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  • 特開-二酸化炭素を炭素に固定する製法 図1
  • 特開-二酸化炭素を炭素に固定する製法 図2
  • 特開-二酸化炭素を炭素に固定する製法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118022
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】二酸化炭素を炭素に固定する製法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/05 20170101AFI20230817BHJP
   C01B 32/26 20170101ALI20230817BHJP
   G21B 3/00 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
C01B32/05
C01B32/26
G21B3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022032166
(22)【出願日】2022-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】504211142
【氏名又は名称】森重 晴雄
(71)【出願人】
【識別番号】520086209
【氏名又は名称】森重 茂美
(71)【出願人】
【識別番号】520086210
【氏名又は名称】北村 康文
(71)【出願人】
【識別番号】520086221
【氏名又は名称】千代谷 晴菜
(71)【出願人】
【識別番号】515186770
【氏名又は名称】森重 晴貴
(71)【出願人】
【識別番号】520086232
【氏名又は名称】梅津 晴賀
(71)【出願人】
【識別番号】520086243
【氏名又は名称】小牧 晴絵
(71)【出願人】
【識別番号】520086254
【氏名又は名称】森重 はるみ
(72)【発明者】
【氏名】森重 晴雄
【テーマコード(参考)】
4G146
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AA04
4G146AB01
4G146AB07
4G146AD40
4G146BA01
4G146BA09
4G146BC10
4G146BC43
4G146CA02
4G146DA02
4G146DA03
4G146DA07
4G146DA23
4G146DA25
4G146DA38
4G146DA44
4G146DA45
4G146DA46
(57)【要約】      (修正有)
【課題】気体の二酸化炭素を固体の炭素に固定する製法を提供する。また、生成した酸化マグネシウムを安価に還元する方法を提供する。
【解決手段】本発明はマグネシウムの酸化還元を繰り返しながら二酸化炭素を炭素に変化させるものである。まず圧力容器内で二酸化炭素とマグネシウムを燃焼させ、酸化マグネシウムと炭素が生成する。炭素は粉塵となり圧力容器頂部の排気管から排出させる。続いて酸化マグネシウムの還元を行う。圧力容器上部の配管からマグネシウム顆粒多数を圧送し、マグネシウム顆粒と酸素が結合し爆発することで熱が発生し、圧力容器ですでに沸騰点に達していた酸化マグネシウムを加熱し、沸騰させさらにプラズマ化して、酸素とマグネシウム蒸気に分離され還元される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルゴンが内部を冷却している圧力容器に上部の注入配管を通じて二酸化炭素が、表面を酸化マグネシウムで被覆したマグネシウム顆粒を圧送し顆粒が圧力容器底部に衝突すると摩擦で被膜した酸化マグネシウムが剥離、着火し周囲の二酸化炭素と燃焼し固体の炭素と高温で液体の酸化マグネシウム層を圧力容器底に生成させ、上部の排気管からアルゴンと炭素を排出し、引き続き注入菅からアルゴンがマグネシウム顆粒を圧送しながら、初期の点火の時だけ酸素を添加し、高温液体の