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特開2023-118061複合発電システムおよび複合発電システムの駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118061
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】複合発電システムおよび複合発電システムの駆動方法
(51)【国際特許分類】
   F01K 23/10 20060101AFI20230817BHJP
   F01K 9/00 20060101ALI20230817BHJP
   F02C 7/22 20060101ALI20230817BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20230817BHJP
   F02C 3/22 20060101ALI20230817BHJP
   F02C 6/00 20060101ALI20230817BHJP
   C01B 3/04 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
F01K23/10 W
F01K9/00 D
F02C7/22 B
F02C6/18 A
F02C3/22
F02C6/00 E
C01B3/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196344
(22)【出願日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0018815
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507002918
【氏名又は名称】ドゥサン エナービリティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、カン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョウン、ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】シン、イン チュル
(72)【発明者】
【氏名】チョ、エウン セオン
【テーマコード(参考)】
3G081
【Fターム(参考)】
3G081BA02
3G081BA20
3G081BB00
3G081BC07
3G081BD01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】二酸化炭素を低減し、熱効率が向上した複合発電システムおよび複合発電システムの駆動方法を提供する。
【解決手段】ガスタービン20から排出される燃焼ガスを用いて蒸気を発生させる排熱回収ボイラ50と、ガスタービン20から排出される燃焼ガスを用いてアンモニアを分解するアンモニア分解装置30と、アンモニア分解装置30にアンモニアを供給するアンモニア供給ライン74に連結されて、液化されたアンモニアを気化させる気化器73と、排熱回収ボイラ50から伝達された蒸気を用いて回転力を発生させる蒸気タービン40と、アンモニア分解装置30で生成された分解ガスを燃焼器23に供給する分解ガス供給ライン34と、蒸気タービン40から排出された蒸気を凝縮させる凝縮部60と、気化器73と凝縮部60とを連結して、液化されたアンモニアの冷熱を吸収して凝縮部60に供給する冷熱伝達ライン61,62とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼して回転力を発生させるガスタービンと、
前記ガスタービンから排出される燃焼ガスを用いてアンモニアを分解するアンモニア分解装置と、
前記ガスタービンから排出される燃焼ガスを用いて蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、
前記ガスタービンから排出された排ガスを前記排熱回収ボイラに伝達する第1排ガスラインと、
前記アンモニア分解装置にアンモニアを供給するアンモニア供給ラインと、
前記アンモニア供給ラインに連結されて、液化されたアンモニアを気化させる気化器と、
前記排熱回収ボイラから伝達された蒸気を用いて回転力を発生させる蒸気タービンと、
前記アンモニア分解装置で生成された分解ガスを燃焼器に供給する分解ガス供給ラインと、
前記蒸気タービンから排出された蒸気を凝縮させる凝縮部と、
前記気化器と前記凝縮部とを連結して、液化されたアンモニアの冷熱を吸収して前記凝縮部に供給する冷熱伝達ラインと、
を含む、複合発電システム。
【請求項2】
前記ガスタービンから排出された排ガスを前記アンモニア分解装置に供給する第2排ガスラインをさらに含む、請求項1に記載の複合発電システム。
【請求項3】
前記凝縮部は、前記蒸気タービンから排出された蒸気を凝縮させるコンデンサと、前記コンデンサに冷却水を供給する冷却水供給ラインと、前記冷却水供給ラインに連結された冷却水熱交換器とを含む、請求項1に記載の複合発電システム。
【請求項4】
前記冷熱伝達ラインは、前記冷却水熱交換器に連結されている、請求項3に記載の複合発電システム。
