(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118143
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】水素生成装置
(51)【国際特許分類】
C01B 3/38 20060101AFI20230818BHJP
C01B 3/48 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
C01B3/38
C01B3/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020912
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】西崎 柾峻
(72)【発明者】
【氏名】武田 憲有
(72)【発明者】
【氏名】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】吉村 光生
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 理
【テーマコード(参考)】
4G140
【Fターム(参考)】
4G140EA03
4G140EA06
4G140EB24
4G140EB32
4G140EB35
4G140EB42
(57)【要約】
【課題】本開示は、改質器と、蒸発部とを備えた水素生成装置において、蒸発部に供給される液水の量が多くとも、改質器へ液水が浸入することで発生する改質触媒の劣化を抑制しつつ、全長を短縮し、材料費の低減が可能な水素生成装置を提供する。
【解決手段】本開示における水素生成装置は、内筒の内周面と外周面とに、全周にわたって凸部と凹部とが表裏一体に形成され、内筒の外周面の凸部が外筒の内周面と全周にわたって密着し、蒸発部の下部が閉塞される構造を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性ガスを燃焼して燃焼排ガスを排出する加熱部と、
鉛直方向に中心軸を有し前記加熱部の外周を囲む燃焼筒と、
鉛直方向に中心軸を有する筒形で前記燃焼筒の外周を囲む内筒と、
鉛直方向に中心軸を有する筒形で前記内筒の外周を囲む外筒と、
鉛直方向に中心軸を有する有底筒形で前記燃焼筒を収納し、上端部が前記内筒の下端部または前記外筒の下端部に接合される加熱部収納筒と、
鉛直方向に中心軸を有する有底筒形で前記内筒と前記外筒と加熱部収納筒とを収納する第1隔壁と、
前記内筒および前記加熱部収納筒とで構成される筒と、前記燃焼筒との間に形成され、上方に前記燃焼排ガスを流す燃焼排ガス流路と、
前記内筒と前記外筒との間に形成され、前記内筒を介して伝わる熱で原料ガスと水とを加熱して、前記水を蒸発させ、且つ未蒸発の液水が下部で滞留するように構成された蒸発部と、
前記蒸発部の下方に改質触媒を充填して形成され、前記加熱部収納筒を介して伝わる熱で、前記原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成する改質器と、
前記蒸発部の下部で蒸発せず滞留する液水の水位よりも高い位置において前記外筒の円周方向に複数形成され、前記蒸発部から前記原料ガスと前記水蒸気とを前記改質器へ流出させる連通口と、
を有する水素生成装置であって、
前記内筒の下端近傍部分は、内周面に全周にわたって外周方向に凹んだ環状の凹部が形成され外周面に全周にわたって外周方向に突出した環状の凸部が形成されるように、前記内筒の筒壁が全周にわたって外周方向に曲がっており、未蒸発の液水が前記蒸発部の下部で滞留するように、前記内筒の外周面の前記凸部が前記外筒の内周面と全周にわたって密着していることを特徴とする、水素生成装置。
【請求項2】
前記内筒の内周面と外周面とには、前記連通口よりも鉛直方向の上側において、軸心方向に向かって螺旋状の凸部と凹部とが表裏一体に形成され、前記内筒の外周面の前記凸部を前記外筒の内周面に密着させ、前記内筒と前記外筒との間に前記水を蒸発させる螺旋状の流路を形成することを特徴とする、請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項3】
前記外筒の外径より大きい内径を有する側面部と、外周端が前記側面部の上端部に接続され内周端が前記外筒の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部と、を有する第2隔壁と、
前記第1隔壁と前記第2隔壁との間に形成され、前記改質器から流出した前記一次水素含有ガスを上方に流すリターン流路と、
前記第1隔壁と前記外筒との間で、前記蒸発部の外周側に隣接する部分に一酸化炭素低減触媒を充填して形成され、前記改質器から流出した前記一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を化学反応で低減して二次水素含有ガスとして排出するCO低減器と、
前記第1隔壁に設けられ、前記二次水素含有ガスを外部へ排出する水素含有ガス排出管と、
を備え、
前記改質器は、前記加熱部収納筒と前記第2隔壁との間に形成される、請求項1または2に記載の水素生成装置。
【請求項4】
未蒸発の液水が前記蒸発部の下部で滞留するように、前記内筒の外周面の前記凸部が前記外筒の内周面と全周にわたって密着している箇所は、気密に接合されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の水素生成装置。
【請求項5】
前記加熱部収納筒と前記内筒とが一体で構成される、請求項4に記載の水素生成装置。
【請求項6】
前記加熱部収納筒と前記外筒とが一体で構成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の水素生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水素生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加熱部を囲む改質器の上方に、水を蒸発させる蒸発部を配設した、多重円筒構造の水素生成装置において、蒸発部から排出された液水をトラップする水トラップ部を更に備えることにより、改質器に充填された改質触媒に液水が掛かって改質触媒が劣化する可能性を低減できることが、開示されている。
【0003】
この水素生成装置は、鉛直方向に中心軸を有する有底円筒形で、加熱部の燃焼排ガスによって内周面が加熱される内筒と、鉛直方向に中心軸を有する筒形で内筒の外周を囲む外筒と、を有している。
【0004】
蒸発部は、内筒と外筒との間における上部に螺旋状に曲げられた棒材を配置して螺旋状の流路を形成したものであり、改質器は、内筒と外筒との間における下部に改質触媒を充填して形成したものであり、水トラップ部は、内筒の外周面における改質器よりも上方で蒸発部よりも下方となる箇所に、断面がL字状で且つ環状の部材が取り付けられたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、改質器の上方に蒸発部を配設した多重円筒構造の水素生成装置において、改質器へ液水が浸入して改質触媒が劣化するのを抑制しつつ、全長を短縮し、材料費の低減が可能な水素生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における水素生成装置は、加熱部と、燃焼筒と、内筒と、外筒と、加熱部収納筒と、第1隔壁と、燃焼排ガス流路と、蒸発部と、改質器と、連通口と、を有している。
【0008】
加熱部は、可燃性ガスを燃焼して、燃焼排ガスを排出するように構成されている。燃焼筒は、鉛直方向に中心軸を有し、加熱部の外周を囲むように構成されている。内筒は、鉛直方向に中心軸を有する筒形で、燃焼筒の外周を囲むように構成されている。外筒は、鉛直方向に中心軸を有する筒形で、内筒の外周を囲むように構成されている。
【0009】
加熱部収納筒は、鉛直方向に中心軸を有する有底筒形で、燃焼筒を収納し、上端部が内筒の下端部または外筒の下端部に、接合されるように構成されている。第1隔壁は、鉛直方向に中心軸を有する有底筒形で、内筒と外筒と加熱部収納筒とを収納するように構成されている。燃焼排ガス流路は、内筒および加熱部収納筒とで構成される筒と、燃焼筒との間に形成され、上方に燃焼排ガスを流すように構成されている。
【0010】
蒸発部は、内筒と外筒との間に形成され、内筒を介して伝わる熱で、原料ガスと水とを加熱して、水を蒸発させ、且つ未蒸発の液水が下部で滞留するように構成されている。
【0011】
改質器は、蒸発部の下方に改質触媒を充填して形成され、加熱部収納筒を介して伝わる熱で、原料ガスと水蒸気との混合ガスから、改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを、生成するように構成されている。
【0012】
連通口は、蒸発部の下部で蒸発せず滞留する液水の水位よりも高い位置において、外筒の円周方向に複数形成され、蒸発部から原料ガスと水蒸気とを、改質器へ流出させるように構成されている。
【0013】
内筒の下端近傍部分は、内周面に全周にわたって外周方向に凹んだ環状の凹部が形成され外周面に全周にわたって外周方向に突出した環状の凸部が形成されるように、内筒の筒壁が全周にわたって外周方向に曲がっており、未蒸発の液水が蒸発部の下部で滞留するように、内筒の外周面の凸部が外筒の内周面と全周にわたって密着している。
【発明の効果】
【0014】
本開示における水素生成装置は、蒸発部の下部に滞留する液水が、内筒における鉛直方向に平行な液水の内周側に隣接する側壁部に加え、鉛直方向に対して傾斜して液水の下側に隣接する凸部を介して燃焼排ガス流路と隣接する構造とすることで、断面がL字状で且つ環状の部材を内筒の外周面に設けた従来の構成と比較して、液水の滞留量に対して高温の燃焼排ガスから液水への伝熱面積が広くなっているので、従来よりも液水の蒸発が促進されて、蒸発部の全長を従来よりも短くしても液水を十分に蒸発させることができる。
