(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117946
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】割当装置、割当方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
B09B 5/00 20060101AFI20230817BHJP
G06Q 10/30 20230101ALI20230817BHJP
G06Q 50/26 20120101ALI20230817BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20230817BHJP
【FI】
B09B5/00 M
G06Q10/00 400
G06Q50/26
B09B5/00 L
G16Y20/20
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020781
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】308024395
【氏名又は名称】荏原環境プラント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 美幸
【テーマコード(参考)】
4D004
5L049
【Fターム(参考)】
4D004AA46
4D004AA50
4D004DA16
5L049AA00
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】より効率的に廃棄物を回収すること。
【解決手段】ユーザー端末から、被災に応じて回収の対象となった物品に関する情報と、その物品の位置情報と、を含む回収要求情報を取得する回収要求情報取得部と、前記回収要求情報に含まれる情報と、回収に利用可能なリソースを示す情報である回収リソース情報と、に基づいて、前記回収要求情報で要求された回収作業に前記リソースを割り当てる回収リソース割当部と、を備える割当装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末から、被災に応じて回収の対象となった物品に関する情報と、その物品の位置情報と、を含む回収要求情報を取得する回収要求情報取得部と、
前記回収要求情報に含まれる情報と、回収に利用可能なリソースを示す情報である回収リソース情報と、に基づいて、前記回収要求情報で要求された回収作業に前記リソースを割り当てる回収リソース割当部と、
を備える割当装置。
【請求項2】
前記回収要求情報に含まれる情報が示す物品が回収対象になるか否か判定する回収判定部、をさらに備える請求項1に記載の割当装置。
【請求項3】
前記回収要求情報は、被災した家屋又は建造物を撮像することによって得られた画像データをさらに含み、
前記回収判定部は、前記回収要求情報に含まれる前記画像データに写っている家屋又は建造物が所定の条件を満たすことを、前記物品が回収対象になると判断する条件の一つにしている、請求項2に記載の割当装置。
【請求項4】
前記回収判定部は、前記家屋又は建造物の壊れた程度を示す条件を前記所定の条件の一つとして用いる、請求項3に記載の割当装置。
【請求項5】
前記回収リソース割当部は、前記リソースを管理する者によって運用される装置である回収管理装置に対し、前記リソースの割り当ての結果を送信する、請求項1から4のいずれか一項に記載の割当装置。
【請求項6】
コンピューターが、ユーザー端末から、回収対象の物品に関する情報と、その物品の位置情報と、を含む回収要求情報を取得する回収要求情報取得ステップと、
コンピューターが、前記回収要求情報に含まれる情報と、回収に利用可能なリソースを示す情報である回収リソース情報と、に基づいて、前記回収要求情報で要求された回収作業に前記リソースを割り当てる回収リソース割当ステップと、
を有する割当方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の割当装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収対象の物体を効率的に回収するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や火災等の災害の発生により、大量の廃棄物が発生する場合がある。このような廃棄物には個人の所有物も多く含まれ、それらは各所有者の負担で廃棄されることが多い。しかしながら、通常時とは異なる規模で大量の廃棄物が発生する場合には、廃棄物の回収や廃棄を行うためのリソースが不足してしまい、作業が滞ってしまい、生活再建に時間を要してしまうことがある。このような問題に対し、例えば処理領域を一次処理領域と二次処理領域とに分け、それぞれに適した処理の仕方を採用することで効率化を図る技術などが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、どこにどのような廃棄物があるかわからず、必ずしも効率的な廃棄物の回収は実現されていなかった。
