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特開2023-117916取引処理システム、取引処理装置及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117916
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】取引処理システム、取引処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230817BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20230817BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20230817BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20230817BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G07G1/01 301D
G07G1/00 301D
G06Q30/02 446
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020736
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】桜井 謙次
(72)【発明者】
【氏名】佐野 大志
(72)【発明者】
【氏名】寺内 亨
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142CA13
3E142CA17
3E142DA08
3E142EA21
3E142EA22
3E142EA27
3E142GA16
3E142GA41
3E142JA03
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 取引処理のためのユーザインタフェースとして動作している情報通信端末にて販促のための情報提供を可能とする。
【解決手段】 実施形態の取引処理システムは、登録手段、検出手段及び表示制御手段を備える。登録手段は、端末装置での操作に応じて、取引の対象とする商品を登録する。検出手段は、登録手段が登録のための操作を受け付けている期間に、登録のための操作が規定時間に渡り行われない無操作状態を検出する。表示制御手段は、検出手段により無操作状態が検出されたことに応じて、販促のためのコンテンツ画面を端末装置で表示させる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置での操作に応じて、取引の対象とする商品を登録する登録手段と、
前記登録手段が登録のための操作を受け付けている期間に、登録のための操作が規定時間に渡り行われない無操作状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記無操作状態が検出されたことに応じて、販促のためのコンテンツ画面を前記端末装置で表示させる表示制御手段と、
を具備した取引処理システム。
【請求項2】
前記端末装置で表示させるためのコンテンツ画面を、前記登録手段により取引の対象とされている商品に応じて、候補となる複数のコンテンツ画面の中から選択する選択手段、
をさらに備える請求項1に記載の取引処理システム。
【請求項3】
前記選択手段は、前記登録手段により取引の対象とされている商品が存在しない場合に、前記端末装置で表示させるためのコンテンツ画面を、前記端末装置の操作者の属性に応じて、候補となる複数のコンテンツ画面の中から選択する、
請求項2に記載の取引処理システム。
【請求項4】
前記選択手段は、前記端末装置で表示させるためのコンテンツ画面を、前記登録手段により取引の対象とされている商品に応じて、候補となる複数のコンテンツ画面の中から選択する状態と、前記端末装置の操作者の属性に応じて、候補となる複数のコンテンツ画面の中から選択する状態とを、時分割に切り替える、
請求項2に記載の取引処理システム。
【請求項5】
取引の対象とする商品の登録のための操作を受け付ける期間に、登録のための操作が規定時間に渡り行われない無操作状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記無操作状態が検出されたことに応じて、販促のためのコンテンツ画面を表示させる表示制御手段と、
を具備した端末装置とともに取引処理システムを構成し、
登録のための前記端末装置での操作に応じて、取引の対象とする商品を登録する登録手段と、
前記端末装置で表示させるためのコンテンツ画面を、前記登録手段により取引の対象とされている商品に応じて、候補となる複数のコンテンツ画面の中から選択する選択手段と、
を具備する取引処理装置。
【請求項6】
取引の対象とする商品の登録のための操作を受け付ける期間に、登録のための操作が規定時間に渡り行われない無操作状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記無操作状態が検出されたことに応じて、販促のためのコンテンツ画面を表示させる表示制御手段と、
を具備した端末装置とともに取引処理システムを構成する取引処理装置に備えられるコンピュータを、
登録のための前記端末装置での操作に応じて、取引の対象とする商品を登録する登録手段と、
前記端末装置で表示させるためのコンテンツ画面を、前記登録手段により取引の対象とされている商品に応じて、候補となる複数のコンテンツ画面の中から選択する選択手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、取引処理システム、取引処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどのような客が所有する情報通信端末をユーザインタフェースとして用いて取引処理を行うシステムは、「スマホPOSシステム」などと称されて知られている。
