(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118046
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20230817BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156789
(22)【出願日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0018034
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジュン イル
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ビュン ウー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ド フーン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マージン部が占める比重を最小化しながらも、耐湿信頼がを向上できる積層型電子部品の提供。
【解決手段】積層型電子部品は、誘電体層111及び内部電極121、122が第1方向に交互に配置された積層部110、積層部の第1方向と垂直な第2方向両端に配置され内部電極と連結される連結電極141、142及び連結電極の第2方向端面を覆う絶縁層151、152を含み、第1方向に向かい合う第1面及び第2面、第2方向に向かい合う第3面及び第4面、第3方向に向かい合う第5面及び第6面を含む本体と、本体上に配置され連結電極と連結される外部電極とを含む。連結電極は、第2方向端面における内部電極の第2方向一端と接して配置される本体部141a、142aと、本体部から第1、第2、第5及び第6面のうち一つ以上の面と接して延長配置されるリード部141b、142bを含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び内部電極が第1方向に交互に配置された積層部、前記積層部の前記第1方向と垂直な第2方向の両端に配置され前記内部電極と連結される連結電極、及び前記連結電極の前記第2方向の端面を覆うように配置される絶縁層を含み、前記第1方向に向かい合う第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され前記第2方向に向かい合う第3面及び第4面、前記第1面から前記第4面と連結され第3方向に向かい合う第5面及び第6面を含む本体と、
前記本体上に配置され前記連結電極と連結される外部電極とを含み、
前記連結電極は、前記積層部の前記第2方向の端面における前記内部電極の前記第2方向の一端と接して配置される本体部を含み、
前記連結電極は、前記本体部から前記第1面と接して延長配置される第1リード部、前記本体部から前記第2面と接して延長配置される第2リード部、前記本体部から前記第5面と接して延長配置される第3リード部、及び前記本体部から前記第6面と接して延長配置される第4リード部のうち一つ以上を含む、
積層型電子部品。
【請求項2】
前記第1リード部及び前記第2リード部の前記第3方向の平均長さは、前記本体部の前記第3方向の平均長さより小さく、
前記第3リード部及び前記第4リード部の前記第1方向の平均長さは、前記本体部の前記第1方向の平均長さより小さい、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記第1リード部及び前記第2リード部の前記第3方向の平均長さは、前記本体の前記第3方向の平均長さより小さく、
前記第2リード部及び前記第4リード部の前記第1方向の平均長さは、前記本体の前記第1方向の平均長さより小さい、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記連結電極の前記第2方向の平均厚さは、500nm以上3000nm以下である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記連結電極は、前記第1リード部から前記第4リード部をいずれも含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記外部電極は、前記第3面上に配置され前記第1面、前記第2面、前記第5面及び前記第6面上の一部まで延長して配置される第1外部電極、及び前記第4面上に配置され前記第1面、前記第2面、前記第5面及び第6面上の一部まで延長して配置される第2外部電極を含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1リード部から前記第4リード部のうち一つは、前記第1面、前記第2面、前記第5面及び前記第6面の中から選択された一面である接続面に接して配置され、
前記外部電極は、前記接続面のみに配置され前記第1リード部から前記第4リード部のうち一つと接する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記外部電極は、前記第1面及び前記第2面のうち一面上に配置され前記連結電極と連結され、前記第3面、前記第5面、及び前記第6面上の一部まで延長して配置される第1外部電極、及び前記本体の前記第1面及び前記第2面のうち一面上に配置され前記連結電極と連結され、前記第4面、前記第5面、及び前記第6面上の一部まで延長して配置される第2外部電極を含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記外部電極は、前記第1リード部から前記第4リード部のうち一つ以上の末端を覆うめっき層である、請求項1から8のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
誘電体層及び内部電極が第1方向に交互に配置された積層部、前記積層部の前記第1方向と垂直な第2方向の両端に配置され前記内部電極と連結される連結電極、及び前記連結電極の前記第2方向の端面を覆うように配置される絶縁層を含み、前記第1方向に向かい合う第1面及び第2面、前記第1及び前記第2面と連結され前記第2方向に向かい合う第3面及び第4面、前記第1面から前記第4面と連結され第3方向に向かい合う第5面及び第6面を含む本体と、
前記本体上に配置され前記連結電極と連結される外部電極とを含み、
前記連結電極は、前記積層部の前記第2方向の端面における前記内部電極の前記第2方向の一端と接して配置され、互いに離隔して配置される複数の本体部、及び前記複数の本体部のそれぞれから前記第1面、前記第2面、前記第5面及び前記第6面のうち少なくとも一面と接して延長配置される複数のリード部を含む、
積層型電子部品。
【請求項11】
前記連結電極の前記第2方向の平均厚さは、500nm以上3000nm以下である、請求項10に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記連結電極は、前記複数の本体部を連結する連結部を含む、請求項10に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記複数の本体部は、3個以上である、請求項10に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記複数の本体部は、前記第3方向に互いに離隔して配置される、請求項10に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記複数の本体部は、前記第1方向に互いに離隔して配置される、請求項10に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記外部電極は、前記第3面上に配置され前記第1面、前記第2面、前記第5面及び前記第6面上の一部まで延長して配置される第1外部電極、及び前記第4面上に配置され前記第1面、前記第2面、前記第5面及び前記第6面上の一部まで延長して配置される第2外部電極を含む、請求項10に記載の積層型電子部品。