酸化マグネシウム層に打ち込み、マグネシウム顆粒内部のマグネシウムを蒸発させ、顆粒表面の酸化マグネシウムを破裂させ、酸素とマグネシウムが瞬間的に同時多数、燃焼させ、酸化マグネシウム層をより高温にさせ酸素とマグネシウム蒸気に分解し酸素は後に続くマグネシウムの燃焼に消費され、余剰の酸素をアルゴンとともに圧力容器上部の排気管から排気し、マグネシウム蒸気はアルゴンで冷却され、圧力容器の内面に結露し、液体マグネシウムが内面に付着し内面に沿って自然流下し、圧力容器底部から液体マグネシウムを取り出しマグネシウム顆粒として再生し、マグネシウムの酸化と還元を繰り返しながら気体の二酸化炭素を直接、固体の炭素に化学変化する方法。
【請求項2】
圧力容器から放出された炭素やアルゴン、あるいは酸素はピストン型エンジンを回し、発電し熱エネルギーを回収する。
【請求項3】
圧力容器底に溜まった酸化マグネシウム層に酸化マグネシウムで被膜したマグネシウム顆粒を撃ち込み、顆粒内のマグネシウムを蒸発させ、その蒸気圧で酸化マグネシウムの表面を爆裂させ、酸化マグネシウム層の表面にマグネシウムを浮かせ表面の酸素と反応させ、マグネシウムを爆発させ、爆発熱が酸化マグネシウム層を介して圧力容器内面に伝わるようにし圧力容器が溶融しないように、直接高温に曝されてないようにする。
【請求項4】
圧力容器に多数の貫通孔を開け、アルゴンを外部から注入し、圧力容器が溶融しないように圧力容器内面を冷却し、容器内で加熱されたアルゴンを圧力容器上部の排気管から回収しピストンエンジンを回し発電させる。
【請求項5】
アルゴンが内部を冷却している圧力容器に上部の注入配管を通じて二酸化炭素が、表面を酸化マグネシウムで被覆したマグネシウム顆粒を圧送し顆粒が圧力容器底部に衝突すると摩擦熱で被膜した酸化マグネシウムが剥離し、点火し周囲の二酸化炭素と燃焼し固体の炭素と高温で液体の酸化マグネシウム層を圧力容器底に生成させ、上部の排気管からアルゴンと炭素を排出し、引き続き注入配管を通じて圧縮酸素が重水素マグネシウムを核とし、表面に酸化マグネシウムを持つマグネシウム球を圧送し、マグネシウム球を高速で回転させながら、圧力容器内に残る高温液体の酸化マグネシウム層に打ち込み、その熱でマグネシウム球内部のマグネシウム及び重水素マグネシウムを蒸発させマグネシウム球の中核に重水素を集中させ、表面の酸化マグネシウムとの間にマグネシウム蒸気を充満させ、さらに高温となりマグネシウムの蒸気が酸化マグネシウムの被膜を破り、マグネシウム蒸気を周囲の酸素と結合させ爆発させ、その衝撃で球中心部の重水素に超々高圧をかけ重水素原子2個を核融合させヘリウムとし、その核融合の熱エネルギーで周囲の酸化マグネシウム層を蒸発、プラズマ化させマグネシウム蒸気と酸素に分離され上部の排気管を通して球形タンク外のチャンバー内に酸素とマグネシウム蒸気と微量のヘリウムを移動させマグネシウム蒸気と酸素と微量のヘリウムをアルゴンで急冷し気体のアルゴンと酸素またヘリウムと液体のマグネシウムに分離しチャンバーからアルゴンと酸素とヘリウムを排気させガスタービンを回し、電力を得るとともにマグネシウムを還元再生する核融合発電システム。
【請求項6】
アルゴンが内部を冷却している圧力容器に上部の注入菅からマグネシウム顆粒と二酸化炭素を注入し燃焼させカーボンを生成し、プラズマ化したアルゴンをカーボンとともに上部の出口菅からチャンバーに排出し、陰極に荷電した対象物にイオン化したアルゴンがカーボン粒子をスパッタリングしダイヤモンド層を生成させダイヤモンドウエハー、ダイヤモンド工具、ダイヤモンド補強ピストン、ダイヤモンド補強シリンダー、ダイヤモンド補強ブレード、ダイヤモンド補強材を得る方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体の二酸化炭素を固体の炭素に固定する製法である。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化対策のために各国が2050年までカーボンニュートラルにしようとしている。二酸化炭素の回収・固定が求められている。
