▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118132
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】香料封入体を有する消費者製品組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/50 20060101AFI20230817BHJP
C11D 3/395 20060101ALI20230817BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20230817BHJP
C11D 3/40 20060101ALI20230817BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20230817BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20230817BHJP
C11D 17/06 20060101ALI20230817BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20230817BHJP
C11D 7/22 20060101ALI20230817BHJP
B01J 13/02 20060101ALI20230817BHJP
【ＦＩ】
C11D3/50
C11D3/395
C11D3/386
C11D3/40
C11D17/04
C11D17/08
C11D17/06
C11B9/00 S
C11B9/00 J
C11D7/22
B01J13/02
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】ＯＬ
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023096034
(22)【出願日】2023-06-12
(62)【分割の表示】P 2021543136の分割
【原出願日】2020-03-05
(31)【優先権主張番号】62/814,331
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19173282.5
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ＴＨＥ ＰＲＯＣＴＥＲ ＆ ＧＡＭＢＬＥ ＣＯＭＰＡＮＹ
【住所又は居所原語表記】Ｏｎｅ Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ Ｐｌａｚａ， Ｃｉｎｃｉｎｎａｔｉ， ＯＨ ４５２０２，Ｕｎｉｔｅｄ Ｓｔａｔｅｓ ｏｆ Ａｍｅｒｉｃａ
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】スメツ、ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】トルヒージョ、ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】ジュークス、アマンダ・カイザー
(72)【発明者】
【氏名】ピンテンス、アン
(57)【要約】 （修正有）
【課題】配合者に対して特定の香料配合への過度の制約を課すことなく、許容可能なフレッシュさの効果を提供する及び／又は封入体の漏出を少なくする香料封入体及び関連する消費者製品を提供する。
【解決手段】コア及び前記コアを取り囲むシェルを含む封入体であって、前記コアが、香料を含み、前記香料が、特定の酸価決定方法によって求めたときに、封入直前に５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を特徴とし、前記シェルが、ポリマー材料を含み、前記ポリマー材料が、（メタ）アクリレート材料を含む、封入体と、消費者製品補助剤と、を含む消費者製品組成物。
【選択図】なし
【解決手段】コア及び前記コアを取り囲むシェルを含む封入体であって、前記コアが、香料を含み、前記香料が、特定の酸価決定方法によって求めたときに、封入直前に５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を特徴とし、前記シェルが、ポリマー材料を含み、前記ポリマー材料が、（メタ）アクリレート材料を含む、封入体と、消費者製品補助剤と、を含む消費者製品組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者製品組成物であって、
コア及び前記コアを取り囲むシェルを含む封入体であって、
前記コアが、香料を含み、
前記香料が、本明細書に記載の酸価決定方法によって求めたときに、封入直前に５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を特徴とし、
前記シェルが、ポリマー材料を含み、
前記ポリマー材料が、（メタ）アクリレート材料を含む、封入体と、
消費者製品補助剤と、を含む消費者製品組成物。
コア及び前記コアを取り囲むシェルを含む封入体であって、
前記コアが、香料を含み、
前記香料が、本明細書に記載の酸価決定方法によって求めたときに、封入直前に５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を特徴とし、
前記シェルが、ポリマー材料を含み、
前記ポリマー材料が、（メタ）アクリレート材料を含む、封入体と、
消費者製品補助剤と、を含む消費者製品組成物。
【請求項2】
前記香料が、封入直前に約５．２５ｍｇＫＯＨ／ｇ超、又は約５．５０ｍｇＫＯＨ／ｇ超、又は約５．７５ｍｇＫＯＨ／ｇ超、又は約６．０ｍｇＫＯＨ／ｇ超の酸価を特徴とする、請求項１に記載の消費者製品組成物。
【請求項3】
前記香料が、封入体形成直後のコア内の香料全体の約３０重量％～約７５重量％、又は約３５重量％～約７０重量％、又は約４０～約６０重量％の、アルデヒド化合物、エステル化合物、又はこれらの混合物を含む、請求項１又は２に記載の消費者製品組成物。
【請求項4】
前記香料が、以下：脂肪族アルデヒド及び／又はそのアセタール；脂環式アルデヒド；芳香族及び／又は芳香脂肪族アルデヒド；脂肪族、芳香族、又は芳香脂肪族エステル；ラクトン；又はこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項１～３のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項5】
前記香料が、２，６－ジメチル－オクタナール；２，２，５－トリメチル－４－ヘキセナール；センテナール（scentenal）；２－フェニル－３－（２－フリル）プロパ－２－エナール；（ｌ）－シトロネラール；テトラヒドロゲラニアール；２－エトキシベンズアルデヒド；５－メチルフルフラール；カリプソン（calypsone）；ｄ－キシロース；３－（２－フラニル）－２－メチル－２－プロペナール；３，５，５－トリメチルヘキサナール；カントキザール（canthoxal）；２，４，５－トリメトキシ－ベンズアルデヒド；４－ヒドロキシ－３－メトキシ－シンナムアルデヒド；２，４，６－トリメトキシベンズアルデヒド；３，４，５－トリメトキシベンズアルデヒド；２，３，４－トリメトキシ－ベンズアルデヒド；（ｄ）－シトロネラール；リラール（lyral）；メチルオクチルアセトアルデヒド；オクタナール，３，７－ジメチル－；アドキザール（adoxal）；シトロネリルオキシアセトアルデヒド；シス－３－ヘキセニルオキシアセトアルデヒド；メトキシメロナール；ｎ－ヘキサナール；ペンチルバニリン；ｏ－メトキシシンナムアルデヒド；ｏ－アニスアルデヒド；オクタナール；ノナルデヒド（nonaldehyde）；２，６，１０－トリメチルウンデカナール；シトロネラール；メロナール（melonal）；ヒドロキシシトロネラール；プレナール（prenal）；メチルノニルアセトアルデヒド；バレルアルデヒド；カプルアルデヒド；ｐ－アニスアルデヒド；ヘプトアルデヒド；エチルバニリン；バニリン；ヘリオトロピン；ヘリオナール；ベラトルアルデヒド；メトキシシトロネラール；７－エトキシ－３，７－ジメチルオクタナール；４－エトキシベンズアルデヒド；イソ酪酸バニリン；酢酸バニリン；エチルバニリンアセテート；１－メチル－４－（４－メチル－３－ペンテン－１－イル）－３－シクロヘキセン－１－カルボキシアルデヒド；８－ウンデセナール；トランス，トランス－２，４－ノナジエナール；ベータ－シネンサール；６－シクロペンチリデンヘキサナール；プレシクレモンＢ（precyclemone B）；タンジェリナール（tangerinal）；２－チオフェンカルボキシアルデヒド；９－デセナール；トランス－２，シス－６－ノナジエナール；アカレア（acalea）；４－ｔｅｒｔ－ブチルベンズアルデヒド；トランス－２－メチル－２－オクテナール；シトラール；３－メチル－５－フェニル－１－ペンタナール；２－デセナール；トランス－２－デセナール；アルファ，４－ジメチルベンゼンプロパナール；シス－５－オクテナール；シス－７－デセン－１－アール；シス－４－デセン－１－アール；２－トランス－６－シス－ドデカジエナール；２－トランス－４－トランス－ドデカジエナール；３－シクロヘキセン－１－プロパナール；２－ノネン－１－アール；２－ウンデセナール；２，４－デカジエナール，（Ｅ，Ｅ）－；２，４－ドンデカジエナール（dndecadienal），（Ｅ，Ｅ）－；イソヘキセニルシクロヘキセニルカルボキシアルデヒド；トランス－２－ノネン－１－アール；３－ノニルアクロレイン；２，６－ノナジエナール；リリアール（lilial）；２－トランス－６－トランス－ノナジエナール；アルファ－シネンサール；ブーゲオナール（bourgeonal）；２－トリデセナール；ｐ－ｔ－ブチルフェニルアセトアルデヒド；（Ｚ）－３－ドデセナール；ｍ－メチルベンズアルデヒド；ミフロラール（mefloral）；トランス－４－デセン－１－アール；シルビアール（silvial）；２－ヘキセン－１－アール；２，４－ノナジエナール；フロラロゾン（floralozone）；アルデヒドＣ－１１；シス－３－ヘキセナール；ミリストアルデヒド；ケイ皮アルデヒド；ｐ－トルアルデヒド；ウンデカナール；１０－ウンデセナール；ラウルアルデヒド；トランス－２－ヘキセナール；ゲラニアール；５－メチル－２－チオフェンカルボキシアルデヒド；フェニルアセトアルデヒド；アルファ－アミルシンナムアルデヒド；フローラルスーパー（floral super）；ヘキシルケイ皮アルデヒド；アルファ－メチルシンナムアルデヒド；ベンズアルデヒド；及びこれらの混合物からなる群から選択される、
好ましくは、センテナール（scentenal）；アドキザール（adoxal）；オクタナール；ノナルデヒド（nonaldehyde）；メロナール（melonal）；メチルノニルアセトアルデヒド；ｐ－アニスアルデヒド；エチルバニリン；バニリン；ヘリオトロピン；リリアール（lilial）；アルデヒドＣ－１１；ウンデカナール；１０－ウンデセナール；ラウルアルデヒド、及びこれらの混合物から選択される、１つ以上のアルデヒド香料原材料を含む、並びに／又は
前記香料が、クインセスタ（quincester）；セレノリド（serenolide）；ニルバノリド（nirvanolide）；アセタロール；アルピノフィックス（alpinofix）；アラジネート（aladinate）；メチルライトン（methyl laitone）；フィラスコン（firascone）；１－ヘプテン－１－オール，１－アセテート；（Ｚ）－３－ヘプテン－１－イルアセテート；３－ヒドロキシ－４，５－ジメチル－２（５Ｈ）－フラノン；ウンデシレン酸イソアミル；ベルドックスＨＣ（Verdox HC）；ピバローズＱ（Pivarose Q）；酢酸シトリル；（Ｅ）－５－タンゲリノール；（Ｚ）－５－タンゲリノール；酢酸ミラルジル；フェニル酢酸ゲラニル；ベルガプテン；イソピムピネリン；パルソールＭＣＸ（Parsol MCX）；エチルベータ－サフラネート；酢酸ノピル；カリキソール（calyxol）；メチルオクタラクトン；酢酸イソプレギル；チグリン酸エチル；バノリス（vanoris）；アセトキシメチル－イソロンギホレン（異性体）；１－オキサスピロ［２．５］オクタン－２－カルボン酸，５，５，７－トリメチル－，エチルエステル；３，６－ジメチル－３－オクタニルアセテート；シス－３－ヘキセニル－シス－３－ヘキセノエート；シス－３－ヘキセニルラクテート；スクラレオリド；ヘキサロース（hexarose）；シス－イソ－アンブレットリド；フルティナート（frutinat）；エチルガンマ－サフラナート；ケイ皮酸アミル；イソアンブレットリド；イソ酪酸ボルニル；シプリゼート（cyprisate）；アナペア（anapear）；モンタベルディ（montaverdi）；ベルトシン（vertosine）；イソ酪酸イソボルニル；シプリゼートｃｉ（cyprisate ci）；シクロブタネート；シス－３ヘキセニルブチレート；チグリン酸ゲラニル；トランス－ヘディオン（hedione）；酢酸イソアミル；ジベスコン（givescone）；シクロガルバネート；ベルデュラールＢエキストラ（verdural B extra）；エチルアルファ－サフラネート；ジャスマール（jasmal）；スチラリルアセテート（ｓｔｙｒａｌｌｙ酢酸塩）；ノナラクトン；トランス－アンブレットリド；ヘプタン酸フルフリル；ヘキサン酸フルフリル；アルファ－アミルシンナミルアセテート；酢酸カルビル；イソブタン酸エチル；イソ酪酸シトロネリル；オクタン酸フルフリル；２－フロ酸オクチル；酢酸セドリル；イソアミルアセトアセテート；シス－３－ヘキセニルベンゾエート；フェニルエチルベンゾエート；チグリン酸ヘキセニル；アグルメア（agrumea）；ガンマ－ウンデカラクトン（ラセミ体）；（Ｓ）－ガンマ－ウンデカラクトン；（Ｒ）－ガンマ－ウンデカラクトン；安息香酸フェニル；安息香酸ゲラニル；サリチル酸イソブチル；サリチル酸イソアミル；ベルドックス（verdox）；２－アセトキシ－３－ブタノン；カプリル酸ゲラニル；（＋）－Ｄ－酢酸メンチル；安息香酸プレニル；７－メトキシクマリン；シス－３－ヘキセニル２－メチルブチレート；シス－３－ヘキセニル－トランス－２－ヘキセノエート；吉草酸エチル；酪酸ｎ－ペンチル；エチル３－ヒドロキシブチレート；フロールアセテート（ｆｌｏｒ酢酸塩）；ネオペンタン酸ヘキシル；プロピオン酸デシル；チグリン酸フェネチル；２－フェニル－１（２）プロペニル－１エステル；メチルシクロペンチリデンアセテート；酢酸イソノニル；クロトン酸ｐ－クレシル；オクタヒドロクマリン；メチルトランス－２，シス－４－デカジエノエート；３，３，５－トリメチルシクロヘキシルアセテート；バニリン酸ヘキシル；シス－３－ヘキセニルレブリネート；アントラニル酸ジメチル；メチル２－メチルブチレート；サリチル酸ブチル；酢酸イソメンチル；ジヒドロカルベオールアセテート；テトラヒドロリナリルアセテート；ジメチルオクタニルアセテート；メチルシス－４－オクテノエート；ヘキサヒドロ－３，５，５－トリメチル－３，８ａ－エタノ－８ａＨ－１－ベンゾピラン－２（３Ｈ）－オン；シクロヘキシルエチルアセテート；アルファ－アセトキシスチレン；ｐ－メチルベンジルアセテート；プロピオン酸ヘプチル；ガンマ－ドデカラクトン；イソ酪酸ネリル；イソ酪酸ゲラニル；ヘキシルイソブチレート；ゲラニン酸メチル；及びこれらの混合物からなる群から選択される、
好ましくは、メチルライトン（methyl laitone）；ベルドックスＨＣ（Verdox HC）；エチルベータ－サフラネート；ヘキサロース（hexarose）；シクロブタネート；シクロガルバネート；エチルアルファ－サフラネート；ジャスマール（jasmal）；スチラリルアセテート；ノナラクトン；ガンマ－ウンデカラクトン（ラセミ体）；ベルドックス（verdox）；フロールアセテート；及びこれらの混合物から選択される、１つ以上のエステル香料原材料を含む、
請求項１～４のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
好ましくは、センテナール（scentenal）；アドキザール（adoxal）；オクタナール；ノナルデヒド（nonaldehyde）；メロナール（melonal）；メチルノニルアセトアルデヒド；ｐ－アニスアルデヒド；エチルバニリン；バニリン；ヘリオトロピン；リリアール（lilial）；アルデヒドＣ－１１；ウンデカナール；１０－ウンデセナール；ラウルアルデヒド、及びこれらの混合物から選択される、１つ以上のアルデヒド香料原材料を含む、並びに／又は
前記香料が、クインセスタ（quincester）；セレノリド（serenolide）；ニルバノリド（nirvanolide）；アセタロール；アルピノフィックス（alpinofix）；アラジネート（aladinate）；メチルライトン（methyl laitone）；フィラスコン（firascone）；１－ヘプテン－１－オール，１－アセテート；（Ｚ）－３－ヘプテン－１－イルアセテート；３－ヒドロキシ－４，５－ジメチル－２（５Ｈ）－フラノン；ウンデシレン酸イソアミル；ベルドックスＨＣ（Verdox HC）；ピバローズＱ（Pivarose Q）；酢酸シトリル；（Ｅ）－５－タンゲリノール；（Ｚ）－５－タンゲリノール；酢酸ミラルジル；フェニル酢酸ゲラニル；ベルガプテン；イソピムピネリン；パルソールＭＣＸ（Parsol MCX）；エチルベータ－サフラネート；酢酸ノピル；カリキソール（calyxol）；メチルオクタラクトン；酢酸イソプレギル；チグリン酸エチル；バノリス（vanoris）；アセトキシメチル－イソロンギホレン（異性体）；１－オキサスピロ［２．５］オクタン－２－カルボン酸，５，５，７－トリメチル－，エチルエステル；３，６－ジメチル－３－オクタニルアセテート；シス－３－ヘキセニル－シス－３－ヘキセノエート；シス－３－ヘキセニルラクテート；スクラレオリド；ヘキサロース（hexarose）；シス－イソ－アンブレットリド；フルティナート（frutinat）；エチルガンマ－サフラナート；ケイ皮酸アミル；イソアンブレットリド；イソ酪酸ボルニル；シプリゼート（cyprisate）；アナペア（anapear）；モンタベルディ（montaverdi）；ベルトシン（vertosine）；イソ酪酸イソボルニル；シプリゼートｃｉ（cyprisate ci）；シクロブタネート；シス－３ヘキセニルブチレート；チグリン酸ゲラニル；トランス－ヘディオン（hedione）；酢酸イソアミル；ジベスコン（givescone）；シクロガルバネート；ベルデュラールＢエキストラ（verdural B extra）；エチルアルファ－サフラネート；ジャスマール（jasmal）；スチラリルアセテート（ｓｔｙｒａｌｌｙ酢酸塩）；ノナラクトン；トランス－アンブレットリド；ヘプタン酸フルフリル；ヘキサン酸フルフリル；アルファ－アミルシンナミルアセテート；酢酸カルビル；イソブタン酸エチル；イソ酪酸シトロネリル；オクタン酸フルフリル；２－フロ酸オクチル；酢酸セドリル；イソアミルアセトアセテート；シス－３－ヘキセニルベンゾエート；フェニルエチルベンゾエート；チグリン酸ヘキセニル；アグルメア（agrumea）；ガンマ－ウンデカラクトン（ラセミ体）；（Ｓ）－ガンマ－ウンデカラクトン；（Ｒ）－ガンマ－ウンデカラクトン；安息香酸フェニル；安息香酸ゲラニル；サリチル酸イソブチル；サリチル酸イソアミル；ベルドックス（verdox）；２－アセトキシ－３－ブタノン；カプリル酸ゲラニル；（＋）－Ｄ－酢酸メンチル；安息香酸プレニル；７－メトキシクマリン；シス－３－ヘキセニル２－メチルブチレート；シス－３－ヘキセニル－トランス－２－ヘキセノエート；吉草酸エチル；酪酸ｎ－ペンチル；エチル３－ヒドロキシブチレート；フロールアセテート（ｆｌｏｒ酢酸塩）；ネオペンタン酸ヘキシル；プロピオン酸デシル；チグリン酸フェネチル；２－フェニル－１（２）プロペニル－１エステル；メチルシクロペンチリデンアセテート；酢酸イソノニル；クロトン酸ｐ－クレシル；オクタヒドロクマリン；メチルトランス－２，シス－４－デカジエノエート；３，３，５－トリメチルシクロヘキシルアセテート；バニリン酸ヘキシル；シス－３－ヘキセニルレブリネート；アントラニル酸ジメチル；メチル２－メチルブチレート；サリチル酸ブチル；酢酸イソメンチル；ジヒドロカルベオールアセテート；テトラヒドロリナリルアセテート；ジメチルオクタニルアセテート；メチルシス－４－オクテノエート；ヘキサヒドロ－３，５，５－トリメチル－３，８ａ－エタノ－８ａＨ－１－ベンゾピラン－２（３Ｈ）－オン；シクロヘキシルエチルアセテート；アルファ－アセトキシスチレン；ｐ－メチルベンジルアセテート；プロピオン酸ヘプチル；ガンマ－ドデカラクトン；イソ酪酸ネリル；イソ酪酸ゲラニル；ヘキシルイソブチレート；ゲラニン酸メチル；及びこれらの混合物からなる群から選択される、