【請求項17】
前記リード部は、前記第1面、前記第2面、前記第5面及び前記第6面の中から選択された一面である接続面に接して配置され、
前記外部電極は、前記接続面のみに配置され前記リード部と接する、請求項10に記載の積層型電子部品。
【請求項18】
前記外部電極は、前記第1面及び前記第2面のうち一面上に配置され前記連結電極と連結され、前記第3面、第5面、及び第6面上の一部まで延長して配置される第1外部電極、及び前記本体の前記第1面及び前記第2面のうち一面上に配置され前記連結電極と連結され、前記第4面、前記第5面、及び前記第6面上の一部まで延長して配置される第2外部電極を含む、請求項10に記載の積層型電子部品。
【請求項19】
前記外部電極は、前記リード部の末端を覆うめっき層である、請求項10から18のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話など、様々な電子製品の印刷回路基板に装着され、電気を充電又は放電させる役割を果たすチップ型のコンデンサである。
【0003】
このような積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として使用されることができる。コンピュータ、モバイル機器などの各種の電子機器が小型化、高出力化されることにより、積層セラミックキャパシタへの小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
また、最近、自動車用電装部品に対する業界の関心が高まりながら、積層セラミックキャパシタも自動車或いはインフォテインメントシステムに使用されるために高信頼性特性が要求されている。
【0005】
一般的な積層セラミックキャパシタのような積層型電子部品の場合、容量実現のための容量形成部と、内部電極のそれぞれを互いに異なる極性の端子電極と連結させるために内部電極の一端にマージン部を備えている。
【0006】
上記マージン部は、容量形成に寄与しない構成であるため、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させるためにはマージン部が占める比重を減らす必要がある。
【0007】
しかし、上記マージン部が占める比重を減らす場合、外部からの水分浸透の経路も短くなり、積層型電子部品の耐湿信頼性が劣化するという問題点が発生し得る。
【0008】
したがって、上記マージン部が占める比重を最小化しながらも、耐湿信頼性を向上させることができるように積層型電子部品の内部電極と外部電極構造などにおける改善が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の様々な目的の一つは、第1内部電極及び第2内部電極を互いに絶縁させ、互いに異なる極性の端子電極に連結させるために長さマージン部を形成する場合、積層型電子部品の容量形成部が占める比重が減るという問題を解決するためである。
【0010】
本発明の様々な目的の一つは、容量形成部の比重を高めるために長さ方向マージン部の比重を減らす場合、外部からの水分浸透経路が減り、耐湿信頼性が劣化するという問題を解決するためである。
【0011】
但し、本発明の目的は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層及び内部電極が第1方向に交互に配置された積層部、上記積層部の上記第1方向と垂直な第2方向両端に配置され上記内部電極と連結される連結電極、及び上記連結電極の上記第2方向端面を覆うように配置される絶縁層を含み、上記第1方向に向かい合う第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され上記第2方向に向かい合う第3及び第4面、上記第1~第4面と連結され第3方向に向かい合う第5及び第6面を含む本体と、上記本体上に配置され上記連結電極と連結される外部電極とを含み、上記連結電極は、上記積層部の上記第2方向端面における上記内部電極の上記第2方向一端と接して配置される本体部を含み、上記連結電極は、上記本体部から上記第1面と接して延長配置される第1リード部、上記本体部から上記第2面と接して延長配置される第2リード部、上記本体部から上記第5面と接して延長配置される第3リード部、及び上記本体部から上記第6面と接して延長配置される第4リード部のうち一つ以上を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層及び内部電極が第1方向に交互に配置された積層部、上記積層部の上記第1方向と垂直な第2方向両端に配置され上記内部電極と連結される連結電極、及び上記連結電極の上記第2方向端面を覆うように配置される絶縁層を含み、上記第1方向に向かい合う第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され上記第2方向に向かい合う第3及び第4面、上記第1~第4面と連結され第3方向に向かい合う第5及び第6面を含む本体と、上記本体上に配置され上記連結電極と連結される外部電極とを含み、上記連結電極は、上記積層部の上記第2方向端面における上記内部電極の上記第2方向一端と接して配置され、互いに離隔して配置される複数の本体部、及び上記複数の本体部のそれぞれから上記第1、第2、第5及び第6面のうち少なくとも一面と接して延長配置される複数のリード部を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の様々な効果の一つは、第2方向マージン部が占める比重を最小化して積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させることである。
【0015】
本発明の様々な効果の一つは、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させるために第2方向マージン部が占める比重を最小化する場合にも水分浸透の経路を最小化して、積層型電子部品の耐湿信頼性を向上させることである。
【0016】
本発明の様々な効果の一つは、積層方向に垂直な方向に配置された連結電極を通じて内部電極と外部電極の実装自由度を向上させることである。
【0017】
但し、本発明の多様かつ有益な長所と効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る積層部を概略的に示した斜視図である。
【
図3】
図2の積層部を分解して概略的に示した分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る本体を概略的に示した分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る本体を概略的に示した斜視図である。
【
図7a】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図7b】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図7c】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図7d】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図7e】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図8a】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図8b】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図8c】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図8d】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図8e】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図9a】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図9b】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図9c】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図9d】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図9e】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図9f】