上記事情に鑑み、本発明は、より効率的に廃棄物を回収することを可能にする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、ユーザー端末から、被災に応じて回収の対象となった物品に関する情報と、その物品の位置情報と、を含む回収要求情報を取得する回収要求情報取得部と、前記回収要求情報に含まれる情報と、回収に利用可能なリソースを示す情報である回収リソース情報と、に基づいて、前記回収要求情報で要求された回収作業に前記リソースを割り当てる回収リソース割当部と、を備える割当装置である。
【0006】
本発明の一態様は、上記の割当装置であって、前記回収要求情報に含まれる情報が示す物品が回収対象になるか否か判定する回収判定部、をさらに備える。
【0007】
本発明の一態様は、上記の割当装置であって、前記回収要求情報は、被災した家屋又は建造物を撮像することによって得られた画像データをさらに含み、前記回収判定部は、前記回収要求情報に含まれる前記画像データに写っている家屋又は建造物が所定の条件を満たすことを、前記物品が回収対象になると判断する条件の一つにしている。
【0008】
本発明の一態様は、上記の割当装置であって、前記回収判定部は、前記家屋又は建造物の壊れた程度を示す条件を前記所定の条件の一つとして用いる。
【0009】
本発明の一態様は、上記の割当装置であって、前記回収リソース割当部は、前記リソースを管理する者によって運用される装置である回収管理装置に対し、前記リソースの割り当ての結果を送信する。
【0010】
本発明の一態様は、コンピューターが、ユーザー端末から、回収対象の物品に関する情報と、その物品の位置情報と、を含む回収要求情報を取得する回収要求情報取得ステップと、コンピューターが、前記回収要求情報に含まれる情報と、回収に利用可能なリソースを示す情報である回収リソース情報と、に基づいて、前記回収要求情報で要求された回収作業に前記リソースを割り当てる回収リソース割当ステップと、を有する割当方法である。
【0011】
本発明の一態様は、上記の割当装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、より効率的に廃棄物を回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の回収支援システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】ユーザー端末10の機能構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】ユーザー端末10の操作画面の一具体例を示す図である。
【
図4】割当装置20の機能構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】回収支援システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図6】回収支援システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図7】回収支援システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図8】回収支援システム100の関係者の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の回収支援システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【0015】
[システム概略]
回収支援システム100は、複数のユーザー端末10、割当装置20、ドローン30、回収管理装置40、回収端末装置50及び作業者端末装置60を備える。複数のユーザー端末10、割当装置20、回収管理装置40、回収端末装置50及び作業者端末装置60は、ネットワーク90を介して通信する。ドローン30は、ネットワーク90を介して通信可能に構成されてもよいし、近距離通信や有線通信によって少なくともユーザー端末10又は割当装置20と通信可能に構成されてもよい。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0016】
ユーザー端末10は、ユーザーによって操作され、回収対象の物品に関する情報の入力を受け付ける。ユーザー端末10は、ユーザーによって操作され、家屋を撮像して画像を生成してもよい。ユーザー端末10は、これらの情報を割当装置20に送信することで、回収対象の物品を回収することを要求する。割当装置20は、各ユーザー端末10から送信された情報を受信し記録する。割当装置20は、受信された情報に基づいて、回収が要求されている物品の量と、各物品の現在位置とを判定する。割当装置20は、回収に利用可能なリソース(以下「回収リソース」という。)を、各位置に割り当てる。割当装置20は、割り当て結果を、回収管理装置40に送信する。
