(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118141
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20230818BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020906
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】圃場における評価情報の分布を表示するためのユーザの操作を低減する作業管理方法、作業管理システム及び作業管理プログラムを提供する。
【解決手段】作業管理方法は、作業装置により圃場で行われた作業に関する稼働情報に含まれる第1評価情報を表す第1評価図形470を決定することと、第1評価情報を表す第1表示画像において、稼働情報が測定された位置に基づき、第1評価図形470を配置する位置を決定することと、第1評価図形470を配置した第1表示画像を表す画像情報を生成することと、を含む。第1評価図形470を決定することは、第1評価情報に応じて、第1評価図形470の色彩を決定することを含んでもよい。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置により圃場で行われた作業に関する稼働情報に含まれる第1評価情報を表す第1評価図形を決定することと、
前記第1評価情報を表す第1表示画像において、前記稼働情報が測定された位置に基づき、前記第1評価図形を配置する位置を決定することと、
前記第1評価図形を配置した前記第1表示画像を表す画像情報を生成することと、
を含む作業管理方法。
【請求項2】
前記第1評価図形を決定することは、
第1評価情報に応じて、前記第1評価図形の色彩を決定すること
を含む請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項3】
前記稼働情報に含まれる前記作業装置の速度に基づき、前記第1評価図形の表示形態を決定すること
を含む請求項1または2に記載の作業管理方法。
【請求項4】
前記第1評価図形の前記表示形態を決定することは、
前記稼働情報に含まれる前記作業装置の前記速度が小さいほど、前記第1評価図形の透過度を高く決定すること
を含む請求項3に記載の作業管理方法。
【請求項5】
前記第1評価図形の前記表示形態を決定することは、
前記稼働情報に含まれる前記作業装置の前記速度が小さいほど、前記第1評価図形の大きさを小さく決定すること
を含む請求項3に記載の作業管理方法。
【請求項6】
前記第1評価図形を決定することは、
複数の前記稼働情報に含まれる前記第1評価情報を表す1つの前記第1評価図形を決定すること
を含み、
前記第1評価図形を配置する位置を決定することは、
前記複数の稼働情報が測定された複数の位置に基づき、前記1つの第1評価図形を配置する位置を決定すること
を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項7】
前記第1評価情報に対応する前記稼働情報の条件を表す条件情報を受け付けることと、
前記条件情報を満たす前記稼働情報を抽出することと、
を含み、
前記第1評価図形を決定することは、
抽出された前記稼働情報に含まれる前記第1評価情報を表す前記第1評価図形を決定すること
を含む請求項1から6のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項8】
前記稼働情報に含まれ、前記第1評価情報と異なる評価情報の種類を受け付けることと、
受け付けた前記種類に対応する第2評価情報を表す第2評価図形を決定することと、
前記第2評価情報を表す第2表示画像において、前記稼働情報が測定された位置に基づき、前記第2評価図形を配置する位置を決定し、前記第2評価図形を配置した前記第2表示画像を表す画像情報を生成することと、
を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項9】
作業装置により圃場で行われた作業に関する稼働情報に含まれる第1評価情報を表す第1評価図形を決定する図形決定部と、
前記第1評価情報を表す第1表示画像において、前記稼働情報が測定された位置に基づき、前記第1評価図形を配置する位置を決定し、前記第1評価図形を配置した前記第1表示画像を表す画像情報を生成する画像情報生成部と、
を備える作業管理システム。
【請求項10】
作業装置により圃場で行われた作業に関する稼働情報に含まれる第1評価情報を表す第1評価図形を決定することと、
前記第1評価情報を表す第1表示画像において、前記稼働情報が測定された位置に基づき、前記第1評価図形を配置する位置を決定することと、
前記第1評価図形を配置した前記第1表示画像を表す画像情報を生成することと、
を演算装置に実行させる作業管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、圃場において行われた作業に関する情報を用いて栽培管理の分析を行うことが研究されている。
【0003】