好ましくは、メチルライトン（methyl laitone）；ベルドックスＨＣ（Verdox HC）；エチルベータ－サフラネート；ヘキサロース（hexarose）；シクロブタネート；シクロガルバネート；エチルアルファ－サフラネート；ジャスマール（jasmal）；スチラリルアセテート；ノナラクトン；ガンマ－ウンデカラクトン（ラセミ体）；ベルドックス（verdox）；フロールアセテート；及びこれらの混合物から選択される、１つ以上のエステル香料原材料を含む、
請求項１～４のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項6】
前記コアが、分配調節剤、
好ましくは、植物油、変性植物油、Ｃ４～Ｃ２４脂肪酸のモノ－、ジ－、及びトリ－エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノフェノン、ラウリン酸ラウリル、ベヘン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される分配調節剤、
より好ましくは、ミリスチン酸イソプロピルを更に含む、請求項１～５のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
好ましくは、植物油、変性植物油、Ｃ４～Ｃ２４脂肪酸のモノ－、ジ－、及びトリ－エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノフェノン、ラウリン酸ラウリル、ベヘン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される分配調節剤、
より好ましくは、ミリスチン酸イソプロピルを更に含む、請求項１～５のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項7】
前記シェルの前記ポリマー材料が、ラジカル重合プロセスによって少なくとも部分的に形成される、請求項１～６のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項8】
前記（メタ）アクリレート材料が、ポリアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項１～７のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項9】
前記（メタ）アクリレート材料が、１つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料に由来し、好ましくは、前記多官能性アクリレート部分が、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項１～８のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項10】
前記（メタ）アクリレート材料が、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマー、
好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、
より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス（２－ヒドロキシエチル）イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物に由来する、請求項１～９のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、
より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス（２－ヒドロキシエチル）イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物に由来する、請求項１～９のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項11】
前記封入体が、約１０～約１００マイクロメートルの体積加重メジアン直径を特徴とする、請求項１～１０のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項12】
前記消費者製品補助剤が、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、漂白系、安定剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、粘土及び汚れ除去／再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、顔料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項１～１１のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項13】
前記消費者製品組成物が、液体組成物、顆粒組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、トローチ若しくはビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、乾燥用シート、又はこれらの混合物、
好ましくは液体組成物の形態である、請求項１～１２のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
好ましくは液体組成物の形態である、請求項１～１２のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項14】
前記消費者製品組成物が、洗濯洗剤組成物、布地コンディショニング組成物、洗濯添加剤、布地前処理組成物、布地消臭組成物、食器洗浄組成物、硬質表面洗浄組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、毛髪処理製品、スキンケア製品、シェービングケア製品、パーソナルクレンジング製品、デオドラント製品、制汗剤製品、又はこれらの混合物である、請求項１～１３のいずれか一項に記載の消費者製品組成物。
【請求項15】
請求項１～１４のいずれか一項に記載の消費者製品組成物で表面又は物品を処理する方法であって、前記方法が、任意に水の存在下において、前記表面又は物品を前記消費者製品組成物と接触させる工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、香料封入体を含む消費者製品組成物であって、香料が特定の酸価を特徴とする、組成物に関する。また、関連するこのような組成物の作製及び使用方法も開示される。
【背景技術】
【0002】
香料は、多くの場合、洗濯洗剤、布地柔軟剤、及び／又はシャンプー若しくはコンディショナーなどの毛髪処理製品などの消費者製品に含まれることが望ましい成分である。香料は、製品自体、又は製品で処理された表面（例えば、布地または毛髪）に心地良い審美性を提供することができる。
【0003】
香料の付着及び／又は寿命を改善するために、香料送達系を使用することができる。香料がポリマーシェルによって封入されるコアシェル封入は、消費者製品において一般的に使用されている技術である。シェル材料は、任意の数のポリマー又はその混合物から選択され得る。シェルが破裂すると、香料が放出される。
【0004】
しかしながら、封入体のコア内に特定の香料化合物が存在すると、カプセルが不安定になる場合がある。例えば、国際公開第２０１７／１４８５０４号には、アルデヒド、アセタール、及び／又はエステル官能基を含有するものなどの特定の香料化合物が、大気酸素の存在下にあるとき及び／又は加水分解によってカルボン酸を形成し得ることを開示されている。生じた酸は、カプセル壁の品質を損なう恐れがあり、封入体から香料を漏出させる恐れがあると考えられる。この問題に対応するために、国際公開第２０１７／１４８５０４号には、特定の香り組成物、具体的には、封入直前に５ｍｇＫＯＨ／ｇ以下の酸価（好ましくはＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ ６６０：２００９－１０に従って求められる）を特徴とするものの選択が、カプセルの性能を改善できることが開示されている。
【0005】
５ｍｇＫＯＨ／ｇ以下の酸価を有する香り組成物又は香料混合物を得るために、配合者は、アルデヒド、アセタール、及び／又はエステルを含有するものなどの特定の成分の量を制限する必要がある場合がある。しかしながら、これらの成分は、消費者に特定の香り体験を提供するために望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
配合者に対して特定の香料配合への過度の制約を課すことなく、許容可能なフレッシュさの効果を提供する及び／又は封入体の漏出を少なくする香料封入体及び関連する消費者製品を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、香料封入体を含む消費者製品組成物であって、当該香料が特定の酸価を特徴とし、当該封入体のシェルがアクリレート材料を含む、消費者製品組成物に関する。
【0008】
例えば、本開示は、消費者製品組成物であって、コア及び当該コアを取り囲むシェルを有する封入体であって、当該コアが香料を含み、当該香料が、本開示に記載の酸価決定方法によって求めたとき、封入直前に５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を特徴とし、当該シェルがポリマー材料を有し、当該ポリマー材料がアクリレートポリマーを含む、封入体と；消費者製品補助剤と、を含む、消費者製品組成物に関する。
【0009】
本開示はまた、本開示による消費者製品組成物で表面又は物品を処理する方法であって、方法が、任意に水の存在下において当該表面又は物品を当該消費者製品組成物と接触させることを含む、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書の図面は、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
【図1】洗剤製品中での保管時の封入香料保持率のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、比較的高い酸価を有する香料を含む特定のコアシェル封入体、並びにこのような封入体に関連する組成物及びプロセスに関する。特定のシェル材料、具体的にはアクリレート材料を選択すると、例えば５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を特徴とする香料を含有する場合であっても、驚くほど漏出の少ない香料封入体を得ることができることが見出された。驚くべきことに、芳香剤カプセルの不十分な界面活性剤安定性は、アルデヒド芳香剤又はエステル基を有する芳香剤の存在に関連していることが見出された。アルデヒドは、大気酸素の存在下でカルボン酸を形成する傾向を有し、エステル（対応してラクトンも）は鹸化し、このようにして、カルボキシル基を形成することもできる。
【0012】
理論に束縛されるものではないが、ラジカルベースのカプセル形成については、特に、このラジカルベースのカプセル形成の一部が、ポリアクリレート系カプセルと同様に、油相からのポリマー形成によって得られる場合、コアセルベート形成、縮合反応機序、及び／又は界面重合などの他の形成機序によって形成されるカプセルと比較して、典型的には帯電している酸材料に変換される傾向があり得るアルデヒド及びエステルなどの香料材料に対する感受性が低い。この感受性の低さは、形成された酸が、その酸としての明白な（explicit）電荷に起因して他のカプセル形成機序に対してより容易に干渉し得、したがって、カプセル壁を作製することを意図する化学種と相互作用し得るという事実に起因すると考えられる。
【0013】
５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を有する封入香料は、界面活性剤（毛髪シャンプー、液体洗剤、又は布地柔軟剤など）を含む組成物において漏出する及び／又は不十分な性能を提供する傾向があると報告されているので、比較的低い漏出率を有する傾向がある本開示の封入体は、界面活性剤及び／若しくはコンディショニング活性物質を含有する組成物において、又は洗浄中若しくは他の処理操作中などの水性環境、例えば、洗濯機、シャワー、若しくは浴槽内などにこのような材料を含む用途で使用される場合に特に好ましい場合がある。
【0014】
本開示の封入体、組成物、及びプロセスについて、以下により詳細に記載する。
【0015】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される際の冠詞「ａ」及び「ａｎ」は、特許請求又は記載されているもののうちの１つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、用語「含む（include）」、「含む（includes）」、及び「含んでいる（including）」は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなることができる。
【0016】
本明細書では、「実質的に含まない（substantially free of）」又は「実質的に含まない（substantially free from）」という用語を使用することがある。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が意図的に含まれる他の材料のうちの１つの中に不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。指示される材料は、あったとしても、組成物の１重量％未満、又は０．１重量％未満、又は０．０１重量％未満、又は更には０重量％の濃度で存在し得る。
【0017】
本明細書において使用するとき、「消費者製品」は、販売されている形態で使用又は消費されることを意図し、その後に商業的に製造又は改造されることを意図しない、ベビーケア、パーソナルケア、布地及びホームケア、ファミリーケア、女性ケア、ヘルスケア、スナック及び／若しくは飲料製品、又は装置を意味する。かかる製品としては、おむつ、胸当て、ワイプ；毛髪（ヒト、イヌ、及び／又はネコ）を処理するための製品及び／又はそれに関連する方法（脱色、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリング用を含む）；デオドラント及び制汗剤；パーソナルクレンジング；化粧品；消費者使用のためのクリーム、ローション、及び局所的に適用される他の製品の適用を含むスキンケア；並びにシェービング製品、布地、硬質表面、並びに布地及びホームケア分野の任意の他の表面を処理するための製品及び／又はそれに関連する方法（空気ケア、自動車ケア、食器洗浄、布地コンディショニング（柔軟化を含む）、洗濯洗剤、洗濯及びすすぎ用添加剤及び／又はケア、硬質表面洗浄及び／又は処理、並びに消費者又は事業者使用のための他の洗浄を含む）；トイレットペーパー、ティッシュ、紙製ハンカチ、及び／又はペーパータオルに関連する製品及び／又は方法；タンポン、女性用ナプキン；口腔ケアに関連する製品及び／又は方法であって、練り歯磨き、歯磨きジェル、歯すすぎ剤、入れ歯粘着剤、歯ホワイトニング剤を含むもの；市販のヘルスケア剤であって、咳止め及び風邪薬、鎮痛剤、ＲＸ医薬、ペットの健康及び栄養剤、並びに浄水剤を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄組成物」は、別途記載のない限り、顆粒又は粉末の形態の汎用又は「強力」洗浄剤、特に、清浄用洗剤；液体、ゲル、又はペースト形態の汎用洗浄剤、特にいわゆる強力液体タイプのもの；繊細な布地用の液体洗剤；食器手洗い用洗剤又は軽作業用食器用洗剤、特に高発泡タイプのもの；食器洗浄機用洗剤（家庭用及び業務用の、様々なタブレット、顆粒、液体、及びすすぎ補助タイプのものを含む）；液体洗浄剤及び消毒剤（抗菌性手洗いタイプ、洗浄バー、口腔洗浄剤、入れ歯洗浄剤、歯磨剤、自動車又はカーペット用シャンプー、浴室用洗浄剤を含む）；毛髪用シャンプー及び毛髪用リンス；シャワージェル及びフォームバス、並びに金属洗浄剤；加えて、漂白添加剤及び「染み用スティック」又は前処理タイプなどの洗浄補助剤、乾燥機添加シート、乾燥及び湿潤ワイプ及びパッド、不織布基材、並びにスポンジなどの基材を有する製品；加えて、スプレー及びミストを含む。
【0019】
本明細書で使用するとき、語句「布地ケア組成物」は、布地処理用に設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物は、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤（laundry prewash）、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔性基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明白であり得るその他の好適な形態を含むが、これらに限定されない。このような組成物を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよく、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加してもよい。
【0020】
別途記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0021】
本明細書における全ての温度は、別途記載のない限り、摂氏（℃）である。別途指示のない限り、本明細書における全ての測定は、２０℃及び大気圧下で行われる。
【0022】
本開示の全ての実施形態において、全ての比率（％）は、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比は重量比である。
【0023】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0024】
消費者製品組成物
本開示は、消費者製品組成物に関する。組成物は、以下により詳細に記載されるように、封入体を含んでいてよい。
本開示は、消費者製品組成物に関する。組成物は、以下により詳細に記載されるように、封入体を含んでいてよい。
【0025】
組成物は、消費者製品であり得る。消費者製品は、ベビーケア、ビューティーケア、布地及びホームケア、ファミリーケア、女性ケア、又はヘルスケアのための製品又はデバイスとして有用であり得る。組成物は、ビューティーケア組成物、布地ケア組成物、ホームケア組成物、又はこれらの組み合わせであってよい。
【0026】
組成物は、美容ケア組成物、例えば、ヘアトリートメント製品（シャンプー及び／又はコンディショナーを含む）、スキンケア製品（クリーム、ローション、又は消費者使用のための他の局所適用製品を含む）、シェービングケア製品（シェービングローション、フォーム、又はシェービング前若しくはシェービング後トリートメントを含む）、パーソナルクレンジング製品（液体ボディー洗浄剤、液体手洗い石鹸、及び／又は固形石鹸を含む）、デオドラント及び／若しくは制汗剤、又はこれらの混合物であってよい。