しかしながら、この種のシステムで取引処理のためのユーザインタフェースとして動作している情報通信端末では、ユーザに対して販促のための情報提供は行えていなかった。
このような事情から、取引処理のためのユーザインタフェースとして動作している情報通信端末にて販促のための情報提供を行えることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-153088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、取引処理のためのユーザインタフェースとして動作している情報通信端末にて販促のための情報提供を行える取引処理システム、取引処理装置及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の取引処理システムは、登録手段、検出手段及び表示制御手段を備える。登録手段は、端末装置での操作に応じて、取引の対象とする商品を登録する。検出手段は、登録手段が登録のための操作を受け付けている期間に、登録のための操作が規定時間に渡り行われない無操作状態を検出する。表示制御手段は、検出手段により無操作状態が検出されたことに応じて、販促のためのコンテンツ画面を端末装置で表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態に係る取引処理システムの概略構成と、取引処理システムを構成する各装置の要部回路構成と、を表すブロック図。
図2図1中のユーザ端末に備えられたプロセッサによるUI処理のフローチャート。
図3図1中のユーザ端末に備えられたプロセッサによるUI処理のフローチャート。
図4図1中の取引処理装置に備えられたプロセッサによる取引処理のフローチャート。
図5】登録画面の一例を表す図。
図6】コンテンツ表示の際の図1中のタッチパネルの表示画面の一例を表す図。
図7】コンテンツ表示の際の図1中のタッチパネルの表示画面の一例を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る取引処理システム100の概略構成と、取引処理システム100を構成する各装置の要部回路構成と、を表すブロック図である。
取引処理システム100は、取引処理装置1、ユーザ端末2及びコンテンツ管理装置3を、通信ネットワーク200を介して通信可能として構成されている。なお、取引処理装置1、ユーザ端末2及びコンテンツ管理装置3は、それぞれ任意の数が取引処理システム100に含まれてよいが、図1では1台ずつのみを表している。コンテンツ管理装置3は、取引処理システム100に含まれなくてもよい。コンテンツ管理装置3は、別のサービスのためのコンテンツを管理する装置が活用されてもよい。
【0008】
取引処理装置1は、ユーザ端末2をユーザインタフェース端末として用いて店舗にて客により行われる操作に従って、当該客と店舗とでの商品の売買取引を処理するための情報処理を行う。取引処理装置1は、例えばクラウドサーバとして実現され、複数の店舗での取引を処理する。取引処理装置1は、例えばローカルサーバとして実現され、1つの店舗のみにおける取引を処理するのでもよい。
【0009】
ユーザ端末2は、客により所持される情報処理端末である。ユーザ端末2は、典型的には客により所有されていて、客によって店舗へと持ち込まれて使用される。ユーザ端末2は、取引処理装置1での取引処理のための客による操作を受け付ける端末装置である。
【0010】
コンテンツ管理装置3は、販促のために客に提示するコンテンツを管理する。コンテンツ管理装置3は、例えばクラウドサーバとして実現され、複数の店舗の利用客に対するコンテンツ提供に供される。コンテンツ管理装置3は、例えばローカルサーバとして実現され、1つの店舗のみの利用客に対するコンテンツ提供に供されてもよい。
【0011】
通信ネットワーク200は、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。通信ネットワーク200としては、一例として、インターネット及び移動体通信網が組み合わせて用いられる。
【0012】
取引処理装置1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶ユニット13、通信ユニット14及び伝送路15等を備える。プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶ユニット13及び通信ユニット14とは、伝送路15を介して通信可能とされている。
【0013】
プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶ユニット13を伝送路15で接続することによって、取引処理装置1を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに従って、取引処理装置1としての各種の機能を実現するべく各部を制御するための情報処理を実行する。
【0014】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、読み出し専用のメモリ領域と書き換え可能なメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、読み出し専用のメモリ領域では上記の情報処理プログラムの一部を記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを読み出し専用のメモリ領域又は書き換え可能なメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、書き換え可能なメモリ領域を、プロセッサ11によるワークエリアとして使用する。
【0015】
