IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ モントル チュードル ソシエテ アノニムの特許一覧

特開2023-118123ブレスレットの長さを調節するための装置
<>
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図1
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図2
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図3
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図4
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図5
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図6
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図7
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図8
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図9
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図10
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図11
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図12
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図13
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図14
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図15
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図16
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図17
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図18
  • 特開-ブレスレットの長さを調節するための装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118123
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】ブレスレットの長さを調節するための装置
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/24 20060101AFI20230817BHJP
   A44C 5/18 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
A44C5/24
A44C5/18 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023020447
(22)【出願日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】22156512.0
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】512025506
【氏名又は名称】モントル チュードル ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガルサン, ジーユ
(72)【発明者】
【氏名】リオッテ, チボー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性があり、操作が直感的で使いやすく、長さ調整ができるブレスレットを提供する。
【解決手段】留め金カバー7に対して可動な、1つの調節組立体10を含み、調節組立体とカバーのそれぞれには、異なるブレスレット長さを誘発可能ないくつかの位置に関してそれぞれ固定されるための、第一及び第二固定要素11が設けられ、調節組立体とカバーのそれぞれには、いくつかの位置の一つに応じたそれぞれの一時的位置決めのための、第一及び第二割出要素21が設けられ、調節組立体はまた、カバーに対する調節組立体の変位を案内する、カバーの第二案内要素と協働する第一案内要素を含む、案内装置を含む、ブレスレットの長さを調節するための調節装置であって、第一割出要素は、第一案内要素から独立する及びまたは別個である、及びまたは第二割出要素72は、第二案内要素から独立するまたは別個である、ブレスレットの長さを調節するための調節装置。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
留め金カバー(7;7’;7”)に対して可動な、少なくとも1つの調節組立体(10;10’;10”)を含み、前記調節組立体(10;10’;10”)と前記カバー(7;7’;7”)のそれぞれには、異なるブレスレット長さを誘発可能ないくつかの位置に関してそれぞれ固定されるための、第一及び第二固定要素(11,71;11’,71’;11”,71”)が設けられ、前記調節組立体(10;10’;10”)と前記カバー(7,7’,7”)のそれぞれにはまた、前記いくつかの位置の一つに応じたそれぞれの一時的位置決めのための、第一及び第二割出要素(21,72;21’,72’;21”,72”)が設けられ、前記調節組立体(10;10’;10”)はまた、前記カバー(7;7’;7”)に対する前記調節組立体(10;10’;10”)の変位を案内する、前記カバー(7;7’;7”)の第二案内要素(74;74’;74”)と協働する第一案内要素(3,4,5;3’,4’,5’;3”,4”)を含む、案内装置を含む、ブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)であって、
