【請求項14】
前記ベアリングが、前記金属基材と前記第1の層との間に被着される接着層をさらに含
む、請求項13に記載のベアリング。
【請求項15】
前記ベアリングが、第1の層に隣接して被着される剥離層をさらに含み、それによって
、前記剥離層と前記金属基材との間で前記第1の層及び前記接着層をはさむ、請求項14
に記載のベアリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合体、より具体的には、ベアリング及びシールを構成するのに用いる複合
体に関する。
【背景技術】
【0002】
ベアリング及びシールのアセンブリは、産業内で、可動面と静止面との界面などで広く
用いられる。従来、望ましい低さの摩擦係数にすると共にベアリングアセンブリの耐摩耗
性を増大することが望まれてきた。しかし、耐摩耗性を改善する試みの多くは摩擦係数に
悪影響を及ぼし、又はその逆もしかりである。したがって、その複合体が改善された耐摩
耗性及び改善された摩擦係数の双方を示す新規のベアリング及びシールのアセンブリを開
発する必要性が存在する。
【0003】
さらに、複合ベアリング及び、特にポリイミドマトリックスを組込んだ複合ベアリング
を生産する方法には、欠点が存在する。具体的には、インサイツ又は継続的な、ポリイミ
ドマトリックスを形成する方法が望ましい。複合体、ベアリング及びシールにおいて、分
散された充填剤又は熱可塑性物質を有するポリイミドマトリックスをこのようにインサイ
ツにイミド化及び形成することは、開示も示唆もされたことがない。
【0004】
本開示は、これらの必要性及び以下で詳細が説明される他の必要性を満たす複合アセン
ブリを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施形態は例を参照して例示され、添付の図面に限定されない。
【0006】
図1図1は、本開示の一実施形態に従った複合体の例示である。
図2図2は、本開示の別の実施形態に従った複合体の例示である。
図3図3は、ASTM G-77に従って摩耗率及び摩擦係数を試験する試験アセンブリの例示である。
図4図4は、サンプル1に関する、時間を関数とした摩耗及び温度の記録である。
図5図5は、サンプル1に関する、時間を関数とした摩擦係数の記録である。
図6図6は、サンプル2に関する、時間を関数とした摩耗及び温度の記録である。
図7図7は、サンプル2に関する、時間を関数とした摩擦係数の記録である。
図8図8は、サンプル3に関する、時間を関数とした摩耗及び温度の記録である。
図9図9は、サンプル3に関する、時間を関数とした摩擦係数の記録である。
図10図10は、サンプル1のSEMを例示する。
図11図11は、サンプル1のSEMを例示する。
図12図12は、サンプル2のSEMを例示する。
図13図13は、サンプル2のSEMを例示する。
図14図14は、サンプル3のSEMを例示する。
図15図15は、サンプル3のSEMを例示する。
図16図16は、実施例3に関する乾燥摩擦係数データを例示する。
図17図17は、実施例3に関する潤滑された摩擦係数データを例示する。
図18図18は、一実施形態に従ったベアリングのプリ複合体を例示する。
図19図19は、別の実施形態に従ったベアリングのプリ複合体を例示する。
図20図20は、一実施形態に従った、図19のベアリングのプリ複合体から剥離層を除去したものを例示する。
【0007】
当業者であれば、図中の要素は、単純性及び明確性のために例示されるものであって、
必ずしも正確な尺度に沿って描かれてはいないと理解する。例えば、図中のいくつかの要
素の寸法は、本発明の実施形態の理解を促すために、他の要素に対して誇張されて示され
ている可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で開示する教示の理解を促すために、次の説明を図と組合せて提供する。以下
の考察は教示の特定の実装及び実施形態に焦点をあてる。この焦点は、教示の説明を円滑
にするためであって、教示の範囲及び適用性を限定するものとして解釈されるべきではな
い。しかし、本出願で開示する教示に基づいて他の実施形態が用いられ得る。
【0009】
本明細書で使用する「含む(comprises)」、「含んでいる(compris
ing)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、
「有する(has)」、「有している(having)」又はその他の変化形は、非排他
的な包括を包含することが意図される。例えば、一連の特徴を含む方法、物品又は装置は
、その特徴のみに限定されるとは限らず、明示的に列挙されていない、又は、そのような
方法、物品又は装置に固有である他の特徴を含み得る。さらに、明示的に記述されない限
り、「又は(or)」は包括的な「又は」を指し、排他的な「又は」ではない。例えば、
条件A又はBは、次のうちいずれか1つによって満たされる:Aは正しく(又は存在し)
、Bは間違っている(又は存在しない)、Aは間違っており(又は存在せず)Bは正しい
(又は存在する)及び、A及びBの双方が正しい(又は存在する)。
【0010】
また、「1つ(a)」又は「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載される要素及び
成分を記述するのに用いられる。これは単に利便性及び本発明の範囲の一般的な意味を提
供するためになされる。この説明は、1つ又は少なくとも1つを包含するように読まれる
べきであり、又は、その逆を意味することが明らかでない限りは、単数は複数も含み、又
はその逆もそうである。例えば、単数のアイテムが本明細書に記載される場合、2つ以上
のアイテムが単数のアイテムの代わりに用いられ得る。同様に、2つ以上のアイテムが本
明細書に記載される場合、単数のアイテムがその2つ以上のアイテムの代わりになり得る
【0011】
別の方法で定義されない限り、本明細書で用いられる技術及び科学的用語は全て、本発
明が属する技術分野の当業者に通常理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法及び実
施例は全て例示的に過ぎず、限定的とは理解されない。本明細書に記載されない特定の材
料及び処理作用に関する多くの詳細は従来のものであり、複合体、ベアリング及びシール
の技術に含まれる教科書及び他の情報源で見つかり得る。
【0012】
次の開示は、その中に熱可塑性物質といった材料が充填したポリイミドマトリックスを
有する、複合体及び具体的には複合ベアリングを説明する。また、ポリイミド前駆体また
はイミドモノマーを含む混合物を基材上に被着して基材上でイミド化する、複合体の形成
方法も説明される。複合体、ベアリング及びシールにおいて、分散された充填剤又は熱可
塑性物質を有するポリイミドマトリックスを、このようにインサイツにイミド化及び形成
することは、開示も示唆もされたことがない。その概念は、以下で説明する、本発明の範
囲を例示し、限定はしない実施形態を参照して理解が促進される。
【0013】
図1は、基材20及び基材20上に被着される第1の層30を含む複合体100を例示
している。例示の通り、第1の層30は、基材20に直接接触するように、基材20に隣
接して直接被着され得る。しかし、以下でさらに考察するように、複合体は、基材と第1
の層30との間に被着される中間層(複数可)を含み得る。
【0014】
基材20は、ベアリングまたはシールに形成可能なあらゆる材料から構成され得る。特
定の実施形態では、基材は、スチール、アルミニウム、青銅、銅及びこれらの組合せとい
った金属を含み得る。
【0015】
第1の層30に隣接する基材20の表面22は、機械的に処理して基材と第1の層30
との間の接着を改善し得る。例えば、基材20の表面22を機械的に処理することには、
基材20の表面22をブラスト処理又は機械的にエッチングすることが含まれ得る。基材
20の表面22は、効果的な表面の粗さを有するように、機械的に処理され得る。
【0016】
図1を再度参照すると、基材20に隣接するのは、第1の層30であり得る。第1の層
30は、材料の組合せによって形成され得る。具体的な実施形態では、第1の層30は、
ポリイミドマトリックス及びポリイミドマトリックス中に分散された充填剤を含み得る。
【0017】
本明細書で使用される「ポリイミドマトリックス」は、ポリイミドの架橋型ネットワー
クを指し、ポリイミドは、第1の層30の総重量に対して、第1の層の少なくとも約25
重量%である。
【0018】
以下でさらに詳細が考察されるが、ポリイミドマトリックスは、ポリイミド前駆体を基
材上に被着してイミド化することで形成され得る。適切なポリイミド前駆体としては、例
えば、ポリ(アミド)酸(PAA)が挙げられ得る。ポリ(アミド)酸(PAA)は、少
なくとも2種類の異なるモノマーを含むモノマー混合物の反応産物であり得る。特定の実
