(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118108
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】インタフェース構造のためのライトビジー信号送信
(51)【国際特許分類】
G06F 13/14 20060101AFI20230817BHJP
G06F 13/42 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
G06F13/14 310A
G06F13/42 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023019734
(22)【出願日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】17/671,031
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヘルヴィヒ
(72)【発明者】
【氏名】サンディープ バンジプラン
(72)【発明者】
【氏名】ダレン ガルピン
(72)【発明者】
【氏名】グレン ファラル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】データを時期尚早に処理する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】ライトトランザクションは、通信経路を通してマスターデバイス102からスレーブデバイス104までルーティングされる。通信経路は、第1のブリッジデバイス106a及び第1のブリッジデバイスの下流の第2のブリッジでデバイス106bを含む。第1、第2のブリッジデバイスは、インタフェース構造108を介して互いに結合されている。ライトトランザクションが第1のブリッジデバイスによって処理されるとき、第1のブリッジデバイスは、ライトビジー信号を通信経路上でセットし、それに応答して、ライトトランザクションをスレーブデバイスが受信するまで、第2のブリッジデバイスは、ライトビジー信号を保持し、ライトトランザクションを受信すると、ライトビジー信号をリセットして、第1のブリッジデバイスを通して、リセットした前記信号をマスターデバイスに戻す。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、前記方法は、
通信経路を通してマスターデバイスからスレーブデバイスまでライトトランザクションをルーティングするステップを含み、前記通信経路は、第1のブリッジおよび前記第1のブリッジの下流の第2のブリッジを含み、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジは、インタフェース構造を介して互いに結合され、
前記ライトトランザクションが前記第1のブリッジによって処理されるとき、前記第1のブリッジは、ライトビジー信号を前記通信経路上でセットし、前記第1のブリッジが前記ライトビジー信号をセットすることに応答して、前記ライトトランザクションが前記スレーブデバイスによって受信されるまで、前記第2のブリッジは、前記ライトビジー信号のセットを保持し、
前記スレーブデバイスが前記ライトトランザクションを受信すると、前記第2のブリッジは、前記ライトビジー信号をリセットして、前記第1のブリッジを通して、リセットした前記ライトビジー信号を前記マスターデバイスに戻して伝搬する、
方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記第1のブリッジが前記マスターデバイスからデータを受信する準備ができているとき、前記第1のブリッジからライトレディ信号を提供するステップと、
前記マスターデバイスが前記ライトレディ信号を受信するとき、同期イベントをトリガするステップと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データが前記スレーブデバイスに完全に書き込まれる前に、前記同期イベントは、トリガされる、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記同期イベントは、前記ライトビジー信号がセットされるかまたはリセットされるかを調べることにより、応答される、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
システムであって、前記システムは、
マスターデバイスと、
第1の第1インタフェースライトビジーラインを含む第1のインタフェース構造を介して前記マスターデバイスに結合されている第1のブリッジデバイスと、
第1の第2インタフェースライトビジーラインを含む第2のインタフェース構造を介して前記第1のブリッジデバイスに結合されている第1のスレーブデバイスと、
を備え、
前記第1のブリッジデバイスを通して前記マスターデバイスから前記第1のスレーブデバイスまでの第1の書込要求に応じて、前記第1のブリッジデバイスは、前記第1の第1インタフェースライトビジーラインをアサートするように構成され、
前記第1のスレーブデバイスが前記第1の書込要求を受け入れると、前記第1のスレーブデバイスは、前記第1の第2インタフェースライトビジーラインのデアサーションをトリガするように構成され、前記第1の第2インタフェースライトビジーラインの前記デアサーションに応答して、前記第1のブリッジデバイスは、前記第1の第1インタフェースライトビジーラインをデアサートするように構成される、
システム。
【請求項6】
前記システムは、第2のスレーブデバイスをさらに備え、
前記第1のインタフェース構造は、前記第1の第1インタフェースライトビジーラインとは区別され、前記第2のスレーブデバイスに対応する第2の第1インタフェースライトビジーラインを含む、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記第1のインタフェース構造を介して前記マスターデバイスに結合されている第2のブリッジデバイスをさらに備え、
前記第2のブリッジデバイスは、前記第2のスレーブデバイスを前記マスターデバイスに結合する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2のスレーブデバイスは、前記第2のインタフェース構造を介して前記第1のブリッジデバイスに結合され、
前記第2のインタフェース構造は、前記第1の第2インタフェースライトビジーラインとは区別される第2の第2インタフェースライトビジーラインを含み、
前記第2の第2インタフェースライトビジーラインは、前記第2のスレーブデバイスに対応する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のブリッジデバイスを通して前記マスターデバイスから前記第2のスレーブデバイスまでの第2の書込要求に応じて、前記第1のブリッジデバイスは、前記第2の第1インタフェースライトビジーラインをアサートするように構成され、
前記第2のスレーブデバイスが前記第2の書込要求を受け入れると、前記第2のスレーブデバイスは、前記第2の第2インタフェースライトビジーラインのデアサーションをトリガするように構成され、前記第2の第2インタフェースライトビジーラインの前記デアサーションに応答して、前記第1のブリッジデバイスは、前記第2の第1インタフェースライトビジーラインをデアサートするように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記第1のブリッジデバイスと前記第1のスレーブデバイスとの間に結合されている第2のブリッジデバイスをさらに備え、
前記第2のブリッジデバイスは、前記第2のインタフェース構造を介して前記第1のブリッジデバイスに結合され、第3のインタフェース構造を介して前記第1のスレーブデバイスに結合されている、
請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記第3のインタフェース構造は、第1の第3インタフェースライトビジーラインを含み、