【請求項5】
前記アンモニア分解装置で生成された分解ガスが供給されて、前記分解ガスに含まれたアンモニアを分離する吸収塔と、前記アンモニア分解装置と前記吸収塔とを連結する吸収ラインとをさらに含む、請求項1に記載の複合発電システム。
【請求項6】
前記分解ガス供給ラインには、前記吸収塔に供給される分解ガスと、前記吸収塔から排出される分解ガスとを熱交換する分解ガス熱交換器が設けられている、請求項5に記載の複合発電システム。
【請求項7】
前記吸収ラインには、前記アンモニア分解装置から排出された分解ガスと、凝縮水とを熱交換して、前記分解ガスを冷却し、前記凝縮水を気化させる補助熱交換器が設けられている、請求項5に記載の複合発電システム。
【請求項8】
前記吸収ラインには、前記アンモニア分解装置から排出された分解ガスと、前記気化器から排出されるアンモニアとを熱交換するガス-ガス熱交換器が設けられている、請求項5に記載の複合発電システム。
【請求項9】
前記吸収塔でアンモニアと水との混合された吸収液からアンモニアを分離する再生塔と、前記再生塔と前記アンモニア供給ラインとを連結するアンモニア再生ラインとをさらに含む、請求項5に記載の複合発電システム。
【請求項10】
前記アンモニア再生ラインには、前記再生塔で分離されたアンモニアを圧縮するアンモニア圧縮機が設けられている、請求項9に記載の複合発電システム。
【請求項11】
前記吸収塔には、前記吸収塔でアンモニアが分離された分解ガスを移動させる精製ラインが設けられ、前記精製ラインには、前記分解ガスから水素を分離する水素精製装置が設けられている、請求項5に記載の複合発電システム。
【請求項12】
前記凝縮部で凝縮された水を、前記アンモニア分解装置から排出される排ガスとの熱交換で加熱する凝縮水加熱部をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の複合発電システム。
【請求項13】
前記アンモニア分解装置は、火炎を形成する補助バーナをさらに含み、前記補助バーナは、前記分解ガス供給ラインと連結されて、前記分解ガス供給ラインから供給された分解ガスを燃焼し、
前記アンモニア分解装置から排出される排ガスを用いて前記補助バーナに供給される空気を加熱する空気予熱器をさらに含む、請求項11に記載の複合発電システム。
【請求項14】
ガスタービンの燃焼器で燃料の燃焼で生成された排ガスを排熱回収ボイラおよびアンモニア分解装置に供給する排ガス供給ステップと、
液状のアンモニアを気化させ、アンモニアの気化時に冷熱を回収して蒸気を凝縮させる気化ステップと、
排ガスの熱と補助バーナで生成された熱とを用いてアンモニアを分解して分解ガスを生成する分解ステップと、
排ガスを用いて凝縮水を加熱し、蒸気タービンに供給する蒸気生成ステップと、
燃焼器で分解ガスを燃焼し、生成された排ガスでメインタービンを回転させ、蒸気を蒸気タービンに供給する燃焼および発電ステップと、
を含む、複合発電システムの駆動方法。
【請求項15】
前記気化ステップは、気化器で発生した冷熱を冷熱伝達ラインを介して冷却水熱交換器に伝達する、請求項14に記載の複合発電システムの駆動方法。
【請求項16】
前記分解ステップは、前記アンモニア分解装置で生成された分解ガスを吸収塔に供給して、分解ガスに含まれた残留アンモニアを分離するアンモニア吸収ステップを含む、請求項15に記載の複合発電システムの駆動方法。
【請求項17】
前記分解ステップは、前記吸収塔から排出される分解ガスと、前記吸収塔に流入する分解ガスとを熱交換させる熱交換ステップをさらに含む、請求項16に記載の複合発電システムの駆動方法。
【請求項18】
前記分解ステップは、前記アンモニア吸収ステップで水と混合されたアンモニアからアンモニアを分離し、分離されたアンモニアを気化器に供給するアンモニア再生ステップをさらに含む、請求項17に記載の複合発電システムの駆動方法。
【請求項19】
前記分解ステップは、前記アンモニア分解装置から排出された分解ガスと、凝縮水とを熱交換して分解ガスを冷却し、凝縮水を気化させる補助熱交換ステップをさらに含む、請求項17に記載の複合発電システムの駆動方法。
【請求項20】
前記分解ステップは、前記吸収塔でアンモニアが除去された分解ガスを精製装置に流入させて水素を分離する水素分離ステップをさらに含む、請求項17に記載の複合発電システムの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合発電システムおよび複合発電システムの駆動方法に関する。より詳しくは、アンモニア分解装置を有する複合発電システムおよび複合発電システムの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合発電システムは、ガスタービンと蒸気タービンとを高効率で組み合わせて構成して、ガスタービンから排熱回収ボイラ(HRSG)に高温排ガスを案内し、排ガスに保持された熱エネルギーによって蒸気を発生させる発電システムである。この蒸気は蒸気タービンによって電力生産を可能にし、ガスタービンによって発生した電力と結合されて、ガスタービンによる独立した電力生産と比較する時、排ガスに保持された熱的エネルギーと同等の熱的効率を改善することができる。