施形態では、少なくとも2種類の異なるモノマーは:ピロメリット酸二無水物(PMDA
)、3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2-
ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、
2,2’-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物
(BPADA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及び4,4’-
オキシジアニリン(ODA)又はm-フェニレンジアミン(m-PDA)、4,4’-ジ
アミノフェニルスルホン(4,4’-DDS)、p-フェニレンジアミン(p-PDA)
及びメチレンジアニリン(MDA)から成る群から選択され得る。よって、具体的な実施
形態では、ポリイミドマトリックスは、上記で列挙したうちの少なくとも2種類の異なる
モノマーを架橋させた反応産物であり得る。具体的な実施形態では、ポリイミドマトリッ
クスは、純粋なポリイミドマトリックスであり得る。本明細書では、純粋なポリイミドマ
トリックスという句は、イミドモノマーを有するコポリマーを本質的に含まないポリイミ
ドマトリックスであり得る。すなわち、特定の実施形態では、ポリイミドマトリックスは
、非イミドモノマーを本質的に含んでいなくてもよい。
【0019】
さらに、特定の実施形態では、ポリアミド酸は、第1のモノマー及び第2のモノマーに
由来し得る。第1のモノマーは、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’-4,
4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2-ビス(3,4-ジカ
ルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、2,2’-ビス[4
-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BPADA)、ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及びこれらのいずれかの組合せから
成る群から選択され得る。第2のモノマーは、4,4’-オキシジアニリン(ODA)又
はm-フェニレンジアミン(m-PDA)、4,4’-ジアミノフェニルスルホン(4,
4’-DDS)、p-フェニレンジアミン(p-PDA)、メチレンジアニリン(MDA
)及びこれらのいずれかの組合せから成る群から選択され得る。
【0020】
具体的な実施形態では、ポリイミドマトリックスは、ポリアミド酸塩に由来し得る。例
えば、ポリアミド酸をN-メチルピロリドンといった溶媒に溶解し、例えば三級アミンと
反応させ、水溶性のポリアミド酸塩溶液を形成し得る。次いで、ポリアミド酸塩溶液を充
填剤の分散水溶液と混合し得、ポリアミド酸塩溶液は水混和性であるので、ポリイミドマ
トリックス中の充填剤がより均一である分散液を生産し得る。基材へ適用及び硬化させた
後、硬化の間にイミド結合が形成されるにつれて、ポリアミド酸塩の塩部分といった揮発
性材料が第1の層に現れる。
【0021】
上記の通り、第1の層30は、ポリイミドマトリックス中に分散される充填剤も含み得
る。充填剤としては、限定はされないが、炭素黒鉛、グラフィーム(grapheme)
、カーボンナノチューブ、エコノール、ガラス繊維、熱可塑性物質といったポリマー化合
物、有機化合物、無機化合物又はこれらの組合せが挙げられ得る。
【0022】
特定の実施形態では、充填剤は熱可塑性材料であり得る。特定の実施形態では、熱可塑
性物質はフルオロポリマー、例えばペルフルオロポリマーであり得る。さらに具体的な実
施形態では、熱可塑性物質はPTFE、PVF、PVDF、PCTFE、PFA、FEP
、ETFE又はこれらの組合せであり得る。より具体的な実施形態では、熱可塑性物質と
してはPTFEが挙げられ得、又は、本質的にPTFEから成り得る。さらに、PTFE
といった熱可塑性物質は、粉砕再生熱可塑性物質であり得る。
【0023】
別の特定の実施形態では、充填剤は有機充填剤であり得る。例えば、特定の実施形態で
は、有機充填剤は、芳香族ポリエステル、再利用ポリイミド、ポリアミドエーテルイミド
、ポリアミドイミド、PEEK、ポリアリールファミリーのPEEK様ポリマー、液晶ポ
リマー(LCP)、ポリベンズイミダゾール又はこれらの組合せを含み得る。
【0024】
充填剤は、熱可塑性物質、ポリイミド前駆体及び充填剤を合わせた重量に対して、0重
量%超~80重量%の量で混合物中に存在し得る。例えば、具体的な実施形態では、充填
剤は、熱可塑性物質、ポリイミド前駆体及び充填剤を合わせた重量に対して、少なくとも
1重量%、少なくとも3重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも
8重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも14重量%、少な
くとも16重量%、少なくとも18重量%、少なくとも20重量%、少なくとも22重量
%、少なくとも24重量%、少なくとも26重量%、少なくとも28重量%、又は少なく
とも30重量%さえもの量で混合物中に存在し得る。さらに、具体的な実施形態では、充
填剤は、熱可塑性物質、ポリイミド前駆体及び充填剤を合わせた重量に対して、80重量
%以下、78重量%以下、76重量%以下、74重量%以下、72重量%以下、70重量
%以下、68重量%以下、66重量%以下、64重量%以下、62重量%以下、又は60
重量%以下さえもの量で混合物中に存在し得る。さらに、具体的な実施形態では、充填剤
は、熱可塑性物質、ポリイミド前駆体及び充填剤を合わせた重量に対して、1~80重量
%又は10~70重量%さえもの範囲内といった、上記のいずれかの最小及び最大の範囲
で混合物中に存在し得る。
【0025】
混合物は上記の充填剤のいずれかの組合せを含み得ることを理解されたい。具体的な実
施形態では、混合物は、熱可塑性充填剤及び有機充填剤を含み得る。
【0026】
第1の層30はいずれかの望ましい添加剤を含んでいてもよい。例えば、いくつかの添
加剤としては濃縮剤又は安定剤が挙げられ得る。例えば、安定化剤は、ペルフルオロアル
コキシ化合物といった界面活性剤、増粘剤が挙げられ得る。濃縮剤としては、例えば、ア
ルコゲル及びグリコール又はこれらの組合せが挙げられ得る。添加剤は、所望する補助的
な効果を引き出すのに望ましいいずれかの量で添加され得る。
【0027】
具体的な実施形態では、第1の層30は、約1mm以下、約800ミクロン以下、約5
00ミクロン以下、約300ミクロン以下、約250ミクロン以下、約200ミクロン以
下又は約175ミクロン以下さえもの厚さを有し得る。さらに、特定の実施形態では、第
1の層30は、少なくとも約0.01ミクロン、少なくとも約1ミクロン、少なくとも約
50ミクロン又は少なくとも約100ミクロンさえもの厚さを有し得る。第1の層30は
1または複数の層を有し得ることを理解されたい。具体的な実施形態では、第1の層30
は、複数回のコーティング操作を介して形成される2以上の層を含み得る。
【0028】
第1の層30は特定の多孔度を有し得る。例えば、特定の実施形態では、第1の層30
は、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%ミクロン又は少なくとも約0.1
%さえもの多孔度を有し得る。
【0029】
特定の実施形態では、図2で具体的に例示されるとおり、1又は複数の追加の中間層4
0が、基材20と第1の層30と間に被着され得る。中間層40は、例えば、第1の層3
0と基材20の接着を改善するために提供され得る。当業者には理解されるとおり、中間
層40の具体的な選択は、基材20及び第1の層30の組成で変わり得る。具体的な実施
形態では、中間層40は、亜鉛又は亜鉛含有化合物を含み得る。追加の中間層は、上記し
た基材20の表面22の機械処理の代わりに、又は、上記した基材20の表面22の機械
処理に加えて提供され得る。
【0030】
本発明の具体的な効果は、平均摩擦係数、平均耐摩耗性、及び、ラミネーター接着試験
(Erichsen)を通過する能力といった、特定の性能特性の達成である。これまで
、上記した性能特徴、及び、具体的には上記した性能特徴の組合せを達成する方法は、知
られていない。
【0031】
ベアリングの性能を定量化する特徴の1つに、その平均摩擦係数(COF)があり得る
。平均摩擦係数(COF)とは、工業規格用語であり、ASTM G-77に従って測定
され得る。
【0032】
特定の実施形態では、本開示に従ったベアリングは、ASTM G-77に従って測定
される、約1以下、約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.