補助記憶ユニット13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット13は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶ユニット13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ11での処理によって生成されたデータとを記憶する。補助記憶ユニット13は、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。補助記憶ユニット13は、本実施形態では、情報処理プログラムの1つである取引処理プログラムPRAを記憶する。取引処理プログラムPRAは、後述する取引処理の手順について記述されたアプリケーションプログラムである。補助記憶ユニット13の記憶領域の一部は、会員データベースDBAを記憶する領域として利用される。会員データベースDBAは、後述するスマホPOSサービスの利用会員を管理するためのデータベースである。
【0016】
通信ユニット14は、通信ネットワーク200を介したデータ通信を行うための通信処理を実行する。通信ユニット14は、例えばインターネット用の既存の通信デバイスを用いることができる。
伝送路15は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0017】
さて、取引処理装置1のハードウェアとしては、例えば汎用のサーバ装置を用いることができる。そして取引処理装置1の譲渡は一般に、補助記憶ユニット13に取引処理プログラムPRAが記憶され、会員データベースDBAが記憶されない状態にて行われる。しかし、取引処理プログラムPRAが補助記憶ユニット13に記憶されない状態、あるいは同種の別バージョンのアプリケーションプログラムが補助記憶ユニット13に記憶された状態のハードウェアと、取引処理プログラムPRAとが個別に譲渡されてもよい。そして、任意の作業者の操作に応じて、補助記憶ユニット13に取引処理プログラムPRAが書き込まれることによって、取引処理装置1が構成されてもよい。取引処理プログラムPRAの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。
【0018】
ユーザ端末2は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶ユニット23、タッチパネル24、カメラ25、モバイル通信ユニット26及び伝送路27等を備える。プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶ユニット23、タッチパネル24、カメラ25及びモバイル通信ユニット26とは、伝送路27を介して通信可能とされている。そして、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶ユニット23が伝送路27により接続されていることによって、ユーザ端末2を制御するためのコンピュータが構成される。
プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶ユニット23及び伝送路27の機能の概略は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶ユニット13及び伝送路15と同等であるので、その説明は省略する。ただし補助記憶ユニット23は、取引処理プログラムPRAに代えて、ユーザインタフェース処理プログラム(以下、UI処理プログラムと称する)PRBを記憶する。UI処理プログラムPRBは、後述するUI処理の手順を記述したアプリケーションプログラムである。また補助記憶ユニット23の記憶領域の一部は、会員データベースDBAを記憶するのに代えて、表示管理データDAAを記憶するために利用される。表示管理データDAAは、表示の対象となるコンテンツを管理するためのデータである。
【0019】
タッチパネル24は、ユーザ端末2の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。
カメラ25は、光学系及びイメージセンサを含み、光学系により形成される視野内の像を表した画像データをイメージセンサにより生成する。
モバイル通信ユニット26は、通信ネットワーク200を介したデータ通信のインタフェースである。モバイル通信ユニット26としては、例えば移動体通信網を介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
【0020】
コンテンツ管理装置3は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶ユニット33、通信ユニット34及び伝送路35等を備える。プロセッサ31と、メインメモリ32、補助記憶ユニット33及び通信ユニット34とは、伝送路35を介して通信可能とされている。そして、プロセッサ31、メインメモリ32及び補助記憶ユニット33が伝送路35により接続されていることによって、コンテンツ管理装置3を制御するためのコンピュータが構成される。
なお、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶ユニット33、通信ユニット34及び伝送路35の機能の概略は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶ユニット13、通信ユニット14及び伝送路15と同等であるので、その説明は省略する。ただし補助記憶ユニット33は、取引処理プログラムPRAに代えて、コンテンツ管理のための情報処理プログラムを記憶する。また補助記憶ユニット33の記憶領域の一部は、会員データベースDBAを記憶するのに代えて、コンテンツファイル群GRAを記憶するために利用される。コンテンツファイル群GRAは、ユーザ端末2で販促のために表示させるべきコンテンツをそれぞれに表したコンテンツファイルの集合である。
【0021】
次に以上のように構成された取引処理システム100の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。例えば、以下の説明では、本実施形態の特徴的な動作を分かり易く説明するために、一部の処理についての説明を省略している。例えば、何らかのエラーが発生した場合に、そのエラーに対処するための処理が行われる場合があるが、そのような処理については記載を省略している。