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかしながら、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0020】
そして、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は必ずしも示されたものに限定されない。なお、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素については、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0021】
図面において、第1方向は積層方向または厚さT方向、第2方向は長さL方向、第3方向は幅W方向と定義することができる。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る積層部を概略的に示した斜視図であり、
図3は、
図2の積層部を分解して概略的に示した分解斜視図であり、
図4は、本発明の一実施形態に係る本体を概略的に示した分解斜視図であり、
図5は、本発明の一実施形態に係る本体を概略的に示した斜視図であり、
図6は、
図5のI-I'に沿った断面図である。
【0023】
以下、
図1~
図8eを参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層及び内部電極が第1方向に交互に配置された積層部、上記積層部の上記第1方向と垂直な第2方向両端に配置され上記内部電極と連結される連結電極、及び上記連結電極の上記第2方向端面を覆うように配置される絶縁層を含み、上記第1方向に向かい合う第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され上記第2方向に向かい合う第3及び第4面、上記第1~第4面と連結され第3方向に向かい合う第5及び第6面を含む本体と、上記本体上に配置され上記連結電極と連結される外部電極とを含み、上記連結電極は、上記積層部の上記第2方向端面における上記内部電極の上記第2方向一端と接して配置される本体部及び上記本体部から上記第1、第2、第5及び第6面のうち少なくとも一面と接して延長配置されるリード部を含むことができる。
【0025】
一実施形態において、本体100は、積層部110、上記積層部の上記第1方向と垂直な第2方向両端に配置され上記内部電極と連結される連結電極141、142、及び上記連結電極の上記第2方向端面を覆うように配置される絶縁層151、152を含むことができる。
【0026】
本体100の具体的な形状に特に制限はないが、示されたように、本体100は六面体形状やこれと類似の形状からなることができる。焼成過程で本体100に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体100は完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0027】
本体100は、第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され第3及び第4面3、4と連結され第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面5、6を有することができる。
【0028】
一実施形態において、積層部110は、誘電体層111及び内部電極121、122を含むことができ、誘電体層111及び内部電極121、122が第1方向に交互に配置されることができる。積層部110を形成する複数の誘電体層1110は、焼成された状態であって、隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化していることができる。
【0029】
上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り、特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、又はチタン酸ストロンチウム系材料などを使用することができる。上記チタン酸バリウム系材料はBaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末としては、例えば、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)、又はBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)などが挙げられる。
【0030】
また、上記誘電体層111を形成する原料には、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーに本発明の目的に応じて多様なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0031】
内部電極121、122は、誘電体層111と交互に積層される。
【0032】
内部電極121、122は、第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、積層部110を構成する誘電体層111を挟んで互いに向かい合うように交互に配置され、第1内部電極121は、積層部110の第2方向の一端面(end surface)に露出することができ、第2内部電極122は、積層部110の第2方向の他端面(end surface)に露出することができる。
【0033】
図6を参照すると、第1内部電極121は、積層部110の第2方向の他端面(end surface)と一定距離離隔して配置されることができ、第2内部電極122は、積層部110の第2方向の一端面(end surface)と一定距離離隔して配置されることができる。このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111により互いに電気的に分離されることができる。
【0034】
積層部110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシートとを交互に積層した後、焼成して形成することができる。
【0035】
内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、電気伝導性に優れた材料を使用することができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち1種以上を含むことができる。
【0036】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち1種以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