【0015】
これにより、改質器へ液水が浸入することで発生する改質触媒の劣化を抑制しつつ、水素生成装置の鉛直方向の全長を短縮することができる。そして、水素生成装置の全長を短くすると、水素生成装置の外周面を覆う断熱材や水素生成装置を収納する筐体が小さくなるので、水素生成装置の材料費を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態1における水素生成装置の概略構成図
【
図2】実施の形態2における水素生成装置の概略構成図
【
図3】他の実施の形態における水素生成装置の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0017】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、都市ガスなどの炭化水素系の原料ガスから水蒸気改質反応によって水素を生成し、更に副生した一酸化炭素(CO)などの不純物を除去することによって、燃料電池発電装置の燃料ガス等に適用可能な水素リッチな水素含有ガスを生成する技術があった。
【0018】
この水素リッチな水素含有ガスを生成する技術は、全体形状が多重円筒構造で、その中心部にバーナを備えた加熱部が配設され、加熱部の周囲に改質触媒を充填した改質器が配設され、改質器の上方に、原料ガスと水とを加熱部からの伝熱で加熱する蒸発部が配設された水素生成装置により得るものであった。
【0019】
蒸発部に供給される水が蒸発部を通過する過程で水蒸気へ完全に蒸発しない場合、蒸発器から排出された液水が、改質器に浸入して改質触媒に掛かって、改質触媒が劣化する課題があった。
【0020】
そのため、当該業界では、この課題に対して、蒸発部の下部において、液水が滞留する空間と、液水が滞留する空間の上部に連通口とを設けることで、蒸発部の下部に液水を滞留させ、原料ガスと水蒸気のみを連通口から流出させ、改質器への液水の浸入を抑制する
構造とすることで解決を図っていた。
【0021】
そのため、滞留する液水の水位の変動を考慮し、余裕をもたせるために、蒸発部を構成する筒部品の高さを長くとる設計をするのが一般的であった。
【0022】
そうした状況下において、発明者らは、水素生成装置の高さ方向の全長を短縮化することで材料費が低減され、水素生成装置を低コストで製造することが可能であることをヒントにして、従来は滞留する液水の水位に対して、高さを十分に長く取る設計をしていた蒸発部を短縮化し、水素生成装置の全長を短縮化するという着想を得た。
【0023】
そして、発明者らは、その着想を実現するには、原料ガスの量や水の量が変動し、多量の原料ガスや水が供給された場合、滞留する液水への加熱量が不十分となるため、滞留する液水の水位が上昇し、液水の一部が連通口から流出し改質器へ浸入する課題があることを発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
【0024】
そこで、本開示は、外筒とともに蒸発部を構成する内筒の下部は、全周にわたって凸部と凹部とが表裏一体に形成され、未蒸発の液水が蒸発部の下部で滞留するように、内筒の外周面の凸部が外筒の内周面と全周にわたって密着した構成にすることにより、蒸発部の下部で滞留する液水が凸部からも加熱される構造とし、液水の滞留量に対して液水への伝熱面積を広くして蒸発を促進させることで、改質器へ液水が浸入して改質触媒が劣化するのを抑制しつつ、全長を短縮し、材料費の低減が可能な水素生成装置を提供する。
【0025】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0026】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0027】
(実施の形態1)
以下、
図1を用いて、実施の形態1を説明する。
【0028】
[1-1.構成]
図1に示すように、水素生成装置100は、加熱部120と、蒸発部121と、改質器122と、CO低減器123と、燃焼筒130と、内筒131と、外筒132と、加熱部収納筒133と、第1隔壁134と、第2隔壁135と、水素含有ガス排出管136と、燃焼排ガス流路140と、リターン流路141と、連通口150と、を有する。
【0029】
加熱部120は、鉛直方向に中心軸を有する燃焼筒130の内周側に配置され、燃焼用空気が混合された可燃性ガスを燃焼して燃焼排ガスを排出するバーナと、バーナに可燃性ガスを供給するガス供給管と、バーナに燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給管と、を備えている。加熱部120のバーナは、下向きの炎を形成するように構成されている。
【0030】
可燃性ガスには、原料ガス(都市ガスやLPガス)を用いることができ、水素生成装置100が燃料電池発電装置に水素含有ガスを燃料ガスとして供給する場合は、燃料電池発電装置で利用されずに燃料電池発電装置から排出される燃料ガス(アノードオフガス)を用いることができる。
【0031】
燃焼筒130は、鉛直方向に中心軸を有し、加熱部120の外周を囲む円筒形で、加熱
部120と同軸になるように配置されている。燃焼筒130は、燃焼筒130の内周側では、燃焼排ガスを鉛直方向の下方へ流し、燃焼筒130の外周側(内筒131および加熱部収納筒133とで構成される筒と、燃焼筒130との間に形成された燃焼排ガス流路140)では、燃焼排ガスを鉛直方向の上方へ流すための部材である。
【0032】
燃焼筒130の下端部は、改質器122の下端部と略同じ高さ、もしくは改質器122の下端部よりも鉛直方向の下方に位置する。また、燃焼筒130の下端部は、燃焼筒130と同軸になるように配置され燃焼筒130を囲む有底円筒形の加熱部収納筒133の底部よりも鉛直方向の上方に位置している。
【0033】
水素生成装置100は、加熱部120のバーナの燃焼で発生した燃焼排ガスが、燃焼筒130の内周面に沿って燃焼筒130の内周側を下方に流れた後に、加熱部収納筒133の底部と燃焼筒130の下端部との隙間を通って燃焼筒130の外周側に出て上方に折り返して、加熱部収納筒133を介して改質器122の改質触媒と熱交換しながら加熱部収納筒133の内周面に沿って加熱部収納筒133と燃焼筒130との間の燃焼排ガス流路140を上方に流れた後に、内筒131を介して蒸発部121の水および原料ガスと熱交換しながら内筒131の内周面に沿って内筒131と燃焼筒130との間の燃焼排ガス流路140を上方に流れて、内筒131における上部に外筒132を貫通するように設けられた燃焼排ガス出口管から、水素生成装置100の外部に排出されるように構成されている。
【0034】
内筒131は、鉛直方向に中心軸を有する略円筒形の金属部材であり、内径が燃焼筒130の外径よりも大きく、燃焼筒130の外周面を囲み、燃焼筒130と同軸になるように配置される。
【0035】
内筒131は、外筒132との間に、炭化水素を含む原料ガスと水とを螺旋状に流すための螺旋状の流路を形成する。
【0036】
内筒131における螺旋状の流路が形成されている部分では、内筒131の外周面が外筒132の内周面と密着する箇所と、内筒131の外周面が外筒132の内周面と密着しない箇所とが、内筒131の軸方向に交互に繰り返されるように、内筒131の筒壁の軸心方向の断面が波形に成形されている。
【0037】
内筒131における螺旋状の流路が形成されている部分では、筒壁が、内筒131の軸心方向において断面波型に成形されて、軸心方向に向かって螺旋状の凹凸が筒壁に形成されている。
【0038】
内筒131は、燃焼筒130との間に燃焼排ガス流路140を形成する。内筒131の下端部には、燃焼排ガス流路140を、内筒131よりも下側に延長するように、加熱部収納筒133が接合されている。
【0039】
加熱部収納筒133は、鉛直方向に中心軸を有する有底円筒形の金属部材であり、上端部が内筒131の下端部に接合され、燃焼筒130を収納するように構成されている。加熱部収納筒133は、内径が燃焼筒130の外径よりも大きく、内筒131の鉛直方向の下方で燃焼筒130の外周面を囲み燃焼筒130と同軸になるように配置されている。
【0040】
加熱部収納筒133の底部と燃焼筒130の下端部との間に、燃焼筒130の内周側を流れた燃焼排ガスが燃焼筒130の外周側へと通流する隙間がある。
【0041】
外筒132は、鉛直方向に中心軸を有する円筒形の金属部材であり、内筒131の外周
面を囲み内筒131と同軸になるように配置されている。外筒132における螺旋状の流路が形成されている部分では、外筒132の内周面が内筒131の外周面と密着する箇所と、外筒132の内周面が内筒131の外周面と密着しない箇所とが、外筒132の軸方向に交互に繰り返される。
【0042】
第2隔壁135は、内径が外筒132の外径よりも大きく、外筒132と同軸となるように配置され外筒132を囲む円筒形の側面部と、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒132の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部と、を有する金属部材である。
【0043】
第2隔壁135は、その側面部の下端部が、燃焼筒130の下端部と略同じ高さ、もしくは改質器122の下端部よりも鉛直方向の下方に位置し、そのドーナツ盤形状の上面部が連通口150よりも鉛直方向の上方に位置し、且つCO低減器123の下端よりも鉛直方向の下方に位置する。
【0044】
加熱部収納筒133と第2隔壁135との間は、原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一次水素含有ガス(一酸化炭素を含む水素含有ガス)を生成する改質触媒が充填されている。
【0045】