以下の説明においては、取引処理システム100により客に提供されるサービスを「スマホPOSサービス」と称する。
【0022】
スマホPOSサービスを利用する客に対して販促のためにコンテンツを提供したい提供者は、図1には示されない任意の情報端末を用いて、コンテンツ管理装置3へと例えば通信ネットワーク200を介して、任意のコンテンツを表したコンテンツファイルをコンテンツ管理装置3にアップロードする。これに応じてコンテンツ管理装置3にてプロセッサ31は、アップロードされたコンテンツファイルをコンテンツファイル群GRAに追加する。なおコンテンツファイルは、コンテンツを表した動画データ又は静止画データなどに加えて、コンテンツファイルの絞り込みに用いるための属性データを含む。属性データとしてどのようなデータを含むかは任意であるが、例えば提供対象者の年齢、性別、居住地域などを含むことが想定される。なお提供者は、例えば店舗運営業者、製造業者、卸売り業者、あるいは広告代理業者などが想定される。プロセッサ31は、コンテンツファイル群GRAに含まれる各コンテンツファイルを、通信ネットワーク200上で公開する。
【0023】
客は、スマホPOSサービスを利用するためには、スマホPOSサービスの提供者に対して会員登録を行う。この会員登録により、客を識別するための識別子(以下、会員コードと称する)が決定されるとともに、当該客がスマホPOSサービスを利用するに当たって必要となる各種の会員情報を上記の会員コードに関連付けて表すように会員データベースDBAが更新される。会員情報には、後述するコンテンツ選択に際して参照される、例えば年齢、性別、居住地域などの、会員の属性に関する各種の属性データが含まれる。また客は、スマホPOSサービスを利用するためには、自らが所有するスマートフォン等にUI処理プログラムPRBをインストールして、ユーザ端末2として利用可能としておく。そして客は、UI処理プログラムPRBに基づく情報処理を起動した状態のユーザ端末2を持って、スマホPOSサービスの提供対象となっている店舗へと入る。
【0024】
さてユーザ端末2においてプロセッサ21は、UI処理プログラムPRBに基づく情報処理(以下、UI処理と称する)を実行する。
図2及び図3はプロセッサ21によるUI処理のフローチャートである。
【0025】
図2中のACT1としてプロセッサ21は、チェックインが指示されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ21は、例えば店舗に用意されたチェックイン用の二次元コードがカメラ25によって撮影されるなどの予め定められた事象が発生すると、チェックインが指示されたとしてYESと判定し、ACT2へと進む。
ACT2としてプロセッサ21は、客が入店した店舗での商品購買に関する取引を開始するためのチェックイン処理を実行する。プロセッサ21はこのチェックイン処理では、取引処理装置1との通信ネットワーク200を介しての通信を開始し、取引処理の実行を要求するとともに、取引処理のための各種情報を授受する。プロセッサ21は、少なくとも、ユーザ端末2を利用している客に関する会員コードを取引処理装置1に通知する。
【0026】
取引処理装置1にてプロセッサ11は、上記のようにしてユーザ端末2から取引処理の開始が要求されると、取引処理プログラムPRAに基づく取引処理を開始する。なおプロセッサ21は、別のユーザ端末2を対象とした取引処理を既に実行中である場合には、その取引処理に並行して、新たな取引処理を開始する。
図4はプロセッサ11による取引処理のフローチャートである。
【0027】
ACT21としてプロセッサ11は、チェックイン処理を開始する。つまりプロセッサ11は、上記のユーザ端末2におけるプロセッサ21によるチェックイン処理と連携して、取引処理のための各種情報を授受する。
ACT22としてプロセッサ11は、この取引処理の対象となる取引に関する取引リストを作成する。取引リストは、取引の対象となる商品のリストである。プロセッサ11は例えば、この取引処理の対象となる取引の識別子としての取引コードに関連付けて、取引の対象となる商品をまだ含まない取引リストを表したリストデータを生成し、補助記憶ユニット13に保存する。なおプロセッサ11は、リストデータをメインメモリ12に保存してもよい。
【0028】
ACT23としてプロセッサ11は、取引の登録状況を表す登録画面の表示をユーザ端末2に対して指示する。プロセッサ11は例えば、登録画面を表した画面データを生成し、この画面データを含んだ指示データを、通信ユニット14からユーザ端末2に宛てて通信ネットワーク200へと送出する。この指示データが通信ネットワーク200によりユーザ端末2へと伝送されると、この指示データをモバイル通信ユニット26が受信する。
【0029】
ユーザ端末2にてプロセッサ21は、図2中のACT2でのチェックイン処理を終えると、ACT3へと進む。
ACT3としてプロセッサ21は、モバイル通信ユニット26によって受信された指示データに含まれる画面データが表す登録画面をタッチパネル24に表示させる。
【0030】
図5は登録画面SCAの一例を表す図である。
登録画面SCAは、画像IMAとボタンBUA,BUBとを表す。画像IMAは、登録済みの取引の内容の明細を表す。画像IMAは図5の例では、「AAAAA」「CCCCC」「DDDDD」及び「EEEEEE」なる商品名の商品を1つずつと、「BBBBB」なる商品名の商品を2つとの、合計6点、3,439円分の商品が取引リストに含まれている状態を表している。また画像IMAは、例えば「AAAAA」なる商品名の商品の単価が380円であることを表している。ボタンBUAは、新たな商品のスキャンへの移行指示を受けるためのソフトキーである。ボタンBUBは、会計への移行指示を受けるためのソフトキーである。なお、画像IMAが表す明細は、取引リストの状態によって逐次変化する。ACT3では取引リストはまだ商品を1つも含まないから、ここで表示される登録画面SCAでは例えば、画像IMAは、各商品の情報を表さず、合計0点、0円であることを表す画像である。