前記第一割出要素(21;21’;21”)は、前記第一案内要素(3,4,5;3’,4’,5’;3”,4”)から独立する及びまたは別個である、及びまたは前記第二割出要素(72;72’;72”)は、前記第二案内要素(74;74’;74”)から独立するまたは別個である、
ブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項2】
前記第一割出要素(21;21’;21”)は、前記案内装置とは別個の弾性要素を含む、
請求項1に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項3】
前記カバー(7;7’;7”)の前記第二案内要素(74;74’;74”)と、前記カバー(7;7’;7”)の前記第二割出要素(72;72’;72”)とは、前記カバーの2つの別個の壁上に、それぞれ前記側壁(75;75’;75”)上と前記外壁(73;73’;73”)上とに、またはその逆に、配置される、
請求項1または2に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項4】
前記第一割出要素(21;21’;21”;21*)は、弾性爪部、とりわけボール爪部、または線ばね、または板ばねといった弾性要素を含み、前記第二割出要素(72;72’;72”)は、前記調節組立体(10;10’;10”)の前記外側表面上と前記カバー(7;7’;7”)の外壁(73;73’;73”)上に、具体的には前記カバー(7;7’;7”)の外壁(73;73’;73”)の内側表面(731;731’;731”)上に、またはその逆に、それぞれ配置された、縦方向の切欠きの列を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項5】
前記調節組立体(10;10’;10”)は、互いに関節接合された2つのリンク(1,2;1’,2’;1”,2”)を含み、前記第一リンク(1;1’;1”)は第一固定要素(11;11’;11”)を含み、前記第二リンク(2;2’;2”)は第一割出要素(21;21’;21”)を含み、前記調節組立体は、前記第一固定要素(11;11’)を前記カバーの前記第二固定要素(71;71’)に向けてまたは対して弾性的に戻すこと、または前記第二固定要素(71”)と対向する前記第一固定要素(11”)を阻止すること、を可能にする力を発揮する、ばね(6;6’)または1以上のボール爪部といった弾性要素を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項6】
前記第二割出要素(72;72’;72”)及び前記第二固定要素(71;71’;71”)は、縦方向に整列されて配置された、及びまたは少なくとも横方向に部分的に交互配置されるよう配置された、少なくとも1つの別個の切欠きの連続を含み、または前記割出及び固定機能を充足する同じ切欠きを含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項7】
前記第一案内要素は、前記カバー(7;7’;7”)の側壁(75;75’;75”)上に配置されるサイドウェイ(74;74’;74”)といった前記第二案内要素と協働する、前記調節要素(10;10’;10”)の側面上に配置される、ランナ(3;3’;3”)を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項8】
前記第一案内要素は、少なくとも1つの横方向バーの前記2つの端部に配置されるランナ(3;3’;3”)を含み、前記少なくとも1つの横方向バーは、前記カバー(7;7’;7”)に向けて、とりわけ前記カバー(7;7’;7”)の前記側壁(75;75’;75”)に向けて前記ランナ(3;3’;3”)に弾性推進力を発揮するよう配置されたばねを含む、
請求項7に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項9】
前記第一及び第二固定要素(11,71;11’,71’;11”,71”)は、一方では前記調節組立体(10;10’;10”)のリンク(1;1’;1”)上に配置される1以上の歯の形状を取り、他方では前記カバー(7;7’;7”)の外壁(73;73’;73”)上に、具体的には前記カバー(7;7’;7”)の外壁(73;73’;73”)の内側表面(731;731’;731”)上に配置される切欠きの列の形状を取り、またはその逆である、
請求項1から8のいずれか一項に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項10】
前記調節装置の切欠きは、前記割出装置が規定する各位置が、対応する前記固定装置の固定位置を有するよう、前記固定装置のノッチを分離するピッチと等しいまたは実質的に等しいピッチに沿って、分配される、
請求項1から9のいずれか一項に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)を含む、ブレスレットの展開留め金。
【請求項12】