積層部110は、積層部110の内部に配置され、誘電体層を挟んで互いに向かい合うように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含み容量が形成される容量形成部Acと、上記容量形成部の第1方向一面及び他面に配置されたカバー部112、113とを含むことができる。
【0038】
カバー部112、113は、上記容量形成部Acの第1方向上面に配置される上部カバー部112及び上記容量形成部Acの第1方向下面に配置される下部カバー部113を含むことができる。
【0039】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一誘電体層または2個以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0040】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は内部電極を含まず、誘電体層111と同一の材料を含むことができる。
【0041】
すなわち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、セラミック材料を含むことができ、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料を含むことができる。
【0042】
また、積層部110は、上記容量形成部Acの第2方向(長さ方向)一面及び他面に配置される第2方向マージン部114、115を含むことができる。
【0043】
上記第2方向マージン部114、115は、
図6に示すように、第1及び第2内部電極121、122の第2方向両末端と積層部110の第2方向端面(end surfaces)間の領域を意味することができる。
【0044】
第2方向マージン部は、第1内部電極121と第2内部電極122をそれぞれ互いに異なる極性の電源に連結する役割を果たすことができる。一方、第1内部電極121及び第2内部電極122のうち一つと誘電体層111を含むため、容量形成に寄与することができず、積層部110の端面(end surface)に露出する第1または第2内部電極を含んでいるため、外部からの水分浸透の経路になるおそれがある。
【0045】
従来の積層型電子部品では、第1内部電極121及び第2内部電極122のそれぞれを互いに異なる極性の端子電極に連結させるために積層部110の第2方向の両端面で第1及び第2内部電極と端子電極を接するようにして電気的に連結した。
【0046】
この場合、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を増加させるためには、容量形成に寄与しない第2方向(長さ方向)マージン部の第2方向長さを最小化させる必要性がある。しかし、第2方向マージン部の第2方向長さが小さくなるほど外部からの水分浸透の経路が短くなるため、耐湿信頼性が脆弱になるという問題点が発生し得る。
【0047】
また、第2方向マージン部は、第1及び第2内部電極のいずれか一つと誘電体層が積層して形成されるため、圧着過程で第2方向マージン部の第2方向末端が撓む現象が発生し得る。これにより、誘電体層111の第2方向末端が薄くなって積層型電子部品の耐電圧特性が脆弱になるという問題点が発生し得る。
【0048】
また、上記容量形成部Acの第3方向(幅方向)の一面及び他面には、第3方向マージン部116、117が配置されることができる。
【0049】
第3方向マージン部116、117は、上記積層部110の幅方向の両端面(end surfaces)に配置されることができる。
【0050】
第3方向マージン部116、117は、
図2に示すように、上記積層部110の第2方向端面(end surfaces)において、第1及び第2内部電極121、122の両第3方向末端と積層部110の境界面間の領域を意味することができる。
【0051】
第3方向マージン部116、117は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0052】
第3方向マージン部116、117は、セラミックグリーンシーツ上にマージン部が形成される所を除き、導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することで形成されたものであることができる。
【0053】
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後に内部電極が積層部の第3方向の両端面(end surfaces)に露出するように切断した後、単一誘電体層または2個以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層して第3方向マージン部116、117を形成することもできる。
【0054】
連結電極141、142は、上記積層部110の第1方向と垂直な第2方向両端に配置され上記内部電極121、122と連結されることができる。
【0055】
具体的に、連結電極141、142は、上記積層部110の第2方向一端面(end surface)に配置され上記第1内部電極121と連結される第1連結電極141、及び上記積層部110の第2方向他端面(end surface)に配置され上記第2内部電極122と連結される第2連結電極142を含むことができる。
【0056】
連結電極141、142は、積層部110の第2方向端面における内部電極121、122の第2方向一端と接して配置される本体部141a、142aを含むことができ、上記本体部141a、142aから上記第1、第2、第5及び第6面のうち一つ以上の面と接して延長配置されるリード部141b、142bを含むことができる。
【0057】
本体部141a、142aは、内部電極121、122の第2方向一端と接して連結電極141、142と内部電極121、122を電気的に連結する役割をする。
【0058】
具体的に、本体部141aは第1内部電極121の第2方向一端と接し、本体部142aは第2内部電極122の第2方向一端と接し、本体部141aは第2内部電極122と接せず、本体部142aは第1内部電極121と接しなくてよい。これにより、第1内部電極121は連結電極141と電気的に連結され、第2内部電極122は連結電極142と電気的に連結されることができる。この時、静電容量を最大化するためには、全ての第1内部電極121が本体部141aに接し、全ての第2内部電極122が本体部142aに接することが好ましい。
【0059】
一実施形態において、上記本体部141a、142aは、上記内部電極121、122の第2方向一端を全部覆うように配置されることができる。これにより、内部電極121、122と連結電極141、142の連結性を最大化することができる。具体的に、第1連結電極141の本体部141aは、第1内部電極121の第2方向一端を全部覆うように配置されることができ、第2連結電極142の本体部142aは、第2内部電極122の第2方向一端を全部覆うように配置されることができる。
【0060】
リード部141b、142bは、本体部141a、142aから上記第1、第2、第5及び第6面のうち一つ以上の面と接して延長配置されることができる。
【0061】
リード部141b、142bは、連結電極141、142を外部電極131、132と電気的に連結させる役割を果たす。すなわち、リード部141b、142bは、連結電極141、142が外部電極131、132と連結されることができるように本体100の1個以上の面で外部電極131、132と接することができる。リード部141b、142bは、本体部141a、142bから第1方向または第3方向に延長して配置されることができる。
【0062】
また、リード部141b、142bは、個数、形状及び成分などによって外部からの水分浸透の経路を縮小させる役割を果たすことができる。リード部141b、142bは、本体100の特定面で外部電極131、132と接するため、水分浸透の主要経路になるおそれがある。この時、リード部141b、142bが本体100の特定面に接する幅を調節するか、本体部141a、142aの幅より小さく形成する場合、水分がリード部141b、142bと本体の特定面と接する領域に浸透することを抑制することができ、浸透しても本体部141a、142aに伝達されることを抑制することができる。