【先行技術文献】
【0003】
マグネシウムに二酸化炭素を注入すると燃焼し炭素と酸化マグネシウムが生成されることは広く知られている。
【特許文献】
【0004】
マグネシウムと二酸化炭素を反応させ炭素に商業的に固定するためには酸化マグネシウムをマグネシウムに安価に還元する必要である。
酸化マグネシウムが還元剤を使わず、マグネシウムに還元された実績はレーザー法だけである。
レーザーによって酸化マグネシウムを4,000°K以上に熱し、酸化マグネシウムをプラズマにし酸素とマグネシウムに分離する方法である。電力による半導体レーザーも可能であるが非常に高価であるので、レーザーは太陽光を集積したレーザーを使うことが検討されている。石炭火力発電所から排出される二酸化炭素を炭素に固定するには発電される電力以上に還元のためにエネルギーが必要であり、レーザー還元はエネルギー収支上、実用化できない。
【発明の概要】
【0005】
本発明はマグネシウムの酸化還元を繰り返しながら二酸化炭素を炭素に変化させるものである。酸化マグネシウムを4,000°K以上に加熱すれば、酸化マグネシウムがプラズマとなり酸素とマグネシウム蒸気に分離できることがレーザーによって確認されている。
本発明はこの現象を応用する。まず圧力容器内で二酸化炭素とマグネシウムを燃焼させ反応熱404.5KJ/molが発生させ酸化マグネシウムと炭素を生成する。ともに固体である。酸化マグネシウムは圧力容器底に酸化マグネシウム層を形成する。炭素は粉塵となり圧力容器頂部の排気管から排出させる。酸化マグネシウム層は融点3,125°Kを超え、さらに昇温し3,873°Kの蒸発点に留まるが蒸発しない。プラズマとなる4,000°Kまで177°K不足している。この不足分を補うために燃焼カロリーが高い酸素とマグネシウムの反応601.5KJ/molを取り入れる。酸化マグネシウムを被覆しているマグネシウム顆粒をアルゴンで圧送し、点火の時だけ酸素を注入し、圧力容器底で蒸発点に達して煮えたぎる酸化マグネシウム層に打ち込み、顆粒内部のマグネシウムを蒸発させ、表面の酸化マグネシウムを破り、周囲に飛散させ、送り込んだ酸素と結合させ爆発させ、瞬間的に温度を高め、周囲の酸化マグネシウム層をプラズマにしマグネシウム蒸気と酸素に分解させ、酸素は後に続くマグネシウムと燃焼させ、余剰の酸素はアルゴンとともに圧力容器から排出させ、マグネシウム蒸気は800℃のアルゴンによって冷却され、圧力容器内面に液体マグネシウムとして付着する。液体マグネシウムを圧力容器内で自然流下させ、圧力容器下部から取り出し、燃焼のために繰り返し使用する。圧力容器から放出された気体はピストン型エンジンを回し発電する。圧力容器内面は溶融させないために800℃のアルゴンを循環させる。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
二酸化炭素を固体の炭素に固定すること。
【0007】
酸化マグネシウムをマグネシウムに安価に還元すること。
【0008】
二酸化炭素を炭素に固定する過程で生じる熱を発電に回収する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
マグネシウムと酸素を燃焼させ、プラズマとなる4,000°Kまで昇温させる。
【発明の効果】
【0010】
二酸化炭素を固体の炭素に固定すること。
【0011】
酸化マグネシウムをマグネシウムに安価に還元すること。
【0012】
二酸化炭素を炭素に固定する過程で生じる熱を発電に回収すること。
【0013】
この還元法をほかの酸化金属の還元に応用できること。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1はマグネシウムと二酸化炭素が反応し酸化マグネシウムと炭素になるマグネシウムの酸化を示している。まず圧力容器1内面は溶融を避けるためにアルゴン冷却管12のアルゴンバルブ16を開放し800℃程度のアルゴン8を注入する。圧力容器1にマグネシウム投入バルブ14を開けマグネシウム投入配管10から二酸化炭素3が酸化マグネシウムで被膜したマグネシウム顆粒4多数を圧送し圧力容器1の底面に衝突すると摩擦で酸化被膜が剥がされ着火し、二酸化炭素3とマグネシウム顆粒4が反応し、圧力容器底に酸化マグネシウム層5と炭素6が生成される。404.5KJ/molの熱が発生する。マグネシウム投入バルブ14一旦閉じ、沈静後、排気バルブ15を開け排気管11から炭素6とアルゴン8はピストン型エンジン2に輸送されエンジンを駆動し発電する。熱量不足のため、酸化マグネシウム5の温度は沸騰点3,873°Kに達するが沸騰することができない。