【0031】
図2中のACT4としてプロセッサ21は、後述する変更指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT5へと進む。
ACT5としてプロセッサ21は、後述する会計指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT6へと進む。
ACT6としてプロセッサ21は、後述する通知がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT7へと進む。
ACT7としてプロセッサ21は、タイムアウトしたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT4へと戻る。
かくしてプロセッサ21はACT4~ACT7としては、変更指示、会計指示及び通知のいずれかがなされるか、あるいはタイムアウトするのを待ち受ける。
【0032】
取引処理装置1にてプロセッサ11は、図4中のACT23にて登録画面の表示を指示し終えたならば、ACT24へと進む。
ACT24としてプロセッサ11は、第1のコンテンツを選択する。第1のコンテンツは、ユーザ端末2で表示させるためのコンテンツの1つである。プロセッサ11は例えば、コンテンツ管理装置3により通信ネットワーク200上に公開されているコンテンツファイルの中から、予め定められた第1の条件に合致するものを第1のコンテンツとして選択する。なおプロセッサ11は、第1の条件に合致するコンテンツが複数みつかったならば、それら複数のコンテンツを全て第1のコンテンツとして選択してもよいし、それら複数のコンテンツのうちの一部のみを第1のコンテンツとして選択してもよい。プロセッサ11は、第1の条件に合致するコンテンツが見つからない場合は、第1のコンテンツを選択しない。
なお、第1のコンテンツの選択は、ユーザ端末2にてプロセッサ21により行われてもよい。また、第1のコンテンツの選択は、プロセッサ11からの要求に応じてコンテンツ管理装置3にてプロセッサ31により行われてもよい。
第1の条件は、客の会員情報に含まれる属性データを考慮して第1のコンテンツを選択するためのものとして、例えば取引処理プログラムPRAの作成者などによって任意に定められてよい。
【0033】
ACT25としてプロセッサ11は、上記のように選択した第1のコンテンツをユーザ端末2に通知する。プロセッサ11は例えば、第1のコンテンツに相当するコンテンツファイルにアクセスするためのURL(uniform resource locator)をコンテンツ管理装置3から取得して、当該URLを第1のコンテンツのURLであることを識別可能に表した通知データを、通信ユニット14からユーザ端末2に宛てて通信ネットワーク200へと送出する。プロセッサ11は例えば、第1のコンテンツを選択しなかった場合には、第1のコンテンツが無い旨をユーザ端末2に通知する。プロセッサ11は、第1のコンテンツを選択しなかった場合には、ACT25をパスするようにしてもよい。
【0034】
第1のコンテンツに関する通知データが通信ネットワーク200によりユーザ端末2へと伝送されると、この通知データをモバイル通信ユニット26が受信する。そしてこれに応じて、プロセッサ21は図2中のACT6にてYESと判定し、ACT8へと進む。
ACT8としてプロセッサ21は、表示管理データDAAを更新する。プロセッサ21は例えば、このACT8を初めて実行する場合には、上記のような通知データに表されたURLを、第1のコンテンツに関する情報として表すような表示管理データDAAを生成し、補助記憶ユニット23に保存する。そしてプロセッサ21はこののち、ACT4~ACT7の待ち受け状態に戻る。
【0035】
客は、商品を新たに取引対象として登録する場合は、例えば登録画面SCA上のボタンBUAにタッチしたのちに、カメラ25の撮影画像に商品のバーコードを映り込ませる。また客は、既に取引対象とされている商品についての数量を変更する場合は、登録画面SCA上で該当商品の数量が表された領域をタップした上で、変更後の数量を選択する。このような取引内容の変更を指示するための予め定められた操作が行われたならばプロセッサ21は、ACT4にてYESと判定してACT9へと進む。
ACT9としてプロセッサ21は、取引リストの更新を取引処理装置1に対して要求する。プロセッサ21は例えば、カメラ25により商品のバーコードが撮影されたならば、当該バーコードが表す商品の追加を要求する。またプロセッサ21は例えば、数量の変更が指示された場合には、該当の商品の商品コードと変更後の数量との通知を伴って数量の変更を要求する。
【0036】
取引処理装置1にてプロセッサ11は、図4中のACT25を終えたならば、ACT26へと進む。
ACT26としてプロセッサ11は、取引リストの更新が要求されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT27へと進む。
ACT27としてプロセッサ11は、会計が要求されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT26へと戻る。
かくしてプロセッサ11はACT26及びACT27としては、更新要求又は会計要求を待ち受ける。
【0037】
プロセッサ11は、前述のように取引リストの更新がユーザ端末2から要求されたならば、ACT26にてYESと判定し、ACT28へと進む。
ACT28としてプロセッサ11は、ユーザ端末2からの要求に応じて取引リストを更新する。これによりプロセッサ11は、ユーザ端末2での操作に応じて、取引の対象とする商品を登録することになる。かくして取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは登録手段として機能する。
ACT29としてプロセッサ11は、取引の登録状況を表す登録画面の表示をユーザ端末2に対して指示する。つまりプロセッサ11は、更新後の取引リストに応じた登録画面を生成し、その表示をユーザ端末2に対して指示する。