特許文献1には、予め登録された圃場をメッシュ状に分割した小領域を、小領域おける評価値、例えば作物の収穫量に応じて異なる色で表示する技術が開示されている。ユーザ、例えば作業者、圃場の所有者は、評価値に応じて異なる色で表示された小領域を確認することで、圃場における評価値の分布を容易に把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ユーザは、圃場をメッシュ状に分割した小領域を設定する必要がある。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、圃場における評価情報の分布を表示するためのユーザの操作を低減することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理方法は、作業装置(30)により圃場(400)で行われた作業に関する稼働情報に含まれる第1評価情報を表す第1評価図形(470)を決定することを含む。また、作業管理方法は、第1評価情報を表す第1表示画像において、稼働情報が測定された位置に基づき、第1評価図形(470)を配置する位置を決定することを含む。また、作業管理方法は、第1評価図形(470)を配置した第1表示画像を表す画像情報を生成することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理システム(1000)は、図形決定部(170)と、画像情報生成部(180)とを備える。図形決定部(170)は、作業装置(30)により圃場(400)で行われた作業に関する稼働情報に含まれる第1評価情報を表す第1評価図形(470)を決定する。画像情報生成部(180)は、第1評価情報を表す第1表示画像において、稼働情報が測定された位置に基づき、第1評価図形(470)を配置する位置を決定し、第1評価図形(470)を配置した第1表示画像を表す画像情報を生成する。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理プログラム(310)は、作業装置(30)により圃場(400)で行われた作業に関する稼働情報に含まれる第1評価情報を表す第1評価図形(470)を決定することを演算装置(120、220)に実行させる。また、作業管理プログラム(310)は、第1評価情報を表す第1表示画像において、稼働情報が測定された位置に基づき、第1評価図形(470)を配置する位置を決定することを演算装置(120、220)に実行させる。また、作業管理プログラム(310)は、第1評価図形(470)を配置した第1表示画像を表す画像情報を生成することを演算装置(120、220)に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の形態によれば、圃場における評価情報の分布を表示するためのユーザの操作を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態における作業管理システムの構成図である。
【
図2】一実施の形態において、作業装置が取得する位置情報を説明するための図である。
【
図3】一実施の形態における作業装置の構成を説明するための図である。
【
図4】一実施の形態における作業管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
【
図5】一実施の形態における作業管理システムによる処理を表すフローチャートである。
【
図6】一実施の形態における評価図形を説明するための図である。
【
図7】一実施の形態において、作業装置の速度と、評価図形との関係を説明するための図である。
【
図8】一実施の形態における操作領域を表す図である。
【
図9】一実施の形態における評価図形を説明するための図である。
【
図10】一実施の形態における評価図形を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態)
本発明の本実施の形態による作業管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、
図1に示すように、作業管理システム1000は、作業管理装置100と、端末200とを備える。作業管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、端末200と、作業装置30と通信可能に接続されている。
【0014】
作業装置30は、測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、
図2に示すように、各時刻の位置を表す位置情報460を取得する。このため、位置情報460は、作業装置30が移動した軌道450に沿った位置を表す。作業装置30は、各時刻における作業装置30の位置を表す位置情報460を取得する。
【0015】
また、作業装置30は、各時刻における作業装置30の状態を表す状態情報、例えば作業装置30の速度、操舵角、エンジン回転数、エンジン負荷、各種クラッチのON/OFF状況などを表す情報を取得する。例えば、作業装置30は、
図3に示すように、原動機31、例えばエンジン、モータなどを備え、原動機31により発生する力を用いて、走行部32、例えば車輪、クローラを動かす。状態情報に含まれる作業装置30の速度は、例えば、原動機31から走行部32に伝わる力、例えば車輪の回転数に基づき、測定される。作業装置30が作業機械を牽引する車両、例えばトラクターであるとき、状態情報には、作業機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。