【0003】
ガスタービンは、圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させ、燃焼で発生した高温のガスでタービンを回転させる動力機関である。ガスタービンは、発電機、航空機、船舶、列車などを駆動するのに用いられる。
【0004】
最近は、水素またはアンモニアを燃料として用いるガスタービンが開発されている。アンモニアを燃料として用いる複合発電システムは、アンモニアタンク内の液体アンモニアをアンモニア分解装置で要求する圧力に昇圧する加圧ポンプと、加圧ポンプで加圧された液体アンモニアを水素ガスと窒素ガスとに分解するアンモニア分解装置とを備える。アンモニア分解装置は、加圧ポンプで加圧された液体アンモニアをガスタービンからの排ガスと熱交換させて、この液体アンモニアを加熱して、水素ガスと窒素ガスとに分解する。アンモニア分解過程は吸熱反応であるので、アンモニア分解装置は、アンモニアを分解するために、バーナを有するが、バーナは燃料を燃焼して熱を発生させるので、燃料の燃焼過程で二酸化炭素と汚染物質が発生する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術的背景に基づき、本発明は、二酸化炭素を低減し、熱効率が向上した複合発電システムおよび複合発電システムの駆動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る複合発電システムは、燃料を燃焼して回転力を発生させるガスタービンと、前記ガスタービンから排出される燃焼ガスを用いて蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、前記ガスタービンから排出される燃焼ガスを用いてアンモニアを分解するアンモニア分解装置と、前記ガスタービンから排出された排ガスを前記排熱回収ボイラに伝達する第1排ガスラインと、前記アンモニア分解装置にアンモニアを供給するアンモニア供給ラインと、前記アンモニア供給ラインに連結されて、液化されたアンモニアを気化させる気化器と、前記排熱回収ボイラから伝達された蒸気を用いて回転力を発生させる蒸気タービンと、前記アンモニア分解装置で生成された分解ガスを前記燃焼器に供給する分解ガス供給ラインと、前記蒸気タービンから排出された蒸気を凝縮させる凝縮部と、前記気化器と前記凝縮部とを連結して、液化されたアンモニアの冷熱を吸収して前記凝縮部に供給する冷熱伝達ラインとを含むことができる。
【0007】
本発明の一側面に係る複合発電システムは、前記ガスタービンから排出された排ガスを前記アンモニア分解装置に供給する第2排ガスラインをさらに含むことができる。
【0008】
本発明の一側面に係る前記凝縮部は、前記蒸気タービンから排出された蒸気を凝縮させるコンデンサと、前記コンデンサに冷却水を供給する冷却水供給ラインと、前記冷却水供給ラインに連結された冷却水熱交換器とを含むことができる。
【0009】
本発明の一側面に係る前記冷熱伝達ラインは、前記冷却水熱交換器に連結される。
【0010】
本発明の一側面に係る複合発電システムは、前記アンモニア分解装置で生成された分解ガスが供給されて、前記アンモニア分解ガスに含まれたアンモニアを分離する吸収塔と、前記アンモニア分解装置と前記吸収塔とを連結する吸収ラインとをさらに含むことができる。
【0011】
本発明の一側面に係る前記分解ガス供給ラインには、前記吸収塔に供給される分解ガスと、前記吸収塔から排出される分解ガスとを熱交換する分解ガス熱交換器が設けられる。
【0012】
本発明の一側面に係る前記吸収ラインには、前記アンモニア分解装置から排出された分解ガスと、凝縮水とを熱交換して、前記分解ガスを冷却し、前記凝縮水を気化させる補助熱交換器が設けられる。
【0013】
本発明の一側面に係る前記吸収ラインには、前記アンモニア分解装置から排出された分解ガスと、前記気化器から排出されるアンモニアとを熱交換するガス-ガス熱交換器が設けられる。
【0014】
本発明の一側面に係る複合発電システムは、前記吸収塔でアンモニアと水との混合された吸収液からアンモニアを分離する再生塔と、前記再生塔と前記アンモニア供給ラインとを連結するアンモニア再生ラインとをさらに含むことができる。
【0015】
本発明の一側面に係る前記アンモニア再生ラインには、前記再生塔で分離されたアンモニアを圧縮するアンモニア圧縮機が設けられる。
【0016】
本発明の一側面に係る前記吸収塔には、前記吸収塔でアンモニアが分離された分解ガスを移動させる精製ラインが設けられ、前記精製ラインには、前記分解ガスから水素を分離する水素精製装置が設けられる。
【0017】
本発明の一側面に係る複合発電システムは、前記凝縮部で凝縮された水を、前記アンモニア分解装置から排出される排ガスとの熱交換で加熱する凝縮水加熱部をさらに含むことができる。
【0018】
本発明の一側面に係る前記アンモニア分解装置は、火炎を形成する補助バーナをさらに含み、前記補助バーナは、前記分解ガス供給ラインと連結されて、前記分解ガス供給ラインから供給された分解ガスを燃焼することができ、前記複合発電システムは、前記アンモニア分解装置から排出される排ガスを用いて前記補助バーナに供給される空気を加熱する空気予熱器をさらに含むことができる。