図2図2は図-1に続いて酸化マグネシウムの還元を示している。この動作は圧力容器1ですでに沸騰点に達していた酸化マグネシウム層5の表面でマグネシウム顆粒4と酸素7を燃焼させることで、酸化マグネシウム層5を加熱し、沸騰させさらにプラズマ化する目的を持つ。マグネシウム投入配管14から酸化マグネシウムで被膜したマグネシウム顆粒4多数を圧送し酸化マグネシウム層5に撃ち込むと、マグネシウム顆粒4は酸化マグネシウム層5に没し内部のマグネシウムが蒸発し殻の酸化マグネシウムを突き破り、酸化マグネシウム(比重3.58)より軽いマグネシウム(比重1.74)が酸化マグネシウム層5から浮上し表面近くの酸素と結合し爆発する。酸化マグネシウム層5が追加し生成される。601.7KJ/molの熱が発生する。この熱により酸化マグネシウム層は気化し4000°Kを超えさらにプラズマが進み、酸素7とマグネシウム蒸気18に分離され還元される。4000°Kを超えるマグネシウム蒸気18は800℃のアルゴンに冷やされ圧力容器1の内面に液体マグネシウム9を結露する。液体マグネシウム9は圧力容器1の内面を伝わり、圧力容器1底に移動し、液体マグネシウム回収菅13を通じて液体マグネシウム9が回収される。液体マグネシウム回収菅13の上部は800℃のアルゴンが曝されているので圧力容器内の物質では液体マグネシウムだけが通過できる。他の酸素7、二酸化炭素3の気体は圧力容器上部に追いやられ、炭素6は粉塵として浮遊し排気管11からいずれもアルゴン8ともに排気される。
図3図3は酸化マグネシウムが還元し酸素とマグネシウム蒸気に分解される様子を示している。マグネシウム顆粒4は表面が酸化マグネシウム被膜19され、中身はマグネシウム20である。21はアルゴンで圧送投入されたマグネシウム球、22は酸化マグネシウム層に近づくマグネシウム球、23は酸化マグネシウム層に没するマグネシウム球、24はマグネシウム球内のマグネシウムが蒸発、25は酸化マグネシウムの被膜を破るマグネシウム蒸気、26はマグネシウム蒸気が飛び散り酸化マグネシウム層を浮上、27はマグネシウム蒸気が酸化マグネシウム層表面の酸素と反応し爆発、28は酸素とマグネシウム層が高温となりマグネシウム蒸気と酸素に分離を示している。
【産業上の利用可能性】
【0015】
金属還元設備、溶鉱炉、二酸化炭素固定設備,石炭製造,黒鉛設備,核融合
ダイヤモンドウエハー、ダイヤモンド工具、ダイヤモンド補強材、ダイヤモンド
【符号の説明】
【0016】
1.圧力容器 11. 排気管
2.ピストン型エンジン 12. アルゴン冷却管
3.二酸化炭素 13. 液体マグネシウム回収菅
4.マグネシウム顆粒(酸化マグネ 14. マグネシウム投入バルブ
シウム被覆) 15. 排気バルブ
5.酸化マグネシウム層 16. アルゴンバルブ
6.炭素 17. 液体マグネシウム回収バルブ
7.酸素 18. マグネシウム蒸気
8.アルゴン 19. 酸化マグネシウム被膜
9.液体マグネシウム 20. マグネシウム
10. マグネシウム投入配管
21. アルゴンで圧送投入されたマグネシウム球
22. 酸化マグネシウム層に近づくマグネシウム球
23. 酸化マグネシウム層に没するマグネシウム球
24. マグネシウム球内のマグネシウムが蒸発
25. 酸化マグネシウムの被膜を破るマグネシウム蒸気
26. マグネシウム蒸気が飛び散り酸化マグネシウム層を浮上
27. マグネシウム蒸気が酸化マグネシウム層表面の酸素と反応し爆発
28. 酸素とマグネシウム層が高温となりマグネシウム蒸気と酸素に分離
図1
図2
図3