請求項11に記載の展開留め金を含む、ブレスレット。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載のブレスレットの長さを調節するための調節装置(100;100’;100”)、または請求項11に記載の展開留め金、または請求項12に記載のブレスレットを含む、時計、とりわけ腕時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレスレットの2つの端部間に配置された展開留め金が設けられた腕時計のブレスレットに特に適した、ブレスレットの長さを調節するための装置に関する。本発明はまた、当該ブレスレットの長さを調節するための装置を組み込んだ留め金及びブレスレットそのもの、及び当該調節装置を含む、腕時計そのものといった、時計に関する。
【背景技術】
【0002】
装着者の手首周りに小型時計ブレスレットの2つの長さを取り付けるために設けられた、最先端の展開留め金は、ブレードが取り付けられる閉鎖の第一位置と、ブレードがもはや取り付けられずブレスレットの挿入または除去を可能にする開放の第二位置とを取ることができる、いくつかの関節接合されたブレードを含む。このような留め金は、一般的には、従来の調節と呼ばれる、ブレスレットに対する自身の位置決めの第一調節が設けられる。しかしながら、最終的に得られる長さは多くの場合最適ではない。
【0003】
このため、既存の留め金には、第一の従来の調節を補完する、快適調節とも呼ばれる、ブレスレットの長さの第二調節を可能にする、解決策が設けられる。特許文献1は、このような解決策を開示し、当該解決策は、旋回し、ブレスレットの2つの異なる長さを誘発する2つの安定位置を取ることができる、調節リンクに依拠する。短縮位置は、調節リンクの短縮位置において取り付けられ弾性的に阻止される、ブレスレットの端部リンクの切欠きにより維持される。特許文献2は、ブレスレットの調節リンクが、当該ブレスレットの留め金カバーに対向して変位可能な、他の解決策を開示し、調節リンクは、切欠きによりカバーに固定される。これら既存の解決策は、ブレスレットの長さの調節にあたり、ユーザ側の慎重な操作を必要とする。当該操作は、ブレスレットの所望の長さを得るために、とりわけ切欠きに対する可動要素の適切な位置決めを可能にすべきである。
【0004】
特許文献3は、特許文献2で開示する解決策の原理を再利用する一方、ブレスレット長さ調節の適用をより使いやすくする割出装置を追加する、ブレスレットの長さを調節するための他の解決策を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0819391号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1908366号明細書
【特許文献3】国際公開第2019/158471号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一般的な目的の一つは、ブレスレットの長さの調節の魅力を更に向上させることである。
【0007】
より具体的には、本発明は、動作に信頼性があり、操作が直感的且つ使いやすい、ブレスレットの長さを調節するための解決策を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明は、調節リンクの案内装置とは別個の割出装置を含む、ブレスレットの長さを調節するための装置に依拠する。具体的には、割出装置と案内装置のそれぞれの弾性機能的要素が、別個である。
【0009】
加えて、割出装置はまた、固定装置と機能的に別個であり、全体的または部分的に、構造的に別個である。
【0010】
一実施形態によれば、ブレスレットの長さを調節するための調節装置は、留め金カバーに対して可動な、少なくとも1つの調節組立体を含み、前記調節組立体と前記カバーのそれぞれは、異なるブレスレット長さを誘発可能ないくつかの位置に関してそれぞれ固定されるための、第一及び第二固定要素が設けられ、前記調節組立体と前記カバーのそれぞれはさらに、前記いくつかの位置の一つに応じたそれぞれの一時的位置決めのための、第一及び第二割出要素が設けられ、前記調節組立体はまた、前記カバーに対する前記調節組立体の変位を案内する、前記カバーの第二案内要素と協働する第一案内要素を含む、案内装置を含み、前記第一割出要素は、前記第一案内要素から独立する及びまたは別個である、及びまたは第二割出要素は、第二案内要素から独立するまたは別個である。
【0011】
本発明は、より具体的には請求項により定義される。
【0012】
本発明の目的、特徴及び利点は、添付の図面に関して非限定的態様で与えられる特定の実施形態についての以下の説明で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第一実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置を組み込んだ、開放位置にある留め金の斜視図である。
図2図2は、本発明の第一実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置を組み込んだ、閉鎖位置にある留め金の斜視図である。
図3図3は、本発明の第一実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の斜視図である。
図4図4は、本発明の第一実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の調節組立体の斜視図である。
図5図5は、本発明の第一実施形態にかかる調節組立体の、第一バーにおける調節装置の横方向平面での断面図である。
図6図6は、本発明の第一実施形態にかかる調節組立体の、第二バーにおける調節装置の横方向平面での断面図である。
図7図7は、第一固定位置にある、本発明の第一実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の、縦方向平面での断面図である。
図8図8は、第一中間調節位置にある、本発明の第一実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の、縦方向平面での断面図である。