【0017】
回収管理装置40は、回収リソースを管理する人や組織によって運用される装置である。本実施形態では、回収リソースの具体例として、回収に利用可能な自動車(以下「回収車両」という。)と、回収作業を行うことが可能な人物(以下「作業者」という。)と、を用いる。ただし、回収リソースはこのような車両及び人物に限定される必要は無い。例えば、回収リソースとして、重機、ロボット、ドローン、等が用いられてもよい。回収リソースに利用可能なロボットの具体例として、AMR)Autonomous Mobile Robot)等がある。回収管理装置40は、割当装置20から割り当て結果を受信すると、自装置の管轄にある回収リソースに回収対象の物品に関する情報(位置を含む)を通知する。例えば、回収車両に対応付けられた端末装置である回収端末装置50や、作業者に対応付けられた端末装置である作業者端末装置60等の装置に、回収対象の物品に関する情報を送信する。回収車両の運転者や作業者は、回収端末装置50や作業者端末装置60に表示された情報に基づいて、各物品の回収を行う。
【0018】
[ユーザー端末]
次に、ユーザー端末10について詳細に説明する。
図2は、ユーザー端末10の機能構成を示す概略ブロック図である。ユーザー端末10は、通信可能な情報処理装置を用いて構成される。ユーザー端末10は、例えばスマートフォン、携帯電話機、ゲーム端末、ウェアラブルコンピューター(例えばスマートウォッチ)等の装置を用いて構成される。ユーザー端末10は、通信部11、入力部12、出力部13、位置取得部14、撮像部15、記憶部16及び制御部17を備える。
【0019】
通信部11は、通信装置を用いて構成される。通信部11は、ネットワーク90を介して他の通信装置や情報処理装置と通信する。通信部11は、例えば割当装置20との間でデータを送受信する。
【0020】
入力部12は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部12は、ユーザーの指示をユーザー端末10に入力する際にユーザーによって操作される。入力部12は、入力装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部12は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号をユーザー端末10に入力する。
【0021】
出力部13は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等の画像表示装置であってもよい。また、出力部13はスピーカーを用いて構成されてもよい。出力部13は、ユーザーに対して情報を出力する。
【0022】
位置取得部14は、ユーザー端末10の現在の位置を示す位置情報を取得する。位置取得部14は、例えばGPS(Global Positioning System)装置を用いて構成されてもよい。位置取得部14は、例えば移動体通信の複数の基地局から受信される信号の受信強度等に基づいて位置情報を取得するように構成されてもよい。この場合、位置取得部14の機能の一部は制御部17に実装されてもよい。
【0023】
撮像部15は、カメラを用いて構成される。撮像部15は、カメラそのものとして構成されてもよいし、外部機器としてカメラをユーザー端末10に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。カメラは、ユーザーの操作に応じて所定の空間を撮像する。例えば火災や地震等の災害にあった建造物を撮影するために使用される。撮像される領域は、建造物の外側であってもよいし、建造物の内側であってもよい。建造物の外側及び内側の両方であってもよい。カメラによる撮像は、可視光を受光することで画像形成する処理として実現される。撮像部15によって撮像された画像のデータは、記憶部16に記録される。
【0024】
記憶部16は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部16は、制御部17の処理に必要となる情報を記憶する。
【0025】
制御部17は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部17は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、回収要求制御部171として機能する。なお、制御部17の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0026】