【0016】
また、作業装置30は、各時刻において作業装置30が行った作業量、例えば作物の植付量、農薬の散布量、作物の収穫量などを測定する。作業装置30は、作業機械と一体に形成された車両、例えばコンバインなどでもよい。また、作業装置30は、農薬を散布するドローンでもよい。また、作業装置30は、
図3に示すように、作業機械、例えばロータリー耕耘機を牽引する車両、例えばトラクターでもよい。
【0017】
作業装置30は、通信装置33を備え、作業量を表す作業情報と、位置情報460と、状態情報とを含む稼働情報を作業管理装置100に出力する。例えば、1つの稼働情報は、ある時刻における作業情報と位置情報460と状態情報とを表す。また、1つの稼働情報は、作業情報と状態情報と位置情報460とが測定された時刻とを表す。作業装置30は、エンジンを停止したときに、エンジンを起動してから停止するまでの各時刻における複数の稼働情報を作業管理装置100の演算装置120に送信する。作業装置30は、逐次、稼働情報を作業管理装置100に出力してもよい。また、作業装置30は、蓄積された複数の稼働情報を外部記憶装置、例えばUSBメモリ(Universal Serial Bus flash drive)などを介して、作業管理装置100に出力してもよい。
【0018】
作業管理装置100は、作業装置30から取得した複数の稼働情報に基づき、圃場400における評価情報、例えば作業装置30の速度、植付量、散布した農薬量、収穫量などを表す画像情報を生成する。例えば、画像情報は、地図上の位置情報460の表す位置に評価情報を表す評価図形を表す表示画像である。端末200は、画像情報の表す表示画像を表示する。ユーザ、例えば作業者、圃場400の所有者などは、端末200に表示された表示画像を確認することで、作業装置30により行われた作業を容易に把握することができる。このとき、作業管理装置100は、作業装置30から取得した位置情報460に基づき、評価情報を表示する位置を決定する。このため、作業管理システム1000は、圃場400の情報や、評価情報を表示するための設定情報を登録するためのユーザの負担を低減することができる。
【0019】
(作業管理システムの構成)
作業管理システム1000に含まれる作業管理装置100の構成を説明する。作業管理装置100は、
図1に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。作業管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0020】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置130は、作業装置30から取得する複数の稼働情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0021】
記憶装置140は、地図上に作業装置30が行った作業の評価情報を表す画像情報を生成するための様々なデータ、例えば圃場データ300と、作業管理プログラム310とを格納する。記憶装置140は、作業管理プログラム310を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。作業管理プログラム310は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0022】
圃場データ300は、作業装置30が作業を行う圃場400の領域を表す。例えば、圃場データ300は、複数の圃場400の領域を表してもよい。
【0023】
演算装置120は、作業管理プログラム310を記憶装置140から読み出し実行して、画像情報を生成するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0024】
演算装置120は、作業管理プログラム310を読み出し実行することで、
図4に示すように、データ記憶部150と、情報抽出部160と、図形決定部170と、画像情報生成部180とを実現する。データ記憶部150は、圃場データ300を記憶する。情報抽出部160は、複数の稼働情報のうち、表示画像に表示される評価情報に対応する稼働情報、例えば圃場400内に対応する稼働情報を抽出する。図形決定部170は、表示画像に表示される評価情報に対応する評価図形、例えば色彩を決定する。画像情報生成部180は、表示画像において、評価図形を配置する位置と、評価図形の表示形態とを決定し、表示画像を表す画像情報を生成する。生成された画像情報は、画像情報生成部180により端末200に出力される。
【0025】
次に、端末200の構成を説明する。端末200は、
図1に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0026】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置230は、作業管理装置100から取得する信号を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を作業管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0027】