【0063】
また、リード部141b、142bは、本体100の第1~第6面1、2、3、4、5、6のうち少なくとも一面と接することができるため、設計上の便宜性及び使用者の選択によって多様な実装方向を有することができる製品を実現することができる役割を果たすことができる。
【0064】
連結電極141、142は、絶縁層151、152の一面に導電性ペーストを印刷した後、積層部110の第2方向両端に配置されるように結合して形成することができる。
【0065】
連結電極141、142を絶縁層151、152に印刷する方法は、目的に応じて多様であることができる。例えば、多様かつ複雑な形態の連結電極141、142を印刷しなければならない場合、スクリーン印刷(Screen Printing)して形成されることができるが、これに制限されるものではない。一方、内部電極を連結するために積層方向に多数のビア(Via)電極を形成する場合、ビアホールの形成過程で内部電極に物理的なストレスが加えられるか、エッチング液による化学的損傷が与えられるおそれがある。このような現象は、ビア電極の個数が多くなるほどさらに顕著になることができる。
【0066】
一実施形態によって連結電極141、142を絶縁層151、152の一面に印刷した後、これを積層部110と結合する場合、複数の本体部141a''を形成して内部電極を連結しても内部電極の損傷を最小化することができ、多様な形態で連結電極141、142を形成することができ、設計自由度を向上させることができる。
【0067】
連結電極141、142の厚さは特に限定されない。単に内部電極121、122との連結性を向上させるために、連結電極141、142の第2方向の平均厚さTは500nm以上であることが好ましい。
【0068】
一方、単位体積当たりの容量を最大化し、絶縁層151、152と積層部110の段差を最小化するために、連結電極141、142の第2方向の平均厚さTは3000nm以下であることが好ましい。
【0069】
この時、連結電極141、142の第2方向の平均厚さTは、第3方向(幅方向)の中心で切断した第1方向-第2方向端面(厚さ-長さ方向端面)において第1方向に等間隔である10個の地点で測定した連結電極141、142の第2方向の大きさを平均した値を意味することができる。
【0070】
したがって、一実施形態において、連結電極141、142の第2方向の平均厚さは、500nm以上3000nm以下を満たすことで、適切な単位体積当たりの容量を確保し絶縁層と積層部の段差を最小化してクラックが発生する現象を抑制しながら、内部電極と連結電極間の連結性を向上させることができる。
【0071】
上記連結電極141、142の第2方向端面(end surfaces)には絶縁層151、152が配置されることができ、シーリング特性を向上させて外部から水分やめっき液などが浸透することを最小化する役割を果たす。
【0072】
上記絶縁層151、152は、積層部110と連結電極141、142の第2方向の両端面(end surfaces)を覆うように配置され積層型電子部品1000の密閉性を向上させることができる。このような観点から、絶縁層151、152は、連結電極141、142の第2方向の両端面(end surfaces)をいずれも覆うように配置されることができる。
【0073】
上記絶縁層151、152は、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを使用することができるが、これに制限されるものではない。上記絶縁層151、152は、上記誘電体層111のように容量形成に寄与しないため、必ずしも高誘電率(permittivity)を有する物質で形成する必要はなく、シーリング特性、強度、接着力に優れた物質を含むことができる。
【0074】
上記絶縁層151、152は、連結電極141、142と同様に転写する方式で形成されることができ、以後、焼結過程を経ることができる。また、積層部110、連結電極141、142と共に同時に焼成されることができる。
【0075】
外部電極131、132は、本体上に配置され連結電極141、142と連結されることができる。
【0076】
また、外部電極131、132は、連結電極141、142のリード部141b、142bと本体100の少なくとも一面で接して連結されることができる。
【0077】
具体的に、第1外部電極131は、第1内部電極121と接する第1連結電極141のリード部141bと本体100の第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6の少なくともいずれか一面で接することができ、第2外部電極132は、第2内部電極122と接する第2連結電極142のリード部142bと本体100の第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6の少なくともいずれか一面で接することができる。
【0078】
これにより、第1内部電極121、第1連結電極141及び第1外部電極131が電気的に連結されることができ、第2内部電極122、第2連結電極142及び第2外部電極132が電気的に連結されることができる。
【0079】
一方、外部電極は、リード部141b、142bが露出しない本体100の第3及び第4面3、4上に配置されることができ、この場合、外部電極131、132は、第3面3上に配置され第1、第2、第5及び第6面上の一部まで延長して配置される第1外部電極131、及び第4面4上に配置され第1、第2、第5及び第6面上の一部まで延長して配置される第2外部電極132を含むことができる。
【0080】
外部電極131、132は、金属などのように電気伝導性を有するものであれば、如何なる物質を使用して形成されてもよく、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらに、多層構造を有することができる。
【0081】
例えば、外部電極131、132は、本体100に配置される電極層及び電極層上に形成されためっき層を含むことができる。
【0082】
電極層に対するより具体的な例を挙げると、電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0083】
また、外部電極131、132は、本体100上に焼成電極及び樹脂系電極が順次に形成された形態であることができる。また、外部電極131、132は、本体100上に導電性金属を含むシートをディッピング(dipping)またはホイール(wheel)方法によって形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0084】
外部電極131、132に含まれる導電性金属として電気伝導性に優れた材料を使用することができ、特に限定しない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)及びそれら合金のうち一つ以上であることができる。
【0085】
以下では、
図7a~9fを参照して、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141、141'、141''の特徴と形態について詳しく説明する。重複を避けるために第1連結電極141を基準として説明するが、多様な実施形態は、第2連結電極142の場合にも適用されることができる。
【0086】
また、本発明の
図7a~9fによる連結電極は、連結電極141、141'、141''のリード部141b1、141b2、141b3、141b4、141b1'、141b2' 141b3'、141b4'、141b''を本体100の第1、第2、第5及び第6面のうち少なくともいずれか一面に延長するように形成する時に適用することができる。