4以下、約0.3以下、約0.25以下、約0.2以下、約0.18以下、約0.15以
下、又は約0.12以下さえの平均摩擦係数(COF)を有し得る。さらに、特定の実施
形態では、本開示に従ったベアリングは、ASTM G-77に従って測定される、約0
.001以上、約0.01以上、又は、約0.05以上さえもの平均摩擦係数(COF)
を有し得る。さらに、具体的な実施形態では、本開示に従ったベアリングは、0.001
~1又は0.01~0.7さえの範囲といった、上記のいずれかの最小と最大の範囲内で
平均摩擦係数を有し得る。
【0033】
ベアリングの性能を定量化し得る他の特徴は、その平均耐摩耗性である。耐摩耗性は、
ASTM G-77に従って実施される摩耗試験の間にベアリングから除去される材料の
量の測定である。
【0034】
特定の実施形態では、本開示に従ったベアリングは、ASTM G-77に従って測定
される、約10mm以下、約8mm以下、5mm以下、約4mm以下、約3mm
以下、約2.9mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下、約1.3mm
下、約1.1mm以下、約1mm以下、約0.8mm以下、約0.6mm以下、
約0.5mm以下、約0.3mm以下又は約0.2mm以下さえもの平均耐摩耗性
を有し得る。さらに、特定の実施形態では、本開示に従ったベアリングは、ASTM G
-77に従って測定される、約0.001mm以上、約0.01mm以上、又は、約
0.05mm以上さえもの平均耐摩耗性を有し得る。さらに、具体的な実施形態では、
本開示に従ったベアリングは、0.001mm~10mm又は0.01mm~4m
さえもの範囲といった、上記のいずれかの最小値と最大値の範囲内で耐摩耗性を有し
得る。
【0035】
ベアリングの性能を定量化し得る3つ目の特徴は、ラミネーター接着試験(Erich
sen)通過するベアリングの能力である。ラミネーター接着試験は、ベアリングアセン
ブリにおける第1の層の第2の層に対する接着性の測定であり、当該技術分野ではよく知
られている。
【0036】
特定の実施形態では、本開示に従ったベアリングは、ラミネーター接着試験(Eric
hsen)を通過できる。
【0037】
本開示の他の態様に従うと、複合シートを形成し、複合ベアリングを形成する方法が説
明されている。一実施形態では、当該方法には:ポリイミド前駆体又はイミドモノマーを
準備すること;充填剤を準備すること;溶媒を準備すること;充填剤、溶媒及びポリイミ
ド前駆体又はイミドモノマーを混合して混合物を形成すること;混合物を基材上に被着す
ること;及び基材及び被着した混合物を熱硬化することが含まれ得る。複合ベアリングを
形成するために、当該方法は複合シートから複合ベアリングを形成することをさらに含ん
でもよい。
【0038】
特定の実施形態では、複合体の形成は、持続的なプロセスであり得る。例えば、イミド
化は、ポリイミド前駆体又はモノマー及び充填剤の混合物を混合して基材に適用し、次い
で基材への被着後にインサイツでイミド化するように、インサイツで行われ得る。
【0039】
当該方法は上記の摩擦係数及び耐摩耗性を有するベアリングを形成し得る。例えば、具
体的な実施形態では、当該方法は、約1未満の摩擦係数及び2.9mm未満の耐摩耗性
を有するベアリングを形成し得る。
【0040】
ポリイミド前駆体は、未架橋のポリイミド又はイミドモノマーを含み得る。例えば、ポ
リイミド前駆体は、ポリ(アミド)酸を含み得る。ポリ(アミド)酸は、少なくとも2種
類の異なるモノマーの反応に由来し得る。具体的な実施形態では、少なくとも2種類の異
なるモノマーは:ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’-4,4’-ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、2,2’-ビス[4-(3,4-ジ
カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BPADA)、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物(BTDA)及び4,4’-オキシジアニリン(ODA)又はm
-フェニレンジアミン(m-PDA)、4,4’-ジアミノフェニルスルホン(4,4’
-DDS)、p-フェニレンジアミン(p-PDA)及びメチレンジアニリン(MDA)
から成る群から選択される。
【0041】
さらに具体的な実施形態では、第1のモノマーは、ピロメリット酸二無水物(PMDA
)、3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2-
ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、
2,2’-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物
(BPADA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及びこれらのい
ずれかの組合せから成る群から選択されるモノマーを含み得;第2のモノマーは、4,4
’-オキシジアニリン(ODA)又はm-フェニレンジアミン(m-PDA)、4,4’
-ジアミノフェニルスルホン(4,4’-DDS)、p-フェニレンジアミン(p-PD
A)、メチレンジアニリン(MDA)及びこれらのいずれかの組合せから成る群から選択
されるモノマーを含み得る。
【0042】
具体的な実施形態では、ポリ(アミド)酸は、詳細を上述した通り、塩の形態であり得
る。従って、具体的な実施形態では、当該方法には、ポリ(アミド)酸塩を準備する、又
は、形成さえすることが含まれ得る。例えば、特定の実施形態では、ポリアミド酸を、溶
媒内で組合せ、例えば三級アミンと反応させ、水溶性ポリアミド酸塩混合物を形成し得る
。充填剤を含む分散水溶液を次いでポリアミド酸塩混合物に添加し得、ポリアミド酸塩混
合物は水溶性であるので、充填剤はポリアミド酸塩中で均一に分散し、硬化の際のイミド
化後の均一な分散を維持し得る。
【0043】
具体的な実施形態では、ポリイミド前駆体は、熱可塑性物質及びポリイミド前駆体を合
わせた重量に対して、20~99重量%の量で混合物中に存在し得る。例えば、特定の実
施形態では、ポリイミド前駆体は、熱可塑性物質及びポリイミド前駆体を合わせた重量に
対して、少なくとも20重量%、少なくとも22重量%、少なくとも24重量%、少なく
とも26重量%、少なくとも28重量%、少なくとも30重量%、少なくとも32重量%
、少なくとも34重量%、少なくとも36重量%、少なくとも38重量%、少なくとも4
0重量%の量で混合物中に存在し得る。さらに、特定の実施形態では、ポリイミド前駆体
は、充填剤及びポリイミド前駆体を合わせた重量に対して、99重量%以下、97重量%
以下、95重量%以下、93重量%以下、91重量%以下、99重量%以下、99重量%
以下、99重量%以下、99重量%以下、99重量%以下の量で混合物中に存在し得る。
【0044】
上記の通り、当該方法には充填剤を準備し、充填剤を混合物内に組み入れ、イミド化及
び硬化の際にポリイミドマトリックス内に保持することが含まれ得る。
【0045】
上記の通り、充填剤は、複数の異なる材料であり得、具体的な実施形態では、熱可塑性
物質、有機充填剤、その他又はこれらの組合せが挙げられ得る。特定の実施形態では、熱
可塑性充填剤及び/又は有機充填剤といった充填剤の組合せを用いる場合、他の成分と組
合せる前にこれらの充填剤を一緒に組合せてもよい。
【0046】
具体的な実施形態では、溶媒内に混合する前に、充填剤は粒子形態であり得る。そのよ
うな実施形態では、充填剤、具体的には熱可塑性充填剤、さらにより具体的にはPTFE
は、少なくとも約1ミクロン、少なくとも約3ミクロン、少なくとも約5ミクロン、少な
くとも約10ミクロン、少なくとも約15ミクロン又は少なくとも約20ミクロンさえも
の平均粒径(D50)を有し得る。さらに、特定の実施形態では、充填剤は、約1000
ミクロン以下、約500ミクロン以下、約50ミクロン以下、約30ミクロン以下、約2
0ミクロン以下又は約10ミクロン以下さえもの平均粒径(D50)を有し得る。さらに
、充填剤は、約1ミクロン~50ミクロン、約3ミクロン~約30ミクロン、又は、約5
ミクロン~約20ミクロンさえといった、上記のいずれかの最大値と最小値の間の範囲内
で平均粒径(D50)を有し得る。
【0047】
さらに、充填剤は、ポリイミド前駆体又はイミドモノマーと組合せられる前、例えば、
粉末形態であり得、又は、他の実施形態では水といった溶媒中の分散相であり得る。さら
なる実施形態では、混合物は粉末充填剤及び溶媒中に分散した充填剤の双方で形成され得
る。
【0048】