記憶装置240は、表示画像を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム320を格納する。記憶装置240は、表示プログラム320を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム320は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0028】
演算装置220は、表示プログラム320を読み出し実行することで、
図4に示すように、入出力装置210と協働して、表示部250を実現する。表示部250は、作業管理装置100から画像情報を取得して、画像情報により表される表示画像を入出力装置210に表示する。
【0029】
(作業管理システムの動作)
図1に示す作業装置30は、圃場400での作業を行うと、複数の稼働情報を作業管理装置100の演算装置120に送信する。演算装置120は、作業装置30から複数の稼働情報を受信すると、作業管理プログラム310を読み出し実行する。作業管理プログラム310が読み出し実行されると、演算装置120は、作業管理方法の一部である
図5に示す処理を開始する。
【0030】
ステップS110において、演算装置120により実現される情報抽出部160は、複数の稼働情報から、圃場400内の圃場稼働情報を抽出する。例えば、情報抽出部160は、圃場データ300から圃場400の領域を表す情報を取得する。情報抽出部160は、複数の稼働情報のうち、位置情報460により表される位置が圃場400の領域に含まれる圃場稼働情報を抽出する。
【0031】
ステップS120において、図形決定部170は、圃場稼働情報に含まれる各稼働情報に対して、画像に表示される評価情報に基づき、評価情報を表す評価図形、例えば評価図形の色彩を決定する。評価情報は、稼働情報に含まれる情報、例えば作業量、作業装置30の速度、作業装置30の消費燃料などから選択される1つを表す。例えば、最初に表示される評価情報は予め決められている。図形決定部170は、評価情報に基づき、評価図形、例えば評価図形の色彩を決定する。
【0032】
例えば、図形決定部170は、評価情報が表す値、例えば作業装置30の消費燃料が大きいほど赤い図形を決定し、評価情報が表す値が小さいほど青い図形を決定してもよい。図形決定部170は、評価情報が表す値の最大値と、最小値とに基づき、各評価情報に対応する評価図形の色彩を決定してもよい。例えば、評価図形の色彩の範囲として、評価情報が最大値を表すときの第1色彩と、最小値を表すときの第2色彩とが予め決められている。図形決定部170は、画像に表示される評価情報の値の最大値と最小値とを抽出する。図形決定部170は、抽出された最大値に対応する評価図形が第1色彩で表示され、最小値に対応する評価図形が第2色彩で表示されるように、各評価図形の色彩を決定する。
【0033】
ステップS130において、画像情報生成部180は、稼働情報に含まれる位置情報460に基づき、表示画像における評価図形の位置を決定する。画像情報生成部180は、評価図形に対応する稼働情報が測定された位置を位置情報460から取得する。画像情報生成部180は、表示画像において、位置情報460により表される位置に対応する位置に評価図形を配置する。例えば、表示画像が地図上に評価図形を配置した画像を表すとき、評価図形は、位置情報460により表される位置が地図上で表される位置に配置される。
【0034】
例えば、画像情報生成部180は、
図6に示すように、評価図形470の幾何中心が位置情報460により表される位置となるように、評価図形470を配置する。例えば、評価図形470が円形状であるとき、評価図形470の円の中心は、位置情報460により表される位置に対応する。
【0035】
図5に示すステップS140において、画像情報生成部180は、稼働情報に含まれる作業装置30の速度に基づき、評価図形470の表示形態、例えば透過度を決定する。作業装置30の速度が小さいと、
図7に示すように、時間的に隣接する2つの位置情報460により表される位置の間隔が狭くなる。このため、作業装置30の速度が小さいほど、評価図形470が他の評価図形470と重なる領域が大きくなり、ユーザは評価情報を見にくくなる。そこで、画像情報生成部180は、作業装置30の速度に基づき、評価図形470の表示形態、例えば透過度を決定する。例えば、画像情報生成部180は、作業装置30の速度が小さいほど、評価図形470の透過度を高くする。
【0036】