回収要求制御部171は、ユーザー端末10を操作するユーザーが回収されることを希望する物品(以下「回収対象物品」という。)の回収を要求することを示す情報(以下「回収要求情報」という。)を生成し、割当装置20に送信する。回収要求情報は、例えば回収対象物品を示す情報と、物品の位置を示す情報と、を含む。物品の位置を示す情報は、例えばユーザーが入力部12を操作することによって入力された住所や所在地を示す情報であってもよいし、ユーザー端末10の位置取得部14によって取得された位置情報であってもよい。位置取得部14によって取得された位置情報が使用される場合には、例えば回収要求制御部171が回収要求情報を生成する時点や、その時点から時間的に近い時点(例えば数秒以内、数分以内など)において取得された位置情報が使用されることが望ましい。
【0027】
回収要求情報は、さらに画像データを含んでもよい。この画像データは、例えば回収対象物品の所有者(例えばユーザー)が所有又は居住している家屋や建造物が撮像された画像である。この画像データは、例えば火災や地震等の災害にあった家屋や建造物の画像であり、上述した災害が発生した後に撮像された画像であることが好ましい。ただし被災の実情を考慮し、被災者が避難所生活していて所有又は居住している家屋や建造物の画像の撮像が困難な場合は、画像データを用いずに処理が進められても良い。回収要求制御部171は、生成された回収要求情報を割当装置20へ送信する。
【0028】
図3は、ユーザー端末10の操作画面の一具体例を示す図である。
図3に示される具体例では、入力部12及び出力部13は一体型のタッチパネルとして構成されている。出力部13には、回収対象の物品に関する情報の入力画面が表示されている。このような入力画面は、制御部17(回収要求制御部171)の制御に応じて出力部13に表示される。
図3に示される表示の具体例についてより詳細に説明する。回収対象の候補毎に、チェックボックスと、物品名と、個数と、を示す画像が出力部13に表示されている。チェックボックスには、選択されている状態(例えばチェックを示す画像が表示されている状態)と、選択されていない状態(例えば空欄の状態)とがある。物品名には、家具などの名称(例えば“たんす”、“ベッド”、“本棚”、“いす”など)が示される。個数を示す欄には、回収を希望する物品の個数を示す数値がユーザーによって入力される。
【0029】
図3の状態では、ユーザーはたんす1棹、ベッド3床、いす4脚が選択されている。物品名としては、
図3に表示されているものに限定される必要は無く、他の物品が示されてもよい。また、物品名として必ずしも完成品の名称が示される必要は無く、例えば“木材(大)”、“木材(中)”のように部品名が示されてもよいし、大きさを示す情報が含まれてもよい。物品名として、可燃物、不燃物、粗大ごみのような種別を示す情報が含まれてもよい。
【0030】
[割当装置]
次に、割当装置20について詳細に説明する。
図4は、割当装置20の機能構成を示す概略ブロック図である。割当装置20は、通信可能な情報処理装置を用いて構成される。割当装置20は、例えばパーソナルコンピューター、サーバー装置、クラウドシステム等の装置やシステムを用いて構成される。割当装置20は、通信部21、憶部22及び制御部23を備える。
【0031】
通信部21は、通信装置を用いて構成される。通信部21は、ネットワーク90を介して他の通信装置や情報処理装置と通信する。通信部21は、例えばユーザー端末10や回収管理装置40との間でデータを送受信する。通信部21は、さらに他の装置(例えば回収端末装置50や作業者端末装置60)との間でデータを送受信してもよい。
【0032】
記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部22は、制御部23の処理に必要となる情報を記憶する。
【0033】
制御部23は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部23は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、回収要求情報取得部231、回収判定部232、回収リソース割当部233及び回収補助情報提供部234として機能する。なお、制御部23の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0034】
回収要求情報取得部231は、ユーザー端末10から送信される回収要求情報を受信することによって取得する。回収要求情報取得部231は、取得された回収要求情報を回収要求情報記憶部221に記録する。
【0035】