図9図9は、第二中間調節位置にある、本発明の第一実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の、縦方向平面での断面図である。
図10図10は、第二固定位置にある、本発明の第一実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の、縦方向平面での断面図である。
図11図11は、本発明の第一実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置のカバーの斜視図である。
図12図12は、本発明の第二実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置のカバーの斜視図である。
図13図13は、本発明の第二実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の調節組立体の斜視図である。
図14図14は、中間調節位置にある、本発明の第二実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の、縦方向平面での断面図である。
図15図15は、本発明の第三実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置のカバーの斜視図である。
図16図16は、本発明の第三実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の調節組立体の斜視図である。
図17図17は、中間調節位置にある、本発明の第三実施形態にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の、縦方向平面での斜視図である。
図18図18は、本発明の第三実施形態の変形例にかかるブレスレットの長さを調節するための装置の調節組立体の斜視図である。
図19図19は、ブレスレットの長さを調節するための装置の変形割出要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態にかかる留め金内のブレスレットの長さを調節するための装置を説明する。当該留め金とブレスレットは、装着者の手首の輪郭に適合するよう設計される。手首に対して規定される参考フレームにおいて、「内側」及び「外側」の形容詞は、それぞれ、手首に向けられるまたは手首から離れて向けられる表面または要素を指定するために用いられる。縦方向は、ブレスレット長さまたは留め金の長さ方向を指定する。横方向は、ブレスレット長さまたは留め金の平面内で、縦方向に直角の方向である。
【0015】
図1から11は、ブレスレットの長さを調節するための調節装置100の第一実施形態を図示する。当該調節装置100は、カバー7が設けられた展開留め金200内に包含され、当該カバー7内で、調節組立体10が摺動可能である。当該調節組立体10と展開留め金200のカバー7が一体となり、ブレスレットの長さを調節するための調節装置100を形成する。
【0016】
展開留め金200は、とりわけ図1で見てとれるように、2つの展開ブレード91、92を含む。第一ブレード91の第一縦方向端部は、第一軸A91上でカバー7に関節接合され、第一ブレード91の第二縦方向端部は、第二ブレード92の第一縦方向端部で第二軸A92周りに関節接合される。具体的には、これらブレード91、92は、装着者の手首の形状に最適に適合するよう、湾曲される。図2で示される、留め金の閉位置において、2つのブレード91、92は、互いに重なり合って折り畳まれ、カバー7と第二縦方向端部における第二ブレード92のそれぞれにより支持される係止装置90により、当該構成に保持される。係止装置90は、第二ブレード92内に収容され、カバー7上に形成される切欠き94と協働するために設けられる、注目されるべきボール爪部93を含む。係止装置90はまた、軸A95周りに旋回され、ブレード91及び92が互いに重なり合って折り畳まれて切欠き94内で保持されるボール爪部93のボールにより、その位置に保持されると、カバー7に対して折り畳まれるように設けられた、安全カバー95を含む。留め金の当該閉位置において、カバー7は、2つのブレード91、92へ折り畳まれ、装着者がカバー7の見ることができる外部表面を見ることができるように、第一ブレード91に実質的に重なり合って延長し、2つのブレード91、92はカバー7の下に隠される。
【0017】
このため、調節装置100は、より具体的には図4に示される、第一軸A1周りに関節接合されるように互いに連結された第一リンク1と第二リンク2とを含む、調節組立体10を含む。第一リンク1は、突出する態様で外側に延長し、第一固定要素11の役割を果たす、歯を含み、第一固定要素11は、カバーの外壁73に、より具体的にはカバーの外壁73の内側表面731に配置され、第二固定要素71の役割を果たす、切欠きの第一連続と協働するために設けられる。当該第二固定要素71は、このため、より具体的には図11に示すように、縦方向に整列されカバー7の外壁73の内側表面731に中心を取るように配置された、切欠きの連続からなる。当該実施形態において、切欠きは、有利には、カバー7の外壁73の見ることができる外側表面が連続性を維持し、魅力的な審美的外観を有するように、開口してはいない。第一及び第二固定要素は、両者で、ブレスレットの長さを調節するための装置の固定装置を形成する。
【0018】
更に、調節組立体10の第一リンク1はまた、第二リンク2との反対の縦方向端部に、リンク軸12を含み、これによりブレスレットストランドの、とりわけ金属ブレスレットの、他のリンクまたはリンケージと、または柔軟ブレスレットの長さと、当該第一リンク1を連結することが可能になる。これにより、調節組立体10の変位は、ブレスレットストランドの変位をもたらし、調節組立体10の位置に応じてブレスレットストランドの長さを規定する。