【0027】
組成物は、洗濯洗剤組成物（強力洗浄洗剤を含む）、布地コンディショニング組成物（布地柔軟化及び／又は強化組成物を含む）、洗濯添加剤（例えば、すすぎ添加剤）、布地前処理組成物、布地消臭組成物、又はこれらの混合物などの布地ケア組成物であってよい。
【0028】
組成物は、空気ケア、カーケア、食器洗浄、硬質表面洗浄及び／又は処理、並びに消費者又は業務用の他の洗浄などのホームケア組成物であり得る。
【0029】
組成物は、任意の好適な形態であり得る。例えば組成物は、液体組成物、顆粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、トローチ若しくはビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、乾燥用シート、又はこれらの混合物の形態であり得る。この組成物は、液体、固体、又はこれらの組み合わせから選択することができる。好ましくは、組成物は液体である。液体は、水溶性フィルムに封入されて、パウチなどの単位用量物品を形成し得る。
【0030】
組成物は、液体の形態であり得る。液体組成物は、当該組成物の約３０重量％から、又は約４０重量％から、又は約５０重量％から、約９９重量％まで、又は約９５重量％まで、又は約９０重量％まで、又は約７５重量％まで、又は約７０重量％まで、又は約６０重量％までの水を含み得る。液体組成物は、液体洗濯洗剤、液体布地柔軟剤、液体食器洗剤、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、又はこれらの混合物であり得る。好ましくは、液体組成物は、液体洗濯洗剤、液体布地強化剤、又はこれらの組み合わせから選択される。液体は、エアゾール缶又は他のスプレーボトル内に包装されてもよい。
【0031】
組成物は、固体の形態であり得る。固体組成物は、粉末状又は顆粒状組成物であってもよい。かかる組成物は、凝集されても、又は噴霧乾燥されてもよい。かかる組成物は、複数の顆粒又は粒子であって、そのうちの少なくともいくつかは、異なる組成物を含む、複数の顆粒又は粒子を含んでいてよい。組成物は、漂白剤を含んでもよい粉末状又は顆粒状洗浄組成物であってよい。組成物は、ビーズ又はトローチの形態であってもよく、それらは液体溶融物から成形錠剤化されたものであり得る。組成物は、押出成形された製品であり得る。
【0032】
組成物は、錠剤、パウチ、シート、又は繊維状物品などの、単位化用量物品の形態であってもよい。かかるパウチは、典型的には、組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムは、ＭｏｎｏＳｏｌ，ＬＬＣ（Ｉｎｄｉａｎａ，ＵＳＡ）から入手可能である。組成物は、単一区画パウチに封入しても、又は多区画パウチに封入してもよい。多区画パウチは、少なくとも２つ、少なくとも３つ、又は少なくとも４つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べて及び／又は重ねておかれた区画を含むことができる。パウチ又はその区画内に収容される組成物は、液体、固体（粉末など）、又はこれらの組み合わせであってもよい。パウチにした組成物は、比較的少量の水、例えば、洗剤組成物の約２０重量％未満、又は約１５重量％未満、又は約１２重量％未満、又は約１０重量％未満、又は約８重量％未満の水を有してもよい。
【0033】
組成物は、２０ｓ－１及び２１℃で、１～１５００センチポアズ（１～１５００ｍＰａ＊ｓ）、好ましくは１００～１０００センチポアズ（１００～１０００ｍＰａ＊ｓ）、又はより好ましくは２００～５００センチポアズ（２００～５００ｍＰａ＊ｓ）の粘度を有し得る。このような粘度を有する組成物は、粘度が高すぎることも低すぎることもなく、使用するのに便利である。
【0034】
封入体
本開示は、封入体に関する。本開示の消費者製品組成物は、封入体を含む。典型的には１つを超える封入体が存在するので、組成物は、複数の封入体又は封入体の集団を含むものとして記載され得る。
本開示は、封入体に関する。本開示の消費者製品組成物は、封入体を含む。典型的には１つを超える封入体が存在するので、組成物は、複数の封入体又は封入体の集団を含むものとして記載され得る。
【0035】
組成物は、組成物の約０．０５重量％～約２０重量％、又は約０．０５重量％～約１０重量％、又は約０．１重量％～約５重量％、又は約０．２重量％～約２重量％の封入体を含み得る。組成物は、組成物の約０．０５重量％～約１０重量％、又は約０．１重量％～約５重量％、又は約０．１重量％～約２重量％の香料を組成物に提供するのに十分な量の封入体を含み得る。本明細書で論じる場合、封入体の量又は重量パーセントは、シェル材料とコア材料との合計を意味する。
【0036】
封入体は、約０．５マイクロメートル～約１００マイクロメートル、又は更には１０～１００マイクロメートル、好ましくは約１マイクロメートル～約６０マイクロメートル、又は更には１０マイクロメートル～５０マイクロメートル、又は更に２０マイクロメートル～４５マイクロメートル、又はあるいは２０マイクロメートル～６０マイクロメートルの体積加重メジアン封入体サイズを有し得る。
【0037】
コア
本開示の封入体は、コアを含んでいてよい。コアは、シェルによって取り囲まれていてよい。コアは、香料を含んでいてよい。香料は、単一の香料原材料又は香料原材料の混合物を含んでいてよい。
本開示の封入体は、コアを含んでいてよい。コアは、シェルによって取り囲まれていてよい。コアは、香料を含んでいてよい。香料は、単一の香料原材料又は香料原材料の混合物を含んでいてよい。
【0038】
用語「香料原材料」（又は「ＰＲＭ」）は、本明細書で使用するとき、少なくとも約１００ｇ／モルの分子量を有し、かつ匂い、芳香、エッセンス、又は香りを、単独で又は他の香料原材料とともに付与するのに有用な化合物を指す。典型的なＰＲＭとしては特に、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ナイトライト、及びテルペンなどのアルケンが挙げられる。一般的なＰＲＭのリストは、例えば、「Ｐｅｒｆｕｍｅ ａｎｄ Ｆｌａｖｏｒ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ」第Ｉ巻及び第ＩＩ巻；Ｓｔｅｆｆｅｎ Ａｒｃｔａｎｄｅｒ Ａｌｌｕｒｅｄ Ｐｕｂ．Ｃｏ．（１９９４）及び「Ｐｅｒｆｕｍｅｓ：Ａｒｔ，Ｓｃｉｅｎｃｅ ａｎｄ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ」、Ｐ．Ｍ．ａｎｄ Ｌａｍｐａｒｓｋｙ，Ｄ．，Ｂｌａｃｋｉｅ Ａｃａｄｅｍｉｃ ａｎｄ Ｐｒｏｆｅｓｓｉｏｎａｌ（１９９４）に見出すことができる。
【0039】
ＰＲＭは、常圧（７６０ｍｍＨｇ）で測定された沸点（Ｂ．Ｐ．）と、以下の試験方法に従って決定されるｌｏｇＰによって記載され得るオクタノール／水分配係数（Ｐ）とによって特徴付けられてもよい。下記でより詳細に述べるように、これらの特徴に基づいて、ＰＲＭは、第１象限、第２象限、第３象限、第４象限の香料として分類することができる。異なる象限から様々なＰＲＭを有する香料は、例えば、通常の使用中に異なるタッチポイントで芳香効果を提供することが望ましい場合がある。
【0040】
香料は、約２５０℃より低い沸点（Ｂ．Ｐ．）と約３より低いＣｌｏｇＰとを有する香料原料、約２５０℃より高いＢ．Ｐ．と約３より高いＣｌｏｇＰとを有する香料原料、約２５０℃より高いＢ．Ｐ．と約３より低いＣｌｏｇＰとを有する香料原料、約２５０℃より低いＢ．Ｐ．と約３より高いＣｌｏｇＰとを有する香料原料、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料を含んでよい。約２５０℃より低い沸点Ｂ．Ｐ．と約３より低いＣｌｏｇＰとを有する香料原料は、第１象限香料原料として知られる。第１象限の香料原材料は、好ましくは、香料組成物の３０％未満に制限される。約２５０℃より高いＢ．Ｐ．と約３より高いＣｌｏｇＰとを有する香料原材料は、第４象限香料原材料として知られ、約２５０℃より高いＢ．Ｐ．と約３より低いＣｌｏｇＰとを有する香料原材料は、第２象限香料原材料として知られ、約２５０℃より低いＢ．Ｐ．と約３より高いＣｌｏｇＰとを有する香料原材料は、第３象限香料原材料として知られる。好適な第１、第２、第３、及び第４象限香料原材料は、米国特許第６，８６９，９２３（Ｂ１）号に開示されている。
【0041】
封入体のコア内の香料は、酸を形成することができる香料原材料を含んでいてよい。例えば、アルデヒド（対応してアセタールも）は、大気酸素の存在下でカルボン酸を形成する傾向を有し、エステル（対応してラクトンも）は鹸化し、それによって、カルボキシル基を形成することができる。これらの酸形成材料に関連する配合上の課題にもかかわらず、酸形成材料が提供することができる心地よい審美性のために、酸形成材料を製品に配合することが依然として望ましい。
【0042】
コアの香料は、酸価によって特徴付けることができる。酸価は、事実上、封入前に香料中に存在する遊離カルボン酸の量の尺度である。香料は、以下の試験方法の項に提供される酸価決定法によって求めたとき、封入直前に５．０ｍｇ／ＫＯＨを超える酸価を特徴とし得る。香料は、封入直前に５．２５ｍｇ／ＫＯＨ超又は５．５０ｍｇ／ＫＯＨ超、又は５．７５ｍｇ／ＫＯＨ超、又は６．０ｍｇ／ＫＯＨ超の酸価を特徴とし得る。香料は、封入直前に、約５．０～約２５、又は約５．０～約２０、又は約５．５～約２０、又は約６～約２０、又は約８～約２０、又は約１０～約２０、又は約１２～約２０、又は約１５～約２０ｍｇ／ＫＯＨの酸価を特徴とし得る。
【0043】
酸を形成することができる香料原材料としては、アルデヒド、アセタール、エステル、及び／又はラクトン部分を含む材料を挙げることができる。本開示の香料は、封入体形成直後のコア内の香料全体の約３０重量％～約７５重量％、又は約３５重量％～約７０重量％、又は約４０～約６０重量％の、アルデヒド部分、アセタール部分、エステル部分、ラクトン部分、又はこれらの混合物を含む香料原材料を含んでいてよい。
【0044】
本開示の封入香料は、アルデヒド化合物、エステル化合物、又はこれらの混合物を含んでいてよい。本開示の香料は、封入体形成直後のコア内の香料全体の約３０重量％～約７５重量％、又は約３５重量％～約７０重量％、又は約４０～約６０重量％の、アルデヒド化合物、エステル化合物、又はこれらの混合物を含んでいてよい。本開示の香料は、封入体形成直後のコア内の香料全体の約２重量％～約３０重量％、又は約３重量％～約２５重量％、又は約４重量％～約２０重量％、又は約４重量％～約１５重量％のアルデヒド化合物を含んでいてよい。本開示の香料は、封入体形成直後のコア内の香料全体の約１０重量％～約６０重量％、又は約２０重量％～約５０重量％、又は約３０重量％～約５０重量％のエステル化合物を含んでいてよい。
【0045】
酸を形成することができる香料原材料としては、脂肪族アルデヒド及び／又はそのアセタール；脂環式アルデヒド；芳香族及び／又は芳香脂肪族アルデヒド；脂肪族、芳香族、又は芳香脂肪族エステル；ラクトン；又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0046】
脂肪族アルデヒド及びそのアセタールとしては、ヘキサナール；ヘプタナール；オクタナール；ノナナール；デカナール；ウンデカナール；ドデカナール；トリデカナール；２－メチルオクタナール；２－メチルノナナール；（Ｆ）－２－ヘキセナール；（Ｚ）－４－ヘプテナール；２，６－ジメチル－５－ヘプテナール；１０－ウンデセナール；（Ｆ）－４－デセナール；２－ドデセナール；２，６，１０－トリメチル５，９－ウンデカジエナール；ヘプタナールジエチル；１，１－ジメトキシ－２，２，５－トリメチル－４－ヘキセン；シトロネリルオキシアセトアルデヒド；又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0047】
脂環式アルデヒドとしては、２，４－ジメチル－３－シクロヘキセンカルボアルデヒド；２－メチル－４－（２，２，６－トリメチルシクロヘキセン－１－イル）－２－ブテノイル；４－（４－ヒドロキシ－４－メチルペンチル）－３－シクロヘキセンカルバルデヒド；４－（４－メチル－３－ペンテン－１－イル）－３－シクロヘキセンカルバルデヒド；又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0048】
芳香族及び芳香脂肪族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド；フェニルアセトアルデヒド；３－フェニルプロパナール；ヒドラトロパアルデヒド（Hydratropaaldehyd）；４－メチルベンズアルデヒド；４－メチルフェニルアセトアルデヒド；３－（４－エチルフェニル）－２，２－ジメチルプロパナール；２－メチル－３－（４－イソプロピルフェニル）プロパナール；２－メチル－３－（４－ｔｅｒｔ－ブチルフェニル）プロパナール３－（４－ｔｅｒｔ－ブチルフェニル）プロパナール；ケイ皮アルデヒド；ａ－ブチルジムトアルデヒド；ａ－アミルケイ皮アルデヒド；ａ－ヘキシルケイ皮アルデヒド；３－メチル－５－フェニルペンタナール；４－メトキシベンズアルデヒド；４－ヒドロキシ－３－メトキシベンズアルデヒド；４－ヒドロキシ－３－エトキシベンズアルデヒド；３，４－メチレンジオキシベンズアルデヒド；３，４－ジメトキシベンズアルデヒド；２－メチル－３－（４－メトキシフェニル）プロパナール；２－メチル－３－（４－メチレンジオキシフェニル）プロパナール；又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0049】
脂肪族カルボン酸エステルとしては、（ε）及び（Ｚ）－３－ヘキセニルホルメート；エチルアセタトアセテート；イソアミル；酢酸ヘキシル；３，５，５－トリメチルヘキシルアセテート；３－メチル－２－ブテニルアセテート；（Ｅ）－２－ヘキセニルアセテート；（Ｅ）－及び（Ｚ）－３－ヘキセニルアセテート；酢酸オクチル；酢酸３－オクチル；１－オクテン－３－イルアセテート；酪酸エチル；ブチルブチレート；イソアミル；酪酸ヘキシル；（￡）－及び（Ｚ）－３－ヘキセニルイソブチレート；クロトン酸ヘキシル；イソ吉草酸エチル；２－メチルペンタン酸エチル；ヘキサン酸エチル；アリルヘキサノエート；エチルヘプタノエート；ヘプタン酸アリル；オクタン酸エチル；エチル（ｆ，Ｚ）－２，４－デカジエノエート；メチル－２－オクチナット（octinat）；メチル－２－ノニナット（noninat）；アリル－２－イソアミルオキシアセタット（isoamyloxyacetat）；メチル３，７－ジメチル－２，６－オクタジエノエート；又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0050】
環式アルコールのエステルとしては、２－ｔｅｒｔ－ブチルシクロヘキシルアセテート；４－ｔｅｒｔ－ブチルシクロヘキシルアセテート；２－ｔｅｒｔ－ペンチルシクロヘキシルアセテート；４－ｔｅｒｔ－ペンチルシクロヘキシルアセテート；デカヒドロ－２－ナフチルアセテート；３－ペンチルテトラヒドロ－２Ｈ－ピラン－４－イルアセテート；デカヒドロ－２，５，５，８ａ－テトラメチル－２－ナフチルアセテート；４，７－メタノ－３ａ，４，５，６，７，７ａ－ヘキサヒドロ－５－又は－６－インデニルアセテート；４，７－メタノ－３ａ，４，５，６，７，７ａヘキサヒドロ－５－又は６－インデニルプロピオネート；４，７－メタノ－３ａ，４，５，６，７，７ａ－ヘキサヒドロ－５－又は６－インデニルイソブチレート；４，７－メタノオクタヒドロ－５－又は６－インデニルアセテート；又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0051】
芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステルとしては、酢酸ベンジル；プロピオン酸ベンジル；イソ酪酸ベンジル；イソ吉草酸ベンジル；２－フェニルエチルアセテート；２－フェニルエチルプロピオネート；２－フェニルエチルイソブチラット（Phenylethylisobutyrat）；２－フェニルエチルイソバレリアナット（Phenylethylisovalerianat）；１－フェニルエチルアセテート；ａ－トリクロルメチルベンジルアセタット（ｔｒichlormethylbenzylacetat）；ａ，ａ－ジメチルフェニルエチルアセタット（ｄimethylphenylethylacetat）；ａ，ａ－ジメチル－フェニルエチルブチレート；シンナミル；２－フェノキシエチルイソブチレート；４－メトキシベンジルアセテート；又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0052】
脂環式カルボン酸のエステルとしては、アリル－３－シクロヘキシルプロピオネート；アリルシクロヘキシルオキシアセテート；メチルジヒドロジャスモネート；ジャスモン酸メチル；メチル２－ヘキシル－３－オキソシクロペンタンカルボキシレート；エチル２－エチル－６，６－ジメチル－２－シクロヘキセンカルボキシレート；エチル２，３，６，６－テトラメチル－２－シクロヘキセンカルボキシレート；エチル－２－メチル－１，３－ジオキソラン－２－アセテート；又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0053】
芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸エステルとしては、安息香酸メチル；安息香酸エチル；安息香酸ヘキシル；安息香酸ベンジル；フェニル酢酸メチル；フェニル酢酸エチル；フェニル酢酸ゲラニル；フェニル酢酸フェニルエチル；ケイ皮酸メチル；ケイ皮酸エチル；ケイ皮酸ベンジル；フェニルエチルシンナマット（phenylethylcinnamat）；ケイ皮酸シンナミル；フェノキシ酢酸アリル；サリチル酸メチル、サリチル酸イソアミル；サリチル酸ヘキシル；サルチル酸シクロヘキシル；シス－３－ヘキセニルサリチレート；ベンジル、サリチル酸フェニルエチル；メチル２，４－ジヒドロキシ－３，６－ジメチルベンゾエート；エチル３－フェニルグリシデート；エチル３－メチル－３－フェニルグリシデート；又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0054】
全てのエステルが等しく酸に変換される可能性があるわけではないことが知られているのとちょうど同じく、全てのアルデヒドが同様に酸化されて酸になりやすいわけではないことが知られている。したがって、顔面的に（facially）同様の量のアルデヒド及び／又はエステルを有し得る香料混合物は、各香料混合物中に存在する具体的なアルデヒド及び／又はエステルに応じて異なる酸価を特徴とし得る。
【0055】
例えば、化合物の酸化の可能性は、化合物のイオン化電位に関連し得る。理論に束縛されるものではないが、化合物のイオン化電位が低いほど、酸化が起こる可能性が高いと考えられる。コアの香料は、例えば約８．５以下、又は約８．０以下、又は約７．５以下の比較的低いイオン化電位を特徴とする香料原材料を含んでいてよい。コアの香料は、コアの香料の少なくとも約１０重量％、又は少なくとも約２０重量％、又は少なくとも約３０重量％、又は少なくとも約４０重量％、又は少なくとも約５０重量％など、特定の最低限のこのような香料原材料を含んでいてよい。このような材料の量が多いほど、香料の酸価が高くなる可能性があり、本開示の封入体は、このような香料を封入するのに特に適していると考えられる。
【0056】