回収判定部232は、回収要求情報に基づいて、その回収要求情報に含まれる物品が回収対象になるか否か判定する。判定の条件は、どのように設定されてもよい。例えば、回収要求情報に含まれる位置情報が示す位置が、所定の領域内であることが条件であってもよい。所定の領域は、例えば回収支援システム100における回収サービスの提供がなされる領域として定められてもよい。所定の領域は、例えば回収支援システム100における回収サービスをユーザー(住民)に提供している自治体の領域として定められてもよい。
【0036】
例えば、回収要求情報に含まれる画像データに写っている家屋や建造物が所定の条件を満たすことであってもよい。所定の条件は、例えば家屋や建造物の壊れた程度を示す条件であってもよい。より具体的には、所定の条件とは、例えば災害によって半壊又は全壊として判断されることであってもよい。このような所定の条件は、回収要求情報に含まれている画像データに加えてさらに、ドローン30によって撮像された画像データを用いて判定されてもよい。例えば、回収要求情報に含まれた画像データと、ドローン30によって撮像された画像データの両方を用いて上記の所定の条件が満たされるか否か判定されてもよい。このとき、回収要求情報に含まれた画像データに写っている建造物と、ドローン30によって撮像された画像データに写っている建造物と、が同一の建造物であるか否かについても判定され、同一であることも所定の条件に含まれてもよい。
【0037】
このようにドローン30によって撮像された画像データが判定に使用される場合には、回収判定部232は、回収要求情報に含まれる位置情報が示す位置で建造物を撮像するようにドローン30又はドローン30の操縦者に指示をしてもよい。ドローン30は、この指示にしたがって自動的にその位置へ飛行し撮像を行っても良いし、手動で操作されることによってその位置へ飛行し撮像を行っても良いし、半自動で飛行及び撮像が行われても良い。この場合、ドローン30への指示の送信と、ドローン30によって撮像された画像データの受信とは、通信部21を介して行われても良いし、近距離無線を行う不図示の通信部を介して行われても良い。
【0038】
回収リソース割当部233は、各回収要求情報に示される回収対象物品の回収作業に対し、回収リソースを割り当てる。このとき、回収リソース割当部232は、例えば回収リソース情報記憶部222、地図情報記憶部224に記憶される情報を用いてもよい。回収リソース割当部233は、回収リソースの割り当て結果を示す情報(以下「割当情報」という。)を生成し、割当情報を回収管理装置40へ送信する。
【0039】
回収補助情報提供部234は、回収作業に関連する補助的な情報(以下「回収補助情報」という。)を回収管理装置40に送信する。回収補助情報は、例えば回収先周辺の地図を示す情報、回収先周辺の廃棄場の位置を示す情報、各廃棄場における廃棄状況(今後さらに廃棄可能な容量)を示す情報などを含む。この場合、回収補助情報提供部234は、地図情報記憶部224及び処理場情報記憶部225に記憶される情報を用いて処理を行ってもよい。回収補助情報は、回収先の位置から最寄りの廃棄場の位置を示す情報を含んでもよい。回収補助情報は、最寄りの廃棄場における廃棄空き容量(今後さらに廃棄可能な容量)について、さらなる廃棄は困難であることを示す所定の条件が満たされた場合には、最寄りではなく他の廃棄場(例えば他の自治体の廃棄場)の位置を示す情報を含んでもよい。
【0040】
[その他の装置]
ドローン30は、飛行可能な装置である。ドローン30は、撮像装置を備える。ドローン30は、割当装置20から指示された位置へ飛行し、建造物を撮像して画像データを生成する。ドローン30は、生成された画像データを割当装置20に渡す。ドローン30は、人によって操縦されることで上述した処理を行っても良いし、自動で上述した処理を行っても良い。
【0041】
回収管理装置40は、例えばパーソナルコンピューター、サーバー装置、クラウドシステム等の装置やシステムを用いて構成される。回収管理装置40は、割当装置20によって判定された内容に基づいて、実際に各車両やその運転手や回収作業を行う者などに対して指示を行う者によって操作されることが望ましい。このような者が複数存在する場合には、その数に応じて回収管理装置40が設けられてもよい。例えば、このような回収を行うことが可能な企業が複数存在している場合には、各企業に少なくとも1台の回収管理装置40が設けられてもよい。また、回収管理装置40は、割当装置20によって判定された内容に基づいて、実際に各車両やその運転手や回収作業を行う者などが有している端末装置(回収端末装置50や作業者端末装置60)に対して指示を送信する装置として構成されてもよい。
【0042】
回収端末装置50は、回収車両を操作(運転)する者によって操作される端末装置である。回収端末装置50は、カーナビゲーション装置として構成されてもよいし、回収車両を操作する者が所持する携帯端末装置として構成されてもよい。回収端末装置50は、回収先を示す位置や回収対象物品を示す情報を表示する。回収端末装置50は、回収された物品を廃棄する場所(処理場)の位置を表示してもよい。