【0038】
ACT30としてプロセッサ11は、第2のコンテンツを変更する条件が成立したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、後述するように第2のコンテンツを変更する条件が成立したことを確認したならばYESと判定し、ACT31へと進む。
ACT31としてプロセッサ11は、第2のコンテンツを選択する。第2のコンテンツは、ユーザ端末2で表示させるためのコンテンツの1つである。プロセッサ11は例えば、コンテンツ管理装置3により通信ネットワーク200上に公開されているコンテンツファイルの中から、予め定められた第2の条件に合致するものを少なくとも1つ、第2のコンテンツとして選択する。なおプロセッサ11は、第2の条件に合致するコンテンツが複数みつかったならば、それら複数のコンテンツを全て第2のコンテンツとして選択してもよいし、それら複数のコンテンツのうちの一部のみを第2のコンテンツとして選択してもよい。プロセッサ11は、第2の条件に合致するコンテンツが見つからない場合は、第2のコンテンツを選択しない。
なお、第2のコンテンツの選択は、プロセッサ11からの要求に応じてコンテンツ管理装置3にてプロセッサ31により行われてもよい。
【0039】
第2の条件は、取引リストの内容を考慮して第2のコンテンツを選択するためのものとして、例えば取引処理プログラムPRAの作成者などによって任意に定められてよい。第2の条件は、取引リストの内容と客の属性データとの双方を考慮して第2のコンテンツを選択するためのものとして定められてもよい。ただし本実施形態においては、第2の条件は、取引リストに商品が1つも含まれていない場合には、第2のコンテンツが選択されないように定められる。
【0040】
ACT32としてプロセッサ11は、上記のように選択した第2のコンテンツをユーザ端末2に通知する。プロセッサ11は例えば、第2のコンテンツに相当するコンテンツファイルにアクセスするためのURLをコンテンツ管理装置3から取得して、当該URLを第2のコンテンツのURLであることを識別可能に表した通知データを、通信ユニット14からユーザ端末2に宛てて通信ネットワーク200へと送出する。プロセッサ11は例えば、第2のコンテンツを選択しなかった場合には、第2のコンテンツが無い旨をユーザ端末2に通知する。プロセッサ11は、第2のコンテンツを選択しなかった場合には、ACT32をパスするようにしてもよい。そしてプロセッサ11はこののち、ACT26及びACT27の待ち受け状態に戻る。
【0041】
さて、このようにプロセッサ11は、取引リストの内容を考慮して第2のコンテンツを選択するのである。そこで、取引リストが更新された場合に、第2のコンテンツを選択し直すべきであるか否かを判断するための条件を変更条件として定めておき、この変更条件が成立し、第2のコンテンツを選択し直すべきである場合にプロセッサ11がACT30にてYESと判定し、ACT31へと進むようにする。プロセッサ11は、変更条件が成立しないならばACT30にてNOと判定し、ACT31及びACT32をパスしてACT26及びACT27の待ち受け状態に戻る。変更条件は、例えば取引処理プログラムPRAの作成者などによって任意に定められてよい。なお、ACT30での判断を省略し、取引リストを更新する毎に、ACT31にて更新後の取引リストの内容を考慮しての第2のコンテンツの選択を行うようにしてもよい。そしてこの場合にプロセッサ11は、ACT31を前回実行した際と、今回実行した際とで同一の第2のコンテンツを選択しているならば、ACT32をパスしてもよい。
【0042】
第2のコンテンツに関する通知データがモバイル通信ユニット26により受信された場合にも、プロセッサ21は図2中のACT6にてYESと判定し、ACT8へと進む。そしてこの場合にプロセッサ21はACT8では、通知データに表されたURLを、第2のコンテンツに関する情報として追加して表すように、補助記憶ユニット23に記憶されている表示管理データDAAを更新する。
【0043】
プロセッサ21は、ACT3からACT4へと最初に進んでからの経過時間が予め定められた時間を越えると、タイムアウトであるとしてACT7にてYESと判定し、図3中のACT11へと進む。プロセッサ21が図2中のACT4~ACT7の待ち受け状態にある期間は、登録のための操作を受け付けている期間に相当する。そして、プロセッサ21はACT7にてYESと判定するとき、当該期間に、登録のための操作が規定時間に渡り行われなかった無操作状態を検出したこととなる。かくしてUI処理プログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは検出手段として機能する。
なお、プロセッサ21は、ACT4~ACT7において、登録のための操作以外の操作も待ち受けるようにしてもよく、この場合には、そのような待ち受けているどの操作も規定時間に渡り行われなかった状態を無操作状態として検出するのでもよい。
【0044】
ACT11としてプロセッサ21は、コンテンツの表示を開始する。プロセッサ21は例えば、表示管理データDAAに表されているURLの1つを予め定められたルールに従って選択し、そのURLにより通信ネットワーク200を介してコンテンツ管理装置3からコンテンツファイルを取得する。そしてプロセッサ21は、取得したコンテンツファイルに応じてコンテンツをタッチパネル24に表示させる。プロセッサ21は、例えばコンテンツファイルが動画のストリーミング配信として提供されているならば、その動画をストリーミング再生する。プロセッサ21は、例えばコンテンツファイルが動画のダウンロード配信として提供されているならば、該当のコンテンツファイルをダウンロードした上で、再生する。プロセッサ21は、例えばコンテンツファイルが静止画像を表すならば、該当のコンテンツファイルが表す静止画像を表示する。なおプロセッサ21は、コンテンツファイルが音声データも含むならば、該当の音声データに基づく音声を図示しないオーディオデバイスから出力させてもよい。かくしてUI処理プログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは表示制御手段として機能する。