特定の実施形態では、熱可塑性充填剤といった充填剤は、充填剤及びポリイミド前駆体
を合わせた重量に対して、0重量%超~80重量%の量で混合物中に存在し得る。例えば
、具体的な実施形態では、充填剤は、充填剤及びポリイミド前駆体を合わせた重量に対し
て、少なくとも1重量%、少なくとも3重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量
%、少なくとも8重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも1
4重量%、少なくとも16重量%、少なくとも18重量%、少なくとも20重量%、少な
くとも22重量%、少なくとも24重量%、少なくとも26重量%、少なくとも28重量
%又は少なくとも30重量%さえもの量で混合物中に存在し得る。さらに、具体的な実施
形態では、充填剤は、充填剤及びポリイミド前駆体を合わせた重量に対して、80重量%
以下、78重量%以下、76重量%以下、74重量%以下、72重量%以下、70重量%
以下、68重量%以下、66重量%以下、64重量%以下、62重量%以下、又は60重
量%以下さえもの量で混合物中に存在し得る。さらに、具体的な実施形態では、充填剤及
びポリイミド前駆体を合わせた重量に対して、1~80重量%又は10~70重量%さえ
もの範囲内といった、上記のいずれかの最小及び最大の範囲で混合物中に存在し得る。
【0049】
特定の実施形態では、溶媒は充填剤、ポリイミド前駆体又はイミドモノマーと一緒に準
備され得、又は、これら成分に個別に追加してもよく、又は、充填剤及びポリイミド前駆
体又はイミドモノマーを組合せた後に追加してもよい。特定の実施形態では、溶媒は、ポ
リイミド前駆体又はイミドモノマーと混合する前に、充填剤と混合し得る。さらに、溶媒
を混合物に添加し得る。具体的な実施形態では、溶媒としては、N-メチル-ピロリドン
(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジグリム、ジメチルスルホ
キシド、キシレン又はこれらのいずれかの組合せが挙げられ得る。
【0050】
具体的な実施形態では、溶媒は水性成分を含み得る。より具体的な実施形態では、溶媒
は、少なくとも水及びNMPを含み得る。
【0051】
上記の通り、当該方法にはポリイミド前駆体又はイミドモノマー、充填剤及びあっても
なくてもよい溶媒を混合して混合物を形成することが含まれ得る。
【0052】
特定の実施形態では、成分は少なくとも約1分の間、少なくとも約5分又は少なくとも
約15分もの間混合し得る。
【0053】
上記の通り、当該方法には混合物を基材上に被着することが含まれ得る。基材は上記の
いずれかの材料であり得、具体的には、スチール、アルミニウム、青銅、銅及びこれらの
組合せといった金属であり得る。
【0054】
混合物はいずれかの適切な方法で基材上に被着され得る。例えば、具体的な実施形態で
は、混合物は、ディップコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング又は
いずれかの他の有用な方法によって、基材上に被着され得る。具体的な実施形態では、混
合物は、ディップコーティングによって、基材上に被着され得る。具体的な実施形態では
、第1の層30は、複数回のコーティング操作を介して形成されるといった、2つ以上の
層を含み得ることを理解されたい。混合物は層間で熱硬化され得る。
【0055】
本発明の特定の実施形態の具体的な効果は、例えばスカイビング又は押出加工の代わり
に、コーティング操作によって第1の層30を形成する能力である。コーティング操作か
ら形成される従来の摺動層では、本明細書に記載する性能特徴を達成できない。さらに、
コーティング操作を使用することで、熱可塑性材料といった充填剤材料は、充填剤の形態
に影響を及ぼす抽出加工又はスカイビング操作と違い、その形態を維持することができる
【0056】
混合物は、第1の層30が所望する厚さを有するように被着され得る。例えば、第1の
層30の厚さは、上記のいずれかの厚さであり得る。さらに、特定の実施形態では、当該
方法には、混合物の粘度を調節し、基材にコーティングする際に望ましい厚さの混合物を
得ることがさらに含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、混合物の粘度は、成分
のパーセンテージを変化させたり、及び/又は、粘度調節剤を添加したりすることによっ
て、所望するように調節され得る。
【0057】
第1の層の被着の後、当該方法は、ポリイミド前駆体又はイミドモノマー、熱可塑性物
質及び溶媒の、被着された混合物を熱硬化することを含み得る。熱硬化によって、溶媒が
除去されながら、ポリイミド(イミドモノマーを使用する場合)の形成及びポリイミド前
駆体の架橋がもたらされる。特定の実施形態では、熱硬化には段階熱硬化プロセスが含ま
れ得る。例えば、段階熱硬化には、約10分から6時間の間で続く複数の段階が含まれ得
、当該段階は、次に続く段階との間で、約10℃から50℃の間の温度上昇を有する。具
体的な実施形態では、いずれか及び/又は全段階の間の温度は、約80℃~約450℃以
下の間であり得る。
【0058】
熱硬化は、第1の層30が所望する多孔度を有するように実施され得る。例えば、熱硬
化は、第1の層30の多孔度が少なくとも約0.1%であるように実施され得る。
【0059】
特定の実施形態では、当該方法には、基材と第1の層30との間に中間層40を被着す
ることがさらに含まれ得る。例えば、中間層40は、第1の層30と基材の接着を改善す
るために提供され得る。当業者には理解されるとおり、中間層40の具体的な選択は、基
材及び第1の層30の組成で変わり得る。具体的な実施形態では、中間層40は、亜鉛又
は亜鉛含有化合物を含み得る。
【0060】
特定の実施形態では、当該方法は、第1の層30と基材の接着を改善するために、第1
の層30に隣接する基材の表面を機械的に処理することを含み得る。そのような実施形態
では、基材は直接第1の層30に接触し得る。基材の表面を機械的に処理することには、
例えば、基材の表面をブラスト処理又は機械的にエッチングすることが含まれ得る。実際
に、本発明の特定の実施形態の具体的な効果は、本明細書で記載する通り、具体的にはス
チールといった金属基材である基材と第1の層の間の優れた接着である。例えば、第1の
層及び基材の熱膨張における違いにより接着は難しいと考えられていた。しかし、理論に
限定することは望まれないが、発明者らは、硬化条件を慎重に調整し、インサイツかつ継
続的な複合体形成プロセスで、基材と第1の層の間の接着が優れた複合体を生産すること
ができた。
【0061】
特定の実施形態では、当該方法には、触媒を準備し、触媒を混合物中で他の成分と混合
することがさらに含まれ得る。具体的な実施形態では、触媒はまず熱可塑性物質と組合せ
られ、及び、その組み合わせを混合物の他の成分と混合し得る。触媒はポリアミド酸のイ
ミド化を促進できる。
【0062】
具体的な実施形態では、触媒としては、例えば、1,4‐ジアザビシクロ[2.2.2
]オクタン(DABCO)といった第三脂肪族の強塩基;1,8-ジアザビシクロ[5.
4.0]ウンデカ-7-エン(DBU);窒素含有塩基;フェノール;又は両性材料が挙
げられ得る。
【0063】
当該方法には、所望する添加剤を提供して混合物中に混合することが含まれ得る。例え
ば、いくつかの添加剤としては濃縮剤又は安定剤が挙げられ得る。
【0064】
特定の実施形態では、特に図18を参照すると、ポリイミド層を形成し、基材とは別々
に硬化し、次いで、積層接着剤で基材上に積層し得る。例えば、図18に例示されるとお
り、複合体前駆物100は、剥離層といった第1の基材105、及び、第1の基材105
に隣接して被着される硬化ポリイミド系層110を含み得る。次に図19を参照すると、
複合体前駆物101は、ポリイミド系層100に隣接して被着された接着層120を含み
得、次いで、金属基材、より具体的にはスチール基材といった第2の基材130が接着層
120に隣接して被着される。次いで、ポリイミド系層110が図20で示す複合体10
0の外側の主面を形成するように、剥離層を複合体から除去し得る。
【0065】
具体的な実施形態では、剥離層は、カプトンフィルムといったフィルムであり得る。剥
離層は、UV光でイオン化というように処理を施してもよい。
【0066】
次いでポリイミド前駆体溶液を、例えばスプレーコーティング、ディップコーティング
、ナイフコーティング、ロールコーティング又はこれらの組合せといった方法で、剥離層
に適用し得る。
【0067】
コーティングされた剥離層を次いで硬化してポリイミド前駆体及び充填剤混合物をイミ
ド化し得る。
【0068】
接着層を次いで露出したポリイミド層又は基材に適用し得、硬化したコーティング済み