【0043】
作業者端末装置60は、回収作業を行う者によって操作される携帯端末装置である。回収車両を操作する者と回収作業を行う者とが同一人物である場合には、回収端末装置50又は作業者端末装置60のいずれか一方のみが用いられてもよい。作業者端末装置60は、回収先を示す位置や回収対象物品を示す情報を表示する。作業者端末装置60は、回収された物品を廃棄する場所(処理場)の位置を表示してもよい。
【0044】
[処理の流れ]
図5は、回収支援システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。災害が生じた後、廃棄物(回収対象物品)の回収を希望するユーザーは、ユーザー端末10を操作することによって、家屋や建造物の画像を撮像する(ステップS101)。この撮像により、撮像部15は家屋や建造物の画像データを生成する。回収要求制御部171は、生成された画像データを取得する。
【0045】
次に、ユーザーは、ユーザー端末10を操作することによって、物品の入力画面を開く操作を行う。この操作はどのように実装されてもよい。例えば、ブラウザを用いて所定のアドレス(URL)にアクセスすることで入力画面が出力部13(ディスプレイ)に表示されてもよいし、所定のアプリケーションを起動させて所定の操作を行うことによって入力画面が出力部13に表示されてもよい。ユーザーは、入力画面において回収対象物品を選択し、個数を入力する(ステップS102)。回収要求制御部171は、入力された情報を示すデータを取得する。
【0046】
次に、位置取得部14は、その時点におけるユーザー端末10の位置情報を取得する。位置取得部14は、取得された位置情報を回収要求制御部171に渡す。回収要求制御部171は、ステップS101で得られた画像データと、ステップS102で得られた回収対象物品に関する情報と、ステップS103で得られた位置情報と、を含む回収要求情報を生成する(ステップS104)。回収要求制御部171は、生成された回収要求情報を割当装置20に送信する(ステップS105)。
【0047】
割当装置20の回収要求情報取得部231は、ユーザー端末10から送信された回収要求情報を受信する。回収要求情報取得部231は、受信された回収要求情報を回収要求情報記憶部221に記録する(ステップS106)。回収判定部232は、ドローン30に対し、受信された回収要求情報に含まれる位置を撮像するように指示する(ステップS107)。
【0048】
ドローン30は、割当装置20の指示に応じて、回収要求情報の位置情報が示す位置へ飛行して移動する(ステップS108)。ドローン30は、位置情報が示す位置へ到達すると、建造物を撮像する(ステップS109)。ドローン30は、割当装置20に対して画像データを送信可能な状態になると、割当装置20に画像データを送信する(ステップS110)。送信可能な状態とは、例えばネットワーク90を介して送信可能であれば、ネットワーク90に接続可能な状態であり、例えば近距離無線通信を介して送信可能であれば、割当装置20と近距離無線通信が可能な位置まで移動した状態である。
【0049】
割当装置20の回収判定部232は、ドローン30によって撮像された画像データを受信すると、受信された画像データを回収要求情報記憶部221に記録する。このとき、回収判定部232は、ドローン30によって撮像が行われた位置を示す位置情報を含んだ回収要求情報と対応付けて記録してもよい。
【0050】
図6は、回収支援システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。割当装置20の回収判定部232は、所定のタイミングで、判定対象の回収要求情報に関して回収対象になり得るか否か判定する。所定のタイミングとは、例えば新たな回収要求情報が受信されたタイミングであってもよいし、所定の周期(例えば、5分、30分、1時間、1日など)が到来したタイミングであってもよい。
【0051】
まず、回収判定部232は、回収要求情報記憶部221から、判定対象の回収要求情報を読み出す(ステップS201)。判定対象は、例えばその時点で判定が行われていない回収要求情報全てであってもよい。この場合、記録されたタイミングが古いものから順に判定対象とされてもよい。回収判定部232は、取得された回収要求情報について、所定の判定の条件を満たすか否か判定する(ステップS202)。判定の条件の詳細については上述した通りである。回収判定部232は、判定処理の結果を回収要求情報記憶部221に記録する(ステップS203)。
【0052】