前記第1のスレーブデバイスが前記第1の書込要求を受け入れると、前記第1のスレーブデバイスは、前記第1の第3インタフェースライトビジーラインをデアサートするように構成され、前記第1の第3インタフェースライトビジーラインのデアサーションに応答して、前記第2のブリッジデバイスは、前記第1の第2インタフェースライトビジーラインをデアサートするように構成され、前記第1の第2インタフェースライトビジーラインのデアサーションに応答して、前記第1のブリッジデバイスは、前記第1の第1インタフェースライトビジーラインをデアサートするように構成される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のスレーブデバイスは、前記第1のブリッジデバイスおよび前記第2のブリッジデバイスを介して前記マスターデバイスに結合され、
前記システムは、前記第1のブリッジデバイスを介してではなく、前記第2のブリッジデバイスを介して前記マスターデバイスに結合されている第2のスレーブデバイスをさらに備える、
請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、前記第1のインタフェース構造、前記第2のインタフェース構造および前記第3のインタフェース構造を介して前記マスターデバイスに結合されている第2のスレーブデバイスをさらに備え、
前記第1のインタフェース構造は、第2の第1インタフェースライトビジーラインを含み、
前記第2のインタフェース構造は、第2の第2インタフェースライトビジーラインを含み、
前記第3のインタフェース構造は、第2の第3インタフェースライトビジーラインを含み、
前記第2の第1インタフェースライトビジーライン、前記第2の第2インタフェースライトビジーラインおよび前記第2の第3インタフェースライトビジーラインは、前記第2のスレーブデバイスに対応する、
請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のスレーブデバイスが第2の書込要求を受け入れると、前記第2のスレーブデバイスは、前記第2の第3インタフェースライトビジーラインのデアサーションをトリガするように構成され、前記第2の第3インタフェースライトビジーラインの前記デアサーションに応答して、前記第2のブリッジデバイスは、前記第2の第2インタフェースライトビジーラインをデアサートするように構成され、前記第2の第2インタフェースライトビジーラインのデアサーションに応答して、前記第1のブリッジデバイスは、前記第2の第1インタフェースライトビジーラインをデアサートするように構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のブリッジデバイスは、論理回路を含み、
前記論理回路は、前記第1のスレーブデバイスに直接結合されている別々のライトビジーラインを有さずに、前記第1のスレーブデバイスからのライトデータレディ信号に応答して、前記第1の第2インタフェースライトビジーラインをデアサートするように構成される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のインタフェース構造は、データ/制御バスラインのセットおよび前記第1の第1インタフェースライトビジーラインを含み、
前記第2のインタフェース構造は、データ/制御ラインの同じセットおよび前記第1の第2インタフェースライトビジーラインを含み、
前記第3のインタフェース構造は、データ/制御ラインの同じセットを含むが、インタフェースライトビジーラインを含まない、
請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記マスターデバイス、前記第1のブリッジデバイスおよび前記第1のスレーブデバイスは、単一の集積回路パッケージに配置されている、
請求項5に記載のシステム。
【請求項18】
システムであって、前記システムは、
マスターデバイスと、
N個のライトビジーバスラインを含む第1のインタフェース構造を介して前記マスターデバイスに結合されている第1のレベルのブリッジデバイスと、
第2のインタフェース構造を介して前記第1のレベルのブリッジデバイスに結合されている第2のレベルのブリッジデバイスと、
第3のインタフェース構造を介して前記第2のレベルのブリッジデバイスに結合されているN個のスレーブデバイスと、
を備え、
前記N個のスレーブデバイスは、前記N個のライトビジーバスラインと1対1の対応を有する、
システム。
【請求項19】
前記マスターデバイスは、前記第1のレベルのブリッジデバイス内の少なくとも1つの第1のブリッジデバイスおよび前記第2のレベルのブリッジデバイス内の複数のブリッジデバイスを含む通信経路を介して、データを第1のスレーブデバイスに書き込むように構成される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1のスレーブデバイスは、ライトビジーバスラインを介して前記第2のレベルのブリッジデバイス内の前記複数のブリッジデバイスに結合されている、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2のインタフェース構造は、論理OR回路を含み、
前記論理OR回路は、前記第2のレベルのブリッジデバイス内の前記複数のブリッジデバイスからそれぞれ複数のライトビジー信号を受信し、前記受信した複数のライトビジー信号に基づいて、前記第1のレベルのブリッジデバイス内の前記第1のブリッジデバイスに単一のライトビジー信号を提供する、
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数のライトビジー信号は、前記第1のスレーブデバイスに対応する、
請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1のインタフェース構造は、
リード/ライト信号が前記マスターデバイスから前記N個のスレーブデバイスまで提供されるリード/ライトバスラインと、
アドレス信号が提供されるK個のアドレスバスラインと、
データ信号が提供されるM個のデータバスラインと、
を備え、
Kは、第2の整数であり、
2Kは、前記第1のインタフェース構造上のデバイスに利用できるアドレス空間に対応し、
Mは、第3の整数であり、
N個のライトビジー信号が提供される前記N個のライトビジーバスラインは、前記リード/ライトバスライン、前記K個のアドレスバスラインおよび前記M個のデータバスラインの各々とは別である、
請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
複数のマスター、複数のスレーブおよび複数のブリッジを有するデバイス内でデータをルーティングする方法であって、前記方法は、
複数のインタフェース構造を備える通信経路を通して、前記複数のマスターのうちの1つのマスターデバイスから前記複数のスレーブのうちの1つのスレーブデバイスまでライトトランザクションをルーティングするステップを含み、前記インタフェース構造は、前記複数のブリッジのうちの少なくとも1つのブリッジによって互いに接続され、
前記通信経路内の前記ブリッジの各々は、前記ライトトランザクションをマスター側インタフェース構造上で受信し、前記ライトトランザクションが前記ブリッジによって処理されるとき、ライトビジー信号をセットし、前記スレーブに対するオンワード通信のために、前記ライトトランザクションをスレーブ側インタフェース構造に伝搬し、
前記スレーブが前記ライトトランザクションを受信すると、前記スレーブは、前記インタフェース構造を通して、かつ、前記通信経路内の前記ブリッジを通して、リセットしたライト信号を前記マスターに戻して通信する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して集積回路に関するものであり、より詳しくは集積回路のためのバスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ムーアの法則は、集積回路(IC)上のトランジスタの数がほぼ2年ごとに2倍になると主張する電子部品の世界の概念である。ムーアの法則のため、ICは、各継続的世代につれてますます多くの機能を含む。例えば、数十年前、ICが単一の演算論理装置(ALU)から成ることができたが、今日のICは、相当量のメモリ、複数のマイクロプロセッサ(各々は、単一のALUより多くの機能を提供する)および周辺機器の全セットを含み、単一のICからシステムレベル機能を提供することができる。