剥離層を基材に積層し得る。接着層としては、例えば、修飾ETFEフィルム及びエポキ
シ又はこれらの組合せが挙げられ得る。
【0069】
具体的な実施形態では、接着層としては、修飾ETFEフィルムといったフィルムが挙
げられ得、また、例えば熱圧といった積層方法によって複合体内に接着され得る。
【0070】
本発明の特定の実施形態の具体的な効果は、本質的に一切ひびを含まないポリイミド層
を有する複合体を形成することである。例えば、複合ベアリングを形成するいくつかのプ
ロセスは、未硬化の溶液を基材上に直接被着し、基材上で硬化させる。しかし、ポリイミ
ドの熱膨張の係数は通常の金属基材と大きく異なり、それによって基材上に直接適用及び
硬化する際の硬化の間にポリイミド層が収縮したりひび割れを起こしたりする。対照的に
、ポリイミドを剥離ライナー上に形成及び硬化して複合材料を製造し、金属基材に積層す
ることによって複合体を生産することで、応力によって引き起こされる微小なひびを本質
的に一切含まず、層が剥離しない複合体が生産される。
【0071】
その複合シート材料から複合ベアリングを形成するために、シート材料を少なくとも部
分的に切断及び回転させて内層(基材)及び外層(第1の層30)を形成し得る。
【0072】
本開示は、従来技術から逸脱している。特に、本明細書に記載される性能特徴、及び、
具体的には本明細書に記載される性能特徴の組合せを提供する複合ベアリングを形成する
方法は、これまで知られていない。例えば、本開示は、架橋型ポリイミドマトリックスと
、そのポリイミドマトリックス中に分散した熱可塑性又は有機充填剤といった特定の充填
剤材料を共に有する、様々なベアリング、シール等を例示する。本明細書で詳細を説明す
るそのよう構造は、以前では達成不可能であった予期せぬ顕著に優れた摩擦係数値及び摩
耗率を示すことが分かった。
【0073】
これら及び他の予期せぬ優れた特徴を、以下の実施例で例示するが、これらは例示的な
ものであり、いかなる方法でも本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【実施例0074】
実施例1
機械式攪拌機、熱電対、ディーン・スタークアダプター及び還流冷却器を備えた2リッ
トルのリアクターに、充填剤F4PN40及びキシレン(425g)を導入した。混合物
を60℃及び150rpmで攪拌し、キシレン溶媒中にPTFEが均一に分散した分散液
を得た。次いで、オキシジアニリン(ODA、70g、0.350mol)及びN-メチ
ルピロリドン(NMP、433g)を添加した。溶液混合物を攪拌(150rpm)し、
窒素ガス下で160℃まで加熱し、残留水をキシレン共沸混合物としてディーン・スター
クアダプターを用いて除去した。混合物を60℃まで冷却し、反応条件下で、ピロメリッ
ト酸二無水物(PMDA、76.9g、0.353mol)を、ODAのPMDAに対す
る割合が1.0000:1.0085になるまで混合物に添加した。添加後、反応混合物
を約89℃まで温め、粘度はかなり高くなった。温度の上昇によってポリ(アミド酸)形
成物の発熱の性質が確認される。反応混合物を70℃で2時間攪拌及び加熱し、攪拌を6
0rpmまで遅くし、溶液を室温まで下げた。こうして、ポリ(アミド酸)の15%溶液
が形成された。溶液は、予め乾燥した清潔なガラス製のボトルに保管した。
【0075】
ポリ(アミド酸)の溶液を60℃まで加熱し、12rpmで攪拌した。次いで溶液をア
ルミニウム基材上にキャスティングした。コーティングされた基材は、70℃で1時間、
100℃で1時間、120℃で1時間、140℃で1時間、160℃で約30分間及び2
50℃で一晩、窒素流のもと、真空オーブンで熱硬化する。複合シートを約6時間かけて
段々と冷やし、オーブンから取り出した。
【0076】
3つのサンプルを準備し、摩擦係数及び摩耗率を試験した。サンプル1は、30重量%
のPTFEの導入及び約175ミクロンのコーティング厚で、上記のように形成した。サ
ンプル2は、PTFEの導入量が50重量%でコーティング厚が約70ミクロンである以
外は、サンプル1と同様に形成した。サンプル3は、コーティング厚が約285ミクロン
である以外は、サンプル2と同様に形成した。Saint-Gobain Corpor
ationから取得した比較サンプル4~6も準備して試験した。
【0077】
ASTM G-77に従って各サンプルの摩耗率及び摩擦係数を試験した。試験の構成
の概略図が図3に例示されている。試験の間、プラスチック材料の摺動摩耗を決定するた
めに、ブロックオンリング形態を用いた。静止した試験用ブロックを、リングの回転軸か
ら90度の角度で、試験用回転リングに対して一定の力で押し付けた。ブロックとリング
の摺動面の間の摩擦によって、双方の試験片からの物質の除去がもたらされる。摩耗は、
ブロックの体積の減少とリングの重量の減少を利用して算出される。各サンプルの温度も
側定し、試験の間の温度の上昇を示した。試験の結果を以下及び図4~9に示す。図4
、サンプル1に関する、時間を関数とした摩耗及び温度の記録を例示し;図5は、サンプ
ル1に関する、時間を関数とした摩擦係数の記録を例示する。図6は、サンプル2に関す
る、時間を関数とした摩耗及び温度の記録を例示し;図7は、サンプル2に関する、時間
を関数とした摩擦係数の記録を例示する。図8は、サンプル3に関する、時間を関数とし
た摩耗及び温度の記録を例示し;図9は、サンプル3に関する、時間を関数とした摩擦係
数の記録を例示する。
【0078】
サンプル1~3も顕微鏡下で観察し、SEMでそのミクロ構造を評価した。結果を図1
0~15で示し、図10及び11はサンプル1のSEMを例示し;図12及び13はサン
プル2のSEMを例示し;及び図14及び15はサンプル3のSEMを例示する。SEM
画像は、3つのサンプル全てにおけるPTFE充填剤の不均質な分布を例示する。
【0079】
【表1】
【0080】
表1の結果が例示する通り、サンプル1~3は、摩耗体積及び摩擦係数の組合せにおい
て予期しない驚くべき顕著な改善を示した。サンプル1~3に示される、摩耗体積及び摩
擦係数の優れた組合せを有するベアリングの作り方は、これまで知られていなかった。
【0081】
実施例2-ポリアミド酸塩
3つのサンプルを準備し、乾燥及び潤滑状態で摩擦係数及び摩耗率を試験し、Sain
t Gobain Performance Plasticsから市販されているNo
rglide材料と比較した。本開示の特定の実施形態に従った3つのサンプルは以下の
ように調製した:
【0082】
ODAをNMP及びキシレンの混合物に溶解した。攪拌しながら、同じモル量のPMD
Aを60℃のODA溶液に添加し、2時間後にポリアミド酸溶液を得た。同じモル量のト
リエチルアミンを上記ポリアミド酸溶液にゆっくり添加し、均質な粘性のポリアミド酸塩
溶液を形成した。ある量のPTFE懸濁液を上記ポリアミド酸塩溶液と混合し、基材を作
成した。
【0083】
摩擦係数(COF)試験をプリント試験機上で実施し、これは、ボールオンフラット摺
動試験としても知られる。試験は2つの異なる条件下で行われた:潤滑及び乾燥状態であ
る。潤滑試験では、サンプルは試験全体を通して室温のオイルバス中にある。乾燥試験で
は、コーティングそのものによって提供されるもの以外は、いずれの潤滑油も伴わずにサ
ンプルに直接接触している。本開示の特定の実施形態に従った3つのサンプルは以下の点
で区別された:
【0084】
・25%のPTFE及び約50ミクロンのコーティング厚、次の組成で調製:
【0085】
【表2】
【0086】
・35%のPTFE及び約90ミクロンのコーティング厚、次の組成で調製:
【0087】
【表3】
【0088】
・45%のPTFE及び約130ミクロンのコーティング厚、次の組成で調製:
【0089】
【表4】
【0090】
ボールの振動数は0.11Hzであり、ある期間で移動した距離は3cm(往復)、荷
重は25N、及び、試験時間は5分間であった。試験の際にコーティングに適用された圧
力は、試験1で列挙した状況と同じであるように53MPaであるべきである。コーティ
ングとボールとの間の接触の面積は5.10-5であり、よって圧力(25Nの荷重
で)は50MPaに近かった。
【0091】
潤滑試験では、PTFE/PIサンプルは全て、以下の表8に例示するのとおよそ同じ
COFを有していた。PTFE/PIサンプルは全てNorglideのCOFよりも低
い。
【0092】
表8.潤滑条件でのプリント試験の結果
【0093】
【表8】
【0094】
乾燥試験では、COF値は、より多くの違いを示し、コーティングにおけるPTFEの
重量パーセントの増加と共に減少する(表9)。再度、PTFE/PIサンプルは全てN
orglide材料よりも良好である。
【0095】
表9:乾燥条件下でのプリント試験の結果
【0096】
【表9】
【0097】