内筒131と外筒132との間で、螺旋状の流路が形成された箇所は、炭化水素を含む原料ガスと水とが内筒131を介して高温の燃焼排ガスから伝わる熱で加熱されながら通過する蒸発部121となっており、蒸発部121の下方で改質触媒が充填された箇所は改質器122となっている。
【0046】
蒸発部121の螺旋状の流路は、内筒131の内周面と外周面とを、軸心方向(鉛直方向)に向かって螺旋状の凸部と凹部とが表裏一体に形成されるように加工して(内筒131の外周面に雄ネジのような凹凸を形成するとともに、内筒131の内周面に雌ネジのような凹凸を形成して)外周面の凹凸における外周方向に突出した凸部が外筒132の内周面に密着するようにして形成している。
【0047】
蒸発部121の下部では、内筒131の下端近傍部分の拡管によって、内筒131の内周面に全周にわたって外周方向に凹んだ環状の溝(凹部)が形成されるとともに、内筒131の外周面における内周面の環状の溝(凹部)に対応する部分には全周にわたって外周方向に突出した環状の凸部が形成されて、その内筒131の外周面における環状の凸部が外筒132の内周面と全周にわたって密着して、蒸発部121の下部を閉塞している。
【0048】
内筒131の下端近傍部分の内周面の環状の溝(凹部)は、溝の鉛直方向の中央部が溝の最深部になっており、溝の最深部に向かうほど溝の鉛直方向の幅が狭くなっている。
【0049】
内筒131の下端近傍部分の内周面の環状の溝(凹部)は、溝の最深部から上方に向かうに従って内筒131の内径が小さくなり、溝の最深部から下方に向かうに従って内筒131の内径が小さくなる形状である。
【0050】
内筒131の下端近傍部分の外周面の環状の凸部は、外筒132の内周面と全周にわたって密着する部分から上方に向かうに従って内筒131の外径が小さくなり、外筒132の内周面と全周にわたって密着する部分から下方に向かうに従って内筒131の外径が小さくなる形状である。
【0051】
蒸発部121の下部は、内筒131の内周面と外周面とに、全周にわたって凸部と凹部とが表裏一体に形成されるように加工して、凹凸における外周方向に突出した凸部が外筒
132の内周面と全周にわたって密着するようにして閉塞されるため、未蒸発の液水は蒸発部121の下部に滞留する。
【0052】
内筒131の下端近傍部分は、内周面に全周にわたって外周方向に凹んだ環状の凹部が形成され外周面に全周にわたって外周方向に突出した環状の凸部が形成されるように、内筒131の筒壁が全周にわたって外周方向に曲がっている。
【0053】
蒸発部121から原料ガスと水蒸気とを改質器122へ流出させるため、蒸発部121の下部に滞留する液水の水位よりも高い位置において外筒132の円周方向に複数の連通口150が設けられている。
【0054】
連通口が設けられる位置は、滞留する液水の水位を考慮し、内筒131の外周面の凸部が外筒132の内周面と全周にわたって密着し蒸発部121の下部を閉塞する位置から鉛直方向の上方に5mmの位置となるようにする。内筒131の外周面の凸部が外筒132の内周面と全周にわたって密着し蒸発部121の下部を閉塞する箇所は、気密に接合されている。
【0055】
蒸発部121の螺旋状の流路は、内筒131を加工して設ける代わりに、螺旋状の丸棒を配置して形成しても構わない。螺旋状の丸棒は、例えば、弦巻ばね(コイルばね)のように螺旋形状に曲げた丸棒を用いてもよい。弦巻ばね(コイルばね)のように螺旋形状に曲げた丸棒を、内筒131の外周面と外筒132の内周面とに密着するように設置することによって、蒸発部121の螺旋状の流路を形成することができる。
【0056】
改質器122は、加熱部収納筒133と第2隔壁135との間に改質触媒を充填して形成され、加熱部収納筒133を介して伝わる熱で、原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成するように構成されている。改質器122に充填される改質触媒は、直径が2~3mmの粒状の白金系の触媒である。
【0057】
本実施の形態では、改質触媒に白金系の触媒を用いたが、改質触媒は白金系の触媒に限らず、改質器122に充填される改質触媒に、ロジウム系、ルテニウム系、ニッケル系の触媒を用いてもよい。
【0058】
改質触媒が充填された部分の直下には、充填された改質触媒が落下しないように、改質触媒を下から支持する改質触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成された通気構造でドーナツ盤形状の板が、加熱部収納筒133と第2隔壁135との間に配置されている。
【0059】
改質触媒が充填された部分の直上には、水素生成装置100の製造時に、製造途中の水素生成装置100の上下を逆にしても(水素生成装置100の使用時の重力方向の上下を反転させても)改質触媒が蒸発部121の方へ移動しないように、改質触媒を上から覆う改質触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成された通気構造でドーナツ盤形状の板が、加熱部収納筒133と第2隔壁135との間に配置されている。
【0060】
外筒132における螺旋状の流路が配置された箇所よりも上部には、蒸発部121に原料ガスと水とを供給する供給管が接続されている。
【0061】
第1隔壁134は、内径が第2隔壁135の外径よりも大きく、外筒132と第2隔壁135と同軸になるように配置され、外筒132と第2隔壁135との外周面を囲む有底円筒形の側面部と、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒132の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部とを有する金属部材である。
【0062】
第1隔壁134は、第2隔壁135との間にリターン流路141を形成し、第2隔壁135よりも上方に位置する外筒132との間に一酸化炭素低減触媒が充填されたCO低減器123を構成する。第1隔壁134の底部と第2隔壁135の下端部との間に一次水素含有ガスが通流する隙間がある。
【0063】
第1隔壁134の底部は加熱部収納筒133の底部よりも大きく、第1隔壁134は外筒132と第2隔壁135と加熱部収納筒133とを収納するように構成されている。
【0064】
第1隔壁134と外筒132との間で蒸発部121の外周側に隣接する部分は、改質器122から流出した一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を化学反応で低減して二次水素含有ガスを生成する一酸化炭素低減触媒が充填されたCO低減器123となっている。
【0065】
CO低減器123に充填される一酸化炭素低減触媒は、直径が2~3mmの粒状のCu-Zn系の触媒である。本実施の形態では、一酸化炭素低減触媒にCu-Zn系の触媒を用いたが、一酸化炭素低減触媒はCu-Zn系の触媒に限らず、CO低減器123に充填される一酸化炭素低減触媒に、Ru系の触媒を用いてもよい。
【0066】
一酸化炭素低減触媒が充填された部分の直下には、充填された一酸化炭素低減触媒が落下しないように、一酸化炭素低減触媒を下から支持する一酸化炭素低減触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成された通気構造でドーナツ盤形状の板が、外筒132と第1隔壁134との間に配置されている。
【0067】
一酸化炭素低減触媒が充填された部分の直上には、水素生成装置100の製造時に、製造途中の水素生成装置100の上下を逆にしても(水素生成装置100の使用時の重力方向の上下を反転させても)一酸化炭素低減触媒が流出しないように、一酸化炭素低減触媒を上から覆う一酸化炭素低減触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成された通気構造でドーナツ盤形状の板が、外筒132と第1隔壁134との間に配置されている。
【0068】
リターン流路141は、第1隔壁134と第2隔壁135との間、且つCO低減器123よりも鉛直方向の下方に形成され、改質器122から流出した一次水素含有ガスを上方に流すように構成されている。
【0069】
水素含有ガス排出管136は、第1隔壁134の側面部におけるCO低減器123よりも鉛直方向の上方に設けられ、CO低減器123から流出した二次水素含有ガスを外部へ排出するように構成されている。
【0070】
[1-2.動作]
以上のように構成された水素生成装置100において、以下、その動作、作用を説明する。
【0071】
加熱部120は、可燃性ガスを燃焼して燃焼排ガスを排出する。加熱部120が可燃性ガスを燃焼することで、その熱が改質器122に伝搬する。これにより、改質器122を所望の温度に引き上げることができる。
【0072】
蒸発部121には都市ガスなどの原料ガスと液体の水とが供給され、螺旋状の流路を通過する過程で内筒131を介して伝わる熱で水が蒸発し、原料ガスと水蒸気との混合ガスとなる。
【0073】
このとき、蒸発部121に供給される原料ガスの量と水の量とが、螺旋状の流路で蒸発する水の量に対して、多いために、未蒸発の液水が残る場合でも、液水は蒸発部121の下部に滞留し、原料ガスと水蒸気とのみが連通口150を経由し蒸発部121から流出するため、液水の改質器122への浸入は抑制される。
【0074】
また、蒸発部121の下部に滞留する液水は、液水の側面の内筒131に加え、鉛直方向の下に位置する凸部を介して燃焼排ガス流路と隣接するため、高温の燃焼排ガスから液水への伝熱面積を大きくすることができ、滞留する液水を十分に蒸発させ、滞留する液水の水位を低くすることができる。
【0075】
これにより、蒸発部121の全長が短くとも、滞留する液水の水位は連通口150の高さまで上昇せず、液水の連通口150からの流出は抑制される。
【0076】
本実施の形態では、原料ガスとして、脱硫後のメタンを主成分とする都市ガスを使用する。また、蒸発部121へ供給する水の量については、原料ガス平均組成の炭素原子の3倍量となる酸素分子を含むように、水の量を設定する。