【0003】
本質的に、IC上のメモリ、マイクロプロセッサおよび周辺機器の間を進む一連のワイヤであるバス構造は、さまざまなデバイスが効率的な方法で互いに通信するのを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】いくつかの実施形態に従って、インタフェース構造を含むシステムを示す。
【
図2】いくつかの実施形態に従って、インタフェース構造を含むシステムを示す。
【
図3】いくつかの実施形態に従って、インタフェース構造を含むシステムを示す。
【
図4】いくつかの実施形態に従って、インタフェース構造のデータ/制御バスラインおよびライトビジーバスラインを示す。
【
図5】
図4のいくつかの例と整合するタイミング図を示す。
【
図6】いくつかの実施形態に従って、インタフェース構造を含むより詳細なシステムを示す。
【
図7】
図6のいくつかの例と整合するタイミング図を示す。
【
図8】いくつかの実施形態に従って、インタフェース構造を含むより詳細なシステムを示す。
【
図9】
図8のいくつかの例と整合するタイミング図を示す。
【
図10】いくつかの実施形態に従って、フローチャートフォーマットで方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、本開示は、添付の図面を参照して記載され、類似の参照符号は、全体に類似の要素を参照するように用いられ、図示の構造およびデバイスは、必ずしも一定の比率で描かれていない。本願明細書において利用されるように、「構成要素」、「システム」、「インタフェース」などの用語は、コンピュータ関連のエンティティ、ハードウェア、ソフトウェア(例えば、実行時)および/またはファームウェアを参照することを意図する。
【0006】
以前の技術ノードと比較して、現代の集積回路システムは、より多くの構成要素、例えば、メモリ、マイクロプロセッサおよび周辺機器を含む。これらの構成要素は、マスターデバイスおよびスレーブデバイスに分類可能であり、マスターデバイスは、スレーブデバイスを制御する。システムがより多くのマスターデバイスおよびスレーブデバイスを含むとき、マスターデバイスおよびスレーブデバイスは、1つまたは複数のインタフェース構造を含む通信経路を介して互いに結合可能である。これらのインタフェース構造は、さまざまなマスターデバイスとスレーブデバイスとの間の広範囲に動作可能な結合を提供する。いくつかの場合において、インタフェース構造は、選択された入力が選択された出力に切替可能なクロスバーバス構造を含んでもよい。他の例において、インタフェース構造は、集積回路システムの1つの部分から他の部分まで信号をルーティングする相互接続を表現してもよい。複数のこの種のインタフェース構造は、マスターデバイスとスレーブデバイスとの間に提供されてもよく、いくつかの場合において、インタフェース構造およびブリッジは、マスターデバイスからスレーブデバイスまでの通信経路に沿って交互に存在する。しかしながら、インタフェース構造はまた、さまざまなデバイスの間のリードトランザクションおよび/またはライトトランザクションのための長い遅延に寄与しうる。これらの長い遅延によって、データが異常にまたはそれ以外は時期尚早に処理されたり、十分な安全装置が不在のおそれがある。例えば、さまざまなマスターデバイスがインタフェース構造の1つまたは複数のレベルを介してさまざまなスレーブデバイスと各々通信する集積回路上で、マスターデバイスが、スレーブデバイスにデータを書き込むためのライトトランザクションを要求し、このライトトランザクションがスレーブデバイスによって承認されたときに割り込みを出す場合、いくつかの場合において、データがスレーブデバイスに完全に書き込まれる前に、割り込みが機能することがありうる。この問題はまた、単一レベルのインタフェース構造を有するシステムにおいても起こりうるが、遅延が、インタフェース構造および/または通信経路上のブリッジデバイスの追加のレベルによって大きくなりうるので、インタフェース構造の追加のレベルがシステム内に含まれると、この問題は、潜在的により明白になる。
【0007】
したがって、本開示のいくつかの態様は、改善された信号送信技術を含むインタフェース構造を提供する。これらの技術は、インタフェース構造上の専用のライトビジーバスライン上に提供されるライトビジー信号を利用する。ライトビジー信号は、システムにおいて同期問題を緩和および/または防止するのを助けるように、アサートおよびデアサートされる。
【0008】
図1から
図3を集合的に簡潔に参照して、インタフェース構造108を含むシステム100~300のいくつかの例を見ることができ、インタフェース構造108は、1つまたは複数のマスターデバイス102(例えば、マスターデバイス102a)とN個のスレーブデバイス104との間の通信を促進し、Nは、任意の正の整数である。図示するように、ブリッジデバイス106は、マスターデバイス102とスレーブデバイス104との間に配置され、インタフェース構造108(第1のインタフェース構造108a、第2のインタフェース構造108bなどを含むことができる)は、マスターデバイス102、スレーブデバイス104およびブリッジデバイス106を結合する。N個のライトビジーバスライン(例えば、110a~110n)は、マスターデバイス102に提供され、それぞれN個のライトビジー信号を送り、N個のスレーブデバイス(104a~104n)が、それぞれ、いつライトトランザクションを受信したかを示す。これらのライトビジー信号は、いつそれぞれのスレーブデバイスが、ライトトランザクションを受け入れるのかをマスターデバイス102に通知するように、アサートおよびデアサートされ、このことにより、同期問題を緩和および/または防止するのを助ける。
【0009】
明確さおよび理解のために、
図1から
図3が各々単一のマスターデバイス102、N個のスレーブデバイス104および限定された数のブリッジデバイス106を示すということを認識されたい。しかしながら、一般的に、任意数のマスターデバイス、スレーブデバイスおよび/またはブリッジデバイスは、インタフェース構造および/またはさまざまなブリッジデバイスおよび/またはマスターデバイスおよび/またはスレーブデバイスを互いに結合する他のバス構造を有するIC上に存在することができる。さらに、ブリッジデバイスは、マスターデバイスとスレーブデバイスとの間に存在する任意数のブリッジデバイスレベルに構成可能であり、任意数のブリッジデバイスは、各ブリッジデバイスレベル内に存在する。典型的には、マスターデバイスは、N個のライトビジーバスラインを受信し、N個のライトビジーバスラインは、それぞれ、1対1の方法でN個のスレーブデバイスに対応する。したがって、
図1から
図3は、単にいくつかの例のシステムを示し、改善された信号送信技術を記載するために用いられるが、これらの例のシステムが制限的ではなく、本願明細書において後述されるより詳細な図面に関して後述される追加の例ではないことを認識されたい。
【0010】
図1を次に参照すると、システム100は、N個のスレーブデバイス104a、104b、…、104nと通信するように構成されるマスターデバイス102aを含む。第1のインタフェース構造108aは、マスターデバイス102を第1のブリッジデバイス106aに結合する(オプションで、第1のブリッジデバイス106aに並列の追加のブリッジデバイス(図示せず)に結合する)。第2のインタフェース構造108bは、第1のブリッジデバイス106aを第1のスレーブデバイス104aおよび第2のスレーブデバイス104bに結合する。第1のインタフェース構造108aは、第1の第1インタフェースライトビジーライン(WB11)110aを含み、第2のインタフェース構造108bは、第1の第2インタフェースライトビジーライン(WB21)112aを含み、これらのライトビジーライン(WB11)110aおよび(WB21)112aの両方は、第1のスレーブデバイス104aに対応する。第1のインタフェース構造108aはまた、第2の第1インタフェースライトビジーライン(WB12)110bを含み、第2のインタフェース構造108bはまた、第2の第2インタフェースライトビジーライン(WB22)112bを含み、これらのライトビジーライン(WB12)110bおよび(WB22)112bの両方は、第2のスレーブデバイス104bに対応する。