例えば、画像情報生成部180は、作業装置30の原動機31から走行部32に伝わる力に基づき測定される速度を用いて、透過度を決定する。例えば、画像情報生成部180は、画像に表示される評価情報に対応する稼働情報において、作業装置30の速度の最大値と、最小値とに基づき、各評価情報に対応する評価図形470の透過度を決定してもよい。例えば、初期状態において、評価図形470の透過度の範囲として、作業装置30の速度が最大値を表すときの第1透過度と、作業装置30の速度が最小値を表すときの第2透過度とが予め決められている。画像情報生成部180は、画像に表示される評価情報に対応する稼働情報における速度の最大値と最小値とを抽出する。画像情報生成部180は、抽出された最大値に対応する評価図形470が第1透過度で表示され、最小値に対応する評価図形470が第2透過度で表示されるように、各評価図形470の透過度を決定する。例えば、画像情報生成部180は、作業装置30の速度に対して評価図形470の透過度が単調減少するように、各評価図形470の透過度を決定する。画像情報生成部180は、作業装置30の速度に対して、一次関数で減少するように評価図形470の透過度を決定してもよく、階段関数で段階的に減少するように評価図形470の透過度を決定してもよい。
【0037】
図5に示すステップS150において、画像情報生成部180は、決定された評価図形470を表示する表示画像を表す画像情報を生成する。画像情報は、例えば、評価図形470を表す情報、例えば色彩、形状、透過度などと、評価図形470が配置される位置を表す情報とを含む。画像情報は、圃場400の領域を含む地図を表すとき、評価図形470が地図上に配置される位置を表す情報を含む。
【0038】
また、評価図形470が他の評価図形470と重なるとき、画像情報生成部180は、互いに重なる評価図形470の優先順位を決定し、評価図形470に関連付けて優先順位を画像情報に含める。優先順位は、評価図形470を地図上に表示するときの順番を表し、優先順位が高い評価図形470ほど上位に表示される。例えば、評価図形470の透過度が「0」の場合、例えば透過しない場合、表示画像において、複数の評価図形470が重なっている領域には、最も優先順位の高い評価図形470が表示される。例えば、優先順位は、評価図形470に対応する稼働情報が測定された時刻が遅いほど高く決定されてもよく、測定された時刻が遅いほど低く決定されてもよい。また、優先順位は、評価図形470に対応する稼働情報の評価値が高いほど高く決定されてもよい。画像情報生成部180は、生成された画像情報を端末200に出力する。
【0039】
ステップS160において、端末200の表示部250は、画像情報を作業管理装置100の画像情報生成部180から取得して、画像情報により表された表示画像を表示する。表示画像は、
図8に示すように、表示を変更する操作領域500を含んでもよい。例えば、操作領域500は、図形伸縮ボタン510と、透過度変更ボタン520と、表示情報変更ボタン530と、評価情報選択ボタン540とを含む。
【0040】
図形伸縮ボタン510は、評価図形470の大きさを変更するときに選択される。図形伸縮ボタン510が選択されると、表示部250は、表示する評価図形470の大きさを表す情報を受け付ける。例えば、表示部250は、図形伸縮ボタン510が選択されると、選択可能な評価図形470の大きさを表示する。例えば、評価図形470が円形のとき、表示部250は、選択可能な評価図形470の半径を表示する。例えば、評価図形470の半径は、地図上での長さ、例えば「2メートル」、「3メートル」、「5メートル」、「10メートル」などを表してもよい。また、評価図形470の大きさは、複数の大きさの程度、例えば「大」、「中」、「小」を表示してもよい。ユーザは、表示された評価図形470の大きさを選択する。表示部250は、選択された評価図形470の大きさに応じて、評価図形470の大きさを変更する。
【0041】
透過度変更ボタン520は、評価図形470の透過度を変更するときに選択される。透過度変更ボタン520が選択されると、表示部250は、表示する評価図形470の透過度の程度を受け付ける。例えば、表示部250は、透過度変更ボタン520が選択されると、選択可能な評価図形470の透過度を表示する。例えば、評価図形470の透過度は、複数の透過度の程度、例えば「高」、「中」、「低」を表示する。評価図形470の透過度が選択されると、表示部250は、評価図形470の透過度を、選択された透過度の程度に応じた透過度に変更する。例えば、透過度の程度に応じて、評価図形470を表示する透過度の範囲が予め決められている。
【0042】
例えば、透過度の程度が「高」のときに、速度が最大値を表すときの評価図形470の第3透過度と、最小値を表すときの評価図形470の第4透過度とが予め決められている。また、透過度の程度が「中」のときに、速度が最大値を表すときの評価図形470の第5透過度と、最小値を表すときの評価図形470の第6透過度とが予め決められている。透過度の程度が「低」のときに、速度が最大値を表すときの評価図形470の第7透過度と、最小値を表すときの評価図形470の第8透過度とが予め決められている。
【0043】
この場合、「高」を表す透過度の程度が選択されると、表示部250は、速度が最大値に対応する評価図形470が第3透過度で表示され、最小値に対応する評価図形470が第4透過度で表示されるように、各評価図形470の透過度を変更する。同様に、「中」を表す透過度の程度が選択されると、表示部250は、速度が最大値に対応する評価図形470が第5透過度で表示され、最小値に対応する評価図形470が第6透過度で表示されるように、各評価図形470の透過度を変更する。「低」を表す透過度の程度が選択されると、表示部250は、速度が最大値に対応する評価図形470が第7透過度で表示され、最小値に対応する評価図形470が第8透過度で表示されるように、各評価図形470の透過度を変更する。