【0077】
本実施の形態では、メタンを主成分とする都市ガスを原料ガスとして用いる構成とするため、供給する1モルのメタンに対して3モルの水蒸気が存在するために必要な水の量を蒸発部121に供給する。すなわち、スチームカーボン比(S/C比)が3となる水の量を蒸発部121に供給する。
【0078】
水素生成装置100は、多重円筒構造であるため、改質器122も略ドーナツ状の形状(中心に孔が空いた円柱形状)をしており、その上面の全周から原料ガスと水蒸気との混合ガスが改質器122に流入する。
【0079】
改質器122に流入した原料ガスと水蒸気との混合ガスは、加熱部120の熱によって600℃に温められ、且つ改質触媒によって一酸化炭素を含む一次水素含有ガスに改質される。このとき、(化1)に示すようにメタンと水から水素と二酸化炭素を生成する反応と、(化2)に示すようにメタンと水から水素と一酸化炭素を生成する反応が起こっている。
【0080】
【0081】
【化2】
ただし、600℃は典型的な温度であって、反応による改質器122内の温度は、改質器122の構造や材質、大きさにも依存して変わる。例えば、400℃~650℃の範囲で変動し得る。
【0082】
一次水素含有ガスは、改質器122からリターン流路141に流入する。リターン流路141はドーナツ状の形状をしており、リターン流路141の全周を伝って、一次水素含有ガスが軸心方向の上方に流れ、CO低減器123に供給される。CO低減器123もドーナツ状の形状をしており、その下面の全周から一次水素含有ガスがCO低減器123に
流入する。
【0083】
CO低減器123は、一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を低減して二次水素含有ガスとして排出する。詳細には、一酸化炭素低減触媒で起こる(化3)に示す変成反応によって、一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気を反応させて二酸化炭素と水素を生成し、一酸化炭素の濃度が0.1~0.2%程度となるまで一酸化炭素を低減している。
【0084】
このとき変成反応によって発生する熱の一部は、外筒132を介して蒸発部121へ移動することで、CO低減器123は化学反応に適した温度である250℃が維持される。
【0085】
ただし、250℃は典型的な温度であって、反応によるCO低減器123内の温度は、CO低減器123の構造や材質、大きさにも依存して変わる。例えば200℃~300℃の範囲で変動し得る。
【0086】
【化3】
CO低減器123から排出された二次水素含有ガスは、水素含有ガス排出管136から水素生成装置100の外部に排出された後に、燃料電池発電装置などの水素利用機器に供給される。
【0087】
加熱部120のバーナの燃焼で発生した燃焼排ガスは、燃焼筒130の内周面に沿って燃焼筒130の内周側を下方に流れた後に、加熱部収納筒133の底部と燃焼筒130の下端部との隙間を通って燃焼筒130の外周側に出た後に上方に折り返して、燃焼筒130と加熱部収納筒133との間の燃焼排ガス流路140を通流するときに、改質器122と熱交換し、その後、燃焼筒130と内筒131との間の燃焼排ガス流路140を通流するときに、蒸発部121と熱交換して、内筒131における上部に設けられた燃焼排ガス出口管から水素生成装置100の外部に排出される。
【0088】
[1-3.効果]
以上のように、本実施の形態における水素生成装置100は、加熱部120と、蒸発部121と、改質器122と、燃焼筒130と、内筒131と、外筒132と、加熱部収納筒133と、第1隔壁134と、燃焼排ガス流路140と、連通口150と、を有している。
【0089】
加熱部120は、可燃性ガスを燃焼して燃焼排ガスを排出するように構成されている。燃焼筒130は、鉛直方向に中心軸を有し、加熱部120の外周を囲むように構成されている。内筒131は、鉛直方向に中心軸を有する筒形で、燃焼筒130の外周を囲むように構成されている。外筒132は、鉛直方向に中心軸を有する筒形で、内筒131の外周を囲むように構成されている。
【0090】
加熱部収納筒133は、鉛直方向に中心軸を有する有底筒形で、上端部が内筒131の下端部に接合され、燃焼筒130を収納するように構成されている。第1隔壁134は、鉛直方向に中心軸を有する有底筒形で、内筒131と外筒132と加熱部収納筒133とを収納するように構成されている。
【0091】
燃焼排ガス流路140は、内筒131および加熱部収納筒133とで構成される筒と、燃焼筒130との間に形成され、上方に燃焼排ガスを流すように構成されている。
【0092】
蒸発部121は、内筒131と外筒132との間に形成され、内筒131を介して伝わる熱で、原料ガスと水とを加熱して、水を蒸発させ、且つ未蒸発の液水が下部で滞留するように構成されている。
【0093】
改質器122は、蒸発部121の下方に改質触媒を充填して形成され、加熱部収納筒133を介して伝わる熱で、原料ガスと水蒸気との混合ガスから、改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを、生成するように構成されている。
【0094】
連通口150は、蒸発部121の下部で蒸発せずに滞留する液水の水位よりも高い位置において、外筒132の円周方向に複数形成され、蒸発部121から原料ガスと水蒸気とを、改質器122へ流出させるように構成されている。
【0095】
内筒131の下端近傍部分は、内周面に全周にわたって外周方向に凹んだ環状の凹部が形成され外周面に全周にわたって外周方向に突出した環状の凸部が形成されるように、内筒131の筒壁が全周にわたって外周方向に曲がっており、未蒸発の液水が蒸発部121の下部で滞留するように、内筒131の外周面の凸部が外筒132の内周面と全周にわたって密着している。
【0096】
上記構成において、蒸発部121の下部に滞留する液水が、内筒131における鉛直方向に平行な液水の内周側に隣接する側壁部に加え、鉛直方向に対して傾斜して液水の下側に隣接する凸部を介して燃焼排ガス流路140と隣接する構造とすることで、断面がL字状で且つ環状の部材を内筒の外周面に設けた従来の構成と比較して、液水の滞留量に対して高温の燃焼排ガスから液水への伝熱面積が広くなっているので、従来よりも液水の蒸発が促進されて、蒸発部121の全長(鉛直方向の長さ)を従来よりも短くしても液水を十分に蒸発させることができる。
【0097】
これにより、改質器122へ液水が浸入することで発生する改質触媒の劣化を抑制しつつ、水素生成装置100の鉛直方向の全長を短縮することができる。そして、水素生成装置100の全長を短くすると、水素生成装置100の外周面を覆う断熱材や水素生成装置100を収納する筐体が小さくなるので、水素生成装置100の材料費を低減できる。
【0098】
本実施の形態のように、水素生成装置100における蒸発部121は、内筒131の内周面と外周面とに、連通口150よりも鉛直方向の上側において、軸心方向に向かって螺旋状の凸部と凹部とを表裏一体に形成し、内筒131の外周面の凸部を外筒132の内周面に密着させることによって、内筒131と外筒132との間に、水を蒸発させるための螺旋状の流路を形成してもよい。
【0099】
これにより、蒸発部121に、連通口150よりも鉛直方向の上側において、水を蒸発させるための螺旋状の流路を、部品点数を増やすことなく、バルジ加工(ハイドロフォーミング)などにより容易に形成できる。
【0100】
さらに、蒸発部121の螺旋状の流路の形成と、未蒸発の液水が蒸発部121の下部で滞留するように、連通口150よりも鉛直方向の下側において、外筒132の内周面に密着する内筒131の外周面の環状の凸部の形成とを、一度のバルジ加工で同時に形成できる。そのため、蒸発部121を簡便に製造することができ、製造コストを低減できる。
【0101】
また、本実施の形態において、水素生成装置100は、CO低減器123と、第2隔壁135と、水素含有ガス排出管136と、リターン流路141と、を備えるようにしてもよい。
【0102】
CO低減器123は、第1隔壁134と外筒132との間で、蒸発部121の外周側に隣接する部分に一酸化炭素低減触媒を充填して形成され、改質器122から流出した一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を化学反応で低減して二次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
【0103】
第2隔壁135は、外筒132の外径より大きい内径を有する側面部と、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒132の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部と、を有し、改質器122は、加熱部収納筒133と第2隔壁135との間に、改質触媒を充填して形成される。
【0104】
リターン流路141は、第1隔壁134と第2隔壁135との間に形成され、改質器122から流出した一次水素含有ガスを上方に(CO低減器123に)流すように構成されている。
【0105】
水素含有ガス排出管136は、第1隔壁134に設けられ、二次水素含有ガスを外部へ排出するように構成されている。
【0106】
これにより、改質器122は加熱部120から周方向均一に伝熱され、効率よく改質反応を行わせることができる。さらに、改質器122において生成された一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を、CO低減器123において化学反応(変成反応)で低減できる。
【0107】