【0011】
第1の書込要求を第1のスレーブデバイス104aに提供するために(かつ、他の書込要求をシステム内の他のデバイスに提供するために)、第1のインタフェース構造108aは、インタフェースライトビジーライン110a、110b、…、110nとは物理的に別々の/区別されたデータ/制御バスライン116のセットを含む。
図4を簡潔に参照して、データ/制御バスライン116および別々のライトビジーライン(例えば、110a~110n)を含むインタフェース構造の一例を見ることができる。データ/制御バスライン116のために、インタフェース構造は、リード/ライト(R/W)バスライン118、一連のK個のアドレスバスライン120、一連のL個の識別(ID)バスライン122およびM個のデータバスライン124を含む。K、LおよびMは、互いに同一とすることができる整数であるが、典型的には互いに異なり、2
Kは、バス構造上のデバイスが利用できるアドレス空間に対応する。リード/ライトバスライン118は、所定のバストランザクションがリードまたはライトトランザクションであるかを示す制御ビットを送信し、アドレスバスライン120は、所定のリードまたはライトトランザクションのためのターゲットアドレス(例えば、マスターデバイスまたはスレーブデバイスのアドレス)を示し、したがって、システム内のさまざまなマスターデバイスおよびスレーブデバイスおよび他のデバイスにマップされる。識別(ID)バスライン122は、ライトトランザクションが開始するおよび/またはライトトランザクションが送信される各マスターデバイスおよびスレーブデバイスを独自に識別するモジュールIDを有し、データバスライン124は、さまざまなマスターデバイスおよびスレーブデバイスにおよび/またはそれらから転送されるデータを示す。いくつかの場合において、データ/制御バスライン116は、
図1から
図3および本願明細書において図示および/または記載されている他のシステムにおける各レベルのインタフェース構造を通して延在するラインの同じセットとすることができる。
【0012】
図1に戻って参照すると、マスターデバイス102aが、データ/制御バスライン116上で、第1のスレーブデバイス104aに第1の書込要求を要求すると、第1のブリッジデバイス106aは、第1の第1インタフェースライトビジーライン(WB11)110aをアサートするように構成される。さらに、第1のスレーブデバイス104aが第1の書込要求を受け入れると、第1のスレーブデバイス104aは、第1の第2インタフェースライトビジーライン(WB21)112aのデアサーションをトリガするように構成される。第1の第2インタフェースライトビジーライン(WB21)112aのデアサーションに応答して、第1のブリッジデバイス106aは、第1の第1インタフェースライトビジーライン(WB11)110aをデアサートするように構成される。第1の第2インタフェースライトビジーライン112aがデアサートされるまで、第1のブリッジデバイス106aは、第1の第1インタフェースライトビジーライン110aを継続的にアサートするので、マスターデバイス102aは、第1の第1インタフェースライトビジーライン(WB11)110a上の状態を評価することによって、第1のスレーブデバイス104aが実際にはいつ第1の書込要求を受信したかを正確に決定することができる。したがって、システム100は、第1のスレーブデバイス104aとチップ上の他のデバイスとの間の同期問題を回避することができる。
【0013】
同様に、第1のブリッジデバイス106aを通して、マスターデバイス102aから第2のスレーブデバイス104bまでの第2の書込要求に応じて、第1のブリッジデバイス106aは、第2の第1インタフェースライトビジーライン(WB12)110bをアサートするように構成される。さらに、第2のスレーブデバイス104bが第2の書込要求を受け入れると、第2のスレーブデバイス104bは、第2の第2インタフェースライトビジーライン(WB22)112bのデアサーションをトリガするように構成され、第2の第2インタフェースライトビジーライン(WB22)112bのデアサーションに応答して、第1のブリッジデバイス106aは、第2の第1インタフェースライトビジーライン(WB12)110bをデアサートするように構成される。したがって、マスターデバイス102aは、第2の第1インタフェースライトビジーライン110b上の状態を評価することによって、第2のスレーブデバイス104bが実際にはいつ第2の書込要求を受信したかを正確に決定することができ、このことにより、第2のスレーブデバイス104bそれ自体および/またはチップ上の他のデバイスとの間の同期問題を回避することができる。
【0014】
このようにして、割り込み、セマフォまたはシステム100内で起こる他の同期イベントに応じて、システムは、ライトビジーライン110a~110nを(例えば、割り込み処理ルーチンまたは他のメカニズムの一部として)評価し、スレーブデバイス104a~104nが保留中のライトトランザクションを有するかを決定することができる。ライトトランザクションが依然として保留中である(例えば、対応するライトビジーライン110a~110nが依然としてアサートされる)場合、システムは、適切な行動を取り(例えば、対応するライトビジーラインがデアサートされるまで、追加の時間待ち)、システムにおいて同期問題を緩和および/または防止することができる。したがって、データ/制御バスライン116に加えてライトビジーライン110a~110nを追加することは、インタフェース構造を有する、より大きな集積回路の同期問題を緩和および/または防止するのを助ける。
【0015】
図2は、いくつかの点で
図1と同様である他のシステム200を示し、
図2では、同様な要素は対応する参照符号によって識別される。
図1のシステムと同様に、
図2のシステムはまた、インタフェース構造108を介して1つまたは複数のスレーブデバイス104に結合されているマスターデバイス102aを含む。しかしながら、
図1のインタフェース構造108がマスターデバイス102aを第1のスレーブデバイス104aおよび第2のスレーブデバイス104bに結合する単一の第1のブリッジデバイス106aを含んでいたのに対して、
図2のインタフェース構造108は、2つの第1のレベルのブリッジデバイス(例えば、第1のブリッジデバイス106aおよび第2のブリッジデバイス106b)を含む。したがって、
図2では、第1のブリッジデバイス106aは、マスターデバイス102aを第1のスレーブデバイス104aに結合し、第2のブリッジデバイス106bは、第1のブリッジデバイス106aを通すことなく、マスターデバイス102aを第2のスレーブデバイス104bに結合する。この場合、第1のブリッジデバイス106aおよび第2のブリッジデバイス106bの両方は、データ/制御バスライン116の単一のセットを介してマスターデバイス102aに結合されるが、別々のデータ/制御バスライン116は、第1および第2のブリッジから第1および第2のスレーブデバイスまで延在し、別々のライトビジーライン110a、110bは、それぞれ、第1および第2のブリッジデバイス106a、106bから戻る。したがって、第1の第1インタフェースライトビジーライン110aは、第1のスレーブデバイス104aに対応し、第1の第2インタフェースライトビジーライン112aに基づいてデアサートされ、第1のブリッジデバイス106aからマスターデバイス102aまで提供される。同様に、第2の第1インタフェースライトビジーライン110bは、第2のスレーブデバイス104bに対応し、第2の第2インタフェースライトビジーライン112bに基づいてデアサートされ、第2のブリッジデバイス106bからマスターデバイス102aまで提供される。この構成はまた、システムにおいて同期問題を制限および/または防止するのを助ける。