図7は、回収支援システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。割当装置20の回収リソース割当部232は、所定のタイミングで、判定対象の回収要求情報に関して回収リソースの割り当てを行う。所定のタイミングとは、例えば新たな回収要求情報が回収の条件を満たすと判定されたタイミングであってもよいし、所定の周期(例えば、5分、30分、1時間、1日など)が到来したタイミングであってもよい。ただし、ユーザー全体に平等な基準で回収リソースを割り当てることを考慮すると、短い時間間隔で割当が行われることは好ましくは無く、例えば半日や一日よりも長い間隔で行われても良い。
【0053】
まず、回収リソース割当部232は、回収要求情報記憶部221から、判定対象の回収要求情報を読み出す(ステップS301)。判定対象は、例えばその時点で判定が行われていない回収要求情報全てであってもよい。この場合、記録されたタイミングが古いものから順に判定対象とされてもよい。
【0054】
回収リソース割当部232は、各回収要求情報が示す位置へ派遣される回収リソースを、回収リソース情報記憶部222に記憶される回収リソースの情報に基づいて判定する(ステップS302)。回収リソース割当部232は、例えば、回収対象となる地域を複数の所定の領域に分け、各領域において回収対象となっている物品の大きさや量に基づいて各領域における回収スコアを算出し、回収スコアに基づいて回収リソースを割り当てても良い。この場合、物品毎に、大きさや量に応じた回収スコアが予め定められていてもよい。なお、割当処理の具体的な内容は、上述したものに限定される必要は無く、どのような処理によって割当が行われても良い。回収リソース割当部232は、割当の結果を示す情報(割当情報)を、割当情報記憶部223に記録する(ステップS303)。回収リソース割当部232は、割当情報を、回収管理装置40へ送信する(ステップS304)。このとき、回収リソース割当部232は、各回収管理装置40が管轄する回収リソースに関する情報のみを、それぞれの回収管理装置40へ送信してもよい。
【0055】
回収管理装置40は、割当情報を受信すると、受信された割当情報をディスプレイに表示する(ステップS305)。このように表示された割当情報に基づいて、回収管理装置40の管理者や操作者が、管理下にある回収車両や作業者をより具体的に各回収作業に対して割り当てる。このような割当処理は、回収管理装置40によって行われても良い。また、割当装置20から送信される割当情報が、既にこのような具体的な割当処理まで行われた結果を含んでいてもよい。その場合は、単に割当情報が表示されるだけでもよい。また、割当装置20から送信される割当情報が具体的な割当処理の結果を含んでいる場合には、そもそも回収管理装置40ではなく、回収端末装置50や作業者端末装置60に割当情報が送信されてもよい。その場合は、回収リソース情報記憶部222に、回収端末装置50や作業者端末装置60の送信先となるアドレス情報が記録されていてもよい。
【0056】
図8は、回収支援システム100の関係者の具体例を示す図である。例えば、自治体91、住民92、保険会社93及びサービス提供会社94によって回収支援システム100が構築されてもよい。この場合、自治体91は、保険会社93と保険契約を行うことによって、その自治体に属する住民92に対して、回収支援システム100による廃棄物の回収サービスを提供する。保険会社93は、自治体91との間で保険契約を締結する。この保険契約は、例えば自治体は保険会社93に対して保険料を支払い、保険会社93はサービス提供会社94を介して廃棄物の回収サービスをその自治体91の住民92に対して提供するための契約である。
【0057】
保険会社93は、回収サービスを実現させるために、サービス提供会社94と業務委託契約を締結する。この業務委託契約において、保険会社93はサービス提供会社94に対し業務委託費用を支払い、サービス提供会社94は住民92に対して回収支援システム100を用いて回収サービスを提供する。
図8に示される例では、住民92は廃棄物の回収を依頼する際にサービス提供会社94に対して一切の費用を支払う必要が無い。費用は、自治体92から保険会社93に支払われ、保険会社93からサービス提供会社94に費用が支払われているためである。
【0058】
ユーザー端末10は、住民92によって所持される携帯端末装置である。例えば、各住民92が自身の携帯端末装置に所定のアプリケーションをインストールすることによって、その携帯端末装置をユーザー端末10として使用しても良い。割当装置20は、保険会社93によって運用されてもよいし、サービス提供会社94によって運用されてもよい。回収管理装置40は、サービス提供会社94や、サービス提供会社94とさらに契約を締結して実際に回収車両や作業車を現地へ派遣する企業によって運用されてもよい。
図8において、サービス提供会社94は複数存在してもよい。
【0059】