そのため、水素生成装置100が燃料電池発電装置へ燃料ガスを供給する場合は、CO低減器123によって一酸化炭素濃度が低減された水素含有ガスを燃料電池発電装置へ燃料ガスとして供給できるため、一酸化炭素による燃料電池発電装置の性能低下を抑制できる。
【0108】
また、水素生成装置100の鉛直方向の全長を長くすることなく、改質器122の改質触媒を改質触媒に適した温度にするとともに、CO低減器123の一酸化炭素低減触媒を化学反応(変成反応)に適した温度にすることが可能になる。
【0109】
また、本実施の形態において、水素生成装置100は、未蒸発の液水が蒸発部121の下部で滞留するように、内筒131の外周面の凸部が外筒132の内周面と全周にわたって密着している箇所を、気密に接合してもよい。
【0110】
これにより、蒸発部121の下部に滞留する液水が、内筒131の外周面の凸部と外筒132の内周面とが全周にわたって密着する箇所を通り抜けて、改質器122へ浸入することを抑制できる。そのため、改質器122へ液水が浸入することで発生する改質触媒の劣化を抑制できる。
【0111】
また、本実施の形態において、水素生成装置100は、内筒131と加熱部収納筒133とを一体で構成してもよい。
【0112】
これにより、未蒸発の液水が蒸発部121の下部で滞留するように、内筒131の外周面の凸部が外筒132の内周面と全周にわたって密着している箇所を、気密に接合する作業を、外筒132の外周方向から行える構造とすることができる。そのため、水素生成装置100の製造を簡便にできる。
【0113】
(実施の形態2)
以下、
図2を用いて、実施の形態2を説明する。
【0114】
[2-1.構成]
図2に示すように、水素生成装置200は、加熱部220と、蒸発部221と、改質器222と、CO低減器223と、燃焼筒230と、内筒231と、外筒232と、加熱部収納筒233と、第1隔壁234と、第2隔壁235と、水素含有ガス排出管236と、燃焼排ガス流路240と、リターン流路241と、連通口250と、を有する。
【0115】
加熱部220は、鉛直方向に中心軸を有する燃焼筒230の内周側に配置され、燃焼用空気が混合された可燃性ガスを燃焼して燃焼排ガスを排出するバーナと、バーナに可燃性ガスを供給するガス供給管と、バーナに燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給管と、を備えている。加熱部220のバーナは、下向きの炎を形成するように構成されている。
【0116】
可燃性ガスには、原料ガス(都市ガスやLPガス)を用いることができ、水素生成装置200が燃料電池発電装置に水素含有ガスを燃料ガスとして供給する場合は、燃料電池発電装置で利用されずに燃料電池発電装置から排出される燃料ガス(アノードオフガス)を用いることができる。
【0117】
燃焼筒230は、鉛直方向に中心軸を有し、加熱部220の外周を囲む円筒形で、加熱部220と同軸になるように配置されている。燃焼筒230は、燃焼筒230の内周側では、燃焼排ガスを鉛直方向の下方へ流し、燃焼筒230の外周側(内筒231および加熱部収納筒233とで構成される筒と、燃焼筒230との間に形成された燃焼排ガス流路240)では、燃焼排ガスを鉛直方向の上方へ流すための部材である。
【0118】
燃焼筒230の下端部は、改質器222の下端部と略同じ高さ、もしくは改質器222の下端部よりも鉛直方向の下方に位置する。また、燃焼筒230の下端部は、燃焼筒230と同軸になるように配置され燃焼筒230を囲む有底円筒形の加熱部収納筒233の底部よりも鉛直方向の上方に位置している。
【0119】
水素生成装置200は、加熱部220のバーナの燃焼で発生した燃焼排ガスが、燃焼筒230の内周面に沿って燃焼筒230の内周側を下方に流れた後に、加熱部収納筒233の底部と燃焼筒230の下端部との隙間を通って燃焼筒230の外周側に出て上方に折り返して、加熱部収納筒233を介して改質器222の改質触媒と熱交換しながら加熱部収納筒233の内周面に沿って加熱部収納筒233と燃焼筒230との間の燃焼排ガス流路240を上方に流れた後に、内筒231を介して蒸発部221の水および原料ガスと熱交換しながら内筒231の内周面に沿って内筒231と燃焼筒230との間の燃焼排ガス流路240を上方に流れて、内筒231における上部に外筒232を貫通するように設けられた燃焼排ガス出口管から、水素生成装置200の外部に排出されるように構成されている。
【0120】
内筒231は、鉛直方向に中心軸を有する略円筒形の金属部材であり、内径が燃焼筒230の外径よりも大きく、燃焼筒230の外周面を囲み、燃焼筒230と同軸になるように配置される。
【0121】
内筒231は、外筒232との間に、炭化水素を含む原料ガスと水とを螺旋状に流すために、弦巻ばね(コイルばね)のように螺旋状に曲げられた丸棒が配置されている。
【0122】
内筒231と燃焼筒230との間で螺旋状の丸棒が配置された箇所は、炭化水素を含む原料ガスと水とが内筒231から伝わる熱で加熱されながら通過する蒸発部221となっている。
【0123】
内筒231は、燃焼筒230との間に燃焼排ガス流路240を形成する。内筒231の下端近傍部において下方に向かうに従って内筒231の径が小さくなるように外周面が傾斜した部分は、燃焼排ガス流路240を、内筒231よりも下側に延長するように、加熱部収納筒233の上端近傍部において上方に向かうに従って加熱部収納筒233の径が大きくなるように内周面が傾斜した部分と密着している。
【0124】
加熱部収納筒233は、内径が燃焼筒230の外径よりも大きく、上端部が外筒232の下端部に接合され、外筒232の鉛直方向の下方で燃焼筒230の外周面を囲み、燃焼筒230と同軸となるように配置され、燃焼筒230を収納するように構成されている。
【0125】
加熱部収納筒233は、鉛直方向に中心軸を有し、外筒232と一体で構成される有底円筒形の金属部材であり、燃焼筒230を囲む円筒形の側面部と、内周端が側面部の上端部と接続され外周端が外筒232の下端部と接合される傾斜したドーナツ盤形状の上面部と、外周端が側面部の下端部と接続される底部とを有する。
【0126】
加熱部収納筒233の底部と燃焼筒230の下端部との間には、燃焼筒230の内周側を下方に流れた燃焼排ガスが、燃焼筒230の外周側へと通流する隙間がある。
【0127】
外筒232は、鉛直方向に中心軸を有する円筒形の金属部材であり、内筒231の外周面を囲み内筒231と同軸になるように配置されている。外筒232と内筒231との間には、螺旋状の流路が形成される。
【0128】
第2隔壁235は、内径が外筒232の外径よりも大きく、外筒232と同軸となるように配置され外筒232を囲む円筒形の側面部と、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒232の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部と、を有する金属部材である。
【0129】
第2隔壁235は、その側面部の下端部が、燃焼筒230の下端部と略同じ高さ、もしくは改質器222の下端部よりも鉛直方向の下方に位置し、そのドーナツ盤形状の上面部が連通口250よりも鉛直方向の上方に位置し、且つCO低減器223の下端よりも鉛直方向の下方に位置する。
【0130】
加熱部収納筒233と第2隔壁235との間は、原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一次水素含有ガス(一酸化炭素を含む水素含有ガス)を生成する改質触媒が充填されている。
【0131】
内筒231と外筒232との間で、螺旋状の流路が形成された箇所は、炭化水素を含む原料ガスと水とが内筒231を介して高温の燃焼排ガスから伝わる熱で加熱されながら通過する蒸発部221となっている。
【0132】
蒸発部221の下方で、加熱部収納筒233と第2隔壁235との間は、原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一次水素含有ガス(一酸化炭素を含む水素含有ガス)を生成する改質触媒が充填されて、改質器222となっている。
【0133】
蒸発部221の螺旋状の流路は、内筒231と外筒232との間に螺旋状の丸棒を配置して形成される。螺旋状の丸棒は、例えば、弦巻ばね(コイルばね)のように螺旋形状に曲げた丸棒を用いてもよい。弦巻ばね(コイルばね)のように螺旋形状に曲げた丸棒を、内筒231の外周面と外筒232の内周面とに密着するように設置することによって、蒸発部221の螺旋状の流路を形成することができる。
【0134】
蒸発部221の下部では、内筒231の下端近傍部分の拡管によって、内筒231の内周面に全周にわたって外周方向に凹んだ環状の溝(凹部)が形成されるとともに、内筒231の外周面における内周面の環状の溝(凹部)に対応する部分には全周にわたって外周方向に突出した環状の凸部が形成されて、その内筒231の外周面における環状の凸部が外筒232の内周面と全周にわたって密着して、蒸発部221の下部を閉塞している。
【0135】
内筒231の下端近傍部分の内周面の環状の溝(凹部)は、溝の鉛直方向の中央部が溝の最深部になっており、溝の最深部に向かうほど溝の鉛直方向の幅が狭くなっている。
【0136】
内筒231の下端近傍部分の内周面の環状の溝(凹部)は、溝の最深部から上方に向かうに従って内筒231の内径が小さくなり、溝の最深部から下方に向かうに従って内筒231の内径が小さくなる形状である。
【0137】
内筒231の下端近傍部分の外周面の環状の凸部は、外筒232の内周面と全周にわたって密着する部分から上方に向かうに従って内筒231の外径が小さくなり、外筒232の内周面と全周にわたって密着する部分から下方に向かうに従って内筒231の外径が小さくなる形状である。
【0138】
蒸発部221の下部は、内筒231の内周面と外周面とに、全周にわたって凸部と凹部とが表裏一体に形成されるように加工して、凹凸における外周方向に突出した凸部が外筒232の内周面と全周にわたって密着するようにして閉塞されるため、未蒸発の液水は蒸発部221の下部に滞留する。