異なる多くの態様及び実施形態が可能である。これらの態様及び実施形態のいくつかを
以下で説明する。本明細書を読めば、当業者であればこれらの態様及び実施形態が例示的
に過ぎず、本開示の範囲を限定しないことを理解する。実施形態は、以下で列挙するいず
れか1つ又はそれ以上のアイテムに従い得る。
【0098】
実施例3:積層
実施例2で説明した25%PTFE混合物をコロナ処理したKapton(登録商標)
剥離フィルムにコーティング及び硬化させ、本開示の特定の実施形態に従ったサンプルを
調製した。コーティングは約70~130umの厚さを有していた。次いで、複合物を、
実施例2で行ったようにスチール基材上に直接コーティングするのではなく、亜鉛をめっ
きしたスチール基材上に積層した。一実施例では、修飾したETFEフィルムを、硬化し
たコーティング層が修飾ETFEフィルムに直接接触する状態で、スチール基材と硬化し
た複合体との間に用いた。別の実施例では、エポキシ層をスチール基材と硬化した複合物
との間に用いた。次いで、ベアリングサンプルを熱圧し、修飾ETFE層又はエポキシ層
を硬化した。COFを次いでプリント試験の際に上記で説明した乾燥条件下で側定し、そ
のパラメーターは次の通りであった:
【0099】
ボールの振動数は5Hzであり、ある期間で移動した距離は3cm(往復)、荷重は8
2N、及び、試験時間は18分間であった。試験の際にコーティングに適用された圧力は
、試験1で列挙した状況と同じであるように53MPaであるべきである。コーティング
とボールとの間の接触の面積は約5.10-5であり、よって圧力(82Nの荷重で
)は53MPaに近かった。
【0100】
上記の2つのサンプルの乾燥試験の結果を図16に示す。示す通り、同様の優れたCO
F値が双方のサンプルで得られた。
【0101】
次いで、修飾ETFEを含むサンプルを、商標Norglide Tという名前でドイ
ツのSaint-Gobain Pampusから市販されているノルグライド(nor
glide)材料及びJBTサンプルに対して試験した。結果を図17に示す。示す通り
、本開示の特定の実施形態に従ったサンプルは、Norglideサンプルよりも性能が
顕著に優れており、本質的にJBTサンプルに匹敵していた。
【0102】
上記の実施例3は、少なくとも、剥離フィルム上にコーティングして硬化し、次いで基
材上に積層することで、スチール基材とコーティングとの間の熱膨張の違いによる収縮の
弊害なくサンプルが調製されることを例示している。従って、より優れており、持続性の
高いベアリングが得られる。
【0103】
アイテム1.ベアリングであって:
a.基材;と
b.前記基材上に被着される層であって、
i.ポリイミドマトリックス;及び
ii.前記ポリイミドマトリックス中に分散される充填剤を含み、ここで充填剤は熱
可塑性又は有機充填剤を含む前記層、とを含む、前記ベアリング。
【0104】
アイテム2.ベアリングであって:
a.基材;と
b.前記基材上に被着される層であって:
i.ポリアミド酸塩に由来するポリイミドマトリックス;及び
ii.前記ポリイミドマトリックス中に分散される熱可塑性及び/又は有機充填剤を
含む前記層、とを含む、前記ベアリング。
【0105】
アイテム3.ベアリングであって:
a.基材;と
b.前記基材上に被着される第1の層であって、ポリイミドマトリックス及び前記ポリ
イミドマトリックス中に分散された充填剤を含む前記第1の層;とを含み、
c.ここで、前記ベアリングは約1未満の摩擦係数及び約2.9mm未満の耐摩耗性
を有する、前記ベアリング。
【0106】
アイテム4.約1未満の摩擦係数及び約2.9mm未満の耐摩耗性を有するベアリン
グ。
【0107】
アイテム5.前記基材が金属を含む、アイテム1~3のいずれかに記載のベアリング。
【0108】
アイテム6.前記金属がスチール、アルミニウム、青銅又は銅を含む、アイテム4に記
載のベアリング。
【0109】
アイテム7.前記ベアリングが、ASTM G-77に従って測定される、約1以下、
約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、約0.3以
下、約0.25以下、約0.2以下、約0.18以下、約0.15以下、又は約0.12
以下さえの平均摩擦係数(COF)を有する、アイテム1~3のいずれかに記載のベアリ
ング。
【0110】
アイテム8.前記ベアリングが、ASTM G-77に従って測定される、約0.00
1以上、約0.01以上、又は、約0.05以上さえもの平均摩擦係数(COF)を有す
る、アイテム1~3のいずれかに記載のベアリング。
【0111】
アイテム9.前記ベアリングが、ASTM G-77に従って測定される、約10mm
以下、約8mm以下、5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2.9m
以下、約2mm以下、約1.5mm以下、約1.3mm以下、約1.1mm
以下、約1mm以下、約0.8mm以下、約0.6mm以下、約0.5mm以下
、約0.3mm以下又は約0.2mm以下さえもの平均耐摩耗性を有する、アイテム
1~3のいずれかに記載のベアリング。
【0112】
アイテム10.前記ベアリングが、ASTM G-77に従って測定される、約0.0
01mm以上、約0.01mm以上、又は、約0.05mm以上さえもの耐摩耗性
を有する、アイテム1~3のいずれかに記載のベアリング。
【0113】
アイテム11.前記基材上に被着される層が、ラミネーター接着試験(Erichse
n)を通過する、アイテム1~3のいずれかに記載のベアリング。
【0114】
アイテム12.前記基材上に被着される層が、約1mm以下、約800ミクロン以下、
約500ミクロン以下、約300ミクロン以下、約250ミクロン以下、約200ミクロ
ン以下又は約175ミクロン以下さえもの厚さを有する、アイテム1~3のいずれかに記
載のベアリング。
【0115】
アイテム13.前記基材上に被着される層が、少なくとも約0.01ミクロン、少なく
とも約1ミクロン、少なくとも約50ミクロン又は少なくとも約100ミクロンさえもの
厚さを有する、アイテム1~3のいずれかに記載のベアリング。
【0116】
アイテム14.前記基材上に被着される層が、少なくとも約0.01%、少なくとも約
0.05%又は少なくとも約0.1%さえもの多孔度を有する、アイテム1~3のいずれ
かに記載のベアリング。
【0117】
アイテム15.前記ポリイミドマトリックスが、架橋型及びイミド化ポリアミド酸を含
む、アイテム1~3のいずれかに記載のベアリング。
【0118】
アイテム16.前記ポリアミド酸又はポリアミド酸塩が、ピロメリット酸二無水物(P
MDA)、3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2
,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FD
A)、2,2’-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二
無水物(BPADA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及び4,
4’-オキシジアニリン(ODA)又はm-フェニレンジアミン(m-PDA)、4,4
’-ジアミノフェニルスルホン(4,4’-DDS)、p-フェニレンジアミン(p-P
DA)及びメチレンジアニリン(MDA)から成る群から選択される2種類の異なるモノ
マーの反応産物を含む、アイテム14に記載のベアリング。
【0119】
アイテム17.前記ポリアミド酸又はポリアミド酸塩が、それぞれ異なる第1のモノマ
ー及び第2のモノマーの反応産物を含む、アイテム14に記載のベアリング。
【0120】
アイテム18.前記第1のモノマーが、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3
’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2-ビス(3,
4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、2,2’-
ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BPAD
A)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及びこれらのいずれかの組
合せから成る群から選択されるモノマーを含み;前記第2のモノマーが、4,4’-オキ
シジアニリン(ODA)又はm-フェニレンジアミン(m-PDA)、4,4’-ジアミ
ノフェニルスルホン(4,4’-DDS)、p-フェニレンジアミン(p-PDA)、メ
チレンジアニリン(MDA)及びこれらのいずれかの組合せから成る群から選択されるモ