このように構成された回収支援システム100では、より効率的に廃棄物を回収することが可能となる。具体的には以下の通りである。被災したユーザーは、回収対象物品を回収依頼する際に、ユーザー端末10を操作して容易に入力することができる。そのため、回収対象物品の回収依頼において、ユーザーがしなければならない作業を軽減することができる。また、ユーザー端末10によって送信される情報にそのユーザーの位置が含まれているため、ユーザーは回収依頼においてその位置を説明する必要が無い。特に被災した状態では、場合によっては通常時には存在する道路等の目印が失われている可能性があり、単に住所を伝えるだけでは正しく伝えることができない場合がある。このような場合であっても、位置情報として緯度及び経度などが通知されれば、回収車両や作業車にとっても、回収対象となる位置をより正確に把握することが可能となる。
【0060】
(変形例)
割当装置20と回収管理装置40とは一体に構成されてもよい。回収端末装置50及び作業者端末装置60のいずれか一方又は双方は、回収支援システム100に用いられなくてもよい。
【0061】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0062】
100…回収支援システム100, 10…ユーザー端末, 20…割当装置, 30…ドローン, 40…回収管理装置, 50…回収端末装置, 60…作業者端末装置, 11…通信部, 12…入力部, 13…出力部, 14…位置取得部, 15…撮像部, 16…記憶部, 17…制御部, 171…回収要求制御部, 21…通信部, 22…記憶部, 221…回収要求情報記憶部, 222…回収リソース情報記憶部, 223…割当情報記憶部, 224…地図情報記憶部, 225…処理場情報記憶部, 23…制御部, 231…回収要求情報取得部, 232…回収リソース割当部, 233…回収補助情報提供部
【手続補正書】
【提出日】2023-05-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末から、被災に応じて回収の対象となった物品に関する情報と、その物品の位置情報と、を含む回収要求情報を取得する回収要求情報取得部と、
前記回収要求情報に含まれる情報と、回収に利用可能なリソースを示す情報である回収リソース情報と、に基づいて、前記回収要求情報で要求された回収作業に前記リソースを割り当てる回収リソース割当部と、
前記回収要求情報に含まれる情報が示す物品が回収対象になるか否か判定する回収判定部と、
を備え、
前記回収要求情報は、被災した家屋又は建造物を撮像することによって得られた画像データをさらに含み、
前記回収判定部は、前記回収要求情報に含まれる前記画像データに写っている家屋又は建造物が所定の条件を満たすことを、前記物品が回収対象になると判断する条件の一つにし、
前記回収判定部は、前記家屋又は建造物の壊れた程度を示す条件を前記所定の条件の一つとして用いる割当装置。
【請求項2】
前記回収リソース割当部は、前記リソースを管理する者によって運用される装置である回収管理装置に対し、前記リソースの割り当ての結果を送信する、請求項1に記載の割当装置。
【請求項3】
前記回収判定部は、前記回収要求情報に含まれる前記画像データと、ドローンによって撮影された前記家屋又は建造物の画像データと、の両方を用いて、前記所定の条件を満たすか否か判定する、請求項1に記載の割当装置。
【請求項4】
前記回収判定部は、前記回収要求情報に含まれる前記画像データに写っている家屋又は建造物と、前記ドローンによって撮影された前記画像データに写っている家屋又は建造物と、が同一の家屋又は建造物であるか否かについてさらに判定し、同一の家屋又は建造物であることも前記所定の条件に含まれる、請求項3に記載の割当装置。
【請求項5】
コンピューターが、ユーザー端末から、回収対象の物品に関する情報と、その物品の位置情報と、を含む回収要求情報を取得する回収要求情報取得ステップと、
コンピューターが、前記回収要求情報に含まれる情報と、回収に利用可能なリソースを示す情報である回収リソース情報と、に基づいて、前記回収要求情報で要求された回収作業に前記リソースを割り当てる回収リソース割当ステップと、
コンピューターが、前記回収要求情報に含まれる情報が示す物品が回収対象になるか否か判定する回収判定ステップと、
を有し、
前記回収要求情報は、被災した家屋又は建造物を撮像することによって得られた画像データをさらに含み、
前記回収判定ステップにおいて、前記回収要求情報に含まれる前記画像データに写っている家屋又は建造物が所定の条件を満たすことを、前記物品が回収対象になると判断する条件の一つにし、
前記回収判定ステップにおいて、前記家屋又は建造物の壊れた程度を示す条件を前記所定の条件の一つとして用いる割当方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の割当装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。