【0045】
図6はコンテンツ表示の際のタッチパネル24の表示画面SCBの一例を表す図である。
プロセッサ21は、タッチパネル24の表示可能エリアのほとんどを占めるエリアARAにおいてコンテンツファイルに応じた画像を表す。プロセッサ21は、エリアARA外にボタンBUCを表す。ボタンBUCは、タッチパネル24での表示を登録画面SCAに戻す指示を受けるためのソフトキーである。
【0046】
図7はコンテンツ表示の際のタッチパネル24の表示画面SCCの一例を表す図である。
プロセッサ21は、登録画面SCAにおいて合計点数及び合計金額を表す部分は残し、その他のエリアに重畳して画像IMBを表す。プロセッサ21は、画像IMB中のエリアARBにコンテンツファイルに応じた画像を表すとともに、エリアARB外にボタンBUCを表す。
コンテンツ表示の際の表示画面は、この他、任意の形態であって構わない。どのような表示画面とするかは、例えばUI処理プログラムPRBの作成者などによって適宜に定められてよい。あるいは、複数の形態のうちのいずれかをユーザ設定に応じて適用してもよい。
【0047】
ACT12としてプロセッサ21は、後述する戻り指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT13へと進む。
ACT13としてプロセッサ21は、後述する実行指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT14へと進む。
ACT14としてプロセッサ21は、後述する終了タイミングとなったか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT12へと戻る。
かくしてプロセッサ21はACT12~ACT14としては、戻り指示又は実行指示がなされるか、あるいは終了タイミングとなるのを待ち受ける。
【0048】
終了タイミングは、例えばコンテンツが動画であるならば、当該動画の再生を終了したタイミングとして定められる。終了タイミングは、例えばコンテンツが静止画像であるならば、予め定められた表示期間が終了したタイミングとして定められる。終了タイミングは、UI処理プログラムPRB内で定義されていてもよいし、コンテンツ毎に定められて、その終了タイミングの定義を表した設定データがコンテンツファイルに含まれてもよい。そしてプロセッサ21は、終了タイミングとなったことが確認できたならば、ACT14にてYESと判定し、ACT15へと進む。
【0049】
ACT15としてプロセッサ21は、それまでに表示していたコンテンツの表示を終了する。そしてプロセッサ21はこののち、ACT11以降の処理を前述と同様に繰り返す。なお、ACT11にて表示管理データDAAに表されているURLの1つを選択するためのルールは、例えばUI処理プログラムPRBの作成者などによって適宜に定められてよい。あるいは、UI処理プログラムPRBの作成者などによって定められた複数のルールのうちのいずれかをユーザ設定に応じて適用するのでもよい。
当該ルールは例えば、表示管理データDAAに第1のコンテンツに関するURLと第2のコンテンツに関するURLとが含まれるならば、これらを交互に選択するように定めることが想定される。当該ルールは例えば、表示管理データDAAに第1のコンテンツに関するURLと第2のコンテンツに関するURLとが含まれるならば、第1のコンテンツ及び第2のコンテンツのいずれか一方に予め定められた優先コンテンツに関するURLを優先的に選択するように定められてもよい。当該ルールは例えば、表示管理データDAAに第1のコンテンツに関するURLと第2のコンテンツに関するURLとが含まれるならば、第2のコンテンツに関するURLのみを選択するように定められてもよい。当該ルールは例えば、表示管理データDAAに第1のコンテンツに関するURLが複数含まれるならば、それらを順次に選択するように定めることが想定される。当該ルールは例えば、表示管理データDAAに第2のコンテンツに関するURLが複数含まれるならば、それらを順次に選択するように定めることが想定される。
【0050】
このように、ユーザ端末2では、取引処理装置1にてプロセッサ11により選択された第1のコンテンツ及び第2のコンテンツを表したコンテンツ画面を表示することになる。つまり、プロセッサ11による第1のコンテンツの選択は、ユーザ端末2で表示させるためのコンテンツ画面を、ユーザ端末2の操作者としての客の属性に応じて、候補となる複数のコンテンツ画面の中から選択することに相当する。またプロセッサ11による第2のコンテンツの選択は、ユーザ端末2で表示させるためのコンテンツ画面を、取引の対象とされている商品に応じて、候補となる複数のコンテンツ画面の中から選択することに相当する。かくして取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、選択手段として機能する。
【0051】
客は、タッチパネル24に表示されたコンテンツに興味を持った場合は、例えばコンテンツの表示エリア内をタップするなどの予め定められた操作により実行を指示する。プロセッサ21は、表示中のコンテンツに対して設定したリンク情報がコンテンツファイルに記述されており、かつ上記のように実行指示が成されたならば、ACT13にてYESと判定し、ACT16へと進む。
ACT16としてプロセッサ21は、上記のリンク情報で定義された動作を実行する。当該の動作は例えば、ウェブページの表示などである。そしてプロセッサ21は、リンク動作を終了したならば、図2中のACT4~ACT7の待ち受け状態に戻る。
【0052】
客は、タッチパネル24の表示画面を登録画面SCAに戻したい場合には、ボタンBUCをタップするなどの予め定められた操作により戻りを指示する。そうするとプロセッサ21は、ACT12にてYESと判定し、図2中のACT4~ACT7の待ち受け状態に戻る。