【0019】
本発明の他の側面に係る複合発電システムの駆動方法は、ガスタービンの燃焼器で燃料の燃焼で生成された排ガスを排熱回収ボイラおよびアンモニア分解装置に供給する排ガス供給ステップと、液状のアンモニアを気化させ、アンモニアの気化時に冷熱を回収して蒸気を凝縮させる気化ステップと、排ガスの熱と補助バーナで生成された熱とを用いてアンモニアを分解して分解ガスを生成する分解ステップと、排ガスを用いて凝縮水を加熱し、蒸気タービンに供給する蒸気生成ステップと、燃焼器で分解ガスを燃焼し、生成された排ガスでメインタービンを回転させ、蒸気を蒸気タービンに供給する燃焼および発電ステップとを含むことができる。
【0020】
本発明の他の側面に係る前記気化ステップは、気化器で発生した冷熱を冷熱伝達ラインを介して冷却水熱交換器に伝達することができる。
【0021】
本発明の他の側面に係る前記分解ステップは、アンモニア分解装置で生成された分解ガスを吸収塔に供給して、分解ガスに含まれた残留アンモニアを分離するアンモニア吸収ステップを含むことができる。
【0022】
本発明の他の側面に係る前記分解ステップは、前記吸収塔から排出される分解ガスと、前記吸収塔に流入する分解ガスとを熱交換させる熱交換ステップをさらに含むことができる。
【0023】
本発明の他の側面に係る前記分解ステップは、前記アンモニア吸収ステップで水と混合されたアンモニアからアンモニアを分離し、分離されたアンモニアを気化器に供給するアンモニア再生ステップをさらに含むことができる。
【0024】
本発明の他の側面に係る前記分解ステップは、前記分解装置から排出された分解ガスと、凝縮水とを熱交換して分解ガスを冷却し、凝縮水を気化させる補助熱交換ステップをさらに含むことができる。
【0025】
本発明の他の側面に係る前記分解ステップは、前記吸収塔でアンモニアが除去された分解ガスを精製装置に流入させて水素を分離する水素分離ステップをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一側面に係る複合発電システムは、ガスタービンの排ガスを用いてアンモニアを分解し、アンモニアを分解して生産した分解ガスを燃焼して発電を行うので、二酸化炭素の排出が減少し、熱効率が向上できる。また、液化されたアンモニアを気化させる過程で発生する冷熱を用いて蒸気を凝縮するので、熱効率がさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態に係る複合発電システムを示す構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る複合発電システムの駆動方法を説明するためのフローチャートである。
図3】本発明の第2実施形態に係る複合発電システムを示す構成図である。
図4】本発明の第3実施形態に係る複合発電システムを示す構成図である。
図5】本発明の第4実施形態に係る複合発電システムを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は多様な変換が加えられて様々な実施例を有することができるが、特定の実施例を例示して詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物または代替物を含むことが理解されなければならない。
【0029】
本発明で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0030】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。この時、添付した図面において、同一の構成要素はできるだけ同一の符号で表していることに留意する。また、本発明の要旨をあいまいにしうる公知の機能および構成に関する詳細な説明は省略する。同様の理由から、添付図面において一部の構成要素は誇張または省略されるか、概略的に示された。
【0031】
以下、本発明の第1実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態に係る複合発電システムを示す構成図である。
【0033】
図1を参照して説明すれば、本第1実施形態に係る複合発電システム101は、複数のタービンを含み、電力を生産する。複合発電システム101は、ガスタービン20と、発電機91、92と、排熱回収ボイラ50と、蒸気タービン40と、アンモニア分解装置30と、第1排ガスライン27と、第2排ガスライン28と、凝縮部60と、冷熱伝達ライン62と、分解ガス供給ライン34とを含むことができる。
【0034】
本実施形態に係るガスタービン20は、大気の空気を吸入して高圧に圧縮した後、定圧環境で燃料を燃焼して熱エネルギーを放出し、この高温の燃焼ガスを膨張させて運動エネルギーに変換させた後に、残留エネルギーを含む排ガスを大気中に放出することができる。
【0035】