【0044】
ここで、第3透過度が第5透過度より高く設定され、第3透過度の評価図形470内の背景の画像は、第5透過度の評価図形470内の背景の画像より鮮明に表示される。また、第5透過度が第7透過度より高く設定され、第5透過度の評価図形470内の背景の画像は、第7透過度の評価図形470内の背景の画像より鮮明に表示される。また、第4透過度は、第6透過度より高く設定されてもよく、第6透過度と同じでもよい。第6透過度は、第8透過度より高く設定されてもよく、第8透過度と同じでもよい。
【0045】
図8に示す表示情報変更ボタン530は、表示画像に表示される評価情報に対応する稼働情報を変更するときに選択される。例えば、表示情報変更ボタン530が選択されると、表示部250は、表示の対象となる稼働情報の条件を表す条件情報を受け付ける。例えば、表示部250は、表示情報変更ボタン530が選択されると、表示画像に表示する評価情報に対応する、作業装置30が作業を行った期間を表す条件情報を受け付ける。ユーザは、入出力装置210に、作業装置30が作業を行った期間を入力する。表示部250は、取得した条件情報を作業管理装置100に出力する。作業管理装置100の情報抽出部160は、条件情報に表された期間に測定された稼働情報を抽出する。作業管理装置100は、抽出された稼働情報に対して、
図5に示すステップS120以降の処理を実行する。これにより、表示部250は、入力された期間に対応した表示画像を表示する。
【0046】
図8に示す評価情報選択ボタン540は、表示される評価情報を、稼働情報に含まれる情報、例えば作業量、作業装置30の速度、作業装置30の消費燃料などに変更するときに選択される。例えば、評価情報選択ボタン540が選択されると、表示部250は、評価情報として表示する情報の種類、例えば作業量、作業装置30の速度などを受け付ける。例えば、表示部250は、評価情報選択ボタン540が選択されると、稼働情報に含まれる情報の種類を表示する。ユーザは、表示された情報の種類から、評価情報として表示する情報の種類を入出力装置210に入力する。表示部250は、入力された情報の種類を表す選択情報を作業管理装置100に出力する。作業管理装置100は、選択情報に基づき、
図5に示す処理を実行する。この場合、ステップS120において、図形決定部170は、選択情報に示せれた情報の種類を評価情報として用いる。これにより、表示部250は、入力された情報の種類に関する評価情報を表す表示画像を表示する。
【0047】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。作業管理システム1000は、
図6に示すように、1つの稼働情報に対して、1つの評価図形470を表示する例を示したが、これに限定されない。例えば、作業管理システム1000は、
図9に示すように、複数の稼働情報に対して、1つの評価図形470を表示してもよい。例えば、端末200の表示部250は、表示画像に表される地図の縮尺が小さいとき、複数の稼働情報に対して、1つの評価図形470を表示する。例えば、
図9に示すように、表示部250は、第1位置情報460-1に対応する稼働情報と、第2位置情報460-2に対応する稼働情報と、第3位置情報460-3に対応する稼働情報とに対して、1つの第1評価図形470-1を表示する。この場合、表示部250は、評価図形470の中心位置が、対応する複数の稼働情報のうちの1つの稼働情報により表される位置となるように第1評価図形470-1を表示してもよい。例えば、表示部250は、第1評価図形470-1の中心位置が、対応する複数の稼働情報のうち、時間の順番で中央にある第2位置情報460-2となるように第1評価図形470-1を表示してもよい。また、表示部250は、第1評価図形470-1の中心位置が、対応する複数の稼働情報のうち、時間の順番で最初にある第1位置情報460-1となるように第1評価図形470-1を表示してもよい。表示部250は、第1評価図形470-1の中心位置が、対応する複数の稼働情報のうち、時間の順番で最後にある第3位置情報460-3となるように第1評価図形470-1を表示してもよい。また、評価図形470の中心位置は、対応する複数の稼働情報により表される位置の幾何中心であってもよい。
【0048】
また、複数の稼働情報に対して1つの評価図形470を表示するとき、評価図形470の色彩は、複数の稼働情報のうち1つの稼働情報に対応する評価図形470の色彩でもよい。例えば、表示部250は、第1評価図形470-1の色彩に、対応する複数の稼働情報のうち、時間の順番で中央にある第2位置情報460-2の稼働情報に対応する評価図形470の色彩を用いてもよい。また、表示部250は、第1評価図形470-1の色彩に、対応する複数の稼働情報のうち、時間の順番で最初にある第1位置情報460-1の稼働情報に対応する評価図形470の色彩を用いてもよく、時間の順番で最後にある第3位置情報460-3の稼働情報に対応する評価図形470の色彩を用いてもよい。また、評価図形470の色彩は、対応する複数の稼働情報における評価情報の平均値に対応する色彩でもよい。
【0049】
図形決定部170は、評価情報に表される値が「0」であるとき、対応する評価情報を除外してもよい。例えば、図形決定部170は、