【0139】
内筒231の下端近傍部分は、内周面に全周にわたって外周方向に凹んだ環状の凹部が形成され外周面に全周にわたって外周方向に突出した環状の凸部が形成されるように、内筒231の筒壁が全周にわたって外周方向に曲がっている。
【0140】
蒸発部221から原料ガスと水蒸気とを改質器222へ流出させるため、蒸発部221の下部に滞留する液水の水位よりも高い位置において外筒232の円周方向に複数の連通口250が設けられている。
【0141】
連通口が設けられる位置は、滞留する液水の水位を考慮し、内筒231の外周面の凸部が外筒232の内周面と全周にわたって密着し蒸発部221の下部を閉塞する位置から鉛直方向の上方に5mmの位置となるようにする。内筒231の外周面の凸部が外筒232の内周面と全周にわたって密着し蒸発部221の下部を閉塞する箇所は、気密に接合されている。
【0142】
蒸発部221の螺旋状の流路は、内筒231と外筒232との間に螺旋状の丸棒を配置する代わりに、内筒231の内周面と外周面とを、軸心方向(鉛直方向)に向かって螺旋状の凸部と凹部とが表裏一体に形成されるように加工して(内筒231の外周面に雄ネジのような凹凸を形成するとともに、内筒231の内周面に雌ネジのような凹凸を形成して)外周面の凹凸における外周方向に突出した凸部が外筒232の内周面に密着するように構成することによって、蒸発部221の螺旋状の流路を形成することができる。
【0143】
改質器222は、加熱部収納筒233と第2隔壁235との間に改質触媒を充填して形成され、加熱部収納筒233を介して伝わる熱で、原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成するように構成されている。改質器222に充填される改質触媒は、直径が2~3mmの粒状の白金系の触媒である。
【0144】
本実施の形態では、改質触媒に白金系の触媒を用いたが、改質触媒は白金系の触媒に限らず、改質器222に充填される改質触媒に、ロジウム系、ルテニウム系、ニッケル系の触媒を用いてもよい。
【0145】
改質触媒が充填された部分の直下には、充填された改質触媒が落下しないように、改質触媒を下から支持する改質触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成された通気構造でドーナツ盤形状の板が、加熱部収納筒233と第2隔壁235との間に配置されている。
【0146】
改質触媒が充填された部分の直上には、水素生成装置200の製造時に、製造途中の水素生成装置200の上下を逆にしても(水素生成装置200の使用時の重力方向の上下を反転させても)改質触媒が蒸発部221の方へ移動しないように、改質触媒を上から覆う改質触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成された通気構造でドーナツ盤形状の板が、加熱部収納筒233と第2隔壁235との間に配置されている。
【0147】
外筒232における螺旋状の流路が配置された箇所よりも上部には、蒸発部221に原料ガスと水とを供給する供給管が接続されている。
【0148】
第1隔壁234は、内径が第2隔壁235の外径よりも大きく、外筒232と第2隔壁235と同軸になるように配置され、外筒232と第2隔壁235との外周面を囲む有底円筒形の側面部と、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒232の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部とを有する金属部材である。
【0149】
第1隔壁234は、第2隔壁235との間にリターン流路241を形成し、第2隔壁235よりも上方に位置する外筒232との間に一酸化炭素低減触媒が充填されたCO低減器223を構成する。第1隔壁234の底部と第2隔壁235の下端部との間に一次水素含有ガスが通流する隙間がある。
【0150】
第1隔壁234の底部は加熱部収納筒233の底部よりも大きく、第1隔壁234は外筒232と第2隔壁235と加熱部収納筒233とを収納するように構成されている。
【0151】
第1隔壁234と外筒232との間で蒸発部221の外周側に隣接する部分は、改質器222から流出した一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を化学反応で低減して二次水素含有ガスを生成する一酸化炭素低減触媒が充填されたCO低減器223となっている。
【0152】
CO低減器223に充填される一酸化炭素低減触媒は、直径が2~3mmの粒状のCu-Zn系の触媒である。本実施の形態では、一酸化炭素低減触媒にCu-Zn系の触媒を用いたが、一酸化炭素低減触媒はCu-Zn系の触媒に限らず、CO低減器223に充填される一酸化炭素低減触媒に、Ru系の触媒を用いてもよい。
【0153】
一酸化炭素低減触媒が充填された部分の直下には、充填された一酸化炭素低減触媒が落下しないように、一酸化炭素低減触媒を下から支持する一酸化炭素低減触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成された通気構造でドーナツ盤形状の板が、外筒232と第1隔壁234との間に配置されている。
【0154】
一酸化炭素低減触媒が充填された部分の直上には、水素生成装置200の製造時に、製造途中の水素生成装置200の上下を逆にしても(水素生成装置200の使用時の重力方向の上下を反転させても)一酸化炭素低減触媒が流出しないように、一酸化炭素低減触媒を上から覆う一酸化炭素低減触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成され
た通気構造でドーナツ盤形状の板が、外筒232と第1隔壁234との間に配置されている。
【0155】
リターン流路241は、第1隔壁234と第2隔壁235との間、且つCO低減器223よりも鉛直方向の下方に形成され、改質器222から流出した一次水素含有ガスを上方に流すように構成されている。
【0156】
水素含有ガス排出管236は、第1隔壁234の側面部におけるCO低減器223よりも鉛直方向の上方に設けられ、CO低減器223から流出した二次水素含有ガスを外部へ排出するように構成されている。
【0157】
[2-2.動作]
以上のように構成された水素生成装置200において、以下、その動作、作用を説明する。
【0158】
加熱部220は、可燃性ガスを燃焼して燃焼排ガスを排出する。加熱部220が可燃性ガスを燃焼することで、その熱が改質器222に伝搬する。これにより、改質器222を所望の温度に引き上げることができる。
【0159】
蒸発部221には都市ガスなどの原料ガスと液体の水とが供給され、螺旋状の流路を通過する過程で内筒231を介して伝わる熱で水が蒸発し、原料ガスと水蒸気との混合ガスとなる。
【0160】
このとき、蒸発部221に供給される原料ガスの量と水の量とが、螺旋状の流路で蒸発する水の量に対して、多いために、未蒸発の液水が残る場合でも、液水は蒸発部221の下部に滞留し、原料ガスと水蒸気とのみが連通口250を経由し蒸発部221から流出するため、液水の改質器222への浸入は抑制される。
【0161】
また、蒸発部221の下部に滞留する液水は、液水の側面の内筒231に加え、鉛直方向の下に位置する凸部を介して燃焼排ガス流路と隣接するため、高温の燃焼排ガスから液水への伝熱面積を大きくすることができ、滞留する液水を十分に蒸発させ、滞留する液水の水位を低くすることができる。
【0162】
これにより、蒸発部221の全長が短くとも、滞留する液水の水位は連通口250の高さまで上昇せず、液水の連通口250からの流出は抑制される。
【0163】
本実施の形態では、原料ガスとして、脱硫後のメタンを主成分とする都市ガスを使用する。また、蒸発部221へ供給する水の量については、原料ガス平均組成の炭素原子の3倍量となる酸素分子を含むように、水の量を設定する。
【0164】
本実施の形態では、メタンを主成分とする都市ガスを原料ガスとして用いる構成とするため、供給する1モルのメタンに対して3モルの水蒸気が存在するために必要な水の量を蒸発部221に供給する。すなわち、スチームカーボン比(S/C比)が3となる水の量を蒸発部221に供給する。
【0165】
水素生成装置200は、多重円筒構造であるため、改質器222も略ドーナツ状の形状(中心に孔が空いた円柱形状)をしており、その上面の全周から原料ガスと水蒸気との混合ガスが改質器222に流入する。
【0166】
改質器222に流入した原料ガスと水蒸気との混合ガスは、加熱部220の熱によって
600℃に温められ、且つ改質触媒によって一酸化炭素を含む一次水素含有ガスに改質される。このとき、(化1)に示すようにメタンと水から水素と二酸化炭素を生成する反応と、(化2)に示すようにメタンと水から水素と一酸化炭素を生成する反応が起こっている。
【0167】
ただし、600℃は典型的な温度であって、反応による改質器222内の温度は、改質器222の構造や材質、大きさにも依存して変わる。例えば、400℃~650℃の範囲で変動し得る。
【0168】
一次水素含有ガスは、改質器222からリターン流路241に流入する。リターン流路241はドーナツ状の形状をしており、リターン流路241の全周を伝って、一次水素含有ガスが軸心方向の上方に流れ、CO低減器223に供給される。CO低減器223もドーナツ状の形状をしており、その下面の全周から一次水素含有ガスがCO低減器223に流入する。
【0169】
CO低減器223は、一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を低減して二次水素含有ガスとして排出する。詳細には、一酸化炭素低減触媒で起こる(化3)に示す変成反応によって、一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気を反応させて二酸化炭素と水素を生成し、一酸化炭素の濃度が0.1~0.2%程度となるまで一酸化炭素を低減している。