ガスタービン20は、圧縮機21と、燃焼器23と、メインタービン25とを含むことができる。ガスタービン20の圧縮機21は、外部から空気を吸入して圧縮することができる。圧縮機21は、圧縮機ブレードによって圧縮された圧縮空気を燃焼器23に供給し、また、ガスタービン20で冷却が必要な高温領域に冷却用空気を供給することができる。この時、吸入された空気は圧縮機21で断熱圧縮過程を経るので、圧縮機21を通過した空気の圧力と温度は上昇する。
【0036】
圧縮機21は、遠心圧縮機(centrifugal compressors)や軸流圧縮機(axial compressor)で設計されるが、小型ガスタービンでは遠心圧縮機が適用されるのに対し、大型ガスタービン20には多段軸流圧縮機が適用される。
【0037】
一方、燃焼器23は、圧縮機21の出口から供給される圧縮空気を燃料と混合して、等圧燃焼させて、高いエネルギーの燃焼ガスを作ることができる。
【0038】
燃焼器23で生産された高温、高圧の排ガスは、メインタービン25に供給される。メインタービン25では、排ガスが断熱膨張しながらメインタービン25の回転軸に放射状に配置された多数のブレードに衝突、反動力を与えることにより、排ガスの熱エネルギーが回転軸が回転する機械的なエネルギーに変換される。メインタービン25から得た機械的エネルギーの一部は、圧縮機21で空気を圧縮するのに必要なエネルギーとして供給され、残りは、発電機91を駆動して電力を生産するなどの有効エネルギーとして活用される。
【0039】
メインタービン25から排出された排ガスは、第1排ガスライン27を介して排熱回収ボイラ50に供給される。排ガスは、排熱回収ボイラ50を介して冷却された後、浄化されて外部に排出される。排熱回収ボイラ50は、燃焼ガスを冷却するだけでなく、燃焼ガスの熱を用いて高温高圧の蒸気を生成して蒸気タービン40に伝達する。
【0040】
排熱回収ボイラ50で生成された蒸気は、スチーム供給ライン58を介して蒸気タービン40に伝達され、蒸気タービン40で冷却された給水は、給水回収ライン64を介して凝縮部60に伝達される。
【0041】
蒸気タービン40は、排熱回収ボイラ50で生成された蒸気を用いてブレードを回転させ、回転エネルギーを発電機92に伝達する。蒸気タービン40は、冷却された蒸気を再度排熱回収ボイラ50に供給する。
【0042】
給水回収ライン64には、蒸気を凝縮する凝縮部60が連結され、凝縮部60は、蒸気タービン40から排出された蒸気を凝縮させるコンデンサ67と、コンデンサ67に冷却水を供給する冷却水供給ライン63と、冷却水供給ライン63に連結された冷却水熱交換器68とを含むことができる。コンデンサ67で冷却された凝縮水は、排熱回収ボイラ50または給水分岐ライン56に伝達される。
【0043】
コンデンサ67は、冷却水と、蒸気タービン40から伝達された蒸気とを熱交換して、蒸気を水に凝縮する。冷却水熱交換器68は、気化器73と連結された冷熱伝達ライン62から冷熱を受けて冷却水を冷却する。冷却水熱交換器68には、冷却水熱交換器68で加熱された冷媒を気化器に伝達する冷媒伝達ライン61が連結される。
【0044】
冷却水供給ライン63は、冷却水熱交換器68とコンデンサ67とを連結して、冷却水熱交換器68で冷却された冷却水をコンデンサ67に供給する。コンデンサ67には、コンデンサ67で凝縮された給水を排熱回収ボイラ50に伝達する給水供給ライン65が連結設置され、給水供給ラインには、コンデンサ67で凝縮された凝縮水を加圧して排熱回収ボイラ50に供給するポンプが設けられる。
【0045】
排熱回収ボイラ50の内部を移動する蒸気は、2段階または3段階の圧力を有することができるが、これによって、供給水は2または3以上の圧力レベルに加圧される。本実施形態では、排熱回収ボイラ50が3段階の圧力を有するものとして例示する。
【0046】
排熱回収ボイラ50は、ボイラ水の温度を高める節炭器51と、蒸気を生産する蒸発器52と、蒸気の温度を高める過熱器53とを含むことができる。また、排熱回収ボイラ50の内部には、汚染物質を除去する浄化装置54が設けられる。浄化装置54は、窒素酸化物を除去する選択的触媒還元装置などを含むことができる。
【0047】
アンモニア分解装置30は、気体状のアンモニアを熱分解して水素と窒素とを生成する。アンモニア分解装置30は、ルテニウム、ニッケルなどの金属を含む触媒を用いてアンモニアを分解する。メインタービン25から排出された排ガスは、第2排ガスライン28を介してアンモニア分解装置30に供給され、排ガスは、アンモニア分解装置30に熱を提供する。
【0048】
アンモニア分解装置30は、補助バーナ35をさらに含むが、分解ガス供給ライン34は、補助バーナ35と連結されて、補助バーナ35に分解ガスを供給する。補助バーナ35は、分解ガスを燃焼して熱を発生させ、補助バーナ35で発生した熱と、ガスタービン20から排出された排ガスとによって、アンモニアが加熱されて分解できる。補助バーナ35は、最初の起動時およびガスタービンから排出される排ガスの温度が十分に高くない場合にのみ稼働可能である。
【0049】
アンモニア分解装置30で生成された分解ガスは、分解ガス供給ライン34を介して燃焼器23および補助バーナ35に伝達される。分解ガス供給ライン34には、分解ガスの供給圧力を増加させる圧縮機39が設けられる。
【0050】