特定のエステルはまた、他のものよりも特定の条件下で加水分解する可能性が高い場合がある。酸加水分解を受ける可能性がより高いエステルは、より多くのカルボン酸形成を引き起こすので、酸価がより大きくなり得る。更に、理論に束縛されるものではないが、塩基加水分解を受ける可能性がより高いエステルは、加水分解時に形成される塩が水相に入り、封入体のコアから離れる可能性がより高いので、封入体の漏出の一因となり得ると考えられる。
【0057】
イオン化電位及び／又は加水分解速度の違いは、香料原材料の構造によって影響され得る。例えば、エステル部分付近の立体障害は、予想よりも低い加水分解速度をもたらし得る。
【0058】
上述のように、特定のアルデヒドは、他のアルデヒドよりも酸化に対する感受性が高いと考えられる。コアの香料は、比較的酸化されて酸になりやすいと考えられる、以下のアルデヒド香料原材料のうちの１つ以上を含んでいてよい：２，６－ジメチル－オクタナール；２，２，５－トリメチル－４－ヘキセナール；センテナール（Scentenal）；２－フェニル－３－（２－フリル）プロパ－２－エナール；（ｌ）－シトロネラール；テトラヒドロゲラニアール；２－エトキシベンズアルデヒド；５－メチルフルフラール；カリプソン（Calypsone）；ｄ－キシロース；３－（２－フラニル）－２－メチル－２－プロペナール；３，５，５－トリメチルヘキサナール；カントキザール（Canthoxal）；２，４，５－トリメトキシ－ベンズアルデヒド；４－ヒドロキシ－３－メトキシ－シンナムアルデヒド；２，４，６－トリメトキシベンズアルデヒド；３，４，５－トリメトキシベンズアルデヒド；２，３，４－トリメトキシ－ベンズアルデヒド；（ｄ）－シトロネラール；リラール（Lyral）；メチルオクチルアセトアルデヒド；オクタナール，３，７－ジメチル－；アドキザール（Adoxal）；シトロネリルオキシアセトアルデヒド；シス－３－ヘキセニルオキシアセトアルデヒド；メトキシメロナール；ｎ－ヘキサナール；ペンチルバニリン；ｏ－メトキシシンナムアルデヒド；ｏ－アニスアルデヒド；オクタナール；ノナルデヒド（Nonaldehyde）；２，６，１０－トリメチルウンデカナール；シトロネラール；メロナール（Melonal）；ヒドロキシシトロネラール；プレナール（Prenal）；メチルノニルアセトアルデヒド；バレルアルデヒド；カプルアルデヒド；ｐ－アニスアルデヒド；ヘプトアルデヒド；エチルバニリン；バニリン；ヘリオトロピン；ヘリオナール；ベラトルアルデヒド；メトキシシトロネラール；７－メトキシ－３，７－ジメチルオクタナール；４－エトキシベンズアルデヒド；イソ酪酸バニリン；酢酸バニリン；エチルバニリンアセテート；１－メチル－４－（４－メチル－３－ペンテン－１－イル）－３－シクロヘキセン－１－カルボキシアルデヒド；８－ウンデセナール；トランス，トランス－２，４－ノナジエナール；ベータ－シネンサール；６－シクロペンチリデンヘキサナール；プレシクレモンＢ（Precyclemone B）；タンジェリナール（Tangerinal）；２－チオフェンカルボキシアルデヒド；９－デセナール；トランス－２，シス－６－ノナジエナール；アカレア（Acalea）；４－ｔｅｒｔ－ブチルベンズアルデヒド；トランス－２－メチル－２－オクテナール；シトラール；３－メチル－５－フェニル－１－ペンタナール；２－デセナール；トランス－２－デセナール；α，４－ジメチルベンゼンプロパナール；シス－５－オクテナール；シス－７－デセン－１－アール；シス－４－デセン－１－アール；２－トランス－６－シス－ドデカジエナール；２－トランス－４－トランス－ドデカジエナール；３－シクロヘキセン－１－プロパナール；２－ノネン－１－アール；２－ウンデセナール；２，４－デカジエナール，（Ｅ，Ｅ）－；２，４－ウンデカジエナール，（Ｅ，Ｅ）－；イソヘキセニルシクロヘキセニルカルボキシアルデヒド；トランス－２－ノネン－１－アール；３－ノニルアクロレイン；２，６－ノナジエナール；リリアール（Lilial）；２－トランス－６－トランス－ノナジエナール；アルファ－シネンサール；ブーゲオナール（Bourgeonal）；２－トリデセナール；ｐ－ｔ－ブチルフェニルアセトアルデヒド；（Ｚ）－３－ドデセナール；ｍ－メチルベンズアルデヒド；ミフロラール（Mefloral）；トランス－４－デセン－１－アール；シルビアール（Silvial）；２－ヘキセン－１－アール；２，４－ノナジエナール；フロラロゾン（Floralozone）；アルデヒドＣ－１１；シス－３－ヘキセナール；ミリストアルデヒド；ケイ皮アルデヒド；ｐ－トルアルデヒド；ウンデカナール；１０－ウンデセナール；ラウルアルデヒド；トランス－２－ヘキセナール；ゲラニアール；５－メチル－２－チオフェンカルボキシアルデヒド；フェニルアセトアルデヒド；アルファ－アミルシンナムアルデヒド；フローラルスーパー（Floral Super）；ヘキシルシンナミックアルデヒド；アルファ－メチルシンナムアルデヒド；ベンズアルデヒド；又はこれらの混合物。好ましくは、コアの香料は、以下のアルデヒド香料原材料のうちの１つ以上を含んでいてよいが、それは、このようなＰＲＭが特に審美的に望ましいためである：センテナール（Scentenal）；アドキザール（Adoxal）；オカタナール（Ocatanal）；ノナルデヒド；メロナール（Melonal）；メチルノニルアセトアルデヒド；ｐ－アニスアルデヒド；エチルバニリン；バニリン；ヘリオトロピン；リリアール（Lilial）；アルデヒドＣ－１１；ウンデカナール；１０－ウンデセナール；ラウルアルデヒド；又はこれらの混合物。
【0059】
同様に、特定のエステルは、他のエステルよりも酸に転換される可能性が高いと考えられる。コアの香料は、比較的酸に転換されやすいと考えられる、以下のエステル香料原材料のうちの１つ以上を含んでいてよい：クインセスタ（Quincester）；セレノリド（Serenolide）；ニルバノリド（Nirvanolide）；アセタロール；アルピノフィックス（Alpinofix）；アラジネート（Aladinate）；メチルライトン（Methyl Laitone）；フィラスコン（Firascone）；１－ヘプテン－１－オール，１－アセテート；（Ｚ）－３－ヘプテン－１－イルアセテート；３－ヒドロキシ－４，５－ジメチル－２（５Ｈ）－フラノン；ウンデシレン酸イソアミル；ベルドックスＨＣ（Verdox HC）；ピバローズＱ（Pivarose Q）；酢酸シトリル；（Ｅ）－５－タンゲリノール；（Ｚ）－５－タンゲリノール；酢酸ミラルジル；ゲラニルフェニルアセテート；ベルガプテン；イソピムピネリン；パルソールＭＣＸ（Parsol MCX）；エチルベータ－サフラネート；酢酸ノピル；カリキソール（Calyxol）；メチルオクタラクトン；酢酸イソプレギル；チグリン酸エチル；バノリス（Vanoris）；アセトキシメチル－イソロンギホレン（異性体）；１－オキサスピロ［２．５］オクタン－２－カルボン酸，５，５，７－トリメチル－，エチルエステル；３，６－ジメチル－３－オクタニルアセテート；シス－３－ヘキセニル－シス－３－ヘキセノエート；シス－３－ヘキセニルラクテート；スクラレオリド；ヘキサロース（Hexarose）；シス－イソ－アンブレットリド；フルティナート（Frutinat）；エチルガンマ－サフラナート；ケイ皮酸アミル；イソアンブレットリド；イソ酪酸ボルニル；シプリゼート（Cyprisate）；アナペア（Anapear）；モンタベルディ（Montaverdi）；ベルトシン（Vertosine）；イソ酪酸イソボルニル；シプリゼートＣｉ（Cyprisate Ci）；シクロブタネート；シス－３ヘキセニルブチレート；チグリン酸ゲラニル；トランス－ヘディオン（Hedione）；酢酸イソアミル；ジベスコン（Givescone）；シクロガルバネート；ベルデュラールＢエキストラ（Verdural B Extra）；エチルアルファ－サフラネート；ジャスマール（Jasmal）；スチラリルアセテート；ノナラクトン；トランス－アンブレットリド；ヘプタン酸フルフリル；ヘキサン酸フルフリル；アルファ－アミルシンナミルアセテート；酢酸カルビル；イソブタン酸エチル；イソ酪酸シトロネリル；オクタン酸フルフリル；２－フロ酸オクチル；酢酸セドリル；イソアミルアセトアセテート；シス－３－ヘキセニルベンゾエート；フェニルエチルベンゾエート；チグリン酸ヘキセニル；アグルメア（Agrumea）；ガンマ－ウンデカラクトン（ラセミ体）；（Ｓ）－ガンマ－ウンデカラクトン；（Ｒ）－ガンマ－ウンデカラクトン；安息香酸フェニル；安息香酸ゲラニル；サリチル酸イソブチル；サリチル酸イソアミル；ベルドックス（Verdox）；２－アセトキシ－３－ブタノン；カプリル酸ゲラニル；（＋）－Ｄ－酢酸メンチル；安息香酸プレニル；７－メトキシクマリン；シス－３－ヘキセニル ２－メチルブチレート；シス－３－ヘキセニル－トランス－２－ヘキセノエート；吉草酸エチル；酪酸ｎ－ペンチル；エチル３－ヒドロキシブチレート；フロールアセテート（Flor酢酸塩）；ネオペンタン酸ヘキシル；プロピオン酸デシル；チグリン酸フェネチル；２－フェニル－１（２）プロペニル－１エステル；メチルシクロペンチリデンアセテート；酢酸イソノニル；クロトン酸ｐ－クレシル；オクタヒドロクマリン；メチルトランス－２，シス－４－デカジエノエート；３，３，５－トリメチルシクロヘキシルアセテート；バニリン酸ヘキシル；シス－３－ヘキセニルレブリネート；アントラニル酸ジメチル；メチル２－メチルブチレート；サリチル酸ブチル；酢酸イソメンチル；ジヒドロカルベオールアセテート；テトラヒドロリナリルアセテート；ジメチルオクタニルアセテート；メチルシス－４－オクテノエート；ヘキサヒドロ－３，５，５－トリメチル－３，８ａ－エタノ－８ａＨ－１－ベンゾピラン－２（３Ｈ）－オン；シクロヘキシルエチルアセテート；アルファ－アセトキシスチレン；ｐ－メチルベンジルアセテート；プロピオン酸ヘプチル；ガンマ－ドデカラクトン；イソ酪酸ネリル；イソ酪酸ゲラニル；イソ酪酸ヘキシル；ゲラニン酸メチル；又はこれらの混合物。好ましくは、コアの香料は、以下のエステル香料原材料のうちの１つ以上を含んでいてもよいが、それは、このようなＰＲＭが特に審美的に望ましいためである：メチルライトン（Methyl Laitone）；ベルドックスＨＣ（Verdox HC）；エチルベータ－サフラネート；Ｈｅｘａｒｏｓｅ；シクロブタネート；シクロガルバネート；エチルアルファ－サフラネート；ジャスマール（Jasmal）；Ｓｔｙｒａｌｌｙｌ酢酸塩；ノナラクトン；ガンマ－ウンデカラクトン（ラセミ体）；ベルドックス（Verdox）；フロールアセテート；又はこれらの混合物。
【0060】
コア内の香料は、香料原材料の混合物を含有していてもよい。コア内の香料は、少なくとも３種、又は少なくとも４種、又は少なくとも５種、又は少なくとも６種、又は少なくとも７種、又は少なくとも８種、又は少なくとも９種、又は少なくとも１０種の香料原材料を含んでいてよい。香料原材料の混合物は、より複雑で望ましい審美性、及び／又はより良好な香料性能若しくは寿命を、例えば様々なタッチポイントで提供することができる。
【0061】
コア内の香料は、約５０種未満、又は約４０種未満、又は約３０種未満、又は約２５種未満、又は約２０種未満の香料原材料を含んでいてよい。配合の複雑性及び／又はコストを低減又は制限する方法として香料中の香料原材料の数を制限することが望ましい場合がある。
【0062】
香料は、酸を形成しない少なくとも１種、又は少なくとも２種、又は少なくとも３種の香料原材料を含んでいてよい。香料は、アルデヒド、アセタール、エステル、及び／又はラクトン部分を含まない、少なくとも１種、又は少なくとも２種、又は少なくとも３種の香料原材料を含んでいてよい。
【0063】
香料は、天然由来の少なくとも１種の香料原材料を含んでいてよい。このような成分は、持続可能性／環境上の理由から望ましい場合がある。天然由来の香料原材料は、ＰＲＭの混合物を含有し得る天然抽出物又はエッセンスを含んでいてよい。このような天然抽出物又はエッセンスとしては、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエッセンス、白檀油、松根油、スギなどを挙げることができる。
【0064】
本開示の封入体のコアは、分配調節剤を含んでもよい。コアは、封入された有益剤に加えて、コアの総重量に基づいて、０％超～約８０％、好ましくは０％超～約５０％、より好ましくは０％超～約３０％、最も好ましくは０％超～約２０％の分配調節剤を含んでもよい。
【0065】
分配調節剤は、植物油、変性植物油、Ｃ４～Ｃ２４脂肪酸のモノ－、ジ－、及びトリ－エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノフェノン、ラウリン酸ラウリル、ベヘン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。分配調節剤は、好ましくはミリスチン酸イソプロピルを含んでもよく、又はミリスチン酸イソプロピルからなってもよい。変性植物油は、エステル化及び／又は臭素化されたものであり得る。変性植物油は、好ましくは、ヒマシ油及び／又はダイズ油を含み得る。参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第２０１１０２６８８０２号は、本明細書に記載される香料封入体において有用であり得る他の分配調節剤（partitioning modifiers）について記載している。
【0066】
シェル
組成物は、シェルを含み得る。シェルは、コアを部分的に又は完全に取り囲むことができる。
組成物は、シェルを含み得る。シェルは、コアを部分的に又は完全に取り囲むことができる。
【0067】
シェルは、ポリマー材料を含んでいてよい。ポリマー材料は、（メタ）アクリレート材料を含んでいてよい。上記のように、５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を有する香料は、アクリレート材料を含むシェルに封入されたときに驚くほど良く性能を発揮することが見出されている。シェルのポリマー材料は、少なくとも部分的にラジカル重合プロセスによって形成され得る。
【0068】
シェルのアクリレート材料は、ポリアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される（メタ）アクリレート材料を含み得る。
【0069】
本明細書で使用するとき、用語「（メタ）アクリレート」又は「（メタ）アクリル」への言及は、特定のモノマー、オリゴマー、及び／又はプレポリマーのアクリレート及びメタクリレートバージョンの両方を指すものとして理解されたい。例えば、「アリル（メタ）アクリレート」は、アリルメタクリレート及びアリルアクリレートの両方の可能性があることを示し、同様に、（メタ）アクリル酸のアルキルエステルへの言及は、アクリル酸のアルキルエステル及びメタクリル酸のアルキルエステルの両方の可能性があることを示し、同様に、ポリ（メタ）アクリレートは、ポリアクリレート及びポリメタクリレートの両方の可能性があることを示す。ポリ（メタ）アクリレート材料は、例えば、ポリエステルポリ（メタ）アクリレート、ウレタン及びポリウレタンポリ（メタ）アクリレート（特に、ヒドロキシアルキル（メタ）アクリレートと、ポリイソシアネート又はウレタンポリイソシアネートとの反応によって調製されるもの）、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、ジエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、トリメチロールプロパントリ（メタ）アクリレート、エチレングリコールジ（メタ）アクリレート、アリル（メタ）アクリレート、グリシジル（メタ）アクリレート、（メタ）アクリレート官能性シリコーン、ジ－、トリ－、及びテトラエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ジプロピレングリコールジ（メタ）アクリレート、ポリエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ジ（ペンタメチレングリコール）ジ（メタ）アクリレート、エチレンジ（メタ）アクリレート、ネオペンチルグリコールジ（メタ）アクリレート、トリメチロールプロパントリ（メタ）アクリレート、エトキシル化ビスフェノールＡジ（メタ）アクリレート、ビスフェノールＡジ（メタ）アクリレート、ジグリセロールジ（メタ）アクリレート、テトラエチレングリコールジクロロアクリレート、１，３－ブタンジオールジ（メタ）アクリレート、ネオペンチルジ（メタ）アクリレート、トリメチロールプロパントリ（メタ）アクリレート、ポリエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、及びジプロピレングリコールジ（メタ）アクリレート、並びに様々な多官能（メタ）アクリレートを含む、広範なポリマー材料を包含することを意図する。単官能アクリレート、すなわち、１つのアクリレート基のみを含むものも、有利に使用され得る。典型的なモノアクリレートとしては、２－エチルヘキシル（メタ）アクリレート、２－ヒドロキシエチル（メタ）アクリレート、シアノエチル（メタ）アクリレート、２－ヒドロキシプロピル（メタ）アクリレート、ｐ－ジメチルアミノエチル（メタ）アクリレート、ラウリル（メタ）アクリレート、シクロヘキシル（メタ）アクリレート、テトラヒドロフルフリル（メタ）アクリレート、クロロベンジル（メタ）アクリレート、アミノアルキル（メタ）アクリレート、種々のアルキル（メタ）アクリレート、及びグリシジル（メタ）アクリレートが挙げられる。（メタ）アクリレート又はそれらの誘導体との混合物、並びに１つ以上の（メタ）アクリレートモノマー、オリゴマー、及び／若しくはプレポリマーの組み合わせ又はそれらの誘導体と、アクリロニトリル及びメタアクリロニトリルを含む他のコポリマー化可能なモノマーとの混合物も、同様に使用することができる。
【0070】
主な上記シェル材料は、ポリアクリレートを含んでいてよい。シェル材料は、シェル材料の約２５重量％～約１００重量％、又は約５０重量％～約１００重量％、又は約６５重量％～約１００重量％のポリアクリレートポリマーを含んでいてよい。ポリアクリレートは、ポリアクリレート架橋ポリマーを含み得る。
【0071】
封入体の（メタ）アクリレート材料は、１つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料に由来するポリマーを含み得る。多官能性アクリレート部分は、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。多官能性アクリレート部分は、好ましくは、六官能性アクリレートである。アクリレート材料は、アクリレート部分、メタクリレート部分、アミンアクリレート部分、アミンメタクリレート部分、カルボン酸アクリレート部分、カルボン酸メタクリレート部分、及びこれらの組み合わせ、好ましくは、アミンメタクリレート部分又はカルボン酸アクリレート部分からなる群から選択される部分を含む、ポリアクリレートを含み得る。
【0072】
（メタ）アクリレート材料は、１つ以上の多官能性アクリレート及び／又は多官能性メタクリレート部分を含む材料を含み得る。１つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料の１つ以上のメタクリレート部分を含む材料に対する比は、約９９９：１～約６：４、好ましくは約９９：１～約８：１、より好ましくは約９９：１～約８．５：１であり得る。
【0073】