ノマーを含む、アイテム16に記載のベアリング。
【0121】
アイテム19.前記ポリイミドマトリックスがポリアミド酸塩由来である、アイテム1
~18のいずれかに記載のベアリング。
【0122】
アイテム20.前記ポリイミドマトリックスが、ポリアミド酸塩のイミド化反応産物を
含む、アイテム1~19のいずれかに記載のベアリング。
【0123】
アイテム21.前記熱可塑性物質がフルオロポリマーを含む、アイテム1~3のいずれ
かに記載のベアリング。
【0124】
アイテム22.前記熱可塑性物質がペルフルオロポリマーを含む、アイテム18に記載
のベアリング。
【0125】
アイテム23.前記熱可塑性物質がPTFEを含む、アイテム18に記載のベアリング
【0126】
アイテム24.前記熱可塑性物質が、PTFE粉砕再生材料を含む、アイテム20に記
載のベアリング。
【0127】
アイテム25.前記熱可塑性物質が、熱可塑性物質及びポリイミドマトリックスを合わ
せた重量に対して、0重量%超~80重量%の量で前記層中に存在する、アイテム1~3
のいずれかに記載のベアリング。
【0128】
アイテム26.前記ポリイミドマトリックスが、熱可塑性物質及びポリイミドマトリッ
クスを合わせた重量に対して、20~100重量%の量で前記層中に存在する、アイテム
1~3のいずれかに記載のベアリング。
【0129】
アイテム27.前記基材上に被着される層が有機充填剤をさらに含む、アイテム1~3
のいずれかに記載のベアリング。
【0130】
アイテム28.前記有機充填剤が、熱可塑性物質、ポリイミドマトリックス及び有機充
填剤を合わせた重量に対して、0重量%超~80重量%の量で前記層中に存在する、アイ
テム24に記載のベアリング。
【0131】
アイテム29.前記ベアリングが、前記基材と前記層との間に被着される中間層をさら
に含む、アイテム1~3のいずれかに記載のベアリング。
【0132】
アイテム30.前記中間層は、亜鉛又は亜鉛含有化合物を含む、アイテム26に記載の
ベアリング。
【0133】
アイテム31.複合ベアリングを形成する方法であって:
a.ポリイミド前駆体又はイミドモノマーを準備すること;
b.熱可塑性物質を準備すること;
c.前記熱可塑性物質、前記ポリイミド前駆体又はイミドモノマー、及び、溶媒を混合
して混合物を形成すること;
d.前記混合物を基材上に被着すること;
e.前記基材及び被着した混合物を熱硬化し、それによって前記ポリイミド前駆体をイ
ミド化し、複合シートを形成すること、を含む、前記方法。
【0134】
アイテム32.複合ベアリングを形成する方法であって:
a.ポリイミド前駆体又はイミドモノマーを準備すること;
b.有機充填剤を準備すること;
c.前記充填剤、前記ポリイミド前駆体又はイミドモノマー、及び、溶媒を混合して混
合物を形成すること;
d.前記混合物を基材上に被着すること;
e.前記基材及び被着した混合物を熱硬化し、それによって前記ポリイミド前駆体をイ
ミド化し、複合シートを形成すること、
f.前記複合シートからベアリングを形成すること、を含む、前記方法。
【0135】
アイテム33.複合ベアリングを形成する方法であって:
a.ポリイミド前駆体又はイミドモノマーを準備すること;
b.有機充填剤及び/又は熱可塑性物質を準備すること;
c.前記有機充填剤及び/又は熱可塑性物質、前記ポリイミド前駆体又はイミドモノマ
ー、並びに、溶媒を混合して混合物を形成すること;
d.前記混合物を基材上に被着すること;
e.前記基材及び被着した混合物を熱硬化し、それによって前記ポリイミド前駆体をイ
ミド化し、複合シートを形成すること;及び
f.前記複合シートからベアリングを形成すること、を含み、
g.前記ベアリングが、約1未満の摩擦係数及び約2.9mm未満の耐摩耗性を有す
る、前記方法。
【0136】
アイテム34.熱硬化に段階熱硬化プロセスが含まれる、アイテム28~30のいずれ
かに記載の方法。
【0137】
アイテム35.前記段階熱硬化には、各段階が約10分から6時間の間で続く複数の段
階が含まれ、各段階は、次に続く段階との間で、約10℃から50℃の間の温度上昇を有
する、アイテム31に記載の方法。
【0138】
アイテム36.前記溶媒が、N-メチル-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジグリム、ジメチルスルホキシド、キシレン又はこれらのい
ずれかの組合せを含む、アイテム28~30のいずれかに記載の方法。
【0139】
アイテム37.前記ポリイミド前駆体が、ポリアミド酸を含む、アイテム28~30の
いずれかに記載の方法。
【0140】
アイテム38.前記ポリイミド前駆体が、ポリアミド酸塩を含む、アイテム1~37の
いずれかに記載の方法。
【0141】
アイテム39.前記ポリアミド酸又はポリアミド酸塩が、ピロメリット酸二無水物(P
MDA)、3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2
,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FD
A)、2,2’-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二
無水物(BPADA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及び4,
4’-オキシジアニリン(ODA)又はm-フェニレンジアミン(m-PDA)、4,4
’-ジアミノフェニルスルホン(4,4’-DDS)、p-フェニレンジアミン(p-P
DA)及びメチレンジアニリン(MDA)から成る群から選択される少なくとも2種類の
異なるモノマーに由来する、アイテム34に記載の方法。
【0142】
アイテム40.前記ポリアミド酸又はポリアミド酸塩が、それぞれ異なる第1のモノマ
ー及び第2のモノマーに由来する、アイテム34に記載の方法。
【0143】
アイテム41.前記第1のモノマーが、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3
’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2-ビス(3,
4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、2,2’-
ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BPAD
A)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及びこれらのいずれかの組
合せから成る群から選択されるモノマーを含み;前記第2のモノマーが、4,4’-オキ
シジアニリン(ODA)又はm-フェニレンジアミン(m-PDA)、4,4’-ジアミ
ノフェニルスルホン(4,4’-DDS)、p-フェニレンジアミン(p-PDA)、メ
チレンジアニリン(MDA)及びこれらのいずれかの組合せから成る群から選択されるモ
ノマーを含む、アイテム36に記載のベアリング。
【0144】
アイテム42.前記熱可塑性物質がフルオロポリマーを含む、アイテム28~30のい
ずれかに記載の方法。
【0145】
アイテム43.前記熱可塑性物質がペルフルオロポリマーを含む、アイテム28~30
のいずれかに記載の方法。
【0146】
アイテム44.前記熱可塑性物質がPTFEを含む、アイテム28~30のいずれかに
記載の方法。
【0147】
アイテム45.前記熱可塑性物質がPTFE粉砕再生材料を含む、アイテム28~30
のいずれかに記載の方法。
【0148】
アイテム46.前記熱可塑性物質が、少なくとも1約1ミクロン、少なくとも約3ミク
ロン、少なくとも約5ミクロン、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約15ミクロン
又は少なくとも約20ミクロンさえもの平均粒径(D50)を有する、アイテム28~3
0のいずれかに記載の方法。
【0149】
アイテム47.前記熱可塑性物質が、約50ミクロン以下、約30ミクロン以下、約2
0ミクロン以下又は約10ミクロン以下さえもの平均粒径(D50)を有する、アイテム
28~30のいずれかに記載の方法。
【0150】
アイテム48.前記熱可塑性物質が、約1ミクロン及び50ミクロン、約3ミクロン~
約30ミクロン又は約5ミクロン~約20ミクロンさえもの間の範囲で平均粒径(D50
)を有する、アイテム28~30のいずれかに記載の方法。
【0151】
アイテム49.前記熱可塑性物質が粉末形態である、アイテム28~30のいずれかに
記載の方法。
【0152】
アイテム50.前記熱可塑性物質が分散相である、アイテム28~30のいずれかに記
載の方法。
【0153】
アイテム51.前記熱可塑性物質が、少なくとも0.05ミクロン、少なくとも約0.