アンモニア貯蔵部71は、液体状態のアンモニアを貯蔵するタンクであって、アンモニア貯蔵部71にはアンモニア供給ライン74が連結される。アンモニア供給ライン74には、液化されたアンモニアの移動のためのポンプ72が設けられる。アンモニア供給ライン74は、アンモニア分解装置30にアンモニアを供給しかつ、液化されたアンモニアを気化させて供給する。
【0051】
アンモニア供給ライン74には気化器73が連結されるが、気化器73は、液化されたアンモニアを気化させる。気化器73には、冷媒伝達ライン61と冷熱伝達ライン62とが連結される。冷媒伝達ライン61は、冷却水熱交換器68で加熱された冷媒を気化器73に伝達し、冷熱伝達ライン62は、気化器73で液化されたアンモニアが気化される時に発生する冷熱を吸収した冷媒を冷却水熱交換器68に伝達する。これによって、気化器73の冷熱が冷却水熱交換器68に伝達されて、冷媒が低温に冷却するので、熱効率が向上できる。
【0052】
一方、給水供給ライン65には、給水をアンモニア分解装置30に供給する給水分岐ライン56が設けられ、給水分岐ライン56は、凝縮水加熱部37に給水を伝達する。凝縮水加熱部37は、コンデンサ67で凝縮された水を、前記アンモニア分解装置30から排出される排ガスとの熱交換で加熱する。凝縮水加熱部37には、加熱された給水を排熱回収ボイラ50の蒸発器52に伝達する給水リターンライン57が連結される。
【0053】
補助バーナ35には、分解ガスの燃焼のための空気を供給する空気供給ライン31が連結されるが、空気供給ライン31には、アンモニア分解装置30から排出される排ガスを用いて補助バーナ35に供給される空気を加熱する空気予熱器38が設けられる。空気供給ライン31には、空気を加圧して供給するための圧縮機32が設けられる。空気予熱器38が設けられると、アンモニア分解装置30から排出されるガスを用いて空気を加熱するので、熱効率が向上できる。
【0054】
上記のように、本実施形態によれば、アンモニアの分解によって生成された分解ガスを燃焼器23で燃焼するので、燃焼時に二酸化炭素の発生が著しく低減できる。また、アンモニアの分解がガスタービン20から排出された排ガスの熱源によって行われ、液化アンモニアの気化による冷熱が蒸気の凝縮に用いられるので、熱効率が向上できる。
【0055】
以下、本発明の第1実施形態に係る複合発電システムの駆動方法について説明する。
【0056】
図2は、本発明の第1実施形態に係る複合発電システムの駆動方法を説明するためのフローチャートである。
【0057】
図1および図2を参照して説明すれば、本第1実施形態に係る複合発電システムの駆動方法は、排ガス供給ステップS101と、気化ステップS102と、分解ステップS103と、蒸気生成ステップS104と、燃焼および発電ステップS105とを含むことができる。
【0058】
排ガス供給ステップS101は、ガスタービン20で発生した排ガスをアンモニア分解装置30および排熱回収ボイラ50に供給する。排ガス供給ステップS101では、ガスタービン20の燃焼器でアンモニア分解ガスなどの燃料の燃焼で排ガスが生成され、排ガスは、タービンを経て排熱回収ボイラおよびアンモニア分解装置に供給される。
【0059】
気化ステップS102は、液状のアンモニアを気化させてアンモニア分解装置30に供給し、アンモニアの気化時に発生する冷熱は凝縮部60に伝達する。気化ステップS102は、気化器で発生した冷熱を冷熱伝達ライン62を介して冷却水熱交換器68に伝達する。
【0060】
分解ステップS103は、ガスタービン20から供給された排ガスの熱を用いてアンモニアを水素、窒素などに分解して分解ガスを生成する。分解ガスは、水素、窒素、未反応アンモニアを含むことができる。分解ステップS103は、ルテニウム、ニッケルなどの金属を含む触媒を用いてアンモニアを分解することができる。分解ステップS103は、生成された分解ガスを燃焼器23および補助バーナ35に供給する。
【0061】
蒸気生成ステップS104は、排ガスを用いて凝縮水を加熱し、蒸気タービンに供給する。蒸気生成ステップS104で使用された蒸気は凝縮部60に伝達されて凝縮され、アンモニアの気化時に発生した冷熱を用いて蒸気が容易に凝縮できる。
【0062】
燃焼および発電ステップS105は、燃焼器23で分解ガスを燃焼して排ガスを発生させ、高圧の排ガスがメインタービン25に供給されて、メインタービン25の回転力で発電機91が駆動される。また、燃焼および発電ステップS105では、排熱回収ボイラ50で生成された高圧の蒸気が蒸気タービン40に供給されて、蒸気タービン40が発電機92を回転させることができる。
【0063】
以下、本発明の第2実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0064】
図3は、本発明の第2実施形態に係る複合発電システムを示す構成図である。
【0065】
図3を参照して説明すれば、本実施形態に係る複合発電システム102は、吸収塔81と再生塔82と分解ガス熱交換器87を除けば、上記の第1実施形態に係る複合発電システムと同一の構造からなるので、同一の構成に関する重複説明は省略する。
【0066】