【0053】
客は、会計に進むことを希望するならば、登録画面SCA上のボタンBUBをタップするなどの予め定められた操作により会計を指示する。これに応じてプロセッサ21は、図2中のACT5にてYESと判定し、ACT17へと進む。
ACT17としてプロセッサ21は、会計処理を実行する。プロセッサ21は例えば、取引処理装置1に対して会計を要求した上で、プロセッサ11による取引処理との連携によって取引を会計するための予め定められた処理を実行する。
【0054】
取引処理装置1にてプロセッサ11は、ユーザ端末2から会計が要求されると、図4中のACT27にてYESと判定し、ACT33へと進む。
ACT33としてプロセッサ11は、プロセッサ21による上記の会計処理との連携により取引を会計するための予め定められた処理を実行する。
ACT34としてプロセッサ11は、ユーザ端末2によるスマホPOSサービスの利用を終了するための予め定められたチェックアウト処理を実行する。
【0055】
図2中のACT18としてプロセッサ21は、上記のプロセッサ11によるチェックアウト処理と連携して、スマホPOSサービスの利用を終了するための予め定められたチェックアウト処理を実行する。
なお、プロセッサ11及びプロセッサ21による会計処理及びチェックアウト処理は、例えば既存の別のスマホPOSサービスで行われている処理と同様であってよい。
そしてプロセッサ21は、チェックアウト処理を終えたならば、図2中のACT1の待ち受け状態に戻る。またプロセッサ11は、チェックアウト処理を終えたならば、取引処理を終了する。
【0056】
以上のように取引処理システム100は、ユーザ端末2で取引内容の変更の指示又は会計の指示のための操作が何らも行われない状態が予め定められた時間に渡って継続したならば、タッチパネル24の画面が登録画面SCAから表示画面SCB又は表示画面SCCのようなコンテンツを表した画面に変更する。かくして、店舗内に滞在して購買商品を探し回っている客に対して、その客が所持して取引処理のためのユーザインタフェースとして動作しているユーザ端末2にて販促のための情報提供が行われる。
【0057】
また取引処理システム100は、客の属性データを考慮する第1の条件により第1のコンテンツを選択している。かくして第1のコンテンツの表示により、客の属性に応じた情報提供が行える。
【0058】
また取引処理システム100は、取引リストの内容を考慮する第2の条件により第2のコンテンツを選択している。かくして第2のコンテンツの表示により、取引リストの内容、つまりは取引の対象とされている商品に応じた情報提供が行える。
【0059】
また取引処理システム100は、第1のコンテンツ及び第2のコンテンツを、いずれも無操作状態における表示の対象とする。そして取引処理システム100は、取引リストに商品が1つも含まれない場合には、第2のコンテンツを選択しない。かくして、取引の対象とされている商品が無いために取引の対象とされている商品を考慮してのコンテンツ選択が行えない状況では、客の属性に応じた情報提供が行える。
【0060】
また取引処理システム100では、第1のコンテンツ及び第2のコンテンツがいずれも選択されている状況における無操作状態においては、それら第1のコンテンツ及び第2のコンテンツを順次に表示させる。かくして、客の属性に応じた情報提供と、取引の対象とされている商品に応じた情報提供とが時分割に行われることになり、無操作状態が長引く状況においては双方の情報提供を行える。
【0061】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
取引リストは、ユーザ端末2にてプロセッサ21により作成、更新されて、補助記憶ユニット23に記憶されてもよい。つまり、登録手段は、プロセッサ21を中枢とするコンピュータの機能として実現されてもよい。あるいは取引リストは、取引処理装置1の補助記憶ユニット13に記憶されているものと同等のコピーが、ユーザ端末2の補助記憶ユニット23に記憶されてもよい。そしてこれらの場合には、第2のコンテンツの選択は、ユーザ端末2にてプロセッサ21により行われてもよい。
【0062】
例えば、ACT26及びACT27の待ち受け状態の継続時間によって、取引処理装置1にてプロセッサ11が無操作状態を検出してもよい。つまり検出手段は、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータの機能として実現されてもよい。
【0063】
コンテンツを表した画面の画面データを取引処理装置1にてプロセッサ11が生成し、この画面データに基づく画面の表示を取引処理装置1からユーザ端末2に要求してもよい。つまり表示制御手段は、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータの機能として実現されてもよい。
【0064】
第1のコンテンツ及び第2のコンテンツのいずれか一方のみをユーザ端末2での表示対象としてもよい。つまり図4におけるACT24及びACT25と、ACT30~ACT32とのいずれかを省略してもよい。
【0065】
取引処理装置1の機能及びコンテンツ管理装置3の機能を、1つの情報処理装置での個別の情報処理により実現してもよい。あるいは、取引処理装置1としての機能、あるいはコンテンツ管理装置3としての機能を、複数の情報処理装置による分散処理により実現してもよい。
【0066】
情報処理によりプロセッサ11及びプロセッサ21が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1…取引処理装置、2…ユーザ端末、3…コンテンツ管理装置、11,21,31…プロセッサ、12,22,32…メインメモリ、13,23,33…補助記憶ユニット、14,34…通信ユニット、24…タッチパネル、25…カメラ、26…モバイル通信ユニット、100…取引処理システム、200…通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7