【0170】
このとき変成反応によって発生する熱の一部は、外筒232を介して蒸発部221へ移動することで、CO低減器223は化学反応に適した温度である250℃が維持される。
【0171】
ただし、250℃は典型的な温度であって、反応によるCO低減器223内の温度は、CO低減器223の構造や材質、大きさにも依存して変わる。例えば200℃~300℃の範囲で変動し得る。
【0172】
CO低減器223から排出された二次水素含有ガスは、水素含有ガス排出管236から水素生成装置200の外部に排出された後に、燃料電池発電装置などの水素利用機器に供給される。
【0173】
加熱部220のバーナの燃焼で発生した燃焼排ガスは、燃焼筒230の内周面に沿って燃焼筒230の内周側を下方に流れた後に、加熱部収納筒233の底部と燃焼筒230の下端部との隙間を通って燃焼筒230の外周側に出た後に上方に折り返して、燃焼筒230と加熱部収納筒233との間の燃焼排ガス流路240を通流するときに、改質器222と熱交換し、その後、燃焼筒230と内筒231との間の燃焼排ガス流路240を通流するときに、蒸発部221と熱交換して、内筒231における上部に設けられた燃焼排ガス出口管から水素生成装置200の外部に排出される。
【0174】
[2-3.効果]
以上のように、本実施の形態における水素生成装置200は、加熱部220と、蒸発部221と、改質器222と、燃焼筒230と、内筒231と、外筒232と、加熱部収納筒233と、第1隔壁234と、燃焼排ガス流路240と、連通口250と、を有している。
【0175】
加熱部220は、可燃性ガスを燃焼して燃焼排ガスを排出するように構成されている。燃焼筒230は、鉛直方向に中心軸を有し、加熱部220の外周を囲むように構成されている。内筒231は、鉛直方向に中心軸を有する筒形で、燃焼筒230の外周を囲むように構成されている。外筒232は、鉛直方向に中心軸を有する筒形で、内筒231の外周
を囲むように構成されている。
【0176】
加熱部収納筒233は、鉛直方向に中心軸を有する有底筒形で、上端部が外筒232の下端部に接合され、燃焼筒230を収納するように構成されている。第1隔壁234は、鉛直方向に中心軸を有する有底筒形で、内筒231と外筒232と加熱部収納筒233とを収納するように構成されている。
【0177】
燃焼排ガス流路240は、内筒231および加熱部収納筒233とで構成される筒と、燃焼筒230との間に形成され、上方に燃焼排ガスを流すように構成されている。
【0178】
蒸発部221は、内筒231と外筒232との間に形成され、内筒231を介して伝わる熱で、原料ガスと水とを加熱して、水を蒸発させ、且つ未蒸発の液水が下部で滞留するように構成されている。
【0179】
改質器222は、蒸発部221の下方に改質触媒を充填して形成され、加熱部収納筒233を介して伝わる熱で、原料ガスと水蒸気との混合ガスから、改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを、生成するように構成されている。
【0180】
連通口250は、蒸発部221の下部で蒸発せずに滞留する液水の水位よりも高い位置において、外筒232の円周方向に複数形成され、蒸発部221から原料ガスと水蒸気とを、改質器222へ流出させるように構成されている。
【0181】
内筒231の下端近傍部分は、内周面に全周にわたって外周方向に凹んだ環状の凹部が形成され外周面に全周にわたって外周方向に突出した環状の凸部が形成されるように、内筒231の筒壁が全周にわたって外周方向に曲がっており、未蒸発の液水が蒸発部221の下部で滞留するように、内筒231の外周面の凸部が外筒232の内周面と全周にわたって密着している。
【0182】
上記構成において、蒸発部221の下部に滞留する液水が、内筒231における鉛直方向に平行な液水の内周側に隣接する側壁部に加え、鉛直方向に対して傾斜して液水の下側に隣接する凸部を介して燃焼排ガス流路240と隣接する構造とすることで、断面がL字状で且つ環状の部材を内筒の外周面に設けた従来の構成と比較して、液水の滞留量に対して高温の燃焼排ガスから液水への伝熱面積が広くなっているので、従来よりも液水の蒸発が促進されて、蒸発部221の全長(鉛直方向の長さ)を従来よりも短くしても液水を十分に蒸発させることができる。
【0183】
これにより、改質器222へ液水が浸入することで発生する改質触媒の劣化を抑制しつつ、水素生成装置200の鉛直方向の全長を短縮することができる。そして、水素生成装置200の全長を短くすると、水素生成装置200の外周面を覆う断熱材や水素生成装置200を収納する筐体が小さくなるので、水素生成装置200の材料費を低減できる。
【0184】
また、本実施の形態において、水素生成装置200は、CO低減器223と、第2隔壁235と、水素含有ガス排出管236と、リターン流路241と、を備えるようにしてもよい。
【0185】
CO低減器223は、第1隔壁234と外筒232との間で、蒸発部221の外周側に隣接する部分に一酸化炭素低減触媒を充填して形成され、改質器222から流出した一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を化学反応で低減して二次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
【0186】
第2隔壁235は、外筒232の外径より大きい内径を有する側面部と、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒232の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部と、を有し、改質器222は、加熱部収納筒233と第2隔壁235との間に、改質触媒を充填して形成される。
【0187】
リターン流路241は、第1隔壁234と第2隔壁235との間に形成され、改質器222から流出した一次水素含有ガスを上方に(CO低減器223に)流すように構成されている。
【0188】
水素含有ガス排出管236は、第1隔壁234に設けられ、二次水素含有ガスを外部へ排出するように構成されている。
【0189】
これにより、改質器222は加熱部220から周方向均一に伝熱され、効率よく改質反応を行わせることができる。さらに、改質器222において生成された一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を、CO低減器223において化学反応(変成反応)で低減できる。
【0190】
そのため、水素生成装置200が燃料電池発電装置へ燃料ガスを供給する場合は、CO低減器223によって一酸化炭素濃度が低減された水素含有ガスを燃料電池発電装置へ燃料ガスとして供給できるため、一酸化炭素による燃料電池発電装置の性能低下を抑制できる。
【0191】
また、水素生成装置200の鉛直方向の全長を長くすることなく、改質器222の改質触媒を改質触媒に適した温度にするとともに、CO低減器223の一酸化炭素低減触媒を化学反応(変成反応)に適した温度にすることが可能になる。
【0192】
また、本実施の形態において、水素生成装置200は、外筒232と加熱部収納筒233とを一体で構成してもよい。
【0193】
これにより、蒸発部221の下部に滞留する液水が、内筒231の外周面の凸部と外筒232の内周面とが全周にわたって密着する箇所を通り抜けて、蒸発部221から流出したとしても、その密着する箇所を通り抜ける液水の量は、蒸発部221の下部に滞留して蒸発する液水の量に比べて僅かであり、その密着する箇所を通り抜けた液水は、燃焼排ガス流路240に浸入して蒸発する。
【0194】
そのため、蒸発部221の下部に滞留する液水が、内筒231の外周面の凸部と外筒232の内周面とが全周にわたって密着する箇所を通り抜けて、改質器222へ浸入することを抑制できる。そのため、改質器222へ液水が浸入することで発生する改質触媒の劣化を抑制できる。
【0195】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および実施の形態2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1および実施の形態2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0196】
そこで、以下、
図3を用いて、他の実施の形態を例示する。
【0197】
実施の形態1および実施の形態2では、一酸化炭素の濃度を低減する手段の一例として
CO低減器123,223を備える構成を説明した。
【0198】
図3のように、水素生成装置300は、一酸化炭素の濃度をさらに低減する手段の一例として、CO除去器360と、空気混合筒362と、空気供給管363と、区画部材364と、第1流路365と、第2流路366と、ヘッダー流路367と、第2流路入口368と、吹き出し穴369と、水素含有ガス排出管336とを設けてもよい。
【0199】
CO除去器360は、第1隔壁134と外筒132との間で、CO低減器123の上方で、一酸化炭素除去触媒を充填して形成され、CO低減器123から流出した二次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を化学反応でさらに低減して、三次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
【0200】
CO除去器360に充填される一酸化炭素除去触媒は、直径が2~3mmの粒状のRu系の触媒である。
【0201】
一酸化炭素低減触媒が充填された部分の直下には、充填された一酸化炭素除去触媒が落下しないように、一酸化炭素除去触媒を下から支持する一酸化炭素除去触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成された通気構造でドーナツ盤形状の板が、外筒132と第1隔壁134との間に配置されている。