アンモニア分解装置30には、分解ガスを吸収塔81に供給する吸収ライン83が連結され、吸収塔81は、吸収ライン83を介してアンモニア分解装置30で生成された分解ガスが供給されて、アンモニア分解ガスに含まれた残留アンモニアを分離する。吸収塔81は、分解ガスに水を噴射して未反応アンモニアを水素などから分離する。
【0067】
再生塔82は、吸収塔81からアンモニアと水との混合された吸収液が供給されて、水と混合されたアンモニアからアンモニアを分離する。再生塔82は、再熱器を用いて水と混合されたアンモニア吸収液を加熱して水とアンモニアとを分離し、分離された水は、吸収塔81に供給し、分離されたアンモニアは、アンモニア再生ライン86を介してアンモニア供給ライン74に伝達する。アンモニア再生ライン86には、再生塔82で分離されたアンモニアを圧縮してアンモニア供給ライン74に伝達するアンモニア圧縮機85が設けられる。
【0068】
吸収塔81には、残留アンモニアが除去された分解ガスを燃焼器23および補助バーナ35に供給する分解ガス供給ライン34が連結される。また、分解ガス供給ライン34には、吸収塔81に流入する分解ガスと、吸収塔81でアンモニアが除去された後に排出される分解ガスとを熱交換する分解ガス熱交換器87が設けられる。
【0069】
このように分解ガス熱交換器87が設けられると、燃焼器23および補助バーナ35に供給される分解ガスが加熱されて燃焼効率が向上するだけでなく、吸収塔81に供給される分解ガスが冷却されて、アンモニアが分解ガスから容易に分離できる。
【0070】
以下、本発明の第2実施形態に係る複合発電システムの駆動方法について説明する。
【0071】
図3を参照して説明すれば、本実施形態に係る複合発電システムの駆動方法は、排ガス供給ステップと、気化ステップと、分解ステップと、蒸気生成ステップと、燃焼および発電ステップとを含むことができる。本実施形態に係る複合発電システムの駆動方法は、分解ステップを除けば、上記の第1実施形態に係る複合発電システムの駆動方法と同一の構造からなるので、同一の構成に関する重複説明は省略する。
【0072】
分解ステップは、ガスタービン20から供給された排ガスの熱を用いてアンモニアを水素、窒素などに分解して分解ガスを生成する。分解ガスは、水素、窒素、未反応アンモニアを含むことができる。分解ステップは、ルテニウム、ニッケルなどの金属を含む触媒を用いてアンモニアを分解することができる。
【0073】
分解ステップは、アンモニア分解装置で生成された分解ガスを吸収塔81に供給して、分解ガスに含まれた残留アンモニアを分離するアンモニア吸収ステップと、吸収塔81から排出される分解ガスを吸収塔81に流入する分解ガスと熱交換させる熱交換ステップと、吸収塔81で水と混合されたアンモニアを再生塔82に伝達して、再生塔82で水とアンモニアとを分離する再生ステップとを含むことができる。
【0074】
吸収ステップは、分解ガスに水を噴射して未反応アンモニアを水素などから分離することができる。再生ステップは、水と分離されたアンモニアを気化器73に伝達し、アンモニアと分離された水を吸収塔81に伝達する。
【0075】
以下、本発明の第3実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0076】
図4は、本発明の第3実施形態に係る複合発電システムを示す構成図である。
【0077】
図4を参照して説明すれば、本実施形態に係る複合発電システム103は、補助熱交換器88を除けば、上記の第2実施形態に係る複合発電システムと同一の構造からなるので、同一の構成に関する重複説明は省略する。
【0078】
吸収ライン83には、アンモニア分解装置30から排出された分解ガスと、凝縮水とを熱交換する補助熱交換器88が設けられる。補助熱交換器88は、排熱回収ボイラ50から供給された凝縮水を用いてアンモニア分解装置30から排出された分解ガスを冷却し、分解ガスの熱を回収して蒸気を発生させる。
【0079】
補助熱交換器88から排出された分解ガスは分解ガス熱交換器87に供給されて、吸収塔81でアンモニアが除去された後に排出される分解ガスと熱交換後に、吸収塔81に流入できる。
【0080】
補助熱交換器88には、補助熱交換器88に凝縮水を供給する凝縮水熱交換ライン41と、気化された凝縮水を蒸気タービン40に伝達する蒸気伝達ライン42とが連結される。凝縮水熱交換ライン41は、給水分岐ライン56と連結され、蒸気伝達ライン42は、スチーム供給ライン58と連結される。
【0081】
一方、吸収塔81には、吸収塔81で未反応アンモニアが除去された分解ガスを移動させる精製ライン45が設けられる。精製ライン45には、分解ガスから水素を抽出する水素精製装置89が設けられ、水素精製装置89は、PSA(Pressure Swing Adsorption)工程設備からなる。また、水素精製装置89は、メンブレンタイプからなってもよい。精製された高純度水素はガスタービン20に供給されるか、水素需要先に供給される。
【0082】
以下、本発明の第3実施形態に係る複合発電システムの駆動方法について説明する。
【0083】
図4を参照して説明すれば、本実施形態に係る複合発電システムの駆動方法は、排ガス供給ステップと、気化ステップと、分解ステップと、蒸気生成ステップと、燃焼および発電ステップとを含むことができる。本実施形態に係る複合発電システムの駆動方法は、分解ステップを除けば、上記の第1実施形態に係る複合発電システムの駆動方法と同一の構造からなるので、同一の構成に関する重複説明は省略する。