【0016】
図3において、システム300は、2つのレベルのブリッジデバイスを含み、第1のブリッジデバイス106aは、マスターデバイス102aに結合され、第2のブリッジデバイス106bは、第1のブリッジデバイス106aを第1のスレーブデバイス104aおよび第2のスレーブデバイス104bに結合する。したがって、第1のインタフェース構造108aは、マスターデバイス102aを第1のブリッジデバイス106aに結合し、第2のインタフェース構造108bは、第1のブリッジデバイス106aを第2のブリッジデバイス106bに結合し、第3のインタフェース構造108cは、第2のブリッジデバイス106bを第1のスレーブデバイス104aおよび第2のスレーブデバイス104bに結合する。各インタフェース構造はまた、データ/制御バスライン116および別々のライトビジーラインを含む。
【0017】
図3において、第3のインタフェース構造108cは、第1の第3インタフェースライトビジーライン(WB31)114aおよび第2の第3インタフェースライトビジーライン(WB32)114bを含む。マスターデバイス102aが第1のブリッジデバイス106aを介して第1のスレーブデバイス104aに第1のライトトランザクションを要求するとき、第1のブリッジデバイス106aは、第1の第1インタフェースライトビジーライン(WB11)110aをアサートし、ライトトランザクションが第1のスレーブデバイス104aのために保留中であることを示す。第1のスレーブデバイス104aが第1の書込要求を受け入れ、第1のスレーブデバイス104aは、第1の第3ライトビジーライン114aのデアサーションをトリガし、ひいては、第2のブリッジデバイス106bをトリガして、第1の第2インタフェースライトビジーライン112aをデアサートし、第1の第1インタフェースライトビジーライン110aをデアサートするまで、この第1の第1インタフェースライトビジーライン(WB11)110aは、継続的にアサートされ続け、第1のスレーブデバイス104aが第1のライトトランザクションを受け入れたということをマスターデバイス102aに安全に通知する。同様に、マスターデバイス102aが、第1のブリッジデバイス106aを介して第2のスレーブデバイス104bに第2のライトトランザクションを要求すると、第1のブリッジデバイス106aは、第2の第1インタフェースライトビジーライン(WB12)110bをアサートし、ライトトランザクションが第2のスレーブデバイス104bのために保留中であることを示す。第2のスレーブデバイス104bが第2の書込要求を受け入れると、第2のスレーブデバイス104bは、第2の第3インタフェースライトビジーライン(WB32)114bのデアサーションをトリガするように構成され、ひいては、第2のブリッジデバイス106bをトリガし、第2の第2インタフェースライトビジーライン(WB22)112bをデアサートし、ひいては、第1のブリッジデバイス106aをトリガし、第2の第1インタフェースライトビジーライン(WB12)110bをデアサートし、第2のスレーブデバイス104bが第2のライトトランザクションを受け入れたということをマスターデバイス102aに安全に通知する。このようにして、ライトビジーライン110a~110n、112a~112n、114a~114nはまた、システムにおいて同期問題を制限および/または防止するのを助ける。
【0018】
図1から
図3がいくつかの基本構成を示し、これらの構成が任意数の方法で互いに組み合わせ可能であり、また、他の特徴を含み、改善されたインタフェースの信号送信技術を実現することができるということを認識されたい。これらの図示の実施形態および他の実施形態において、典型的には、マスターデバイス102、スレーブデバイス104およびブリッジデバイス106は、単一の集積回路パッケージに配置されているが、複数の集積回路パッケージにわたって広がることもできる。したがって、マスターデバイス、ブリッジデバイスおよびスレーブデバイスは、単結晶シリコン基板を含む単一のダイ上に配置可能であり、さまざまなデバイスのトランジスタは、基板に配置され、相互接続構造体を通して一緒に結合され、相互接続構造体は、単結晶シリコン基板の上の誘電構造体内に配置されている典型的には銅の金属線でできている。他の実施形態では、マスターデバイス、ブリッジデバイスおよびスレーブデバイスは、3次元集積回路(3DIC)内の複数のダイにわたって広がることができ、さまざまな半導体基板の上のおよび/または基板ビアを通る相互接続構造体は、3DICにおいてさまざまなデバイスを互いに結合し、パッケージしている材料、例えば、セラミック、樹脂または他の保護材料によってカプセル化される。
【0019】
図5のタイミング図に関して、書込要求がどのように
図3のシステム300において処理可能であるかの一例が記載されている。
【0020】
図5において、マスターデバイス102aは、第1のインタフェース構造108aのデータ/制御バスライン116上で第1のスレーブのアドレスを送信することによって、第1の書込要求(502)を第1のスレーブデバイス104aに送信する。第1のブリッジデバイス106aは、第1の第1インタフェースライトビジーラインWB11(504)をアサートすることによって、第1の書込要求を受け入れ、また、wr_ready(ライトレディ)信号(506)をマスターデバイス102aに返送する。wr_ready信号(506)は、第1のインタフェース構造108aのデータ/制御バスライン116を介して送信され、第1のブリッジデバイス106aが、第1のスレーブデバイス104aに送信されるデータを受信する準備ができていることを示す。
【0021】
508において、第1のブリッジデバイス106aは、第2のインタフェース構造108bのデータ/制御バスライン116上で第1のスレーブのアドレスを送信することによって、第1の書込要求を第2のブリッジデバイス106bに転送する。第2のブリッジデバイス106bは、第1の第2インタフェースライトビジーラインWB21(510)をアサートすることによって、第1の書込要求を受け入れ、また、第2のインタフェース構造108bのデータ/制御バスライン116を介して、wr_ready信号(512)を第1のブリッジデバイス106aに返送する。このwr_ready信号512は、第2のブリッジデバイス106bが、第1のスレーブに送信されるデータを受信する準備ができていることを示す。
【0022】
次に、514において、第2のブリッジデバイス106bは、第3のインタフェース構造108cのデータ/制御バスライン116を介して、第1の書込要求を第1のスレーブデバイス104aに転送する。第1のスレーブデバイス104aが第1の書込要求を受信したことを確認応答するために、第1のスレーブデバイス104aは、第1の第3ライトビジースレーブ信号WB31(516)をデアサートし、第1の書込要求が第1のスレーブデバイス104aで保留中であることを示す。
【0023】
第1の第3ライトビジースレーブ信号WB31のデアサーションを受信すると、第2のブリッジデバイス106bは、第1の第2インタフェースライトビジーラインWB21(518)をデアサートする。第1の第2インタフェースライトビジースレーブ信号WB21のデアサーションを受信すると、第1のブリッジデバイス106aは、第1の第1インタフェースライトビジーラインWB11(520)をデアサートする。したがって、第1の第1インタフェースライトビジーラインWB11は、第1のブリッジデバイス106aが最初に第1の書込要求(504)を受け入れたときから、第1のブリッジデバイス106aが第1の第1インタフェースライトビジーラインWB11(520)のデアサーション(これは、第1のスレーブデバイス104aが第1の書込要求を受信したことを示す)を検出するまで、継続的にアサートされ続ける。