【0019】
調節組立体10の第二リンク2は、自身では、第一割出要素21の役割を果たす、自身の外部表面から突出する態様で延長する、ボール爪部を含む。ボール爪部のボール211は、第二割出要素72の役割を果たす、カバー7の外壁73に配置された切欠きの第二連続と協働するために設けられる。ボール爪部は、ここでは、第二リンク2の外側表面上に形成された穴22に、より少ない遊びをもって挿入される。代替的に、当該ボール爪部は、第二リンク2に、とりわけ打ち込み、ろう付け、または溶接により固定されてもよい。当該実施形態によれば、第二割出要素72は、より具体的には図11に示すように、縦方向に整列され、カバー7の外壁73の内側表面731に中心を取るように配置された、切欠きの連続からなる。具体的には、第二割出要素72の切欠きは、縦方向において、第二固定要素71の切欠きと整列される。第二固定要素71の切欠きにおいて、これら第二割出し要素72の切欠きは、有利には、カバー7の外壁73の見ることができる外側表面が連続性を維持し、魅力的な審美的外観を有するように、開口してはいない。第一及び第二割出要素は、両者で、ブレスレットの長さを調節するための装置の割出装置を形成する。
【0020】
調節組立体10はカバー7に対して可動に搭載される。その変位は、図3、5及び6で見てとれるように、カバー7の側壁75のそれぞれに配置されたガイドウェイまたはスライドウェイ74内で摺動するように設けられた、とりわけ第二リンク2上に横方向配置された案内ランナ3を含む、案内装置により、カバー7内で案内される。第一及び第二ランナ3は、2つのリンク1、2の第一横方向軸A1に沿って配置された、第一バー4の端部のそれぞれに配置される。当該横方向軸A1はまた、第一及び第二リンク1、2の関節接合軸を規定する。詳細は以下で説明するように、第一リンク1をカバー7に向けて戻すため、戻りばね6が、当該軸周りに配置される。第三及び第四ランナ3はまた、第一横方向軸A1と平行な、第二リンク2の第二横方向軸A2に沿って配置された、第二バー5の端部の両方に配置される。これら2つのバー4、5は、上述のカバー7のスライドウェイ74内に収容されることができるよう、2つのそれぞれの端部に配置されたランナ3が第二リンク2の2つの側壁から突出するよう、第二リンク2を通過する。
【0021】
より具体的に図5で見てとれる第一バー4は、環状中央パーツ41を含み、その中には、バー4の端部のそれぞれに位置決めされるピボット43に弾性推進力を発揮するばね42が配置される。ランナ3は、ピボット43のそれぞれの端部に配置される。このため、ばね42は、カバーのスライドウェイ74に対して、ピボット43を介して、ランナ3に弾性推進力を発揮する。当該推進力は、信頼できる変位と、調節組立体10のより少ない遊びとを達成するために、スライドウェイ内のランナ3の理想的な位置決めを保証するよう設計される。
【0022】
同様に、図6で見て取れるバー5は、環状中央パーツ51を含み、その中には、バー5の端部のそれぞれに位置決めされるピボット53に弾性推進力を発揮するばね52が配置される。ランナ3は、ピボット53のそれぞれの端部に配置される。このため、ばね52は、カバーのスライドウェイ74に対して、ピボット53を介して、ランナ3に弾性推進力を発揮する。
【0023】
最後に、調節組立体10のバー4、5と、そのランナ3、それにカバー7のスライドウェイ74は、一体となり調節組立体10を案内するための装置を、そのため調節装置の案内装置を、形成する。バー4、5とそのランナ3は、案内装置の第一案内要素を表し、スライドウェイ74は、案内装置の第二案内要素を表す。任意で、ランナ3は、カバー7に対して調節組立体10の第一縦方向当接要素を表し、スライドウェイ74は、カバー7に対して調節組立体10の第二縦方向当接要素を表してもよい。
【0024】
この特定の調節組立体構造10において、リンク1はまた、ここではねじりばねの形状を取る戻りばね6の影響下で、前述のように、カバー7の外壁73に対して、具体的にはカバー7の外壁73の内側表面731に対して、弾性的に戻される。これにより、第一固定要素11、即ち本実施形態によれば第一リンク1の歯は、本実施形態によればカバーの切欠きである、第二固定要素71に対して弾性的に戻される。代替的に、第一固定要素は、ノッチング装置の影響下で切欠きに対向する安定位置に固定または阻止されてもよく、ノッチング装置は、例えば、1以上のボール爪部を伴ってもよく、ここでボール爪部は、第一固定要素11を第二固定要素71に対してまたは向かって押圧する弾性戻し力を必ずしも誘発しなくてもよい。
【0025】
図7から10は、垂直縦方向中間平面を通じた断面図であって、とりわけ当該調節装置が設けられたブレスレットの最大延長を可能にする、調節装置100の作動を示すものである。
【0026】
図7は、カバー7に対する第一固定位置にある調節組立体10を図示する。当該第一位置は、留め金へブレスレットを固定する、安定位置である。当該構成において、第一固定要素11を形成する歯は、戻りばね6の影響下で、第二固定要素71に属する切欠き内へ圧入される。加えて、第一割出要素21に属するボール211は、第一割出要素21に属する弾性要素の、具体的にはボール爪部のばね212の影響下で、第二割出要素72に属する切欠き内に位置するまたはおおよそ位置する。カバー7内への調節組立体10の固定は、ここでは、主として固定装置7により、このため2つの固定要素の協働により、即ち切欠き内の歯により、保証される。実際、当該固定装置は、ブレスレットが慣習的に装着されるときに、カバー7上の調節組立体10の安定固定を保証するよう設計される。
【0027】