【0084】
分解ステップは、ガスタービン20から供給された排ガスの熱を用いてアンモニアを水素、窒素などに分解して分解ガスを生成する。分解ガスは、水素、窒素、未反応アンモニアを含むことができる。分解ステップは、ルテニウム、ニッケルなどの金属を含む触媒を用いてアンモニアを分解することができる。
【0085】
分解ステップは、アンモニア分解装置30で生成された分解ガスを吸収塔81に供給して、分解ガスに含まれた残留アンモニアを分離するアンモニア吸収ステップと、吸収塔81から排出される分解ガスを吸収塔81に流入する分解ガスと熱交換させる熱交換ステップと、吸収塔81で水と混合されたアンモニアを再生塔82に伝達して、再生塔82で水とアンモニアとを分離する再生ステップと、吸収塔81でアンモニアが除去された分解ガスを精製装置89に流入させて水素を分離する水素分離ステップとを含むことができる。また、分解ステップは、分解装置から排出された分解ガスと、凝縮水とを熱交換して分解ガスを冷却し、凝縮水を気化させる補助熱交換ステップをさらに含むことができる。
【0086】
吸収ステップは、分解ガスに水を噴射して未反応アンモニアを水素などから分離することができる。再生ステップは、水と分離されたアンモニアを気化器73に伝達し、アンモニアと分離された水を吸収塔81に伝達する。精製ステップは、PSA(Pressure Swing Adsorption)工程で分解ガスから水素を分離することができる。補助熱交換ステップは、排熱回収ボイラから供給された凝縮水を用いてアンモニア分解装置から排出された分解ガスを冷却し、分解ガスの熱を回収して蒸気を発生させる。
【0087】
以下、本発明の第4実施形態に係る複合発電システムについて説明する。
【0088】
図5は、本発明の第4実施形態に係る複合発電システムを示す構成図である。
【0089】
図5を参照して説明すれば、本実施形態に係る複合発電システム104は、ガス-ガス熱交換器95を除けば、上記の第2実施形態に係る複合発電システムと同一の構造からなるので、同一の構成に関する重複説明は省略する。
【0090】
吸収ライン83には、アンモニア分解装置30から排出された分解ガスと、アンモニア気化器73から排出されたアンモニアとを熱交換するガス-ガス熱交換器95が設けられる。ガス-ガス熱交換器95は、アンモニア気化器73から排出されたアンモニアを用いてアンモニア分解装置30から排出された分解ガスを冷却し、分解ガスの熱を回収してアンモニア分解装置30に供給されるアンモニアを加熱する。
【0091】
ガス-ガス熱交換器95から排出された分解ガスは分解ガス熱交換器87に供給されて、吸収塔81でアンモニアが除去された後に排出される分解ガスと熱交換後に、吸収塔81に流入できる。
【0092】
アンモニア供給ライン74を通して移動するアンモニアは、ガス-ガス熱交換器95で加熱された後に、アンモニア分解装置30に供給される。
【0093】
以下、本発明の第4実施形態に係る複合発電システムの駆動方法について説明する。
【0094】
図5を参照して説明すれば、本実施形態に係る複合発電システムの駆動方法は、排ガス供給ステップと、気化ステップと、分解ステップと、蒸気生成ステップと、燃焼および発電ステップとを含むことができる。本実施形態に係る複合発電システムの駆動方法は、分解ステップを除けば、上記の第1実施形態に係る複合発電システムの駆動方法と同一の構造からなるので、同一の構成に関する重複説明は省略する。
【0095】
分解ステップは、ガスタービン20から供給された排ガスの熱を用いてアンモニアを水素、窒素などに分解して分解ガスを生成する。分解ガスは、水素、窒素、未反応アンモニアを含むことができる。分解ステップは、ルテニウム、ニッケルなどの金属を含む触媒を用いてアンモニアを分解することができる。分解ステップは、分解装置から排出された分解ガスと、アンモニア気化器73から排出されたアンモニアとを熱交換するガス-ガス熱交換ステップを含むことができる。
【0096】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想を逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
101、102:複合発電システム
20:ガスタービン
21:圧縮機
23:燃焼器
25:メインタービン
40:蒸気タービン
27:第1排ガスライン
28:第2排ガスライン
30:アンモニア分解装置
31:空気供給ライン
35:補助バーナ
37:凝縮水加熱部
38:空気予熱器
50:排熱回収ボイラ
51:節炭器
52:蒸発器
53:過熱器
54:浄化装置
60:凝縮部
61:冷媒伝達ライン
62:冷熱伝達ライン
63:冷却水供給ライン
65:給水供給ライン
67:コンデンサ
68:冷却水熱交換器
71:アンモニア貯蔵部
74:アンモニア供給ライン
73:気化器
81:吸収塔
82:再生塔
83:吸収ライン
86:アンモニア再生ライン
91、92:発電機
図1
図2
図3
図4
図5