【0202】
一酸化炭素除去触媒が充填された部分の直上には、水素生成装置300の製造時に、製造途中の水素生成装置300の上下を逆にしても(水素生成装置300の使用時の重力方向の上下を反転させても)一酸化炭素除去触媒が流出しないように、一酸化炭素除去触媒を上から覆う一酸化炭素除去触媒の粒子径よりも小さい直径が1mmの通気孔が形成された通気構造でドーナツ盤形状の板が、外筒132と第1隔壁134との間に配置されている。
【0203】
空気混合筒362は、側面部と上面部と下面部とを有する金属部材であり、CO低減器123とCO除去器360と第1隔壁134と外筒132とで囲まれた空間を、内周側空間である第2流路366と外周側空間とに区画するように構成されている。
【0204】
空気混合筒362の側面部は、円筒形で、内径が外筒132の外径よりも大きく、外径が第1隔壁134の内径よりも小さく、外筒132と同軸となるように配置され外筒132を囲むように構成されている。
【0205】
空気混合筒362の上面部は、傾斜したドーナツ盤形状で、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒132の外周面に接合されるように構成されている。 空気混合筒362の下面部は、ドーナツ盤形状で、外周端が側面部の下端部に接続され内周端が外筒132の外周面に接合されるように構成されている。
【0206】
区画部材364は、内周側端部が空気混合筒362の側面部に接合され、外周側端部が第1隔壁134に接合されるドーナツ盤形状の金属部材であり、外周側空間を外周側上部空間であるヘッダー流路367と外周側下部空間である第1流路365とに区画するように構成されている。
【0207】
空気供給管363は、第1隔壁134の側面部におけるCO低減器123よりも鉛直方向の上方、且つCO除去器360よりも鉛直方向の下方に設けられ、第1流路365に空気を供給するように構成されている。
【0208】
第2流路入口368は、空気混合筒362の側面部における燃焼筒130を挟んで空気
供給管363の先端と対向する位置で第1流路365の空気と混合された二次水素含有ガスを第2流路366に流入させるように構成されている。
【0209】
吹き出し穴369は、空気混合筒362の上面部に円周方向に複数設けられ第2流路366の空気と混合された二次水素含有ガスをヘッダー流路367に流出させるように構成されている。
【0210】
水素含有ガス排出管336は、第1隔壁134の側面部におけるCO除去器360よりも鉛直方向の上方に設けられ、CO除去器360から流出した三次水素含有ガスを外部へ排出するように構成されている。
【0211】
CO低減器123から排出された二次水素含有ガスは第1流路365に流入する。第1流路365はドーナツ状の形状をしており、空気供給管363を介して注入された空気と二次水素含有ガスとが、第1流路365の周方向に流れ混合される。
【0212】
空気と混合された二次水素含有ガスは、第2流路入口368を介して第2流路366に流入する。
【0213】
第2流路366もドーナツ状の形状をしており、空気と混合された二次水素含有ガスは第2流路366の周方向に流れる。その後、第2流路366から吹き出し穴369を介してヘッダー流路367に排出される。
【0214】
ヘッダー流路367とCO除去器360とはともにドーナツ状の形状をしており、空気と混合された二次水素含有ガスは、ヘッダー流路367の全周からCO除去器360に流入する。
【0215】
CO除去器360は、二次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素をさらに低減して三次水素含有ガスとして排出する。詳細には、一酸化炭素除去触媒で起こる(化4)に示す選択酸化反応によって一酸化炭素と酸素から二酸化炭素が、(化5)に示すように水素と酸素から水が生成され、一酸化炭素の濃度を数ppm程度にまで低減している。
【0216】
このとき(化4)と(化5)とに示す反応によって発生する熱の一部は、外筒132を介して蒸発部121へ移動することで、CO除去器360は化学反応に適した温度である150℃が維持される。
【0217】
ただし、150℃は典型的な温度であって、反応によるCO除去器360内の温度は、CO除去器360の構造や材質、大きさにも依存して変わる。例えば、100℃~180℃の範囲で変動し得る。
【0218】
【0219】
【化5】
CO除去器360から排出された三次水素含有ガスは、水素含有ガス排出管336から水素生成装置300の外部に排出された後に、燃料電池発電装置などの水素利用機器に供
給される。
【0220】
これにより、CO除去器360によって、水素生成装置300から供給される三次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を実施の形態1の水素生成装置100よりもさらに低減することができる。そのため、一酸化炭素による燃料電池発電装置の性能低下を抑制し、信頼性の高い水素生成装置300を提供することができる。
【0221】
実施の形態1および実施の形態2では、改質器122,222への液水の浸入を抑制する手段の一例として、下部が閉塞された蒸発部121,222を備える構成を説明した。
【0222】
図3のように、水素生成装置300は、改質器122,222への液水の浸入を抑制する手段の一例として、水受け筒361を設けてもよい。
【0223】
水受け筒361は、内径が外筒132の外径よりも大きく、外径が第2隔壁135の内径よりも小さく、外筒132と同軸となるように配置され外筒132を囲む円筒形の側面部と、外周端が側面部の下端部に接続され、内周端が内筒131の外周面の凸部と外筒132の内周面とが全面にわたって密着し蒸発部121の下部を閉塞する箇所に気密に接合される傾斜したドーナツ盤形状の下面部と、を有する金属部材である。
【0224】
水受け筒361の側面部の上端部は、第2隔壁135の上面部の鉛直方向の下方、且つ連通口150の鉛直方向の上方に位置するように構成され、第2隔壁135の上面部と水受け筒361の上端部との間に原料ガスと水蒸気との混合ガスが通流する隙間がある。
【0225】
蒸発部121に供給される原料ガスの量と水の量とが、蒸発部121で蒸発する水の量に対して、多いために、蒸発部121の下部に滞留する液水の水位が連通口150の高さまで上昇し、液水が連通口150から流出する場合においても、水受け筒361の側面部と水受け筒361の下面部と外筒132の側面とで囲まれる空間に液水が滞留する。
【0226】
連通口150から流出した原料ガスと水蒸気との混合ガスは、水受け筒361の側面部の内周面に沿って上方に流れた後に、第2隔壁135の上面部と水受け筒361の上端部との間の隙間を通って下方に折り返して、第2隔壁135と水受け筒361との間を流れて、改質器122に流入する。
【0227】
これにより、蒸発部121に供給される原料ガスの量と水の量とが、蒸発部121で蒸発する水の量に対して、多いために、液水が連通口150から蒸発部121の外に流出する場合においても、連通口150から蒸発部121の外に流出した液水が、水受け筒361の側面部と水受け筒361の下面部と外筒132の側面とで囲まれる空間に滞留するため、液水の改質器122への浸入は抑制される。そのため、改質器122へ液水が浸入することで発生する改質触媒の劣化を抑制できる。
【0228】
また、原料ガスと水蒸気との混合ガスが連通口150から流出した後に、改質器122に流入するまでの経路を水素生成装置100よりも長くとることができる。そのため、混合ガスが経路を通過する過程で濃度拡散による混合が促進されることで原料ガスと水蒸気とが均一に混合され改質器122に流入するので、効率よく改質反応を行わせることができる。
【0229】
また、内筒131の外周面の凸部と外筒132の内周面とが全面にわたって密着し蒸発部121の下部を閉塞し気密に接合する工程と、水受け筒361の下面部の下端部を気密に接合する工程とを同一にできるように構成されているため、水受け筒361の接合を簡便に行うことが出来、製造コストを低減できる。
【0230】
実施の形態1および実施の形態2では、加熱部120,220と燃焼筒130,230の形状が円筒形であったが、改質器122,222を加熱できれば、加熱部120,220と燃焼筒130,230の形状は円筒形に限定されない。ただし、加熱部120,220と燃焼筒130,230の形状を円筒形にすれば、その周の外に設けられた円筒形の改質器122,222に均等に熱を分配することができる。
【0231】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0232】
本開示は、触媒へガスのみ供給し液体の浸入を抑制する必要がある容器に適用可能である。具体的には、一酸化炭素濃度が低い水素含有ガスを生成する水素生成装置や、不純物を除いてから水素ガスを供給する燃料電池発電装置や水素精製システムなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0233】
100,200,300 水素生成装置
120,220 加熱部
121,221 蒸発部
122,222 改質器
123,223 CO低減器
130,230 燃焼筒
131,231 内筒
132,232 外筒
133,233 加熱部収納筒
134,234 第1隔壁
135,235 第2隔壁
136,236,336 水素含有ガス排出管
140,240 燃焼排ガス流路
141,241 リターン流路
150,250 連通口
360 CO除去器
361 水受け筒
362 空気混合筒
363 空気供給管
365 第1流路
366 第2流路
367 ヘッダー流路
368 第2流路入口
369 吹き出し穴