多官能性アクリレートの例としては、ＣＮ９７５（六官能性芳香族ウレタンアクリレート）、ＣＮ９００６（六官能性脂肪族ウレタンアクリレート）、ＣＮ２９６、ＣＮ２９３、ＣＮ２２９５（六官能性ポリエステルアクリレートオリゴマー又はアクリル化ポリエステル）、ＣＮ２２８２、ＣＮ２９４Ｅ、ＣＮ２９９（四官能性ポリエステルアクリレートオリゴマー又はアクリル化ポリエステル）、ＳＲ４９４、ＳＲ２９５、ＳＲ２５５（四官能性アクリレートオリゴマー）、ＳＲ９００９、ＳＲ９０１１（三官能性メタクリレートオリゴマー）、ＳＲ９２９（ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー）、ＳＲ９０５３（酸エステル三官能性アクリレートオリゴマー）、ＣＮ９８９、ＣＮ９３０１（脂肪族ウレタンアクリレート）、ＳＲ３５０、ＳＲ３５３（三官能性アクリレートオリゴマー）、ＳＲ９０１２（三官能アクリレートエステル）、及び／又はＳＲ３６８（トリス（２－ヒドロキシエチル）イソシアヌレートトリアクリレート）などのＳａｒｔｏｍｅｒ Ｉｎｃ．から販売されている材料が挙げられる。アクリレート材料は、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマー、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス（２－ヒドロキシエチル）イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物に由来していてよく、それは、このような材料が堅牢なカプセルを作製するのに有用であることが見出されているためである。
【0074】
封入体は、封入体の総重量に基づいて、約０．１％～約４０％、好ましくは約０．５％～約４０％、より好ましくは０．８％～５％の乳化剤を含んでいてよい。乳化剤は、封入体の形成中に加工助剤として有用であり得る。乳化剤は、シェル内に埋め込まれていてもよく及び／又はシェル上に位置していてもよい。乳化剤は、ポリビニルアルコール、カルボキシル化又は部分加水分解ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸の塩又はエステル、レシチン、有機スルホン酸、２－アクリルアミド－２－アルキルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリビニルピロリドン、Ｎ－ビニルピロリドンのコポリマー、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、及び水の表面張力を低下させる水溶性界面活性剤ポリマーからなる群から選択され得る。
【0075】
乳化剤は、好ましくは、ポリビニルアルコールを含む。好ましくは、ポリビニルアルコールは、以下の特性のうちの少なくとも１つ又はその混合を有する：（ｉ）７０％～９９％、好ましくは７５％～９８％、より好ましくは８０％～９６％、より好ましくは８２％～９６％、最も好ましくは８６％～９４％の加水分解度、及び／又は（ｉｉ）２０℃の４％水溶液において、２ｍＰａ．ｓ～１５０ｍＰａ．ｓ、好ましくは３ｍＰａ．ｓ～７０ｍＰａ．ｓ、より好ましくは４ｍＰａ．ｓ～６０ｍＰａ．ｓ、更により好ましくは５ｍＰａ．ｓ～５５ｍＰａ．ｓの粘度。好適なポリビニルアルコール材料は、Ｓｅｌｖｏｌ ５４０ ＰＶＡ（Ｓｅｋｉｓｕｉ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ，Ｄａｌｌａｓ，ＴＸ）、Ｍｏｗｉｏｌ １８－８８＝Ｐｏｖａｌ １８－８８、Ｍｏｗｉｏｌ ３－８３、Ｍｏｗｉｏｌ ４－９８＝Ｐｏｖａｌ ４－９８（クラレ）、Ｐｏｖａｌ ＫＬ－５０６＝Ｐｏｖａｌ ６－７７ ＫＬ（Ｋｕｒａｒａｙ）、Ｐｏｖａｌ Ｒ－１１３０＝Ｐｏｖａｌ ２５－９８ Ｒ（クラレ）、Ｇｏｈｓｅｎｘ Ｋ－４３４（日本合成化学工業）から選択され得る。
【0076】
本開示の封入体は、コーティングを含んでもよい。シェルは、コーティングを含んでいてよく、例えば、コーティングは、シェルの外面上に存在していてよい。封入体は製造されてから、続いてコーティング材料でコーティングされてもよい。コーティングは、付着助剤として有用であり得る。コーティング材料の非限定的な例としては、ポリ（メタ）アクリレート、ポリ（エチレン－無水マレイン酸）、ポリアミン、ワックス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンコポリマー、ポリビニルピロリドン－エチルアクリレート、ポリビニルピロリドン－ビニルアクリレート、ポリビニルピロリドンメタクリレート、ポリビニルピロリドン／ビニルアセテート、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリシロキサン、ポリ（プロピレン無水マレイン酸）、無水マレイン酸誘導体、無水マレイン酸誘導体のコポリマー、ポリビニルアルコール、スチレン－ブタジエンラテックス、ゼラチン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、その他の変性セルロース、アルギン酸ナトリウム、キトサン、カゼイン、ペクチン、変性デンプン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル／無水マレイン酸、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、ポリ（ビニルピロリドン／メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド）、ポリビニルピロリドン／ビニルアセテート、ポリビニルピロリドン／ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、及びポリアリルアミンのコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。コーティング材料は、カチオン性ポリマーであってよい。コーティング材料は、キトサンを含んでいてよい。
【0077】
組成物は、本明細書に記載の封入体シェル厚さ試験方法によって測定したとき、封入体の少なくとも７５％が、約１０ｎｍ～約３５０ｎｍ、約２０ｎｍ～約２００ｎｍ、又は２５ｎｍ～約１８０ｎｍの封入体シェル厚さを有する本開示による封入体を含んでいてよい。
【0078】
消費者製品補助剤
本組成物のうちの消費者製品組成物は、消費者製品補助材料を含んでいてよい。消費者製品補助材料は、組成物の意図される最終用途において利益を提供してもよく、又は加工助剤及び／又は安定助剤であってもよい。
本組成物のうちの消費者製品組成物は、消費者製品補助材料を含んでいてよい。消費者製品補助材料は、組成物の意図される最終用途において利益を提供してもよく、又は加工助剤及び／又は安定助剤であってもよい。
【0079】
好適な消費者製品補助材料としては、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、漂白系、安定剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去／再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、構造化剤、抗凝集剤、コーティング剤、ホルムアルデヒドスカベンジャー、並びに／又は顔料を挙げ得る。
【0080】
意図される形態、配合、及び／又は最終用途によって、本開示の組成物は、以下の補助材料すなわち、漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、粘土及び汚れ除去／再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、構造化剤、抗凝集剤、コーティング剤、ホルムアルデヒドスカベンジャー、並びに／又は顔料のうちの１つ以上を含有してもしなくてもよい。
【0081】
これらの追加の成分の正確な性質及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用される作業の性質に依存する。しかし、１種以上の補助剤が存在する場合、かかる１種以上の補助剤は、以下に詳述されるように存在することができる。以下は、好適な追加の補助剤の非限定的なリストである。
【0082】
界面活性剤
本開示の組成物は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、例えば、洗浄上の利益を提供するために有用であり得る。組成物は、１つ以上の界面活性剤を含有し得る界面活性剤系を含んでもよい。
本開示の組成物は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、例えば、洗浄上の利益を提供するために有用であり得る。組成物は、１つ以上の界面活性剤を含有し得る界面活性剤系を含んでもよい。
【0083】
本開示の組成物は、組成物の約１重量％～約７０重量％、又は約２重量％～約６０重量％、又は約５重量％～約５０重量％の界面活性剤系を含んでもよい。液体組成物は、組成物の約５重量％～約４０重量％の界面活性剤系を含んでもよい。密な剤形、例えば密な液体、ゲル、及び／又は単位用量形態に好適な組成物は、組成物の約２５重量％～約７０重量％、又は約３０重量％～約５０重量％の界面活性剤系を含んでもよい。
【0084】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。界面活性剤系は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエトキシル化サルフェート、アルキルサルフェート、エトキシル化アルコールなどの非イオン性界面活性剤、アミンオキシド、又はこれらの混合物を含んでもよい。界面活性剤は、天然供給原料アルコールなどの天然のソースに少なくとも部分的に由来してもよい。
【0085】
好適なアニオン性界面活性剤は、任意の従来のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。これは、例えばアルコキシル化及び／又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料用のサルフェート洗浄性界面活性剤、及び／又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、直鎖のもの、分岐鎖のもの、又はこれらを組み合わせたものであってよい。好ましい界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホネート（ＬＡＳ）、アルキルエトキシル化サルフェート（ＡＥＳ）、アルキルサルフェート（ＡＳ）、又はこれらの混合物が挙げられる。他の好適なアニオン性界面活性剤としては、分岐鎖状修飾アルキルベンゼンスルホネート（ＭＬＡＳ）、メチルエステルスルホネート（ＭＥＳ）、ラウリル硫酸ナトリウム（ＳＬＳ）、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム（ＳＬＥＳ）、及び／又はアルキルエトキシル化カルボキシレート（ＡＥＣ）が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、酸形態、塩形態、又はその混合形態で存在し得る。アニオン性界面活性剤は、部分的に又は全体的に、例えば、アルカリ金属（例えば、ナトリウム）又はアミン（例えば、モノエタノールアミン）によって中和されてもよい。
【0086】
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含んでいてよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、エトキシル化脂肪族アルコールなどのアルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルキルフェノール、アルキルフェノール縮合体、中鎖分岐鎖状アルコール、中鎖分岐鎖状アルキルアルコキシレート、アルキル多糖類（例えば、アルキルポリグリコシド）、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテルキャップされたポリ（オキシアルキル化）アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、直鎖、分岐鎖（例えば、中鎖分岐鎖状）、又はこれらの組み合わせであってもよい。特定の非イオン性界面活性剤としては、平均約１２個～約１６個の炭素を有し、かつ平均約３個～約９個のエトキシ基を有するアルコール、例えばＣ１２～Ｃ１４のＥＯ７非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
【0087】
好適な双性イオン界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインをはじめとするベタイン、Ｃ８～Ｃ１８（例えば、Ｃ１２～Ｃ１８）アミンオキシド（例えば、Ｃ１２～１４ジメチルアミンオキシド）、並びに／又は、Ｎ－アルキル－Ｎ，Ｎ－ジメチルアミノ－１－プロパンスルホネート（アルキル基は、Ｃ８～Ｃ１８又はＣ１０～Ｃ１４であってもよい）などのスルホ及びヒドロキシベタインなどの、任意の従来の双性イオン界面活性剤を挙げることができる。双性イオン界面活性剤としては、アミンオキシドを挙げることができる。
【0088】
剤形及び／又は意図される最終用途に応じて、組成物は、特定の界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。例えば、布地柔軟剤などの液体布地増強組成物は、アニオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよいが、それはかかる界面活性剤がカチオン性成分と負の相互作用をし得るためである。
【0089】
コンディショニング活性物質
本開示の組成物は、コンディショニング活性物質を含んでもよい。コンディショニング活性物質を含有する組成物は、柔軟性、しわ防止、静電防止、コンディショニング、抗伸張、色、及び／又は外観に関する利益を提供し得る。
本開示の組成物は、コンディショニング活性物質を含んでもよい。コンディショニング活性物質を含有する組成物は、柔軟性、しわ防止、静電防止、コンディショニング、抗伸張、色、及び／又は外観に関する利益を提供し得る。
【0090】
コンディショニング活性物質は、組成物の約１重量％～約９９重量％のレベルで存在してもよい。組成物は、組成物の約１重量％から、又は約２重量％から、又は約３重量％から、約９９重量％まで、又は約７５重量％まで、又は約５０重量％まで、又は約４０重量％まで、又は約３５重量％まで、又は約３０重量％まで、又は約２５重量％まで、又は約２０重量％まで、又は約１５重量％まで、又は約１０重量％までのコンディショニング活性物質を含んでもよい。組成物は、組成物の約５重量％～約３０重量％のコンディショニング活性物質を含んでよい。
【0091】
本開示の組成物に好適なコンディショニング活性物質としては、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化若しくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、又はこれらの組み合わせが挙げられてよい。
【0092】
この組成物は、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン又はこれらの複数組の組み合わせ、好ましくは一組の組み合わせを含んでもよい。四級アンモニウムエステル化合物及びシリコーンを組み合わせた総量は、組成物の約５重量％～約７０重量％、又は約６重量％～約５０重量％、又は約７重量％～約４０重量％、又は約１０重量％～約３０重量％、又は約１５重量％～約２５重量％であってもよい。組成物は、約１：１０～約１０：１、又は約１：５～約５：１、又は約１：３～約１：３、又は約１：２～約２：１、又は約１：１．５～約１．５：１、又は約１：１の重量比で四級アンモニウムエステル化合物とシリコーンとを含んでいてよい。
【0093】
組成物は、異なる種類のコンディショニング活性物質の混合物を含有していてもよい。本開示の組成物は、特定のコンディショニング活性物質を含有しているが、他のコンディショニング活性物質は実質的に含んでいなくてよい。例えば、組成物は、四級アンモニウムエステル化合物若しくはシリコーン又はその両方を含まなくてもよい。組成物は、四級アンモニウムエステル化合物を含んでもよいが、シリコーンを実質的に含まなくてもよい。組成物はシリコーンを含んでもよいが、四級アンモニウムエステル化合物を実質的に含まなくてもよい。
【0094】
付着助剤
本開示の組成物は、付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、封入体、コンディショニング活性物質、香料、又はこれらの組み合わせの付着を促進し、組成物の性能上の利益を改善し、及び／又はかかる有益剤のより効率的な配合を可能にすることができる。組成物は、組成物の０．０００１重量％～３重量％、好ましくは０．０００５重量％～２重量％、より好ましくは０．００１重量％～１重量％、又は約０．０１重量％～約０．５重量％、又は約０．０５重量％～約０．３重量％の付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、カチオン性又は両性のポリマーであってよく、好ましくはカチオン性ポリマーであってよい。
本開示の組成物は、付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、封入体、コンディショニング活性物質、香料、又はこれらの組み合わせの付着を促進し、組成物の性能上の利益を改善し、及び／又はかかる有益剤のより効率的な配合を可能にすることができる。組成物は、組成物の０．０００１重量％～３重量％、好ましくは０．０００５重量％～２重量％、より好ましくは０．００１重量％～１重量％、又は約０．０１重量％～約０．５重量％、又は約０．０５重量％～約０．３重量％の付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、カチオン性又は両性のポリマーであってよく、好ましくはカチオン性ポリマーであってよい。
【0095】
カチオン性ポリマー全般、及びそれらの製造方法については、各種文献において既知である。好適なカチオン性ポリマーとしては、既知の４級アンモニウムポリマー、化粧品成分に関する国際命名法によって命名したとき「ポリクオタニウム」、例えば、ポリクオタニウム－６（ポリ（ジアリルジメチルアンモニウムクロリド）、ポリクオタニウム－７（アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー）、ポリクオタニウム－１０（四級化ヒドロキシエチルセルロース）、ポリクオタニウム－２２（アクリル酸とジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー）が挙げられ得る。
【0096】
付着助剤は、ポリビニルホルムアミド、部分的にヒドロキシル化されたポリビニルホルムアミド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。カチオン性ポリマーは、カチオン性アクリレートを含み得る。
【0097】
付着助剤は、封入体に付随して（例えば、封入される有益剤と同時に）、又は布地処理組成物中に直接／独立して添加することができる。ポリマーの重量平均分子量は、屈折率（Refractive Index、ＲＩ）検出を用いてポリエチレンオキシド標準物質に対してサイズ排除クロマトグラフィーによって測定したとき、５００ダルトン～５００００００ダルトン、又は１０００ダルトン～２００００００ダルトン、又は２５００ダルトン～１５０００００ダルトンであり得る。カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、５０００ダルトン～３７５００ダルトンであり得る。
【0098】
レオロジー変性剤／構造化剤
本開示の組成物は、レオロジー変性剤及び／又は構造化剤を含有し得る。レオロジー変性剤は、液体組成物を所望の粘度に、「増粘する」又は「減粘する」ために使用され得る。構造化剤は、相安定性を促進するために、及び／又は本明細書に記載される封入体などの液体組成物中の粒子の凝集を懸濁させる又は抑制するために使用され得る。
本開示の組成物は、レオロジー変性剤及び／又は構造化剤を含有し得る。レオロジー変性剤は、液体組成物を所望の粘度に、「増粘する」又は「減粘する」ために使用され得る。構造化剤は、相安定性を促進するために、及び／又は本明細書に記載される封入体などの液体組成物中の粒子の凝集を懸濁させる又は抑制するために使用され得る。