図8は、第一の、一時的中間位置にある調節組立体10の作動を図示し、ここで、第一リンク1は、歯をカバーの切欠きから分離するため、戻りばね6に対抗して、第一軸A1周りの回転の第一方向に旋回され、これにより第一固定要素を第二固定要素71から解放する。このように切欠きから後退された歯は、とりわけカバーの側壁75に形成されたガイドウェイ74内を摺動するよう設けられたランナ3を介して、調節組立体10をカバー7内で摺動可能にする。図8で示す一時的構成において、ボール211は、自身では、ばね212の影響下でカバーの切欠きに対する押圧が維持されることを注記する。換言すれば、第一及び第二割出要素は、締結が維持される。しかしながら、以下で説明するように、当該割出装置は、調節組立体を、一時的にカバーに対して保持可能にする一方で、調節組立体の摺動調節を可能にするよう設計される。
【0028】
このため、調節の実施は、調節組立体10の変位により、例えば、ブレスレットの最大延長に対応する、図9に図示する位置により、継続される。調節組立体10は、このように、2つの割出要素21、72により、即ちボール爪部と切欠きの連続により規定される、いくつかの一時的安定位置に従い、カバー7に対して変位可能であることを注記する。割出装置は、このように、固定装置に適切に作用する前に、調節組立体の適切な一時的位置決めを可能にすることにより、ブレスレットの長さを調節するにあたりユーザを補助する、事前位置決め手段を形成する。しかしながら、当該割出装置は、ブレスレットの長さの調節の継続を可能にするため、ユーザの単純な手動作動により、様々な割出位置から簡単に脱出可能であることから、調節組立体を固定するには十分ではない。このため、割出要素は、固定機能を果たさない。割出要素は、前述のように、別個である固定装置を補完するものである。
【0029】
このため、図9は、カバー7(図7から10において、右側に位置する)に対して、一時的最先端位置に位置決めされた調節組立体10を図示する。当該位置において、ボール211は、第二割出要素72の最後の切欠き内に位置する。
【0030】
図10は、歯11が、リンク1の上述の第一方向と反対の第二回転方向への第一軸A1回りの回転に続き、第二固定要素71の最先端の切欠きに位置された、調節組立体10を図示する。調節装置はこのように、ブレスレットの長さが増加された、第二固定位置にある。当該特定の第二固定位置において、バー4のピボット43のそれぞれの端部に配置されたランナ3は、スライドウェイ74のそれぞれの縦方向端部に対して顕著に当接する。もちろん、同じ動作で、あらゆる長さの調節が可能であり、調節組立体の反対方向(図7から10で左)への変位は、ブレスレットの短縮を可能にする。
【0031】
調節装置の当該第一実施形態において、第二固定要素71を形成する切欠きの連続は、カバー7の外壁73の第一縦方向部分P1に応じて配置され、第二割出要素72を形成する切欠きの連続は、カバー7の外壁73の第二縦方向部分P2に応じて配置される。上述の第一及び第二部分は別個であり、より具体的には図11で見て取れるように、縦方向に互いに連続して配置される。換言すれば、第二固定要素と第二割出要素は、別個である。同様に、第一固定要素と第一割出要素は、別個である。
【0032】
好みにより、例えば図示する実施形態によれば5個といった、割出装置の切欠きと同数の固定装置の切欠きがある。もちろん、その他の切欠きの数も、とりわけ2つ、3つ、または4つ、または5以上も、可能である。更に、固定装置及び割出装置のそれぞれの、2つの連続する切欠きを分離する距離またはピッチは、有利には同一または実質的に同一である。このため、調節装置の構造は、割出要素が締結されると、固定要素は調節装置の固定位置を達成するよう協働可能になるというものである。
【0033】
図12から15は、ブレスレットの長さを調節するための調節装置100’の第二実施形態を図示する。図12に示すように、当該第二実施形態は、第二固定要素71a’、71b’及び第二割出要素72’をそれぞれ形成する切欠きの配置が異なり、カバー7’の外壁73’の内側表面731’に配置される点で、第一実施形態と異なる。
【0034】
実際、第二固定要素71’の切欠きと第二割出要素72’の切欠きをそれぞれ含む、第一及び第二部分P1及びP2は、部分的に重なる。第二固定要素は、実際、カバー7’の外壁73’に横方向に配置された、2つの平行な切欠き71a’、71b’の縦方向の連続を含む。第二割出要素72’の切欠きは、カバーの外壁73’の中央部に配置された、切欠きの縦方向の連続を形成する。加えて、第二割出要素72’の切欠きは、第二固定要素71’の切欠き71a’、71b’の間に少なくとも部分的に交互配置される。換言すれば、カバー7’の外壁73’には、部分P1及びP2が重なり、第二割出要素72’の切欠きが、第二固定要素71’の2つの切欠きの間で横方向に配置可能な区域が存在する。
【0035】
このような配置は、第二割出要素72’と第二固定要素71’はカバー7’の外壁全体の縦方向にわたり延長する可能性が高いため、第二割出要素72’と第二固定要素71’のそれぞれの切欠きの数を最大化することを可能にする。より一般的には、このような配置は、カバーの所定の縦方向の範囲について、ブレスレットの長さの調節の範囲を最大化することを可能にする。
【0036】
図13は、上述のようなカバー7’に適した調節組立体10’を図示する。調節組立体10’は、その第一リンク1’が、第二固定要素71’を形成する切欠き71a’、71b’の縦方向の連続の一つとそれぞれ協働するよう設計された、横方向に整列された第一固定要素11’を形成する、2つの歯11a’、11b’を含む点で、第一実施形態と異なる。
【0037】
また、第二リンク2’の第一割出要素21’は、ここでは、第一固定要素11’の歯11a’、11b’に近づけられる。換言すれば、両者を縦方向に分離する距離d’は、図4に示す、第一実施形態の距離dよりも減少される。当該第二実施形態は、第一実施形態の調節組立体10よりも小型の、調節組立体10’を提供することを可能にする。