【0087】
図7a、7b、7c、7d及び7eは、
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【0088】
一実施形態において、
図7a~7bを参照すると、上記連結電極141、142は、上記積層部110の上記第2方向端面における上記内部電極121、122の上記第2方向一端と接して配置される本体部114aを含み、上記連結電極141、142は、上記本体部から上記第1面と接して延長配置される第1リード部141b1、上記本体部から上記第2面と接して延長配置される第2リード部141b2、上記本体部から上記第5面と接して延長配置される第3リード部141b3、及び上記本体部から上記第6面と接して延長配置される第4リード部141b4のうち一つ以上を含むことができる。
【0089】
これにより、第2方向マージン部114、115の第2方向の大きさを最小化することができ、圧着過程における段差も最小化することができ、誘電体層111の第2方向末端の厚さが薄くなる現象を抑制することができる。これにより、積層型電子部品1000の耐電圧特性を向上させることができる。
【0090】
また、第2方向マージン部114、115の第2方向の大きさを最小化することができ、容量形成部Acが占める比重を向上させて積層型電子部品1000の単位体積当たりの容量を向上させることができる。
【0091】
また、第2方向マージン部114、115の第2方向の大きさが最小化されるため、外部からの水分の浸透経路を最小化することができ、積層型電子部品1000の耐湿信頼性を向上させることができる。
【0092】
また、連結電極141、142が外部電極131、132と連結される面を自由に選択することができ、積層型電子部品1000の実装自由度を向上させることができる。
【0093】
図7aを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141は、積層部110の第2方向端面における内部電極121の第2方向一端と接して配置される本体部141a、及び本体部から第1面1と接して延長配置される第1リード部141b1を含むことができる。
【0094】
図7bを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141-1は、本体部141aから第1及び第2面1、2と接して延長配置される第1及び第2リード部141b1、141b2を含むことができる。これにより、外部電極131と連結電極141-1間に接する面積を増加させて連結性を向上させることができる。
【0095】
図7cを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141-2は、本体部141aから積層方向である第1方向と垂直な第3方向に向かい合う本体の面である第5及び第6面と接して配置される第3及び第4リード部141b3、141b4を含むことができる。これにより、第5面または第6面に外部電極を形成して垂直実装が容易であることができる。
【0096】
図7dを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141-3は、本体部141aから第2及び第6面と接して延長配置される第2及び第4リード部141b2、141b4を含むことができる。しかし、これに制限されるものではなく、第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6のうち隣接する二つの面と接して配置されるリード部を含むことができる。これにより、外部電極を本体の隣接する二つの面に形成することで、実装方向を自由に選択することができる。
【0097】
図7eを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141-4は、上記本体部141aから上記第1面1と接して延長配置される第1リード部141b1、上記本体部から上記第2面2と接して延長配置される第2リード部141b2、上記本体部から上記第5面5と接して延長配置される第3リード部141b3、及び上記本体部から上記第6面6と接して延長配置される第4リード部141b4をいずれも含むことができる。これにより、連結電極141-4と外部電極131間の連結性を極大化することができる。
【0098】
一実施形態において、第1及び第2リード部141b1、141b2の第3方向の平均長さWL3は、本体の第3方向の平均長さWより小さく、第2及び第4リード部141b2、141b4の第3方向の平均長さWL1は、本体の第1方向の平均長さTより小さいことができる。この場合、連結電極141-4は、積層部110の第2方向一端面の一部のみを覆うように配置されることができる。これにより、連結電極が積層部110の第2方向一端面の全部を覆う場合に比べて耐湿信頼性を向上させることができる。
【0099】
一実施形態において、本体の第3方向の平均長さWに対する第1及び第2リード部141b1、141b2の第3方向の平均長さWL3の割合WL3/Wは、0.1以上0.8以下であることができる。
【0100】
一実施形態において、本体の第1方向の平均長さTに対する第3及び第4リード部141b3、141b4の第1方向の平均長さWL1の割合WL1/Tは、0.1以上0.8以下であることができる。
【0101】
これにより、外部電極と連結電極間の連結性を確保しながらも耐湿信頼性を向上させることができる。
【0102】
一方、第1及び第2リード部141b1、141b2の第3方向の平均長さWL3及び本体の第3方向の平均長さWは、絶縁層151を第2方向に研磨して連結電極141を現した後、第1方向に任意の5個の地点で測定した第3方向の大きさを平均した値であることができ、第2及び第4リード部141b2、141b4の第3方向の平均長さWL1及び本体の第1方向の平均長さTは、第3方向に任意の5個の地点で測定した第1方向の大きさを平均した値であることができる。
【0103】
図8a、8b、8c、8d,及び8eは、
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【0104】
図8a~8eを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141'、141'-1、141'-2、141'-3、141'-4は、上記本体部141a'から上記第1面と接して延長配置される第1リード部141b1'、上記本体部から上記第2面と接して延長配置される第2リード部141b2'、上記本体部から上記第5面と接して延長配置される第3リード部141b3'、及び上記本体部から上記第6面と接して延長配置される第4リード部141b4'のうち一つ以上を含み、上記第1及び第2リード部141b1'、141b2'の第3方向の平均長さWL3'は、上記本体部141a'の第3方向の平均長さWB3'より小さく、上記第2及び第4リード部141b3'、141b4'の第1方向の平均長さWL1'は、上記本体部141a'の第1方向の平均長さWB1'より小さいことができる。これにより、内部電極121と連結電極141'間の連結性を確保しながらも、リード部141b1'、141b2'、141b3'、141b4'のうち一つ以上が本体に露出する領域を最小化して耐湿信頼性を確保することができる。
【0105】
一実施形態において、上記本体部141a'の第3方向の平均長さWB3'に対する上記第1及び第2リード部141b1'、141b2の第3方向の平均長さWL3'の割合WL3'/WB3'は、0.1以上0.8以下であることができる。
【0106】
一実施形態において、上記本体部141a'の第1方向の平均長さWB1'に対する上記第3及び第4リード部141b3'、141b4'の第1方向の平均長さWL1'の割合WL1'/WB1'は、0.1以上0.8以下であることができる。