【0099】
好適なレオロジー変性剤及び／又は構造化剤としては、非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤（水素添加ヒマシ油に基づくものを含む）、ポリマー構造化剤、セルロース繊維（例えば、木材を含む、細菌、真菌、若しくは植物起源から誘導され得るミクロフィブリル化セルロース）、ジアミドゲル化剤、又はこれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0100】
ポリマー構造化剤は、天然由来であっても、又は合成起源のものであってもよい。天然由来のポリマー構造化剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられ得る。多糖誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン（アラビアガム）、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられ得る。合成ポリマー構造化剤としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられ得る。ポリカルボキシレートポリマーとしては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物が挙げられ得る。ポリアクリレートとしては、不飽和モノ又はジ炭酸と、（メタ）アクリル酸のＣ１～Ｃ３０アルキルエステルとのコポリマーが挙げられ得る。かかるコポリマーは、商品名Ｃａｒｂｏｐｏｌ Ａｑｕａ ３０でＮｏｖｅｏｎ ｉｎｃから入手可能である。別の好適な構造化剤は、商品名Ｒｈｅｏｖｉｓ ＣＤＥで販売され、ＢＡＳＦから入手可能である。
【0101】
封入体及びその供給原料組成物
本開示は、更に、封入体及びその供給原料組成物に関する。コア及び当該コアを取り囲んでいるシェルを有し得る本開示の封入体については、上により詳細に説明している。
本開示は、更に、封入体及びその供給原料組成物に関する。コア及び当該コアを取り囲んでいるシェルを有し得る本開示の封入体については、上により詳細に説明している。
【0102】
本開示の封入体は、好適な出発物質を使用し、任意の既知の方法に従って製造することができる。例えば、封入体は、（ａ）第１の油と第２の油とを組み合わせることによって形成される第１の組成物であって、当該第１の油が香料、反応開始剤、及び分配調節剤、好ましくは、植物油（好ましくは、ヒマシ油及び／又は大豆油を含む）、変性植物油（好ましくは、エステル化及び／又は臭素化）、プロパン－２－イルテトラデカノエート（すなわち、ミリスチン酸イソプロピル）、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む分配調節剤を含み、好ましくは当該分配調節剤が、プロパン－２－イルテトラデカノエートを含み、当該第２の油が、（ｉ）油溶性アミノアルキルアクリレート及び／又はメタクリレートモノマー、（ｉｉ）カルボキシアルキルアクリレートモノマー及び／又はオリゴマー、（ｉｉｉ）多官能アクリレートモノマー、多官能メタクリレートモノマー、多官能メタクリレートオリゴマー、多官能アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料、（ｉｖ）香料を含む、第１の組成物と、（ｂ）水、ｐＨ調整剤、乳化剤、好ましくはアニオン性乳化剤（好ましくは、当該乳化剤はポリビニルアルコールを含む）、及び任意に反応開始剤を含む、第２の組成物と、の組み合わせを乳化することによって生成されるエマルジョンを、１つ以上の加熱工程において加熱する工程を含むプロセスによって作製することができる。
【0103】
当該プロセスにおいて、当該加熱工程は、エマルジョンを、約１時間～約２０時間、好ましくは約２時間～約１５時間、より好ましくは約４時間～約１０時間、最も好ましくは約５時間～約７時間加熱すること、及び／又は約５００ジュール／ｋｇ～約５０００ジュール／ｋｇ、約１０００ジュール／ｋｇ～約４５００ジュール／ｋｇ、約２９００ジュール／ｋｇ～約４０００ジュール／ｋｇの熱量を、エマルジョンに伝えるのに十分に加熱すること、を含む。
【0104】
当該エマルジョンは、当該加熱工程の前に、約０．５μｍ～約１００μｍ、好ましくは約１μｍ～約６０μｍ、より好ましくは約１０μｍ～約２５μｍ、又は約０．５μｍ～約１０μｍの体積加重メジアン封入体サイズを有することにより特徴付けられ得る。
【0105】
第１の組成物と第２の組成物との重量比は、約１：９～約１：１、好ましくは約３：７～約４：６であってよい。第１の油と第２の油との重量比は、約９９：１～約１：９９、好ましくは９：１～約１：９、より好ましくは６：４～約８：２であってよい。
【0106】
本開示はまた、本明細書に記載される封入体を含む供給原料組成物に関する。保管及び／又は輸送に便利であり得る供給原料組成物は、他の補助成分と組み合わせて消費者製品組成物を形成することができる。供給原料組成物は、スラリー又は凝集体であってよい。
【0107】
スラリーは、当該スラリーの約１重量％～約７５重量％、又は約５重量％～約６０重量％、又は約２０重量％～約６０重量％、又は約３０重量％～約６０重量％の封入体を含み得る。スラリーは、当該スラリーの約２５重量％～約９９重量％、又は約４０重量％～約９５重量％、又は約４０重量％～約８０重量％、又は約４０重量％～約７０重量％の水を含み得る。
【0108】
スラリーは、水、凝集阻害物質（二価塩など）、粒子懸濁ポリマー、溶媒（極性及び／又は非極性）、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る加工助剤を含み得る。
【0109】
凝集阻害物質の例としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及びこれらの混合物などの、粒子の周囲に電荷遮蔽効果を有することができる塩が挙げられる。
【0110】
粒子懸濁ポリマーの例としては、キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、シェラック、アルギネート、キトサンなどのポリマー；カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン性荷電セルロース系材料などのセルロース系材料；ポリアクリル酸；ポリビニルアルコール；水素添加ヒマシ油、エチレングリコールジステアレート；及びこれらの混合物が挙げられる。
【0111】
溶媒（本明細書で使用するとき、水を含むことを意図しない）の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールが挙げられるがこれらに限定されない極性溶媒、並びに鉱油、シリコーン油、炭化水素パラフィン油、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない非極性溶媒が挙げられる。
【0112】
スラリーは、以下を含む群から選択されるポリマーなどの付着助剤を更に含んでいてもよい：多糖類、一態様では、カチオン変性デンプン及び／又はカチオン変性グアー；ポリシロキサン；ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド；ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド及びポリビニルピロリドンのコポリマー；ポリエチレングリコール及びポリビニルピロリドンを含む組成物；アクリルアミド；イミダゾール、イミダゾリニウムハライド；ポリビニルアミン；ポリビニルアミン及びＮ－ビニルホルムアミドのコポリマー；ポリビニルホルムアミド、ポリビニルアルコール；ホウ酸と架橋されたポリビニルアルコール；ポリアクリル酸；ポリグリセロールエーテルシリコーンクロスポリマー；ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリビニルアミンとアミン、一態様ではジエチレントリアミン、エチレンジアミン、ビス（３－アミノプロピル）ピペラジン、Ｎ，Ｎ－ビス－（３－アミノプロピル）メチルアミン、トリス（２－アミノエチル）アミン、及びこれらの混合物のポリビニルアルコールオリゴマーとのコポリマー；ポリエチレンイミン、エトキシ化ポリエチレンイミンなどの誘導体化ポリエチレンイミン；ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン／スチレン、ポリブタジエン／アクリロニトリル、カルボキシル末端ポリブタジエン／アクリロニトリル、又はこれらの組み合わせの骨格における、カルボン酸部分、アミン部分、ヒドロキシル部分、及びニトリル部分からなる部分から選択される少なくとも２つの部分を含むポリマー化合物；カチオン性ポリマーと組み合わされたアニオン性界面活性剤の予め形成されたコアセルベート；ポリアミン及びその混合物。
【0113】
供給原料組成物は、封入体及び第２の材料を含む凝集体であってもよい。第２の材料は、シリカ、クエン酸、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及び結合剤、例えば、ケイ酸ナトリウム、変性セルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリレート、ポリアクリル酸、ゼオライト、及びこれらの混合物などの材料を含んでいてよい。
【0114】
封入体のコアに含有される香料（複数可）とは異なる１つ以上の香料をコア－シェル封入体の外部に使用することができる。
【0115】
消費者製品の製造方法
本開示は、本明細書に記載される組成物のいずれかの製造プロセスに関する。消費者製品組成物であり得る組成物の製造プロセスは、本明細書に記載の封入体を、本明細書に記載の消費者製品補助材料と組み合わせる工程を含み得る。
本開示は、本明細書に記載される組成物のいずれかの製造プロセスに関する。消費者製品組成物であり得る組成物の製造プロセスは、本明細書に記載の封入体を、本明細書に記載の消費者製品補助材料と組み合わせる工程を含み得る。
【0116】
封入体は、封入体が、スラリー形態、未希釈封入体形態、及び噴霧乾燥封入体形態を含む１つ以上の形態であるときに、１つ以上のかかる消費者製品補助材料と組み合わせられ得る。封入体は、混合及び／又は噴霧を含む方法によって、かかる消費者製品補助材料と組み合わせ得る。
【0117】
本開示の組成物は、任意の好適な形態に製剤することができ、製剤者によって選択される任意のプロセスによって調剤することができる。封入体及び補助材料は、バッチプロセス、循環ループプロセス、及び／又はインライン混合プロセスで組み合わされてもよい。本明細書で開示される方法で使用するのに好適な装置としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌機、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウ剪断ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー（両方ともバッチ式であり、利用可能な場合は連続プロセスの構成のもの）、噴霧乾燥機、並びに押出成形機を挙げることができる。
【0118】
組成物は、単位用量物品を形成するために、既知の方法に従って水溶性フィルムに封入されてもよい。
【0119】
組成物は、既知の方法に従ってエアゾール又は他のスプレー容器に入れられてもよい。
【0120】
消費者製品の使用方法
本開示は更に、消費者製品の使用方法に関する。例えば、本開示は、本開示による組成物で表面又は物品を処理する方法に関する。かかる方法は、洗浄、コンディショニング、及び／又は消臭に関わる利益を提供し得る。
本開示は更に、消費者製品の使用方法に関する。例えば、本開示は、本開示による組成物で表面又は物品を処理する方法に関する。かかる方法は、洗浄、コンディショニング、及び／又は消臭に関わる利益を提供し得る。
【0121】
好適な表面又は物品としては、布地（衣類、タオル、又はリネンを含む）、硬質表面（タイル、磁器、リノリウム、又は木床など）、食器類、毛髪、皮膚、又はこれらの混合を挙げることができる。
【0122】
本方法は、表面又は物品を本開示の組成物と接触させる工程を含み得る。組成物は、未希釈の形態であってもよく、又は液体、例えば、洗浄液又はすすぎ液で希釈されてもよい。組成物は、表面又は物品に接触する前、接触中、又は接触後に水で希釈されてもよい。表面又は物品を、接触工程の前及び／又は後に、任意に洗浄及び／又はすすいでもよい。組成物は、空気中に及び／又は表面若しくは物品上に直接噴霧されてよい。
【0123】
表面又は物品を処理及び／又は洗浄する方法は、（ａ）任意に、当該表面又は物品を洗浄、すすぎ、及び／又は乾燥する工程と、（ｂ）任意に水の存在下において、当該表面又は物品を本明細書に記載の組成物と接触させる工程と、（ｃ）任意に、当該表面又は物品を洗浄及び／又はすすぐ工程と、（ｄ）任意に、受動的に及び／又は洗濯乾燥機などの能動的方法を介して乾燥させることによって乾燥させる工程と、を含み得る。
【0124】
本発明の目的に関して、洗浄は、こすり洗い及び機械的撹拌を含むが、これらに限定されない。布地は、標準的な消費者の使用条件で洗濯又は処理することが可能な、ほとんどいずれの布地を含んでもよい。
【0125】
開示される組成物を含み得る液体は、約３～約１１．５のｐＨを有し得る。希釈される場合には、かかる組成物は、典型的には、溶液中約５００ｐｐｍ～約１５，０００ｐｐｍの濃度で用いられる。洗浄溶媒が水である場合、水の温度は通常約５～約９０℃の範囲であり、部位が布地を含む場合、水対布地の比は、典型的には約１：１～約３０：１である。
【0126】
本開示は更に、本明細書に記載されるような組成物で処理された表面又は物品に関する。本開示による組成物で処理された表面又は物品は、本開示による封入体を、例えば、処理後に表面内又は表面上に含み得る。
【0127】
組み合わせ
本開示の具体的に想到される組み合わせを、ここで以下のアルファベットを付した項に記載する。これらの組み合わせは、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
本開示の具体的に想到される組み合わせを、ここで以下のアルファベットを付した項に記載する。これらの組み合わせは、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
【0128】
Ａ．消費者製品組成物であって、コア及び当該コアを取り囲むシェルを含む封入体であって、当該コアが香料を含み、当該香料が、本明細書に記載の酸価決定方法によって求めたとき、封入直前に５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を特徴とし、当該シェルがポリマー材料を含み、当該ポリマー材料が（メタ）アクリレート材料を含む、封入体と、消費者製品補助剤と、を含む、消費者製品組成物。
【0129】
Ｂ．当該香料が、封入直前に約５．２５ｍｇ／ＫＯＨ超、又は約５．５０ｍｇ／ＫＯＨ超、又は約５．７５ｍｇ／ＫＯＨ超、又は約６．０ｍｇ／ＫＯＨ超の酸価を特徴とする、段落Ａに記載の消費者製品組成物。
【0130】
Ｃ．当該香料が、封入体形成直後のコア内の香料全体の約３０重量％～約７５重量％、又は約３５重量％～約７０重量％、又は約４０～約６０重量％の、アルデヒド化合物、エステル化合物、又はこれらの混合物を含む、段落Ａ又はＢに記載の消費者製品組成物。
【0131】
Ｄ．当該香料が、以下：脂肪族アルデヒド及び／又はそのアセタール；脂環式アルデヒド；芳香族及び／又は芳香脂肪族アルデヒド；脂肪族、芳香族、又は芳香脂肪族エステル；ラクトン；又はこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、段落Ａ～Ｃのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0132】
Ｅ．当該コアが、分配調節剤、好ましくは、植物油、変性植物油、Ｃ４～Ｃ２４脂肪酸のモノ－、ジ－、及びトリ－エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ドデカノフェノン、ラウリン酸ラウリル、ベヘン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される分配調節剤、より好ましくはミリスチン酸イソプロピルを更に含む、段落Ａ～Ｄのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0133】
Ｆ．当該シェルの当該ポリマー材料が、ラジカル重合プロセスによって少なくとも部分的に形成される、段落Ａ～Ｅのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0134】
Ｇ．当該（メタ）アクリレート材料が、ポリアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落Ａ～Ｆのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0135】
Ｈ．当該（メタ）アクリレート材料が、１つ以上の多官能性アクリレート部分を含む材料に由来し、好ましくは、当該多官能性アクリレート部分が、三官能性アクリレート、四官能性アクリレート、五官能性アクリレート、六官能性アクリレート、七官能性アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。段落Ａ～Ｇのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0136】
Ｉ．当該（メタ）アクリレート材料が、六官能性アクリレート、トリアクリレート、又はこれらの混合物から選択されるモノマー、好ましくは、六官能性芳香族アクリレート、イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物、より好ましくは、六官能性芳香族ウレタンアクリレート、トリス（２－ヒドロキシエチル）イソシアヌレートトリアクリレート、又はこれらの混合物に由来する、段落Ａ～Ｈのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0137】
Ｊ．当該封入体が、約１０～約１００マイクロメートルの体積加重メジアン直径を特徴とする、段落Ａ～Ｉのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0138】
Ｋ．当該消費者製品補助剤が、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、漂白系、安定剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、粘土及び汚れ除去／再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、顔料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、段落Ａ～Ｊのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0139】
Ｌ．当該消費者製品補助剤が、界面活性剤を含み、好ましくは、当該界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの組み合わせから選択され、より好ましくは、当該界面活性剤が、アニオン性界面活性剤を含む、段落Ａ～Ｋのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0140】