【0038】
当該第二実施形態の他の特徴は、実質的に変更されることはなく、第二実施形態の調節装置100’の作動の原理は、第一実施形態の調節装置100のそれと同様または同一である。例示として、図14は、長さ調節フェーズにある調節装置100’を示し、それにおいて調節組立体10’の歯11a’(図示せず)、11b’は、第二固定要素の切欠き71a’(図示せず)、71b’の所定の組から後退される。
【0039】
第一実施形態においては、好みにより、第二割出要素72’の切欠きと同数の第二固定要素71a’の切欠き71a’、71b’の組が存在する。更に、第二固定要素の2つの切欠きまたは切欠きの2つの組を分離する距離は、有利には、第二割出要素72’の2つの切欠きを分離する距離と同一または実質的に同一である。
【0040】
図15から18は、ブレスレットの長さを調節するための調節装置100’の第三実施形態を図示する。当該実施形態は、第二固定要素71”及び第二割出要素72”が統合された点で、最初の2つの実施形態と異なる。換言すれば、図15に示すように、カバー7”の外壁73”の内側表面731”の、切欠きの単一の縦方向の連続が、第二固定要素71”と第二割出要素72”の両方を形成する。同一の切欠きが、第一固定要素及び第一割出要素を同時に受け入れ可能である。換言すれば、第一及び第二部分P1及びP2は、重なり、とりわけ統合される。このような配置は、所定の縦方向のカバー範囲について、第二割出要素72”と第二固定要素71”を形成する切欠きの数を最大化することを可能にする。
【0041】
図16に示すように、調節組立体10”は、2つの関節接合されたリンク1”、2”を含む。第一リンク1”は、横方向に整列され、第一固定要素11”を形成する、2つの歯11a”及び11b”を含む。第二リンク2”は、ここでは線ばね21”の形状を取る、第一割出要素21”を含み、線ばね21”の折り曲げられた第一端部21a”は軸23”を少なくとも部分的に被覆または隠し、2つの歯11a”、11b”の間に実質的に配置された自由第二端部21b”は、カバー7”の第二割出要素72”を形成する切欠きと協働するよう設計される。歯11a”、11b”の端部21b”を縦方向に分離する距離は、当該実施形態ではゼロまたは実質的にゼロであり、これにより調節組立体10”の小型性質をさらに増加させることを可能にする。
【0042】
当該実施形態において、調節組立体10”は、第一軸A1”上の第二リンク2”の両側に配置され、その周りで(より具体的には、軸A1”周りに配置されたバー4”において)第二リンク2” に対して第一リンク1”が関節接合される、ランナ3”の単一の組を含むという特定の特徴を有することを注記する。第一軸A1”に平行な、他の軸A”に配置された、ボール爪部(図示せず)のシステムは、自身では、第二リンク2”に対して第一リンク1”を阻止することを可能にし、そのためカバー7”の外壁73”の第二固定要素71”の切欠きに対向する、2つの歯11a”、11b”を阻止することを可能にする。
【0043】
調節装置100”の作動原理は、先行する2つの実施形態の調節装置100、100’のものと同様である。差異の1つは、とりわけ、第一リンク1”がカバー7”の外壁73”に対して弾性的に戻されず、カバー7”への調節要素100”の固定を保証することを可能にする位置に応じて、上述のボール爪部のシステムを介して第二リンク2”に対して回転が阻止されることから生じる。このため、全ての実施形態において、直接または間接的に、第一固定要素に作用して変位させる及びまたはカバーに向かいまたはカバーの反対へ保持させるよう作用することを可能にする、弾性要素が存在する。
【0044】
例示として、図17は、歯11a”(図示せず)と11b”の部分と、第二固定要素71”の第一切欠きとの協働により、調節組立体10”がカバー7”に対して固定位置にある、調節装置100”を図示する。当該構成において、線ばね21”の自由端部21b”は同様に、第二割出要素72”を形成する切欠きである同じ第一切欠きと協働する。当該構成は、ここでは、当該調節装置100”が設けられたブレスレットの最小延長にかかる固定位置に対応する。
【0045】
当該実施形態において、第二割出71”及び固定72”要素は、9つの切欠きを含み、切欠きはカバー7”に対する調節組立体10”の同数の位置を、そしてより一般的にはブレスレットの長さを規定する。
【0046】
変形例として、ばね21”は異なる形状を有してもよい。例として、図18は、ブレードの形状のばね21”を図示し、その自由端部21b”は、切欠きの連続との協働を改善するために設けられた、突起211b”を有する。
【0047】
図15から18に図示する実施形態において、カバー7”の外壁73”上に配置された切欠きは、横方向の著しい長さにわたり、連続して延長する。このため、各切欠きは、第二割出要素または第二固定要素に属することができる、異なる区域を含む。とりわけ、各切欠きの中央区域は、第一割出要素21”を協働可能であり、このため、より具体的には第二割出要素72”を形成する。加えて、各切欠きの横方向区域は、第一固定要素11”を協働可能な区域を形成し、このため、第二固定要素に属する。もちろん、変形例として、各切欠きは、異なる区域に分離され、第二実施形態に近似する形態に従って、第二割出及び固定要素を分離することもできる。
【0048】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。これら実施形態は、他の実施形態を形成するために互いに組み合わされてもよい。
【0049】
加えて、3つの実施形態それぞれにおいて、カバー7;7’;7”の外壁73;73’;73”の内側表面731:731’;731”に形成された切欠きは、外側から見ることができないように、またカバーの見ることができる外側表面を完全なままに残すため、貫通切欠きではない。変形例として、これら切欠きは、もちろん、貫通切欠きであってもよく、このためカバーの外側から見ることができてもよい。