1ミクロ又は少なくとも約2ミクロンさえもの平均粒径を有する、アイテム28~30の
いずれかに記載の方法。
【0154】
アイテム52.前記熱可塑性物質が、約1000ミクロン以下、約500ミクロン以下
又は約100ミクロン以下さえもの平均粒径を有する、アイテム28~30のいずれかに
記載の方法。
【0155】
アイテム53.前記混合物の粘度を調節して、前記基材上に被着される混合物の所定の
厚さを形成する、アイテム28~30のいずれかに記載の方法。
【0156】
アイテム54.前記熱可塑性物質が、熱可塑性物質及びポリイミド前駆体を合わせた重
量に対して、0重量%超~80重量%の量で前記混合物中に存在する、アイテム28~3
0のいずれかに記載の方法。
【0157】
アイテム55.前記ポリイミド前駆体が、熱可塑性物質及びポリイミド前駆体を合わせ
た重量に対して、20重量%~100重量%の量で前記混合物中に存在する、アイテム2
8~30のいずれかに記載の方法。
【0158】
アイテム56.有機充填剤を準備し、前記有機充填剤を前記熱可塑性物質と混合するこ
とをさらに含む、アイテム28~30のいずれかに記載の方法。
【0159】
アイテム57.前記有機充填剤が、熱可塑性物質、ポリイミド前駆体及び有機充填剤を
合わせた重量に対して、0重量%超~80重量%の量で前記混合物中に存在する、アイテ
ム52に記載の方法。
【0160】
アイテム58.前記基材が金属を含む、アイテム28~30のいずれかに記載の方法。
【0161】
アイテム59.前記金属がスチール、アルミニウム、青銅又は銅又はこれらの組合せを
含む、アイテム54に記載の方法。
【0162】
アイテム60.前記基材上へ混合物を被着する前に前記基材を処理して、被着される混
合物と基材の間の接着を改善することをさらに含む、アイテム28~30のいずれかに記
載の方法。
【0163】
アイテム61.前記基材上へ混合物を被着する前に前記層に隣接する基材の表面を化学
的に処理することが処理に含まれる、アイテム56に記載の方法。
【0164】
アイテム62.化学的に処理することが、亜鉛又は亜鉛含有化合物で前記基材の表面を
コーティングすることを含む、アイテム57に記載の方法。
【0165】
アイテム63.前記基材上へ混合物を被着する前に前記層に隣接する基材の表面を機械
的に処理することが処理に含まれる、アイテム56に記載の方法。
【0166】
アイテム64.械的に処理することが、基材の表面をサンドブラスト処理又は機械的に
エッチングすることを含む、アイテム59に記載の方法。
【0167】
アイテム65.前記基材上にポリイミドマトリックスを含む2以上の層を形成すること
をさらに含む、アイテム28~30のいずれかに記載の方法。
【0168】
アイテム66.第2の充填剤を前記混合物に添加することをさらに含む、アイテム28
~30のいずれかに記載の方法。
【0169】
アイテム67.前記第2の充填剤が、炭素黒鉛、グラフィーム、カーボンナノチューブ
、エコノール、ガラス繊維、ポリマー化合物、無機化合物及びこれらの組合せから成る群
から選択される、アイテム62に記載の方法。
【0170】
アイテム68.熱硬化が、前記複合体が少なくとも約0.1%の多孔度を有するような
温度調節を含む、アイテム28~30のいずれかに記載の方法。
【0171】
アイテム69.触媒を準備し、前記触媒を前期熱可塑性物質と混合することをさらに含
む、アイテム28~30のいずれかに記載の方法。
【0172】
アイテム70.前記触媒がポリアミド酸のイミド化を促進する、アイテム65に記載の
方法。
【0173】
アイテム71.前記触媒が第三脂肪族の強塩基を含む、アイテム65に記載の方法。
【0174】
アイテム72.前記触媒が、1,4‐ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DAB
CO)といった第三脂肪族の強塩基;1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-
7-エン(DBU);窒素含有塩基;フェノール;又は両性材料を含む、アイテム65に
記載の方法。
【0175】
アイテム73.前記方法が持続的なプロセスである、アイテム28~30のいずれかに
記載の方法。
【0176】
アイテム74.コーティングされた基材を少なくとも部分的に切断することをさらに含
む、アイテム28~30のいずれかに記載の方法。
【0177】
アイテム75.前記充填剤が、芳香族ポリエステル、再利用ポリイミド、ポリアミドエ
ーテルイミド、ポリアミドイミド、PEEK、ポリアリールファミリーのPEEK様ポリ
マー、液晶ポリマー(LCP)、ポリベンズイミダゾール又はこれらの組合せを含み得る
、アイテム1~74のいずれかに記載のベアリング又は方法。
【0178】
アイテム76.前記有機充填剤が、芳香族ポリエステル、再利用ポリイミド、ポリアミ
ドエーテルイミド、ポリアミドイミド、PEEK、ポリアリールファミリーのPEEK様
ポリマー、液晶ポリマー(LCP)、ポリベンズイミダゾール又はこれらの組合せを含み
得る、アイテム1~75のいずれかに記載のベアリング又は方法。
【0179】
アイテム77.前記基材が剥離フィルムであり、前記方法が前記混合物を前記剥離フィ
ルム上で硬化し、スチール基材で複合体を形成することをさらに含む、アイテム1~76
のいずれかに記載の方法。
【0180】
アイテム78.前記方法が、第2の基材で前記複合体を形成した後に、硬化した混合物
がベアリングの外側の面を形成するように、剥離フィルムを除去することをさらに含む、
アイテム77に記載の方法。
【0181】
アイテム79.前記第2の基材が金属基材である、アイテム78に記載の方法。
【0182】
アイテム80.前記第2の基材が、スチールを含む、アイテム79に記載の方法。
【0183】
アイテム81.前記剥離フィルムの表面が混合物の被着前に処理されている、アイテム
1~80のいずれかに記載の方法。
【0184】
アイテム82.前記第2の基材が、亜鉛がコーティングされたスチール基材である、ア
イテム1~81のいずれかに記載の方法。
【0185】
一般的な説明で上述した活動又は実施例の全てが必要なわけではなく、特定の活動は必
要ではない可能性があり、1つ又は複数の活動を上記したものに加えてさらに実施しても
よい。さらに、活動を列挙する順番は、活動を行う順番とは限らない。
【0186】
利益、他の効果及び課題の解決策を特定の実施形態に沿って上述した。しかし、利益、
効果、課題の解決策、及び、利益、効果又は解決策を生じさせる又はより明らかするいず
れかの特徴(複数可)は、請求項のいずれか又は全ての重要、必須又は本質的な特徴とし
ては解釈されない。
【0187】
本明細書で記載した実施形態の説明及び例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解
の提供を意図している。説明及び例示は、本明細書に記載する構造又は方法を用いる装置
及びシステムの要素及び特徴の全ての網羅的及び包括的な説明の役割を果たすことは意図
されていない。別々の実施形態も単一の実施形態と組合せて提供され得、逆に、明確性の
ために単一の実施形態で説明される様々な特徴も別々又はいずれかの副次的な組合せで提
供され得る。さらに、範囲内で記述される値を言及する場合は、その範囲内の各及び全て
の値を含む。他の多くの実施形態は、この説明を読んで初めて当業者に明らかになり得る
。構造上の置換、論理上の置換又は他の変更が本開示の範囲を逸脱することなくなされ得
るように、他の実施形態が本開示から使用及び由来し得る。したがって、本開示は制限的
ではなく例示的なもとのとして見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2022-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ベアリングを形成する方法であって:
ポリイミド前駆体又はイミドモノマーを準備すること;
熱可塑性物質を準備すること;
前記熱可塑性物質、前記ポリイミド前駆体又はイミドモノマー、及び、溶媒を混合して混合物を形成すること;
前記混合物を基材上に被着すること;
前記基材及び被着した混合物を熱硬化し、それによって前記ポリイミド前駆体をイミド化し、複合シートを形成すること、を含む、前記方法。
【請求項2】
複合ベアリングを形成する方法であって:
ポリイミド前駆体又はイミドモノマーを準備すること;
有機充填剤を準備すること;
前記充填剤、前記ポリイミド前駆体又はイミドモノマー、及び、溶媒を混合して混合物を形成すること;
前記混合物を基材上に被着すること;
前記基材及び被着した混合物を熱硬化し、それによって前記ポリイミド前駆体をイミド化し、複合シートを形成すること、
前記複合シートからベアリングを形成すること、を含む、前記方法。
【請求項3】
複合ベアリングを形成する方法であって:
ポリイミド前駆体又はイミドモノマーを準備すること;
有機充填剤及び/又は熱可塑性物質を準備すること;
前記有機充填剤及び/又は熱可塑性物質、前記ポリイミド前駆体又はイミドモノマー、並びに、溶媒を混合して混合物を形成すること;
前記混合物を基材上に被着すること;
前記基材及び被着した混合物を熱硬化し、それによって前記ポリイミド前駆体をイミド化し、複合シートを形成すること;及び
前記複合シートからベアリングを形成すること、を含み、
前記ベアリングが、約1未満の摩擦係数及び約2.9mm 未満の耐摩耗性を有する、前記方法。
【請求項4】
熱硬化に段階熱硬化プロセスが含まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒が、N-メチル-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジグリム、ジメチルスルホキシド、キシレン又はこれらのいずれかの組合せを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリイミド前駆体が、ポリアミド酸を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリイミド前駆体が、ポリアミド酸塩を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリアミド酸又はポリアミド酸塩が、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、2,2’-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BPADA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及び4,4’-オキシジアニリン(ODA)又はm-フェニレンジアミン(m-PDA)、4,4’-ジアミノフェニルスルホン(4,4’-DDS)、p-フェニレンジアミン(p-PDA)及びメチレンジアニリン(MDA)から成る群から選択される少なくとも2種類の異なるモノマーに由来する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記熱可塑性物質がフルオロポリマーを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記熱可塑性物質がペルフルオロポリマーを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記熱可塑性物質がPTFEを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記熱可塑性物質が、前記熱可塑性物質及び前記ポリイミド前駆体を合わせた重量に対して、0重量%超から80重量%の量で前記混合物中に存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリイミド前駆体が、前記熱可塑性物質及び前記ポリイミド前駆体を合わせた重量に対して、20重量%から100重量%の量で前記混合物中に存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
有機充填剤を準備し、前記有機充填剤を前記熱可塑性物質と混合することをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記充填剤が、芳香族ポリエステル、再利用ポリイミド、ポリアミドエーテルイミド、ポリアミドイミド、PEEK、ポリアリールファミリーのPEEK様ポリマー、液晶ポリマー(LCP)、ポリベンズイミダゾール又はこれらの組合せを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】