【0107】
これにより、外部電極と連結電極間の連結性を確保しながらも耐湿信頼性を向上させることができる。
【0108】
一方、上記第1及び第2リード部141b1'、141b2'の第3方向の平均長さWL3'及び上記本体部141a'の第3方向の平均長さWB3'は、絶縁層151を第2方向に研磨して連結電極141'を現した後、第1方向に任意の5個の地点で測定した第3方向の大きさを平均した値であることができ、上記第2及び第4リード部141b3'、141b4'の第1方向の平均長さWL1'及び上記本体部141a'の第1方向の平均長さWB1'は、第3方向に任意の5個の地点で測定した第1方向の大きさを平均した値であることができる。
【0109】
図8aを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141'は、積層部110の第2方向端面における内部電極121の第2方向一端と接して配置される本体部141a'、及び本体部から第1面1と接して延長配置される第1リード部141b1'を含むことができる。
【0110】
図8bを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141'-1は、本体部141aから第1及び第2面1、2と接して延長配置される第1及び第2リード部141b1'、141b2'を含むことができる。第1及び第2リード部141b1、141b2の第3方向の平均長さWL3'が上記本体部141a'の第3方向の平均長さWB3'より小さい場合、外部電極とリード部141b1'、141b2'間の連結性が不足になるおそれがある。
【0111】
したがって、第3方向の平均長さWL'の小さいリード部を少なくとも本体の2個の面で外部電極と接するようにすることで、外部電極とリード部間の連結性を向上させることができる。
【0112】
図8cを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141'-2は、本体部141a'から積層方向である第1方向と垂直な第3方向に向かい合う本体の面である第5及び第6面と接して配置される第3及び第4リード部141b3'、141b4'を含むことができる。これにより、第5面または第6面に外部電極を形成して垂直実装が容易であることができる。
【0113】
図8dを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141'-3は、本体部141a'から第2及び第6面と接して延長配置される第2及び第4リード部141b2'、141b4'を含むことができる。しかし、これに制限されるものではなく、第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6のうち隣接する二つの面と接して配置されるリード部を含むことができる。これにより、外部電極を本体の隣接する二つの面に形成することで、実装方向を自由に選択することができる。
【0114】
図8eを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141'-4は、上記本体部141a'から上記第1面1と接して延長配置される第1リード部141b1'、上記本体部から上記第2面2と接して延長配置される第2リード部141b2'、上記本体部から上記第5面5と接して延長配置される第3リード部141b3'、及び上記本体部から上記第6面6と接して延長配置される第4リード部141b4'をいずれも含むことができる。これにより、連結電極141'-4と外部電極131間の連結性を極大化することができる。
【0115】
この場合、連結電極141'-4は、積層部110の第2方向一端面の一部のみを覆うように配置されることができる。これにより、連結電極が積層部110の第2方向一端面の全部を覆う場合に比べて耐湿信頼性を向上させることができる。
【0116】
図9a、9b、9c、9d、9e及び9fは、
図5のII-II'線に沿った断面に対応する一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極の形態を示した断面図である。
【0117】
図9a~
図9fを参照すると、連結電極の本体部141a''は、複数からなることができ、本体部のそれぞれは、第1方向または第3方向に離隔して配置されることができる。複数の本体部が離隔して配置される場合、内部電極と連結電極間の電気的連結性や接着力が減少し得るという問題点が発生するおそれがある。しかし、
図9a~9fに示したように、複数の本体部141a''が3個以上の複数の線状で一定の間隔を置いて第1方向または第2方向に離隔して配置される場合、内部電極と連結電極間の接触面積が増加するため、内部電極と連結電極の連結性を最大化することができる。
【0118】
このような複数の本体部は、内部電極と連結電極間の接触面積を向上させて連結性を確保するために、複数の線状が平行に配置されたストライプ(stripe)形態であることが好ましい。
【0119】
図9aを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141''は、積層部110の第2方向端面における内部電極121、122の第2方向一端と接して配置され、互いに離隔して配置される複数の本体部141a''及び上記複数の本体部のそれぞれから上記第1、第2、第5及び第6面のうち少なくとも一面と接して延長配置される複数のリード部141b''を含むことができる。
【0120】
これにより外部からの水分浸透の経路を最小化することができ、耐湿信頼性を向上させることができ、複数の本体部141a''を配置するため、内部電極121と連結電極141''間の接触面積を向上させて連結性を確保することができる。
【0121】
一実施形態において、複数の本体部141a'は、3個以上であることができる。互いに離隔して配置される複数の本体部141a'を含む場合、内部電極121との連結性が不足なおそれがある。特に、本発明の一実施形態のように内部電極にビーアールを形成せずに、シート状の金属層を積層部の第2方向端面に転写して連結電極141、142を形成する場合、内部電極121、122と連結電極141、142間の連結に切れが発生する可能性が高い。よって、複数の本体部141a'を3個以上形成して内部電極121、122と連結電極141、142間の連結性を向上させることができる。
【0122】
図9bを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141''-1は、第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6のうち少なくとも2個の面と接して延長配置される複数のリード部141b''を含むことができる。これにより、2個以上の面で外部電極とリード部141b''が接するようにすることで、連結電極141''-1と外部電極の連結性を向上させることができる。
【0123】
図9cを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極142''-2は、複数の本体部141a''を連結する連結部141cを含むことができる。
【0124】
連結電極142''-1が第1方向や第3方向に互いに離隔して配置される場合、内部電極121と部分的な短絡の発生により連結性が十分でないおそれがある。これにより、連結電極142''-2に複数の本体部141a''を一体で連結する連結部141cを含むことで、内部電極121と連結電極141''-2間の連結性を確保することができる。
【0125】
図9dを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141''-3は、第1方向に互いに離隔して配置される複数の本体部141a''を含むことができる。これにより、第5面または第6面に外部電極を形成して垂直実装が容易であることができる。