【0024】
いくつかの場合において、(506において)wr_ready信号がマスターデバイス102aで受信されるとき、同期イベント522、例えば、割り込みまたはセマフォは、トリガ可能である。したがって、インタフェース構造の分散した性質に起因した遅延のため、データは、この時点ではまだ第1のスレーブデバイス104aに書き込まれることができなかった。この条件によって同期問題が生じないことを確実にするために、同期イベント522を評価するとき、システムは、第1の第1インタフェースライトビジーライン(WB11)520を(例えば、割り込み処理ルーチンまたは他のメカニズムの一部として)評価し、第1のスレーブデバイス104aが保留中のライトトランザクションを有するかを決定することができる。ライトトランザクションが依然として保留中である(例えば、第1の第1インタフェースライトビジーラインWB11が依然としてアサートされる)場合、システムは、適切な行動を取り(例えば、第1の第1インタフェースライトビジーラインWB11がデアサートされるまで、追加の時間待ち)、システムにおいて同期問題を緩和および/または防止することができる。したがって、このライトビジー信号送信は、データが、異常にまたはそれ以外は時期尚早に処理されるのを制限または防止する。
【0025】
図6に戻ると、
図1から
図3の基本的な特徴のいくつかおよび他の特徴を含むシステム600のより詳細な実施形態を見ることができる。システム600はまた、複数のブリッジデバイス106を通して1つまたは複数のマスターデバイス102を多くのスレーブデバイス104に結合するインタフェース構造108を含む。したがって、一般的に、
図6は、チップ上のさまざまな点に配置されている多くのマスターデバイス102および多くのスレーブデバイス104を示す。インタフェース構造108は、マスターデバイスとスレーブデバイスとの間に配置され、ブリッジデバイスは、インタフェース構造108の間に配置される。インタフェース構造108は、必ずしも全チップを接続するというわけではなく、1つのインタフェース構造から他のインタフェース構造を得るために、ブリッジデバイスが用いられる。さらに、データ/制御バスライン116およびライトビジーライン(例えば、WBS1、WBS2、…、WB1*2など)は、マスターデバイス102とスレーブデバイス104とブリッジデバイス106との間の物理的接続(例えば、チップ内の物理配線)を表現する。したがって、物理的チップ上のマスターデバイス、ブリッジデバイスおよびスレーブデバイスの数は固定されているが、任意数のマスターデバイス、スレーブデバイスおよびブリッジデバイス(ならびに任意数のブリッジデバイスのレベル)を含むことができる。しかしながら、論理的に述べると、マスターとスレーブとの間のブリッジの数は、やがて変化しうるので、さまざまなブリッジおよびインタフェース構造の上の論理通信経路は、マスターデバイスとその/それらの対応するスレーブデバイスとの間で、対応してやがて変化しうる。この方法は、マスターデバイスとスレーブデバイスとの間の柔軟な帯域幅および通信を提供するが、ライトビジーラインの存在を除けば、同期問題につながりうる。したがって、ライトビジーラインは、従来の方法と比較してさまざまな構成要素間の改善された同期を促進するのを助けることができる。
【0026】
この例では、各スレーブデバイスに割り当てられるブリッジデバイスの数は、そのスレーブデバイスにより用いられると予想されるバス帯域幅に対応することができる。
図6のための一例を考慮すると、第1のスレーブデバイス104aは、大きいバス帯域幅を消費すると予想され、第2のスレーブデバイス104bは、小さいバス帯域幅を消費すると予想され、第Nのスレーブデバイス104nは、中間のバス帯域幅を消費すると予想される。この帯域幅割り当てを容易にするために、ブリッジデバイスの数は、これらの予想されるバス帯域幅に従うように割り当てられる。したがって、さらにこの例では、第1のスレーブデバイス104aには、ブリッジデバイス602、604、606、608および610が割り当てられる。これは、第1のマスターデバイス102aから第1のスレーブデバイス104aに送信されるデータ書込要求が、ブリッジデバイス602、604、606、608および610の任意の組み合わせからできている通信経路を用いることを意味する。さらに、ライトビジー信号は、ブリッジデバイス602、604、606、608および610の各々を通るライトビジーラインを介して第1のスレーブデバイス104aから第1のマスターデバイス102まで戻して伝搬される。これは、第1のスレーブデバイス104aに、ブリッジデバイス602および606を通る完全に専用の通信経路およびブリッジデバイス604、608および610を通る共有の通信経路の一部を効果的に提供する(この共有の通信経路は、第1のスレーブデバイス104aおよび第2のスレーブデバイス104bの間で共有されている)。第2のスレーブデバイス104bには、ブリッジデバイス604および610のみが割り当てられ、ブリッジデバイス604および610はまた、第1のスレーブデバイス104aと共有されるので、第2のスレーブデバイス104bは、第1のスレーブデバイス104aよりかなり小さいバス帯域幅を受信する。ライトビジー信号は、ブリッジデバイス604および610のみを通るライトビジーラインを介して第2のスレーブデバイス104bから第1のマスターデバイス102aまで戻して伝搬される。第Nのスレーブデバイス104nに関して、ブリッジデバイス612および614は、各々、第Nのスレーブデバイス104nに完全に割り当てられるので、第Nのスレーブデバイスは、中間のバス帯域幅を有する。ライトビジー信号は、ブリッジデバイス612および614のみを通るライトビジーラインを介して第Nのスレーブデバイス104nから第1のマスターデバイス102まで戻して伝搬される。
【0027】
ブリッジデバイスは、所定の通信経路オプションを通して、さまざまな書込要求をさまざまなスレーブにルーティングするアドレス検出およびルーティング回路を個々に区別してきた。例えば、上述したように、第1のスレーブデバイス104aは、ブリッジ1-1(602)、ブリッジ1-2(604)、ブリッジ2-1(606)、ブリッジ2-2(608)およびブリッジ2-3(610)のなんらかの組み合わせを含む通信経路を通して書込要求を受信し、ブリッジは、書込要求が第1のスレーブデバイス104aに向けられていることを識別するアドレス検出回路を有し、それに応じて活性化する。ブリッジ1-1(602)、ブリッジ1-2(604)、ブリッジ2-1(606)、ブリッジ2-2(608)およびブリッジ2-3(610)のどの組み合わせが正確に通信経路に含まれるかは、これらのブリッジデバイスのうちのどれが現在利用可能であるかに依存し、動作中動的に変化しうる。同様に、第2のスレーブデバイス104bに関して、ブリッジ1-2(604)およびブリッジ2-3(610)は、アドレス検出およびルーティング回路を有し、第2の書込要求が第2のスレーブデバイス104bに向けられていることを識別し、それに応じて活性化し、他のブリッジデバイス602、606、608、612、614は、第2の書込要求を活性化しないおよび/または通過しない。第Nのスレーブデバイス104nに関して、ブリッジ1-3(612)およびブリッジ2-4(614)は、この通信経路を通して(かつ他のブリッジデバイス602、604、606、608、610を通さず)第Nのライトトランザクションをルーティングするアドレス検出およびルーティング回路を有する。
【0028】