Ｍ．当該消費者製品補助剤が、コンディショニング活性物質、好ましくは四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、又はこれらの組み合わせから選択されるコンディショニング活性物質を含む、段落Ａ～Ｌのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0141】
Ｎ．当該消費者製品組成物が、液体組成物、顆粒組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、トローチ若しくはビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、乾燥用シート、又はこれらの混合物、好ましくは液体組成物の形態である、段落Ａ～Ｍのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0142】
Ｏ．当該消費者製品組成物が、水溶性フィルムに封入されている、段落Ａ～Ｎのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0143】
Ｐ．当該消費者製品組成物が、洗濯洗剤組成物、布地コンディショニング組成物、洗濯添加剤、布地前処理組成物、布地消臭組成物、食器洗浄組成物、硬質表面洗浄組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、毛髪処理製品、スキンケア製品、シェービングケア製品、パーソナルクレンジング製品、デオドラント製品、制汗剤製品、又はこれらの混合物である、段落Ａ～Ｏのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0144】
Ｑ．当該香料が、２，６－ジメチル－オクタナール；２，２，５－トリメチル－４－ヘキセナール；センテナール（Scentenal）；２－フェニル－３－（２－フリル）プロパ－２－エナール；（ｌ）－シトロネラール；テトラヒドロゲラニアール；２－エトキシベンズアルデヒド；５－メチルフルフラール；カリプソン（Calypsone）；ｄ－キシロース；３－（２－フラニル）－２－メチル－２－プロペナール；３，５，５－トリメチルヘキサナール；カントキザール（Canthoxal）；２，４，５－トリメトキシ－ベンズアルデヒド；４－ヒドロキシ－３－メトキシ－シンナムアルデヒド；２，４，６－トリメトキシベンズアルデヒド；３，４，５－トリメトキシベンズアルデヒド；２，３，４－トリメトキシ－ベンズアルデヒド；（ｄ）－シトロネラール；リラール（Lyral）；メチルオクチルアセトアルデヒド；オクタナール，３，７－ジメチル－；アドキザール（Adoxal）；シトロネリルオキシアセトアルデヒド；シス－３－ヘキセニルオキシアセトアルデヒド；メトキシメロナール；ｎ－ヘキサナール；ペンチルバニリン；ｏ－メトキシシンナムアルデヒド；ｏ－アニスアルデヒド；オクタナール；ノナルデヒド；２，６，１０－トリメチルウンデカナール；シトロネラール；メロナール（Melonal）；ヒドロキシシトロネラール；プレナール（Prenal）；メチルノニルアセトアルデヒド；バレルアルデヒド；カプルアルデヒド；ｐ－アニスアルデヒド；ヘプトアルデヒド；エチルバニリン；バニリン；ヘリオトロピン；ヘリオナール；ベラトルアルデヒド；メトキシシトロネラール；７－メトキシ－３，７－ジメチルオクタナール；４－エトキシベンズアルデヒド；イソ酪酸バニリン；酢酸バニリン；エチルバニリンアセテート；１－メチル－４－（４－メチル－３－ペンテン－１－イル）－３－シクロヘキセン－１－カルボキシアルデヒド；８－ウンデセナール；トランス，トランス－２，４－ノナジエナール；ベータ－シネンサール；６－シクロペンチリデンヘキサナール；プレシクレモンＢ（Precyclemone B）；タンジェリナール（Tangerinal）；２－チオフェンカルボキシアルデヒド；９－デセナール；トランス－２，シス－６－ノナジエナール；アカレア（Acalea）；４－ｔｅｒｔ－ブチルベンズアルデヒド；トランス－２－メチル－２－オクテナール；シトラール；３－メチル－５－フェニル－１－ペンタナール；２－デセナール；トランス－２－デセナール；α，４－ジメチルベンゼンプロパナール；シス－５－オクテナール；シス－７－デセン－１－アール；シス－４－デセン－１－アール；２－トランス－６－シス－ドデカジエナール；２－トランス－４－トランス－ドデカジエナール；３－シクロヘキセン－１－プロパナール；２－ノネン－１－アール；２－ウンデセナール；２，４－デカジエナール，（Ｅ，Ｅ）－；２，４－ウンデカジエナール，（Ｅ，Ｅ）－；イソヘキセニルシクロヘキセニルカルボキシアルデヒド；トランス－２－ノネン－１－アール；３－ノニルアクロレイン；２，６－ノナジエナール；リリアール（Lilial）；２－トランス－６－トランス－ノナジエナール；アルファ－シネンサール；ブーゲオナール（Bourgeonal）；２－トリデセナール；ｐ－ｔ－ブチルフェニルアセトアルデヒド；（Ｚ）－３－ドデセナール；ｍ－メチルベンズアルデヒド；ミフロラール（Mefloral）；トランス－４－デセン－１－アール；シルビアール（Silvial）；２－ヘキセン－１－アール；２，４－ノナジエナール；フロラロゾン（Floralozone）；アルデヒドＣ－１１；シス－３－ヘキセナール；ミリストアルデヒド；ケイ皮アルデヒド；ｐ－トルアルデヒド；ウンデカナール；１０－ウンデセナール；ラウルアルデヒド；トランス－２－ヘキセナール；ゲラニアール；５－メチル－２－チオフェンカルボキシアルデヒド；フェニルアセトアルデヒド；アルファ－アミルシンナムアルデヒド；フローラルスーパー（Floral Super）；ヘキシルシンナミックアルデヒド；アルファ－メチルシンナムアルデヒド；ベンズアルデヒド；又はこれらの混合物からなる群から選択される；好ましくは、センテナール（Scentenal）；アドキザール（Adoxal）；オカタナール（Ocatanal）；ノナルデヒド；メロナール（Melonal）；メチルノニルアセトアルデヒド；ｐ－アニスアルデヒド；エチルバニリン；バニリン；ヘリオトロピン；リリアール（Lilial）；アルデヒドＣ－１１；ウンデカナール；１０－ウンデセナール；ラウルアルデヒド；又はこれらの混合物から選択される、１つ以上のアルデヒド香料原材料を含む、段落Ａ～Ｐのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0145】
Ｒ．当該香料が、クインセスタ（Quincester）；セレノリド（Serenolide）；ニルバノリド（Nirvanolide）；アセタロール；アルピノフィックス（Alpinofix）；アラジネート（Aladinate）；メチルライトン（Methyl Laitone）；フィラスコン（Firascone）；１－ヘプテン－１－オール，１－アセテート；（Ｚ）－３－ヘプテン－１－イルアセテート；３－ヒドロキシ－４，５－ジメチル－２（５Ｈ）－フラノン；ウンデシレン酸イソアミル；ベルドックスＨＣ（Verdox HC）；ピバローズＱ（Pivarose Q）；酢酸シトリル；（Ｅ）－５－タンゲリノール；（Ｚ）－５－タンゲリノール；酢酸ミラルジル；ゲラニルフェニルアセテート；ベルガプテン；イソピムピネリン；パルソールＭＣＸ（Parsol MCX）；エチルベータ－サフラネート；酢酸ノピル；カリキソール（Calyxol）；メチルオクタラクトン；酢酸イソプレギル；チグリン酸エチル；バノリス（Vanoris）；アセトキシメチル－イソロンギホレン（異性体）；１－オキサスピロ［２．５］オクタン－２－カルボン酸，５，５，７－トリメチル－，エチルエステル；３，６－ジメチル－３－オクタニルアセテート；シス－３－ヘキセニル－シス－３－ヘキセノエート；シス－３－ヘキセニルラクテート；スクラレオリド；ヘキサロース（Hexarose）；シス－イソ－アンブレットリド；フルティナート（Frutinat）；エチルガンマ－サフラナート；ケイ皮酸アミル；イソアンブレットリド；イソ酪酸ボルニル；シプリゼート（Cyprisate）；アナペア（Anapear）；モンタベルディ（Montaverdi）；ベルトシン（Vertosine）；イソ酪酸イソボルニル；シプリゼートＣｉ（Cyprisate Ci）；シクロブタネート；シス－３ヘキセニルブチレート；チグリン酸ゲラニル；トランス－ヘディオン（Hedione）；酢酸イソアミル；ジベスコン（Givescone）；シクロガルバネート；ベルデュラールＢエキストラ（Verdural B Extra）；エチルアルファ－サフラネート；ジャスマール（Jasmal）；スチラリルアセテート；ノナラクトン；トランス－アンブレットリド；ヘプタン酸フルフリル；ヘキサン酸フルフリル；アルファ－アミルシンナミルアセテート；酢酸カルビル；イソブタン酸エチル；イソ酪酸シトロネリル；オクタン酸フルフリル；２－フロ酸オクチル；酢酸セドリル；イソアミルアセトアセテート；シス－３－ヘキセニルベンゾエート；フェニルエチルベンゾエート；チグリン酸ヘキセニル；アグルメア（Agrumea）；ガンマ－ウンデカラクトン（ラセミ体）；（Ｓ）－ガンマ－ウンデカラクトン；（Ｒ）－ガンマ－ウンデカラクトン；安息香酸フェニル；安息香酸ゲラニル；サリチル酸イソブチル；サリチル酸イソアミル；ベルドックス（Verdox）；２－アセトキシ－３－ブタノン；カプリル酸ゲラニル；（＋）－Ｄ－酢酸メンチル；安息香酸プレニル；７－メトキシクマリン；シス－３－ヘキセニル２－メチルブチレート；シス－３－ヘキセニル－トランス－２－ヘキセノエート；吉草酸エチル；酪酸ｎ－ペンチル；エチル３－ヒドロキシブチレート；フロールアセテート；ネオペンタン酸ヘキシル；プロピオン酸デシル；チグリン酸フェネチル；２－フェニル－１（２）プロペニル－１エステル；メチルシクロペンチリデンアセテート；酢酸イソノニル；クロトン酸ｐ－クレシル；オクタヒドロクマリン；メチルトランス－２，シス－４－デカジエノエート；３，３，５－トリメチルシクロヘキシルアセテート；バニリン酸ヘキシル；シス－３－ヘキセニルレブリネート；アントラニル酸ジメチル；メチル２－メチルブチレート；サリチル酸ブチル；酢酸イソメンチル；ジヒドロカルベオールアセテート；テトラヒドロリナリルアセテート；ジメチルオクタニルアセテート；メチルシス－４－オクテノエート；ヘキサヒドロ－３，５，５－トリメチル－３，８ａ－エタノ－８ａＨ－１－ベンゾピラン－２（３Ｈ）－オン；シクロヘキシルエチルアセテート；アルファ－アセトキシスチレン；ｐ－メチルベンジルアセテート；プロピオン酸ヘプチル；ガンマ－ドデカラクトン；イソ酪酸ネリル；イソ酪酸ゲラニル；イソ酪酸ヘキシル；ゲラニン酸メチル；又はこれらの混合物からなる群から選択される；好ましくは、メチルライトン（Methyl Laitone）；ベルドックスＨＣ（Verdox HC）；エチルベータ－サフラネート；ヘキサロース（Hexarose）；シクロブタネート；シクロガルバネート；エチルアルファ－サフラネート；ジャスマール（Jasmal）；スチラリルアセテート；ノナラクトン；ガンマ－ウンデカラクトン（ラセミ体）；ベルドックス（Verdox）；フロールアセテート；又はこれらの混合物から選択される、１つ以上のエステル香料原材料を含む、段落Ａ～Ｑのいずれか１つに記載の消費者製品組成物。
【0146】
Ｓ．段落Ａ～Ｒのいずれか１つに記載の消費者製品組成物で表面又は物品を処理する方法であって、当該方法が、任意に水の存在下において、当該表面又は物品を当該消費者製品組成物と接触させる工程を含む、方法。
【0147】
試験方法
最終製品からの封入体の抽出
本明細書においては、別途指示がない場合を除き、封入体を最終製品から単離するための好ましい方法は、かかる封入体の大部分の密度が水の密度とは異なっているという事実に基づく。封入体を希釈及び／又は放出するために、最終製品を水と混合する。希釈した製品懸濁液を遠心分離して、封入体の分離を加速させる。かかる封入体は、最終製品の希釈溶液／分散液に浮かぶ又は沈む傾向がある。ピペット又はスパチュラを使用して、この懸濁液の上層及び底層を除去し、更に希釈及び遠心分離のラウンドに供して、封入体を分離し、濃縮する。交差分極フィルター又は微分干渉（ＤＩＣ）を備える光学顕微鏡を使用して、１００倍及びも４００倍の総合した倍率で、封入体を観察する。顕微鏡観察により、封入体の存在、大きさ、品質、及び凝集の初期指標が得られる。
最終製品からの封入体の抽出
本明細書においては、別途指示がない場合を除き、封入体を最終製品から単離するための好ましい方法は、かかる封入体の大部分の密度が水の密度とは異なっているという事実に基づく。封入体を希釈及び／又は放出するために、最終製品を水と混合する。希釈した製品懸濁液を遠心分離して、封入体の分離を加速させる。かかる封入体は、最終製品の希釈溶液／分散液に浮かぶ又は沈む傾向がある。ピペット又はスパチュラを使用して、この懸濁液の上層及び底層を除去し、更に希釈及び遠心分離のラウンドに供して、封入体を分離し、濃縮する。交差分極フィルター又は微分干渉（ＤＩＣ）を備える光学顕微鏡を使用して、１００倍及びも４００倍の総合した倍率で、封入体を観察する。顕微鏡観察により、封入体の存在、大きさ、品質、及び凝集の初期指標が得られる。
【0148】
液体布地増強剤から封入体を抽出するため、最終製品に以下の手順を行う：
１．液体布地強化剤の約２０ｍＬのアリコート３つを、別々に５０ｍＬの遠心管３つに入れ、各々をアリコート：脱イオン水＝１：１（例えば、２０ｍＬ布地強化剤＋２０ｍＬ脱イオン水）で希釈し、各アリコートをよく混合し、各アリコートを３０分間、約１００００×ｇで遠心分離する。
２．工程１の遠心分離後、各５０ｍＬ遠心管中の底水層（約１０ｍＬ）を捨て、次いで、１０ｍＬの脱イオン水を各５０ｍＬ遠心管に添加する。
３．各アリコートに、遠心分離、底水層の除去、及びその後の、各５０ｍＬ遠心管への１０ｍＬの脱イオン水の添加のプロセスを更に２回繰り返す。
４．最上層をスパチュラ又はピペットで除去する。
５．この最上層を１．８ｍＬ遠心管に移し、約２００００×ｇで５分間遠心分離する。
６．最上層をスパチュラで除去し、新たな１．８ｍＬ遠心管に移し、脱イオン水を、管が完全に満たされるまで添加し、次いで、約２００００×ｇで５分間遠心分離する。
７．底層を細いピペットで除去し、脱イオン水を、管が完全に満たされるまで添加し、約２００００ｘｇで５分間遠心分離する。
８．工程７を更に５回繰り返す（計６回）。
１．液体布地強化剤の約２０ｍＬのアリコート３つを、別々に５０ｍＬの遠心管３つに入れ、各々をアリコート：脱イオン水＝１：１（例えば、２０ｍＬ布地強化剤＋２０ｍＬ脱イオン水）で希釈し、各アリコートをよく混合し、各アリコートを３０分間、約１００００×ｇで遠心分離する。
２．工程１の遠心分離後、各５０ｍＬ遠心管中の底水層（約１０ｍＬ）を捨て、次いで、１０ｍＬの脱イオン水を各５０ｍＬ遠心管に添加する。
３．各アリコートに、遠心分離、底水層の除去、及びその後の、各５０ｍＬ遠心管への１０ｍＬの脱イオン水の添加のプロセスを更に２回繰り返す。
４．最上層をスパチュラ又はピペットで除去する。
５．この最上層を１．８ｍＬ遠心管に移し、約２００００×ｇで５分間遠心分離する。
６．最上層をスパチュラで除去し、新たな１．８ｍＬ遠心管に移し、脱イオン水を、管が完全に満たされるまで添加し、次いで、約２００００×ｇで５分間遠心分離する。
７．底層を細いピペットで除去し、脱イオン水を、管が完全に満たされるまで添加し、約２００００ｘｇで５分間遠心分離する。
８．工程７を更に５回繰り返す（計６回）。
【0149】
上述の工程１において最上層及び底層の両方が封入体に富んでいるように見える場合は、すぐに工程３に進み（すなわち、工程２を省く）、工程４～８の工程に進む。いったんそれらの工程が完了すると、スパチュラ及び／又はピペットを使用して工程１からの５０ｍＬ遠心管から底層を除去する。１．８ｍＬ遠心管に底層を移し、約２００００×ｇで５分遠心分離する。新しい管内の底層を除去し、脱イオン水を、管が完全に満たされるまで添加し、次いで、約２００００×ｇで５分間遠心分離する。最上層（水）を除去し、脱イオン水を、再び管が満たされるまで追加する。これを更に５回繰り返す（計６回）。封入体に富む単離された最上層と底層とを、再び一緒にする。
【0150】
布地増強剤が白色であるか、又は封入体に富む層を区別することが難しい場合は、染料（Ｍｉｌｌｉｋｅｎ＆Ｃｏｍｐａｎｙ（Ｓｐａｒｔａｎｂｕｒｇ，Ｓｏｕｔｈ Ｃａｒｏｌｉｎａ，ＵＳＡ）製のＬｉｑｕｉｔｉｎｔ Ｂｌｕｅ ＪＨ ５％プレミックス等）を工程１の遠心管に４滴添加し、記載されるように単離を進める。
【0151】
水に容易に分散する固体最終製品から封入体を抽出するために、１Ｌの脱イオン水を、２０ｇの最終製品（例えば、洗剤発泡体、フィルム、ゲル、及び顆粒；又は水溶性ポリマー；石鹸フレーク及び石鹸バー、並びに塩、糖、粘土、及びデンプンなどの水に溶解しやすい他のマトリックス）と混合する。ワックス、乾燥用シート、ドライヤバー、及び脂っぽい材料などの水に容易には分散しない最終製品から封入体を抽出する場合には、マトリックスから封入体を放出させるために、製品及び希釈液に洗剤を添加し、撹拌及び／又は穏やかに加熱することが必要になる場合がある。抽出工程中の有機溶媒の使用又は封入体の乾燥は避ける必要がある。その理由は、これらの操作により、この工程の間に封入体を損傷することがあるからである。
【0152】
布地柔軟剤又は布地増強剤ではない液体最終製品（例えば、液体洗濯洗剤、液体食器用洗浄洗剤、液体ハンドソープ、ローション、シャンプー、コンディショナー、及び毛髪染料）からの封入体の抽出の場合には、２０ｍＬの最終製品を２０ｍＬの脱イオン水と混合する。溶液の密度を上昇させ、最上層への封入体の浮動を促進するために、必要に応じて、ＮａＣｌ（例えば、１００～２００ｇのＮａＣｌ）を希釈懸濁液に添加してもよい。製品が、遠心分離中に形成された封入体の層を区別することを難しくする白色を有する場合、視覚的な対比を提供するために水溶性染料を希釈剤に添加してもよい。
【0153】
水と製品との混合物は、最上層及び底層の除去、新しい希釈剤中のそれらの層の再懸濁を伴う、遠心分離の連続ラウンドに供され、更なる遠心分離、単離、再懸濁が続く。各ラウンドの遠心分離は、５～３０分間かけて、最大２０，０００×ｇの遠心分離力を使用して、容積１．５～５０ｍＬの管で行われる。試験を行うのに十分な封入体を抽出及び清浄するためには、典型的には、少なくとも６ラウンドの遠心分離が必要である。例えば、遠心分離の最初のラウンドは、１０，０００×ｇで３０分間にわたって回転させられる５０ｍＬ管で行われてもよく、更に５ラウンドの遠心分離が続き、最上層及び底層からの材料は、１．８ｍＬ管で新鮮な希釈剤に別々に再懸濁され、２０，０００×ｇで１ラウンド当たり５分間回転させる。
【0154】
封入体が上層及び底層の両方において顕微鏡を用いて観察された場合、これら２層からの封入体を最後の遠心分離工程後に再度合わせて、その製品から抽出された送達封入体を全て含有する単一のサンプルを作り出す。抽出した封入体は、可能な限り速やかに分析すべきであるが、分析するまで最大１４日間、脱イオン水懸濁液として保管してもよい。
【0155】
当業者は、最終製品から封入体を抽出及び単離するために様々な他の実施要領を構築し得ることを認識し、また、かかる方法は、最終製品に封入体を添加し抽出する前後に測定して得られた測定値の比較を介した検証が必要であることを認識するであろう。
【0156】
粘度
ＴＡ ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ（Ｎｅｗ Ｃａｓｔｌｅ，ＤＥ，ＵＳＡ）製のＡＲ５５０レオメーター／粘度計を使用し、直径４０ｍｍ及びギャップサイズ５００μｍの平行なスチール板を使用して、最終液体製品の粘度を測定する。２０秒－１における高剪断粘度及び０．０５秒－１における低剪断粘度は、２１℃において３分間の０．１秒－１～２５秒－１の対数剪断速度掃引から得る。
ＴＡ ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ（Ｎｅｗ Ｃａｓｔｌｅ，ＤＥ，ＵＳＡ）製のＡＲ５５０レオメーター／粘度計を使用し、直径４０ｍｍ及びギャップサイズ５００μｍの平行なスチール板を使用して、最終液体製品の粘度を測定する。２０秒－１における高剪断粘度及び０．０５秒－１における低剪断粘度は、２１℃において３分間の０．１秒－１～２５秒－１の対数剪断速度掃引から得る。