【0050】
加えて、上述の通り、カバーの外壁に配置された切欠きは、縦方向に列の形状で延長してもよく、このため、横方向に連続してまたは連続せず延長してもよく、同一の切欠きが、2つの割出及び固定機能を充足するために異なる区域を含むことができ、このためカバー上で統合されたように見えてもよい。変形例として、切欠きは、これら2つの機能のそれぞれについて、完全に別個であってもよい。
【0051】
第二固定要素を形成する切欠きは、カバーの外壁上で中心にあってもなくてもよい。これら切欠きの輪郭は、調節組立体の起動の方向に応じて、異なる感覚または開放を発生させるために、対称でも非対称でもよい。
【0052】
これは、第一割出要素にも当てはまる。このため、第一割出要素は、ボール爪部の形状を取ってもよい。より一般的には、当該ボールは、半球状の形状が設けられたあらゆる要素により、とりわけ半球状形状を有する端部が設けられた円筒またはスタッドにより、置換されてもよい。代替的に、当該ボールは、一端に歯が設けられた円筒またはスタッドにより、置換されてもよく、当該歯は対称または非対称の輪郭を有してもよい。このため、より一般的には、第一割出要素は、弾性歯止めの形状を取ってもよい。当該弾性歯止めは、取り外し可能でも不可能でもよい。例として、図19は、一端が半球状形状を有するスタッド211*を含み、ばね212*により弾性的に戻される、取り外し不可の弾性歯止め21*の形状を取る、変形第一割出要素を図示する。変形例として、第一割出要素は、第三実施形態で示すように、線ばねまたは板ばねといった、ばねの形状を取ってもよい。この場合、ばね21”の自由端部21b”は、対称または非対称輪郭を有してもよい。より一般的には、第一割出要素は、カバーの切欠きと弾性的に協働可能な、1以上の弾性要素を含む。
【0053】
同様に、第一固定要素は、図示したものとは異なる形状を取ってもよい。第一固定要素は、対称であってもなくても、あらゆる形状の歯を含んでもよく、あらゆる数の歯を含んでもよい。
【0054】
変形例として、割出要素及びまたは固定要素は、逆転されてもよい。例えば、第一固定要素は第二リンクの上であってもよく、このため、後退可能であり、第一割出要素は、調節組立体の第一リンク上に位置されてもよい。更に他の変形例として、切欠きは、カバー上ではなく調節組立体上に配置されてもよく、この場合カバーは割出機能用の突出弾性要素と、固定機能用の、調節組立体に向かい突出する1以上の歯を含む。
【0055】
また、調節組立体は、好ましくは、案内装置により、具体的にはカバーの側壁のそれぞれに配置される、ガイドウェイまたはスライドウェイ内で摺動するよう設けられた案内ランナを介して、留め金カバー内で案内される。代替的に、案内装置は他のあらゆる形状を取ってもよい。例えば、案内装置は、とりわけ調節組立体の第二リンクの外側表面上に形成された突起を、より単純に含んでもよく、突起は、カバーの外壁上に形成された溝内を摺動するよう設けられる。好ましくは、第一案内要素は、カバーの第二案内要素と協働する当該要素、とりわけ様々な実施形態で示す溝またはスライドウェイを維持するため、ランナといった突出要素と、カバーに向かい突出する要素に作用するよう例えばバー内に配置された、弾性要素とを含む。
【0056】
このような調節装置の設計は、有利には、当該調節組立体の案内装置と完全にまたは部分的に独立したまたは別個の、調節組立体の割出装置を提供することを可能にする。とりわけ、第一割出要素は、第一案内要素とは別個及びまたは独立することができる。例えば、第一割出要素は、上述のように、第一案内要素で用いられる弾性手段とは別個の、弾性要素を含んでもよい。換言すれば、第一割出要素の弾性要素は、案内装置とは別個である。第一割出要素は、変形例としてまたは加えて、カバー上に配置された第二案内要素と別個及びまたは独立してもよい。より具体的には、第一割出要素に属するボールまたは弾性要素またはあらゆる突出要素は、第二案内要素とは別個の、例えば調節組立体の案内のために設けられた溝またはスライドウェイの外の、カバーの区域と協働することができる。更に他の変形例として、カバー上に配置された第二割出要素は、第二案内要素とは別個及びまたは独立してもよい。とりわけ、第二割出要素は、第二案内要素が配置される壁とは別個の、カバーの壁上に配置されてもよい。第二割出要素はまた、第一案内要素から独立及びまたは別個であってもよい、即ち、当該第一案内要素は、案内機能の実施のために第二割出要素と協働しない。
【0057】
同様に、割出装置は、固定装置から少なくとも部分的に独立する及びまたは別個である。
【0058】
好みにより、調節装置は、係止装置が設けられた展開留め金内に適合される。明らかに、留め金はあらゆる他の形状を取ることができる。具体的には、係止装置は、安全カバーがなくてもよい。
【0059】
本発明の調節装置のため、ブレスレットの長さの調節は、支援され、非常に使いやすい調節となる。ユーザが調節を継続したいと思った場合、ユーザは調節組立体の変位を継続し、ユーザの力により、割出装置の、具体的には第一割出要素の、弾性要素の力に対抗して、遭遇した中間割出要素の解放をもたらす。
【0060】
本発明はまた、上述のブレスレットの長さを調節するための装置を組み込んだ、ブレスレット及びまたは留め金及びまたは腕時計に関する。
【符号の説明】
【0061】
1 第一リンク
2 第二リンク
3 ランナ
4、5 バー
6 戻りばね
7 カバー
10 調節組立体
11 第一固定要素
21 第一割出要素
71 第二固定要素
72 第二割出要素
73 外壁
74 スライドウェイ
75 側壁
100 調節装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【外国語明細書】