したがって、いくつかの場合において、第1のスレーブデバイス104aは、第1のブリッジデバイス(例えば、ブリッジ2-1)および第2のブリッジデバイス(例えば、ブリッジ2-3)を介して第1のマスターデバイス102aに結合され、第2のスレーブデバイス104bは、第1のブリッジデバイスを介さず(例えば、ブリッジ2-1を介さず)第2のブリッジデバイス(例えば、ブリッジ2-3)を介して第1のマスターデバイス102aに結合される。ブリッジデバイスのアドレスデコーディングハードウェアにおいて実施可能なこの帯域幅を選択的に共有することは、さまざまなスレーブが、互いと異なる所定のバス帯域幅を有することができ、このバス帯域幅は、さまざまなスレーブデバイスによって消費されると予想されるバス帯域幅に従うので、有利である。また、所定のブリッジデバイスのためのデータ/制御バスライン116は、その所定のブリッジからさまざまな下流のデバイスに供給するので、この方法はまた、いくぶん配線を節約する。例えば、ブリッジ1-1の下流のデータ/制御バスライン116は、ブリッジ2-1に結合され、(ブリッジ2-1を通して)第1のスレーブデバイス104aに結合されるが、スレーブNには結合されない。同様に、ブリッジ1-2の下流のデータ/制御バスライン116は、ブリッジ2-2およびブリッジ2-3に結合され、(ブリッジ2-2およびブリッジ2-3を介して)第1のスレーブデバイス104aおよび第2のスレーブデバイス104bに結合されるが、スレーブNには結合されない。したがって、書込要求は、ターゲットアドレスを特定し、さまざまなブリッジデバイスによってデコードされて書込要求をインテリジェントに通過させるデータ/制御バスライン116上で、マスターデバイスからさまざまなスレーブデバイスまで送信可能である。
【0029】
同期問題を制限および/または防止するために、インタフェース構造108はまた、データ/制御バスライン116とは別であるライトビジーラインを含む。特に、マスターデバイスは、第1のスレーブデバイス104aに対応する第1の第1インタフェースライトビジーラインWB1*1、第2のスレーブデバイス104bに対応する第1の第2インタフェースライトビジーラインWB1*2、…、および、第Nのスレーブ104nに対応する第1の第NライトビジーラインWB1Nを含む。所定のブリッジレベルの複数のブリッジデバイスがスレーブデバイスに割り当てられるとき、インタフェース構造は、論理OR回路(例えば、616、618)を含み、ライトビジーラインを統合し、所望の機能をイネーブルにしてもよい。さらに、
図6の実施形態では、スレーブデバイス104a~104nはまた、第3のインタフェース構造108c内でデータ/制御バスライン116とは別であるライトビジーライン(例えば、それぞれ、WBS1~WBSN)を含み、ライトビジーラインは、対応するスレーブデバイスがインタフェース構造108上のライトトランザクションを受け入れるとき、選択的にデアサートされる。
【0030】
したがって、各スレーブのために、インタフェース構造108は、各ブリッジレベルでスレーブデバイスに割り当てられた利用できるブリッジを通して、マスターデバイスから対応するスレーブデバイスまでライトトランザクションをルーティングする。それゆえ、例えば、第1のスレーブデバイス104aに書き込むために、割り当てられた第1のレベルのブリッジ(例えば、ブリッジ1-1またはブリッジ1-2)は、書込要求を受け入れ、ライトビジー信号(例えば、それぞれ、WB111またはWB121)をセットし、それにより、第1のインタフェース構造108a内のORゲート616によって、マスターデバイスで第1の第1インタフェースライトビジーラインWB1*1のアサーションをトリガする。次に、書込要求を受け入れた第1のレベルのブリッジは、それが結合される第2のレベルのブリッジに、書込要求を転送する。それゆえ、例えば、ブリッジ1-2が書込要求を受け入れる場合、ブリッジ1-2は、第2のインタフェース構造108bのデータ/制御バスライン116を用いて、ブリッジ2-2およびブリッジ2-3に書込要求を転送するであろう。第2のレベルのブリッジが書込要求を受け入れると、要求は、関連したスレーブデバイスに転送される。それゆえ、例えば、ブリッジ2-2が第1のスレーブデバイス104aのための書込要求を受信する場合、ブリッジ2-2は、第3のインタフェース構造108cのデータ/制御バスライン116を介して書込要求を転送する。第1のスレーブが書込要求を受信すると、第1のスレーブは、ライトビジーラインWBS1をデアサートし、次に、WB211および/または(ORゲート618を通るWB221および/またはWB231を介して)WB2*1をデアサートし、ひいては、(ORゲート616を通るWB111および/またはWB121を介して)WB1*1をデアサートする。したがって、第1のブリッジ(例えば、ブリッジ1-2)がその対応するライトビジー信号(例えば、WB121)をセットすることに応答して、ライトトランザクションがスレーブデバイスによって受信されるまで、第2のブリッジ(例えば、ブリッジ2-2)は、セットされたライトビジー信号を保持し、スレーブデバイスがライトトランザクションを受信すると、第2のブリッジ(例えば、ブリッジ2-2)は、ライトビジー信号(例えば、WB221)をリセットし、第1のブリッジ(例えば、ブリッジ1-2)を通して、リセットしたライトビジー信号(例えば、WB121)をマスターデバイスに戻して伝搬する。
【0031】
図7のタイミング図に関して、書込要求がどのようにシステム600において処理可能であるかの一例が記載されている。
図7は、書込動作が互いに挟まれる(交互に生ずる)場合、すなわち、マスターデバイスが第1のスレーブデバイスに第1の書込要求をして、その書込要求がインタフェース内で保留中である間、マスターデバイスが第2のスレーブデバイスに第2の書込要求をする場合を示すということを認識されたい。しかしながら、他の場合では、挟まれた書き込みは発生しないかもしれず、したがって、
図6から
図7は同時に以下で参照されるが、
図7は単に
図6のシステム600がどのように機能しうるかの1つの非限定的な例にすぎない。
【0032】
図7において、第1のマスターデバイス102aは、第1のスレーブデバイス104aに第1の書込要求(702)をする。説明のためにこの例では、ブリッジ1-1(602)が第1の書込要求を請求すると推定し、それゆえ、ブリッジ1-1(602)は、WB111(704)をアサートすることによって第1の書込要求を受け入れ、これによりまた、第1の第1インタフェースライトビジーラインWB1*1は、ORゲート616に起因してアサートされる(
図6参照)。しかしながら、この例では、ブリッジ1-1は、まだデータを受信する準備ができていないので、ブリッジ1-1(602)がwr_data_ready_1-1信号(706)をアサートする前に長い遅延705が存在する。なお、706でのwr_data_ready(ライトデータレディ)信号のアサーションは、ブリッジ1-1が実際にデータを受信する準備ができていることを示す。それにもかかわらず、遅延705の間、ブリッジ1-1は、次のレベルのブリッジに第1のライトトランザクション(708)を転送し、その位置では、ブリッジ2-1(606)は、第1の書込要求を請求し、第1の第2インタフェースライトビジーラインWB211(710)をアサートする。次に、ブリッジ2-1(606)は、第1のスレーブデバイス104aに第1の書込要求を転送し(712)、第1のスレーブデバイス104aは、第1のライトビジースレーブ信号WBS1をアサートし(714)、ライトトランザクションが第1のスレーブデバイス104aで保留中であることを示す。
【0033】
ブリッジ1-1(602)が依然としてデータを受信する準備をしている遅延705の間、第1のマスターデバイス102aは、第2のスレーブデバイス104bに第2の書込要求(716)をする。この例では、ブリッジ1-2(604)は、第2の書込要求を請求し、それゆえ、ブリッジ1-2は、第2の第1インタフェースライトビジーラインWB1*2(718)をアサートする。ブリッジ1-2(604)はまた、ブリッジ2-2(608)に第2の書込要求を転送し(720)、ブリッジ2-2(608)は、次に、第2のスレーブデバイス104bに第2の書込要求を転送する(722)。ブリッジ2-2(608)および第2のスレーブデバイス104bは、第2の書込要求を受け入れることに応答して、それらのライトビジーライン(724および726参照)をアサートする。さらに、ブリッジ1-2(604)がデータを受信する準備ができているので、ブリッジ1-2はまた、wr_data_ready_1-2信号(728)をアサートする。wr_data_read_1-2信号(728)を受信することに応答して、マスターデバイス102aは、730において、ブリッジ1-2にデータを送信し、このデータは、次に、732および734において、さまざまなブリッジから下方に伝えられ、第1のスレーブ104aに書き込まれる。