【0157】
封入体のシェル厚さ
５０，０００倍～１５０，０００倍の倍率で凍結割断クライオ走査電子顕微鏡法（ＦＦ ｃｒｙｏＳＥＭ）を使用して、５０個の封入体について、封入体のシェル厚さをナノメートルで測定する。少量の封入体の懸濁液又は最終製品を急速冷凍することによって、サンプルを調製する。液体エタンに漬けることによって、又はＨｉｇｈ Ｐｒｅｓｓｕｒｅ Ｆｒｅｅｚｅｒ Ｍｏｄｅｌ ７０６８０２ ＥＭ Ｐａｃｔ（Ｌｅｉｃａ Ｍｉｃｒｏｓｙｓｔｅｍｓ（Ｗｅｔｚｌａｒ，Ｇｅｒｍａｎｙ））などの装置の使用によって、急速冷凍を達成することができる。凍結サンプルを－１２０℃で割断し、次いで、－１６０℃未満に冷却して、金／パラジウムで軽くスパッタコーティングする。これらの工程は、Ｇａｔａｎ Ｉｎｃ．（Ｐｌｅａｓａｎｔｏｎ，ＣＡ，ＵＳＡ）製のもの等の低温調製装置を使用して、達成することができる。凍結され、割断され、かつコーティングされたサンプルは、次いで、－１７０℃以下で、Ｈｉｔａｃｈｉ Ｓ－５２００ ＳＥＭ／ＳＴＥＭ（日立ハイテク（東京））等の好適な低温ＳＥＭ顕微鏡に移される。Ｈｉｔａｃｈｉ Ｓ－５２００では、撮像は、３．０ＫＶの加速電圧及び５μＡ～２０μＡの先端放出電流で実施される。
５０，０００倍～１５０，０００倍の倍率で凍結割断クライオ走査電子顕微鏡法（ＦＦ ｃｒｙｏＳＥＭ）を使用して、５０個の封入体について、封入体のシェル厚さをナノメートルで測定する。少量の封入体の懸濁液又は最終製品を急速冷凍することによって、サンプルを調製する。液体エタンに漬けることによって、又はＨｉｇｈ Ｐｒｅｓｓｕｒｅ Ｆｒｅｅｚｅｒ Ｍｏｄｅｌ ７０６８０２ ＥＭ Ｐａｃｔ（Ｌｅｉｃａ Ｍｉｃｒｏｓｙｓｔｅｍｓ（Ｗｅｔｚｌａｒ，Ｇｅｒｍａｎｙ））などの装置の使用によって、急速冷凍を達成することができる。凍結サンプルを－１２０℃で割断し、次いで、－１６０℃未満に冷却して、金／パラジウムで軽くスパッタコーティングする。これらの工程は、Ｇａｔａｎ Ｉｎｃ．（Ｐｌｅａｓａｎｔｏｎ，ＣＡ，ＵＳＡ）製のもの等の低温調製装置を使用して、達成することができる。凍結され、割断され、かつコーティングされたサンプルは、次いで、－１７０℃以下で、Ｈｉｔａｃｈｉ Ｓ－５２００ ＳＥＭ／ＳＴＥＭ（日立ハイテク（東京））等の好適な低温ＳＥＭ顕微鏡に移される。Ｈｉｔａｃｈｉ Ｓ－５２００では、撮像は、３．０ＫＶの加速電圧及び５μＡ～２０μＡの先端放出電流で実施される。
【0158】
存在する封入体のサイズ分布の代表的なサンプルを作り出すために、サイズが偏っていない、無作為に選択された５０個の利益送達封入体から割断されたシェルの画像を断面図で得る。封入体シェルの外面に対して垂直な測定線を描くことによって、較正された顕微鏡ソフトウェアを使用して５０個の封入体の各々のシェル厚さを測定する。５０個の独立したシェル厚さの測定値を記録し、平均厚さ及び特許請求される範囲内のシェル厚さを有する封入体の百分率を計算するために使用する。
【0159】
香料及び香料原材料（ＰＲＭ）
送達剤封入体内に封入された香料、香料成分、又は香料原材料（ＰＲＭ）を識別し、その重量を定量化するために、質量分析／水素炎イオン化検出器（ＧＣ－ＭＳ／ＦＩＤ）を有するガスクロマトグラフィーを用いる。好適な装置としては、Ａｇｉｌｅｎｔ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ Ｇ１５３０Ａ ＧＣ／ＦＩＤ；Ｈｅｗｌｅｔｔ Ｐａｃｋａｒｄ Ｍａｓｓ Ｓｅｌｅｃｔｉｖｅ Ｄｅｖｉｃｅ ５９７３、及び５％－フェニル－メチルポリシロキサンカラムＪ＆Ｗ ＤＢ－５（長さ３０ｍ×内径０．２５ｍｍ×膜厚０．２５μｍ）が挙げられる。約３ｇの最終製品又は送達封入体の懸濁液を量り取り、その重量を記録して、次いで、３０ｍＬの脱イオン水でサンプルを希釈し、孔径５．０μｍのニトロセルロースフィルター膜を通して濾過する。フィルターに捕捉された材料を、５ｍＬのＩＳＴＤ溶液（無水アルコール中２５．０ｍｇ／Ｌテトラデカン）で可溶化し、６０℃で３０分間加熱する。冷却した溶液を、孔径０．４５μｍのＰＴＦＥシリンジフィルターを通して濾過し、ＧＣ－ＭＳ／ＦＩＤを介して分析する。３つの既知の香油を、比較参照標準として使用する。データ分析は、総面積カウントからＩＳＴＤ面積カウントを引いて合計することと、３つの標準香料の平均応答係数（ＲＦ）を計算することと、を伴う。次いで、製品に封入された香料の反応係数及び総面積カウントを、サンプルの重量と共に使用して、封入された香料中の各ＰＲＭの総重量パーセントを決定する。ＰＲＭは、質量分析ピークから同定される。
送達剤封入体内に封入された香料、香料成分、又は香料原材料（ＰＲＭ）を識別し、その重量を定量化するために、質量分析／水素炎イオン化検出器（ＧＣ－ＭＳ／ＦＩＤ）を有するガスクロマトグラフィーを用いる。好適な装置としては、Ａｇｉｌｅｎｔ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ Ｇ１５３０Ａ ＧＣ／ＦＩＤ；Ｈｅｗｌｅｔｔ Ｐａｃｋａｒｄ Ｍａｓｓ Ｓｅｌｅｃｔｉｖｅ Ｄｅｖｉｃｅ ５９７３、及び５％－フェニル－メチルポリシロキサンカラムＪ＆Ｗ ＤＢ－５（長さ３０ｍ×内径０．２５ｍｍ×膜厚０．２５μｍ）が挙げられる。約３ｇの最終製品又は送達封入体の懸濁液を量り取り、その重量を記録して、次いで、３０ｍＬの脱イオン水でサンプルを希釈し、孔径５．０μｍのニトロセルロースフィルター膜を通して濾過する。フィルターに捕捉された材料を、５ｍＬのＩＳＴＤ溶液（無水アルコール中２５．０ｍｇ／Ｌテトラデカン）で可溶化し、６０℃で３０分間加熱する。冷却した溶液を、孔径０．４５μｍのＰＴＦＥシリンジフィルターを通して濾過し、ＧＣ－ＭＳ／ＦＩＤを介して分析する。３つの既知の香油を、比較参照標準として使用する。データ分析は、総面積カウントからＩＳＴＤ面積カウントを引いて合計することと、３つの標準香料の平均応答係数（ＲＦ）を計算することと、を伴う。次いで、製品に封入された香料の反応係数及び総面積カウントを、サンプルの重量と共に使用して、封入された香料中の各ＰＲＭの総重量パーセントを決定する。ＰＲＭは、質量分析ピークから同定される。
【0160】
ｌｏｇＰを決定するための試験方法
試験する香料混合物中の各ＰＲＭについて、オクタノール／水の分配係数のｌｏｇ値（ｌｏｇＰ）を計算する。個々のＰＲＭのｌｏｇＰ値は、Ａｄｖａｎｃｅｄ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ Ｄｅｖｅｌｏｐｍｅｎｔ Ｉｎｃ．（ＡＣＤ／Ｌａｂ）（Ｔｏｒｏｎｔｏ，Ｃａｎａｄａ）から入手可能なＣｏｎｓｅｎｓｕｓ ｌｏｇＰ Ｃｏｍｐｕｔａｔｉｏｎａｌ Ｍｏｄｅｌ、バージョン１４．０２（Ｌｉｎｕｘ（登録商標））を用いて計算され、無単位のｌｏｇＰ値が得られる。ＡＣＤ／ＬａｂｓのＣｏｎｓｅｎｓｕｓ ｌｏｇＰ Ｃｏｍｐｕｔａｔｉｏｎａｌ Ｍｏｄｅｌは、ＡＣＤ／Ｌａｂｓモデルスイートの一部である。
試験する香料混合物中の各ＰＲＭについて、オクタノール／水の分配係数のｌｏｇ値（ｌｏｇＰ）を計算する。個々のＰＲＭのｌｏｇＰ値は、Ａｄｖａｎｃｅｄ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ Ｄｅｖｅｌｏｐｍｅｎｔ Ｉｎｃ．（ＡＣＤ／Ｌａｂ）（Ｔｏｒｏｎｔｏ，Ｃａｎａｄａ）から入手可能なＣｏｎｓｅｎｓｕｓ ｌｏｇＰ Ｃｏｍｐｕｔａｔｉｏｎａｌ Ｍｏｄｅｌ、バージョン１４．０２（Ｌｉｎｕｘ（登録商標））を用いて計算され、無単位のｌｏｇＰ値が得られる。ＡＣＤ／ＬａｂｓのＣｏｎｓｅｎｓｕｓ ｌｏｇＰ Ｃｏｍｐｕｔａｔｉｏｎａｌ Ｍｏｄｅｌは、ＡＣＤ／Ｌａｂｓモデルスイートの一部である。
【0161】
体積加重メジアン封入体サイズ
封入体のサイズは、Ｅｎｃａｐｓｕｌａｔｅ Ｓｉｚｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ（Ｓａｎｔａ Ｂａｒｂａｒａ ＣＡ）製のＡｃｃｕｓｉｚｅｒ７８０Ａを用いて測定する。計測器は、Ｄｕｋｅ封入体サイズ標準を用いて０から３００μまで較正する。エマルジョンの体積加重メジアン封入体サイズを測定する場合は約１ｇのエマルジョンを、又は、仕上げたカプセルの体積加重メジアン封入体サイズを測定する場合は１ｇのカプセルスラリーを、約５ｇの脱イオン水に希釈し、この溶液約１ｇを約２５ｇの水に更に希釈することにより、封入体サイズ評価のためのサンプルを調製する。
封入体のサイズは、Ｅｎｃａｐｓｕｌａｔｅ Ｓｉｚｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ（Ｓａｎｔａ Ｂａｒｂａｒａ ＣＡ）製のＡｃｃｕｓｉｚｅｒ７８０Ａを用いて測定する。計測器は、Ｄｕｋｅ封入体サイズ標準を用いて０から３００μまで較正する。エマルジョンの体積加重メジアン封入体サイズを測定する場合は約１ｇのエマルジョンを、又は、仕上げたカプセルの体積加重メジアン封入体サイズを測定する場合は１ｇのカプセルスラリーを、約５ｇの脱イオン水に希釈し、この溶液約１ｇを約２５ｇの水に更に希釈することにより、封入体サイズ評価のためのサンプルを調製する。
【0162】
自動希釈機能を用いて、約１ｇの、大半の希釈サンプルがＡｃｃｕｓｉｚｅｒに添加され、試験が開始される。Ａｃｃｕｓｉｚｅｒは、９２００カウント／秒を超えて読み取る必要がある。カウントが９２００未満の場合、追加のサンプルを添加する必要がある。Ａｃｃｕｓｉｚｅｒは、９２００カウント／秒になるまで試験サンプルを希釈し、評価を開始する。試験から２分後、Ａｃｃｕｓｉｚｅｒは、体積加重メジアンサイズを含む結果を表示する。
【0163】
累積封入体体積の９５％が超えた封入体サイズ（９５％サイズ）、累積封入体体積の５％が超えた封入体サイズ（５％サイズ）、及び体積加重メジアンサイズ（５０％サイズ：このサイズを超える封入体体積及びこのサイズを下回る封入体体積の両方が封入体体積の５０％）を決定することによって、ブロードネス指数を計算することができる。ブロードネス指数（５）＝（（９５％サイズ）－（５％サイズ）／５０％サイズ）。
【0164】
酸価の決定
香料材料の酸価を求めるために、ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ ６６０：２００９－１０に基づく以下の方法に従う。
香料材料の酸価を求めるために、ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ ６６０：２００９－１０に基づく以下の方法に従う。
【0165】
２００ｍＬの三ツ口カップに、試験される香料を約５ｇ提供し、香料の正確な重量を記録する。香料サンプルに、等体積のエタノール及びエチルエーテルから形成された溶媒混合物１００ｍＬを添加する（例えば、各々５００ｍＬから作製された１Ｌの混合物を調製する）。フェノールフタレイン溶液０．３ｍＬ（エタノール１００ｍＬ中フェノールフタレイン１．０ｇから形成）を添加する。撹拌棒を加え、撹拌プレート上に置き、サンプルの撹拌を開始する。
【0166】
ｐＨプローブをサンプルに加え、ｐＨが安定するまで待機する。サンプルがｐＨ７に達するまで滴定によって水酸化カリウム（０．１Ｍ ＫＯＨ）をゆっくりと添加することにより、サンプル溶液を中和する。
【0167】
この時点で、水酸化カリウムの初期体積を、初期体積として記録する。１滴で少なくとも１５秒間持続するピンク色の変化が生じるまで、０．１Ｍ水酸化カリウムを添加する。水酸化カリウムの体積を最終体積として記録する。初期体積と最終体積との間の差を求めることによって、添加された水酸化カリウムの総体積（例えば、ｐＨ＝７のときからサンプルが持続的なピンク色になったときまでに添加されたＫＯＨ溶液の体積）を求める。
【0168】
以下の等式を用いて酸価（ＫＯＨのｍｇ／香料のｇとして報告）を求める：
【0169】
【数1】
【0170】
なお、５ｇの香料サンプルは、単なる指針であり、比較的低い酸価を有する香料では体積をより多くし、比較的高い酸価を有する香料では体積をより少なくすることが有用であり得る。初期滴定の結果に応じて、試験の繰り返しごとにサンプルの重量を増加又は減少させてよい。加えて、本手順は、０．１Ｍ ＫＯＨを使用するが、比較的高い酸価を有する香料にはより高いモル濃度が有用である場合がある。おおまかな指針として、以下の表を使用することができる。
【0171】
【表1】
【0172】
香料漏出の決定
香料の漏出を求めるために、香料封入体を有する液体洗剤を調製し、保管し（例えば、３５℃で１週間）、次いで、等レベルの全香料（例えば、１重量％）を有するが、封入されていない液体洗剤の参照サンプルと比較する。
香料の漏出を求めるために、香料封入体を有する液体洗剤を調製し、保管し（例えば、３５℃で１週間）、次いで、等レベルの全香料（例えば、１重量％）を有するが、封入されていない液体洗剤の参照サンプルと比較する。
【0173】
内部標準溶液を調製するために、７０ｍｇのトナリド（tonalid）を秤量し、２０ｍＬのヘキサンｐ．ａ．を添加し、混合する。この混合物２００μＬをヘキサンｐ．ａ．２０ｍＬに添加し、混合して均質化し、内部標準溶液を形成する。
【0174】
試験サンプル又は参照サンプルの液相から香料を抽出するために、洗剤サンプル２グラム及び内部標準溶液２ｍＬを抽出容器に入れる。抽出容器を手で２０回穏やかに反転させることにより、遊離香料を洗剤サンプルから抽出する。スプーンの先ほどの硫酸ナトリウムを抽出容器に加える。層の分離を生じさせる。
【0175】
ガスクロマトグラフデータを収集するために、層への分離後、直ちにヘキサン層をガスクロマトグラフオートサンプラーバイアルに移し、バイアルに蓋をする。１．５μＬのスプリットレスをガスクロマトグラフ注入ポートに注入する。ガスクロマトグラフィー質量分析（Ｄｕｒａｗａｘ－４［６０ｍ、０．３２ｍｍ ＩＤ、０．２５μｍフィルム］４０℃／４℃／分／２３０℃／２０’でクロマトグラフ分離）を実行する。
【0176】
以下の計算に従って香料原材料あたりの封入体からの香料漏出を計算する：
【0177】
【数2】
【0178】
香料保持（例えば、封入体内に残存している香料の百分率）を求めるために、「香料漏出率％」を１００から差し引く。
【実施例0179】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0180】
実施例１．例示的な香料
本開示による香料、並びに比較香料（「比較」と記載）を表１に提供する。
本開示による香料、並びに比較香料（「比較」と記載）を表１に提供する。
【0181】
【表2】
【0182】
実施例２．封入体の製造プロセス
ポリアクリレート香料カプセルを以下のとおり作製する：３７．５ｇの香料、０．２ｇのｔｅｒｔ－ブチルアミノエチルメタクリレート、及び０．２ｇのβヒドロキシエチルアクリレートからなる第１の油相を約１時間混合した後、１８ｇのＣＮ９７５（Ｓａｒｔｏｍｅｒ（Ｅｘｔｅｒ，ＰＡ））を添加する。後のプロセスで必要になるまで溶液を混合させる。
ポリアクリレート香料カプセルを以下のとおり作製する：３７．５ｇの香料、０．２ｇのｔｅｒｔ－ブチルアミノエチルメタクリレート、及び０．２ｇのβヒドロキシエチルアクリレートからなる第１の油相を約１時間混合した後、１８ｇのＣＮ９７５（Ｓａｒｔｏｍｅｒ（Ｅｘｔｅｒ，ＰＡ））を添加する。後のプロセスで必要になるまで溶液を混合させる。
【0183】
６５ｇの香油、８４ｇのイソプロピルミリステート、１ｇの２，２’－アゾビス（２－メチルブチロニトリル）、及び０．８ｇの４，４’－アゾビス［４－シアノ吉草酸］からなる第２の油相を、ジャケット付鋼製反応器に添加する。反応器を３５℃で保持し、２”フラットブレードミキサーを用いて油溶液を５００ｒｐｍで混合する。窒素ブランケットを、３００ｃｃ／分の速度で反応器に適用する。溶液を４５分間で７０℃まで加熱し、７０℃で４５分間保持した後、７５分間で５０℃まで冷却する。５０℃で、第１の油相を添加し、合わせた油を５０℃で更に１０分間混合する。
【0184】
固形分５％のＳｅｌｖｏｌ ５４０ポリビニルアルコール（Ｓｅｋｉｓｕｉ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ，Ｄａｌｌａｓ，ＴＸ）８５ｇ、水２６８ｇ、４，４’－アゾビス［４－シアノ吉草酸］１．２ｇ、及び２１．５％ＮａＯＨ１．１ｇを含有する水相を調製し、４，４’－アゾビス［５－シアノ吉草酸］が溶解するまで混合した。
【0185】
油相温度が５０℃まで低下してから、混合を停止し、水相を混合油に添加する。高剪断攪拌を適用して、所望のサイズ特性を有するエマルジョンを生成する（１９００ｒｐｍで６０分間）。
【0186】
温度を３０分間で７５℃まで上昇させ、７５℃で４時間保持し、３０分間で９５℃まで上昇させ、９５℃で６時間保持する。
【0187】
実施例３．封入体漏出
漏出を試験するために、概ね実施例２に記載の封入プロセスに従って、ポリアクリレート材料（Ｓａｒｔｏｍｅｒ，Ｉｎｃ．製ＣＮ９７５を含む）を含むシェルに様々な香料を封入する。以下に提供される香料に加えて、封入体のコアは、約３０％～約４５％の分配調節剤（すなわち、ミリスチン酸イソプロピル）を含む。
漏出を試験するために、概ね実施例２に記載の封入プロセスに従って、ポリアクリレート材料（Ｓａｒｔｏｍｅｒ，Ｉｎｃ．製ＣＮ９７５を含む）を含むシェルに様々な香料を封入する。以下に提供される香料に加えて、封入体のコアは、約３０％～約４５％の分配調節剤（すなわち、ミリスチン酸イソプロピル）を含む。
【0188】
その他の香料を含まない液体洗剤組成物に封入体を添加する。合計で洗剤組成物の１重量％の香料を提供するレベルで封入体を添加する。液体洗剤の配合を以下の表２に提供する。
【0189】
【表3】
【0190】
液体洗剤サンプルを３５℃で１週間エージングさせる。保管後、上記の試験方法の項に詳述されているように、ヘキサン抽出を介して香料漏出についてサンプルを分析する。参照サンプルの１重量％の同一性の同じ非封入香料を含有する参照サンプルに対して、漏出を測定する。
【0191】
試験した香料は、上記実施例１、表１に提供したものの一部である。試験１～５は、５．０ｍｇＫＯＨ／ｇ未満の酸価を特徴とする比較香料を含む封入体を示す。試験６～９は、５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を特徴とする本開示による香料を含む封入体を示す。
【0192】
香料の漏出結果を表３に示す。図１は、封入体内に残存している香料の百分率として測定した、香料保持に対する酸価のグラフを示す。
【0193】
【表4】
＊＊３つのサンプルの平均
【0194】
表３及び図１の結果によれば、封入体シェル内にポリアクリレート材料を含む香料封入体は、香料が５．０ｍｇＫＯＨ／ｇを超える酸価を特徴とする場合であっても、洗剤製品中の保管時に比較的少量しか漏出しないことを示す。
【0195】
様々な温度及びタイミングで試験したが、この傾向は、香料が５ｍｇＫＯＨ／ｇ（香料）を超える酸価を特徴とするときにカプセル内には非常に少量の香料しか保持されないことを示す、国際公開第２０１７／１４８５０４号に開示されている傾向とは全く対照的である。理論に束縛されるものではないが、封入体壁材料（ここではポリアクリレート材料）の選択が、本開示の封入体の相対的安定性に寄与すると考えられる。
【0196】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「４０ｍｍ」と開示された寸法は、「約４０ｍｍ」を意味することが意図される。
【0197】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献（単数又は複数）と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0198】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【図1】
【外国語明細書】