図5に示すステップS120において、評価情報を表示する対象となる複数の稼働情報から、評価情報が表す値が「0」である稼働情報を除外稼働情報として除外する。例えば、図形決定部170は、圃場稼働情報からから除外稼働情報を除外して、評価情報を表す評価図形470を決定する。また、図形決定部170は、評価情報に表される値が所定の範囲に含まれないとき、この評価情報に対応する稼働情報を除外稼働情報として決定してもよい。この場合、所定の範囲は、評価情報に応じて予め決定されている。
【0050】
また、図形決定部170は、評価情報に表される値に基づき、評価図形470の色彩を決定する例を示したが、これに限定されない。例えば、評価図形470の領域を表す模様が、評価情報に表される値に応じて、異なってもよい。また、評価情報の値に応じて、評価図形470の大きさが異なってもよい。
【0051】
評価図形470の透過度は、対応する稼働情報において、作業装置30の原動機31から走行部32に伝わる力に基づき測定される速度を用いて決定される例を示したが、これに限定されない。評価図形470の透過度は、対応する位置情報460に基づき算出される速度を用いてもよい。例えば、画像情報生成部180は、対応する位置情報460の位置から、対応する位置情報460に時間的に隣接する位置情報460の位置までの距離を算出する。画像情報生成部180は、算出された距離を、対応する位置情報460が測定された時刻から、対応する位置情報460に時間的に隣接する位置情報460が測定された時刻までの時間差で除算することで、速度を算出する。画像情報生成部180は、算出された速度を用いて、評価図形470の透過度を決定してもよい。
【0052】
また、評価図形470は、作業装置30の速度に応じて、大きさが異なってもよい。例えば、画像情報生成部180は、作業装置30の速度が小さいほど、評価図形470の大きさを小さくしてもよい。例えば、評価図形470が円形状であるとき、画像情報生成部180は、作業装置30の速度が小さいほど、評価図形470の半径を小さくする。これにより、作業装置30の速度が小さくとも、評価図形470が他の評価図形470と重なる領域が抑制される。
【0053】
また、評価図形470は、
図10に示すように、作業装置30の速度に応じて、作業装置30の進行方向における長さが短くなるように変形されてもよい。例えば、画像情報生成部180は、作業装置30の進行方向において、作業装置30の速度が小さいほど、評価図形470の長さを短くするように評価図形470を変形してもよい。これにより、作業装置30の速度が小さくとも、評価図形470が他の評価図形470と重なる領域が抑制される。
【0054】
作業管理装置100は、作業装置30から取得した稼働情報に基づき決定した情報を、稼働情報に含めてもよい。例えば、作業管理装置100の情報抽出部160は、作業装置30から取得した稼働情報に基づき、作業装置30により圃場400で行われた作業の種別、例えば植付、農薬散布、収穫などを決定してもよい。情報抽出部160は、決定した作業の種別を稼働情報に含めてもよい。
【0055】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、
図1に示す作業管理システム1000に端末200は含まれなくてもよい。また、作業管理装置100の処理は、すべてまたは一部が端末200で実行されてもよい。また、端末200の処理は、すべてまたは一部が作業管理装置100で実行されてもよい。また、作業管理プログラム310は、表示プログラム320を含んでもよい。また、稼働情報に表される時刻は、所定の基準時、例えば作業装置30が起動した時刻から経過した時刻でもよい。
【0056】
表示部250は、作業管理装置100の演算装置120が取得する複数の稼働情報のすべてについて、評価情報を表示してもよい。この場合、
図4に示す情報抽出部160は省略されてもよい。同様に、
図5に示すステップS110の処理は省略されてもよい。
【0057】
また、表示部250は、作業装置30の速度に応じて、評価図形470の表示形態を変更しなくともよい。この場合、
図5に示すステップS140の処理は省略される。
【0058】
また、評価図形470は、円形状に限定されず、任意の形状でもよい。
【符号の説明】
【0059】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
30 :作業装置
31 :原動機
32 :走行部
33 :通信装置
100 :作業管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :データ記憶部
160 :情報抽出部
170 :図形決定部
180 :画像情報生成部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :表示部
300 :圃場データ
310 :作業管理プログラム
320 :表示プログラム
400 :圃場
450 :軌道
460 :位置情報
470 :評価図形
500 :操作領域
510 :図形伸縮ボタン
520 :透過度変更ボタン
530 :表示情報変更ボタン
540 :評価情報選択ボタン
1000 :作業管理システム