【0034】
スレーブデバイスが書込要求を受け入れるために(これは、インタフェース構造内の遅延に起因して、データがスレーブデバイスに書き込まれる十分前に発生しうる)、スレーブは、そのライトビジーラインをデアサートする。したがって、第2のスレーブ104bが第2の書込要求を受け入れるとき、第2のスレーブは、736において、第2の第3インタフェースライトビジーラインをデアサートする。第2の第3インタフェースライトビジースレーブ信号のデアサーションを受信すると、ブリッジデバイス2-2(608)は、第2の第2インタフェースライトビジーラインWB222(738)をデアサートする。第2の第2インタフェースライトビジースレーブ信号WB222のデアサーションを受信すると、ブリッジデバイス1-2(604)は、第2の第1インタフェースライトビジーラインWB2=WB1*2(740)をデアサートする。したがって、第2の第1インタフェースライトビジーラインは、ブリッジ1-2が最初に第2の書込要求(716)を受け入れたときから、ブリッジデバイス1-2が第2の第1インタフェースライトビジーライン(740)のデアサーション(これは、第2のスレーブデバイス104bが第2の書込要求を受信したことを示す)を検出するまで、継続的にアサートされ続ける。第1のスレーブデバイス104aが第1の書込要求を受け入れるとき、同様の機能が発生する(742、744、746参照)。
【0035】
図8は、多くの点で
図7に類似の他の実施形態を示す。しかしながら、
図8では、第3のインタフェース構造108cは、データ/制御バスライン116の同じセットを含むが、いかなる専用のライトビジーラインも含まない。それゆえ、
図8の実施形態では、スレーブからのwr_data_ready信号は、対応するスレーブから専用の/別々の物理的ライトビジーラインを通さず、単に、データ/制御バスラインを通して(例えば、論理信号として)送信される。したがって、
図8では、第2のレベルのブリッジ(例えば、ブリッジ2-1、ブリッジ2-2、ブリッジ2-3など)は、論理回路を有し、データ/制御バスライン116上の信号を評価し、いつスレーブデバイスが書込要求を受信して、次に、第2のインタフェース構造108bの対応するライトビジーライン(例えば、WB211、WB222、WB221など)をデアサートするのかを決定する。次に、デアサートされたライトビジー信号は、上述したようにマスターデバイス102aに伝搬され、いつスレーブデバイスが書込要求を受け入れたのかを、マスターに通知することができる。
【0036】
図9のタイミング図に関して、書込要求がどのようにシステム800において処理可能であるかの一例が記載されている。
図9は、書込動作が互いに挟まれる場合、すなわち、マスターデバイスが第1のスレーブに第1の書込要求をして、その書込要求がインタフェース内で保留中である間、マスターデバイスが第2のスレーブデバイスに第2の書込要求をする場合を示すということを認識されたい。しかしながら、他の場合では、挟まれた書き込みは発生しないかもしれず、したがって、
図8から
図9は同時に以下で参照されるが、
図9は、単に
図8のシステム800がどのように機能しうるのかの1つの非限定的な例にすぎない。
【0037】
また、
図9では、別々のライトビジーラインがそれぞれのスレーブデバイスからアサートおよび/またはデアサートされるよりはむしろ、スレーブデバイスは、データ/制御バスライン116の上のデータを受信する準備ができていることを示すwr_data_ready信号を送信し、第2のレベルのブリッジは、wr_data_ready信号を送信し、ライトビジーラインを対応してデアサートする。
【0038】
図10は、いくつかの実施形態に従って、フローチャートフォーマットで方法1000を示す。
【0039】
方法1000は、ステップ1002で開始し、ステップ1002において、ライトトランザクションは、第1のブリッジおよび第1のブリッジの下流の第2のブリッジを含む通信経路を通してマスターデバイスからスレーブデバイスまでルーティングされる。第1のブリッジおよび第2のブリッジは、インタフェース構造を介して互いに結合されている。
【0040】
ステップ1004において、ライトトランザクションが第1のブリッジによって処理されるとき、第1のブリッジは、ライトビジー信号を通信経路上でセットする。第1のブリッジがライトビジー信号をセットすることに応答して、ライトトランザクションがスレーブデバイスによって正しく受信されるまで、第2のブリッジは、ライトビジー信号のセットを保持する。
【0041】
ステップ1006において、スレーブデバイスがライトトランザクションを正しく受信すると、第2のブリッジは、ライトビジー信号をリセットして、第1のブリッジを通して、リセットしたライト完了信号をマスターデバイスに戻して伝搬する。
【0042】
「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などという用語は、単に共通識別子なだけであり、それゆえ、さまざまな実施形態において交換されてもよいということを認識されたい。例えば、要素(例えば、スレーブ)がいくつかの実施形態において「第1の」要素と呼ばれてもよいが、その要素は、他の実施形態において「第2の」要素と呼ばれてもよく、さらに他の実施形態において「第3の」要素と呼ばれてもよい、などであり、したがって、これらの共通識別子は、本開示の範囲内で、任意数の配列で、さまざまな実施形態の間で切替可能および/または置換可能である。
【0043】
要約書において記載されることを含む、本開示の例示される実施形態の上述の記載は、網羅的に述べることを意図するものではなく、開示される実施形態を開示されるのと全く同じ形態に限定することを意図するものでもない。例示のために、本願明細書において具体的な実施形態および例が記載されるが、当業者が認識できるような、そのような実施形態および例の範囲内で考えられる種々の変更が可能である。
【0044】
この点で、主題は種々の実施形態および対応する図面に関連して本願明細書において記載されてきたが、適用可能な場合には、開示される主題から逸脱することなく、他の類似の実施形態を用いることができるか、または開示される主題の同じ機能、類似の機能、代替機能または代用機能を実行するために記載される実施形態に対して変更を加えることおよび追加することができることを理解されたい。それゆえ、開示される主題は、本願明細書において記載される任意の単一の実施形態に限定されるべきではなく、以下に添付の特許請求の範囲による広さおよび範囲内で解釈されるべきである。
【0045】
この出願において用いられているように、「または」という用語は、排他的な「または」ではなくて包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、他に特に指定のない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを使用する」は、自然な包括的順列のいずれも意味することが意図されている。すなわち、XがAを使用する、XがBを使用する、または、XがAおよびBの両方を使用する場合、そのとき、「XがAまたはBを使用する」は、前述のいずれの場合にも満たされる。加えて、この出願および添付の特許請求の範囲において使用されるものとしての不定冠詞は、一般に、単数形を指示すると他に指定のない限り、または文脈から明らかでない限り、「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである。さらに、「含んでいる」、「含む」、「有している」、「有する」、またはその変形語が、詳細な説明および特許請求の範囲において使用される限りにおいて、そのような用語は、「備える」という用語と同様の形で包括的であることが意図されている。
【外国語明細書】