【0126】
図9eを参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品の連結電極141''-4は、第1方向に互いに離隔して配置される複数の本体部141a''を連結する連結部141cを含むことができる。
【0127】
複数の本体部141a''が積層方向である第1方向に離隔して配置される場合、第3方向に離隔して配置される場合より内部電極121のある一層と接しない可能性が高い。よって、内部電極121の一部と連結電極141''-4間の電気的連結性を確保することができず、十分な静電容量が確保できないおそれがある。
【0128】
したがって、第1方向に離隔して配置された複数の本体部141a''を連結する連結部141cを含むようにすることで、内部電極121の全ての層との連結性を確保して積層型電子部品の単位体積当たりの容量を確保することができる。この時、上記連結部141cは、第1方向に離隔した複数の本体部141a''の全ての離隔した空間に形成されることが好ましい。
【0129】
図9fを参照すると、一実施形態による積層型電子部品の連結電極141''-5は、第3方向に離隔した複数の本体部141a''を含み、第3方向に形成された連結部141cを含むことができる。
【0130】
複数の本体部141a''が第3方向に離隔して配置される場合、第1方向に離隔して配置される場合と異なり、連結電極141''-5と内部電極121が連結されない可能性が低い。よって、第3方向に配置される連結部141cを含むことで、外部からの水分の浸透経路をさらに最小化することができ、積層型電子部品の耐湿信頼性を向上させることができる。
【0131】
この時、リード部141b''は、第5面及び第6面のいずれか一面と接して配置されることで、外部からの水分の浸透経路を極端的に最小化することができる。
【0132】
以下、
図10~12では、一実施形態に係る積層型電子部品1001、1002、1003の外部電極の特徴について詳しく説明する。
【0133】
図10は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品1001を概略的に示した斜視図である。
【0134】
図10を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品1001のリード部は、第1、第2、第5及び第6面の中から選択された一面である接続面に接して配置され、外部電極131-1、132-1は、上記接続面のみに配置され上記リード部と接することができる。
【0135】
これにより、外部電極が占める比重を最小化して積層型電子部品1001の単位体積当たりの容量を向上させることができる。
【0136】
また、外部電極131-1、132-1を、ディブピング工程を通じて形成する場合、接続面のみにディブピング工程を進行すれば十分であるため、工程を短縮することができる。
【0137】
一方、上記連結電極141、142が上記第1リード部~第4リード部141b1、141b2、141b3、141b4のうち一つ以上を含む場合、上記第1~第4リード部のうち一つは、第1、第2、第5及び第6面の中から選択された一面である接続面に接して配置され、外部電極131-1、132-1は、上記接続面のみに配置され上記第1~第4リード部のうち一つと接することができる。
【0138】
図11は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品1002を概略的に示した斜視図である。
【0139】
図11を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品1002の第1外部電極131-2は、本体100の第1及び第2面1、2のいずれか一面上に配置され第1連結電極141と連結され、上記第3、第5及び第6面3、5、6上の一部まで延長して配置され、第2外部電極132-2は、本体100の第1及び第2面1、2のいずれか一面上に配置され第2連結電極142と連結され、上記第4、第5、第6面4,5、6上の一部まで延長して配置されることができる。
【0140】
これにより、積層型電子部品1002を基板に実装する時に半田フィレットが形成される領域を最小化することができ、積層型電子部品間の半田によるショート発生率を減少させることができる。これにより、実装された積層型電子部品間の間隔を最小化することができ、実装密度を増加させることができる。
【0141】
図12は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品1003を概略的に示した斜視図である。
【0142】
図12を参照すると、上記外部電極131-3、132-3は、上記リード部141b、142bの末端を覆うめっき層であることができる。これにより、外部電極131-3、132-3が占める体積を最小化することができ、積層型電子部品1003の単位体積当たりの容量をさらに向上させることができる。
【0143】
この場合、上記外部電極131-3、132-3は、リード部141b、142bが露出する本体の第1及び第2面のうち一面において、リード部141b、142bが露出する領域を覆うように配置されることができる。すなわち、外部電極131-3、132-3は、第1及び第2面1、2のうち一面の一部上のみに配置されることができる。
【0144】
上記外部電極131-3、132-3は、リード部141b、142bが本体に露出する末端を覆うように配置され、本体100の第1~6面のうち2個の面が接する角までは延長しないように配置されることができる。
【0145】
この時、外部電極131-3、132-3は、金属粒子及びガラスを含む導電性ペーストを本体上に塗布し焼成することとは異なり、本体に露出するリード部141b、142bの末端上にめっきして形成されためっき層であることができる。よって、上記外部電極131-3、132-3はガラスを含まなくてもよい。
【0146】
一方、めっき層である上記外部電極131-3、132-3の種類は特に限定せず、Ni、Sn、Pd、Cu及びこれらの合金のうち一つ以上を含むめっき層であることができ、複数の層で形成されることができる。
【0147】
一方、上記連結電極141、142が上記第1リード部~第4リード部141b1、141b2、141b3、141b4のうち一つ以上を含む場合、上記外部電極131-3、132-3は、上記第1~第4リード部のうち一つ以上の末端を覆うめっき層であることができる。
【0148】
以上で本発明の実施形態について詳しく説明したが、本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当該技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【0149】
なお、本発明において用いられる「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態において説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解することができる。
【0150】
本発明で使用される用語は、単に一実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる表現を使用しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0151】
1000:積層型電子部品
100:本体
110:積層部
111:誘電体層
112、113:カバー部
114、115:第2方向マージン部
116、117:第3方向マージン部
121、122:内部電極
131、132:外部電極
141、142:連結電極
141a、142a:本体部
141b、142b:リード部
151、152:絶縁層